Brake system

申请号 JP2011229523 申请日 2011-10-19 公开(公告)号 JP5529828B2 公开(公告)日 2014-06-25
申请人 三菱重工業株式会社; 发明人 英樹 古谷;
摘要
权利要求
  • 制動対象に向けて進出、接触して前記制動対象を制動する制動子と、
    前記制動子を前記制動対象に向かう制動方向に進退させる進退部材と、
    前記制動子及び前記進退部材の初期位置を調整する隙間調整機構とを備え、
    該隙間調整機構は、制動方向制動側と反対側を向く規制面を有する規制部と、
    断面円形をなし、前記進退部材とともに制動方向に進退可能であるとともに、前記進退部材の制動方向制動側への進出に伴い 外周面が前記規制面に接触して移動が規制されることで、前記進退部材に対して制動方向制動側と反対側に相対移動可能な操作部材と、
    前記進退部材が予め設定された進出量以上に制動方向制動側に進出して前記進退部材に対して所定量前記操作部材が相対移動したときに、前記操作部材の相対移動量に応じて進退部材の初期位置を変化させる位置調整部とを有 し、
    前記位置調整部は、制動方向に沿う軸回りに回転可能であり、その内周側に前記進退部材が螺合されたスリーブと、
    前記スリーブとともに制動方向に沿う軸回りに回転可能に設けられたラチェット歯車と、
    前記進退部材とともに制動方向に進退移動する支点を中心に前記操作部材の移動に伴って回転可能なレバー部材と、
    前記レバー部材の回転に応じて所定方向に進退可能に設けられ、前記ラチェットに係合した状態で所定方向一方側へ移動することで前記ラチェット歯車を回転させるツメと、を備え、
    前記規制部は多角柱形状に形成され、周面に沿う軸回りに回転可能に設けられ、軸回りに回転させることで、複数の周面のうちの一つを前記規制面として選択可能であることを特徴とするブレーキ装置。
  • 前記複数の規制面は、それぞれ中心軸からの距離が異なるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。
  • 说明书全文

    本発明は、車輪等の制動対象に制動を加えるブレーキ装置に関する。

    車輪に制動力を加えるブレーキ装置としては、回転している車輪の踏面にブレーキシュー(制動子)を押し当てることにより制動力を発揮するものが知られている。 この種のブレーキ装置においては、踏面の摩耗の進行によりブレーキシューと踏面との間の隙間が広がることを防止するために、自動隙間調整機構が組み込まれているものが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
    自動隙間調整機構は、隙間の広がりによってブレーキシューのストロークが大きくなった場合、ブレーキシューの初期ストローク位置(制動動作前の位置)を踏面に近づけることで隙間を一定に保つ機構である。

    図9に、自動隙間調整機構を有するブレーキ装置の一例を示す。 このブレーキ装置101は、ピストンユニット108によって制動方向制動側に進出する押棒128が、その先端に接続されているブレーキシュー102(図11参照)を押し出す構成である。

    自動隙間調整機構は、制動方向Xに沿う軸回りに回動可能であるとともに、ブレーキシュー102に接続された押棒128の外周面に螺合するスリーブ127と、スリーブ127の外周に取り付けられたラチェット歯車144と、ケーシングとして機能する調整器体145と、爪148が一体化された調整押棒147等とからなる隙間調整ユニット140と、制動方向制動側X1に向かうに従って押棒128に接近するように傾斜する斜面を有するカム141とからなる。 調整器体145は、スリーブ127に伴って制動方向Xに移動可能であるとともに、図示しないガイドにより、制動方向Xに沿う軸回りに回転不能とされている。

    ブレーキ装置101の制動力を発揮させる場合、ピストンユニット108を駆動することによってスリーブ127を制動方向制動側X1に進出させ、スリーブ127に螺合する押棒128を押し出すことによってブレーキシュー102を踏面に当接させる。

    次に、従来の自動隙間調整機構の作用について説明する。 図10は、スリーブ127が制動方向制動側X1に進出した際の調整押棒147の動きを説明する図である。 なお、図10において、紙面奥行方向が制動方向Xとなる。

    まず、スリーブ127及び押棒128の進出に伴い、調整押棒147の端部に設けられたコロ154がカム141の斜面上を転がる。 これにより、調整押棒147は、図10(a)に示す制動前の位置から、図10(b)に示すようにラチェット歯車144へ向かうように動かされる。 そして、ラチェット歯車144に引っ掛かるように配置されている爪148が調整押棒147とともに移動する。

