回生電量推定装置およびブレーキ計画立案装置

申请号 JP2015198458 申请日 2015-10-06 公开(公告)号 JP2017073869A 公开(公告)日 2017-04-13
申请人 株式会社東芝; 发明人 江澤 徹; 板倉 昭宏; 西沢 孝浩; 伴野 幸造;
摘要 【課題】 精度 良く回生電 力 量を推定し、省エネルギーな運行に貢献できる回生電力量推定装置およびブレーキ計画立案装置を提供する。 【解決手段】一実施形態に係る回生電力推定装置は、鉄道車両の運行において、ブレーキノッチの切替え操作毎に当該ブレーキノッチの切替え操作に対応する電気ブレーキの過渡応答を含んで構成されるブレーキノッチ切替え別回生電力量推定モデルと、前記ブレーキノッチ切替え別回生電力量推定モデルに基づいて、前記ブレーキノッチの時間推移データであるブレーキ計画について得られる期待回生電力量を推定する回生電力量推定手段とを有する。 【選択図】図25
权利要求

鉄道車両の運行において、ブレーキノッチの切替え操作毎に当該ブレーキノッチの切替え操作に対応する電気ブレーキの過渡応答を含んで構成されるブレーキノッチ切替え別回生電量推定モデルと、 前記ブレーキノッチ切替え別回生電力量推定モデルに基づいて、前記ブレーキノッチの時間推移データであるブレーキ計画について得られる期待回生電力量を推定する回生電力量推定手段と、 を有する回生電力量推定装置。勾配・カーブ情報、車両速度、車両重量、天候、架線電圧、滑走状態、車両併結状態のうち少なくとも一つを前記回生電力量推定手段への入力とする、 請求項1記載の回生電力量推定装置。鉄道車両の運行において、時刻、ダイヤ情報、位置情報に基づいて定時運行が可能な複数のブレーキ計画を生成するブレーキ計画生成手段と、 前記複数のブレーキ計画について、請求項1記載の回生電力量推定手段で推定される期待回生電力量に基づいて、選択条件を満足するブレーキ計画を選択するブレーキ計画選択手段と、 を有するブレーキ計画立案装置。勾配・カーブ情報、車両速度、車両重量、天候のうち少なくとも一つを前記ブレーキ計画生成手段への入力とする、 請求項3記載のブレーキ計画立案装置。前記選択条件を前記ブレーキ計画選択手段に入力する選択条件入力手段、 を有する請求項3記載のブレーキ計画立案装置。前記ブレーキ計画選択手段は、選択されたブレーキ計画を、当該ブレーキ計画に則って車両を制御する車両制御手段へ出力する、 請求項3記載のブレーキ計画立案装置。前記ブレーキ計画選択手段により選択されたブレーキ計画に則って車両を制御するかどうかの実行指示を入力する実行指示入力手段、 を有する請求項6記載のブレーキ計画立案装置。請求項1または2記載の回生電力量推定装置を有する、 請求項3ないし7のいずれか1項に記載のブレーキ計画立案装置。

说明书全文

本発明の実施形態は、回生電量推定装置およびブレーキ計画立案装置に関する。

鉄道車両の運行において、運転士は運転台に設けられた主幹制御器のブレーキノッチを操作することによって、列車を目的位置へ停止させる。主幹制御器の指令は車両制御装置に伝送され、車両制御装置は、ブレーキノッチ操作に対応した、列車が減速・停止するために必要なブレーキ力を演算する。ブレーキは電気ブレーキと摩擦ブレーキで構成される。基本的には電気ブレーキが優先され、必要なブレーキ力が得られない場合に摩擦ブレーキで補助する。電気ブレーキは、通常は回転力を出力するモータに対して逆軸回転をさせることにより発電機として作動(回生)させて制動する方式であるため、可能な限り電気ブレーキを利用した方が、回生電力量が多くなり、省エネルギーな運行に貢献できる。

