Branch device for tracked traffic system

申请号 JP2006306037 申请日 2006-11-10 公开(公告)号 JP2008120238A 公开(公告)日 2008-05-29
申请人 Mitsubishi Heavy Ind Ltd; 三菱重工業株式会社; 发明人 MORICHIKA SHUNJI; MORITA KATSUAKI; YAMAGUCHI MASAHIRO; KATAHIRA KOSUKE; NAGAMICHI YASUHIRO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a branch device for a tracked traffic system having an automatic steering mechanism and a fail-safe mechanism comprising a protective track and protective wheels, in which a vehicle can smoothly travel at an intersection between a wheel travel road surface and the protective track of a track branch section.
SOLUTION: The tracked traffic system, in which the vehicle travels along a track 01, is provided with a steering mechanism for automatically steering front and rear wheels by an actuator 36, and the fail-safe mechanism comprising the protective track 14 placed on a track road surface and the protective wheel provided under the vehicle and moving without contact along the protective track. The protective track 14 has a groove-like cross-section. A movable guidance plate 86 is provided at a branch section of the protective track, and connects the protective track 14 on an upstream side of the branch section to protective tracks 82, 84 on a downstream side of the branch section in a switchable manner. A width of the groove of the protective track at intersections 114, 116 of the protective track 82, 84 and wheel travelling surfaces 100, 92 is set to be a minimum width where the protective wheel 40 can pass through.
COPYRIGHT: (C)2008,JPO&INPIT
权利要求
  • 予め定められた軌道に沿って走行する車両の軌道系交通システムであって、車両の前輪及び後輪をアクチュエータによって自動操舵する操舵機構と、該軌道の路面に設けられた保護軌道及び該車両の下方に設けられ該保護軌道に沿って非接触で移動する保護輪からなるフェイルセイフ機構とを備えた軌道系交通システムの分岐装置において、
    前記保護軌道が溝状断面で構成され、
    前記保護軌道の分岐部に分岐部上流側の保護軌道を分岐部下流側のひとつの又は他の保護軌道に切り替え可能に連結する可動案内板を設け、
    該分岐部下流側の該保護軌道と車輪走行面との交差部における該保護軌道の溝幅を前記保護輪が通過可能な最小幅に構成したことを特徴とする軌道系交通システムの分岐装置。
  • 予め定められた軌道に沿って走行する車両の軌道系交通システムであって、車両の前輪及び後輪をアクチュエータによって自動操舵する操舵機構と、該軌道の路面に設けられた保護軌道及び該車両の下方に設けられ該保護軌道に沿って非接触で移動する保護輪からなるフェイルセイフ機構とを備えた軌道系交通システムの分岐装置において、
    前記保護軌道が溝状断面で構成され、
    前記保護軌道の分岐部に分岐部上流側の保護軌道を分岐部下流側のひとつの又は他の保護軌道に切り替え可能に連結する可動案内板を設け、
    該分岐部下流側の該保護軌道と車輪走行面との交差部の該保護軌道の開口を開閉可能な可動板を設け、車輪が通過する側の該保護軌道の開口となる溝を走行面と同じ高さの該可動板で該溝を埋めるように構成したことを特徴とする軌道系交通システムの分岐装置。
  • 前記可動案内板を該可動案内板の一端に設けられた回転軸を中心に回動可能に設けることにより、分岐部上流側の保護軌道を分岐部下流側のひとつの又は他の保護軌道に切り替え可能に連結するように構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の軌道系交通システムの分岐装置。
  • 前記可動案内板の水平方向断面を分岐部上流側に向かって先細る楔形断面とし、該可動案内板を前記保護軌道の幅方向に平行移動可能に設けることにより、分岐部上流側の保護軌道を分岐部下流側のひとつの又は他の保護軌道に切り替え可能に連結するように構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の軌道系交通システムの分岐装置。
  • 前記可動板を前記保護軌道の内部で水平方向に設けるとともに、該保護軌道の上端と同一高さとなる上昇位置と該保護軌道を通過する前記保護輪より下方に位置する下降位置とに昇降可能に構成し、該可動板を該上昇位置と下降位置に昇降する昇降手段を設けたことを特徴とする請求項2に記載の軌道系交通システムの分岐装置。
  • 前記可動板を前記保護軌道の上端と同一高さに水平方向に設けるとともに、該保護軌道の幅方向に水平に移動可能に設け、該可動板を水平方向に往復動する移動手段を設けたことを特徴とする請求項2に記載の軌道系交通システムの分岐装置。
  • 前記可動案内板と可動板とを地上側に設けた制御装置により車両の走行に合わせて連動させるように構成したことを特徴とする請求項2に記載の軌道系交通システムの分岐装置。
  • 说明书全文

    本発明は、予め定められた軌道上を、例えばゴムタイヤ式等の走行輪によって走行し、自動操機構を備え、該自動操舵機構の異常発生時あるいは車両に風その他何らかの外が付加された時に対処するためのフェイルセイフ機構を備えた軌道系交通システムの分岐装置に関する。

    ゴムタイヤで車体を支持し、これを駆動回転することによって走行する新交通システムの車両においては、レール上を走行する鉄道車両と異なり、走行輪であるゴムタイヤを定められた軌道に沿って操舵するために、従来操舵用の案内用車輪が設けられ、この案内用車輪が軌道に沿って設けられた案内レールにガイドされることによって、車両を機械的に操舵していた。

    しかしながら、かかる機械式案内機構は、安全性、信頼性に優れているが、車輪や駆動機構が設けられる台車の構造が複雑になり、質量及びランニングコストが増大するとともに、案内用車輪を支持するに十分な強度を有する案内レールを全線に渡って高い精度で設置する必要があり、軌道の建設費が膨大になるという欠点がある。
    従ってこのような欠点を解消するため、特に操舵のためのガイドレール等を必要としない車両の操舵システムが本願の出願人によって提案されている(特許文献1)。

    特許文献1(特開2002−351544号公報)に開示された操舵システムは、車両が走行する軌道の全長に亘って車両の運転に必要な情報を記憶し発信する複数の地上子を敷設しておき、車両が走行する際に、車両に設けられた制御装置が各地上子が発信する情報に基づいて、順次操舵指令を発し、該操舵指令に従って車両に設けられた操舵装置が操舵を行なうもので、操舵用のガイドレールを必要とせず、建設費及び保守費のコストダウンを図ることができるとともに、案内用車輪が該ガイドレールを走行する際に発生する振動や騒音を低減することができる長所をもっている。

    特許文献1の操舵システムを図29及び図30に基づいて説明する。 図29はこの操舵システムの構成図であり、図29(a)は側面図を、図29(b)は正面図を示し、図30は操舵装置を示す平面図である。 図29及び図30において、車両03が新交通システムの車両であり、軌道01に沿って走行を行なう。 車両03は各々前後に空気バネを介して設けられた台車04に取り付けられたゴムタイヤ05によって支持されており、駆動モータ06により回転駆動を、アクチュエータ07によって操舵を行なう。

