運転支援方法およびそれを利用した運転支援装置、運転制御装置、車両、運転支援プログラム

申请号 JP2015252669 申请日 2015-12-24 公开(公告)号 JP2016216023A 公开(公告)日 2016-12-22
申请人 パナソニックIPマネジメント株式会社; 发明人 江村 恒一; 辻 勝長; 森 俊也; 仲井 渉;
摘要 【課題】車両の自動運転中に、運転者に対して有用な情報を提示する。 【解決手段】運転支援装置1040は、自動運転における車両1000の行動を決定する自動運転制御装置1030から、車両1000に実行させる第1行動を示す行動情報を取得する。運転支援装置1040は、車両1000の周囲状況および走行状態を検出する検出部1020から、検出結果を示す検出情報を取得する。運転支援装置1040は、第1行動に代わって実行可能な第2行動を検出情報に基づいて決定する。運転支援装置1040は、第1行動を表す第1画像を生成し、第2行動を表す第2画像を生成する。運転支援装置1040は、車両1000の運転者の一定視野内に第1画像と第2画像を表示させるように第1画像と第2画像を表示装置1002に出 力 する。 【選択図】図32
权利要求

車両の自動運転における前記車両の行動を決定する自動運転制御部から、前記車両に実行させる第1行動を示す行動情報を取得する行動情報入部と、 前記車両の周囲状況および走行状態を検出する検出部から、検出結果を示す検出情報を取得する検出情報入力部と、 前記行動情報が示す第1行動に代わって実行可能な第2行動を前記検出情報に基づいて決定する候補決定部と、 前記行動情報が示す第1行動を表す第1画像を生成し、前記第2行動を表す第2画像を生成する画像生成部と、 前記車両の運転者の一定視野内に前記第1画像と前記第2画像を表示させるように前記第1画像と前記第2画像を前記車両内の表示部に出力する画像出力部と、 を備える運転支援装置。車両の周囲状況および走行状態と車両の行動との関連性を示す統計情報を蓄積する蓄積部をさらに備え、 前記候補決定部は、前記統計情報と前記検出情報に基づいて前記第2行動を決定する請求項1に記載の運転支援装置。通信網を介して、車両の周囲状況および走行状態と車両の行動との関連性を示す統計情報を蓄積する本車両外部の蓄積部と通信可能な通信インタフェースをさらに備え、 前記候補決定部は、前記通信インタフェースを介して前記蓄積部の統計情報にアクセスし、前記統計情報と前記検出情報に基づいて前記第2行動を決定する請求項1に記載の運転支援装置。前記第2画像を出力後、所定時間が経過した場合に、前記第2行動を前記車両に実行させるためのコマンドを前記自動運転制御部に出力するコマンド出力部をさらに備える請求項1から3のいずれか一項に記載の運転支援装置。前記車両の自動運転中に実行する前記車両の行動を指定する操作指示を受け付ける操作信号入力部と、 前記第1画像および前記第2画像が前記車両の表示部に表示されている所定時間内に、前記操作指示を受け付けなかった場合、前記第1画像が表す前記第1行動を前記車両に実行させる制御コマンドを前記自動運転制御部に送信するコマンド出力部と、 をさらに備える請求項1から3のいずれか一項に記載の運転支援装置。前記車両の自動運転中に実行する前記車両の行動を指定する操作指示を受け付ける操作信号入力部と、 前記第1画像および前記第2画像が前記車両の表示部に表示されている所定時間内に、前記第2画像を選択する操作指示を受け付けた場合、前記第2画像が表す前記第2行動を前記車両に実行させる制御コマンドを前記自動運転制御部に送信するコマンド出力部と、 をさらに備える請求項1から3のいずれか一項に記載の運転支援装置。前記コマンドが前記自動運転制御部へ送信された後、前記行動情報入力部は、前記コマンドに応じて更新された第1行動を示す第1行動情報を取得する請求項4から6のいずれか一項に記載の運転支援装置。前記検出情報は、前記車両の速度、前記車両に対する先行車両の相対速度、自車両と先行車両との距離、自車両に対する側方車線の車両の相対速度、自車両と側方車線の車両との距離、自車の位置情報を含む請求項1から7のいずれか一項に記載の運転支援装置。前記候補決定部は、複数の第2行動を決定し、かつ、各第2行動の優先順位を決定し、 前記画像生成部は、前記複数の第2行動に対応する複数の第2画像を生成し、 前記画像出力部は、前記車両の運転者の一定視野内に前記第1画像を表示させ、かつ、優先度に応じた態様で前記複数の第2画像を表示させる請求項1から8のいずれか一項に記載の運転支援装置。車両の自動運転における前記車両の行動を決定する自動運転制御部と、 前記車両の周囲状況および走行状態を検出する検出部から、検出結果を示す検出情報を取得する検出情報入力部と、 前記自動運転制御部が前記車両に実行させる第1行動に代わって実行可能な第2行動を前記検出情報に基づいて決定する候補決定部と、 前記第1行動を表す第1画像を生成し、前記第2行動を表す第2画像を生成する画像生成部と、 前記車両の運転者の一定視野内に前記第1画像と前記第2画像を表示させるように前記第1画像と前記第2画像を前記車両内の表示部に出力する画像出力部と、 を備える運転制御装置。本車両の自動運転における本車両の行動を決定する自動運転制御部と、 本車両の周囲状況および走行状態を検出する検出部から、検出結果を示す検出情報を取得する検出情報入力部と、 前記自動運転制御部が本車両に実行させる第1行動に代わって実行可能な第2行動を前記検出情報に基づいて決定する候補決定部と、 前記第1行動を表す第1画像を生成し、前記第2行動を表す第2画像を生成する画像生成部と、 本車両の運転者の一定視野内に前記第1画像と前記第2画像を表示させるように前記第1画像と前記第2画像を本車両内の表示部に出力する画像出力部と、 を備える車両。車両の自動運転における前記車両の行動を決定する自動運転制御部から、前記車両に実行させる第1行動を示す行動情報を取得するステップと、 前記車両の周囲状況および走行状態を検出する検出部から、検出結果を示す検出情報を取得するステップと、 前記行動情報が示す第1行動に代わって実行可能な第2行動を前記検出情報に基づいて決定するステップと、 前記行動情報が示す第1行動を表す第1画像を生成し、前記第2行動を表す第2画像を生成するステップと、 前記車両の運転者の一定視野内に前記第1画像と前記第2画像を表示させるように前記第1画像と前記第2画像を前記車両内の表示部に出力するステップと、 をコンピュータが実行することを特徴とする運転支援方法。車両の自動運転における前記車両の行動を決定する自動運転制御部から、前記車両に実行させる第1行動を示す行動情報を取得する機能と、 前記車両の周囲状況および走行状態を検出する検出部から、検出結果を示す検出情報を取得する機能と、 前記行動情報が示す第1行動に代わって実行可能な第2行動を前記検出情報に基づいて決定する機能と、 前記行動情報が示す第1行動を表す第1画像を生成し、前記第2行動を表す第2画像を生成する機能と、 前記車両の運転者の一定視野内に前記第1画像と前記第2画像を表示させるように前記第1画像と前記第2画像を前記車両内の表示部に出力する機能と、 をコンピュータに実現させるための運転支援プログラム。

说明书全文

本発明は、車両、車両に設けられる運転支援方法およびそれを利用した運転支援装置、運転制御装置、運転支援プログラムに関する。

近年、車両の周囲の状況や前記車両の走行状態(例えば、自車両の速度や操・アクセル・ブレーキ・方向指示器・アクチュエータの制御情報など)に基づいて、運転者が自ら運転操作を行う手動運転と一部若しくはすべての運転操作を自動で行う自動運転とによる走行が可能な車両や完全自動運転可能な車両に関する様々な技術が提案され、実用化されている。

例えば、特許文献1には、自車両が自動操舵制御や自動加減速制御となる場合に、自動操舵制御や自動加減速制御の作動状態を視覚的にドライバに認識させる走行制御装置が開示されている。

特開2005−67483号公報

しかしながら、自動運転(完全自動運転及び一部自動運転の両方を含む)中、車に運転を任せるということで、車と運転者の間の信頼関係が極めて大事であり、車両と運転者(乗員)との間に適切な情報を伝達することが必要となる。特許文献1には、運転者に対して現在の作動状態のみを報知している。

自動運転中、車両の現在の挙動(作動状態)を報知されるだけで、これから実施する挙動(例えば、特に合流前、交差点進入の前や緊急車両が近くにいた場合や周囲の他車が何らかの作動をした/しそうなときに、車両が実施しようとする車線変更、加速、減速といった挙動)について何も知らされていない状態だと、運転者が非常に不安感を抱えてしまうという第1の課題があった。

また、完全自動運転中だと、運転者が運転監視以外の他の行動を取っている可能性が高く、いきなり現在の作動状態のみ表示されても、現在の車両の周囲状況や車両の走行状態も把握できないし、運転者の意思で運転を指示しようとしてもすぐに対応できなく、運転者がスムーズに車へ指示を与えることができないという第2の課題があった。

また、運転者に現在の作動状態のみを報知しているだけで、運転者が車に対して直接手動運転を行おうとしても、すぐに切り替えられないという第3の課題があった。

また、運転者若しくは乗員によって、車が同じ動作を取るとしても、動作のタイミングや操作量は人によって異なり、実際運転者が手動運転する場合の感覚と乖離する可能性が高く、最悪な場合、自動運転中に運転者による不要な操作介入を誘発してしまうことがあるという第4の課題があった。

本発明は、完全自動運転または一部自動運転中において、上記課題のうち少なくとも1つの課題を解決することが可能な運転支援方法およびそれを利用した運転支援装置、自動運転制御装置、車両、プログラムに関する。

