制御装置、および電力制御システム

申请号 JP2017511806 申请日 2015-11-26 公开(公告)号 JPWO2017090155A1 公开(公告)日 2017-11-24
申请人 株式会社東芝; 東芝インフラシステムズ株式会社; 发明人 そのか 池田; そのか 池田; 小杉 伸一郎; 伸一郎 小杉; 関野 正宏; 正宏 関野; 黒田 和人; 和人 黒田; 山崎 修; 修 山崎;
摘要 実施形態の電 力 制御装置は、取得部と、決定部とを持つ。取得部は、充放電可能な二次電池の充電時における電圧に関する情報を取得する。決定部は、前記取得部により取得された情報に基づいて、上限電圧と前記二次電池の電圧との差分が小さくなるほど小さくなる傾向で、且つ上限電流で制限して、前記二次電池の充電時における最大電流を決定する。
权利要求

充放電可能な二次電池の充電時における電圧に関する情報を取得する取得部と、 前記取得部により取得された情報に基づいて、上限電圧と前記二次電池の電圧との差分が小さくなるほど小さくなる傾向で、且つ上限電流で制限して、前記二次電池の充電時における最大電流を決定する決定部と、 を備える電制御装置。前記決定部は、前記上限電圧と前記二次電池の電圧との差分にゲインを乗算し、前記乗算した結果を前記上限電流で制限して、前記二次電池の充電時における最大電流を決定する、 請求項1記載の電力制御装置。前記決定部は、所定周期で繰り返し前記二次電池の充電時における最大電流を決定し、前記上限電圧と前記二次電池の電圧との差分が第1所定電圧未満である場合に、前回決定した最大電流からステップ電圧を差し引いた値に、前記二次電池の充電時における最大電流を決定する、 請求項1記載の電力制御装置。充放電可能な二次電池の放電時における電圧に関する情報を取得する取得部と、 前記取得部により取得された情報に基づいて、前記二次電池の電圧と下限電圧との差分が小さくなるほど小さくなる傾向で、且つ上限電流で制限して、前記二次電池の放電時における最大電流を決定する決定部と、 を備える電力制御装置。前記決定部は、前記二次電池の電圧と前記下限電圧との差分にゲインを乗算し、前記乗算した結果を前記上限電流で制限して、前記二次電池の放電時における最大電流を決定する、 請求項4記載の電力制御装置。前記決定部は、所定周期で繰り返し前記二次電池の放電時における最大電流を決定し、前記二次電池の電圧と前記下限電圧との差分が第2所定電圧未満である場合に、前回決定した最大電流からステップ電圧を差し引いた値に、前記二次電池の放電時における最大電流を決定する、 請求項4記載の電力制御装置。前記取得部は、前記二次電池の充電率を、前記電圧に関する情報として取得し、 前記決定部は、前記二次電池の充電率から換算した電圧を前記二次電池の電圧として扱う、 請求項1または4記載の電力制御装置。請求項1または4記載の電力制御装置と、 一または複数の前記二次電池と、 を備える電力制御システム。