    隙間が規定値に満たず、押棒128の進出量が規定値より小さい場合、コロ154のリフト量(調整押棒147の移動量)によって爪148がラチェット歯車144に一歯を乗り越えるには至らず、ラチェット歯車144は回転されないまま制動前(図10(a))の状態に戻る。

    ここで、図10(c)に示すように、所定の調整値以上に爪148が移動する(即ち、踏面の摩耗によって押棒128が規定値以上に進出する)と、爪148はラチェット歯車144の一歯を乗り越え、次の歯先と噛み合う。 この状態からブレーキ装置101の制動を解除すると、押棒128が制動方向制動側と反対側X2に移動するのに伴って、調整押棒147は、制動方向制動側と反対側X2に移動するとともに、カム141の斜面を転がることでラチェット歯車144から離間する方向(紙面下向き)に移動することとなる。 このため、図10(d)に示すように、調整押棒147とともに移動する爪148の先端はラチェット歯車144を一歯分だけ回転させる。 ラチェット歯車144が回転することにより、ラチェット歯車144とキーを介して一体に固定されたスリーブ127も回転し、スリーブ127とネジ結合されている押棒128は制動方向制動側X1に移動し位置が調整される。

    ところで、図11に示すように、押棒128の先端部は、ブレーキ装置101のケーシング106の上部に設けられたアーム部107の先端にピン結合されたハンガー105に取り付けられている。 即ち、ハンガー105はアーム部107の先端を軸に揺動するため、押棒128の先端部もアーム部107の先端を中心とした弧を描くように曲率を持ってストロークする。

    特開昭59−192666号公報

    しかしながら、制動対象である踏面の摩耗が進行し調整が繰り返されることによって、押棒128の初期ストローク位置が制動方向制動側X1に移動すると、制動の際の押棒128及び隙間調整ユニット140の移動距離(ストローク)に対して調整押棒147の移動量が小さくなるという問題がある。 この事象について以下説明する。

    まず、踏面の摩耗がない場合の調整押棒147のリフト量について説明する。
    図12(a)は踏面の摩耗がない場合の初期ストローク位置における調整押棒147を示し、(b)は制動動作位置における調整押棒147を示す。 図12に示すように、踏面の摩耗がなく、押棒128の初期ストローク位置が十分制動方向制動側と反対側X2に位置している場合、例えば、制動方向Xに対するカム141の斜面の傾斜度が約20度であると、押棒128が21mmストロークすることによって、調整押棒147(コロ154)は7.9mmリフトされる。 具体的には、押棒128が2.6mmストロークする毎に調整押棒147が約1mmリフトされる比例関係にある。
    そして、例えば、調整押棒147が5.4mmリフトすることによって爪148がラチェット歯車144の一歯を乗り越えるように設定されている場合であれば、押棒128が14mmストロークすることによって隙間が調整される。

    図13は、踏面の摩耗が進行(ここでは90mm)した場合の制動動作位置における調整押棒147を示す。 図13に示すように、踏面の摩耗が進行し初期ストローク位置が90mm制動方向制動側X1に移動すると、押棒128が曲率を有するストロークにより、調整押棒147の中心軸Fはやや傾く。 これに対し、カム141はアーム部107の揺動とは無関係なケーシング106の側に固定されているため、押棒128のストローク量と、調整押棒147のリフト量の比例関係が崩れる。 即ち、カム141の傾斜角度とともに想定されていたリフト方向に対して、押棒128の長手方向とが傾いてしまうため、上記例の場合には押棒128が制動方向Xに21mm移動しても調整押棒147は、3.9mmしかリフトされない。
    即ち、調整押棒147が5.4mmリフトすることによって爪148がラチェット歯車144の一歯を乗り越えるように設定されている場合、自動隙間調整機構が働かず、結果的に踏面とブレーキシュー2の隙間を一定に保つことができない事象が発生する。

    この発明は、このような従来技術の問題点に着目し、制動対象の摩耗が進行しブレーキシューの初期位置が制動方向制動側X1に移動した場合においても、確実に制動対象と制動子との間の隙間を調整することができるブレーキ装置を提供することを目的とする。

