自転車保持具 |
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申请号 | JP2016085329 | 申请日 | 2016-11-29 | 公开(公告)号 | JPWO2018100613A1 | 公开(公告)日 | 2018-11-29 |
申请人 | 日本車輌製造株式会社; | 发明人 | 中桐 隆寿; | ||||
摘要 | 【課題】簡便な操作により客室内で自転車を懸架した状態で保持できると共に、自転車を取り外した場合には、そのスペースを乗客スペースへ容易に回復できる自転車保持具を提供すること。 【解決手段】自転車2を取り外す場合には、まず掛合フック47を掛合リング42aから取り外し、車輪2aのリム側から掛け渡されたゴム紐46を車輪2aから外す。次に、第1及び第2ラック部材42,44の間から車輪2aを取り外すと、第2ラック部材44は、バネヒンジ43の付勢 力 により自動的にベース部材41及び第1ラック部材42側へ勢いよく折りたたまれる。このとき第2ラック部材44は、ベース部材41又は第1ラック部材42と衝突するが、クッション部材45により、かかる衝突時の衝撃は緩和される。自転車2を取り外した後で、跳ね上げ式座席5のシート5aを下方へ倒せば、かかる自転車2の保持スペースを客席として回復できる。 【選択図】図2 | ||||||
权利要求 | 客室内の上方部に配設され自転車の一方の車輪を懸架する懸架部材と、前記客室内の下方部に配設され前記自転車の他方の車輪を保持する保持部材とを備え、前記客室内にて自転車を懸架した状態で保持する自転車保持具において、 前記保持部材は、 跳ね上げ式座席のシート裏面に固着されるベース部材と、 そのベース部材に取着され、前記車輪を挟持する第1ラック部材と、 その第1ラック部材より下方の前記ベース部材に配設されるバネヒンジと、 そのバネヒンジを介して前記ベース部材に揺動自在に接続され、前記車輪を挟持する第2ラック部材とを備え、 その第2ラック部材は、前記車輪を挟持しない状態では、前記バネヒンジにより前記第1ラック部材側へ自動的に折りたたまれるように構成されていることを特徴とする自転車保持具。客室内の上方部に配設され自転車の一方の車輪を懸架する懸架部材と、前記客室内の下方部に配設され前記自転車の他方の車輪を保持する保持部材とを備え、前記客室内にて自転車を懸架した状態で保持する自転車保持具において、 前記保持部材は、 跳ね上げ式座席のシート下方に固着されるベース部材と、 そのベース部材に上下動自在に設けられ、前記車輪を挟持する第1ラック部材と、 その第1ラック部材の下端部に配設されるバネヒンジと、 そのバネヒンジを介して前記第1ラック部材に揺動自在に接続されると共に、前記車輪を挟持する第2ラック部材とを備え、 その第2ラック部材は、前記車輪を挟持しない状態では、前記バネヒンジにより前記第1ラック部材側へ自動的に折りたたまれるように構成されていることを特徴とする自転車保持具。前記ベース部材は、前記第1および第2ラック部材が上方へ持ち上げられた状態で前記車輪を挟持する場合に、前記第2ラック部材と当接して、上方へ持ち上げられた前記第1および第2ラック部材が下方へ落下するのを防止するストッパ部材を備えていることを特徴とする請求項2記載の自転車保持具。前記第2ラック部材が前記バネヒンジにより前記第1ラック部材側へ自動的に折りたたまれる場合に、その第2ラック部材の折りたたみ時の衝撃を緩和するクッション部材を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の自転車保持具。前記ベース部材に取着された伸縮性を有する紐部材と、 その紐部材に取着されたフック部材と、 そのフック部材が掛合する被掛合部材とを有していることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の自転車保持具。 |
