空制システム異常判定装置、空制システム、空制システム異常判定方法およびプログラム |
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申请号 | JP2016132610 | 申请日 | 2016-07-04 | 公开(公告)号 | JP2018001997A | 公开(公告)日 | 2018-01-11 |
申请人 | 三菱重工業株式会社; 東日本旅客鉄道株式会社; | 发明人 | 川内 章央; 河野 浩幸; 三竹 雅也; 中村 誓一; 春田 薫; 杉浦 芳光; 横倉 晃; | ||||
摘要 | 【課題】空制システムのメンテナンス周期をより長くできるようにする。 【解決手段】空制システム異常判定装置が、空制システムの所定個所における圧 力 値を取得する圧力値取得部と、前記空制システムの異常発生時の前記所定個所における圧力値に関するデータを記憶するデータベースと、前記圧力値取得部が取得した圧力値と、前記データベースが記憶している前記データとに基づいて、前記空制システムの異常の有無を判定する異常判定部と、該異常判定部が異常有りと判定した場合に、判定結果を示す情報を出力する出力部と、を具備する。 【選択図】図1 | ||||||
权利要求 | 空気圧縮機で生成された圧縮空気を用いるブレーキシステムである空制システムの所定個所における圧力値を取得する圧力値取得部と、 前記空制システムの異常発生時の前記所定個所における圧力値に関するデータを記憶するデータベースと、 前記圧力値取得部が取得した圧力値と、前記データベースが記憶している前記データとに基づいて、前記空制システムの異常の有無を判定する異常判定部と、 該異常判定部が異常有りと判定した場合に、判定結果を示す情報を出力する出力部と、 を具備することを特徴とする空制システム異常判定装置。前記異常判定部は、異常ありと判定した場合、異常の種類を判定することを特徴とする請求項1に記載の空制システム異常判定装置。前記異常判定部は、前記圧力値取得部が取得した圧力値と、異常の有無の判定結果とを対応付けて前記データベースに記憶させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空制システム異常判定装置。請求項1から3のいずれか一項に記載の空制システム異常判定装置を具備することを特徴とする空制システム。空気圧縮機で生成された圧縮空気を用いるブレーキシステムである空制システムの異常発生時の所定個所における圧力値に関するデータを記憶するデータベースを具備する空制システム異常判定装置の空制システム異常判定方法であって、 前記空制システムの前記所定個所における圧力値を取得する圧力値取得ステップと、 前記圧力値取得ステップにて取得した圧力値と、前記データベースが記憶している前記データとに基づいて、前記空制システムの異常の有無を判定する異常判定ステップと、 該異常判定ステップにて異常有りと判定した場合に、判定結果を示す情報を出力する出力ステップと、 を具備することを特徴とする空制システム異常判定方法。空気圧縮機で生成された圧縮空気を用いるブレーキシステムである空制システムの異常発生時の所定個所における圧力値に関するデータを記憶するデータベースを具備する空制システム異常判定装置としてのコンピュータに、 前記空制システムの前記所定個所における圧力値を取得する圧力値取得ステップと、 前記圧力値取得ステップにて取得した圧力値と、前記データベースが記憶している前記データとに基づいて、前記空制システムの異常の有無を判定する異常判定ステップと、 該異常判定ステップにて異常有りと判定した場合に、判定結果を示す情報を出力する出力ステップと、 を実行させるためのプログラム。 |
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说明书全文 | 本発明は、空制システム異常判定装置、空制システム、空制システム異常判定方法およびプログラムに関する。 空制システム、すなわち、空気圧縮機で生成された圧縮空気を用いるブレーキシステムなど、車両に用いられる装置の状態監視に関連して幾つかの技術が提案されている。 例えば、特許文献1に記載の車両の監視装置では、速度演算部及び加減速度演算部は、速度パルス信号に基づいて、鉄道車両の挙動として、鉄道車両の速度及び加速度を検出する。異常検知処理部は、速度演算部及び加減速度演算部により検出された速度及び加速度と鉄道車両の運転操作部からの運転操作信号とに基づいて、速度演算部及び加減速度演算部により検出された速度及び加速度が、鉄道車両の運転操作部からの運転操作信号に基づいて予め定められた異常挙動条件に該当するか否かを判定し、前記異常挙動条件に該当する場合に異常検知信号を発生する。 これにより、特許文献1に記載の車両の監視装置では、鉄道車両等の車両の異常をより適切に検知できる、とされている。 特開2012−205332号公報
