vehicle

申请号 JP2010155341 申请日 2010-07-08 公开(公告)号 JP4813614B1 公开(公告)日 2011-11-09
申请人 シャープ株式会社; 发明人 茂幸 原田; 宏彰 清原; 康孝 片岡;
摘要 Provided is a vehicle capable of increasing a concentration of ions in a vehicle without increasing the number of ion generators installed. The vehicle (1000) includes: a plurality of air-conditioning air blow-off outlets (500) and air blow-off outlets of ion generators (100). The plurality of air-conditioning air blow-off outlets (500) are configured such that in the air-conditioning air blow-off outlet (500), among the air-conditioning air blow-off outlets (500), which is located such that an air current blown off from the air-conditioning air blow-off outlet (500) intersects or neighbors an air current blown off from the air blow-off outlet (500) of the ion generator (100), a speed of the air current blown off from the air-conditioning air blow-off outlet (500) is made lower than a speed of an air current blown off from the other air-conditioning air blow-off outlet (500).
权利要求
  • 内壁面に設けられ、車両内の空気を調整するために空気を吹き出す複数の第1の吹き出し口と、
    内壁面に設けられ、イオンを含む空気を ファンにより吹き出す複数の第2の吹き出し口とを備え、
    前記複数の第1の吹き出し口のうち、前記第1の吹き出し口から吹き出される気流が前記第2の吹き出し口から吹き出される気流と交差または近接するように配置されている前記第1の吹き出し口においては、当該第1の吹き出し口から吹き出される気流の速度を他の前記第1の吹き出し口から吹き出される気流の速度よりも低くするように、前記複数の第1の吹き出し口が構成されている、車両。
  • 前記複数の第1の吹き出し口が車両の内側上壁面に配置され、前記複数の第2の吹出口が前記複数の第1の吹出口の外側に位置する車両の内側上壁面に配置され、前記第1の吹き出し口から吹き出される気流が車両の内側上壁面から真下方向に吹き出され、前記第2の吹き出し口から吹き出される気流が車両の内側上壁面から斜め下方向に吹き出される、請求項1に記載の車両。
  • 前記複数の第1の吹き出し口が車両の長さ方向に並ぶように二列に配置された複数の矩形状の穴群を含み、
    前記複数の第1の吹き出し口の両側に配置された複数のイオン発生装置をさらに備え、
    前記複数の第2の吹き出し口が、前記複数のイオン発生装置からイオンを含む空気を吹き出す吹き出し口である、請求項2に記載の車両。
  • 前記複数のイオン発生装置が、前記複数の矩形状の穴群を間に挟んで、車両の長さ方向と直交する方向に、対向するように、かつ、車両の長さ方向に間隔をあけて、配置されている、請求項3に記載の車両。
  • 前記複数のイオン発生装置が、前記複数の矩形状の穴群を間に挟んで、車両の長さ方向と斜めに交差する方向に、対向するように、かつ、車両の長さ方向に間隔をあけて、配置されている、請求項3に記載の車両。
  • 前記複数のイオン発生装置の各々には、イオンを含む空気をそれぞれ異なる方向に吹き出す複数の吹き出し口が設けられている、請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載の車両。
  • 前記複数のイオン発生装置の各々に設けられた前記複数の吹き出し口において隣り合う二つの吹き出し口から吹き出される空気に含まれるイオン種は、互いに異なる極性を有する、請求項6に記載の車両。
  • 说明书全文

    この発明は、一般的には、車両に関し、特定的には、車両内の空気を調整するために空気を吹き出す吹き出し口を備えた鉄道車両、バスなどの車両に関するものである。

    鉄道車両、バスなどの各種の車両内には、汚れた外気に曝された乗客が出入りする。 そして、車両に乗り込む乗客は、外気に含まれる菌、花粉、ほこりなどを車両内に持ち込んでしまうことが多い。 特に、雨の日などは、車両に乗り込む乗客の靴、傘などが、濡れた状態のままで車両内に持ち込まれる。 このため、車両内の床面は、菌、花粉、ほこりなどと雨とが溜まった状態になる。

    菌、花粉、ほこりなどは、目に見えない微小なものであって、通常は空気中を浮遊しながら移動するものである。 そして、菌、花粉、ほこりなどは、時間の経過と共に自然落下して、最終的に床面または地面にまで落ちていく。 そのため、車両の床面付近は、菌、花粉、ほこりなどが非常に多い状態となっている。 車両内の環境条件にもよるが、落下した後の菌は繁殖しやすく、車両内の床面には多数の菌が生息していることがある。 特に、雨の日は車両内の床面も濡れていることが多いため、雨の日の車両内の床面は菌の繁殖に絶好のコンディションとなってしまう。

    以上のように、車両内の床面および床面付近には、菌、花粉、ほこりなどが多く存在している。 これらの菌などが車両に乗り込む乗客に付着するなどして、乗客に悪影響を及ぼす可能性が非常に高くなっている。

    これらの問題を解決するために、特開2006−69427号公報(以下、特許文献1という)では、イオン制御車輌が提案されている。 イオン制御車輌は、複数の椅子と、複数の椅子のいずれかの背面からイオンを放出する正負イオン発生器と、複数の椅子のいずれかの向きを変更する回転軸と、回転軸が変更した椅子の向きを検出する向きセンサと、椅子の向きを比較することにより、複数の椅子のいずれかである第1の椅子が、第1の椅子の正面にあって正負イオン発生器がイオンを放出する第2の椅子の背面に面するか否かを判断し、自らが、第1の椅子が第2の椅子の背面に面すると判断した場合、第2の椅子の背面からイオンを放出するように、正負イオン発生器を制御する制御部と、走行する走行部とを含む。

