Brake actuator and a mass momentum and energy accumulator

申请号 JP2002551419 申请日 2001-12-13 公开(公告)号 JP4115276B2 公开(公告)日 2008-07-09
申请人 クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア シーネンファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングKnorr−Bremse Systeme fuer Schienenfahrzeuge GmbH; 发明人 フリーゼン ウルフ; シュタルトマイアー ヨーゼフ; クルーク リタ;
摘要
权利要求
  • レール車両ブレーキに用いられるブレーキアクチュエータであって、エネルギ蓄え式ブレーキユニットが設けられていて、該エネルギ蓄え式ブレーキユニットが、有利には安全ブレー キまたはパーキングブレーキの場合にブレーキを緊締作動させるためのエネルギを蓄えかつ放出するためのエネルギ蓄え器(10)と、該エネルギ蓄え器(10)をロックしかつロック解除するためのロック装置(90)とを備えており、該ロック装置(90)のロック解除後に、エネルギ蓄え器(10)から放出されるエネルギの一部によって、はずみ質量体(118)が減衰目的のために回転運動にもたらされるようになっている形式のものにおいて、はずみ質量体(118)が、質量慣性を発生させるためにのみ働く少なくとも1つの独立した別体のはずみエレメント(98)を有していることを特徴とするブレーキアクチュエータ。
  • ロック装置(90)がロックされた状態で、エネルギ蓄え器(10)により形成された 力が 、はずみ質量体(118)の少なくとも一部を介して当該ブレーキアクチュエータ(1)のハウジング(3)内に導入可能であり、かつ該ハウジング(3)で支持可能である、請求項1記載のブレーキアクチュエータ。
  • エネルギ蓄え器(10)とはずみ質量体(118)との間に、3.0〜8.0の範囲内の変速比を有する変速伝動装置(76,96)が接続されている、請求項2記載のブレーキアクチュエータ。
  • はずみ質量体(118)がエネルギ蓄え器(10)にスリップクラッチ(74)によって解離可能に連結されており、ただし該スリップクラッチ(74)は、ブレーキ位置の達成後にはずみ質量体(118)がエネルギ蓄え器(10)から連結解除されるように設計されている、請求項3記載のブレーキアクチュエータ。
  • はずみエレメントがはずみディスク(98)により形成されており、はずみ質量体(118)が、さらにロック装置(90)のハウジング(92)内に回転可能に支承された軸(94)と、傘歯車(96)とを有しており、前記軸(94)の一方の端部に前記はずみディスク(98)が配置されており、前記軸(94)の他方の端部に前記傘歯車(96)が配置されており、該傘歯車(96)が、該傘歯車(96)に対して直角に配置された傘形環状歯車(76)と共に変速伝動装置を形成している、請求項4記載のブレーキアクチュエータ。
  • 前記傘形環状歯車(76)が前記スリップクラッチ(74)によって、同軸的なロックナット(72)と相対回動不能に連結可能であり、該ロックナット(72)が、非緩み止め式のねじ山(88)によって、ブレーキ緊締作動方向に線状に移動可能なブレーキ操作機構(20)に沿ってねじ込み可能であり、該ブレーキ操作機構(20)にエネルギ蓄え器(10)が作用している、請求項5記載のブレーキアクチュエータ。
  • 前記スリップクラッチ(74)が、前記傘形環状歯車(76)と前記ロックナット(72)とに設けられた、軸方向のばねプリロードに基づいて相対回動不能に噛み合った状態に保持された軸方向端面歯列(78)により形成されている、請求項6記載のブレーキアクチュエータ。
  • エネルギ蓄え器が少なくとも1つのコイルばね(10)を有しており、該コイルばね(10)が、一方では当該ブレーキアクチュエータ(1)のハウジング(3)に支持されていて、他方ではブレーキ操作機構(20)に支持されている、請求項7記載のブレーキアクチュエータ。
  • 前記ブレーキ操作機構がスリーブ(20)を有しており、該スリーブ(20)の外周面に前記非緩み止め式のねじ山(88)が形成されている、請求項8記載のブレーキアクチュエータ。
  • はずみ質量体(118)の軸(94)が、前記コイルばね(10)の軸方向に対してほぼ直角に延びている、請求項9記載のブレーキアクチュエータ。
