Emergency release and brake clamping apparatus having an electric operation apparatus capable for temporary release

申请号 JP2003580138 申请日 2003-03-31 公开(公告)号 JP2005527419A 公开(公告)日 2005-09-15
申请人 クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア シーネンファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングKnorr−Bremse Systeme fuer Schienenfahrzeuge GmbH; 发明人 フリーゼン ウルフ; フーデラー エーリヒ; ヴォルフシュタイナー ペーター; ヴォーラ マンフレート;
摘要 本発明は、車両用、殊にレール車両用のブレーキ締め付け装置であって、ブレーキの非常解放のための装置及び一時解放のための装置を備えている形式のものに関する。 本発明に基づき、非常解放のための装置及び一時解放のための装置が、ブレーキの非常解放及び一時解放のための組み合わされた1つの装置(1,2)にまとめられており、該組み合わされた装置が共通の1つの駆動ユニット(112)によって電動操作されるようになっている。
权利要求
  • 車両用のブレーキ締め付け装置、殊にレール車両用のブレーキ締め付け装置であって、ブレーキの非常解放のための装置及び一時解放のための装置を備えている形式のものにおいて、ブレーキの非常解放のための装置及び一時解放のための装置が、ブレーキの非常解放及び一時解放のための組み合わされた1つの装置(1,2)にまとめられており、該組み合わされた装置が共通の1つの駆動ユニット(112)によって電動操作されるようになっていることを特徴とする、車両用のブレーキ締め付け装置。
  • ブレーキの非常解放及び一時解放のための装置(1,2)が、引っ張りロッド式調整装置若しくは押圧ロッド式調整装置(1)として形成されていてかつねじ伝動装置(2)を備えた1つの摩耗補償調整装置内に統合されており、前記ねじ伝動装置がねじ対偶部分としてねじスピンドル(4)及び該ねじスピンドルにねじ嵌められたナット(8)を有しており、この場合に、少なくとも一方のねじ対偶部分(8)がブレーキの非常解放及び一時解放のために電動操作されるようになっている請求項1記載のブレーキ締め付け装置。
  • ねじ伝動装置(2)の一方のねじ対偶部分(8)が、非常解放及び一時解放のために電動式の共通の駆動ユニット(112)によって回転操作されるようになっている請求項2記載のブレーキ締め付け装置。
  • ねじ伝動装置(2)の他方のねじ対偶部分(4)が、摩耗補償調整のために電動式の別の駆動ユニット(10)によって回転操作されるようになっている請求項3記載のブレーキ締め付け装置。
  • 他方のねじ対偶部分(4)の、少なくとも摩耗補償調整の回転方向での回転操作中に、一方のねじ対偶部分(8)が相対回動不能に保持されるようになっている請求項4記載のブレーキ締め付け装置。
  • 一方のねじ対偶部分(8)がロック解除可能なフリーホイール(74)を用いて、電動式の駆動ユニット(112)に連結されており、前記フリーホイールが一方では摩耗補償調整の方向での電動式の駆動ユニット(112)による一方のねじ対偶部分(8)の回転を許しかつ他方では、一方のねじ対偶部分を電動式の駆動ユニット(112)によって作動しない場合に前記回転をロックするように形成されている請求項5記載のブレーキ締め付け装置。
  • 他方のねじ対偶部分(4)の電動式の駆動ユニット(10)が一方のねじ対偶部分(8)の電動式の駆動ユニット(112)から独立して操作されるようになっている請求項6記載のブレーキ締め付け装置。
  • 一方のねじ対偶部分(8)の電動式の駆動ユニット(112)が、電動モータ(114)及び該電動モータの後に配置された伝動装置(116,118)を含んでおり、該伝動装置の出力部が一方のねじ対偶部分(8)に回転連結されている請求項7記載のブレーキ締め付け装置。