    上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
    本発明のブレーキ装置は、制動対象に向けて進出、接触して前記制動対象を制動する制動子と、前記制動子を、前記制動対象に向かう制動方向に進退させる進退部材と、前記制動子及び前記進退部材の初期位置を調整する隙間調整機構とを備え、該隙間調整機構は、制動方向制動側と反対側を向く規制面を有する規制部と、 断面円形をなし、前記進退部材とともに制動方向に進退可能であるとともに、前記進退部材の制動方向制動側への進出に伴い外周面が前記規制面に接触して移動が規制されることで、前記進退部材に対して制動方向制動側と反対側に相対移動可能な操作部材と、前記進退部材が予め設定された進出量以上に制動方向制動側に進出して前記進退部材に対して所定量前記操作部材が相対移動したときに、前記操作部材の相対移動量に応じて進退部材の初期位置を変化させる位置調整部とを有し、前記位置調整部は、制動方向に沿う軸回りに回転可能であり、その内周側に前記進退部材が螺合されたスリーブと、前記スリーブとともに制動方向に沿う軸回りに回転可能に設けられたラチェット歯車と、前記進退部材とともに制動方向に進退移動する支点を中心に前記操作部材の移動に伴って回転可能なレバー部材と、前記レバー部材の回転に応じて所定方向に進退可能に設けられ、前記ラチェットに係合した状態で所定方向一方側へ移動することで前記ラチェット歯車を回転させるツメと、を備え、前記規制部は多角柱形状に形成され、周面に沿う軸回りに回転可能に設けられ、軸回りに回転させることで、複数の周面のうちの一つを前記規制面として選択可能であることを特徴とする。

    上記構成によれば、操作部材が制動方向に沿う方向に移動し、位置調整部が操作部材の制動方向反対側への相対移動量に応じて進退部材の初期位置を変化させるため、制動対象の摩耗が進行し制動子の初期位置が曲率を持って制動方向制動側に移動した場合においても、確実に制動対象と制動子との間の隙間を調整することができる。

    上記構成によれば、レバー部材の回転によってツメが移動し、このツメがラチェット及びスリーブを回転させることによって進退部材の初期位置が変化する機構であるため、初期位置が制動方向制動側と反対側に戻ることがない。

    前記複数の規制面は、それぞれ中心軸からの距離が異なるように形成されていることが好ましい。

    上記構成によれば、操作部材が規制面と接触するまでの距離を容易に変更することができ、これにより隙間調整のタイミングを調整することができる。

    本発明によれば、操作部材が制動方向に沿う方向に移動し、位置調整部が操作部材の相対移動量に応じて進退部材の初期位置を変化させるため、制動対象の摩耗が進行し制動子の初期位置が曲率を持って制動方向制動側に移動した場合においても、確実に制動対象と制動子との間の隙間を調整することができる。

    本発明の実施形態に係るブレーキ装置の要部切欠き断面図である。

    図1におけるA−A線断面図であり(a)クサビ部材挿入前、(b)クサビ部材挿入後を示す図である。

    図1におけるB−B線断面図である。

    図3の要部拡大図である。

    図4のC矢視図である。

    隙間調整機構の分解斜視図である。

    隙間調整機構の作用について説明する図である。

    隙間調整機構の作用について説明する図である。

    自動隙間調整機構を有するブレーキ装置の一例を示す要部切欠き斜視図である。

    スリーブが制動方向制動側に進出した際の調整押棒の動きを説明する図である。

    押棒の先端部がアーム部の先端を中心として曲率を持ってストロークすることを示す図である。

    調整押棒を示す図であり、(a)は踏面の摩耗がない場合の初期ストローク位置における調整押棒、(b)は制動動作位置における調整押棒を示す図である。

    踏面の摩耗が進行した場合の制動動作位置における調整押棒を示す図である。

    以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
    図1に示すように、本実施形態のブレーキ装置1は、鉄道車両用のブレーキ装置であり、詳しくは、車輪の踏面Wに対して片側からブレーキシュー(制動子)2を押し当てる踏面片押式のユニット形式のブレーキ装置である。 ブレーキ装置1は、車輪の斜め上方に配置されており、取付部23(図2(a)参照)においてボルト等を介して車両に取り付けられている。

