走行台車、及び軌道系交通システムの車両 |
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申请号 | JP2013217737 | 申请日 | 2013-10-18 | 公开(公告)号 | JP5669914B1 | 公开(公告)日 | 2015-02-18 |
申请人 | 三菱重工業株式会社; | 发明人 | 耕介 片平; 耕介 片平; 宗 田村; 宗 田村; 光明 星; 光明 星; 正久 増川; 正久 増川; | ||||
摘要 | 【課題】コストを抑えつつ、十分な耐荷重性を得ることが可能な走行台車、及び軌道系交通システムの車両を提供する。【解決手段】軌道100の走行路面100a上を走行する車両1における車体の台枠3に設けられた車軸11と、車軸11の端部で、幅方向両側に一対に設けられたキングピン20と、キングピン20を介して車軸11に対して首ふり可能に設けられたタイヤ取付軸9と、各々のタイヤ取付軸9に複数個ずつ取り付けられたタイヤ10と、軌道100の延在方向に沿って軌道100に設けられた案内レール101上を転動して、軌道100の幅方向から案内される案内輪39と、案内輪39及び車軸11を支持する案内部19と、案内部19の変位に応じて、タイヤ取付軸9をキングピン20回りに回転させる操 舵 機構23と、を備えることを特徴とする。【選択図】図3 | ||||||
权利要求 | 軌道の走行路面上を走行する軌道系交通システムの車両における車体の下部に設けられた車軸と、 前記車軸の端部で、前記車体の幅方向両側に一対に設けられた軸状をなすキングピンと、 前記キングピンを介して前記車軸に対して首ふり可能に設けられたタイヤ取付軸と、 各々の前記タイヤ取付軸に複数個ずつ取り付けられたタイヤと、 前記軌道の延在方向に沿って該軌道に設けられた案内レール上を転動して、前記軌道の幅方向から案内される案内輪と、 前記案内輪及び前記車軸を支持する案内部と、 前記案内部の変位に応じて、前記タイヤ取付軸を前記キングピン回りに回転させる操舵機構と、 を備え 、 前記キングピンは、前記車体の走行方向及び幅方向に直交する垂直線を基準として0度以上1度以下の傾角で設けられ、 前記タイヤ取付軸は、前記傾角を有して設けられ、 前記キングピンでは、 同一の前記タイヤ取付軸における複数個の前記タイヤのうち最も前記幅方向の内側に位置する該タイヤにおける該内側の端面と最も前記幅方向の外側に位置する該タイヤにおける該外側の端面との間の距離であるタイヤ幅の前記走行路面上での中央位置と、前記キングピンの中心軸線が前記走行路面と交わる点との間隔が、50mm以上350mm以下となっており、 前記案内輪は、前記タイヤの前後で、前記案内部に支持されており、 前記案内部は、前記案内輪を支持するとともに、前記車体に対して旋回可能に設けられた案内枠を有し、 前記操舵機構は、各々の前記タイヤ取付軸と前記案内枠との間に架設され、前記案内枠の変位に応じて、前記タイヤの操舵を行うリンク部材を有することを特徴とする走行台車。 同一の前記タイヤ取付軸における複数個の前記タイヤでは、前記キングピン側に設けられた前記タイヤに比べ、前記キングピンから離間する側に設けられた前記タイヤの方が空気圧が高くなっていることを特徴とする 請求項1に記載の走行台車。 同一の前記タイヤ取付軸における複数個の前記タイヤでは、前記キングピン側に設けられた前記タイヤに比べ、前記キングピンから離間する側に設けられた前記タイヤの方がタイヤ幅の寸法が大きくなっていることを特徴とする請求項 1又は2に記載の走行台車。 同一の前記タイヤ取付軸における複数個の前記タイヤでは、前記キングピン側に設けられた前記タイヤに比べ、前記キングピンから離間する側に設けられた前記タイヤの方がタイヤ径の寸法が大きくなっていることを特徴とする請求項1から 3のいずれか一項に記載の走行台車。 前記案内輪は、前記軌道の幅方向両側に一対に設けられた前記案内レールによって案内されることを特徴とする請求項1から 4のいずれか一項に記載の走行台車。 前記案内輪は、前記軌道の幅方向中央の位置に一つ設けられた前記案内レールによって案内されることを特徴とする請求項1から 4のいずれか一項に記載の走行台車。 請求項1から 6のいずれか一項に記載の走行台車と、 前記走行台車が下部に設けられた車体と、 を備えることを特徴とする軌道系交通システムの車両。 |
