車両制御システム及び方法

申请号 JP2015530427 申请日 2013-09-06 公开(公告)号 JP6159804B2 公开(公告)日 2017-07-05
申请人 ジャガー・ランド・ローバー・リミテッド; JAGUAR LAND ROVER LIMITED; 发明人 ポール・ダーネル; エリオット・ヒームズ;
摘要
权利要求

車両の少なくとも一の車両サブシステムのための車両制御システムであって、該車両制御システムが、 複数のサブシステム制御モードの選択された一つで、前記少なくとも一の車両サブシステムの制御を開始するためのサブシステム・コントローラであり、前記複数のサブシステム制御モードのそれぞれが、前記車両の一又は異なる複数の地形の種類に対応するサブシステム・コントローラと、 該システムが自動応答モードで作動可能であるとき、車両が走行している地形を示す少なくとも一の地形指標信号を受信するとともに評価して、車両が走行している前記地形に前記サブシステム制御モードのそれぞれが適する範囲を決定し、かつ、前記サブシステム制御モードの最適な一つを自動的に選択するべく構成された自動制御手段と を備え、 該システムがさらに、ユーザが所要のサブシステム制御モードを選択するマニュアルモードで作動可能であり、 該システムが前記マニュアルモードで作動しているとき、ユーザにより所定の一以上の制御モードで作動するよう指令がなされた場合に、前記サブシステム・コントローラが、前記車両の一以上のホイールに作用するトルク量に対し、一以上の所定の制約の第一セットを自動的に課すよう構成され、 該システムが前記自動応答モードで作動していて、前記サブシステム・コントローラが、前記自動制御手段により所定の一以上の制御モードで作動するよう指令された場合、前記サブシステム・コントローラが、前記車両の一以上のホイールに作用するトルク量に対し、前記一以上の所定の制約の第一セットを課さないよう構成されるシステム。前記サブシステム・コントローラが、前記車両の一以上のホイールに作用するトルク量に対し、一以上の所定の制約の前記第一セットを自動的に課し、所定の値を超えるホイールスリップを防止するべく構成される、請求項1に記載のシステム。前記車両のパワートレインに対し、一以上の所定の制約の前記第一セットを自動的に課すことにより、前記車両の一以上のホイールに作用するトルク量に対し、一以上の所定の制約の前記第一セットを課し、所定の値を超えるホイールスリップを防止するべく構成される、請求項2に記載のシステム。制約の前記第一セットが、ドライバー要求トルクの増加に対するパワートレインの応答の速度の低下、パワートレイン・トルクの増加の最大許容速度の低下、及び、パワートレイン・トルクの最大許容値の低下の中から選択された少なくとも一つを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。該システムが、自動応答モードで作動しているとき、前記車両サブシステムの一以上の作動に、一以上の所定の制約の第二セットを適用するべく構成されるものであり、一以上の制約の前記第二セットが、前記第一セットと異なる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシステム。制約の前記第二セットが、ドライバー要求トルクの増加に対するパワートレインの応答の速度の低下、パワートレイン・トルクの増加の最大許容速度の低下、及び、パワートレイン・トルクの最大許容値の低下の中から選択された少なくとも一つを含む、請求項5に記載のシステム。一以上の所定の制約の前記第二セットが、一以上の制約の前記第一セットより車両の作動の少ない制約となるように構成される、請求項5又は6に記載のシステム。該システムの自動前進制御機能がアクティブであるとの条件で、一以上の制約の前記第一セットが適用されることを許容するべく構成される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のシステム。ホイールスリップの前記所定の値が、一以上の車両運転パラメータに応じて決定される、請求項2、又は、請求項2を引用する場合の請求項3〜8のいずれか一項に記載のシステム。一以上の運転パラメータが、車速、ホイール速度及び、車両が移動している地形の種類の中から選択される、請求項9に記載のシステム。該システムが一以上の所定の制約の前記第一セットを課すべく構成されることに応じた一以上の条件の所定のセットが、車速が所定の値より低いこと、ドライバー要求トルクが所定の値より大きいこと、アクセルペダル位置が所定の移動量を超えること、選択されたトランスミッション・ギヤが所定の一以上のギヤであること、及び、選択されたパワートランスファーユニット・ギヤレシオが所定のレシオであることの中から選択された少なくとも一つを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のシステム。制御モードが、パワートレイン、トランスミッションシステム、ステアリングシステム、ブレーキシステム及び、サスペンションシステムの中から選択された少なくとも二の車両サブシステムの制御モードであり、前記制御モードが、 サスペンションシステムの制御モードであって、複数のサブシステム構成モードが複数の最低地上高を備える制御モード、 車両の両側のホイールのサスペンション間で流体相互接続を行うことのできる流体サスペンションシステムの制御モードであって、複数のサブシステム構成モードが、当該相互接続の異なるレベルをもたらす制御モード、 ステアリング補助をもたらすことのできるステアリングシステムの制御モードであって、複数のサブシステム構成モードが、当該ステアリング補助の異なるレベルをもたらす制御モード、 ブレーキング補助をもたらすことのできるブレーキシステムの制御モードであって、複数のサブシステム構成モードが、当該ブレーキング補助の異なるレベルをもたらす制御モード、 ホイールスリップを制御するアンチロック機能をもたらすことのできるブレーキ制御システムの制御モードであって、複数のサブシステム構成モードが、当該ホイールスリップの異なるレベルを許容する制御モード、 ホイールスピンを制御するべく構成されたトラクション制御システムの制御モードであって、複数のサブシステム構成モードが、当該ホイールスピンの異なるレベルを許容する制御モード、 車両ヨーを制御するべく構成されたヨー制御システムの制御モードであって、複数のサブシステム構成モードが、予期されたヨーからの当該車両ヨーの乖離の異なるレベルを許容する制御モード、 レンジ変更トランスミッションの制御モードであって、サブシステム構成モードが、当該トランスミッションの高レンジモード及び低レンジモードを含むことができる制御モード、 電子コントローラのようなパワートレイン制御手段及び、アクセルもしくはスロットルペダルを含むパワートレインの制御モードであって、サブシステム構成モードが、前記アクセルもしくはスロットルペダルの動きに、前記パワートレイン制御手段の応答性の異なるレベルをもたらす制御モード、及び、 複数のトランスミッション比で作動可能で、かつ、電子トランスミッション・コントローラのようなトランスミッション制御手段を含むトランスミッションシステムの制御モードであって、前記トランスミッション制御手段が、前記車両の少なくとも一のパラメータを監視するとともに、それに応じて前記トランスミッション比を選択するべく構成されたものであり、サブシステム構成モードが複数のトランスミッション構成モードを含み、当該複数のトランスミッション構成モードで、前記トランスミッション比が前記少なくとも一のパラメータに応じて異なって選択される制御モード の中から選択された一つ以上を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のシステム。請求項1〜12のいずれか一項に記載のシステムを備える車両。演算手段により実行される車両制御方法であって、該方法が、 サブシステム・コントローラにより、複数のサブシステム制御モードの選択された一つで、一以上の車両サブシステムの制御を開始し、前記複数のサブシステム制御モードのそれぞれが、前記車両の一又は異なる複数の地形の種類に対応すること、 自動応答モード又はマニュアルモードのいずれが要求されたかを示す入を受信すること を備え、 前記自動応答モードでの作動を示す信号が受信された場合、該方法が、車両が走行している地形を示す少なくとも一の地形指標信号を受信するとともに評価して、車両が走行している前記地形に前記サブシステム制御モードのそれぞれが適する範囲を決定し、かつ、前記サブシステム制御モードの最適な一つを自動的に選択するべく、自動制御手段を作動することを備え、 前記マニュアルモードでの作動を示す信号が受信されたとき、所定の一以上の制御モードで作動するよう指令がなされた場合、該方法が、前記車両の一以上のホイールに作用するトルク量に対し、一以上の所定の制約の第一セットを課すこと、 前記自動応答モードの作動を示す信号が受信され、前記サブシステム・コントローラが、前記自動制御手段により所定の一以上の制御モードで作動するよう指令されたとき、該方法が、前記車両の一以上のホイールに作用するトルク量に対し、前記一以上の所定の制約の第一セットを課さないことを備える方法。請求項14の方法を実行するために、車両を制御するためのコンピュータ可読コードを保持するキャリア媒体。

说明书全文

同時継続の英国特許出願番号第GB1111288.5号、GB1211910.3号、GB1202427.9号の内容の全体は明示的に、ここに参照により組み込まれる。

本発明は、一以上の車両サブシステムのための車両制御システム及び、一以上の車両サブシステムを制御する方法に関するものである。

車両では、異なる走行条件に適合させるため、異なる構成で作動することのできる複数のサブシステムを有するものとして規定することが知られている。たとえば、オートマチック・トランスミッションは、スポーツ、マニュアル、ウィンターまたはエコノミーのような様々なモードで制御することができる。各モードでは、ギヤレシオ間の変更が行われるアクセルペダル応答及び条件等のサブシステム制御パラメータは、地形やドライバーの特定の感覚の条件に適合するように修正され得る。また、舗装路上及びオフロードモードでエアサスペンションを与えることも知られている。安定制御システムは、特定のモードで動作が低下したときに、ドライバーに、より直接的な制御をもたらすべく作動することができ、また、パワーステアリングシステムは、走行条件に応じて、様々なレベルの補助をもたらすべく、異なるモードで作動することができる。

異なる構成で作動可能な車両のための改良された制御システムを提供することが望まれている。

この発明の実施形態は、添付の特許請求の範囲を参照することにより理解することができる。

本発明の側面は、制御システム、車両及び方法を提供する。

本発明の実施形態に従う制御システムは、従来のエンジンのみの車両、電気車両及び/又はハイブリッド電気自動車を含む異なる車両の領域に適している。

保護を求めるこの発明の一の側面は、車両の少なくとも一の車両サブシステムのための車両制御システムであり、該車両制御システムが、 車両の一又は異なる複数の走行条件にそれぞれ対応する複数のサブシステム制御モードの選択された一つで、その又は各々の車両サブシステムの制御を開始するためのサブシステム・コントローラと、 最適な一のサブシステム制御モードを自動的に選択するべく構成された自動制御手段とを備え、 該システムが、ユーザが所要のサブシステム制御モード選択することができるマニュアルモード、又は、前記自動制御手段が最適な制御モードを選択する自動応答モードで作動可能であり、 当該システムがマニュアルモードで作動している場合、所定の一以上の制御モードで作動するべく指令がなされたときに、前記サブシステム・コントローラが、車両のパワートレインの作動に関連する一以上のパラメータの値に対し、一以上の所定の制約の第一セットを自動的に課し、該システムが自動応答モードで作動している場合、前記一以上の所定の制約の第一セットを課さないよう構成されるものを提供する。

保護を求めるこの発明の側面では、車両の少なくとも一の車両サブシステムのための車両制御システムであって、該車両制御システムが、 車両の一又は異なる複数の走行条件にそれぞれ対応する複数のサブシステム制御モードの選択された一つで、その又は各々の車両サブシステムの制御を開始するためのサブシステム・コントローラと、 最適な一のサブシステム制御モードを自動的に選択するべく構成された自動制御手段と、 を備え、 当該システムが、マニュアルモードで作動可能であり、該マニュアルモードで、自動制御手段が最適な制御モードを選択する所要のサブシステム制御モード又は自動応答モードを、ユーザが選択することができ、 当該システムがマニュアルモードで作動している場合に、所定の一以上の制御モードで作動するべく指令がなされたときに、前記サブシステム・コントローラが、車両の一以上のホイールに作用するトルク量に対し、一以上の所定の制約の第一セットを自動的に課し、当該システムが自動応答モードで作動している場合には、前記一以上の所定の制約の第一セットを課さないよう構成されるものを提供する。

自動モードでの作動はまた、自動作動モード選択条件での作動と称することがある。マニュアルモードでの作動は、マニュアル作動モード選択条件での作動と称することがある。

選択的に、サブシステム・コントローラは、所定の値を超えるホイールスリップを防ぐため、車両の一以上のホイールに作用するトルク量に、一以上の所定の制約の第一セットを自動的に課すべく構成される。

選択的に、サブシステム・コントローラは、車両のパワートレインに、一以上の所定の制約の第一セットを課すことにより、所定の値を超えるホイールスリップを防ぐため、車両の一以上のホイールに作用するトルク量に、一以上の所定の制約の第一セットを自動的に課すべく構成される。