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说明书全文 | 本発明は、鉄道車両やバス、フェリーボートなどの客室内に取り付けられ、その客室内で自転車を保持する自転車保持具に関するものである。 従来より、鉄道車両やバスなどの客室内で、自転車を保持できるようにした自転車保持具が知られている。これらの自転車保持具によれば、客室内に自転車置き場の専用スペースを設け、そこに装着されて使用される。 しかし、自転車置き場の専用スペースを設けると、その分、乗客用のスペースが減少して好ましくない。そこで、特許文献1の自転車固定装置では、バス車両の後方であってリアホイールハウス上の乗員シートの下に自転車の保持具を装着し、リヤホイールハウスから最後部の雛壇席において自転車を保持するようにしている。かかる自転車固定装置によれば、自転車を保持していない場合には、客席を通常通り使用できるので、着座定員や乗客スペースが損なわれることがない。 特開平9−240357号公報
しかしながら、特許文献1の自転車固定装置では、自転車を保持するためには、リヤホイールハウス2上の乗員シート8を格納するだけでなく、バス車内の床面上に車輪ブラケット7を設置する必要があり(特許文献1の段落0021等)、その設置作業が極めて煩雑であった。同様に、一旦自転車保持に使用したスペースを、乗客スペースに回復するためには、車輪ブラケット7の撤去に加えて、リヤホイールハウス2上の自転車支持具6の収納、更には乗員シート8の展開といった極めて煩雑な回復作業が必要であったし、撤去した車輪ブラケット7の収容スペースも必要であった。更に特許文献1の自転車固定装置では、自転車を横置きにして保持するために、1台辺りの収容スペースが大きく、収容効率が悪かった。 本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、簡便な操作により客室内で自転車を懸架した状態で保持できると共に、自転車を取り外した場合には、そのスペースを乗客スペースへ容易に回復できる自転車保持具を提供することを目的としている。 この目的を達成するために本発明の自転車保持具は、客室内の上方部に配設され自転車の一方の車輪を懸架する懸架部材と、前記客室内の下方部に配設され前記自転車の他方の車輪を保持する保持部材とを備え、前記客室内にて自転車を懸架した状態で保持するものであり、前記保持部材は、跳ね上げ式座席のシート裏面に固着されるベース部材と、そのベース部材に取着され、前記車輪を挟持する第1ラック部材と、その第1ラック部材より下方の前記ベース部材に配設されるバネヒンジと、そのバネヒンジを介して前記ベース部材に揺動自在に接続され、前記車輪を挟持する第2ラック部材とを備え、その第2ラック部材は、前記車輪を挟持しない状態では、前記バネヒンジにより前記第1ラック部材側へ自動的に折りたたまれるように構成されている。 また本発明の別の自転車保持具は、客室内の上方部に配設され自転車の一方の車輪を懸架する懸架部材と、前記客室内の下方部に配設され前記自転車の他方の車輪を保持する保持部材とを備え、前記客室内にて自転車を懸架した状態で保持するものであり、前記保持部材は、跳ね上げ式座席のシート下方に固着されるベース部材と、そのベース部材に上下動自在に設けられ、前記車輪を挟持する第1ラック部材と、その第1ラック部材の下端部に配設されるバネヒンジと、そのバネヒンジを介して前記第1ラック部材に揺動自在に接続されると共に、前記車輪を挟持する第2ラック部材とを備え、その第2ラック部材は、前記車輪を挟持しない状態では、前記バネヒンジにより前記第1ラック部材側へ自動的に折りたたまれるように構成されている。 請求項1記載の自転車保持具によれば、まず自転車の一方の車輪を客室内の上方部に配設された懸架部材に懸架する。保持部材のベース部材は、跳ね上げ式座席のシート裏面に固着されているので、座席シートを跳ね上げた状態で、保持部材の第2ラック部材を、第1ラック部材の下方に配設されたバネヒンジを揺動軸として下方へ揺動すると、第1ラック部材と第2ラック部材との間が開放される。この間へ自転車の他方の車輪を第1ラック部材と第2ラック部材とにそれぞれ挟持されるように挿入すると、他方の車輪は第1ラック部材と第2ラック部材との間に保持される。このように簡便な操作により、客室内で自転車を懸架した状態で保持することができるという効果がある。 また、自転車を自転車保持具から取り外すと、第2ラック部材はバネヒンジにより第1ラック部材側へ自動的に折りたたまれ収納されるので、自転車を保持していたスペースを乗客スペースへ回復することが容易であると共に、自転車保持具の不使用時に第2ラック部材が突出したままの状態となって、乗客が接触する等の事故を防止できるという効果がある。