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Highway vehicle transport equipment and automotive vehicles to use it

申请号 JP2008044743 申请日 2008-02-26 公开(公告)号 JP5148318B2 公开(公告)日 2013-02-20
申请人 株式会社日立製作所; 发明人 繁伸 柳井;
摘要
权利要求
  • 一般の自動車車両が走行する高速道路において、
    前記高速道路の中央分離帯側に前記高速道路の走行車線と並行し て電力供給線 を設け 、前記電力供給線からの電力供給を受けて自動車車両を 牽引搬送させる高速道路車両搬送装置と 、自動車車両であって、前記自動車車両側に設置されて、前記高速道路車両搬送装置と前記自動車車両を連結、解除する車両連結装置を備え、該車両連結装置は前記高速道路車両搬送装置と前記自動車車両が走行中に、前記自動車車両側から連結、解除する機能を備えることを特徴とする高速道路車両搬送設備。
  • 請求項1記載の高速道路車両搬送設備において、
    前記高速道路の中央分離帯側に前記高速道路の走行車線と並行して設置された高速道路ガイドレールを備えており、
    前記電力供給線は、前記高速道路ガイドレールに沿って敷設されており、
    前記電力供給線からの電力供給を受けて走行する高速道路車両搬送装置が前記高速道路ガイドレールを専用走行路として走行することを特徴とする高速道路車両搬送設備。
  • 請求項 記載の高速道路車両搬送設備において、
    前記高速道路ガイドレールに前記高速道路車両搬送装置を送り込み、又は回収する高速道路車両搬送装置スタッカーを設けたことを特徴とする高速道路車両搬送設備。
  • 請求項3記載の高速道路車両搬送設備において、
    前記高速道路車両搬送装置スタッカーに、前記高速道路の交通需要に応じた数量の前記高速道路車両搬送装置を送り込むことを指示する基地管理設備を備えたことを特徴とする高速道路車両搬送設備。
  • 請求項1記載の高速道路車両搬送設備において、
    前記高速道路車両搬送装置の走行位置、走行状態等の走行情報を入手し、管理し、事故や異常発生時に前記高速道路車両搬送装置に減速、停止、起動を指示する輸送管理装置を備えたことを特徴とする高速道路車両搬送設備。
  • 請求項1記載の高速道路車両搬送設備において、
    前記高速道路の壁面、屋根部等の高速道路関連設備に設置されており、前記電力供給線に電力を供給する太陽光発電設備を備えたことを特徴とする高速道路車両搬送設備。
  • 請求項1又は6記載の高速道路車両搬送設備において、
    前記電力供給線に電力を供給する変電設備を備えたことを特徴とする高速道路車両搬送設備。
  • 請求項1記載の高速道路車両搬送設備において、
    前記電力供給線への供給電力量情報、前記電力供給線への電力供給設備の動作状態に関わる情報、前記高速道路の沿線の監視映像情報、及び前記高速道路の沿線の防災監視情報を入手し、管理し、事故や異常発生時に前記電力供給線への電力供給の遮断、投入を指示する電力管理設備を備えたことを特徴とする高速道路車両搬送設備。
  • 請求項1記載の高速道路車両搬送設備において、
    前記高速道路車両搬送装置は、前記自動車車両に搭載されるバッテリーに電力を充電する充電機構を備えていることを特徴とする高速道路車両搬送設備。
  • 請求項1記載の高速道路車両搬送設備において、
    前記高速道路車両搬送装置は、牽引搬送する前記自動車車両に搭載されるETC端末等の通信装置との間で、前記高速道路車両搬送装置の走行利用料金、前記自動車車両に搭載されるバッテリーに電力を充電する充電機構を使用した充電料金、前記高速道路車両搬送装置について登録した座席予約の利用料金等の料金情報について通信を行う通信機構を備えていることを特徴とする高速道路車両搬送設備。
  • 請求項10記載の高速道路車両搬送設備において、
    前記高速道路車両搬送装置は、前記通信機構を介して、牽引搬送する前記自動車車両から設定入力された前記高速道路車両搬送装置の利用区間情報を受信し、前記高速道路車両搬送装置が前記設定された区間の終端位置に近づいた時に、その旨を検知し、且つ前記自動車車両が前記高速道路車両搬送装置と連結解除されるまで当該旨を報知する目覚まし報知機構を備えていることを特徴とする高速道路車両搬送設備。
  • 請求項1記載の高速道路車両搬送設備において、
    前記高速道路車両搬送装置は、牽引搬送する前記自動車車両の利用者に対し、前記高速道路車両搬送装置の走行利用料金、前記自動車車両に搭載されるバッテリーに電力を充電する充電機構を使用した充電料金、前記高速道路車両搬送装置について登録した座席予約の有無、またその利用料金 の何れか一つを含む情報を表示する表示機構を備えていることを特徴とする高速道路車両搬送設備。
  • 請求項1記載の高速道路車両搬送設備において、
    前記高速道路車両搬送装置は、前方を走行する前記高速道路車両搬送装置との距離を測定する前方距離測定機構を備えていることを特徴とする高速道路車両搬送設備。
  • 請求項 記載の高速道路車両搬送設備において、
    前記高速道路車両搬送装置は、前記ガイドレールの終端に近づいたことを検出する終端検知機構を備えていることを特徴とする高速道路車両搬送設備。
  • 請求項 記載の高速道路車両搬送設備において、
    前記高速道路車両搬送装置が前方を走行する前記高速道路車両搬送装置との距離が近づいたことを検出すること、前記ガイドレールの終端が近づいたことを検出したこと、又は前記高速道路車両搬送装置の走行位置、走行状態等の走行情報を入手し、管理し、事故や異常発生時に前記高速道路車両搬送装置に減速、停止、起動を指示する輸送管理装置から指示を受けることに応答して、減速、停止する速度制限機構を備えていることを特徴とする高速道路車両搬送設備。
  • 請求項1記載の高速道路車両搬送設備において、
    前記高速道路車両搬送装置は、前記自動車車両の使用者の操作により緊急停止させる非常停止機構を備えていることを特徴とする高速道路車両搬送設備。
  • 請求項1記載の高速道路車両搬送設備において、
    前記高速道路車両搬送装置は、後方及び又は前方を走行する前記高速道路車両搬送装置との距離を確保し、追突された場合の衝撃を緩和する衝撃緩和機構を備えていることを特徴とする高速道路車両搬送設備。
  • 請求項 記載の高速道路車両搬送設備において、
    前記高速道路ガイドレールは、前記高速道路ガイドレール上を走行中の前記高速道路車両搬送装置との間で通信するガイドレール通信機構を備えていることを特徴とする高速道路車両搬送設備。
  • 請求項 18記載の高速道路車両搬送設備において、
    前記高速道路車両搬送装置は、前記高速道路ガイドレール上を走行中に前記ガイドレール通信機構との間で通信する車両搬送装置ガイドレール通信機構を備えていることを特徴とする高速道路車両搬送設備。
  • 請求項3記載の高速道路車両搬送設備において、
    前記高速道路車両搬送装置スタッカーは、前記高速道路ガイドレールの終端まで前記高速道路車両搬送装置が前記自動車車両と連結状態にあることが検知された場合に、当該高速道路車両搬送装置を、前記自動車車両と解除状態にある他の前記高速道路車両搬送装置と分離して留置させる居残り車両留置機構を備えていることを特徴とする高速道路車両搬送設備。
  • 請求項 記載の高速道路車両搬送設備において、
    前記高速道路車両搬送装置を走行させる前記高速道路ガイドレールとは別に、並行して前記高速道路の中央分離帯側に高速道路ガイドレールを設け、救急・消防設備又は前記自動車車両使用者への商品販売機器等を搭載した搬送装置を走行させる高速道路緊急・サービス機器搬送設備を備えていることを特徴とする高速道路車両搬送設備。
  • 請求項1記載の高速道路車両搬送設備において、
    前記高速道路車両搬送装置が前記自動車車両を牽引搬送しているかいないかを把握、管理し、前記高速道路車両搬送設備を利用する使用者がインターネット等を介し利用前に予め前記自動車車両を牽引搬送していない前記高速道路車両搬送装置を予約登録可能にする空席管理・座席予約設備を備えていることを特徴とする高速道路車両搬送設備。
  • 請求項1記載の高速道路車両搬送設備において、
    前記高速道路車両搬送装置が前記自動車車両を牽引搬送した距離と牽引搬送された前記自動車車両の種別を把握、管理し、前記高速道路車両搬送設備の走行利用料金を算出する料金管理設備を備えていることを特徴とする高速道路車両搬送設備。
  • 請求項1〜23のいずれか1項記載の 高速道路車両搬送設備に備えられた高速道路車両搬送装置により牽引搬送するために前記高速道路車両搬送装置に解除可能に連結される車両連結装置を備えた自動車車両。
  • 請求項24記載の自動車車両において、
    前記高速道路車両搬送装置を利用して牽引搬送する区間を設定入力し、前記自動車車両に搭載されるETC端末等の通信装置を介して前記高速道路車両搬送装置に前記設定入力した区間情報を伝達する自動車車両情報設定・表示装置を備えていることを特徴とする自動車車両。
  • 说明书全文