上記課題を解決するために、本発明のある態様の運転支援装置は、車両の自動運転における車両の行動を決定する自動運転制御部から、車両に実行させる第1行動を示す行動情報を取得する行動情報入部と、車両の周囲状況および走行状態を検出する検出部から、検出結果を示す検出情報を取得する検出情報入力部と、行動情報が示す第1行動とは別に実行可能な第2行動を検出情報に基づいて決定する候補決定部と、行動情報が示す第1行動を表す第1画像を生成し、第2行動を表す第2画像を生成する画像生成部と、車両の運転者の一定視野内に第1画像と第2画像を表示させるように第1画像と第2画像を車両内の表示部に出力する画像出力部と、を備える。

本発明の別の態様は、運転制御装置である。この装置は、車両の自動運転における車両の行動を決定する自動運転制御部と、車両の周囲状況および走行状態を検出する検出部から、検出結果を示す検出情報を取得する検出情報入力部と、自動運転制御部が車両に実行させる第1行動とは異なる行動であって、車両に実行させることが可能な第2行動を検出情報に基づいて決定する候補決定部と、第1行動を表す第1画像を生成し、第2行動を表す第2画像を生成する画像生成部と、車両の運転者の一定視野内に第1画像と第2画像を表示させるように第1画像と第2画像を車両内の表示部に出力する画像出力部と、を備える。

本発明のさらに別の態様は、車両である。この車両は、本車両の自動運転における本車両の行動を決定する自動運転制御部と、本車両の周囲状況および走行状態を検出する検出部から、検出結果を示す検出情報を取得する検出情報入力部と、自動運転制御部が本車両に実行させる第1行動とは異なる行動であって、本車両に実行させることが可能な第2行動を検出情報に基づいて決定する候補決定部と、第1行動を表す第1画像を生成し、第2行動を表す第2画像を生成する画像生成部と、本車両の運転者の一定視野内に第1画像と第2画像を表示させるように第1画像と第2画像を本車両内の表示部に出力する画像出力部と、を備える。

本発明のさらに別の態様は、運転支援方法である。この方法は、車両の自動運転における車両の行動を決定する自動運転制御部から、車両に実行させる第1行動を示す行動情報を取得するステップと、車両の周囲状況および走行状態を検出する検出部から、検出結果を示す検出情報を取得するステップと、行動情報が示す第1行動とは異なる行動であって、車両に実行させることが可能な第2行動を検出情報に基づいて決定するステップと、行動情報が示す第1行動を表す第1画像を生成し、第2行動を表す第2画像を生成するステップと、車両の運転者の一定視野内に第1画像と第2画像を表示させるように第1画像と第2画像を車両内の表示部に出力するステップと、をコンピュータが実行する。

なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を装置、システム、方法、プログラム、プログラムを記録した記録媒体、本装置を搭載した車両などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。

本発明によれば、完全自動運転または一部自動運転において、車両と運転者の操作が対立しにくい、快適な自動運転ができるように、適切に情報を伝達することができる。

本発明の実施の形態1に係る情報報知装置を含む車両の要部構成を示すブロック図である。

走行環境の第1の例と、それに対する報知部の表示、及び、操作部の操作について説明する図である。

報知部における表示の別の例を示す図である。

本実施の形態における情報報知処理の処理手順を示すフローチャートである。

走行環境の第1の例と、それに対する表示制御を示す図である。

走行環境の第1の例と、それに対する別の表示制御を示す図である。

走行環境の第2の例と、それに対する表示制御を示す図である。

走行環境の第3の例と、それに対する表示制御を示す図である。

走行環境の第4の例と、それに対する表示制御を示す図である。

走行環境の第5の例と、それに対する表示制御を示す図である。

図5に示した走行環境の第1の例に対する別の表示制御を示す図である。

図7に示した走行環境の第2の例に対する別の表示制御を示す図である。

本発明の実施の形態2に係る情報報知装置を含む車両の要部構成を示すブロック図である。

実施の形態2におけるタッチパネルの表示を説明する図である。

本発明の実施の形態3における報知部の表示を説明する図である。

走行履歴の一例を示す図である。

クラスタリング型のドライバモデルの構築方法を示す図である。

構築されたクラスタリング型のドライバモデルの一例を示す図である。

構築されたクラスタリング型のドライバモデルの別の一例を示す図である。

個別適応型のドライバモデルの構築方法を示す図である。

構築された個別適応型のドライバモデルの一例を示す図である。

運転特性モデルの一例を示す図である。

本発明の実施の形態4における報知部の表示を説明する図である。

本発明の実施の形態4における報知部の表示を説明する図である。

本発明の実施の形態4における報知部の表示を説明する図である。

本発明の実施の形態4における報知部の表示を説明する図である。

走行履歴の一例を示す図である。

本変形例におけるドライバモデルの使用方法を示す図である。

本変形例におけるキャッシュの配置の一例を示すブロック図である。

本変形例におけるキャッシュの作成方法の一例を示す図である。

本変形例におけるキャッシュの作成方法の一例を示す図である。

車両の構成を示すブロック図である。

図32の車両の室内を模式的に示す図である。

図32の検出部の詳細な構成を示すブロック図である。

自動運転制御装置から入力される行動情報を示す図である。

運転支援装置の制御部の詳細な構成を示すブロック図である。

自動運転情報画面の一例を示す図である。

自動運転情報画面の一例を示す図である。

自動運転情報画面の一例を示す図である。

車両のHMI制御に係る処理の例を示すシーケンス図である。

運転支援装置の処理の例を示すフローチャートである。

運転支援装置の記憶部の詳細な構成を示すブロック図である。

統計情報蓄積部に蓄積される統計情報を模式的に示す図である。

運転支援装置の制御部の詳細な構成を示すブロック図である。

自動運転情報画面の一例を示す図である。

車両のHMI制御に係る処理の例を示すシーケンス図である。

運転支援装置の処理の例を示すフローチャートである。

運転支援装置の処理の例を示すフローチャートである。

自動運転情報画面の一例を示す図である。

自動運転情報画面の一例を示す図である。

自動運転情報画面の一例を示す図である。

自動運転情報画面の一例を示す図である。

運転支援装置の処理の例を示すフローチャートである。

運転支援装置の処理の例を示すフローチャートである。

自動運転情報画面の一例を示す図である。

自動運転情報画面の一例を示す図である。

自動運転情報画面の一例を示す図である。

運転支援装置の処理の例を示すフローチャートである。

自動運転情報画面の一例を示す図である。

運転支援装置の処理の例を示すフローチャートである。

運転支援装置の記憶部の詳細な構成を示すブロック図である。

運転支援装置の制御部の詳細な構成を示すブロック図である。

自動運転情報画面の一例を示す図である。

車両のHMI制御に係る処理の例を示すシーケンス図である。

運転支援装置の処理の例を示すフローチャートである。

自動運転情報画面の一例を示す図である。

運転支援装置の処理の例を示すフローチャートである。

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施の形態は一例であり、本発明はこれらの実施の形態により限定されるものではない。

(実施の形態1) 図1は、本発明の実施の形態1に係る情報報知装置を含む車両1の要部構成を示すブロック図である。車両1は、運転者の操作を必要とせずに、運転制御の全てまたは一部を自動で行うことができる車両である。

車両1は、ブレーキペダル2と、アクセルペダル3と、ウィンカレバー4と、ステアリングホイール5と、検出部6と、車両制御部7と、記憶部8と、情報報知装置9とを有する。

ブレーキペダル2は、運転者によるブレーキ操作を受けつけ、車両1を減速させる。またブレーキペダル2は、車両制御部7による制御結果を受けつけ、車両1の減速の度合いに対応した量変化してもよい。アクセルペダル3は、運転者によるアクセル操作を受けつけ、車両1を加速させる。またアクセルペダル3は、車両制御部7による制御結果を受けつけ、車両1の加速の度合いに対応した量変化してもよい。ウィンカレバー4は、運転者によるレバー操作を受けつけ、車両1の図示しない方向指示器を点灯させる。またウィンカレバー4は、車両制御部7による制御結果を受けつけ、車両1の方向指示方向に対応する状態にウィンカレバー4を変化させ、車両1の図示しない方向指示器を点灯させてもよい。

ステアリングホイール5は、運転者によるステアリング操作を受けつけ、車両1の走行する方向を変更する。またステアリングホイール5は、車両制御部7による制御結果を受けつけ、車両1の走行する方向の変更に対応した量変化してもよい。ステアリングホイール5は、操作部51を有する。

操作部51は、ステアリングホイール5の前面(運転者と対向する面)に設けられ、運転者からの入力操作を受け付ける。操作部51は、例えば、ボタン、タッチパネル、グリップセンサ等の装置である。操作部51は、運転者から受けつけた入力操作の情報を車両制御部7へ出力する。

検出部6は、車両1の走行状態、及び、車両1の周囲の状況を検出する。そして、検出部6は、検出した走行状態、及び、周囲の状況の情報を車両制御部7へ出力する。

この検出部6は、位置情報取得部61と、センサ62と、速度情報取得部63と、地図情報取得部64とを有する。

位置情報取得部61は、GPS(Global Positioning System)測位等により車両1の位置情報を走行状態の情報として取得する。

センサ62は、車両1の周囲に存在する他車両の位置および車線位置情報から、他車両の位置および先行車両かどうかという種別、他車両の速度と自車両の速度から衝突予測時間(TTC:Time To Collision)、車両1の周囲に存在する障害物など、車両1の周囲の状況を検出する。

速度情報取得部63は、走行状態の情報として、図示しない速度センサ等から車両1の速度或いは走行方向などの情報を取得する。

地図情報取得部64は、車両1が走行する道路、道路における他車両との合流ポイント、現在走行中の車線、交差点の位置などの車両1の周辺の地図情報を、車両1の周囲の状況の情報として取得する。