また保持部材は、跳ね上げ式座席のシート裏面に固着されているので、自転車保持具の不使用時には客席として使用できる。即ちこの自転車保持具を設置した場合にも、乗客用のスペースを減少することがないという効果がある。 請求項2記載の自転車保持具によれば、まず自転車の一方の車輪を客室内の上方部に配設された懸架部材に懸架する。保持部材のベース部材は、跳ね上げ式座席のシート下方に固着されている。座席シートを跳ね上げた状態で、保持部材の第2ラック部材を上方へ持ち上げると、第2ラック部材は第1ラック部材と共にベース部材を上方へ移動する。上方へ移動した第2ラック部材を、第1ラック部材の下端部に配設されたバネヒンジを揺動軸として下方へ揺動すると、第1ラック部材と第2ラック部材との間が開放される。この間へ自転車の他方の車輪を第1ラック部材と第2ラック部材とにそれぞれ挟持されるように挿入すると、他方の車輪は第1ラック部材と第2ラック部材との間に保持される。このように簡便な操作により、客室内で自転車を懸架した状態で保持することができるという効果がある。 また、自転車を自転車保持具から取り外すと、第2ラック部材は、バネヒンジにより第1ラック部材側へ自動的に折りたたまれ、第1ラック部材と共にベース部材を下方へ移動し収納される。よって、自転車を保持していたスペースを乗客スペースへ回復することが容易であると共に、自転車保持具の不使用時に第2ラック部材が突出したままの状態となって、乗客が接触する等の事故を防止できるという効果がある。また保持部材は、跳ね上げ式座席のシート下方に固着されているので、自転車保持具の不使用時には客席として使用できる。即ちこの自転車保持具を設置した場合にも、乗客用のスペースを減少することがないという効果がある。 請求項3記載の自転車保持具によれば、請求項2の奏する効果に加え、ベース部材は、第1および第2ラック部材が上方へ持ち上げられた状態で車輪を挟持する場合に、第2ラック部材と当接して、上方へ持ち上げられた第1および第2ラック部材が下方へ落下するのを防止するストッパ部材を備えている。よって、第1および第2ラック部材による車輪の挟持を維持して、自転車を保持することができるという効果がある。 請求項4記載の自転車保持具によれば、請求項1から3のいずれかが奏する効果に加え、第2ラック部材がバネヒンジにより第1ラック部材側へ自動的に折りたたまれる場合に、その第2ラック部材の折りたたみ時の衝撃を緩和するクッション部材を有している。よって、自転車を保持部材から取り外した場合に、第2ラック部材が自動的に折りたたまれる際に他の部材などと衝突して生じる衝突音を緩和(小音化)できるという効果がある。 請求項5記載の自転車保持具によれば、請求項1から4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。保持部材の第1および第2ラック部材に車輪を挟持した状態で、ベース部材に取着された紐部材を車輪のリム側から通し、紐部材に取着されたフック部材を被掛合部材へ掛合する。これにより、紐部材によって更に、車輪を第1または第2ラック部材の反対側から保持できる。しかも、紐部材は伸縮性を有しているので、かかる保持を強固にできるという効果がある。 本発明の第1実施形態における自転車保持具の使用状態を示した図であり、(a)は、線路方向視の鉄道車両の断面図であり、(b)は、枕木方向視の鉄道車両の断面図である。 下側保持具の拡大図であり、(a1)は、車輪を保持していない状態の下側保持具の正面図であり、(b1)は、その側面図である。(a2)は、車輪を保持した状態の下側保持具の正面図であり、(b2)は、その側面図である。 第2実施形態における自転車保持具を示した図でり、(a)は、枕木方向視の鉄道車両の部分的な断面図であり、(b)は、その枕木方向視における自転車保持具の使用状態を示した図であり、(c)は、線路方向視における自転車保持具の使用状態を示した図である。 下側保持具の拡大図であり、(a1)は、車輪を保持していない状態の下側保持具の正面図であり、(b1)は、その側面図である。(a2)は、車輪を保持するために下側保持具の第1および第2ラック部材を上方へ持ち上げた状態の正面図であり、(b2)は、その側面図である。