  • 一方のねじ対偶部分(8)が滑りカップリング(70)を介して電動式の駆動ユニット(112)に連結されていて、かつ回転工具の装着のための装着面(68)を有している請求項8記載のブレーキ締め付け装置。
  • 一方のねじ対偶部分がナット(8)によって形成されており、かつ他方のねじ対偶部分がスピンドル(4)によって形成されている請求項9記載のブレーキ締め付け装置。
  • ロック解除可能なフリーホイールが、回動不能な構成部分(26)の円筒形の壁部(100)と、ナット(8)と一緒に回転可能なスリーブ(72)との間に配置されたらせんばね形フリーホイール(74)として形成されている請求項10記載のブレーキ締め付け装置。
  • 他方のねじ対偶部分(4)の電動式の駆動ユニット(10)が、電動モータ(12)及び該電動モータの後に配置された伝動装置(14)を含んでおり、該伝動装置の出力部が他方のねじ対偶部分(4)に回転連結されている請求項11記載のブレーキ締め付け装置。
  • 電動モータが直流モータ(12,114)であり、かつ伝動装置が、軸線方向で前記直流モータに接続された遊星歯車装置(16,116)及び該優勢歯車装置の後に配置された1つ若しくは複数の歯車段(18,118)を含んでいる請求項8及び12記載のブレーキ締め付け装置。
  • 他方のねじ対偶部分(4)の電動式の駆動ユニット(10)の前側に配置されたカップリング(52)を設けてあり、該カップリングによって、前記ねじ対偶部分(4)が、制動に起因する軸線方向力の生じている場合に、回動不能な構成部分(24)に相対回動不能に連結されかつ、前記軸線方向力の生じていない場合に前記構成部分から連結解除されるようになっている請求項13記載のブレーキ締め付け装置。
  • カップリングが円錐カップリング(52)によって形成されており、該円錐カップリングが、軸線方向力の作用する方向で傾斜していて相互の摩擦に基づき静止する少なくとも2つの円錐面(56,58)を備えている請求項14記載のブレーキ締め付け装置。
  • 1つの円錐面(56)が1つのケーシング部分(24)に形成されており、別の円錐面(58)が、他方のねじ対偶部分(4)と相対回動不能に結合された円錐スリーブ(36)に形成されている請求項15記載のブレーキ締め付け装置。
  • 他方のねじ対偶部分(4)のねじ付きジャーナル(50)が、円錐スリーブ(36)の底部に形成された雌ねじ内にねじ込まれている請求項16記載のブレーキ締め付け装置。
  • 伝動装置(14)の出力部側の歯車(28)とかみ合う歯車(30)が、円錐スリーブ(36)の円筒形の付加部(34)に同軸的にかつ回転可能に支承されている請求項17記載のブレーキ締め付け装置。
  • 電動式の駆動ユニット(10)と電動操作可能なねじ対偶部分(4)との間に滑りカップリング(38)を配置してあり、該滑りカップリングがストッパ位置へ到達している場合に滑り、かつストッパ位置に到達していない場合に連結を生ぜしめるように形成されている請求項18記載のブレーキ締め付け装置。
  • 1つのストッパ位置はブレーキライニングとブレーキディスクとの接触によって規定されており、かつ別のストッパ位置は、他方のねじ対偶部分(4)が一方のねじ対偶部分(8)内にねじ込まれてストップする1つのねじ込み終端位置によって、若しくは一方のねじ対偶部分(8)が他方のねじ対偶部分(4)にねじ嵌められてストップする1つのねじ嵌め終端位置によって規定されている請求項19記載のブレーキ締め付け装置。
  • 滑りカップリング(38)が円錐カップリング(52)と他方のねじ対偶部分(4)の電動式の駆動ユニット(10)との間に配置されている請求項20記載のブレーキ締め付け装置。
  • 滑りカップリング(38)が、規定されたばね力で予圧されかつ溝内に案内された球体(40)を含んでおり、この場合に前記溝が伝動装置出力部側の歯車(28)の端面に形成されており、前記球体(40)が円錐スリーブ(36)の円筒形の延長部(46)上に相対回動不能に保持されたリング(44)の孔(42)内に保持されている請求項21記載のブレーキ締め付け装置。
  • 说明书全文