    本発明は、高速道路設備及び高速道路を利用する自動車交通機関としての高速道路車両搬送設備及びそれを利用する自動車車両に関する。

    ここ数年、世界各地で異常気象による巨大ハリケーン/台風の到来、気温の上昇等が発生し、地球温暖化防止が身近な問題として実感するに到っている。 1997年地球温暖化防止京都会議で京都議定書が議決され、先進国各国ではこれに向けて様々な取組みを開始している。 日本においても2002年京都議定書目標達成計画が批准され、2008年から2012年までの期間中に温室効果ガスの排出量を1990年に比べて6%削減する目標が設定された。

    日本においては、経済産業省、環境省、国土交通省が中心となり、CO 総排出量の約2割を占める運輸部門において、電気自動車、燃料電池車等の次世代エコカーの開発、代替燃料の開発、省エネ交通機関(鉄道)への切替え等の施策が進められているが、2005年度のCO 総排出量は13億6000万トンと算出され、これは2004年度(12億5000万トン)(環境省「温室効果ガスの排出・吸収目録」)から逆に増加しており、この点からも社会インフラの整備が急務となっている。

    電気自動車の開発においては、長距離を走行可能な大容量であり且つ短時間に充電可能なバッテリー(蓄電器)として、Li−ion電池の開発が活発である。 しかしながら、Li−ion電池は現状では大型で高価格であり、市街地の走行のみを対象としたコミュータ用電気自動車が一部実用化されているのみで、長距離も走行できる一般用電気自動車の開発は2030年頃の実用化予定となっている(非特許文献1参照)。

    また、燃料電池車としては素を燃料とする自動車の開発・実証実験が始まっているが、燃料電池車の車両価格が現状ガソリン車の約20倍も高価であり、燃料スタンド等の社会インフラの整備、高圧ガスを搭載することでの安全性への配慮等、普及には大きな壁があると言わざるを得ない。

    代替燃料としてバイオエタノール燃料の利用が始まっているが、原料の穀物を燃料生産にまわすことから、食料価格の高騰を招く事態となっており、また、バイオ燃料の製造価格がガソリンより高く、全面的な適用には多々の問題がある。

    貨物等の輸送手段をトラックから、CO 排出の小さい鉄道輸送に切替えるモーダルシフトが提唱され、日本でも鉄道輸送に切替えられた商品にエコレールマーク認定を与え推進しているが、貨物の積替えが必要で、積替場所、時間に制約があり、速達性、コスト面でのトラック輸送の利便性、優位性を越えることができず、鉄道貨物での輸送量も減少気味である。

    また、高速道路において、自動車やコンテナを専用台車の上に搭載し、前記台車が自動車の代わりに高速道路を走行・操する交通/搬送システムが提案されている(特許文献1)が、鉄道を利用したモーダルシフトと同様に、自動車、貨物の載せ替え、積み替えが必要であり、自動車交通の利便性を損なうことになる。 更に、非特許文献1では、高速道路で貨物トラックを隊列走行させることで、後続車両の空気抵抗を減少させ、走行効率を上げることが提案されているが、自動車、貨物トラック自体のエンジンを使用して走行することから、CO を大幅に削減するのは難しい。

    特願平9−504971(WO97/02167)号公報(「交通/搬送システム」)

    " 次世代自動車・燃料イニシアティブ "(経済産業省 平成19年5月 次世代自動車・燃料に関する懇談会資料)

    自動車の利用形態は、100km圏内の市街地走行と高速道路を利用した長距離走行に概ね分別される。 市街地走行では、集配、通勤、買物等で利用者毎に異なる走行パターンが存在し、頻繁な加減速が発生する。 現在のところ、この市街地走行において自動車を超える利便性の良い交通手段は存在しない。 しかしながら高速道路走行は各インターチェンジ毎に一般道路への乗り降りが発生する以外、全ての車両が100km/h程度の定速走行を行うため、大量輸送機関による効率的な輸送への転換(モーダルシフト)が可能である。

