車両制御システム、車両制御方法、および車両制御プログラム

申请号 JP2016050166 申请日 2016-03-14 公开(公告)号 JP6387548B2 公开(公告)日 2018-09-12
申请人 本田技研工業株式会社; 发明人 阿部 正明; 波多野 邦道; 朝倉 正彦; 千 尚人;
摘要
权利要求

自車両の位置および周辺環境を認識する認識部と、 前記自車両の加減速と操との少なくとも一方を自動的に制御する自動運転を実施する制御部であって、前記認識部により認識された前記自車両の位置および周辺環境を参照し、予め設定されている目的地までの経路と自動運転可能区間との関係から定まる自動運転開始地点の手前側に設定される複数の通過地点を前記自車両が順序通りに通過したことを含む開始条件を満たすか否かを判定し、前記開始条件を満たすと判定した場合に、前記自動運転を開始する制御部と、 前記自動運転が実施されない場合に運転操作を行う車両乗員の、自動運転に関する運転操作の熟練度を推定する熟練度推定部と、を備え、 前記制御部は、前記熟練度推定部により推定された熟練度が高くなるほど、前記複数の通過地点の数または位置に関する条件を緩和する、 車両制御システム。自車両の位置および周辺環境を認識する認識部と、 前記自車両の加減速と操舵との少なくとも一方を自動的に制御する自動運転を実施する制御部であって、前記認識部により認識された前記自車両の位置および周辺環境を参照し、自動運転開始地点よりも手前であり、料金所付近に設定される複数の通過地点を前記自車両が順序通りに通過したことを含む開始条件を満たすか否かを判定し、前記開始条件を満たすと判定した場合に、前記自動運転を開始する制御部と、 前記自動運転が実施されない場合に運転操作を行う車両乗員の、自動運転に関する運転操作の熟練度を推定する熟練度推定部と、を備え、 前記制御部は、前記熟練度推定部により推定された熟練度が高くなるほど、前記複数の通過地点の数または位置に関する条件を緩和する、 車両制御システム。前記自車両の速度を検出する速度検出部を備え、 前記開始条件は、前記速度検出部により検出された前記自車両の速度が設定速度以上であることを含む、 請求項1または2記載の車両制御システム。情報を出する出力部を備え、 前記制御部は、前記開始条件、および/または前記開始条件の成立状態を示す情報を前記出力部に出力させる、 請求項1から3のうちいずれか1項記載の車両制御システム。前記制御部は、前記熟練度推定部により推定された熟練度が高くなるほど、前記設定速度を低くする、 請求項3記載の車両制御システム。前記車両乗員による操作を受け付ける受付部を備え、 前記熟練度推定部は、前記自動運転に関する操作要求に対して前記車両乗員が操作を行った際の前記車両乗員の反応に基づいて、前記車両乗員の熟練度を推定する、 請求項1から5のうちいずれか1項記載の車両制御システム。前記熟練度推定部は、前記制御部による自動運転を前記車両乗員が経験した回数に基づいて、前記車両乗員の熟練度を推定する、 請求項1から6のうちいずれか1項記載の車両制御システム。前記制御部は、前記自車両が到達すべき目的地が設定されている場合に、前記開始条件を満たすか否かに基づいて、前記自動運転を開始する、 請求項1から7のうちいずれか1項記載の車両制御システム。車両乗員による操作を受け付ける受付部を備え、 前記制御部は、前記受付部に対して、前記開始条件を満たすか否かに基づく前記自動運転の開始を許可する操作がなされた場合に、前記開始条件を満たすか否かに基づいて、前記自動運転を開始する、 請求項1から8のうちいずれか1項記載の車両制御システム。情報を出力する出力部を備え、 前記受付部は、前記車両乗員による目的地を設定する操作を受け付け、 前記制御部は、前記受付部に対して、目的地を設定する操作が受け付けられた場合に、前記開始条件を満たすか否かに基づく前記自動運転の開始を許可するか否かを問い合わせる情報を前記出力部に出力させる、 請求項9記載の車両制御システム。車両乗員による操作を受け付ける受付部を備え、 前記制御部は、前記受付部に対して、前記開始条件を変更する操作がなされた場合に、前記開始条件を変更する、 請求項1から10のうちいずれか1項記載の車両制御システム。車載コンピュータが、 自車両の位置および周辺環境を認識し、 前記認識された前記自車両の位置および周辺環境に基づいて、予め設定されている目的地までの経路と自動運転可能区間との関係から定まる自動運転開始地点の手前側に設定される複数の通過地点を前記自車両が順序通りに通過したことを含む開始条件を満たすか否かを判定し、 前記開始条件を満たすと判定した場合に、前記自車両の加減速と操舵との少なくとも一方を自動的に制御する自動運転を開始し、 前記自動運転が実施されない場合に運転操作を行う車両乗員の、自動運転に関する運転操作の熟練度を推定し、 前記推定された熟練度が高くなるほど、前記複数の通過地点の数または位置に関する条件を緩和する、 車両制御方法。車載コンピュータに、 自車両の位置および周辺環境を認識させ、 前記認識された前記自車両の位置および周辺環境に基づいて、予め設定されている目的地までの経路と自動運転可能区間との関係から定まる自動運転開始地点の手前側に設定される複数の通過地点を前記自車両が順序通りに通過したことを含む開始条件を満たすか否かを判定させ、 前記開始条件を満たすと判定した場合に、前記自車両の加減速と操舵との少なくとも一方を自動的に制御する自動運転を開始させ、 前記自動運転が実施されない場合に運転操作を行う車両乗員の、自動運転に関する運転操作の熟練度を推定させ、 前記推定された熟練度が高くなるほど、前記複数の通過地点の数または位置に関する条件を緩和させる、 車両制御プログラム。車載コンピュータが、 自車両の位置および周辺環境を認識し、 前記認識された前記自車両の位置および周辺環境に基づいて、自動運転開始地点よりも手前であり、料金所付近に設定される複数の通過地点を前記自車両が順序通りに通過したことを含む開始条件を満たすか否かを判定し、 前記開始条件を満たすと判定した場合に、前記自車両の加減速と操舵との少なくとも一方を自動的に制御する自動運転を開始し、 前記自動運転が実施されない場合に運転操作を行う車両乗員の、自動運転に関する運転操作の熟練度を推定し、 前記推定された熟練度が高くなるほど、前記複数の通過地点の数または位置に関する条件を緩和する、 車両制御方法。車載コンピュータに、 自車両の位置および周辺環境を認識させ、 前記認識された前記自車両の位置および周辺環境に基づいて、自動運転開始地点よりも手前であり、料金所付近に設定される複数の通過地点を前記自車両が順序通りに通過したことを含む開始条件を満たすか否かを判定させ、 前記開始条件を満たすと判定した場合に、前記自車両の加減速と操舵との少なくとも一方を自動的に制御する自動運転を開始させ、 前記自動運転が実施されない場合に運転操作を行う車両乗員の、自動運転に関する運転操作の熟練度を推定させ、 前記推定された熟練度が高くなるほど、前記複数の通過地点の数または位置に関する条件を緩和させる、 車両制御プログラム。

