車両制御装置

申请号 JP2015100287 申请日 2015-05-15 公开(公告)号 JP6235528B2 公开(公告)日 2017-11-22
申请人 トヨタ自動車株式会社; 株式会社豊田中央研究所; 国立大学法人 東京大学; 国立大学法人東京農工大学; 发明人 井上 秀雄; 美尾 昌宏; 大桑 政幸; 清水 司; 鎌田 実; 伊藤 太久磨; ラクシンチャラーンサク ポンサトーン; 永井 正夫;
摘要
权利要求

地図情報に基づいて現在地から目的地までの経路に沿って走行するように車両を制御する車両制御装置であって、 前記車両に搭載され、前記地図情報に関連付けられた前記車両の操変更ポイント及び前記車両の車速目標ポイントを記憶するポイント情報記憶部と、 前記車両の位置を検出する位置検出部と、 前記車両の進行方向を検出する進行方向検出部と、 前記地図情報、前記車両の位置、及び前記車両の進行方向に基づいて、前記車両が前記経路を構成する車線に進入した車線進入位置から前記車線上を前記車両が進行した距離である車線進行距離を算出する車線進行距離算出部と、 前記地図情報、前記操舵変更ポイント、前記車速目標ポイント、前記車両の位置、及び前記車両の進行方向に基づいて、前記車線の長さ方向の区切り毎に、前記車線進行距離に応じた前記車両の目標位置、前記車両の目標向き、前記車両の目標車速を含む車線走行マップデータを生成するデータ生成部と、 前記車両の位置、前記車両の前記車線進行距離、及び前記車線走行マップデータに基づいて、前記車両を制御する車両制御部と、 を備え、 前記車線走行マップデータは、前記経路に沿って前記車両の目標位置と前記車両の目標向きが関連付けられた地点であるウェイポイントを含み、前記ウェイポイントにはカーブフラグが設定され、 前記車両制御部は、前記車両の前方で前記車両に最も近い前記ウェイポイントの前記カーブフラグと、一つ前の前記操舵変更ポイントを通過した後に白線認識を行ったか否かの判定結果と、一つ前の前記操舵変更ポイントと次の前記操舵変更ポイントの前記車線進行距離の差分が差分閾値以上であるか否かの判定結果と、に基づいて、加速目標車速を設定し、前記加速目標車速に基づいて前記車両を制御する、車両制御装置。前記車線に対して位置が固定されたランドマークターゲットに関するターゲット情報を前記地図情報に関連付けて記憶するターゲット記憶部と、 前記車両の前方又は後方のランドマークターゲットを検出するターゲット検出部と、 前記ターゲット検出部の検出結果に基づいて、前記車両から前記ランドマークターゲットまでの距離を検出するターゲット距離検出部と、 前記ターゲット距離検出部の検出した前記車両から前記ランドマークターゲットまでの距離に基づいて、前記車両の位置を補正する位置補正部と、 を更に備える、請求項1に記載の車両制御装置。前記位置補正部は、前記ターゲット距離検出部の検出した前記車両から前記ランドマークターゲットまでの距離に基づいて、前記車両の前記車線進行距離を補正する、請求項2に記載の車両制御装置。

说明书全文

本発明は、車両制御装置に関する。

従来、車両を自動で走行させる車両制御装置に関して、RTK−GPS[Real Time Kinematic−Global PositioningSystem]を用いた自動運転の技術が知られている(非特許文献1参照)。非特許文献1に記載の技術では、一定距離毎(例えば15cm毎)に車両の目標位置を設定した目標軌道データに基づき、RTK−GPSから得られた車両の位置情報を用いて車両を自動で走行させている。

大前 学、橋本 尚久、清 浩、藤岡 健彦 著、「駐車場を有する構内における自動車の自動運転の運動制御に関する研究」、自動車技術会論文集、Vol.35、p.235-240(2004)

しかしながら、前述した技術を用いて、車両が現在地から目的地までの一般的な経路を走行するためには、膨大な量の目標軌道データを予め用意する必要がある。また、非特許文献1では、車速を一定に維持しているが、実際に車両が経路を走行するためには、一定距離毎の目標車速のデータも予め用意する必要がある。このような膨大な量のデータは、車両のデータベースに記憶させることが困難である。一方、車両が高速通信を利用して施設のコンピュータから自動運転に係るデータを動的に取得しようとすると、膨大な通信量となり通信回線を圧迫する。特に、地方においては通信設備の充実も問題となる。

このため、本技術分野では、少ないデータ量で、現在地から目的地までの経路に沿って走行するように車両を制御することができる車両制御装置を提供することが望まれている。

上記課題を解決するため、本発明の一態様は、地図情報に基づいて現在地から目的地に向かう経路に沿って走行するように車両を制御する車両制御装置であって、車両に搭載され、地図情報に関連付けられた車両の操変更ポイント及び車両の車速目標ポイントを記憶するポイント情報記憶部と、車両の位置を検出する位置検出部と、車両の進行方向を検出する進行方向検出部と、地図情報、車両の位置、及び車両の進行方向に基づいて、車両が経路を構成する車線に進入した車線進入位置から車線上を車両が進行した距離である車線進行距離を算出する車線進行距離算出部と、車両に搭載され、地図情報、操舵変更ポイント、車速目標ポイント、車両の位置、及び車両の進行方向に基づいて、車線の長さ方向の区切り毎に、車線進行距離に応じた車両の目標位置、車両の目標向き、車両の目標車速を含む車線走行マップデータを生成するデータ生成部と、車両の位置、車両の車線進行距離、及び車線走行マップデータに基づいて、車両を制御する車両制御部と、を備え、車線走行マップデータは、経路に沿って車両の目標位置と車両の目標向きが関連付けられた地点であるウェイポイントを含み、ウェイポイントにはカーブフラグが設定され、車両制御部は、車両の前方で車両に最も近いウェイポイントのカーブフラグと、一つ前の操舵変更ポイントを通過した後に白線認識を行ったか否かの判定結果と、一つ前の操舵変更ポイントと次の操舵変更ポイントの車線進行距離の差分が差分閾値以上であるか否かの判定結果と、に基づいて、加速目標車速を設定し、加速目標車速に基づいて車両を制御する。

本発明の一態様に係る車両制御装置では、地図情報に関連付けられたカーブ等の操舵変更ポイント及び一時停止線等の車速目標ポイントから、経路に沿った車両の走行に用いる車線走行マップデータを生成するので、一定距離毎の車両の目標位置及び目標車速からなる膨大なデータを地図情報に関連付けて常に記憶しておく必要がなく、車両のポイント情報記憶部に記憶した少ないデータ量で現在地から目的地までの経路に沿って走行するように車両を制御することができる。また、この車両制御装置によれば、車線毎に車線走行マップデータを生成するので、車線走行マップデータ間の連続性を確保することが容易である。

上記車両制御装置において、車線に対して位置が固定されたランドマークターゲットに関するターゲット情報を地図情報に関連付けて記憶するターゲット記憶部と、車両の前方又は後方のランドマークターゲットを検出するターゲット検出部と、ターゲット検出部の検出結果に基づいて、車両からランドマークターゲットまでの距離を検出するターゲット距離検出部と、ターゲット距離検出部の検出した車両からランドマークターゲットまでの距離に基づいて、車両の位置を補正する位置補正部とを更に備えてもよい。 この車両制御装置によれば、車線に対して位置が固定されたランドマークターゲットを用いて車両の位置を補正することができるので、車両の位置精度を向上させることができる。従って、この車両制御装置によれば、高精度な車両の位置情報を用いて車両の走行を精度良く制御することができる。

上記位置補正部は、ターゲット距離検出部の検出した車両からランドマークターゲットまでの距離に基づいて、車両の車線進行距離を補正してもよい。 この車両制御装置によれば、車線に対して位置が固定されたランドマークターゲットを用いて車両の車線進行距離を補正することができるので、車両の車線進行距離の精度を向上させることができる。従って、この車両制御装置によれば、高精度な車両の車線進行距離を用いて車両の走行を精度良く制御することができる。

