運転支援装置

申请号 JP2016136948 申请日 2016-07-11 公开(公告)号 JP2018010360A 公开(公告)日 2018-01-18
申请人 株式会社デンソー; 发明人 赤塚 久哉; 渡部 大治;
摘要 【課題】自車両の運転支援を行う運転支援装置において、より適切な運転支援を実施できるようにする。 【解決手段】上記の運転支援システム1において地図データ取得部41は、自車両のドライバによる運転操作の対応能 力 および自車両への負荷のうちの少なくとも一方を取得する。また、調整部44は、運転操作の対応能力が小さくなるにつれて、或いは、自車両への負荷が高くなるにつれて、ドライバによる運転操作への関与の程度が大きくなるように、運転支援に関する制御量である支援制御量を設定し、支援制御演算部50は、運転支援を行う支援部に支援制御量を出力することによって運転支援を実施する。 【選択図】図2
权利要求

自車両の運転支援を行うように構成された運転支援装置(1)であって、 自車両のドライバによる運転操作の対応能、および自車両への負荷、のうちの少なくとも一方を取得するように構成された能力取得部(S110,S120,S140)と、 前記対応能力が小さくなるにつれて、或いは、前記自車両への負荷が高くなるにつれて、ドライバによる運転操作への関与の程度が大きくなるように、運転支援に関する制御量である支援制御量を設定するように構成された制御量設定部(S160)と、 運転支援を行う支援部(31、32)に前記支援制御量を出力することによって運転支援を実施するように構成された支援実施部(50)と、 を備えた運転支援装置。請求項1に記載の運転支援装置であって、 前記制御量設定部は、前記支援制御量として、操に関する制御量を設定するように構成され、 前記支援実施部は、操舵に関する運転支援を行う支援部に前記支援制御量を出力する ように構成された運転支援装置。請求項1または請求項2に記載の運転支援装置であって、 前記制御量設定部は、前記対応能力が小さくなるにつれて、或いは、前記自車両への負荷が高くなるにつれて、支援開始タイミングが早くなるよう前記支援制御量を設定する ように構成された運転支援装置。請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の運転支援装置であって、 前記制御量設定部は、前記対応能力が小さくなるにつれて、或いは、前記自車両への負荷が高くなるにつれて、アシスト量が大きくなるよう前記支援制御量を設定する ように構成された運転支援装置。請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の運転支援装置であって、 前記制御量設定部は、対応能力が小さくなるにつれて、或いは、自車両への負荷が高くなるにつれて、ドライバに対する報知量が大きくなるよう前記支援制御量を設定するように構成され、 前記支援実施部は、報知を行う支援部に前記支援制御量を出力することによって運転支援を実施する ように構成された運転支援装置。請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の運転支援装置であって、 目標位置に対する自車両のドライバによる運転操作開始タイミングを学習するように構成された学習部(45)、 をさらに備え、 前記能力取得部は、少なくとも前記対応能力を取得するよう構成され、 前記制御量設定部は、前記対応能力が予め設定されたレベル以上である場合に、前記学習によって得られた運転操作開始タイミングに応じて設定される支援開始タイミングになるよう前記支援制御量を設定する ように構成された運転支援装置。

说明书全文

本開示は、自車両の運転支援を行う運転支援装置に関する。

下記特許文献1には、上記の運転支援装置として、道路における見通しの良し悪し等の道路環境に応じて操装置における制御パラメータの設定を変更し、この制御パラメータを用いて操舵に関する運転支援を行うものが開示されている。

特開2010−105454号公報

しかしながら、上記運転支援装置では、ドライバ固有の特性や車両固有の状況には対応していないため、状況によっては適切な運転支援ができないことがある。 そこで、このような問題点を鑑み、自車両の運転支援を行う運転支援装置において、より適切な運転支援を実施できるようにすることを本開示の目的とする。

本開示の運転支援装置は、能取得部(S110,S120,S140)と、制御量設定部(S160)と、支援実施部(50)と、を備える。能力取得部は、自車両のドライバによる運転操作の対応能力および自車両への負荷のうちの少なくとも一方を取得するように構成される。

