座席支持機構

申请号 JP2016148757 申请日 2016-07-28 公开(公告)号 JP2018016217A 公开(公告)日 2018-02-01
申请人 コイト電工株式会社; 发明人 金子 史;
摘要 【課題】座席の向きを変換する動作を、簡易な構成による一連の操作だけで容易に行うことができ、しかも、座席の回転と進退を同時に拘束することができる設計を可能とする座席支持機構を提供する。 【解決手段】側壁Aの傍らで床面上に固設された脚台11と、脚台11の上面部12の下側に配置され、側壁Aと直交する方向へ進退可能な移動台20と、脚台11の上面部12の上側に配置され、該上面部12との干渉を回避する回転軸41により移動台20に回転可能に支持された座席の台枠30と、台枠30の回転と進退を連動させる連動機構50を備える。連動機構50は、座席を台枠30と共に回転させた時、該台枠30の回転を直線運動に変換し回転軸41を介して移動台20に伝達し、移動台20を台枠30と共に側壁Aと直交する方向へ進退させる。 【選択図】図1
权利要求

座席を回転させて向きを変換するための座席支持機構において、 壁面の傍らで床面上に固設された脚台と、 前記脚台の上面部の下側に配置され、前記壁面と直交する方向へ進退可能な移動台と、 前記脚台の上面部の上側に配置され、該上面部との干渉を回避する回転軸により前記移動台に回転可能に支持された座席の台枠と、 前記座席を前記台枠と共に回転させた時、該台枠の回転を直線運動に変換し前記回転軸を介して前記移動台に伝達し、前記移動台を前記台枠と共に前記壁面と直交する方向へ進退させる連動機構とを備え、 前記座席は前記連動機構によって、座席背面側が前記壁面に平行となるロング状態と、座席背面側が前記壁面と直交するクロス状態とに変換可能であることを特徴とする座席支持機構。前記脚台の上面部に、 前記移動台の進退に伴って移動する前記回転軸が、その移動軌跡に沿って通過可能な回避部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の座席支持機構。前記連動機構は、 前記脚台の上面部の上側に設けられたガイドレールと、 前記台枠の下側に設けられ、前記台枠の回転に伴って前記ガイドレールに押し当てられながら回転しつつ移動するローラーとを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の座席支持機構。前記ローラーは、補助ローラーを備え、 前記補助ローラーは、前記ローラーに対して近接ないし離隔可能に支持され、近接する方向へ付勢されており、 前記ローラーと前記補助ローラーは、前記座席がロング状態ないしクロス状態に変換される時、前記ガイドレールを両側から挟持していることを特徴とする請求項3に記載の座席支持機構。前記台枠を回転不能かつ進退不能に同時に拘束可能な回転ロック機構を備えることを特徴とする請求項1,2,3または4に記載の座席支持機構。前記回転ロック機構は、 両側方向に長い矩形状である前記台枠のうち、前記座席背面側に沿う一長辺側と、前記座席両側に沿う両短辺側に、それぞれ設けられた係止孔と、 前記脚台の上面部に上方へ出没可能に設けられ、前記座席がロング状態ないしクロス状態に変換された時、当該位置で合致する前記係止孔に係合するロックピンとを備えることを特徴とする請求項5に記載の座席支持機構。前記台枠を進退不能に拘束可能な進退ロック機構を備えることを特徴とする請求項1,2,3,4,5または6に記載の座席支持機構。前記進退ロック機構は、 前記移動台の前後に離隔した位置に、それぞれ設けられた係止孔と、 前記脚台の内側で上方へ出没可能に設けられ、前記座席がロング状態ないしクロス状態に変換された時、当該位置で合致する前記係止孔に係合するロックピンとを備えることを特徴とする請求項7に記載の座席支持機構。

说明书全文

本発明は、座席を回転させて向きを変換するための座席支持機構に関するものであり、例えば、鉄道車両、自動車、航空機、船舶等の各種乗物に搭載する座席に適用される。

従来より、鉄道車両等の乗物に搭載される座席には、その両側方向に長く複数人が掛けられる腰掛タイプが多く、一般に車両の側壁の壁面に沿って設置されている。かかる座席には、座席背面側が壁面と平行なロング状態と、座席背面側が壁面と直交するクロス状態とに、座席中央の回転軸周りに回転させて向きを変換できる回転座席が知られている。

このような回転座席では、通常は回転軸が一箇所に固定されており、座席を回転させる時に座席の隅の軌跡(回転半径)が側壁と干渉しないように、座席を側壁から離して配置する必要があった。従って、座席と側壁との間に隙間が生じたり、座席が車内で通路側に迫り出すため、通路あるいは座席の幅が狭くなる等、車内の限られたスペースが損なわれるという問題があった。

そこで、前述の問題を解決するために、特許文献1では、ロング状態からクロス状態へ変換する時に、座席側の第2の可動枠を第1の可動枠に対して前方へスライドさせて、座席の回転時にその回転半径を確保するシート変換機構が提案されている。かかるシート変換機構では、座席を一旦通路側にスライドさせて迫り出させ、回転半径を確保した上で90度回転させた後、再び側壁側にスライドさせて戻していた。

また、特許文献2では、座席を回転ないしスライドさせる各機構に加えて伝達機構を備え、座席を方向転換する時に、伝達機構により座席の回転とスライドを連動させる配列切替装置が提案されている。かかる配列切替装置では、固定架台上にスライド架台がスライド可能に支持され、スライド架台上に座席が回転可能に取り付けられており、それぞれの係合関係によって、座席の回転動作にスライドを連動させていた。