    これまで、モーダルシフトというと、個々の自動車の車両全体や貨物を鉄道車両のように別の輸送機関に載せ替える方式のため、元々、自動車車両が持つ走行車両である特徴が失われ、この載せ替えのためにいつでも・どこでも走行できるという利便性が損なわれるという問題点がある。

    本発明の第1の目的は、上記した従来の交通手段の様々な問題・課題を解決し、高速道路での自動車車両(自家用車・トラック・バス等)のCO 排出を大幅に削減し、エネルギー効率の良い高速道路の交通システムを提供することである。

    また、前記交通システムにおいて、一般道走行と高速道路移動の間で自動車車両の載せ替え、貨物の積替えの必要のない利便性のよい走行形態移行(モーダルシフト)を実現することが第2の目的である。

    本発明では、高速道路の中央分離帯側に前記高速道路の走行車線と並行して設けられた高速道路ガイドレールを専用走行路とし、前記高速道路ガイドレールに沿って敷設された電供給線からの電力供給を受けて走行する高速道路車両搬送装置が、自動車車両を牽引搬送することにしたことが第1の特徴である。

    本発明では自動車車両の主構成要素である車体、走行輪(タイヤ)、操舵機構(ハンドル他)、駆動機構(エンジン)の内、高速道路走行においては、駆動機構のみを本発明で提供する輸送機関(高速道路車両搬送装置)が担い、人・貨物を載せて走行する車体、走行輪(タイヤ)、操舵機構は、自動車車両自体を使用し、前記輸送機関に牽引されて走行することにしたことが第2の特徴である。

    高速道路の前記輸送機関は中央分離帯側を一定速度(例:100km/h)で高速走行させ、前記輸送機関を利用する自動車車両は、インターチェンジの進入路から前記輸送機関に牽引されるまで、また、前記輸送機関による牽引状態から離れ、インターチェンジの退出路までは、運転手が自動車車両自体の機構を使用し走行する。

    また、高速道路で分岐が必要な場合も、分岐路への離脱や分岐先の前記輸送機関に牽引されるまでは、運転手が自動車車両自体の機構を使用し走行を分担することで、前記輸送機関で分岐機構を考慮する必要がなく、機構の簡略化が図れることが第3の特徴である。

    高速道路ガイドレールを、現状では高速道路の中央分離帯側のガードレールやガードポストが設置されているスペース位置に、自動車車両走行路に並行して設置し、高速道路車両搬送装置を、前記高速道路ガイドレール上を一定の前後間隔を保ちながら高速道路の最高許容速度(日本では100km/h)で定速にて走行させる。 前記高速道路車両搬送装置は、自動車車両走行路側に腕木を出し、この腕木で自動車車両を牽引走行できるようにする。

    高速道路のインターチェンジから進入してきた自動車車両は、定速で走行する前記高速道路車両搬送装置の前記腕木に近づき、自動車車両側からの指示により、車両連結装置を使用して前記腕木と連結を行う。
    記腕木との連結後は、自動車車両の運転手は自動車車両の駆動装置をフリーラン(ニュートラル)状態として前記高速道路車両搬送装置による牽引走行状態に入る。

    自動車車両の運転手は、目的地インターチェンジの近傍に達すると自動車車両の駆動装置をフリーラン状態から駆動状態とし走行速度を前記高速道路車両搬送装置の走行速度と一致させた後、自動車車両側からの指示により、前記車両連結装置と前記腕木との連結を解除する。 その後、自動車車両の運転手は前記腕木から自動車車両を離し、高速道路の低速側走行路を経由し目的地インターチェンジの退出路から退出する。 これにより、自動車車両運転手が自由な意志で、いつでも・どこでも高速道路車両搬送設備を利用でき、一般道走行と高速道路移動の間で自動車車両の載せ替え、貨物の積替えの必要のない利便性のよいモーダルシフトが提供できることが、第4の特徴である。

    前記腕木は高速道路を自走する自動車車両が自動車車両側に取付けた車両連結器を用いて前記腕木を捕獲し、連結できる構造にて記載しているが、前記腕木側で自動車車両を捕獲する構造でもよく、自動車車両の運転手の意志で自動車車両と前記高速道路車両搬送装置が連結できる構造であれば同じ効果を果たすことは明らかである。

    本発明の高速道路車両搬送装置はその動力として、前記高速道路搬送設備の電力供給線から供給される電気エネルギーを利用し、モーターもしくはリニアモータ等で駆動力を得ることで、従来のガソリン、軽油等の燃料を使用する自動車車両に比べ約4倍のエネルギー変換効率を得ることができ、また、CO ガスの排出のないクリーンな高速道路の交通システムを得ることが第5の特徴である。

    前記までで記述した以外の本発明の効果を次に記載する。
    従来、バッテリー容量の小さな電気自動車では長距離走行が出来ず、これが電気自動車の本格的普及を阻害していると考えられていたが、本発明の高速道路交通システムを利用すると、自動車車両に搭載されている燃料、バッテリーを消費することなく長距離移動を可能とするため、バッテリー容量の小さな電気自動車でも走行距離の問題が解決され、環境負荷の小さい電気自動車による車社会への転換を促進することになる。 これにより、一般道路(市街地)においてもCO 排出が削減され、本発明の直接的効果である高速道路でのCO 排出削減と合わせ、自動車輸送全般でのCO 削減による地球温暖化防止を図ることが可能となる。

    また、本格的な電気自動車の普及のためには、従来のガソリンスタンド(GS)の如くバッテリー充電設備の社会インフラ整備が必要であるが、普及の初期段階では、このインフラ整備が十分でなく、電気自動車の使用者は充電不足を避けるために長距離移動の前後でバッテリーの充電設備を探し廻ることが予想される。 本発明の如く高速道路走行中にバッテリーの充電が行えると、電気自動車には高速道路に到着するまでの電池エネルギーが残っておればよく、電気自動車の普及をさらに促進できる。

