座席制御装置

申请号 JP2017090057 申请日 2017-04-28 公开(公告)号 JP2018187971A 公开(公告)日 2018-11-29
申请人 コイト電工株式会社; 发明人 金子 史; 宮崎 歩;
摘要 【課題】座席の状態を変換させる制御が簡易化され、複数の座席も一斉に迅速に変換させることができ、変換の動作を容易に制御することができる座席制御装置を提供する。 【解決手段】座席制御装置100により、各座席1が、ロング状態、一クロス状態、逆クロス状態の何れの状態にある場合でも、座席1ごとに各々の状態を個別に逐一判別することなく、それぞれ2つの動作指示 信号 だけでモータ42の動作を制御して、座席1を所望の状態に変換させる。 【選択図】図1
权利要求

座席の状態を変換させる動作を制御する座席制御装置において、 前記座席の状態を変換可能な変換機構を駆動する駆動手段と、 前記駆動手段の動作を制御する制御手段と、を備え、 前記座席は前記変換機構により、少なくとも所定の3つの状態として、第1の状態と、第2の状態と、第3の状態とに変換可能であり、第1の状態ないし第2の状態と、第2の状態ないし第3の状態は、それぞれ双方から変換可能であり、第1の状態ないし第3の状態は、これらの間の第2の状態を経て双方から変換可能であり、 前記制御手段は、前記駆動手段に対して、 前記座席を第1の状態に変換させる場合、先ず第3から第2の状態に変換させる動作を指示し、次に第2から第1の状態に変換させる動作を指示し、 前記座席を第2の状態に変換させる場合、第1から第2の状態に変換させる動作を指示し、また、第3から第2の状態に変換させる動作を指示し、 前記座席を第3の状態に変換させる場合、先ず第1から第2の状態に変換させる動作を指示し、次に第2から第3の状態に変換させる動作を指示するように設定されたことを特徴とする座席制御装置。前記座席が第2の状態にあることを検出する検出手段を備え、 前記制御手段は、前記座席を第1または第3の状態から第2の状態に変換させる場合、前記座席が既に第2の状態にあることを前記検出手段が検出すると、第2の状態に変換させる動作を行わないように設定されたことを特徴とする請求項1に記載の座席制御装置。前記駆動手段は、当て止め可能なモータからなり、 前記モータの回転による前記座席の何れか一の状態から他の状態への変換を所定の条件下で阻止するストッパを備え、 前記制御手段は、前記座席を何れか一の状態から他の状態に変換させる動作を指示した際に、前記座席が前記所定の条件下にある時も前記モータを一律に回転させるが、前記ストッパにより、前記モータの回転による前記座席の変換は阻止されるように設定されたことを特徴とする請求項1または2に記載の座席制御装置。前記座席は複数有り、各座席ごとに前記変換機構と前記駆動手段が備わり、 前記制御手段は、各座席を何れかの状態に揃えるように一斉に変換させるものであり、各座席の駆動手段に対して、一律に同じ動作を指示することを特徴とする請求項1,2または3に記載の座席制御装置。複数の座席はグループ分けされ、該グループ分けされた各座席グループは順序付けられており、 前記制御手段は、上位の座席グループから順次、グループごとに各座席を何れかの状態に揃えるように一斉に変換させるものであり、グループごとに各座席の駆動手段に対して、一律に同じ動作を指示することを特徴とする請求項4に記載の座席制御装置。複数の座席は前後に並べて配置され、先頭の列から順に奇数列の座席と偶数列の座席との2つにグループ分けされていることを特徴とする請求項5に記載の座席制御装置。前記座席の第1の状態は、前後方向に対して横向きとなるロング状態であり、 前記座席の第2の状態は、前後方向に対して前向きとなる一クロス状態であり、 前記座席の第3の状態は、前後方向に対して後向きとなる逆クロス状態であることを特徴とする請求項1,2,3,4,5または6に記載の座席制御装置。前記座席の変換機構は、前記座席を回転可能に支持する回転機構と、前記座席を前記回転機構ごと左右方向へ移動可能に支持するスライド機構と、前記座席を前記ロング状態ないし前記一クロス状態に変換させる時に、前記回転機構による座席の回転と前記スライド機構による座席の移動を連動させる連動機構とを備えてなることを特徴とする請求項7に記載の座席制御装置。

说明书全文

本発明は、座席の状態を変換させる動作を制御する座席制御装置に関するものであり、例えば、鉄道車両、自動車、航空機、船舶等の各種乗物に搭載する座席に適用される。

従来より、鉄道車両等の乗物に搭載される座席には、複数人が掛けられる腰掛タイプが多い。かかる座席は、一般に車両の客室内で前後(進行)方向の両側に一列ずつ、前後に複数並べて配置されている。ここで各座席には、前後方向に対して横向きとなるロング状態と、前向きとなる一クロス状態と、後向きとなる逆クロス状態とに、それぞれ回転させて向きを変換できる回転座席が知られている。

このような回転座席として、座席を回転ないしスライドさせる各機構に加えて伝達機構を備え、座席を方向転換する時に、伝達機構により座席の回転とスライドを連動させる装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。かかる装置では、固定架台上にスライド架台がスライド可能に支持され、スライド架台上に座席が回転可能に支持され、伝達機構により座席の回転とスライドを連動させていた。各座席の方向転換は、一つの座席に対する一連の動作が行われた後、引き続き隣の座席にも同様の動作が繰り返し行われていた。

特許第3431772号公報

しかしながら、前述した特許文献1に記載の技術では、複数の座席を一斉に方向転換することができなかった。すなわち、個々の座席ごとに順次、一連の切り替え動作を行わなければならず、全ての座席の方向転換が終了するまで非常に時間がかかり、乗り物の運行に支障を来す虞があった。

また、個々の座席において、電動による方向転換だけでなく、乗客が任意に手動で方向転換を行えるようにした場合、電動による動作時に、全ての座席が一律に同じ方向にあるとは限らない。従って、通常は各座席ごとに何れの向きかを判別してから個別に方向転換を行う必要がある。そのため、各座席ごとに全ての向きを判別するセンサ等の部品点数の増加を招き、制御プログラムも複雑となり、コストアップを招くという問題もあった。

本発明は、以上のような従来技術の有する問題点に着目してなされたものであり、座席の状態を変換させる制御が簡易化され、複数の座席も一斉に迅速に変換させることができ、簡易なプログラムや部品によって変換の動作を容易に制御することができ、コスト低減が可能な座席制御装置を提供することを目的としている。

前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存する。 [1]座席(1)の状態を変換させる動作を制御する座席制御装置(100)において、 前記座席(1)の状態を変換可能な変換機構(10)を駆動する駆動手段(42)と、 前記駆動手段(42)の動作を制御する制御手段(110)と、を備え、 前記座席(1)は前記変換機構(10)により、少なくとも所定の3つの状態として、第1の状態と、第2の状態と、第3の状態とに変換可能であり、第1の状態ないし第2の状態と、第2の状態ないし第3の状態は、それぞれ双方から変換可能であり、第1の状態ないし第3の状態は、これらの間の第2の状態を経て双方から変換可能であり、 前記制御手段(110)は、前記駆動手段(42)に対して、 前記座席(1)を第1の状態に変換させる場合、先ず第3から第2の状態に変換させる動作を指示し、次に第2から第1の状態に変換させる動作を指示し、 前記座席(1)を第2の状態に変換させる場合、第1から第2の状態に変換させる動作を指示し、また、第3から第2の状態に変換させる動作を指示し、 前記座席(1)を第3の状態に変換させる場合、先ず第1から第2の状態に変換させる動作を指示し、次に第2から第3の状態に変換させる動作を指示するように設定されたことを特徴とする座席制御装置(100)。

[2]前記座席(1)が第2の状態にあることを検出する検出手段(18)を備え、 前記制御手段(110)は、前記座席(1)を第1または第3の状態から第2の状態に変換させる場合、前記座席(1)が既に第2の状態にあることを前記検出手段(18)が検出すると、第2の状態に変換させる動作を行わないように設定されたことを特徴とする前記[1]に記載の座席制御装置(100)。

[3]前記駆動手段(42)は、当て止め可能なモータ(42)からなり、 前記モータ(42)の回転による前記座席(1)の何れか一の状態から他の状態への変換を所定の条件下で阻止するストッパ(16,17)を備え、 前記制御手段(110)は、前記座席(1)を何れか一の状態から他の状態に変換させる動作を指示した際に、前記座席(1)が前記所定の条件下にある時も前記モータを(42)一律に回転させるが、前記ストッパ(16,17)により、前記モータ(42)の回転による前記座席(1)の変換は阻止されるように設定されたことを特徴とする前記[1]または[2]に記載の座席制御装置(100)。

[4]前記座席(1)は複数有り、各座席(1)ごとに前記変換機構(10)と前記駆動手段(42)が備わり、 前記制御手段(110)は、各座席(1)を何れかの状態に揃えるように一斉に変換させるものであり、各座席(1)の駆動手段(42)に対して、一律に同じ動作を指示することを特徴とする前記[1],[2]または[3]に記載の座席制御装置(100)。

[5]複数の座席(1)はグループ分けされ、該グループ分けされた各座席グループは順序付けられており、 前記制御手段(110)は、上位の座席グループから順次、グループごとに各座席(1)を何れかの状態に揃えるように一斉に変換させるものであり、グループごとに各座席(1)の駆動手段(42)に対して、一律に同じ動作を指示することを特徴とする前記[4]に記載の座席制御装置(100)。

[6]複数の座席(1)は前後に並べて配置され、先頭の列から順に奇数列の座席(1)と偶数列の座席(1)との2つにグループ分けされていることを特徴とする前記[5]に記載の座席制御装置(100)。