空制システムのメンテナンスは、例えば定期点検時など、定期的に実施するのが一般的である。メンテナンスに要する時間や作業負荷の低減の観点からは、メンテナンス周期の延長や、作業効率化による人員削減等を行うことが考えられる。しかし、空制システムの信頼性を確保するために、メンテナンス周期の延長や人員削減等を実施可能な範囲は限定的なものとなっている。 ここで、空制システムにおける各機器の異常を検出するために、機器に応じた種類のセンサを設置し、特許文献1に記載の車両の監視装置のように異常の有無の判定基準を予め設定しておいて、空制システムを自動監視することが考えられる。例えば、除湿機の異常を監視するために湿度センサを設置し、湿度測定値が所定の閾値より大きい場合に異常と判定することが考えられる。また、空気圧縮機の異常を監視するために振動センサを設置し、振動測定値が所定の閾値より大きい場合に異常ありと判定することが考えられる。 しかしながら、使用するセンサの種類によってセンサの耐久性や信頼性に差があり、空制システムの信頼性を確保するためには、耐久性や信頼性の最も低いセンサに合わせて、センサの点検や交換等のメンテナンスを行う必要がある。従って、メンテナンス周期を短くする必要が生じ、作業負荷低減の妨げとなってしまう。 本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、メンテナンス周期をより長くすることのできる空制システム異常判定装置、空制システム、空制システム異常判定方法およびプログラムを提供することにある。 この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による空制システム異常判定装置は、空気圧縮機で生成された圧縮空気を用いるブレーキシステムである空制システムの所定個所における圧力値を取得する圧力値取得部と、前記空制システムの異常発生時の前記所定個所における圧力値に関するデータを記憶するデータベースと、前記圧力値取得部が取得した圧力値と、前記データベースが記憶している前記データとに基づいて、前記空制システムの異常の有無を判定する異常判定部と、該異常判定部が異常有りと判定した場合に、判定結果を示す情報を出力する出力部と、を具備することを特徴とする。 また、本発明の他の一態様による空制システム異常判定装置は、上述の空制システム異常判定装置であって、前記異常判定部は、異常ありと判定した場合、異常の種類を判定することを特徴とする。 また、本発明の他の一態様による空制システム異常判定装置は、上述の空制システム異常判定装置であって、前記異常判定部は、前記圧力値取得部が取得した圧力値と、異常の有無の判定結果とを対応付けて前記データベースに記憶させることを特徴とする。 また、本発明の他の一態様による空制システムは、上述の空制システム異常判定装置を具備することを特徴とする。 また、本発明の他の一態様による空制システム異常判定方法は、空気圧縮機で生成された圧縮空気を用いるブレーキシステムである空制システムの異常発生時の所定個所における圧力値に関するデータを記憶するデータベースを具備する空制システム異常判定装置の空制システム異常判定方法であって、前記空制システムの前記所定個所における圧力値を取得する圧力値取得ステップと、前記圧力値取得ステップにて取得した圧力値と、前記データベースが記憶している前記データとに基づいて、前記空制システムの異常の有無を判定する異常判定ステップと、該異常判定ステップにて異常有りと判定した場合に、判定結果を示す情報を出力する出力ステップと、を具備することを特徴とする。 