充電時における二次電池の電圧を取得する取得部と、 上限電圧と前記取得した電圧との差を用いて前記二次電池の充電時に用いる最大電流を決定する決定部と、 を備える電力制御装置。前記決定部は、繰り返し前記最大電流を決定し、前記上限電圧と前記取得部が取得した電圧との差が第1の所定電圧未満である場合、直前の最大電流からステップ電圧を引いた値を前記二次電池の充電時に用いる最大電流と決定する、 請求項1記載の電力制御装置。前記決定部は、前記上限電圧と前記取得部が取得した電圧との差に放電時に用いるゲインと異なるゲインを乗算し、この乗算した結果を用いて前記二次電池の充電時に用いる最大電流を決定する、 請求項1又は請求項2に記載の電力制御装置。前記決定部は、前記上限電圧と前記取得部が取得した電圧との差が前記第1の所定電圧よりも大きい場合、上限電流を前記二次電池の充電時に用いる最大電流とする、 請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項に記載の電力制御装置。放電時における二次電池の電圧を取得する取得部と、 下限電圧と前記取得した電圧との差を用いて前記二次電池の放電時に用いる最大電流を決定する決定部と、 を備える電力制御装置。前記決定部は、繰り返し前記最大電流を決定し、前記下限電圧と前記取得部が取得した電圧との差が第2の所定電圧未満である場合、直前の最大電流からステップ電圧を引いた値を前記二次電池の放電時に用いる最大電流と決定する、 請求項5記載の電力制御装置。前記決定部は、前記下限電圧と前記取得部が取得した電圧との差に、充電時に用いるゲインと異なるゲインを乗算し、この乗算した結果を用いて前記二次電池の放電時に用いる最大電流を決定する、 請求項5又は請求項6に記載の電力制御装置。前記決定部は、前記下限電圧と前記取得部が取得した電圧との差が前記第2の所定電圧よりも大きい場合、上限電流を前記二次電池の放電時に用いる最大電流とする、 請求項5乃至請求項7のうちいずれか一項に記載の電力制御装置。前記二次電池の特性曲線と前記上限電圧との交点における前記特性曲線の傾きが、前記二次電池の特性曲線と前記下限電圧との交点における前記特性曲線の傾きよりも大きい場合は、充電時に用いるゲインを放電時に用いるゲインよりも大きく、前記二次電池の特性曲線と前記上限電圧との交点における前記特性曲線の傾きが、前記二次電池の特性曲線と前記下限電圧との交点における前記特性曲線の傾きよりも小さい場合は、充電時に用いるゲインを放電時に用いるゲインよりも小さく設定する、 請求項3又は請求項7記載の電力制御装置。前記取得部は、前記二次電池の充電率を、前記電圧に関する情報として取得し、 前記決定部は、前記二次電池の充電率から換算した電圧を前記二次電池の電圧として扱う、 請求項1乃至請求項9のいずれか一項記載の電力制御装置。請求項1乃至請求項10のいずれか一項記載の電力制御装置と、 一または複数の前記二次電池と、 を備える電力制御システム。充電時における二次電池の電圧を取得する取得部と、 上限電圧と前記取得した電圧との差を用いて前記二次電池の充電時に用いる最大電流を決定する決定部と、を備え、 前記決定部は、繰り返し前記最大電流を決定し、前記上限電圧と前記取得部が取得した電圧との差が第1の所定電圧未満である場合、直前の最大電流からステップ電圧相当分の電流を引いた値を前記二次電池の充電時に用いる最大電流と決定する、 電力制御装置。前記決定部は、前記上限電圧と前記取得部が取得した電圧との差に放電時に用いるゲインと異なるゲインを乗算し、この乗算した結果を用いて前記二次電池の充電時に用いる最大電流を決定する、 請求項1に記載の電力制御装置。前記決定部は、前記上限電圧と前記取得部が取得した電圧との差が前記第1の所定電圧よりも大きい場合、上限電流を前記二次電池の充電時に用いる最大電流とする、 請求項1または2に記載の電力制御装置。放電時における二次電池の電圧を取得する取得部と、 下限電圧と前記取得した電圧との差を用いて前記二次電池の放電時に用いる最大電流を決定する決定部と、を備え、 前記決定部は、繰り返し前記最大電流を決定し、前記下限電圧と前記取得部が取得した電圧との差が第2の所定電圧未満である場合、直前の最大電流からステップ電圧相当分の電流を引いた値を前記二次電池の放電時に用いる最大電流と決定する、 電力制御装置。前記決定部は、前記下限電圧と前記取得部が取得した電圧との差に、充電時に用いるゲインと異なるゲインを乗算し、この乗算した結果を用いて前記二次電池の放電時に用いる最大電流を決定する、 請求項4に記載の電力制御装置。前記決定部は、前記下限電圧と前記取得部が取得した電圧との差が前記第2の所定電圧よりも大きい場合、上限電流を前記二次電池の放電時に用いる最大電流とする、 請求項4または5に記載の電力制御装置。充電時における二次電池の充電電圧と、放電時における前記二次電池の放電電圧とを取得する取得部と、 上限電圧と取得した前記充電電圧との差に第1のゲインを乗算し、この乗算した結果を用いて前記二次電池の充電時に用いる最大電流を決定し、下限電圧と取得した前記放電電圧との差に前記第1のゲインとは異なる第2のゲインを乗算し、この乗算した結果を用いて前記二次電池の放電時に用いる最大電流を決定する決定部と、を備え、 前記決定部は、繰り返し前記最大電流を決定し、前記上限電圧と前記充電電圧との差が第1の所定電圧未満である場合、直前の最大電流からステップ電圧相当分の電流を引いた値を前記二次電池の充電時に用いる最大電流と決定し、前記下限電圧と前記放電電圧との差が第2の所定電圧未満である場合、直前の最大電流からステップ電圧相当分の電流を引いた値を前記二次電池の放電時に用いる最大電流と決定し、 前記二次電池の特性曲線と前記上限電圧との交点における前記特性曲線の傾きが、前記二次電池の特性曲線と前記下限電圧との交点における前記特性曲線の傾きよりも大きい場合は、前記第1のゲインを前記第2のゲインよりも大きく、前記二次電池の特性曲線と前記上限電圧との交点における前記特性曲線の傾きが、前記二次電池の特性曲線と前記下限電圧との交点における前記特性曲線の傾きよりも小さい場合は、前記第1のゲインを前記第2のゲインよりも小さく設定する、 電力制御装置。前記取得部は、前記二次電池の充電率を、前記電圧に関する情報として取得し、 前記決定部は、前記二次電池の充電率から換算した電圧を前記二次電池の電圧として扱う、 請求項1乃至請求項7のいずれか一項記載の電力制御装置。請求項1乃至請求項8のいずれか一項記載の電力制御装置と、 一または複数の前記二次電池と、 を備える電力制御システム。

说明书全文

本発明の実施形態は、電制御装置、および電力制御システムに関する。

近年、機関車、バス、建機などのエンジンとのハイブリッド用途や定置型産業機器における電力変動抑制用途への二次電池の適用の動きが活発になってきている。これらの用途では、大電流の入出力と、広範囲にエネルギーを使用可能な充電状態範囲が求められている。従来の技術では、貯蔵や走行に使用できるエネルギー容量を無駄なく使用するために、二次電池の持つエネルギーの使用可能な充電状態範囲の上下限を、電気容量で規定して制御することが多かった。しかしながら、充電状態範囲を電気容量で規定し、且つ広範囲に設定した場合、上下限の電気容量に到達する前に、電池の閉回路電圧の上下限値に到達して機器が停止してしまい、使用できるエネルギー範囲が大きく制限されてしまう場合があった。このように、従来の技術では、二次電池の電圧制限を正確に行うことができない場合があった。

特開2015−177601号公報

本発明が解決しようとする課題は、より正確に二次電池の電圧制限を行うことが可能な電力制御装置、および電力制御システムを提供することである。

実施形態の電力制御装置は、取得部と、決定部とを持つ。取得部は、充放電可能な二次電池の充電時における電圧に関する情報を取得する。決定部は、前記取得部により取得された情報に基づいて、上限電圧と前記二次電池の電圧との差分が小さくなるほど小さくなる傾向で、且つ上限電流で制限して、前記二次電池の充電時における最大電流を決定する。

