天井搬送車

申请号 JP2016030177 申请日 2016-02-19 公开(公告)号 JP2017145134A 公开(公告)日 2017-08-24
申请人 村田機械株式会社; 发明人 小林 誠;
摘要 【課題】物品に伝わる振動を低減しつつ、物品を吊り下げた際の物品の傾きを抑制することができる天井搬送車を提供する。 【解決手段】天井搬送車1は、ベルト9と昇降装置10との間に配置される防振部を備える。防振部は、走行方向と昇降装置の昇降方向との両方に直交する幅方向において、第一荷重が作用する側に配置される第一接続機構50と、幅方向において、第一荷重よりも大きな第二荷重が作用する側に配置され、第一接続機構50よりも大きな反発 力 を有する第二接続機構40と、を有する。 【選択図】図3
权利要求

軌道に沿って走行可能な本体部と、前記本体部に対し複数の吊持部材によって昇降可能に設けられた、物品を把持可能な把持部と、を備えた天井搬送車であって、 前記吊持部材と前記把持部との間に配置される防振部を備え、 前記防振部は、 前記本体部の走行方向、又は、前記走行方向と前記把持部の昇降方向との両方に直交する幅方向において、第一荷重が作用する側に配置される第一防振部と、 前記走行方向、又は、前記幅方向において、前記第一荷重よりも大きな第二荷重が作用する側に配置され、前記第一防振部よりも大きな反発を有する第二防振部と、 を有する、天井搬送車。前記第一防振部及び前記第二防振部は、一又は複数のバネ部材により形成されるバネ部を有する、請求項1記載の天井搬送車。前記物品は、被収容物を収容する容器、又は、前記被収容物が収容された前記容器であり、 前記第一防振部における前記バネ部と、前記第二防振部における前記バネ部とは、互いにバネ定数が等しく、 前記バネ部を形成する一又は複数のバネ部材は、前記把持部に把持された空の状態の前記容器の重心位置と前記把持部の重心位置との間にずれがあることにより生じる、前記容器を持ち上げた際の前記把持部の傾きを解消するように与圧されている、請求項2記載の天井搬送車。前記把持部は、前記本体部に対して四本の前記吊持部材によって吊り下げられており、 前記四本のうち二本の前記吊持部材は、前記把持部に対して揺動可能に固定された一の揺動部に接続されている、請求項1〜3の何れか一項記載の天井搬送車。

说明书全文

本発明は、天井搬送車に関する。

従来の天井搬送車として、例えば、特許文献1に記載された搬送車が知られている。特許文献1に記載の天井搬送車は、天井近くに設けられた軌道に沿って走行する走行車本体と、走行車本体から複数のベルト(吊持部材)によって吊り下げられ、物品を把持可能な昇降台と、を備え、上記昇降台は、ベルト下端を固着する部材と、当該部材を下方に付勢する部材とからなる。この構成の天井搬送車では、複数のベルト間の取り付け位置の誤差、又はベルトの伸び等を原因とする昇降台の傾きを防止することができる。

実開平3−28073号公報

近年、搬送する物品が多様化していることから、物品に伝わる振動を低減すると共に、重心が偏っているような物品を吊り下げた際の物品の傾きを小さくすることが求められている。

そこで、本発明の目的は、物品に伝わる振動を低減しつつ、物品を吊り下げた際の物品の傾きを抑制することができる天井搬送車を提供することにある。

本発明の天井搬送車は、軌道に沿って走行可能な本体部と、本体部に対し複数の吊持部材によって昇降可能に設けられた、物品を把持可能な把持部と、を備えた天井搬送車であって、吊持部材と把持部との間に配置される防振部を備え、防振部は、本体部の走行方向、又は、走行方向と把持部の昇降方向との両方に直交する幅方向において、第一荷重が作用する側に配置される第一防振部と、走行方向、又は、幅方向において、第一荷重よりも大きな第二荷重が作用する側に配置され、第一防振部よりも大きな反発を有する第二防振部と、を有する。

この構成の天井搬送車は、吊持部材と把持部との間に防振部が配置されるので、把持部から物品に伝わる振動を低減することが可能になる。また、物品からの荷重が相対的に大きく作用する側に配置される第二防振部の反発力は、物品からの荷重が相対的に小さく作用する側に配置される第一防振部の反発力に比べて大きい。したがって、物品が把持部に作用させる荷重に偏りがある場合であっても、上記反発力の差によって当該偏りを吸収することができるので、物品を吊り下げた際の物品の傾きを抑制することができる。