  • 前記ロック装置(90)がブレーキ(116)を有しており、該ブレーキ(116)が、 はずみ質量体(118)に作用している 、請求項10記載のブレーキアクチュエータ。
  • 前記ブレーキが、電磁式に操作可能な電磁式歯ブレーキ(116)により形成されており、該電磁式歯ブレーキ(116)が、前記はずみディスク(98)により軸方向移動可能に保持されかつ少なくとも1つの圧縮ばね(110)によりブレーキ解除位置に押圧されたリング(104)を有しており、該リング(104)に歯冠(108)が設けられており、該歯冠(108)が、少なくとも1つの電磁コイル(112,112′)の通電により、前記圧縮ばね(110)の作用に抗して、当該ブレーキアクチュエータ(1)のハウジング(3)に支持された別の歯冠(108′)と噛合い可能である、請求項11記載のブレーキアクチュエータ。
  • 前記リング(104)が前記軸(94)に対して同軸的に配置されていて、前記はずみディスク(98)に設けられた軸方向の環状切欠き(102)内に、前記はずみディスク(98)から軸方向の延びるピン(106)に沿って摺動可能に収容されている、請求項12記載のブレーキアクチュエータ。
  • 说明书全文

    【0001】
    背景技術本発明は、請求項1の上位概念部に記載の形式の、特にレール車両ブレーキに用いられるブレーキアクチュエータに関する。
    【0002】
    現在、レール車両分野では主として3種類のホイールブレーキシステムが使用されている。 すなわち、ニューマチック(空)式またはエレクトロニューマチック(電気空力)式のブレーキシステム、ハイドロリック(液力)式またはエレクトロハイドロリック(電気液力)式のブレーキシステムならびにメカニカル(機械)式またはエレクトロメカニカル(電気機械)式のブレーキシステムが使用されている。 この場合、ブレーキアクチュエータの力がブレーキ導入のために付与されなければならない(アクティブなブレーキシステム)のか、またはブレーキ解除のために付与されなければならない(パッシブなブレーキシステム)のかに応じて、ホイールブレーキシステムはアクティブなブレーキシステムまたはパッシブなブレーキシステムとして構成されている。 運転故障の場合を考慮して、ニューマチック式のブレーキシステムでは圧縮空気タンクにおけるエネルギ蓄えが行われ、ハイドロリック式のブレーキシステムではハイドロタンクにおけるエネルギ蓄えが行われ、エレクトロメカニカル式のブレーキシステムでは蓄えばねの形でエネルギ蓄えが行われる。
    【0003】
    公知先行技術に基づき、常用ブレーキユニットと、エネルギ蓄え器を備えたエネルギ蓄え式ブレーキユニットとを有するエレクトロメカニカル式のレール車両ブレーキが知られている。 常用ブレーキユニットは、たとえば電動モータ式の駆動装置の形のブレーキ緊締作動および/またはブレーキ解除のためのブレーキ力発生器を有している。 エネルギ蓄え式ブレーキユニットは、常用ブレーキユニットの故障時における下位の安全レベルの意味での運転上の非常ブレーキおよび/またはパーキングブレーキまたは留置ブレーキ(Feststellbremse)としてブレーキを緊締作動させるためのエネルギを蓄えかつ放出するための少なくとも1つのエネルギ蓄え器を有している。 エネルギ蓄え式ブレーキユニットは一般にばねエネルギ蓄え式ブレーキとして形成されている。 力変換器により、ブレーキ力発生器および/またはエネルギ蓄え器から送出されたエネルギがブレーキ緊締作動運動へ変換される。 力変換器は、たとえば電動モータ式の駆動装置により作動されるブレーキスピンドルを有している。
    【0004】
    パーキングブレーキまたは非常ブレーキの場合にばねエネルギ蓄え式ブレーキが起動されると、蓄えばねに蓄えられた位置エネルギもしくはポテンシャルエネルギが衝撃的に放出されて、力変換器の各エレメントの高い運動エネルギに変換される。 これらのエレメントはブレーキ位置の達成後にやはり衝撃的に減速される。 この場合、ブレーキシステムは大きな力にさらされており、このように大きな力は早期の摩耗または損傷を招いてしまう恐れがある。
    【0005】
    本発明の課題は、冒頭で述べた形式のブレーキアクチュエータを改良して、エネルギ蓄え式ブレーキユニットの起動時に生ぜしめられる負荷が減じられると同時に、高いブレーキ作用も得られるようなブレーキアクチュエータを提供することである。 さらに、この目的は僅かな構成手間しか伴わず、かつスペース節約的に実現可能となることが望まれる。
    【0006】
    この課題は、本発明によれば請求項1の特徴部に記載の特徴により解決される。