電力制御システム1の構成の一例を示す図。

電池モジュール20の構成の一例を示す図。

電力制御システム1における制御関係の構成の一例を示す図。

最大電流決定部56による充電時の処理内容を模式的に示す図。

充電時における電池セル21の電圧Vcおよび最大電流Acellmaxの推移を例示した図。

最大電流決定部56による放電時の処理内容を模式的に示す図。

放電時における電池セル21の電圧Vcおよび最大電流Acellmaxの推移を例示した図。

電池セル21の電圧/電流特性とゲインKとの関係を説明するための図。

第2の実施形態の最大電流決定部56により電池セル21の充電時に実行される処理の流れの一例を示すフローチャート。

図9に示す処理を行った結果として生じる、充電時における電池セル21の電圧Vcおよび最大電流Acellmaxの推移を例示した図。

第2の実施形態の最大電流決定部56により電池セル21の放電時に実行される処理の流れの一例を示すフローチャート。

図11に示す処理を行った結果として生じる、放電時における電池セル21の電圧Vcおよび最大電流Acellmaxの推移を例示した図。

第2の実施形態の最大電流決定部56により電池セル21の充電時に実行される処理の流れの他の例を示すフローチャート。

第2の実施形態の最大電流決定部56により電池セル21の放電時に実行される処理の流れの他の例を示すフローチャート。

電力制御システム1を利用した移動体システム100の構成の一例を示す図。

電力制御システム1を利用した定置型蓄電システム200の構成の一例を示す図。

以下、実施形態の電力制御装置、および電力制御システムを、図面を参照して説明する。

(第1の実施形態) 図1は、第1の実施形態の電力制御システム1の構成の一例を示す図である。電力制御システム1は、電池ユニット10−1、10−2、…、10−n(nは任意の自然数)と、電力制御装置50と、入力装置70と、制御対象80とを含んでよいが、これに限定されない。以下、いずれの電池ユニットであるかを区別しないときは、単に電池ユニット10と表記する。

複数の電池ユニット10は、制御対象80に対して、電力線PLによって並列に接続され、制御対象80に電力を供給する。それぞれの電池ユニット10は、同様の構成を有しているため(一部に相違点があってもよい)、図では複数の電池ユニットを代表して電池ユニット10−1の構成についてのみ詳細に記載している。電池ユニット10は、直列に接続された複数の電池モジュール20と、電流センサ30と、BMU(Battery Management Unit)40とを含む。電池ユニット10内の各構成要素は、ユニット内通信線CL1で接続されている。ユニット内通信線CL1では、例えば、CAN(Controller Area Network)に基づいた通信が行われる。

図2は、電池モジュール20の構成の一例を示す図である。電池モジュール20は、複数の電池セル21が接続された組電池(電池)である。また、電池ユニット10、および電池ユニット10が並列に接続されたものも同様に、組電池(電池)である。電池モジュール20では、例えば、並列に接続された二つの電池セル21の組が、直列に接続されている。これに限らず、電池モジュール20内の電池セルの接続態様は、任意に定めてよい。

電池セル21は、リチウムイオン電池、鉛蓄電池、ナトリウム硫黄電池、レドックスフロー電池、ニッケル素電池等の充放電可能な二次電池である。リチウムイオン電池である場合、電池セル21は、チタン酸リチウムを負極材料として用いたものであってよい。なお、図1および図2では、電池セル21を充電するための構成について図示を省略している。

電池モジュール20は、更に、CMU(Cell Monitoring Unit)22と、複数の電圧センサ23と、複数の温度センサ24とを含む。CMU22は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、各種記憶装置、CANコントローラその他の通信インターフェースなどを備える。

電圧センサ23は、例えば、並列に接続された電池セル21の組の電圧を測定する。また、温度センサ24は、電池モジュール20内の任意の箇所に、任意の個数、取り付けられる。電圧センサ23および温度センサ24の検出結果は、CMU22に出力される。CMU22は、電圧センサ23および温度センサ24の検出結果をBMU40に出力する。

図1に戻り、BMU40は、ユニット内通信線CL1によって複数のCMU22に接続されると共に、通信線CL2によって電力制御装置50に接続される。BMU40は、CPUなどのプロセッサ、各種記憶装置、CANコントローラ並びに通信線CL2に対応した通信インターフェースなどを備える。なお、通信線CL2を省略し、BMU40と電力制御装置50との間で無線通信が行われてもよい。BMU40には、電池ユニット10の電池モジュール20を流れる電流を検出する電流センサ30の検出結果が入力される。

電力制御装置50は、CPUなどのプロセッサ、各種記憶装置、通信線CL2に対応した通信インターフェースなどを備える。電力制御装置50は、複数のBMU40から入力された情報、および入力装置70から入力された操作情報に基づいて、制御対象80を制御する。

図3は、電力制御システム1における制御関係の構成の一例を示す図である。CMU22からBMU40には、電池セル21ごとの電圧、電池モジュール20の電圧、電池モジュール20の温度などの情報が提供される。CMU22は、電池セル21ごとの電圧を加算して電池モジュール20の電圧を算出する。これに代えて、BMU40の側で電池セル21ごとの電圧を加算して電池モジュール20の電圧を算出してもよい。

BMU40は、電流センサ30(図1参照)の検出結果に基づいて、各電池モジュール20のSOC(State Of Charge;充電率)を算出する。なお、各電池モジュール20のSOC(または各電池セル21のSOC)は、電圧センサ23の検出結果などに基づいてCMU22が算出してもよい。BMU40は、CMU22から入力された電池セル21ごとの電圧、電池モジュール20の電圧、電池モジュール20の温度などの情報、並びに算出したSOCを電力制御装置50に出力する。

電力制御装置50は、CPUなどのプロセッサ、各種記憶装置、通信線CL2および制御対象80との通信に対応した通信インターフェースなどを備える。電力制御装置50は、機能構成として、取得部52と、最大電流決定部56と、制御量決定部58と、記憶部60とを備える。最大電流決定部56、および制御量決定部58のうち一方または双方は、記憶部60に記憶されたプログラムをCPU等のプロセッサが実行することにより実現される。また、これらの機能部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアによって実現されてもよい。