本発明の天井搬送車における第一防振部及び第二防振部は、一又は複数のバネ部材により形成されるバネ部を有していてもよい。

この構成の天井搬送車によれば、荷重に対する反発力又は伸びが線形的な特性を示すバネ部材が用いられるので、第一防振部及び第二防振部としての調整が容易となる。

本発明の天井搬送車では、物品は、被収容物を収容する容器、又は、被収容物が収容された容器であり、第一防振部におけるバネ部と、第二防振部におけるバネ部とは、互いにバネ定数が等しく、バネ部を形成する一又は複数のバネ部材は、把持部に把持された空の状態の容器の重心位置と把持部の重心位置との間にずれがあることにより生じる、容器を持ち上げた際の把持部の傾きを解消するように与圧されていてもよい。

この構成の天井搬送車によれば、バネ部を形成する一又は複数のバネ部材は、把持部に把持される空の状態(被収容物が収容されていない状態)の容器の重心位置と把持部の重心位置との間にずれがあることにより生じる、容器を持ち上げた際の把持部の傾きを解消するように与圧されているので、把持部の重心位置に対して偏りのある荷重を作用させるような容器を持ち上げる際の容器の傾きを抑制すると共に、容器に伝わる振動を低減することができる。更に、第一防振部及び第二防振部は互いにバネ定数が等しいバネ部により形成されているので、把持部の重心位置にずれがない位置に収容されていく被収容物の荷重による圧縮量は互いに等しくなる。これにより、被収容物が収容された容器を把持する場合であっても、容器に伝わる振動を低減しつつ、上記容器を持ち上げる際の容器の傾きを抑制することができる。

本発明の天井搬送車の把持部は、本体部に対して四本の吊持部材によって吊り下げられており、上記四本のうち二本の吊持部材は、把持部に対して揺動可能に固定された一の揺動部に接続されていてもよい。

この構成の天井搬送車によれば、把持部は、四本の吊持部材によって吊り下げられつつも、揺動部に接続されていない二本の吊持部材と把持部との二箇所の接続部分、及び、上記把持部において揺動可能に固定された一箇所の揺動部分の三箇所で吊り下げられたような状態となっている。これにより、三本の吊持部材によって吊り下げられている場合と同様の効果が得られ、把持部をより安定した状態で吊り下げることができる。更に、一本の吊持部材が何らかの原因で切断されてしまった場合も、吊持状態を維持することができ、実際に三本の吊持部材で吊り下げられる場合に比べ安全性を高めることができる。

物品に伝わる振動を低減しつつ、物品を吊り下げた際の物品の傾きを抑制することができる。

一実施形態に係る天井搬送車を示す正面図である。

物品の一形態であるFOUPの構成を示した断面図である。

図1の搬送装置を前方向から見た側面図である。

第二接続機構の概略構成を示した正面図である。

第一接続機構の概略構成を示した正面図である。

(A)は空の状態のFOUPが持ち上げられたときの荷重の状態を示す図であり、(B)は半導体ウェハ又はレチクル等が収容された状態のFOUPが持ち上げられたときの荷重の状態を示す図である。

以下、図面を参照して、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。

図1に示される天井搬送車1は、クリーンルームの天井など、床面より高い位置に設けられる走行レール2に沿って走行する。天井搬送車1は、例えば保管設備と所定のロードポートとの間で物品であるFOUP(Front-Opening Unified Pod)90を搬送する。FOUP90には、例えば、複数枚の半導体ウェハ又はレチクル等(被収容物)が収容される。FOUP90は、天井搬送車1に保持されるフランジ95を有している。以下の説明では、説明の便宜のため、図1における左右方向(X軸方向)を天井搬送車1の前後方向とする。図1における上下方向を天井搬送車1の上下方向(Z軸方向)とする。図1における奥行方向を天井搬送車1の左右方向(幅方向)(Y軸方向)とする。X軸、Y軸及びZ軸は互いに直交する。

まず、天井搬送車1によって搬送が行われるFOUP90について説明する。図2に示されるように、FOUP90は、開口部91Aが前面側に形成された容器本体91と、容器本体91の開口部91Aに装着される蓋体94と、を備えている。容器本体91の上面92の略中央部には、FOUP90を持ち上げるためのフランジ95が上方に突出するように設けられている。容器本体91の内側には図示しない複数の半導体ウェハ保持手段が設けられており、FOUP90内に複数枚の半導体ウェハを収容できるようになっている。また、開口部91Aに蓋体94が装着されることで、FOUP90内が気密に保持されるようになっている。