なお、センサ62は、ミリ波レーダ、レーザレーダ或いはカメラなど、またそれらの組合せから構成される。

記憶部8は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク装置或いはSSD(Solid State Drive)などの記憶装置であり、現時点の走行環境と、次に(第1の所定時間経過後に)とり得る挙動の候補との間の対応関係を記憶する。

現時点の走行環境とは、車両1の位置、車両1が走行している道路、車両1の周囲に存在する他車両の位置および速度等によって判定される環境である。なお、瞬間的なデータのみならず、その時点の前後のデータまでを基に、例えば、他車両の位置或いは速度により加速中、減速中、他車両が割込んできて1秒後には衝突する可能性まで判定してもよい。これにより、他車両の行動を予測することができ、走行環境をより詳細かつ正確に把握することが可能である。挙動の候補とは、現時点の走行環境に対して、車両1が次に(第1の所定時間経過後に)とり得る挙動の候補である。

例えば、記憶部8は、車両1が走行する車線の前方に合流路があり、車線の左方から合流する車両が存在し、かつ、車両1が走行する車線の右方への車線変更が可能な走行環境に対応付けて、車両1の加速、車両1の減速、及び、車両1の右方への車線変更の3通りの挙動の候補を予め記憶する。

また、記憶部8は、車両1と同一車線の前方を走行する車両(以下、「先行車両」と記載)が車両1よりも遅い速度で走行し、かつ、隣の車線への車線変更が可能な走行環境に対応付けて、先行車両を追い越す走行、隣の車線へ車線変更を行う走行、車両1を減速させて先行車両に追従する走行の3通りの挙動の候補を予め記憶する。

さらに、記憶部8は、それぞれの挙動の候補に対する優先順位を記憶してもよい。例えば、記憶部8は、過去の同一の走行環境において実際に採用された挙動の回数を記憶し、採用された回数の多い挙動ほど高く設定された優先順位を記憶してもよい。

車両制御部7は、例えば、LSI回路、または、車両を制御する電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)の一部として実現可能である。車両制御部7は、検出部6から取得する走行状態および周囲の状況の情報に基づいて、車両を制御し、車両制御結果に対応してブレーキペダル2、アクセルペダル3、ウィンカレバー4、情報報知装置9を制御する。なお、車両制御部7が制御する対象は、これらに限定されない。

まず、車両制御部7は、走行状態および周囲の状況の情報に基づいて、現時点の走行環境を判定する。この判定には、従来提案されている様々な方法が利用され得る。

例えば、車両制御部7は、走行状態および周囲の状況の情報に基づいて、現時点の走行環境が、「車両1が走行する車線の前方に合流路があり、車線の左方から合流する車両が存在し、かつ、車両1が走行する車線の右方への車線変更が可能な走行環境」であると判定する。

また、例えば、車両制御部7は、走行状態および周囲の状況の情報に基づいて、走行環境の時系列が、「車両1と同一車線の前方を走行する車両が車両1よりも遅い速度で走行し、かつ、隣の車線への車線変更が可能な走行環境」であると判定する。

車両制御部7は、走行状態および周囲の状況を示す走行環境に関する情報を情報報知装置9の報知部92に報知させる。また、車両制御部7は、判定した走行環境に対して、車両1が次に(第1の所定時間経過後に)とり得る挙動の候補を記憶部8から読み出す。

車両制御部7は、読み出した挙動の候補から、現在の走行環境に最も適した挙動がどれかを判定し、現在の走行環境に最も適した挙動を第1の挙動に設定する。なお、第1の挙動は車両現在実施している挙動と同じ挙動、即ち現在実施している挙動を継続することであってもよい。そして、車両制御部7は、現在の走行環境において第1の挙動を除く他に運転者が実施可能性な挙動の候補を第2の挙動(いわゆる実施する挙動とは異なる挙動)に設定する。

例えば、車両制御部7は、走行状態および周囲の状況の情報に基づいて最も適した挙動を判定する従来技術を用いて、最も適した挙動を第1の挙動に設定することとしてもよい。

または、車両制御部7は、複数の挙動の候補のうち、予め設定された挙動を最も適した挙動として設定してもよいし、前回選択された挙動の情報を記憶部8に記憶しておき、その挙動を最も適した挙動と判定してもよいし、過去に各挙動が選択された回数を記憶部8に記憶しておき、回数が最も多い挙動を最も適した挙動と判定してもよい。

そして、車両制御部7は、第1の挙動と第2の挙動の情報を情報報知装置9の報知部92に報知させる。なお、車両制御部7は第2の挙動が無いと判定した場合、第1の挙動のみを報知部92に報知させる。

なお、車両制御部7は、第1の挙動と第2の挙動の情報と、走行状態および周囲の状況の情報とを、同時に、報知部92に報知させてもよい。

さらに、車両制御部7は、操作部51が運転者から受けつけた操作の情報を取得する。車両制御部7は、第1の挙動と第2の挙動を報知してから、第2の所定時間内に操作部51が操作を受けつけたか否かを判定する。この操作は、例えば、第2の挙動に含まれる挙動の中から1つの挙動を選択する操作である。

車両制御部7は、第2の所定時間内に操作部51が操作を受けつけなかった場合、第1の挙動を実行するように車両を制御し、車両制御結果に対応してブレーキペダル2、アクセルペダル3、ウィンカレバー4を制御する。

車両制御部7は、第2の所定時間内に操作部51が操作を受けつけた場合、受けつけた操作に対応する制御を行う。

情報報知装置9は、車両制御部7から車両1の走行に関する種々の情報を取得し、取得した情報を報知する。情報報知装置9は、情報取得部91と報知部92とを有する。

情報取得部91は、車両制御部7から車両1の走行に関する種々の情報を取得する。例えば、情報取得部91は、車両制御部7が車両1の挙動を更新する可能性があると判定した場合に、車両制御部7から第1の挙動の情報と第2の挙動の情報を取得する。

そして、情報取得部91は、取得した情報を図示しない記憶部に一時的に記憶し、必要に応じて記憶した情報を記憶部から読み出して報知部92へ出力する。

報知部92は、車両1の走行に関する情報を運転者に報知する。報知部92は、例えば、車内に設置されているカーナビゲーションシステム、ヘッドアップディスプレイ、センターディスプレイ、ステアリングホイール5或いはピラーに設置されているLEDなどの発光体などのような情報を表示する表示部であってもよいし、情報を音声に変換して運転者に報知するスピーカであってもよいし、あるいは、運転者が感知できる位置(例えば、運転者の座席、ステアリングホイール5など)に設けられる振動体であってもよい。また、報知部92は、これらの組み合わせであってもよい。

以下の説明では、報知部92が報知装置であるものとする。

この場合、報知部92とは、例えば、ヘッドアップディスプレイ(Head Up Display:HUD)、LCD(Liquid Crystal Display)、HMD(Head-Mounted DisplayまたはHelmet-Mounted Display)、眼鏡型ディスプレイ(Smart Glasses)、その他の専用のディスプレイなどである。HUDは、例えば、車両1のウインドシールドであってもよいし、別途設けられるガラス面、プラスチック面(例えば、コンバイナ)などであってもよい。また、ウインドシールドは、例えば、フロントガラスであってもよいし、車両1のサイドガラスまたはリアガラスであってもよい。

さらに、HUDは、ウインドシールドの表面または内側に備えられた透過型ディスプレイであってもよい。ここで、透過型ディスプレイとは、例えば、透過型の有機ELディスプレイ、または、特定の波長の光を照射した際に発光するガラスを用いた透明なディスプレイである。運転者は、背景を視認すると同時に、透過型ディスプレイ上の表示を視認することができる。このように報知部92は、光を透過する表示媒体であってもよい。いずれの場合も、画像が報知部92に表示される。

報知部92は、車両制御部7から情報取得部91を介して取得した走行に関する情報を運転者に報知する。例えば、報知部92は、車両制御部7から取得した第1の挙動、及び、第2の挙動の情報を運転者に報知する。

ここで、具体的な表示内容、及び、操作部51に対してなされる操作について説明する。

図2は、走行環境の第1の例と、それに対する報知部92の表示、及び、操作部51の操作について説明する図である。

図2(a)は、車両1の走行環境を示す俯瞰図である。具体的には、図2(a)は、車両1が走行する車線の前方に合流路があり、車線の左方から合流する車両が存在し、かつ、車両1が走行する車線の右方への車線変更が可能な走行環境であることを示している。

車両制御部7は、走行状態および周囲の状況の情報に基づき、走行環境が、図2(a)に示すような走行環境であると判定する。なお、車両制御部7は、図2(a)に示す俯瞰図を生成し、第1の挙動、及び、第2の挙動の情報に加えて、生成した俯瞰図を報知部92に報知させてもよい。

図2(b)は、図2(a)に示した走行環境に対する報知部92の表示の一例を示している。報知部92の表示範囲のうち、右側には、車両1の挙動に関わる選択肢が表示され、左側には、手動運転に切り替えるための情報が表示される。

第1の挙動は、表示領域29a〜29c、29gのうち、強調されている表示領域29bに示されている「車線変更」である。第2の挙動は、表示領域29a、29cにそれぞれ示されている「加速」、「減速」である。また、表示領域29gには、手動運転に切替えることを示す「自動運転終了」が表示されている。

図2(c)は、ステアリングホイール5に設けられる操作部51の一例を示している。操作部51は、ステアリングホイール5の右側に設けられる操作ボタン51a〜51dと、ステアリングホイール5の左側に設けられる操作ボタン51e〜51hとを有する。なお、ステアリングホイール5に設けられる操作部51の数や形状等はこれらに限定されない。