選択的に、一以上の制約のセットは、ホイールスリップ量が所定の値を超える前に作用し得るホイールトルク量についての情報もしくはデータを参照することにより決定される。

選択的に、ホイールスリップ量が所定の値を超える前に作用し得るホイールトルク量についての情報もしくはデータは、車両にトラクションをもたらすタイヤに接触する地形のキャパシティに関連する情報もしくはデータを備える。

制約は、制御モードに応じて変化し得る。たとえば、いくつかの実施形態では、車両が、比較的深く軟質砂地上に支持されている場合(かつ、システムが、砂上を走行するための制御モードで作動している場合)、一以上の制約の第一セットは、車両が乾燥草地上に支持されている場合(かつ、システムが、草地上を走行するための制御モードで作動している場合)よりも厳しいことがある。これは、過剰なスリップが生じる前に作用し得るホイールトルク量が、乾燥草地上のときは軟質砂地におけるそれよりも大きいことがあるからである。いくつかの実施形態では、ホイールスリップの最大許容値が、車両が支持される表面の種類に依存することがあると理解される。

一以上の制約の第一セットは、パワートレイン・トルクの発生についての一以上の制約を含むことができる。制約は、ドライバーの要求、選択的に、アクセル/スロットルペダルの所定の作動量のようなアクセル/スロットルペダル制御の所定の作動量に応じたパワートレイン・トルク発生についての制約とすることができる。

選択的に、当該システムは、一以上のパラメータの値に依存する一以上の制約の第一セットを適用するべく構成される。

選択的に、制約の第一セットは、ドライバーの要求トルクを増加させるパワートレインの応答の速度の低下、パワートレイン・トルクの増加の最大許容速度の低下、及び、パワートレイン・トルクの最大許容値の低下の中から選択される少なくとも一つを含む。

システムは、自動応答モードで作動しているとき、一以上の所定の制約の第二セットを、一以上の車両サブシステムの作動に適用するべく構成することができる。ここで、一以上の制約の第二セットは、第一セットとは異なる。

制約の第二セットは、ドライバーの要求トルクを増加させるパワートレインの応答の速度の低下、パワートレイン・トルクの増加の最大許容速度の低下、及び、パワートレイン・トルクの最大許容値の低下の中から選択される少なくとも一つを含むことができる。

選択的に、一以上の所定の制約の第二セットは、一以上の制約の第一セットよりも車両作動の少ない制約となるように構成される。

システムは、一以上のパラメータの値に応じた一以上の制約の第二セットを適用するべく構成することができる。

選択的に、システムは、自動応答モードにあるときに、一以上の制約の第一セットが、一以上の更なる条件を満たすとの決定下で適用されることを許容するべく構成することができる。

選択的に、上記の一以上の更なる条件は、少なくとも、車両が支持される地形の種類の第一指標が、自動制御手段により選択される制御モードに対応するとの条件を含む。

選択的に、システムは、システムの自動前進制御機能(an automatic progress control function)がアクティブであるとの条件で、一以上の制約の第一セットが適用されることを許容するべく構成される。

自動前進制御機能は、クルーズ制御機能のような自動速度制御機能とすることができる。あるいは、速度制御機能は、斜面を下るときに車速を所定の速度に制限するべく構成されたヒルディセントコントロール機能とすることができる。

選択的に、ホイールスリップ量が所定の値を超える前に作用するホイールトルク量についての情報もしくはデータは、少なくとも一部で、車両が支持される地形の種類、車両が支持される表面の変形可能性、表面と車両の一以上のホイールとの間の接触面積の大きさ、一以上のホイールと表面との間の表面摩擦係数、タイヤ空気圧、サスペンショントラベル、サスペンションの関節動作(suspension articulation)、傾斜、ロッキング・ディファレンシャルの状態、選択されたギヤ、及び、選択されたパワートランスファーユニット・ギヤレシオの中から選択された少なくとも一つについての情報もしくはデータに従って決定される。

選択的に、表面と一以上のホイールとの間の接触面積の大きさの決定は、タイヤ空気圧、サスペンショントラベル、及び、サスペンションの関節動作もしくは撓みの一つ以上を参照することにより行われ得る。サスペンショントラベル情報は、所定のホイール上の重量の大きさの有用な表示である。

選択的に、ホイールスリップの所定の値は、一以上の車両運転パラメータに応じて決定される。

選択的に、一以上の運転パラメータは、車速、ホイール速度、及び、車両が移動する地形の種類の中から選択される。

いくつかの実施形態では、所定のスリップ量は、約2%〜約20%の範囲内、選択的に約5%〜約20%の範囲内の値として構成することができる。他の値もまた有効である。

選択的に、地形の種類は、少なくとも一部で、選択された制御モードに応じて決定される。

選択的に、システムが一以上の所定の制約の第一セットを課すべく構成されることに応じた一以上の条件の所定のセットは、車速が所定の値より低いこと、ドライバー要求トルクが所定の値より大きいこと、アクセルペダル位置が所定の移動量を超えること、選択されたトランスミッション・ギヤが所定の一以上のギヤであること、及び、選択されたパワートランスファーユニット・ギヤレシオが所定のレシオであることの中から選択された少なくとも一つを含む。

システムは、一以上の所定の条件の第二セットが満たされたとき、一以上の所定の制約の第二セットを課すべく構成することができ、この第二セットは、車速が所定の値より低いこと、ドライバー要求トルクが所定の値より大きいこと、アクセルペダル位置が所定の移動量を超えること、選択されたトランスミッション・ギヤが所定の一以上のギヤであること、及び、選択されたパワートランスファーユニット・ギヤレシオが所定のレシオであることの中から選択された少なくとも一つを含む。

一以上の条件の第一及び第二セットは、実質的に同じもしくは類似のものとすることができる。

制御モードは、パワートレイン、トランスミッションシステム、ステアリングシステム、ブレーキシステム及びサスペンションシステムの中から選択された少なくとも二つの車両サブシステムの制御モードとすることができる。

制御モードは、これらのサブシステムのそれぞれの制御モードとすることができる。

たとえば、所定の車両荷重での複数の異なる最低地上高(ride-heights)で作動可能なサスペンションシステムの形態をなす車両サブシステムの場合、サブシステム構成モードは、異なる各最低地上高に対応するモードを含むことができる。エンジンもしくはパワートレインの形態をなす車両サブシステム・コントローラの場合、コントローラは、複数の異なるパワートレイン・コントローラ構成モードのそれぞれで、アクセルペダル位置の機能として、異なる各エンジントルク値を与えるべく構成することができる。それ故に、サブシステム制御モードは、サブシステム構成モードのセット、たとえば、各サブシステムの一の構成モードに対応させることができる。たとえば、一の作動モードでは、「高い」最低地上高サブシステム構成モードは、サスペンションシステム用に設定することができ、また、「低い」アクセルペダルマップ・サブシステム構成モードは、パワートレイン・コントローラもしくはエンジン管理システム用に設定することができる。いくつかのサブシステムは、二つの異なるパラメータが設定されることを許容することができる。従って、サスペンションシステムは、サスペンションのロール剛性の設定が、低、中もしくは高のような複数の構成モードの一つに設定されることを許容することができる。

次に、様々な可能性のある既知のサブシステム構成モードを説明する。既知のタイプのサブシステム構成モードについての更なる詳細及び、当該構成モードが実装される方法についてはUS2003/0200016を参照されたい。他の構成もまた有効である。それに加えて、又は代えて、他のサブシステムもまた制御され得る。

作動モードは、サスペンションシステムの制御モードを含むことができ、複数のサブシステム構成モードは、複数の最低地上高を備える。

サスペンションシステムは、流体サスペンションシステムとすることができる。サスペンションシステムで採用される流体は、空気のようなガスとすることができる。流体は、いくつかの代替的な実施形態では液体とすることができる。

いくつかの実施形態では、システムは、「低い」最低地上高、低い最低地上高よりも高い「標準的な」最低地上高、標準的な最低地上高よりも高い「高い」最低地上高、及び、高い最低地上高よりも高い「最高の」最低地上高のうちの一つを選択することができる。

選択的に、作動モードは、流体サスペンションシステムの制御モードを含み、ここでは、流体相互接続が、車両の両側のホイール用のサスペンション間で行われるものとすることができ、またここでは、当該複数のサブシステム構成モードが、当該相互接続の異なるレベルをもたらす。

選択的に、作動モードが、ステアリング補助をもたらすステアリングシステムの制御モードを含み、ここでは、当該複数のサブシステム構成モードが、ステアリング補助の異なるレベルをもたらす。

選択的に、作動モードが、ブレーキング補助をもたらすブレーキシステムの制御モードを含み、当該複数のサブシステム構成モードが、ブレーキング補助の異なるレベルをもたらす。

選択的に、作動モードが、ホイールスリップを制御するためのアンチロック機能をもたらすことのできるブレーキ制御システムの制御モードを含み、当該複数のサブシステム構成モードが、当該ホイールスリップの異なるレベルを許容する。

選択的に、作動モードが、ホイールスピンを制御するべく構成されるトラクション制御システムの制御モードを含み、当該複数のサブシステム構成モードが、当該ホイールスピンの異なるレベルを許容する。

選択的に、作動モードが、車両ヨーを制御するべく構成されるヨー制御システムの制御モードを含み、当該複数のサブシステム構成モードが、予期されるヨーからの車両ヨーの乖離の異なるレベルを許容する。

選択的に、作動モードが、レンジ変更トランスミッション(a range change transmission)の制御モードを含み、当該サブシステム構成モードが、トランスミッションの高いレンジのモードと低いレンジのモードを含むことができる。

レンジ変更トランスミッションは、たとえば、ドライブラインのプロップシャフトを、オートマチック・トランスミッションのような、車両のエンジンもしくはトランスミッションからトルク伝達経路に連結するためのパワートランスファーユニットもしくはパワーテイクオフユニットにより構成され得る。

選択的に、作動モードは、パワートレイン制御手段(たとえば電子コントローラ)及びアクセルもしくはスロットルペダルを含むパワートレインの制御モードを含み、サブシステム構成モードは、アクセルもしくはスロットルペダルの移動に対するパワートレイン制御手段の応答性の異なるレベルをもたらす。

選択的に、作動モードは、トランスミッションシステムの制御モードを含み、これは、複数のトランスミッション・レシオで作動可能で、かつ、車両の少なくとも一のパラメータを監視するとともに、それに応じてトランスミッション・レシオを選択するべく構成されたトランスミッション制御手段(たとえば電子トランスミッション・コントローラ)を含む。この場合、サブシステム構成モードが、複数のトランスミッション構成モードを含み、ここでは、トランスミッション・レシオが、上記の少なくとも一のパラメータに応じて異なって選択される。

サブシステムの一つは、ディファレンシャルロックの複数のレベルをもたらすべく作動可能なディファレンシャルシステムを備え、サブシステム構成モードは、当該ロックの異なるレベルをもたらすべく構成され得る。

ディファレンシャルシステムは、複数の入に基いてディファレンシャルロックのレベルを制御するとともに、各モードの当該入力に対して異なって応答するべく構成することができる。

ディファレンシャルシステムは、センターディファレンシャル、フロントディファレンシャル、及び/又は、リアディファレンシャルを備えることができる。少なくとも一のディファレンシャルは、いくつかの実施形態では、クラッチ方式システムとすることができ、それにより、サイドホイールがディファレンシャルケージによって支持されたピニオンホイールを介して連結された従来のディファレンシャルギヤ構成ではなく、クラッチの滑りにより、ホイールの回転速度の差が適合されて、相対回転が可能になる。

サブシステムの一つは、車両ロールを軽減させるロール補正をもたらすべく構成されたロール制御システムを備えることができ、サブシステム構成モードは、少なくともいくつかの走行条件の下で、車両のロール補正の異なるレベルをもたらすことができる。

サブシステムの一つは、斜面を下る際の車両の速度を制御するべく構成された速度制御システムを備える。速度制御システムは、車両を異なる構成モードで異なる速度に制御するべく構成することができる。

選択的に、作動モードは、サブシステムが、起伏のある地形で走行することに適した方法で制御されるオフロードモード、及び、サブシステムが、舗装路上で走行することに適した方法で制御される舗装路モードを含むことができる。

