ドア装置及びドア装置を備える車両

申请号 JP2017044310 申请日 2017-03-08 公开(公告)号 JP2018145751A 公开(公告)日 2018-09-20
申请人 ナブテスコ株式会社; 发明人 榊 源太; 秋山 仁;
摘要 【課題】ドアの開放時に開口を広げることが可能なドア装置を提供する。 【解決手段】開口130を画成する開口枠30と、開口枠30に接する第1ドア 位置 と開口枠30から離間する第2ドア位置との間で動作するドア20と、を備える。開口枠30の少なくとも一部からなる可動受け部34は、ドア20が第2ドア位置にあるときの開口130が、ドア20が第1ドア位置にあるときの開口130に比べて、大きくなるように動作する。 【選択図】図1
权利要求

開口を画成する開口枠と、 前記開口枠に接する第1ドア位置と前記開口枠から離間する第2ドア位置との間で動作するドアと、を備え、 前記開口枠の少なくとも一部からなる可動受け部は、前記ドアが第2ドア位置にあるときの前記開口が、前記ドアが第1ドア位置にあるときの前記開口に比べて、大きくなるように動作する、ドア装置。前記可動受け部は、前記第2ドア位置にある前記ドアが前記第1ドア位置に移動するとき、前記開口を狭めるように動作する、請求項1に記載のドア装置。前記可動受け部は、前記ドアの前記第1ドア位置と前記第2ドア位置との間の動作にともなって動作する、請求項1または2に記載のドア装置。前記ドアを前記第1ドア位置及び前記第2ドア位置の間で動作させるプラグ動作部と、 前記プラグ動作部または前記ドアのうちどちらか一方と前記開口枠の前記可動受け部との間に設けられ、前記プラグ動作部または前記ドアのうちどちらか一方の動作を前記可動受け部に伝達する伝達手段と、をさらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のドア装置。前記開口枠の前記可動受け部は、前記ドアが前記第1ドア位置から前記第2ドア位置に移動する場合、前記ドアが前記第1ドア位置から動作を開始して一定距離を移動した後に、動作を開始する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のドア装置。前記開口枠の前記可動受け部は、前記ドアが前記第1ドア位置から前記第2ドア位置に移動する場合、前記ドアが前記第2ドア位置に到達する前に、動作を終了する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のドア装置。前記開口枠の前記可動受け部は、前記ドアが前記第2ドア位置から前記第1ドア位置に移動する場合、前記ドアが前記第1ドア位置に到達する前に、動作を終了する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のドア装置。前記可動受け部は、前記ドアの前記第1ドア位置と前記第2ドア位置との間の移動方向と非平行な軸線を中心として回動可能である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のドア装置。前記可動受け部は、前記開口枠の延びる方向に沿った軸線を中心として回転可能である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のドア装置。前記開口枠は、前記第1ドア位置にある前記ドアと接触するようになる受け面を形成するドア受け板部と、前記ドア受け板部に接続した支持部と、を有し、 前記可動受け部は、前記ドア受け板部の一部分をなし、前記支持部から起立した第1受け部位置と、倒伏した第2受け部位置と、の間を動作可能である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のドア装置。前記ドア受け板部は、前記ドアの前記第1ドア位置と前記第2ドア位置との間での動作中に静止した状態に維持される静止受け部をさらに有し、 前記ドアが前記第1ドア位置にある場合、前記開口枠の延びる方向に沿った前記静止受け部の端部と、前記延びる方向に沿った前記可動受け部の端部は、前記ドアの前記第1ドア位置と前記第2ドア位置との間での動作時の移動方向に正対する、請求項10に記載のドア装置。前記静止受け部の端部と前記可動受け部の端部との間にシール部材が設けられている、請求項11に記載のドア装置。前記第1受け部位置にある前記可動受け部は、前記開口枠の延びる方向に沿った領域において、前記支持部と密着する、請求項10〜12のいずれか一項に記載のドア装置。車両に用いられる、請求項1〜13のいずれか一項に記載のドア装置。車両本体と、 前記車両本体に取り付けられた、請求項1〜13のいずれか一項に記載のドア装置と、を備える車両。

说明书全文

本発明は、ドア装置及びドア装置を備える車両に関する。

従来から、鉄道車両等の車体の開口に取り付けられたプラグドア装置が知られている。プラグドア装置は、ドアを開閉する際に、ドアを車体の幅方向に移動させる。

特開2002−180731号公報

上述のようなプラグドア装置を用いた場合、車体内部の気密性を高めるために、車体の開口の周縁領域であってドアと正対する領域に、シール面を設ける必要がある。この場合、シール面が設けられる領域の分だけ開口が狭くなってしまって、開口を通した人の通行や物の移動が阻害されていた。

本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、ドアの開放時に開口を広げることが可能なドア装置を提供することを目的とする。

本発明によるドア装置は、 開口を画成する開口枠と、 前記開口枠に接する第1ドア位置と前記開口枠から離間する第2ドア位置との間で動作するドアと、を備え、 前記開口枠の少なくとも一部からなる可動受け部は、前記ドアが第2ドア位置にあるときの前記開口が、前記ドアが第1ドア位置にあるときの前記開口に比べて、大きくなるように動作する。

この場合、前記可動受け部は、前記第2ドア位置にある前記ドアが前記第1ドア位置に移動するとき、前記開口を狭めるように動作してもよい。

また、前記可動受け部は、前記ドアの前記第1ドア位置と前記第2ドア位置との間の動作にともなって動作してもよい。

本発明によるドア装置は、前記ドアを前記第1ドア位置及び前記第2ドア位置の間で動作させるプラグ動作部と、前記プラグ動作部または前記ドアのうちどちらか一方と前記開口枠の前記可動受け部との間に設けられ、前記プラグ動作部または前記ドアのうちどちらか一方の動作を前記可動受け部に伝達する伝達手段と、をさらに備えてもよい。

本発明によるドア装置において、前記開口枠の前記可動受け部は、前記ドアが前記第1ドア位置から前記第2ドア位置に移動する場合、前記ドアが前記第1ドア位置から動作を開始して一定距離を移動した後に、動作を開始してもよい。

本発明によるドア装置において、前記開口枠の前記可動受け部は、前記ドアが前記第1ドア位置から前記第2ドア位置に移動する場合、前記ドアが前記第2ドア位置に到達する前に、動作を終了してもよい。

本発明によるドア装置において、前記開口枠の前記可動受け部は、前記ドアが前記第2ドア位置から前記第1ドア位置に移動する場合、前記ドアが前記第1ドア位置に到達する前に、動作を終了してもよい。