[7]前記座席(1)の第1の状態は、前後方向に対して横向きとなるロング状態であり、 前記座席(1)の第2の状態は、前後方向に対して前向きとなる一クロス状態であり、 前記座席(1)の第3の状態は、前後方向に対して後向きとなる逆クロス状態であることを特徴とする前記[1],[2],[3],[4],[5]または[6]に記載の座席制御装置(100)。

[8]前記座席(1)の変換機構(10)は、前記座席(1)を回転可能に支持する回転機構(40)と、前記座席(1)を前記回転機構(40)ごと左右方向へ移動可能に支持するスライド機構(14)と、前記座席(1)を前記ロング状態ないし前記一クロス状態に変換させる時に、前記回転機構(40)による座席(1)の回転と前記スライド機構(14)による座席(1)の移動を連動させる連動機構(50)とを備えてなることを特徴とする前記[7]に記載の座席制御装置(100)。

次に、前述した解決手段に基づく作用を説明する。 前記[1]に記載の座席制御装置(100)によれば、座席(1)は変換機構(10)により、少なくとも所定の3つの状態として、第1の状態と、第2の状態と、第3の状態とに変換させることができる。ここで座席(1)の状態とは、座席(1)の向きや姿勢を含む様々な状態を意味し、座席全体の平方向の回転による座席(1)の向きに限らず、座席(1)の背凭れないし座部の傾動度や姿勢等も含まれる。

座席(1)の第1の状態ないし第2の状態は、双方から直に変換させることができ、座席(1)の第2の状態ないし第3の状態も、双方から直に変換させることができる。ただし、座席(1)の第1の状態ないし第3の状態は、直に変換させることができず、これらの間の第2の状態を経ることで双方から変換させることができる。このように、座席(1)の第2の状態は、座席(1)の第1の状態と第3の状態との間において、これらの変換過程の途中に位置する状態となる。

座席(1)の変換機構(10)は、駆動手段(42)により駆動され、駆動手段(42)の動作は、制御手段(110)により制御される。よって、駆動手段(42)は電動で動作するものであるが、変換機構(10)は必ずしも駆動手段(42)の電動による駆動に限らず、操作者(例えば乗客)が手動で任意に駆動させることができるように構成しても良い。この場合、座席(1)の状態は、制御手段(110)により制御された状態に限らず、操作者により任意に操作された状態もあり得る。

何れにせよ制御手段(110)は、駆動手段(42)の動作を制御することにより、座席(1)を第1の状態、第2の状態、第3の状態に自動的に変換させることができる。かかる制御において、変換前の座席(1)の状態を逐一判別することは面倒であるために省き、また、各々の状態に変換させるための制御の流れも、次のように簡素化している。

すなわち、座席(1)を第1の状態に変換させる場合、制御手段(110)は駆動手段(42)に対して、先ず第3から第2の状態に変換させる動作を指示し、次に第2から第1の状態に変換させる動作を指示する。このような2段階の指示により、座席(1)が第1から第3の何れの状態にあったとしても、一律に座席(1)を第1の状態に変換させることができる。

また、座席(1)を第2の状態に変換させる場合、制御手段(110)は駆動手段(42)に対して、第1から第2の状態に変換させる動作を指示し、また、第3から第2の状態に変換させる動作を指示する。ここでの2つの指示に時間的な前後関係はなく、2つの指示により、座席(1)が第1または第3の何れの状態にあったとしても、一律に座席(1)を第2の状態に変換させることができる。

また、座席(1)を第3の状態に変換させる場合、制御手段(110)は駆動手段(42)に対して、先ず第1から第2の状態に変換させる動作を指示し、次に第2から第3の状態に変換させる動作を指示する。このような2段階の指示により、座席(1)が第1から第3の何れの状態にあったとしても、一律に座席(1)を第3の状態に変換させることができる。 以上の最小限の指令だけで、座席(1)が何れの状態にあっても、任意の状態に座席(1)を変換させることが可能となる。

前記[2]に記載の座席制御装置(100)によれば、座席(1)の3つの状態のうち、最も位置(経由)する確率が高い第2の状態に座席(1)があることを検出する検出手段(18)を備える。そして、制御手段(110)は、座席(1)を第1の状態または第3の状態から第2の状態に変換させる場合、既に座席(1)が第2の状態にあることを前記検出手段(18)が検出すると、第2の状態に変換させる動作を行わない。

これにより、座席(1)の変換において、最も頻度の高い駆動手段(42)の無駄な駆動を省くことができる。なお、具体的な制御としては、第2の状態に変換させる動作の指令を中止することで、当該変換の動作を行わないようにしても良い。あるいは、第2の状態に変換させる動作の指令は出するが、当該出力に拘わらず別の指令に基づき当該変換の動作を中止するように制御しても良い。

前記[3]に記載の座席制御装置(100)によれば、制御手段(110)は、座席(1)を何れか一の状態から他の状態に変換させる動作を指示した際に、座席(1)が所定の条件下にあればモータ(42)を一律に回転させる。これにより、モータ(42)を選択的に作動させるような制御フローをなるべく省き、制御を簡素化することができる。

また、本来想定していないような所定条件下における座席(1)の変換の阻止も、複雑な制御フローを経ることなく、単純にストッパ(16,17)で機械的に阻止することができる。ここでモータ(42)は、当て止め可能であるため、過負荷により破損する虞もない。

以上の座席(1)の状態を変換させる動作の制御は、前記[4]に記載したように、一つの座席(1)に限らず複数の座席(1)を対象として実行することができる。複数の座席(1)を対象とする場合、その前提として、各座席(1)ごとに前記変換機構(10)と前記駆動手段(42)が備わっている。そして、制御手段(110)は、各座席(1)を何れかの状態に揃えるように一斉に変換させるものとなり、各座席(1)の駆動手段(42)に対して、一律に前述した同じ動作を指示する。

このような制御によれば、各座席(1)の状態を変換させるに際して、個々の変換前の状態を判別する必要はない。すなわち、各座席(1)が何れの状態にあったとしても、各座席(1)の駆動手段(42)に一律に同じ指令を出力して、変換機構(10)に一斉に同じ動作を行わせることで、特定の状態に揃えるように迅速に変換させることが可能となる。

また、前記[5]に記載したように、複数の座席(1)をグループ分けして、グループ分けした各座席グループごとに一連の制御を行うようにしても良い。ここで各座席グループは順序付けられており、前記制御手段(110)は、上位の座席グループから順次、グループごとに各座席(1)を何れかの状態に揃えるように一斉に変換させる。すなわち、前記制御手段(110)は、グループごとに各座席(1)の駆動手段(42)に対して、一律に同じ動作を指示することになる。

具体的なグループ分けとしては、例えば、前記[6]に記載したように、複数の座席(1)が前後に並べて配置されている場合には、先頭の列から順に奇数列の座席(1)と偶数列の座席(1)との2つにグループ分けすると良い。ここで2つのグループの順序付けは、どちらを上位としてもかまわず、各座席(1)の状態の変換に際し、前後に隣接する座席(1)同士が同時に動作することはなく、前後に1つおきの座席(1)が同時に動作することになるため、座席(1)同士の動作中における干渉を防ぐことができる。

また、座席(1)の状態に関しては、例えば、前記[7]に記載したように、第1の状態は、前後方向に対して横向きとなるロング状態とし、第2の状態は、前後方向に対して前向きとなる一クロス状態とし、第3の状態は、前後方向に対して後向きとなる逆クロス状態とすると良い。これにより、鉄道車両に搭載される一般的な座席(1)に、そのまま適用することができる。

さらに、座席(1)の変換機構(10)としては、例えば、前記[8]に記載したように、座席(1)を回転可能に支持する回転機構(40)と、座席(1)を回転機構(40)ごと左右方向へ移動可能に支持するスライド機構(14)と、座席(1)を前記ロング状態ないし前記一クロス状態に変換させる時に、回転機構(40)による座席(1)の回転とスライド機構(14)による座席(1)の移動を連動させる連動機構(50)とを備えるものが適している。かかる変換機構(10)によれば、座席(1)が壁面に近接して配置されたとしても、座席(1)の動作時に壁面と干渉することを防ぐことができる。

本発明に係る座席制御装置によれば、座席の状態を変換させる制御が簡易化され、複数の座席も一斉に迅速に変換させることができ、簡易なプログラムや部品によって変換の動作を容易に制御することができ、コスト低減が可能となる。

本発明の実施の形態に係る座席制御装置を概略的に示すブロック図である。

本発明の実施の形態に係る座席制御装置における動作指示と座席変換との関係を模式的に示す説明図および図表である。

本発明の実施の形態に係る座席制御装置により座席をロング状態から一クロス状態に変換させる制御の流れを示す説明図である。

本発明の実施の形態に係る座席制御装置により座席を逆クロス状態から一クロス状態に変換させる制御の流れを示す説明図である。

本発明の実施の形態に係る座席制御装置により座席をロング状態から逆クロス状態に変換させる制御の流れを示す説明図である。

本発明の実施の形態に係る座席制御装置により座席を一クロス状態から逆クロス状態に変換させる制御の流れを示す説明図である。

本発明の実施の形態に係る座席制御装置により座席を何れかの状態からロング状態に変換させる制御の流れを示す説明図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構においてロング状態からクロス状態に変換させる動作を示す斜視図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構におけるロング状態を示す斜視図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構における一クロス状態を示す斜視図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構における逆クロス状態を示す斜視図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構のうち台枠を除いたロング状態を示す斜視図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構のうち台枠を除いたクロス状態を示す斜視図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構におけるロング状態を示す平面図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構におけるロング状態を示す正面図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構におけるロング状態における進退ロック機構を拡大して示す正面図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構における一クロス状態を示す平面図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構における一クロス状態を示す正面図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構における一クロス状態における進退ロック機構を拡大して示す正面図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構における逆クロス状態を示す平面図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構における逆クロス状態を示す正面図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構の連動機構の要部を拡大して示す平面図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構の回転ロック機構のうちロックピンとその駆動機構を示す正面図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構の回転ロック機構のうち係止孔を示す正面図であり、(a)台枠の一長辺側にある係止孔、(b)台枠の両短辺側にある係止孔である。