以上説明したように、本発明の一態様に係る車両制御装置によれば、少ないデータ量で、現在地から目的地までの経路に沿って走行するように車両を制御することができる。

本実施形態に係る車両制御装置を示すブロック図である。

(a)車両が経路に沿って走行するように制御された状況を示す平面図である。(b)車両が次の車線に進入した状況を示す平面図である。

車両制御装置のウェイポイントマップ更新処理を示すフローチャートである。

車両制御装置のランドマークマップ更新処理を示すフローチャートである。

車両制御装置のコントロールターゲットマップ更新処理を示すフローチャートである。

車両制御装置の車線進行距離算出処理を示すフローチャートである。

車両制御装置のランドマークマップを用いた位置補正処理を示すフローチャートである。

車両制御装置のウェイポイントマップを用いた操舵制御を示すフローチャートである。

車両制御装置のウェイポイントマップを用いた車速制御を示すフローチャートである。

車両制御装置のコントロールターゲットマップを用いた車速制御を示すフローチャートである。

以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1に示す本実施形態に係る車両制御装置1は、乗用車等の車両Mに搭載され、車両Mの走行を制御する。車両制御装置1は、地図情報に基づいて、車両Mの現在地から目的地までの経路に沿って走行するように車両Mを制御する。

地図情報には、例えば、道路の車線毎の位置情報、道路形状の情報(例えばカーブ形状及び直線形状等の種別、道路の曲率)、道路の車線数の情報、道路の法定最低速度の情報、及び道路の法定最高速度の情報が含まれる。また、地図情報には、一時停止線の位置の情報、交差点の位置の情報等が含まれる。

目的地は、図示しない入装置を用いて運転者が手動で設定した目的地であってもよく、車両Mに搭載されたナビゲーションシステムが自動的に提案した目的地であってもよい。ナビゲーションシステムは、例えば、周知の手法により、車両Mの現在地と運転者の走行履歴から車両が駐車する頻度の高い地点を目的地として自動的に提案(設定)する。本実施形態においては、例えば、後述する地図関連情報提供部6がナビゲーションシステムとして機能してもよい。

経路は、車両Mが現在地から目的地に至るために走行する道路(車線)から構成される。経路は、運転者が手動で設定してもよく、現在地と目的地から車両制御装置1(例えば地図関連情報提供部6)が自動で提案(設定)してもよい。経路の設定については、周知の手法を採用することができる。経路は、車線を区別して設定される。

車両制御装置1は、例えば、自動運転により車両Mを現在地から目的地まで走行させることができる。自動運転とは、運転者が運転操作を行うことなく、経路に沿って自動で車両Mを走行させる運転状態である。

車両制御装置1は、地図情報と関連付けられた操舵変更ポイントと車速目標ポイントを記憶している。操舵変更ポイントとは、車線上で車両Mの操舵変更が設定される箇所である。具体的に、操舵変更ポイントには、カーブ及び交差点が含まれる。カーブは、例えば、車線のうち曲率が一定値以上の箇所(区間)である。交差点は、十字路又はT字路に関わらず、少なくとも二つの道路が交差する箇所(区間)である。操舵変更ポイントは、例えば、カーブの長さに関わらず、一箇所のカーブに対して一つ設定されている。同様に、操舵変更ポイントは、例えば、一箇所の交差点に対して一つ設定されている。

ここで、車線とは、道路上の白線によって道路幅方向に区分けされた帯状の範囲であり、車両Mが走行する走行ラインである。本実施形態における車線は、長さ方向において、例えば交差点毎に区切られている。経路に沿って走行する車両Mが車線に進入する位置を車線進入位置とする。車線進入位置は例えば交差点である。この車線進入位置から車両Mが当該車線を進行する距離を車線進行距離とする。言い換えると、車線進行距離は、車線上における車線進入位置からの距離である。操舵変更ポイントは、車線進行距離により車線上における車線の長さ方向の位置が規定される。操舵変更ポイントは、例えば、車線幅方向において車線中央に位置している。操舵変更ポイントは、例えば、ある車線において、車線進行距離が100.0mの箇所に位置するカーブ、車線進行距離が150.0mの箇所に位置する交差点として位置が記憶されている。

車速目標ポイントとは、車線上で車両Mの目標車速が設定された箇所である。具体的に、車速目標ポイントには、一時停止線が含まれる。一時停止線の目標車速は0km/hである。車速目標ポイントには、横断歩道を含めてもよく、急な下り坂を含めてもよい。急な下り坂とは、下りの道路勾配が所定の閾値以上の箇所である。横断歩道の目標車速は例えば徐行速度(10km/h以下の速度等)である。急な下り坂の目標車速は、例えば30km/hである。車速目標ポイントは、目標車速の情報と位置情報を有している。車速目標ポイントは、操舵変更ポイントと同様に、車線進行距離を用いて車線上における車線の長さ方向の位置が規定される。車速目標ポイントは、例えば、ある車線において、車線進行距離が125.0mの箇所に位置するカーブ、車線進行距離が175.0mの箇所に位置する交差点として車線上の位置が記憶されている。

ここで、図2(a)は、車両Mが経路に沿って走行するように制御された状況を示す平面図である。図2(a)に、車両Mの走行する経路R、経路Rを構成する車線P1,P2、車線P1と車線P2を接続するT字路の交差点T、交差点Tを介して車線P1,P2と接続する車線P3、車線P1上で交差点Tの手前に位置する一時停止線L、車線P2を構成するカーブC、車線P2上に白線で描かれた横断歩道Crを示す。交差点Tは、車線P1の一部である。図2(a)において、車両Mは、車線P1を直進して一時停止線Lで一時停止した後、交差点Tを左折して車線P2に進入する。その後、車両Mは、車線P2を進んでカーブCを曲がり、横断歩道Crを超えて進行する。

図2(a)に示す状況において、車両制御装置1は、交差点T及びカーブCを操舵変更ポイントとして記憶している。ここで、図2(a)に示す車両Mの現在の位置を車線P1の車線進入位置とする。この場合において、車両制御装置1は、例えば、車線P1で車線進行距離が100.0mの箇所に位置する交差点Tとして記憶している。操舵変更ポイントとしての交差点Tには、操舵変更に関する情報も含まれる。操舵変更に関する情報は、例えば、左折の曲率半径r及び度α(左折時の軌跡が描く円弧の始点から終点までの角度)である。ここで、交差点Tにおける左折の曲率半径rを5.5m、角度αを90°とする。車線進行距離をoffsetとして表記すると、交差点Tの情報は、(左曲がり右曲がりの区別,offset,r,α):(左曲がり,100.0,5.5,90)として表すことができる。車両制御装置1は、例えば、操舵変更ポイントとしての交差点Tの情報を(左曲がり,100.0,5.5,90)の形で車線P1に関連付けて記憶している。なお、車両制御装置1は、経路Rが交差点Tを直進する場合には、交差点Tを操舵変更ポイントとして用いない。

図2(b)は、車両Mが次の車線P2に進入した状況を示す平面図である。図2(b)に示す車両Mの位置が車線P2における車線進入位置となる。車両制御装置1は、例えば、車線P2で車線進行距離が50.0mの箇所に位置するカーブCを記憶している。カーブCは右曲がりのカーブである。カーブCの曲率半径rを5.0m及び角度αを90°とすると、カーブCの情報は(左曲がり右曲がりの区別,offset,r,α)=(右曲がり,50.0,5.0,90)として表すことができる。車両制御装置1は、例えば、操舵変更ポイントとしてのカーブCの情報を(右曲がり,50.0,5.0,90)の形で車線P2に関連付けて記憶している。

また、図2(a)において、車両制御装置1は、車速目標ポイントとして一時停止線L及び横断歩道Crを記憶している。車両制御装置1は、例えば、車線P1で車線進行距離が99.5mの箇所に位置する一時停止線Lとして記憶している。一時停止線Lの目標車速は0km/hであるため、一時停止線Lの情報は(offset,目標車速)=(99.5,0)として表すことができる。車両制御装置1は、例えば、車速目標ポイントとしての一時停止線Lの情報を(99.5,0)の形で車線P1に関連付けて記憶する。

同様に、車両制御装置1は、例えば、車線P2で車線進行距離が110.0mの箇所に位置する横断歩道Crとして記憶している。横断歩道Crの目標車速を例えば10km/hとすると、横断歩道Crの情報は(offset,目標車速)=(110.0,10)として表すことができる。車両制御装置1は、例えば、車速目標ポイントとしての横断歩道Crの情報を(110.0,10)の形で車線P2に関連付けて記憶する。