(a3)は、車輪を保持した状態の下側保持具の正面図であり、(b3)は、その側面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。本実施形態の自転車保持具10は、鉄道車両1の客室内で自転車2を懸架した状態で保持するためのものである。まず、図1および図2を参照して、第1実施形態の自転車保持具10を説明する。図1は、第1実施形態における自転車保持具10の使用状態を示した図であり、図1(a)は、線路方向視の鉄道車両1の部分的な断面図であり、図1(b)は、枕木方向視の鉄道車両1の部分的な断面図である。なお、自転車2を破線により図示している。 第1実施形態の自転車保持具10は、跳ね上げ式座席5が枕木方向に向けて配設される例えばロングシートの場合に用いられる。自転車保持具10は、上側フック3と、下側保持具4とにより構成される。上側フック3は、鉄道車両1の客室内天井面に固着された鉄棒3aから垂下したL字状のフック部材として形成される。図1(a)(b)に示すように、この上側フック3に自転車2の一方の車輪(図1では前輪)を通すことにより、自転車2が懸架される。 下側保持具4は、一方の車輪が懸架された自転車2の他方の車輪2a(図1では後輪)を保持するものであり、跳ね上げ式座席5のシート5aの裏面に固着される。図2は、かかる下側保持具4の拡大図である。また図2(a1)は、車輪2aを保持していない状態の下側保持具4の正面図であり、図2(b1)は、その側面図である。図2(a2)は、車輪2aを保持した状態の下側保持具4の正面図であり、図2(b2)は、その側面図である。なお、自転車2の車輪2aを破線により図示している。 図2(a1),(b1)に示すように、下側保持具4のベース部材41は、跳ね上げ式座席5のシート5aの裏面にネジ止めなどにより固着されている。ベース部材41は、跳ね上げられたシート5aの裏面の上下方向に伸びた板状体として形成されている。ベース部材41の両側には、一対の棒状部材としての第1ラック部材42が配設されている。図2(a2)に示すように、自転車2の車輪2aは、第1ラック部材42の一対の棒状部材の間に挟持されて保持される。 第1ラック部材42の下方であって、ベース部材41の下端部には、バネヒンジ43が配設され、バネヒンジ43には、第2ラック部材44が配設されている。よって、第2ラック部材44は、バネヒンジ43を揺動軸として、ベース部材41及び第1ラック部材42に対して開放方向または閉鎖方向に揺動自在とされている。 図2(a1)に示すように、第2ラック部材44は、正面視、先細りの台形状の空間を有して構成されている。この台形状の空間内に自転車2の車輪2aが挟持されて保持される。図2(b1)に示すように、第2ラック部材44の先端部44aは、側面視、L字状に形成される。そのL字状に形成された先端部44aは、先細りの三角形状(略V字形状)に形成されている。かかる第2ラック部材44の先端部44aを把持して、第1ラック部材42の反対側に第2ラック部材44を揺動させることで、図2(b2)に示すように、第1ラック部材42と第2ラック部材44との間が開放される。この第1ラック部材42と第2ラック部材44との間に自転車2の車輪2aを挿入することで、自転車2の車輪2aが下側保持具4に保持される。 バネヒンジ43のベース部材41側の、第2ラック部材44との接触面には、矩形板状に形成されたスポンジ製、樹脂製又はゴム製のクッション部材45が貼着されている。クッション部材45は、第1ラック部材42と第2ラック部材44との間から自転車2の車輪2aを取り外した場合に、バネヒンジ43の付勢力により、第2ラック部材44が第1ラック部材42側へ勢いよく折りたたまれることにより、第2ラック部材44と、ベース部材41又は第1ラック部材42との衝突により生じる、衝撃(衝撃音)を緩和(小音化)するものである。 ベース部材41の一側(図2(a1)の左側)には、円形の穴部41aが形成されており、その穴部41aには、伸縮性を有するゴム紐46が取着されている。ゴム紐46の先端には掛合フック47が取着され、かかる掛合フック47は、穴部41aとは反対側の第1ラック部材42に配設された半円形の掛合リング42aに掛合可能にされている。 次に、自転車保持具10の使用方法について説明する。