本発明の実施の形態に係る変換機構の進退ロック機構の要部を拡大して示す斜視図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構の進退ロック機構の動作を説明する正面図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構の進退ロック機構のうちロックピンとその駆動機構を示す正面図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構の進退ロック機構の動作を説明する正面図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構の進退ロック機構の動作の続きを説明する正面図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構の進退ロック機構の動作を説明する斜視図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構の進退ロック機構の動作の続きを説明する斜視図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構の回転ロック機構のうち台枠の一短辺側にある係止孔を示す正面図である。

本発明の実施の形態に係る変換機構により座席をロング状態から一クロス状態に変換させる動作を示す説明図である。

以下、図面に基づき本発明を代表する実施の形態を説明する。 図1〜図33は、本発明の一実施の形態を示している。 本実施の形態に係る座席制御装置100は、座席1の状態を変換させる動作を制御するものである。図1に示すように、座席制御装置100は、座席1の状態を変換可能な変換機構10を駆動するモータ(駆動手段)42と、該モータ42の動作を制御する制御手段110等を備えている。

先ず、制御対象である座席1について説明する。 座席1の種類は、特に限定されるものではないが、以下、鉄道車両の客室内に搭載した2人掛けの腰掛に適用した場合を例に説明する。図3に示すように、鉄道車両の客室Aには、前後(進行)方向の両側に一列ずつ、複数の座席1が前後に並べて配置され、両列の間が通路となっている。座席1は、例えば2人掛け用として、2つの座部と背凭れを両側方向に並設してなる。

各座席1には、それぞれ座席1の状態を、所定の3つの状態として、第1の状態と、第2の状態と、第3の状態とに変換可能な変換機構10が備えられている。ここで座席1の状態とは、座席1の向きや姿勢を含む様々な状態を意味し、座席1全体の水平方向の回転による座席1の向きに限らず、座席1の背凭れないし座部の傾動角度や姿勢等も含まれるが、本実施の形態では座席1の「向き」を状態とする。

変換機構10により座席1の状態である向きは、座席1が前後方向に対して横向きとなり、座席背面側が壁面A1に平行となる第1の状態(以下、ロング位置)と、座席1が前後方向に対して前向きとなり、座席背面側が壁面A1と直交する第2の状態(以下、一クロス状態)と、座席1が前後方向に対して後向きとなり、座席背面側が壁面A1と直交する第3の状態(以下、逆クロス状態)とに、それぞれ変換可能となっている。

座席1のロング状態の角度を0°とすると、ロング状態から一方向へ90°回転させると一クロス状態(90°)となり、さらに一方向へ180°回転させると逆クロス状態(270°)となる。詳しくは後述するが、座席1は逆方向にも回転可能である。ただし、逆クロス状態からさらに一方向への回転は規制され、また、ロング状態から逆方向への回転も規制されている。

座席1のロング状態ないし一クロス状態は、双方から直に変換させることができ、座席1の一クロス状態ないし逆クロス状態も、双方から直に変換させることができる。ただし、座席1のロング状態ないし逆クロス状態は、直に変換させることができず、これらの間の一クロス状態を経ることで双方から変換させることができる。このように、座席1の一クロス状態は、座席1のロング状態と逆クロス状態との間において、これらの変換過程の途中に位置する状態となっている。

図8に示すように、変換機構10は、各座席1ごとの構成の一部として、脚台11と、移動台20と、座席1の台枠30とを備えている。また、変換機構10は、座席1を回転可能に支持する回転機構40と、座席1を前記回転機構40ごと左右方向へ移動可能に支持するスライド機構14と、座席1をロング状態ないし一クロス状態に変換させる時に、前記回転機構40による座席1の回転と前記スライド機構14による座席1の移動を連動させる連動機構50とを備えている。

図9は、ロング状態にある変換機構10を示し、図10は、一クロス状態にある変換機構10を示し、図11は、逆クロス状態にある変換機構10を示している。以下、一クロス状態と逆クロス状態とを総称する場合は、単にクロス状態と表記する。図12は、変換機構10のうち台枠30を除いたロング状態を示し、図13は、変換機構10のうち台枠30を除いたクロス状態を示している。

図12および図13に示すように、脚台11は、車両客室内にて壁面A1(図8参照)の傍らの床面上に固設されている。脚台11は、壁面A1と略直交する方向に長い架台状にフレーム材を組み合わせて構成されている。脚台11の上側を覆う上面部12は略水平であり、上面部12の長手方向に延びる両側の長辺は前記壁面A1と略直交し、上面部12の前後の短辺は前記壁面A1と略平行に配されている。

上面部12には、後述する移動台20の進退に伴って移動する回転軸41が、その移動軌跡に沿って通過可能な回避部12aが設けられている。回避部12aは、上面部12の前側の短辺から略中央に向かって、前側の短辺に開口して内側へ凹む湾状の切り欠きとして設けられている。回避部12aは、回転軸41が上面部12と干渉することを避けるための部位である。なお、上面部12上には、台枠30の回転方向を規制するためのストッパ16等の関連部品も取り付けられている。

脚台11の上面部12の直ぐ下側には、スライド機構14を介して移動台20が壁面A1と直交する方向(左右方向)へ進退可能に取り付けられている。スライド機構14は、脚台11の両側部13,13の内側に設けられた一対のガイドレール15,15を備えている。一対のガイドレール15,15は、脚台11の上面部12の両長辺に沿って互いに平行に対向しており、各ガイドレール15の内側に、次述する移動台20の両側部21,21がそのまま摺動可能に嵌合している。

移動台20は、脚台11の上面部12の下側に配置されており、長方形の枠組状にフレーム材を組み合わせて構成されている。移動台20の両側部21は、前述のガイドレール15の内側に摺動可能に嵌合している。よって、移動台20は、壁面A1に対して略直交する方向に前進ないし後退するようにスライド可能となっている。

移動台20の略中央には、座席1を回転可能に支持する回転機構40(図8参照)の取付部22が設けられている。取付部22に取り付けた回転機構40により、移動台20上に台枠30は回転可能に支持される。回転機構40は、例えば、図示省略したが上下一対のリング状の回転盤が、その間にベアリング等を介在させて互いに回転可能に組み合わされたユニットとして構成されている。回転機構40は、下側の回転盤が取付部22における円孔の周囲に固設され、上側の回転盤が台枠30の底面側に固設されている。

変換機構10は、回転機構40を先ず駆動するための駆動手段としてモータ42を備えている。モータ42は、図示省略したが減速機が付設され、当て止め可能に構成されたものであり、例えば、当て止め時にかかる所定値以上の出力トルクに対する耐性を備えたトルクモータが適している。モータ42の出力軸上には、該出力軸と一体的に回転するスプロケットが軸支され、このスプロケットの外周の歯は、脚台11の回避部12aにより上面部12の上方に一部が突出している。

座席1の回転中心となる回転機構40の回転軸41は、上下の回転盤の中心線であり、本実施の形態では物理的な実態を伴うものではないが、脚台11の上面部12の下側より上方へ延びており、前記回避部12aを通ることで上面部12とは干渉しない。回転軸41の周囲となる上側の回転盤には、前述したように台枠30が一体に取り付けられており、座席1と台枠30は回転軸41を中心として回転する。

図9〜図11に示すように、台枠30は、脚台11の上面部12の上側に配置されており、長方形の金属板により構成されている。台枠30は、座席1を取り付けて支持するものであり、座席1の座部底面に合致する両側方向に長い長方形となっている。このような台枠30には、図示省略したが回転軸41を中心とした円周に沿って、前記スプロケットの歯が噛み合う複数の穿孔が列設されている。

よって、モータ42によりスプロケットが回転すると、回転軸41を中心とした台枠30の円周上に配された複数の穿孔が順次回転移動するため、モータ42の動力で座席1は回転するように構成されている。詳しく言えば、座席1のロング状態から一クロス状態への変換と、一クロス状態から逆クロス状態への変換は、モータ42の正回転により行われる。一方、座席1の逆クロス状態から一クロス状態への変換と、一クロス状態からロング状態への変換は、モータ42の逆回転により行われるように設定されている。

ただし、図1に示すように、鉄道車両の客室Aの中央の通路を間にして左右に一列ずつ並ぶ、右列の座席1と左列の座席1とは、互いに左右対称となるように構成されている。従って、右列の座席1と左列の座席1とは、それぞれ対称的に回転ないしスライドするが、これに合わせてモータ42の回転方向を逆にしたり、あるいはモータ42の回転方向は統一するように構成してもかまわない。

図20に示すように、台枠30上には、前記モータ42の正回転による座席1の逆クロス状態から一クロス状態への変換を阻止するストッパ16が設けられている。かかるストッパ16は、座席1の底面側に設けられた被係合部(図示せず)に係合することで、座席1が270°以上回転しないように規制するための部材である。

図14に示すように、台枠30上には、前記モータ42の逆回転による座席1のロング状態から一クロス状態への変換を阻止するストッパ17が設けられている。かかるストッパ17は、座席1の底面側に設けられた被係合部(図示せず)に係合することで、座席1が0°以下には回転しないように規制するための部材である。