本発明によるドア装置において、前記可動受け部は、前記ドアの前記第1ドア位置と前記第2ドア位置との間の移動方向と非平行な軸線を中心として回動可能であってもよい。

本発明によるドア装置において、前記可動受け部は、前記開口枠の延びる方向に沿った軸線を中心として回転可能であってもよい。

本発明によるドア装置において、前記開口枠は、前記第1ドア位置にある前記ドアと接触するようになる受け面を形成するドア受け板部と、前記ドア受け板部に接続した支持部と、を有し、前記可動受け部は、前記ドア受け板部の一部分をなし、前記支持部から起立した第1受け部位置と、倒伏した第2受け部位置と、の間を動作可能であってもよい。

この場合、前記ドア受け板部は、前記ドアの前記第1ドア位置と前記第2ドア位置との間での動作中に静止した状態に維持される静止受け部をさらに有し、前記ドアが前記第1ドア位置にある場合、前記開口枠の延びる方向に沿った前記静止受け部の端部と、前記延びる方向に沿った前記可動受け部の端部は、前記ドアの前記第1ドア位置と前記第2ドア位置との間での動作時の移動方向に正対してもよい。

この場合、前記静止受け部の端部と前記可動受け部の端部との間にシール部材が設けられていてもよい。

本発明によるドア装置において、前記第1受け部位置にある前記可動受け部は、前記開口枠の延びる方向に沿った領域において、前記支持部と密着してもよい。

本発明によるドア装置は、車両に用いられてもよい。

本発明による車両は、 車両本体と、 前記車両本体に取り付けられた上述のドア装置と、を備える。

本発明によれば、ドアの開放時に開口を広げることが可能である。このため、ドアが閉鎖された際には開口の周縁にドアと接触する領域を確保して車両本体を気密にすることができる一方、ドアが開放された際には開口を広げて開口を通した人の通行や物の移動を促進させることができる。

本発明の一実施の形態を説明する図であって、ドア装置を示す正面図。

図1に示すドアが第1ドア位置にあるドア装置を示す側面図。

ドアが第2ドア位置にあるドア装置を示す側面図。

図1に示すドア装置の平面側の斜視図。

可動受け部が第1受け部位置にある場合の開口枠を示す斜視図。

可動受け部が第2受け部位置にある場合の開口枠を示す斜視図。

開口枠の静止部と可動受け部との接続部分を示す拡大斜視図。

第1受け部位置にある可動受け部を示す側面図。

第1受け部位置と第2受け部位置との間にある可動受け部を示す側面図。

第2受け部位置にある可動受け部を示す側面図。

ドア装置の第1の変形例を示す図であって、第1受け部位置にある可動受け部を示す側面図。

第1受け部位置と第2受け部位置との間にある可動受け部を示す側面図。

第2受け部位置にある可動受け部を示す側面図。

ドア装置の第2の変形例を示す図であって、第1受け部位置にある可動受け部を示す側面図。

第1受け部位置と第2受け部位置との間にある可動受け部を示す側面図。

図8Bに示す位置と第2受け部位置との間にある可動受け部を示す側面図。

第2受け部位置にある可動受け部を示す側面図。

ドア装置の第3の変形例を示す図であって、第1受け部位置にある可動受け部を示す側面図。

第1受け部位置と第2受け部位置との間にある可動受け部を示す側面図。

第2受け部位置にある可動受け部を示す側面図。

ドア装置の第4の変形例を示す図であって、可動受け部を回転させる回転駆動部を示す斜視図。

以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態によるドア装置の平面図である。図2A及び図2Bは、図1のドア装置が取り付けられた車両本体を有する鉄道車両の側面図である。

図1に示すように、鉄道車両100は、車両本体110と、車両本体110に取り付けられたドア装置10と、を有する。本実施の形態のドア装置10は、ドア20を車両本体110の幅方向(以下、「車幅方向」)ZA(図2A参照)に動かし得る、いわゆるプラグドア装置である。具体的には、本実施の形態のドア装置10は、ドア20を、図2Aに示す第1ドア位置(図2A参照)と、図2Bに示す第2ドア位置と、の間で動作させるようになっている。本実施の形態のドア装置10は、さらに、ドア20を、図2Bに示す第2ドア位置から車両本体110の前後方向ZB(以下、「前後方向」)ZBに動作させるようになっている。

また、図1及び図2Aに示すように、ドア装置10の下方には、鉄道車両100の乗員が乗車/降車をする際、車両本体110とプラットホーム(不図示)との間に架け渡されて乗車/降車を補助する乗降補助踏板120が収容されている。乗降補助踏板120は、図2Bに示すように、ドア20が開放されるとき車両本体110内からプラットホームに向けて引き出され、ドア20が閉鎖されるとき車両本体110内に引き込まれるようになっている。

以下、図1乃至4を参照して、本実施の形態のドア装置について詳細に説明する。

図1乃至図4に示す例において、ドア装置10は、ドア20と、車両本体110に固定された周状の開口枠30と、開口枠30によって画成される開口130の上部において車両本体110に固定されている固定ベース41と、ドア20を車幅方向ZAに動作させるプラグ動作部45と、ドア20を前後方向ZBに動作させる前後動作部47と、プラグ動作部45及び前後動作部47を駆動する駆動源としてのドア駆動装置44と、を有している。プラグ動作部45は、固定ベース41に対して車幅方向ZAにスライド可能である上部スライド部材43と、上部スライド部材43を車幅方向ZAにスライド可能に支持する一対のレール42と、上部スライド部材43を車幅方向ZAに動作させる上部プラグ動作部46と、上部スライド部材43の動作をドア20の下部に伝達する下部プラグ動作部60と、を有している。プラグ動作部45は、ドア20を、開口枠30と接する第1ドア位置(図2A参照)と、開口枠30から離間する第2ドア位置(図2B参照)と、の間で動作(以下、「プラグ動作」)させる。

とりわけここで説明するドア装置10では、開口枠30の少なくとも一部からなる可動受け部34が、第1ドア位置にあるドア20が開放される場合に、開口枠30によって画成される開口130を広げるように動作する、といった工夫がなされている。これにより、出入口115を大きく確保することができ、ドア装置10を介した出入りを容易に行うことができる。以下、ドア装置10を鉄道車両100に適用した例について説明していくが、この適用例に限られることなく、種々の用途に用いられるドア装置10、例えば気密性を確保することが要求された工場のドア(冷凍工場の出入口をなすドア)等に広く適用することができる。そして、種々の適用において、ドア装置10を介した出入りを容易に行うことができるといった利点も享受することができる。