また、本発明の他の一態様によるプログラムは、空気圧縮機で生成された圧縮空気を用いるブレーキシステムである空制システムの異常発生時の所定個所における圧力値に関するデータを記憶するデータベースを具備する空制システム異常判定装置としてのコンピュータに、前記空制システムの前記所定個所における圧力値を取得する圧力値取得ステップと、前記圧力値取得ステップにて取得した圧力値と、前記データベースが記憶している前記データとに基づいて、前記空制システムの異常の有無を判定する異常判定ステップと、該異常判定ステップにて異常有りと判定した場合に、判定結果を示す情報を出力する出力ステップと、を実行させるためのプログラムである。 本発明によれば、空制システムのメンテナンス周期をより長くすることができる。 本発明の一実施形態における空制システムの機能構成を示す概略ブロック図である。 同実施形態におけるアフタークーラの出口圧力値の例を示すグラフである。 同実施形態における除湿機の出口圧力値の例を示すグラフである。 同実施形態における除湿フィルタの前後における圧力差の例を示すグラフである。 同実施形態における空気圧縮機の出口圧力値の例を示すグラフである。 同実施形態における異常判定部が時系列データをフーリエ変換して取得する周波数成分の例を示すグラフである。 同実施形態におけるデータベースが記憶する統計データの例を示すグラフである。 同実施形態における空制システム異常判定装置が行う処理の手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。 図1は、本発明の一実施形態における空制システムの機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、空制システム10は、電源111と、起動装置112と、電動機113と、空気圧縮機121と、アフタークーラ122と、除湿フィルタ123と、除湿機124と、空気タンク125と、圧力センサ151〜154と、空制システム異常判定装置200とを具備する。空制システム異常判定装置200は、圧力値取得部210と、データベース220と、異常判定部230と、出力部240とを具備する。 空制システム10は、空気圧縮機で生成された圧縮空気を用いるブレーキシステムであり、例えば鉄道車両または自動車などの車両である車両1に搭載され、車両1の操作者(運転員)が行うブレーキ操作を受けて車両1を制動する。 電源111は、電動機113など車両1に搭載された各機器に電力を供給する。 起動装置112は、停止状態にある電動機113を起動するために用いられる。 電動機113は、電源111からの電力を用いて回転力を生成し、生成した回転力にて空気圧縮機121を動作させる。 空気圧縮機121は、電動機113からの回転力を用いて空気を圧縮し、得られた圧縮空気をアフタークーラ122へ出力する。 アフタークーラ122は、空気圧縮機121が生成した圧縮空気を冷却して除湿フィルタ123へ出力する。 除湿フィルタ123と除湿機124とは、アフタークーラ122が冷却した圧縮空気を除湿して空気タンク125へ出力する。 空気タンク125は、除湿機124からの圧縮空気を蓄える。空気タンク125が蓄えた圧縮空気は、車両1の操作者が行うブレーキ操作に応じてブレーキ装置を動作させるのに用いられる。 圧力センサ151〜154の各々は、空制システム10の所定個所における圧力値を測定する。具体的には、圧力センサ151は、空気圧縮機121の出口圧力値を測定する。圧力センサ152は、アフタークーラ122の出口圧力値を測定する。圧力センサ153は、除湿フィルタ123の出口圧力値を測定する。圧力センサ154は、除湿機124の出口圧力値を測定する。 なお、図1における圧力センサ151〜154の設置箇所は一例であり、これに限らない。例えば、圧力センサ151〜154のうち一部のみを設置するようにしてもよい。 空制システム異常判定装置200は、圧力センサ151〜154が測定した圧力値(すなわち圧力測定値)に基づいて、空制システム10の異常の有無を判定する。ここでいう異常とは、故障または故障の予兆である。また、ここでいう故障とは、修理または部品交換など処置を必要とする不具合である。空制システム異常判定装置200は、コンピュータにて実現されていてもよいし、専用回路を用いて実現されていてもよい。 圧力値取得部210は、圧力センサ151〜154が測定した、空制システム10の所定個所における圧力値を取得する。 データベース220は、空制システム10の異常発生時の所定個所における圧力値に関するデータを記憶する。より具体的には、データベース220は、圧力センサ151〜154の測定箇所における圧力値と、正常/異常の区別、および、異常の場合は異常の種類とを対応付けたデータを複数記憶する。 