说明书全文

本発明は、車両制御システム、車両制御方法、および車両制御プログラムに関する。

自車両の加減速と操との少なくとも一方を自動的に制御する自動運転について研究が進められている。これに関連し、運転者により実行されるタスクが全て完了すると、手動運転モードから自動運転モードに切り替える技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。

特表2016−504232号公報

しかしながら、従来の技術では、自動運転の開始のための操作が煩雑であった。 本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、自動運転の開始時において車両乗員に与える煩雑さを抑制することを目的の一つとする。

請求項1記載の発明は、自車両の位置および周辺環境を認識する認識部と、前記自車両の加減速と操舵との少なくとも一方を自動的に制御する自動運転を実施する制御部であって、前記認識部により認識された前記自車両の位置および周辺環境を参照し、予め設定されている目的地までの経路と自動運転可能区間との関係から定まる自動運転開始地点の手前側に設定される複数の通過地点を前記自車両が順序通りに通過したことを含む開始条件を満たすか否かを判定し、前記開始条件を満たすと判定した場合に、前記自動運転を開始する制御部と、前記自動運転が実施されない場合に運転操作を行う車両乗員の、自動運転に関する運転操作の熟練度を推定する熟練度推定部と、を備え、前記制御部は、前記熟練度推定部により推定された熟練度が高くなるほど、前記複数の通過地点の数または位置に関する条件を緩和する車両制御システムである。 請求項2記載の発明は、自車両の位置および周辺環境を認識する認識部と、前記自車両の加減速と操舵との少なくとも一方を自動的に制御する自動運転を実施する制御部であって、前記認識部により認識された前記自車両の位置および周辺環境を参照し、自動運転開始地点よりも手前であり、料金所付近に設定される複数の通過地点を前記自車両が順序通りに通過したことを含む開始条件を満たすか否かを判定し、前記開始条件を満たすと判定した場合に、前記自動運転を開始する制御部と、、前記自動運転が実施されない場合に運転操作を行う車両乗員の、自動運転に関する運転操作の熟練度を推定する熟練度推定部と、を備え、前記制御部は、前記熟練度推定部により推定された熟練度が高くなるほど、前記複数の通過地点の数または位置に関する条件を緩和する、 を備える車両制御システムである。

請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の車両制御システムであって、前記自車両の速度を検出する速度検出部を備え、前記開始条件は、前記速度検出部により検出された前記自車両の速度が設定速度以上であることを含むものである。

請求項4記載の発明は、請求項1から3のうちいずれか1記載の車両制御システムであって、情報を出する出力部を備え、前記制御部は、前記開始条件、および/または前記開始条件の成立状態を示す情報を前記出力部に出力させるものである。

請求項5記載の発明は、請求項3記載の車両制御システムであって、前記制御部は、前記熟練度推定部により推定された熟練度が高くなるほど、前記設定速度を低くするものである。

請求項6記載の発明は、請求項1から5のうちいずれか1項記載の車両制御システムであって、前記車両乗員による操作を受け付ける受付部を備え、前記熟練度推定部は、前記自動運転に関する操作要求に対して前記車両乗員が操作を行った際の前記車両乗員の反応に基づいて、前記車両乗員の熟練度を推定するものである。

請求項7記載の発明は、請求項1から6のうちいずれか1項記載の車両制御システムであって、前記熟練度推定部は、前記制御部による自動運転を前記車両乗員が経験した回数に基づいて、前記車両乗員の熟練度を推定するものである。

請求項8記載の発明は、請求項1から7のうちいずれか1項記載の車両制御システムであって、前記制御部は、前記自車両が到達すべき目的地が設定されている場合に、前記開始条件を満たすか否かに基づいて、前記自動運転を開始するものである。

請求項9記載の発明は、請求項1から8のうちいずれか1項記載の車両制御システムであって、車両乗員による操作を受け付ける受付部を備え、前記制御部は、前記受付部に対して、前記開始条件を満たすか否かに基づく前記自動運転の開始を許可する操作がなされた場合に、前記開始条件を満たすか否かに基づいて、前記自動運転を開始するものである。

請求項10記載の発明は、請求項9記載の車両制御システムであって、情報を出力する出力部を備え、前記受付部は、前記車両乗員による目的地を設定する操作を受け付け、前記制御部は、前記受付部に対して、目的地を設定する操作が受け付けられた場合に、前記開始条件を満たすか否かに基づく前記自動運転の開始を許可するか否かを問い合わせる情報を前記出力部に出力させるものである。

請求項11記載の発明は、請求項1から10のうちいずれか1項記載の車両制御システムであって、車両乗員による操作を受け付ける受付部を備え、前記制御部は、前記受付部に対して、前記開始条件を変更する操作がなされた場合に、前記開始条件を変更するものである。

請求項12記載の発明は、車載コンピュータが、自車両の位置および周辺環境を認識し、前記認識された前記自車両の位置および周辺環境に基づいて、予め設定されている目的地までの経路と自動運転可能区間との関係から定まる自動運転開始地点の手前側に設定される複数の通過地点を前記自車両が順序通りに通過したことを含む開始条件を満たすか否かを判定し、前記開始条件を満たすと判定した場合に、前記自車両の加減速と操舵との少なくとも一方を自動的に制御する自動運転を開始前記自動運転が実施されない場合に運転操作を行う車両乗員の、自動運転に関する運転操作の熟練度を推定し、前記推定された熟練度が高くなるほど、前記複数の通過地点の数または位置に関する条件を緩和する、車両制御方法である。