従来、できるだけ多くの回生電力量を得るために、電気ブレーキを最大限に活用するようなブレーキノッチの切替え判断を行い、その判断結果を運転台へ表示もしくは運転制御に適用する方式が提案されている。しかし、ブレーキノッチの切替え操作に対する電気ブレーキの応答は、回路形成や伝送遅延などにより異なる時間遅れ(過渡応答)がある。従来の手法では、この過渡応答の時間についてはタイマーにより処理が省略されているため、過渡応答を含めた回生電力量の推定及びブレーキノッチの切替え判断ができない。

特開2013−207992号公報

特開2008−301702号公報

特開2003−274516号公報

本発明が解決しようとする課題は、精度良く回生電力量を推定し、省エネルギーな運行に貢献できる回生電力量推定装置およびブレーキ計画立案装置を提供することである。

一実施形態に係る回生電力推定装置は、鉄道車両の運行において、ブレーキノッチの切替え操作毎に当該ブレーキノッチの切替え操作に対応する電気ブレーキの過渡応答を含んで構成されるブレーキノッチ切替え別回生電力量推定モデルと、前記ブレーキノッチ切替え別回生電力量推定モデルに基づいて、前記ブレーキノッチの時間推移データであるブレーキ計画について得られる期待回生電力量を推定する回生電力量推定手段とを有する。

ブレーキノッチと期待回生電力の関係の例を示す表。

ブレーキノッチと回生電力の時間推移の例を示す図。

実施形態における切替え前のブレーキノッチ及び切替え後のブレーキノッチと期待回生電力の関係の例を示す表。

ブレーキノッチと回生電力の時間推移と過渡応答区間の区別の例を示す図。

実施形態における回生電力量推定装置のブロック図。

実施形態における回生電力量推定装置のフローチャート。

実施形態における各種情報の取得部を有する回生電力量推定装置のブロック図。

実施形態における各種情報の取得部を有する回生電力量推定装置のフローチャート。

車両速度と期待回生電力の関係の例を示す図。

実施形態における切替え前のブレーキノッチ及び切替え後のブレーキノッチと車両速度と期待回生電力の関係の例を示す図。

車両速度と天候と期待回生電力の関係の例を示す図。

実施形態における回生電力量推定装置を有するブレーキ計画立案装置のブロック図。

実施形態における回生電力量推定装置を有するブレーキ計画立案装置のフローチャート。

実施形態におけるブレーキ計画生成部で生成されるブレーキ計画案の例を示す図。

実施形態におけるブレーキ計画選択部で利用される選択条件の例を示す図。

実施形態における回生電力量推定装置及び各種情報の取得部を有するブレーキ計画立案装置のブロック図。

実施形態における回生電力量推定装置及び各種情報の取得部を有するブレーキ計画立案装置のフローチャート。

実施形態における回生電力量推定装置を有し、選択条件の入力が可能なブレーキ計画立案装置のブロック図。

実施形態における回生電力量推定装置を有し、選択条件の入力が可能なブレーキ計画立案装置のフローチャート。

実施形態における回生電力量推定装置を有し、車両制御への出力が可能なブレーキ計画立案装置のブロック図。

実施形態における回生電力量推定装置を有し、車両制御への出力が可能なブレーキ計画立案装置のフローチャート。

実施形態における回生電力量推定装置を有し、実行指示を経て車両制御への出力が可能なブレーキ計画立案装置のブロック図。

実施形態における回生電力量推定装置を有し、実行指示を経て車両制御への出力が可能なブレーキ計画立案装置のフローチャート。

実施形態における実行指示を入力するGUIの例を示す図。

実施形態における前記各付加機能を有する回生電力量推定装置及びブレーキ計画立案装置のブロック図。

実施形態における前記各付加機能を有する回生電力量推定装置及びブレーキ計画立案装置のフローチャート。

以下、図面を参照しながら実施形態を説明する。以下の実施形態では、同一の構成要素に同一の参照符号を付して、重ねての説明を省略する。

実施例1において、回生電力量推定装置について説明する。

図1は、ブレーキノッチと期待回生電力の関係の例を示す表である。図1のように、ブレーキノッチに対して、得られるであろう回生電力(期待回生電力[kW])を予め把握しておくことにより、任意の運行区間におけるブレーキノッチの時間推移から期待回生電力の時間積分値である期待回生電力量を算出することができる。これは最も単純な方法であり、ブレーキノッチ以外の情報による影響は考慮しない。なお、図1の例ではブレーキノッチの段数は0から3の4段階をとっているが、実際には何段階でも構わない。