車両制御装置1は、車両Mが走行すべき経路が設定された場合、地図情報、操舵変更ポイント、及び車速目標ポイントに基づいて、車両Mの走行に用いる車線走行マップデータを生成する。車線走行マップデータは、経路に沿って走行する車両Mの目標位置の情報、目標向きの情報、及び目標車速の情報を含んでいる。車線走行マップデータは、車線毎に生成される。車線走行マップデータは、車線進入位置から車両Mが当該車線を進行する距離である車線進行距離を基準として生成されている。

車線走行マップデータには、例えば、ウェイポイントマップ、ランドマークマップ、及びコントロールターゲットマップが含まれる。ウェイポイントマップは、経路に沿って走行する車両Mの目標位置及び目標向きに関するデータ配列である。ウェイポイントマップは、経路に沿って一定距離毎(例えば2cm毎)に目標位置及び目標向きを設定する。地図情報上において目標位置及び目標向きが関連付けられた地点をウェイポイントと呼ぶ。ウェイポイントマップは、車線毎の車線進行距離を基準として、一定距離毎にウェイポイントが設定されたデータ配列となる。

ウェイポイントマップの目標位置には、車線進行距離の他、地図上におけるxy座標系を用いた位置情報も含まれる。xy座標系は、例えば、車線毎の車線進入位置を基準(原点)とすることができる。この場合、x方向は車線進入位置における車両Mの進行方向となる。y方向は車線進入位置における車両Mの幅方向となる。車線が直線形状の場合には、x座標と車線進行距離は一致する。車線がカーブする場合、x座標と車線進行距離は一致しない。目標位置には、(offset,x,y)が含まれる。また、ウェイポイントマップの目標向きも、車線進入位置における車両Mの進行方向を基準とした角度θとして表される。

また、ウェイポイントマップには、例えば、車両Mがカーブの手前又はカーブ内に位置することを認識するためのフラグであるカーブフラグの情報が含まれている。カーブフラグは、ウェイポイント毎に設定されている。この場合のカーブには、経路上で右左折が必要となる交差点も含まれる。カーブフラグは、例えば、カーブの5m手前からカーブの通過までは1となり、それ以外では0となる。車両制御装置1は、操舵変更ポイントに基づいて、カーブフラグを含むウェイポイントマップを生成する。なお、カーブフラグは必ずしもウェイポイントマップに設定する必要はない。

車両制御装置1は、経路を構成する車線のうち操舵変更ポイント以外は直線形状であると仮定して、ウェイポイントマップを生成する。すなわち、ウェイポイントマップは、操舵変更ポイント以外の箇所においては、車線に沿って直線状に連なるウェイポイントから構成される。

車両制御装置1は、操舵変更ポイントにおいて車両Mが操舵変更(カーブ、右左折等)を行うウェイポイントマップを生成する。具体的に、車両制御装置1は、例えば、操舵変更ポイントであるカーブCの曲率半径rを用いて、曲率半径rの円弧状の軌跡を演算する。また、車両制御装置1は、操舵変更ポイントであるカーブCの角度αから、円弧状の軌跡の終点を決定する。なお、カーブCの始点は、例えば、カーブCの位置情報(車線進行距離)から決まる。車両制御装置1は、例えば、演算した円弧状の軌跡に沿って車両Mを走行させる目標位置及び目標向きのデータ配列を含むウェイポイントマップを生成する。

車両制御装置1は、車両Mの経路、車両Mの現在地、及び操舵変更ポイントを用いて、車両Mの走行中にウェイポイントマップの動的な生成を行う。車両制御装置1は、例えば、車両Mの経路上で現在地から三つ先の操舵変更ポイントまでのウェイポイントマップを生成する。車両制御装置1は、例えば、車両Mが操舵変更ポイントを通過すると、更に現在地から三つ先の操舵変更ポイントまでのウェイポイントマップを新たに生成して、ウェイポイントマップの更新を行う。なお、車両制御装置1は、操舵変更ポイントの通過ではなく、車線上の車両Mの進行距離(例えば200.0m)毎にウェイポイントマップの更新を行ってもよい。

ランドマークマップは、車両Mの位置補正に用いるランドマークターゲットに関するデータ配列である。ランドマークターゲットとは、車線に対して位置が固定された検出対象である。ランドマークターゲットには、例えば、車線上に白線で描かれた一時停止線L、横断歩道Cr、文字又は数字、ダイヤマークその他の道路標示が含まれる。また、ランドマークターゲットには、ガードレール等の道路脇の構造物が含まれる。車両制御装置1は、例えば、カメラによりランドマークターゲットを検出した場合、ランドマークターゲットと車両Mとの距離に基づき、地図情報上におけるランドマークターゲットの位置を基準として車両Mの位置を補正する。なお、車両制御装置1は、必ずしも位置補正を行う必要はなく、ランドマークマップは必須ではない。

コントロールターゲットマップは、経路に沿って走行する車両Mの目標車速に関するデータ配列である。コントロールターゲットマップは、例えば、車線毎の車速目標ポイントを車線進行距離に応じて並べたデータ配列である。車両制御装置1は、例えば、車線毎の車速目標ポイントの車線進行距離に基づいて、経路上で車両Mの現在地から三つ先の操舵変更ポイントまでの間に含まれる車速目標ポイントを順に並べることでコントロールターゲットマップを生成する。

車両制御装置1は、生成した車線走行マップデータに基づいて、車両Mを制御することで経路に沿った車両Mの走行を実現する。車両制御装置1は、ウェイポイントマップに基づいて、車両Mの操舵を制御する。車両制御装置1は、ウェイポイントマップ及びコントロールターゲットマップに基づいて、車両Mの車速を制御する。

〈車両制御装置の構成〉 以下、本実施形態に係る車両制御装置1の構成について図面を参照して説明する。図1に示すように、車両制御装置1は、装置を統括的に制御するECU[Electronic Control Unit]2を備えている。ECU2は、CPU[CentralProcessing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]等からなる電子制御ユニットである。ECU2は、複数の電子制御ユニットから構成されていてもよい。ECU2は、外部センサ3、内部センサ4、GPS受信部5、地図関連情報提供部6、及びアクチュエータ7と接続されている。

外部センサ3は、車両Mの周辺情報である外部状況を検出する車載の検出機器である。外部センサ3は、カメラ8及びレーダー[Radar]9を含んでいる。

カメラ8は、例えば、車両Mのフロントガラスの裏側及び車両Mの後面に設けられている。カメラ8は、車両Mの前方及び後方に関する撮像情報をECU2へ送信する。カメラ8は、単眼カメラであってもよく、ステレオカメラであってもよい。ステレオカメラは、両眼視差を再現するように配置された二つの撮像部を有している。ステレオカメラの撮像情報には、視差情報(距離情報)も含まれている。

レーダー9は、電波(例えばミリ波)を利用して車両Mの外部の障害物を検出する。レーダーは、電波を車両Mの周囲に送信し、障害物(他車両、歩行者、自転車、構造物等)で反射された電波を受信することで障害物を検出する。レーダー9は、検出した障害物情報をECU2へ送信する。なお、レーダー9に代えて、光を利用するライダー[LIDAR:Light Detection And Ranging]を用いてもよい。また、カメラ8及びレーダー9は、必ずしも両方備える必要はなく、一方のみであってもよい。

内部センサ4は、車両Mの走行状態を検出する検出機器である。内部センサ4は、車速センサを含む。車速センサは、車両Mの速度を検出する検出器である。車速センサとしては、例えば、車両Mの車輪又は車輪と一体に回転するドライブシャフト等に対して設けられ、車輪の回転速度を検出する車輪速センサが用いられる。車速センサは、検出した車速情報をECU2に送信する。

内部センサ4は、加速度センサ及びヨーレートセンサを含む。加速度センサは、車両Mの加速度を検出する検出器である。加速度センサは、例えば、車両Mの前後方向の加速度を検出する前後加速度センサと、車両Mの横加速度を検出する横加速度センサとを含んでいる。加速度センサは、例えば、車両Mの加速度情報をECU2に送信する。ヨーレートセンサは、車両Mの重心の鉛直軸周りのヨーレート(回転角速度)を検出する検出器である。ヨーレートセンサとしては、例えばジャイロセンサを用いることができる。ヨーレートセンサは、検出した車両Mのヨーレート情報をECU2へ送信する。