請求項13記載の発明は、車載コンピュータに、自車両の位置および周辺環境を認識させ、前記認識された前記自車両の位置および周辺環境に基づいて、予め設定されている目的地までの経路と自動運転可能区間との関係から定まる自動運転開始地点の手前側に設定される複数の通過地点を前記自車両が順序通りに通過したことを含む開始条件を満たすか否かを判定させ、前記開始条件を満たすと判定した場合に、前記自車両の加減速と操舵との少なくとも一方を自動的に制御する自動運転を開始さ前記自動運転が実施されない場合に運転操作を行う車両乗員の、自動運転に関する運転操作の熟練度を推定させ、前記推定された熟練度が高くなるほど、前記複数の通過地点の数または位置に関する条件を緩和させる、車両制御プログラムである。 請求項14記載の発明は、車載コンピュータが、自車両の位置および周辺環境を認識し、前記認識された前記自車両の位置および周辺環境に基づいて、自動運転開始地点よりも手前であり、料金所付近に設定される複数の通過地点を前記自車両が順序通りに通過したことを含む開始条件を満たすか否かを判定し、前記開始条件を満たすと判定した場合に、前記自車両の加減速と操舵との少なくとも一方を自動的に制御する自動運転を開始前記自動運転が実施されない場合に運転操作を行う車両乗員の、自動運転に関する運転操作の熟練度を推定し、前記推定された熟練度が高くなるほど、前記複数の通過地点の数または位置に関する条件を緩和する、車両制御方法である。 請求項15記載の発明は、車載コンピュータに、自車両の位置および周辺環境を認識させ、前記認識された前記自車両の位置および周辺環境に基づいて、自動運転開始地点よりも手前であり、料金所付近に設定される複数の通過地点を前記自車両が順序通りに通過したことを含む開始条件を満たすか否かを判定させ、前記開始条件を満たすと判定した場合に、前記自車両の加減速と操舵との少なくとも一方を自動的に制御する自動運転を開始さ前記自動運転が実施されない場合に運転操作を行う車両乗員の、自動運転に関する運転操作の熟練度を推定させ、前記推定された熟練度が高くなるほど、前記複数の通過地点の数または位置に関する条件を緩和させる、車両制御プログラムである。

請求項1からから15記載の発明によれば、予め設定した通過地点を自車両が通過したことを含む開始条件を満たすか否かを判定し、開始条件を満たすと判定した場合に、自動運転を開始することにより、自動運転の開始時において車両乗員に与える煩雑さを抑制することができる。また、熟練度推定部により推定された熟練度が高くなるほど、開始条件を緩和することにより、熟練度に応じた開始条件を設定することができる。

請求項4記載の発明によれば、開始条件、および/または開始条件の成立状態を示す情報を出力部に出力させることにより、利用者に安心感を与えることができる。

自車両Mの構成要素を示す図である。

車両制御システム100を中心とした機能構成図である。自車両Mの機能構成図である。

HMI70の構成図である。

自車位置認識部140により走行車線L1に対する自車両Mの相対位置が認識される様子を示す図である。

ある区間について生成された行動計画の一例を示す図である。

軌道生成部146の構成の一例を示す図である。

軌道候補生成部146Bにより生成される軌道の候補の一例を示す図である。

軌道候補生成部146Bにより生成される軌道の候補を軌道点Kで表現した図である。

車線変更ターゲット位置TAを示す図である。

3台の周辺車両の速度を一定と仮定した場合の速度生成モデルを示す図である。

開始条件を説明するための図である。

自車両Mの経路が設定された場合に表示装置82に表示されるインターフェース画像IM1の一例を示す図である。

自動運転の開始条件の成立状態を示すインターフェース画像IM2の一例を示す図である。

切替制御部150により実行される処理の流れを示すフローチャートである。

以下、図面を参照し、本発明の車両制御システム、車両制御方法、および車両制御プログラムの実施形態について説明する。 図1は、各実施形態の車両制御システム100が搭載される車両(以下、自車両Mと称する)の構成要素を示す図である。車両制御システム100が搭載される車両は、例えば、二輪や三輪、四輪等の自動車であり、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン等の内燃機関を動力源とした自動車や、電動機を動力源とした電気自動車、内燃機関および電動機を兼ね備えたハイブリッド自動車等を含む。電気自動車は、例えば、二次電池、燃料電池、金属燃料電池、アルコール燃料電池等の電池により放電される電力を使用して駆動される。

図1に示すように、自車両Mには、ファインダ20−1から20−7、レーダ30−1から30−6、およびカメラ40等のセンサと、ナビゲーション装置50と、車両制御システム100とが搭載される。

ファインダ20−1から20−7は、例えば、照射光に対する散乱光を測定し、対象までの距離を測定するLIDAR(Light Detection and Ranging、或いはLaser Imaging Detection and Ranging)である。例えば、ファインダ20−1は、フロントグリル等に取り付けられ、ファインダ20−2および20−3は、車体の側面やドアミラー、前照灯内部、側方灯付近等に取り付けられる。ファインダ20−4は、トランクリッド等に取り付けられ、ファインダ20−5および20−6は、車体の側面や尾灯内部等に取り付けられる。上述したファインダ20−1から20−6は、例えば、水平方向に関して150度程度の検出領域を有している。また、ファインダ20−7は、ルーフ等に取り付けられる。ファインダ20−7は、例えば、水平方向に関して360度の検出領域を有している。

レーダ30−1および30−4は、例えば、奥行き方向の検出領域が他のレーダよりも広い長距離ミリ波レーダである。また、レーダ30−2、30−3、30−5、30−6は、レーダ30−1および30−4よりも奥行き方向の検出領域が狭い中距離ミリ波レーダである。

以下、ファインダ20−1から20−7を特段区別しない場合は、単に「ファインダ20」と記載し、レーダ30−1から30−6を特段区別しない場合は、単に「レーダ30」と記載する。レーダ30は、例えば、FM−CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式によって物体を検出する。

カメラ40は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の個体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ40は、フロントウインドシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。カメラ40は、例えば、周期的に繰り返し自車両Mの前方を撮像する。カメラ40は、複数のカメラを含むステレオカメラであってもよい。

なお、図1に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。

図2は、実施形態に係る車両制御システム100を中心とした機能構成図である。自車両Mには、ファインダ20、レーダ30、およびカメラ40などを含む検知デバイスDDと、ナビゲーション装置50と、通信装置55と、車両センサ60と、HMI(Human Machine Interface)70と、車両制御システム100と、走行駆動力出力装置200と、ステアリング装置210と、ブレーキ装置210とが搭載される。これらの装置や機器は、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。なお、特許請求の範囲における車両制御システムは、「車両制御システム100」のみを指しているのではなく、車両制御システム100以外の構成(検知部DDやHMI70など)を含んでもよい。

ナビゲーション装置50は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機や地図情報(ナビ地図)、ユーザインターフェースとして機能するタッチパネル式表示装置、スピーカ、マイク等を有する。ナビゲーション装置50は、GNSS受信機によって自車両Mの位置を特定し、その位置からユーザによって指定された目的地までの経路を導出する。ナビゲーション装置50により導出された経路は、車両制御システム100の目標車線決定部110に提供される。自車両Mの位置は、車両センサ60の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。また、ナビゲーション装置50は、車両制御システム100が手動運転モードを実行している際に、目的地に至る経路について音声やナビ表示によって案内を行う。なお、自車両Mの位置を特定するための構成は、ナビゲーション装置50とは独立して設けられてもよい。また、ナビゲーション装置50は、例えば、ユーザの保有するスマートフォンやタブレット端末等の端末装置の機能によって実現されてもよい。この場合、端末装置と車両制御システム100との間で、無線または有線による通信によって情報の送受信が行われる。