    更に、本発明により、高速道路で自動車車両の運転手が運転操作から開放されることで、次のような新たなライフスタイルの創出が期待できる。
    まず、長距離運転でこれまで疲労していた自動車車両の運転手が、逆に、高速道路移動の時間を利用して仮眠、休養し、疲労回復を図ることができ、高速道路及び高速道路を退出し一般道路を運転走行する場合での事故予防が図れる。
    自家用車両で長距離の旅行を行う場合、従来、運転による疲労の大きい夜間の時間帯を避ける傾向にあったが、長距離移動中の運転操作が不要なことから、旅行機会が増加し、旅行時間の効率的な利用を目的として夜間に長距離移動、昼間の時間帯に観光というライフスタイルが生まれ、移動時間帯の流動化が図れる。 これにより、交通渋滞の緩和や夜間電力の利用促進が図れるという効果がある。
    さらに自家用車両では、長距離移動中に運転手も含めた余暇の創出が可能となり、運転座席と後部座席の対面化、運転座席のリラクゼーション機器の装備等のアメニティ効果の高い自動車車両の販売が促進されるという効果がある。

    また、前記高速道路のガイドレールは、高速道路を走行する自動車車両を牽引搬送する車両搬送装置の走行路として使用しているが、該高速道路ガイドレールのさらに中央分離帯寄りに並行して、もう1式の高速道路ガイドレールを設置することで、自動車車両を牽引する目的とは別の高速道路のサービスシステムを得ることができる。
    例えば、後者の高速道路ガイドレール上を、前記高速道路車両搬送装置の走行部を使用し車両搬送牽引用の前記腕木の代わりに、救急、消防設備を搭載した搬送装置を前記高速道路車両搬送装置より高速で走行させ、高速道路の任意の位置で減速、停止させることで、高速道路上で事故が発生した場合、高速道路上の自動車車両に行く手を阻まれることなく事故現場に急行することが出来、また、負傷者を搬出することが可能となる。 また、飲食物、他の商品販売機器を搭載させた前記搬送装置を走行させることで、前記高速道路車両搬送装置に牽引される自動車車両の利用者に高速道路走行中においても商品提供のサービスを行うシステムを提供できることも可能となる。

    以下、添付した図面を参照してこの発明による高速道路車両搬送設備の実施形態について、その詳細を説明する。

    図1は、本発明による車両搬送装置を利用した高速道路における移動方法を説明する図である。
    現状では高速道路1の中央分離帯2側のガードレールやガードポストが設置されているスペース位置に、本発明による高速道路ガイドレール3が自動車車両走行路6に並行して設置される。 高速道路ガイドレール3上には、複数の車両搬送装置5が、一定の前後間隔を保ちながら高速道路1の最高許容速度(日本では100km/h)で定速にて走行される。 車両搬送装置5は、自動車車両走行路6側に腕木9を出しており、この腕木9で自動車車両4を牽引走行できるように構成されている。

    高速道路1のインターチェンジの進入路7から進入してきた自動車車両4は、定速で走行する車両搬送装置5の腕木9に近づき、自動車車両4側からの指示により、車両連結装置10(詳細は後述する)を使用して腕木9と連結を行う。 自動車車両4を腕木9と連結させた後は、自動車車両4の運転手は、自動車車両4の駆動装置をフリーラン(ニュートラル)状態として車両搬送装置5による牽引走行状態に入る。

    自動車車両4が目的地インターチェンジの近傍に達すると、運転手は、自動車車両4の駆動装置をフリーラン状態から駆動状態とし、走行速度を車両搬送装置5の走行速度と一致させる。 その後、自動車車両4側からの指示により、腕木9と車両連結装置10との連結を解除する。 自動車車両4の運転手は腕木9から自動車車両4を離し、高速道路1の自動車車両走行路6の低速側走行路を経由し目的地インターチェンジの退出路8から退出する。 これにより、自動車車両4の運転手が自由な意志で、いつでも・どこでも高速道路車両搬送設備を利用でき、利便性のよいモーダルシフトが提供される。

    図1に示す実施例では、腕木9は高速道路1を自走する自動車車両4が当該車両側に取付けた車両連結器10を用いて腕木9を捕獲し、連結できる構造としているが、腕木9側で自動車車両4を捕獲する構造でもよく、自動車車両4の運転手の意志で自動車車両4と車両搬送装置5が連結できる構造であれば同じ効果を果たすことができる。

    図2は、本発明による高速道路車両搬送設備の全体システムを示すブロック図である。
    本発明による高速道路車両搬送設備は、その基本的な要素として、車両搬送装置5、ガイドレール3、車両連結装置10を備えた自動車車両4、車両搬送装置スタッカー11、輸送管理装置12、変電設備(変電所)14、電力管理設備15、車両搬送空席管理・座席予約設備17、及び車両搬送料金管理設備18を挙げることができる。

    車両搬送装置5は、その動力として、高速道路搬送設備の変電設備(変電所)14から電力供給線を通じて供給される電気エネルギーを利用し、電力でモーター若しくはリニアモータ等を駆動し、その駆動力を得る。 これにより、従来のガソリン、軽油等の燃料を使用する自動車車両に比べ約4倍のエネルギー変換効率を得ることができ、また、CO ガスの排出のないクリーンな高速道路の交通システムを得ることができる。 ここで、車両搬送装置5は、定速で走行させることから、モーター若しくはリニアモータ等の動作パラメータを注意深く調整することで、エネルギー変換効率の更なる向上が期待できる。

    車両搬送装置5は、前記の如く、自動車車両4を牽引駆動するだけの動力性能を持てばよく、例えばリニアモータとすることで薄型の装置とすることができる。 また、車両搬送装置5の走行路となる高速道路ガイドレール3においても、高速道路ガイドレール3内部を車両搬送装置5の走行部が走行するようにし、また、車両搬送装置5への電力供給線及び車両搬送装置5との通信線もガイドレール3内に設置することで、設備の占有スペースを小さく抑えることができ、既存の走行路線を占有せず、設置工事期間も短く抑えることができる。

    車両搬送装置5は、該装置5に給電される電力を使用して、自動車車両4に搭載されるバッテリー(蓄電池)34に電力を充電する充電装置19を備えている。 自動車車両4は、高速道路のサービスエリアに設けられた給油所、給電所に駐停車することなく、牽引走行中に充電装置19から自動車車両4のバッテリー(蓄電池)34に電力を充電することができる。

    車両搬送装置5は、ガイドレール3上に設置された位置マーカーを検出し、当該マーカーに記載されている位置情報を読み取ることができる。 また、該装置5は、それ自体に内蔵した走行距離積算機構で該装置の走行位置を認識する機能を持つ。 また、該装置5は、自動車車両4を牽引しているか否か、牽引している場合の自動車車両4の種別、牽引区間、該装置5が停車、減速、走行状態の何れの状態にあるのか、該装置5の走行速度、該装置5の負荷電流値、該装置5の故障・異常の有無、等の情報を、該装置5の走行状態として認識する機能を持つ。