図2は、ブレーキノッチと回生電力の時間推移の例を示す図である。横軸が時間、縦軸がブレーキノッチ及び回生電力[kW]であり、実線がブレーキノッチ、破線が回生電力を示す。図2のように、ブレーキノッチの切替え操作に対する回生電力は、ブレーキノッチを切替えた瞬間の時刻に対して回路形成や伝送遅延などに起因する時間遅れ(過渡応答)がある。図1で示した関係だけを利用した場合は、この過渡応答を考慮することができないため、実際の回生電力量に対する期待回生電力量の推定精度が悪化してしまう。

そこで、本実施形態では、ブレーキノッチの切替えによって発生すること、また、ブレーキノッチの切替え操作において切替える前のブレーキノッチと切替えた後のブレーキノッチの組み合わせで過渡応答の特性が変化することに着目し、ブレーキノッチの切替え操作ごとに回生電力を推定するモデルを構築する。

図3は、実施形態における切替え前のブレーキノッチ及び切替え後のブレーキノッチと期待回生電力の関係の例を示す表である。行が切替え前のブレーキノッチ(0〜3)、列が切替え後のブレーキノッチ(0〜3)を示し、各数値は期待回生電力[kW]を示している。例えば、ある推定対象時刻におけるブレーキノッチが2であるとする。図1の関係を利用すると、期待回生電力は1000[kW]となる。ここで、図3の関係を利用すると、当該時刻すなわち切替え後のブレーキノッチが2であるときの期待回生電力は、当該時刻の直前のブレーキノッチによって異なる。0の場合は800[kW]、1の場合は900[kW]、2の場合は切替えなしのため1000[kW]のまま(図3では規定されず、図1に基づく。)、3の場合は1100[kW]であり、まとめると、800〜1100[kW]の範囲の期待回生電力となる。

図4は、ブレーキノッチと回生電力の時間推移と過渡応答区間の区別の例を示す図である。過渡応答は時間の経過に応じて徐々に定常状態に収束していく。そこで、図4に示すように、Aを過渡応答区間、Bを過渡応答以外の区間と定義し、Aの範囲については図3の関係を利用し、Bの範囲については図1の関係を利用しても良い。

このように、図3の関係、または、図3および図1の両方の関係を利用することで、任意の運行区間におけるブレーキノッチの時間推移から、回生電力の過渡応答を考慮しながら期待回生電力量を算出することができる。したがって、図1で示した関係だけを利用した場合に比べて、過渡応答を考慮する分、実際の回生電力量に対する期待回生電力量の推定精度を改善できる。

図5は、実施形態における回生電力量推定装置のブロック図である。回生電力量推定装置500は、回生電力量推定部501、ブレーキノッチ切替え別回生電力推定モデル502を備える。ブレーキ計画503を入力とし、表示部504に推定結果を出力する。図5は、上記で説明した各機能の構成に対応する。

図6は、実施形態における回生電力量推定装置のフローチャートである。図6は、上記で説明した各機能の処理の流れに対応する。本実施形態においては、あらかじめブレーキノッチ切替え別回生電力量推定モデル502を構築しておく必要がある。このモデルとは、具体的には、図3で示した表(切替え前のブレーキノッチ及び切替え後のブレーキノッチと期待回生電力の関係)や、後で説明する図10で示す表(切替え前のブレーキノッチ及び切替え後のブレーキノッチと車両速度と期待回生電力の関係)である。例えば、鉄道車両の運行データを取得し、ブレーキノッチの切替え操作ごとにデータを集計することにより、モデル502を構築する。このモデルは、記憶装置に記憶しておくことができる。