制御量設定部は、対応能力が小さくなるにつれて、或いは、自車両への負荷が高くなるにつれて、ドライバによる運転操作への関与の程度が大きくなるように、運転支援に関する制御量である支援制御量を設定するように構成される。支援実施部は、運転支援を行う支援部に支援制御量を出力することによって運転支援を実施するように構成される。

このような運転支援装置によれば、ドライバの対応能力が小さくなるにつれて、或いは、自車両への負荷が高くなるにつれて、ドライバによる運転操作への関与の程度が大きくなるように支援制御量を設定するので、運転操作が難しい状況において、よりドライバに対する支援を強化することができる。よって、適切な運転支援を実施することができる。

なお、この欄および特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。

本開示の運転支援システムの構成を示すブロック図である。

制御部の機能を示すブロック図である。

調整処理を示すフローチャートである。

位置予測処理を示すフローチャートである。

操舵タイミングの設定例を示すグラフである。

道路曲率の設定例を示すグラフである。

支援制御演算部による操舵アシスト量の設定機能を示すブロック図である。

アシスト量変更処理を示すフローチャートである。

支援制御演算部による報知出力の設定機能を示すブロック図である。

報知処理を示すフローチャートである。

報知パラメータの設定例を示すグラフである。

報知に関する設定例を示すグラフである。

学習処理を示すフローチャートである。

以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。 [1.第1実施形態] [1−1.構成] 運転支援システム1は、乗用車等の車両に搭載され、運転者による運転操作の支援を行うシステムである。特に本実施形態の運転支援システム1では、自車両の操舵についての制御を行うことによる支援を行う。なお、当該運転支援システム1が搭載された車両を自車両ともいう。また、運転支援には、運転操作の一部または全部をドライバに代わって実施することを含む。

図1に示す運転支援システム1は、制御部10を備える。運転支援システム1は、カメラ21と、GPS受信機22と、車速センサ23と、ジャイロセンサ24と、地図データベース25と、ステアリングモータ31と、報知部32と、ドライバ状態検知部33と、設定入力部34と、衝突判定部35と、を備えてもよい。なお、GPSは全地球測位システムを示す。

カメラ21は、自車両の進行方向を撮像し、撮像画像を制御部10に送る。 GPS受信機22は、GPS衛星から送信される電波に基づいて自車両の位置を検知する周知の装置である。

車速センサ23は、自車両の走行速度を検知する周知の車速センサである。 ジャイロセンサ24は、自車両の回転速度を検知する周知のジャイロセンサである。 地図データベース25は、地球上の緯度・経度と道路データとが対応付けられた周知の地図情報を格納するデータベースである。道路データには、道路の位置、後述する道路形状等の各種情報が対応付けられている。

延伸方向を特定するための情報としては、道路がどちらの方向に繋がっているかを示す情報が保持されていればよく、本実施形態では、各道路の任意の位置毎の道路の曲率や勾配の大きさを求めるための情報であればよい。なお、本実施形態では、道路データとして各道路の任意の位置毎の道路の曲率や勾配の大きさが含まれているものとして説明する。

ステアリングモータ31は、周知のパワーステアリング制御装置において舵角を変位させるメカ機構に作用するモータである。本実施形態では、制御部10がステアリングモータ31の作動を制御することによって、操舵についての運転支援を実施する。

報知部32は、周知のディスプレイ、スピーカ、バイブレータ等、ドライバの五感を通じて運転支援システム1から何らかの情報をドライバに伝える機能、すなわち報知する機能を備える。報知部32は、制御部10からの指令に応じて報知の強度を変更できるよう構成されている。なお、報知の強度とは、画像の大きさ、画像の色合い、画像の点滅速度等の画像の表示態様、音量、音色等の音の発生態様、振動の強さ等の振動の発生態様、これらの態様についての報知回数、報知時間等の種々の概念を含む。