図2Aおよび図2Bから理解されるように、本実施の形態のドア装置10は、いわゆる外プラグ方式のドア装置である。したがって、ドア20が開口枠30と接する第1ドア位置から開口枠30から離間する第2ドア位置へ移動する際、ドア20は、車両本体110の内側から外側に向かう方向に移動する。一方、ドア20が第2ドア位置から第1ドア位置へ移動する際、ドア20は、車両本体110の外側から内側に向かう方向に移動する。

図1に示すように、固定ベース41は、開口130の上部において、開口130の上縁に沿って延びている。固定ベース41の底面には、その車両本体110の前後方向ZBにおける両端に、一対のレール42が固定されている。一対のレール42は、車幅方向ZAに延びている。このような一対のレール42に支持された上部スライド部材43と固定ベース41との間には、車両本体110の高さ方向(以下、「高さ方向」)ZCにおいて隙間が設けられている。

図3に示すように、固定ベース41には、ドア20の動きを規制するためのドアガイド孔48が設けられている。ドアガイド孔48は、全体としてL字型であり、車幅方向ZAに延びる幅方向部分48aと、前後方向ZBに延びる前後方向部分48bと、を有している。後述するように、このようなドアガイド孔48によって、ドア20の動作が車幅方向ZAまたは前後方向ZBに規制されるようになっている。

図2A及び図2Bから理解されるように、ドア20は、乗降補助踏板120の引出/引込動作を妨げることのないよう、開口130の寸法に対応した寸法を有している。ドア20は、車両本体110の内側を向く内側面20aと外側を向く外側面20bとを有している。ドア20の内側面20aには、ドア20の縁部21に沿ってシール部材51が周状に設けられている。

図3に示すように、ドア20の上部には、車幅方向ZAに延びるドア連結部材22が固定されている。ドア連結部材22は、上部スライド部材43と固定ベース41との間の隙間に挿入されている。このようにして、ドア20は、上部スライド部材43と固定ベース41との間から吊り下げられている。

ドア連結部材のドア20の側とは反対の側の端部には、高さ方向ZCに延びる軸部材22aが設けられている。軸部材22aは、固定ベース41に設けられたドアガイド孔48内に配置されている。これにより、ドア20の動作が車幅方向ZAまたは前後方向ZBに規制される。

ドア駆動装置44は、上部スライド部材43の底面に設けられており、モータ(不図示)と、モータの駆動をプラグ動作部45及び前後動作部47に伝達する遊星歯車機構(不図示)とを含む。ドア駆動装置44は、ドア連結部材22の軸部材22aがドアガイド孔48の幅方向部分48aにある間、駆動力をプラグ動作部45に分配し、ドア連結部材22の軸部材22aがドアガイド孔48の前後方向部分48bにある間、前後動作部47に分配するようになっている。このようなドア駆動装置44によってプラグ動作部45が駆動されることにより、ドア20は、図2Aに示す第1ドア位置と、図2Bに示す第2ドア位置と、の間で、車幅方向ZAにプラグ動作することができるようになっている。また、このようなドア駆動装置44によって前後動作部47が駆動されることにより、ドア20は、第2ドア位置にあるドア20を前後方向ZBに移動させて、開口枠30によって画成される開口130を、したがって出入口115(鉄道車両100に適用した本例では乗降口に相当)を露出させる。

プラグ動作部45の上部プラグ動作部46は、ドア駆動装置44によって駆動されることにより、上部スライド部材43を車幅方向ZAに動作させる。上部プラグ動作部46は、上部スライド部材43に回転可能に固定された回転部46aと、固定ベース41の底面に固定された車幅方向ZAに延びるラック46bと、を有している。回転部46aは、ドア駆動装置44によって回転される。ラック46bは、回転部46aに設けられたピニオンと噛み合っている。したがって、回転部46aが回転するにつれて、上部スライド部材43は車幅方向ZAに移動するようになっている。

プラグ動作部45の下部プラグ動作部60は、上部スライド部材43の動きをドア20の下部に伝達する。下部プラグ動作部60は、上部スライド部材43から高さ方向ZCにドア20の下部領域まで延びるシャフト61と、ドア20の下部領域に設けられた下部スライド部材63と、下部スライド部材63のドア20側の端部に設けられたローラ63aと、ドア20に車両本体110の前後方向ZBに沿って設けられたローラ用レール20cと、を有している。

シャフト61は、車両本体110の壁面111に回動可能に保持されている。シャフト61の一方の端部には第1ピニオン61aが固定されており、他方の端部には第2ピニオン61bが固定されている。

第1ラック62は、上部スライド部材43の側面に、シャフト61の第1ピニオン61aと噛み合うように設けられている。第1ラック62は、上部スライド部材43の移動方向(車幅方向ZA)に沿って延びており、上部スライド部材43の動きにともなって第1ピニオン61aを介してシャフト61を回動させるようになっている。

下部スライド部材63は、車両本体110の壁面111に、シャフト61の第2ピニオン61bに対向するように設けられている。下部スライド部材63は、車幅方向ZAにスライド可能に設けられている。下部スライド部材63は、第2ピニオン61bと噛み合うように設けられた第2ラック65を有している。第2ラック65は、車幅方向ZAに沿って延びており、シャフト61の回動にともなって、すなわち第2ピニオン61bの回動にともなって、下部スライド部材63を車幅方向ZAに移動させるようになっている。

図6A乃至図6Bに示すように、下部スライド部材63のドア20と対向する側の端部には、ローラ63aが設けられている。ローラ63aは、ドア20に前後方向ZBに沿って設けられたローラ用レール20c内に配置されている。ローラ用レール20cはドア20と対向する壁部を有し、ローラ63aは当該壁部とドア20との間に配置される。また、ローラ63aは、ドア20が前後方向ZBに移動する際、ドア20の移動に沿って回動するようになっている。このようなローラ用レール20cとローラ63aとによって、ドア20の揺動が規制され、ドア20を安定して車幅方向ZA及び前後方向ZBに移動させることが可能となっている。

図1に示す前後動作部47は、上部スライド部材43の底面に、前後方向ZBに間隔をあけて設けられた一対のプーリ47aと、一対のプーリに巻きかけられたベルト47bと、ベルト47b及びドア20を連結するドア連結部材47cと、を有している。ベルト47bは、ドア駆動装置44によって、一対のプーリ47aの周りを回転するようになっている。ドア連結部材47cは、ベルト47bが回転することにより前後方向ZBに動き、ドア20を前後方向ZBに動かすようになっている。