異常判定部230は、圧力値取得部210が取得した圧力値と、データベース220が記憶しているデータとに基づいて、空制システム10の異常の有無の判定を行う。より具体的には、異常判定部230は、圧力値取得部210が取得した圧力値または当該圧力値から得られた特徴量と、データベース220が記憶しているデータとを用いて、例えば主成分分析法またはMT法(マハラノビス・タグチ法)などの多変量解析手法によって、空制システム10の異常の有無を判定する。 例えば、異常判定部230は、圧力センサ151が測定する空気圧縮機121の出口圧力値を用いて、空気圧縮機121の異常の有無を判定する。また、異常判定部230は、圧力センサ152が測定するアフタークーラ122の出口圧力値を用いて、アフタークーラ122の異常の有無を判定する。また、異常判定部230は、圧力センサ152と圧力センサ153とを用いて得られる除湿フィルタ123の前後における圧力差を用いて、除湿フィルタ123の異常の有無を判定する。また、異常判定部230は、圧力センサ154が測定する除湿機124の出口圧力値を用いて、除湿機124の異常の有無を判定する。 出力部240は、異常判定部230が異常有りと判定した場合に、判定結果を示す情報を出力する。例えば、出力部240は、異常判定部230の判定結果として、異常の有無や異常の種類を示す情報を、車両1に設置された警報表示装置または記憶装置などに出力(送信)する。 次に、図2〜図7を参照して、異常判定部230が行う判定について説明する。 図2は、アフタークーラ122の出口圧力値の例を示すグラフである。同図の縦軸は圧力値を示す。また、同図の横軸は、例えば空気圧縮機121の動作開始時など所定事象発生時からの経過時間を示す。また、線L11は、アフタークーラ122が正常に動作している場合の出口圧力値の例を示す。線L12は、アフタークーラ122に異常が発生している場合の出口圧力値の例を示す。 線L11に示されるアフタークーラ122の正常時の例では、時間経過に応じて圧力値が上昇し、時間T11経過時に目標圧力値に到達している。 一方、線L12は、アフタークーラ122の冷却能力が低下した場合の例を示している。アフタークーラ122の冷却能力が低下することで、正常時よりも圧力値が大きく(すなわち、圧力が高く)なり、正常時よりも短時間である時間T12経過時に目標圧力値に到達している。 例えば、データベース220は、図2に示すようなアフタークーラ122の起動時の出口圧力値の時系列データを、正常時および異常時の各々について、正常/異常の区別と対応付けて複数記憶しておく。データベース220が記憶するデータは、過去に得られたデータであってもよいし、シミュレーション等で得られた想定データであってもよい。 あるいは、異常状態を人為的に発生させて異常時のデータを取得し、データベース220に記憶させるようにしてもよい。例えば、除湿フィルタ123にテープを貼って目詰まり状態を人為的に発生させ、当該目詰まり状態におけるセンサ測定値(例えば、圧力センサ152や圧力センサ153が測定する圧力値)をデータベース220に記憶させるようにしてもよい。 アフタークーラ122の異常の有無の判定において、異常判定部230は、圧力センサ152が測定するアフタークーラ122の出口圧力値の時系列データを、圧力値取得部210を介して取得する。そして、異常判定部230は、取得した時系列データとデータベース220が記憶しているデータとを比較することで、異常の有無を判定する。 具体的には、異常判定部230は、データベース220が記憶しているデータおよび圧力センサ152が測定したデータの各々について特徴量を複数抽出する。例えば、異常判定部230は、所定時間における圧力瞬時値や、目標圧力値など所定の圧力値になるまでの所要時間や、高速フーリエ変換(FFT;Fast Fourier Transform)にて得られる周波数成分などを、特徴量として取得する。 そして、異常判定部230は、主成分分析法またはMT法などの多変量解析手法を用いて、特徴量と正常/異常との区別との相関関係に基づいて、異常の有無を判定する。 なお、データベース220が記憶するデータについて予め特徴量を抽出しておいてもよい。すなわち、データベース220が、出口圧力値の時系列データに代えて、当該時系列データから得られる特徴量を記憶するようにしてもよい。 