取得部52は、通信インターフェースを含み、BMU40から取得した情報を最大電流決定部56に出力したり、記憶部60に記憶させたりする。

最大電流決定部56は、取得部52により取得された情報から得られる電池セル21の電圧と、上限電圧VcMAXまたは下限電圧VcMINとの比較に基づいて、電池セル21の充電時または放電時における最大電流を決定する。上限電圧VcMAXおよび下限電圧VcMINは、電池セル21の劣化を抑制する観点に基づいて、予め定められた値である。上限電圧VcMAXは、電池セル21の使用可能最大電圧に基づいて、予め設定されている。上限電圧VcMAXは、制御上の余裕を持たせて、電池セル21の使用可能最大電圧よりも低い値に設定されると好適であるが、上限電圧VcMAXを電池セル21の使用可能最大電圧と一致させてもよい。また、下限電圧VcMINは、電池セル21の使用可能最小電圧に基づいて、予め設定されている。下限電圧VcMINは、制御上の余裕を持たせて、電池セル21の使用可能最小電圧よりも高い値に設定されると好適であるが、下限電圧VcMINを電池セル21の使用可能最小電圧と一致させてもよい。

制御量決定部58は、入力装置70から入力された操作情報、および最大電流決定部56により決定された最大電流に基づいて、制御対象80に与える制御量を決定する。入力装置70は、レバースイッチやダイヤルスイッチ、各種キー、タッチパネルなどを含んでよい。

制御対象80は、複数のトランジスタを有し、トランジスタをスイッチング制御することで直流を交流に変換するDC−AC変換器を含んでよい。この場合、制御対象80に与える制御量とは、例えばスイッチング制御におけるデューティ比である。また、制御対象80がかご型誘導電動機に電力供給するものである場合、制御対象80に与える制御量とは、i軸電流やq軸電流などの指令値を含んでもよい。更に、制御対象80は、電力を発電して電池ユニット10に供給する発電機、並びに発電機に供給される動力の一部を熱として破棄する装置(発電量を制限する装置)などを含んでもよい。

なお、制御量決定部58の機能は、電力制御装置50とは別体の制御装置の機能であってもよい。この場合、電力制御装置50は、最大電流決定部56により決定された最大電流を、上記別体の制御装置に出力する。また、図1および図3に示す構成から入力装置70を省略し、制御量決定部58は、最大電流決定部56により決定された最大電流その他の情報に基づいて、制御対象80に与える制御量を決定してもよい。

記憶部60は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)その他のフラッシュメモリ装置などの各種記憶装置によって実現される。記憶部60には、電力制御装置50のプロセッサが実行するプログラムの他、換算テーブル62、並びに最大電流決定部56や制御量決定部58の処理の過程において生じる各種情報が記憶される。

以下、最大電流決定部56による処理の内容について説明する。図4は、最大電流決定部56による充電時の処理内容を模式的に示す図である。充電時において、最大電流決定部56は、まず、電池セル21の上限電圧VcMAXから、電池セル21の電圧Vcの最大値を差し引いて差分ΔVを求める。上限電圧VcMAXは、電池セル21の劣化を抑制しつつ効率よく電池セル21を使用する観点から、予め定められた値である。

ここで、最大電流決定部56は、電池セル21のSOCから換算テーブル62を用いて換算したゼロ電流時の電圧を、電池セル21の電圧Vcとして扱う。換算テーブル62は、予め得られたSOCとゼロ電流時の電圧との関係を規定したテーブルである。

次に、最大電流決定部56は、差分ΔVに対してゲインKを乗算する。そして、乗算結果KΔVを上限電流Alimで制限して、電池セル21あたりの最大電流Acellmaxを算出する。この結果、充電時における電池セル21の電圧Vcおよび最大電流Acellmaxは、例えば図5に示すような推移をすることになる。上限電流Alimは、電池セル21の劣化を抑制する観点から、予め定められた値である。上限電流Alimは、電池モジュール20または電池セル21の仕様における最大充放電電流(仕様上最大電流A*)に基づいて、予め設定されている。上限電流Alimは、制御上の余裕を持たせて、仕様上最大電流A*よりも小さい値に設定すると好適であるが、上限電流Alimと仕様上最大電流A*とを一致させてもよい。

図5は、充電時における電池セル21の電圧Vcおよび最大電流Acellmaxの推移を例示した図である。図中、電流は向きを考慮しない絶対値である。図示するように、充電時において、最大電流Acellmaxは、電圧Vcと上限電圧VcMAXとの差分ΔVが十分に大きい場合は、上限電流Alimで一定に推移し、電圧Vcと上限電圧VcMAXとの差分ΔVが小さくなると、差分ΔVが小さくなるのに応じて小さくなる傾向を示す。この結果、電圧Vcの上昇は鈍化し、上限電圧VcMAXに漸近して推移することになる。このように、実施形態の電力制御装置50によれば、正確に電池セル21の電圧制限を行うことができる。

一方、図6は、最大電流決定部56による放電時の処理内容を模式的に示す図である。放電時において、最大電流決定部56は、まず、電池セル21の電圧Vcの最小値から電池セル21の下限電圧VcMINを差し引いて差分ΔVを求める。下限電圧VcMINは、電池セル21の劣化を抑制しつつ効率よく電池セル21を使用する観点から、予め定められた値である。

次に、最大電流決定部56は、差分ΔVに対してゲインKを乗算する。そして、乗算結果KΔVを上限電流Alimで制限して、電池セル21あたりの最大電流Acellmaxを算出する。この結果、充電時における電池セル21の電圧Vcおよび最大電流Acellmaxは、例えば図7に示すような推移をすることになる。