    【0007】
    発明の利点エネルギ蓄え式ブレーキの起動時に衝撃的に放出される位置エネルギの大部分がはずみ質量体の回転エネルギに変換されるので、残りの運動エネルギは減少する。 この運動エネルギによって力変換器のエレメントをブレーキ緊締作動方向へ加速させることができる。 したがって、ブレーキシステムに作用する衝撃負荷は減じられ、これによりブレーキシステムの寿命や信頼性が向上する。 はずみ質量体は、場合によっては既に存在する、エネルギ蓄え式ブレーキユニットをロックするためにしか働かない回転体に対して付加的に設けられており、これらの回転体はロック装置の解除後に同じく回転する。 はずみ質量体は特に、ロック装置の解除時に衝撃的に行われるエネルギ放出を著しく減衰するために十分となる質量慣性モーメントを有している。 著しいエネルギ消耗を発生させるために比較的長い加速区間を必要とする、線状に運動されるはずみ質量体に比べて、回転式のはずみ質量体のためには僅かな構成スペースしか必要とならない。 さらに、オイル圧ショックアブソーバまたはガス圧ショックアブソーバとは異なり、回転はずみ質量体は温度とは無関係に使用可能である。
    【0008】
    請求項2以下に記載の構成により、請求項1に記載のブレーキアクチュエータの有利な改良が可能になる。
    【0009】
    本発明の特に有利な構成では、ロック装置がロックされた状態で、エネルギ蓄え器により形成された力および/またはモーメントが、はずみ質量体の少なくとも一部を介して当該ブレーキアクチュエータのハウジング内に導入可能であり、かつ該ハウジングで支持可能である。 したがって、はずみ質量体はロック装置の構成要素を成していて、ロック装置の力伝達経路に組み込まれている。 これによって、はずみ質量体は二重機能を満たす。 この場合、はずみ質量体は過剰エネルギを減少させるために働くと同時に、ロックエレメントとしても働き、これにより特にスペース節約的でかつ軽量の構造が得られる。
    【0010】
    本発明の別の有利な構成では、エネルギ蓄え器とはずみ質量体との間に、有利には大きな変速比を有する変速伝動装置が接続されている。 これにより、ロックエレメントとしても働くはずみ質量体をロックするために解除位置で加えられなければならない力は減じられる。 はずみ質量体が、たとえば電磁的な保持力によりロックされる場合には、小さな磁力を有する電磁コイルで十分となる。 これにより、ブレーキアクチュエータの電流消費および加熱が低下する。 それと同時に、大きな変速比に基づき、回転エネルギに二乗に関与するはずみ質量体の回転数も増大するので、エネルギ蓄え式ブレーキユニットの起動時に高い減衰度が与えられている。
    【0011】
    はずみ質量体がエネルギ蓄え器にスリップクラッチによって解離可能に連結されていると有利である。 この場合、スリップクラッチは、ブレーキ位置の達成後にはずみ質量体がエネルギ蓄え器から連結解除されるように設計されている。 ブレーキ位置の達成後にはずみ質量体が引き続き回転するようにはずみ質量と支承摩擦とが設定されていると、このような手段により、はずみ質量体に蓄えられた回転エネルギを徐々に減少させてゆくことができる。 このことはブレーキアクチュエータの寿命にとって好都合となる。
    【0012】
    以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
    【0013】
    実施例の説明図1には、本発明によるブレーキアクチュエータの有利な実施例が示されている。 ブレーキアクチュエータは全体を符号1で示されていて、解除位置で図示されている。 このブレーキアクチュエータ1はレール車両のエレクトロメカニカル式のブレーキ緊締作動装置2の駆動ユニットとして働く。 ブレーキアクチュエータ1は、ほぼ中空円筒状のアクチュエータハウジング3を有している。 このアクチュエータハウジング3は一方の軸方向端部に向かってカバー区分4によって閉鎖される。 このカバー区分4は端部側の開口6を有している。 カバー区分4を起点として、アクチュエータハウジング3はほぼ二重壁に形成されており、この場合、内側の壁7と外側の壁8との間の空間には、内側の蓄えばね10と、この内側の蓄えばね10に対して同軸的な外側の蓄えばね12とが配置されている。 外側の蓄えばね12は内側の蓄えばね10を取り囲んでいる。
    【0014】