選択的に、サスペンションシステムは、舗装路モードよりもオフロードモードで高い最低地上高をもたらすべく構成される。

さらに選択的に、オフロードモードでは、舗装路モードよりも高いレベルの相互接続がもたらされる。

トラクション制御システムは、舗装路モードよりもオフロードモードで、ホイールスピンが小さくなることを許容にするべく構成することができる。あるいは、トラクション制御システムは、舗装路モードよりもオフロードモードで、ホイールスピンが大きくなることを許容するべく構成することができる。

選択的に、ヨー制御システムは、舗装路モードよりもオフロードモードで、当該乖離の度合いが高くなることを許容するべく構成される。

選択的に、オフロードモードでは、レンジ変更トランスミッションが、低いレンジで作動される。

選択的に、オフロードモードでは、パワートレイン制御手段が、所定のアクセルもしくはスロットルペダル位置のために、舗装路モードよりも、少なくとも、アクセルペダルの踏込みの低いレベルで、駆動トルクの低いレベルをもたらすべく構成される。

選択的に、ディファレンシャルシステムは、舗装路モードよりもオフロードモードで、ディファレンシャルロックの高いレベルをもたらすべく構成される。

選択的に、ロール制御システムは、オフロードモードよりも舗装路モードで、高いロール剛性をもたらすべく構成される。

選択的に、速度制御システムは、オフロードモードでオンになるとともに、舗装路モードでオフになるべく構成される。速度制御システムは、ヒルディセント制御システムとすることができる。あるいは、速度制御システムは、オフロードクルーズ制御システムとすることができる。

選択的に、走行モードは、サブシステムが、低摩擦表面上での走行に適した方法で制御される少なくとも一の低摩擦モード、及び、サブシステムが、高摩擦表面での走行に適した方法で制御される高摩擦モードを含む。

選択的に、ブレーキ制御システムは、低摩擦モードよりも高摩擦モードで、スリップのレベルが高くなることを許容する。

選択的に、トラクション制御システムは、低摩擦モードよりも高摩擦モードで、ホイールスピンのレベルが高くなることを許容する。

選択的に、ブレーキング制御システムは、低摩擦モードよりも高摩擦モードで、大きなレベルのブレーキング補助をもたらす。

選択的に、パワートレイン制御手段は、所定のアクセルもしくはスロットルペダルのために、高摩擦モードよりも低摩擦モードにおいて、少なくとも、アクセルペダルの踏込みの低いレベルで、低いレベルの駆動トルクをもたらすべく構成される。

選択的に、トランスミッションシステムは、上記の少なくとも一のパラメータの所定の値のために、低摩擦モードよりも高摩擦モードにて高いギヤで作動するべく構成される。

選択的に、ディファレンシャルシステムは、高摩擦モードよりも低摩擦モードで、高いレベルのディファレンシャルロックをもたらすべく構成される。

選択的に、高摩擦モードは、車両が正常に作動する標準もしくはデフォルトモードを備えることができ、これは舗装路走行に適している。

選択的に、そのような低摩擦モードは少なくとも二つあり、サスペンションシステムは、低摩擦モードで他のものよりも高い最低地上高をもたらすべく構成される。

さらに選択的に、そのような低摩擦モードは少なくとも二つあり、サスペンションシステムは、低摩擦モードで他のものよりも高いレベルの当該交差結合(cross linking)をもたらすべく構成される。

選択的に、少なくとも二の低摩擦モードは、深い泥を通る走行に適したマッドモード(a mud mode)を備えることができ、そして、他の低摩擦モードは、道、草道又は砂利道の走行に適している。

選択的に、低摩擦モードは複数あるものとすることができ、そのうちの一つは、サブシステムが草道の走行に適した方法で制御されるグラスモードとすることができ、また、そのうちの一つは、サブシステムが凍結路での走行に適した方法で制御されるアイスモードとすることができ、また、そのうちの一つは、サブシステムが泥地での走行に適した方法で制御されるマッドモードとすることができる。

選択的に、モードの一つは、サブシステムが砂地での走行に適した方法で制御されるサンドモードである。少なくとも一のサブシステムは、サンドモードで、車両が低速で走行しているときは、車両のホイールが、砂地内に沈み始めることを避けるため、ホイールスピンの比較的低いレベルだけを許容するが、車両が高速で走行しているときは、ホイールスピンの比較的高いレベルを許容するべく構成される。選択的に、サンドモードでは、パワートレイン制御システムは、所定のスロットルペダル位置のために、低い車速では、比較的低いレベルの駆動トルクをもたらすとともに、所定のスロットルペダル位置のために、高い車速では、比較的高いレベルの駆動トルクをもたらすべく構成される。

オフロードモードは、サブシステムが岩での走行に適した方法で制御されるロッククロールモード(a rock crawl mode)とすることができる。あるいは、より一般的なオフロード使用に構成することができる。それに加えて、又は代えて、一以上の他のオフロードモードを設けることができる。

モードの一つは、サブシステムがでこぼこ道での走行、たとえば、比較的高い速度での粗い表面の走行に適した方法で制御されるラフロードモードとすることができる。

モードの少なくとも一つは、ブレーキ制御サブシステムが、ブレーキング下で、ホイールスリップの比較的高い度合いを許容するべく構成される除雪表面モード(a plough surface mode)とすることができる。これは、たとえば、雪道もしくは砂地上で、ブレーキング下でホイールの前方の集合物(the build-up of matter in front of the wheels)がブレーキング性能を改善できる場合、有効なものとなり得る。

選択的に、モードの少なくとも一つは、サブシステムが、舗装路上での走行に適した方法で制御される舗装路モードである。たとえば、モードの一つは、サブシステムが、平坦路面での高速走行に適した方法で制御される高速道路モードとすることができる。モードの一つは、サブシステムが、田舎道での走行に適した方法で制御される田舎道モードとすることができる。

走行モードは、少なくとも二つの入力によって選択することができ、その一つは、選択された地形に基いて選択されたモードに影響を及ぼすべく構成された地形選択入力とすることができ、また、その他は、車両の使用の選択されたモードに基いて選択されたモードに影響を及ぼすべく構成された使用入力のモードとすることができる。これらの入力は、ユーザ制御入力とすることができ、又は、一以上のセンサーから伝達されるものとすることができる。

使用入力のモードは、複数の走行スタイル間での選択を可能にするべく構成することができ、これには、たとえば、通常スタイル、スポーツスタイル及びエコノミースタイルが含まれ得る。

それに代えて、又は加えて、使用入力のモードは、たとえば、牽引状態又は負荷状態などの車両の複数の状態間での選択を可能にするべく構成することができる。

保護を求めるこの発明の更なる側面では、この発明の側面に従うシステムを備える車両を提供する。

保護を求めるこの発明の一の側面では、演算手段により実行される車両の制御方法であって、該方法が、 サブシステム・コントローラにより、車両の一又は異なる複数の走行条件にそれぞれ対応する、選択された一又は複数のサブシステム制御モードで、一以上の車両サブシステムの制御を開始すること、 自動応答又はマニュアルモードのいずれの作動が要求されたかを示す入力を受信すること を備え、 前記自動応答モードでの作動を示す信号が受信された場合、該方法が、前記サブシステム制御モードの最適な一つを自動的に選択するべく、自動制御手段を作動することを備え、 自動応答モードでの信号表示作動ではなく、マニュアルモードでの信号表示作動が受信された場合、該方法が、所定の一以上の制御モードで作動するよう指令がなされたときに、車両の一以上のホイールに作用するトルク量に対し、一以上の所定の制約の第一セットを課すことを備える方法を提供する。

上記の演算手段は、少なくとも一の計算装置を備えることができる。

選択的に、該方法は、車両の一以上のホイールに作用するトルク量に対する一以上の所定の制約の第一セットを課して、所定の値を超えるホイールスリップを防止することを備える。

選択的に、ホイールトルク量を参照することにより一以上の制約の第一セットを決定することは、車両にトラクションを与えるためにタイヤに接触する関連する地形のキャパシティに関する情報もしくはデータを参照することにより、一以上の制約の第一セットを決定することを備える。

選択的に、車両の一以上のホイールに作用するトルク量に対し、一以上の所定の制約の第一セットを課すことは、車両のパワートレインの作動に対し、少なくとも一の制約を課すことを備える。

選択的に、一以上の所定の制約の第一セットを課すことは、ドライバー要求トルクの増加に対するパワートレインの応答の速度の低下、パワートレイン・トルクの増加の最大許容速度の低下、及び、パワートレイン・トルクの最大許容値の低下の中から選択される少なくとも一つを課すことを含む。

保護を求めるこの発明の更なる側面では、本発明の側面に従う方法を実行するため、車両を制御するためのコンピュータ可読コードを実行するキャリア媒体(a carrier medium)を提供する。

保護を求めるこの発明の一の側面では、車両の少なくとも一の車両サブシステムのための車両制御システムであって、該車両制御システムが、 車両の一又は異なる複数の走行条件にそれぞれ対応する、複数のサブシステム制御モードの選択された一つで、その又は各々の車両サブシステムの制御を開始するためのサブシステム・コントローラと、 自動応答モードで、サブシステム制御モードの最適な一つを自動的に選択するべく作動可能な自動制御手段と を備え、 該システムが、マニュアルモードで作動可能であり、該マニュアルモードで、自動制御手段が最適な制御モードを選択する所要のサブシステム制御モード又は自動応答モードを、ユーザが選択することができ、 該システムが、前記マニュアルモードで作動している場合、所定の一以上の制御モードで作動するべく指令がなされたときに、前記サブシステム・コントローラが、一以上の前記車両サブシステムの作動に関連する一以上のパラメータの値に対し、一以上の所定の制約の第一セットを自動的に課すべく作動可能であり、 該システムが、前記自動応答モードで作動している場合、前記サブシステム・コントローラが、前記一以上の車両サブシステムの作動に対し、前記一以上の所定の制約の第一セットを課さないように作動可能なものである車両制御システムを提供する。

従って、上記のシステムが、マニュアルモードで作動している場合、該システムは、制約の第一セットを課すべく作動可能であり、この一方で、該システムが、自動応答モードで作動している場合、該システムは、一以上の制約の第一セットを適用しない。

この発明の実施形態は、システムが自動応答モードにあるときに、制約の第一セットが課されないので、ユーザは、自動制御手段が、選択された制御モードを自動的に変更するときの車両の動作の変化に驚かされる可能性が低くなるという利点がある。制御モードの変更が行われるとき、車両の動作の変化は認識することができると理解される。しかしながら、制御モードの変更が行われたことをドライバーが認識せず、かつ、車両が、制御モードの変更の結果として、一以上の所定の制約の第一セットに晒され始めた場合、ドライバーは、車両の動作の変化に疑問を持ち、当該変化の理由を十分に理解しないことがある。

従って、上記の一以上の所定の制約の一つ以上が課されることを防止することにより、車両のユーザの楽しみを向上させることができる。

システムは一以上のパラメータの値に応じて、一以上の制約の第一セットを適用するべく作動可能なものとすることが有利である。

パラメータは、車速、ホイールスリップ量、パワートレインに要求されるトルク量、一以上のホイールに作用するトルク量、もしくは、任意の他の適切なパラメータのような車両制御パラメータとし、又は、それを含むものとすることができる。

制約の第一セットは、ドライバー要求トルクの増加に対するパワートレインの応答の速度の低下、パワートレイン・トルクの増加の最大許容速度の低下、及び、パワートレイン・トルクの最大許容値の低下の中から選択される少なくとも一つを含むことができる。

システムは、一以上の所定の制約の第二セットを、一以上の車両サブシステムの作動に適用するため、自動応答モードで作動しているときに作動可能なものとすることができ、ここでは、一以上の制約の第二セットが第一セットとは異なるものとする。

制約は、所定のパラメータで、及び/又は、値が課されたパラメータの特性内で課された実際の値とは異なるものとすることができる。

制約は、制御モードに応じて変化させることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、車両が比較的深い軟質砂地上に支持される場合(そして、システムが、砂地上での走行のための制御モードで作動している場合)、一以上の制約の第一セットは、車両が乾燥草地上に支持される場合(そして、システムが、草地上での走行のための制御モードで作動している場合)よりも厳しくすることができる。これは、乾燥草地上のときに過剰なスリップが生じる前に作用し得るホイールトルク量が、乾燥砂地の場合のそれよりも大きいことがあるからである。いくつかの実施形態では、ホイールスリップの最大許容値は、車両が支持される表面の種類に依存し得ると理解される。