また、変換機構10は、座席1の向きをロング状態ないしクロス状態に変換させる時、座席1が壁面A1と干渉しないように座席1の回転と進退を連動させる連動機構50を備えている。連動機構50は、座席1を台枠30と共に回転させた時、該台枠30の回転を直線運動に変換し前記回転機構40を介して移動台20に伝達し、移動台20を台枠30と共に、壁面A1に対して近接ないし離隔するように直交する方向へ進退させる。

図9,図10に示すように、連動機構50は、脚台11の上面部12の上側に設けられたガイドレール51と、台枠30の下側に設けられたローラー52とを備えている。また、ローラー52は、補助ローラー53を備えている。ガイドレール51は、脚台11の上面部12上において、取付部22の傍らを通り両側方向へ屈曲しつつ延びる長尺状に形成され、上面部12の水平な基準面より上方へ所定高さに突出している。

ローラー52は、台枠30の下側において、座席1の回転軸41から偏心した位置で下方へ突出するよう回転可能に軸支されている。図22に示すように、ローラー52の回転軸52aには、アーム54の基端が揺動可能に枢支され、アーム54の先端には、補助ローラー53が自転可能かつ回転軸52aの回りに公転可能に軸支されている。補助ローラー53は、台枠30において回転軸52aを中心とする円弧状に穿設されたガイド溝55に沿って移動可能であり、ローラー52に対して近接ないし離隔可能に支持され、バネ部材56を介して近接する方向へ常時付勢されている。

ローラー52と補助ローラー53は、座席1がロング状態ないしクロス状態に変換される時、ガイドレール51を両側から挟持している。かかる状態でローラー52と補助ローラー53は、座席1の回転に伴いガイドレール51の一端から他端にかけて移動し、台枠30の回転が直線運動に変換され、回転機構40を介して移動台20に伝達される。これにより、座席1を図9のロング状態から図10の一クロス状態、逆に、一クロス状態からロング状態に変換させることができるように構成されている。

また、変換機構10は、台枠30(座席1)をロング状態とクロス状態のそれぞれの回転位置で回転不能に拘束する回転ロック機構60を備えている。ここで回転ロック機構60は、台枠30を脚台11に対して回転不能に拘束するため、必然的に移動台20も脚台11に対して進退不能に拘束するものとなる。

図9〜図11に示すように、回転ロック機構60は、脚台11側から台枠30に亘り上下に出没可能なロックピン61と、台枠30に設けられて前記ロックピン61が係脱する係止孔62a,62b,62cとを備えている。各係止孔62a,62b,62cは、矩形状の台枠30のうち、座席背面側に沿う一長辺側と、座席1両側に沿う両短辺側に、それぞれ合計3つ設けられている。各係止孔62a,62b,62cは、台枠30の各辺の端縁から少し離れた位置で、一部が開口した切欠ではなく、応力集中を避けて強度向上のために周囲が囲まれた孔として設けられている。

ロックピン61は、ユニット60aに組み込まれており、該ユニット60aは、脚台11の上面部12の下側に取り付けられている。上面部12には、ロックピン61が挿通する孔が形成されており、ロックピン61は、脚台11の上面部12より上方へ出没可能となっている。ロックピン61は、座席1がロング状態ないしクロス状態に変換された時、当該位置で上下に合致する台枠30側の係止孔62a,62b,62cに挿入されて係合する。

詳しく言えば、図9に示すロング状態の時、ロックピン61は、台枠30の一長辺側にある係止孔62aに挿入されて係合する。また、図10に示す一クロス状態の時、ロックピン61は、台枠30の一短辺側にある係止孔62bに挿入されて係合する。さらに、図11に示す逆クロス状態の時、ロックピン61は、台枠30の他短辺側にある係止孔62cに挿入されて係合する。なお、ロックピン61が上面部12より下方へ突出する位置では、上面部12の下側で進退する移動台20の一部が干渉することはない。

ロックピン61は、電動操作および手動操作によって出没動作し、上方へ突出して係止孔62a,62b,62cに挿入されるロック位置と、下方へ没入して係止孔62a,62b,62cから外れる解除位置とに変位する。ここでロックピン61のロック位置から解除位置に至るストロークは、電動操作と手動操作とで差が設けられている。詳しく言えば、図23に示すように、ロックピン61は、一端を回転中心63aとするリンク63を含む駆動機構を介して出没動作するように、ユニット60aに組み込まれている。

ここでリンク63における回転半径の異なる部位に、それぞれリンク63を駆動するための電動側ケーブル64と手動側ケーブル65が連結されている。各ケーブル64,65自体の操作量が同じである場合、リンク63の回転中心63aに近い方のケーブルによるストロークの方が大きくなる。この回転半径の差を利用して、手動側ケーブル65によるロックピン61のストロークを、電動側ケーブル64による場合の半分に設定している。

また、手動側ケーブル65は、その先に図示省略した手動レバーが連結されており、手動レバーにおいてもストロークが調整できる機能を有している。よって、電動側ケーブル64と手動側ケーブル65を逆に取り付けることができ、回転半径の差を利用しなくても、手動側ケーブル65の操作によるロックピン61のストローク径を短くすることができる。

一方、ロックピン61が係脱する係止孔62a,62b,62cに関しては、図9,図24(a)に示すように、座席1をロング状態にロック(拘束)するための係止孔62aの下側には、係止孔62aに合致する孔がある板金32が取り付けられている。よって、係止孔62aに関しては、他の係止孔62b,62c(図24(b)参照)よりも板金32の厚さ分だけ、ロックピン61を大きくストロークさせないと、ロックを解除できないように設定されている。

要は、座席1がロング状態にある時は、回転ロック機構60のロックを手動側ケーブル65による操作では解除できず、電動側ケーブル64による操作で解除することができるように設定されている。電動による操作は、車両の乗務員や駅員によって行われるものであり、手動による操作は主に乗客によって行われる。

なお、停電等の非常時にロックを解除できるように、回転ロック機構60、進退ロック機構70に、それぞれ連結する非常用手動操作部が別途脚台11の脚等に設けられている。非常用手動操作部の操作によるロックピン61,71のストローク量は、それぞれ板金32の厚さやヒンジ75より大きいため、非常時にはロング状態からクロス状態、またはクロス状態からロング状態への変換が可能である。

このような回転ロック機構60によれば、ロックピン61は、車両に固定されている脚台11から出没する。そのため、台枠30が回転不能にロックされると、台枠30が回転機構40を介して支持されている移動台20も、同時に進退不能にロックされる。かかる座席1の回転不能かつ進退不能の同時ロックは、ロックピン61を移動台20ではなく脚台11に取り付けると共に、脚台11の上面部12に、回転機構40との干渉を回避する回避部12aを開設したことにより実現されている。

さらに、変換機構10は、台枠30(座席1)をロング状態とクロス状態のそれぞれの位置で進退不能に拘束するための進退ロック機構70を備えている。進退ロック機構70は、前記回転ロック機構60とは別に、移動台20を脚台11に対して進退不能に拘束するものである。かかる進退ロック機構70によれば、前記回転ロック機構60による拘束を解除した状態においても、座席1の進退のみを不能に拘束することが可能となる。

図25に示すように、進退ロック機構70は、脚台11側から移動台20に亘り上下に出没可能なロックピン71と、移動台20に設けられて前記ロックピン71が係脱する係止孔72a,72bとを備えている。各係止孔72a,72bは、図18に示すように、移動台20の後方下側で前後方向に延びるフレーム材23の前後端に、それぞれ合計2つ設けられている。各係止孔72a,72bは、フレーム材23の前後端にて、一部が開口した切欠ではなく、応力集中を避けて強度向上のために周囲が囲まれた孔として設けられている。

ロックピン71は、ユニット70aに組み込まれており、該ユニット70aは、移動台20の下側に位置する脚台11の内側に配設されている。ロックピン71は、移動台20のフレーム材23の直ぐ下側より上方へ出没して、座席1がロング状態ないしクロス状態に変換された時、当該位置で上下に合致する各係止孔72a,72bに挿入されて係合する。ロックピン71は、前記ロックピン61と同様に脚台11側に取り付けられているが、その取り付け位置は異なっている。

詳しく言えば、図15に示すロング状態の時、ロックピン71は、前側の係止孔72a(図25参照)に挿入されて係合する。ただし、ロング状態の時のロックピン71は、係止孔72aに必ずしも挿入している必要はない。また、図18に示す一クロス状態の時、ロックピン71は、後側の係止孔72b(図25参照)に挿入されて係合する。同様に、図21に示す逆クロス状態の時も、ロックピン71は、後側の係止孔72bに挿入されて係合する。

図27に示すように、ロックピン71は、バネ部材73によって上方へ突出するロック位置に常時付勢されている。かかるロックピン71は、電動操作によってのみ、バネ部材73の付勢力に抗して下方へ没入する解除位置に変位する。ロックピン71の下端は、リンク74を介して図示省略したソレノイドに連結され、このソレノイドの駆動によって、ロックピン71は下方へ引っ張られて解除位置に変位する。よって、ロックピン71は、前記回転ロック機構60のロックピン61の場合と異なり、電動操作でのみ動作し、手動操作ではロックを解除することができない。

進退ロック機構70によれば、前記回転ロック機構60によりロックされている時は、特に操作する必要もないが、前記回転ロック機構60がロック解除された時に、移動台20を台枠30(座席1)ごと進退不能にロックすることができる。すなわち、座席1を回転できない時は、座席1の進退もできないが、座席1を回転できる時は、座席1の進退だけできないようにしたり、あるいは、座席1の回転に伴ない進退させることができる。

また、進退ロック機構70では、座席1をロング状態(0°)から一クロス状態(90°)に90°回転させる時、ロックピン71の先端は、図16に示すフレーム材23の前端側(図中で右側)から係止孔72b上を通過して後端側(図中で左側)まで相対的に移動し、再び前端側へ少し戻って係止孔72bに挿入される(図19参照)。ここでロックピン71が後端側へ移動する時に、バネ部材73の付勢力で係止孔72bに入らないようにする必要がある。