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说明书全文 | 本発明は、軌道系交通システムの走行台車、及び、走行台車を備えた車両に関するものである。 バスや鉄道以外の新たな交通手段として、車両がゴムタイヤからなる走行輪で軌道上を走行するとともに、車両の案内輪が案内レールで案内される軌道系交通システムが知られている。 このような軌道系交通システムは、一般に新交通システムやAPM(Automated People Mover)と呼ばれている。 軌道系交通システムでは、軌道の曲線部分を走行する際にスムーズに曲線部分を通過できるように、走行台車のタイヤが操舵可能となっているものがある。 そして操舵されるタイヤは、操舵性を考慮して一般的にはシングルタイヤとなっている。 このように操舵されるタイヤがシングルタイヤであることで、シングルタイヤで車両の荷重を支える必要がある。 このため車両の重量が制限され、大型車両への操舵台車の適用は困難であった。 また、シングルタイヤを用いつつ最大限に負担荷重を大きくするため、できるだけタイヤ内圧を高めるように窒素ガスを封入する等の手法が用いられており、コストアップの要因となっていた。 ここで、特許文献1には、自動車に適用する舵取り装置で、舵取り車輪をダブルタイヤ化したものが開示されている。 この舵取り装置では、差動装置を用いることで、曲線の外側のタイヤと内側のタイヤとの間での回転走行距離の差分を吸収している。 そして、特許文献1に開示されているダブルタイヤの構造を軌道系交通システムの走行台車で操舵されるタイヤに適用することで、タイヤの負担荷重を増大させることは可能である。 しかしながら、特許文献1に記載された構造では差動装置を設ける必要があるため、構造が複雑でかつ大きくなり、通常選択されるタイヤ、ホイールよりも大きなサイズを選択する必要が出てくるため、コストアップの要因となってしまう。 本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、コストを抑えつつ、十分な耐荷重性を得ることが可能な走行台車、及び軌道系交通システムの車両を提供することを目的とする。 上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用している。 このような走行台車によれば、各々のタイヤ取付軸に複数個のタイヤが取り付けられている。 このため、各々のタイヤ取付軸に一つのタイヤが設けられている場合、即ち、シングルタイヤの場合に比べて重量の大きな車体を支持することができる。 そして、このように複数個のタイヤで車体の重量を分散して支持することができるので、タイヤ一個当たりの負担荷重を小さくできる。 このように、操舵されるタイヤが0度以上の傾角、即ち、プラスの傾角で設けられている。 よって、タイヤには車両が直進するような復元力が作用し、直進安定性の向上を図ることができる。 このように、いわゆるキングピンオフセット量が50mm〜350mm、好ましくは50mmに近い距離となっていることにより、タイヤ操舵時の操舵トルクを小さくできる。 この結果、操舵抵抗が小さくなることから曲率の大きい(小曲線)の通過も可能となり、軌道線形上の制限も無く、自由な軌道線形計画ができる。 また、操舵抵抗が小さいことから操舵系の部品に加わる荷重も小さいものとなり、操舵系部品を小さくでき、コンパクトで軽量な走行台車とすることができる。 このように案内輪がタイヤの前後に設けられていることで、軌道の曲線部分を走行する際に車両に生じる超過遠心力(遠心力−カント)を案内輪で受けることが可能となり、タイヤにはサイドスリップは生じない。 このため、各々のタイヤ取付軸に複数のタイヤが設けられている場合であっても、十分な操舵性を得ることができる。 