    図1に示すように、ブレーキ装置1は、制動対象である車輪の踏面Wに接して、車輪に制動力を加えるブレーキシュー2と、このブレーキシュー2を車輪に対して遠近方向に移動させる進退ユニット4を備えたユニット本体3と、ブレーキシュー2を移動可能に支えるハンガー5を主な構成要素として備えている。

    ブレーキシュー2は、車輪の踏面Wに押し当てられて制動力を発生する、湾曲した板状のブレーキ摩擦材2aを踏面Wとの接触箇所に設けた部材である。 ブレーキシュー2は連結ピン32を回動軸としてハンガー5に連結されている。 また、ブレーキシュー2の回動軸のやや下方には、傾き調整孔33が形成されている。 傾き調整孔33についての詳細は後述する。

    ユニット本体3は、その外形をなすケーシング6を有しており、ケーシング6の上部には、斜め上方へ延出するアーム部7が一体的に形成されている。 ハンガー5の一端は、アーム部7の先端に連結ピン31を介して回動自在に取り付けられている。 従って、ハンガー5はハンガー5の一端を支点に揺動させることができる。 即ち、ハンガー5が連結ピン31を支点に回動することによって、ハンガー5の他端に連結されたブレーキシュー2がユニット本体3に対して相対的に移動する。 また、アーム部7とハンガー5の連結部には、図示しない、ねじりコイルバネが組み込まれている。 このねじりコイルバネは、ブレーキシュー2を車輪から遠ざける方向に付勢する役目を担っている。

    図2(a)に示すように、ユニット本体3のケーシング6の内部には、ブレーキシュー2を移動させるための駆動力を発生させるピストンユニット8と、この駆動力をブレーキシュー2に伝達する進退ユニット4と、進退ユニット4を進退移動させる際に利用される一対の固定ローラ24(図2(a)には1つのみ図示されている)が内蔵されている。
    ユニット本体3においては、ピストンユニット8を構成するピストン18が空気圧による駆動力に応じて進退移動することにより、後述するクサビ部材19を介して進退ユニット4が進退移動する。 これにより進退ユニット4に取り付けられたブレーキシュー2が車輪の踏面Wに押し当てられる。

    ここで、本実施形態では、ピストンユニット8のピストン18の進退方向と進退ユニット4の進退移動方向とは直交している。
    また、以下の説明においては、進退ユニット4、及びブレーキシュー2の進退方向を制動方向X、ピストン18(及び後述するクサビ部材19)の進退方向を駆動方向Yと称し、車輪を制動すべく進行する方向を一方、制動を解除すべく待避する方向を他方と称す。 即ち、図1において、左側が制動方向制動側X1であり、右側が制動方向制動側と反対側X2である。 同様に、図2において、下方が駆動方向一方側Y1であり、上方が駆動方向他方側Y2である。
    また、駆動方向Y及び制動方向Xに直交する方向であって、図1の上方向を上方と称し、上方の反対方向を下方と称す。

    ケーシング6は、制動方向Xに沿う中心軸を有する筒形状の本体筒部11と、この本体筒部11の側方に一体に設けられたピストンシリンダ部12とからなる。 本体筒部11は、制動方向制動側X1に本体開口部13を有し、ピストンシリンダ部12は、駆動方向他方側Y2にピストン開口部14を有している。

    ピストンユニット8は、ピストンシリンダ部12のピストン開口部14を覆うと共に、ピストンシリンダ部12の内部に圧縮空気を導入する供給口16が形成されているピストン蓋15と、ピストンシリンダ部12内を駆動方向Yに進退移動するピストン18と、ピストン18に一体に取り付けられた一対のクサビ部材19と、ピストン18を駆動方向他方側Y2に付勢する圧縮コイルバネ20とを備えている。

    クサビ部材19は、上方から視て楔形状をなす板状部材であり、同形状のクサビ部材19がピストン18の駆動方向一方側Y1の面の上部及び下部に上下対称となるように取り付けられている。 クサビ部材19は、駆動方向Yに沿うガイド面21と、駆動方向Yに対して傾斜し、ガイド面21からの距離が駆動方向一方側Y1から他方側Y2に向かって漸次大きくなるように形成された傾斜面22とを有している。
    圧縮コイルバネ20は、一端が後述するスリーブ保持部材25の側壁に、他端がピストン18の駆動方向一方側Y1の面であって、一対のクサビ部材19の間に固定されている。 即ち、ピストン18は圧縮コイルバネ20によって、駆動方向他方側Y2に付勢されている。