GPS受信部5は、3個以上のGPS衛星から信号を受信することにより、車両Mの位置(例えば車両Mの緯度及び経度)を測定する。GPS受信部5には、例えば、RTK−GPS[RealTime Kinematic−Global Positioning System]の技術を採用することができる。これにより、GPS受信部5による車両Mの位置の測定精度を高めることができる。GPS受信部5は、測定した車両Mの位置情報をECU2へ送信する。

地図関連情報提供部6は、車両Mに搭載されている情報提供システムである。地図関連情報提供部6は、ECU2からの要求により、地図情報、操舵変更ポイント、車速目標ポイントに関するデータをECU2に送信する。地図関連情報提供部6は、地図情報記憶部10、ポイント情報記憶部11、及びターゲット記憶部12を有している。

地図情報記憶部10は、地図情報を記憶するデータベースである。地図情報記憶部10は、車両に搭載された記憶媒体(例えばHDD[Hard Disk Drive])内に構成されている。ポイント情報記憶部11は、地図情報に関連付けられた操舵変更ポイント及び車速目標ポイントを記憶するデータベースである。ポイント情報記憶部11は、地図情報記憶部10と同じ記憶媒体内に構成されていてもよく、異なる記憶媒体内に構成されていてもよい。

ターゲット記憶部12は、ランドマークターゲットに関するターゲット情報を記憶するデータベースである。ターゲット情報には、ランドマークターゲットの位置情報(例えば車線に応じた車線進行距離の情報)、ランドマークターゲットの検出特徴情報が含まれる。ランドマークターゲットの検出特徴情報とは、カメラ8又はレーダー9によるランドマークターゲットの検出に用いられる情報である。検出特徴情報には、例えば、カメラ8による検出で用いられる形状情報、レーダー9による検出で用いられる反射特性情報等がある。その他、検出特徴情報には、周知の情報を採用できる。ターゲット記憶部12も地図情報記憶部10と同じ記憶媒体内に構成されていてもよく、異なる記憶媒体内に構成されていてもよい。なお、地図関連情報提供部6は、位置補正を行わない場合、ターゲット記憶部12を有する必要はない。

地図関連情報提供部6は、外部の情報管理センター等の施設のコンピュータと無線通信を行う機能を有していてもよい。この場合、地図関連情報提供部6は、必要に応じて無線通信を行うことにより、地図情報、操舵変更ポイント、及び車速目標ポイントを更新することができる。

アクチュエータ7は、車両Mの走行を制御する装置である。アクチュエータ7は、スロットルアクチュエータ、ブレーキアクチュエータ、及び操舵アクチュエータを少なくとも含む。スロットルアクチュエータは、ECU2からの制御信号に応じてエンジンに対する空気の供給量(スロットル開度)を制御し、車両Mの駆動力を制御する。なお、車両Mがハイブリッド車又は電気自動車である場合には、スロットルアクチュエータを含まず、動力源としてのモータにECU2からの制御信号が入力されて当該駆動力が制御される。

ブレーキアクチュエータは、ECU2からの制御信号に応じてブレーキシステムを制御し、車両Mの車輪へ付与する制動力を制御する。ブレーキシステムとしては、例えば、液圧ブレーキシステムを用いることができる。操舵アクチュエータは、電動パワーステアリングシステムのうち操舵トルクを制御するアシストモータの駆動を、ECU2からの制御信号に応じて制御する。これにより、操舵アクチュエータは、車両Mの操舵トルクを制御する。

次に、ECU2の機能的構成について説明を行う。なお、ECU2の機能の一部は、車両Mと通信可能な情報管理センター等の施設のコンピュータで実行されてもよく、車両Mと通信可能な携帯情報端末で実行されてもよい。車室内に持ち込まれた携帯情報端末は、車両に搭載された機器に相当する。ECU2は、位置検出部20、ターゲット検出部21、ターゲット距離検出部22、位置補正部23、進行方向検出部24、車線進行距離算出部25、データ生成部26、前方注視点算出部27、及び車両制御部28を有している。

位置検出部20は、車両Mの位置(xy座標)を検出する。位置検出部20は、例えば、GPS受信部5の測定した車両Mの位置情報に基づいて、周知の手法により、車線に応じた車両Mの位置を検出する。位置検出部20は、車両Mの車速センサの車速情報に基づいて、車両Mの位置検出(例えば車線進行距離の検出)を行ってもよい。また、位置検出部20は、カメラ8の撮像情報に基づいて、車両Mの走行する白線を認識することにより、車両Mの横位置(車線の幅方向における位置)を検出してもよい。更に、位置検出部20は、走行中の車両Mに最も近いウェイポイントを利用して、周知の手法により、車両Mの位置を補正してもよい。

ターゲット検出部21は、外部センサ3の検出結果と地図関連情報提供部6のターゲット情報に基づいて、車両Mの前後のランドマークターゲットを検出する。言い換えると、ターゲット検出部21は、ターゲット記憶部12のターゲット情報を参照して、カメラ8の撮像情報又はレーダー9の障害物情報から、ランドマークターゲットを検出する。

ターゲット距離検出部22は、ターゲット検出部21がランドマークターゲットを検出した場合、ランドマークターゲットと車両Mとの距離を検出する。ターゲット距離検出部22は、例えば、レーダー9の障害物情報に基づいて、ランドマークターゲットと車両Mとの距離を検出する。ターゲット距離検出部22は、例えば、カメラ8がステレオカメラである場合には、ステレオカメラの撮像画像における視差情報(奥行距離情報)に基づいて、ランドマークターゲットと車両Mとの距離を検出してもよい。

位置補正部23は、ターゲット距離検出部22がランドマークターゲットと車両Mとの距離を検出した場合、ランドマークターゲットと車両Mとの距離に基づいて、位置検出部20の検出した車両Mの位置を補正する。位置補正部23は、ランドマークターゲットと車両Mとの距離に基づいて、周知の手法により車両Mの位置を補正する。また、位置補正部23は、ランドマークターゲットと車両Mとの距離に基づいて、後述する車線進行距離算出部25の算出する車線進行距離を補正する。なお、位置補正部23による位置補正は必須ではない。この場合には、ターゲット検出部21、ターゲット距離検出部22も不要である。

進行方向検出部24は、内部センサ4のヨーレートセンサのヨーレート情報に基づいて、車両Mの進行方向を検出する。また、進行方向検出部24は、位置検出部20の検出した車両Mの位置情報の時間変化に基づいて、車両Mの進行方向を検出してもよい。

車線進行距離算出部25は、位置検出部20の検出した車両Mの位置情報に基づいて、走行中の車線における車両Mの車線進行距離の候補となる第1車線進行距離候補を算出する。また、車線進行距離算出部25は、走行中の車線の車線進入位置から現在地までの車速センサの車速情報に基づいて、車線進行距離の候補となる第2車線進行距離候補を算出する。

車線進行距離算出部25は、第1車線進行距離候補と第2車線進行距離候補との差分が許容閾値以上であるか否かを判定する。許容閾値とは、車線進行距離の誤差が許容できるか否かを判定するために予め設定された閾値である。車線進行距離算出部25は、第1車線進行距離候補と第2車線進行距離候補との差分が許容閾値以上ではないと判定した場合、第1車線進行距離候補を車線進行距離として算出する。車線進行距離算出部25は、第1車線進行距離候補と第2車線進行距離候補との差分が許容閾値以上であると判定した場合、第2車線進行距離候補を車線進行距離として算出する。

データ生成部26は、前述の車線走行マップデータを生成する。データ生成部26は、ウェイポイントマップ生成部30、ランドマークマップ生成部31、コントロールターゲットマップ生成部32を有している。

ウェイポイントマップ生成部30は、車両Mの経路及び車両Mの位置(現在地)に基づいて、ポイント情報記憶部11の操舵変更ポイントから、ウェイポイントマップを生成する。ウェイポイントマップ生成部30は、例えば、車両Mの経路上で現在地から三つ先の操舵変更ポイントまでのウェイポイントマップを生成する。ウェイポイントマップ生成部30は、例えば、位置検出部20の検出した車両Mの位置情報に基づいて、車両Mが操舵変更ポイントを通過したと判定した場合、再び車両Mの経路上で現在地から三つ先の操舵変更ポイントまでのウェイポイントマップを生成する。ウェイポイントマップ生成部30は、例えば、生成中のウェイポイントマップを第1データバッファに記憶する。第1データバッファは例えばRAMであってもよく、HDDであってもよい。ウェイポイントマップ生成部30は、新たなウェイポイントマップの生成が完了した場合、使用するウェイポイントマップの更新を行う。