このようなリンク部材によって、軌道の曲線部分を走行する際に案内輪が案内レールによって案内されると、車体に対して案内枠が旋回して案内枠が走行方向に応じて変位する。 そしてこの案内枠の変位にともなってリンク部材によりタイヤが操舵される。 即ち、ボギー方式にステアリング方式を組み合わせた構造となり、走行台車全体を旋回させず、案内枠のみを旋回させる。 このため、より小さい力での旋回が可能となり、各々のタイヤ取付軸に複数のタイヤが設けられている場合であっても十分な操舵性を得ることができる。 また、同一の前記タイヤ取付軸における複数個の前記タイヤでは、前記キングピン側に設けられた前記タイヤに比べ、前記キングピンから離間する側に設けられた前記タイヤの方が空気圧が高くなっていてもよい。 各タイヤ取付軸に複数個のタイヤを設けた場合、曲線部分走行時には、内輪(キングピン側のタイヤ)よりも外輪(キングピンから離間する側のタイヤ)の方が曲線走行時の車両に作用する遠心力によって発生する車両のローリングの影響によって負担荷重が増える。 このため、仮に複数個のタイヤ間で空気圧を同等にした場合には外輪の撓み量が大きくなって、外輪の荷重半径が小さくなってしまう。 この場合、内輪と外輪とでは、一回転当たりの走行距離は内輪よりも外輪で小さくなり、内輪がスリップしてしまう。 さらに、曲線部分走行時には、曲線半径方向の外側に位置するタイヤ取付軸に設けられた複数個のタイヤ同士の間では、曲線の回転半径の差異によって、内輪に比べ外輪の方が一回転当たりの走行距離が大きくなる必要がある。 しかし、内輪と外輪とで回転数は同じであるため一回転当たりの内輪と外輪との走行距離は同じであり、この結果、上述した遠心力の影響と相まって、内輪のスリップが助長されてしまう。 さらに、同一の前記タイヤ取付軸における複数個の前記タイヤでは、前記キングピン側に設けられた前記タイヤに比べ、前記キングピンから離間する側に設けられた前記タイヤの方がタイヤ幅の寸法が大きくなっていてもよい。 このように、外輪(キングピンから離間する側のタイヤ)を、内輪(キングピン側のタイヤ)に比べて幅の大きなタイヤとすることで、外輪が変形しにくくなり、外輪の荷重半径を内輪に比べて大きく保つことができる。 従って、外輪の一回転当たりの走行距離を大きくでき、内輪のスリップ量を低減して内輪と外輪との間の偏摩耗を防止できる。 さらに、曲線内側における複数個のタイヤのうちの外輪の負担荷重の減少量を抑えることができ、外輪の摩耗を抑えることで、内輪と外輪との間の偏摩耗を抑制することができる。 また、同一の前記タイヤ取付軸における複数個の前記タイヤでは、前記キングピン側に設けられた前記タイヤに比べ、前記キングピンから離間する側に設けられた前記タイヤの方がタイヤ径の寸法が大きくなっていてもよい。 このように、外輪(キングピンから離間する側のタイヤ)を、内輪(キングピン側のタイヤ)に比べて径の大きなタイヤとすることで、外輪の荷重半径を内輪に比べて大きく保つことができる。 従って、外輪の一回転当たりの走行距離を大きくでき、内輪のスリップ量を低減して内輪と外輪との間の偏摩耗を防止できる。 さらに、曲線内側における複数個のタイヤのうちの外輪の負担荷重の減少量を抑えることができ、外輪の摩耗を抑えることで、内輪と外輪との間の偏摩耗を抑制することができる。 また、前記案内輪は、前記軌道における左右両側に一対に設けられた前記案内レールによって案内されてもよい。 このように、いわゆるサイドガイド方式の軌道を走行する走行台車で、タイヤ一個当たりの負担荷重を小さくできる。 さらに、前記案内輪は、前記軌道における左右中央の位置に一つ設けられた前記案内レールによって案内されてもよい。 このように、いわゆるセンターガイド方式の軌道を走行する走行台車で、タイヤ一個当たりの負担荷重を小さくできる。 また、本発明に係る軌道系交通システムの車両は、上記の走行台車と、前記走行台車が下部に設けられた車体と、を備えることを特徴とする。 このような軌道系交通システムの車両によれば、上記の走行台車を備えることで、タイヤ一個当たりの負担荷重を小さくできる。 