    また、ケーシング6の本体筒部11の下部には、塵埃等を捕集する為のフィルタ72が配置されるとともに、フィルタ72に接続して流通パイプ73が上下方向に配置されている。 この流通パイプ73の下端には、下向きの開口である流通口74が形成され、ケーシング6の内部空間は、この流通口74を介して大気に連通されている。

    図2(a),図2(b)に示すように、固定ローラ24は、クサビ部材19が駆動方向Yに移動する際に、ガイド面21が固定ローラ24の外周面に接触しつつ、固定ローラ24を回転させる位置に固定されている。 固定ローラ24は、外周面を接触相手に接触させることで回転する所謂ローラフォロアであり、ケーシング6の上部壁6a及び下部壁6bに取り付けられ、上下方向に延在する固定ローラ軸24aに回転可能に取り付けられている。

    進退ユニット4は、制動方向Xに移動可能に構成されているスリーブ保持部材25と、スリーブ保持部材25の上下に取り付けられた移動ローラ26と、スリーブ保持部材25に対し揺動可能に固定されたスリーブ27と、スリーブ27の制動方向制動側X1の端部に取り付けられた押棒28とを有している。

    スリーブ保持部材25は、本体部29と、本体部29の上下方向に延在する移動ローラ軸30とからなり、スライドガイド機構39により制動方向Xに移動可能に構成されている。
    スリーブ保持部材25の本体部29は略直方体の部材であり、制動方向Xに対向する二面を貫通するように、球面滑り軸受35を取り付けるための取付孔29aが形成されている。

    移動ローラ26は、移動ローラ軸30のそれぞれに回転自在に固定されている。 移動ローラ26は、固定ローラ24と同様のローラフォロアであり、クサビ部材19が駆動方向Yに移動する際に、傾斜面22に接触する位置に設けられている。
    また、取付孔29aには、球面滑り軸受35が取り付けられている。

    スリーブ27は、円筒形状を有し、その外周面が球面滑り軸受35を介してスリーブ保持部材25に取り付けられている。 これにより、スリーブ27はスリーブ保持部材25に対して揺動可能、かつスリーブ27の中心軸回りに回転可能とされている。 また、スリーブ27の内周面には、送りネジ(雌ネジ)が形成されている。

    押棒28は、スリーブ27の制動方向制動側X1への移動に伴い、押棒28の制動方向制動側X1に取り付けられたブレーキシュー2を踏面Wに押し当てる軸部材である。 押棒28の制動方向制動側X1の先端部には、下方に延在する屈曲部36が形成されており、押棒28の制動方向制動側と反対側X2には、スリーブ27の送りネジと噛み合う送りネジ(雄ネジ)が形成されている。 屈曲部36の先端は、連結ピン37を介してブレーキシュー2の傾き調整孔33と連結されている。

    また、ケーシング6の本体開口部13には、その中央部に押棒28が貫通するための孔が形成されたケーシング蓋17が取り付けられている。 ケーシング蓋17とスリーブ保持部材25との間には、ケーシング蓋17とスリーブ保持部材25の双方に設けられた複数のスタッドを介して複数の圧縮コイルバネ38が介在している。 これにより、スリーブ保持部材25は制動方向制動側と反対側X2に付勢される。

    ここでブレーキシュー2の傾きを調整する機構について説明する。 ブレーキシュー2の傾き調整孔33は、ブレーキシュー2の一定角度の傾きを許容できるように長穴状に形成されている。 ブレーキ緩解時などにブレーキシュー2が傾いた場合には、傾き調整孔33の内壁に連結ピン37が当接することでブレーキシュー2の傾きを規制することができる。

    また、本実施形態のブレーキ装置1は、ブレーキ解除時におけるブレーキの隙間を一定に保持するための隙間調整機構40が設けられている。
    隙間調整機構40は、車輪の踏面Wとブレーキシュー2との間の隙間を自動調整する機構である。 即ち、車輪の踏面Wの摩耗に伴って隙間が大きくなった場合に、ブレーキシュー2の初期ストローク位置(待避位置)を踏面W側に自動的に近づける機構である。