    しかし、特許文献1で開示されているイオン制御車輌は、座席の背面からイオンを放出し、そのイオンによって菌などを除去するものである。 この場合、放出されたイオンは、座席座面より高い部分には届きやすいが、菌などが最も多く存在している(繁殖している)床面付近には届かない可能性がある。 すなわち、座席に座っている乗客にはイオンが到達するが、菌などの繁殖源となる床面に到達するイオンは少なく、菌などを除去する効果は小さい。 また、特許文献1で開示されているイオン制御車輌は、新幹線などのように座席が進行方向に並べられている鉄道車両には適応できるが、在来線などのように座席が左右方向に向き合って並べられている鉄道車両には適応できない、という問題がある。

    これらの問題を解決するために、特開2009−126349号公報(以下、特許文献2という)では、座席の下部にイオン発生器を備えた車両が提案されている。 この車両は、第1の座席と第2の座席とを含む複数の座席が配置される車両である。 第1の座席は、第1の座席下部に配置され、正負イオンを発生させる第1の正負イオン発生器と、第1の正負イオン発生器と連通される第1の吸い込み口と、第1の座席下部に形成され、第1の正負イオン発生器と連通される第1の吹き出し口と、第1の吸い込み口から第1の吹き出し口までの経路上に配置され、第1の吸い込み口から第1の吹き出し口へと空気を送る第1の送風機とを備える。 第2の座席は、第2の座席下部に配置され、正負イオンを発生させる第2の正負イオン発生器と、第2の座席下部に形成され、第2の正負イオン発生器と連通される第2の吸い込み口と、第2の座席下部に形成され、第2の正負イオン発生器と連通される第2の吹き出し口と、第2の吸い込み口から第2の吹き出し口までの経路上に配置され、第2の吸い込み口から第2の吹き出し口へと空気を送る第2の送風機とを備える。 第1の吹き出し口は、第2の吸い込み口に向けて開口される。

    特開2006−69427号公報

    特開2009−126349号公報

    特許文献2に開示されている車両によれば、菌、花粉、ほこりなどが多く存在している床面および床面付近に、正負イオン発生器にて発生した正負イオンを多く含んだ空気を一様に供給することができる。 そして、正負イオン発生器にて発生させられた正負イオンを多く含む空気によって、第1の座席と第2の座席との間の床面および床面付近の菌、花粉、ほこり等を除去または不活化する。 その結果、効率的に車両内の空気の浄化を行うことができる。 また、特許文献2に開示されている車両は、新幹線などのように座席が進行方向に並べられている鉄道車両にも、在来線などのように座席が左右方向に向き合って並べられている鉄道車両にも適応できる。

    ところで、特許文献1に開示されているイオン制御車両では、各座席の背面にイオン発生器が設けられている。 また、特許文献2に開示されている車両では、各座席の下部にイオン発生器が備えられている。 このため、特許文献1と特許文献2に開示されている車両では、車両内の全体にイオンを行き渡らせるためには、すべての座席にイオン発生器を設ける必要があり、イオン発生器の設置台数が多くなるので、コストが高くなる、という問題がある。

    各座席ではなく、車両の内側上壁面または網棚にイオン発生器を設けることが考えられる。 この場合、空気調和機の空気吹き出し口が車両の内側上壁面に設けられ、その空気吹き出し口から真下方向に空調用空気が吹き出されると、イオン発生器から吹き出されるイオンを含む空気が、空調用空気の気流に遮られる。 このため、イオン発生器から吹き出される高濃度のイオンを車両内の座席に座った人に行き渡らせることができない。

    また、上記のイオン発生器から吹き出される高濃度のイオンを空調用空気に含ませることが考えられる。 この場合、イオンが車両内に均一に拡散する。 このため、車両内の全体のイオン濃度が低くなってしまう。

    したがって、車両の内側上壁面または網棚にイオン発生器を設ける場合でも、車両内のイオン濃度を高めるためには、イオン発生器の設置台数を増やす必要があるので、コストが高くなる、という問題がある。

    そこで、この発明の目的は、イオン発生器の設置台数を増やすことなく、車両内のイオン濃度を高めることが可能な車両を提供することである。

    この発明に従った車両は、複数の第1の吹き出し口と、複数の第2の吹き出し口とを備える。 複数の第1の吹き出し口は、内壁面に設けられ、車両内の空気を調整するために空気を吹き出す。 複数の第2の吹き出し口は、内壁面に設けられ、イオンを含む空気をファンにより吹き出す。 複数の第1の吹き出し口のうち、第1の吹き出し口から吹き出される気流が第2の吹き出し口から吹き出される気流と交差または近接するように配置されている第1の吹き出し口においては、当該第1の吹き出し口から吹き出される気流の速度を他の第1の吹き出し口から吹き出される気流の速度よりも低くするように、複数の第1の吹き出し口が構成されている。

    本発明の車両では、車両内の空気を調整するために複数の第1の吹き出し口から吹き出される気流の速度を一定にするのではなく、複数の第1の吹き出し口から吹き出される気流の速度に高低差を設けている。 第2の吹き出し口から吹き出されるイオンを含む空気の気流は、第1の吹き出し口から吹き出される低い速度の気流と交差または近接する。 このため、イオンを含む空気の気流は、空調用空気の気流に遮断されることなく、空調用空気の気流と合成されて、車両内の座席に向けられることができる。 これにより、高濃度のイオンを含む空気を車両内の座席に座った人に行き渡らせることができる。 したがって、イオン発生器の設置台数を増やすことなく、車両内のイオン濃度を高めることが可能になる。

    本発明の車両において、複数の第1の吹き出し口が車両の内側上壁面に配置され、複数の第2の吹出口が複数の第1の吹出口の外側に位置する車両の内側上壁面に配置されることが好ましい。 また、第1の吹き出し口から吹き出される気流が車両の内側上壁面から真下方向に吹き出され、第2の吹き出し口から吹き出される気流が車両の内側上壁面から斜め下方向に吹き出されることが好ましい。