    内側の蓄えばね10および外側の蓄えばね12は、有利にはコイルばねとして形成されていて、それぞれその一方の端部でアクチュエータハウジング3に支持されている。 外側の蓄えばね12の他方の端部は外側のスライドスリーブ16に設けられた環状つば14に支持されており、内側の蓄えばね10の他方の端部は内側のスライドスリーブ20に設けられた環状つば18に支持されており、この場合、内側のスライドスリーブ20は外側のスライドスリーブ16とアクチュエータハウジング3の内側の壁7との間に配置されている。 さらに、内側のスライドスリーブ20と外側のスライドスリーブ16とは軸方向で互いに接したまま摺動可能に案内されていて、内側のスライドスリーブ20はアクチュエータハウジング3の内側の壁7の、半径方向内側の周面に接したまま摺動可能に案内されており、この場合、外側のスライドスリーブ16は解除位置において、内側のスライドスリーブ20に設けられた軸方向のストッパ22に当接する。 さらに、外側のスライドスリーブ16の環状つば14は軸方向と半径方向とで内側のスライドスリーブ20の環状つば18を超えて突出している。
    【0015】
    カバー区分4には、両蓄えばね10,12とは反対の側で、四象限運転で運転可能なスイッチトリラクタンスモータ(switched reluctance motor)24(以降、「SRモータ」と呼ぶ)が収容されている。 このSRモータ24は半径方向外側のハウジング固定のステータ30を有しており、このステータ30はロータ32を取り囲んでいる。 このロータ32は保持ブレーキ34、有利には永久磁石ブレーキによって制動可能である。 この保持ブレーキ34は無電流状態では閉じられていて、通電された状態では開かれている。 図2から良く判るように、ロータ32は中空軸36に装着されており、この中空軸36は玉軸受け38を介してアクチュエータハウジング3内に回転可能に支承されている。 中空軸36の半径方向内側の周面は軸方向に延びるスプライン軸歯列40を備えており、このスプライン軸歯列40内には、中間スリーブ44に設けられた、半径方向外側で軸方向に延びるフィン42が係合している。 したがって、中間スリーブ44は中空軸36に対して相対的に回動不能ではあるが、しかし軸方向では摺動可能に案内されている。
    【0016】
    中間スリーブ44の、両蓄えばね10,12寄りの端部には、ブレーキスピンドル48の端部側のジャーナル46が同軸的に突入していて、中間スリーブ44内に相対回動不能にかつ軸方向不動に保持されている。 ブレーキスピンドル48の他方の端部は、図1に示したように偏心レバー53のためのコネクティングロッド52に設けられたカップ形の区分50に突入している。 コネクティングロッド52のカップ形の区分50は外側のスライドスリーブ16内に軸方向不動に保持されているが、しかし球冠体によって側方に旋回することができる。 コネクティングロッド52の、両蓄えばね10,12とは反対の側の端面には、アイが一体成形されており、このアイ内にはピン55が係合している。 このピン55は偏心装置の偏心レバー53の一方の端部に結合されている。 偏心装置は偏心軸56を有しており、この偏心軸56はトングレバー57に枢着されている。 このトングレバー57は別のトングレバー57′と共に1つのブレーキトングを形成している。 両トングレバー57,57′の一方の端部には、それぞれブレーキパッド58を備えたパッドホルダが配置されている。 ブレーキパッド58はブレーキディスク59の軸線の方向に沿って移動可能である。 両トングレバー57,57′の、ブレーキパッド58とは反対の側に位置する端部は、押圧ロッド式アクチュエータ59′を介して互いに結合されている。 この押圧ロッド式アクチュエータ59′は電気的に操作されるように設計されていると有利である。
    【0017】
    図2から判るように、ブレーキスピンドル48は内側のスライドスリーブ20の内部に回転可能に支承されていて、有利には2列式の深溝形玉軸受け61によって支承されている。 この深溝形玉軸受け61は軸方向力をも半径方向力をも受け止めることができる。 深溝形玉軸受け61のうち内レースは、ブレーキスピンドル48に設けられた雄ねじ山区分に螺合されたナット60によって、ブレーキスピンドル48に設けられた肩部62に向かって緊締され、これによりブレーキスピンドル48に相対回動不能にかつ軸方向不動に保持される。 深溝形玉軸受け61の外レースは内側のスライドスリーブ20内に同じく相対回動不能にかつ軸方向不動に保持されている。
    【0018】