ドライバ状態検知部33は、ドライバ状態を検知する周知のセンサとして構成される。ここで、ドライバ状態とは、例えば、ドライバの覚醒度、ドライバの体温、心拍数等、ドライバの身体状態を数値で表したものを示す。また、覚醒度とは、ドライバが覚醒している程度を表し、ドライバの集中力や瞬きの回数等から検知することができる。

設定入力部34は、運転支援システム1がドライバ操作にどの程度介入するかを表す関与度をドライバが手動で設定するためのドライバによって操作される部位である。ドライバが運転支援システム1への依存の程度を大きくするか小さくするか、或いは、完全に支援を拒否するか等の設定を設定入力部34にて設定できるよう構成されている。

衝突判定部35は、障害物を検知し、障害物との相対位置や相対速度に応じて自車両が障害物と衝突するか否かを判定する。この判定結果は制御部10に送られる。 制御部10は、CPU11と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ(以下、メモリ12)と、を有する周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。制御部10の各種機能は、CPU11が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、メモリ12が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。

また、このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。なお、非遷移的実体的記録媒体とは、記録媒体のうちの電磁波を除く意味である。また、制御部10を構成するマイクロコンピュータの数は1つでも複数でもよい。

制御部10は、CPU11がプログラムを実行することで実現される機能の構成として、図2に示すように、地図データ取得部41と、位置同定部42と、位置予測部43と、調整部44と、学習部45と、アシスト制御演算部46と、加算部47と、モータ駆動回路48と、支援制御演算部50と、を備える。

制御部10を構成するこれらの要素を実現する手法はソフトウェアに限るものではなく、その一部または全部の要素について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。例えば、上記機能がハードウェアである電子回路によって実現される場合、その電子回路は多数の論理回路を含むデジタル回路、またはアナログ回路、あるいはこれらの組合せによって実現してもよい。

地図データ取得部41としての機能では、地図データベース25から自車両が走行する道路の道路形状を取得する。ここで、道路形状とは、道路が伸びる方向である延伸方向を求めるための情報を示し、例えば、自車両が走行する道路の曲率や勾配等の情報を示す。道路形状には、自車両が走行する道路において、自車両が既に走行した位置や、自車両の現在地、或いは自車両の現在地よりも前方に位置する前方位置のものが含まれる。

なお、地図データ取得部41の機能にて取得される道路形状は、地図データベース25に記録された道路形状そのものであってもよいし、地図データベース25に記録された道路形状に基づいて求められた道路形状であってもよい。具体的には、道路の曲率や勾配の情報が地図データベース25に記録されていれば、この道路の曲率や勾配の情報を取得すればよい。ただし、道路の曲率や勾配の情報が地図データベース25に記録されていない場合には、ノードやリンクの座標等から道路の曲率や勾配の情報を生成し、生成した情報を道路形状として取得してもよい。

位置同定部42としての機能では、GPS受信機22、車速センサ23、ジャイロセンサ24から得られる情報に基づいて自車両が走行する方向である走行方向や走行速度を求め、地図データベース25から得られる地図データ上に自車両の現在地を合致させる処理、すなわち同定を行う。

位置予測部43としての機能では、地図データ上への自車両位置の同定結果と、自車両の走行方向や走行速度等の情報とを用いて、近い将来における自車両の位置を予測し、道路形状に応じて自車両が走行する道路の延伸方向を推定する。

ここでは、別途設定された時間である設定時間N秒だけ現在時刻に加算した時刻を操舵タイミングTとして、この操舵タイミングの前後t秒に通過する位置における道路の曲率ρを取得する。そして、これらの曲率を用いてN秒後に自車両が通過する位置での道路の曲率を求める。なお、道路の曲率が大きくなるにつれて、曲率半径は小さくなり、より急カーブとなる。

同様にして、N秒後に自車両が通過する位置での道路の勾配kも求める。なお、位置予測部43としての機能では、道路の曲率ρ、道路の勾配k、操舵タイミングTを支援制御演算部50に出力する。