実開平6−32164号公報

特許第3431772号公報

しかしながら、特許文献1に記載の技術では、座席の向きを変換する動作として、前方スライド、回転、戻りスライドと3つの動作を別々に行う必要があり、非常に煩雑で面倒であり、変換時間も長くなるという実用上の問題があった。また、3つの動作を実現するための各機構の部品が多く、構成が複雑となりコストが嵩むだけでなく、座席の足回りの限られたスペース内での部品の配置が難しく、暖房機等の他部品の取り付けが制限されるという設計上の問題もあった。

また、特許文献2に記載の技術では、伝導機構により座席の回転とスライドを連動させて、座席の向きを一連の動作で変換できる。しかしながら、下から順に、固定架台、スライド架台、座席と重なる構造において、座席を固定架台側に直接係止することは難しく、座席と固定架台の間に介在するスライド架台側で座席を回転不能に拘束する必要がある。さらに、座席をスライド不能に拘束するには、スライド架台を固定架台側に別途係止する必要があり、特にロックに関する設計の自由度が乏しいという重大な問題があった。

本発明は、以上のような従来の技術の有する問題点に着目してなされたものであり、座席の回転と進退を連動させて、簡易な構成による一連の動作だけで容易に座席の向きを変換することができ、しかも、座席の回転と進退を同時に拘束することができる設計を可能とする座席支持機構を提供することを目的としている。

前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存する。 [1]座席を回転させて向きを変換するための座席支持機構(10)において、 壁面の傍らで床面上に固設された脚台(11)と、 前記脚台(11)の上面部(12)の下側に配置され、前記壁面と直交する方向へ進退可能な移動台(20)と、 前記脚台(11)の上面部(12)の上側に配置され、該上面部(12)との干渉を回避する回転軸(41)により前記移動台(20)に回転可能に支持された座席の台枠(30)と、 前記座席を前記台枠(30)と共に回転させた時、該台枠(30)の回転を直線運動に変換し前記回転軸(41)を介して前記移動台(20)に伝達し、前記移動台(20)を前記台枠(30)と共に前記壁面と直交する方向へ進退させる連動機構(50)とを備え、 前記座席は前記連動機構(50)によって、座席背面側が前記壁面に平行となるロング状態と、座席背面側が前記壁面と直交するクロス状態とに変換可能であることを特徴とする座席支持機構(10)。

[2]前記脚台(11)の上面部(12)に、 前記移動台(20)の進退に伴って移動する前記回転軸(41)が、その移動軌跡に沿って通過可能な回避部(12a)が設けられていることを特徴とする前記[1]に記載の座席支持機構(10)。

[3]前記連動機構(50)は、 前記脚台(11)の上面部(12)の上側に設けられたガイドレール(51)と、 前記台枠(30)の下側に設けられ、前記台枠(30)の回転に伴って前記ガイドレール(51)に押し当てられながら回転しつつ移動するローラー(52)とを備えることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の座席支持機構(10)。

[4]前記ローラー(52)は、補助ローラー(53)を備え、 前記補助ローラー(53)は、前記ローラー(52)に対して近接ないし離隔可能に支持され、近接する方向へ付勢されており、 前記ローラー(52)と前記補助ローラー(53)は、前記座席がロング状態ないしクロス状態に変換される時、前記ガイドレール(51)を両側から挟持していることを特徴とする前記[3]に記載の座席支持機構(10)。

[5]前記台枠(30)を回転不能かつ進退不能に同時に拘束可能な回転ロック機構(60)を備えることを特徴とする前記[1],[2],[3]または[4]に記載の座席支持機構(10)。

[6]前記回転ロック機構(60)は、 両側方向に長い矩形状である前記台枠(30)のうち、前記座席背面側に沿う一長辺側と、前記座席両側に沿う両短辺側に、それぞれ設けられた係止孔(62)と、 前記脚台(11)の上面部(12)に上方へ出没可能に設けられ、前記座席がロング状態ないしクロス状態に変換された時、当該位置で合致する前記係止孔(62)に係合するロックピン(61)とを備えることを特徴とする前記[5]に記載の座席支持機構(10)。

[7]前記台枠(30)を進退不能に拘束可能な進退ロック機構(70)を備えることを特徴とする前記[1],[2],[3],[4],[5]または[6]に記載の座席支持機構(10)。

[8]前記進退ロック機構(70)は、 前記移動台(20)の前後に離隔した位置に、それぞれ設けられた係止孔(72)と、 前記脚台(11)の内側で上方へ出没可能に設けられ、前記座席がロング状態ないしクロス状態に変換された時、当該位置で合致する前記係止孔(62)に係合するロックピン(61)とを備えることを特徴とする前記[7]に記載の座席支持機構(10)。

次に、前述した解決手段に基づく作用を説明する。 前記[1]に記載の座席支持機構(10)によれば、床面上に固設された脚台(11)の上面部(12)を間にして、下側には、壁面と直交する方向へ進退可能な移動台(20)が配置され、上側には、移動台(20)に回転軸(41)で支持された座席の台枠(30)が配置される。

従って、下から順に、脚台(11)、移動台(20)、脚台(11)の上面部(12)、座席の台枠(30)と重なる構造となる。そのため、移動台(20)と台枠(30)の間に介在する上面部(12)が、そのままでは移動台(20)の進退時に回転軸(41)の動きを妨げることになる。しかし、回転軸(41)は、上面部(12)との干渉を回避することで移動可能であり、脚台(11)の上面部(12)の下側における移動台(20)の進退を実現することができる。

前記[2]に記載したように、脚台(11)の上面部(12)に、移動台(20)の進退に伴って移動する回転軸(41)が、その移動軌跡に沿って通過可能な回避部(12a)を設けると良い。ここで回避部(12a)は、回転軸(41)の移動軌跡に沿う箇所でのみ、上面部(12)が回転軸(41)と干渉しなければ足りる。よって、回避部(12a)は、回転軸(41)の移動軌跡を含むように上面部(12)の一端縁より内側へ凹む切欠でも良く、あるいは細長状に穿設された孔や溝でも良い。