通信装置55は、例えば、セルラー網やWi−Fi網、Bluetooth(登録商標)、DSRC(Dedicated Short Range Communication)などを利用した無線通信を行う。

車両センサ60は、車速を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、鉛直軸回りの速度を検出するヨーレートセンサ、自車両Mの向きを検出する方位センサ等を含む。

図3は、HMI70の構成図である。HMI70は、例えば、運転操作系の構成と、非運転操作系の構成とを備える。これらの境界は明確なものでは無く、運転操作系の構成が非運転操作系の機能を備える(或いはその逆)ことがあってもよい。

HMI70は、運転操作系の構成として、例えば、アクセルペダル71、アクセル開度センサ72およびアクセルペダル反力出力装置73と、ブレーキペダル74およびブレーキ踏量センサ(或いはマスター圧センサなど)75と、シフトレバー76およびシフト位置センサ77と、ステアリングホイール78、ステアリング操舵角センサ79およびステアリングトルクセンサ80と、その他運転操作デバイス81とを含む。

アクセルペダル71は、車両乗員による加速指示(或いは戻し操作による減速指示)を受け付けるための操作子である。アクセル開度センサ72は、アクセルペダル71の踏み込み量を検出し、踏み込み量を示すアクセル開度信号を出力する。なお、車両制御システム100に出力するのに代えて、走行駆動力出力装置200、ステアリング装置210、またはブレーキ装置220に直接出力することがあってもよい。以下に説明する他の運転操作系の構成についても同様である。アクセルペダル反力出力装置73は、例えば車両制御システム100からの指示に応じて、アクセルペダル71に対して操作方向と反対向きの力(操作反力)を車両制御システム100に出力する。

ブレーキペダル74は、車両乗員による減速指示を受け付けるための操作子である。ブレーキ踏量センサ75は、ブレーキペダル74の踏み込み量(或いは踏み込み力)を検出し、検出結果を示すブレーキ信号を車両制御システム100に出力する。

シフトレバー76は、車両乗員によるシフト段の変更指示を受け付けるための操作子である。シフト位置センサ77は、車両乗員により指示されたシフト段を検出し、検出結果を示すシフト位置信号を車両制御システム100に出力する。

ステアリングホイール78は、車両乗員による旋回指示を受け付けるための操作子である。ステアリング操舵角センサ79は、ステアリングホイール78の操作角を検出し、検出結果を示すステアリング操舵角信号を車両制御システム100に出力する。ステアリングトルクセンサ80は、ステアリングホイール78に加えられたトルクを検出し、検出結果を示すステアリングトルク信号を車両制御システム100に出力する。

その他運転操作デバイス81は、例えば、ジョイスティック、ボタン、ダイヤルスイッチ、GUI(Graphical User Interface)スイッチなどである。その他運転操作デバイス81は、加速指示、減速指示、旋回指示などを受け付け、車両制御システム100に出力する。

HMI70は、非運転操作系の構成として、例えば、表示装置82、スピーカ83、接接触操作検出装置84およびコンテンツ再生装置85と、各種操作スイッチ86と、シート88およびシート駆動装置89と、ウインドウガラス90およびウインドウ駆動装置91とを含む。

表示装置82は、例えば、インストルメントパネルの各部、助手席や後部座席に対向する任意の箇所などに取り付けられる、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)表示装置などである。また、表示装置82は、フロントウインドシールドやその他のウインドウに画像を投影するHUD(Head Up Display)であってもよい。スピーカ83は、音声を出力する。接触操作検出装置84は、表示装置82がタッチパネルである場合に、表示装置82の表示画面における接触位置(タッチ位置)を検出して、車両制御システム100に出力する。なお、表示装置82がタッチパネルでない場合、接触操作検出装置84は省略されてよい。

コンテンツ再生装置85は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)再生装置、CD(Compact Disc)再生装置、テレビジョン受信機、各種案内画像の生成装置などを含む。表示装置82、スピーカ83、接接触操作検出装置84およびコンテンツ再生装置85は、一部または全部がナビゲーション装置50と共通する構成であってもよい。

各種操作スイッチ86は、車室内の任意の箇所に配置される。各種操作スイッチ86には、自動運転の開始(或いは将来の開始)および停止を指示する自動運転切替スイッチ87を含む。自動運転切替スイッチ87は、GUI(Graphical User Interface)スイッチ、機械式スイッチのいずれであってもよい。また、各種操作スイッチ86は、シート駆動装置89やウインドウ駆動装置91を駆動するためのスイッチを含んでもよい。

シート88は、車両乗員が着座するシートである。シート駆動装置89は、シート88のリクライニング角、前後方向位置、ヨー角などを自在に駆動する。ウインドウガラス90は、例えば各ドアに設けられる。ウインドウ駆動装置91は、ウインドウガラス90を開閉駆動する。

車室内カメラ95は、CCDやCMOS等の個体撮像素子を利用したデジタルカメラである。車室内カメラ95は、バックミラーやステアリングボス部、インストルメントパネルなど、運転操作を行う車両乗員の少なくとも頭部を撮像可能な位置に取り付けられる。カメラ40は、例えば、周期的に繰り返し車両乗員を撮像する。

車両制御システム100の説明に先立って、走行駆動力出力装置200、ステアリング装置210、およびブレーキ装置220について説明する。

走行駆動力出力装置200は、車両が走行するための走行駆動力(トルク)を駆動輪に出力する。走行駆動力出力装置200は、例えば、自車両Mが内燃機関を動力源とした自動車である場合、エンジン、変速機、およびエンジンを制御するエンジンECU(Electronic Control Unit)を備え、自車両Mが電動機を動力源とした電気自動車である場合、走行用モータおよび走行用モータを制御するモータECUを備え、自車両Mがハイブリッド自動車である場合、エンジン、変速機、およびエンジンECUと走行用モータおよびモータECUとを備える。走行駆動力出力装置200がエンジンのみを含む場合、エンジンECUは、後述する走行制御部160から入力される情報に従って、エンジンのスロットル開度やシフト段等を調整する。走行駆動力出力装置200が走行用モータのみを含む場合、モータECUは、走行制御部160から入力される情報に従って、走行用モータに与えるPWM信号のデューティ比を調整する。走行駆動力出力装置200がエンジンおよび走行用モータを含む場合、エンジンECUおよびモータECUは、走行制御部160から入力される情報に従って、互いに協調して走行駆動力を制御する。

ステアリング装置210は、例えば、ステアリングECUと、電動モータとを備える。電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリングECUは、車両制御システム100から入力される情報、或いは入力されるステアリング操舵角またはステアリングトルクの情報に従って電動モータを駆動し、転舵輪の向きを変更させる。