調整部44としての機能では、自車両のドライバによる運転操作の対応能力および自車両への負荷を取得し、対応能力が小さくなるにつれて、或いは、自車両への負荷が高くなるにつれて、ドライバによる運転操作への関与の程度が大きくなるように、運転支援に関する制御量である支援制御量を設定する。

ここで、ドライバによる運転操作への関与の程度とは、ドライバが実施すべき操作量に対するアシスト量の割合等を示す。また、対応能力とは、運転操作に関する技量の高さ、身体的な特性、ドライバの覚醒度等、ドライバ特性やドライバ状態等を示す。また、自車両への負荷とは、速度、加速度、ヨーレート等の自車両に加えられる力の大きさを示す。

学習部45としての機能では、カーブ入口や障害物までの距離等の予め設定された複数の位置のうちの1つを目標位置として、この目標位置に対する自車両のドライバによる運転操作開始タイミングを学習する。なお、カーブ入口とは、道路の曲率が直線から曲線を示す状態に変化する位置を示す。また、運転操作開始タイミングとは、目標位置に対してドライバが操舵や加減速の操作を開始した位置や、この操作を開始してから目標位置に到達するまでの時間を示す。

より詳細には、学習部45は、ドライバによる加減速および舵角を変化させるタイミングを常時監視し、ドライバによる加減速や操舵に関する操作が実施された際に、カーブ入口までの距離や障害物までの距離を算出し、この情報をメモリ12にて記録させる。この情報は、予め設定された規定回数分、或いは予め設定された規定時間分だけメモリ12において蓄積される。

アシスト制御演算部46としての機能では、操舵に関する制御をする際のベースとなるアシスト制御量を求める。例えば、周知の構成のように、操舵トルクに対して所定のゲインを乗じることによってアシスト制御量を得る。

加算部47としての機能では、支援制御演算部50により得られた制御量と、アシスト制御量とを加算する。 モータ駆動回路48としての機能では、加算部47による出力に従って、ステアリングモータ31を作動させる。

支援制御演算部50としての機能では、道路の延伸方向と自車両の走行方向とが一致しやすくなるように、延伸方向に応じて操舵のし易さを規定する制御パラメータを設定する。ここで、制御パラメータとは、ドライバによる操舵操作に影響を与えうる制御量を示す。制御パラメータには、例えば、操舵の際の抵抗の大きさ、操舵の安定性、車両の回頭性等操舵に関する制御量、特に、ステアリングからタイヤまで力を伝達するメカ機構における機械インピーダンスが含まれうる。また、制御パラメータには、支援制御量が含まれうる。

そして、支援制御演算部50は、運転支援を行うステアリングモータ31、報知部32等の支援部に支援制御量を出力することによって運転支援を実施する。 [1−2.処理] [1−2−1.調整処理] 次に、制御部10が実行する調整処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。調整処理は、調整部44としての機能の具体例であり、例えば、当該運転支援システム1の電源が投入されると開始され、その後、繰り返し実施される処理である。

調整処理では、図3に示すように、S110にて、ドライバ状態量を演算する。ドライバ状態量とは、ドライバ状態検知部33にて得られたドライバ状態を制御量とした値である。ここでは、ドライバ状態量は、ドライバ状態に応じて0から1までの間の値に設定される。

続いて、S120にて、ドライバ特性量を演算する。ドライバ特性量とは、ドライバの特性を数値で表した値であり、例えば、ドライバの運転技能の高さの程度や、ドライバの性別や年齢等に応じた値を表す。ここでは、ドライバ特性量は、ドライバの運転技能の高さの程度や、ドライバの性別や年齢等に応じて0から1までの間の値に設定される。

ドライバの運転技能の高さとは、例えば、カーブ入口において、予め設定された理想とする運転操作開始タイミングと、実際のドライバによる運転操作開始タイミングとの差や、カーブを走行中の舵角の振れ幅の大きさ、或いは、障害物を検知してから制動や操舵を開始するまでの時間等によって判断できる。ドライバの運転技能の高さは、別途実行される処理にて常時監視される。