本実施の形態では、図2(b)に示す表示領域29a〜29cと操作ボタン51a〜51cがそれぞれ対応し、表示領域29gと操作ボタン51gとが対応する。

この構成において、運転者は、各表示領域に表示される内容のいずれかを選択する際に、各表示領域に対応する操作ボタンを押下する。例えば、運転者が表示領域29aに表示される「加速」という挙動を選択する場合、運転者は、操作ボタン51aを押下する。

なお、図2(b)には、各表示領域に文字の情報のみが表示されているが、次に説明するように、車両の駆動に関する記号或いはアイコンを表示してもよい。これにより、運転者に表示内容を一目瞭然に把握できる。

図3は、報知部92における表示の別の例を示す図である。図3に示すように、表示領域39a〜39c、39gに文字の情報とその情報を示す記号の両方が表示される。なお、記号のみが表示されてもよい。

次に、具体的な走行環境を例に挙げて、表示制御の流れについて説明する。

図4は、本実施の形態における情報報知処理の処理手順を示すフローチャートである。図5は、走行環境の第1の例と、それに対する表示制御を示す図である。

図4に示すように、検出部6は、車両の走行状態を検出する(ステップS11)。次に、検出部6は、車両の周囲の状況を検出する(ステップS12)。検出された車両の走行状態、及び、車両の周囲の状況の情報は、検出部6により車両制御部7へ出力される。

つぎに、車両制御部7は、走行状態および周囲の状況の情報に基づいて、現時点の走行環境を判定する(ステップS13)。図5(a)の例の場合、車両制御部7は、現時点の走行環境が、「車両1が走行する車線の前方に合流路があり、車線の左方から合流する車両が存在し、かつ、車両1が走行する車線の右方への車線変更が可能な走行環境」であると判定する。

その後、車両制御部7は、判定した走行環境の情報を情報報知装置9の報知部92に報知させる(ステップS14)。図5(b)の例の場合、車両制御部7は、判定した走行環境の情報を情報取得部91へ出力する。報知部92は、情報取得部91から走行環境の情報を取得し、文字情報59として表示させる。なお、車両制御部7は、走行環境の情報を報知部92に表示させる代わりに、スピーカ等で音声として走行環境の情報を運転者に報知してもよい。これにより、運転者がディスプレイ或いはモニターを見ていない、もしくは見落としている場合でも、運転者に確実に情報を伝達できる。

次に、車両制御部7は、判定した走行環境が挙動の更新の可能性があるとするか否かを判定し、更新する可能性があるとすると判定された場合、さらに第1の挙動、及び、第2の挙動の判定を行う(ステップS15)。走行環境が挙動の更新の可能性があるとするか否かの判定は、走行環境が変更したか否かによって判定される。更新後実施する挙動とは、例えば、他の車両等と衝突が発生する可能性がある場合に減速する、ACC(Adaptive Cruise Control)において先行車両が消えた場合に速度変更する、隣の車線が空いた場合に車線変更するなどが考えられる。更新するか否かを判定するときは従来技術を用いてなされる。

この場合、車両制御部7は、判定した走行環境に対して、車両1が次に(第1の所定時間経過後に)とり得る挙動の候補を記憶部8から読み出す。そして、車両制御部7は、挙動の候補から、現在の走行環境に最も適した挙動がどれかを判定し、現在の走行環境に最も適した挙動を第1の挙動に設定する。そして、車両制御部7は、第1の挙動を除く挙動の候補を第2の挙動に設定する。

図5(b)の例の場合、車両制御部7は、記憶部8から、車両1の加速、車両1の減速、及び車両1の右方への車線変更の3通りの挙動の候補を読み出す。そして、車両制御部7は、左方から合流する車両の速度、及び、車両1の右方の車線の状況に基づき、車両1の右方への車線変更が最も適した挙動であると判定し、その挙動を第1の挙動に設定する。そして、車両制御部7は、第1の挙動を除く挙動の候補を第2の挙動に設定する。

次に、車両制御部7は、第1の挙動、及び、第2の挙動を情報報知装置9の報知部92に報知させる(ステップS16)。図5(b)の例の場合、報知部92は、第1の挙動の情報である「車線変更」という文字情報を表示領域59bに強調して表示し、第2の挙動の情報である「加速」、「減速」をそれぞれ表示領域59a、59cに表示させる。

次に、車両制御部7は、第2の所定時間内に操作部51が運転者からの操作を受けつけたか否かを判定する(ステップS17)。

例えば、車両制御部7は、現時点での走行環境が図5(a)に示す走行環境であると判定してから、合流ポイントに到達するまでの時間を第1の所定時間と設定する。そして、車両制御部7は、第1の所定時間よりも短い第2の所定時間を、合流ポイントまでに実行される次の挙動に対する操作の受付が可能な時間として設定する。

車両制御部7は、第2の所定時間内に操作部51が運転者からの操作を受けつけた場合(ステップS17においてYES)、受けつけた操作が自動運転終了の操作か、挙動の選択操作(いわゆる更新)かを判定する(ステップS18)。

図2にて説明したように、報知部92の各表示領域と操作部51の各操作ボタンとは対応している。運転者は、図5(b)における自動運転終了を選択する場合、図2(c)に示した操作ボタン51gを押下する。また、運転者は、挙動の選択を行う場合、図2(c)に示した操作ボタン51a〜51cのいずれかを押下する。

車両制御部7は、操作部51が受けつけた操作が自動運転終了の操作である場合(つまり、操作ボタン51gが押下されたことを検知した場合)、自動運転を終了させる(ステップS19)。車両制御部7は、操作部51が受けつけた操作が挙動の選択操作である場合(つまり、操作ボタン51a〜51cのいずれかが押下された場合)、押下された操作ボタンに対応する挙動を実行するように、車両1の制御を行う(ステップS20)。

車両制御部7は、第2の所定時間内に操作部51が運転者からの操作を受けつけなかった場合(ステップS17においてNO)、第1の挙動を実行するように、車両1の制御を行う(ステップS21)。

図6は、走行環境の第1の例と、それに対する別の表示制御を示す図である。図6(a)は、図5(a)と同様であるが、図6(b)の表示制御が図5(b)の表示制御とは異なっている。

図5(b)を用いて説明した場合と同様に、車両制御部7は、図6(a)に示した走行環境に対して、記憶部8から、車両1の加速、車両1の減速、及び車両1の右方への車線変更の3通りの挙動の候補を読み出す。その際、記憶部8には、車両1の右方への車線変更が最も優先される挙動として記憶されているものとする。

この場合、車両制御部7は、走行環境の情報と、第1の挙動の情報とを報知部92に報知させる。図6(b)の場合、車両制御部7は、走行環境の情報と、第1の挙動の情報を示す文字情報69を生成し、報知部92に文字情報69を表示させる。

そして、車両制御部7は、運転者に第1の挙動の採否を促す表示を表示領域69a、69cに表示させる。また、車両制御部7は、手動運転に切り替え可能であることを示す「自動運転終了」という表示を表示領域69gに表示させる。

ここで、車両制御部7は、第1の挙動を採用することに対応する「YES」を強調して表示する。「YES」、「NO」のどちらを強調して表示するかは、予め定められていてもよいし、前回選択された選択肢を強調して表示することとしてもよいし、過去に選択された回数を記憶部8に記憶しておき、回数が多い方を報知部92が強調して表示することとしてもよい。

このように過去に選択された挙動を学習することにより、車両制御部7は、運転者に適切に情報を報知できる。また、図5(b)の場合よりも報知部92に報知させる表示を減らすことができ、運転者の煩わしさを低減できる。

図7は、走行環境の第2の例と、それに対する表示制御を示す図である。図7(a)は、走行環境を示す俯瞰図である。図7(a)に示す走行環境は、前方に合流路がある点で図5(a)、図6(a)と同様であるが、車両1の右側に走行車両が存在する点で図5(a)、図6(a)と異なる。このような場合、車両制御部7は、車線変更が行えないと判断する。

そして、車両制御部7は、車両1の走行環境が図7(a)のようなものと判定した場合、図7(b)に示すように、判定した走行環境の情報を報知部92に文字情報79として表示させる。

さらに、車両制御部7は、記憶部8から読み出した車両1の加速、車両1の減速、及び、車両1の右方への車線変更の3通りの挙動の候補のうち、車両1の右方への車線変更はできないため、車両1の加速、及び、車両1の減速のみを選択する。

また、車両制御部7は、このままの速度で進むと合流車両と接近しすぎることを予測し、車両1の減速が最も適した挙動である、つまり、第1の挙動であると判定する。

ここで、3通りの挙動の候補のうち、最も適した挙動がどれかは、走行状態および周囲の状況の情報に基づいて最も適した挙動を判定する従来技術を用いて判定される。また、最も適した挙動がどれかは、予め定められていてもよいし、前回選択された挙動の情報を記憶部8に記憶しておき、その挙動を最も適した挙動と判定してもよいし、過去に各挙動が選択された回数を記憶部8に記憶しておき、回数が最も多い挙動を最も適した挙動と判定してもよい。

その後、車両制御部7は、「減速」を第1の挙動として表示領域79cに表示させ、「加速」を第2の挙動として表示領域79aに表示させる。また、車両制御部7は、手動運転に切替えることを示す「自動運転終了」という表示を表示領域79gに表示させる。