座席支持機構(10)は連動機構(50)を備えており、座席を台枠(30)と共に回転させると、該台枠(30)の回転は直線運動に変換され、前記回転軸(41)を介して移動台(20)に伝達される。よって、移動台(20)は回転する台枠(30)と共に、壁面と直交する方向へ進退する。このような座席の回転と進退の連動により、座席が壁面に近接していても壁面と干渉しないように、座席背面側が壁面に平行となるロング状態と、座席背面側が壁面と直交するクロス状態とに、座席の向きを一連の動作で容易に変換することができる。

前記[3]に記載したように、前記連動機構(50)としては、例えば、脚台(11)の上面部(12)の上側に設けられたガイドレール(51)と、台枠(30)の下側に設けられ、台枠(30)の回転に伴って前記ガイドレール(51)に押し当てられながら回転しつつ移動するローラー(52)とを備える。

これにより、座席を台枠(30)と共に回転させると、ローラー(52)はガイドレール(51)に沿って回転しつつ移動する。この時、ローラー(52)のある台枠(30)は、固定側であるガイドレール(51)から相対的に押されることになり、台枠(30)を回転軸(41)により支持している移動台(20)は、壁面と直交する方向へ進退する。これにより、座席が壁面と干渉することを避けることができる。

特に、前記[4]に記載したように、前記ローラー(52)が、補助ローラー(53)を備え、補助ローラー(53)が、ローラー(52)に対して近接ないし離隔可能に支持され、近接する方向へ付勢されている場合、ローラー(52)と補助ローラー(53)は、座席がロング状態ないしクロス状態に変換される時、ガイドレール(51)を両側から挟持する。これにより、ローラー(52)をガイドレール(51)に確実に沿わせて移動させることができる。

また、座席がロング状態ないしクロス状態の何れかの向きに変換された後は、座席が不用意に回転しないように、前記台枠(30)を回転不能に拘束する必要がある。通常は、台枠(30)を回転不能に拘束するには、台枠(30)が回転軸(41)で支持された移動台(20)側から係止して拘束することになる。ところが、本座席支持機構(10)によれば、台枠(30)は、大元の固定側となる脚台(11)の上面部(12)の上側に配置され、該上面部(12)との間に移動台(20)を介在させることなく回転する。そのため、台枠(30)を脚台(11)側から直接係止して拘束することが可能となる。

ここで、台枠(30)を脚台(11)側から係止して拘束する場合、台枠(30)が回転不能になるだけでなく、併せて脚台(11)に対する台枠(30)の進退も不能となる。そこで、前記[5]に記載したように、台枠(30)を回転不能かつ進退不能に同時に拘束可能な回転ロック機構(60)を容易に実現することができる。かかる回転ロック機構(60)によれば、移動台(20)に対する台枠(30)の回転の拘束だけでなく、脚台(11)に対する移動台(20)の進退の拘束も、一つのロック機構で行うことが可能となる。

前記回転ロック機構(60)は、例えば前記[6]に記載したように、台枠(30)側の被係止部位として、矩形状の台枠(30)のうち、座席背面側に沿う一長辺側と、座席両側に沿う両短辺側に、それぞれ係止孔(62)を設け、脚台(11)側の係止要素として、脚台(11)の上面部(12)より上側に、上方へ出没可能なロックピン(61)を設けると良い。座席がロング状態ないしクロス状態の何れかに変換された時、ロックピン(61)を当該位置で合致する係止孔(62)に係合させれば、簡易な構成で当該位置に拘束することができる。

また、座席の拘束を高めるために、前記回転ロック機構(60)とは別に、前記[7]に記載したように、台枠(30)を進退不能に拘束可能な進退ロック機構(70)を別途備えても良い。これにより、前記回転ロック機構(60)による拘束を解除した状態においても、座席の進退のみを不能に拘束することが可能となり、座席の進退位置を固定したままで、座席を回転させることができる。

前記進退ロック機構(70)は、例えば前記[8]に記載したように、移動台(20)側の被係止部位として、移動台(20)の前後に離隔した位置に、それぞれ係止孔(72)を設け、脚台(11)側の係止要素として、脚台(11)の内側に、上方へ出没可能なロックピン(61)を設けると良い。座席がロング状態ないしクロス状態に変換された時、ロックピン(61)を当該位置で合致する係止孔(72)に係合させれば、簡易な構成で当該位置に拘束することができる。

本発明に係る座席支持機構によれば、座席の回転と進退を連動させて、簡易な構成による一連の動作だけで容易に座席の向きを変換することができ、使い勝手が良く座席全体のコスト低減や軽量化も可能となる。しかも、座席の回転と進退を同時に拘束することができる設計が可能となり、ロックに関する設計上の自由度が高くなるため、座席の足回りの限られたスペース内での他部品の配置も容易に行うことができる。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構においてロング状態からクロス状態に変換する動作を示す斜視図である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構におけるロング状態を示す斜視図である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構における一クロス状態を示す斜視図である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構における逆クロス状態を示す斜視図である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構のうち台枠を除いたロング状態を示す斜視図である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構のうち台枠を除いたクロス状態を示す斜視図である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構におけるロング状態を示す平面図である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構におけるロング状態を示す正面図である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構におけるロング状態における進退ロック機構を拡大して示す正面図である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構における一クロス状態を示す平面図である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構における一クロス状態を示す正面図である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構における一クロス状態における進退ロック機構を拡大して示す正面図である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構における逆クロス状態を示す平面図である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構における逆クロス状態を示す正面図である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構の連動機構の要部を拡大して示す平面図である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構の回転ロック機構のうちロックピンとその駆動機構を示す正面図である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構の回転ロック機構のうち係止孔を示す正面図であり、(a)台枠の一長辺側にある係止孔、(b)台枠の両短辺側にある係止孔である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構の進退ロック機構の要部を拡大して示す斜視図である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構の進退ロック機構の動作を説明する正面図である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構の進退ロック機構のうちロックピンとその駆動機構を示す正面図である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構の進退ロック機構の動作を説明する正面図である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構の進退ロック機構の動作の続きを説明する正面図である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構の進退ロック機構の動作を説明する斜視図である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構の進退ロック機構の動作の続きを説明する斜視図である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構の回転ロック機構のうち台枠の一短辺側にある係止孔を示す正面図である。