    図3、図4、図5、及び図6に示すように、隙間調整機構40は、ケーシング6に固定されている六角カム41(図5参照)と、進退ユニット4の制動方向制動側X1への進出に伴い六角カム41に当接する第一コロ42と、この第一コロ42の相対移動量に応じて押棒28の初期位置を変化させる位置調整部43と、を有している。
    位置調整部43は、上述したスリーブ27と、このスリーブ27の外周面に固定されたラチェット歯車44と、スリーブ保持部材25に固定された調整器体45と、を有している。

    ラチェット歯車44は、後述する爪部材48と協働して、スリーブ27を制動方向Xに沿う軸回りに回転させる歯車であり、スリーブ27の外周面にキー27a(図6参照)によってスリーブ27に対して回動不能に取り付けられている。 ラチェット歯車44は、板バネ44aによって不用意な回転を規制されている。

    調整器体45は、調整器体ケーシング46と、この調整器体ケーシング46にスライド自在に組み込まれている調整押棒47と、調整押棒47に回動自在に取り付けられた爪部材48と、調整器体ケーシング46に回動自在に取り付けられたレバー部材49とを主な構成要素として備えている。

    調整器体ケーシング46は、スリーブ27外周面にスリーブ27に対して相対的に回動自在に取り付けられる円形孔50aを有するスリーブ外装部50と、調整押棒47が制動方向Xと直交する方向にスライド可能に支持する押棒外装部51とからなる。

    スリーブ外装部50の円形孔50aは、その内径がスリーブ27の外周面の外径よりもやや大きくなるように形成されている。 即ち、円形孔50aとスリーブ27との間に隙間が生じるように形成されている。 これにより、調整器体。 とスリーブ27とは、相対的に回動可能とされている。 なお、後述するように、調整器体45は、スリーブ保持部材25と固定されており、スリーブ27(及びラチェット歯車44)は、スリーブ保持部材25と調整器体45に対して回動可能とされている。

    押棒外装部51は、スリーブ外装部50の側面に設けられており、調整押棒47を制動方向Xと直交する方向にスライド可能に支持している。 また、押棒外装部51には、後述するレバー部材49を支持するレバーブラケット53が形成されている。

    調整押棒47は、押棒28の移動と連携して制動方向Xと直交する方向に移動可能な棒状部材である。 調整押棒47の一端には、円盤形状の第二コロ54が取り付けられている。 調整押棒47の他端には、バネ座55が取り付けられており、バネ座55と押棒外装部51との間には、圧縮コイルバネ56が介装されている。 これにより、調整押棒47は常に他端側に付勢される。
    なお、以下の説明では、調整押棒47の長手方向に沿う方向において、第二コロ54が取り付けられている側を一方側、その反対側を他方側と称す。

    爪部材48は、ラチェット歯車44に引っ掛かる爪58を有し、調整押棒47に対し、制動方向Xに沿う軸回りに回動可能に取り付けられている。 爪部材48は、調整押棒47が取り付けられた調整器体45がスリーブ27に外装された状態において、爪58がラチェット歯車44のいずれかの歯に引っ掛かる位置に取り付けられている。 詳しくは、爪部材48は、爪58がラチェット歯車44の歯に当接しつつ、調整押棒47が一端側に大きく移動する際にラチェット歯車44の歯を乗り越えるような位置に取り付けられている。

    レバー部材49は押棒28の移動量に応じて調整押棒47を制動方向Xに直交する方向に移動させる方向変換部材であり、調整器体ケーシング46の押棒外装部51に設けられたレバーブラケット53にピン60を介して制動方向Xに直交する軸回りに回動可能に取り付けられている。

    レバー部材49は、ピン60が貫通する貫通孔が中心に設けられた棒状の部材であり、制動方向制動側X1の一端には、ケーシング6に固定された六角カム41に当接する第一コロ42が取り付けられている。 第一コロ42は、調整器体45の制動方向制動側X1への移動に伴い六角カム41に当接し、この当接によってレバー部材49がピン60を中心に回動するように構成されている。

    レバー部材49の他端には、駆動片61が形成されている。 駆動片61は、レバー部材49の一端に設けられている第一コロ42の制動方向制動側と反対側X2への移動に伴いレバー部材49が回動することによって、調整押棒47の一端に設けられた第二コロ54を圧縮コイルバネ56の付勢力に逆らう方向に押し上げるように構成されている。
    即ち、調整器体45が制動方向制動側X1に移動することによってレバー部材49が回動し、調整押棒47が押し上げられる。 そして、調整押棒47に取り付けられた爪部材48も制動方向Xに直交する方向に移動する。