本発明の走行台車、及び軌道系交通システムの車両によると、タイヤ取付軸の各々の端部に複数個ずつ取り付けて、コストを抑えつつ、十分な耐荷重性を得ることが可能となる。 〔第一実施形態〕 また、車両1は、軌道100の走行路面100a上を走行する走行台車4と、走行台車4に支持された車体2とを備えている。 車体2は、下部に走行方向の前後に一対の走行台車4を設けている。 ここで、前側に設けられた走行台車4を走行台車4a、後側に設けられた走行台車4を走行台車4bとする。 図2から図4に示すように、各々の走行台車4は、車体2の下部に設けられた車軸11と、車軸11の端部に幅方向左右両側に一対に設けられたキングピン20と、キングピン20を介して車軸11に設けられたタイヤ取付軸9とを備えている。 ここで、前側の走行台車4aと後側の走行台車4bとは、前後が逆になっていること以外は同一構成であるため、以下では代表して前側の走行台車4aについて説明する。 車軸11は、車両1が軌道100の直線部分を走行している際に、幅方向に延びるように設けられている。 キングピン20は、タイヤ10の操舵軸となる軸状をなす部材であって、走行方向及び幅方向に直交する垂直線L(図3参照)を基準として0度以上8度以下の傾角で幅方向両側に一対に設けられている。 この8度とはプラス8度のことであり、キングピン20の中心軸線L1が下方に向かうに従って幅方向の外側に傾斜していることを示す(図6参照)。 タイヤ取付軸9は、このキングピン20回りに車軸11に対して首ふり可能に設けられている。 タイヤ10は、タイヤ取付軸9の各々に複数個ずつ取り付けられており、車軸11とともにキングピン20回りに首ふり可能となっている。 これら複数個ずつ取り付けられたタイヤ10は、タイヤ取付軸9の回転にともなってタイヤ取付軸9と同じ回転数で回転する。 案内輪39は、幅方向左右両側で、タイヤ10を前後から挟み込むように四か所に設けられている。 これら案内輪39は、走行方向及び幅方向に直交する直交方向の上下に延在する回転軸を中心として回転可能となっており、車両1の走行にともなって案内レール101に接触し、案内レール101上を転動する。 案内部19は、車軸11を支持する懸架装置12と、案内輪39を支持する案内枠21と、案内枠21を車体2の床面に垂直な旋回軸O回りに旋回可能に支持する旋回軸受22とを有している。 懸架装置12は、車軸11に剛接された左右一対のばね受け14と、車体2の下部を構成する台枠3とばね受け14との間に配置された左右一対の空気ばね15と、ばね受け14を直交方向に変位可能に支持する複数(本実施形態では四本)のリンク16と、リンク16と台枠3との間に配された懸架枠17とを有している。 空気ばね15は、その上端部が台枠3に取り付けられ、その下端部がばね受け14の上端に取り付けられている。 この空気ばね15は、車体2に対するタイヤ10の相対的な上下振動を緩和する。 懸架枠17は、ばね受け14の後側に位置して台枠3に固定されている。 なお、後側の走行台車4bでは、上述したように前側の走行台車4aと前後が逆であるため、懸架枠17はばね受け14の前側に位置している。 リンク16は、互いに平行となるように上下左右に並び、懸架枠17とばね受け14とを連結している。 また、これらリンク16の一方の端部は、懸架枠17とピン結合され、これらリンク16の他方の端部は、ばね受け14とピン結合されている。 即ち、懸架枠17とばね受け14とリンク16とは平行リンク機構を構成している。 また、これらリンク16は、タイヤ10の駆動力や減速力を車体2に伝えるための牽引ロッドとしても機能している。 案内枠21は、ばね受け14の下部に配置されており、走行方向に延びる左右一対の縦梁30と、これら一対の縦梁30に結合されて幅方向外側に延びて、前後からタイヤ10を挟み込むように配された一対の横梁31とを有し、これらが井桁状に組まれて構成されている。 また、各横梁31の幅方向の端部位置には、上記の案内輪39が一つずつ取り付けられている。 