本発明の実施の形態に係る座席支持機構により座席をロング状態から一クロス状態に変換する動作を示す説明図である。

以下、図面に基づき本発明を代表する実施の形態を説明する。 図1〜図26は、本発明の一実施の形態を示している。 本実施の形態に係る座席支持機構10は、座席を回転させて向きを変換するためのものである。ここで座席の用途は、特に限定されるものではないが、以下、鉄道車両の客室内に搭載する2人掛けの腰掛に適用した場合を例に説明する。なお、図1中のAは、車両客室内における壁面の一部である。ここで壁面とは、車両の進行方向と平行な側壁の内壁面であり、以下「側壁A」とする。

図1に示すように、座席支持機構10は、脚台11と、移動台20と、座席の台枠30とを備えている。座席支持機構10により、座席の向きは、座席背面側が側壁(壁面)Aに平行となるロング状態と、座席背面側が側壁Aと直交するクロス状態とに変換することができる。ここでクロス状態には、座席のロング状態の角度を0°とすると、ロング状態から一方向へ90°回転させた一クロス状態(90°)と、さらに一方向へ180°回転させた逆クロス状態(270°)とがある。

図2は、座席のロング状態を示し、図3は、座席の一クロス状態を示し、図4は、座席の逆クロス状態を示している。以下、一クロス状態と逆クロス状態とを総称する場合は、単にクロス状態と表記する。なお、図示省略した座席は、2人掛け用として、2つの座部と背凭れを両側方向に並設してなる。かかる座席は、一般に車両客室内の床面上に通路を挟んで左右に2列ずつ、そして進行方向に所定間隔おきに複数列が並ぶように設置される。

図5は、座席支持機構10のうち台枠30を除いたロング状態を示し、図6は、座席支持機構10のうち台枠30を除いたクロス状態を示している。図5および図6に示すように、脚台11は、車両客室内にて壁面A(図1参照)の傍らの床面上に固設されている。脚台11は、側壁Aと略直交する方向に長い架台状にフレーム材を組み合わせて構成されている。

脚台11の上側を覆う上面部12は略平であり、上面部12の長手方向に延びる両側の長辺は前記側壁Aと略直交し、上面部12の前後の短辺は前記側壁Aと略平行に配されている。上面部12には、後述する移動台20の進退に伴って移動する回転軸41が、その移動軌跡に沿って通過可能な回避部12aが設けられている。回避部12aは、上面部12の前側の短辺から略中央に向かって、前側の短辺に開口して内側へ凹む湾状の切り欠きとして設けられている。回避部12aは、回転軸41が上面部12と干渉することを避けるための部位である。なお、上面部12上には、台枠30の回転方向を規制するためのストッパー14等の関連部品も取り付けられている。

脚台11の上面部12の直ぐ下側には、スライド機構を介して移動台20が側壁Aと直交する方向へ進退可能に取り付けられている。スライド機構は、脚台11の両側部13,13の内側に設けられた一対のガイドレール13a,13aを備えている。一対のガイドレール13a,13aは、脚台11の上面部12の両長辺に沿って互いに平行に対向しており、各ガイドレール13aの内側に、次述する移動台20の両側部21,21がそのまま摺動可能に嵌合している。

移動台20は、脚台11の上面部12の下側に配置されており、長方形の枠組状にフレーム材を組み合わせて構成されている。移動台20の両側部21は、前述のガイドレール13aの内側に摺動可能に嵌合している。よって、移動台20は、側壁Aに対して略直交する方向に前進ないし後退するようにスライド可能となっている。

移動台20の略中央には、座席の回転中心となる回転機構40(図1参照)の軸受部22が設けられている。軸受部22に取り付けた回転機構40の回転軸41により、移動台20上に台枠30は回転可能に支持される。ここで回転軸41は、脚台11の上面部12の下側より上方へ延びるが、前記回避部12aを通ることで上面部12とは干渉しない。回転軸41の上端には、次述する台枠30が一体に取り付けられており、座席と台枠30は回転軸41と一緒に回転する。

図2〜図4に示すように、台枠30は、脚台11の上面部12の上側に配置されており、長方形の金属板により構成されている。台枠30は、図示省略した座席を取り付けて支持するものであり、座席の座部底面に合致する両側方向に長い長方形となっている。なお、回転機構40は、回転軸41を電動または手動で回転駆動させて、座席と台枠30を回転させるものであるが、その構成は一般的であるので詳細な説明は省略する。

また、座席支持機構10は、座席の向きをロング状態ないしクロス状態に変換する時、座席が側壁Aと干渉しないように座席の回転と進退を連動させる連動機構50を備えている。連動機構50は、座席を台枠30と共に回転させた時、該台枠30の回転を直線運動に変換し前記回転軸41を介して移動台20に伝達し、移動台20を台枠30と共に、側壁Aに対して近接ないし離隔するように直交する方向へ進退させる。

図2,図3に示すように、連動機構50は、脚台11の上面部12の上側に設けられたガイドレール51と、台枠30の下側に設けられたローラー52とを備えている。また、ローラー52は、補助ローラー53を備えている。ガイドレール51は、脚台11の上面部12上において、軸受部22の傍らを通り両側方向へ屈曲しつつ延びる長尺状に形成され、上面部12の水平な基準面より上方へ所定高さに突出している。