開口枠30は、図2Aに示す第1ドア位置にあるドア20と正対する周状のドア受け板部31と、ドア受け板部31に接続した支持部32と、を有する。図4Aに示された例において、支持部32は、周状に延びている。支持部32は、概ね、車幅方向ZAに延びる板状の部材として形成されている。この例において、ドア受け板部31は、支持部32の幅方向ZAにおける外側端から前後方向ZBに延び出た板状の部材となっている。とりわけ図示された例において、ドア受け板部31は、周状の支持部32に沿って周状に延び、且つ、周状の支持部32から内方に延び出している。したがって、周状の開口枠30が画成する開口130の外縁は、図4Aに示された状態において、周状のドア受け板部31によって規定される。

ドア受け板部31は、図4に示すように、ドア20が図2Aに示す第1ドア位置にある場合にドア20に周状に設けられたシール部材51と接触する受け面31aを形成している。受け面31aは、車幅方向ZAにおける外側を向いている。また、図4Aおよび図4Bに示すように、ドア受け板部31は、ドア20のプラグ動作中に静止した状態に維持される静止受け部33と、ドア20のプラグ動作中に動作可能な可動受け部34と、を有する。

図4A及び図4Bでは、出入口115を点線で示している。通常であれば、出入口115は、図4Aで示された開口枠30によって画成される開口130に一致する。しかしながら、出入口115を広げたいとする要望があれば、また受け面31aをなす部分の一部分が出入口115として予定された空間内に入り込んでしまうこともある。一例として図示された例では、乗降補助踏板120を車両本体110の床面と高さを揃えることが好ましく、この場合、ドア受け板部31のうちの下方に位置する部分を、出入口115内に設定する必要が生じる。可動受け部34は、このような場合にとりわけ有用であり、図4Bに示すように、ドア20が図2Bに示す第2ドア位置にある場合、可動受け部34が動作することで、開口130と出入口115とが一致するように開口130を広げること、言い換えると、出入口115内に開口130を画成するドア受け板部31が起立することを回避することができる。その一方で、図4Aに示すように、ドア20が図2Aに示す第1ドア位置にある場合には、可動受け部34が、ドア20で閉鎖された出入口115として予定された空間内に起立して周状の受け面31aを形成する。これにより、ドア20と車両本体110との間の有効な気密を確保することができる。

なお、開口枠30のうちの可動受け部34以外の部分は、車両本体110の壁や天井等の構造物内に隠蔽され、乗客(通行する者)から隠されている。すなわち、図示された例において、開口枠30は、上方部、下方部、一対の側方部を含む四方枠として構成され、下方部のみが、出入口115として予定された空間内に入り込む位置と、出入口115として予定された空間から外れる位置と、の間を動作可能となっている。

図6A乃至図6Cに示すように、可動受け部34は、ドア20のプラグ動作時の移動方向ZAと非平行な軸線LA(図1乃至図6Cに示す例では開口枠30の延びる方向(周方向)ZDに沿った軸線LA)を中心として回動可能である。可動受け部34は、支持部32から起立した第1受け部位置(図6A参照)と倒伏した第2受け部位置(図6C参照)との間を動作することができるようになっている。図6A及び図6Cからも理解されるように、周状の開口枠30によって画成される開口130は、可動受け部34が第2受け部位置にある場合、可動受け部34が第1受け部位置にある場合よりも広くなる。

図1に示す可動受け部34は、ドア20の第1ドア位置と第2ドア位置との間の動作(プラグ動作)にともなって第1受け部位置と第2受け部位置との間を動作するようになっている。具体的には、可動受け部34は、ドア20のプラグ動作中、プラグ動作部45の動作が可動受け部34に伝達されることによって、ドア20が第1ドア位置にある場合に図6Aに示す第1受け部位置に位置し、ドア20が第2ドア位置にある場合に図6Cに示す第2受け部位置に位置するようになっている。プラグ動作部45の動作の伝達は、プラグ動作部45と、開口枠30の可動受け部34と、の間に設けられた伝達手段64によってなされる。なお、伝達手段64は、ドア20と可動受け部34との間に設けられて、ドア20の動作を可動受け部34に伝達するようになっていてもよい。

図5は、開口枠30の静止受け部33及び可動受け部34の接続部分を示す拡大斜視図である。図5に示すように、静止受け部33の端部331及び可動受け部34の端部341は、開口枠30の周方向ZDに沿って延び、周方向ZDに沿った一部分の領域で重複して位置している。図6Aに示すように、可動受け部34が第1受け部位置にある場合、静止受け部33の端部331と可動受け部34の端部341とは、ドア20のプラグ動作時の移動方向ZAに正対するようになっている。第1受け部位置にある可動受け部34の端部341と静止受け部33の端部331とが開口枠30の周方向ZDに沿って密着するよう、静止受け部33の端部331にはシール部材52が設けられている。また、第1受け部位置にある可動受け部34と支持部32とが当該周方向ZDに沿って密着するよう、支持部32のうち、第1受け部位置にある可動受け部34と正対する領域には、当該周方向ZDに沿ってシール部材53が設けられている。このような構成により、可動受け部34の静止受け部33と可動受け部34との間で有効な気密を確保することができ、これにより、ドア20が図2Aに示す第1ドア位置にある場合に、開口枠30とドア20との有効な気密を確保することができる。

次に、図6A乃至図6Cを参照して、本実施の形態の伝達手段64について詳細に説明する。図6A乃至図6Cに示すように、伝達手段64は、プラグ動作部45の下部スライド部材63と可動受け部34の端部との間に設けられている。

図6A乃至図6Cに示すように、伝達手段64は、下部スライド部材63に固定されたプレート66と、可動受け部34の一方の端部に固定され、プレート66と係合するピン67と、を有している。プレート66には、L字状の開口68が設けられている。L字状の開口68は、車幅方向ZAに沿って延びる幅方向開口領域68aと、高さ方向ZCに延びる高さ方向開口領域68bと、を有する。高さ方向開口領域68bは、幅方向開口領域68aのドア20側の端部から上方に向かって延びている。高さ方向開口領域68bの幅Wは、後述するピン67の直径Rよりも大きく、好ましくは直径Rよりも2倍から3倍大きい。