    このように第1と第2の吹き出し口を配置する場合に本発明の上記の作用効果をより好ましく発揮することができる。

    本発明の車両において、複数の第1の吹き出し口が車両の長さ方向に並ぶように二列に配置された複数の矩形状の穴群を含むことが好ましい。 また、本発明の車両は、複数の第1の吹き出し口の両側に配置された複数のイオン発生装置をさらに備えることが好ましい。 この場合、複数の第2の吹き出し口が、複数のイオン発生装置からイオンを含む空気を吹き出す吹き出し口である。

    このように複数の第1の吹き出し口と複数のイオン発生装置を配置する場合に本発明の上記の作用効果をより好ましく発揮することができる。

    上記の場合、複数のイオン発生装置が、複数の矩形状の穴群を間に挟んで、車両の長さ方向と直交する方向に、対向するように、かつ、車両の長さ方向に間隔をあけて、配置されていることが好ましい。

    このように複数のイオン発生装置を配置することにより、車両内の比較的狭い範囲で高濃度のイオンが存在する領域を形成することができる。

    また、上記の場合、複数のイオン発生装置が、複数の矩形状の穴群を間に挟んで、車両の長さ方向と斜めに交差する方向に、対向するように、かつ、車両の長さ方向に間隔をあけて、配置されていることが好ましい。

    このように複数のイオン発生装置を配置することにより、車両内の比較的広い範囲で高濃度のイオンが存在する領域を形成することができる。

    なお、本発明の車両において、複数のイオン発生装置の各々には、イオンを含む空気をそれぞれ異なる方向に吹き出す複数の吹き出し口が設けられていることが好ましい。

    このようにすることにより、イオンを含む空気をイオン発生装置から周囲に均等に拡散することができる。

    この場合、複数のイオン発生装置の各々に設けられた複数の吹き出し口において隣り合う二つの吹き出し口から吹き出される空気に含まれるイオン種は、互いに異なる極性を有することが好ましい。

    このようにすることにより、正イオンと負イオンとを中和させることなく、イオン発生装置から周囲に均等に拡散することができる。

    この発明によれば、イオン発生器の設置台数を増やすことなく、車両内のイオン濃度を高めることが可能になる。

    この発明に従った実施の形態としての車両の基本的な構成を示す側断面図である。

    図1の車両において矢印IIの方向から見た、第1の実施の形態としての車両の基本的な構成を示す部分上面図である。

    図2の車両において矢印IIIの方向から見た、車両の長さ方向に沿った断面を示す部分断面図である。

    図1の車両において矢印IVの方向から見た、第2の実施の形態としての車両の基本的な構成を示す部分上面図である。

    図4の車両において矢印Vの方向から見た、車両の長さ方向に沿った断面を示す部分断面図である。

    本発明の実施の形態としての車両において用いられる空調用空気吹き出し口の形態を示す斜視図である。

    本発明の実施の形態としての車両において用いられるイオン発生ユニットの外観を示す斜視図である。

    図7に示されるイオン発生ユニットを前面から見た分解斜視図である。

    図7に示されるイオン発生ユニットの本体ベースの分解斜視図である。

    図7に示されるイオン発生ユニットを後面から見た分解斜視図である。

    図7に示されるイオン発生ユニットのケースの平面図である。

    図7に示されるイオン発生ユニットの本体ベースの平面図である。

    図7に示されるイオン発生ユニットの吸込グリルの平面図である。

    図7に示されるイオン発生ユニットにおいて空気の通気路の概略を示す模式図である。

    図7に示されるイオン発生ユニットにおいて空気の通気路の概略を示す模式図である。

    図7に示されるイオン発生ユニットの前面パネルの正面図である。

    図7に示されるイオン発生ユニットの空気吹出口の要部断面図である。

    図7に示されるイオン発生ユニットの空気吹き出し方向の一例を示す図である。

    図2と図3に示される第1の実施の形態の車両におけるイオン濃度分布のシミュレーション結果を示す図である。

    図4と図5に示される第2の実施の形態の車両におけるイオン濃度分布のシミュレーション結果を示す図である。

    図1の車両において矢印IVの方向から見た、第3の実施の形態としての車両の基本的な構成を示す部分上面図である。

    図21の車両において矢印XXIIの方向から見た、車両の長さ方向に沿った断面を示す部分断面図である。

    図21と図22に示される第3の実施の形態の車両におけるイオン濃度分布のシミュレーション結果を示す図である。

    以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。

    (第1の実施の形態)

    図1〜図3に示すように、車両1000内には、進行方向に、すなわち、車両の長さ方向に複数の座席700が並んで配置されている。 また、複数の座席700は、車両1000の幅方向の中央部に位置する通路を挟んで二列に配置されている。 網棚600が車両1000内の両側壁面に設けられている。 また、網棚600は、座席700の上に位置づけられ、二列の座席700のそれぞれの列に沿って延びるように配置されている。

    複数の第1の吹き出し口の一例としての空調用空気吹き出し口500が、車両1000の内側上壁面、すなわち天井壁面に設けられている。 車両1000内の空気を調整するために空気が空調用空気吹き出し口500から吹き出される。 空調用空気吹き出し口500から吹き出される気流は、矢印Aで示されるように、車両1000の内側上壁面から真下方向に吹き出される。 空調用空気吹き出し口500は、車両1000の長さ方向に並ぶように二列に配置されている。 この実施形態では、空調用空気吹き出し口500は、車両1000の幅方向の中央部に位置する通路を挟んで二列に配置されている。 また、空調用空気吹き出し口500は、二列に配置された複数の矩形状の穴群、たとえば、複数のスリット状の穴群から構成される。 複数のスリット状の穴は、車両1000の長さ方向に間隔をあけて配置されている。