ローラー52は、台枠30の下側において、座席の回転軸41から偏心した位置で下方へ突出するよう回転可能に軸支されている。図15に示すように、ローラー52の回転軸52aには、アーム54の基端が揺動可能に枢支され、アーム54の先端には、補助ローラー53が自転可能かつ回転軸52aの回りに公転可能に軸支されている。補助ローラー53は、台枠30において回転軸52aを中心とする円弧状に穿設されたガイド溝55に沿って移動可能であり、ローラー52に対して近接ないし離隔可能に支持され、バネ部材56を介して近接する方向へ常時付勢されている。

ローラー52と補助ローラー53は、座席がロング状態ないしクロス状態に変換される時、ガイドレール51を両側から挟持している。かかる状態でローラー52と補助ローラー53は、座席の回転に伴いガイドレール51の一端から他端にかけて移動し、台枠30の回転が直線運動に変換され、回転軸41を介して移動台20に伝達される。これにより、座席を図2のロング状態から図3の一クロス状態、逆に、一クロス状態からロング状態に変換することができるように構成されている。

また、座席支持機構10は、台枠30(座席)をロング状態とクロス状態のそれぞれの回転位置で回転不能に拘束する回転ロック機構60を備えている。ここで回転ロック機構60は、台枠30を脚台11に対して回転不能に拘束するため、必然的に移動台20も脚台11に対して進退不能に拘束するものとなる。

図2〜図4に示すように、回転ロック機構60は、脚台11側から台枠30に亘り上下に出没可能なロックピン61と、台枠30に設けられて前記ロックピン61が係脱する係止孔62a,62b,62cとを備えている。各係止孔62a,62b,62cは、矩形状の台枠30のうち、座席背面側に沿う一長辺側と、座席両側に沿う両短辺側に、それぞれ合計3つ設けられている。各係止孔62a,62b,62cは、台枠30の各辺の端縁から少し離れた位置で、一部が開口した切欠ではなく、応力集中を避けて強度向上のために周囲が囲まれた孔として設けられている。

ロックピン61は、ユニット60aに組み込まれており、該ユニット60aは、脚台11の上面部12の下側に取り付けられている。上面部12には、ロックピン61が挿通する孔が形成されており、ロックピン61は、脚台11の上面部12より上方へ出没可能となっている。ロックピン61は、座席がロング状態ないしクロス状態に変換された時、当該位置で上下に合致する台枠30側の係止孔62a,62b,62cに挿入されて係合する。

詳しく言えば、図2に示すロング状態の時、ロックピン61は、台枠30の一長辺側にある係止孔62aに挿入されて係合する。また、図3に示す一クロス状態の時、ロックピン61は、台枠30の一短辺側にある係止孔62bに挿入されて係合する。さらに、図4に示す逆クロス状態の時、ロックピン61は、台枠30の他短辺側にある係止孔62cに挿入されて係合する。なお、ロックピン61が上面部12より下方へ突出する位置では、上面部12の下側で進退する移動台20の一部が干渉することはない。

ロックピン61は、電動操作および手動操作によって出没動作し、上方へ突出して係止孔62a,62b,62cに挿入されるロック位置と、下方へ没入して係止孔62a,62b,62cから外れる解除位置とに変位する。ここでロックピン61のロック位置から解除位置に至るストロークは、電動操作と手動操作とで差が設けられている。詳しく言えば、図16に示すように、ロックピン61は、一端を回転中心63aとするリンク63を含む駆動機構を介して出没動作するように、ユニット60aに組み込まれている。

ここでリンク63における回転半径の異なる部位に、それぞれリンク63を駆動するための電動側ケーブル64と手動側ケーブル65が連結されている。各ケーブル64,65自体の操作量が同じである場合、リンク63の回転中心63aに近い方のケーブルによるストロークの方が大きくなる。この回転半径の差を利用して、手動側ケーブル65によるロックピン61のストロークを、電動側ケーブル64による場合の半分に設定している。

また、手動側ケーブル65は、その先に図示省略した手動レバーが連結されており、手動レバーにおいてもストロークが調整できる機能を有している。よって、電動側ケーブル64と手動側ケーブル65を逆に取り付けることができ、回転半径の差を利用しなくても、手動側ケーブル65の操作によるロックピン61のストローク径を短くすることができる。

一方、ロックピン61が係脱する係止孔62a,62b,62cに関しては、図2,図17(a)に示すように、座席をロング状態にロック(拘束)するための係止孔62aの下側には、係止孔62aに合致する孔がある板金32が取り付けられている。よって、係止孔62aに関しては、他の係止孔62b,62c(図17(b)参照)よりも板金32の厚さ分だけ、ロックピン61を大きくストロークさせないと、ロックを解除できないように設定されている。

要は、座席がロング状態にある時は、回転ロック機構60のロックを手動側ケーブル65による操作では解除できず、電動側ケーブル64による操作で解除することができるように設定されている。なお、電動による操作は、車両の乗務員や駅員によって行われるものであり、手動による操作は主に乗客によって行われる。

なお、停電等の非常時にロックを解除できるように、回転ロック機構60、進退ロック機構70に、それぞれ連結する非常用手動操作部が別途脚台11の脚等に設けられている。非常用手動操作部の操作によるロックピン61,71のストローク量は、それぞれ板金32の厚さやヒンジ75よりを大きいため、非常時にはロング状態からクロス状態、またはクロス状態からロング状態への変換が可能である。

このような回転ロック機構60によれば、ロックピン61は、車両に固定されている脚台11から出没する。そのため、台枠30が回転不能にロックされると、台枠30が回転機構40を介して支持されている移動台20も、同時に進退不能にロックされる。かかる座席の回転不能かつ進退不能の同時ロックは、ロックピン61を移動台20ではなく脚台11に取り付けると共に、脚台11の上面部12に、回転機構40との干渉を回避する回避部12aを開設したことにより実現されている。