ピン67は、可動受け部34の一方の端部から突出するピン基部69に設けられており、ピン基部69から、プレート66に向かって突出している。プレート66及びピン67は、可動受け部34が図6Aに示す第1受け部位置にある場合に、プレート66の高さ方向開口領域68b内に位置し、可動受け部34が図6Cに示す第2受け部位置にある場合に、幅方向開口領域68a内に位置するように、位置決めされている。

次に、第1の実施の形態のドア装置の作用について説明する。

まず、図2Aに示すように、ドア20が第1ドア位置にある場合、開口枠30の可動受け部34は、図6Aに示すように開口枠30の支持部32から起立した第1受け部位置にある。このとき、可動受け部34のドア20に正対する面342は、開口枠30の静止受け部の受け面31aと面一になる。したがって、開口枠30の受け面31aは、周状になる。

図2A及び図6Aに示すように、ドア20が第1ドア位置にある場合、上述のように周状になった受け面31aとドア20とが、ドア20に周状に設けられたシール部材51を介して密着している。また、開口枠30の周方向ZDに沿った静止受け部33の端部331と、当該周方向ZDに沿った可動受け部34の端部341は、ドア20のプラグ動作時の移動方向ZAに正対している。このため、静止受け部33の端部331と、可動受け部34の端部341と、がシール部材52を介して密着している。また、可動受け部34は、支持部32に開口枠30のシール部材53を介して密着している。このようにして、車両本体110は気密になっている。

図2Aに示す第1ドア位置にあるドア20が開放される場合、ドア駆動装置44によってプラグ動作部45が駆動されて、上部スライド部材43が、レール42に沿って車幅方向ZAに、車両本体110の外側へ向けてスライドする。これにともなって、上部スライド部材43と固定ベース41との間から吊り下げられたドア20は、車幅方向ZAに、図2Bに示す第2ドア位置に向けて移動する。

このとき、上部スライド部材43の動作に連動して、下部スライド部材63も車両本体110の外側へ向けてスライドする。具体的には、上部スライド部材43が車幅方向ZAに車両本体110の外側へスライドする際、上部スライド部材43の側面に設けられた伝達手段64の第1ラック62も、上部スライド部材43と共に移動する。第1ラック62の移動にともなって、伝達手段シャフト61の一方の端部に設けられた第1ピニオン61aが回動し、シャフト61及びシャフト61の他方の端部に設けられた第2ピニオン61bも回動する。

第2ピニオン61bが回動すると、第2ピニオン61bの回動が第2ラック65に伝達され、これにより、下部スライド部材63は、車幅方向ZAに、車両本体110の外側に向けてスライドする。

下部スライド部材63の動作に連動して、伝達手段64が可動受け部34を動作させる。具体的には、下部スライド部材73の移動にともなって、下部スライド部材63に固定されたプレート66は、車両本体110の外側に向けて移動する。ただし、高さ方向開口領域68bの幅Wはピン67の径よりも大きいので、プレート66が移動を開始した直後から一定距離を移動するまでの間、ピン67はプレート66に接触しない。したがって、ドア20のプラグ動作が開始した後の一定期間、可動受け部34は、支持部32から起立した第1受け部位置に保持される。図6Bに示すように、プレート66が所定の位置まで移動すると、プレート66のL字状の開口68の高さ方向開口領域68b内に位置するピン67が、開口68の縁部681に接触して当該縁部681に沿って幅方向開口領域68a内へ移動する。ピン67が移動すると、可動受け部34は、軸線LAを中心として回転し、倒伏した第2受け部位置に向けて動作する。このようにして、開口枠30の一部をなす可動受け部34は、第1ドア位置にあるドア20が開放される場合に、開口枠30によって画成される開口130を広げるように動作する。この結果、図6A及び図6Cから理解されるように、周状の開口枠30によって画成される開口130は、可動受け部34が図4B及び図6Cに示す第2受け部位置にある場合、可動受け部34が図4A及び図6Aに示す第1受け部位置にある場合よりも広くなる。なお、開口枠30の静止受け部33は、ドア20のプラグ動作中も静止した状態に維持される。

ここで、図6A乃至図6Cに示す可動受け部34は、ドア20が第2ドア位置に到達する前に、動作を終了する。したがって、プレート66は、可動受け部34が倒伏した第2受け部位置への移動を終了した後も、ドア20の第2ドア位置への移動にともなって移動する。このとき、プレート66の移動は、ピン67が開口68の幅方向開口領域68a内に配置されていることにより、阻害されない。

ドア20が第2ドア位置まで移動した後、ドア駆動装置44によって前後方向動作部47が駆動されることにより、ドア20が、開口枠30に対して前後方向ZBに移動する。これにより、出入口(乗降口)115が露出する。このとき、可動受け部34が床面上に倒伏しており、出入口115として予定された空間内に起立して入り込んでいない。したがって、開口130を大きく確保することができ、しかも、突出したドア受け板部31が通行の障害となってしまうことを効果的に回避することができる。

一方、図2Bに示す第2ドア位置にあるドア20が閉鎖される場合、ドア駆動装置44によってプラグ動作部46が駆動されることにより、上部スライド部材43がレール42に沿って、車幅方向ZAに、車両本体110の内側へ向けてスライドする。これにともなって、上部スライド部材43と固定ベース41との間から吊り下げられたドア20は、車幅方向ZAに、図2Aに示す第1ドア位置に向けて移動する。

上部スライド部材43が車幅方向ZAにスライドする際、上部スライド部材43の側面に設けられた下部プラグ動作部60の第1ラック62も、上部スライド部材43と共に移動する。第1ラック62の移動にともなって、シャフト61の一方の端部に設けられた第1ピニオン61aが回動し、シャフト61及びシャフト61の他端に設けられた第2ピニオン61bも回動する。

第2ピニオン61bが回動すると、第2ピニオン61bの回動が第2ラック65に伝達され、これにより、下部スライド部材63は、車幅方向ZAに、車両本体110の内側に向けてスライドする。

図6C及び図6Bに示すように、下部スライド部材63の移動にともなって、下部スライド部材63に固定されたプレート66は、車両本体110の内側に向けて移動する。プレート66が所定の位置まで移動すると、図6Bに示すように、プレート66の開口68の幅方向開口領域68a内に位置するピン67が、開口68の高さ方向ZCに延びる縁部681に接触して当該縁部681に沿って高さ方向開口領域68b内へ移動する。ピン67が移動すると、倒伏した可動受け部34は、軸線LAを中心として回転し、起立した第1受け部位置に向けて動作する。このようにして、開口枠30の一部をなす可動受け部34は、第2ドア位置にあるドア20が閉鎖される場合に、開口枠30によって画成される開口130を狭めるように動作する。このとき、開口枠30の静止受け部33の端部331と可動受け部34の端部341とは、ドア20のプラグ動作時の移動方向ZAに正対する。