このような表示制御により、車両制御部7は、走行環境に応じて、その走行環境に最も適した挙動を第1の挙動として運転者に報知できる。

第1の挙動の情報を上方に、第2の挙動の情報を下方に配置し、それぞれ操作ボタン51a、51cに選択機能を割り当ててもよいし、加速挙動の情報を上方に、減速挙動の情報を下方に、右車線変更の挙動の情報を右方に、左車線変更の挙動の情報を左方へ配置し、それぞれ操作ボタン51a、51c、51b、51dに選択機能を割り当ててもよいし、それらを切り替えられるようにし、別途行動優先配置か、操作優先配置かを表示してもよい。さらに、第1の挙動の情報の表示サイズを大きく、第2の挙動の情報の表示サイズを小さくしてもよい。なお、車の前後・左右の挙動と対応して挙動情報の表示を配置することにより、運転者に直感的な認識と操作が可能である。

次に、前方に合流路があるという走行環境以外の走行環境の例について説明する。

図8は、走行環境の第3の例と、それに対する表示制御を示す図である。図8(a)は、車両1の走行環境を示す俯瞰図である。具体的には、図8(a)には、先行車両が車両1よりも遅い速度で走行し、かつ、隣の車線への車線変更が可能な走行環境が示されている。

車両制御部7は、走行状態および周囲の状況の情報に基づき、走行環境が、図8(a)に示すような走行環境であると判定する。この場合、車両制御部7は、判定した走行環境の情報を報知部92に文字情報89として表示させる。

また、車両制御部7は、判定した走行環境に対応する挙動の候補として、先行車両を追い越す走行、隣の車線へ車線変更を行う走行、車両1を減速させて先行車両を追従する走行の3通りの挙動の候補を記憶部8から読み出す。

そして、車両制御部7は、例えば、先行車両の減速後の速度が所定値より高く許容できることから、車両1を減速させて先行車両を追従する走行が最も適した挙動、つまり、第1の挙動であると判定する。

ここで、3通りの挙動の候補のうち、最も適した挙動がどれかは、走行状態および周囲の状況の情報に基づいて最も適した挙動を判定する従来技術を用いて判定される。また、最も適した挙動がどれかは、予め定められていてもよいし、前回選択された挙動の情報を記憶部8に記憶しておき、その挙動を最も適した挙動と判定してもよいし、過去に各挙動が選択された回数を記憶部8に記憶しておき、回数が最も多い挙動を最も適した挙動と判定してもよい。

さらに、車両制御部7は、図8(b)に示すように、第1の挙動を示す「追従」という文字情報を表示領域89cに強調して表示し、第2の挙動を示す「追い越し」、「車線変更」という文字情報をそれぞれ表示領域89a、89bに表示させる。また、車両制御部7は、手動運転に切替えることを示す「自動運転終了」という表示を表示領域89gに表示させる。

第1の挙動の情報を上方に、第2の挙動の情報を下方に配置し、それぞれ操作ボタン51a、51cに選択機能を割り当ててもよいし、追い越し挙動の情報を上方に、追従挙動の情報を下方に、右車線変更の挙動の情報を右方に、左車線変更の挙動の情報を左方へ配置し、それぞれ操作ボタン51a、51c、51b、51dに選択機能を割り当ててもよいし、それらを切り替えられるようにし、別途行動優先配置か、操作優先配置かを表示してもよい。さらに、第1の挙動の情報の表示サイズを大きく、第2の挙動の情報の表示サイズを小さくしてもよい。

図9は、走行環境の第4の例と、それに対する表示制御を示す図である。図9(a)は、車両1の走行環境を示す俯瞰図である。具体的には、図9(a)は、走行環境が、車両1と同一車線の前方において、車線が減少する走行環境であることを示している。

車両制御部7は、走行状態および周囲の状況の情報に基づき、走行環境が、図9(a)に示すような走行環境であると判定する。この場合、車両制御部7は、判定した走行環境の情報を報知部92に文字情報99として表示させる。

また、車両制御部7は、判定した走行環境に対応する挙動の候補として、隣の車線へ車線変更を行う走行、そのまま現車線を維持する走行の2通りの挙動の候補を記憶部8から読み出す。

そして、車両制御部7は、例えば、車線減少箇所までのTTCが所定値より短いため、隣の車線へ車線変更を行う走行が最も適した挙動である、つまり、第1の挙動であると判定する。

ここで、2通りの挙動の候補のうち、最も適した挙動がどれかは、走行状態および周囲の状況の情報に基づいて最も適した挙動を判定する従来技術を用いて判定される。また、最も適した挙動がどれかは、予め定められていてもよいし、前回選択された挙動の情報を記憶部8に記憶しておき、その挙動を最も適した挙動と判定してもよいし、過去に各挙動が選択された回数を記憶部8に記憶しておき、回数が最も多い挙動を最も適した挙動と判定してもよい。

さらに、車両制御部7は、図9(b)に示すように、第1の挙動を示す「車線変更」という文字情報を表示領域99bに強調して表示し、第2の挙動を示す「そのまま」という文字情報を表示領域99cに表示させる。また、車両制御部7は、手動運転に切替えることを示す「自動運転終了」という表示を表示領域99gに表示させる。

第1の挙動の情報を上方に、第2の挙動の情報を下方に配置し、それぞれ操作ボタン51a、51cに選択機能を割り当ててもよいし、何もしない挙動の情報を下方に、右車線変更の挙動の情報を右方に、左車線変更の挙動の情報を左方へ配置し、それぞれ操作ボタン51c、51b、51dに選択機能を割り当ててもよいし、それらを切り替えられるようにし、別途行動優先配置か、操作優先配置かを表示してもよい。さらに、第1の挙動の情報の表示サイズを大きく、第2の挙動の情報の表示サイズを小さくしてもよい。なお、図7、8、9に示されているように、異なる走行環境によって、表示領域にはそれぞれ異なる機能が割り当てられることで、少ない領域で情報報知或いは操作することができる。

上記の説明では、車両制御部7が、走行環境および周囲の状況の情報に応じて、報知部92に挙動を報知させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、運転者による所定の操作があったときに、報知部92に挙動を報知させることとしてもよい。

図10は、走行環境の第5の例と、それに対する表示制御を示す図である。図10(a)は、車両1の走行環境を示す俯瞰図である。具体的には、図10(a)には、車両1が左方と右方にそれぞれ車線変更可能な走行環境であることを示す走行環境が示されている。

図10(a)に示す走行環境は、図5(a)〜図9(a)の場合と異なり、車線の変更或いは車両の加速、減速が不要な通常走行が可能な走行環境である。この場合、車両制御部7は、図10(b)の表示109に示すように、走行環境の情報を報知部92に文字情報として表示させなくともよい。

このように報知部92に文字情報が表示されていない状況において、運転者が操作部51のいずれかの操作ボタンを押下した場合、車両制御部7は、通常走行における挙動の候補を記憶部8から読み出す。

具体的には、記憶部8には、図10(a)に示すような通常走行の走行環境に対応付けて、車両1の加速、車両1の減速、車両1の右方への車線変更、車両1の左方への車線変更の4通りの挙動の候補が記憶されている。車両制御部7は、これらを読み出し、報知部92の表示領域109a〜109dにそれぞれ表示させる。

また、車両制御部7は、手動運転に切り替えることを示す「自動運転終了」という表示を表示領域99gに表示させるとともに、挙動の更新をキャンセルすることを示す「キャンセル」という表示を表示領域109eに強調して表示させる。

以上説明した本実施の形態によれば、運転者に次に実施される挙動の候補を効果的に報知し、運転者により好ましい挙動を選択させることができる。

なお、運転者が実施したい挙動を選択する代わりに、直接ステアリングホイールなどの手動操作をしてもよい。これにより、運転者が自分の意思により素早く手動運転操作に切り替えられる。

[変形例] 以上説明した本実施の形態では、報知部92における表示は、文字情報であるとして説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、挙動を示す記号を用いて運転者に視覚的に表示させてもより。以下では、運転者に視覚的に表示させる記号を用いた表示を図5および図7に対する表示を例にとって説明する。

図11は、図5に示した走行環境の第1の例に対する別の表示制御を示す図である。この例では、上述した第1の挙動が車両1の右方への車線変更であり、第2の挙動が車両1の加速、及び、車両1の減速である。

この場合、第1の挙動である「車線変更」を示す記号111が中央に大きく表示され、第2の挙動である「車両1の加速」を示す記号112、及び、「車両1の減速」を示す記号113が右方に小さく表示される。また、自動運転終了を示す記号114が左方に小さく表示される。

そして、このまま運転手により車両1の挙動の変更指示を受けつけなければ、車線変更が行われる。

図12は、図7に示した走行環境の第2の例に対する別の表示制御を示す図である。この例では、上記第1の例と異なり、車両1の右方に別の車両が走行しているため、車線変更ができない。そのため、例えば、「車両1の減速」が第1の挙動に設定され、「車両1の加速」が第2の挙動に設定される。

そして、この場合、図12(a)に示すように、第1の挙動である「車両1の減速」を示す記号121が中央に大きく表示され、第2の挙動である「車両1の加速」を示す記号122が右方に小さく表示される。また、自動運転終了を示す記号123が左方に小さく表示される。

ここで、操作部51が運転手から「車両1の加速」を選択する操作を受けつけたものとする。この場合、図12(b)に示すように、第1の挙動である「車両1の加速」を示す記号122’が中央に大きく表示され、第2の挙動である「車両1の減速」を示す記号121’が右方に小さく表示されることになる。

以上説明した本実施の形態によれば、運転者に次に実施される挙動の候補を効果的に報知し、運転者により好ましい挙動を選択させることができる。一方、運転者は、車両が実施する挙動や他に選択可能な挙動を把握でき、安心感を持って自動運転を継続することできる。または、運転者がスムーズに車へ指示を与えることができる。