    ブレーキスピンドル48はナット/スピンドル構成ユニット64によって取り囲まれている。 このナット/スピンドル構成ユニット64は有利には転がりねじ山伝動装置(Waelzegewindetrieb)、たとえばボール循環型スピンドル伝動装置(Kugelumlaufspindel)、ローラねじ山伝動装置(Rollengewindetrieb)、ねじ山ローラねじ伝動装置(Gewinderollenschraubtrieb)として、あるいは遊星転がりねじ山伝動装置(Planeten−Waelzgewindetrieb)として形成されていてよい。 コネクティングロッド52のカップ形の区分50は、ナット/スピンドル構成ユニット64のナット66が外側のスライドスリーブ16に設けられた半径方向内側の付設部68と、コネクティングロッド52のカップ形の区分50の端面との間に緊締されるようになるまで外側のスライドスリーブ16内に挿入されているので、このナット66はコネクティングロッド52に対して相対回動不能に保持されている。 したがって、ブレーキスピンドル48が回転すると、ナット66はブレーキスピンドル48に沿って並進的に案内され、このときに外側のスライドスリーブ16とコネクティングロッド52とを連行する。
    【0019】
    アクチュエータハウジング3のカバー区分4には、環状室70が形成されている。 この環状室70内には、フリクションクラッチもしくはスリップクラッチ74によりロックナット72に駆動結合されている傘形環状歯車76(Tellerrag)がブレーキスピンドル48に対して同軸的に収容されている。 この傘形環状歯車76はロックナット72の半径方向外側の周面に装着されていて、このロックナット72にスリップクラッチ74によって上側の限界トルクにまで相対回動不能に結合されている。 スリップクラッチ74は、傘形環状歯車76とロックナット72とにそれぞれ設けられた、軸方向で互いに内外に噛み合った端面歯列78により形成されると有利である。 この場合、アクチュエータハウジング3にはスナップリング80によって皿ばねユニット82が軸方向で支持されており、この皿ばねユニット82は半径方向の深溝形玉軸受け84に作用している。 この深溝形玉軸受け84はロックナット72を、アクチュエータハウジング3に対して相対的に支承している。 前記皿ばねユニット82は、端面歯列78の摩擦接続および形状接続(係合に基づいた嵌合)のために必要となる軸方向力を提供する。 傘形環状歯車76の、端面歯列78とは反対の側は、スラストニードル軸受け86によってアクチュエータハウジング3に対して軸方向で支承されている。 ロックナット72は内側のスライドスリーブ20を取り囲んでいて、この内側のスライドスリーブ20に、非セルフロック式の、つまり非緩み止め式のねじ山88によって回転可能に支承されている。
    【0020】
    有利には電磁式に操作可能であるロック装置90はハウジング92を有している。 このハウジング92は環状室70に設けられた半径方向の開口にフランジ締結されている。 ロック装置90は軸94を有しており、この軸94の半径方向内側の端部には傘歯車96が、反対の側の半径方向外側の端部には円筒状のはずみディスク98が、それぞれ配置されている。 傘歯車96は傘形環状歯車76の歯列と噛み合っていて、この傘形環状歯車76と共に傘歯車伝動装置を形成している。 この傘歯車伝動装置は比較的高い変速比を有しており、この変速比はたとえば3.0〜8.0の範囲にある。 軸94はロック装置90のハウジング92内に深溝形玉軸受け100によって回転可能に支承されており、この場合、軸94はブレーキスピンドル48に対して直に配置されている。
    【0021】
    はずみディスク98の、ブレーキスピンドル48に向けられた側の端面は、リング104のための環状切欠き102を有している。 リング104は軸94に対して同軸的に配置されていて、軸方向の延びるピン106に沿って摺動可能に取り付けられている。 これにより、リング104ははずみディスク98に相対回動不能に結合されている。 さらに、リング104の、はずみディスク98とは反対の側に向けられた端面は、半径方向外側の歯冠108を有しており、この歯冠108は、ロック装置90のハウジング92に支持された別の歯冠108′に向かい合って位置していて、圧縮ばね110の作用に基づきこの歯冠108′から離れる方向に押圧されている。 リング104には、さらにロック装置90のハウジング92に軸方向で相前後して配置された2つの電磁コイル112,112′が向かい合って位置している。 両電磁コイル112,112′は電気的な接続部114により通電可能である。 リング104と、両歯冠108,108′と、両電磁コイル112,112′とは一緒になって1つの電磁式歯ブレーキ116を形成している。