なお、案内枠21には、この案内輪39の下方に分岐案内輪39aが設けられており、軌道100における分岐部で、軌道100に設けられた不図示の分岐案内レールに接して転動し、車両1を分岐方向へと案内する(図3、図4参照)。 旋回軸受22は、左右一対のばね受け14と案内枠21との間に配置されている。 この旋回軸受22は、詳細は図示しないが内側リングと外側リングとを有しており、内側リングと外側リングとのうち一方が一対のばね受け14の下部に固定され、他方が案内枠21の上部に固定されている。 このようにして、図5に示すように、案内枠21を車体2に対して旋回可能としている。 そして、旋回軸O上には、案内枠21の前後及び左右の中央部、及び、車軸11の延在方向の中央部が位置している。 操舵機構23は、案内枠21の旋回軸O回りの旋回に連動して、タイヤ10の操舵角を変えるリンク部材24と、タイヤ10に作用する力を減衰するダンパ40、及びタイヤ10へ復元力を付与する復元ばね41とを有している。 リンク部材24は、キングピン20を回転中心としてタイヤ10と一体的に揺動回転するステアリングアーム27と、このステアリングアーム27と案内枠21とを連結するステアリングロッド28とを有している。 ステアリングアーム27は、直交方向に延びる軸線を中心として、タイヤ取付軸9に対して回転可能となるように、各タイヤ取付軸9にピン結合されており、車両1が軌道100の直線部分を走行している状態で、前方に延びるように設けられている。 ステアリングロッド28は、一方の端部でステアリングアーム27の前方の端部とピン結合されている。 また、ステアリングロッド28は、車両1が軌道100の直線部分を走行している状態で、幅方向内側に向かって延びて設けられており、他方の端部は案内枠21の幅方向の中央位置にピン結合されている。 このようにして、ステアリングロッド28はステアリングアーム27及び案内枠21に対して直交方向に延びる軸線を中心として回転可能となっている。 即ち、案内枠21が旋回軸Oを中心として旋回すると、ステアリングロッド28はこの旋回にともなって変位し、ステアリングアーム27を介してタイヤ取付軸9をキングピン20を中心として回転させ、タイヤ10を操舵するようになっている。 ダンパ40は、左右一方(本実施形態では、左側)のタイヤ取付軸9と案内枠21との間に設けられており、油圧ダンパ等の減衰装置であって、タイヤ10がキングピン20回りに回転する方向への力を減衰する。 より具体的には、このダンパ40は、一端が、案内枠21の幅方向の中央位置であってステアリングロッド28がピン結合された位置よりも前方で、かつ、ステアリングロッド28に干渉しない位置で案内枠21にピン結合されている。 さらに、このダンパ40の他端は、左右一方のタイヤ取付軸9とピン結合されている。 ピン結合部分では、直交方向に延びる方向を回転軸線として、ダンパ40の一端及び他端が回転可能になっている。 復元ばね41は、左右他方(本実施形態では、右側)のタイヤ取付軸9と案内枠21との間に設けられており、コイルばね等を用いて、タイヤ10がキングピン20回りに回転した際にタイヤ10に対して回転前の状態に戻すような復元力を付与する。 より具体的にはダンパ40同様に、この復元ばね41は、一端が、案内枠21の幅方向の中央位置であってステアリングロッド28がピン結合された位置よりも前方で、かつ、ステアリングロッド28に干渉しない位置で案内枠21にピン結合されている。 さらに、この復元ばね41の他端は、左右他方のタイヤ取付軸9とピン結合されている。 ピン結合部分では、直交方向に延びる方向を回転軸線として、復元ばね41の一端及び他端が回転可能になっている。 このような車両1によると、各々の走行台車4では各々のタイヤ取付軸9に複数個のタイヤ10が取り付けられ、本実施形態ではダブルタイヤとなっている。 このため、各々のタイヤ10軸に一つのタイヤ10が設けられている場合、即ち、シングルタイヤの場合に比べて重量の大きな車体2を支持することができる。 