    操舵システムは、地上子02、送信器08、受信器09、制御装置010及び操舵装置020から構成され、ゴムタイヤ05を転向することにより、車両03の操舵を行なう。 地上子02は、軌道01に全長に亘り、軌道01に沿って所定の間隔で複数敷設される無電源の地上子であり、それぞれ固有の情報が設定されている。 かかる固有の情報には、各地上子02の識別番号と位置情報、軌道情報及び制御情報が含まれている。

    位置情報とは、絶対位置座標や基準点からの距離などその地上子02の位置に関する情報である。 さらにその地上子02の地点における勾配、曲率、カント、及び分岐など軌道01の条件を示す軌道情報が、必要に応じて前記固有の情報として地上子02に設定される(これらの情報をまとめて以下「運転情報」という)。
    かかる地上子02は無電源ではあるが、電力の供給を受けると、設定されている運転情報の信号を発するように構成されている。 地上子02は、例えば運転情報を記憶するROMを含む電子回路で構成される。

    送信器08は、地上子02に電波によって電力を供給する装置であり、また受信器09は、電力の供給を受けた地上子02から発せられる運転情報を受信する装置である。 制御装置010は、受信器09が受信した運転情報に基づいて所定のデータ処理を行い、駆動モータ06及びアクチュエータ07に対して速度指令及び操舵指令を伝達する装置である。

    操舵装置020は、前記操舵指令に従って動作するアクチュエータ07を含むゴムタイヤ05を転向するための装置であり、台車04にその一端をピン012により回転自在に取り付けられたアーム011、アーム011の先端に連結された電気式、油圧式、あるいは空気圧式のアクチュエータ07、連結竿059、左右のゴムタイヤ05用のてこ056a、056b及びそれらを連結するタイロッド057によって構成されている。

    かかる装置において、制御装置010からの操舵指令に従って、アクチュエータ07が移動すると、それに従ってアーム011がピン012を中心に回転し、その移動により、連結竿059及びタイロッド057を介して、てこ056a、056bが動作し、ゴムタイヤ05が左右に転向される。
    この自動操舵システムは、ガイドレール等を用いずに、地上子02に記憶された運転情報に基づいて、車両03の操舵を行なうものであり、ガイドレール等が不要となるため、軌道01の建設費を大幅に削減でき、案内輪を用いないので、それらの消耗部品が不要となり、保守費を低減できるとともに、案内輪とガイドレール等との接触がないので、振動や騒音を低減できる等の長所を有する。

    しかしながら特許文献1に開示された自動操舵システムにおいては、案内輪やガイドレール等による機械的な操舵方法を用いていないため、操舵システムが故障した場合や風、雨、などの環境外乱等の非常時に車両の暴走、脱軌道等に対して安全を担保する方法が未解決であった。
    このため本願出願人は、先に、案内輪とガイドレール等から構成された接触式の機械的操舵装置をもたない、特許文献1に開示されたような自動操舵システムにおいても、操舵システムに異常が発生した場合に、確実に安全を担保でき、かつ前記機械的操舵装置に比べて構成の簡素化、軽量化を達成でき、それによってコストダウンを達成できるフェイルセイフ機構を提案している(特開2006−175962号公報)。

    このフェイルセイフ機構は、軌道路面上に断面が溝状の保護軌道を設け、車両台車の下部に設けた保護輪が該保護軌道内に挿入された状態で走行するように構成されている。 該保護軌道と該保護輪との間には隙間が設けられ、該隙間は、車両が軌道から外れる許容限界寸法より小さく設定される。 前記自動操舵システムが正常に作動している場合は該保護輪は該保護軌道に接触しないで走行するが、該自動操舵システムに異常が発生したり、車両に何らかの外乱、例えば横風等が加わることにより、車両の走行に異常が生じた場合に、該保護輪が該保護軌道のガイド面に接触することにより、車両の走行が前記許容限界から逸脱するのを防止している。

    特開2002−351544号公報

    特開2006−175962号公報

    しかし、前述のようなフェイルセイフ機構を備えた軌道系交通システムの場合、Y形分岐路やX形分岐路において、車輪の走行路面と前記保護軌道との交差部が必ず存在する。 該保護軌道は溝状断面をなし、その溝幅は保護輪との間に許容限界寸法分だけの隙間を設けているため、該交差部では車輪の走行路面に保護輪の幅よりもかなり広い幅の溝が存在することになる。 例えば保護輪の幅が150mmであるのに対し、保護軌道の溝幅は250〜300mm程度設定される。 従って、タイヤが該溝に落ち込み、タイヤを損傷させると同時に、車両の走行に重大な影響を与える振動が発生する。 さらには該溝の部を損壊させる可能性もある。

    そこで、本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、自動操舵機構及び保護軌道と保護輪とからなるフェイルセイフ機構を具備した軌道系交通システムにおいて、車両が軌道の分岐部の車輪走行路面と保護軌道との交差部を走行する際の前記問題点を解消し、分岐部でのスムーズな走行を可能とすることを目的とする。

    前記課題を解決するため、第1の本発明の軌道系交通システムは、
    予め定められた軌道に沿って走行する車両の軌道系交通システムであって、車両の前輪及び後輪をアクチュエータによって自動操舵する操舵機構と、該軌道の路面に設けられた保護軌道及び該車両の下方に設けられ該保護軌道に沿って非接触で移動する保護輪からなるフェイルセイフ機構とを備えた軌道系交通システムの分岐装置において、
    前記保護軌道が溝状断面で構成され、
    前記保護軌道の分岐部に分岐部上流側の保護軌道を分岐部下流側のひとつの又は他の保護軌道に切り替え可能に連結する可動案内板を設け、
    該分岐部下流側の該保護軌道と車輪走行面との交差部における該保護軌道の溝幅を該保護輪が通過可能な最小幅に構成したものである。

    第1の本発明において、前記可動案内板によって分岐部上流側の保護軌道を分岐部下流側の走行予定の軌道の保護軌道へ保護輪を確実に分岐させることができる。 また分岐部下流側の保護軌道と車輪走行面との交差部では、保護軌道を構成するガイド溝の溝幅を保護輪が通過可能な最小幅とすることにより、該ガイド溝に車輪が落ち込むことなく、車輪が該交差部をスムーズに通過できるようにしている。 該交差部では車輪走行面の走行方向に対し該ガイド溝が斜めに交差するため、車輪がガイド溝に落ち込むことはない。

    第1発明では、自動操舵システムに異常が発生したり、車両に何らかの外乱が加わらない限り、分岐部も自動操舵機構により走行するため、保護軌道の側壁や前記可動案内板、その他の分岐機器に保護輪が接触することはない。 従って、分岐装置の分岐機器類が損耗することはなく、そのため分岐機器類に故障やトラブルが発生するおそれは少ない。

    第1発明によれば、車輪走行面との交差部における保護軌道の溝幅を保護輪が通過可能な最小幅とするだけであり、簡単な構成で製造費も低コストで済む。 また簡単な構成で損耗部分もないため、メンテナンスも楽であり、経済的である。

