モータ制御装置

申请号 JP2013247014 申请日 2013-11-29 公开(公告)号 JP5939236B2 公开(公告)日 2016-06-22
申请人 株式会社デンソー; 发明人 吉田 和弘; 山田 純;
摘要
权利要求

車両に搭載された装置(16)の駆動源となるモータ(27)と、前記モータ(27)の通電相を順次切り換えることで該モータ(27)を回転駆動するバイワイヤ制御回路(34)とを備えたモータ制御装置において、 前記モータ(27)の駆動を許可する場合に駆動許可コードを前記バイワイヤ制御回路(34)へ送信する他の制御回路(18)を備え、 前記バイワイヤ制御回路(34)は、各アドレスに対応する通電相アドレスを規定するテーブルXと、各通電相アドレスに対応する通電相を規定すると共に前記モータ(27)を正回転方向又は逆回転方向に回転駆動する順序(以下「正しい順序」という)とは異なる順序(以下「フェールセーフ用の順序」という)で並ぶように前記通電相が配列されているテーブルYとを予め記憶しておき、前記駆動許可コードを受信している場合に、前記駆動許可コードに基づいて前記テーブルXにアクセスするためのアドレスを演算し、前記テーブルXを参照して前記アドレスに対応する通電相アドレスを演算することで前記テーブルYに前記正しい順序でアクセスするための通電相アドレスを演算し、前記テーブルYを参照して前記通電相アドレスに対応する通電相を決定することで前記正しい順序で前記通電相を切り換えることを特徴とするモータ制御装置。前記テーブルYは、前記フェールセーフ用の順序として、該フェールセーフ用の順序で前記通電相が切り換えられた場合に切換前後で各相の通電ONと通電OFFが逆になる切換パターンが複数回連続するように前記通電相が切り換わる順序で並ぶように前記通電相が配列されていることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。前記テーブルYは、前記フェールセーフ用の順序として、該フェールセーフ用の順序で前記通電相が切り換えられた場合に前記モータ(27)が正逆方向に振動するように前記通電相が切り換わる順序で並ぶように前記通電相が配列されていることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。前記テーブルYは、前記フェールセーフ用の順序として、該フェールセーフ用の順序で前記通電相が切り換えられた場合に前記モータ(27)が安全側の一方向に微小に回転するように前記通電相が切り換わる順序で並ぶように前記通電相が配列されていることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。前記テーブルYは、前記フェールセーフ用の順序として、該フェールセーフ用の順序で前記通電相が切り換えられた場合に前記正しい順序の各通電相パターンの間に全相が通電ONとなる通電相パターンを挟んだ切換パターンで前記通電相が切り換わる順序で並ぶように前記通電相が配列されていることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。前記通電相アドレスは、英数字で構成され、 前記テーブルYは、前記通電相アドレスが不連続な順序で並ぶように配列されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のモータ制御装置。前記バイワイヤ制御回路(34)は、前記駆動許可コードと通電相パターン番号とに基づいて四則演算と論理演算のうちの少なくとも一方によって前記アドレスを演算することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のモータ制御装置。前記バイワイヤ制御回路(34)は、前記モータ(27)の駆動条件に応じて前記テーブルXと前記テーブルYのうちの少なくとも一方を切り換えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のモータ制御装置。前記他の制御回路(18)は、前記モータ(27)の駆動条件に応じて前記駆動許可コードを切り換え、 前記バイワイヤ制御回路(34)は、前記駆動許可コードに応じて前記テーブルXと前記テーブルYのうちの少なくとも一方を切り換えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のモータ制御装置。前記他の制御回路(18)は、前記モータ(27)の駆動を禁止する場合に駆動禁止コードを前記バイワイヤ制御回路(34)へ送信し、 前記駆動禁止コードに基づいて演算されるアドレスに対しては全相無通電又は全相通電となるように前記駆動禁止コードと前記テーブルXと前記テーブルYが設定されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のモータ制御装置。

说明书全文

本発明は、車両に搭載された装置の駆動源となるモータの通電相を順次切り換えることでモータを回転駆動するモータ制御装置に関する発明である。

近年、自動車においても、省スペース化、組立性向上、制御性向上等の要求を満たすために、機械的な駆動システムを、モータによって電気的に駆動するバイワイヤシステムに変更する事例が増加する傾向にある。