本実施形態におけるFOUP90では、蓋体94は、図示しないロック機構等の部品が固定されているため、質量が比較的大きい。そのため、容器本体91に蓋体94が装着されている状態では、図2に示されるように、FOUP90の左右方向における重心位置G1は、左右方向においてフランジ95の中心位置Cと比べて左側(蓋体94側)にずれている。一方、半導体ウェハは、その重心位置がFOUP90のフランジ95の中心位置Cにほぼ一致するように、FOUP90に収容される。したがって、このようなFOUP90の重心位置の偏りは、FOUP90内に半導体ウェハが全く収納されていない空の状態で最も大きく、FOUP90に収容される半導体ウェハの数が増えるほど、当該質量に占める蓋体94の質量の割合が小さくなるため、半導体ウェハを含むFOUP90全体の重心位置は、フランジ95の中心位置Cに近づいていく。

次に、このようなFOUP90を搬送する天井搬送車1について説明する。図1に示されるように、天井搬送車1は、走行駆動部3と、平駆動部(本体部)5と、回転駆動部(本体部)6と、昇降駆動部(本体部)7と、昇降装置(把持部)10と、保持装置(把持部)11と、を有している。天井搬送車1には、水平駆動部5、回転駆動部6、昇降駆動部7、昇降装置10及び保持装置11を覆うように前後方向に一対のカバー8,8が設けられている。一対のカバー8,8は、昇降装置10が上昇端まで上昇した状態において保持装置11の下方に、FOUP90が収容される空間Sを形成している。落下防止機構8Aは、昇降装置10が上昇端まで上昇した状態において保持装置11に保持されたFOUP90の落下を防止する。また、揺れ抑制機構8Bは、保持装置11に保持されたFOUP90の天井搬送車1の前後方向(走行方向)及び左右方向の揺れを抑制する。

走行駆動部3は、天井搬送車1を走行レール2に沿って移動させる。走行駆動部3は、走行レール2内に配置されている。走行駆動部3は、走行レール2を走行するローラ(図示しない)を駆動させる。走行駆動部3の下部には、軸3aを介して水平駆動部5が接続されている。水平駆動部5は、回転駆動部6、昇降駆動部7及び昇降装置10を水平面内で走行レール2の延在方向に直交する方向(左右方向)に移動させる。回転駆動部6は、水平面内で昇降駆動部7及び昇降装置10を回転させる。昇降駆動部7は、四本のベルト(吊持部材)の巻き上げ及び繰り出しにより昇降装置10を昇降させる。なお、昇降駆動部7におけるベルトは、ワイヤ及びロープなど、適宜の吊持部材を用いてもよい。

本実施形態における昇降装置10は、昇降駆動部7によって昇降可能に設けられており、天井搬送車1における昇降台として機能している。昇降装置10は、ベース部材10Aと、ケース部材10Bと、を有している。保持装置11は、FOUP90を保持する。保持装置11は、L字状である一対のアーム12,12と、各アーム12,12に固定されたハンド13,13と、一対のアーム12,12を開閉させる開閉機構15と、を備えている。

一対のアーム12,12は、開閉機構15に接続されている。開閉機構15は、一対のアーム12,12を、互いに近接する方向及び互いに離間する方向に移動させる。開閉機構15の動作により、一対のアーム12,12は、前後方向に進退する。これにより、アーム12,12に固定された一対のハンド13,13が開閉する。本実施形態では、一対のハンド13,13が開状態のときに、ハンド13の保持面がフランジ95の下面の高さより下方となるように、保持装置11(昇降装置10)の高さ位置が調整される。そして、この状態で一対のハンド13,13が閉状態となることで、ハンド13,13の保持面がフランジ95の下面の下方へ進出し、この状態で昇降装置10を上昇させることにより、一対のハンド13,13によってフランジ95が保持(把持)され、FOUP90の支持が行われる。

図3及び図4に示されるように、第一接続機構(第一防振部)50及び第二接続機構(第二防振部)40は、ベルト9と保持装置11とを接続する機構である。本実施形態では、第一接続機構50及び第二接続機構40は、ベルト9と保持装置11が配置されたベース部材10Aとの間に配置されている。言い換えれば、ベルト9は、第一接続機構50又は第二接続機構40を介して保持装置11が配置されたベース部材10Aに接続されている。