    次に第2の本発明の軌道系交通システムの分岐装置は、
    予め定められた軌道に沿って走行する車両の軌道系交通システムであって、車両の前輪及び後輪をアクチュエータによって自動操舵する操舵機構と、該軌道の路面に設けられた保護軌道及び該車両の下方に設けられ該保護軌道に沿って非接触で移動する保護輪からなるフェイルセイフ機構とを備えた軌道系交通システムの分岐装置において、
    前記保護軌道が溝状断面で構成され、
    前記保護軌道の分岐部に分岐部上流側の保護軌道を分岐部下流側のひとつの又は他の保護軌道に切り替え可能に連結する可動案内板を設け、
    該分岐部下流側の該保護軌道と車輪走行面との交差部の該保護軌道の開口を開閉可能な可動板を設け、車輪が通過する側の該保護軌道の開口となる溝を走行面と同じ高さの該可動板で該溝を埋めるように構成したものである。

    第2発明においては、保護軌道の分岐部に可動案内板を設ける点は第1発明と同一の構成であるが、分岐部下流側の保護軌道と車輪走行面との交差部に前記可動板を設け、車輪が通過する側の該保護軌道の開口となる溝を走行面と同じ高さの該可動板で溝を埋めることにより、該交差部での車輪の通過をスムーズに行なうようにしたものである。

    第1発明又は第2発明において、可動案内板は、可動案内板の一端に設けられた回転軸を中心に回動可能に設けることにより、あるいは該可動案内板の平方向断面を分岐部上流側に向かって先細る楔形断面とし、該可動案内板を前記保護軌道の幅方向に平行移動可能に設けることにより、比較的簡単な構成で分岐部上流側の保護軌道を分岐部下流側のひとつの又は他の保護軌道に切り替え可能に連結することができる。

    また第2発明において、可動板を保護軌道の内部で水平方向に設けるとともに、該保護軌道の上端と同一高さとなる上昇位置と該保護軌道を通過する保護輪の下端部より下方に位置する下降位置とに昇降可能に構成し、該可動板を該上昇位置と下降位置に昇降する昇降手段を設けたことにより、該保護軌道の開口を開閉可能に構成とすることができる。 かかる構成とすれば、可動板は保護軌道の内部に設けられ、上下方向に昇降するので、水平方向のスペースを取らず、装置構成を簡素化できる。

    また第2発明において、可動板を保護軌道の上端と同一高さに水平方向に設けるとともに、該保護軌道の幅方向に水平に移動可能に設け、該可動板を水平方向に往復動する移動手段を設けたことにより、該保護軌道を構成するガイド溝の開口を開閉可能に構成してもよい。 かかる構成によれば、上下方向のスペースを取らず、装置構成を簡素化できる。

    また第2発明において、可動案内板と可動板とを地上側に設けた制御装置により車両の走行に合わせて連動させるように構成すれば、該可動案内板と可動板との動作を動作タイミングのずれなく確実に行なうことができ、車両の分岐部での走行を円滑に行なうことができる。

    第1の発明によれば、保護軌道が溝状断面で構成され、該保護軌道の分岐部に分岐部上流側の保護軌道を分岐部下流側のひとつの又は他の保護軌道に切り替え可能に連結する可動案内板を設け、該分岐部下流側の該保護軌道と車輪走行面との交差部における該保護軌道の溝幅を該保護輪が通過可能な最小幅に構成したことにより、車輪が保護軌道に落ちることもなく、また振動の発生もなく、分岐部の車両の走行を円滑に行なうことができる。
    また極めて簡単かつ安価な構成であり、複雑な機構や摩耗部分がないことからメンテナンスも楽であり、また故障やトラブルの発生もなく、信頼性の高いシステムとすることができる。

    また第2発明によれば、保護軌道が溝状断面で構成され、保護軌道の分岐部に分岐部上流側の保護軌道を分岐部下流側の一つの又は他の保護軌道に切り替え可能に連結する可動案内板を設け、該分岐部下流側の該保護軌道と車輪走行面との交差部の該保護軌道の開口を開閉可能な可動板を設け、車輪が通過する側の該保護軌道の開口となる溝を走行面と同じ高さの該可動板で該溝を埋めるように構成したことにより、該交差部での車両の走行を前記第1発明より一層円滑に行なうことができる。

    前記第1発明及び第2発明で、自動操舵により分岐部を走行するようにすれば、車両は保護軌道の側壁や分岐部の各機器類に接触することなく走行するので、各機器類の損耗がなく、従って故障やトラブルも少ない。

    以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。 但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではない。
    (実施形態1)

    本発明の第1実施形態を図1〜図6に示す。 図1は本実施形態の平面説明図、図2は図1のA―A断面図であり、図2(a)は説明図、図2(b)は図2(a)の変形例を示す説明図である。 図3は図2のB部拡大図、図4は本実施形態のシステムブロック図、図5は本実施形態における制御手順を示すフローチャート、図6は車両位置矯正手段において行なわれる制御手順を示すフローチャートである。
    図1及び図2に示すように、本軌道系交通システム10を備えた車両12は、軌道01に沿って走行する。 この軌道01の略中央部には、断面形状がU字状の保護軌道14が路面15に対して溝状をなして設けられている。 このU字状の保護軌道14は、U字形鋼を敷設することによって形成されている。

    車両12の前後の下部には、車両12を支持する前輪台車16、後輪台車(図示せず)が設けられている。 この前輪台車16には、前輪18がキングピンにより左右に操舵可能となっている車軸が取り付けられている。 前輪18は、図示しないが中子式のゴムタイヤ20が装着されて構成されている。 また後輪台車には、後輪22がキングピンにより左右に操舵可能となっている車軸が取り付けられる。 後輪22も、前輪18同様に中子式のゴムタイヤが装着されている。

    次に、操舵機構26について、前輪18側部分に絞って説明する。 なお、後輪22側についても同様の構成となる。
    図1、図2に示すように、左前輪18aに接続されて前方に延びる前ステアリングアーム28aと、後方に延びる後ステアリングアーム30aとが設けられている。 また、右前輪18bには、後方に延びる後ステアリングアーム30bが設けられている。 左右輪の後ステアリングアーム30a、30bの後端部間には、タイロッド32が架設されている。 この後ステアリングアーム30a、30bとタイロッド32とは、球面ジョイント34によって回転可能に接合されている。

    また、前ステアリングアーム28aの前端部には、アクチュエータ36の可動ロッド38の端部が球面ジョイント34によって回転可能に接合している。 このアクチュエータ36は、前輪台車16に取り付けられている。 アクチュエータ36の具体的構造については、例えば電動機とボールねじ構造であるが、並進運動をするものであればよく、空気圧または油圧式サーボシリンダ構造や、リニアモータ構造等のものであってもよい。
    なお、タイロッド32、後ステアリングアーム30a、30bによって、いわゆるアッカーマン・ジャント式リンク機構を構成し、旋回時の左右輪の旋回角度が適切にコントロールされる。 また、タイロッド32で左前輪18aと右前輪18bが連動するため、左右輪の操舵が確実に行なわれる。