    本発明は請求項1の上位概念に記載の車両用、殊にレール車両用のブレーキ締め付け装置であって、ブレーキの非常解放のための装置及び一時解放のための装置を備えている形式のものに関する。

    前記形式のブレーキ締め付け装置はヨーロッパ特許出願第0699846A2号明細書により公知であり、この場合にはブレーキの非常解放、即ちブレーキの掛かっている状態のブレーキの非常時に必要なブレーキ力減少は、運転ブレーキ力を形成する空気力式のブレーキアクチュエータによって行われる。 ブレーキ力の掛かっていない状態のブレーキを整備作業、例えばブレーキライニング交換の目的で一時的に解放するためには、摩耗補償調整装置のねじスピンドルを手動で回動させなければならない。

    本発明の課題は、冒頭に述べた形式のブレーキ締め付け装置を改善して、該ブレーキ締め付け装置が簡単な構造で形成され、かつ容易に使用できるようにすることである。

    前記課題が本発明に基づき請求項1に記載の構成によって解決される。

    発明の利点 ブレーキの、ブレーキ締め付け装置に設けられる解放機能、一方で非常解放及び他方で一時解放のための従来分離されていた構成ユニットを、非常解放及び一時解放のための、共通の1つの駆動ユニットで操作可能な組み合わされた唯一の装置に統合されているので、ブレーキ締め付け装置の構造及び操作がきわめて簡単になっている。 電動式の駆動部によって、各ブレーキ締め付け装置の一時解放は従来の手動操作から極めて便利な電動操作によって、それも例えば車両の操縦席から行われる。 特に、車両のすべてのブレーキ締め付け装置を共通の一回の制御によって一時解放することができ、これによって整備時間を著しく短くできる。 もちろん別の実施例として各ブレーキ締め付け装置は、例えば車体に配置された電気的なスイッチを介して個別に操作されるようになっていてもよい。 制御導線は車体内に組み込まれてわずかなスペースで簡単に敷設されている。

    従属請求項に記載の手段によって、請求項1に記載の本発明の有利な改良が可能である。

    本発明の有利な実施態様では、ブレーキの非常解放及び一時解放のための装置は、引っ張りロッド式調整装置若しくは押圧ロッド式調整装置として形成されていてかつねじ伝動装置を備えた1つの摩耗補償調整装置内に統合されており、前記ねじ伝動装置がねじ対偶部分としてねじスピンドル及び該ねじスピンドルにねじ嵌められたナットを有しており、この場合に、少なくとも一方のねじ対偶部分がブレーキの非常解放及び一時解放のために電動操作されるようになっている。 従来技術のようにブレーキアクチュエータを介してではなく、引っ張りロッド式調整装置若しくは押圧ロッド式調整装置を介して非常解放を行うので、非常解放はブレーキアクチュエータの機能及びその制御から独立しており、このことは安全性を高めている。 さらにねじ伝動装置は一方で摩耗補償調整と他方でブレーキの非常解放及び一時解放との機能統合に役立っており、これによって構成スペース及び重量を節減できる。

    別の実施態様ではねじ伝動装置の一方のねじ対偶部分は、非常解放及び一時解放のために電動式の共通の駆動ユニットによって回転操作されるようになっている。 有利には、他方のねじ対偶部分の、少なくとも摩耗補償調整の回転方向での回転操作中に、一方のねじ対偶部分は相対回動不能に保持されるようになっており、このために1つの実施態様では、一方のねじ対偶部分はロック解除可能なフリーホイールを用いて、該ねじ対偶部分に所属の電動式の駆動ユニットに連結されており、前記フリーホイールは一方では摩耗補償調整の方向での前記電動式の駆動ユニットによる前記一方のねじ対偶部分の回転を許しかつ他方では、前記一方のねじ対偶部分を前記電動式の駆動ユニットによって作動していない場合に前記回転をロックするように形成されている。

    さらに有利には、他方のねじ対偶部分も電動式の駆動ユニットで、それも一方のねじ対偶部分の電動式の駆動ユニットの操作から独立して操作されるようになっている。 これによって、唯一のねじ伝動装置内に統合された機能、一方では摩耗補償調整並びに他方では非常解放及び一時解放は、個別にかつ互いに独立して行われ、各機能は互いに影響されない。

    特に有利には、一方のねじ対偶部分はナットによって形成されており、かつ他方のねじ対偶部分はスピンドルによって形成されている。 さらに、ロック解除可能なフリーホイールは、回動不能な構成部分の円筒形の壁部と、ナットと一緒に回転可能なスリーブとの間に配置された、所要スペースの少ないらせんばね形フリーホイールとして形成されてよい。

    特に有利な手段として、カップリングを設けてあり、該カップリングによって、他方のねじ対偶部分が、制動に起因する軸線方向力の生じている場合に、回動不能な構成部分、例えばケーシング部分に相対回動不能に連結されかつ、前記軸線方向力の生じていない場合に前記構成部分から連結解除されるようになっている。 これによって、ブレーキ締め付け装置のクランプレバーを介してブレーキ力で負荷されるねじ対偶部分は、電動式の駆動ユニットではなく、ケーシングに支えられ、従って電動式の駆動ユニットは小さい寸法で形成でき、このことは小型化に寄与する。