図1に示すように、自転車保持具10に自転車2を保持する場合には、跳ね上げ式座席5のシート5aを跳ね上げた状態で、まず自転車2の一方の車輪2a(図1では前輪)を、上側フック3に懸架する。自転車2を上側フック3に懸架した状態で、下側保持具4の第2ラック部材44を、バネヒンジ43を揺動軸として下方へ開放し、その開放された第1ラック部材42と第2ラック部材44との間に自転車2の車輪2aを挿入する。すると、車輪2aは、第1ラック部材42の一対の棒状部材間に挟持されると共に、第2ラック部材44の台形状の空間内に挟持される。かかる状態で、ゴム紐46を車輪2aの一方側から車輪2aのリムを介して他方側へ通し、ゴム紐46の先端に設けられた掛合フック47を第1ラック部材42の掛合リング42aに掛合する。 第2ラック部材44は、バネヒンジ43により第1ラック部材42側へ付勢されているので、自転車2の下方の車輪2aは、第1ラック部材42と第2ラック部材44との間にしっかりと保持される。しかも、第2ラック部材44は、正面視、先細りの台形状に形成されているので、車輪2aのタイヤ幅に関わらず、その台形状の空間内に車輪2aを安定的に保持できる。加えて、第2ラック部材44の先端部44aは、先細りの三角形状(略V字形状)に形成されているので、車輪2aのタイヤ幅に関わらず、タイヤを2点にて安定的に保持できる。なお、先端がU字状に形成された場合には、U字の底部の1点のみでタイヤを保持する場合があり、かかる場合には、鉄道車両1の加減速時における車輪2aの保持に安定性を欠く。 更に、本自転車保持具10によれば、車輪2aは、リム側から通されたゴム紐46によって、第1ラック部材42側に締め付けられた状態で保持されるので、その保持は一層強固なものとなる。よって、鉄道車両1の加減速に伴い大きな振動があったとしても、車輪2aが第1ラック部材42と第2ラック部材44とから外れることを防止して、車輪2aを下側保持具4にしっかりと保持できる。加えて、本実施形態の自転車2は車輪2aを枕木方向にして懸架されるが、ゴム紐46によって枕木方向の揺れに対しても車輪2aをしっかりと保持できる。即ち、枕木方向の揺れによって、車輪2aが下側保持具4への反挿入方向側へ抜け出てしまうことを防止して、車輪2aを下側保持具4にしっかりと保持できる。このように自転車保持具10によって、鉄道車両1の客室内で自転車2を懸架した状態で保持することができる。 自転車保持具10に保持した自転車2を取り外す場合には、まず掛合フック47を掛合リング42aから取り外し、車輪2aのリム側から掛け渡されたゴム紐46を車輪2aから外す。次に、第1ラック部材42と第2ラック部材44との間から車輪2aを取り外すと、第2ラック部材44は、バネヒンジ43の付勢力により自動的にベース部材41及び第1ラック部材42側へ勢いよく折りたたまれる。このとき第2ラック部材44は、ベース部材41又は第1ラック部材42と衝突するが、クッション部材45により、かかる衝突時の衝撃(衝撃音)が緩和(小音化)される。自転車2を取り外した後で、跳ね上げ式座席5のシート5aを下方へ倒せば、かかる自転車2の保持スペースを客席として回復できる。 このように、本実施形態の自転車保持具10によれば、自転車2を懸架した状態で保持するので、自転車2を横置きで保持する場合に比べて、小さいスペースで多くの自転車2を保持することができる。しかも、自転車2は車輪2aを枕木方向にして懸架されるので、客室内の通路から各自転車2の1台1台を個別に保持し或いは個別に取り出すことができる。また自転車2を保持していない場合には、跳ね上げ式座席5のシート5aを戻すことにより、かかるスペースを客席として使用できるので、客室内に自転車保持具10を設置した場合にも、乗客用のスペースを減少させることがない。加えて、自転車保持具10(下側保持具4)から自転車2を取り外すと、第2ラック部材44はバネヒンジ43により第1ラック部材42側へ自動的に折りたたまれ収納されるので、下側保持具4の収納が容易であると共に、自転車保持具10の不使用時に第2ラック部材44が突出したままの状態となって、乗客が接触する等の事故を防止できる。 ゴム紐46の先端に取着された掛合フック47は、第1ラック部材42に形成された掛合リング42aに掛合されるので、その取り外しを容易に行うことができる。