可動受け部34が図6Aに示す第1受け部位置に移動すると、可動受け部34のドア20と正対する面342は、開口枠30の静止受け部の受け面31aと面一になる。したがって、開口枠30の受け面31aは、周状になる(図4A参照)。図6Aに示すように、ドア20が第1ドア位置に移動することにより、開口枠30の周状になった受け面33aとドア20とが、ドア20に周状に設けられたシール部材51を介して密着する。また、開口枠30の静止受け部33の端部331と、当該端部331に正対する可動受け部34の端部341と、がシール部材52を介して密着する。また、支持部32と、可動受け部34の開口枠30の周方向ZDに沿った領域とが、シール部材53を介して密着する。このようにして、車両本体110は気密になる。

本実施の形態によるドア装置10は、開口130を画成する開口枠30と、開口枠30に接する第1ドア位置と開口枠30から離間する第2ドア位置との間で動作するドア20と、を備える。開口枠30の少なくとも一部からなる可動受け部34は、ドア20が第2ドア位置にあるときの開口130が、ドア20が第1ドア位置にあるときの開口130に比べて、大きくなるように動作する

このようなドア装置10によれば、開口130を画成する開口枠30を動作させて、ドア20の開放時に開口130を広げることが可能である。このため、ドア20が閉鎖された際には、開口130の周縁部にドア20と接触する領域31aを確保して車両本体110を気密にすることができる。その一方、ドア20が開放される際には、開口130を広げて開口130を通した人の通行や物の移動を促進させることができる。

なお、このような作用効果は、車両に用いられるドア装置に限られることなく、種々の用途に適用されるドア装置に対して有用な効果といえる。

また、本実施の形態において、開口枠30の開口130を広げる動作がドア20の開放動作にともなって行われるため、ドア20を開放する際に開口枠30を動作させるための追加の操作を行うことなく、開口130を広げることが可能である。

また、本実施の形態によるドア装置10において、可動受け部34は、第2ドア位置にあるドア20が第1ドア位置に移動するとき、開口130を狭めるように動作する。この結果、ドア20が開放された際に広げられた開口130を、ドア20を閉鎖する際に、開口枠30を動作させるための追加の操作を行うことなく、狭めることが可能である。

また、本実施の形態によるドア装置10において、可動受け部34は、ドア20の第1ドア位置と第2ドア位置との間の動作にともなって動作する。この結果、ドア20を開閉する際に開口枠30を動作させるための追加の操作を行うことなく、開口130を広げること及び狭めることが可能である。

具体的には、本実施の形態によるドア装置10は、ドア20を第1ドア位置及び第2ドア位置の間で動作させるプラグ動作部45と、プラグ動作部45またはドア20のうちどちらか一方と開口枠30の可動受け部34との間に設けられ、プラグ動作部45またはドア20のうちどちらか一方の動作を可動受け部34に伝達する伝達手段64と、をさらに備える。この結果、可動受け部34をドア20のプラグ動作にともなって動作させることができる。

また、本実施の形態によるドア装置10において、開口枠30の可動受け部34は、ドア20が第1ドア位置から第2ドア位置に移動する場合、ドア20が第1ドア位置から動作を開始して一定距離を移動した後に、動作を開始する。この結果、可動受け部34がドア20に衝突してしまうことを、効果的に回避することができる。

また、本実施の形態によるドア装置10において、開口枠30の可動受け部34は、ドア20が第1ドア位置から第2ドア位置に移動する場合、ドア20が第2ドア位置に到達する前に、動作を終了する。この結果、ドア20が第2ドア位置から前後方向に移動されて開口130が露出された際、可動受け部34の動作が終わっておらず開口130を通した人の通行や物の移動が阻害される、ということが防止される。

また、本実施の形態によるドア装置10において、可動受け部34は、ドア20の第1ドア位置と第2ドア位置との間での移動方向ZAと非平行な軸線LAを中心として回動可能である。具体的には、可動受け部34は、開口枠30の延びる方向ZDに沿った軸線LAを中心として回転可能である。これにより、可動受け部34を開口枠30によって画成される開口130を広げるように動作させることが容易である。

また、本実施の形態によるドア装置10において、開口枠30は、第1ドア位置にあるドア20と接触するようになる周状の受け面31aを形成する周状のドア受け板部31と、ドア受け板部31に接続した支持部32と、を有し、可動受け部34は、ドア受け板部31の一部分をなし、支持部32から起立した第1受け部位置と、倒伏した第2受け部位置と、の間を動作可能である。このようなドア装置10によれば、簡易な構成及び簡易な動作により、周状の受け面31aを形成する状態と、開口130を広げる状態とを実現することができる。

また、本実施の形態によるドア装置10において、ドア受け板部31は、ドア20の第1ドア位置と第2ドア位置との間での動作中に静止した状態に維持される静止受け部33をさらに有し、ドア20が第1ドア位置にある場合、開口枠30の延びる方向ZDに沿った静止受け部33の端部331と、延びる方向ZDに沿った可動受け部34の端部341は、ドア20の第1ドア位置と第2ドア位置との間での動作時の移動方向ZAに正対する。このため、静止受け部33の端部331と可動受け部34の端部341との間を気密にすることが容易である。具体的には、本実施の形態によるドア装置10において、静止受け部33の端部331と可動受け部34の端部341との間にシール部材52が設けられている。

また、本実施の形態によるドア装置10において、第1受け部位置にある可動受け部34は、開口枠30の延びる方向ZDに沿った領域において、支持部32と密着する。これにより、可動受け部34と支持部32との間を気密にすることができる。

また、本実施の形態によるドア装置10は、車両100に用いられる。このようなドア装置10によれば、車両100の走行中は、開口130を狭めてドア20と開口枠30を接触させ、車両本体110を気密にすることができる。その一方、車両100が停車してドア20が開放される際には、開口130を広げて開口130を通した人の通行や物の移動を促進させることができる。

本実施の形態による車両100は、車両本体110と、車両本体110に取り付けられた上述のドア装置10と、を備える。このような車両100によれば、車両100の走行中は、開口130を狭めてドア20と開口枠30を接触させ、車両本体110を気密にすることができる。その一方、車両100が停車してドア20が開放される際には、開口130を広げて開口130を通した人の通行や物の移動を促進させることができる。