そのため、図25に示すように、係止孔72bの手前には、係止孔72bを一時的に塞ぐためのヒンジ75が起倒可能に設けられている。ヒンジ75は、係止孔72bの手前で通常は起立した状態に付勢されている。図26に示すように、ヒンジ75は、前方から相対的に移動してきたロックピン71の先端が当たると、付勢力に抗して係止孔72bを塞ぐ状態に倒れるように設けられている。なお、ヒンジ75は、反対方向に倒れることはない。

逆に、ロックピン71の先端が、フレーム材23の後端側から前端側に向かい相対的に前方へ移動する時は、ロックピン71が、係止孔72bに入ったり起立したヒンジ75に引っ掛からないようにする必要がある。そのため、図27に示すように、ロックピン71の傍らには、バネ部材73の付勢力に抗してロックピン71を引っ込めた状態に保持するサイドピン76が設けられている。

サイドピン76は、ロックピン71の軸方向と直交する側方より、ロックピン71に対して係脱可能に支持されている。ロックピン71の外周には、上下に離隔した位置に係止穴71a,71bが凹設されている。図28に示すように、ロックピン71の上側の係止穴71aにサイドピン76の先端が係合すると、ロックピン71は引っ込んだ解除位置に保持され、図29に示すように、ヒンジ75に引っ掛かることなく移動することができる。なお、ロックピン71の下側の係止穴71bにサイドピン76の先端が係合すると、ロックピン71は突出したロック位置に保持される。

図30,図31に示すように、サイドピン76は、揺動部材77を介して、先端がロックピン71の係止穴71a,71bに係合する状態と離脱する状態とに、軸方向に移動可能に支持されている。揺動部材77の先端は、サイドピン76の途中に押し引き可能に連結され、この先端と揺動中心を間にして反対側の基端は、移動台20側に固定された解除レバー78に係脱するように配置されている。よって、揺動部材77の基端に解除レバー78が係合して押されると、揺動部材77の先端の揺動に伴ないサイドピン76はロックピン71より離脱し、サイドピン76によるロックピン71の拘束は解除される。

次に、本発明の根幹である座席制御装置100について説明する。 図1に示すように、座席制御装置100は、座席1の状態を変換可能な変換機構10を駆動する前記モータ(駆動手段)42と、座席1が一クロス状態にあることを検出するセンサ(検出手段)18と、各種操作を行うための操作スイッチ101と、前記モータ42の動作を制御する制御盤(制御手段)110等を備えている。

制御盤110は、モータ42の動作やセンサ18の信号等の送受信を統括的に監視および制御するものであり、本発明における「制御手段」としての機能を果たしている。制御盤110は、種々のデータ処理を行うCPUや主メモリーであるROM、RAMの他、入出力回路、通信回路等を主要部とするシーケンサにより構成されている。

制御盤110は、通常は運転席等に設置されており、客室Aにある複数の座席1の変換を集中的に制御する。図2〜図6では、制御盤110により一車両の客室Aだけの各座席1の制御を示しているが、全車両の客室Aにある全て座席1を一台の制御盤110で制御できるように構成することもできる。

各座席1のモータ42やセンサ18は、座席1ごとに設置された中継器(図示せず)を介して制御盤110に接続されている。なお、実際上は、図2に示す右列の座席R1〜R4と左列の座席L1〜L4を、別々の中継器を介して制御盤110に区別して接続するように構成しても良い。モータ42は、前述したように当て止め可能なものであり、例えばトルクモータが適している。

センサ18は、図示省略したが脚台11の上面部12に取り付けられており、台枠30(座席1)が一クロス状態となった時にONとなり検出信号を出力する「検出手段」に相当するものである。かかるセンサ43は、例えば、台枠30の一部との距離に応じて動作する近接スイッチや磁気センサ等により構成され、前記中継器を介して制御盤110に接続されている。

また、操作スイッチ101は、制御盤110と同様に通常は運転席等に設置されており、各座席1をロング状態に変換させる指示と、各座席1を一クロス状態に変換させる指示と、各座席1を逆クロス状態に変換させる指示の入力操作を行うボタン等が設けられている。操作スイッチ101は、信号線を介して制御盤110に接続されている。

図2に示すように、制御盤110が果たす機能として、各座席1の変換に関しては、次のようにプログラムされている。 a.制御盤110は、座席1をロング状態に変換させる場合、操作スイッチ101からの指示に基づき各座席1のモータ42に対して、先ず逆クロス状態から一クロス状態に変換させる動作(モータ42の逆回転180°)を指示し、次に一クロス状態からロング状態に変換させる動作(モータ42の逆回転90°)を指示する。

b.制御盤110は、座席1を一クロス状態に変換させる場合、操作スイッチ101からの指示に基づき各座席1のモータ42に対して、ロング状態から一クロス状態に変換させる動作(モータ42の正回転90°)を指示し、また、逆クロス状態から一クロス状態に変換させる動作(モータ42の逆回転180°)を指示する。ここでの2つの動作の指令に、時間的な前後関係はなく、どちらを先に出力しても良い。

c.制御盤110は、座席1を逆クロス状態に変換させる場合、操作スイッチ101からの指示に基づき各座席1のモータ42に対して、先ずロング状態から一クロス状態に変換させる動作(モータ42の正回転90°)を指示し、次に一クロス状態から逆クロス状態に変換させる動作(モータ42の正回転180°)を指示する。

なお、座席1をロング状態から一クロス状態に変換させる指令と、一クロス状態から逆クロス状態に変換させる指令は、モータ42を正回転させる動作指示信号として共通し、モータ42の回転角度(作動時間)が異なる。また、各座席1を逆クロス状態から一クロス状態に変換させる指令と、一クロス状態からロング状態に変換させる指令は、モータ42を逆回転させる動作指示信号として共通し、モータ42の回転角度(作動時間)が異なる。

また、制御盤110は、各座席1をロング状態または逆クロス状態から一クロス状態に変換させる場合、座席1が既に一クロス状態にあることを前記センサ18で検出すると、当該時点での一クロス状態に変換させる動作は行わない。かかる制御は、一クロス状態に変換させる動作(モータ42の正回転90°または逆回転180°)を中止することで、当該変換の動作を行わないようにしても良い。あるいは、一クロス状態に変換させる動作の指令は出力するが、当該出力に拘わらず別の指令に基づき当該動作を中止するように制御しても良い。

また、制御盤110は、各座席1を何れか一の状態から他の状態に変換させる動作を指示した際に、座席1が所定の条件下にある時もモータ42を一律に回転させるように設定されている。ただし、座席1が所定の条件下にある時にモータ42が回転しても、前記ストッパ16,17により、モータ42の回転による前記座席1の変換は阻止される。

ここで所定の条件下とは、座席1をロング状態から一クロス状態に変換させる動作、および一クロス状態から逆クロス状態に変換させる動作を指示した際に、座席1が逆クロス状態にある場合である。かかる場合も、制御盤110はモータ42を一律に正回転させるが、前記ストッパ16により、モータ42の正回転による座席1の逆クロス状態から一クロス状態への変換は阻止される。

同様に、座席1を逆クロス状態から一クロス状態に変換させる動作、および一クロス状態からロング状態に変換させる動作を指示した際に、座席1がロング状態にある場合も、前記所定の条件下に相当し、制御盤110はモータ42を一律に逆回転させるが、前記ストッパ17により、モータ42の逆回転による座席1のロング状態から一クロス状態への変換は阻止される。

さらに、制御盤110によれば、各座席1をグループ分けすることが可能であり、該グループ分けされた各座席グループは順序付けられている。制御盤110は、上位のグループから順に、グループごとの各座席1を何れかの状態に揃えるように一斉に変換させるものであり、グループごとの各座席1のモータ42に対して、一律に同じ動作(前記a〜cの制御)を指示する。本実施の形態では、図3に示す鉄道車両の客室Aにおいて、先頭から順に奇数列の座席1と偶数列の座席1との2つにグループ分けされている。

次に、本実施の形態に係る変換機構10の動作の詳細を説明する。 図8に示すように、変換機構10では、脚台11の上面部12を間にして、下側には、移動台20が配置され、上側には、移動台20に回転機構40で支持された台枠30が配置されている。従って、変換機構10は、下から順に、脚台11、移動台20、脚台11の上面部12、台枠30と重なる構造となる。

かかる構造の場合、移動台20と台枠30の間に介在する上面部12が、そのままでは移動台20の進退時に回転軸41の動きを妨げることになるが、回転軸41は、上面部12にある回避部12aを通るため、上面部12と干渉することはない。これにより、脚台11の上面部12の下側における移動台20の進退を実現することができる。

図33に示すように、座席1を台枠30と共に回転させると、該台枠30の回転は直線運動に変換され、回転機構40を介して移動台20に伝達される。よって、移動台20は回転する台枠30と共に、壁面A1(図8参照)と直交する方向へ進退する。このような座席1の回転と進退の連動により、座席1が壁面A1に近接していても壁面A1と干渉しないように、座席背面側が壁面A1に平行となるロング状態(図33(a))と、座席背面側が壁面A1と直交する一クロス状態(図33(c))とに、座席1の向きを一連の動作で容易に変換させることができる。

図9,図14に示すように、座席1の台枠30がロング状態(0°)にある時、回転ロック機構60のロックピン61は、台枠30の一長辺側の係止孔62aに挿入されて係合している。ここでロックピン61は、床面上に固設されている脚台11から出没するため、座席1は回転不能のみならず、進退も不能に同時にロックされる。この時、進退ロック機構70では、特にロックする必要はなく、ロックピン71はフリーな状態となっている。