一以上の制約の第一セットは、パワートレイン・トルクの発生に関する一以上の制約を含むことができる。制約は、ドライバーの要求に応じて、選択的に、アクセルペダル/スロットルペダルの所定の作動量のようなアクセルペダル/スロットル制御の所定の作動量に応じて、パワートレイン・トルクの発生に関する制約とすることができる。

制約の第二セットは、ドライバー要求トルクの増加に対するパワートレインの応答の速度の低下、パワートレイン・トルクの増加の最大許容速度の低下、及び、パワートレイン・トルクの最大許容値の低下の中から選択される少なくとも一つを含むことが有利である。

一以上の所定の制約の第二セットは、車両の作動の制約を、一以上の制約の第一セットより少なくするように構成することができる。

この構成は、一以上の制約が課され得るが、制約が少ないことによって、ユーザは、一以上の制約が適用されたことに気付きにくくなるという利点がある。制約が少ないことは、たとえば、(1)ドライバー要求トルクに対するパワートレインの応答の速度が低下する量が、第一セットの対応する制約の場合のそれよりも少ないこと、パワートレイン・トルクの増加の最大許容速度が低下する量が、第一セットの対応する制約の場合のそれよりも少ないこと、及び/又は、最大許容パワートレイン・トルクが低下する量が、第一セットの対応する制約の場合のそれよりも少ないことを意味する。

システムは、一以上のパラメータの値に応じて、一以上の制約の第二セットを適用するべく作動可能なものとすることができる。

システムは、自動応答モードにあるときに作動可能なものとし、それにより、一以上の更なる条件を満たしたことの決定下で、一以上の制約の第一セットが適用されることを許容することが有利である。

選択的に、一以上の更なる条件は、少なくとも、車両が支持される地形の種類の第一指標が、自動制御手段によって選択された制御モードに対応するとの条件を含む。

この構成は、まず、自動制御手段によって自動的に選択された制御モードが、車両が支持される実際の地形の種類に適しているかについて、システムがさらに確認することができるという利点がある。従って、システムは、一以上の制約の第一セットが地形に適切であることをさらに確認することができる。

いくつかの実施形態では、制御モードが最適であるとの決定は、一以上の地形指標、選択的に、それに加えて、又は代えて、一以上のセンサーから受信され、及び/又は、一以上のセンサーから伝達された信号に応じてなされるものとすることができる。従って、万一、準最適制御モードがシステムによって自動的に選択された場合、システムが更に確認して、一以上の制約を車両作動に適用することが適切であることを検証したことの事実は、車両のユーザの楽しみを向上させ得るという利点がある。

システムは、システムの自動前進制御機能がアクティブであるとの条件で、一以上の制約の第一セットが適用されることを許容するべく作動可能なものとすることができる。

従って、いくつかの構成では、システムは、ユーザではなく自動前進制御機能が、パワートレインによってホイールに作用する駆動トルク量を制御しているとの条件で、一以上の制約の第一セットが課されることを許容するべく作動可能なものとすることができる。自動前進制御をもたらすシステムの例は、キューアシスト、クリープ・コントロールその他の速度制御システムを含む。

いくつかの実施形態では、自動前進制御機能は、パワートレイン・コントローラに伝えられるアクセル制御信号を発生させることにより、パワートレインによって一以上のホイールに伝達されるトルク量を制御するべく構成することができる。そして、パワートレイン・コントローラは、アクセルペダルのようなアクセル制御のユーザの動作に応じて発生するアクセル制御信号よりもむじろ、そのように発生したアクセル制御信号に応じて、車両の一以上のホイールへのトルクの適用を指令することができる。

選択的に、制御機能は、ドライバーによりトルクが要求されたときに、フィルターがパワートレイン・トルク増加の速度PT tqに適用されて、当該増加の速度を低下させる発進アシスト制御機能である。発進アシスト制御機能は、砂地上での走行に適したモードのような所定のサブシステム制御モードでのみ作動するものとすることができる。

追加的に、又は代替的に、いくつかの実施形態では、増加の最大許容速度が、所定の値に限定される。かかる所定の値は、表面を構成する物質の種類(たとえばガラス、砂利、雪、岩)、車両ホイールと表面との間の摩擦係数、タイヤ空気圧、サスペンショントラベル、サスペンション関節動作、傾斜、ロッキング・ディファレンシャルの状態、選択されたトランスミッション・ギヤ及び、選択されたPTUギヤレシオ(高または低)のような一以上のパラメータに依存するものとすることができる。

制御システムは、少なくとも一部で、スリップ制御システムの状態を示す信号に応じて、車両の一以上のホイールに作用するトルク量に対し、一以上の所定の制約の第一セットを自動的に課すべく構成することができる。

スリップ制御システムは、システムがマニュアルモード選択条件にあるときに一以上の制約の第一セットを課すことから独立して、または、該当する場合はシステムが自動作動モード選択条件にあるときに一以上の制約の第二セットを課すことから独立して、スリップを軽減するべく作動可能なシステムであると理解される。

制御システムは、スリップ制御システムがスリップを軽減させるように介入することができるスリップ制御システムの状態にあることを、信号が示す場合、制約の第一セットを課さないように構成することができる。

スリップ制御システムは、安定制御システム及び/又はトラクション制御システムを備えることができる。

システムは、スリップ制御システムがスリップを軽減させるように介入することができるスリップ制御システムの状態にあることを、信号が示す場合、VLA機能が、アクティブとなって過剰なホイールスリップを防止することを防ぐべく構成することができる。

スリップ制御システムがスリップを軽減するように介入することができる場合、VLA機能は、行動を起こすこと、たとえば、一以上の制約を課すことが防止されるものとすることができる。

スリップ制御システムは、車速が閾値速度を下回る場合に、スリップを軽減するように介入することができない状態にあると理解される。ここで、閾値速度は、スリップ制御システムが、行動を起こしてスリップを軽減することを許容されない速度未満とする。これは、たとえば、利用できない、又は信頼性のない車速信号、たとえば、5kphの速度に起因するものとすることができる。

このスリップ制御システムは、安定制御システム及び/又はトラクション制御システムとし、又は、それを備えることができる。

保護を求めるこの発明の更なる側面では、先述した側面に従うシステムを備える車両を提供する。

保護を求めるこの発明の他の側面によれば、走行表面を選択するため、及び、選択された走行表面に応じて複数のサブシステム構成モードを作動させるべく、複数の車両サブシステムを制御するための車両制御システムであって、該システムが、ユーザが前記走行表面を選択することが可能なマニュアル作動モード、及び、該システムが前記走行表面を自動的に選択するべく作動可能な自動作動モードで作動可能であり、 該システムが、自動作動モードで、車両の発進制御機能の効果を無効にし、制限し、又は軽減するべく構成されるものを提供する。発進制御機能は、たとえば、砂地発進制御機能を備えることができる。発進制御機能は、車両を停止状態または、1もしくは2kphのような所定の速度未満の速度から加速させることが求められるときにのみ、利用可能なものとすることができる。車両発進アシスト(VLA)とも称することがある発進制御機能は、DSC又は同様のもの等の安定制御システム(SCS)が車両制御に介入するべく動作不可能又は利用できないか、もしくは介入できない速度未満の速度のような所定の速度を、車速が下回ったときのみに作動するべく構成することができる。

保護を求めるこの発明の一の側面では、演算手段により実行される車両の制御方法であって、該方法が、 サブシステム・コントローラにより、車両の一又は異なる複数の走行条件にそれぞれ対応する、複数のサブシステム制御モードの選択された一つで、一以上の車両サブシステムの制御を開始すること、 自動もしくはマニュアル制御モードが求められたかどうかを示す入力を受信すること を備え、 自動制御モードでの作動を示す信号を受信した場合、該方法が、自動応答モードで、サブシステム制御モードの最適な一つを自動的に選択するべく自動制御手段を作動させることを備え、 マニュアル制御モードでの作動を示す信号を受信した場合、該方法が、受信した信号に対応する制御モードを選択すること、及び、一以上の車両サブシステムの作動に関連する一以上のパラメータの値に対し、一以上の所定の制約の第一セットを自動的に課すことを備え、 自動制御モードでの作動を示す信号が受信された場合、該方法が、一以上の車両サブシステムの作動に対し、一以上の所定の制約の第一セットを課さないステップを備えるものを提供する。

選択的に、制御機能は、ドライバーによってトルクが要求されたときに、フィルターがパワートレイン・トルク(PT tq)の増加の速度に適用されて、当該増加の速度を低下させる発進アシスト制御機能である。発進アシスト制御機能は、砂地での走行に適したモードのような所定のサブシステム制御モードだけに作動されるものとすることができる。

追加的に、又は代替的に、いくつかの実施形態では、増加の最大許容速度は、所定の値に制限される。所定の値は、一以上のパラメータに依存するものとすることができる。

この出願の範囲内において、先述の段落、特許請求の範囲、並びに/又は、後述の説明及び図面に明確に記載した様々な側面、実施形態、実施例及び代替手段、並びにその構成は、それぞれ独立して、又は、それらの任意の組合せとして解釈され得ることが想定されている。ある実施形態に関連して説明した構成は、構成間での矛盾のない限り、他の全ての実施形態に適用することができる。

誤解を避けるため、この発明の一の側面に関して述べた構成は、単独で、又は、一以上の他の構成との適切な組み合わせで、この発明の任意の他の側面内に含まれることができると理解するべきである。

本発明の実施形態に従う車両の概略図である。

車両制御システムの制御下における様々な車両サブシステムを含む、この発明の実施形態に従う車両制御システムを示すブロック図である。

それぞれの車両作動モードで車両サブシステム構成モードが選択されることを示す表である。

この発明の実施形態に従うシステムの制御モジュールの概略図である。

次に添付図面を参照しつつ、単なる例示の目的で、この発明の一以上の実施形態について説明する。

図1に、オフロード使用に適することを意図されたこの発明の実施形態に従う自動車100を示し、これは、通常のアスファルト舗装道路(regular tarmac road)以外の地形での使用のためのものである。自動車100は、パワートレイン129を有し、これは、トランスミッション124を有するドライブライン130に連結されたエンジン121を含む。図示の実施形態では、トランスミッション124は、オートマチック・トランスミッション124である。本発明の実施形態はまた、マニュアル・トランスミッション、連続可変トランスミッション又は他の適切なトランスミッションを有する自動車での使用に適したものである。

ドライブライン130は、フロントディファレンシャル135F及び一対のフロントドライブシャフト118により、一対の前輪111、112を駆動するべく構成される。ドライブライン130はまた、補助ドライブシャフト又はプロップシャフト132、リアディファレンシャル135及び一対のリアドライブシャフト139により一対の後輪114、115を駆動するべく構成された補助ドライブライン部分131を備える。この発明の実施形態は、トランスミッションが一対の前輪だけ、又は一対の後輪だけを駆動するべく構成された車両(すなわち、前輪駆動車両又は後輪駆動車両)、あるいは、二輪駆動/四輪駆動を選択可能な車両とともに使用することに適している。図1の実施形態では、トランスミッション124は、パワートランスファーユニット(PTU)137により、補助ドライブライン部分131に解除可能に連結可能なものであり、これは、二輪駆動もしくは四輪駆動の作動を選択可能とすることを許容する。この発明の実施形態は、四輪よりも多い車輪を有する車両または、二輪だけが駆動されるもの、たとえば、三輪車もしくは四輪車、四輪より多い車輪を有する車両に適していると理解される。

PTU137は、「高レシオ」又は「低レシオ」の構成で作動可能であり、ここでは、入力軸と出力軸との間のギヤレシオが、高い又は低いレシオとして選択される。高レシオの構成は、通常の舗装路面又は「幹線道路」の作動に適しているが、低レシオの構成は、所定のオフロード地形条件を通過することにより適している。

自動車100は、車両制御ユニット(VCU)10と称するセントラルコントローラを有する。VCU10は、複数の信号を、車両100上に設けた様々なセンサー及びサブシステム12から受信し、また、それに出力する。

図2に、VCU10をより詳細に示す。VCU10は、複数の車両サブシステム12を制御し、これには、限定されるものではないが、エンジン管理システム12a、トランスミッションシステム12b、電子動力アシストのステアリングユニット12c(ePASユニット)、ブレーキシステム12d及びサスペンションシステム12eが含まれる。五つのサブシステムを、VCU10の制御下のものとして示したが、実際には、より多くの数の車両サブシステムが、車両に含まれることがあり、VCU10の制御下におかれ得る。VCU10は、サブシステム制御モジュール14を含み、これは、ライン13を介して、車両サブシステム12のそれぞれに制御信号を供給して、車両が走行している地形もしくは走行表面(地形条件という)のような走行条件に適した方法でサブシステムの制御を開始する。サブシステム12はまた、信号ライン13を介してサブシステム制御モジュール14と通信して、サブシステム状態に関する情報をフィードバックする。