ランドマークマップ生成部31は、車両Mの経路及び車両Mの位置(現在地)に基づいて、ターゲット記憶部12のターゲット情報から、ランドマークターゲットに関するランドマークマップを生成する。ランドマークマップ生成部31は、例えば、車両Mの現在地から三つ先の操舵変更ポイントまでの経路上のランドマークターゲットのターゲット情報を取得する。ランドマークマップ生成部31は、ランドマークターゲットの車線毎の車線進行距離に基づいて、経路の進行の順番に並べることでランドマークターゲットのデータ配列であるランドマークマップを生成する。

コントロールターゲットマップ生成部32は、車両Mの経路及び車両Mの位置に基づいて、ポイント情報記憶部11の車速目標ポイントから、コントロールターゲットマップを生成する。コントロールターゲットマップ生成部32は、例えば、車両Mの現在地から三つ先の操舵変更ポイントまでの経路上の車速目標ポイントを取得する。コントロールターゲットマップ生成部32は、車速目標ポイントの車線毎の車線進行距離に基づいて、経路の進行の順番に並べることで車速目標ポイントのデータ配列であるコントロールターゲットマップを生成する。

前方注視点算出部27は、車両Mの前方注視点を算出する。前方注視点とは、車両Mの前方に設定された地点である。前方注視点は、例えば、運転者が車両Mを手動で運転する場合に注視する地点を想定して設定される。前方注視点算出部27は、車速センサの車速情報に基づいて、前方注視点を設定する。前方注視点算出部27は、車両Mの車速が大きいほど、前方注視点を車両Mから離れた前方の位置に設定する。前方注視点算出部27は、車両Mの車速が0km/hである場合、前方注視点と車両Mとの距離を予め設定された最小距離(例えば5m)にする。

また、前方注視点算出部27は、例えば、前方注視時間を利用して、前方注視点を設定してもよい。前方注視点算出部27は、車両Mの車線進行距離に基づいて、車両Mの前方で車両Mに最も近いウェイポイントを認識する。前方注視点算出部27は、認識したウェイポイントマップのカーブフラグに基づいて、前方注視時間を設定する。前方注視点算出部27は、車両Mに最も近いウェイポイントのカーブフラグが1である場合(車両Mがカーブ手前又はカーブ内に位置する場合)、前方注視時間をカーブ用の長い時間(例えば1.2秒)に設定する。前方注視点算出部27は、車両Mに最も近いウェイポイントのカーブフラグが0である場合(車両Mがカーブ手前又はカーブ内に位置しない場合)、前方注視時間を通常の時間(例えば0.7秒)に設定する。前方注視点算出部27は、例えば、車両Mから車速に前方注視時間を乗じた距離だけ前方に離れた地点を前方注視点として算出する。なお、ECU2は、前方注視点算出部27を必ずしも有する必要はない。

車両制御部28は、データ生成部26の生成した車線走行マップデータ(ウェイポイントマップ、ランドマークマップ、コントロールターゲットマップ)に基づいて、経路に沿って走行するように車両Mを制御する。車両制御部28は、アクチュエータ7に制御信号を送信することにより車両Mを制御する。

車両制御部28は、例えば、車両Mの位置、車両Mの車線進行距離、ウェイポイントマップ、及び前方注視点に基づいて、車両の操舵制御を行う。車両制御部28は、車両Mの位置及び車両Mの車線進行距離に基づいて、車両Mの前方のウェイポイントを認識する。車両制御部28は、例えば、車両Mの前方に設定された前方注視点と前方注視点に最も近いウェイポイントとの横方向(車線幅方向)の偏差に基づいて、当該偏差が小さくなるように車両Mの操舵を制御する。なお、車両制御部28は、必ずしも前方注視点を用いて操舵制御を行う必要はない。車両制御部28は、車両Mの車線進行距離及びウェイポイントマップを利用して、周知の手法の組み合わせにより、車両Mの操舵制御を行ってもよい。

車両制御部28は、例えば、車両Mの位置、車両Mの車線進行距離、ウェイポイントマップ、及びコントロールターゲットマップに基づいて、車両の車速制御を行う。車両制御部28は、車両Mの前方で車両Mに最も近いウェイポイントのカーブフラグに基づいて、車両Mの加速目標車速を設定する。加速目標車速とは、車速目標ポイントが近くにない場合に車速調整の目標として用いられる車速である。車両制御部28は、例えば、車両Mに最も近いウェイポイントのカーブフラグが1である場合、加速目標車速を徐行速度に設定する。加速目標車速を例えば10km/h〜40km/hの範囲の速度としてもよい。

車両制御部28は、車両Mに最も近いウェイポイントのカーブフラグが0である場合、一つ前の操舵変更ポイントを通過した後にカメラ8の撮像情報に基づいて白線認識を行ったか否かを判定する。車両制御部28は、白線認識を行っていないと判定した場合、加速目標車速を徐行速度又は低車速に設定する。車両制御部28は、白線認識を行っていると判定した場合、一つ前の操舵変更ポイントと次の操舵変更ポイントの車線進行距離(offset)の差分が差分閾値以上であるか否かを判定する。差分閾値は、例えば、車両Mが十分に加速するほどの距離があるか否かを判定するために予め設定された閾値である。

車両制御部28は、上記差分が差分閾値以上であると判定した場合、加速目標車速を上限速度に設定する。上限速度は、例えば、車両制御装置1に許容された車速の上限である。上限速度は、車線における法定最高速度であってもよい。車両制御部28は、上記差分が差分閾値以上ではないと判定した場合、加速目標車速を中間速度に設定する。中間速度は、上限速度と徐行速度の中間の速度である。中間速度は、40km/h〜60km/h範囲の速度としてもよい。

車両制御部28は、車両Mの車速が加速目標車速に近づくように車両Mの車速制御を行う。一方、車両制御部28は、加速目標車速よりも車速目標ポイントの目標車速を優先する。車両制御部28は、経路上における車両Mと次の車速目標ポイントとの距離が距離閾値以下であるか否かを判定する。車両制御部28は、上記距離が距離閾値以下であると判定した場合、現在の車速と車速目標ポイントの目標車速に基づいて、車両Mが予め設定された減速度で目標車速になるまでの減速必要距離を算出する。なお、車両Mの現在の車速が目標車速以下である場合には、減速必要距離は0である。

車両制御部28は、経路上における車両Mと次の車速目標ポイントとの距離が減速必要距離より大きいか否かを判定する。車両制御部28は、上記距離が減速必要距離より大きいと判定した場合、現在の車速と加速目標車速との差分が加速閾値以下であるか否かを判定する。加速閾値とは、例えば、車両Mを加速目標車速まで加速しても、車速目標ポイントにおける目標車速への車速調整に影響が少ないことを判定するために予め設定された閾値である。車両制御部28は、上記差分が加速閾値以下ではないと判定した場合、車両Mを加速目標車速まで一定加速度で加速させる。車両制御部28は、上記差分が加速閾値以下であると判定した場合、現在の車速を維持する。

一方で、車両制御部28は、経路上における車両Mと次の車速目標ポイントとの距離が減速必要距離より大きくない場合、次の車両目標ポイントの目標車速が0km/hであるか否かを判定する。車両制御部28は、次の車両目標ポイントの目標車速が0km/hであると判定した場合、車速目標ポイントにおいて車両Mが一時停止するように車速を制御する一時停止処理を行う。車両制御部28は、車速目標ポイントにおいて車両Mが一時停止した場合、当該車速目標ポイントを超えて車両Mをゆっくり走行させる。車両制御部28は、次の車両目標ポイントの目標車速が0km/hではないと判定した場合、当該車速目標ポイントの目標車速になるように車両Mの車速調整を行う。その他、車両制御部28は、車両Mの車線進行距離、ウェイポイントマップ、及びコントロールターゲットマップに基づいて、周知の手法の組み合わせにより、車両Mの車速制御を行ってもよい。