図33(a)〜図33(c)に示すように、台枠30(座席1)をロング状態(0°)から一クロス状態(90°)に変換させるには、モータ42の正回転による電動操作のみによって行われる。回転ロック機構60のロックピン61を係止孔62aから外すには、図24(a)に示した板金32の厚さ分だけ余分にストロークさせる必要があるが、この大きなストロークは電動操作でのみ可能となる。よって、座席1がロング状態(0°)にある時は、手動操作では回転ロック機構60のロックを解除することはできない。

図33(a)において、電動操作により回転ロック機構60のロックを解除した後、図33(b)に示すように、台枠30(座席1)を一方向(図33中で時計回り)へ回転させると、台枠30は連動機構50により直線運動に変換されながら回転する。すなわち、台枠30の回転時に壁面A1(図8参照)と干渉しないように、台枠30は回転しながら通路側へ大きく前進した後、壁面A1側へ引き込まれるように小さく後退しながら90°回転する。

図14および図17に示すように、連動機構50では、台枠30側のローラー52と補助ローラー53が、脚台11側のガイドレール51を両側から挟持している。かかる状態でローラー52と補助ローラー53は、台枠30の回転に伴いガイドレール51の一端から他端にかけて移動し、台枠30の回転が直線運動に変換される。ここでローラー52は、ガイドレール51の一側面に沿って回動しつつ移動し、補助ローラー53も、ガイドレール51の他側面に沿って押圧されながら偏心回転するため、各ローラー52,53がガイドレール51から外れることはない。

図33(c)に示すように、台枠30(座席1)が一クロス状態(90°)に到達すると、回転ロック機構60のロックピン61は、台枠30の一短辺側の係止孔62b(図17参照)に挿入されて係合し、台枠30は回転不能にロックされる。同時に、進退ロック機構70のロックピン71は、移動台20の後側の係止孔72b(図19参照)に挿入可能な位置まで移動する。

ここでロックピン71の先端は、台枠30の回転に伴う移動台20の進退時に、図16に示すフレーム材23の前端側から係止孔72b上を一旦通過する。この時、ロックピン71の先端が係止孔72bの手前にあるヒンジ75に前側から当たると、図26に示すようにヒンジ75が倒れて係止孔72bは一時的に塞がれる。その後、ロックピン71の先端は、再びフレーム材23の前端側へ少し戻って係止孔72bに挿入可能な位置まで移動する。

次に、台枠30(座席1)を、図10に示す一クロス状態(90°)から図11に示す逆クロス状態(270°)に変換させるには、モータ42の正回転による電動操作あるいは手動操作によって行われる。回転ロック機構60のロックピン61を係止孔62bから外すためには、図24に示す板金32がない分、小さなストロークだけで済む。よって、電動操作のみならず手動操作でも回転ロック機構60のロックを解除することができる。

図17に示す一クロス状態(90°)において、回転ロック機構60によるロックを解除した後、図示省略した座席1の座席背面側を通路側に向けながら一方向(図17中で時計回り)へ180°回転させる。この時、進退ロック機構70はロックされており、台枠30が前後方向へ進退することはない。また、連動機構50では、台枠30側のローラー52と補助ローラー53は、脚台11側のガイドレール51の他端より外側へ離脱することになる。

ところで、座席1が一クロス状態(90°)にある時、手動操作でロング状態(0°)へ戻る逆方向(図17中で反時計回り)へ回転すると、座席1が壁面A1(図8参照)と干渉する虞がある。よって、一クロス状態(90°)では、座席1の他方向への回転を制限する必要がある。そのため、図32に示したように、係止孔62bの周縁のうち他方向側となる片側半部だけに沿って、所定の厚さの板金33(前記板金32と同等のもの)を取り付ける。これにより、手動操作では、一クロス状態(90°)からロング状態(0°)へ戻す変換はできなくなる。

座席1が一方向へ180°回転して、図20に示すように、逆クロス状態(270°)に到達すると、回転ロック機構60のロックピン61が、台枠30の他方の短辺側の係止孔62cに挿入されて係合し、台枠30は回転不能にロックされる。この時、進退ロック機構70は、ロックされたままの状態にある。 なお、手動操作により、既に逆クロス状態(270°)にある座席1についても、電動操作の場合は同様の動作が行われるが、座席1は脚台11にあるストッパ16によって、逆クロス状態(270°)からさらに同じ一方向へは回転することはない。

次に、台枠30(座席1)を、逆クロス状態(270°)から一クロス状態(90°)に戻す場合は、モータ42の逆回転による電動操作あるいは手動操作によって行われる。回転ロック機構60によるロックを解除した後、図20において、台枠30を今度は逆方向(図20中で反時計回り)へ180°回転させる。この時、進退ロック機構70はロックされており、台枠30が前後方向へ進退することはない。

座席1が逆方向へ180°回転して、図17に示すように、一クロス状態(90°)に到達すると、回転ロック機構60のロックピン61が、台枠30の一方の短辺側の係止孔62bに挿入されて係合し、台枠30は回転不能にロックされる。この時、進退ロック機構70はロックされたままの状態にある。

また、連動機構50では、台枠30側のローラー52と補助ローラー53が、脚台11側のガイドレール51の他端より再び係合する。この時、補助ローラー53は、バネ部材56の付勢により、ガイド溝55の範囲でバネ部材56側に移動しているため(図22参照)、確実にガイドレール51の他端を受け止めることができる。なお、手動操作により、既に一クロス状態(90°)にある座席1については、前記センサ18がONになっていることにより、電動操作による回転動作は行われないように制御される。

次に、図33(c)〜図33(a)に示すように、座席1を一クロス状態(90°)から元のロング状態(0°)に戻すには、モータ42の逆回転による電動操作のみによって行われる。前述したように、回転ロック機構60のロックピン61は、手動操作による小さなストロークでは、係止孔62bの片側半部にある板金33(図32参照)の厚さを乗り越えることはできない。

図33(c)において、電動操作により回転ロック機構60のロックを解除した後、台枠30(座席1)を他方向(図中で反時計回り)へ回転させると、連動機構50により直線運動にも変換されながら回転する。すなわち、台枠30の回転時に壁面A1(図8参照)と干渉しないように、台枠30は回転しながら通路側へ小さく前進した後、壁面A1側へ引き込まれるように大きく後退しながら90°回転する。

この時、連動機構50では、台枠30側のローラー52と補助ローラー53は、脚台11側のガイドレール51の他端から一端にかけて移動し、台枠30の回転が直線運動に変換される。また、進退ロック機構70では、ロックピン71によるロックが解除されている。詳しく言えば、図29に示すように、ロックピン71の上側の係止穴71aにサイドピン76の先端が係合することで、ロックピン71は引っ込んだ解除状態に保持されている。

図33(a)に示すように、台枠30(座席1)がロング状態(0°)に到達すると、回転ロック機構60のロックピン61は、台枠30の一長辺側の係止孔62a(図14参照)に挿入されて係合し、台枠30は回転不能にロックされる。また、進退ロック機構70では、ロックピン71からサイドピン76が外れてフリーな状態となる。

詳しく言えば、図16において、ロックピン71がフレーム材23の前側にある係止孔72aの手前まで移動すると、図31に示すように、移動台20側の解除レバー78によって、揺動部材77が押圧されて揺動し、サイドピン76はロックピン71の係止穴71aから離脱する。なお、図14に示すように、台枠30(座席1)がロング状態(0°)にある時、台枠30は脚台11にあるストッパ17によって、ロング状態(0°)から逆方向(図中で反時計回り)へ回転することはない。

このように、本変換機構10によれば、台枠30は、大元の固定側となる脚台11の上面部12の上側に配置され、該上面部12との間に移動台20を介在させることなく回転する。そのため、台枠30を脚台11側から容易に係止して拘束することが可能となる。台枠30を脚台11側から係止して拘束する場合、台枠30が回転不能になるだけでなく、併せて脚台11に対する台枠30の進退も不能となる。

従って、台枠30を回転不能かつ進退不能に同時に拘束可能な回転ロック機構60を実現することができる。かかる回転ロック機構60によれば、移動台20に対する台枠30の回転の拘束だけでなく、脚台11に対する移動台20の進退の拘束も、一つのロック機構で行うことができる。

また、前記回転ロック機構60とは別に、台枠30を進退不能に拘束可能な進退ロック機構70を備えたことにより、回転ロック機構60による拘束を解除した状態においても、座席1の進退のみ不能に拘束することが可能となり、座席1の進退位置を固定したままで、座席1を回転させることができる。

次に、本実施の形態に係る座席制御装置100による制御の詳細を説明する。 図3〜図7に示すように、鉄道車両の客室Aには、例えば、前後(進行)方向の両側に一列ずつ、4つの座席1が前後に並べて配置されている。ここで各座席1は、右列および左列において、前述したように奇数列と偶数列との2つにグループ分けされている。以下、図中において説明上、右列の座席1は、先頭から順に座席R1、座席R2、座席R3、座席R4とし、左列の座席1は、先頭から順に座席L1、座席L2、座席L3、座席L4として区別する。

本座席制御装置100によれば、例えば、鉄道車両の始発駅または終着駅において、各車両の客室Aごとに全ての座席1を、自動的に何れか任意の向きに変換させることができる。ただし、全ての座席1の状態を同時に変換させると、前後に隣接する座席1同士が互いに干渉する場合があるので、前後に並ぶ奇数列と偶数列とのグループごとに順次変換させている。なお、前後に隣接する座席1同士が干渉する虞がない場合、もちろん全ての座席1の状態を一斉に変換させても良い。 以下、各座席1の状態の変換についてケース別に説明する。