ブレーキ装置220は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、制動制御部とを備える電動サーボブレーキ装置である。電動サーボブレーキ装置の制動制御部は、走行制御部160から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じたブレーキトルクが各車輪に出力されるようにする。電動サーボブレーキ装置は、ブレーキペダルの操作によって発生させた油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてよい。なお、ブレーキ装置220は、上記説明した電動サーボブレーキ装置に限らず、電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。電子制御式油圧ブレーキ装置は、走行制御部160から入力される情報に従ってアクチュエータを制御して、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する。また、ブレーキ装置220は、走行駆動力出力装置200に含まれ得る走行用モータによる回生ブレーキを含んでもよい。

[車両制御システム] 以下、車両制御システム100について説明する。車両制御システム100は、例えば、一以上のプロセッサまたは同等の機能を有するハードウェアにより実現される。車両制御システム100は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、記憶装置、および通信インターフェースが内部バスによって接続されたECU(Electronic Control Unit)、或いはMPU(Micro-Processing Unit)などが組み合わされた構成であってよい。

図2に戻り、車両制御システム1は、例えば、目標車線決定部110と、自動運転制御部120と、走行制御部160と、記憶部180とを備える。自動運転制御部120は、例えば、自動運転モード制御部130と、自車位置認識部140と、外界認識部142と、行動計画生成部144と、軌道生成部146と、切替制御部150と、熟練度推定部155とを備える。目標車線決定部110、自動運転制御部120の各部、および走行制御部160のうち一部または全部は、プロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらのうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。

記憶部180には、例えば、高精度地図情報182、目標車線情報184、行動計画情報186などの情報が格納される。記憶部180は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等で実現される。プロセッサが実行するプログラムは、予め記憶部180に格納されていてもよいし、車載インターネット設備等を介して外部装置からダウンロードされてもよい。また、プログラムは、そのプログラムを格納した可搬型記憶媒体が図示しないドライブ装置に装着されることで記憶部180にインストールされてもよい。また、車両制御システム100は、複数のコンピュータ装置によって分散化されたものであってもよい。

目標車線決定部110は、例えば、MPUにより実現される。目標車線決定部110は、ナビゲーション装置50から提供された経路を複数のブロックに分割し(例えば、車両進行方向に関して100[m]毎に分割し)、高精度地図情報182を参照してブロックごとに目標車線を決定する。目標車線決定部110は、例えば、左から何番目の車線を走行するといった決定を行う。目標車線決定部110は、例えば、経路において分岐箇所や合流箇所などが存在する場合、自車両Mが、分岐先に進行するための合理的な走行経路を走行できるように、目標車線を決定する。目標車線決定部110により決定された目標車線は、目標車線情報184として記憶部180に記憶される。

高精度地図情報182は、ナビゲーション装置50が有するナビ地図よりも高精度な地図情報である。高精度地図情報182は、例えば、車線の中央の情報あるいは車線の境界の情報等を含んでいる。また、高精度地図情報182には、道路情報、交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報などが含まれてよい。道路情報には、高速道路、有料道路、国道、都道府県道といった道路の種別を表す情報や、道路の車線数、各車線の幅員、道路の勾配、道路の位置(経度、緯度、高さを含む3次元座標)、車線のカーブの曲率、車線の合流および分岐ポイントの位置、道路に設けられた標識等の情報が含まれる。交通規制情報には、工事や交通事故、渋滞等によって車線が封鎖されているといった情報が含まれる。

自動運転モード制御部130は、自動運転制御部120が実施する自動運転のモードを決定する。本実施形態における自動運転のモードには、以下のモードが含まれる。なお、以下はあくまで一例であり、自動運転のモード数は任意に決定されてよい。 [第1モード] 第1モードは、最も自動運転の度合が高いモードである。第1モードが実施されている場合、複雑な合流制御など、全ての車両制御が自動的に行われるため、車両乗員は自車両Mの周辺や状態を監視する必要が無い。 [第2モード] 第2モードは、第1モードの次に自動運転の度合が高いモードである。第2モードが実施されている場合、原則として全ての車両制御が自動的に行われるが、場面に応じて自車両Mの運転操作が車両乗員に委ねられる。このため、車両乗員は自車両Mの周辺や状態を監視している必要がある。 [第3モード] 第3モードは、第2モードの次に自動運転の度合が高いモードである。第3モードが実施されている場合、車両乗員は、場面に応じた確認操作をHMI70に対して行う必要がある。第3モードでは、例えば、車線変更のタイミングが車両乗員に通知され、車両乗員がHMI70に対して車線変更を指示する操作を行った場合に、自動的な車線変更が行われる。このため、車両乗員は自車両Mの周辺や状態を監視している必要がある。

自動運転モード制御部130は、HMI70に対する車両乗員の操作、行動計画生成部144により決定されたイベント、軌道生成部146により決定された走行態様などに基づいて、自動運転のモードを決定する。自動運転のモードは、HMI制御部170に通知される。また、自動運転のモードには、自車両Mの検知デバイスDDの性能等に応じた限界が設定されてもよい。例えば、検知デバイスDDの性能が低い場合には、第1モードは実施されないものとしてよい。いずれのモードにおいても、HMI70における運転操作系の構成に対する操作によって、手動運転モードに切り替えること(オーバーライド)は可能である。

自動運転制御部120の自車位置認識部140は、記憶部180に格納された高精度地図情報182と、ファインダ20、レーダ30、カメラ40、ナビゲーション装置50、または車両センサ60から入力される情報とに基づいて、自車両Mが走行している車線(走行車線)、および、走行車線に対する自車両Mの相対位置を認識する。

自車位置認識部140は、例えば、高精度地図情報182から認識される道路区画線のパターン(例えば実線と破線の配列)と、カメラ40によって撮像された画像から認識される自車両Mの周辺の道路区画線のパターンとを比較することで、走行車線を認識する。この認識において、ナビゲーション装置50から取得される自車両Mの位置やINSによる処理結果が加味されてもよい。

図4は、自車位置認識部140により走行車線L1に対する自車両Mの相対位置が認識される様子を示す図である。自車位置認識部140は、例えば、自車両Mの基準点(例えば重心)の走行車線中央CLからの乖離OS、および自車両Mの進行方向の走行車線中央CLを連ねた線に対してなす角度θを、走行車線L1に対する自車両Mの相対位置として認識する。なお、これに代えて、自車位置認識部140は、自車線L1のいずれかの側端部に対する自車両Mの基準点の位置などを、走行車線に対する自車両Mの相対位置として認識してもよい。自車位置認識部140により認識される自車両Mの相対位置は、目標車線決定部110に提供される。