    次に、保護輪40について説明する。 保護輪40は、円筒形状をしており、保護アーム42の前後端部の下面側に回転自在に支持されている。 また、保護輪40は、U字状断面の保護軌道14の中に挿入され、その周面が保護軌道14の側壁14aに対向するように配設される。 保護輪40の材質は、防振性と耐磨耗性の高いウレタンゴム、または、ゴムタイヤなどに用いられるスチールベルトを用いた素材などを使用したノーパンクタイヤが望ましい。

    また、保護輪40と保護軌道14の側壁14aとの間には、車両12がその軌道01から左右にこれ以上偏向してはならない許容範囲より小さい隙間を有しており、操舵機構26が正常な間は、保護輪40は保護軌道14の側壁14aに接しないようになっている。 通常この保護輪40と保護軌道14との隙間は全幅で80mm〜100mm程度に設定されている。
    保護アーム42は、車両前後方向に延びた形状をし、前輪18の車軸44の下部にその中央部を回動可能に支持されて装着されている。

    なお、保護輪40の高さは、図2(a)に示すように、路面15よりも上に配置することもできるし、図2(b)に示すように、路面15よりも下に配置することも可能である。 このことにより、リプレース仕様に対して、既設の走行軌道に合わせた構造を選択することができ、より柔軟な対応が可能になる。

    保護アーム42の端部近傍と前ステアリングアーム28aの前端部とは、連動ロッド46によって連結され、この連動ロッド46と保護アーム42とによって保護輪40を前輪18の操舵方向と同一の方向を向くように構成されている。

    操舵機構26は、アクチュエータ36、可動ロッド38、前ステアリングアーム28a、後ステアリングアーム30a、30bによって構成され、また連動機構48は、保護アーム42、連動ロッド46によって構成されている。

    また、この前ステアリングアーム28aの前端部には、図3に示すように、2連球面ジョイント50が設けられ、この2連球面ジョイント50によって、アクチュエータ36の駆動部56に連結された可動ロッド38の端部と、連動ロッド46の端部とが上下に重なった状態で前ステアリングアーム28aの前端部に接合している。 上側球面ジョイント部52にはアクチュエータ36の可動ロッド38の端部が接続し、下側球面ジョイント部54には連動ロッド46の端部が接続している。 このような2連球面ジョイント50を使用することで、スペースの有効利用が図れる。

    かかる第1実施形態において、通常は制御手段60からの操舵指令によって、アクチュエータ36が作動して、アクチュエータ36によって、左前輪18aに操舵力が作用し、前ステアリングアーム28aから後ステアリングアーム30a、そこからタイロッド32を介して右前輪18bに操舵力が伝わる。 また、アクチュエータ36からの操舵力は、2連球面ジョイント50から連動ロッド46を介して保護アーム42にも伝わり、アクチュエータ36の動きに連動して保護輪40も動き、前輪18と同一方向に向く。 このため、保護輪40は、保護軌道14内を保護軌道14の側壁14aと接触することなく車両12の移動とともに移動する。

    次に、第1実施形態における車両の運転制御について、図4〜図6を参照して説明する。
    図4の制御システムブロック図に示すように、制御手段60には、地点信号、自車位置情報、接触検知信号が入力される。
    地点信号(地点情報)とは、従来例で説明したように、地上子02から送られてくる位置情報であり、軌道01に全長に亘り、軌道01に沿って所定の間隔で複数敷設される無電源の地上子02から送られてくる信号をいう。 送られてくる情報には、各地上子の02の識別番号、位置情報、軌道情報、および制御情報である。 位置情報には、その地上子02に関する絶対位置座標や基準点からの距離が含まれている。 また、地上子と同様のものとした、トランスポンダを用いてもよい。

    自車位置情報とは、自車がどこにいるかの信号であり、地上子02間の距離をGPS(Gloval Positioning System)情報、またはタイヤの回転数パルス信号、駆動モータの回転パルス信号等によって、補完して自車位置を算出した情報をいう。 また、無線信号によって監視センタ、指令センタ等から自車位置情報を送信するようにしてもよい。

    接触検知信号とは、保護アーム42に取り付けられたリミットセンサ、保護輪40の回転パルスセンサ、または操舵機構26に設置された操舵トルクセンサ等によって、保護輪40が保護軌道14の側壁14aに接触したことを検知する信号である。

    制御手段60は、大きく分けて軌道情報判断手段62と、その軌道情報判断手段62によって、通常の線形の直線部、または曲線部と判断した場合の通常走行手段64と、その通常走行手段64による走行時に操舵機構26等が故障した場合のフェイルセイフ手段66と、軌道情報判断手段62で駅部、分岐部と判断した場合の車両位置矯正手段68とを備えている。
    なお、この制御手段60は、車両内に設置して制御しても、また監視センタ、指令センタ等の車両外に設置して一括指令制御する制御システムを構築してもよい。

    制御手順を図5のフローチャートを参照して説明する。 まず、軌道情報判断手段62は、地点信号(地点情報)、自車位置情報等に基づいて、軌道情報を判断する(S1)。 この軌道情報判断手段62で自車がどこにいるか、どのような軌道情報を走行中か、例えば、線形の直線部か、曲線部か、駅部か、分岐部か等を判断する。 また、自車位置情報を基に、さらにこれから先何メートルに、例えば駅部、分岐部、急カーブ等の存在を予め判断することもできる。

    軌道情報判断手段62によって、通常の線形の直線部、曲線部であると判断した場合には、通常走行手段64による制御が行なわれる。
    通常走行手段64では、自車位置情報から自車がどこを走行しているかを検出して、その自車位置と予め制御手段60の記憶部に記憶されている走行軌道データと照らし合わせて、操舵パターンを決定する(S3)。 そして自動操舵をオンし(S5)、操舵パターンによる自動操舵指令をアクチュエータ36に送り自動操舵を開始する(S7)。 その後、アクチュエータ36を介して前輪18を旋回して車両を案内する。

    自動操舵による走行中に、接触検知信号に基づいて保護輪40が保護軌道14に接触したかを判断する(S9)。 すなわち、操舵機構26が故障した場合には、例えば、車両12がその軌道01から外れようとすると保護輪40が保護軌道14に接触して接触検知信号が発生する。 Yesの場合には、操舵機構26が故障したと判断し、フェイルセイフ手段66による制御が行なわれる。 Noの場合には、操舵機構26は、正常に作動していると判断し、操舵パターンによる自動操舵指令を継続し(S10)、自動操舵を続ける。

    フェイルセイフ手段66による制御は、まず、自動操舵をオフし(S11)、アクチュエータ36による操舵を解除して操舵機構26をフリー状態とする。 その後、保護輪40が、保護軌道14に接触して、保護軌道14の側壁14aに沿った保護アーム42の動きによって前輪18を旋回するように作用して、車両12を操舵する。 すなわち、保護輪40と保護軌道14とによる機械的FB(フィードバック)により車両12を案内する(S13)。 そして、操舵指令値をリセットする(S15)。
    このようにフェイルセイフ手段66によって、車両の操舵機構26に故障等が発生した場合でも、車両を安全保護し、確実に乗客を運ぶことができ、安全性、信頼性を確保できる。