このようなバイワイヤシステムにおいては、例えば、特許文献1(特開2006−336691号公報)に記載されたものがある。このものは、駆動源となるモータを制御するバイワイヤ制御回路とは別に設けた監視制御回路(例えばエンジン制御回路)によって、所定の監視情報に基づいてバイワイヤシステムを監視する。そして、監視制御回路がバイワイヤシステムの異常を確認した場合に、バイワイヤ制御回路によるモータの制御を禁止する(例えばスイッチ装置をオフしてモータへの通電を禁止する)ようにしている。

特開2006−336691号公報

しかし、上記特許文献1の技術では、監視制御回路が所定の監視情報に基づいて異常を確認した場合にモータの制御を禁止するだけであり、システム異常時(例えばノイズや電源電圧低下等による異常信号の発生時等)の安全性を十分に高めることができない可能性がある。

モータの通電相を順次切り換えることでモータを回転駆動するバイワイヤ制御回路を備えたシステムにおいては、次のようにしてモータの通電相を正しい順序で切り換えるようにしたものがある。各通電相パターン番号に対応する通電相を正しい順序で並べて配列したテーブルを予めバイワイヤ制御回路に記憶しておく。バイワイヤ制御回路は、モータを回転駆動する際に、このテーブルを参照して通電相パターン番号に対応する通電相を決定することで、モータを回転駆動する正しい順序で通電相を切り換える。

このようなシステムでは、万一、RAM化け(RAMの異常によるデータ化け)等により通電相パターン番号が1ずつインクリメントされる異常が発生すると、モータを回転駆動する正しい順序で通電相が切り換えられて、モータが回転駆動されてしまう可能性がある。

そこで、本発明が解決しようとする課題は、モータの通電相を順次切り換えることでモータを回転駆動するシステムにおいて、システム異常時の安全性を向上させることができるモータ制御装置を提供することにある。

上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、車両に搭載された装置(16)の駆動源となるモータ(27)と、このモータ(27)の通電相を順次切り換えることで該モータ(27)を回転駆動するバイワイヤ制御回路(34)とを備えたモータ制御装置において、モータ(27)の駆動を許可する場合に駆動許可コードをバイワイヤ制御回路(34)へ送信する他の制御回路(18)を備え、バイワイヤ制御回路(34)は、各アドレスに対応する通電相アドレスを規定するテーブルXと、各通電相アドレスに対応する通電相を規定すると共にモータ(27)を正回転方向又は逆回転方向に回転駆動する順序(以下「正しい順序」という)とは異なる順序(以下「フェールセーフ用の順序」という)で並ぶように通電相が配列されているテーブルYとを予め記憶しておき、駆動許可コードを受信している場合に、駆動許可コードに基づいてテーブルXにアクセスするためのアドレスを演算し、テーブルXを参照してアドレスに対応する通電相アドレスを演算することでテーブルYに正しい順序でアクセスするための通電相アドレスを演算し、テーブルYを参照して通電相アドレスに対応する通電相を決定することで正しい順序で通電相を切り換えるようにしたものである。

この構成では、他の制御回路がモータの駆動を許可していない場合、つまり、他の制御回路が駆動許可コードをバイワイヤ制御回路へ送信していない場合には、バイワイヤ制御回路は、テーブルXにアクセスするためのアドレスを算出することができない。これにより、バイワイヤ制御回路は、テーブルYにアクセスするための通電相アドレスも算出することができないため、通電相を決定することができず、モータを回転駆動することができない。従って、他の制御回路がモータの駆動を許可していない場合(駆動許可コードを送信していない場合)に、モータが回転駆動される可能性を極めて低くすることができる。

しかも、テーブルYは、通電相が正しい順序とは異なるフェールセーフ用の順序で並ぶように配列され、テーブルXを参照して通電相アドレスを演算することで、テーブルYに正しい順序でアクセスするための通電相アドレスを演算するようになっているため、万一、RAM化け(RAMの異常によるデータ化け)等により通電相アドレスが1ずつインクリメントされる異常が発生しても、テーブルYに正しい順序でアクセスすることを防止できる。これにより、万一、通電相アドレスが1ずつインクリメントされる異常が発生しても、モータを回転駆動する正しい順序で通電相が切り換えられることがなく、モータが通常通りに回転駆動されてしまうことを防止でき、システム異常時の安全性を向上させることができる。