例えば、掛合フック47を第1ラック部材42の棒状部材に掛合させると、その取り外し時に掛合フック47は棒状部材を上下動してしまうので、その取り外しが困難となるからである。 次に、図3および図4を参照して、第2実施形態の自転車保持具11を説明する。前記した第1実施形態の自転車保持具10は、跳ね上げ式座席5が枕木方向に向けて配設される例えばロングシートの場合に用いられるものであり、下側保持具4が跳ね上げ式座席5のシート5aの裏面に固着された。これに対し、第2実施形態の自転車保持具11は、跳ね上げ式座席5が線路方向に向けて配設される例えばクロスシートの場合に用いられるものである。よって、下側保持具7は跳ね上げ式座席5のシート5aの下方であって鉄道車両1の客室側壁に固着される。即ち、第2実施形態の自転車保持具11では、下側保持具7の配設位置が、第1実施形態の下側保持具4に比べて下方にある。よって、第2実施形態の自転車保持具11の使用時には、下側保持具7の第1ラック部材72および第2ラック部材74を、一旦上方へ引き上げた後に自転車2の車輪2aを保持するように構成されている。なお、以下の第2実施形態の説明において、前記した第1実施形態と同一の部分には、同一の符号を付して、その説明は省略する。 図3は、第2実施形態における自転車保持具11を示した図である。図3(a)は、枕木方向視の鉄道車両1の部分的な断面図(見付図)であり、図3(b)は、その枕木方向視における自転車保持具11の使用状態を示した図であり、図3(c)は、線路方向視における自転車保持具11の使用状態を示した図である。 自転車保持具11は、上側フック6と、下側保持具7とにより構成される。上側フック6は、L字状のフック部材として形成され、鉄道車両1の戸袋部上方の側壁に固着された鉄棒6aから垂下される。図3(b)(c)に示すように、この上側フック6に自転車2の一方の車輪(図3では前輪)を通すことにより、自転車2が懸架される。一般に戸袋部には窓がない。よって、上側フック6を鉄道車両1の戸袋部の上方に設けることにより、自転車保持具11に保持された自転車2が鉄道車両1の振動等に伴って大きく揺れたとしても、窓を割ってしまうようなことはない。 下側保持具7は、一方の車輪が懸架された自転車2の他方の車輪2a(図3では後輪)を保持するものであり、跳ね上げ式座席5のシート5a下方の客室側壁に固着される。図4は、かかる下側保持具7の拡大図である。また図4(a1)は、車輪2aを保持していない状態の下側保持具7の正面図であり、図4(b1)は、その側面図である。図4(a2)は、車輪2aを保持するために下側保持具7の第1ラック部材72および第2ラック部材74を上方へ持ち上げた状態の正面図であり、図4(b2)は、その側面図である。図4(a3)は、車輪2aを保持した状態の下側保持具7の正面図であり、図4(b3)は、その側面図である。 図4(a1),(b1)に示すように、下側保持具7のベース部材71は、跳ね上げ式座席5のシート5a下方の客室側壁にネジ止めなどにより固着されている。ベース部材71の下方両側には、一対のブラケット71aが形成され、ベース部材71の上方には、第1ラック部材72の上下動を案内するガイド71bが形成されている。 一対のブラケット71aは、鉄道車両1の客室側壁から前方へ突出する略三角形状の板状体として形成される。略三角形状のブラケット71aの上辺部分71a1は、略水平(客室側壁と略垂直)に形成され、この上辺部分71a1で、後述する第2ラック部材74が支えられる(図4(a3),(b3)参照)。ガイド71bは、一対の上下方向に延びる通路を有して形成され、その通路内に挿通された、一対の棒状部材としての第1ラック部材72の上下動を案内するものである。 ベース部材71のガイド71bには、第1ラック部材72が挿通される。第1ラック部材72は、一対の棒状部材として構成され、各棒状部材の上方先端部72aは、図4(b1)に示すように、側面視、前方に突出したカギ状に形成される。図4(a3),(b3)に示すように、自転車2の車輪2aは、この先端部72aの間に挿入され、その一対の先端部72aによって挟持される。なお、第1ラック部材72の一対の棒状部材は、上端部と下端部とが接合部材72b,72cによってそれぞれ連結されている。よって、第1ラック部材72は、ベース部材71のガイド71bに沿って、一対の棒状部材が一体化して上下動する。