    軌道情報判断手段62によって、駅部、分岐部、または駅部、分岐部前と判断した場合には、車両位置矯正手段68による制御が行なわれる。
    車両位置矯正手段68による制御は、まず、自動操舵をオフし(S17)、次に、図6に示すように、車両12が、位置調整部材70を保護軌道14の両側側面に備えた車両位置矯正区間72に到達すると、車両12は、保護輪40を介して位置調整部材70によって形成される移動軌跡に強制的にセットされる。

    すなわち、機械的強制FB(フィードバック)によって操舵系に初期位置をセットし、車両12は、軌道面上で所定の位置にセットされる(S19)。 そして、自動操舵の操舵指令値がリセットされる(S21)。 その後、地上子02から地点信号によって車両12が、車両位置矯正区間72をすぎたと判断したとき(S23)、自車位置情報に基づいて、新たに操舵パターンを決定する(S25)。 そして自動操舵をオンし(S27)、新たな操舵パターンによる自動操舵指令をアクチュエータ36に送り自動操舵を開始する(S29)。

    車両位置矯正手段68における車両位置矯正区間72の保護軌道14の両側壁14a間の幅は、保護輪40と接触する幅に設定され、具体的には、保護輪40よりも1mm〜5mm大きく寸法採りされている。 また、車両位置矯正区間72の保護軌道14の長手方向の長さは、少なくとも車両長以上、好ましくは、車両長の1〜3倍の長さに設定される。

    従って、車両12が、車両位置矯正区間72を通ると、保護輪40が、保護軌道14の両側壁に位置調整部材70に接触することにより、保護軌道14が形成する移動軌跡を通るように矯正される。 そのため、車両12が、さまざまな外乱により、左右への位置ずれ、またはヨー角(車両の進行方向に対する車両の長手方向軸の傾き)の発生等を起こしていた場合は、この車両位置矯正手段68によって、初期の原点位置、あるいは所望の設定位置に矯正される。
    車両位置矯正区間72は、駅のブラットフォーム74との間隔に合わせるため、各駅部に進入する手前の地点か、あるいは分岐箇所の手前、カーブの手前等が望ましい。

    以上のように、軌道情報判断手段62によって、軌道情報が直線部、曲線部、駅部、分岐部等のいずれかを判断して、通常走行手段64による運転、車両位置矯正手段68による運転、さらに、フェイルセイフ手段66による運転を行うようにしたため、自動操舵走行の安全性、信頼性が向上するとともに、効率的な運転、高速運転を可能にすることができる。

    また、保護輪40が、保護軌道14に接触して、保護輪40によって車両12を操舵する。 すなわち、保護輪40と保護軌道14とによって車両12を案内するため、車両の操舵機構26に故障等が発生した場合でも、車両を安全保護し、確実に乗客を運ぶことができ、安全性、信頼性を確保できる。
    また、タイロッド32、前後ステアリングアーム28、30によって、ステアリング機構を構成し、一方の前輪18へアクチュエータ36を作用させる構成であるため、左右輪の操舵が確実に行なわれる。

    次に本実施形態の分岐部の構成を図7〜11により説明する。 図7は分岐部の平面図、図8(a)は可動案内板の平面図、図8(b)は同じく立面図、図9は図7中のB−B断面図、図10は図7中のC−C断面図、図11は保護軌道と車輪走行面との交差部のタイヤ接地部状況を示す説明図、図12(a)は道路のジョイント部を示す平面図、図12(b)は本発明の前記交差部を示す平面図である。

    図7において、軌道01の分岐部80において、保護軌道14は2つの分岐した保護軌道82及び84に分かれる。 保護軌道14の分岐部には可動案内板86が回転軸88を中心に回動可能に設けられている。 また左右の車輪走行路面のうちの右輪が走行する走行路面90は、分岐部80において2つの走行路面92及び94に分岐し、左輪走行路面96は2つの走行路面98及び100に分岐する。 車両に各種の信号を伝達する信号線102は、分岐部80では地下に埋設される。

    図8において、可動案内板86の設置部には、保護軌道14の底面14bよりもさらに深い凹部104が設けられ、該凹部104で可動案内板86が保護軌道14の底面14bより下方に延設されている。 可動案内板86の下部には水平方向に底板106が取り付けられ、該底板106に水平方向に切換ロッド108が接続されている。 該切換ロッド108を図示しない駆動手段で往復動させることにより、可動案内板86を矢印a方向に回動(往復動)することができる。

    これによって、可動案内板86のガイド面が保護軌道14の側壁14aと保護軌道82又は84のどちらか一方の側壁とを段差なく連続的に結び付ける。 従って保護軌道14内を移動してきた保護輪40は保護軌道82又は84のどちらか一方にスムーズに走行できる。 また凹部104の底面104aに切換ロッド108を挟んだ位置にスライドプレート110が取り付けられ、可動案内板86は該スライドプレート110によって支持されながら、低板106がスライドプレート110の上面をスライドする。

    図9において、走行路盤112に断面が溝状の保護軌道14が形成され、また走行路盤112上に信号線102が設置されている。 保護軌道14を挟んで、ゴムタイヤからなる右前輪18a(又は右後輪22a)及び左前輪18b(又は左後輪22b)の下方には走行路面90及び96が形成されている。
    図7において、分岐した保護軌道82と分岐した左輪走行路面100との交差部114では、保護軌道82のガイド溝幅は、保護輪40が保護軌道82のガイド溝を通過可能な最小限の寸法に設定される。 また分岐した保護軌道84と分岐した右輪走行路面92との交差部116も同様に保護輪40が保護軌道84のガイド溝を通過可能な最小限の寸法に設定される。

    図10に交差部114又は116の保護軌道118と該交差部以外の保護軌道119の溝幅を比較して示す。 例えば該交差部以外の保護軌道119の溝幅寸法は250mmであり、該交差部では保護輪40の外径150mmに対し、保護輪40の両側に1mmずつの隙間が設けられる。 また保護軌道118の上端にはフランジ部118aが設けられ、該フランジ間の間隔は100mmに狭められている。

    図11に交差部114の保護軌道82を通過するタイヤの接地部状況を示し、タイヤ外径bとタイヤ接地部形状cを示す。
    図12において、図12(a)は道路の橋梁やゴムタイヤ式交通システムの走行路面のジョイント部を示す説明図であり、図12(b)は本発明に係る走行路面と保護軌道との交差部を示す説明図である。 図12(a)のジョイントの場合、車輪走行路面dに溝fを進行方向に長く形成すると構造上施工が難しくなるため、斜めの線を途中で折り返し構成し、進行方向では短く構成しているが、かかる構成で溝fの幅δが100mmの場合、車両のタイヤが溝fに落ち込むことなく、スムーズに通過しているのは実証済みである。