    別の実施態様では、電動式の駆動ユニットと他方のねじ対偶部分との間に滑りカップリングを配置してあり、該滑りカップリングはストッパ位置へ到達している場合に滑り、かつストッパ位置に到達していない場合に連結を生ぜしめるように形成されている。 1つのストッパ位置は例えばブレーキライニングとブレーキディスクとの接触によって規定されており、かつ別のストッパ位置は、他方のねじ対偶部分が一方のねじ対偶部分内にねじ込まれてストップする1つのねじ込み終端位置によって、若しくは一方のねじ対偶部分が他方のねじ対偶部分にねじ嵌められてストップする1つのねじ嵌め終端位置によって規定されている。 他方のねじ対偶部分を一方のねじ対偶部分内にストップするまでねじ込んでストッパ位置を規定する場合には、他方のねじ対偶部分は一方のねじ対偶部分と一緒に回転して、回転運動を不都合に電動式の駆動ユニットに伝達してしまうことになる。 従って滑りカップリングによって電動式の駆動ユニットをストッパ位置への到達の際の衝突から保護するようになっており、このために滑りカップリングは滑って、電動モータの緩やかに減速する回転運動を可能にしてかつ他方の構成部分から導入される回転モーメントを遮断するようになっている。 滑りカップリングは有利にはカップリングと電動式の駆動ユニットとの間に配置されている。

    本発明の実施例を図面に示して、以下に詳細に説明する。 図面において、
    図1は、レール走行車両のブレーキ締め付け装置の有利な実施例の押圧ロッド式調整装置の最大長さに伸長された状態での縦断面図、
    図2は、図1の押圧ロッド式調整装置を最小長さに縮小された状態で示す図である。

    図1には、都市鉄道、市街路面鉄道若しくは地下鉄のための有利な実施例として形成された電気機械操作式若しくは、空気力操作式若しくは液力操作式のブレーキ締め付け装置のうちの、摩耗補償調整装置1を示してあり、摩耗補償調整装置は押圧ロッド形調整装置として形成されていて、図1に示す状態では最大長さに走出された位置を占めており、該位置はブレーキライニングの高い摩耗量の状態に相当している。

    押圧ロッド式調整装置1はねじ伝動装置2を含んでおり、ねじ伝動装置はねじ対偶としてねじスピンドル4及び、該ねじスピンドル上に台形ねじ6を介してねじ嵌められて回転部分として形成されたナット8を有している。 台形ねじ6は有利には非自縛式になっている。 摩耗補償調整のために、押圧ロッド式調整装置1は電動作動可能に形成されており、このための電動式の駆動ユニット10は電動モータ12及び後続配置された伝動装置14から成っており、伝動装置の出力部は有利にはスピンドル4にトルク伝達可能に連結されている。 別の実施例として、摩耗補償調整のためにナット8を、若しくはスピンドル4及びナット8を電動作動可能に形成することもできる。

    電動モータは実施例では直流モータ12であり、伝動装置14は、軸線方向で直流モータ2に接続された遊星歯車装置16及び該遊星歯車装置に後続配置された歯車段18によって形成されている。 直流モータ12、遊星歯車装置16及び歯車段18はねじ伝動装置2の中心軸線20に対して平行にかつ半径方向の距離を置いて配置されていて、駆動ケーシング22内に収容されており、駆動ケーシングは押圧ロッド式調整装置1の図1で左側のケーシング部分24にフランジ結合されており、該ケーシング部分にはブレーキ締め付け装置のブレーキクランプのクランプレバー(図示せず)を枢着してある。 ねじ伝動装置2の軸線方向で、左側のケーシング部分24に対向して右側のケーシング部分26を配置してあり、該ケーシング部分にブレーキクランプの右側のクランプレバーを枢着してある。 ブレーキクランプは公知のものであり、例えばヨーロッパ特許出願第0699846A2号明細書に記載してあり、該明細書の記載内容は本発明のブレーキ装置の理解に役立つものである。 押圧ロッド式調整装置1の左側のケーシング部分24と右側のケーシング部分26とは、ねじ伝動装置2によって互いに軸線方向間隔調節可能に保持されており、ねじ伝動装置2若しくは押圧ロッド式調整装置1の伸長によって摩耗補償調整を行って、ブレーキライニングとブレーキディスクとの間に時間の経過に伴って増大するライニング遊びを再び減少させて、一定の値に保つようになっている。