さらに、座席支持機構10は、台枠30(座席)をロング状態とクロス状態のそれぞれの位置で進退不能に拘束するための進退ロック機構70を備えている。進退ロック機構70は、前記回転ロック機構60とは別に、移動台20を脚台11に対して進退不能に拘束するものである。かかる進退ロック機構70によれば、前記回転ロック機構60による拘束を解除した状態においても、座席の進退のみを不能に拘束することが可能となる。

図18に示すように、進退ロック機構70は、脚台11側から移動台20に亘り上下に出没可能なロックピン71と、移動台20に設けられて前記ロックピン71が係脱する係止孔72a,72bとを備えている。各係止孔72a,72bは、図11に示すように、移動台20の後方下側で前後方向に延びるフレーム材23の前後端に、それぞれ合計2つ設けられている。各係止孔72a,72bは、フレーム材23の前後端にて、一部が開口した切欠ではなく、応力集中を避けて強度向上のために周囲が囲まれた孔として設けられている。

ロックピン71は、ユニット70aに組み込まれており、該ユニット70aは、移動台20の下側に位置する脚台11の内側に配設されている。ロックピン71は、移動台20のフレーム材23の直ぐ下側より上方へ出没して、座席がロング状態ないしクロス状態に変換された時、当該位置で上下に合致する各係止孔72a,72bに挿入されて係合する。ロックピン71は、前記ロックピン61と同様に脚台11側に取り付けられているが、その取り付け位置は異なっている。

詳しく言えば、図8に示すロング状態の時、ロックピン71は、前側の係止孔72a(図18参照)に挿入されて係合する。ただし、ロング状態の時のロックピン71は、係止孔72aに必ずしも挿入している必要はない。また、図11に示す一クロス状態の時、ロックピン71は、後側の係止孔72b(図18参照)に挿入されて係合する。同様に、図14に示す逆クロス状態の時も、ロックピン71は、後側の係止孔72bに挿入されて係合する。

図20に示すように、ロックピン71は、バネ部材73によって上方へ突出するロック位置に常時付勢されている。かかるロックピン71は、電動操作によってのみ、バネ部材73の付勢力に抗して下方へ没入する解除位置に変位する。ロックピン71の下端は、リンク74を介して図示省略したソレノイドに連結され、このソレノイドの駆動によって、ロックピン71は下方へ引っ張られて解除位置に変位する。よって、ロックピン71は、前記回転ロック機構60のロックピン61の場合と異なり、電動操作でのみ動作し、手動操作ではロックを解除することができない。

進退ロック機構70によれば、前記回転ロック機構60によりロックされている時は、特に操作する必要もないが、前記回転ロック機構60がロック解除された時に、移動台20を台枠30(座席)ごと進退不能にロックすることができる。すなわち、座席を回転できない時は、座席の進退もできないが、座席を回転できる時は、座席の進退だけできないようにしたり、あるいは、座席の回転に伴ない進退させることができる。

また、進退ロック機構70では、座席をロング状態(0°)から一クロス状態(90°)に90°回転させる時、ロックピン71の先端は、図9に示すフレーム材23の前端側(図中で右側)から係止孔72b上を通過して後端側(図中で左側)まで相対的に移動し、再び前端側へ少し戻って係止孔72bに挿入される(図12参照)。ここでロックピン71が後端側へ移動する時に、バネ部材73の付勢力で係止孔72bに入らないようにする必要がある。

そのため、図18に示すように、係止孔72bの手前には、係止孔72bを一時的に塞ぐためのヒンジ75が起倒可能に設けられている。ヒンジ75は、係止孔72bの手前で通常は起立した状態に付勢されている。図19に示すように、ヒンジ75は、前方から相対的に移動してきたロックピン71の先端が当たると、付勢力に抗して係止孔72bを塞ぐ状態に倒れるように設けられている。なお、ヒンジ75は、反対方向に倒れることはない。

逆に、ロックピン71の先端が、フレーム材23の後端側から前端側に向かい相対的に前方へ移動する時は、ロックピン71が、係止孔72bに入ったり起立したヒンジ75に引っ掛からないようにする必要がある。そのため、図20に示すように、ロックピン71の傍らには、バネ部材73の付勢力に抗してロックピン71を引っ込めた状態に保持するサイドピン76が設けられている。

サイドピン76は、ロックピン71の軸方向と直交する側方より、ロックピン71に対して係脱可能に支持されている。ロックピン71の外周には、上下に離隔した位置に係止穴71a,71bが凹設されている。図21に示すように、ロックピン71の上側の係止穴71aにサイドピン76の先端が係合すると、ロックピン71は引っ込んだ解除位置に保持され、図22に示すように、ヒンジ75に引っ掛かることなく移動することができる。なお、ロックピン71の下側の係止穴71bにサイドピン76の先端が係合すると、ロックピン71は突出したロック位置に保持される。

図23,図24に示すように、サイドピン76は、揺動部材77を介して、先端がロックピン71の係止穴71a,71bに係合する状態と離脱する状態とに、軸方向に移動可能に支持されている。揺動部材77の先端は、サイドピン76の途中に押し引き可能に連結され、この先端と揺動中心を間にして反対側の基端は、移動台20側に固定された解除レバー78に係脱するように配置されている。よって、揺動部材77の基端に解除レバー78が係合して押されると、揺動部材77の先端の揺動に伴ないサイドピン76はロックピン71より離脱し、サイドピン76によるロックピン71の拘束は解除される。

次に、本実施の形態に係る座席支持機構10の作用を説明する。 図1に示すように、座席支持機構10では、脚台11の上面部12を間にして、下側には、移動台20が配置され、上側には、移動台20に回転軸41で支持された台枠30が配置されている。従って、座席支持機構10は、下から順に、脚台11、移動台20、脚台11の上面部12、台枠30と重なる構造となる。