    図12(b)に示す本発明の交差部で、走行路面dに溝状断面の保護軌道eが斜めに形成され、保護軌道eの溝幅δが100mmの場合、保護軌道eがタイヤの進行方向に対し斜めに接することで衝撃を緩和し、タイヤへも車両へも悪影響が出ないようにしている。 これは前記ジョイント部と同一の方式であり、従って、本発明の交差部でも車両のタイヤが保護軌道eに落ち込むことなく、スムーズに通過可能であることがわかる。

    かかる構成の本実施形態によれば、分岐部80において、保護軌道14の分岐部に可動案内板86を設けたことにより、保護輪40が保護軌道14の側壁14a及び可動案内板86のガイド面で案内されながら分岐部後の走行予定の軌道に設けられた保護軌道82又は84に確実に進入することができる。 これは分岐部80で自動操舵機構26が異常をきたし、あるいは車両12が何らかの外乱を受けたとしても同様である。 なお本実施形態では、前述のように車両12が分岐部に到達した時は自動操舵機構26をオフにしているが、自動操舵機構26をオンのまま分岐部80を走行させてもよい。

    分岐部80を操舵機構26をオンのまま走行させれば、該操舵機構26に異常が発生しなければ、保護輪40が保護軌道の側壁や可動案内板86等の機器類に接触することなく走行するので、分岐部80で損耗が生じない。 従って故障やトラブルがより少なくなる。
    車輪走行路面と保護軌道との交差部114及び116では、保護軌道のガイド溝幅を狭くしただけであるので、製作が容易で且つ低コストとなる。 また複雑な機構や摩耗部分がないため、使用後もメンテナンスが容易である。
    (実施形態2)

    次に本発明の第2実施形態を図13〜15に基づいて説明する。 なお図13及び図14において、前記第1実施形態と同一の部位又は機器には同一符号を付し、それらの説明を省略する。 図13は分岐部80の平面図である。 図13において、分岐した保護軌道82と分岐した走行路面100との交差部114に、該保護軌道82のガイド溝内に該ガイド溝に沿って水平に長尺状の踏み板120を設けている。 また分岐した保護軌道84と分岐した走行路面92との交差部116に、該保護軌道84のガイド溝内に該ガイド溝に沿って水平に長尺状の踏み板122を設けている。 その他の構成は前記第1実施形態と同一である。

    該踏み板120の構成を図14に示す。 踏み板120と踏み板122とは、その駆動機構を含めて同一の構成であるため、図14では代表して踏み板120の駆動機構を説明する。 図14(a)は踏み板120の軌道機構を示す立面図、図14(b)は同じく側面図である。 図14において、踏み板120の下面にリンク棒124の一端を接続し、該リンク棒124の他端を保護軌道82の側面に接続する。 該リンク棒124は踏み板120の長手方向に間隔をおいて複数個取り付ける。

    1箇所のリンク棒124の取り付け位置で保護軌道82の底面82aに凹部126を設ける。 該凹部126に電動シリンダ128を設け、そのシリンダロッド128aをリンク棒124に接続することにより、踏み板120を矢印g方向に回動することができる。 これによって踏み板120を上昇時は走行路面100と同一高さとなる位置に上昇させ、下降時は交差部114以外の部分の保護軌道の底面以下の高さに下降可能にしている。
    また、リンク棒124の上の回転中心を下の回転中心に対し、水平に対し直角よりも少し回動した位置でストッパーを設ければ、踏板122上をタイヤが通過しても車両重量を電動シリンダ128にかける事無く安全に、かつパワー的に小さいものとすることができ、安価でコンパクトに構成できる。

    図15は本実施形態の制御系を示すブロック線図である。 図15において、車両12が分岐部80に接近するのを車両検知手段132が検知し、その検知信号を地上側に設置された指令室に設けられた制御装置130に送信する。 制御装置130では該検知信号を受け、車両が予定された分岐軌道に進入できるように、可動案内板86及び踏み板120、122の駆動手段を制御する。 このように制御装置130により可動案内板86及び踏み板120、122を連動させる。

    本実施形態において、車両12が分岐部80に到達し、可動案内板86が作動して分岐した保護軌道82に進入したとき、踏み板120は下降位置に留まり、踏み板122は上昇して走行路面92と同じ高さとなる。 車両12は保護輪40を保護軌道82内に挿入したまま走行し、車両12の左輪タイヤは走行路面98上を走行し、車両12の右輪タイヤは走行路面92上を走行する。 交差部116では踏み板122が上昇位置にあるので、車両12は難無く交差部116を通過できる。

    本実施形態によれば、前記第1実施形態と同様に、可動案内板86により、車両12を確実に進入予定の分岐路に進入させることができるほか、該踏み板120及び122を設けたことにより、保護軌道82又は84が走行路面100又は92と交差する交差部114又は116のガイド溝の開口を踏み板120又は124で覆うことができるので、車両12のタイヤの走行に何ら支障をきたすことがなく、スムーズに走行できる。
    (実施形態3)

    次に本発明の第3実施形態を図16に基づいて説明する。 図16は分岐部の平面図である。 図16において、前記第1実施形態と同一の部位又は機器には同一符号を付し、それらの説明を省略する。 図16において、分岐した保護軌道82と走行路面100との交差部114に、水平方向に往復移動可能な水平可動板140を設けている。 また分岐した保護軌道84と走行路面92との交差部116に、水平方向に往復移動可能な水平可動板142を設けている。

    水平可動板140又は142は、走行路面100又は92と同一高さに水平に設けられ、その両端近傍にはそれぞれ2個の切り替えロッド144、145又は146、147が水平方向に接続されている。 これら切り替えロッドの他端には電動シリンダ等の駆動手段が設けられ、これら切り替えロッドを矢印方向に往復移動させ、これによって水平可動板140又は142を矢印方向に平行移動させるように構成している。
    なお本実施形態においても、図15に示すような車両12の分岐部80への接近を検知して、可動案内板86及び水平可動板140及び142を連動させる制御装置130を具備している。

    かかる構成により、第3実施形態では、分岐部80に車両12が接近すると、制御装置130により可動案内板86と水平可動板140及び142を連動させ、分岐部下流側で車両12のタイヤが走行する側の交差部114又は116の保護軌道のガイド溝の開口を水平可動板140又は142で覆うことができるので、該交差部での車両の走行を難無くスムーズに行なうことができる。
    (実施形態4)

    次に本発明の第4実施形態を図17及び図18に基づいて説明する。 図17は分岐部の平面図、図18は保護軌道の分岐部の拡大平面図である。 図17及び図18において、図13に示す前記第2実施形態と同一の部位又は機器には同一符号を付し、それらの説明を省略する。 図17及び図18において、保護軌道14の分岐部に断面が直角三角形状の可動案内部材150を設けている。 可動案内部材150には水平方向に切り替えロッド152及び154が設けられ、該切り替えロッド152及び154の他端には図示しない電動シリンダ等の駆動手段が接続されている。 可動案内部材150の下方にはスライドプレート156が矢印方向に設けられ、該スライドプレートの上面で可動案内部材150をスライド可能に支持している。
    なお、その他の構成は前記第2実施形態と同一であり、分岐部下流側の交差部114及び116には踏み板120及び122が設けられている。