図7は、放電時における電池セル21の電圧Vcおよび最大電流Acellmaxの推移を例示した図である。図中、電流は向きを考慮しない絶対値である。図示するように、放電時において、最大電流Acellmaxは、電圧Vcと下限電圧VcMINとの差分ΔVが十分に大きい場合は、上限電流Alimで一定に推移し、電圧Vcと下限電圧VcMINとの差分ΔVが小さくなると、差分ΔVが小さくなるのに応じて小さくなる傾向を示す。この結果、電圧Vcの低下は鈍化し、下限電圧VcMINに漸近して推移することになる。このように、実施形態の電力制御装置50によれば、正確に電池セル21の電圧制限を行うことができる。

更に、最大電流決定部56は、電池セル21あたりに許容される最大電流Acellmaxに、モジュール並列数np_cellを乗算し、電池モジュール20あたりに許容される最大電流Acellmodを算出する。モジュール並列数np_cellは、電池モジュール20における電池セル21の並列数である。図2の例では、モジュール並列数np_cellは2である。

また、最大電流決定部56は、電池モジュール20あたりに許容される最大電流Acellmodに、システム並列数np_modを乗算し、システム最大電流Amaxを算出する。システム最大電流Amaxは、電力制御システム1において各電池ユニット10が充放電を許容される最大電流の総和であり、電力線PLによって制御対象80に供給される最大電流である。システム並列数np_modは、システム並列数、すなわち電池モジュール20の並列数である。図1の例では、システム並列数np_modはnである。

制御量決定部58は、入力装置70から入力された操作情報に基づいて、制御対象80に与える制御量を、システム最大電流Amaxを上限値として設定する。例えば、制御量決定部58は、まず、入力装置70から入力された操作情報に基づいて制御対象80に与える発電量の一次指令値を決定し、一次指令値が、システム最大電流Amaxに対応する発電量を超えていなければ、一次指令値を制御量として制御対象80に与え、一次指令値が、システム最大電流Amaxに対応する発電量を超えていれば、システム最大電流Amaxに対応する発電量を制御量として制御対象80に与える。

第1の実施形態において、充電時と放電時で共通するゲインKを用いてもよいが、充電時と放電時で異なるゲインKを用いてもよい。この場合、電池セル21の電圧/電流特性に基づいて、ゲインKを決定するとよい。図8は、電池セル21の電圧/電流特性とゲインKとの関係を説明するための図である。図中、縦軸は電池セル21の電圧Vcであり、横軸は充放電電流の積算値である(SOCと考えてもよい)。この場合、電池セル21の電圧/電流特性を示す曲線(以下、特性曲線)と上限電圧VcMAXとの交点P1における特性曲線の傾きG1と、特性曲線と下限電圧VcMINとの交点P2における特性曲線の傾きG2とを比較し、傾きG1が傾きG2よりも大きければ充電時のゲインKを放電時のゲインKよりも大きくし、傾きG1が傾きG2よりも小さければ充電時のゲインKを放電時のゲインKよりも小さくするとよい。これによって、電池セル21に対して設定された上限電圧VcMAXおよび下限電圧VcMINの位置に応じた制御を行うことができ、より適切に過充電や過放電を防止することができる。特性曲線の傾きが大きいということは、その時点で充電電流または放電電流を急速に減衰させる必要があるため、ゲインKを予め大きくしておく必要があるからである。また、第1の実施形態において、充電時の上限電流Alimと、放電時の上限電流Alimとを異ならせてもよい。

以上説明した第1の実施形態の電力制御装置50によれば、充放電可能な電池セル21の充電時における電圧に関する情報を取得する取得部52と、取得部52により取得された情報に基づいて、上限電圧VcMAXと電池セル21の電圧Vcとの差分が小さくなるほど小さくなる傾向で、且つ上限電流Alimで制限して、電池セル21の充電時における最大電流Acellmaxを決定する最大電流決定部56と、を備えることにより、比較的大電流が流れるシステムにおいて、より正確に電池セル21の電圧制限を行うことができる。

また、第1の実施形態の電力制御装置50によれば、充放電可能な電池セル21の放電時における電圧に関する情報を取得する取得部52と、取得部52により取得された情報に基づいて、下限電圧VcMINと電池セル21の電圧Vcとの差分が小さくなるほど小さくなる傾向で、且つ上限電流Alimで制限して、電池セル21の放電時における最大電流Acellmaxを決定する最大電流決定部56と、を備えることにより、比較的大電流が流れるシステムにおいて、より正確に電池セル21の電圧制限を行うことができる。

また、第1の実施形態の電力制御装置50によれば、電池セル21の電圧Vcの最大値または最小値に基づいてシステム最大電流Amaxを算出するため、電池セル21ごとに個体差がある劣化の進行状態に応じた安全側の制御を行うことができる。

(第2の実施形態) 以下、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の電力制御装置50は、最大電流決定部56の処理内容が第1の実施形態と相違し、その他の点では共通する。従って、構成については図1〜3を援用すると共に、共通部分についての説明を省略する。

第2の実施形態の最大電流決定部56は、取得部52により取得された情報から得られる電池セル21の電圧と、上限電圧VcMAXまたは下限電圧VcMINとの比較に基づいて、電池セル21の充電時または放電時における最大電流を決定する。なお、第2の実施形態においても第1の実施形態と同様に、電池セル21のSOCから換算テーブル62を用いて換算したゼロ電流時の電圧を、電池セル21の電圧Vcとして扱う。

第2の実施形態の最大電流決定部56は、所定周期で繰り返し電池セル21の充電時における最大電流Acellmaxを決定し、上限電圧VcMAXと電池セル21の電圧Vcとの差分が第1所定電圧V1未満である場合に、前回決定した最大電流Acellmaxからステップ電圧αを差し引いた値に、電池セル21の充電時における最大電流Acellmaxを決定する。