外界認識部142は、ファインダ20、レーダ30、カメラ40等から入力される情報に基づいて、周辺車両の位置、および速度、加速度等の状態を認識する。周辺車両とは、例えば、自車両Mの周辺を走行する車両であって、自車両Mと同じ方向に走行する車両である。周辺車両の位置は、他車両の重心やコーナー等の代表点で表されてもよいし、他車両の輪郭で表現された領域で表されてもよい。周辺車両の「状態」とは、上記各種機器の情報に基づいて把握される、周辺車両の加速度、車線変更をしているか否か(あるいは車線変更をしようとしているか否か)を含んでもよい。また、外界認識部142は、周辺車両に加えて、ガードレールや電柱、駐車車両、歩行者その他の物体の位置を認識してもよい。

行動計画生成部144は、自動運転のスタート地点、および/または自動運転の目的地を設定する。自動運転のスタート地点は、自車両Mの現在位置であってもよいし、自動運転を指示する操作がなされた地点でもよい。行動計画生成部144は、そのスタート地点と自動運転の目的地との間の区間において、行動計画を生成する。なお、これに限らず、行動計画生成部144は、任意の区間について行動計画を生成してもよい。

行動計画は、例えば、順次実行される複数のイベントで構成される。イベントには、例えば、自車両Mを減速させる減速イベントや、自車両Mを加速させる加速イベント、走行車線を逸脱しないように自車両Mを走行させるレーンキープイベント、走行車線を変更させる車線変更イベント、自車両Mに前走車両を追い越させる追い越しイベント、分岐ポイントにおいて所望の車線に変更させたり、現在の走行車線を逸脱しないように自車両Mを走行させたりする分岐イベント、本線に合流するための合流車線において自車両Mを加減速させ、走行車線を変更させる合流イベント、自動運転の開始地点で手動運転モードから自動運転モードに移行させたり、自動運転の終了予定地点で自動運転モードから手動運転モードに移行させたりするハンドオーバイベント等が含まれる。行動計画生成部144は、目標車線決定部110により決定された目標車線が切り替わる箇所において、車線変更イベント、分岐イベント、または合流イベントを設定する。行動計画生成部144によって生成された行動計画を示す情報は、行動計画情報186として記憶部180に格納される。

図5は、ある区間について生成された行動計画の一例を示す図である。図示するように、行動計画生成部144は、目標車線情報184が示す目標車線上を自車両Mが走行するために必要な行動計画を生成する。なお、行動計画生成部144は、自車両Mの状況変化に応じて、目標車線情報184に拘わらず、動的に行動計画を変更してもよい。例えば、行動計画生成部144は、車両走行中に外界認識部142によって認識された周辺車両の速度が閾値を超えたり、自車線に隣接する車線を走行する周辺車両の移動方向が自車線方向に向いたりした場合に、自車両Mが走行予定の運転区間に設定されたイベントを変更する。例えば、レーンキープイベントの後に車線変更イベントが実行されるようにイベントが設定されている場合において、外界認識部142の認識結果によって当該レーンキープイベント中に車線変更先の車線後方から車両が閾値以上の速度で進行してきたことが判明した場合、行動計画生成部144は、レーンキープイベントの次のイベントを、車線変更イベントから減速イベントやレーンキープイベント等に変更してよい。この結果、車両制御システム100は、外界の状態に変化が生じた場合においても、安全に自車両Mを自動走行させることができる。

図6は、軌道生成部146の構成の一例を示す図である。軌道生成部146は、例えば、走行態様決定部146Aと、軌道候補生成部146Bと、評価・選択部146Cとを備える。

走行態様決定部146Aは、例えば、レーンキープイベントを実施する際に、定速走行、追従走行、低速追従走行、減速走行、カーブ走行、障害物回避走行などのうちいずれかの走行態様を決定する。例えば、走行態様決定部146Aは、自車両Mの前方に他車両が存在しない場合に、走行態様を定速走行に決定する。また、走行態様決定部146Aは、前走車両に対して追従走行するような場合に、走行態様を追従走行に決定する。また、走行態様決定部146Aは、渋滞場面などにおいて、走行態様を低速追従走行に決定する。また、走行態様決定部146Aは、外界認識部142により前走車両の減速が認識された場合や、停車や駐車などのイベントを実施する場合に、走行態様を減速走行に決定する。また、走行態様決定部146Aは、外界認識部142により自車両Mがカーブ路に差し掛かったことが認識された場合に、走行態様をカーブ走行に決定する。また、走行態様決定部146Aは、外界認識部142により自車両Mの前方に障害物が認識された場合に、走行態様を障害物回避走行に決定する。また、走行態様決定部146Aは、車線変更イベント、追い越しイベント、分岐イベント、合流イベント、ハンドオーバイベントなどを実施する場合に、それぞれのイベントに応じた走行態様を決定する。

軌道候補生成部146Bは、走行態様決定部146Aにより決定された走行態様に基づいて、軌道の候補を生成する。図7は、軌道候補生成部146Bにより生成される軌道の候補の一例を示す図である。図7は、自車両Mが車線L1から車線L2に車線変更する場合に生成される軌道の候補を示している。

軌道生成部146は、図7に示すような軌道を、例えば、将来の所定時間ごとに、自車両Mの基準位置(例えば重心や後輪軸中心)が到達すべき目標位置(軌道点K)の集まりとして決定する。図8は、軌道候補生成部146Bにより生成される軌道の候補を軌道点Kで表現した図である。軌道点Kの間隔が広いほど、自車両Mの速度は速くなり、軌道点Kの間隔が狭いほど、自車両Mの速度は遅くなる。従って、軌道生成部146は、加速したい場合には軌道点Kの間隔を徐々に広くし、減速したい場合は軌道点の間隔を徐々に狭くする。

このように、軌道点Kは速度成分を含むものであるため、軌道生成部146は、軌道点Kのそれぞれに対して目標速度を与える必要がある。目標速度は、走行態様決定部146Aにより決定された走行態様に応じて決定される。

ここで、車線変更(分岐を含む)を行う場合の目標速度の決定手法について説明する。軌道生成部146は、まず、車線変更ターゲット位置(或いは合流ターゲット位置)を設定する。車線変更ターゲット位置は、周辺車両との相対位置として設定されるものであり、「どの周辺車両の間に車線変更するか」を決定するものである。軌道生成部146は、車線変更ターゲット位置を基準として3台の周辺車両に着目し、車線変更を行う場合の目標速度を決定する。図9は、車線変更ターゲット位置TAを示す図である。図中、L1は自車線を表し、L2は隣接車線を表している。ここで、自車両Mと同じ車線で、自車両Mの直前を走行する周辺車両を前走車両mA、車線変更ターゲット位置TAの直前を走行する周辺車両を前方基準車両mB、車線変更ターゲット位置TAの直後を走行する周辺車両を後方基準車両mCと定義する。自車両Mは、車線変更ターゲット位置TAの側方まで移動するために加減速を行う必要があるが、この際に前走車両mAに追いついてしまうことを回避しなければならない。このため、軌道生成部146は、3台の周辺車両の将来の状態を予測し、各周辺車両と干渉しないように目標速度を決定する。