    【0022】
    両電磁コイル112,112′が通電されると、磁気的な吸引力が生ぜしめられ、この吸引力はリング104を、圧縮ばね110の作用に抗してピン106に沿って軸方向で電磁コイル112,112′へ向かって運動させる。 これにより、リング104の歯冠108はロック装置90のハウジング92に保持された歯冠108′と噛み合い、ひいてはこの歯冠108′と相対回動不能の結合を成立させる。 その場合、傘形環状歯車76を介してロック装置90に導入されたトルクをロック装置90のハウジング92で支持することができる。 この場合、傘歯車96と軸94とはずみディスク98とを通る力伝達経路が形成される。
    【0023】
    それに対して電磁式歯ブレーキ116の解除位置では、両電磁コイル112,112′が通電されていないので、リング104の歯冠108は圧縮ばね110の作用により、ロック装置90のハウジング92に保持された歯冠108′との噛合いから解除され、その結果、傘形環状歯車76は傘歯車96、軸94およびはずみディスク98と一緒にロック装置90のハウジング92に対して自由に回転することができる。 その場合、はずみディスク98とリング104と軸94と傘歯車96とは一緒になって、ブレーキスピンドル48に対して直角にまたはブレーキ緊締作動方向に対して直角に回転可能でかつスリップクラッチ74をはさんでロックナット72とは反対の側に配置された1つのはずみ質量体118を形成する。 この場合、はずみディスク98の半径に基づき、はずみ質量体118の質量慣性モーメントにおけるはずみディスク98の占める割合が最大となる。
    【0024】
    SRモータ24はブレーキ力発生器を形成し、SRモータ24からトングレバー57,57′にまでの力伝達経路の別のエレメントはブレーキ力変換器120を形成する。 ブレーキ力発生器として電動モータ24が使用されると特に有利である。 しかし択一的には、ブレーキ力発生器が1つまたは2つの操作方向に作用するハイドロリック式またはニューマチック式のブレーキシリンダであってもよいし、あるいは1つまたは2つの方向に作用する別のユニットであってもよい。 ロック装置90と永久磁石ブレーキ34とSRモータ24とは、開ループ制御および閉ループ制御のための電子制御装置(図示しない)によって制御可能である。 このような背景に基づき、ブレーキアクチュエータ1は以下に述べる機能を有している:
    ブレーキアクチュエータ1の図1に示した解除位置では、外側の蓄えばね12と内側の蓄えばね10とがプリロードもしくは予荷重をかけられている。 内側の蓄えばね10のばね力は内側のスライドスリーブ20から非緩み止め式のねじ山88を介してロックナット72へ伝達され、さらにロックナット72からスリップクラッチ74を介して傘形環状歯車76とはずみディスク98とに伝達される。 内側の蓄えばね10のばね力に基づき、非緩み止め式のねじ山88にはトルクが生ぜしめられる。 すなわち、ロックナット72ははずみ質量体118と一緒に回転しようとする。 しかしこのことは、通電された、つまり閉じられた電磁式歯ブレーキ116によって阻止される。
    【0025】
    外側の蓄えばね12のばね力は、ナット/スピンドル構成ユニット64が非緩み止め式に形成されているにもかかわらず、外側のスライドスリーブ16によってナット/スピンドル構成ユニット64のナット66に支持される。 なぜならば、外側の蓄えばね12のばね力に基づきブレーキスピンドル48に生ぜしめられたトルクが、解除位置で閉じられた永久磁石ブレーキ34を介してアクチュエータハウジング3に導入されるからである。 ナット66から、力伝達経路はブレーキスピンドル48と2列式の深溝形玉軸受け61とを介して内側のスライドスリーブ20に進入し、そしてこの内側のスライドスリーブ20からは、内側の蓄えばね10のばね力と同じ経路をたどって傘形環状歯車76に導入される。 このことは、解除位置では外側の蓄えばね12も内側の蓄えばね10も、ロック装置90によって緊締された状態に保持されることを意味する。
    【0026】
    解除位置から常用ブレーキ状態への移行時では、永久磁石ブレーキ34が電子制御装置により通電され、これにより永久磁石ブレーキ34が開いて、SRモータ24の回転を可能にする。 SRモータ24には、制御装置によってやはり電気的なエネルギが供給される。 ロータ32とブレーキスピンドル48との回転により、ナット/スピンドル構成ユニット64のナット66は外側のスライドスリーブ16およびコネクティングロッド52と一緒に常用ブレーキ位置へ引き出される。 コネクティングロッド52のこの引出し運動は外側の蓄えばね12によって助成される。 外側の蓄えばね12は機能的に見てSRモータ24に並列接続されている。