[A.一クロス状態に変換させる場合] 各座席1を一クロス状態に変換させる場合、各座席1の元の状態が、ロング状態または逆クロス状態にある場合から制御を開始することになる。ただし、逆クロス状態では、手動操作により一クロス状態にも変換できるので、一部の座席1が既に一クロス状態あることもあり得る。

[A1.ロング状態から一クロス状態に変換させる場合] 以下、図3に沿って、ロング状態から一クロス状態に変換させる場合について説明する。図3(a)に示すように、各座席1がロング状態にある状況において、車両が始発駅を発車する等のタイミングで、各座席1を終着駅を向く一クロス状態に変換させる場合、操作スイッチ101を操作して、各座席1を一クロス状態に変換させる指示を制御盤110に送る。

操作スイッチ101からの指示に基づき制御盤110は、図3(a)において、先ず奇数列の座席R1,R3,L1,L3のモータ42に対して、ロング状態から一クロス状態に変換させる動作を指示する。すると、図3(b)に示すように、これら奇数列の座席R1,R3,L1,L3のモータ42は一斉に正回転して(左列L1,L3の場合は逆回転)、この一回のステップにより、奇数列の座席R1,R3,L1,L3は一斉に一クロス状態に変換される。

次いで、制御盤110は、図3(b)において、奇数列の座席R1,R3,L1,L3のモータ42に対して、逆クロス状態から一クロス状態に変換させる動作を指示する。しかし、これら奇数列の座席R1,R3,L1,L3は、前述したステップで既に一クロス状態に変換されており、この状態がセンサ18によって検出されるため、当該ステップでは一クロス状態に変換させる動作は行われない。

その後、制御盤110は、図3(c)において、今度は偶数列の座席R2,R4,L2,L4のモータ42に対して、ロング状態から一クロス状態に変換させる動作を指示する。すると、図3(d)に示すように、これら偶数列の座席R2,R4,L2,L4のモータ42は一斉に正回転して(左列L2,L4の場合は逆回転)、この一回のステップにより、偶数列の座席R2,R4,L2,L4は一斉に一クロス状態に変換される。

次いで、制御盤110は、図3(d)において、偶数列の座席R2,R4,L2,L4のモータ42に対して、逆クロス状態から一クロス状態に変換させる動作を指示する。しかし、これらの偶数列の座席R2,R4,L2,L4は、前述したステップで既に一クロス状態に変換されており、かかる状態がセンサ18によって検出されているため、当該ステップでは一クロス状態に変換させる動作は行われない。 以上の一連の制御によって、図3(e)に示すように、客室Aにある全ての座席1をロング状態から一クロス状態に一斉に変換させることができる。

[A2.逆クロス状態から一クロス状態に変換させる場合] 以下、図4に沿って、逆クロス状態から一クロス状態に変換させる場合について説明する。車両が始発駅に到着して進行方向が反転するとき等、図4(a)に示す始発駅向きの逆クロス状態から終着駅向きの一クロス状態に変換させる場合、操作スイッチ101を操作して、各座席1を一クロス状態に変換させる指示を制御盤110に送る。なお、変換制御前に、乗客の手動操作によって既に一クロス状態になっている座席R2,L2もあり得る。

操作スイッチ101からの指示に基づき制御盤110は、図4(a)において、先ず奇数列の座席R1,R3,L1,L3のモータ42に対して、ロング状態から一クロス状態に変換させる動作を指示する。このとき、奇数列の座席R1,R3,L1,L3は逆クロス状態にあり、制御盤110は、そのまま奇数列の座席R1,R3,L1,L3のモータ42を一律に正回転させる。しかしながら、各座席1は前記ストッパ16により、モータ42の正回転に関わらず逆クロス状態から一クロス状態への変換が阻止される。ここでモータ42は、当て止め可能であるため、過負荷により破損する虞もない。

次いで、制御盤110は、図4(b)において、奇数列の座席R1,R3,L1,L3のモータ42に対して、逆クロス状態から一クロス状態に変換させる動作を指示する。すると、これら奇数列の座席R1,R3,L1,L3のモータ42は一斉に逆回転して(左列L2,L4の場合は正回転)、このステップにより、図4(c)に示すように、奇数列の座席R1,R3,L1,L3は一斉に一クロス状態に変換される。

その後、制御盤110は、図4(c)において、今度は偶数列の座席R2,R4,L2,L4のモータ42に対して、ロング状態から一クロス状態に変換させる動作を指示する。このとき、一番後(図中で右端)の座席R4,L4は逆クロス状態にあるが、制御盤110は、そのまま座席R4,L4のモータ42を一律に正回転させる。しかしながら、座席R4,L4はストッパ16により、一クロス状態への変換が阻止されることは、前述した図4(a)の奇数列の場合と同様である。

また、図4(c)において、前側(図中で左)から2列目の座席R2,L2は、乗客の手動操作によって既に一クロス状態にある。従って、これらの座席R2,L2に関しては、センサ18によって一クロス状態にあることが検出されているため、当該ステップでは再度一クロス状態に変換させる動作は行われない。なお、図4では、客室Aの右列と左列とにおいて、それぞれ同じ前後位置にある座席1の状態が同じ例を示しているが、もちろん左列と右列とで座席1の状態が異なる場合もあり得る。

次いで、制御盤110は、図4(d)において、偶数列の座席R2,R4,L2,L4のモータ42に対して、逆クロス状態から一クロス状態に変換させる動作を指示する。すると、未だ逆クロス状態にあった一番後(図中で右端)の座席R4,L4のモータ42は一斉に逆回転して(左列L4の場合は正回転)、このステップにより、図4(e)に示すように、座席R4,L4は一クロス状態に変換される。

このとき、前側(図中で左)から2列目の座席R2,L2は、既に一クロス状態にあることがセンサ18によって検出されているため、前述した図4(c)で説明した当該座席R2,L2の場合と同様に、再度一クロス状態に変換される動作は行われない。 以上の一連の制御によって、図4(e)に示すように、客室Aにある全ての座席1を逆クロス状態から一クロス状態に一斉に変換させることができる。

[B.逆クロス状態に変換させる場合] 各座席1を逆クロス状態に変換させる場合、各座席1の元の状態が、ロング状態または一クロス状態にある場合から制御を開始することになる。ただし、一クロス状態では、手動操作により逆クロス状態にも変換できるので、一部の座席1が既に逆クロス状態あることもあり得る。

[B1.ロング状態から逆クロス状態に変換させる場合] 以下、図5に沿って、ロング状態から逆クロス状態に変換させる場合について説明する。図5(a)に示すように、各座席1がロング状態にある時に、車両が終着駅に到着する等して各座席1を始発駅を向く逆クロス状態に変換させる場合、操作スイッチ101を操作して、各座席1を逆クロス状態に変換させる指示を制御盤110に送る。

操作スイッチ101からの指示に基づき制御盤110は、図5(a)において、先ず奇数列の座席R1,R3,L1,L3のモータ42に対して、ロング状態から一クロス状態に変換させる動作を指示する。すると、これら奇数列の座席R1,R3,L1,L3のモータ42は一斉に正回転して(左列L1,L3の場合は逆回転)、このステップにより、図5(b)に示すように、奇数列の座席R1,R3,L1,L3は一斉に一クロス状態に変換される。

続いて、制御盤110は、図5(b)において、奇数列の座席R1,R3,L1,L3のモータ42に対して、一クロス状態から逆クロス状態に変換させる動作を指示する。すると、これら奇数列の座席R1,R3,L1,L3のモータ42は一斉に正回転して(左列L1,L3の場合は逆回転)、このステップにより、図5(c)に示すように、奇数列の座席R1,R3,L1,L3は一斉に逆クロス状態に変換される。

その後、制御盤110は、図5(c)において、今度は偶数列の座席R2,R4,L2,L4のモータ42に対して、ロング状態から一クロス状態に変換させる動作を指示する。すると、これら偶数列の座席R2,R4,L2,L4のモータ42は一斉に正回転して(左列L2,L4の場合は逆回転)、このステップにより、図5(d)に示すように、偶数列の座席R2,R4,L2,L4は一斉に一クロス状態に変換される。

続いて、制御盤110は、図5(d)において、偶数列の座席R2,R4,L2,L4のモータ42に対して、一クロス状態から逆クロス状態に変換させる動作を指示する。すると、これら偶数列の座席R2,R4,L2,L4のモータ42は一斉に正回転して(左列L2,L4の場合は逆回転)、このステップにより、図5(e)に示すように、偶数列の座席R2,R4,L2,L4も一斉に逆クロス状態に変換される。 以上の一連の制御によって、図5(e)に示すように、客室Aにある全ての座席1をロング状態から逆クロス状態に一斉に変換させることができる。

[B2.一クロス状態から逆クロス状態に変換させる場合] 以下、図6に沿って、一クロス状態から逆クロス状態に変換させる場合について説明する。車両が終着駅に到着して進行方向が反転するとき等、図6(a)に示す終着駅向きの一クロス状態から、始発駅向きの逆クロス状態に変換させる場合、操作スイッチ101を操作して、各座席1を逆クロス状態に変換させる指示を制御盤110に送る。なお、変換制御前に、乗客の手動操作によって既に逆クロス状態になっている座席R2,L2もあり得る。

操作スイッチ101からの指示に基づき制御盤110は、図6(a)において、先ず奇数列の座席R1,R3,L1,L3のモータ42に対して、ロング状態から一クロス状態に変換させる動作を指示する。しかし、これら奇数列の座席R1,R3,L1,L3は、元から一クロス状態にあるため、この状態がセンサ18によって検出されることにより、当該ステップでは一クロス状態に変換させる動作は行われない。