図10は、3台の周辺車両の速度を一定と仮定した場合の速度生成モデルを示す図である。図中、mA、mBおよびmCから延出する直線は、それぞれの周辺車両が定速走行したと仮定した場合の進行方向における変位を示している。自車両Mは、車線変更が完了するポイントCPにおいて、前方基準車両mBと後方基準車両mCとの間にあり、且つ、それ以前において前走車両mAよりも後ろにいなければならない。このような制約の下、軌道生成部146は、車線変更が完了するまでの目標速度の時系列パターンを、複数導出する。そして、目標速度の時系列パターンをスプライン曲線等のモデルに適用することで、図8に示すような軌道の候補を複数導出する。なお、3台の周辺車両の運動パターンは、図10に示すような定速度に限らず、定加速度、定ジャーク(躍度)を前提として予測されてもよい。

評価・選択部146Cは、軌道候補生成部146Bにより生成された軌道の候補に対して、例えば、計画性と安全性の二つの観点で評価を行い、走行制御部160に出力する軌道を選択する。計画性の観点からは、例えば、既に生成されたプラン(例えば行動計画)に対する追従性が高く、軌道の全長が短い場合に軌道が高く評価される。例えば、右方向に車線変更することが望まれる場合に、一旦左方向に車線変更して戻るといった軌道は、低い評価となる。安全性の観点からは、例えば、それぞれの軌道点において、自車両Mと物体(周辺車両等)との距離が遠く、加減速度や操舵角の変化量などが小さいほど高く評価される。

切替制御部150は、自動運転切替スイッチ87から入力される信号、その他に基づいて自動運転モードと手動運転モードとを相互に切り替える。また、切替制御部150は、HMI70における運転操作系の構成に対する加速、減速または操舵を指示する操作に基づいて、自動運転モードから手動運転モードに切り替える。例えば、切替制御部150は、HMI70における運転操作系の構成から入力された信号の示す操作量が閾値を超えた状態が、基準時間以上継続した場合に、自動運転モードから手動運転モードに切り替える(オーバーライド)。また、切替制御部150は、オーバーライドによる手動運転モードへの切り替えの後、所定時間の間、HMI70における運転操作系の構成に対する操作が検出されなかった場合に、自動運転モードに復帰させてもよい。

[自動運転の開始制御] 以下、切替制御部150による自動運転の開始制御について説明する。切替制御部150は、自動運転切替スイッチ87に対する操作に基づいて自動運転を開始する他、以下の手法によって自動運転を開始する。

切替制御部150は、自車両Mの位置および周辺環境を参照し、予め設定した通過地点を自車両Mが通過したことを含む開始条件を満たすか否かを判定する。切替制御部150は、開始条件を満たすと判定した場合に、自動運転制御部120に自動運転を開始させる。開始条件は、自車両Mが自動運転を自動で開始するための条件であって、予め設定した1または複数の通過地点を自車両Mが通過したことや、最終の通過地点を通過した時点における自車両Mの速度が設定速度以上であることなどを含む。開始条件として設定される通過地点の数や、通過地点の位置、設定速度等は、自動運転の開始位置に応じて固定的に設定されてもよいし、後述する車両乗員の運転の熟練度に基づいて設定されてもよい。

図11は、開始条件を説明するための図である。図示する例では、自車両Mは、本線L1に合流する合流車線L3に進入しようとしている。自車両Mでは、自車両Mが到達する目的地および目的地までの経路が設定されている。切替制御部150は、目的地までの経路が決定されると、経路上における自動運転を実施可能な区間(自動運転可能区間)を、高精度地図情報182から導出する(或いは読み出す)。図に示す自動運転開始地点は、自動運転可能区間の始点付近に設定される。

また、切替制御部150は、自動運転開始地点と、通過地点との対応関係を示す対応情報を、記憶部180に保持している。対応情報は、通過地点を直接的に指定する情報(例えば座標)に限らず、「料金所の手前500[m]の地点、料金所の手前10[m]の地点、料金所の先の300[m]の地点」といった「規則」を示す情報であってもよい。また、対応情報は、高精度地図情報182の一部であってもよい。切替制御部150は、自動運転開始地点を決定すると、それに対応する通過地点の情報を記憶部180から読み出し(或いは「規則」から通過地点を決定し)、開始条件の中に含める。図11の例では、自車両Mが、通過地点1から3を、この順序通りに通過し、且つ通過地点3を通過した時点で自車両Mの速度Vが設定速度V1以上である場合、切替制御部150は、自動運転を自動的に開始させる。通過地点を通過したことの確認は、例えば、ナビゲーション装置50から入力される自車両Mの位置と、高精度地図情報182とを比較することで行われる。

また、自動運転開始地点の手前に設定される通過地点は、例えば経路が設定される際に、車両乗員によるHMI70に対する操作によって設定可能にしてもよい。こうすれば、車両乗員の好むタイミングで、自動運転を自動的に開始することができる。

また、切替制御部150は、ナビゲーション装置50と協働して以下の処理を行う。切替制御部150は、目的地が設定されると、自動運転を自動的に開始する否かを問い合わせるためのインターフェース画像IMを表示装置82に表示させる。図12は、自車両Mの経路が設定された場合に表示装置82に表示されるインターフェース画像IM1の一例を示す図である。インターフェース画像IM1には、ユーザによって設定された目的地を表示する目的地表示領域A1、および自動運転可能区間を表示する自動運転可能区間表示領域A2が含まれる。

インターフェース画像IM2には、開始条件を満たす場合に自動運転を自動的に開始することを許可するか否かを問い合わせるための問い合わせ画像表示領域A3が含まれる。また、インターフェース画像IM2には、問い合わせに対する操作入力を受け付けるGUIスイッチSW1およびSW2等が設定される。GUIスイッチSW1は、自動運転を自動的に開始することを許可することを受け付けるスイッチであり、GUIスイッチSW2は、自動運転を自動的に開始することを許可しないことを受け付けるスイッチである。

例えば、切替制御部150は、GUIスイッチSW1が操作入力を受け付け、且つ開始条件が満たされた場合に、自動運転を自動的に開始させ、GUIスイッチSW2の操作入力を受け付けた場合は、手動操作によってのみ自動運転を開始させる。