なお、異常判定部230が、データベース220の記憶しているデータと圧力センサ152が測定したデータとを比較する方法は、多変量解析手法を用いる方法に限らない。例えば、異常判定部230が、データベース220の記憶しているデータの各々について、圧力センサ152が測定したデータとの差の絶対値を所定のサンプリング間隔で算出し、差の絶対値の合計の大きさに基づいてデータの比較を行うようにしてもよい。この場合、異常判定部230は、差の絶対値の合計が最も小さいデータを、圧力センサ152の測定したデータに最も類似するデータとして選択し、選択したデータが正常時のデータか異常時のデータかに基づいて、異常の有無を判定する。 あるいは、異常判定部230が比較に用いるべき特徴量を、判定対象の機器毎に予め設定しておいてもよい。 なお、異常判定部230は、異常ありと判定した場合、さらに異常の種類の判定を行う。例えば、アフタークーラ122内の配管に亀裂が生じた場合など圧縮空気が漏れている場合、図2の例とは逆に、目標圧力値に到達するまでの時間が正常の場合よりも長くなる。そこで、異常判定部230は、目標圧力値に到達するまでの時間が正常の場合よりも長い場合と短い場合とを区別して、長い場合は圧縮空気漏れの可能性有りと判定し、短い場合は冷却不足の可能性ありと判定する。 但し、異常の種類の判定は本発明において必須の処理ではなく、省略可能である。 図3は、除湿機124の出口圧力値の例を示すグラフである。同図の縦軸は圧力値を示す。また、同図の横軸は、例えば除湿機124の起動開始時など所定事象発生時からの経過時間を示す。また、線L21は、除湿機124が正常に動作している場合の出口圧力値の例を示す。線L22は、除湿機124に異常が発生している場合の出口圧力値の例を示す。 線L21に示されるアフタークーラ122の正常時の例では、時間経過に応じて圧力値が上昇し、時間T21経過時に目標圧力値に到達している。 一方、線L22は、除湿機124のパージ量が過大である場合の例を示している。パージ量が多いことで配管内の流量が減少し、正常時よりも長時間である時間T22経過時に目標圧力値に到達している。 異常判定部230は、除湿機124の異常の有無の判定についても、図2を参照して説明したアフタークーラ122の異常の有無の判定と同様に行う。 例えば、データベース220は、図3に示すような除湿機124の起動時の出口圧力値の時系列データを、正常時および異常時の各々について、正常/異常の区別と対応付けて複数記憶しておく。データベース220が記憶するデータは、過去に得られたデータであってもよいし、シミュレーション等で得られた想定データであってもよいし、人為的に発生させた異常状態におけるデータであってもよい。 そして、除湿機124の異常の有無の判定において、異常判定部230は、圧力センサ154が測定する除湿機124の出口圧力値の時系列データを、圧力値取得部210を介して取得する。そして、異常判定部230は、取得した時系列データとデータベース220が記憶しているデータとを比較することで、異常の有無を判定する。 具体的には、アフタークーラ122の場合と同様、異常判定部230は、データベース220が記憶しているデータおよび圧力センサ154が測定したデータの各々について特徴量を複数抽出し、多変量解析手法を用いて異常の有無を判定する。 データベース220が記憶するデータについて予め特徴量を抽出しておいてもよい点や、異常判定部230が、データベース220の記憶しているデータと圧力センサ154が測定したデータとを比較する方法が、多変量解析手法を用いる方法に限らない点も、アフタークーラ122の場合と同様である。 また、異常判定部230が、異常の種類の判定を行うようにしてもよいし、当該処理を省略してもよい点も、アフタークーラ122の場合と同様である。 図4は、除湿フィルタ123の前後における圧力差の例を示すグラフである。同図の縦軸は圧力差を示す。また、同図の横軸は、例えばアフタークーラ122や除湿機124の起動開始時など所定事象発生時からの経過時間を示す。また、線L31は、除湿フィルタ123が正常状態にある場合の圧力差の例を示す。線L32は、除湿フィルタ123に異常が発生している場合の圧力差の例を示す。 具体的には、線L32は、除湿フィルタ123に目詰まりが発生している場合の例を示しており、正常時よりも圧量差が大きくなっている。 