VCU10は、一般に16及び17で表される複数の信号を受信し、これは、複数の車両センサーから受信されるとともに、車両の動き及び状態に関する様々な異なるパラメータを代表する。以下に更に詳細に述べるように、信号16、17は、車両が走行している条件の特性を示す複数の走行条件指標(地形指標ともいう)を計算するためにもたらし、又は使用される。この発明の一の利点は、VCU10が、地形指標に基いて、様々なサブシステムの最適な制御モードを決定するとともに、それに応じてサブシステムを自動的に制御することにある。

車両のセンサー(図示せず)は、限定されるものではないが、VCU10に連続的なセンサー出力16をもたらすセンサーであり、これには、ホイール速度センサー、周囲温度センサー、大気圧センサー、タイヤ空気圧センサー、車両のヨー、ロール及びピッチを検出するヨーセンサー、車速センサー、前後方向加速度センサー、エンジントルクセンサー(又はエンジントルク推定器)、ステアリングセンサー、ステアリングホイール速度センサー、傾斜センサー(又は傾斜推定器)、横方向加速度センサー(安定制御システム(SCS)の一部)、ブレーキペダル位置センサー、アクセルペダル位置センサー並びに、前後、横方向、鉛直方向のモーションセンサーが含まれる。

他の実施形態では、上述のセンサーの選択のみを使用することができる。VCU10はまた、車両の電子動力アシストのステアリングユニット(ePASユニット12c)からの信号を受信して、ホイールに作用するステアリング力(ePASユニット12cにより作用されるステアリング力に結合されたドライバーにより作用されるステアリング力)を表示する。

自動車100はまた、VCU10に離散的センサー出力17を与える複数のセンサーを設けることができ、これには、クルーズ制御状況信号(オン/オフ)、トランスファーボックスもしくはPTU137状況信号(ギヤレシオが、HIレンジ又はLOレンジに設定されるかどうか)、ヒルディセントコントロール(HDC)状況信号(オン/オフ)、牽引連結状況信号(オン/オフ)、安定制御システム(SCS)がアクティブであったことを示す信号(オン/オフ)、ウィンドスクリーン・ワイパー信号(オン/オフ)、エアサスペンション状況信号(HI/LO)及び、動的安定制御(DSC)信号(オン/オフ)が含まれる。

VCU10は、推定器モジュールもしくはプロセッサ18の形態をなす評価手段、並びに、セレクターモジュールもしくはプロセッサ20の形態をなす計算及び選択手段を含む。当初は、センサーからの連続的出力16は、推定器モジュール18に与えられ、この一方で、離散的信号17は、セレクターモジュール20に与えられる。

推定器モジュール18の第一ステージでは、センサー出力16の様々なものは、多数の地形指標を伝達することに使用される。推定器モジュール18の第一ステージでは、車速はホイール速度センサーから伝達され、ホイール加速度はホイール速度センサーから伝達され、ホイールへの前後力は車両前後方向加速度センサーから伝達され、(ホイールスリップが生じた場合の)ホイールスリップが生じたトルクは、ヨー、ピッチ及びロールを検出するモーションセンサーから伝達される。推定器モジュール18の第一ステージで行われる他の計算には、ホイール慣性トルク(回転するホイールを加速もしくは減速させることに関連するトルク)、「前進の継続性」(たとえば、自動車が岩の多い地形を走行するときのような場合としての、自動車が発進もしくは停止したかどうかの評価)、空気抵抗、ヨー、横方向車両加速度が含まれる。

推定器モジュール18はまた、以下の地形指標が計算される第二ステージを含む。すなわち、表面転がり抵抗(ホイール慣性トルク、車両への前後力、空気抵抗、ホイールへの前後力に基く)、ステアリングホイールへのステアリング力(前後方向加速度及び、ステアリングホイールセンサーからの出力に基く)、ホイール前後方向スリップ(ホイールへの前後力、ホイール加速度、SCS動作及び、ホイールスリップが生じたかどうかを示す信号に基く)、横方向摩擦(予測された横方向加速度及びヨーに対して、測定された横方向加速度及びヨーから計算される)、及び、波状検出(ウォッシュボード型の表面を示す高振動数、低振幅のホイール高さ刺激)である。

SCS動作信号は、SCS ECU(図示せず)からの様々な出力から伝達されるものであり、これには、DSC(動的安定制御)機能、TC(トラクション制御)機能、ABS及びHDCアルゴリズム、表示DSC動作、TC動作、ABS動作、個々のホイールへのブレーキ介入、並びに、SCS ECUからエンジンへのエンジントルクの減少の要求が含まれる。こららの全ては、スリップ事象が生じたこと、及び、SCS ECUが作動してそれを制御したことを表示する。推定器モジュール18はまた、ホイール速度センサーからの出力を用いて、ホイール速度の変動及び波状検出信号(corrugation detection signal)を決定する。

ウィンドスクリーン・ワイパー信号(オン/オフ)に基いて、推定器モジュール18はまた、ウィンドスクリーン・ワイパーがどれくらいオン状態になっているかを計算する(すなわち降雨継続信号)。

VCU10はまた、エアサスペンションセンサー(最低地上高センサー)及びホイール加速度計に基いて、地形の粗さを計算する路面粗さモジュール24を含む。粗さ出力信号26の形態をなす地形指標信号は、路面粗さモジュール24からの出力である。

ホイール前後方向スリップ及び横方向摩擦推定の評価は、妥当性の確認として、推定器モジュール18で互いに比較される。

摩擦妥当性の確認とともに行うホイール速度の変動及び波状出力、表面転がり抵抗の推定、ホイール前後方向スリップ及び波状検出の計算は、推定器モジュール18からの出力であり、VCU10での更なる処理のために、地形指標出力信号22をもたらし、これは、車両が走行している地形の特性を示す。

推定器モジュール18からの地形指標信号22は、車両が走行している地形の種類の指標に基き、複数の車両サブシステム制御モードが最適であることを決定するため、セレクターモジュール20に与えられる。最適な制御モードは、推定器モジュール18及び路面粗さモジュール24からの地形指標信号22、26に基き、異なる制御モードのそれぞれが最適であることの可能性を分析することにより決定される。

車両サブシステム12は、セレクターモジュール20からの制御出力信号30に応じて、ドライバー入力の必要なしに自動的に制御されることができる(「自動モード」という)。あるいは、車両サブシステム12は、ドライバー入力に応じて、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)モジュール32を介して制御されることができる(「マニュアルモード」という)。サブシステム・コントローラ14はそれ自身で、信号ライン13を介して直接的に、車両サブシステム12a〜12eを制御されることができ、あるいは、サブシステムは、関連のあるサブシステム12a〜12eの制御をもたらすため、それ自身の関連する中間コントローラ(図1には示さない)を設けることができる。後者の場合、サブシステム・コントローラ14は、サブシステムのための実際の制御ステップを実行するのではなく、サブシステム12a〜12eのための最適なサブシステム制御モードの選択だけを制御することができる。その又は各々の中間コントローラは実際には、主要サブシステム・コントローラ14に不可欠な部分をなすものとすることができる。

自動モードで作動しているとき、最適なサブシステム制御モードの選択は、以下の三段階のプロセスにより実現することができる。 (1)制御モードの各タイプで、地形指標に基き、自動車が走行している地形に制御モードが適していることの可能性の計算の実行 (2)現在の制御モードと他の制御モードとの可能性の間の「正の差分」の積分 (3)積分値が、所定の閾値又は現在の地形制御モード可能性を超えるときの、制御モジュール14へのプログラム要求がゼロであること

次に、段階(1)、(2)及び(3)の特定のステップをより詳細に説明する。

段階(1)では、路面粗さ出力26及び推定器モジュール18からの出力22の形態をなす連続的な地形指標信号が、セレクターモジュール20に与えられる。セレクターモジュール20はまた、離散的地形指標17を、車両の様々なセンサーから直接的に受信し、これには、トランスファーボックス状況信号(ギヤレシオHIレンジまたはLOレンジに設定されているかどうか)、DSC状況信号、クルーズ制御状況(車両のクルーズ制御システムがオンかオフか)、及び、牽引連結状況(牽引が車両に連結されているか否か)が含まれる。周囲温度及び大気圧を示す地形指標信号もまた、セレクターモジュール20に与えられる。

セレクターモジュール20は、センサーから直接的に受信される離散的地形指標信号17及び、推定器モジュール18及び路面粗さモジュール24のそれぞれによって計算される連続的地形指標22、26に基き、車両サブシステムの最適な制御モードを計算する可能性アルゴリズム20aが設けられる。すなわち、可能性アルゴリズム20aは、最適なシステム制御モードを計算し、これは、離散的地形指標信号17に基き、各サブシステムが作動するそれぞれのサブシステム構成モードを決定する。

制御モードは通常、車両が草地、砂利または雪の地形を走行しているときに適しているグラス/グラベル/スノー制御モード(GGSモード)、車両が泥及びわだち(ruts)の地形を走行しているときに適しているマッド/ラット制御モード(MRモード)、車両が岩もしくは巨岩の地形を走行しているときに適しているロッククロール/ボールダーモード(RBモード)、車両が砂の地形(又は深く軟らかい雪)で走行しているときに適しているサンドモード、並びに、全ての地形状況及び、特に高速道路や一般的な道路での車両走行用の、適切な妥協モード(a suitable compromise mode)であるスペシャルプログラム・オフモード(SP OFFモード)又は通常モードが含まれる。US2003/0200016に開示されたものを含む多くの他の制御モードも想定されており、その内容を、参照によりここに組み込む。

異なる地形の種類は、地形の摩擦及び地形の粗さに従って分類される。たとえば、草地、砂利、雪をともに、低摩擦、滑らかな表面をもたらす地形としてグループ化することが適切であり、また、岩及び巨石の地形をともに、高摩擦、極めて高い粗さの地形としてグループ化することが適切である。

図3は、VCU10が作動することのできる異なる各作動モードで、車両100のサブシステム12によって想定される特定のサブシステム構成モードを示すUS2003/0200016から取り出した表である。

その作動モードは以下のとおりである。 (a)高速道路(又は幹線道路)モード (b)田舎道モード (c)市街(都市)モード (d)牽引(舗装路)モード (e)未舗装路モード(A dirt track mode) (f)スノー/アイス(舗装路)モード (g)グラス/グラベル/スノー(GGS)モード (h)サンドモード (i)ロッククロールもしくはボールダー横断モード (j)マッド/ラットモード

作動モードは、いくつかの実施形態では、性能志向の走行に最適化されるスポーツもしくはダイナミックモード、経済性志向の走行に最適化されるエコノミーモード及び、デフォルトモードを含むことができる。デフォルトモードは、一般的な舗装路の走行条件のための舗装路モードとすることができる。

図3を参照すると、サスペンションシステム12eの構成が、最低地上高(高、標準もしくは低)の条件及び、左右のエア相互接続(side/side air interconnection)に規定されている。サスペンションシステム12eは、流体サスペンションシステム、この実施形態ではエアサスペンションシステムであり、これは、US2003/0200016に記載された方法で、自動車の両側のホイールのサスペンション間の流体相互接続を可能にする。複数のサブシステム構成モードは、そのような相互接続の異なるレベルをもたらし、この場合では、相互接続がなく(相互接続が閉鎖され)、また少なくとも部分的に相互接続される(相互接続が開放される)。

ePASステアリングユニット12cの構成は、ステアリング補助の異なるレベルをもたらすべく調整することができ、ここでは、ステアリングホイール181は、ステアリング補助の量をより大きく変化させることが容易である。その補助の量は、いくつかの作動モードでは車速に比例するものとすることができる。

ブレーキシステム12dは、作動モードに応じて、ブレーキペダル163に作用する所定の圧力の量のために比較的高いブレーキ力を、又は比較的低いブレーキ力をもたらすべく構成することができる。

ブレーキシステム12dはまた、アンチロックブレーキングシステムがアクティブであるときに、ホイールスリップの異なるレベルを許容するべく構成することができる(たとえば、低摩擦での比較的小さな量(「低ミュー」表面)及び、高摩擦表面での比較的大きな量又はその逆)。