また、切替制御部150は、自動運転の自動開始の条件、および/または開始条件の成立状態を示す情報を表示装置82に表示させる。図13は、自動運転の開始条件の成立状態を示すインターフェース画像IM2の一例を示す図である。開始条件の成立状態を示す情報とは、例えば予め設定された通過地点を自車両Mが通過したか否かを示す情報である。インターフェース画像IM2には、例えば自車両Mが通過地点1を通過済であるか否かを表示する第1通過状態表示領域A4、通過地点2を通過済であるか否かを表示する第2通過状態表示領域A5、通過地点3を通過済であるか否かを表示する第3通過状態表示領域A6が含まれる。また、インターフェース画像IM2には、設定速度V1を示す情報と自車両Mの速度が設定速度V1に達しているか否かを示す速度条件表示領域A7が含まれる。図示する例では、設定速度V1は55[km/h]である。速度条件表示領域A7では、例えば、自車両の速度が設定速度V1に達していない場合、「要加速」といった情報が表示される。なお、このような情報を、表示に代えて(或いは加えて)音声によって出力してもよい。

また、切替制御部150は、熟練度推定部155により推定された熟練度に基づいて、開始条件を設定してもよい。切替制御部150は、例えば熟練度が高くなるほど、開始条件を緩和する。例えば、切替制御部150は、開始条件である通過地点の数を減らしたり、最終の通過地点を、熟練度が低い人に対して設定される最終の通過地点よりも手前側に設定したりすることで、開始条件を緩和する。また、切替制御部150は、設定速度V1を低く変更することで、開始条件を緩和してもよい。

熟練度推定部155は、手動運転モードにおいて運転操作を行う車両乗員(運転者)の熟練度を推定する。具体的には、熟練度推定部155は、自動運転に関する操作要求に対して車両乗員が操作を行った際の反応に基づいて、車両乗員の熟練度を推定する。

自動運転に関する操作要求の一例として、自動運転の終了予定地点で自動運転モードから手動運転モードに移行させるハンドオーバイベントの際に出力される、音声ガイダンスがある。音声ガイダンスの内容は、「ステアリングホイールを握って下さい」といった内容である。熟練度推定部155は、このような操作要求が行われた後、要求された操作が実行されるまでの時間を測定し、車両乗員の「反応」を評価する。測定された時間が短い程、その車両乗員の熟練度は高いと推定される。上記の例では、音声ガイダンスが出力された後、実際にステアリングホイール78が握られるまでの時間が測定され、車両乗員の「反応」が評価される。ステアリングホイール78が握られたことの確認は、例えば、ステアリングトルクセンサ80の出力を参照して行われる。

熟練度の推定は、車両乗員の人物認識と共に行われてよい。熟練度推定部155は、例えば、記憶部180に顔画像の特徴量等を格納しておき、車室内カメラ95により撮像された車両乗員の顔画像から得られる特徴量と比較することで、個人を認識し、個人ごとに熟練度を推定してよい。また、顔画像による人物認識に代えて、指紋、声紋、光彩パターンなどの生体情報を用いて人物認識が行われてもよい。

また、熟練度推定部155は、自動運転を経験した回数に基づいて、車両乗員の熟練度を推定してもよい。熟練度推定部155は、自動運転を経験した回数が多くなるほど、車両乗員の熟練度が高いと推定する。自動運転を経験した回数が多くなるほど、ハンドオーバイベントなどによる自動運転モードから手動運転モードへの移行時(或いは、その逆)の運転操作を多く経験しているからである。

図14は、切替制御部150により実行される処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートは、切替制御部150に含まれる自動運転の自動開始機能に関するモジュールにより実行される。

まず、切替制御部150の当該モジュールは、ユーザによって自車両Mで到達すべき目的地が設定されるまで待機する(ステップS100)。ユーザによって自動運転の目的地が設定された場合、切替制御部150は、自車両Mの現在位置と、設定された自動運転の目的地とに基づいて、自動運転可能な区間を導出する(ステップS102)。次に、切替制御部150は、ステップS102で導出した自動運転可能区間を示す情報を表示装置82に表示させる(ステップS104)。

次に、切替制御部150は、自動運転を自動的に開始することを許可する操作がなされたか否かを判定する(ステップS106)。自動運転を自動的に開始することを許可する操作がなされなかった場合、切替制御部150は、車両乗員によって自動運転切替スイッチ87が操作されたことに応じて、自動運転を開始させる(ステップS108)。

自動運転を自動的に開始することを許可する操作がなされた場合、切替制御部150は、自動運転の開始条件である通過地点と、速度に関する条件とを表示装置82に表示させる(ステップS110)。次に、切替制御部150は、開始条件を満たすか否かを判定する(ステップS112)。開始条件を満たす場合、切替制御部150は、自動運転制御部120に自動運転を開始させる(ステップS114)。開始条件を満たさない場合、切替制御部150は、タイムアウト時間が経過したか否かを判定する(ステップS116)。タイムアウト時間が経過していない場合、ステップS112の処理に戻り、タイムアウト時間が経過した場合、本フローチャートの処理は終了する。この場合、再度の目的地設定、或いは自動運転を自動的に開始する操作などが改めて行われた場合に、例えばステップS106以下の処理が実行される。

このような制御によって、自車両Mは、自動運転開始地点において、自動的に自動運転を開始することができる。これによって、自動運転の開始時に特段の操作を要求することで車両乗員に与える煩雑さを抑制することができる。

走行制御部160は、軌道生成部146によって生成された軌道を、予定の時刻通りに自車両Mが通過するように、走行駆動力出力装置200、ステアリング装置210、およびブレーキ装置220を制御する。

HMI制御部170は、HMI70から出力された情報、自動運転制御部120から出力された情報(例えば、自動運転のモードの情報)を取得し、取得した情報に基づいて、自動運転制御部120の制御を制限したり、走行駆動出力装置200や、ステアリング装置210、ブレーキ装置220等に指示値を出力したりする。

以上説明した実施形態によれば、自車両Mの位置および周辺環境を参照し、予め設定した通過地点を自車両Mが通過したことを含む開始条件を満たすか否かを判定し、開始条件を満たすと判定した場合に、自動運転を開始することによって、自動運転の開始時において車両乗員に与える煩雑さを抑制することができる。

以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。

20…ファインダ、30…レーダ、40…カメラ、DD…検知デバイス、50…ナビゲーション装置、60…車両センサ、70…HMI、100…車両制御システム、110…目標車線決定部、120…自動運転制御部、130…自動運転モード制御部、140…自車位置認識部、142…外界認識部、144…行動計画生成部、146…軌道生成部、146A…走行態様決定部、146B…軌道候補生成部、146C…評価・選択部、150…切替制御部、155…熟練度推定部、160…走行制御部、170…HMI制御部、180…記憶部、200…走行駆動力出力装置、210…ステアリング装置、220…ブレーキ装置、M…自車両

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