また接合部材72b,72cは、第1ラック部材72の上下動の際に、第1ラック部材72がベース部材71のガイド71bから外れてしまうのを防止するストッパ部材としても機能する。 第1ラック部材72の下端部72dはU字状に屈曲形成されており、その先端部には、バネヒンジ43が取着されている。バネヒンジ43の他端には、第2ラック部材74が配設され、第2ラック部材74は、バネヒンジ43を揺動軸として、ベース部材71及び第1ラック部材72に対して開放方向または閉鎖方向に揺動自在とされている。なお、バネヒンジ43の第2ラック部材74との当接面には、第2ラック部材74が折りたたまれた場合の衝撃(衝撃音)を緩和(小音化)するクッション部材45が貼着されている。 図4(a1)に示すように、第2ラック部材74は、正面視、先細りの台形状の空間を有して構成されている。この台形状の空間内に自転車2の車輪2aが挟持されて保持される。図4(b1)に示すように、第2ラック部材74の先端部74aは、側面視、L字状に形成される。そのL字状に形成された先端部74aは、先細りの三角形状(略V字形状)に形成されている。また、第2ラック部材74の下端部74bは、外方に突出して形成されている。図4(a3),(b3)に示すように、第2ラック部材74を第1ラック部材72に対して開放した場合、第2ラック部材74の下端部74bが、ベース部材71のブラケット71aの上辺部分71a1と当接する。よって、第2ラック部材74は、自転車2の車輪2aを保持した状態で、ベース部材71のブラケット71aによって支えられ、その上下位置が保たれる。 また第2ラック部材74の下方部であって、バネヒンジ43との接合面には、接合プレート74cが取着されている。接合プレート74cの一側には円形の穴部74c1が形成され、接合プレート74cの他側には台形状の穴部74c2が形成されている。円形の穴部74c1には伸縮性を有するゴム紐46が取着され、そのゴム紐46の先端に取着された掛合フック47は、接合プレート74cの台形状の穴部74c2に掛合可能にされている。 次に、第2実施形態の自転車保持具11の使用方法について説明する。図3(b),(c)に示すように、自転車保持具11に自転車2を保持する場合には、跳ね上げ式座席5のシート5aを跳ね上げた状態で、まず自転車2の一方の車輪2a(図3では前輪)を、上側フック6に懸架する。 自転車2を上側フック6に懸架した状態で、図4(a2),(b2)に示すように、下側保持具7の第1ラック部材72と第2ラック部材74とを上方へ持ち上げる(上方へスライドさせる)。ここで、第1ラック部材72と第2ラック部材74とは、バネヒンジ43を介して連結されているので、第2ラック部材74の先端部74aを把持して持ち上げることにより、両ラック部材72,74を容易に上方へ持ち上げることができる。 両ラック部材72,74を上方へ持ち上げた状態で、図4(a3),(b3)に示すように、第2ラック部材74をバネヒンジ43を揺動軸として下方へ開放する。かかる開放も、第2ラック部材74の先端部74aを把持して行うことにより容易にできる。即ち、第2ラック部材74の先端部74aを把持することにより、第1及び第2ラック部材72,74の持ち上げと、第2ラック部材74の開放とを容易に行うことができる。 開放された第1ラック部材72と第2ラック部材74との間に自転車2の車輪2aを挿入する。すると、車輪2aは、第1ラック部材72の一対の先端部72aに挟持されると共に、第2ラック部材74の台形状の空間内に挟持される。かかる状態で、ゴム紐46を車輪2aの一方側から車輪2aのリムを介して他方側へ通し、ゴム紐46の先端に設けられた掛合フック47を第2ラック部材74の接合プレート74cに形成された台形状の穴部74c2に掛合する。 第2ラック部材74は、バネヒンジ43により第1ラック部材72側へ付勢されているので、自転車2の下方の車輪2aは、第1ラック部材72と第2ラック部材74との間にしっかりと保持される。また車輪2aは、リム側から通されたゴム紐46によって、第2ラック部材74側に締め付けられた状態で保持されるので、その保持は一層強固なものとなる。よって、鉄道車両1の加減速に伴い大きな振動があったとしても、車輪2aが第1ラック部材72と第2ラック部材74とから外れることを防止して、車輪2aを下側保持具7にしっかりと保持できる。