また、本実施の形態によれば、走行環境に応じて、報知部に報知させる選択肢、つまり、第2の挙動を可変にすることができる。

(実施の形態2) 実施の形態1では、ステアリングホイール5に設けられた操作部51によって、報知部92の表示に応じた操作を行う構成について説明した。本実施の形態では、ステアリングホイール5に設けられる操作部51の代わりに、タッチパネルが設けられる構成について説明する。

図13は、本発明の実施の形態2に係る情報報知装置を含む車両1の要部構成を示すブロック図である。なお、図13において、図1と共通する構成には図1と同一の符号を付し、その詳しい説明を省略する。図13に示す車両1には、ステアリングホイール5の操作部51の代わりにタッチパネル10が設けられている。

タッチパネル10は、情報の表示と入力の受付が可能な液晶パネル等からなる装置であり、車両制御部7と接続される。タッチパネル10は、車両制御部7による制御に基づいて情報を表示する表示部101と、運転者等からの操作を受けつけ、受けつけた操作を車両制御部7へ出力する入力部102とを有する。

次に、タッチパネル10の表示制御について説明する。ここでは、車両1が3車線の中央を走行中であり、右方の車線と左方の車線のいずれかに車線変更が可能である場合の表示制御について説明する。

図14は、実施の形態2におけるタッチパネル10の表示を説明する図である。図14(a)は、タッチパネル10の表示部101の初期表示である。車両制御部7は、車両1が右方の車線と左方の車線のいずれかに車線変更が可能であると判定した場合、タッチパネル10の表示部101に図14(a)のような表示を実行させる。ここで、表示領域121における「Touch」という表示は、タッチパネル10が運転者によるタッチ操作を受けつけ可能なモードであることを示している。

運転者は、図14(a)に示す表示において、表示領域121をタッチするタッチ操作を行う場合、入力部102は、この操作を受けつけて、この操作が行われたことを示す情報を車両制御部7へ出力する。車両制御部7は、この情報を受けつけると、図14(b)に示す表示を表示部101に表示させ、また、図14(c)に示す表示を報知部92に表示させる。

図14(b)には、車両1へ移動を指示する操作であることを示す「Move」と表示された表示領域121aが示されている。また、図14(b)には、車両1が3車線のそれぞれを走行可能であることを示す表示領域121b〜121dが示されている。なお、表示領域121b〜121dは、それぞれ、図14(c)に矢印X、Y、Zで示される車線での走行と対応する。

また、図14(b)の各表示領域と、図14(c)の各矢印とは、それぞれ、態様(例えば、色或いは配置など)を一致させる。これにより、運転者により理解しやすい表示となる。

さらに、矢印X、Y、Zで示される車線の太さなどを変えて、車両制御が判定した車両が実施する挙動と他に運転者が選択可能な挙動が区別できるように表示してもよい。

運転者は、表示領域121b〜121dのうち、走行したい車線に対応する表示領域に触れることによって、車両1の挙動の選択を行う。この場合、入力部102は、運転者の挙動の選択操作を受けつけて、選択された挙動の情報を車両制御部7へ出力する。そして、車両制御部7は、選択された挙動を実行するよう車両1を制御する。これにより、運転者が走行したい車線を車両1が走行することになる。

なお、運転者は、タッチパネル10に対して、タッチ操作の代わりに、スワイプ操作を行ってもよい。例えば、図14に示す例において、運転者が図14(c)の矢印Xで示される車線への変更を行いたい場合、運転者は、タッチパネル10において右方へのスワイプ操作を行う。

この場合、入力部102は、スワイプ操作を受けつけ、スワイプ操作の内容を示す情報を車両制御部7へ出力する。そして、車両制御部7は、選択された挙動である矢印Xで示される車線への車線変更を実行するよう車両1を制御する。

さらに、車両1へ移動を指示する操作であることを示す「Move」と表示された表示領域121aが示されるときに、音声で「挙動選択」などと発話してもよい。これにより、手元のタッチパネルを見ることなく、HUDの表示のみで操作が可能となる。

また、タッチ操作或いはスワイプ操作の際に、選択したタッチパネルの表示領域に対応する車線の表示態様を変更し、どの車線を選択しようとしているのか選択前に確認できるようにしてもよい。例えば、表示領域bをタッチした瞬間に、車線Xの太さが拡大し、すぐに手を離せば車線Xは選択されず車線Xの太さが元の大きさに戻り、表示領域121cにタッチを移動した瞬間に、車線Yの太さが拡大し、しばらくその状態を保持すると、車線Yが選択され、車線Yが点滅することで決定されたことを伝えても良い。これにより、手元を目視せずに選択或いは決定の操作ができる。

なお、実施の形態1と同様に、加速、減速、追越し、そのままなどの車両制御機能を、走行環境に応じて、表示領域に割り当てても良い。

以上説明した本実施の形態によれば、操作部の代わりにタッチパネルを設けることにより、運転者に直感的な操作を行わせることができる。また、タッチパネルは、操作を受けつける表示領域の数、形状、色などを自由に変更させることができるため、ユーザインタフェースの自由度が向上する。

(実施の形態3) 実施の形態1では、第1の挙動と第2の挙動が同時に表示される場合について説明した。本実施の形態では、まず、報知部92に第1の挙動が表示され、運転者の操作を受けつけた場合に、第2の挙動が表示される構成について説明する。

本実施の形態に係る構成は、実施の形態1で説明した図1の構成において、操作部51に運転者がステアリングホイール5を握ったか否かを検出するグリップセンサがさらに含まれた構成となる。

図15は、本発明の実施の形態3における報知部92の表示を説明する図である。図15には、図8(a)に示した場合と同様に、車両1と同一車線の前方を走行する車両が車両1よりも遅い速度で走行し、かつ、隣の車線への車線変更が可能な走行環境における表示の例が示されている。

車両制御部7は、走行環境が、図8(a)に示した走行環境であると判定すると、まず、報知部92に図15(a)に示す表示を実行させる。

図15(a)には、第1の所定時間が経過した後に実施される挙動の候補うち、第1の挙動である「追い越し」を示す記号131が第1の態様(例えば、第1の色)で示されている。

車両制御部7は、図15(a)に示す表示を報知部92に実行させた後、第2の所定時間が経過した場合、記号131を第1の態様から、第1の態様とは異なる第2の態様(例えば、第1の色とは異なる第2の色)で報知部92に表示させる。ここで、第2の所定時間は、実施の形態1で説明した第2の所定時間と同様のものである。

つまり、記号131が第1の態様で示されている間、運転者は、第2の挙動の選択が可能であるが、記号131が第2の態様に変更された場合、運転者は、第2の挙動の選択が不可能になる。

また、図15(a)には、第2の挙動が選択可能であることを示すステアリングホイール形状の記号132が示されている。記号132が表示されている場合に運転者がステアリングホイール5を握ることによって、第2の挙動が表示される。記号132は、第2の挙動が選択可能であることを示す表示であるが、記号131が第1の態様にて表示されることによって、運転者に第2の挙動が選択可能であることを示すこととしてもよい。この場合、記号132は、表示されなくてもよい。

また、図15(a)には、現在、自動運転中であることを示す記号133が示されている。記号133は、自動運転で走行中であることを運転者に示す補助的な表示であるが、記号133は表示されなくてもよい。

図15(a)の表示に対して運転者がステアリングホイール5を握った場合、グリップセンサがそれを検出し、その検出結果の情報を車両制御部7へ出力する。この場合、車両制御部7は、図15(b)に示す表示を報知部92に実行させる。

図15(b)には、図15(a)と同様に、第1の挙動である「追い越し」を示す記号131が第1の態様(例えば、第1の色)で示されている。また、第2の挙動である「車線変更」を示す記号134と、第2の挙動である「減速」を示す記号135が示されている。

運転者は、ステアリングホイール5の操作部51を操作することによって、第1の挙動から第2の挙動への変更を行う。例えば、運転者は、操作部51の操作ボタン51a、または、操作ボタン51c(図2(c)参照)を押下することによって、「車線変更」(記号134)、または、「減速」(記号135)への挙動の更新を行う。

また、図15(b)には、車両制御部7が、車両1の挙動を学習中であることを示す記号136が示されている。記号136が表示されている場合、車両制御部7は、運転者が選択した挙動を学習する。記号136は表示されなくても構わない。また、学習は常に行っていても構わない。

つまり、車両制御部7は、運転者が選択した挙動を記憶部8に記憶し、次に同様の走行環境になった場合、記憶した挙動を第1の挙動として、報知部92に表示させる。または、車両制御部7は、過去に各挙動が選択された回数を記憶部8に記憶しておき、回数が最も多い挙動を第1の挙動として、報知部92に表示させてもよい。

また、図15(b)には、自動運転中ではないことを示す記号137が示されている。記号137が表示されている場合、車両制御部7は、第1の所定時間経過後に行う挙動が運転者によって選択されるまで待機する。

図15(b)に示す表示に対して、運転者が操作部51の操作ボタン51aを押下して「車線変更」を選択した場合、車両制御部7は、この選択操作の情報を受けつけ、図15(c)に示す表示を報知部92に実行させる。

図15(c)には、「車線変更」を示す記号134’が、第1の態様で示されている。車両制御部7は、「車線変更」を選択する選択操作の情報を受けつけた場合、この選択された挙動が次に行う挙動であると判定し、「車線変更」を示す記号134’を第1の態様で報知部92に表示させる。

また、図15(c)の記号131’は、図15(b)において第1の挙動として表示されていた記号131が記号134と入れ替わって表示されたものである。

また、図15(c)に示す表示に対して、運転者が操作ボタンのいずれかを2度連続して押下した場合、運転者が前に行った選択操作をキャンセルできるようにしてもよい。この場合、車両制御部7は、操作ボタンのいずれかを2度連続して押下する操作の情報を受けつけ、図15(c)に示す表示から図15(b)に示す表示への変更を報知部92に実行させる。