図3に示されるように、第一接続機構50は、左右方向において昇降装置10の右側に設けられている。また、第一接続機構50は、図4に示されるように前後方向において二箇所に配置されている。第一接続機構50は、接続部材51と、揺動部材53と、第一本体部材54と、第二本体部材56と、第一軸部57,57と、第一バネ部材(防振部・バネ部材)58,58と、を有している。

接続部材51は、ベルト9に接続される部材である。揺動部材53は、前後方向に延びると共に、接続部材51に接続される部材である。揺動部材53とは、第一ピン部材52を介して回動可能に接続される。第一本体部材54は、上端が開口する略U字状の部材であり、その底部は、水平方向(前後左右方向)に平坦となるように形成されている。第一本体部材54は、その上端が揺動部材53の両端にボルト55によって接続されている。第二本体部材56は、前後方向における揺動部材53及び第一本体部材54の略中心部同士を接続する部材である。

一対の第一軸部57,57は、第一本体部材54から上方に延びる棒状の部材であり、第二本体部材56を挟むように配置されている。一対の第一バネ部材58,58は、所定のバネ定数を有する圧縮コイルバネであり、一対の第一軸部57,57にそれぞれ挿通されている。一対の第一バネ部材58,58の上端には、ベース部材10Aが接触された状態で配置されている。すなわち、ベース部材10Aとベルト9との間には、第一接続機構50の四個の第一バネ部材58が配置されている。第一バネ部材58は、ベース部材10AをFOUP90の把持方向(鉛直方向下方)とは反対側の上方へ押圧する。なお、所定のバネ定数については、後段にて詳述する。

第二接続機構40は、図3に示されるように、左右方向において昇降装置10の左側に設けられている。第二接続機構40は、図5に示されるように、前後方向において中央部近傍に配置されている。第二接続機構40は、接続部材41,41と、揺動部材(揺動部)43と、第三本体部材45と、第四本体部材46と、第二軸部47,47と、第二バネ部材(防振部・バネ部材)48,48と、を有している。

接続部材41,41は、ベルト9,9に接続される部材である。揺動部材43は、一対の接続部材41,41と、第三本体部材45とを接続する部材である。一対の接続部材41,41と揺動部材43とは、回動可能に接続され、一対の第三ピン部材42,42を介して接続される。揺動部材43と第三本体部材45とは、第四ピン部材44を介して接続されている。第四本体部材46は、第三本体部材45の下端に接続されており、水平方向(前後左右方向)に延びる板材である。

一対の第二軸部47,47は、第四本体部材46から上方に延びる棒状の部材であり、第三本体部材45を挟むように配置されている。一対の第二バネ部材48,48は、一対の第一バネ部材58,58と同じバネ定数である所定のバネ定数を有する圧縮コイルバネであり、一対の第二軸部47,47にそれぞれ挿通されている。一対の第二軸部47,47の上端には、ベース部材10Aが接触された状態で配置されている。すなわち、ベース部材10Aとベルト9との間には、第二接続機構40の二個の第二バネ部材48が配置されている。第二バネ部材48は、ベース部材10AをFOUP90の把持方向(鉛直方向下方)とは反対側の上方へ押圧する。なお、所定のバネ定数については、後段にて詳述する。

天井搬送車1は、図1及び図3に示されるように、FOUP90の蓋体94を走行方向と直交する左右方向の一つである左方向に向けた状態で搬送する。このとき、図6(A)に示されるように、ハンド13,13に把持された状態のFOUP90の重心位置G1と、昇降装置10の重心位置G2(四本のベルト9における昇降装置10の四箇所の接続部の重心位置)との間には「ずれ」がある。このような状態に起因して、ハンド13,13がFOUP90を把持して持ち上げた際に昇降装置10が受ける荷重Fは、昇降装置10の左右方向における左側と右側とで異なる。具体的には、左右方向(走行方向と把持部の昇降方向との両方に直交する幅方向)において左側(第二荷重が作用する側)が受ける荷重(第二荷重)は、右側(第一荷重が作用する側)が受ける荷重(第一荷重)よりも大きくなる。したがって、通常であれば、ハンド13,13がFOUP90を把持して持ち上げた場合、ベルト9によって吊り下げられる昇降装置10は、左右方向において傾いてしまう。