電子トラクション制御(ETC)システムは、ハイミュー又はローミュー構成で作動することができ、システムは、高ミュー構成と比較して低ミュー構成では、車両制御に介入する前に大きなホイールスリップを許容する。

動的安定制御システム(DSC)はまた、高ミュー又は低ミュー構成で作動することができる。

エンジン管理システム12aは、「急速な」又は「緩慢な」アクセル(又はスロットル)ペダル前進構成モードで作動することができ、ここでは、アクセルペダル前進の機能としてのエンジントルクの増加が、それぞれ比較的急速又は緩慢である。その速度は、サンドモードのような一以上のモードでの速度に依存するものとすることができる。

PTU137は、ここで説明するような高レンジ(HI)サブシステム構成モード又は低レンジ(LO)サブシステム構成モードで作動することができる。

トランスミッション124は、燃費と走行性能との間の妥当な妥協をもたらす「通常」モード、特にドライバーが車両を加速させるために駆動トルクの高いレベルを要求しているときに、一般にトランスミッションを通常モードよりも低いギヤに維持する「性能」モード、及び、ギヤチェンジの制御が完全にドライバーに与えられる「マニュアル」モードで作動することができる。特に停止からの加速下で、一般に通常モードよりもトランスミッションを高いギヤに維持して、ホイールスピンによるトラクションの損失を避ける「スノー」又は「アイス」モードや、トランスミッションを低速で比較的高いギヤに維持して、過剰なホイールスピンを避ける「サンド」モードもある。過剰なホイールスピンは、低速でホイール自身が砂地を掘り返すことをもたらし得る。しかしながら、サンドモードは、より高速で比較的低いギヤを用い、ここでは、比較的高い度合のホイールスリップは、最大のトラクションをもたらすことが好都合となり得る。より低いギヤはまた、エンジン速度が高く出力が高い作動領域をエンジン121が維持することを補助し、それにより、動力不足によって車両100の動きが取れなくなることを回避することを補助することができる。

いくつかの実施形態では、センターディファレンシャル及びリアディファレンシャルはそれぞれ、クラッチパックを含むとともに、「全開」と「全閉」の状態間での閉鎖の度合いを変化させるべく制御することができる。常に閉鎖する実際の度合は、既知の方法での因子の数に基いて制御されることができるが、かかる制御は、ディファレンシャルが「より開放」するか、又は「より閉鎖」するように調整することができる。特に、クラッチパックへの予負荷は変化することができ、そしてこれは、閉鎖トルク、すなわち、クラッチをもたらすであろうディファレンシャルを横切るトルク及び、ディファレンシャルがスリップすることを制御する。フロントディファレンシャルはまた、同じ又は類似の方法で制御され得る。

各サブシステム制御モードでは、セレクターモジュール20内のアルゴリズム20aは、地形指標に基いて確率計算を行い、異なる制御モードのそれぞれが適していることの可能性を決定する。セレクターモジュール20は、連続的な地形指標22、26(たとえば、車速、路面粗さ、ステアリング角)を、特定の制御モードが適していることの可能性に関連付ける調整可能データマップを含む。かかる確率値は通常、0と1の間をとる。そのため、たとえば、車速計算は、車速が比較的遅い場合はRBモードでの0.7の可能性に戻り、この一方で、車速が比較的速い場合はRBモードの可能性がより低くなる(たとえば0.2)。これは、速い車速は、自動車が岩もしくは巨岩の地形を走行していることを示す可能性が極めて低いからである。

また、各サブシステム制御モードでは、離散的地形指標17(たとえば、牽引連結状況オン/オフ、クルーズ制御状況オン/オフ)のそれぞれはまた、各制御モード、GGS RB、サンド、MR又はSPがオフであることの関連する確率を計算することに用いられる。たとえば、クルーズ制御が、自動車のドライバーによってオンにされた場合、SPオフモードが適していることの可能性が比較的高いが、MR制御モードが適していることの可能性は低くなる。

異なるサブシステム構成モードのそれぞれでは、合成された確率値、すなわちPbは、連続的又は離散的地形指標17、22、26から導かれるように、先に述べたように、制御モードの個々の確率値に基いて計算される。下記の式では、各制御モードで、各地形指標に対して決定されるような個々の可能性は、a、b、c、d...nによって表される。そして、各制御モードで合成された確率値Pbは以下のように計算される。 Pb=(a.b.c.d...n)/((a.b.c.d...n)+(1−a).(1−b).(1−c).(1−d)...(1−n))

任意の数の個々の可能性は、可能性アルゴリズム20aの入力とすることができ、また、可能性アルゴリズムへの任意の一の確率値出力はそれ自身で、合成された可能性機能の出力とすることができる。

各制御モードの合成確率値が計算されると、高い可能性の当該制御モードに対応するサブシステム制御プログラムは、セレクターモジュール20で選択され、そして、この表示を与える出力信号30は、サブシステム制御モジュール14に与えられる。複数の地形指標に基く合成可能性機能を用いる利点は、所定の指標が、単に一の地形指標単独の選択に基く場合に比して、ともに合成されたときにより高い又は低い可能性の制御モード(たとえばGGS又はMR)をもたらすことができることにある。

セレクターモジュール20からの更なる制御信号31を、制御モジュール34に与えることができる。

段階(2)では、積分プロセスが、セレクターモジュール20内で連続的に実行されて、現在の制御モジュールから代替的な制御モジュールの一つへと変更することが必要かどうかを決定する。

積分プロセスの第一ステップは、現在の制御モードの合成確率値と比較して、代替的な制御モードのそれぞれの合成確率値の正の差分があるかどうかを決定するためのものである。

例として、現在の制御モードが0.5の合成確率値のGGSであると仮定する。サンドモードの合成確率値が0.7である場合、正の差分は、それらの二つの確率(すなわち、0.2の正の差分値)間で計算される。正の差分値は、時間で積分される。差分が正で維持され、かつ、積分値が所定の変化閾値(変化閾値という)又は、複数の変化閾値の一つに達した場合、セレクターモジュール20は、現在の(GGS用の)地形制御モードが新しい代わりの制御モード(この例ではサンド制御モード)にアップデートされるものであることを決定する。そして、制御出力信号30は、車両サブシステムのサンド制御モードを開始するため、セレクターモジュール20からサブシステム制御モジュール14への出力となる。

段階(3)では、可能性差分が監視され、そして、積分プロセスの間の任意の点で、可能性差分が正の値から負の値へ変化した場合、積分プロセスは、キャンセルされるか、又はゼロにリセットされる。同様に、他の代替的な制御モード(すなわち、サンド以外)の一つの積分値が、サンド制御モードの可能性の結果の前に所定の変化閾値に達した場合、サンド制御モードの積分プロセスはキャンセルされ、及びゼロにリセットされ、そして、高い可能性差分の他の代替的な制御モードが選択される。

<車両発進補助> 本出願は、乾燥した軟質砂地での停止から離れて、大きなトルク要求下で走行するときに、車両のホイールが、砂地内でスピンして掘り返すことができることを認識している。このことは、車両が砂地にはまり込み、動きが取れなくなることをもたらし得る。いくつかの状況では、TC機能は、この状態を防止又は改善することができないことがある。これは、四輪111〜115の全てが同じ速度でスリップして、スリップがないと検知され、それにより、TC機能が介入せずに、パワートレイン・トルクを低下させ、及び/又はブレーキングを適用する場合があるからである。過剰なホイールスリップの発生なしにパワートレイン129によって伝達され得るトルク量は、タイヤ接触面積及び砂地の種類を含む多くの因子に依存する。

高度なTCシステムは、ホイール速度とは独立して車速を決定するため、加速度計を採用することができる。しかしながら、そのよう場合であっても、TC機能を実行するSCS ECUは、ホイール速度を記録するとともに、加速度計からの信号に基いて車速を計算することに、有限な時間を必要とする。それ故に、ホイールスピンは、初期に検出されず、TC機能が介入するときまで、ホイール111〜115が砂地内に沈み、その表面に登り返ることに失敗する場合がある。

この問題を克服するため、VCU10は、車両発進アシスト(VLA)を実行するべく作動可能なものとし、これは、いくつかの実施形態、特に、VCU10がサンド制御モードにあるときにだけ、VLA機能が実行される実施形態では、「サンド発進」機能とも称する。VCU10は、エンジン又はパワートレイン・トルクの発生についてエンジン管理システム12aに関するパラメータを適合させることにより、VLA機能を実行する。この実施形態では、VCU10は、エンジン管理システム12aに関するパラメータに適合し、これは、トルク要求に対するパワートレイン129の応答の速度を低下させるとともに、ホイール111〜115に作用し得るパワートレイン・トルクの最大許容値に制限を設定する。このことは、トルクが一以上のホイール111〜115に作用したときの過剰なホイールスピンのリスクを軽減する。VCU10は、いくつかの実施形態では、サンド制御モードに加えて、又は、それに代えて、一以上の制御もしくは作動モードで、VLA機能を実行するべく構成することができる。

いくつかの実施形態では、このことは、ドライバー要求トルクが決定されることによって、アクセル制御信号にフィルターを適用することにより達成される。アクセル制御信号は、アクセルペダル161から受信されるものとすることができる。クロール機能のような速度制御機能を有する車両では、フィルターは、速度制御システム・トルク要求、又は、速度制御システムによって発生されるアクセル制御信号に適用することができる。パワートレイン・トルクを制御するべく作動可能な他のドライバー補助システムからの信号もまた、アクティブであるときにフィルターの影響下にあるものとすることができ、たとえば、キューアシストシステム、クリープ制御システム又は同種のものからの信号等である。

いくつかの実施形態では、それに加えて、又は代えて、パワートレイン・トルク129の増加の最大許容速度は、所定の値に制限されることができる。

いくつかの実施形態では、VLA機能がアクティブであるときのトルク要求に対するパワートレイン129の応答の速度、パワートレイン・トルクの増加の速度の最大許容速度、及び/又は、最大許容パワートレイン・トルクの低下量は、車両が支持されている表面の種類及び、車両100と表面との間の接触の一以上の特性向けに最適化することができる。車両100と表面との間の接触は、車両100が、一以上のホイールの過剰なスリップを含むことなしに得られる「獲得(purchase)」(又は牽引力)によって特性化することができる。作用する牽引力の大きさ(スリップが所定の量を超える前の最大ホイールトルクによって特性化することができる)の決定は、表面物質、車輪と表面との間の摩擦係数(「表面ミュー」)、タイヤ空気圧、サスペンショントラベル、サスペンション関節動作、傾斜、ロッキング・ディファレンシャルの状態、選択されたトランスミッション・ギヤ、及び、選択されたPTUギヤレシオ(高もしくは低)の中から選択された一以上を参照することにより行うことができる。それに加えて、又は代えて、他のパラメータは有効である。他の構成もまた有効である。

この実施形態では、VCU10は、VLA機能がアクティブであるとき、過剰なホイールスリップを防止するため、VLA機能がアクティブである間に、過剰なホイールスリップが生じる前に各ホイールに作用し得る最大トルク量を繰り返し決定することにより、パワートレイン・トルクを制限することができる。最大トルク量は、以下の車両パラメータを参照することにより決定される。すなわち、(a)選択された制御モード(ユーザによるマニュアルか、又はVCU10による自動化か)、(b)車両タイヤ空気圧、(c)トランスミッション124の選択されたギヤ、及び、(d)PTU137の選択されたレンジである。

この実施形態では、VCU10は、作用し得るホイールトルクの最大量の推定値max_tq_estを決定する。かかる推定値は、パワートレイン129によって駆動されるホイール間に作用するホイールトルクの平均値である。いくつかの実施形態では、VCU10は、所定の瞬間に、パワートレイン129によって駆動されている又は駆動される個々のホイールのそれぞれに作用するトルクの最大値を推定することができる。

図4は、max_tq_estの値を決定するVCU10のモジュール301の概略図である。本実施形態では、モジュール301は、計算装置によって実行されるソフトウェア・コードで実現され、本実施形態では電子コントローラである。