また、第2の実施形態の最大電流決定部56は、所定周期で繰り返し電池セル21の放電時における最大電流Acellmaxを決定し、電池セル21の電圧Vcと下限電圧VcMINの差分が第2所定電圧V2未満である場合に、前回決定した最大電流Acellmaxからステップ電圧αを差し引いた値に、電池セル21の充電時における最大電流Acellmaxを決定する。

図9は、第2の実施形態の最大電流決定部56により電池セル21の充電時に実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、所定周期で繰り返し実行される。

まず、最大電流決定部56は、電池セル21の最大値を選択する(ステップS100)。次に、最大電流決定部56は、電池セル21の上限電圧VcMAXから、電池セル21の電圧Vcの最大値を差し引いて差分ΔVを求める(ステップS102)。上限電圧VcMAXは、電池セル21の劣化を抑制しつつ効率よく電池セル21を使用する観点から、予め定められた値である。

次に、最大電流決定部56は、差分ΔVが第1所定電圧V1未満であるか否かを判定する(ステップS104)。差分ΔVが第1所定電圧V1未満でない場合、最大電流決定部56は、電池セル21あたりの最大電流Acellmaxを、上限電流Alimに決定する(ステップS106)。

一方、差分ΔVが第1所定電圧V1未満である場合、最大電流決定部56は、電池セル21あたりの最大電流Acellmaxを、前回このフローチャートの1ルーチンを実行した際に決定した最大電流Acellmaxからステップ電圧αを差し引いて決定する(ステップS108)。但し、最大電流決定部56は、ステップ電圧αを差し引いた値が負の値になった場合は、最大電流Acellmaxをゼロ(または比較的小さい所定値)に決定する。

図10は、図9に示す処理を行った結果として生じる、充電時における電池セル21の電圧Vcおよび最大電流Acellmaxの推移を例示した図である。図中、電流は向きを考慮しない絶対値である。図示するように、差分ΔVが第1所定電圧V1以上である間は、電池セル21あたりの最大電流Acellmaxは上限電流Alimに維持される。差分ΔVが第1所定電圧V1未満になると、電池セル21あたりの最大電流Acellmaxは制御周期ごとにステップ電圧αずつ低下し、ゼロに近づくように決定される。この結果、この結果、電圧Vcの上昇は鈍化し、上限電圧VcMAXに漸近して推移することになる。このように、実施形態の電力制御装置50によれば、正確に電池セル21の電圧制限を行うことができる。

図11は、第2の実施形態の最大電流決定部56により電池セル21の放電時に実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、所定周期で繰り返し実行される。

まず、最大電流決定部56は、電池セル21の最小値を選択する(ステップS200)。次に、最大電流決定部56は、電池セル21の電圧Vcの最小値から、電池セル21の下限電圧VcMINを差し引いて差分ΔVを求める(ステップS202)。下限電圧VcMINは、電池セル21の劣化を抑制しつつ効率よく電池セル21を使用する観点から、予め定められた値である。

次に、最大電流決定部56は、差分ΔVが第2所定電圧V2未満であるか否かを判定する(ステップS204)。差分ΔVが第2所定電圧V2未満でない場合、最大電流決定部56は、電池セル21あたりの最大電流Acellmaxを、上限電流Alimに決定する(ステップS206)。ここで、第1所定電圧V1と第2所定電圧V2は、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。

一方、差分ΔVが第2所定電圧V2未満である場合、最大電流決定部56は、電池セル21あたりの最大電流Acellmaxを、前回このフローチャートの1ルーチンを実行した際に決定した最大電流Acellmaxからステップ電圧αを差し引いて決定する(ステップS208)。但し、最大電流決定部56は、ステップ電圧αを差し引いた値が負の値になった場合は、最大電流Acellmaxをゼロ(または比較的小さい所定値)に決定する。

図12は、図11に示す処理を行った結果として生じる、放電時における電池セル21の電圧Vcおよび最大電流Acellmaxの推移を例示した図である。図中、電流は向きを考慮しない絶対値である。図示するように、差分ΔVが第2所定電圧V2以上である間は、電池セル21あたりの最大電流Acellmaxは上限電流Alimに維持される。差分ΔVが第2所定電圧V2未満になると、電池セル21あたりの最大電流Acellmaxは制御周期ごとにステップ電圧αずつ低下し、ゼロに近づくように決定される。この結果、この結果、電圧Vcの低下は鈍化し、下限電圧VcMINに漸近して推移することになる。このように、実施形態の電力制御装置50によれば、正確に電池セル21の電圧制限を行うことができる。

更に、最大電流決定部56は、電池セル21あたりに許容される最大電流Acellmaxに、モジュール並列数np_cellを乗算し、電池モジュール20あたりに許容される最大電流Acellmodを算出する。モジュール並列数np_cellは、電池モジュール20における電池セル21の並列数である。図2の例では、モジュール並列数np_cellは2である。

また、最大電流決定部56は、電池モジュール20あたりに許容される最大電流Acellmodに、システム並列数np_modを乗算し、システム最大電流Amaxを算出する。システム最大電流Amaxは、電力制御システム1において各電池ユニット10が充放電を許容される最大電流の総和であり、電力線PLによって制御対象80に供給される最大電流である。システム並列数np_modは、システム並列数、すなわち電池モジュール20の並列数である。図1の例では、システム並列数np_modはnである。

制御量決定部58は、入力装置70から入力された操作情報に基づいて、制御対象80に与える制御量を、システム最大電流Amaxを上限値として設定する。例えば、制御量決定部58は、まず、入力装置70から入力された操作情報に基づいて制御対象80に与える発電量の一次指令値を決定し、一次指令値が、システム最大電流Amaxに対応する発電量を超えていなければ、一次指令値を制御量として制御対象80に与え、一次指令値が、システム最大電流Amaxに対応する発電量を超えていれば、システム最大電流Amaxに対応する発電量を制御量として制御対象80に与える。