かかる構造の場合、移動台20と台枠30の間に介在する上面部12が、そのままでは移動台20の進退時に回転軸41の動きを妨げることになるが、回転軸41は、上面部12にある回避部12aを通るため、上面部12と干渉することはない。これにより、脚台11の上面部12の下側における移動台20の進退を実現することができる。

図26に示すように、座席を台枠30と共に回転させると、該台枠30の回転は直線運動に変換され、回転軸41を介して移動台20に伝達される。よって、移動台20は回転する台枠30と共に、側壁A(図1参照)と直交する方向へ進退する。このような座席の回転と進退の連動により、座席が側壁Aに近接していても側壁Aと干渉しないように、座席背面側が側壁Aに平行となるロング状態(図26(a))と、座席背面側が側壁Aと直交するクロス状態(図26(c))とに、座席の向きを一連の動作で容易に変換することができる。

図2,図7に示すように、座席の台枠30がロング状態(0°)にある時、回転ロック機構60のロックピン61は、台枠30の一長辺側の係止孔62aに挿入されて係合している。ここでロックピン61は、床面上に固設されている脚台11から出没するため、座席は回転不能のみならず、進退も不能に同時にロックされる。この時、進退ロック機構70では、特にロックする必要はなく、ロックピン71はフリーな状態となっている。

図26(a)〜図26(c)に示すように、台枠30(座席)をロング状態(0°)から一クロス状態(90°)に変換するには、電動操作のみによって行われる。回転ロック機構60のロックピン61を係止孔62aから外すには、図17(a)に示した板金32の厚さ分だけ余分にストロークさせる必要があるが、この大きなストロークは電動操作でのみ可能となる。よって、座席がロング状態(0°)にある時は、手動操作では回転ロック機構60のロックを解除することはできない。

図26(a)において、電動操作により回転ロック機構60のロックを解除した後、図26(b)に示すように、台枠30(座席)を一方向(図26中で時計回り)へ回転させると、台枠30は連動機構50により直線運動に変換されながら回転する。すなわち、台枠30の回転時に側壁A(図1参照)と干渉しないように、台枠30は回転しながら通路側へ大きく前進した後、側壁A側へ引き込まれるように小さく後退しながら90°回転する。

図7および図10に示すように、連動機構50では、台枠30側のローラー52と補助ローラー53が、脚台11側のガイドレール51を両側から挟持している。かかる状態でローラー52と補助ローラー53は、台枠30の回転に伴いガイドレール51の一端から他端にかけて移動し、台枠30の回転が直線運動に変換される。ここでローラー52は、ガイドレール51の一側面に沿って回動しつつ移動し、補助ローラー53も、ガイドレール51の他側面に沿って押圧されながら偏心回転するため、各ローラー52,53がガイドレール51から外れることはない。

図26(c)に示すように、台枠30(座席)が一クロス状態(90°)に到達すると、回転ロック機構60のロックピン61は、台枠30の一短辺側の係止孔62b(図10参照)に挿入されて係合し、台枠30は回転不能にロックされる。同時に、進退ロック機構70のロックピン71は、移動台20の後側の係止孔72b(図12参照)に挿入可能な位置まで移動する。

ここでロックピン71の先端は、台枠30の回転に伴う移動台20の進退時に、図9に示すフレーム材23の前端側から係止孔72b上を一旦通過する。この時、ロックピン71の先端が係止孔72bの手前にあるヒンジ75に前側から当たると、図19に示すようにヒンジ75が倒れて係止孔72bは一時的に塞がれる。その後、ロックピン71の先端は、再びフレーム材23の前端側へ少し戻って係止孔72bに挿入可能な位置まで移動する。

次ぎに、台枠30(座席)を、図3に示す一クロス状態(90°)から図4に示す逆クロス状態(270°)に変換するには、手動操作あるいは電動操作によって行われる。回転ロック機構60のロックピン61を係止孔62bから外すためには、図17に示す板金32がない分、小さなストロークだけで済む。よって、電動操作のみならず手動操作でも回転ロック機構60のロックを解除することができる。

図10に示す一クロス状態(90°)において、回転ロック機構60によるロックを解除した後、図示省略した座席の座席背面側を通路側に向けながら一方向(図10中で時計回り)へ180°回転させる。この時、進退ロック機構70はロックされており、台枠30が前後方向へ進退することはない。また、連動機構50では、台枠30側のローラー52と補助ローラー53は、脚台11側のガイドレール51の他端より外側へ離脱することになる。

ところで、座席が一クロス状態(90°)にある時、手動操作でロング状態(0°)へ戻る逆方向(図10中で反時計回り)へ回転すると、座席が側壁A(図1参照)と干渉する虞がある。よって、一クロス状態(90°)では、座席の他方向への回転を制限する必要がある。そのため、図25に示したように、係止孔62bの周縁のうち他方向側となる片側半部だけに沿って、所定の厚さの板金33(前記板金32と同等のもの)を取り付ける。これにより、手動操作では、一クロス状態(90°)からロング状態(0°)へ戻す変換はできなくなる。

座席が一方向へ180°回転して、図13に示すように、逆クロス状態(270°)に到達すると、回転ロック機構60のロックピン61が、台枠30の他方の短辺側の係止孔62cに挿入されて係合し、台枠30は回転不能にロックされる。この時、進退ロック機構70は、ロックされたままの状態にある。 なお、手動操作により、既に逆クロス状態(270°)にある座席についても、電動操作の場合は同様の動作が行われるが、座席は脚台11にあるストッパー14によって、逆クロス状態(270°)からさらに同じ一方向へは回転することはない。