図1は本発明の一実施例における自動変速制御システムの概略構成を示す図である。

図2はレンジ切換装置の斜視図である。

図3は通電相設定機能を概略的に示すブロック図である。

図4はテーブルXの一例を示す図である。

図5はテーブルYの一例(その1)を示す図である。

図6はテーブルYの一例(その2)を示す図である。

図7はテーブルYの一例(その3)を示す図である。

図8はテーブルYの一例(その4)を示す図である。

図9はテーブルYの一例(その5)を示す図である。

図10は駆動禁止用のテーブルXの一例を示す図である。

図11は駆動禁止用のテーブルYの一例(その1)を示す図である。

図12は駆動禁止用のテーブルYの一例(その2)を示す図である。

図13は通電相設定ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。

以下、本発明を実施するための形態を具体化した一実施例を説明する。 まず、図1に基づいて車両の自動変速制御システムの概略構成を説明する。 エンジン11の出軸(クランク軸)に、自動変速機12の入力軸が連結されている。この自動変速機12には、変速歯車機構(図示せず)と油圧制御回路13等が設けられている。変速歯車機構には、変速段(変速比)を切り換えるための複数のクラッチやブレーキ等の摩擦係合要素(図示せず)が設けられている。また、油圧制御回路13には、摩擦係合要素に作用させる油圧を制御する油圧制御弁14や、摩擦係合要素の作動油の油圧回路を切り換えるマニュアル弁17が設けられている。このマニュアル弁17は、レンジセレクタ15の操作に連動してレンジ切換装置16によって駆動される。

エンジン11を制御するエンジンECU18は、アクセル開度(アクセルペダルの操作量)を検出するアクセルセンサ19の出力信号等に基づいて、スロットル装置20のスロットル開度(スロットルバルブの開度)や燃料噴射弁21の燃料噴射量等を制御する。ここで、「ECU」は「電子制御ユニット」を意味する(以下、同様)。

自動変速機12の変速動作を制御するAT−ECU22は、油圧制御回路13の各油圧制御弁14の開閉動作を制御して各摩擦係合要素に供給する油圧を制御することで自動変速機12の変速段を目標変速段に切り換える。

自動変速機12のレンジ切換動作を制御するSBW−ECU23は、レンジセレクタ15で選択されたレンジを検出するセレクタセンサ24の出力信号に基づいてレンジ切換装置16のモータ27を制御することで、運転者のレンジ切換操作に応じてマニュアル弁17の切換動作を制御して自動変速機12のシフトレンジを切り換える。レンジ切換装置16とSBW−ECU23等からシフトバイワイヤシステムが構成されている。

エンジンECU18とAT−ECU22とSBW−ECU23と通知装置25等は、通信ライン26(例えば車内LAN回線等)を介して接続され、CAN通信等により必要な情報を相互に送受信する。

図2に示すように、レンジ切換装置16は、自動変速機12のシフトレンジを、例えば、Pレンジ(パーキングレンジ)とRレンジ(リバースレンジ)とNレンジ(ニュートラルレンジ)とDレンジ(ドライブレンジ)との間で切り換える4ポジション式のレンジ切換装置である。このレンジ切換装置16の駆動源となるモータ27は、例えばスイッチトリラクタンスモータにより構成されている。このモータ27の回転軸が減速機構28(図1参照)を介してマニュアルシャフト29に連結され、このマニュアルシャフト29にディテントレバー30が固定されている。このディテントレバー30には、ディテントレバー30の回転に応じて直線運動するマニュアル弁17(図1参照)が接続され、このマニュアル弁17によって自動変速機12の油圧回路を切り換えることで、シフトレンジを切り換えるようになっている。以上により、自動変速機12のシフトレンジをモータ27の回転度に応じて制御することができるようになっている。