そして、このようにダブルタイヤで車体2の重量を受けることができるので、車体2の重量を分散して支持することができ、タイヤ10一個当たりの負担荷重を小さくできる。 従って、タイヤ10の速度性能もタイヤ10本来が持っている速度性能まで上げることが可能となり、100km/h以上での走行も可能とすることができる。 このようにタイヤ10の本来の速度性能(100km/h以上)で走行することにより、運行の時間短縮ができることで乗客に対するサービス向上が可能となるとともに、小曲線が多い都市部から駅間の長い郊外の都市まで軌道100を延ばして運用することも可能となり、幅広い運用の交通システムを供給することができる。 また、このようにタイヤ10一個当たりの負担荷重を小さくできることで、中子式のタイヤ10を使用することなく、例えば、一般のトラックやバスに用いられるタイヤ10を用いることも可能となる。 中子式のタイヤ10は、タイヤ10の交換時に専用の治具や工具が必要となり、交換作業も難しい。 よって、タイヤ10として一般のトラックやバスに用いられるタイヤを使用できることで、コスト低減やタイヤ10の交換作業の手間を低減することが可能となる。 さらに、操舵されるタイヤ10が0度以上8度以下の傾角で設けられている。 即ち、傾角が小さくなっているため、ダブルタイヤであっても、タイヤ10の操舵時に各タイヤ取付軸9に取り付けられた内輪10aと外輪10bとの間で、タイヤ10の中心からタイヤ10における走行面までの半径の差、及び、タイヤ10が軌道100から受ける反力の差が小さくなり、タイヤ10同士の間での偏摩耗を抑制できる。 また、操舵されるタイヤ10が0度以上のプラスの傾角で設けられているため、タイヤ10には車両1が直進するような復元力が作用し、直進安定性の向上を図ることができる。 ここで、キングピン20の傾角は0度であることが最も好ましいが、実際には操舵系部品の摩耗や操舵系部品の製作寸法誤差などの影響が考えられるため、完全に0度にすることは設計上難しい場合もある。 よって本実施形態では、キングピン20の傾角を0度以上8度以下としているが、0度以上5度以下、好ましくは0度以上3度以下、さらに好ましくは0度以上1度以下とするとよい。 そしてキングピン20の傾角を0度以上1度以下とした場合、この上限の1度は、ダブルタイヤ10を構成する内輪10aと外輪10bとが操舵時に下方に移動する下降量が、通常走行の摩耗によって生じ得る内輪10aと外輪10bとの間の荷重半径差Δr以下となるようにすることによって規定された数値である。 そして、このような通常走行の摩耗によって生じ得る荷重半径差Δrの数値とは、曲線部分の走行時に車両1が受ける遠心力によって内輪10aと外輪10bとの間で生じる荷重半径差の20%となる数値である。 また、案内輪39がタイヤ10の前後に設けられていることで、軌道100の曲線部分を走行する際に車両1に生じる超過遠心力を案内輪39で受けることが可能となる。 このため、タイヤ10にはサイドスリップは生じず、ダブルタイヤの場合であっても十分な操舵性を得ることができる。 さらに、案内レール101によって案内輪39が案内されると、案内枠21が走行方向に応じて変位する。 この変位にともなって車体2に対して案内枠21が旋回軸受22によって旋回しつつ、リンク部材24によりタイヤ10が操舵される。 このような構造は、ボギー方式にステアリング方式を組み合わせた構造となっており、走行台車4全体を旋回させず案内枠21のみを旋回させる。 このため、旋回する重量を低減できることでより小さい力での旋回が可能となり、操舵性の向上につながる。 また、ダンパ40と、復元ばね41とによって、車両1が直線部分を走行している際にタイヤ10がキングピン20回りに揺動してしまうことを抑制でき、直進安定性を向上することができる。 本実施形態の車両1によると、操舵されるタイヤ10でのキングピン20の傾角を0度以上8度以下に規定するとともに、タイヤ取付軸9の各々の端部にタイヤ10を複数個ずつ取り付けることで、コストを抑えつつ、十分な耐荷重性を得ることが可能となる。 ここで、本実施形態の各々のタイヤ取付軸9に取り付けられたダブルタイヤの内輪10aと外輪10bとの間で空気圧が互いに異なっていてもよい。 