かかる目詰まりを検出するために、異常判定部230は、複数の圧力センサの測定値に基づく特徴量を用いる。具体的には、異常判定部230は、圧力センサ152が測定する除湿フィルタ123の入口圧力値から、圧力センサ153が測定する除湿フィルタ123の出口圧力値を減算した瞬時値、あるいは所定時間の平均値を、上述した特徴量の1つとして用いる。 具体的な判定方法は、図2を参照して説明したアフタークーラ122の異常の有無の判定の場合と同様である。 例えば、データベース220は、除湿フィルタ123の入口における圧力値の時系列データと、除湿フィルタ123の出口における圧力値の時系列データとの組み合わせを、正常時および異常時の各々について、正常/異常の区別と対応付けて複数記憶しておく。データベース220が記憶するデータは、過去に得られたデータであってもよいし、シミュレーション等で得られた想定データであってもよいし、人為的に発生させた異常状態におけるデータであってもよい。 そして、除湿フィルタ123の異常の有無の判定において、異常判定部230は、圧力センサ152が測定する除湿フィルタ123の入口圧力値の時系列データから、圧力センサ153が測定する除湿フィルタ123の出口圧力値の時系列データを、時間毎に減算して圧力値の時系列データを取得する。また、異常判定部230は、データベース220が記憶しているデータについても、除湿フィルタ123の入口圧力値の時系列データから、除湿フィルタ123の出口圧力値の時系列データを、時間毎に減算して圧力値の時系列データを取得する。そして、異常判定部230は、圧力センサから得られたデータと、データベース220から得られたデータとを比較することで、異常の有無を判定する。 具体的には、アフタークーラ122の場合と同様、異常判定部230は、圧力センサから得られたデータと、データベース220から得られたデータとの各々について特徴量を複数抽出し、多変量解析手法を用いて異常の有無を判定する。 データベース220が記憶するデータについて予め特徴量を抽出しておいてもよい点や、異常判定部230が、データベース220の記憶しているデータと算出したデータとを比較する方法が、多変量解析手法を用いる方法に限らない点も、アフタークーラ122の場合と同様である。 また、異常判定部230が、異常の種類の判定を行うようにしてもよいし、当該処理を省略してもよい点も、アフタークーラ122の場合と同様である。 なお、除湿フィルタ123の前後の圧力差のように時間変化の小さいデータの場合、異常判定部230が時系列データに代えて瞬時値を用いるようにしてもよい。具体的には、データベース220が、圧力値の時系列データに代えて圧力の瞬時値を、正常/異常の区別と対応付けて記憶しておく。そして、異常判定部230は、圧力センサから得られる圧力の瞬時値と、データベース220が記憶している圧力の瞬時値とを比較して、異常の有無を判定する。 図5は、空気圧縮機121の出口圧力値の例を示すグラフである。同図の縦軸は圧力値を示す。また、同図の横軸は、例えば空気圧縮機121の起動開始時など所定事象発生時からの経過時間を示す。また、線L41は、空気圧縮機121が正常に動作している場合の出口圧力値の例を示す。線L42は、空気圧縮機121に異常が発生している場合の出口圧力値の例を示す。 具体的には、線L42は、空気圧縮機121に振動が生じている場合の例を示しており、空気圧縮機121の出口圧力値も振動している。 かかる振動を検出するために、異常判定部230は、圧力値の周波数成分を特徴量として用いる。具体的には、異常判定部230は、データベース220の記憶する時系列データや、圧力センサから得られる時系列データをフーリエ変換(例えば、FFT)して周波数成分を算出して特徴量の1つとする。 図6は、異常判定部230が時系列データをフーリエ変換して取得する周波数成分の例を示すグラフである。同図の縦軸は圧力値を示す。また、同図の横軸は周波数を示す。また、線L51は、空気圧縮機121が正常に動作している場合の出口圧力値の例を示す。線L52は、空気圧縮機121に異常が発生している場合の出口圧力値の例を示す。 具体的には、線L52は、線L42の例のように、空気圧縮機121に振動が生じている場合の例を示している。このため、線L52の例では、特定の周波数成分において圧力値が大きくなっている。 