    車両搬送装置5は、該装置5の走行位置及び走行状態を該装置5側に設置されているガイドレール通信機構30(図4参照)とガイドレール3に設置されているガイドレール通信機構29(図3参照)とを介して、輸送管理装置12に逐次情報伝達する。 輸送管理装置12は、これによりガイドレール3上に存在する全ての車両搬送装置5の走行位置及び走行状態を入手、管理する。

    輸送管理装置12は、全ての車両搬送装置5の走行状態を監視し、ある車両搬送装置5に事故や異常が発生したと検知すると、当該車両搬送装置5に対し減速、停止の指示を行うと共に、該装置5に後続する車両搬送装置5に対しても、減速、停止の指示を行う。 これにより、自動車車両4に追突することなく減速、停止する安全な高速道路交通システムを得ることができる。

    輸送管理装置12が管理する車両搬送装置5の走行位置及び走行状態は、車両搬送空席管理・座席予約設備17に伝達され、車両搬送空席管理・座席予約設備17で情報管理される。 こうした情報管理によって、高速道路を利用する自動車車両4の使用者は、インターネット39等の通信回路網を介して車両搬送空席管理・座席予約設備17のホームページにアクセスし、車両搬送設備の空席状況(自動車車両を牽引していない車両搬送装置5の番号や位置の表示)を検索する、或いは予め利用時刻、利用区間等を指定して使用する車両搬送装置5を予約登録することができる。

    また、車両搬送空席管理・座席予約設備17はこの予約登録情報を、ガイドレール通信機構29及び車両搬送装置ガイドレール通信機構30を介して車両搬送装置5に伝達し、当該車両搬送装置5は、車両搬送装置表示機構23に、予約登録の有無、予約区間を表示する。 これにより、自動車車両4の運転手は、車両搬送装置5が予約登録されているか否かを認識することができる。

    自動車車両4と車両搬送装置5との間は、車両連結装置10と車両搬送装置5の腕木9との間を物理的に連結できるようにする他、自動車車両4に搭載した例えばETC端末33等の通信装置と車両搬送装置5側に搭載した例えばETC送受信器等の車両搬送装置通信機構20との間で、通信によっても接続されている。
    自動車車両情報設定・表示装置21(図7参照)を自動車車両4に搭載した例えばETC端末33等の通信装置と接続することで、車両連結装置10を備えた自動車車両4の利用者は、自動車車両情報設定・表示装置21で入力又は予め設定した車両搬送装置5の利用区間、自動車車両種別を車両搬送装置5に伝達することができる。

    目覚まし報知機構22(図4参照)は、車両搬送装置5内で自動車車両4から伝達された車両搬送装置5の利用区間の終端側位置と車両搬送装置5の走行位置とを比較し、両位置間の距離が一定距離以下になれば運転者に注意報知し、自動車車両4の車両連結装置10の連結が解除するまで報知を行うことができる。

    車両搬送装置5において、自動車車両4の車両連結装置10と連結し車両搬送装置5が牽引走行を開始した該装置5の走行位置と、当該自動車車両4の車両連結装置10との連結が解除され車両搬送装置5の牽引走行が終了した該装置5の走行位置とが記憶され、牽引走行の開始位置と終了位置との間の距離が牽引走行距離として記憶される。 車両搬送装置5は、牽引走行距離、自動車車両から伝達された自動車車両種別、及び/又は車両搬送装置5の負荷電流値を、車両搬送料金管理設備18に伝達する。

    車両搬送料金管理設備18では、牽引走行距離、自動車車両種別及び/又は車両搬送装置5の負荷電流値に応じた料率、及び夜間電力利用等の割引率を考慮して、車両搬送装置5の牽引走行利用料金を算出する。 また、車両搬送料金管理設備18は、該設備18が算出した牽引走行利用料金を車両搬送装置表示機構23や、自動車車両情報設定・表示装置21に表示すると共に、ETC等のクレジット、プリペイカードからの牽引走行利用料金の徴収を行う。 これにより、牽引走行利用料金の徴収は既存の料金徴収システムを利用してその場で行われるため、自動車車両4が高速道路1から降車せず複数回の牽引走行を利用する場合でも、牽引走行の利用距離に応じた徴収が可能となる。 また、高速道路インターチェンジ等の料金所での混雑、渋滞から解放される。

    また、車両搬送装置5の充電機構19から電力の充電を受けた自動車車両4のバッテリー(蓄電池)34の充電料金についても、車両搬送料金管理設備18により、牽引走行利用料金と合わせて徴収を行うことができる。

    変電設備14は、車両搬送装置5の走行動力用、各機構の制御電源用及び牽引している自動車車両4のバッテリー(蓄電池)34の充電用電力を、ガイドレール3内に設置された電力供給線を介して供給する。 変電設備14は、商用電力や太陽光発電設備13、風力発電設備36からの電力供給を受け、電力供給線の供給電圧に変電する。

    ここで、太陽光発電や風力発電等のCO ガス排出のないエコ電力を優先して使用することで、商用電力の利用が削減される。 高速道路1は全路線の区間を通して、遮蔽物の無い、日当たりの良い野外に設置されているため、高速道路1の壁面、屋根部に太陽光発電設備13を設置することで、効率の良い電力発電が行える。 また、この電力を、太陽光発電設備13の設置場所に近い区間の電力供給線に供給することで、発電設備13からの送電線を短くすることができ、送電による電力ロスを少なくすることができる。

    電力管理設備15は、電力供給線への供給電力量情報や、電力供給線への電力供給設備の動作状態に関わる情報、或いは高速道路1の沿線の監視映像情報、防災監視情報を入手・管理し、変電設備14を動作・停止することで、車両搬送設備5の効率のよい運用を行う。 また、電力管理設備15は、事故や異常発生時に電力供給線への電力供給の遮断・投入を指示することで、事故等で走行を中断した区間に停車した自動車車両4の運転手が高速道路1の走行路に下車し、電力供給線に誤って接触し感電しない措置をとる、或いは変電設備14の異常で電力が供給されない区間の電力供給線へ、異常の発生した変電設備14とは別の変電設備14から電力の供給を行う措置をとる。

    高速道路1への車両搬送装置5の供給、或いは高速道路1からの車両搬送装置5の回収のため、車両搬送装置スタッカー11は、複数台の車両搬送装置5を格納する機構を有する。 また、車両搬送装置スタッカー11は、通常、車両搬送設備の両終端部に設置し、終端部に向かう側のガイドレール3の終端と連結させ、終端部に到達した車両搬送装置5を収容し、格納する。 更に、車両搬送装置スタッカー11は、終端部から出て行く側のガイドレール3にも連結し、車両搬送装置スタッカー11に格納している車両搬送装置5をガイドレール3に供給する機構を有する。