そこで、本実施形態の天井搬送車1では、左右方向左側に配置される第二接続機構40の反発力F11が、左右方向右側に配置される第一接続機構50の反発力F12よりも大きくなるように調整されている。具体的には、FOUP90を把持しない状態において、第二バネ部材48によって生成される第二接続機構40としての反発力が、第一バネ部材58によって生成される第一接続機構50としての反発力よりも大きくなるようにしている。すなわち、当該反発力の差によって、上述した荷重差を吸収するようにしている。

上記反発力は、第一バネ部材58及び第二バネ部材48のバネ自身が有する材料等の特性だけでなく、第一バネ部材58及び第二バネ部材48に作用させられる与圧によって調整することができる。本実施形態では、第一接続機構50全体としてのバネ定数と、第二接続機構40全体としてのバネ定数とが互いに等しくなるように、第一バネ部材58及び第二バネ部材48の特性がそれぞれ選択されると共に、第一バネ部材58及び第二バネ部材48の少なくとも一方には、ハンド13,13に把持された状態のFOUP90の重心位置G1と、昇降装置10の重心位置G2との間にずれがあることにより生じるFOUP90の傾きを解消するように与圧(圧縮)されている。

本実施形態では、第一バネ部材58及び第二バネ部材48は、ハンド13,13に把持されたFOUP90の重心位置G1と、昇降装置10における重心位置G2との間にずれがあることにより生じるFOUP90の傾きを解消するように与圧されている。具体的には、空の状態のFOUP90を持ち上げた際に生じる昇降装置10の傾きが水平状態となるように(FOUP90の底面の傾きが解消するように)第一バネ部材58及び第二バネ部材48が与圧されている。このような状態に第一バネ部材58及び第二バネ部材48が与圧されることにより、ハンド13,13が空のFOUP90を持ち上げた際に、昇降装置10が傾くことを防止している。

一方、半導体ウェハは、昇降装置10における重心位置G2と大きなずれが無い位置にFOUP90に収容されていく。すなわち、FOUP90に収容される一枚以上の半導体ウェハの重心位置G3と昇降装置10における重心位置G2との間には、ずれがほとんどない。したがって、図6(B)に示されるように、FOUP90に収容される半導体ウェハによる荷重F2は、収容される枚数に殆ど関係なく、第一バネ部材58及び第二バネ部材48に対して均等に作用する。上述したとおり、本実施形態では、第一接続機構50全体としてのバネ定数と、第二接続機構40全体としてのバネ定数とが互いに等しくなるように、第一バネ部材58及び第二バネ部材48の特性がそれぞれ選択されているので、FOUP90を持ち上げた状態においては、同じ大きさの反発力F21,F22が付与される。すなわち、第一バネ部材58及び第二バネ部材48は、均等に圧縮(圧縮量d)される。したがって、半導体ウェハが収容されたFOUP90を吊り下げた際も、昇降装置10が傾くことは無く、水平状態が維持される。

上記実施形態の天井搬送車1は、ベルト9と昇降装置10との間に防振部としての第一接続機構50及び第二接続機構40が配置されるので、ベルト9からFOUP90に伝わる振動を低減することが可能になる。また、FOUP90からの荷重が相対的に大きく作用する側に配置される第二接続機構40の反発力は、FOUP90からの荷重が相対的に小さく作用する側に配置される第一接続機構50の反発力に比べて大きい。したがって、FOUP90が昇降装置10に作用させる荷重に偏りがある場合であっても、上記反発力の差によって当該偏りを吸収することができるので、FOUP90を吊り下げた際の傾きを抑制することができる。

上記実施形態の天井搬送車1における第一接続機構50及び第二接続機構40は、一又は複数のバネ部材(第一バネ部材58及び第二バネ部材48)により形成される。バネ部材は、荷重に対する反発力や伸びが線形的な特性を示すので、左右方向における荷重の偏りを解消するために用いられる第一バネ部材58及び第二バネ部材48の与圧の調整及び/又は特性の選択等が容易となる。