次に、台枠30(座席)を、逆クロス状態(270°)から一クロス状態(90°)に戻す場合も、手動操作あるいは電動操作によって行われる。回転ロック機構60によるロックを解除した後、図13において、台枠30を今度は逆方向(図13中で反時計回り)へ180°回転させる。この時、進退ロック機構70はロックされており、台枠30が前後方向へ進退することはない。

座席が逆方向へ180°回転して、図10に示すように、一クロス状態(90°)に到達すると、回転ロック機構60のロックピン61が、台枠30の一方の短辺側の係止孔62bに挿入されて係合し、台枠30は回転不能にロックされる。この時、進退ロック機構70はロックされたままの状態にある。

また、連動機構50では、台枠30側のローラー52と補助ローラー53が、脚台11側のガイドレール51の他端より再び係合する。この時、補助ローラー53は、バネ部材56の付勢により、ガイド溝55の範囲でバネ部材56側に移動しているため(図15参照)、確実にガイドレール51の他端を受け止めることができる。なお、手動操作により、既に一クロス状態(90°)にある座席については、例えば近接スイッチが「ON」になっていることにより、電動操作による回転動作は行われないように制御すると良い。ここで近接スイッチは、座席が一クロス状態(90°)にある時のみ「ON」になるように設定する。

次に、図26(c)〜図26(a)に示すように、座席を一クロス状態(90°)から元のロング状態(0°)に戻すには、電動操作のみによって行われる。前述したように、回転ロック機構60のロックピン61は、手動操作による小さなストロークでは、係止孔62bの片側半部にある板金33(図25参照)の厚さを乗り越えることはできない。

図26(c)において、電動操作により回転ロック機構60のロックを解除した後、台枠30(座席)を他方向(図中で反時計回り)へ回転させると、連動機構50により直線運動にも変換されながら回転する。すなわち、台枠30の回転時に側壁A(図1参照)と干渉しないように、台枠30は回転しながら通路側へ小さく前進した後、側壁A側へ引き込まれるように大きく後退しながら90°回転する。

この時、連動機構50では、台枠30側のローラー52と補助ローラー53は、脚台11側のガイドレール51の他端から一端にかけて移動し、台枠30の回転が直線運動に変換される。また、進退ロック機構70では、ロックピン71によるロックが解除されている。詳しく言えば、図22に示すように、ロックピン71の上側の係止穴71aにサイドピン76の先端が係合することで、ロックピン71は引っ込んだ解除状態に保持されている。

図26(a)に示すように、台枠30(座席)がロング状態(0°)に到達すると、回転ロック機構60のロックピン61は、台枠30の一長辺側の係止孔62a(図7参照)に挿入されて係合し、台枠30は回転不能にロックされる。また、進退ロック機構70では、ロックピン71からサイドピン76が外れてフリーな状態となる。

詳しく言えば、図9において、ロックピン71がフレーム材23の前側にある係止孔72aの手前まで移動すると、図24に示すように、移動台20側の解除レバー78によって、揺動部材77が押圧されて揺動し、サイドピン76はロックピン71の係止穴71aから離脱する。なお、図7に示すように、台枠30(座席)がロング状態(0°)にある時、台枠30は脚台11にあるストッパー14によって、ロング状態(0°)から逆方向(図中で反時計回り)へ回転することはない。

このように、本座席支持機構10によれば、台枠30は、大元の固定側となる脚台11の上面部12の上側に配置され、該上面部12との間に移動台20を介在させることになく回転する。そのため、台枠30を脚台11側から容易に係止して拘束することが可能となる。台枠30を脚台11側から係止して拘束する場合、台枠30が回転不能になるだけでなく、併せて脚台11に対する台枠30の進退も不能となる。

従って、台枠30を回転不能かつ進退不能に同時に拘束可能な回転ロック機構60を実現することができる。かかる回転ロック機構60によれば、移動台20に対する台枠30の回転の拘束だけでなく、脚台11に対する移動台20の進退の拘束も、一つのロック機構で行うことができる。

また、前記回転ロック機構60とは別に、台枠30を進退不能に拘束可能な進退ロック機構70を備えたことにより、回転ロック機構60による拘束を解除した状態においても、座席の進退のみ不能に拘束することが可能となり、座席の進退位置を固定したままで、座席を回転させることができる。

以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、脚台11、移動台20、台枠30の形状は図示したものに限定されることはない。また、座席は2人掛けの例を説明したが、3人掛けや1人掛けの座席であっても良い。

また、前記脚台11の上面部12に設けた回避部12aは、上面部12の前側の短辺から略中央に亘って凹む湾状の切り欠きとしたが、回転軸41の移動軌跡に沿う箇所のみで、上面部12が回転軸41と干渉しなければ足りる。よって、回避部は、他に例えば、回転軸41の移動軌跡を含むように、上面部12に設けた細長状の孔や溝でも良い。

さらに、前記連動機構50は、ガイドレール51を備えるものに限定されない。すなわち、連動機構は、台枠30の下側に設けたカムと、脚台11の上面部12に設けたローラー状のカムフォロアとにより構成しても良い。かかるカム式の連動機構では、カムをカムフォロアに押し当てながら回転させることにより、この回転力を移動台20の直線運動にも変換させて、座席をロング状態から一クロス状態、一クロス状態からロング状態に変換することができる。

本発明は、鉄道車両、航空機、自動車、船舶等の客室内に設置される乗物用の座席の他、劇場用、家庭用、事務用の椅子を対象とした座席支持機構として広く利用することができる。

10…座席支持機構 11…脚台 12…上面部 12a…回避部 13a…ガイドレール 14…ストッパー 20…移動台 21…側部 22…軸受部 23…フレーム材 30…台枠 40…回転機構 50…連動機構 51…ガイドレール 52…ローラー 53…補助ローラー 60…回転ロック機構 61…ロックピン 62a,62b,62c…係止孔 70…進退ロック機構 71…ロックピン 72a,72b…係止孔

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