    なお、調整押棒47の長手方向に沿う軸回りの回転は、図示しない調整板によって規制されている。 即ち、調整押棒47の回転が規制されることによって、第二コロ54とレバー部材49の駆動片61との当接関係は常に適切に保たれている。

    次に、レバー部材49の第一コロ42の当接対象である六角カム41について説明する。 六角カム41は、略六角柱形状の柱状部材であり、六つの面である規制面66のいずれかが調整器体45が制動方向制動側X1に移動した際に、第一コロ42に当接するように、ケーシング6に固定されている。

    六角カム41は、六つの規制面が形成された本体部63と、本体部63より延在する取付ネジ部64(図2参照)とからなる。 六角カム41は、取付ネジ部64がケーシング6に設けられた取付孔にナットにより締結されることによりケーシング6に固定される。 本体部63の六つの規制面66のうち少なくとも二つの規制面は、中心軸からの距離が異なるように形成されている。

    次に、ブレーキ装置1の動作について説明する。
    ここで、ブレーキシュー2は、最も制動方向制動側と反対側X2、即ち待避位置に位置しているとともに、ピストン18は最も駆動方向他方側Y2に位置している。 クサビ部材19は、図2(a)に示すように、その先端側が僅かに固定ローラ24移動ローラ26との間に挿入された状態である。 即ち、移動ローラ26は、固定ローラ24に最も接近した状態にある。

    ブレーキシュー2で車輪に制動力を加える際は、ピストンユニット8の供給口16から圧縮空気を導入させる。 これにより、圧縮コイルバネ20の付勢力に逆らって、ピストン18が駆動方向Yに駆動される。 これに伴い、ピストン18に取り付けられたクサビ部材19が駆動方向Yに移動する。

    図2(b)に示すように、クサビ部材19は、固定ローラ24と移動ローラ26との間に侵入し、これに伴い移動ローラ26は、クサビ部材19の傾斜面22と直交する方向に押圧力、言い換えると、制動方向制動側X1に沿う成分力を有する押圧力を受ける。 移動ローラ26が押圧されることにより、移動ローラ26が取り付けられたスリーブ保持部材25が圧縮コイルバネ38の付勢力に逆らって移動する。

    この際、スライドガイド機構39により、スリーブ保持部材25の移動方向は、制動方向Xに規制される。 スリーブ保持部材25の制動方向制動側X1への移動により、スリーブ27、押棒28を介して、ブレーキシュー2が制動方向制動側X1に移動し、車輪の踏面Wに押し当てられ、制動力を加える。

    この際、ブレーキシュー2は、ハンガー5が支点である連結ピン31を中心に回動するのに伴い、連結ピン31を中心に揺動しつつ制動方向制動側X1に移動する。 この際、ブレーキシュー2に連結されている押棒28の制動方向制動側X1先端も同様の軌跡を描く。 即ち、押棒28の進退移動は、押棒28の先端部の揺動を伴うが、押棒の28端側において螺合されているスリーブ27が、球面滑り軸受35によって揺動可能とされていることにより、この揺動する動きが吸収される。

    車輪に加えられている制動力を解除する際は、ピストンユニット8の供給口16から圧縮空気を流出させる。 すると、空気圧により縮んでいた圧縮コイルバネ20が伸び、ピストン18は、駆動方向他方側Y2に移動し、元の位置に戻る。 この結果、スリーブ保持部材25(進退ユニット4)は、ピストン18及びクサビ部材19から制動方向制動側X1への力を受けなくなるため、ケーシング6の本体筒部11内に設けられている圧縮コイルバネ38が伸び、ブレーキシュー2は制動方向制動側と反対側X2に移動し、元の位置に戻る。 この際、スライドガイド機構39により、スリーブ保持部材25の移動方向は、制動方向Xに規制される。

    次に、隙間調整機構40の作用について図7を参照して詳細に説明する。
    図7(a)は、ブレーキ装置1の待避位置における六角カム41と調整押棒47の関係を示している。 待避位置においては、レバー部材49の第一コロ42は、六角カム41の規制面66とは離間している。 これにより、調整押棒47は、圧縮コイルバネ56の不勢力により、最も他方側(図7の下方側)に位置している。