    複数のイオン発生装置100は、空調用空気吹き出し口500の外側で両側に位置する車両1000の内側上壁面、すなわち傾斜した天井壁面に配置されている。 車両1000内の空気中に存在する浮遊細菌、浮遊ウイルスなどを除去するためにイオンを含む空気がイオン発生装置100の空気吹き出し口から吹き出される。 この実施形態では、4つの空気吹き出し口が、イオンを含む空気をそれぞれ異なる方向に吹き出すためにイオン発生装置100に設けられている。 イオン発生装置100に設けられた4つの空気吹き出し口において隣り合う2つの空気吹き出し口から吹き出される空気に含まれるイオン種は、互いに異なる極性を有する。 すなわち、この実施形態では、イオン発生装置100の周囲方向に沿って順に正イオン(+)、負イオン(−)、正イオン(+)、負イオン(−)を含む空気が、矢印で示すように、4つの空気吹き出し口から4方向に吹き出される。 イオン発生装置100の空気吹き出し口から吹き出される気流は、車両1000の内側上壁面から斜め下方向に吹き出される。 なお、イオン発生装置100の空気吹き出し口は、複数の第2の吹き出し口の一例である。 イオン発生装置100の詳細については後述する。

    この実施の形態では、図2に示すように、2つのイオン発生装置100が、空調用空気吹き出し口500、すなわち、二列に配置された複数のスリット状の穴群を間に挟んで、車両1000の長さ方向と直交する方向に、対向するように配置されている。 また、複数のイオン発生装置100が、車両1000の長さ方向に間隔をあけて並んで配置されている。

    以上のように構成された車両1000において、図3に示すように、複数の空調用空気吹き出し口500のうち、空調用空気吹き出し口500から吹き出される気流(Aの矢印)がイオン発生装置100の空気吹き出し口から吹き出される気流(+と−の矢印)と交差または近接するように配置されている空調用空気吹き出し口500においては、当該空調用空気吹き出し口500から吹き出される気流(Aの矢印)の速度を他の空調用空気吹き出し口500から吹き出される気流(Aの矢印)の速度よりも低くするように、複数の空調用空気吹き出し口500が構成されている。 すなわち、イオン発生装置100の付近に配置されている空調用空気吹き出し口500から吹き出される気流(Aの矢印)の速度は、他の空調用空気吹き出し口500から吹き出される気流(Aの矢印)の速度よりも低い。 この気流の速度の高低差については、図3では、イオン発生装置100の付近に配置されている空調用空気吹き出し口500から吹き出される気流を示すAの矢印の長さを、他の空調用空気吹き出し口500から吹き出される気流を示すAの矢印の長さよりも短くして表示されている。

    このように本発明の車両1000では、車両1000内の空気を調整するために複数の空調用空気吹き出し口500から吹き出される気流の速度を一定にするのではなく、複数の空調用空気吹き出し口500から吹き出される気流の速度に高低差を設けている。 イオン発生装置100の空気吹き出し口から吹き出されるイオンを含む空気の気流は、空調用空気吹き出し口500から吹き出される低い速度の気流と交差または近接する。 このため、イオンを含む空気の気流は、空調用空気の気流に遮断されることなく、空調用空気の気流と合成されて、車両1000内の座席700に向けられることができる。 これにより、高濃度のイオンを含む空気を車両1000内の座席700に座った人に行き渡らせることができる。 したがって、イオン発生器の設置台数を増やすことなく、車両内のイオン濃度を高めることが可能になる。

    また、本発明の車両1000において、複数の第1の吹き出し口としての空調用空気吹き出し口500が、車両1000の内側上壁面に配置される。 複数の第2の吹き出し口としての複数のイオン発生装置100の空気吹き出し口が、複数の空調用空気吹き出し口500の外側に位置する車両1000の内側上壁面に配置される。 また、空調用空気吹き出し口500から吹き出される気流が、車両1000の内側上壁面から真下方向に吹き出される。 イオン発生装置100の空気吹き出し口から吹き出される気流が、車両1000の内側上壁面から斜め下方向に吹き出される。

    このように空調用空気吹き出し口500とイオン発生装置100の空気吹き出し口を配置する場合に本発明の上記の作用効果をより好ましく発揮することができる。

    本発明の車両1000において、複数の空調用空気吹き出し口500が車両1000の長さ方向に並ぶように二列に配置された複数の矩形状の穴群を含む。 また、本発明の車両1000は、複数の空調用空気吹き出し口500の両側に配置された複数のイオン発生装置100を備える。

    このように複数の空調用空気吹き出し口500と複数のイオン発生装置100を配置する場合に本発明の上記の作用効果をより好ましく発揮することができる。

    この実施形態の場合、複数のイオン発生装置100が、複数の空調用空気吹き出し口500、すなわち複数の矩形状の穴群を間に挟んで、車両1000の長さ方向と直交する方向に、対向するように、かつ、車両1000の長さ方向に間隔をあけて、配置されている。

    このように複数のイオン発生装置100を配置することにより、車両1000内の比較的狭い範囲で高濃度のイオンが存在する領域を形成することができる。 これにより、車両1000内にイオン濃度の高低差を比較的狭い範囲で作り出すことができる。 その結果、高濃度のイオンによる殺菌作用を狭い範囲で効果的に発揮させることができる。

    なお、イオンによる殺菌効果、すなわち、イオンによって浮遊細菌、浮遊ウイルスなどを除去する効果は、イオンの濃度に依存する。 イオン濃度が高ければ高いほど、その効果が高い。 たとえば、浮遊ウイルスの除去性能でいえば、イオン濃度が7000個/cm 3の場合には10分間で浮遊ウイルスの残存率が1/100になるのに対し、イオン濃度が50000個/cm 3の場合には10分間で浮遊ウイルスの残存率が1/1000になる。 また、衣服等に付着したタバコの臭いの脱臭効果は、イオン濃度が5000個/cm 3の場合に比べて、イオン濃度が20000個/cm 3の場合には脱臭速度が約2倍になる。