モジュール301は以下の入力を受信する。 (i)アクセルペダル位置を参照することによって決定され、フィルタリングされていないドライバー要求トルク(Unfiltered driver demanded torque)Tq_dd (ii)平均タイヤ空気圧Tyre_P、すなわち、車両のロード用タイヤ間で平均されたタイヤ空気圧 (iii)車速Veh_spd (iv)現在の選択された制御モード(地形応答モード)TR_mode (v)VCU10がマニュアルモード又は自動制御モード選択状況で作動しているかについての表示TR_auto (vi)選択されたトランスミッション・ギヤTrans_gear (vii)選択されたPTUレンジ(比率)PTU_range

Tq_dd値は、いくつかの実施形態では、フィルタリングされた値(a filtered value)とすることができる。Tq_dd値は、アクセルペダル位置に加えて、車速を考慮することができる。いくつかの実施形態では、それに加えて、又は代えて、Tq_dd値を計算するために、一以上の他のパラメータを採用することができる。

いくつかの実施形態では、各タイヤの平均値ではなく、入力Tyre_Pは、各タイヤの一つ一つについてのものとすることができる。

Tq_dd値は、TR_mode及びAuto_TRの値とともに、ファンクションブロック301aに送り込まれ、これは、Tq_dd及びTR_modeを考慮したホイールトルクの最大許容量の第一推定値max_tq_est_1を決定するため、ルックアップテーブル(LUT)を採用する。この値は、乗算ファンクションブロック301c(a multiplier function block 301c)に伝えられる。VCU10が自動モード選択条件で作動していることを、Auto_TR値が示した場合、ファンクションブロック301aは、max_tq_est値を、利用可能なパワートレイン・トルクの最大値(又は最大値より大きな値)に設定し、それにより、VCU10が自動制御モード選択条件で作動しているときに、パワートレイン・トルクに制限が課されない。

TR_mode、Tyre_P、Veh_spd、TR_auto、Trans_gear、及びPTU_rangeの値は、ファンクションブロック301bに送り込まれる。ファンクションブロック301bはまた、三つの乗数(multipliers)の値を計算するため、ルックアップテーブルを採用する。ファンクションブロック301cの入力であるcomb_multを得るため、当該乗数をともに乗じる。ファンクションブロック301cは、max_tq_est_1値に、comb_mult値を掛け合わせて、max_tq_est値を得る。しかしながら、VCU10が自動制御モード選択条件であることを、TR_Auto値が示した場合、ファンクションブロック301bは、ファンクションブロック301bに入力される任意の他のパラメータの値に関わらず、comb_mult値を1(unity)に設定する。このことは、max_tq_est値が、ファンクションブロック301aによって設定されたmax_tq_est_1値を下回って小さくならないようにする。

いくつかの実施形態では、VCUがマニュアル又は自動制御モード選択条件で作動していることを示すTR_auto又は対応するパラメータは、モジュール301に与えられない。むしろ、VCU10が、自動制御モード選択条件である場合、VCU10は単に、モジュール301から発生したmax_tq_est値を無視することができる。

上述したように、ファンクションブロック301bは、三つの乗数の値を計算する。かかる乗数は、三つのそれぞれのルックアップテーブルによって決定される。ルックアップテーブルへの入力はそれぞれ、(a)Tyre_P及びTR_mode、(b)Veh_spd及びTR_mode、並びに、(c)Trans_gear及びPTU_rangeの組合せである。

Tyre_P及びTR_modeについてのLUTは、モジュール301が、所定のTRモードでのタイヤ空気圧に従って、max_tq_est値に適合することを可能にする。Tyre_P値は、タイヤと車両100が走行する表面との間の接触面積に影響を及ぼす。所定の量のスリップを超える前に作用し得るホイールトルクの量は、走行表面に応じて、接触面積(及び、それ故にTyre_P)の大小によって変化し得ると理解される。

たとえば、Tyre_P値の減少は、砂地上での最大ホイールトルク値を増加させることができるが、乾燥草地表面上では、最大ホイールトルク値は、実質的にTyre_Pと独立であることがある。TR_mode値は、走行表面の特性(たとえば砂地か草地か等)の表示を与えるとともに、Tyre_Pの結合された効果及び、max_tq_estの異なる走行表面を考慮するための乗数(乗算因子(multiplication factor))の計算に有用な入力を与える。

Veh_spd及びTR_modeについてのLUTは、モジュール301が、車両100が走行している地形に依存する方法で、車速に従って、max_tq_est値に適合することを可能にする。最大許容ホイールスリップ値は、車両100が動き始めると、所定の制御モードで速度の増加に伴って実質的に増加されることを許容することができるが、他の制御モードでは、表面の損傷発生のリスクに起因して実質的に増加されることが許容されないことがあると理解される。

Trans_gear及びPTU_rangeの使用は、ホイールトルクが、パワートレイン・トルクの所定の値のために推定されることを可能にする。この実施形態では、パワートレイン・トルクの値は、トランスミッション124の入力軸でのトルク量とするために必要とされると理解される。パワートレイン・トルクの他の規定もまた有効である。

いくつかの実施形態では、表面ミューの推定値は、VCU10が作動している制御モードTR_modeの同一性(identity)に加えて、又はそれに代えて、モジュール301への入力とすることができると理解される。TR_modeは他方で、現在の表面ミュー値(the prevailing surface mu value)の有用な表示を与える。

いくつかの実施形態では、モジュール301は、少なくとも部分的に表面傾斜及び/又はサスペンション関節動作に応じて、max_tq_est値を決定するべく構成することができ、それにより、上り坂のホイールから下り坂のホイールへの重量の再分配による前輪及び後輪のそれぞれの最大トルク推定値を適用する。モジュール301は、三角関数計算を行うルックアップテーブル又は同種のものにより、傾斜に応じて、上り坂のホイールの推定最大牽引力を減少させることができ、また、下り坂のホイールの推定最大牽引力を増加させることができ、傾斜が大きいほど調整が大きくなる。

本実施形態では、VCU10は、max_tq_est値に従って、エンジン管理システム12a(及び、それ故にパワートレイン129)を制御すると理解される。VCU10は、所定の時点でホイール111〜115でのmax_tq_est値を超えないように、所定の時点で発生し得るパワートレイン・トルクの最大許容値を制限する。 パワートレイン129によって駆動されるべく構成されたフロント及びリアの駆動輪を有する実施形態では、VCU10は、各ホイールでmax_tq_estを超えないように、前輪及び後輪111〜115間でのパワートレイン・トルクの分配を適用すると理解される。

本実施形態では、VCU10がマニュアル制御モード選択条件にあるとき、max_tq_est値は、上述した方法に従う時間の関数として変化し、それにより、最大許容トルクとともに、最大許容トルク上昇率を制限すると理解される。

いくつかの実施形態では、車両には、駆動される各ホイールに関連付けた電気推進モータ、たとえば電気ハブモータを設けることができる。そのような車両では、各ホイールの一つ一つに作用するパワートレイン・トルクの量は、便利かつ正確な方法で制御することができる。いくつかのそのような実施形態では、個々のホイールトルク制御と組み合わせた個々のタイヤ空気圧の監視は、車両性能を改善することができるとともに、車両を停止状態から加速するときに特に好都合である。

いくつかの実施形態では、VLA機能は、条件の所定のセットが満たされたときに実行され得る(始動され、又は「呼び出され」得る)。本実施形態では、当該条件は、1)車速が所定の値より低いこと(この実施形態では5km/hであるが、他の速度もまた有効である)、2)ドライバー要求トルク又はアクセル位置が所定の値より大きいこと、及び、3)VCU10が、マニュアル制御モード選択条件で、かつサンドもしくはGGS制御モードで作動していることである。いくつかの実施形態では、条件3)は、ユーザが手動でサンド制御モードを選択したことを必要とすることができる。すなわち、VCU10は、マニュアル制御モード選択条件で、かつサンド制御モードで作動している。

いくつかの実施形態では、VLA機能は常にアクティブであり、当該機能は、トルク要求に対するパワートレイン129の応答の異なる形態を適用するべく構成され、そして、異なるパワートレイン・トルクは、上述した条件1)〜3)が満たされたかどうかに応じて制限する。それに加えて、又は代えて、他の条件もまた有効である。VLA機能は、VLA機能がパワートレイン・トルクを制限することに要求されないために、制御モードが選択されたとき、比較的高いトルク制限を設定することにより、効果的に無効とされることができる。この実施形態では、VCU10がマニュアル制御モード選択条件で、かつサンドもしくはGGS制御モード以外の制御モードで作動しているとき、及び、自動制御モード選択条件で作動しているとき、VLA機能は、効果的に無効とされることができる。 サンドモードが手動で選択されたときだけVLA機能がアクティブとなる上記の他の実施形態では、VLA機能は、VCU10が、サンドモード及びマニュアル制御モード選択条件の両方で作動していないときに、比較的高いトルク制限を設定することにより、効果的に無効とされることができる。

上述したように、VLA機能によって適用される一以上の制約による、トルク要求に対するパワートレイン129の実際の応答及び、課される任意のパワートレイン・トルク制限は、一以上のパラメータに依存するものとすることができる。この実施形態では、当該応答及びトルク制限は、少なくとも一部で、トランスミッション124の選択されたギヤ及び、PTUが低い比率レンジにあるか、又は高い比率レンジにあるかに依存させることができる。

条件下で要求された車速の値は、1)TC機能又は同種のものが介入できず、かつ過剰なホイールスリップを防止もしくは軽減する値を下回る値に対応するものとすることができると理解される。この値は、TC_min_spdと称することがある。TC機能は、たとえば、システムが、そのような速度を下回る車速及び/又はホイール速度を正確に測定できないことに起因して、そのような速度を下回って作動できないものとすることができる。このことは、たとえば、十分正確なホイール速度センサーが使用できないことによる場合がある。TC_min_spd値は、約5kphの値に設定することができる。他の値もまた有効である。

条件1)〜3)のいずれかが満たされない場合、この実施形態では、VLA機能が、トルク要求に対するパワートレイン129の応答の速度を低下させず、また、パワートレイン129によって作用され得るトルク量の制限を適用しない。

いくつかの実施形態では、条件3)は、追加的に、又は代替的に、一以上の他の制御モードを含むことができる。実行されるVLA機能の一以上の特性は、図4を参照して上述したような、選択された制御モードに依存するものとすることができる。

いくつかの実施形態では、条件1)〜3)が満たされたとき、第一VLA機能が実行される。条件3)を除いて全ての条件が満たされ、かつVCU10が自動モードにあるとき(それによって、最適な制御モードが自動的に選択されたとき)、第二VLA機能が代わりに実行され得る。いくつかの実施形態では、第二VLA機能は、パワートレイン・トルクの増加に対する要求がなされたときに、車両応答に、それほど厳しくない制限又は複数の制限が課される点で、第一VLA機能と異なる。いくつかの実施形態では、トルク要求に対するパワートレイン129の応答の速度の制限される量が、第一VLA機能の場合のそれに比して減らされる。すなわち、課されるパワートレイン・トルク要求の減少は、第一VLA機能により課されるものに比してそれほど厳しくない。

図4を参照して説明した実施形態では、モジュール301に採用されたルックアップテーブルは、VCUが、自動制御モード選択条件(自動モード)にあるときに、max_tq_est値の厳しくない変更因子(less severe modifiers)を生じさせるべく構成される。

いくつかの実施形態では、VCU10が自動モード(すなわち自動制御モード選択条件)で作動しており、かつ、VCU10がサンドモードを選択したとき、VCU10は、上記に挙げた条件1)及び2)に加えて、一以上の条件が満たされた場合だけ、第一VLA機能が実行されることを許容するべく構成することができる。更なる一以上の条件は、車両100が砂地上で稼働していることの更なる確認が得られることを可能にする条件とすることができる。そのような確認がない場合、第二VLA機能が実行され得る。

第一VLA機能だけを有する実施形態では、VCU10は、砂地上での稼働の更なる確認が得られた場合、VCU10が自動選択条件にある間に、第一VLA機能が実行されることを許容するべく構成することができる。

VLA機能(及び、与えられた場合は第二VLA機能)は、車速が所定の値を超えたときに、作動をキャンセルするべく構成することができると理解される。車速が所定の値を超えると、VCU10は、VLA機能によって作用される(すなわち、VLA機能によって制限されるような)パワートレイン・トルク要求を、ユーザによって要求されたそれ(一般にはユーザによって要求される大きな量)と混合させるべく構成することができる。従って、パワートレイン・トルクの増加の速度が制限される実施形態では、VCU10は、車速が所定の値を超えると、VLA機能によって許容されるパワートレイン・トルクの増加の速度を、ユーザによって要求されるそれと混合させるべく構成することができる。同様に、最大許容パワートレイン・トルクを制限するべく構成された実施形態では、VCU10は、車速が所定の値を超えると、VLA機能によって許容されるパワートレイン・トルクの最大値を、ユーザによって要求されるそれと混合させるべく構成することができる。従って、もたらされるトルク量は、ユーザによって要求されたそれに一致するまで徐々に増加する。