また、ディテントレバー30にはL字形のパーキングロッド38が固定され、このパーキングロッド38の先端部に設けられた円錐体39がロックレバー41に当接している。このロックレバー41は、円錐体39の位置に応じて軸42を中心にして上下動してパーキングギヤ40をロック/ロック解除するようになっている。パーキングギヤ40は、自動変速機12の出力軸に設けられ、このパーキングギヤ40がロックレバー41によってロックされると、車両の駆動輪が回り止めされた状態(パーキング状態)に保持される。

一方、ディテントレバー30をP、R、N、Dの各レンジに保持するためのディテントバネ43が支持ベース37に固定され、ディテントレバー30には、P、R、N、Dの各レンジ保持凹部44が形成されている。ディテントバネ43の先端に設けられた係合部43aがディテントレバー30の各レンジ保持凹部44に嵌まり込んだときに、ディテントレバー30が各レンジの位置に保持されるようになっている。これらディテントレバー30とディテントバネ43とからディテントレバー30の回転位置を各レンジの位置に係合保持する(つまりレンジ切換装置16を各レンジの位置に保持する)ためのディテント機構45(節度機構)が構成されている。

Pレンジでは、パーキングロッド38がロックレバー41に接近する方向に移動して、円錐体39の太い部分がロックレバー41を押し上げてロックレバー41の凸部41aがパーキングギヤ40に嵌まり込んでパーキングギヤ40をロックした状態となり、それによって、自動変速機12の出力軸(駆動輪)がロックされた状態(パーキング状態)に保持される。

一方、Pレンジ以外のレンジでは、パーキングロッド38がロックレバー41から離れる方向に移動して、円錐体39の太い部分がロックレバー41から抜け出てロックレバー41が下降し、それによって、ロックレバー41の凸部41aがパーキングギヤ40から外れてパーキングギヤ40のロックが解除され、自動変速機12の出力軸が回転可能な状態(走行可能な状態)に保持される。

図1に示すように、モータ27には、ロータの回転角(回転位置)を検出するための回転角センサとしてエンコーダ31が設けられている。このエンコーダ31は、例えば磁気式のロータリエンコーダにより構成されており、モータ27のロータの回転に同期して所定角度毎にパルス信号をSBW−ECU23に出力するように構成されている。SBW−ECU23は、エンコーダ31のパルス信号をカウントして、そのカウント値(以下「エンコーダカウント値」という)に応じてモータ27の通電相を所定の順序で切り換えることでモータ27を回転駆動する。上述したように自動変速機12のシフトレンジはモータ27の回転角度に応じて変化するため、エンコーダカウント値は、実際のシフトレンジを間接的に表している。

また、マニュアルシャフト29又はディテントレバー30の回転角(回転位置)を検出する回転角センサ33が設けられている。この回転センサ33は、マニュアルシャフト29又はディテントレバー30の回転角度に応じた電圧を出力するセンサ(例えばポテンショメータ)によって構成され、その出力電圧によって実際のシフトレンジが、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジのいずれであるかを確認できるようになっている。セレクタセンサ24は、運転者がレバー式又はボタン式等のレンジセレクタ15を操作することによって選択したレンジの指令値を検出し、その検出信号(指令レンジ信号)をSBW−ECU23へ出力する。

SBW−ECU23には、レンジ切換装置16の駆動源であるモータ27を電気的に制御するバイワイヤ制御回路34が設けられていると共に、このバイワイヤ制御回路34が正常に動作しているか否かを監視する監視回路35がバイワイヤ制御回路34とは別の回路で設けられている。バイワイヤ制御回路34は、マイクロコンピュータ等で構成され、監視回路35は、IC(例えばASIC)等で構成されている。また、SBW−ECU23とレンジ切換装置16のモータ27との間には、モータ27の駆動を禁止するための駆動禁止装置36が設けられている。

SBW−ECU23は、バイワイヤ制御回路34でモータ27の駆動許可/駆動禁止の判定を行い、モータ27の駆動許可と判定していない場合には、駆動禁止装置36でモータ27の駆動を禁止する。更に、SBW−ECU23は、監視回路35でバイワイヤ制御回路34が正常に動作しているか否かを監視し、バイワイヤ制御回路34が正常に動作していないと判定した場合には、駆動禁止装置36でモータ27の駆動を禁止する。