上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、いくつかの変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の各実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。

図7A乃至図7Cを参照して、本発明によるドア装置の第1の変形例ついて説明する。図7A乃至図7Cに示す第1の変形例においては、伝達手段の構成が異なるが、他の構成は、図1乃至図6Cに示す実施の形態と略同一である。

第1の変形例の伝達手段164は、下部スライド部材63に固定された基部165と、可動受け部34の一方の端部に固定されたピン67と、基部165と可動受け部34との間に配置された第1リンクプレート166及び第2リンクプレート167と、を有している。第1リンクプレート166は、その一方の端部において、基部165に固定されている。第1リンクプレート166は、その他方の端部が一方の端部よりも車両本体110の内側に位置するように、延びている。また、第1リンクプレート166は、その他方の端部において、第2リンクプレート167の一方の端部と回動可能に接続されている。第2リンクプレート167の他方の端部には、可動受け部34のピン67が、回動可能に接続されている。

次に、第1の変形例のドア装置の作用について説明する。

まず、図7Aに示すように、ドア20が第1ドア位置にあって開口枠30の可動受け部34が起立した第1受け部位置にある場合、伝達手段164の基部165と可動受け部34に設けられたピン67とは近接している。このため、第1リンクプレート166の一方の端部と第2リンクプレート167の他方の端部とが近接して、第1リンクプレート166及び第2リンクプレート167は折り畳まれた状態となっている。

第1ドア位置にあるドア20が開放される場合、プラグ動作部45が駆動されて、下部スライド部材63が車両本体110の外側に向けてスライドする。図7Bに示すように、下部スライド部材63の移動にともなって、基部165が車両本体110の外側に向けて移動する。基部165が車両本体110の外側に向けて移動すると、可動受け部34が図7Cに示す第2受け部位置へ向かう方向に回転する。このとき、第1リンクプレート166及び第2リンクプレート167は、互いに対して回動し、第1リンクプレート166の一方の端部と第2リンクプレート167の他方の端部とは、互いから離間する。図7Cに示すように、可動受け部34が第2受け部位置へ移動した後は、基部165は、第1リンクプレート166の一方の端部と第2リンクプレート167の他方の端部とを互いからさらに離間させながら、車両本体110の外側へ向けた移動を継続する。基部165の移動は、ドア20が第2ドア位置に到達すると終了する。

一方、第2ドア位置にあるドア20が閉鎖される場合、プラグ動作部45が駆動されて、下部スライド部材63が車両本体110の内側に向けてスライドする。図7C及び図7Bに示すように、下部スライド部材63の移動にともなって、基部165が車両本体110の内側に向けて移動する。基部165が車両本体110の内側に向けて移動すると、可動受け部34が図7Aに示す第1受け部位置へ向かう方向に回転する。このとき、第1リンクプレート166及び第2リンクプレート167は、互いに対して回動し、第1リンクプレート166の一方の端部と第2リンクプレート167の他方の端部とを接近させながら折り畳まれる。

第1の変形例のプラグ動作装置によっても、上述の実施の形態のプラグ動作装置と同様の効果が得られる。

次に図8A乃至図8Dを参照して、本発明によるドア装置の第2の変形例ついて説明する。図8A乃至図8Dに示す第2の変形例においては、伝達手段の構成が異なるが、他の構成は、図1乃至図6Cに示す実施の形態と略同一である。

第2の変形例の伝達手段264は、下部スライド部材63に固定された基部265と、可動受け部34の一方の端部に固定されたピン67と、基部265と可動受け部34との間に配置された第1リンクプレート266及び第2リンクプレート267と、を有している。基部265の一端には、車両本体110の前後方向ZBと略平行に突出する第1ピン271が設けられている。第1リンクプレート266は、その一方の端部において、車両本体110の壁面111に突設された第2ピン272によって、回動可能に支持されている。第1リンクプレート266は、車両本体110の前後方向ZBに略垂直な平面内を回動することができるようになっている。第1リンクプレート266の他方の端部には、基部265に設けられた第1ピン271を受容する切り欠き266aが設けられている。第1リンクプレート266は、基部265の移動中に第1ピン271が当該切り欠き266aに受容されることによって、回転するようになっている。

第2リンクプレート267は、その一方の端部において、第1リンクプレート266の一方の端部に固定されている。第2リンクプレート267は、第1リンクプレート266と共に、第2ピン272を中心として回動することができるようになっている。第2リンクプレート267は、その他方の端部に、第2リンクプレート267の長さ方向に沿って延びる開口268を有している。開口268内には可動受け部34のピン67が配置されており、第2リンクプレート267とピン67とは、互いに対して回動可能となっている。

次に、第2の変形例のドア装置の作用について説明する。

まず、図8Aに示すように、ドア20が第1ドア位置にあって開口枠30の可動受け部34が起立した第1受け部位置にある場合、伝達手段264の基部265に設けられた第1ピン271は、第1リンクプレート266の他方の端部よりも、車両本体110の内側に位置している。

図8Bに示すように、第1ドア位置にあるドア20が開放される場合、プラグ動作部45が駆動されて、下部スライド部材63が車両本体110の外側に向けてスライドする。これにより、基部265が車両本体110の外側に向けて移動する。図8Bに示すように、基部265が所定の位置まで移動すると、第1ピン271が第1リンクプレート266の切り欠き266aに受容され、第1リンクプレート266と、第1リンクプレート266に固定された第2リンクプレート267と、を回転させる。第2リンクプレート267が回転することにより、可動受け部34が図8Dに示す第2受け部位置へ向かう方向に回転する。図8C及び図8Dに示すように、第1ピン271が所定位置まで移動すると、第1ピン271は第1リンクプレート266の切り欠き266aから外れる。その後、可動受け部34は回転を続け、第2受け部位置に移動する。基部265の移動は、ドア20が第2ドア位置に到達すると終了する。

一方、第2ドア位置にあるドア20が閉鎖される場合、プラグ動作部45が駆動されて、下部スライド部材63が車両本体110の内側に向けてスライドする。これにより、基部265が車両本体110の内側に向けて移動する。図8D及び図8Cに示すように、基部265が所定の位置まで移動すると、第1ピン271が第1リンクプレート266の切り欠き266aに受容され、第1リンクプレート266と、第1リンクプレート266に固定された第2リンクプレート267と、を回転させる。第2リンクプレート267が回転することにより、可動受け部34が図8Aに示す第1受け部位置へ向かう方向に回転する。図8B及び図8Aに示すように、第1ピン271が所定位置まで移動すると、第1ピン271は第1リンクプレート266の切り欠き266aから外れる。その後、可動受け部34は回転を続け、第1受け部位置に移動する。基部265の移動は、ドア20が第1ドア位置に到達すると終了する。