本発明のいくつかの実施形態は、以下の番号付けされた段落を参照することにより理解することができる。

1.車両の少なくとも一の車両サブシステムの車両制御システムであって、該車両制御システムが、 車両の一又は異なる複数の走行条件にそれぞれ対応する、複数のサブシステム制御モードの選択された一つで、その又は各々の車両サブシステムの制御を開始するためのサブシステム・コントローラと、 サブシステム制御モードの最適な一つを自動的に選択するべく構成された自動モード選択コントローラと、 を備え、 該システムが、ユーザが所要のサブシステム制御モード選択することができるマニュアルモード、又は、自動モード選択コントローラが最適な制御モードを選択する自動応答モードで作動可能であり、 該システムがマニュアルモードで作動しているとき、所定の一以上の制御モードで作動するよう指令がなされた場合、サブシステム・コントローラが、車両の一以上のホイールに作用するトルク量に対し、一以上の所定の制約の第一セットを自動的に課し、該システムが自動応答モードで作動しているとき、前記一以上の所定の制約の第一セットを課さないよう構成された車両制御システム。

自動モード選択コントローラは、単一の電子制御ユニット(ECU)により、又は、二以上のECUにより実行されるソフトウェア・コードで実行されるものとすることができる。同様のECUはまた、サブシステム・コントローラの機能を実行するソフトウェア・コードを実行することができる。従って、コントローラの参照は、独立型の計算装置を必要としない。むしろ、単一の計算装置は、サブシステム・コントローラ、自動モード選択コントローラ、及び/又は、追加的もしくは代替的な一以上の他のコントローラとしての機能を果たすことができる。

2.サブシステム・コントローラが、車両の一以上のホイールに作用するトルク量に対し、一以上の所定の制約の第一セットを自動的に課すべく構成され、それにより、所定の値を超えるホイールスリップを防止する、段落1に従うシステム。

3.該システムが、車両のパワートレインに対し、一以上の所定の制約の第一セットを課すことで、車両の一以上のホイールに作用するトルク量に対し、一以上の所定の制約の第一セットを自動的に課すべく構成され、それにより、所定の値を超えるホイールスリップを防止する、段落2に記載のシステム。

4.ホイールスリップ量が所定の値を超える前に作用し得るホイールトルク量についての情報もしくはデータを参照することにより、一以上の制約のセットが決定される、段落2に記載のシステム。

5.ホイールスリップ量が所定の値を超える前に作用し得るホイールトルク量についての情報もしくはデータが、車両にトラクションをもたらすタイヤと接触する地形のキャパシティに関連する情報もしくはデータを備える、段落4に記載のシステム。

6.一以上のパラメータの値に応じて、一以上の制約の第一セットを適用するべく構成された、段落1に記載のシステム。

7.制約の第一セットが、ドライバー要求トルクの増加に対するパワートレインの応答の速度の低下、パワートレイン・トルクの増加の最大許容速度の低下、及び、パワートレイン・トルクの最大許容値の低下の中から選択された少なくとも一つを含む、段落1に記載のシステム。

8.該システムが、自動応答モードで作動しているときに、一以上の所定の制約の第二セットを、車両サブシステムの一以上の作動に適用するべく構成され、当該一以上の制約の第二セットが、第一セットと異なる、段落1に記載のシステム。

9.制約の第二セットが、ドライバー要求トルクの増加に対するパワートレインの応答の速度の低下、パワートレイン・トルクの増加の最大許容速度の低下、及び、パワートレイン・トルクの最大許容値の低下の中から選択された少なくとも一つを含む、段落8に記載のシステム。

10.一以上の所定の制約の第二セットが、一以上の制約の第一セットより車両の作動の少ない制約となるべく構成された、段落8に記載のシステム。

11.一以上のパラメータの値に応じて、一以上の制約の第二セットを適用するべく構成された、段落8に記載のシステム。

12.自動応答モードにあるとき、一以上の更なる条件が満たされたとの決定下で、一以上の制約の第一セットが作用されることを許容するべく構成された、段落1に記載のシステム。

13.一以上の更なる条件が、少なくとも、車両を支持する地形の種類の第一指標が、自動モード選択コントローラにより選択された制御モードに対応するとの条件を含む、段落12に記載のシステム。

14.システムの自動前進制御機能がアクティブであるとの条件で、一以上の制約の第一セットが適用されることを許容するべく構成された、段落1に記載のシステム。

15.ホイールスリップの量が所定の値を超える前に作用し得るホイールトルクの量についての上記の情報もしくはデータが、少なくとも部分的に、車両を支持する地形の種類、車両を支持する表面の変形性、表面と車両の一以上のホイールとの間の接触面積の大きさ、一以上のホイールと表面との間の表面摩擦係数、タイヤ空気圧、サスペンショントラベル、サスペンション関節動作、傾斜、ロッキング・ディファレンシャルの状態、選択されたギヤ、及び、選択されたパワートランスファーユニット・ギヤレシオの中から選択された少なくとも一つについての情報もしくはデータに従って決定される、段落4に記載のシステム。

16.ホイールスリップの所定の値が、一以上の車両運転パラメータに応じて決定される、段落2に記載のシステム。

17.一以上の運転パラメータが、車速、ホイール速度及び、車両が移動する地形の種類の中から選択される、段落16に記載のシステム。

18.地形の種類は、少なくとも部分的に、選択された制御モードに応じて決定される、段落17に従うシステム。

19.該システムが一以上の所定の制約の第一セットを課すべく構成されたことに応じた一以上の条件の所定のセットが、車速が所定の値より低いこと、ドライバー要求トルクが所定の値より大きいこと、アクセルペダル位置が所定の移動量を超えること、選択されたトランスミッション・ギヤが所定の一以上のギヤであること、及び、選択されたパワートランスファーユニット・ギヤレシオが所定のレシオであることの中から選択された少なくとも一つを含む、段落1に記載のシステム。

20.一以上の所定の条件の第二セットが満たされたとき、該システムが、一以上の所定の制約の第二セットを課すべく構成されたものであり、該第二セットが、車速が所定の値より低いこと、ドライバー要求トルクが所定の値より大きいこと、アクセルペダル位置が所定の移動量を超えること、選択されたトランスミッション・ギヤが所定の一以上のギヤであること、及び、選択されたパワートランスファーユニット・ギヤレシオが所定のレシオであることの中から選択された少なくとも一つを含む、段落8に記載のシステム。

21.制御モードが、パワートレイン、トランスミッションシステム、ステアリングシステム、ブレーキシステム及び、サスペンションシステムの中から選択された少なくとも二の車両サブシステムの制御モードである、段落1に従うシステム。

22.作動モードが、サスペンションシステムの制御モードを含み、複数のサブシステム構成モードが、複数の最低地上高を備える、段落21に従う制御システム。

23.作動モードが、車両の両側のホイールのサスペンション間で流体相互接続を行うことのできる流体サスペンションシステムの制御モードを含み、複数のサブシステム構成モードが、かかる相互接続の異なるレベルをもたらす、段落21に従う制御システム。

24.作動モードが、ステアリング補助をもたらすことのできるステアリングシステムの制御モードを含み、複数のサブシステム構成モードが、当該ステアリング補助の異なるレベルをもたらす、段落21に従う制御システム。

25.作動モードが、ブレーキング補助をもたらすことのできるブレーキシステムの制御モードを含み、複数のサブシステム構成モードが、当該ブレーキング補助の異なるレベルをもたらす、段落21に記載の制御システム。

26.作動モードが、ホイールスリップを制御するためにアンチロック機能をもたらすことのできるブレーキ制御システムの制御モードを含み、複数のサブシステム構成モードが、 ホイールスリップの異なるレベルを許容する、段落21に従う制御システム。

27.作動モードが、ホイールスピンを制御するべく構成されたトラクション制御システムの制御モードを含み、複数のサブシステム構成モードが、当該ホイールスピンの異なるレベルを許容する、段落21に従う制御システム。

28.作動モードが、車両ヨーを制御するべく構成されたヨー制御システムの制御モードを含み、複数のサブシステム構成モードが、予期されたヨーからの車両ヨーの乖離の異なるレベルを許容する、段落21に従う制御システム。

29.作動モードが、レンジ変更トランスミッションの制御モードを含み、サブシステム構成モードが、トランスミッションの高レンジモード及び低レンジモードを含むことができる、段落21に従う制御システム。

30.作動モードが、パワートレイン・コントローラ及び、アクセルもしくはスロットルペダルを含むパワートレインの制御モードを含み、サブシステム構成モードが、アクセルもしくはスロットルペダルの動きに、パワートレイン・コントローラの応答性の異なるレベルをもたらす、段落21に従う制御システム。

31.作動モードが、トランスミッションシステムの制御モードを含み、該トランクミッションシステムが、複数のトランスミッション比で作動可能で、かつ、車両の少なくとも一のパラメータを監視するとともに、それに応じてトランスミッション比を選択するべく構成されたトランスミッション・コントローラを含み、サブシステム構成モードが、複数のトランスミッション構成モードを含み、該トランスミッション構成モードで、トランスミッション比が、上記の少なくとも一のパラメータに応じて異なって選択される、段落21に従う制御システム。

32.段落1に記載のシステムを備える車両。

33.少なくとも一の計算装置により実行される車両制御方法であって、該方法が、 サブシステム・コントローラにより、車両の一の又は異なる複数の走行条件に対応する、複数のサブシステム制御モードの選択された一つで、一以上の車両サブシステムの制御を開始すること、 自動応答もしくはマニュアルモードの作動が要求されたことを示す入力を受信することを備え、 自動応答モードでの作動を示す信号が受信された場合、該方法が、自動モード選択コントローラを作動して、サブシステム制御モードの最適な一つを自動的に選択することを備え、 ニュアルモードでの作動を示す信号が受信された場合、所定の一以上の制御モードで作動することの指令がなされたとき、該方法が、車両の一以上のホイールに作用するトルク量に対し、一以上の所定の制約の第一セットを課し、自動応答モードの作動を示す信号が受信された場合、前記一以上の所定の制約の第一セットを課さないことを備える方法。

34.車両の一以上のホイールに作用するトルク量に対し、一以上の所定の制約の第一セットを課し、それにより、所定の値を超えるホイールスリップを防止することを備える、段落33に従う方法。

35.ホイールトルク量についての情報もしくはデータを参照することにより、一以上の制約の第一セットを決定することが、車両にトラクションをもたらすタイヤと接触する地形のキャパシティに関連する情報もしくはデータを参照することにより、一以上の制約の第一セットを決定することを備える、段落33に従う方法。

36.車両の一以上のホイールに作用するトルク量に対し、一以上の所定の制約の第一セットを課すことが、車両のパワートレインの作動に対し、少なくとも一の制約を課すことを備える、段落31に従う方法。

37.一以上の所定の制約の第一セットを課すことが、ドライバー要求トルクの増加に対するパワートレインの応答の速度の低下、パワートレイン・トルクの増加の最大許容速度の低下、及び、パワートレイン・トルクの最大許容値の低下の中から選択された少なくとも一つを含む、段落36に従う方法。

38.段落33の方法を実行するべく、車両を制御するためのコンピュータ可読コードを保持するキャリア媒体。

この明細書の発明の詳細な説明及び特許請求の範囲において、「を備える」及び「を含む」との語句並びに、当該語句の、「を備えている」、「を備える」等のバリエーションは、「を含むが、これに限定されるものではない」ことを意味するものであって、他の部分、付加されるもの、コンポーネント、数値ないし工程等を除外することを意図するものではない(また除外するものではない)。

この明細書の発明の詳細な説明及び特許請求の範囲において、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、単数は複数を包含するものとする。特に、不定冠詞が用いられる場合、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、明細書は、単数性のみならず複数性をも考慮しているとして理解されるべきである。

この発明の特定の側面、実施形態もしくは実施例とともに記載された構成、数値、特性、化合物、化学的部分ないし群は、矛盾のない限り、ここに記載された他のどのような側面、実施形態もしくは実施例に適用可能であると理解されるべきである。

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