第2の実施形態において、充電時と放電時で共通するステップ電圧αを用いてもよいが、充電時と放電時で異なるステップ電圧αを用いてもよい。この場合、電池セル21の電圧/電流特性に基づいて、ステップ電圧αを決定するとよい。図8を参照し、これについて説明する。第1の実施形態と同様に、電池セル21の電圧/電流特性を示す曲線(以下、特性曲線)と上限電圧VcMAXとの交点P1における特性曲線の傾きG1と、特性曲線と下限電圧VcMINとの交点P2における特性曲線の傾きG2とを比較し、傾きG1が傾きG2よりも大きければ充電時のステップ電圧αを放電時のステップ電圧αよりも大きくし、傾きG1が傾きG2よりも小さければ充電時のステップ電圧αを放電時のステップ電圧αよりも小さくするとよい。これによって、電池セル21に対して設定された上限電圧VcMAXおよび下限電圧VcMINの位置に応じた制御を行うことができ、より適切に過充電や過放電を防止することができる。特性曲線の傾きが大きいということは、その時点で充電電流または放電電流を急速に減衰させる必要があるため、ステップ電圧αを予め大きくしておく必要があるからである。

同様に、傾きG1が傾きG2よりも大きければ第1所定電圧V1を第2所定電圧V2よりも大きくし、傾きG1が傾きG2よりも小さければ第1所定電圧V1を第2所定電圧V2よりも小さくするとよい。こうすれば、傾きが急峻な側で最大電流Acellmaxの制限をより早く実施することができ、より適切に過充電や過放電を防止することができる。また、第2の実施形態において、充電時の上限電流Alimと、放電時の上限電流Alimとを異ならせてもよい。

また、第2の実施形態において、差分ΔVが第1所定電圧V1未満でない場合に、電池セル21あたりの最大電流Acellmaxを上限電流Alimに決定する、すなわち差分ΔVが第1所定電圧V1以上となると直ちに上限電流Alimに戻すものとして説明したが、これに代えて、電池セル21あたりの最大電流Acellmaxをステップ電圧βずつ戻して上限電流Alimに近づけるようにしてもよい。これによって電流制御を、より緩やかなものにすることができる。以下、この場合の処理の流れについて説明する。

図13は、第2の実施形態の最大電流決定部56により電池セル21の充電時に実行される処理の流れの他の例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、所定周期で繰り返し実行される。

まず、最大電流決定部56は、電池セル21の最大値を選択する(ステップS300)。次に、最大電流決定部56は、電池セル21の上限電圧VcMAXから、電池セル21の電圧Vcの最大値を差し引いて差分ΔVを求める(ステップS302)。

次に、最大電流決定部56は、差分ΔVが第1所定電圧V1未満であるか否かを判定する(ステップS304)。差分ΔVが第1所定電圧V1未満でない場合、最大電流決定部56は、電池セル21あたりの最大電流Acellmaxを、前回このフローチャートの1ルーチンを実行した際に決定した最大電流Acellmaxに戻し時のステップ電圧βを加算して決定する(ステップS306)。但し、最大電流決定部56は、ステップ電圧βを加算した値が上限電流Alimを超える場合は、最大電流Acellmaxを上限電流Alimに決定する。

一方、差分ΔVが第1所定電圧V1未満である場合、最大電流決定部56は、電池セル21あたりの最大電流Acellmaxを、前回このフローチャートの1ルーチンを実行した際に決定した最大電流Acellmaxからステップ電圧αを差し引いて決定する(ステップS308)。但し、最大電流決定部56は、ステップ電圧αを差し引いた値が負の値になった場合は、最大電流Acellmaxをゼロ(または比較的小さい所定値)に決定する。

図14は、第2の実施形態の最大電流決定部56により電池セル21の放電時に実行される処理の流れの他の例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、所定周期で繰り返し実行される。

まず、最大電流決定部56は、電池セル21の最小値を選択する(ステップS400)。次に、最大電流決定部56は、電池セル21の電圧Vcの最小値から、電池セル21の下限電圧VcMINを差し引いて差分ΔVを求める(ステップS402)。

次に、最大電流決定部56は、差分ΔVが第2所定電圧V2未満であるか否かを判定する(ステップS404)。差分ΔVが第2所定電圧V2未満でない場合、最大電流決定部56は、電池セル21あたりの最大電流Acellmaxを、前回このフローチャートの1ルーチンを実行した際に決定した最大電流Acellmaxに戻し時のステップ電圧βを加算して決定する(ステップS406)。但し、最大電流決定部56は、ステップ電圧βを加算した値が上限電流Alimを超える場合は、最大電流Acellmaxを上限電流Alimに決定する。

一方、差分ΔVが第2所定電圧V2未満である場合、最大電流決定部56は、電池セル21あたりの最大電流Acellmaxを、前回このフローチャートの1ルーチンを実行した際に決定した最大電流Acellmaxからステップ電圧αを差し引いて決定する(ステップS408)。但し、最大電流決定部56は、ステップ電圧αを差し引いた値が負の値になった場合は、最大電流Acellmaxをゼロ(または比較的小さい所定値)に決定する。

以上説明した第2の実施形態の電力制御装置50によれば、第1の実施形態と同様、比較的大電流が流れるシステムにおいて、より正確に電池セル21の電圧制限を行うことができる。

また、第2の実施形態の電力制御装置50によれば、ステップ電圧αごとに最大電流Acellmaxを低下させるため、決定される最大電流Acellmaxの値が発振するのを防止することができる。

また、第2の実施形態の電力制御装置50によれば、電池セル21の電圧Vcの最大値または最小値に基づいてシステム最大電流Amaxを算出するため、電池セル21ごとに個体差がある劣化の進行状態に応じた安全側の制御を行うことができる。