続いて、S130にて、学習部45による学習結果を取得する。すなわち、ドライバによる運転操作開始タイミングの平均値等、運転操作開始タイミングに関する値を取得する。

続いて、S140にて、車両状態量を演算する。車両状態量とは、ドライバによる運転操作時の自車両への負荷の大きさを表す値である。車両状態量には、例えば、自車両の速度、加速度、ヨーレート等の走行状態に応じて検知された値が含まれうる。また、車両状態量は、自車両への負荷の大きさに応じて0から1までの間の値に設定される。

続いて、S150にて、ドライバ選択結果を取得する。ドライバ選択結果とは、設定入力部34にて入力された当該システム1による関与度の値を表す。ドライバ選択結果は、関与度の大きさに応じて0から1までの間の値に設定されている。

続いて、S160にて、調整出力を決定する。調整出力とは、ドライバ状態量、ドライバ特性量、車両状態量、およびドライバ選択結果に基づく値を示す。この値を調整量という。調整量には、例えば、ドライバ状態量、ドライバ特性量、車両状態量、およびドライバ選択結果の平均値、重み付け平均値等を採用できる。また、調整量は、後述する学習処理にて学習による調整量が設定されている場合には、学習による調整量を採用してもよい。

調整出力は、ドライバの対応能力が小さくなるにつれて、或いは、自車両への負荷が高くなるにつれて、当該システム1による運転操作への関与の程度が大きくなるように設定される。このような処理が終了すると、調整処理を終了する。

[1−2−2.位置予測処理] 次に、制御部10が実行する位置予測処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。位置予測処理は、位置予測部43としての機能の具体例であり、例えば、当該運転支援システム1の電源が投入されると開始され、その後、繰り返し実施される処理である。

位置予測処理では、図3に示すように、S210にて、操舵タイミングを取得する。ここで、操舵タイミングは、曲率の変化に応じて操舵を開始するタイミングを表す。操舵タイミングは、図5に示すように、調整量が減少するにつれて、値が小さくなり、より早期に操舵が開始されるよう設定される。なお、調整量は前述のtに相当する。

続いて、S220にて、道路の曲率を取得する。この処理では、現在地における道路の曲率、およびN−t秒後からN+t秒後までの間に自車両が通過する道路の曲率を地図データベース25から取得する。

続いて、S230にて、道路の曲率を補正する。この処理では、設定された操舵タイミングと合致するように道路の曲率を補正する。具体的には、道路の曲率を、N−t秒後からN+t秒後までの間に自車両が通過する道路の曲率の平均値を求め、この平均値を補正後の曲率とする。

補正後の曲率は、自車両の将来の位置、言い換えれば目標とする舵角の予測結果を表す。tが0のときには、図6に破線に示すように、時間の経過とともに急激に曲率が変化するが、tが大きくなるにつれて、図6の実線に示すように、道路の曲率は平滑化され、より早い時間から道路の曲率が変化するようになる。つまり、調整量が小さくなり、運転操作への関与度が高くなるにつれて、より早期から制御が開始されるよう設定されることになる。

このような処理が終了すると、位置予測処理を終了する。 [1−2−3.支援制御処理] 次に、制御部10が実行する支援制御処理について説明する。支援制御処理は、支援制御演算部50としての機能を用いて、操舵についての支援制御量と、報知についての支援制御量とを設定する処理である。

操舵についての支援制御量は、例えば、図7に示す構成にて生成する。すなわち、制御部10が実行する支援制御処理のうちの操舵に関する機能として、補正演算部51と、乗算部52とを備える。この構成において、図8に示すアシスト量変更処理を実施する。

アシスト量変更処理では、図8に示すように、まず、S310にて、補正基本量を演算する。ここで、補正演算部51は、アシスト制御量を補正するための補正制御量を演算する構成であり、この構成には、パワーステアリングの技術分野においてアシスト制御量を補正する周知の構成を用いることができる。本処理では、補正制御量に対してさらに補正を行うよう設定される。なお、補正演算部51からの出力を補正基本量という。