また、エンジンECU18(他の制御回路)は、モータ27の駆動を許可する場合に駆動許可コードをSBW−ECU23のバイワイヤ制御回路34へ送信し、モータ27の駆動を禁止する場合に駆動禁止コードをSBW−ECU23のバイワイヤ制御回路34へ送信する。駆動許可コードと駆動禁止コードは、冗長化されたコード(例えば「0x5AA5」や「0xF00F」)が用いられ、チェックサム、メッセージカウンタ等で信頼性を保証するようにしている。

一方、SBW−ECU23のバイワイヤ制御回路34は、後述する図13の通電相設定ルーチンを実行することで、駆動許可コードを受信している場合に、モータ27の通電相を順次切り換えてモータ27を回転駆動する。

以下、バイワイヤ制御回路34による通電相の設定方法について説明する。 バイワイヤ制御回路34のROM(図示せず)には、各アドレスに対応する通電相アドレスを規定するテーブルX(図4参照)と、各通電相アドレスに対応する通電相を規定すると共にモータ27を正回転方向又は逆回転方向に回転駆動する順序(以下「正しい順序」という)とは異なる順序(以下「フェールセーフ用の順序」という)で並ぶように通電相が配列されているテーブルY(図5参照)とが予め記憶されている。

図3に示すように、バイワイヤ制御回路34は、駆動許可コード(例えば「0x5AA5」)を受信している場合には、まず、通電相演算部46で、通電相パターンNo.(通電相パターン番号)を演算する。具体的には、モータ27を正回転させる場合には、通電相パターンNo.を1ずつ増加させる(例えば11に到達したら0に戻る)。一方、モータ27を逆回転させる場合には、通電相パターンNo.を1ずつ減少させる(例えば0に到達したら11に戻る)。

この後、アドレス演算部47で、駆動許可コードと通電相パターンNo.とに基づいて四則演算と論理演算の一方又は両方を用いて、テーブルXにアクセスするためのアドレスを演算する。本実施例では、通電相パターンNo.に駆動許可コードと定数とを加算してアドレスを求める。尚、アドレスの演算方法は適宜変更しても良い。 アドレス=通電相パターンNo.+駆動許可コード+定数

この後、通電相アドレス演算部48で、テーブルXを参照して、今回のアドレスに対応する通電相アドレスを演算する。ここで、テーブルX(図4参照)は、通電相アドレスが連続する順序で並ぶようには配列されておらず、通電相アドレスがテーブルYに正しい順序でアクセスできるような順序で並ぶように配列されている。これにより、テーブルXを用いて通電相アドレスを演算することで、テーブルYに正しい順序でアクセスするための通電相アドレスを演算することができる。

この後、通電相決定部49で、テーブルYを参照して、今回の通電相アドレスに対応する通電相を決定する。ここで、テーブルY(図5参照)は、通電相がモータ27を回転駆動する正しい順序で並ぶようには配列されておらず、テーブルXを用いて演算した通電相アドレスの順にアクセスすることで、通電相がモータ27を回転駆動する正しい順序になるように配列されている。

このようにして通電相を決定した後、駆動回路50で、モータ27の通電相を今回の通電相に切り換える。これにより、モータ27を回転駆動する正しい順序で通電相を切り換える。

また、本実施例では、テーブルYは、通電相がモータ27を回転駆動する正しい順序とは異なるフェールセーフ用の順序で並ぶように配列されている。これにより、万一、通電相アドレスが1ずつインクリメントされる異常が発生しても、フェールセーフ用の順序で通電相が切り換えられるため、モータ27の動作がフェールセーフ用の動作となる。

具体的には、図5に示すように、テーブルYは、フェールセーフ用の順序として、該フェールセーフ用の順序で通電相が切り換えられた場合に切換前後で各相の通電ONと通電OFFが逆になる切換パターンが複数回連続するように通電相が切り換わる順序で並ぶように通電相が配列されている。このようにすれば、万一、通電相アドレスが1ずつインクリメントされる異常が発生しても、モータ27にトルクが発生し難くすることができるため、モータ27の動作がフェイタルなモード(例えばシフトレンジを切り換えてしまうモード)に陥るような動作になることを防止できる。