処理を開始する(S601)。はじめに回生電力量推定装置500は、回生電力量を推定したいブレーキノッチの時間推移データ(ブレーキ計画503)を取得する(S602)。回生電力量推定部501は、ブレーキノッチ切替え別回生電力量推定モデル502に基づいて、入力されたブレーキ計画503で得られるであろう期待回生電力量を推定する(S603)。そして、ブレーキ計画とともに推定した期待回生電力量を表示部504へ出力する(S604)。以上で処理を終了する(S605)。

実施例1で説明した構成では、ブレーキノッチの切替え操作ごとに回生電力量推定モデルを持つことにより、過渡応答を考慮しながら期待回生電力量を高精度に推定することができる。

実施例2では、各種情報の取得部を有する回生電力量推定装置について説明する。

図7は、実施形態における各種情報の取得部を有する回生電力量推定装置のブロック図である。実施例1で説明した構成に対して、回生電力量推定部の入力として、勾配・カーブ情報701、車両速度、車両重量、天候、架線電圧、滑走状態、車両併結状態の各取得部702〜707が追加された構成である。

勾配・カーブ情報は、軌道に関わる固有の勾配及びカーブの情報である。車両速度は、車両の運行速度であり、普通は号車別ではなく編成で同一の値をもつ。車両重量は、乗客やその他設備を含む車両の重量であり、号車別に異なる値をもつ。天候は、運行場所の雨やなどの情報である。架線電圧は、架線からパンタグラフを通じてモータにかかる電圧であり、モータの特性などに応じて号車別に異なる値をもつ。滑走状態は、車両の車輪のレールに対する粘着力が弱くなることにより発生する滑りの現象を滑走と言い、その発生の有無や発生予兆などの情報である。車両制御においては、滑走が発生しないようにブレーキ力を制御している。車両併結状態は、異なる系の編成が連結されているかどうかの情報である。

実施例2では、回生電力量推定部において、これらの情報を併用して期待回生電力量を推定する。

図8は、実施形態における各種情報の取得部を有する回生電力量推定装置のフローチャートである。

処理を開始する(S801)。はじめに回生電力量推定装置は、回生電力量を推定したいブレーキノッチの時間推移データ(ブレーキ計画)を取得する(S802)。回生電力量推定部は、勾配・カーブ・車両速度・車両重量・天候・架線電圧・滑走状態・車両併結状態を、各取得部から取得する(S803)。回生電力量推定部は、これら取得した情報と、ブレーキノッチ切替え別回生電力量推定モデルに基づいて、入力されたブレーキ計画で得られるであろう期待回生電力量を推定する(S804)。そして、ブレーキ計画とともに推定した期待回生電力量を表示部へ表示する(S804)。以上で処理を終了する(S806)。

図9は、車両速度と期待回生電力の関係の例を示す図である。例えば車両速度については、車両速度が上がれば上がるほど期待回生電力が大きくなることが分かっているため、図9のような関係を線形式などでモデル化することができる。したがって、期待回生電力の推定に車両速度を考慮することにより、より精度の高い期待回生電力の推定が可能になる。

図10は、実施形態における切替え前のブレーキノッチ及び切替え後のブレーキノッチと車両速度と期待回生電力の関係の例を示す図である。図9で示したように車両速度を考慮する場合、図10のようにブレーキノッチの切替え操作ごとに車両速度を変数とした関係式でモデル化することができる。

図11は、車両速度と天候と期待回生電力の関係の例を示す図である。図9の関係に対して、さらに天候情報を加えたものであり、例えば晴れ、雨、雪といった天候別に、図9の関係のモデルを切替えることができる。

その他の情報についても、関係式の変数として考慮、関係式を切替えて考慮するなど、考慮の具体的な方法は問わない。

実施例2で説明した構成においては、期待回生電力の推定に、勾配・カーブ情報、車両速度、車両重量、天候、架線電圧、滑走状態、車両併結状態を考慮することにより、より精度の高い期待回生電力の推定が可能になる。

実施例3では、ブレーキ計画立案装置について説明する。

図12は、実施形態における回生電力量推定装置を有するブレーキ計画立案装置のブロック図である。実施例1で説明した構成に対して、ブレーキ計画を単数ではなく複数生成することで保持し、全てのブレーキ計画における期待回生電力量を推定し、選択条件に適合するブレーキ計画を選択する構成である。