    なお、本発明の車両1000において、複数のイオン発生装置100の各々には、イオンを含む空気をそれぞれ異なる方向に吹き出す複数の吹き出し口が設けられていることにより、イオンを含む空気をイオン発生装置100から周囲に均等に拡散することができる。 この場合、複数のイオン発生装置100の各々に設けられた複数の空気吹き出し口において隣り合う二つの空気吹き出し口から吹き出される空気に含まれるイオン種は、互いに異なる極性を有することにより、正イオンと負イオンとを中和させることなく、イオン発生装置100から周囲に均等に拡散することができる。

    (第2の実施の形態)

    車両1000の第2の実施の形態は、図4と図5に示される。 この実施形態では、第1の実施形態と異なり、図4に示すように、2つのイオン発生装置100が、空調用空気吹き出し口500、すなわち、二列に配置された複数のスリット状の穴群を間に挟んで、車両1000の長さ方向と斜めに交差する方向に、対向するように配置されている。 また、複数のイオン発生装置100が、車両1000の長さ方向に間隔をあけて並んで配置されている。 車両1000の第2の実施の形態における他の構成は、第1の実施の形態と同様である。

    このように複数のイオン発生装置100を配置することにより、車両1000内の比較的広い範囲で高濃度のイオンが存在する領域を形成することができる。 これにより、車両1000内にイオン濃度の高低差を比較的広い範囲で作り出すことができる。 その結果、高濃度のイオンによる殺菌作用を、第1の実施の形態に比べて、広い範囲でより効果的に発揮させることができる。

    なお、車両1000の第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。

    (空調用空気吹き出し口の形態)

    上記の第1と第2の実施の形態では、図3と図5に示すように、複数の空調用空気吹き出し口500のうち、空調用空気吹き出し口500から吹き出される気流(Aの矢印)がイオン発生装置100の空気吹き出し口から吹き出される気流(+と−の矢印)と交差または近接するように配置されている空調用空気吹き出し口500においては、当該空調用空気吹き出し口500から吹き出される気流(Aの矢印)の速度を他の空調用空気吹き出し口500から吹き出される気流(Aの矢印)の速度よりも低くするように、複数の空調用空気吹き出し口500が構成されている。 このようにするための複数の空調用空気吹き出し口500の形態について以下に説明する。

    図6の(A)に示すように、吹き出される気流の速度が高い空調用空気吹き出し口500では、気流が通過する通路は周側壁部510のみによって形成されている。 この場合、周側壁部510によって囲まれた通路を通過する気流の全部が空調用空気吹き出し口500から吹き出されるので、吹き出される気流の速度(風量)が大きい。

    これに対して、図6の(B)に示すように、吹き出される気流の速度が低い空調用空気吹き出し口500では、気流が通過する通路は複数の小さな吹き出し穴520と、周側壁部510で囲まれた通路を区分して複数の吹き出し穴520を形成するための遮断壁部530とが形成されている。 この場合、周側壁部510によって囲まれた通路を通過する気流の一部が遮断壁部530によって遮られ、気流の一部が小さな吹き出し穴520から吹き出されるので、吹き出される気流の速度(風量)が小さくなる。

    (イオン発生装置の実施の形態)

    上記の第1と第2の実施の形態の車両1000に設けられるイオン発生装置(イオン発生ユニット)100の一つの実施の形態について、図7〜図18を参照して、以下に説明する。

    図7と図8に示すように、イオン発生ユニット100は、一面が開口した箱状のケース40、ケース40に収容される一面が開口した箱状の本体ベース30、本体ベース30の上面(前面)に取り付けられる吸込グリル20、吸込グリル20の上面(前面)に取り付けられる空気案内板としての前面パネル10などを備えている。

    イオン発生ユニット100の前面パネル10には、中央部に空気吸込口15が設けられている。 空気吸込口15と同一面上であって、空気吸込口15を囲むように、空気吹出口11、12、13、14が設けられている。 ここで、同一面とは、本実施の形態で例示するように、空気吸込口と空気吹出口とが同一平面にある場合のみならず、同一の屈曲面にある場合(たとえば、空気吸込口の開口面の法線方向と空気吹出口の開口面の法線方向とが鋭をなすように互いに傾いて設けられているような場合)、互いに平行な平面にある場合(たとえば、空気吸込口の開口面と空気吹出口の開口面とが段差を有して設けられている場合)などを含むものとする。 空気吹出口11〜14は、空気吸込口15を囲んで長方形の略四隅に配置されている。 また、空気吸込口15の裏面には、略同寸法のフィルタ(図示せず)を取り付けることができる。 これにより、空気中の塵を除去することができる。

    図8に示すように、吸込グリル20の前面(上面)には、空気吸込口15に対応する位置に略同寸法の吸込孔25が設けられている。 空気吹出口11〜14のそれぞれに対応する位置に略同寸法の吹出孔21、22、23、24が設けられている。

    また、図8と図9に示すように、本体ベース30には、イオン発生素子31、32、羽根を備えたファン33、イオン発生ユニット100を制御する制御部35、LEDを備える表示部36などが取り付けられている。

    図9に示すように、本体ベース30は、中央部にファン33が取り付けられるように構成されている。 本体ベース30の底面であって、ファン33が取り付けられる箇所には、外側から内側に向かって円形状に絞り込んだ椀状の絞り部37が形成されている。 ファン33が動作することにより、空気吸込口15から吸い込まれた空気の流れが本体ベース30の底面に当たる際に、絞り部37により、吸い込まれた空気を本体ベース30の底面に沿ってスムーズに流れやすくすることができ、空気流の乱れを生じさせることなく、吸い込まれた空気を空気吹出口11〜14へ導くことができる。