    図7(b)に示すように、ブレーキ装置1が作動すると、押棒28の制動方向制動側X1への移動に伴いレバー部材49が移動し、第一コロ42が六角カム41の規制面66に当接する。 第一コロ42が規制面66に当接することによって、第一コロ42は相対的に制動方向制動側と反対側X2へ移動し、これに伴い、レバー部材49がピン60を中心に回動する。 これにより、レバー部材49の第一コロ42とは反対側の他端に設けられた駆動片61が第二コロ54を調整押棒47の一方側(図7の上方側)へと移動させる。

    このとき、踏面Wとブレーキシュー2との間の隙間が規定値以内である場合、即ち押棒28の移動量が規定値以内である場合は、調整押棒47の移動に伴う爪部材48の移動によって、爪部材48の爪58がラチェット歯車44の歯を乗り越えることはなく、ブレーキ装置1の制動が解除されると、調整押棒47は初期位置に戻る。 即ち、爪58によってラチェット歯車44が回転することなく、ブレーキ操作が完了する。

    一方、踏面Wとブレーキシュー2との間の隙間が、規定値を超えた場合は、押棒28が制動方向制動側X1に移動した際、調整押棒47の第二コロ54が調整押棒47の一方側へ大きく移動することによって、爪部材48の爪58がラチェット歯車44の歯を乗り越える。 ここから、ブレーキ装置1の制動が解除されると、爪58がラチェット歯車44を抑えている板バネ44aに抗してラチェット歯車44を一歯分だけ回動させる。

    ラチェット歯車44の回動に伴い、ラチェット歯車44と図示しないキーで結合されているスリーブ27が回動する。 この際、スリーブ27とネジ結合されている押棒28は、ハンガー5等により回動が規制されているため、回動することがなく、制動方向Xに押し出される。 即ち、押棒28が制動方向制動側に移動することによって踏面Wとブレーキシュー2とが接近する。

    踏面Wの摩耗量が大きくなることで隙間調整を繰り返すと、ブレーキ装置1の初期ストローク位置が制動方向制動側に大きく移動する。
    ここで、押棒28は、略制動方向Xに沿う方向にストロークしているが、厳密には、連結ピン31を中心に回動する曲率を有してストロークしている。 よって、踏面Wの摩耗量が大きくなり、初期ストローク位置が制動方向制動側に移動すると、押棒28、及びスリーブ27の軸方向は、スリーブ保持部材25の移動方向(制動方向X)に対して、僅かに傾く。 これに伴い、図8に示すように、調整押棒47のスライド方向Sも、スリーブ保持部材25の移動方向に直交する方向(符号Tで示す)に対して僅かに傾く。

    本実施形態のブレーキ装置1においては、例えば、初期ストローク位置が踏面Wの摩耗前の初期位置に対して90mm移動した場合、即ち、押棒28が曲率を有してストロークすることにより、調整押棒47の軸が傾いた場合においても、規制面66が制動方向Xに対して直交するように設けられているため、六角カム41の規制面66がレバー部材49を構成する第一コロ42の相対移動量に対応して調整押棒47を移動させる。 即ち、第一コロ42は、押棒28の移動量と同じ距離を押戻され、この押戻された距離に対応してレバー部材49を介して第二コロ54がリフトされる。 これにより、押棒28の曲率を持ったストロークに依存することなく、踏面Wとブレーキシュー2の隙間を一定に保つことができる。

    また、六角カム41を回転させることによって、規制面66と第一コロ42との距離が変化するため、第一コロ42が規制面66と接触するまでの距離を容易に変更することができる。 即ち、隙間調整機構40の調整が容易となる。

    なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
    例えば、以上で説明した実施形態では、規制面66を構成する六角カム41は、六角柱形状を有しているが、これに限ることはなく、四角柱形状や八角柱形状としてもよい。

    W…踏面(制動対象) 1…ブレーキ装置 2…ブレーキシュー(制動子) 27…スリーブ 28…押棒(進退部材) 40…隙間調整機構 41…六角カム(規制部) 42…第一コロ(操作部材) 43…位置調整部 44…ラチェット歯車 48…爪部材(ツメ) 49…レバー部材 66…規制面。

    QQ群二维码
    意见反馈