    歯車段18の出力側に歯車28はスピンドル側の歯車30とかみ合っており、該歯車は溝形玉軸受32を介して円錐スリーブ36の円筒形の付加部34に同軸的に回転可能に支承されている。 スピンドル側の歯車30の、右側のケーシング26に向いた側に配置された滑りカップリング38を介して電動式の駆動ユニット10は円錐スリーブ36に連結されている。 滑りカップリング38は、規定されたばね力によってスピンドル側の歯車30の端面に形成された溝内へ押圧された球体40を含んでおり、該球体は、円錐スリーブ36の円筒形の付加部34に相対回動不能に保持されたリング44の孔42内に案内されている。 規定された滑りモーメントよりも大きなトルクにおいては、溝内に押し込まれた球体40によって形成された形状係合(形状による束縛)が克服され、カップリング38は滑るようになり、これによって電動式の駆動ユニット10はスピンドル4から連結解除される。 滑りモーメントは、ばねパラメータ並びに球体・溝形状の適切な選択によって所定の条件に適合させられるようになっている。 図示の例ではカップリング38は、ブレーキ締め付け装置がストッパ位置に、即ち例えば、ブレーキライニングとブレーキディスクとを互いに接触させる位置に、若しくはスピンドル4をナット8内に完全にねじ込んで押圧ロッド調整装置1を最小長さ(図2)に短くする位置に達すると滑るようになる。

    滑りカップリング38を介してリング44へ伝達可能な駆動モーメントは、円錐スリーブ36内に導入され、円錐スリーブの底部にジャーナル状の延長部46を設けてあり、該延長部の半径方向外側の面は滑り軸受48の支承面を形成しており、該支承面は滑り軸受に対応して配置されたケーシング側の支承面内に滑り回転可能に支承されている。 滑り軸受48はスピンドル4の図1で左側の支承部として役立っており、該支承部は端部側のねじ付きジャーナル50で以って、円錐スリーブ30の延長部46内に設けられた雌ねじ山内にねじ込まれて、そこで相対回動不能に保持されている。 これによって、円錐スリーブ36は滑りカップリング38からの駆動モーメントをスピンドル4へ伝達するようになっている。

    電動式の駆動ユニット10の前側に円錐カップリング52を配置してあり、該円錐カップリングは、軸線方向で傾斜していて相互の摩擦によって静止する少なくとも2つの円錐面56,58を含んでおり、この場合、1つの円錐面56は左側のケーシング部分24に形成されており、かつ別の円錐面58はスピンドル4とねじ結合された円錐スリーブ36に形成されている。 スピンドル4に軸線方向負荷が作用すると、両方の円錐面56,58は互いに圧着され、これによってスピンドル4の回動位置は摩擦力に基づきロックされ、かつ軸線方向負荷は左側のケーシング部分24によって受け止められる。 特に軸線方向負荷が回転モーメントとして電動式の駆動ユニット10に伝達されることは防止される。 逆に軸線方向負荷の生じていない場合には、円錐カップリング52は弛緩された状態にあり、円錐スリーブ36はスピンドル4と一緒に左側のケーシング部分24に対して自由に回転できる。

    管状のナット8は右側のケーシング部分26の段付きの貫通孔60内に突入していて、そこで溝形玉軸受62を介して回転可能で該軸受の内側レースに対して軸線方向移動可能に支承されている。 ナット8の、左側のケーシング部分24と逆の側の端部は、外周で右側のケーシング部分26の貫通孔60内に収容されたシール64と滑り接触しており、該端部内にはスリーブ66を回転可能にしかし軸線方向移動不能に保持してあり、該スリーブの、貫通孔60から突出する端部はねじ回し用工具のための装着面68を備えている。 ナット8はさらに滑りカップリング70を介して、ロック可能なフリーホイール74の同軸的なフリーホイールスリーブ72に連結されており、フリーホイールスリーブは一方ではナット8上に軸線方向移動可能に保持されかつ他方では、有利にはアキシャルニードル軸受として形成されたアキシャル軸受を介して右側のケーシング部分26の半径方向の壁78に支えられている。 これによってナット8は軸線方向で支承されている。