    本体ベース30の対向する1組の側壁同士は、前面(上面)に向かって拡がるように傾斜するように形成されている。 それぞれの側壁にイオン発生素子31、32が取り付けられている。 イオン発生素子31、32は、先端に係止部が形成された固定板34により側壁に押圧されて取り付けられる。 なお、イオン発生素子31、32は、固定板34により着脱可能に取り付けられるようになっている。

    イオン発生素子31は矩形状の板状体である。 イオン発生素子31の一方の端部近傍には、マイナスイオンを発生させる電極部としての電極針31a、31bが適度の長さで離隔して設けられている。 イオン発生素子31の他方の端部近傍には、プラスイオンを発生させる電極部としての電極針31c、31dが適度の長さで離隔して設けられている。 イオン発生素子31を取り付けた状態で、吹出孔21および空気吹出口11の近傍には、マイナスイオンを発生するイオン発生電極部が配置されている。 マイナスイオンを含む空気が吹出孔21および空気吹出口11から吹き出される。 また、イオン発生素子31を取り付けた状態で、吹出孔24および空気吹出口14の近傍には、プラスイオンを発生するイオン発生電極部が配置されている。 プラスイオンを含む空気が吹出孔24および空気吹出口14から吹き出される。

    イオン発生素子32は、イオン発生素子31と同様の構成を有する。 イオン発生素子32を取り付けた状態で、吹出孔22および空気吹出口12の近傍には、プラスイオンを発生するイオン発生電極部が配置されている。 プラスイオンを含む空気が吹出孔22および空気吹出口12から吹き出される。 また、イオン発生素子32を取り付けた状態で、吹出孔23および空気吹出口13の近傍には、マイナスイオンを発生するイオン発生電極部が配置されている。 マイナスイオンを含む空気が吹出孔23および空気吹出口13から吹き出される。

    イオン発生素子31、32は、空気中の水蒸気をプラズマ放電によりイオン化することにより、プラスイオンとしてのH + (H 2 O) n (nは任意の自然数)と、マイナスイオンとしてのO 2 - (H 2 O) m (mは任意の自然数)とを発生する。 そして、これらが化学反応することにより、活性種である過酸化水素(H 22 )および/または水酸基ラジカル(OH)が生成され、空気中の浮遊細菌、浮遊ウィルス等が除去される。

    以上のように構成されているので、それぞれの空気吹出口11〜14は、独立にプラスイオンを含む空気、あるいはマイナスイオンを含む空気を吹き出すことができ、イオン発生ユニット100から吹き出した空気中のプラスイオンとマイナスイオンとが直ちに中和することを防止できる。 そして、イオンの中和を防止することにより、イオンの拡散性を向上させることができる。

    また、表示部36は、イオン発生ユニットの動作状態(たとえば、運転または停止の別、発生するイオン濃度の高低など)をLEDの点灯状態で示す。 また、制御部35は、イオン発生ユニット100の全体の動作を制御するマイクロコンピュータ、イオン発生素子31、32とファン33に供給する所定の電圧を発生する電源回路、前面パネル10の着脱を検出するためのマイクロスイッチ351などを備えている。

    図10に示すように、前面パネル10の裏面側に立てて設けられた突起棒16がマイクロスイッチ351を押すことにより、マイクロスイッチ351はオンとなり、前面パネル10が装着されていることを検出する。 一方、前面パネル10が外れた場合、突起棒16がマイクロスイッチ351から離れ、マイクロスイッチ351がオフして前面パネル10が離脱したことを検出する。 前面パネル10が離脱した場合、マイクロスイッチ351がオフしてイオン発生ユニット100の動作は停止または運転できない状態になる。

    図10に示すように、吸込グリル20の裏面側(後面側)には、吸込孔25を挟むようにして本体ベース30の深さ寸法より短い寸法の深さ(高さ)を有する吹出方向設定部材としての通気壁201、201を対向するように設けられている。 すなわち、本体ベース30に吸込グリル20を取り付けた状態で、本体ベース30の底面内側と通気壁201との間には、ファン33で吸い込まれた空気が流れるのに必要な十分な隙間が設けられている。

    通気壁201の吹出孔21〜24側の側壁は、深さ(高さ)方向に沿ってテーパー状になった吹出方向設定部材としての傾斜面(内壁)201aを有する。 また、通気壁201の中央部には、吹出方向設定部材としての通気板202が吹出孔22、23に挟まれるように設けられている。 通気板202は、通気壁201と略同寸法の深さ(高さ)を有する。 通気板202の吹出孔22、23側の側面は、深さ(高さ)方向に沿ってテーパー状になった吹出方向設定部材としての傾斜面(内壁)202a、202bを有する。 なお、吹出孔21、24側の通気板202も同様の構成を有する。

    本体ベース30に吸込グリル20を取り付けた状態で、通気壁201と通気板202は、本体ベース30の内壁(底面内側、側面内側等)とともに、空気吸込口15と空気吹出口11〜14とを連通する通気路R(図15)を形成する。 そして、通気路Rには、ファン33の羽根の回転軸が空気吸込口15および空気吹出口11〜14の面と直交するようにファン33が取り付けられている。

    また、図10と図13に示すように、吹出孔22の裏側には、空気の吹き出し方向を設定するための吹出方向設定部材としての整流板204、204が傾斜面202aと略平行に適度な長さで離隔して設けられている。 吹出孔24の裏側にも、同様に空気の吹き出し方向を設定するための整流板204、204が傾斜面202aと略平行に適度な長さで離隔して設けられている。

    図14はイオン発生ユニット100の長手方向から見た状態を示し、図15はイオン発生ユニット100の短手方向から見た状態を示す。 図14に示すように、ファン33を動作させることにより、空気吸込口15から空気が吸い込まれる。 吸い込まれた空気は、ファン33を介して通気路Rを通り、空気吹出口13、14(空気吹出口11、12は図14では図示せず)から吹出される。 なお、図14において矢印は空気の流れを示す。 空気吹出口13から吹き出される際に、イオン発生素子32のマイナスイオン発生電極部で発生したマイナスイオンが空気に含まれ、マイナスイオンを含む空気が吹き出される。 また、空気吹出口14から吹き出される際に、イオン発生素子31のプラスイオン発生電極部で発生したプラスイオンが空気に含まれ、プラスイオンを含む空気が吹き出される。