    かかる構成により、可動案内部材150は矢印方向に往復動が可能であり、保護軌道14に分岐したどちらか一方の保護軌道82又は84を連通させることができる。 即ち保護軌道14に保護軌道82を連通させる場合は、可動案内部材150を保護軌道84側に平行移動させ、可動案内部材150のガイド面150bが保護軌道14の側壁14aと保護軌道82の側壁とを段差無く滑らかに接続することができる。
    一方、保護軌道14に保護軌道84を連通させる場合は、可動案内部材150を保護軌道82側に平行移動させ、可動案内部材150のガイド面150aが保護軌道14の側壁14aと保護軌道84の側壁とを段差無く滑らかに接続することができる。

    また本実施形態では、交差部114又は116に前記第2実施形態と同一構成の踏み板120又は122を設けているので、該交差部で車両12をスムーズに走行させることができる。

    次に本発明の軌道系交通システムに適用可能な分岐装置の他の構成例、あるいは分岐部における車両の操舵方法について説明する。
    図19は、Y字分岐路Dにおける車両操舵方法を示す平面視説明図である。 図19において、保護軌道203に向かう場合は、保護アーム42に設けられた前方保護輪40a及び後方保護輪40bを破線で示すように両方とも保護軌道の側壁203cに接触させた状態で前進するように操舵する。 また分岐保護軌道203aに進入する場合は、前方保護輪40a及び後方保護輪40bを実線で示すように共に側壁203dに接触させた状態で前進するように操舵する。

    Y字分岐路Dにおいてこのような操舵を行なうことによって、特に前述のような可動案内板86のような切り替え機構の設置を要せず、前記自動操舵機構及び前記フェイルセイフ機構を具備する装置構成のみで、Y字分岐路Dにおける所望の軌道への走行を極めて容易な操舵方法で行なうことができる。

    次に別な分岐装置の構成例を図20に基づいて説明する。 図20は該分岐装置の平面視説明図である。
    図20において、240及び241は、それぞれY字分岐路Dの分岐地点に支点242を中心に回動可能に設けられた保護バーで、保護バー240の他端は、通常保護軌道203を跨いだ対面側に固定された受け座243に収容される。 また保護バー241の他端は、通常分岐保護軌道203aを跨いだ対面側に固定された受け座244に収容される。 受け座243及び244は、例えばソレノイド、電磁石等を用いて保護バー240、241の他端を一時的に機械的に施錠するなどの装置で拘束可能に構成されており、制御装置245からの指令によって保護バー240又は241の他端を開放状態あるいは拘束状態に切り替えるようになっている。

    かかる構成を有する分岐装置において、進入方向hから走行してきた車両が保護軌道203に進入する場合は、制御装置245からの指令によって、保護バー240の端部が受け座243で開放状態となっており、保護バー241の端部が受け座244で拘束状態となっている。 このため保護軌道203に進入してきた車両は、保護バー240を押しながら保護軌道203側に進入することができる。

    また車両が分岐保護軌道203aに進入する場合は、受け座244が開放状態となっているので、車両は保護バー241を押しながら分岐保護軌道203aに進入することができる。
    かかる分岐装置によれば、制御装置245によって受け座243、244による保護バー240、241の拘束機能又は開放機能を容易に切り替えることができ、従って分岐路における車両の進入経路を容易に切り替えに対して、容易に対応することができる。

    次に別な分岐装置を図21に基づいて説明する。 図21は、該分岐路装置の平面視説明図である。 図21において、250は電動シリンダで、そのシリンダ部分250aが分岐地点に支点252を中心に回動可能に設けられた保護バー251に接続されている。 なおシリンダ部分250aは、車両の走行のじゃまにならないように保護軌道203の路面より上方に突出しない高さに設けられている。 電動シリンダ250によって保護バー251は保護軌道203又は分岐保護軌道203aを遮断する位置に切換え可能に回動し、また電動シリンダ250は図示しないロック機構を有するため、保護バー251を保護軌道203又は分岐保護軌道203aを遮断する位置に固定することができる。
    かかる分岐装置によれば、簡素な装置構成で保護バーの正確な駆動を容易に行うことができる。

    なお図22は、分岐保護軌道203aが交差するX字分岐路Eの一例を示す説明図であるが、この例は、図に示すように、分岐保護軌道203aが交差するX字分岐路Eにおいて、分岐保護軌道203aの幅を狭くして保護輪40a及び40bの制動性を良くし、また角部を曲率形状rとすることにより、該保護輪がぶつかることによる衝撃を緩和することを狙ったものである。

    次にさらに別な構成の分岐装置を図23に基づいて説明する。 図23は本分岐装置の平面視説明図である。 図23において、260及び261は、分岐保護軌道203aの交差地点にそれぞれ支点262及び264を中心に回動可能に設けられた保護バーである。 263及び265は、電子ロック機構を有する受け座で、保護バー260及び261の端部をそれぞれ別々に電子ロックし、あるいは電子ロックを解除できる構成となっている。
    図23において、車両が進入方向hから進入し、直線方向に走行するように自動操舵機構で設定されている場合、保護バー260及び261は、それぞれ実線のとおりの状態でその端部が受け座263及び265に電子ロックされる。 これによって車両はそのまま直線方向に走行することができる。

    この分岐装置では、2本の保護バー260及び261は、容易に任意の分岐保護軌道203aを遮断できるため、車両は任意の走行路を容易に選択することができる。 また簡単な構成によりX字分岐路の遮断又は開放を容易に行なうことができる。

    さらに別な構成の分岐装置を図24に基づいて説明する。 図24の(a)は本分岐装置の平面視説明図、(b)は本分岐装置の立面視断面図である。 図24において、X字分岐路の交差地点に円筒形のケーシング270が埋設されて、円筒形の凹部を形成している。 該凹部に円筒形の分岐切換コマ271が収容される。 該分岐切換コマ271は、その下部中心に位置する回動中心軸272を中心に回動可能になっている。 分岐切換コマ271には分岐保護軌道203aの断面形状と一致する寸法の断面形状を有する溝273が設けられている。

    また、分岐切換コマ271の側壁には、ケーシング270の側壁に設けた図示しない開孔を通して水平方向にブラケット274が突設されている。 分岐切換コマ271の近傍には電動シリンダ275が設けられ、電動シリンダ275の駆動部に接続された切換ロッド276がブラケット274とピン277により回動可能に結合されている。

    進入方向hから車両12が該X字分岐路に向かい、直線方向に走行する場合、電動シリンダ275によって切換ロッド276をi方向に駆動し、ブラケット274を矢印j方向に動かし、分岐切換コマ271を回転させ、図示したように溝273を直進方向の分岐保護軌道203aと連通させる。 これによって、車両12を直進方向の分岐保護軌道203aに進入させることができる。 なお、車両12を左右の分岐保護軌道203aに進入させる場合には、溝273を左右の分岐保護軌道203aに連通させるように分岐切換コマ271を回転させる。
    本分岐切換装置においては、分岐切換コマ271を回転させるだけで、車両12の進入路を切り換えることができ、分岐装置の構成を簡素化できる。