ブレーキ計画立案装置1200において、ブレーキ計画生成部1201は、時刻取得部1202で得られる時刻、ダイヤ情報1203、および位置情報1204に基づいて、複数のブレーキ計画を生成する。

回生電力量推定装置は、全てのブレーキ計画における期待回生電力量を、回生電力量推定部において、ブレーキノッチ切替え別回生電力量推定モデルに基づいて推定する。選択条件に適合するブレーキ計画をブレーキ計画選択部1205が選択する構成である。各種の結果は表示部に出力される。

図13は、実施形態における回生電力量推定装置を有するブレーキ計画立案装置のフローチャートである。

処理を開始する(S1301)。まず、時刻・ダイヤ・位置の情報を取得する(S1302)。取得した情報に基づき、定時運行が可能な複数のブレーキ計画を生成する(S1303)。このとき、ブレーキ計画を生成する方法としては、ランダムにブレーキノッチを時間推移させて生成しても良いし、過去のブレーキ実績データに基づいて生成しても良く、その具体的方法は問わない。

図14は、実施形態におけるブレーキ計画生成部で生成されるブレーキ計画案の例を示す図である。図14においては、ブレーキ計画案1、ブレーキ計画案2、ブレーキ計画案3の3通りのブレーキ計画を生成している様子が示されている。実施例3のブレーキ計画立案装置は、このように複数のブレーキ計画を生成する。各ブレーキ計画案において、横軸は時間を、縦軸はブレーキノッチを示している。

ブレーキノッチ切替え別回生電力量推定モデルに基づき、生成した複数のブレーキ計画の期待回生電力量を推定する(S1304)。推定した期待回生電力量はそれぞれ対応するブレーキ計画に紐付けられて保持される。

推定した期待回生電力量が紐付けられた複数のブレーキ計画から、選択条件を満足するブレーキ計画を選択する(S1305)。

図15は、実施形態におけるブレーキ計画選択部で利用される選択条件の例である。ブレーキ計画を選択する選択条件として、図15のような条件を予め設定しておく。これらの選択条件は、定量的に評価可能な範囲内であれば、自由に切替えることができる。例えば、図15の選択条件4に示した「急ブレーキをしないで期待回生電力量が最大」という表現は、単位時間区間でブレーキノッチの操作上限を規定する、などで対応することができる。

選択したブレーキ計画と推定した期待回生電力量を表示する(S1306)。以上で処理を終了する(S1307)。

実施例3で説明した構成においては、取得した情報に基づいて複数のブレーキ計画を生成し、全てのブレーキ計画における期待回生電力量を推定し、選択条件に適合するブレーキ計画を選択することによって、単数のブレーキ計画を入力して期待回生電力量を推定するだけでなく、期待回生電力量が更に多くなるブレーキ計画を立案することが可能になる。

実施例4では、各種情報の取得部を有するブレーキ計画立案装置について説明する。

図16は、実施形態における回生電力量推定装置及び各種情報の取得部を有するブレーキ計画立案装置のブロック図である。実施例3で説明した構成に対して、ブレーキ計画生成部の入力として、勾配・カーブ情報1601と、車両速度、車両重量、天候の各取得部1602〜1604が追加された構成である。ブレーキ計画を立案する際に、例えば車両重量が大きい場合にはより多くのブレーキ力が必要になるため、車両重量を考慮しながらブレーキ計画を生成する。その他の情報についても、関係式の変数として考慮、関係式を切替えて考慮するなど、考慮の具体的な方法は問わない。

図17は、実施形態における回生電力量推定装置及び各種情報の取得部を有するブレーキ計画立案装置のフローチャートである。

処理を開始する(S1701)。まず、時刻・ダイヤ・位置・勾配・カーブ・車両速度・車両重量・天候の情報を取得する(S1702)。取得した情報に基づき、定時運行が可能な複数のブレーキ計画を生成する(S1703)。