(共通変形例) 上記各実施形態において、電力制御装置50は、充電時において電池セル21の電圧が上限電圧VcMAXを超えないように、電池セル21の最大電流Acellmaxを決定することと、放電時において電池セル21の電圧が下限電圧VcMINを下回らないように、電池セル21の最大電流Acellmaxを決定することとの双方を実行するものとしたが、これらの一方のみを実行してもよい。

また、図1および図2に示す電池の接続構成は、あくまで一例であり、例えば、電力制御システム1は、一つの電池ユニット10のみ備えてもよい。また、電力制御装置50は、BMU40に統合されてもよい。

(適用例) 以下、電力制御システム1の適用例について説明する。図15は、電力制御システム1を利用した移動体システム100の構成の一例を示す図である。移動体システム100は、例えば、ハイブリッド鉄道車両(以下、車両)を駆動するシステムである。移動体システム100は、電力制御システム1を含み、更に、エンジン110と、発電機120と、AC−DCコンバータ130と、車輪140とを備える。なお、図15および後述する図16では、複数の電池ユニットを代表して電池ユニット10として表している。

エンジン110は、ガソリンなどの燃料を燃焼させることによって動力を出力する。発電機120は、エンジン110により出力された動力を用いて発電する。AC−DCコンバータ130は、発電機120により出力された二相または三相の交流を直流に変換して出力する。

電池ユニット10から延出する電力線PLは、直流リンク回路を介してAC−DCコンバータ130の出力側電力線と統合され、電力変換装置81に接続される。図9の例では、電力制御装置50の制御対象80として、電力変換装置81と、モータ82と、機械ブレーキ83とを示している。

電力変換装置81は、入力された直流を交流に変換してモータ82に出力したり、モータ82が回生した電力を直流に変換して電池ユニット10に提供したりする。モータ82は、車輪140を回転駆動することで車両を走行駆動したり、車両の減速時に回生を行って発電したりする。機械ブレーキ83は、機械的な作用によって車両を減速させる装置である。

また、移動体システム100は、入力装置70として、ノッチ指示やブレーキ指示を入力可能なマスターコントローラを備える。

電力制御装置50は、電池ユニット10の放電時には、マスターコントローラ70から入力される操作情報であるノッチ指示に基づいて、車輪140に出力すべき動力を算出し、これからエンジン110の出力可能な動力を差し引くことで、電池ユニット10が放電する電力を算出する。そして、電力制御装置50は、電池ユニット10が放電する電力に基づいて電池ユニット10から流れる電流を算出し、算出した電流が、上記説明したシステム最大電流Amaxを超えるか否かを判定する。電力制御装置50は、算出した電流がシステム最大電流Amaxを超える場合に、電力変換装置81に与えるデューティ比を制限したり、エンジン110の出力する動力を増加する指示を図示しないエンジン制御装置に出力したりする。

電力制御装置50は、電池ユニット10の充電時には、マスターコントローラ70から入力される操作情報であるブレーキ指示に基づいて、車輪140に作用し回生可能な動力を算出し、回生可能な動力に基づいて、電池ユニット10に充電可能な電力を算出する。そして、電力制御装置50は、電池ユニット10に充電可能な電力に基づいて電池ユニット10に流入する電流を算出し、算出した電流が、上記説明したシステム最大電流Amaxを超えるか否かを判定する。電力制御装置50は、算出した電流がシステム最大電流Amaxを超える場合に、機械ブレーキ83を作動させてモータ82の発電する電力を制限するなどの制御を行う。

電力制御システム1の適用例として、ハイブリッド鉄道車両を例示したが、これに限定されず、電力制御システム1は、太陽光パネル(PV)や燃料電池(FC)などの発電機と、系統電力とに接続される定置型の蓄電システムにも適用することができる。図16は、電力制御システム1を利用した定置型蓄電システム200の構成の一例を示す図である。

発電機210は、太陽光パネル(PV)や燃料電池(FC)などである。コンバータ220は、発電機210が交流を発電する場合、AC−DCコンバータであり、発電機210が直流を発電する場合、DC−DCコンバータである。制御対象80は、例えば、PCS(Power Conditioning System)である。PCSは、変圧器Tを介して系統電力SPおよび負荷Lに接続される。これによって、発電機210の発電した電力が、電池ユニット10に蓄えられながら、系統電力SPの側に供給される。

この場合において、電力制御装置50は、電池ユニット10から流出する電流が、システム最大電流Amaxを超えないように制御対象80を制御する。例えば、電力制御装置50は、PCSに与えるデューティ比が、システム最大電流Amaxに対応するデューティ比を超えないように制御する。また、この場合の制御対象には発電機210とコンバータ220が含まれてよく、電力制御装置50は、電池ユニット10に流入する電流がシステム最大電流Amaxを超えないように発電機210およびコンバータ220を制御してもよい。

以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、充放電可能な電池セル21の充電時における電圧に関する情報を取得する取得部52と、取得部52により取得された情報に基づいて、上限電圧VcMAXと電池セル21の電圧Vcとの差分が小さくなるほど小さくなる傾向で、且つ上限電流Alimで制限して、電池セル21の充電時における最大電流Acellmaxを決定する最大電流決定部56と、を備えることにより、比較的大電流が流れるシステムにおいて、より正確に電池セル21の電圧制限を行うことができる。

また、少なくともひとつの実施形態によれば、充放電可能な電池セル21の放電時における電圧に関する情報を取得する取得部52と、取得部52により取得された情報に基づいて、下限電圧VcMINと電池セル21の電圧Vcとの差分が小さくなるほど小さくなる傾向で、且つ上限電流Alimで制限して、電池セル21の放電時における最大電流Acellmaxを決定する最大電流決定部56と、を備えることにより、比較的大電流が流れるシステムにおいて、より正確に電池セル21の電圧制限を行うことができる。

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

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