具体的には、内輪10aに比べ、外輪10bの方が空気圧が高くなっている。 ここで、ダブルタイヤを採用した場合には、曲線部分走行時には、内輪10aよりも外輪10bの方が遠心力の影響によって負担荷重が増える。 このため、内輪10aと外輪10bとの間で空気圧を同等にした場合には、外輪10bの撓み量が大きくなって、外輪10bの荷重半径が小さくなってしまう。 この場合、内輪10aと外輪10bとでは、一回転当たりの走行距離は内輪10aよりも外輪10bで小さくなり、内輪10aがスリップしてしまう。 さらに、曲線部分走行時には、曲線半径方向の外側に位置するタイヤ取付軸9に設けられたダブルタイヤの内輪10aと外輪10bとの間では、曲線の回転半径の差異によって、内輪10aに比べ外輪10bの方が一回転当たりの走行距離が大きくなる必要がある。 しかし、内輪10aと外輪10bとで回転数は同じであるため一回転当たりの内輪10aと外輪10bとの走行距離は同じであり、この結果、上述した遠心力の影響と相まって、内輪10aのスリップが助長されてしまう。 ここで本実施形態では、内輪10aよりも外輪10bの方が空気圧を高くしたことで遠心力を受けても外輪10bの荷重半径を大きく保つことができ、一回転当たりの外輪10bの走行距離を大きくすることができる。 従って、内輪10aのスリップを抑制し、内輪10aの摩耗を抑えることで内輪10aと外輪10bとの間の偏摩耗を抑制することができる。 さらに、曲線部分を走行する際、曲線内側(図5の紙面に向かって右側)のタイヤ取付軸9に設けられたダブルタイヤでは、曲線外側(図5の紙面に向かって左側)のタイヤ取付軸9に設けられたダブルタイヤと比べて、遠心力の影響によって負担荷重が減少する。 この負担荷重の減少量は、曲線内側におけるダブルタイヤにおいては内輪10aよりも外輪10bの方が大きくなる。 ここで、本実施形態では外輪10bの方が空気圧が高くなっていることで、このような遠心力の影響による外輪10bの負担荷重の減少量を抑えることができる。 よって、曲線内側におけるダブルタイヤで、外輪10bのスリップを抑制し、この外輪10bの摩耗を抑えることで、内輪10aと外輪10bとの間の偏摩耗を抑制することができる。 ここで、内輪10aと外輪10bとの間の具体的な空気圧差の数値としては、外輪10bが内輪10aの1.1倍〜1.15倍とすることが好ましい。 この数値は、軌道系交通システムの車両が曲線部分を走行する際に、ダブルタイヤの内輪10aと外輪10bとの間での負担荷重の差異によって生ずる荷重半径差を吸収できるような数値となっている。 さらに、本実施形態の各々のタイヤ取付軸9に取り付けられたダブルタイヤの内輪10aと外輪10bとの間でタイヤ10の幅寸法が異なっていてもよい。 具体的には、キングピン20側に設けられた内輪10aに比べ、キングピン20から離間する位置に設けられた外輪10bの方がタイヤ10の幅寸法が大きくなっている。 このように、外輪10bを、内輪10aに比べて幅の大きなタイヤ10とすることで、外輪10bが変形しにくくなり、外輪10bの荷重半径を内輪10aに比べて大きく保つことができる。 従って、外輪10bの一回転当たりの走行距離を大きくでき、内輪10aのスリップ量を低減して内輪10aと外輪10bとの間の偏摩耗を防止できる。 さらに、曲線内側におけるダブルタイヤにおける外輪10bの負担荷重の減少量を抑えることができ、この外輪10bの摩耗を抑えることで、内輪10aと外輪10bとの間の偏摩耗を抑制することができる。 また、本実施形態の各々のタイヤ取付軸9に取り付けられたダブルタイヤの内輪10aと外輪10bとの間でタイヤ10の径寸法が異なっていてもよい。 具体的には、キングピン20側に設けられた内輪10aに比べ、キングピン20から離間する位置に設けられた外輪10bの方がタイヤ10の径寸法が大きくなっている。 このように外輪10bを、内輪10aに比べて径の大きなタイヤ10とすることで、外輪10bの荷重半径を内輪10aに比べて大きく保つことができる。 