    また、通気路Rの内壁である傾斜面201aにより、空気吹出口13、14から吹き出される空気は、傾斜面201aに沿った方向(傾斜面201aと平行な方向)へ拡散する。 なお、傾斜面201aと空気吹出口13、14の面とのなす角度は、たとえば、45度程度が好ましいが、これに限定されるものではなく、30度〜60度程度でもよい。

    また、図15に示すように、ファン33を動作させることにより、空気吸込口15から空気が吸い込まれる。 吸い込まれた空気は、ファン33を介して通気路Rを通り、空気吹出口12、13(空気吹出口11、14は図15では図示せず)から吹出される。 なお、図15において矢印は空気の流れを示す。 空気吹出口12から吹き出される際に、イオン発生素子32のプラスイオン発生電極部で発生したプラスイオンが空気に含まれ、プラスイオンを含む空気が吹き出される。

    また、通気路Rの内壁である傾斜面202a、202bにより、空気吹出口12、13から吹き出される空気は、それぞれ傾斜面202a、202bに沿った方向(傾斜面202a、202bと平行な方向)へ拡散する。 なお、傾斜面202a、202bと空気吹出口12、13の面とのなす角度は、たとえば、45度程度が好ましいが、これに限定されるものではなく、30度〜60度程度でもよい。 なお、図14と図15では、整流板204を省略している。

    図16と図17に示すように、前面パネル10の空気吹出口11は、複数の吹出方向設定部材としての仕切板111を開口部112内に並べて配置することにより、スリット状に形成されている。 これにより、空気吹出口11は、空気案内板としての機能を有する。 また、図17に示すように、仕切板111は、空気吹出口11の吹出方向に沿って傾斜するように形成されている。 傾斜した仕切板111により、図17の矢印に示すように、空気の吹出方向を設定することができる。 たとえば、空気吹出口11が設けられた面に対して仕切板111を直角に設けるのではなく、当該面に対して所定の傾斜角(たとえば、45度等)で傾斜させることによって、イオンを含む空気の吹出方向を仕切板111の傾きに応じて空気吹出口11から斜めにすることができる。 これにより、イオンの拡散性をさらに高めることができる。 他の空気吹出口12〜14も同様の構成を有する。

    図18において、矢印は、空気吹出口11〜14からの空気の吹き出し方向を示す。 空気吹出口11については、通気壁201の内壁としての傾斜面201a、通気板202の傾斜面202b、および、空気吹出口11に設けられた仕切板の傾きにより、イオン発生ユニット100の長手方向外側(図18にて左方向)に向かってマイナスイオンを含む空気が拡散される。

    空気吹出口12については、通気壁201の内壁としての傾斜面201a、通気板202の傾斜面202a、整流板204、204、および、空気吹出口12に設けられた仕切板の傾きにより、イオン発生ユニット100の短手方向外側(図18にて上方向)に向かってプラスイオンを含む空気が拡散される。

    空気吹出口13については、通気壁201の内壁としての傾斜面201a、通気板202の傾斜面202b、および、空気吹出口13に設けられた仕切板の傾きにより、イオン発生ユニット100の長手方向外側(図18にて右方向)に向かってマイナスイオンを含む空気が拡散される。

    空気吹出口14については、通気壁201の内壁としての傾斜面201a、通気板202の傾斜面202a、整流板204、204、および、空気吹出口14に設けられた仕切板の傾きにより、イオン発生ユニット100の短手方向外側(図18にて下方向)に向かってプラスイオンを含む空気が拡散される。

    このように、イオン発生ユニット100には、空気吹出口11〜14が、空気吸込口15と同一平面に、かつ、空気吸込口15の周りに複数設けられている。 これにより、中央部に配置された空気吸込口15から吸い込まれた空気は、イオン発生ユニット100の内部でイオンを含む空気となって、空気吸込口15の周りに設けられた複数の空気吹出口11〜14より吹き出されるので、イオンの拡散性を向上させることができる。 特に、イオン発生ユニット100を、室内の天井または壁、あるいは、車両1000(図1)の内側上壁面に取り付けた場合であっても、複数の空気吹出口11〜14が設けられているので、イオンを室内あるいは車両1000内に効率的に拡散することができる。

    また、空気吹出口11〜14が空気吸込口15と同一平面に設けられているので、たとえば、イオン発生ユニット100を天井または壁、あるいは、車両1000(図1)の内側上壁面に設置する場合に、空気吹出口11〜14および空気吸込口15を天井面または壁面と同一面にすることができ、イオン発生ユニットが天井面または壁面から飛び出した状態で設置しなければならないという制約を排除することができ、見た目も良くなる。

    また、図18に示すように、各空気吹出口11〜14から吹き出された空気の同一平面に沿った吹出方向をそれぞれ均等に異なる方向へ設定することができる。 図18の例では、一例として、空気吹出口11〜14を長方形の各四隅の位置に配置し、各空気吹出口11〜14から吹き出す空気の方向を隣接する空気吹出口からの吹出方向と略直角をなすようにする。 これにより、イオン発生ユニット100の空気吹出口11〜14の取り付け面から四方に均等にイオンを拡散することができる。

    また、イオン発生ユニット100には、ファン33が通気路の内側に設けられている。 ファン33は、空気吹出口11〜14および空気吸込口15の面と直交する軸の周りに回転する羽根を有する。 ファン33を作動させることにより、空気吸込口15から吸い込まれた空気は、通気路Rを通って空気吹出口11〜14から吹き出される。 そして、羽根の回転方向(図18で示される矢印(実線)の方向)と一致するように、各空気吹出口11〜14からの吹出方向(図18に示される矢印(白抜き)の方向)が設定されている。 たとえば、図18に示すように、ファン33の回転方向が反時計回りである場合、各空気吹出口11〜14からの吹出方向が反時計回りになるように吹出方向を設定する。 これにより、ファン33の回転により生じる渦状の空気の流れに逆らうことなく、イオンを含む空気を吹き出すことができ、イオンの拡散性を向上させることができる。