例えば、データベース220は、除湿機124の出口における圧力値の時系列データを、正常時および異常時の各々について、正常/異常の区別と対応付けて複数記憶しておく。データベース220が記憶するデータは、過去に得られたデータであってもよいし、シミュレーション等で得られた想定データであってもよいし、人為的に発生させた異常状態におけるデータであってもよい。 そして、除湿機124の異常の有無の判定において、異常判定部230は、圧力センサ154が測定する除湿機124の出口圧力値の時系列データをフーリエ変換して周波数成分を取得する。また、異常判定部230は、データベース220が記憶している除湿機124の出口圧力値の時系列データについても、フーリエ変換して周波数成分を取得する。そして、異常判定部230は、得られた周波数成分を特徴量の1つとして、圧力センサから得られたデータと、データベース220から得られたデータとを比較することで、異常の有無を判定する。具体的には、異常判定部230は、圧力センサから得られたデータと、データベース220から得られたデータとの各々について、周波数成分を含む複数の特徴量を抽出し、多変量解析手法を用いて異常の有無を判定する。 なお、異常判定部230は、周波数成分における様々な値を特徴量として用いることができる。例えば、異常判定部230が、所定周波数成分における圧力値を特徴量として用いるようにしてもよいし、周波数成分の最大値、最小値、または最大値から最小値を減算した差を特徴量として用いるようにしてもよい。あるいは、これらのうち複数を特徴量として用いるようにしてもよい。 データベース220が記憶するデータについて予め特徴量を抽出しておいてもよい点や、異常判定部230が、データベース220の記憶しているデータと算出したデータとを比較する方法が、多変量解析手法を用いる方法に限らない点も、アフタークーラ122の場合と同様である。 また、異常判定部230が、異常の種類の判定を行うようにしてもよいし、当該処理を省略してもよい点も、アフタークーラ122の場合と同様である。 なお、データベース220が、個々のデータに代えて統計データを記憶するようにしてもよい。 図7は、データベース220が記憶する統計データの例を示すグラフである。同図の横軸は特徴量を示し、縦軸は特徴量の出現頻度を示す。また、図形F61は、ある機器が正常な場合における特徴量の出現頻度をヒストグラムにて示す。図形F62は、当該機器が正常な場合における特徴量の出現頻度をヒストグラムにて示す。 異常判定部230は、データベース220が記憶する統計データに基づいて、異常の有無の判定基準を設定して判定を行う。 例えば、図7の例において、異常判定部230は、図形F61に示される、機器が正常な場合における特徴量の最大値と、図形F62に示される、機器が異常な場合における特徴量の最小値との中間値(例えば平均値)である値V61を閾値として算出する。そして、異常判定部230は、圧力センサの測定値から得られる特徴量と閾値とを比較し、特徴量が閾値より大きい場合は異常ありと判定する。一方、特徴量が閾値以下である場合、異常判定部230は異常なしと判定する。 次に、図8を参照して、空制システム異常判定装置200の動作について説明する。 図8は、空制システム異常判定装置200が行う処理の手順を示すフローチャートである。空制システム異常判定装置200は、例えば、所定時間毎かつ判定対象の機器毎に同図の処理を行う。 図8の処理において、異常判定部230は、圧力センサ(圧力センサ151〜154のうち1つ以上)が測定する圧力値の時系列データを取得する(ステップS101)。具体的には、異常判定部230は、圧力センサが測定する圧力値を、圧力値取得部210を介して所定のサンプリング周期毎に取得し記憶しておくことで、圧力値の時系列データを生成する。 次に、異常判定部230は、判定対象となっている機器の異常の有無を判定するために、ステップS101で取得した時系列データを分析する(ステップS102)。具体的には、上述したように、異常判定部230は、データベース220から正常時の時系列データおよび異常時の時系列データを読み出し、読み出したデータとステップS101で取得した時系列データとを比較する。 そして、異常判定部230は、ステップS102で行った分析に基づいて、判定対象となっている機器の異常の有無を判定する(ステップS103)。 異常有りと判定した場合(ステップS103:YES)、異常判定部230は、さらに、データ分析を行って異常の種類を判定する(ステップS104)。