尚、フェールセーフ用の順序は、これに限定されず、適宜変更しても良く、例えば、図6に示すように、テーブルYは、フェールセーフ用の順序として、該フェールセーフ用の順序で通電相が切り換えられた場合にモータ27が正逆方向に振動するように通電相が切り換わる順序で並ぶように通電相が配列されているようにしても良い。このようにすれば、万一、通電相アドレスが1ずつインクリメントされる異常が発生しても、モータ27が正逆方向に振動して一定角度以上回らないようにできるため、モータ27の動作がフェイタルなモードに陥るような動作になることを防止できる。

或は、図7に示すように、テーブルYは、フェールセーフ用の順序として、該フェールセーフ用の順序で通電相が切り換えられた場合にモータ27が安全側の一方向(例えばPレンジ方向)に微小に回転するように通電相が切り換わる順序で並ぶように通電相が配列されているようにしても良い。このようにすれば、万一、通電相アドレスが1ずつインクリメントされる異常が発生しても、モータ27が安全側の一方向に微小に回転するようにできるため、モータ27の動作がフェイタルなモードに陥るような動作になることを防止できる。

また、図8に示すように、テーブルYは、フェールセーフ用の順序として、該フェールセーフ用の順序で通電相が切り換えられた場合に正しい順序の各通電相パターンの間に全相が通電ONとなる通電相パターンを挟んだ切換パターンで通電相が切り換わる順序で並ぶように通電相が配列されているようにしても良い。このようにすれば、万一、通電相アドレスが1ずつインクリメントされる異常が発生しても、モータ27にブレーキが掛かって回り難くすることができるため、モータ27の動作がフェイタルなモードに陥るような動作になることを防止できる。

更に、図9に示すように、テーブルYは、英数字で構成された通電相アドレスが不連続な順序で並ぶように配列されているようにしても良い。図9では、1ビット化けに対して全て排他的な通電相アドレスになっている(つまり1ビットが変化しても他の通電相アドレスと同じにはならないような通電相アドレスになっている)。このようにしても、万一、通電相アドレスが1ずつインクリメントされる異常が発生した場合に、モータ27を回転駆動する正しい順序で通電相が切り換えられることがなく、モータ27の動作がフェイタルなモードに陥るような動作になることを防止できる。

尚、図5乃至図9のテーブルYの通電相の配列を適宜組み合わせても良い。例えば、図9のテーブルYでは、通電相がモータ27を回転駆動する正しい順序で並ぶように配列されているが、通電相が図5乃至図8のいずれかのフェールセーフ用の順序で並ぶように配列されているようにしても良い。

また、本実施例では、バイワイヤ制御回路34のROMに、複数種類のテーブルX及びテーブルYが記憶されている。例えば、1相通電方式で通電相を切り換えるための1相通電方式用のテーブルX及びテーブルYと、2相通電方式で通電相を切り換えるための2相通電方式用のテーブルX及びテーブルYと、1−2相通電方式で通電相を切り換えるための1−2相通電方式用のテーブルX及びテーブルYが記憶されている。

そして、バイワイヤ制御回路34がモータ27の駆動条件(例えばバッテリ電圧等)に応じてテーブルX及びテーブルYを切り換えるようにしている。或は、エンジンECU18がモータ27の駆動条件に応じて駆動許可コードを切り換え、バイワイヤ制御回路34が駆動許可コードに応じてテーブルX及びテーブルYを切り換えるようにしても良い。

更に、本実施例では、駆動禁止コードに基づいて演算されるアドレスに対しては全相無通電又は全相通電となるように駆動禁止コードと駆動禁止用のテーブルX及びテーブルYが設定されている。具体的には、図10に示すように、駆動禁止用のテーブルXは、駆動禁止コード(例えば「0xF00F」)に基づいて演算されるアドレスに対しては、全て駆動禁止用の通電相アドレスとなるように設定されている。更に、図11に示すように、駆動禁止用のテーブルYは、駆動禁止用の通電相アドレスに対しては、全て全相無通電(全相が通電OFFとなる通電相パターン)となるように設定されている。或は、図12に示すように、駆動禁止用のテーブルYは、駆動禁止用の通電相アドレスに対しては、全て全相通電(全相が通電ONとなる通電相パターン)となるように設定されている。