    高速道路1の終端部に十分な面積があり、終端部に向かう側のガイドレール3と終端部から出て行く側のガイドレール3を終端部において円弧状のガイドレール61で連結し、車両搬送装置5が滑らかに走行できる場合は、終端部には車両搬送装置スタッカー11を設置しないこともできる(図10参照)。

    図3は高速道路に設けられるガイドレールの一例(左側)と車両搬送装置の一例(右側)を示す斜視図である。
    本実施例では車両搬送装置5の動力としてリニアインダクションモータを使用しており、リニアインダクションモータの1次側コイルを車両搬送装置5側に搭載した場合の例を示す。 しかしながら、多数の車両搬送装置5をガイドレール3上で走行させる場合には、ガイドレール3側を1次コイル側とする機構の方が車両搬送装置5の構造が簡単で設備全体費用が安価となる場合もあり得るが、実施例の紹介は省略する。

    図3の左側に示すように、ガイドレール3は矩形の鋼体で構成されており、図1に示したように高速道路1の自動車車両走行路6に並行に設置されている。 ガイドレール3の内部は、図3の右側に示す車両搬送装置5が走行できる構造となっている。 ガイドレール3の内側には、三相(又は二相)の電力供給線(トロリー線)40が上部に、アルミ材のリアクションプレート41が中央分離帯側に、無線通信アンテナ線としてのガイドレール通信機構29が下側に、それぞれガイドレール3の進行方向全長に渡り連続的に敷設されている。 また、ガイドレール3の鋼体外側には、進行方向に一定距離間隔で位置マーカー43が取り付けられている。 ガイドレール3の自動車走行路側には、進行方向全長に渡り連続的に鋼体切れ込みが形成されているので、車両搬送装置5がその腕木9をガイドレール3の外に突出させた状態でガイドレール3内を走行することができる。

    車両搬送装置5にはその上部及び下部に走行ローラー46が取り付けられており、車両搬送装置5はこれらの走行ローラー46によりガイドレール3の内部を上下振動を抑え滑らかに走行できるようになっている。 走行ローラー46の上部側のローラーは、車両搬送装置5の上部に取付けられた非接触集電機構42とガイドレール3の電力供給線(トロリー線)40との間隔を一定の距離に保つ機能も奏している。

    車両搬送装置5の上部及び下部には合わせて8個のリニア・ギャップ・ローラー47が取り付けられている。 これらのローラー47は、車両搬送装置5をガイドレール3の内部を左右の横振動を抑えて滑らかに走行可能にさせると共に、ガイドレール3に敷設されているリアクションプレート41と車両搬送装置5との間隔を一定距離に保持させている。 走行ローラー46とリニア・ギャップ・ローラー47により、ガイドレール3と車両搬送装置5とを備えた高速道路の交通システムとして、振動、騒音が少なく、自動車車両を安定して牽引するシステムを得ることができる。

    車両搬送装置5の自動車車両走行路6側の側面には、腕木9と操作部54とが取り付けられている。 車両搬送装置5の腕木9には、通信機構20と表示機構23とが取り付けられている。 通信機構20と表示機構23とは、車両搬送装置5を利用する自動車車両4に搭載されているETC端末33との間の通信や表示確認に使用される。 操作部54には、車両搬送装置5によって牽引される自動車車両4のための充電機構19と、非常停止機構27とが設けられている。 充電機構19は、自動車車両4の運転手が自動車車両4のバッテリー(蓄電池)34を充電するのに使用される。 また、非常停止機構27は、車両搬送装置5を非常停止させるのに使用される。

    図4は、図3に示すガイドレール内を車両搬送装置が走行する状態を示す前後方向断面図である。 また、図5に車両搬送装置の走行部の内部構造と電源及び動力系統を示す側面図である。

    車両搬送装置5は、該装置5の動作用電力をガイドレール3の電力供給線(トロリー線)40からの電磁誘導により非接触集電機構42で集電する。 集電した電力は、周波数変換装置(コンバータ・インバータ)44に給電され、周波数変換装置44で電圧・周波数が変換された後、リニアモータ機構45に給電される。 集電電力は、車両搬送装置5側において、腕木9、通信機構20、表示機構23、操作部54等の動作用電力として、また充電機構19を介して自動車車両4のバッテリー(蓄電池)34への充電用電力として使用される。

    車両搬送装置5は、駆動機構としてリニアインダクションモータを使用しており、車両搬送装置5側には三相1次コイルからなるリニアモータ機構45が配設されており、ガイドレール3内側にはリアクションプレート41が敷設されている。

    周波数変換装置(コンバータ・インバータ)44から給電される電力によって、リニアモータ機構45は起磁力を発生する。 車両搬送装置5は、リニアモータ機構45が発生させる起磁力とガイドレールのリアクションプレート41に発生する誘導電流との間で生じる吸引・反発作用により、図3に示す進行方向への駆動力を得る。 本実施例においては、車両搬送装置5のリニアモータ機構45とガイドレールのリアクションプレート41の間隔を小さくすることができることと、リニア・ギャップ・ローラー47により常に一定の間隔を保持できることとによって、常に安定した大きな磁気吸引・反発力を得ることができる。 また、リニアインダクションモータの駆動力は、自動車車両や電車のように車輪の摩擦で伝達される力ではなく、リニアモータ機構45とリアクションプレート41の間で直接に伝達される力である。 したがって、この高速道路の交通システムにおいては、走行ローラー46の磨耗が少なく、長距離、長期間の使用においても安定した駆動力を生じさせることができる。

    車両搬送装置5の走行速度は、周波数変換装置(コンバータ・インバータ)44で変換する周波数により制御される。 また、車両搬送装置5の牽引力は、周波数変換装置(コンバータ・インバータ)44で変換する電圧により、制御される。 更に、本実施例においては、周波数変換装置(コンバータ・インバータ)44の内部に負荷電流測定機構が設けられている。 負荷電流測定機構が負荷電流を測定することで、車両搬送装置5が牽引している自動車車両4の質量(重量)が判る。 したがって、自動車車両4の重量に従った高速道路車両搬送設備1の利用料金を徴収することが可能となる。