例えば、図2を参照して説明したように、異常判定部230は、圧力値が目標圧力値に達するまでに要する時間が正常時の場合よりも長いか短いかなど、異常を示す特徴量と正常時の特徴量とを比較することで、異常の種類を判定する。 なお、データベース220が、機器の正常時のデータを記憶していなくてもよい。すなわち、データベース220が、機器の異常時のデータのみ、異常の種類を示す情報と対応付けて記憶していてもよい。この場合、異常判定部230は、例えば、データベース220から得られたデータの各々について、圧力センサから得られたデータとの類似度を算出する。そして、所定の類似度以上に類似しているデータがある場合、異常判定部230は異常ありと判定する。一方、所定の類似度以上に類似しているデータがない場合、異常判定部230は異常なしと判定する。 ステップS104の後、出力部240は、異常判定部230の判定結果を出力する(ステップS105)。例えば、出力部240は、異常ありと判定された機器の名称と、異常ありとの判定結果と、異常の種類とを示す判定結果情報を、車両1の運転席に設けられている表示装置へ出力して表示させる。 また、異常判定部230は、圧力センサから得られた時系列データと異常有無の判定結果とを対応付けてデータベース220に記憶させる(ステップS106)。データベース220が記憶するデータの量が増えることで、異常判定部230の判定精度が向上することを期待できる。 ステップS106の後、図8の処理を終了する。 一方、ステップS103において異常なしと判定した場合(ステップS103:NO)、ステップS106へ進む。 以上のように、圧力値取得部210は、空制システム10の所定個所における圧力値を取得する。また、データベース220は、空制システム10の異常発生時の所定個所における圧力値に関するデータを記憶する。そして、異常判定部230は、圧力値取得部210が取得した圧力値と、データベース220が記憶しているデータとに基づいて、空制システム10の異常の有無を判定する。 異常判定部230が、圧力値に基づいて各機器の異常の有無を判定することで、空制システム10が具備するセンサを、耐久性や信頼性の比較的高いセンサである圧力センサに統一することができる。この点において、空制システム10のメンテナンス周期をより長くすることができる。 また、異常判定部230が、故障の予兆としての圧力値の変化を検出することで、車両1の操作者や空制システム10の管理者は故障を予測することができ、これにより、車両1の安全性を高めることができる。また、空制システム10のメンテナンス者は、異常判定部230が異常なしと判定した機器と異常ありと判定した機器とでメンテナンスのレベルを変え、異常ありと判定した機器を重点的にメンテナンスすることで、空制システム10の信頼性を確保しつつ、メンテナンスを効率的に行うことができる。 また、異常判定部230は、異常ありと判定した場合、異常の種類を判定する。 これにより、車両1の操作者や空制システム10のメンテナンス者は、異常の種類に応じて適切な処置を行い得る。 また、異常判定部230は、圧力値取得部210が取得した圧力値(すなわち、圧力値取得部210を介して圧力センサから取得した圧力値)と、異常の有無の判定結果とを対応付けてデータベース220に記憶させる。 これにより、データベース220の記憶するデータ数を増やすことができ、異常判定部230の判定精度を向上させ得る。 なお、空制システム異常判定装置200の各部の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。 また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。 また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。 以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。 1 車両 10 空制システム 111 電源 112 起動装置 113 電動機 121 空気圧縮機 122 アフタークーラ 123 除湿フィルタ 124 除湿機 125 空気タンク 151〜154 圧力センサ 200 空制システム異常判定装置 210 圧力値取得部 220 データベース 230 異常判定部 240 出力部 |