以下、SBW−ECU23のバイワイヤ制御回路34が実行する図13の通電相設定ルーチンの処理内容を説明する。 図13に示す通電相設定ルーチンは、SBW−ECU23の電源オン期間中にバイワイヤ制御回路34により所定周期で繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、駆動許可コードを受信しているか否かを判定する。

このステップ101で、駆動許可コードを受信していない(駆動禁止コードを受信している)と判定された場合には、モータ27の駆動禁止と判断して、ステップ102以降の処理を実行することなく、本ルーチンを終了する。

一方、上記ステップ101で、駆動許可コードを受信している(駆動禁止コードを受信していない)と判定された場合には、モータ27の駆動許可と判断して、ステップ102以降の処理を次のようにして実行する。

まず、ステップ102で、モータ27の駆動条件(例えばバッテリ電圧等)に応じたテーブルX及びテーブルYを、1相通電方式用のテーブルX及びテーブルYと、2相通電方式用のテーブルX及びテーブルYと、1−2相通電方式用のテーブルX及びテーブルYの中から選択する。これにより、モータ27の駆動条件に応じてテーブルX及びテーブルYを切り換える。或は、エンジンECU18がモータ27の駆動条件に応じて駆動許可コードを切り換える場合には、駆動許可コードに応じてテーブルX及びテーブルYを切り換えるようにしても良い。

この後、ステップ103に進み、通電相パターンNo.を演算する。具体的には、モータ27を正回転させる場合には、通電相パターンNo.を1ずつ増加させる。一方、モータ27を逆回転させる場合には、通電相パターンNo.を1ずつ減少させる。

この後、ステップ104に進み、駆動許可コードと通電相パターンNo.と定数とを用いて、テーブルXにアクセスするためのアドレスを次式により演算する。 アドレス=通電相パターンNo.+駆動許可コード+定数

尚、アドレスの演算方法は適宜変更しても良く、駆動許可コードと通電相パターンNo.とに基づいて四則演算と論理演算の一方又は両方を用いてアドレスを演算するようにすれば良い。

この後、ステップ105に進み、テーブルXを参照して、今回のアドレスに対応する通電相アドレスを演算する。これにより、テーブルYに正しい順序でアクセスするための通電相アドレスを演算する。

この後、ステップ106に進み、テーブルYを参照して、今回の通電相アドレスに対応する通電相を決定する。この後、ステップ107に進み、モータ27の通電相を今回の通電相に切り換える。これにより、モータ27を回転駆動する正しい順序で通電相を切り換える。

以上説明した本実施例では、バイワイヤ制御回路34のROMに、各アドレスに対応する通電相アドレスを規定するテーブルXと、各通電相アドレスに対応する通電相を規定すると共に正しい順序とは異なるフェールセーフ用の順序で並ぶように通電相が配列されているテーブルYとを予め記憶しておく。そして、バイワイヤ制御回路34は、駆動許可コードを受信している場合に、駆動許可コードと通電相パターンNo.とに基づいてテーブルXにアクセスするためのアドレスを演算する。この後、テーブルXを参照して、今回のアドレスに対応する通電相アドレスを演算することで、テーブルYに正しい順序でアクセスするための通電相アドレスを演算する。この後、テーブルYを参照して、今回の通電相アドレスに対応する通電相を決定することで、モータ27を回転駆動する正しい順序で通電相を切り換えるようにしている。

このようにすれば、エンジンECU18がモータ27の駆動を許可していない場合、つまり、エンジンECU18が駆動許可コードをバイワイヤ制御回路34へ送信していない場合には、バイワイヤ制御回路34は、テーブルXにアクセスするためのアドレスを算出することができない。これにより、バイワイヤ制御回路34は、テーブルYにアクセスするための通電相アドレスも算出することができないため、通電相を決定することができず、モータ27を回転駆動することができない。従って、エンジンECU18がモータ27の駆動を許可していない場合(駆動許可コードを送信していない場合)に、モータ27が回転駆動される可能性を極めて低くすることができる。