次いで、制御盤110は、図6(b)において、奇数列の座席R1,R3,L1,L3のモータ42に対して、一クロス状態から逆クロス状態に変換させる動作を指示する。すると、これら奇数列の座席R1,R3,L1,L3のモータ42は一斉に正回転して(左列L1,L3の場合は逆回転)、このステップにより、図6(c)に示すように、奇数列の座席R1,R3,L1,L3は一斉に逆クロス状態に変換される。

その後、制御盤110は、図6(c)において、今度は偶数列の座席R2,R4,L2,L4のモータ42に対して、ロング状態から一クロス状態に変換させる動作を指示する。このとき、前(図中で左)から2列目の座席R2,L2は逆クロス状態にあり、制御盤110は、そのまま座席R2,L2のモータ42も一律に正回転させる。しかしながら、座席R2,L2はストッパ16により、モータ42の正回転に関わらず逆クロス状態から一クロス状態への変換が阻止される。ここでモータ42が当て止め可能であることは、前述のとおりである。

また、図6(c)において、偶数列の一番後(図中で右端)の座席R4,L4は、元から一クロス状態にある。従って、これらの座席R4,L4に関しては、センサ18によって一クロス状態にあることが検出されているため、当該ステップでは再度一クロス状態に変換させる動作は行われない。なお、図6でも、客室Aの右列と左列とにおいて、それぞれ同じ前後位置にある座席1の状態が同じ例を示しているが、もちろん左列と右列とで座席1の状態が異なる場合もあり得る。

次いで、制御盤110は、図6(d)において、偶数列の座席R2,R4,L2,L4のモータ42に対して、一クロス状態から逆クロス状態に変換させる動作を指示する。すると、未だ一クロス状態にあった一番後側(図中で右端)の座席R4,L4のモータ42は一斉に正回転して(左列L4の場合は逆回転)、このステップにより、図6(e)に示すように、最後の座席R4,L4も一クロス状態に変換される。

このとき、前(図中で左)から2列目の座席R2,L2は逆クロス状態にあり、制御盤110は、そのまま座席R2,L2のモータ42も一律に正回転させる。しかしながら、座席R2,L2はストッパ16により、一クロス状態への変換が阻止されることは、前述したとおりである。 以上の一連の制御によって、図6(e)に示すように、客室Aにある全ての座席1を一クロス状態から逆クロス状態に一斉に変換させることができる。

[C.ロング状態に変換させる場合] 各座席1をロング状態に変換させる場合、各座席1の元の状態が、一クロス状態または逆クロス状態にある場合から制御を開始することになる。 以下、図7に沿って、各座席1を何れかの状態からロング状態に変換させる場合について説明する。

図7(a)に示すように、各座席1が一クロス状態または逆クロス状態にある状況において、客室Aの通路を広くする等の事情により、各座席1をロング状態に変換させる場合、操作スイッチ101を操作して、各座席1をロング状態に変換させる指示を制御盤110に送る。

操作スイッチ101からの指示に基づき制御盤110は、図7(a)において、先ず奇数列の座席R1,R3,L1,L3のモータ42に対して、逆クロス状態から一クロス状態に変換させる動作を指示する。奇数列の座席R1,R3,L1,L3は、全て逆クロス状態にあるため、これら奇数列の座席R1,R3,L1,L3のモータ42は一斉に逆回転して(左列L1,L3の場合は正回転)、このステップにより、図7(b)に示すように、奇数列の座席R1,R3,L1,L3は一斉に一クロス状態に変換される。

次いで、制御盤110は、図7(b)において、奇数列の座席R1,R3,L1,L3のモータ42に対して、一クロス状態からロング状態に変換させる動作を指示する。すると、これら奇数列の座席R1,R3,L1,L3のモータ42は一斉に逆回転して(左列L1,L3の場合は正回転)、このステップにより、図7(c)に示すように、奇数列の座席R1,R3,L1,L3は一斉にロング状態に変換される。

その後、制御盤110は、図7(c)において、今度は偶数列の座席R2,R4,L2,L4のモータ42に対して、逆クロス状態から一クロス状態に変換させる動作を指示する。すると、逆クロス状態にあった一番後(図中で右端)の座席R4,L4では、モータ42が逆回転して(左列L4の場合は正回転)、このステップにより、図7(d)に示すように、座席R4,L4は一クロス状態に変換される。

このとき、図7(c)において、前(図中で左)から2列目の座席R2,L2は、元から一クロス状態にある。従って、これらの座席R2,L2に関しては、センサ18によって一クロス状態にあることが検出されているため、当該ステップでは再度一クロス状態に変換させる動作は行われない。なお、図7でも、客室Aの右列と左列とにおいて、それぞれ同じ前後位置にある座席1の状態が同じ例を示しているが、もちろん左列と右列とで座席1の状態が異なる場合もあり得る。

続いて、制御盤110は、図7(d)において、偶数列の座席R2,R4,L2,L4のモータ42に対して、一クロス状態からロング状態に変換させる動作を指示する。すると、これら偶数列の座席R2,R4,L2,L4のモータ42は一斉に逆回転して(左列L2,L4の場合は正回転)、このステップにより、図7(e)に示すように、偶数列の座席R2,R4,L2,L4も一斉にロング状態に変換される。 このような一連の制御によって、図7(e)に示すように、客室Aにある全ての座席1をロング状態に一斉に変換させることができる。

以上のように、座席制御装置100の制御によれば、各座席1が電動ないし手動操作によって、ロング状態、一クロス状態、逆クロス状態の何れの状態にあったとしても、座席1ごとに各々の状態を個別に逐一判別することなく、図2に示すように、最小限に統一された動作指示信号だけでモータ42の動作を制御し、座席1を所望の状態に変換させることができる。これにより、座席1の状態の変換に時間がかからず、複数の座席1も短時間で一斉に変換させることができ、簡易なプログラムや部品によって変換の動作制御も容易に実現することができる。

特に、座席制御装置100は、座席1の3つの状態のうち、最も位置(経由)する確率が高い一クロス状態に座席1があることを検出するセンサ18を1つだけ備える。そして、制御盤110は、座席1をロング状態または逆クロス状態から一クロス状態に変換させる場合、既に座席1が一クロス状態にあることをセンサ18が検出すると、一クロス状態に変換させる動作を行わない。これにより、座席1の変換においては、1つのセンサ18を備えるだけで、最も頻度の高いモータ42の無駄な駆動を省くことができる。

また、座席制御装置100では、座席1を何れか一の状態から他の状態に変換させる動作を指示した際に、座席1が前述した所定の条件下にあればモータ42を一律に回転させる。これにより、モータ42を選択的に作動させるような制御フローをなるべく省き、制御を簡素化することができる。さらに、本来想定していないような所定条件下における座席1の変換の阻止も、複雑な制御フローを経ることなく、単純にストッパ16,17で機械的に阻止することができる。ここでモータ42は、当て止め可能であるため、過負荷により破損する虞もない。

なお、本実施の形態に係る座席制御装置100では、奇数列の座席1と偶数列の座席1との2つにグループ分けして、時間をずらして制御している。これにより、前後に隣接する座席1同士が同時に動作することはなく、前後に1つおきの座席1が同時に動作することになるため、全体的な動作時間を極力短くすると共に、座席1同士の動作中における干渉を防ぐことができる。

以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、脚台11、移動台20、台枠30等の具体的な形状は、図示したものに限定されることはない。

また、前記実施の形態では、座席1は2人掛けの例を説明したが、3人掛けや1人掛けの座席1であっても良い。また、客室Aにおける各座席1を全て同一のものに揃えたが、例えば、右列に並ぶ座席1は2人掛け用として、左列に並ぶ座席1は3人掛け用とする等と異ならせても良い。

また、前記実施の形態では、座席1の3つの状態として、ロング状態と一クロス状態と逆クロス状態とに変換させる例を説明したが、座席1の状態は水平方向における向きに限定されることなく、他に例えば、座席1の背凭れないし座部の傾動角度や姿勢等により定めても良い。また、前記実施の形態では、各座席を奇数列と偶数列との2つにグループ分けしたが、例えば、グループ分けの定義は特に限定されるものではなく、車両単位でグループ分けすること等も考えられる。

また、前記脚台11の上面部12に設けた回避部12aは、上面部12の前側の短辺から略中央に亘って凹む湾状の切り欠きとしたが、回転軸41の移動軌跡に沿う箇所のみで、上面部12が回転軸41と干渉しなければ足りる。よって、回避部は、他に例えば、回転軸41の移動軌跡を含むように、上面部12に設けた細長状の孔や溝でも良い。

さらに、前記連動機構50は、ガイドレール51を備えるものに限定されない。すなわち、連動機構は、台枠30の下側に設けたカムと、脚台11の上面部12に設けたローラー状のカムフォロアとにより構成しても良い。かかるカム式の連動機構では、カムをカムフォロアに押し当てながら回転させることにより、この回転力を移動台20の直線運動にも変換させて、座席1をロング状態から一クロス状態、一クロス状態からロング状態に変換させることができる。

本発明は、鉄道車両、航空機、自動車、船舶等の客室内に設置される乗物用の座席の他、劇場用、家庭用、事務用の椅子を対象とした座席に関する座席制御装置として広く利用することができる。

1 …座席 10…変換機構 11…脚台 12…上面部 12a…回避部 13…側部 14…スライド機構 15…ガイドレール 16…ストッパ 17…ストッパ 18…センサ(検出手段) 20…移動台 21…側部 22…取付部 23…フレーム材 30…台枠 40…回転機構 41…回転軸 42…モータ 50…連動機構 51…ガイドレール 52…ローラー 53…補助ローラー 60…回転ロック機構 61…ロックピン 62a,62b,62c…係止孔 70…進退ロック機構 71…ロックピン 72a,72b…係止孔 100…座席制御装置 101…操作スイッチ 110…制御盤(制御手段)

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