上記実施形態の天井搬送車1では、一又は複数の第一バネ部材58又は第二バネ部材48は、昇降装置10に持ち上げられる空の状態のFOUP90の重心位置G1と昇降装置10の重心位置G2との間にずれがあることにより生じる、FOUP90を持ち上げた際の昇降装置10の傾きを解消するように与圧されている。このため、昇降装置10の重心位置G2に対して偏りのある荷重を作用させるようなFOUP90を持ち上げる際のFOUP90の傾きを抑制することができる。更に、第一接続機構50としてのバネ定数及び第二接続機構40としてのバネ定数が互いに等しくなるように形成されている。このため、半導体ウェハが収容されたFOUP90を把持する場合であっても、FOUP90に伝わる振動を低減しつつ、FOUP90を持ち上げる際のFOUP90の傾きを抑制することができる。

上記実施形態の天井搬送車1では、昇降装置10は、四本のベルト9によって吊り下げられつつも、第一接続機構50に接続されている(第二接続機構40における揺動部材43に接続されていない)二本のベルト9と昇降装置10との二箇所の接続部分、及び、第二接続機構40において揺動可能に固定された一箇所の第四ピン部材44の3箇所で吊り下げられたような状態となっている。これにより、三本のベルト9によって吊り下げられている場合と同様の効果が得られ、昇降装置10をより安定した状態で吊り下げることができる。更に、一本のベルト9が何らかの原因で切断されてしまった場合も、吊持状態を維持することができ、実際に三本のベルト9で吊り下げられる場合に比べ安全性を高めることができる。

以上、一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。

上記実施形態では、空の状態のFOUP90を持ち上げた際に生じる昇降装置10の傾きが水平状態となるように(FOUP90の傾きが解消するように)第一バネ部材58及び第二バネ部材48が与圧されている例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、半導体ウェハが満載された状態のFOUP90を持ち上げた際に生じる昇降装置10が水平状態となるように(FOUP90の傾きが解消するように)第一バネ部材58及び第二バネ部材48を与圧してもよい。また、所定の重量の半導体ウェハが満載された状態のFOUP90を持ち上げた際に生じる昇降装置10が水平状態となるように(FOUP90の傾きが解消するように)第一バネ部材58及び第二バネ部材48を与圧してもよい。

上記実施形態では、第一接続機構50における接続部材51及び第二接続機構40における接続部材41のそれぞれにベルト9が接続される例、すなわち、四本のベルト9によって昇降装置10が吊り下げられている例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図5に示されるように、第二接続機構40においては、接続部材41ではなく、第四ピン部材44にベルト9を接続することにより、三本のベルト9によって昇降装置10が吊り下げられる構成としてもよい。この構成により、より安定した状態で昇降装置10を吊り下げることが可能になる。

上記実施形態又は変形例では、二つの第二バネ部材48からなる第二接続機構40を、昇降装置10の左右方向左側に配置し、二つの第一バネ部材58からなる、二つの第一接続機構50を、昇降装置10の左右方向右側に配置する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第二接続機構40を、昇降装置10の左右方向右側に配置し、二つの第一接続機構50を、昇降装置10の左右方向左側に配置してもよい。また、第二接続機構40を、昇降装置10の左右方向両側に配置したり、二つの第一接続機構50を、昇降装置10の左右方向両側に配置したりしてもよい。左右方向において大きな荷重が作用する側に大きな反発力を有する部材を配置する構成とすればよく、バネ部材の本数、バネの特性等はどのような状態であってもよい。

天井搬送車1は、FOUP90の蓋体94を前後方向(走行方向)の一方側に向けた状態で搬送する構成においては、左右方向ではなく、前後方向において大きな荷重が作用する側に大きな反発力を有する部材を配置する構成とすればよい。

上記実施形態又は変形例の第一バネ部材58又は第二バネ部材48に代えて、又は加えて、例えばシリコーン樹脂等によって形成されるゲル状の弾性体を配置してもよい。この場合であっても、第一バネ部材58又は第二バネ部材48を配置する場合と同様に振動及び衝撃を吸収することができる。

1…天井搬送車、5…水平駆動部(本体部)、6…回転駆動部(本体部)、7…昇降駆動部(本体部)、9…ベルト(吊持部材)、10…昇降装置(把持部)、10A…ベース部材、10B…ケース部材、11…保持装置(把持部)、13…ハンド、40…第二接続機構、43…揺動部材(揺動部)、48…第二バネ部材(防振部・バネ部材)、50…第一接続機構、53…揺動部材、58…第一バネ部材(防振部・バネ部材)、90…FOUP(容器・物品)、91…容器本体、94…蓋体、95…フランジ。

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