    【0027】
    制御装置によるSRモータ24の制御と、外側の蓄えばね12とはこの場合、外側の蓄えばね12が単独で、最小ブレーキ力と最大ブレーキ力との間にあって、かつ作動ゼロ点を規定する所定のブレーキ力値を発生させるように互いに調整されている。 SRモータ24は作動ゼロ点では無電流状態に切り換えられている。 したがって、作動ゼロ点において作用するブレーキ力の大きさは、とりわけ外側の蓄えばね12のばね率(ばね定数)とプリロード度もしくは予荷重度とに関連している。 最大ブレーキ力を達成するためには、SRモータ24が制御装置によって四象限運転で制御され、この場合、SRモータ24は外側の蓄えばね12をブレーキ緊締作動方向への回転と、正の制動モーメントの送出とによって助成する。 このことは、たとえば第1象限での運転に相当する。 作動ゼロ点におけるブレーキ力よりも小さなブレーキ力を達成するためには、SRモータ24がやはりブレーキ緊締作動方向へ回転するが、しかしジェネレータに類似して負のトルクを提供する。 この負のトルクはナット/スピンドル構成ユニット64を介して外側の蓄えばね12に作用する(第2象限での運転)。 内側の蓄えばね10は常用ブレーキ力の形成には関与しておらず、緊縮された状態のままとなる。 なぜならば、引き続き通電されている電磁式歯ブレーキ116によってロックナット72がロックされているからである。
    【0028】
    留置ブレーキまたはパーキングブレーキを用いて得られる最終ブレーキ力よりも約20%低いブレーキ力が達成されるまで、上で説明した常用ブレーキを実施することにより、留置ブレーキまたはパーキングブレーキの制御された導入が開始される。 制御装置の相当する制御信号により、SRモータ24が停止され、永久磁石ブレーキ34は電流供給の中断により閉じられ、電磁式歯ブレーキ116は通電遮断により解除される。 内側のスライドスリーブ20に作用する、内側の蓄えばね10により形成されたばね力に基づき、ロックナット72と内側のスライドスリーブ20との間の非緩み止め式の台形ねじ山88にトルクが形成され、このトルクは、このときに自由に回転可能となったはずみ質量体118によってもはや支持されなくなる。 その結果、ロックナット72は内側のスライドスリーブ20に沿って回転を開始し、この内側のスライドスリーブ20はその後にブレーキ緊締作動方向へ運動して、軸方向のストッパ22を介して外側のスライドスリーブ16をコネクティングロッド52と共に連行する。 それと同時に、ロック解除された外側のスライドスリーブ16は外側の蓄えばね12のばね力に基づきブレーキ緊締作動方向へ運動することができる。 このときに、永久磁石ブレーキ34が開かれているのか、または閉じられているのかは重要ではない。 なぜならば、この過程の際に中間スリーブ44がブレーキスピンドル48と一緒にロータ32の中空軸36のスプライン軸歯列40内を軸方向に移動するからである。 したがって、留置ブレーキ位置では、並列に作用する両蓄えばね10,12のばね力の総和から得られる全ブレーキ力が作用する。
    【0029】
    ブレーキ緊締作動運動の間、ロックナット72の回転は傘歯車伝動装置76,96を介して、より高い回転数で行われるはずみ質量体118の回転に変換されるので、弛緩する蓄えばね10,12の位置エネルギの大部分は回転エネルギに変換される。 ブレーキ位置が達成されると、全エネルギ供給を遮断することができる。 そしてレール車両は内側の蓄えばね12と外側の蓄えばね10のばね力によって留置ブレーキ位置に信頼性良く保持されている。 これにより得られた留置ブレーキ力を比較的長い時間にわたって維持するためには、内側の蓄えばね12および外側の蓄えばね10において小さなリラクセーション(緩和)しか許容され得ない。 有利には、両蓄えばね10,12が、Fa. Trefileurope社の高強度のケイ素ばね線材CSiVa TH−381 HRAから成っている。
    【0030】