    滑りカップリング70は有利には、ばね力によって軸線方向で互いにかみ合う2つの端面歯列80,82によって構成されており、この場合に、一方の端面歯列80はナット8の、右側のケーシング部分26内へ突入する端部の半径方向外側のリングつばに形成されており、かつ他方の端面歯列82はフリーホイール72の半径方向内側の周面に形成されている。

    ナット8は、一端で溝形玉軸受62に支えられかつ他端でナット8の外側の段部84に支えられたコイルばね86を用いてフリーホイール72に対して締め付けられており、これによって両方の端面歯列80,82は互いにかみ合っている。 滑りモーメントが超えられると、両方の端面歯列80,82は左側のケーシング部分24に向かう方向でナット8の軸線方向移動を伴って互いに外され、従ってナット8はフリーホイール72に対して自由に回動できるようになる。 滑りカップリング70の滑りモーメントはばねパラメータ及び端面歯列80,82の適切な選択によって適合可能である。

    右側のケーシング部分26内に、ブレーキ締め付け装置の非常解放及び一時解放のための電動式の駆動ユニット112を収容してあり、この場合に非常解放は例えばブレーキアクチュエータの故障に際して、ブレーキ力の掛かっているブレーキ締め付け装置のブレーキ力減少を意味し、かつ一時解放は整備作業、例えばブレーキライニング交換のために、ブレーキ力の掛かっていないブレーキの解放を意味する。

    電動式の駆動ユニット112は、有利には直流モータ114として形成された電動モータ、遊星歯車装置116及び歯車段118から成っており、両方の駆動ユニット10,112は同一の構造のものとして形成されていると有利である。 歯車段118の伝動装置出力側の歯車120は、ねじ伝動装置2と同軸的な歯付きスリーブ96に係合しており、該歯付きスリーブは右側のケーシング部分26内に回転可能に受容されて、フリーホイールスリーブ72の半径方向外側の周面98と同列を成しかつ軸線方向で該周面に接続するケーシング面100に対して半径方向に離間していて環状スペース102を形成している。 環状スペース102内には、ねじ伝動装置2の中心軸線20に対して同軸的にらせんばね104を受容してあり、該らせんばねは半径方向で互いに逆向きに折り曲げられたピン状の端部106,108を有しており、この場合に一方の端部106は歯付きスリーブ96の半径方向の貫通孔内に形状係合によって、即ち形状による束縛を伴って保持されかつ他方の端部108はフリーホイールスリーブ72の半径方向の貫通孔内に形状係合によって保持されている。

    歯付きスリーブ96、らせんばね104、フリーホイールスリーブ72及びケーシング面100は一緒に、らせんばね形フリーホイール74としてのロック可能なフリーホイールを形成しており、該フリーホイールは電動式の駆動ユニット112をナット8に連結している。 即ちらせんばね形フリーホイール74は、一方では摩耗補償調整の方向と逆向きの方向で駆動ユニット112によるナット8の回転を可能にしかつ、他方ではナット8の前記回転を駆動ユニット112によって生ぜしめない場合に該回転をロックするように形成されている。 ナット8とらせんばね形フリーホイール74との間にはすでに前に述べた滑りカップリング70を配置してある。

    電動式の両方の駆動ユニット10,112は互いに、ねじ伝動装置2の中心軸線20と押圧ロッド式調整装置の仮想の中心線との交点を中心としてほぼ回転対称的に配置されていて、実施例ではスピンドル4若しくはナット8の端部から互いに内側へ延びている。 換言すれば、摩耗補償調整のための駆動ユニット10はスピンドル4の駆動側の端部から非常解放及び一時解放のための駆動ユニット112の側へ向かって突出しおり、駆動ユニット112はナット8の駆動側の端部から駆動ユニット10の側へ向かって突出している。 両方の駆動ユニット10,112は唯一のねじ伝動装置2を操作して摩耗補償調整並びに非常解放及び一時解放を行うようになっている。