第2の変形例のドア装置によっても、上述の実施の形態のドア装置と同様の効果が得られる。さらに、第2の変形例のプラグ動作装置によれば、開口枠30の可動受け部34は、ドア20が第2ドア位置から第1ドア位置に移動する場合、ドア20が第1ドア位置に到達する前に、動作を終了する。この結果、ドア20の第1ドア位置への移動が可動受け部34によって阻害される、ということが防止される。

次に図9A乃至図9Cを参照して、本発明によるドア装置の第3の変形例ついて説明する。図9A乃至図9Cに示す第3の変形例においては、ドア装置がいわゆる内プラグ方式のドア装置である点が異なっており、また伝達手段の構成が異なっている。その他の構成は、図1乃至図6Cに示す実施の形態と略同一である。

図9A乃至図9Cに示すドア装置320は、上述のように、いわゆる内プラグ方式のドア装置である。このため、ドア装置320においては、ドア20が図9Aに示す第1ドア位置から図9Cに示す第2ドア位置へ移動する際、ドア20及び上部スライド部材43は車両本体110の外側から内側に向かう方向に移動する。一方、ドア20が第2ドア位置から第1ドア位置へ移動する際、ドア20及び上部スライド部材43は車両本体110の内側から外側に向かう方向に移動する。このため、ドア20のシール部材51は、その外側面20bに設けられている。また、開口枠30のドア20と正対する受け面31aは、車両本体110の内側に面している。

ドア装置320の伝達手段364は、下部スライド部材63に固定された基部365と、可動受け部34の一方の端部に隣接して設けられたプレート366と、可動受け部34の一方の端部からプレート366に向けて突出する2つのピン67a,67bと、ピン67a及び基部365の間に配置されたリンク軸367と、を有している。プレート366は、概ね車幅方向ZAに沿って延びる幅方向開口368aと、概ね高さ方向ZCに沿って延びる高さ方向開口368bと、を有している。高さ方向開口368bは、幅方向開口368aの車両本体110外側の側の端部の近傍から、上方に向かって延びている。可動受け部34のピン67a,67bは、それぞれ、幅方向開口368a内及び高さ方向開口368b内に配置されている。リンク軸367は、その一方の端部が基部365に回動可能に接続されており、他方の端部がピン67aに回動可能に接続されている。

次に、第3の変形例のドア装置の作用について説明する。

まず、図9Aに示すように、ドア20が第1ドア位置にあって開口枠30の可動受け部34が起立した第1受け部位置にある場合、ドア20の外側面20bが、可動受け部34の車両本体110の内側を向く面343と正対する。また、ドア20の外側面20bと、可動受け部34の当該内側を向く面343とが、シール部材51を介して密着する。

第1ドア位置にあるドア20が開放される場合、図9Bに示すように、プラグ動作部45が駆動されて、下部スライド部材63が車両本体110の内側に向けてスライドする。これにより、基部365が車両本体110の内側に向けて移動する。図9Bに示すように、基部365の移動にともなって、リンク軸367が車両本体110の内側に向けて引っ張られる。これにより、可動受け部34のピン67a,67bが、それぞれ開口368a,368bに案内されて移動する。この結果、可動受け部34は、図9Cに示す第2受け部位置へ向かって回転する。

一方、第2ドア位置にあるドア20が閉鎖される場合、図9Bに示すように、プラグ動作部45が駆動されて、下部スライド部材63が車両本体110の外側に向けてスライドする。これにより、基部365が車両本体110の外側に向けて移動する。図9Bに示すように、基部365の移動にともなって、リンク軸367が車両本体110の外側に向けて押される。これにより、可動受け部34のピン67a,67bが、それぞれ開口368a,368bに案内されて移動する。この結果、可動受け部34は、図9Aに示す第1受け部位置へ向かって回転する。

第3の変形例のドア装置によっても、上述の実施の形態のドア装置と同様の効果が得られる。

次に図10を参照して、本発明によるドア装置の第4の変形例ついて説明する。図10に示す第4の変形例においては、伝達手段の構成が異なるが、他の構成は、図1乃至図6Cに示す実施の形態と略同一である。

第4の変形例の伝達手段464は、可動受け部34の一方の端部に固定された第1ピニオン465と、下部スライド部材63の下方領域に配置された第2ピニオン466と、第1ピニオン465及び第2ピニオン466に巻き掛けられたチェーン467と、下部スライド部材63の下端部に第2ピニオン466に対向して固定されたラック468と、を含んでいる。

第1ピニオン465は、軸線LAを中心に回動可能に設けられている。第2ピニオン466は、車両本体110の壁面111に設けられており、軸線LAと平行な軸線を中心として回動可能である。ラック468は、下部スライド部材63の移動にともなって、第2ピニオン466を回転させるようになっている。

次に、第4の変形例のドア装置の作用について説明する。

第1ドア位置にあるドア20が開放される場合、プラグ動作部45が駆動されて、下部スライド部材63が車両本体110の外側に向けてスライドする。これにより、ラック468が車両本体110の外側に向けて移動する。ラック468の移動にともなって、第2ピニオン466が回転する。第2ピニオン466に連動して、第1ピニオン465が回転する。第1ピニオン465の回転により、可動受け部34が第2受け部位置へ回転する。

一方、第2ドア位置にあるドア20が閉鎖される場合、プラグ動作部45が駆動されて、下部スライド部材63が車両本体110の内側に向けてスライドする。これにより、ラック468が車両本体110の内側に向けて移動する。ラック468の移動にともなって、第2ピニオン466が回転する。第2ピニオン466の回転に連動して、第1ピニオン465が回転する。第1ピニオン465の回転により、可動受け部34が第1受け部位置へ回転する。

第4の変形例のドア装置によっても、上述の実施の形態のドア装置と同様の効果が得られる。

本発明の実施の形態及び当該実施の形態に対する幾つかの変形例を説明したが、上述の実施の形態やその変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態やその変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

10 ドア装置 20 ドア 30 開口枠 32 支持部 33 静止受け部 34 可動受け部 40 プラグ動作部 51 シール部材 60 下部プラグ動作部 64 伝達手段 100 鉄道車両 110 車両本体 111 壁面 130 開口

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