車両制御部7は、図15(a)に示す表示を報知部92に実行させてから、第2の所定時間が経過するまでの間に、運転者の操作に基づいて、図15(b)、図15(c)へと報知部92の表示を変化させる。その後、車両制御部7は、図15(a)に示す表示を報知部92に実行させてから第2の所定時間が経過した後に、図15(d)に示す表示を報知部92に表示させる。

なお、車両制御部7は、運転者がステアリングホイール5から手を離したこと示す情報をグリップセンサから取得した場合に、第2の所定時間が経過する前に図15(d)に示す表示を報知部92に表示させてもよい。

ここで、図15(d)には、次の挙動として、運転者が選択した「車線変更」を示す記号134’が第2の態様で表示され、また、自動運転で走行中であることを示す記号133が、再び、表示された状態が示されている。

以上説明した本実施の形態によれば、車両制御部7は、運転者が次にとる挙動の更新したい場合にのみ、他の挙動の候補を確認できるように、報知部92での表示を変更する。この構成により、運転者が視認する表示を減らすことができ、運転者の煩わしさを低減できる。

(実施の形態4) 上述した実施の形態において、車両1が実行しうる複数の挙動の候補のうち最も適した挙動がどれかを判定する方法についていくつか説明した。本実施の形態では、最も適した挙動を判定する方法として、予め学習により構築されたドライバモデルを用いる場合について説明する。

ここで、ドライバモデルの構築方法について説明する。ドライバモデルは、走行環境毎の運転者による操作の傾向を各操作の頻度の情報などに基づいてモデル化したものである。ドライバモデルは、複数の運転者の走行履歴を集約し、集約した走行履歴から構築される。

運転者の走行履歴は、例えば、各走行環境に対応する挙動の候補のうち、運転者が実際に選択した挙動の頻度が、挙動の候補毎に集約された履歴である。

図16は、走行履歴の一例を示す図である。図16には、運転者xが「合流路が近づく」という走行環境において、「減速」、「加速」、「車線変更」という挙動の候補を、それぞれ、3回、1回、5回選択したことが示されている。また、図16には、運転者Xが「前方に低速車あり」という走行環境において、「追従」、「追い越し」、「車線変更」という挙動の候補を、それぞれ、2回、2回、1回選択したことが示されている。運転者yについても同様である。

運転者の走行履歴は、自動運転中に選択した挙動を集約してもよいし、運転者が手動運転中に実際に行った挙動を集約してもよい。これにより、自動運転或いは手動運転といった運転状態に応じた走行履歴の収集ができる。

ドライバモデルには、複数の運転者の走行履歴をクラスタリングして構築するクラスタリング型と、特定の運転者(例えば、運転者x)の走行履歴と類似する複数の走行履歴から運転者xのドライバモデルを構築する個別適応型とがある。

まず、クラスタリング型について説明する。クラスタリング型のドライバモデルの構築方法は、図16に示したような複数の運転者の走行履歴を予め集約する。そして、互いの走行履歴の類似度が高い複数の運転者、つまり、類似した運転操作傾向を有する複数の運転者をグループ化してドライバモデルを構築する。

図17は、クラスタリング型のドライバモデルの構築方法を示す図である。図17には、運転者a〜fの走行履歴が表形式で示されている。そして、運転者a〜fの走行履歴から、モデルAが運転者a〜cの走行履歴から構築され、モデルBが運転者d〜fの走行履歴から構築されることが示されている。

走行履歴の類似度は、例えば、運転者aと運転者bの走行履歴における各頻度(各数値)を頻度分布として扱い、互いの頻度分布の相関値を算出し、算出した相関値を類似度としてもよい。この場合、例えば、運転者aと運転者bの走行履歴から算出した相関値が所定値よりも高い場合に、運転者aと運転者bの走行履歴を1つのグループとする。

なお、類似度の算出については、これに限定されない。例えば、運転者aと運転者bの各走行履歴において、最も頻度の高い挙動が一致する数に基づいて、類似度を算出してもよい。

そして、クラスタリング型のドライバモデルは、例えば、各グループ内の運転者の走行履歴において、それぞれの頻度の平均を算出することによって構築される。

図18は、構築されたクラスタリング型のドライバモデルの一例を示す図である。図17で示した各グループ内の運転者の走行履歴において、それぞれの頻度の平均を算出することによって、各グループの走行履歴の平均頻度を導出する。このように、クラスタリング型のドライバモデルは、走行環境毎に定められた挙動に対する平均頻度で構築される。

なお、ドライバモデルは、算出した平均頻度から最も頻度の高いもののみで構築してもよい。図19は、構築されたクラスタリング型のドライバモデルの別の一例を示す図である。図19に示すように、走行環境毎に最頻の挙動が選択され、選択された挙動からドライバモデルが構築される。

ここで、構築したクラスタリング型のドライバモデルの使用方法について、例を挙げて説明する。

図18に示したようなドライバモデルは、予め車両1の記憶部8に記憶される。また、車両制御部7は、運転者yが過去に運転した際の走行履歴を記憶部8に記憶しておく。なお、運転者yの検知は、車内に設置されるカメラ等(図示しない)で実行される。

そして、車両制御部7は、運転者yの走行履歴とドライバモデルの各モデルの走行履歴との類似度を算出し、どのモデルが運転者yに最も適しているかを判定する。例えば、図16に示した運転者yの走行履歴と図18に示したドライバモデルの場合、車両制御部7は、モデルBが運転者yに最も適していると判定する。

車両制御部7は、実際の自動走行の際に、モデルBの各走行環境において、最も頻度が高い挙動が運転者yに最も適した挙動、つまり、第1の挙動であると判定する。

このように、予め複数の運転者の走行履歴からドライバモデルを構築することにより、運転者により適した挙動を報知できる。

例えば、図16の示すように、運転者yの走行履歴に「前方に低速車あり」という走行環境に対する挙動の頻度が0、つまり、運転者が「前方に低速車あり」という走行環境において「追従」、「追い越し」、「車線変更」という挙動を選択したことが無い場合においても、車両制御部7は、図18に示すモデルBに基づき、「前方に低速車あり」という走行環境において、「追従」を第1の挙動として判定できる。

次に、個別適応型について説明する。個別適応型のドライバモデルの構築方法は、クラスタリング型の場合と同様に、図16に示したような複数の運転者の走行履歴を予め集約する。ここで、クラスタリング型の場合と異なる点は、運転者毎にドライバモデルを構築する点である。以下では、運転者yに対してドライバモデルを構築する例について説明する。

まず、集約した複数の運転者の走行履歴の中から、運転者yの走行履歴と類似度が高い複数の運転者の走行履歴を抽出する。そして、抽出した複数の運転者の走行履歴から運転者yのドライバモデルを構築する。

図20は、個別適応型のドライバモデルの構築方法を示す図である。図20には、図17と同様に、運転者a〜fの走行履歴が表形式で示されている。また、図20には、図16に示した運転者yの走行履歴と類似度が高い運転者c〜eの走行履歴とから運転者yのドライバモデルが構築されることが示されている。

個別適応型のドライバモデルは、抽出した各運転者の走行履歴において、それぞれの頻度の平均を算出することによって構築される。

図21は、構築された個別適応型のドライバモデルの一例を示す図である。図16に示した運転者yの走行履歴、及び、図20に示した運転者c〜eの走行履歴において、走行環境毎に、各挙動の平均頻度を導出する。このように、運転者yに対する個別適応型のドライバモデルは、各走行環境に対応する挙動の平均頻度で構築される。

ここで、構築した個別適応型のドライバモデルの使用方法について、例を挙げて説明する。

図21に示したような運転者yのドライバモデルは、予め車両1の記憶部8に記憶される。また、車両制御部7は、運転者yが過去に運転した際の走行履歴を記憶部8に記憶しておく。なお、運転者yの検知は、車内に設置されるカメラ等(図示しない)で実行される。

そして、車両制御部7は、実際の自動走行の際に、運転者yのドライバモデルの各走行環境において、最も頻度が高い挙動が運転者yに最も適した挙動、つまり、第1の挙動であると判定する。

このように、予め複数の運転者の走行履歴から運転者個人のドライバモデルを構築することにより、運転者により適した挙動を報知できる。

例えば、図16の示すように、運転者yの走行履歴に「前方に低速車あり」という走行環境に対する挙動の頻度が0、つまり、運転者が「前方に低速車あり」という走行環境において「追従」、「追い越し」、「車線変更」という挙動を選択したことが無い場合においても、車両制御部7は、図21に示すドライバモデルに基づき、「前方に低速車あり」という走行環境において、「車線変更」を第1の挙動として判定できる。

次に、運転者の運転特性(運転の癖)を取得し、運転者の嗜好に応じた自動運転を行う場合について説明する。一般に、1つの挙動(例えば、車線変更)に対する実際の動作(例えば、加速、減速の大きさ、あるいは、ステアリングホイールの操作量)は、運転者毎に異なる。そのため、運転者の嗜好に応じた自動運転を行うことにより、運転者にとってより快適な走行が可能となる。

なお、以下の説明では、手動運転中に運転者の運転特性を取得し、取得した運転特性を自動運転の際に反映させる場合について説明するが、本発明はこれに限定されない。

車両制御部7は、運転者の車両1の各部の操作内容から、運転者の運転特性を示す特徴量を抽出し、記憶部8に記憶する。ここで、特徴量とは、例えば、速度に関する特徴量、ステアリングに関する特徴量、操作タイミングに関する特徴量、車外センシングに関する特徴量、車内センシングに関する特徴量等がある。