    ブレーキ位置の達成と同時に、ロックナット72の回転は停止する。 ロックナット72と傘形環状歯車76との間のスリップクラッチ74は、上側の限界トルク(この上側の限界トルクが超えられると、端面歯列78の間での相対回動が開始され得る)がブレーキ終端位置においてはずみ質量体118の質量慣性モーメントと、ブレーキ当付け行程の実施後に存在する減速との積から成るトルクによって超過されるように設計されている。 これにより、ブレーキ位置の達成後にはずみ質量体118は、さしあたり引き続き回転することができ、そして主として傘形環状歯車76とロックナット72とに設けられた端面歯列78の間で行われる摩擦に基づいて、徐々に停止させられる。 これにより、はずみ質量体118に蓄えられた回転エネルギを徐々に減少させてゆくことができる。
    【0031】
    ブレーキアクチュエータ1への電流供給および/または開ループ制御および閉ループ制御のための制御装置および常用ブレーキ時の上位の車両制御部が故障した場合には、ロック装置90の電磁コイル112,112′がもはや通電されなくなるので、圧縮ばね110はリング104をはずみディスク98の方向へ引き戻し、ひいては電磁式歯ブレーキ116を解除する。 これに続く結果は、上で留置ブレーキまたはパーキングブレーキにつき説明したものと同じであるので、非常ブレーキまたは安全ブレーキの場合にも、並列に作用する両蓄えばね10,12のばね力の総和から全ブレーキ力が生ぜしめられる。
    【0032】
    留置ブレーキ位置または非常ブレーキ位置からのブレーキの解除は2つのステップで行われる。 この場合、まず内側の蓄えばね10が緊縮される。 永久磁石ブレーキ34が制御装置によって通電され、ひいては開放され、SRモータ24がブレーキ緊締作動方向へ駆動される。 このときに、回転するブレーキスピンドル48はナット/スピンドル構成ユニット64のナット66に支持されて、内側のスライドスリーブ20と一緒に解除位置の方向へ運動する。 このときに、ロックナット72はロック装置90が開放された状態で内側のスライドスリーブ20に沿って回転する。 解除位置における状態に相当する、内側の蓄えばね10の緊縮された状態が達成されると、SRモータ24は制御装置によって停止され、ロック装置90は電磁コイル112,112′の通電によってロック位置へもたらされる。 しかし、電磁コイル112,112′が既に通電されていて、ひいてはロック装置90が既に閉じられている場合でも、内側の蓄えばね10の緊縮は可能である。
    【0033】
    引き続き、次のステップで、外側の蓄えばね12が緊縮される。 この場合、SRモータ24が逆回転方向、つまり解除方向へ作動される。 ブレーキスピンドル48はロックされた内側のスライドスリーブ20に支持されて、その回転によりナット/スピンドル構成ユニット64のナット66を外側のスライドスリーブ16と一緒に解除位置の方向へねじ込む。 引き続き、SRモータ24が遮断され、永久磁石ブレーキ34が作動させられる。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】 本発明によるブレーキアクチュエータの有利な実施例を解除位置で示す断面図である。
    【図2】 ブレーキアクチュエータのエネルギ蓄え式ブレーキユニットのロック装置を図1の一部の拡大図として示す図である。
    【符号の説明】
    1 ブレーキアクチュエータ2 ブレーキ緊締作動装置3 アクチュエータハウジング4 カバー区分6 開口7 内側の壁8 外側の壁10 内側の蓄えばね12 外側の蓄えばね14 環状つば16 外側のスライドスリーブ18 環状つば20 内側のスライドスリーブ22 軸方向のストッパ24 SRモータ30 ステータ32 ロータ34 保持ブレーキ36 中空軸38 玉軸受け40 スプライン軸歯列42 フィン44 中間スリーブ46 ジャーナル48 ブレーキスピンドル50 カップ形の区分52 コネクティングロッド53 偏心レバー55 ピン56 偏心軸57 トングレバー57′ トングレバー58 ブレーキパッド59 ブレーキディスク59′ 押圧ロッド式アクチュエータ60 ナット61 深溝形玉軸受け62 肩部64 ナット/スピンドル構成ユニット66 ナット68 付設部70 環状室72 ロックナット74 スリップクラッチ76 傘形環状歯車78 端面歯列80 スナップリング82 皿ばねユニット84 深溝形玉軸受け86 スラストニードル軸受け88 非緩み止め式のねじ山90 ロック装置92 ハウジング94 軸96 傘歯車98 はずみディスク100 深溝形玉軸受け102 環状切欠き104 リング106 ピン108 歯冠108′ 歯冠110 圧縮ばね112 電磁コイル112′ 電磁コイル114 電気的な接続部116 電磁式歯ブレーキ118 回転はずみ質量体120 ブレーキ力変換器

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