加えて、本実施形態の自転車2は車輪2aを枕木方向にして懸架されるが、ゴム紐46によって枕木方向の揺れに対しても車輪2aをしっかりと保持できる。即ち、枕木方向の揺れによって、車輪2aが下側保持具7への反挿入方向側へ抜け出てしまうことを防止して、車輪2aを下側保持具7にしっかりと保持できる。このように自転車保持具11によって、客室内で自転車2を懸架した状態で保持することができる。 自転車保持具11に保持した自転車2を取り外す場合には、まず掛合フック47を接合プレート74cの台形状の穴部74c2から取り外す。このとき掛合フック47は、台形状の穴部74c2に掛合されているので、その取り外しを容易に行うことができる。例えば、掛合フック47が棒状の部材に掛合されている場合には、その取り外し時に掛合フック47が棒状部材を上下動し、その取り外しが困難となるからである。 掛合フック47の取り外し後、車輪2aのリム側から掛け渡されたゴム紐46を車輪2aから外す。次に、第1ラック部材72と第2ラック部材74との間から車輪2aを取り外すと、第2ラック部材74は、バネヒンジ43の付勢力により自動的に第1ラック部材72側へ勢いよく折りたたまれる。このとき第2ラック部材74は、第1ラック部材72と衝突するが、クッション部材45により、かかる衝突時の衝撃(衝撃音)が緩和(小音化)される。 図4(a2),(b2)に示すように、第2ラック部材74が折りたたまれると、第2ラック部材74の下端部74bは、ブラケット71aの上辺部分71a1と当接しなくなり、ブラケット71aによる第2ラック部材74の支えが解除される。よって、第2ラック部材74は、第1ラック部材72と共に、ベース部材71のガイド71bに案内されつつ、自重により下方へ移動する。 即ち、第1ラック部材72と第2ラック部材74との間から車輪2aを取り外すと、第2ラック部材74は、自動的に折りたたまれ、その後、第1ラック部材72と共にガイド71bに沿って、自重により下方へ移動し、図4(a1),(b1)に示すように、第2ラック部材74は自動収納される。その後、上側フック6からも自転車2を取り外し、図3(a)に示すように、跳ね上げ式座席5のシート5aを下方へ倒せば、かかる自転車2の保持スペースを客席として回復できる。 このように第2実施形態の自転車保持具11によっても、自転車2を懸架した状態で保持するので、自転車2を横置きで保持する場合に比べて、小さいスペースで多くの自転車2を保持することができる。しかも、自転車2は車輪2aを枕木方向にして懸架されるので、客室内の通路から各自転車2の1台1台を個別に保持し或いは個別に取り出すことができる。また自転車2を保持していない場合には、跳ね上げ式座席5のシート5aを戻すことにより、かかるスペースを客席として使用できるので、客室内に自転車保持具11を設置した場合にも、乗客用のスペースを減少させることがない。加えて、自転車保持具11(下側保持具7)から自転車2を取り外すと、第2ラック部材74はバネヒンジ43により第1ラック部材72側へ自動的に折りたたまれ、第1ラック部材72と共に自重により下方へ移動し、自動収納される。よって、下側保持具7の収納が容易であると共に、自転車保持具11の不使用時に第2ラック部材74が突出したままの状態となって、乗客が接触する等の事故を防止できる。 以上、各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。 例えば、上記各実施形態では、自転車保持具10,11を鉄道車両1の客室内に設置した場合について説明した。しかし、必ずしも鉄道車両1に限られるものではなく、自転車保持具10,11を、鉄道車両1以外の他の車両、例えばバス車両などの客室内に適用してもよいし、フェリーボートなどの客室内に適用してもよい。 1 鉄道車両 2 自転車 2a 車輪 3,6 上側フック(懸架部材) 4,7 下側保持具(保持部材) 10,11 自転車保持具 41,71 ベース部材 42,72 第1ラック部材 42a 掛合リング(被掛合部材) 43 バネヒンジ 44,74 第2ラック部材 45 クッション部材 46 ゴム紐(紐部材) 47 掛合フック(フック部材) 71a ブラケット(ストッパ部材) 74c2 台形状の穴部(被掛合部材) |