〈車両制御装置のウェイポイントマップ更新処理〉 以下、本実施形態に係る車両制御装置1のウェイポイントマップ更新処理について説明する。図3は、車両制御装置1のウェイポイントマップ更新処理を示すフローチャートである。図3に示すフローチャートは、例えば、車両Mが所定の更新条件を満たした場合に実行される。所定の更新条件は、例えば、車両Mが操舵変更ポイントを通過した場合に満たされる。

図3に示すように、車両制御装置1のECU2は、S101として、位置検出部20により車両Mの位置を検出する。位置検出部20は、例えば、GPS受信部5の位置情報に基づいて、車両Mの位置を検出する。

S102において、ECU2は、地図関連情報提供部6への車両Mの位置情報の送信を行う。地図関連情報提供部6では、例えば、ECU2から送信された車両Mの位置情報に基づいて、経路上で車両Mの現在地から三つ先までの操舵変更ポイントをポイント情報記憶部11から抽出する。地図関連情報提供部6は、車両Mの現在地から三つ先までの操舵変更ポイントの情報をECU2に送信する。なお、車両Mの経路については、例えば、経路の設定時にECU2から地図関連情報提供部6に経路情報が送信されている。S103において、ECU2は、地図関連情報提供部6から車両Mの現在地から三つ先までの操舵変更ポイントの情報を受信する。

S104において、ECU2は、ウェイポイントマップ生成部30において、地図関連情報提供部6から送信された操舵変更ポイントに、未受信の操舵変更ポイントが含まれるか否かを判定する。ECU2は、未受信の操舵変更ポイントが含まれないと判定された場合(S104:NO)、今回の更新処理を終了する。その後、ECU2は、再び更新条件が満たされた場合、S101から処理を繰り返す。ECU2は、未受信の操舵変更ポイントが含まれると判定された場合(S104:YES)、S105に移行する。

S105において、ECU2は、ウェイポイントマップ生成部30により未受信の操舵変更ポイントを第1データバッファに追加する。第1データバッファは、ECU2を構成するRAMであってもよく、HDDであってもよい。以降のデータバッファについても同様である。S106において、ECU2は、ウェイポイントマップ生成部30により第1データバッファ内の操舵変更ポイントを車線進行距離の順に整列する。

S107において、ECU2は、ウェイポイントマップ生成部30によりウェイポイントマップの更新用のデータ配列を生成する。ウェイポイントマップ生成部30は、整列した操舵変更ポイントに基づいて、更新用のデータ配列を生成する。ウェイポイントマップ生成部30は、経路を構成する車線のうち操舵変更ポイント以外は直線形状であると仮定して、更新用のデータ配列を生成する。ウェイポイントマップ生成部30は、操舵変更ポイントの車線進行距離、左曲がり右曲がりの区分、曲率半径r、及び角度αに基づいて、操舵変更ポイントにおいて車両Mが操舵変更を行うためのデータ配列を生成する。S108において、ECU2は、更新用のデータ配列が完成した場合、ウェイポイントマップ生成部30によりウェイポイントマップのデータ配列の更新を行う。その後、ECU2は、再び更新条件が満たされた場合、S101から処理を繰り返す。

〈車両制御装置のランドマークマップ更新処理〉 次に、本実施形態に係る車両制御装置1のランドマークマップ更新処理について説明する。図4は、車両制御装置1のランドマークマップ更新処理を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートは、例えば、車両Mが所定の更新条件を満たした場合に実行される。所定の更新条件は、例えば、車両Mが操舵変更ポイントを通過した場合に満たされる。

図4に示すように、車両制御装置1のECU2は、S201として、位置検出部20により車両Mの位置を検出する。位置検出部20は、例えば、GPS受信部5の位置情報に基づいて、車両Mの位置を検出する。

S202において、ECU2は、地図関連情報提供部6への車両Mの位置情報の送信を行う。地図関連情報提供部6では、例えば、ECU2から送信された車両Mの位置情報に基づいて、経路上のランドマークターゲットに関するターゲット情報をターゲット記憶部12から抽出する。地図関連情報提供部6は、例えば、車両Mの現在地から三つ先の操舵変更ポイントまでの経路上に含まれるランドマークターゲットのターゲット情報を抽出する。地図関連情報提供部6は、抽出したターゲット情報をECU2に送信する。S203において、ECU2は、地図関連情報提供部6からターゲット情報を受信する。

S204において、ECU2は、ランドマークマップ生成部31において、地図関連情報提供部6から送信されたランドマークターゲットに、未受信のランドマークターゲットが含まれるか否かを判定する。ECU2は、未受信のランドマークターゲットが含まれないと判定された場合(S204:NO)、今回の更新処理を終了する。その後、ECU2は、再び更新条件が満たされた場合、S201から処理を繰り返す。ECU2は、未受信のランドマークターゲットが含まれると判定された場合(S204:YES)、S205に移行する。

S205において、ECU2は、ランドマークマップ生成部31により未受信のランドマークターゲットを第2データバッファに追加する。S206において、ECU2は、ランドマークマップ生成部31により第2データバッファ内のランドマークターゲットを車線進行距離の順に整列することで、更新用のデータ配列を生成する。S207において、ECU2は、更新用のデータ配列が完成した場合、ランドマークマップ生成部31によりランドマークマップのデータ配列の更新を行う。その後、ECU2は、再び更新条件が満たされた場合、S201から処理を繰り返す。

〈車両制御装置のコントロールターゲットマップ更新処理〉 続いて、本実施形態に係る車両制御装置1のコントロールターゲットマップ更新処理について説明する。図5は、車両制御装置1のコントロールターゲットマップ更新処理を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートは、例えば、車両Mが所定の更新条件を満たした場合に実行される。所定の更新条件は、例えば、車両Mが操舵変更ポイントを通過した場合に満たされる。

図5に示すように、車両制御装置1のECU2は、S301として、位置検出部20により車両Mの位置を検出する。位置検出部20は、例えば、GPS受信部5の位置情報に基づいて、車両Mの位置を検出する。

S302において、ECU2は、地図関連情報提供部6への車両Mの位置情報の送信を行う。地図関連情報提供部6では、例えば、ECU2から送信された車両Mの位置情報に基づいて、経路上の車速目標ポイントをポイント情報記憶部11から抽出する。地図関連情報提供部6は、例えば、車両Mの現在地から三つ先の操舵変更ポイントまでの経路上に含まれる車速目標ポイントを抽出する。地図関連情報提供部6は、抽出した車速目標ポイントをECU2に送信する。S303において、ECU2は、地図関連情報提供部6から車速目標ポイントを受信する。

S304において、ECU2は、コントロールターゲットマップ生成部32において、地図関連情報提供部6から送信された車速目標ポイントに、未受信の車速目標ポイントが含まれるか否かを判定する。ECU2は、未受信の車速目標ポイントが含まれないと判定された場合(S304:NO)、今回の更新処理を終了する。その後、ECU2は、再び更新条件が満たされた場合、S301から処理を繰り返す。ECU2は、未受信の車速目標ポイントが含まれると判定された場合(S304:YES)、S305に移行する。

S305において、ECU2は、コントロールターゲットマップ生成部32により未受信の車速目標ポイントを第3データバッファに追加する。S306において、ECU2は、コントロールターゲットマップ生成部32により第3データバッファ内の車速目標ポイントを車線進行距離の順に整列することで、更新用のデータ配列を生成する。S307において、ECU2は、更新用のデータ配列が完成した場合、コントロールターゲットマップ生成部32によりコントロールターゲットマップのデータ配列の更新を行う。その後、ECU2は、再び更新条件が満たされた場合、S301から処理を繰り返す。

〈車両制御装置の車線進行距離算出処理〉 次に、本実施形態に係る車両制御装置1の車線進行距離算出処理について説明する。図6は、車両制御装置の車線進行距離算出処理を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートは、例えば、車両制御装置1によって車両Mが走行している場合(例えば自動運転中の場合)、予め設定された時間毎に繰り返し実行される。

図6に示すように、ECU2は、S401として、車線進行距離算出部25により車両Mが新たな車線に進入したか否かを判定する。車線進行距離算出部25は、例えば、地図情報及び車両Mの位置に基づいて、車両Mが交差点Tを通過した場合に車両Mが新たな車線に進入したと判定する。ECU2は、車両Mが新たな車線に進入したと判定された場合(S401:YES)、S402に移行する。ECU2は、車両Mが新たな車線に進入していないと判定された場合(S401:NO)、S403に移行する。