    車両搬送装置5のガイドレール3における走行位置は、操作部54に内蔵する位置・終端検知機構25がガイドレール3の位置マーカー43を検知することで認識される。 ガイドレール3の位置マーカー43はアンテナコイルと位置データ(高速道路の始点からの距離等)を記憶するメモリ機構とから成る。 位置マーカー43は、車両搬送装置5の位置・終端検知機構25から出力される電力波を受信するとメモリ機構を動作させ、自己の位置データをアンテナコイルから発信する。 位置・終端検知機構25は、常時、電力波を発信すると共に、位置マーカー43から発信される位置データを受信する機構を備えている。 位置・終端検知機構25は、位置マーカー43上を通過する際に位置マーカー43から受信した位置データを車両搬送装置5の走行位置と認識する。

    車両搬送装置5においてより精度の良い走行位置を認識する必要がある場合は、車両搬送装置5が位置マーカー43を通過した後の経過時間と走行速度とに基づいて位置マーカー43を通過後の走行距離を得、この走行距離を位置マーカー43から受信した位置データに加算することで、車両搬送装置の高精度な走行位置を認識することが可能となる。 実施例では、ICカード等に使用されている無線通信での位置マーカー43の読み取り方式を使用したが、その他の物理的、光学的、磁気的方式でも同一の効果が得られる。

    車両搬送装置5側の通信機構20は、現在、高速道路料金収集システムにて使用されている無線通信方式を用いることで、自動車車両搭載のETC端末33(図2参照)との通信を行う。 車両搬送装置5に備わる表示機構23は、マイクロコンピュータ制御の液晶表示部で構成されており、目覚まし報知機構22もマイクロコンピュータ制御により液晶表示部に注意喚起表示を行うことができる。

    また、実施例ではガイドレール3側の通信機構29と車両搬送装置側の通信機構30との通信には、ガイドレール3内に敷設されているアンテナケーブルを使用した誘導無線伝送方式が用いられている。 また、ガイドレール3自体が導波管の役割をすることから、一般の無線LANをガイドレール3側の通信機構29と車両搬送装置5側の通信機構30との通信方式として使用することも可能である。

    この実施例では、車両搬送装置5は、前方距離測定装置として自動車用ミリ波レーダ24を備えている。 自動車用ミリ波レーダ24によって、ガイドレール3上を走行する前方の車両搬送装置5までの距離が測定される。 当該測定距離が予め定められた一定距離より近くなると、車両搬送装置5の速度制限機構26は周波数変換装置44を制御し、リニアモータ機構45に給電する周波数を減少させることで車両搬送装置5を減速、停止させる。
    これにより、前方の車両搬送装置5が事故、故障等により減速、停止した場合に、車両搬送装置5自体でも自動的に減速、停止させ、前方の車両搬送装置5との追突を避けることができる安全な高速道路車両搬送設備を得ることができる。
    また、車両搬送装置5の操作部54には、押し釦からなる非常停止機構27が設けられている。 速度制御機構26は押し釦の接点状態を取り込む構成としている。 自動車車両4の運転手が非常停止機構27の押し釦を押下すると、速度制御機構26は、車両搬送装置5を減速、停止させる。 これにより、自動車車両4の運転手が車両搬送装置5を緊急停止させることができ、より安全に配慮した高速道路車両搬送設備を得ることができる。

    図6は、車両搬送装置5の衝撃緩和機構の実施例を示す概略側面図である。 図6に示される衝撃緩和機構28は、車両搬送装置5の走行部35の後部に取り付けられる油圧シリンダ55と、油圧シリンダ55から突出配置されている緩衝部56とから構成される。 衝撃緩和機構28は、万が一後続の車両搬送装置5が追突した際の衝撃を緩和させる機構を実現している。 衝撃緩和機構28の油圧シリンダ55の長さを自動車車両4より長くすることで、追突された場合に、車両搬送装置5に連結されている自動車車両4と後続の車両搬送装置5に連結されている自動車車両4が直接衝突することを防止している。

    図7は、自動車車両と車両搬送装置とを連結するための車両連結装置の実施例を示す斜視図である。 車両連結装置10は、高速道路での加速及び減速時の引張力及び圧縮力に耐えることができるように、自動車車両4のフレームに取り付けられる。 車両連結装置10はアーム部48及び関節部49を備えている。 一般道路走行時等の通常時には、アーム部48及び関節部49は折り畳まれて車両連結装置10の内部に格納される。 高速道路1(図1参照)を走行する際には、車両連結装置10からアーム部48を外部に伸展し、L字型に曲げた状態で車両搬送装置5の腕木9に接近する。 車両搬送装置5の腕木9に車両連結装置10のアーム部48が接触するとアーム部48の先端部を更に曲げて車両搬送装置5の腕木9を捕獲する。 腕木9を捕獲後、運転者は自動車車両4の駆動装置をフリーラン(ニュートラル)状態として車両搬送装置5による牽引走行状態に入る。

    自動車車両4が車両搬送装置5の腕木9との連結を解除する手順は、上記の逆になる。 アーム部48の先端部には圧力センサーが設けられており、車両連結装置10には、牽引状態で圧力センサーが反応(圧力を受けている)状態にある間はアーム部48を動作できないようインターロックが掛かる機構が備わっている。 このインターロック機構によって、自動車車両4がフリーラン(ニュートラル)状態からドライブ状態で車両搬送装置5と同じ速度に到る前に、車両連結装置10のアーム部48が動作するのを防止している。

    図8は、車両搬送装置スタッカー11の実施例を示す平面図である。 高速道路1の終端には、車両搬送装置スタッカー11が設けられる。 車両搬送装置スタッカー11は、当該スタッカー11への進入側のガイドレール3を走行する車両搬送装置5の収容と、当該スタッカー11からの進出側のガイドレール3への車両搬送装置5の供給と、万が一、高速道路終端までに車両搬送装置5から離脱できず居残った自動車車両4が有る場合に当該居残り自動車車両4を当該スタッカー11内の居残り車両留置機構31に留置させる機構を持つ。 車両搬送装置スタッカー11の進入側のガイドレール3には、高速道路の終端が近づいたことを示す位置マーカー43を設置しておき、当該位置マーカー43上を通過する車両搬送装置5は、位置・終端検知機構25が当該位置マーカー43からの信号を受信することにより、高速道路1の終端が近づいたことを認知する。