    (イオン濃度分布のシミュレーション結果)

    図7〜図18に示されるイオン発生ユニット100を、図2と図3に示されるように車両1000に取り付けた場合(第1の実施の形態)と、図4と図5に示されるように車両1000に取り付けた場合(第2の実施の形態)について、イオン発生ユニット100から吹き出されるイオンによって作り出されるイオン濃度分布についてシミュレーションを行った。 第1の実施の形態によるシミュレーション結果を図19に示し、第2の実施の形態によるシミュレーション結果を図20に示す。 図19と図20は、一つの車両内において車両の床面から高さ1.2m(座席に座った人の呼吸高さ)の平面を示す。

    なお、空調用空気吹き出し口500から吹き出される気流(図3と図5に示されるAの矢印)の速度の高低差を2.25m/sと設定した。 図19と図20に示すように、一つの車両内に6台のイオン発生ユニット100を設置した。 各イオン発生ユニット100から吹き出されるイオン量を200万個/cm 3と設定した。 プラスイオンとマイナスイオンの両方を含む空気が、各イオン発生ユニット100の空気吹出口11〜14のそれぞれから吹き出されるものとした。

    図19と図20において、Hの領域(ハッチングが密の領域)はイオン濃度が20000個/cm 3以上である領域を示し、Mの領域(ハッチングが疎の領域)はイオン濃度が15000個/cm 3以上である領域を示し、Lの領域(ハッチングなし)はイオン濃度が15000個/cm 3未満である領域を示す。

    図19に示すように、車両1000内の比較的狭い範囲で高濃度のイオンが存在する領域(イオン濃度が20000個/cm 3以上である領域H)を形成することができる。 これにより、車両1000内にイオン濃度の高低差を比較的狭い範囲で作り出すことができる。 その結果、高濃度のイオンによる殺菌作用を狭い範囲で効果的に発揮させることができる。

    これに対して、図20に示すように、車両1000内の比較的広い範囲で高濃度のイオンが存在する領域(イオン濃度が20000個/cm 3以上である領域H)を形成することができる。 これにより、車両1000内にイオン濃度の高低差を比較的広い範囲で作り出すことができる。 その結果、高濃度のイオンによる殺菌作用を広い範囲でより効果的に発揮させることができる。

    (第3の実施の形態)

    車両1000の第3の実施の形態は、図21と図22に示される。 この実施形態では、第1の実施形態と異なり、図21に示すように、2つのイオン発生装置100が、空調用空気吹き出し口500、すなわち、二列に配置された複数のスリット状の穴群を間に挟んで、車両1000の長さ方向とやや斜めに交差する方向に、対向するように配置されている。 また、複数のイオン発生装置100が、車両1000の長さ方向に間隔をあけて並んで配置されている。 全てのイオン発生装置100は座席700の真上に位置づけられるように配置されている。 車両1000の第3の実施の形態における他の構成は、第1の実施の形態と同様である。 なお、第3の実施の形態における空調用空気吹き出し口500の形態についても、第1と第2の実施の形態と同様にして、図6に示される形態が採用される。

    このように複数のイオン発生装置100を配置することにより、車両1000内の比較的広い範囲で高濃度のイオンが存在する領域を形成することができる。 これにより、車両1000内にイオン濃度の高低差を比較的広い範囲で作り出すことができる。 その結果、高濃度のイオンによる殺菌作用を、第1の実施の形態に比べて、広い範囲でより効果的に発揮させることができる。

    なお、車両1000の第3の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。

    (イオン濃度分布のシミュレーション結果)

    図7〜図18に示されるイオン発生ユニット100を、図21と図22に示されるように車両1000に取り付けた場合(第3の実施の形態)について、イオン発生ユニット100から吹き出されるイオンによって作り出されるイオン濃度分布についてシミュレーションを行った。 第3の実施の形態によるシミュレーション結果を図23に示す。 図23は、一つの車両内において車両の床面から高さ1.2m(座席に座った人の呼吸高さ)の平面を示す。

    なお、空調用空気吹き出し口500から吹き出される気流(図22に示されるAの矢印)の速度の高低差を2.25m/sと設定した。 図23に示すように、一つの車両内に6台のイオン発生ユニット100を設置した。 各イオン発生ユニット100から吹き出されるイオン量を200万個/cm 3と設定した。 プラスイオンとマイナスイオンの両方を含む空気が、各イオン発生ユニット100の空気吹出口11〜14のそれぞれから吹き出されるものとした。

    図23において、Hの領域(ハッチングが密の領域)はイオン濃度が20000個/cm 3以上である領域を示し、Mの領域(ハッチングが疎の領域)はイオン濃度が15000個/cm 3以上である領域を示し、Lの領域(ハッチングなし)はイオン濃度が15000個/cm 3未満である領域を示す。

    図19に示される第1の実施の形態の車両におけるイオン濃度分布のシミュレーション結果に比べて、図23に示すように、車両1000内の比較的広い範囲で高濃度のイオンが存在する領域(イオン濃度が20000個/cm 3以上である領域H)を形成することができる。 これにより、車両1000内にイオン濃度の高低差を比較的広い範囲で作り出すことができる。 その結果、高濃度のイオンによる殺菌作用を車内の比較的広い範囲で効果的に発揮させることができる。

    今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。 本発明の範囲は以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものであることが意図される。

    100:イオン発生装置(イオン発生ユニット)、500:空調用空気吹き出し口、1000:車両。

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