しかも、テーブルXを参照して通電相アドレスを演算することで、テーブルYに正しい順序でアクセスするための通電相アドレスを演算するようになっているため、万一、RAM化け(RAMの異常によるデータ化け)等により通電相アドレスが1ずつインクリメントされる異常が発生しても、テーブルYに正しい順序でアクセスすることを防止できる。これにより、万一、通電相アドレスが1ずつインクリメントされる異常が発生しても、モータ27を回転駆動する正しい順序で通電相が切り換えられることがなく、モータ27が通常通りに回転駆動されてしまうことを防止でき、システム異常時の安全性を向上させることができる。

また、本実施例では、テーブルYは、通電相がモータ27を回転駆動する正しい順序とは異なるフェールセーフ用の順序で並ぶように配列されているようにしている。このようにすれば、万一、通電相アドレスが1ずつインクリメントされる異常が発生しても、フェールセーフ用の順序で通電相が切り換えられるため、モータ27の動作がフェールセーフ用の動作となる。これにより、モータ27の動作がフェイタルなモード(例えばシフトレンジを切り換えてしまうモード)に陥るような動作になることを防止できる。

更に、本実施例では、バイワイヤ制御回路34が駆動許可コードと通電相パターンNo.とに基づいて四則演算や論理演算によってアドレスを演算するようにしている。このようにすれば、システム異常時に偶然に正しいアドレスが演算されてしまう確率を低くすることができ、フラグのように「0」か「1」かをロジック判定する場合と比較して、信頼性を向上させることができる。

また、本実施例では、バイワイヤ制御回路34のROMに、複数種類のテーブルX及びテーブルYを記憶しておき、バイワイヤ制御回路34がモータ27の駆動条件(例えばバッテリ電圧等)に応じてテーブルX及びテーブルYを切り換えるようにしている。或は、エンジンECU18がモータ27の駆動条件に応じて駆動許可コードを切り換え、バイワイヤ制御回路34が駆動許可コードに応じてテーブルX及びテーブルYを切り換えるようにしている。このようにすれば、モータの駆動条件(例えばバッテリ電圧等)に応じてテーブルXやテーブルYを切り換えて、モータの通電方式(例えば、1相通電方式、2相通電方式、1−2相通電方式等)を切り換えることが可能となる。

更に、本実施例では、駆動禁止コードに基づいて演算されるアドレスに対しては全相無通電又は全相通電となるように駆動禁止コードとテーブルX及びテーブルYが設定されている。このようにすれば、エンジンECU18がモータ27の駆動を禁止している場合(駆動禁止コードを送信している場合)に、万一、バイワイヤ制御回路34が駆動禁止コードに基づいてアドレスを演算する異常が発生して、そのアドレスに基づいて通電相アドレスを演算して通電相を決定したとしても、モータ27が全相無通電又は全相通電に維持されるため、モータ27が回転駆動されてしまうことを防止できる。

尚、上記実施例では、テーブルYは、通電相がモータ27を回転駆動する正しい順序とは異なるフェールセーフ用の順序で並ぶように配列されているようにしたが、これに限定されず、通電相がランダムに配列されているようにしても良い。

また、上記実施例では、モータ27の駆動条件又は駆動許可コードに応じてテーブルXとテーブルYを両方とも切り換えるようにしたが、これに限定されず、モータ27の駆動条件又は駆動許可コードに応じてテーブルXとテーブルYのうちの一方のみを切り換えて、モータ27の通電方式を切り換えるようにしても良い。

また、上記実施例では、エンジンECU18が駆動許可コードや駆動禁止コードをバイワイヤ制御回路34へ送信するようにしたが、これに限定されず、バイワイヤ制御回路34以外の他の制御回路(例えばAT−ECU22等)が駆動許可コードや駆動禁止コードをバイワイヤ制御回路34へ送信するようにしても良い。

また、上記実施例では、レンジ切換装置を電気的に制御するシフトバイワイヤシステムに本発明を適用したが、これに限定されず、駆動源となるモータの通電相を順次切り換えることでモータを回転駆動するシステムであれば、本発明を適用しても良い。例えば、スロットルバイワイヤシステム、ステアバイワイヤシステム、ブレーキバイワイヤシステム(メインブレーキバイワイヤシステムやパーキングブレーキバイワイヤシステム)等に本発明を適用しても良い。

16…レンジ切換装置、18…エンジンECU(他の制御回路)、23…SBW−ECU、27…モータ、34…バイワイヤ制御回路

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