    高速道路1の終端が近づいたことを認知した車両搬送装置5は、速度制限機構26により減速を行うと共に前方距離測定機構24の距離許容範囲を縮め、前方を走行する車両搬送装置5と接近して走行する。 この場合、低速であることから、高速道路1上での高速走行状態における2つの車両搬送装置5間の許容安全距離より短い距離まで前後の車両搬送装置5との間隔を縮小させて走行することを許容する。 これにより、高速走行状態とほぼ同じ時間間隔で、かつ、緩やかな速度で車両搬送装置5を車両搬送装置スタッカー11に接近させることができる。

    周波数変換装置44の走行電流が自動車車両4を牽引していない状態での走行電流より大きい場合、又は腕木9に取付けた圧力センサーが圧力を感知している場合には、車両搬送装置5が自動車車両4をまだ牽引していることが認識される。 これらの場合には、目覚まし報知機構22により自動車車両4の運転者に警報を発するとともに、車両搬送装置5側の通信機構30とガイドレール3側の通信機構29を介して基地管理設備16に居残り車両があることが通知される。 車両搬送装置5が自動車車両4を牽引していると認識しない場合は、車両搬送装置5は腕木9を折り畳み又は短縮し、車両搬送装置収容部51に進入する。

    基地管理設備16は、居残り車両の通知を受けると、居残り車両を牽引した車両搬送装置5が車両搬送装置スタッカー11の収容部51に接近することを認識する。 基地管理設備16は、収容部51にある分岐部転換機構58を転換制御し、居残り車両を牽引した車両搬送装置5を車両搬送装置スタッカー11内の居残り車両留置機構31に導く。 居残り車両留置機構31に複数の居残り車両を留置する場所を持つ場合、基地管理設備16は、車両留置場所単位に居残り車両の有無を記憶し、居残り車両留置機構31にある分岐部転換機構58を転換制御し、居残り車両が無しの車両留置場所に居残り車両を牽引した車両搬送装置5を導く。 居残り車両留置機構31に進入した車両搬送装置5は、居残り車両留置機構31にあるガイドレールの位置マーカー43を検知し停止することで、居残り車両を留置する。 これにより、高速道路1の車両搬送装置5を利用する自動車車両4の運転手が、万が一、高速道路1の終端まで乗り過ごし、車両搬送装置5に連結された状態であっても、高速道路車両搬送設備から安全に切り離し、留置できる切離・留置システムを得ることができる。

    基地管理設備16は、居残り車両を牽引しない車両搬送装置5が車両搬送装置スタッカー11の収容部51に接近した場合は、収容部51にある分岐部転換機構58を転換制御し、車両搬送装置5を車両搬送装置格納部52に導く。 車両搬送装置格納部52は、異常、故障等で点検・保守の必要な車両搬送装置5と点検・保守の必要のない車両搬送装置5に分別し、点検・保守の必要のない車両搬送装置5を車両搬送装置スタッカー11の車両搬送装置供給部53に導く。

    高速道路1への車両搬送装置5の送り出し・供給は、車両搬送装置スタッカー11の車両搬送装置供給部53を高速道路1の終端部から出て行く側のガイドレール3に連結しておき、基地管理設備16からの指示を受けて車両搬送装置供給部53から車両搬送装置5を順次送出することで行う。
    基地管理設備は16、車両搬送装置スタッカー11の車両搬送装置供給部53に車両搬送装置5の送出を指示するタイミングを、高速道路1に自動車車両4が多い時期や時間帯には該タイミング間隔を短く、自動車車両4が少ない時期や時間帯には該タイミング間隔を長くする。 これにより、交通需要に応じて高速道路1を走行する車両搬送装置5の台数を増減させ、効率的な輸送を行うことができる。

    図9は、ガイドレールの分岐機構の実施例を示す平面図である。 ガイドレール分岐機構は、分岐部57、分岐部転換機構58、本線分岐路59及び枝線分岐路60を備えており、分岐部57を分岐部転換機構58の回転機構で移動し、分岐路57と本線分岐路59若しくは枝線分岐路60と連続した位置で停止することでガイドレールの分岐を行う。

    本発明の実施例としては、車両搬送装置の動力としてリニアインダクションモータを使用した例を示すが、電気エネルギーを使用した効率の良い駆動装置であれば同じ効果が得られることは自明である。

    本発明による車両搬送装置を利用した高速道路における移動方法の説明図である。

    本発明による高速道路車両搬送設備の全体システムの説明図である。

    ガイドレールと車両搬送装置(実施例)の説明図である。

    ガイドレールと車両搬送装置の前後方向断面図である。

    車両搬送装置の側面断面図で電源及び動力系統を示す。

    車両搬送装置衝撃緩衝機構(実施例)の説明図である。

    自動車車両連結装置と車両搬送装置との連結方法を示す。

    車両搬送装置スタッカー(実施例)の説明図である。

    ガイドレールの分岐機構の説明図である。

    高速道路終端部に車両搬送装置スタッカーを設置しない例の説明図である。

    符号の説明

    1 高速道路 2 高速道路の中央分離帯 3 ガイドレール 4 自動車車両 5 車両搬送装置 6 自動車車両走行路 7 高速道路インターチェンジからの進入路 8 高速道路インターチェンジへの退出路 9 車両搬送装置の腕木 10 車両連結装置11 車両搬送装置スタッカー 12 車両搬送設備輸送管理設備13 太陽光発電設備 14 変電設備15 電力管理設備 16 基地管理設備17 車両搬送空席管理・座席予約設備 18 車両搬送料金管理設備19 車両搬送装置充電機構 20 通信機構21 車両情報設定・表示装置 22 目覚まし報知機構23 表示機構 24 前方距離測定機構25 位置・終端検知機構 26 速度制限機構27 非常停止機構 28 衝撃緩和機構29 通信機構(ガイドレール側) 30 通信機構(車両搬送装置側)
    31 居残り車両留置機構 32 緊急・サービス機器搬送設備33 車両搭載のETC端末 34 バッテリー(蓄電池)
    35 走行部 36 風力発電設備37 商用発電設備 38 空席検索、座席予約端末39 インターネット 40 電力供給線(トロリー線)
    41 リアクションプレート 42 非接触集電機構43 位置マーカー 44 周波数変換装置(コンバータ・インバータ)
    45 リニアモータ機構 46 走行ローラー47 リニア・ギャップ・ローラー 48 車両連結装置アーム部49 車両連結装置関節部 50 インターチェンジ料金所51 車両搬送装置スタッカー収容部 52 車両搬送装置格納部53 車両搬送装置供給部 54 操作部55 衝撃緩和機構油圧シリンダ 56 衝撃緩和機構緩衝部57 分岐部 58 分岐部転換機構59 本線分岐路 60 枝線分岐路61 円弧状のガイドレール

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