ブレーキノッチ切替え別回生電力量推定モデルに基づき、生成した複数のブレーキ計画の期待回生電力量を推定する(S1704)。

推定した期待回生電力量が紐付けられた複数のブレーキ計画から、選択条件を満足するブレーキ計画を選択する(S1705)。

選択したブレーキ計画と推定した期待回生電力量を表示する(S1706)。以上で処理を終了する(S1707)。

実施例4で説明した構成においては、ブレーキ計画の生成に、勾配・カーブ、車両速度、車両重量、天候を考慮することにより、より精度良く定時運行が可能なブレーキ計画を生成することが可能になる。

実施例5では、選択条件の入力が可能なブレーキ計画立案装置について説明する。

図18は、実施形態における回生電力量推定装置を有し、選択条件の入力が可能なブレーキ計画立案装置のブロック図である。実施例3で説明した構成に対して、ブレーキ計画選択部の入力として、選択条件入力部1801が追加された構成である。図15に示したような選択条件について、運用時の状況に応じて適宜切替えられるようになる。

図19は、実施形態における回生電力量推定装置を有し、選択条件の入力が可能なブレーキ計画立案装置のフローチャートである。

処理を開始する(S1901)。まず、時刻・ダイヤ・位置の情報を取得する(S1902)。取得した情報に基づき、定時運行が可能な複数のブレーキ計画を生成する(S1903)。

ブレーキノッチ切替え別回生電力量推定モデルに基づき、生成した複数のブレーキ計画の期待回生電力量を推定する(S1904)。選択条件を取得する(S1905)。

推定した期待回生電力量が紐付けられた複数のブレーキ計画から、取得した選択条件を満足するブレーキ計画を選択する(S1906)。

選択したブレーキ計画と推定した期待回生電力量を表示する(S1907)。以上で処理を終了する(S1908)。

実施例5で説明した構成においては、ブレーキ計画選択部の選択条件を外部から入力できるようにしておくことで、運用時の状況に応じて適宜切替えられるようになり、省エネルギー性重視や快適性重視などを考慮した適応的な運行が可能になる。

実施例6では、車両制御への出力が可能なブレーキ計画立案装置について説明する。

図20は、実施形態における回生電力量推定装置を有し、車両制御への出力が可能なブレーキ計画立案装置のブロック図である。実施例3で説明した構成に対して、ブレーキ計画選択部の出力先として、車両制御部2001が追加された構成である。選択したブレーキ計画に則って、実際に車両を制御できるようになる。

図21は、実施形態における回生電力量推定装置を有し、車両制御への出力が可能なブレーキ計画立案装置のフローチャートである。

処理を開始する(S2101)。まず、時刻・ダイヤ・位置の情報を取得する(S2102)。取得した情報に基づき、定時運行が可能な複数のブレーキ計画を生成する(S2103)。

ブレーキノッチ切替え別回生電力量推定モデルに基づき、生成した複数のブレーキ計画の期待回生電力量を推定する(S2104)。

推定した期待回生電力量が紐付けられた複数のブレーキ計画から、選択条件を満足するブレーキ計画を選択する(S2105)。

選択したブレーキ計画と推定した期待回生電力量を表示する(S2106)。選択したブレーキ計画に基づき車両を制御する(S2107)。以上で処理を終了する(S2108)。

実施例6で説明した構成においては、ブレーキ計画選択部で選択したブレーキ計画を外部に出力できるようにしておくことで、ブレーキ計画に則った車両制御ができるようになり、運転士の操作技量に依らない運行が可能になる。

実施例7では、実行指示を経て車両制御への出力が可能なブレーキ計画立案装置について説明する。

図22は、実施形態における回生電力量推定装置を有し、実行指示を経て車両制御への出力が可能なブレーキ計画立案装置のブロック図である。実施例6で説明した構成に対して、ブレーキ計画選択部の出力と車両制御部の入力との間に実行指示入力部2201が追加された構成である。選択したブレーキ計画に則って実際に車両を制御する前に、運転士などに実行の意思確認ができるようになる。

図23は、実施形態における回生電力量推定装置を有し、実行指示を経て車両制御への出力が可能なブレーキ計画立案装置のフローチャートである。

処理を開始する(S2301)。まず、時刻・ダイヤ・位置の情報を取得する(S2302)。取得した情報に基づき、定時運行が可能な複数のブレーキ計画を生成する(S2303)。