    右側及び左側のケーシング部分24,26はそれぞれ、ねじ伝動装置2の中心軸線20を中心としてほぼ対称的なケーシング区分122,124を有しており、この場合にそれぞれ一方の側のケーシング区分122内には駆動ユニット10,112を収容してあり、かつ他方のケーシング区分124内には終端位置センサー126を収容してあり、終端位置センサーはそれぞれ対応する駆動ユニット10,112の駆動ケーシング22の端面128に相対している。 終端位置センサーは有利には機械的な終端位置スイッチ126として形成されており、終端位置スイッチは、対応する駆動ユニット10,112の駆動ケーシング22の端面128への当接によって操作されて、図2に示す終端位置、即ち押圧ロッド式調整装置1の最小長さの信号を制御装置(図示省略)へ発信し、これによって駆動ユニット10,112は無通電に切り換えられる。 各ケーシング部分24,26の両方のケーシング区分122,124は互いに外側に向いた端部にボルトのための受容部132を備えており、ボルトを介してケーシング部分24,26はブレーキクランプのクランプレバーに枢着されるようになっている。

    さらに、摩耗補償調整のための駆動ユニット10に所属して配置された歯車段18の遊星歯車装置側の歯車136の円筒形の延長部134に、別のらせんばね形フリーホイール140のらせんばね138を配置してあり、該らせんばねフリーホイールは歯車136の回転を摩耗補償調整と逆向きの方向で遮断しかつ該歯車を逆回転方向で自由に回転させるようになっている。

    押圧ロッド式調整装置1の前述の構成に基づき、各ねじ構成部分を互いに独立した個別の駆動ユニットに連結している、即ち一方でスピンドル4を一方の駆動ユニット10に連結しかつ他方でナット8を他方の駆動ユニット112に連結している唯一のねじ伝動装置2を介して、ブレーキライニング摩耗を調整することも、ブレーキを非常解放及び一時解放することもできる。

    次に前述の構成に沿って押圧ロッド式調整装置1の機能を説明する:
    摩耗補償調整、即ちブレーキライニングとブレーキディスクとの間の摩耗によって過度に大きくなった遊びの縮小は、ブレーキ力の掛かっていないブレーキ開放位置で行われる。 このために、駆動ユニット10の直流モータ12は所定の時間にわたって作動させられ、その際にスピンドル4は、滑りモーメントよりも小さい駆動モーメントで閉じている滑りカップリング38を介して所定の回転方向に、即ちスピンドル4をナット8からねじ出しその結果押圧ロッド式調整装置1を伸長させる回転方向に回転運動させられ、押圧ロッド式調整装置の伸長はライニング遊びを縮小(減少)させることになる。 図2は押圧ロッド式調整装置1を、最大長さに走出させられ、即ち伸長させられた位置で示している。 この場合にねじ伝動装置2は極めて小さい軸線方向力でしか負荷されておらず、円錐カップリング52は解放された状態にあり、その結果、スピンドル4は自由に回転できる。 ナット側のらせんばね形フリーホイール74は、それ自体では回転ロックされていないナット8の連行回転を阻止し、それというのはナット8の回転は滑りカップリング70を介してフリーホイールスリーブ72へ、かつそこかららせんばね104に伝達され、これによってらせんばねは締め付けられて、フリーホイールスリーブ72とケーシング面100との間に摩擦結合を生ぜしめ、これによってナット8は右側のケーシング部分26に回動不能に支えられるからである。

    制動中にブレーキライニングに生じるブレーキ力、ひいてはブレーキクランプの枢着支承されたクランプアームを介して押圧ロッド式調整装置1に伝達されてそこで軸線方向に作用する応力(作用力)はねじ伝動装置2では受け止められず、それというのはスピンドル4とナット8との間の台形ねじ6は非自縛式に形成されているからである。 従って、押圧ロッド式調整装置1は軸線方向の押圧力の作用を受けて縮小されて、ブレーキ力の不都合な損失を惹起してしまうことになる。 しかしながら、円錐カップリング52は軸線方向負荷の作用を受けて、相対する円錐面56,58の相互の圧着によって摩擦接続され、即ち閉じて、スピンドル4と左側のケーシング部分26との間に相対回動不能な結合を生ぜしめる。 他方、端面歯列80,82として形成されたナット側の滑りカップリング70は、軸線方向負荷の作用下で閉じたままであり、前記応力をらせんばね104に伝達し、その結果らせんばねは締め付けられて、該応力は右側のケーシング部分26で受け止められる。 従って、制動過程中に押圧ロッド式調整装置1の縮小、ひいては不都合なブレーキ力損失は生じない。