S402において、ECU2は、車線進行距離算出部25により車線進行距離の初期化を行う。車線進行距離算出部25は、車線進行距離を0に設定する。その後、ECU2は、予め設定された時間が経過した場合、S401から処理を繰り返す。

S403において、ECU2は、車線進行距離算出部25により第1車線進行距離候補を算出する。車線進行距離算出部25は、位置検出部20の検出した車両Mの位置情報に基づいて、第1車線進行距離候補を算出する。車線進行距離算出部25は、例えば、地図情報における車両Mの位置と車線進入位置との車線に沿った距離から第1車線進行距離候補を算出する。

S404において、ECU2は、車線進行距離算出部25により第2車線進行距離候補を算出する。車線進行距離算出部25は、走行中の車線における車線進入位置から現在地までの車速センサの車速情報(例えば車輪速情報)に基づいて、第2車線進行距離候補を算出する。

S405において、ECU2は、車線進行距離算出部25により第1車線進行距離候補と第2車線進行距離候補との差分が許容閾値以上であるか否かを判定する。ECU2は、第1車線進行距離候補と第2車線進行距離候補との差分が許容閾値以上であると判定された場合(S405:YES)、S406に移行する。ECU2は、第1車線進行距離候補と第2車線進行距離候補との差分が許容閾値以上ではないと判定された場合(S405:NO)、S407に移行する。

S406において、ECU2は、車線進行距離算出部25により第1車線進行距離候補を車線進行距離として算出する。S407において、ECU2は、車線進行距離算出部25により第2車線進行距離候補を車線進行距離として算出する。その後、ECU2は、予め設定された時間が経過した場合、S401から処理を繰り返す。

〈車両制御装置のランドマークマップを用いた位置補正処理〉 次に、本実施形態に係る車両制御装置1のランドマークマップを用いた位置補正処理について説明する。図7は、車両制御装置1のランドマークマップを用いた位置補正処理を示すフローチャートである。図7に示すフローチャートは、例えば、車両制御装置1によって車両Mが走行している場合(例えば自動運転中の場合)、予め設定された時間毎に繰り返し実行される。

図7に示すように、ECU2は、S501として、ターゲット検出部21によりランドマークマップに含まれるランドマークターゲットが検出されたか否かを判定する。ターゲット検出部21は、例えば、カメラ8の撮像情報又はレーダー9の障害物情報に基づき、ランドマークターゲットの検出特徴情報を参照することで、車両Mの前方又は後方にランドマークターゲットが検出されたか否かを判定する。ECU2は、ランドマークターゲットが検出されなかったと判定した場合(S501:NO)、今回の処理を終了する。その後、ECU2は、予め設定された時間が経過した場合、S501から処理を繰り返す。ECU2は、ランドマークターゲットが検出されたと判定した場合(S501:YES)、S502に移行する。

S502において、ECU2は、ターゲット距離検出部22によりランドマークターゲット及び車両Mの距離を検出する。なお、ターゲット距離検出部22は、ターゲット検出部21が複数のターゲットを検出した場合、車両Mに最も近いランドマークターゲットと車両Mとの距離を検出する。ターゲット距離検出部22は、例えば、レーダー9の障害物情報に基づいて、ランドマークターゲットと車両Mとの距離を検出する。

S503において、ECU2は、位置補正部23により車両Mの位置情報の補正を行う。位置補正部23は、ランドマークターゲット及び車両Mの距離と地図情報におけるランドマークターゲットの位置に基づいて、ランドマークターゲットの位置(xy座標)を基準とした車両Mの位置情報の補正を行う。また、位置補正部23は、ランドマークターゲット及び車両Mの距離と地図情報におけるランドマークターゲットの位置に基づいて、ランドマークターゲットの位置(車線進行距離)を基準とした車両Mの車線進行距離の補正を行う。その後、ECU2は、予め設定された時間が経過した場合、S501から処理を繰り返す。

〈車両制御装置のウェイポイントマップを用いた操舵制御〉 次に、本実施形態に係る車両制御装置1のウェイポイントマップを用いた操舵制御について説明する。図8は、車両制御装置1のウェイポイントマップを用いた操舵制御を示すフローチャートである。図8に示すフローチャートは、例えば、車両制御装置1によって車両Mが走行している場合(例えば自動運転中の場合)、予め設定された時間毎に繰り返し実行される。

図8に示すように、ECU2は、S601として、前方注視点算出部27により車両Mの前方のウェイポイントを認識する。前方注視点算出部27は、例えば、車両Mの車線進行距離に基づいて、車両Mの前方で車両Mに最も近いウェイポイントを認識する。

S602において、ECU2は、前方注視点算出部27により車両Mに最も近いウェイポイントのカーブフラグが1であるか否かを判定する。ECU2は、ウェイポイントのカーブフラグが1であると判定された場合(S602:YES)、S603に移行する。ECU2は、ウェイポイントのカーブフラグが1ではないと判定された場合(S602:NO)、S606に移行する。

S603において、ECU2は、前方注視点算出部27により前方注視時間をカーブ用の長い時間(例えば1.2秒)に設定する。

S604において、ECU2は、前方注視点算出部27により白線認識可能であるか否かを判定する。前方注視点算出部27は、例えば、カメラ8の撮像情報に基づいて、車線を区切る白線が認識可能であるか否かを判定する。ECU2は、白線認識可能であると判定された場合(S604:YES)、S605に移行する。ECU2は、白線認識可能ではないと判定された場合(S604:NO)、S607に移行する。

S605において、ECU2は、位置検出部20により車両Mに最も近いウェイポイントとカメラ8の撮像画像による白線認識結果に基づいて車両Mの位置(xy座標)を検出する。位置検出部20は、例えば、GPS受信部5の位置情報の他、車両Mに最も近いウェイポイントとカメラ8の撮像画像による白線認識結果に基づいて、車両Mの位置を検出する。位置検出部20は、GPS受信部5の位置情報と車両Mに最も近いウェイポイントに基づいて、車線の長さ方向における車両Mの位置を検出する。位置検出部20は、白線検出結果に基づいて、車線の幅方向における車両Mの位置(横位置)を検出する。ECU2は、車両Mの位置を検出した後、S608に移行する。

一方、S606において、ECU2は、前方注視点算出部27により前方注視時間を通常の時間(例えば0.7秒)に設定する。その後、S607において、ECU2は、位置検出部20により車両Mに最も近いウェイポイントと車両Mの運動情報に基づいて車両Mの位置(xy座標)を検出する。車両Mの運動情報とは、内部センサ4により検出される車両Mの車速、加速度、ヨーレートの変化に関する情報である。位置検出部20は、GPS受信部5の位置情報の他、車両Mに最も近いウェイポイントと車両Mの運動情報に基づいて、車両Mの位置を検出する。車両Mの運動情報に基づく車両Mの位置の検出は周知の手法を採用することができる。ECU2は、車両Mの位置を検出した後、S608に移行する。

S608において、ECU2は、前方注視点算出部27により前方注視点を算出する。前方注視点算出部27は、前方注視時間、車両Mの位置、車両Mの車速に基づいて、前方注視点を算出する。前方注視点算出部27は、例えば、車両Mから車速に前方注視時間を乗じた距離だけ前方に離れた地点を前方注視点として算出する。

S609において、ECU2は、車両制御部28により操舵量(操舵角又は操舵トルク)を算出する。車両制御部28は、前方注視点と前方注視点に最も近いウェイポイントの横偏差(車線の幅方向の偏差)に基づいて、横偏差が小さくなるように操舵量を算出する。S610において、ECU2は、車両制御部28による操舵制御を実行する。車両制御部28は、アクチュエータ7に制御信号を送信することにより、算出した操舵量による操舵制御を実行する。その後、ECU2は、予め設定された時間の経過後、再びS601から処理を繰り返す。

〈車両制御装置のウェイポイントマップを用いた車速制御〉 次に、本実施形態に係る車両制御装置1のウェイポイントマップを用いた車速制御について説明する。図9は、車両制御装置1のウェイポイントマップを用いた車速制御を示すフローチャートである。図9に示すフローチャートは、例えば、車両制御装置1によって車両Mが走行している場合(例えば自動運転中の場合)、予め設定された時間毎に繰り返し実行される。