続いて、S320にて、乗算部52としての機能を用いて、補正基本量に調整量を乗じた値を生成し、この値を補正量として出力する。ただし、補正基本量は負の値に設定されており、補正量の絶対値が小さくなるほど加算部47からの出力は大きくなる。すなわち、ドライバによる運転操作への対応能力が小さくなり、或いは、自車両への負荷が高くなり、調整量が小さくなるにつれて、アシスト量が大きくなるように支援制御量が設定される。

また、報知についての支援制御量は、例えば、図9に示す構成にて生成する。すなわち、制御部10が実行する支援制御処理のうちの報知に関する機能として、報知演算部56と、報知補正部57と、加算部58とを備える。この構成において、図10に示す報知処理を実施する。

報知処理では、図10に示すように、まず、S410にて、報知演算部56としての機能を用いて報知基本量を演算する。この処理では、例えば、衝突判定部35から得られる衝突の可能性の高さや、曲率に応じた目標舵角と実際の自車両の舵角との差の大きさ等に応じて報知基本量を設定する。

続いて、S420にて、報知補正部57としての機能を用いて、報知パラメータを取得する。報知パラメータは、調整量に応じて設定される。本処理では、報知パラメータとして、報知タイミング、報知強さ、報知回数を含む報知量を取得する。具体的には、例えば、図11に示すように、報知タイミングについては、調整量が小さくなるにつれて報知を開始するタイミングより早くなるよう設定される。

また、報知強さについては、調整量が小さくなるにつれて報知強さがより強くなるよう設定される。報知強さは、例えば、音量の大きさや、画像の大きさ、或いは、振動の大きさ等、人体の五感への刺激の強さを示す。

また、報知回数については、調整量が小さくなるにつれてより回数が多くなるよう設定される。すなわち、ドライバによる運転操作への対応能力が小さくなるにつれて、或いは、自車両への負荷が高くなるにつれて、ドライバに対する報知量が大きくなるよう支援制御量が設定される。

続いて、S430にて、報知補正部57としての機能を用いて、報知補正量の演算を行う。この処理では、取得された報知パラメータに従って、図12に示すように、報知タイミング、報知強さ、報知回数等を設定する。

続いて、加算部58としての機能を用いて、報知基本量と報知補正量とを加算することによって、報知量を求め、この値を報知出力として報知部32に出力する。 [1−2−4.学習処理] 次に、制御部10が実行する学習処理について説明する。学習処理は、学習部45としての機能を用いて、ドライバによる対応能力が予め設定されたレベル以上である場合に、学習によって得られた運転操作開始タイミング、或いはこれに近いタイミングと、実際の支援開始タイミングとが一致するように支援制御量を設定する処理である。

学習処理では、図13に示すように、まず、S510にて、ドライバによる操舵開始タイミングを学習する。続いて、S520にて、運転技量をスコア化する。例えば、ドライバによる加減速および舵角を変化させるタイミングの監視結果を用いて、これらの結果と、予め設定された理想とされるタイミングとを比較し、その差分が小さいほど運転技量が高いと判断することができる。

続いて、S530にて、運転技量のスコアと予め設定された規定値とを比較する。ここでの規定値は、運転技量の良否を判断するための閾値である。運転技量のスコアが規定値以下であれば、学習処理を終了する。また、運転技量のスコアが規定値を超えていれば、ドライバによる操舵等の開始タイミングを学習タイミングとする。

続いて、S540にて、学習タイミングに対応する操舵タイミングとなるように、調整量を設定し、この調整量をメモリ12に記録させる。 このような処理が終了すると、学習処理を終了する。

[1−3.効果] 以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。 (1a)上記の運転支援システム1において制御部10は、自車両のドライバによる運転操作の対応能力、および自車両への負荷、のうちの少なくとも一方を取得する。また、制御部10は、対応能力が小さくなるにつれて、或いは、自車両への負荷が高くなるにつれて、ドライバによる運転操作への関与の程度が大きくなるように、運転支援に関する制御量である支援制御量を設定し、運転支援を行う支援部に支援制御量を出力することによって運転支援を実施する。