ブレーキノッチ切替え別回生電力量推定モデルに基づき、生成した複数のブレーキ計画の期待回生電力量を推定する(S2304)。

推定した期待回生電力量が紐付けられた複数のブレーキ計画から、選択条件を満足するブレーキ計画を選択する(S2305)。

選択したブレーキ計画と推定した期待回生電力量を表示する(S2306)。

選択したブレーキ計画を実行するかどうかの実行指示を取得する(S2307)。実行指示である場合(S2308:Yes)、選択したブレーキ計画に基づき車両を制御し、(S2309)、処理を終了する(S2310)。実行指示でない場合(S2308:No)、処理を終了する(S2310)。

図24は、実施形態における実行指示を入力するGUIの例を示す図である。図の一番上は選択されたブレーキ計画の時間推移データ、真ん中の表は上記ブレーキ計画を実行したときの期待回生電力量と使用した選択条件、図の一番下は運転士などに実行の意思確認をするための質問内容および回答のためのボタン、を示している。これらの情報以外にも、車両状態や天候情報など、意思確認に必要なデータを併せて示しても良い。

実施例7で説明した構成においては、ブレーキ計画選択部で選択したブレーキ計画を実行するかどうかをGUIで確認できるようにしておくことで、運転士などと合意を得たうえでブレーキ計画に則った車両制御ができるようになり、意図しないブレーキ計画を自動実行することによる不具合や故障・事故などを排除しながら、かつ、運転士の操作技量に依らない運行が可能になる。

実施例8では、前記各付加機能を有するブレーキ計画立案装置について説明する。

図25は、実施形態における前記各付加機能を有する回生電力量推定装置及びブレーキ計画立案装置のブロック図である。図25に示した構成においては、前記各実施例を組み合わせた動作をする。

図26は、実施形態における前記各付加機能を有する回生電力量推定装置及びブレーキ計画立案装置のフローチャートである。

処理を開始する(S2601)。まず、時刻・ダイヤ・位置・勾配・カーブ・車両速度・車両重量・天候の情報を取得する(S2602)。取得した情報に基づき、定時運行が可能な複数のブレーキ計画を生成する(S2603)。

勾配・カーブ・車両速度・車両重量・天候・架線電圧・滑走状態・車両併結状態を取得する(S2604)。

取得した情報とブレーキノッチ切替え別回生電力量推定モデルに基づき、生成した複数のブレーキ計画の期待回生電力量を推定する(S2605)。

推定した期待回生電力量が紐付けられた複数のブレーキ計画から、選択条件を満足するブレーキ計画を選択する(S2605)。選択条件を取得する(S2606)。

推定した期待回生電力量が紐付けられた複数のブレーキ計画から、取得した選択条件を満足するブレーキ計画を選択する(S2607)。選択したブレーキ計画と推定した期待回生電力量を表示する(S2608)。

選択したブレーキ計画を実行するかどうかの実行指示を取得する(S2609)。実行指示である場合(S2610:Yes)、選択したブレーキ計画に基づき車両を制御し、(S2611)、処理を終了する(S2612)。実行指示でない場合(S2610:No)、処理を終了する(S2612)。

実施例8で説明した構成においては、前記各実施例で説明した効果が複合的に得られる。

以上、本実施形態では、鉄道車両の運行方法及び運行システムに関して、ブレーキノッチの切替え操作ごとに回生電力量推定モデルを保持し、各ブレーキノッチの切替え操作における過渡応答を考慮することで、精度良く回生電力量が推定でき、省エネルギーな運行に貢献できる。

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

500…回生電力量推定装置、 501…回生電力量推定部、 502…ブレーキノッチ切替え別回生電力量推定モデル、 503…ブレーキ計画、 504…表示部、 1200…ブレーキ計画立案装置、 1201…ブレーキ計画生成部、 1202…時刻取得部、 1203…ダイヤ情報、 1204…位置情報、 1205…ブレーキ計画選択部

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