図9に示すように、ECU2は、S701として、前方注視点算出部27により車両Mの前方のウェイポイントを認識する。次に、S702において、ECU2は、前方注視点算出部27により車両Mに最も近いウェイポイントのカーブフラグが0であるか否かを判定する。なお、S701及びS702は前方注視点算出部27に代えて車両制御部28を用いてもよい。ECU2は、ウェイポイントのカーブフラグが0であると判定された場合(S702:YES)、S703に移行する。ECU2は、ウェイポイントのカーブフラグが0ではないと判定された場合(S702:NO)、S704に移行する。

S703において、ECU2は、車両制御部28により一つ前の通過操舵変更ポイントを通過した後にカメラ8の撮像情報に基づいて白線認識を行ったか否かを判定する。ECU2は、白線認識を行っていないと判定した場合(S703:NO)、S704に移行する。ECU2は、白線認識を行ったと判定した場合(S703:YES)、S705に移行する。

S704において、ECU2は、車両制御部28により加速目標車速を徐行速度に設定する。加速目標車速を例えば10km/h〜40km/hの範囲の速度としてもよい。その後、ECU2は、予め設定された時間の経過後、再びS701から処理を繰り返す。

一方、S705において、ECU2は、車両制御部28により一つ前の操舵変更ポイントと次の操舵変更ポイントの車線進行距離の差分が差分閾値以上であるか否かを判定する。車両制御部28は、ウェイポイントマップに基づいて当該判定を行う。ECU2は、一つ前の操舵変更ポイントと次の操舵変更ポイントの車線進行距離の差分が差分閾値以上であると判定された場合(S705:YES)、S706に移行する。ECU2は、一つ前の操舵変更ポイントと次の操舵変更ポイントの車線進行距離の差分が差分閾値以上ではないと判定された場合(S705:NO)、S707に移行する。

S706において、ECU2は、車両制御部28により加速目標車速を上限速度に設定する。その後、ECU2は、予め設定された時間の経過後、再びS701から処理を繰り返す。S707において、ECU2は、車両制御部28により加速目標車速を中間速度に設定する。その後、ECU2は、予め設定された時間の経過後、再びS701から処理を繰り返す。

〈車両制御装置のコントロールターゲットマップを用いた車速制御〉 次に、本実施形態に係る車両制御装置1のコントロールターゲットマップを用いた操舵制御について説明する。図10は、車両制御装置1のコントロールターゲットマップを用いた操舵制御を示すフローチャートである。図10に示すフローチャートは、例えば、車両制御装置1によって車両Mが走行している場合(例えば自動運転中の場合)、予め設定された時間毎に繰り返し実行される。

図10に示すように、ECU2は、S801として、車両制御部28により経路上における車両Mと次の車速目標ポイントとの距離が距離閾値以上であるか否かを判定する。経路上における車両Mと次の車速目標ポイントとの距離とは、車両M及び車速目標ポイントが同じ車線上に位置する場合、車両Mの車線進行距離と次の車速目標ポイントの車線進行距離との差分に等しい。ECU2は、経路上における車両Mと次の車速目標ポイントとの距離が距離閾値以下ではないと判定された場合(S801:NO)、今回の制御を終了する。その後、ECU2は、予め設定された時間の経過後に、再びS801から処理を繰り返す。ECU2は、経路上における車両Mと次の車速目標ポイントとの距離が距離閾値以下であると判定された場合(S801:YES)、S802に移行する。

S802において、ECU2は、車両制御部28により車両Mが予め設定された減速度で車速目標ポイントの目標車速になるまでの減速必要距離を算出する。車両制御部28は、現在の車速と車速目標ポイントの目標車速に基づいて減速必要距離を算出する。

S803において、ECU2は、車両制御部28により経路上における車両Mと次の車速目標ポイントとの距離が減速必要距離より大きいか否かを判定する。ECU2は、経路上における車両Mと次の車速目標ポイントとの距離が減速必要距離より大きいと判定された場合(S803:YES)、S804に移行する。ECU2は、路上における車両Mと次の車速目標ポイントとの距離が減速必要距離より大きくないと判定された場合(S803:NO)、S807に移行する。

S804において、ECU2は、車両制御部28により現在の車速と加速目標車速との差分が加速閾値以下であるか否かを判定する。ECU2は、現在の車速と加速目標車速との差分が加速閾値以下ではないと判定された場合(S804:NO)、S805に移行する。ECU2は、現在の車速と加速目標車速との差分が加速閾値以下であると判定された場合(S804:YES)、S806に移行する。

S805において、ECU2は、車両制御部28により車両Mを加速目標車速まで一定加速度で加速させる。その後、ECU2は、予め設定された時間の経過後、再びS801から処理を繰り返す。S806において、ECU2は、車両制御部28により現在の車速を維持させる。その後、ECU2は、予め設定された時間の経過後、再びS801から処理を繰り返す。

S807において、ECU2は、車両制御部28により次の車両目標ポイントの目標車速が0km/hであるか否かを判定する。ECU2は、次の車両目標ポイントの目標車速が0km/hであると判定された場合(S807:YES)、S808に移行する。ECU2は、次の車両目標ポイントの目標車速が0km/hではないと判定された場合(S807:NO)、S809に移行する。

S808において、ECU2は、車両制御部28により一時停止処理を行う。その後、ECU2は、予め設定された時間の経過後、再びS801から処理を繰り返す。S809において、ECU2は、車両制御部28により車速目標ポイントの目標車速になるように車両Mの車速調整を行う。その後、ECU2は、予め設定された時間の経過後、再びS801から処理を繰り返す。

〈車両制御装置の作用効果〉 以上説明した本実施形態に係る車両制御装置1によれば、地図情報に関連付けられたカーブ等の操舵変更ポイント及び一時停止線等の車速目標ポイントから、経路に沿った車両Mの走行に用いる車線走行マップデータを生成するので、一定距離毎の車両の目標位置及び目標車速からなる膨大なデータを地図情報に関連付けて常に記憶しておく必要がなく、ポイント情報記憶部11に記憶した少ないデータ量で現在地から目的地までの経路に沿って走行するように車両Mを制御することができる。

しかも、車両制御装置1によれば、車線毎に車線走行マップデータを生成するので、例えば全周型のレーダーを用いたSLAM[Simultaneous Localization and Mapping]技術により車両の位置合わせを行う場合と比べて、データ間(車線走行マップデータ間)の連続性の確保が容易である。従って、車両制御装置1によれば、連続性の乏しいデータ間のずれによって車両Mの走行の制御にブレが生じることが避けられるので、スムーズな車両Mの走行を実現することができる。

また、車両制御装置1において、ランドマークターゲットを用いた車両Mの位置の補正を行ってもよい。この場合、車両制御装置1では、車線に対して位置が固定されたランドマークターゲットを用いて車両の位置を補正することができるので、車両の位置精度を向上させることができる。従って、この車両制御装置1によれば、高精度な車両の位置情報を用いて車両の走行を精度良く制御することができる。同様に、車両制御装置1において、ランドマークターゲットを用いた車両Mの車線進行距離の補正を行ってもよい。この場合、車両制御装置1では、車線に対して位置が固定されたランドマークターゲットを用いて車両の車線進行距離を補正することができるので、車両の車線進行距離の精度を向上させることができる。従って、この車両制御装置1によれば、高精度に算出された車両の車線進行距離を用いて車両の走行を精度良く制御することができる。

以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、上述した実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。

1…車両制御装置、2…ECU、3…外部センサ、4…内部センサ、5…GPS受信部、6…地図関連情報提供部、7…アクチュエータ、8…カメラ、9…レーダー、10…地図情報記憶部、11…ポイント情報記憶部、12…ターゲット記憶部、20…位置検出部、21…ターゲット検出部、22…ターゲット距離検出部、23…位置補正部、24…進行方向検出部、25…車線進行距離算出部、26…データ生成部、27…前方注視点算出部、28…車両制御部、30…ウェイポイントマップ生成部、31…ランドマークマップ生成部、32…コントロールターゲットマップ生成部、C…カーブ、Cr…横断歩道、L…一時停止線、M…車両、P1,P2,P3…車線、R…経路、T…交差点。

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