従って、外輪10bの一回転当たりの走行距離を大きくでき、内輪10aのスリップ量を低減して内輪10aと外輪10bとの間の偏摩耗を防止できる。 さらに、曲線内側におけるダブルタイヤにおける外輪10bの負担荷重の減少量を抑えることができ、この外輪10bの摩耗を抑えることで、内輪10aと外輪10bとの間の偏摩耗を抑制することができる。 さらに、径の小さな内輪10aとして摩耗の進んだ半摩耗状態のタイヤ10を取り付け、外輪10bとして新品のタイヤ10を取り付けることで、外輪10bの方が内輪10aよりもタイヤ10の径を大きくすることが可能となる。 即ち、タイヤローテーションによって内輪10aと外輪10bとの径寸法差を設けることができる。 そして、このようにすることで効率的にタイヤ10を使い切ることが可能となる。 ここで、図6に示すように、各々のタイヤ取付軸9に取り付けられたダブルタイヤの内輪10aにおける該内側の端面と、外輪10bにおける該外側の端面との間の距離であるタイヤ幅Wの走行路面100a上での中央位置をP1とする。 この場合、ダブルタイヤの中央位置P1と、キングピン20の中心軸線L1が走行路面100aと交わる点P2との間隔Sが、50mm以上350mm以下となっていることが好ましい。 このように、いわゆるキングピンオフセット量が50mm〜350mm、さらに好ましくは50mmに近い距離となっていることにより、タイヤ10の操舵時の操舵トルクを小さくできる。 この結果、操舵抵抗が小さくなることから曲率の大きい(小曲線)の通過も可能となり、軌道線形上の制限も無く、自由な軌道線形計画ができる。 また、操舵抵抗が小さいことから操舵系の部品に加わる荷重も小さいものとなり、操舵系部品を小さくでき、コンパクトで軽量な走行台車4とすることができる。 〔第二実施形態〕 走行台車4Aにおける案内輪39は、幅方向の中央位置で、軌道100上に設けられた一つの案内レール101Aを幅方向から挟みこむように設けられている。 そして、案内輪39は、第一実施形態と同様にタイヤ10を前後から挟み込むように四か所に設けられており、直交方向に延在する回転軸を中心として回転可能となっている。 案内枠21Aにおける一対の横梁31Aは、第一実施形態の横梁31に比べ幅方向に短く形成されており、左右一対の縦梁30A間に配されており、これら縦梁30Aに結合されている。 本実施形態の車両1Aによると、中央案内軌条式の交通システムでも、側方案内軌条式と同様に、操舵されるタイヤ10でのキングピン20の傾角を0度以上8度以下に規定するとともに、タイヤ取付軸9の各々の端部にタイヤ10を複数個ずつ取り付けることで、コストを抑えつつ、十分な耐荷重性を得ることが可能となる。 以上、本発明の実施形態について詳細を説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内において、多少の設計変更も可能である。 また、タイヤ10には、中子式のタイヤ10を用いてもよい。 さらに、ダブルタイヤではなく、トリプルタイヤ等であってもよく、各タイヤ取付軸9に取り付けられるタイヤ10の個数は上述の実施形態の場合に限定されない。 また、上述の実施形態では、案内輪39をタイヤ10の前後から挟むように設けるとともに、ボギー方式にステアリング方式を組み合わせた構造となっている。 しかし、例えば、案内輪39はタイヤ10の前方のみに設けるとともに、旋回軸受22を設けないタイプのステアリング台車を走行台車4、4Aとしてもよい。 1、1A…車両 2…車体 3…台枠 4(4a、4b)、4A…走行台車 9…タイヤ取付軸 10…タイヤ 11…車軸 12…懸架装置 14…ばね受け 15…空気ばね 16…リンク 17…懸架枠 19…案内部 20…キングピン 21、21A…案内枠 22…旋回軸受 23…操舵機構 24…リンク部材 27…ステアリングアーム 28…ステアリングロッド 30、30A…縦梁 31、31A…横梁 39…案内輪 39a…分岐案内輪 40…ダンパ 41…復元ばね 100…軌道 100a…走行路面 101、101A…案内レール O…旋回軸 |