    ブレーキ締め付け装置のブレーキ力を生ぜしめるブレーキアクチュエータに、若しくはブレーキアクチュエータの制御装置にエラーが発生して、ブレーキアクチュエータがブレーキ力の掛かったままのブレーキをもはや開放(解放)できなくなった場合には、該ブレーキは非常解放されねばならない。 ブレーキの非常解放のために、非常解放及び一時解放のための電気的な駆動ユニット112を、有利には市街路面鉄道若しくは地下鉄の操縦席から所定の回転方向に、即ちらせんばね104が緩められる回転方向に制御して、フリーホイールスリーブ72とケーシング面100との間の摩擦係合を解除し、これによってナット8は前記方向で自由に回転可能になる。 その結果、らせんばね104は、歯付きスリーブ96かららせんばね自体内に導入された回転運動をフリーホイールスリーブ72に伝達するようになり、該フリーホイールスリーブから前記回転運動は閉じた、即ち過度に負荷されていない滑りカップリング70を介して、いまや自由回転可能なナット8に伝達され、これによって押圧ロッド式調整装置1は縮小され、かつブレーキ力は消滅される。 押圧ロッド式調整装置1は図2に示す最小長さまで縮小でき、該最小長さではナット8は端面で円錐スリーブ36の底部に接触し、終端位置スイッチ126は作動される。

    ブレーキを整備作業(例えば、ブレーキライニングの交換)のために所定の位置(ブレーキライニングとブレーキディスクとを互いに最大に離隔する位置)に移したい場合には、ブレーキの開放は前に述べてあるように、非常解放及び/又は一時解放のための電動式の駆動ユニット112によって行われる(一時解放)。 しかしながら、このようにして駆動モーメントによって緩められかつさらに負荷されたナット側のらせんばね104を介して伝達される回転モーメントは制限されているので、ねじ伝動装置2が例えば氷結によって動きにくくなっている場合には、ナット8は押圧ロッド式調整装置1の縮小のために直接に回動させられる。 このことはブレーキ力の掛けられていない状態で、ナット8と相対回動不能に結合されたスリーブ66の装着面68にねじ回し用工具を装着して行われ、この場合に該スリーブは、押圧ロッド式調整装置1を図2に示す最小長さに縮小する方向で、手動によって回転させられる。 この回転モーメントは、フリーホイールスリーブ72とナット8との間に配置された滑りカップリング70が滑るようになる値よりも大きくなっており、らせんばね形フリーホイール74のらせんばね104は前記方向でのフリーホイールスリーブ72の回転を阻止している。 これによって、ナット8は軸線方向でフリーホイールスリーブ72から離隔する方向へ移動させられ、その結果、両方の端面歯列80,82は互いに係合解除され、即ちかみ合いを外される。

    本発明は、ブレーキ締め付け装置の押圧ロッド式調整装置1に限定されるものではなく、引っ張りロッド式調整装置にも用いられ得るものである。

    レール走行車両のブレーキ締め付け装置の有利な実施例の押圧ロッド式調整装置の最大長さに伸長された状態での縦断面図

    図1の押圧ロッド式調整装置を最小長さに縮小された状態で示す図

    符号の説明

    1 押圧ロッド式調整装置、 2 ねじ伝動装置、 4 ねじスピンドル、 6 台形ねじ、 8 ナット、 10 電動式の駆動ユニット、 12 電動モータ、 14 伝動装置、 16 遊星歯車装置、 18 歯車段、 20 中心軸線、 22 駆動ケーシング、 24,26 ケーシング部分、 28 歯車、 30 スピンドル側の歯車、 32 溝形玉軸受、 34 円筒形の付加部、 36 円錐スリーブ、 38 滑りカップリング、 40 球体、 42 孔、 44 リング、 46 延長部、 48 滑り軸受、 50 ねじ付きジャーナル、 52 円錐カップリング、 56,58 円錐面、 60 段付き貫通孔、 62 溝形玉軸受、 64 シール、 66 スリーブ、 68 装着面、 70 滑りカップリング、 72 フリーホイールスリーブ、 74 フリーホイール、 76 アキシャル軸受、 78 壁、 80,82 端面歯列、 84 段部、 86 コイルばね、 96 歯付きスリーブ、 98 周面、 102 環状スペース、 104 らせんばね、 106,108 ピン状の端部、 112 電動式の駆動ユニット、 114 直流モータ、 116 遊星歯車装置、 118 歯車段、 120 歯車、 122,124 ケーシング区分、 126 終端位置センサー、 128 端面、 132 受容部、 134 延長部、 136 歯車、 138 らせんばね、 140 らせんばね形フリーホイール

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