このような運転支援装置によれば、ドライバの対応能力が小さくなるにつれて、或いは、自車両への負荷が高くなるにつれて、ドライバによる運転操作への関与の程度が大きくなるように支援制御量を設定するので、運転操作が難しい状況において、よりドライバに対する支援を強化することができる。よって、適切な運転支援を実施することができる。

(1b)上記の運転支援システム1において制御部10は、支援制御量として、操舵に関する制御量を設定し、操舵に関する運転支援を行う支援部に支援制御量を出力する。

このような運転支援システム1によれば、操舵に関する運転支援を実施することができる。

(1c)上記の運転支援システム1において制御部10は、対応能力が小さくなるにつれて、或いは、自車両への負荷が高くなるにつれて、支援開始タイミングが早くなるよう支援制御量を設定する。

このような運転支援システム1によれば、対応能力が小さくなるにつれて、或いは、自車両への負荷が高くなるにつれて、より早期に支援が開始されるようにすることができる。

(1d)上記の運転支援システム1において制御部10は、対応能力が小さくなるにつれて、或いは、自車両への負荷が高くなるにつれて、アシスト量が大きくなるよう支援制御量を設定する。

このような運転支援システム1によれば、対応能力が小さくなるにつれて、或いは、自車両への負荷が高くなるにつれて、ドライバが操作すべき操作量に対するアシスト量の比率を高めるので、運転操作が難しいことが予想される状況においてドライバの負担を軽減することができる。

(1e)上記の運転支援システム1において制御部10は、対応能力が小さくなるにつれて、或いは、自車両への負荷が高くなるにつれて、ドライバに対する報知量が大きくなるよう支援制御量を設定し、報知を行う支援部に支援制御量を出力することによって運転支援を実施する。

このような運転支援システム1によれば、対応能力が小さくなるにつれて、或いは、自車両への負荷が高くなるにつれて、ドライバに対する報知量を大きくするので、ドライバにより注意を喚起することができる。

(1f)上記の運転支援システム1において制御部10は、目標位置に対する自車両のドライバによる運転操作開始タイミングを学習し、少なくとも対応能力を取得し、対応能力が予め設定されたレベル以上である場合に、学習によって得られた運転操作開始タイミングに応じて設定される支援開始タイミングになるよう支援制御量を設定する。

このような運転支援システム1によれば、ドライバの対応能力が高い場合にはドライバの運転操作開始タイミングに合わせて支援開始タイミングを設定するので、ドライバにとって違和感が少ない制御とすることができる。

[2.他の実施形態] 以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。

(2a)上記実施形態では、操舵に関する支援を実施したが、これに限定されるものではない。操舵に関する支援以外にも、例えば、加減速に関する支援や安全運転に関する支援等に適用してもよい。

(2b)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加または置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。

(2c)上述した運転支援システム1の他、当該運転支援システム1の構成要素となる制御部10等の装置、当該運転支援システム1としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、運転支援方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。

[4.実施形態の構成と本開示の構成との対応関係] 上記実施形態において運転支援システム1は本開示でいう運転支援装置に相当し、上記実施形態においてステアリングモータ31、報知部32は本開示でいう支援部に相当し、上記実施形態において支援制御演算部50は本開示でいう支援実施部に相当する。

また、上記実施形態において制御部10が実行する処理のうちのS110,S120,S140の処理は本開示でいう能力取得部に相当し、上記実施形態においてS160の処理は本開示でいう制御量設定部に相当する。

1…運転支援システム、10…制御部、11…CPU、12…メモリ、21…カメラ、22…GPS受信機、23…車速センサ、24…ジャイロセンサ、31…ステアリングモータ、32…報知部、33…ドライバ状態検知部、34…設定入力部、35…衝突判定部、42…位置同定部、43…位置予測部、44…調整部、45…学習部、46…アシスト制御演算部、47…加算部、48…モータ駆動回路、50…支援制御演算部、51…補正演算部、52…乗算部、56…報知演算部、57…報知補正部、58…加算部。

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