    さらに別な構成の分岐装置を図25に基づいて説明する。 図25は本分岐装置の平面視説明図である。 本分岐装置は、従来公知の転轍機を用いて保護バーを駆動する例である。
    図において、280は、その一端が支点281を中心に回動可能に取付けられた保護バーであり、支点281から保護軌道203を跨いだ対面側に保護バー280の他端を受ける冶具282が設けられ、また支点281から分岐保護軌道203aを跨いだ対面側に同様の冶具283が設けられている。

    284は従来公知の転轍機で、転轍機284によってラック・ピニオン機構285を介して保護バー280を回動させることができるように構成されている。 また転轍機284が具備する図示しない施錠器を用い、ラック・ピニオン機構285を介して保護バー280を所望の位置でロックすることができる。
    本分岐装置は、従来公知の転轍機284を用いて保護バー280を回動させるもので、従来の装置をそのまま使用して、保護バー280を所望位置に駆動できるため、装置構成が簡単かつ安価となる。

    さらに別な構成の分岐装置を図26に基づいて説明する。 図26は本分岐装置の平面視説明図である。 図において、290はそれぞれ保護軌道203及び分岐保護軌道203aに平行な2片からなる保護バーであり、保護バー290は、転轍機292によってスライダ直動機構293を介して矢印kの方向に平行移動可能となっている。 291は保護バー290が分岐保護軌道203aを遮断する位置にきたときに保護バー290を受ける受け座である。 なお転轍機292及びスライダ直動機構293は、従来公知の構造を有する。
    かかる構成の分岐装置において、従来構造の転轍機292を利用して保護バー290を往復移動させるだけで、進入路の切換えが可能となるので、保護バーを回転移動させる場合に比べて移動が容易に行なえるとともに、装置構成を簡素化且つ安価にすることができる。

    更に別な構成の分岐装置を図27に基づいて説明する。 図27は本分岐装置の平面視説明図である。 図において、Y字分岐路に2つの独立した保護バー300及び301がそれぞれk方向又はl方向に往復動可能に設置されている。 これら保護バー300及び301の動きは、1個の転轍機304を用いて行なう。 即ち転轍機304によってスライド機構305を介して保護バー300及び301のそれぞれの往復動を可能とする。 これらの動きを可能とする装置構成としては、例えばディファレンシャル・ギアを用いるか、あるいは2つ割りした逆歯歯車を使用する。 なお302は、保護バー300が保護軌道303を遮断した位置で保護バー300の先端を受ける受け座であり、303は同様に保護バー301に対する受け座である。

    かかる構成の分岐装置によれば、このように保護バー300及び301を互いに交差するように配置し、駆動する。 既存の1個の転轍機を使用しているため、装置が安価となる。 また保護バー300及び301をそれぞれ独立して駆動するため、大きな動力を要しない。 また往復動であるため、回転運動に比べて装置構成を簡素化することができる。

    図28は、前記第1実施形態の構成を有する車両12の保護輪40a及び40bが図25の分岐装置を具備したY字分岐路を走行する場合の作動説明図である。 なお保護アーム42は支軸45を中心に回動可能に車両台車に取り付けられ、該支軸45を挟んでその両側に保護輪40a及び40bが取り付けられている。
    図28において、車両12が進入方向hに沿って保護軌道203から分岐保護軌道203aに進む場合、保護輪40a、40b(前輪部分の保護輪か後輪部分の保護輪かを問わない)は、前記第1実施形態において詳述した自動操舵機構26が正常に稼動している場合は、保護軌道203又は分岐保護軌道203aの側壁、あるいは保護バー280に接触することなく、走行するが、自動操舵機構26に異状が発生した場合は、図示のように、保護輪40a及び40bが保護軌道203、保護バー280あるいは分岐保護軌道203aの側壁に接触しながら走行する。

    これによって車両の進路が保護軌道203あるいは分岐保護軌道203aの経路に沿って操舵され、車両の軌道からの逸脱、脱線等を防止することができる。
    またこのとき保護バー280が車両の非進入路を遮断しているので、車両は設定された進入路203aを確実にかつ安全に走行することができる。

    本発明によれば、自動操舵機構及び保護軌道と保護輪とからなるフェイルセイフ機構を具備した軌道系交通システムにおいて、車両が軌道の分岐部の車輪走行路面と保護軌道との交差部を走行する際の、車輪の保護軌道への落ち込み、振動、騒音の発生等の問題点を解消し、分岐部でのスムーズな走行を可能としたものである。

    本発明の第1実施形態の平面説明図である。

    図1のA―A断面図であり、(a)は説明図、(b)は(a)の変形例を示す説明図である。

    図2のB部拡大図である。

    前記第1実施形態のシステムブロック図である。

    前記第1実施形態における制御手順を示すフローチャートである。

    前記第1実施形態の車両位置矯正手段において行なわれる制御手順を示すフローチャートである。

    前記第1実施形態の分岐部を示す平面図である。

    (a)は前記第1実施形態の可動案内板の平面図、(b)は同じく立面図である。

    図7中のA−A断面図である。

    図7中のB−B断面図である。

    前記第1実施形態における保護軌道と車輪走行面との交差部のタイヤ接地部状況を示す説明図である。

    (a)は道路のジョイント部を示す平面図、(b)は本発明の前記交差部を示す平面図である。

    本発明の第2実施形態の分岐部の平面図である。

    (a)は前記第2実施形態の踏み板の駆動機構を示す立面図、(b)は同じく側面図である。

    前記第2実施形態の制御系を示すブロック線図である。

    本発明の第3実施形態の分岐部の平面図である。

    本発明の第4実施形態の分岐部の平面図である。

    前記第4実施形態の保護軌道の分岐部の拡大平面図である。

    Y字分岐路における車両操舵方法を示す平面視説明図である。

    別な構成の分岐装置の平面視説明図である。

    別な構成の分岐路装置の平面視説明図である。

    X字分岐路の一例を示す説明図である。

    別な構成の分岐路装置の平面視説明図である。

    別な構成の分岐路装置に係り、(a)は平面視説明図、(b)は立面視断面図である。

    別な構成の分岐路装置の平面視説明図である。

    別な構成の分岐路装置の平面視説明図である。

    別な構成の分岐路装置の平面視説明図である。

    前記第1実施形態の車両がY字分岐路を走行する場合の作動説明図である。

    (a)は従来の操舵システムを備えた車両の立面図、(b)はその側面図である。

    前記従来の操舵システムの操舵装置の平面図である。

    符号の説明

    01 軌道 10 軌道系交通システム 12 車両 14 保護軌道 18 前輪 22 後輪 26 操舵機構 36 アクチュエータ 40 保護輪 80 分岐部 86 可動案内板 114、116 交差部 120、122 踏み板(可動板)
    124 リンク棒 128 電動シリンダ 140、142 水平可動板(可動板)
    150 可動案内部材

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