速度に関する特徴量は、例えば、車両の速度、加速度、減速度などがあり、これらの特徴量は、車両が有する速度センサ等から取得される。

ステアリングに関する特徴量は、例えば、ステアリングの舵角速度、各加速度などがあり、これらの特徴量は、ステアリングホイール5から取得される。

操作タイミングに関する特徴量は、例えば、ブレーキ、アクセル、ウィンカレバー、ステアリングホイールの操作タイミングなどがあり、これらの特徴量は、それぞれ、ブレーキペダル2、アクセルペダル3、ウィンカレバー4、ステアリングホイール5から取得される。

車外センシングに関する特徴量は、例えば、前方、側方、後方に存在する車両との車間距離などがあり、これらの特徴量は、センサ62から取得される。

車内センシングに関する特徴量は、例えば、運転者が誰であるか、及び、同乗者が誰であるかを示す個人認識情報であり、これらの特徴量は、車内に設置されるカメラ等から取得される。

例えば、運転者が手動で車線変更を行う場合、車両制御部7は、運転者が手動で車線変更を行ったことを検知する。検知方法は、予め車線変更の操作時系列パターンをルール化しておくことにより、CAN情報などから取得した操作時系列データを解析することで検知する。その際、車両制御部7は、上述した特徴量を取得する。車両制御部7は、運転者毎に、特徴量を記憶部8に記憶し、運転特性モデルを構築する。

なお、車両制御部7は、運転者毎の特徴量に基づき、上述したドライバモデルを構築してもよい。つまり、車両制御部7は、速度に関する特徴量、ステアリングに関する特徴量、操作タイミングに関する特徴量、車外センシングに関する特徴量、車内センシングに関する特徴量を抽出し、記憶部8に記憶する。そして、記憶部8に記憶した特徴量に基づいて、走行環境毎の運転者による操作の傾向と各操作の頻度の情報を対応づけたドライバモデルを構築してもよい。

図22は、運転特性モデルの一例を示す図である。図22は、運転者毎に、特徴量が表形式で示されている。また、図22には、運転者毎に、各挙動を過去に選択した回数が示されている。特徴量についても一部のみが記載されているが、上記に挙げたいずれか、またはその全てを記載してもよい。

図22に記載の特徴量について詳細を説明する。速度の数値は、実際の速度を段階的に示している数値である。ステアリングホイール、ブレーキ、アクセルの数値は、操作量を段階的に示している数値である。これらの数値は、例えば、過去の所定の期間内の速度、ステアリングホイール、ブレーキ、アクセルの操作量の平均値を算出し、その平均値を段階的に表すことによって得られる。

例えば、図22において、運転者xが同乗者がいない状態で車線変更を行う場合、速さのレベルは8であり、ステアリングホイール、ブレーキ、アクセルの操作量のレベルはそれぞれ4、6、8である。

自動運転の際は、車両制御部7は、運転者が誰か、どのような挙動が実行されるか、及び、同乗者が誰かに応じて、運転者、挙動、及び、同乗者に対応する運転特性モデルが図22に示す運転特性モデルの中から選択する。

そして、車両制御部7は、選択した運転特性モデルに対応する速度で車両1を走行させ、また、ステアリングホイール、ブレーキ、アクセルの操作量およびそのタイミングの組み合わせで車両1を制御する。これにより、運転者の嗜好に応じた自動運転を行うことができる。なお、図22に示すような運転特性モデルの情報は、報知部92に報知させることができる。

図23は、本発明の実施の形態4における報知部92の表示を説明する図である。図23は、図5に示した走行環境の第1の例に対する表示である。

図23(a)は、車線の変更或いは車両の加速、減速が不要な通常走行を行っている状態の報知部92の表示である。図23(a)には、運転者の運転特性が「減速が多い」運転特性であることを示す記号231と、現在、自動運転中であることを示す記号232が示されている。

車両制御部7は、例えば、図22に示した運転特性モデルに含まれる各挙動を過去に選択した回数に基づいて、運転者の運転特性を判定する。この場合、車両制御部7は、例えば、運転特性から「減速」が多い(いわゆる「減速」という挙動を選択した回数が多い)運転者に対して、図23のような記号231を含む表示を報知部92に表示させる。

そして、車両制御部7が、走行環境が図5に示した第1の例の走行環境であると判定した場合、車両制御部7は、運転者の運転特性が「減速が多い」運転特性であることに基づいて、第1の挙動を「減速」と判定し、図23(b)の表示を報知部92に実行させる。

図23(b)には、第1の挙動である「減速」を示す記号233が第1の態様(例えば、第1の色)で示されている。また、第2の挙動である「加速」を示す記号234と、第2の挙動である「車線変更」を示す記号235が示されている。

運転者は、実施の形態1で説明したような操作により、「加速」への挙動の変更を行った場合、車両制御部7は、図23(c)の表示を報知部92に実行させる。

図23(c)には、選択された挙動である「加速」を示す記号234’が、第1の態様で示されている。また、記号233’は、図23(b)において第1の挙動として表示されていた記号233が記号234と入れ替わって表示されたものである。

その後、車両制御部7は、図23(a)に示す表示を報知部92に実行させてから第2の所定時間が経過した後に、図23(d)に示す表示を報知部92に表示させる。ここで、図15(d)には、次の挙動として、運転者が選択した「加速」を示す記号234’が第2の態様で表示される。

車両制御部7は、次にとる挙動が「加速」と決定した場合、運転特性モデルに含まれる「加速」の挙動に対応する特徴量を読み出し、それらの特徴量を反映させた「加速」を行うように、車両1を制御する。

図24は、本発明の実施の形態4における報知部92の表示を説明する図である。図24は、図7に示した走行環境の第2の例に対する表示である。なお、図24において、図23と共通する構成には図23と同一の符号を付し、その詳しい説明を省略する。図24は、図23から、「車線変更」を示す記号235が削除された図である。

前述の通り、第2の例(図7)では、第1の例(図5)と異なり、車両1の右方に別の車両が走行しているため、車線変更ができない。そのため、図24(b)、(c)では、「車線変更」が表示されていない。また、図24(c)の例では、図23(c)の場合と同様に、「加速」が選択されたため、車両制御部7は、図23と同様に、運転特性モデルに含まれる「加速」の挙動に対応する特徴量を読み出し、それらの特徴量を反映させた「加速」を行うように、車両1を制御する。

図25は、本発明の実施の形態4における報知部92の表示を説明する図である。図25は、図8に示した走行環境の第3の例に対する表示である。

図25(a)は、図23(a)と同様である。車両制御部7が図8に示した第3の例の走行環境であることを判定した場合、車両制御部7は、運転者の運転特性が「減速が多い」運転特性であることに基づいて、第1の挙動を「減速」と判定し、図25(b)の表示を報知部92に実行させる。

図25(b)には、第1の挙動である「減速」を示す記号251が第1の態様(例えば、第1の色)で示されている。また、第2の挙動である「追い越し」を示す記号252と、第2の挙動である「車線変更」を示す記号253が示されている。

運転者は、実施の形態1で説明したような操作により、「追い越し」への挙動の変更を行った場合、車両制御部7は、図25(c)の表示を報知部92に実行させる。

図25(c)には、選択された挙動である「追い越し」を示す記号252’が、第1の態様で示されている。また、記号251’は、図25(b)において第1の挙動として表示されていた記号251が記号252と入れ替わって表示されたものである。

その後、車両制御部7は、図25(a)に示す表示を報知部92に実行させてから第2の所定時間が経過した後に、図25(d)に示す表示を報知部92に表示させる。ここで、図15(d)には、次の挙動として、運転者が選択した「追い越し」を示す記号252’が第2の態様で表示される。

車両制御部7は、次にとる挙動が「追い越し」と決定した場合、運転特性モデルに含まれる「追い越し」の挙動に対応する特徴量を読み出し、それらの特徴量を反映させた「加速」を行うように、車両1を制御する。

次に、運転者の運転特性が「減速が多い」運転特性ではない場合の表示の例を説明する。

図26は、本発明の実施の形態4における報知部92の表示を説明する図である。図26は、図5に示した走行環境の第1の例に対する表示である。なお、図26(a)は、運転者の運転特性が「加速が多い」運転特性である場合の例を示し、図26(b)は、運転者の運転特性が「車線変更が多い」運転特性である場合の例を示している。

図26(a)には、運転者の運転特性が「加速が多い」運転特性であることを示す記号261が示されている。また、第1の挙動である「加速」を示す記号262が第1の態様(例えば、第1の色)で示されている。また、第2の挙動である「車線変更」を示す記号263と、第2の挙動である「減速」を示す記号264が示されている。

車両制御部7は、例えば、運転特性から過去に「加速」が多い(いわゆる過去に「加速」という挙動を選択した回数が多い)運転者に対して、図26(a)のような記号261を含む表示を報知部92に実行させる。また、車両制御部7は、運転者の運転特性が「加速が多い」運転特性であることに基づいて、第1の挙動を「加速」と判定し、図26(a)の表示を報知部92に実行させる。

図26(b)には、運転者の運転特性が「車線変更が多い」運転特性であることを示す記号265が示されている。また、第1の挙動である「車線変更」を示す記号266が第1の態様(例えば、第1の色)で示されている。また、第2の挙動である「車線変更」を示す記号267と、第2の挙動である「減速」を示す記号268が示されている。

車両制御部7は、例えば、運転特性から過去に「車線変更」が多い(いわゆる過去に「車線変更」という挙動を選択した回数が多い)運転者に対して、図26(b)のような記号265を含む表示を報知部92に実行させる。車両制御部7は、運転者の運転特性が「車線変更が多い」運転特性であることに基づいて、第1の挙動を「車線変更」と判定し、図26(b)の表示を報知部92に実行させる。

上記は、運転特性モデルのみを使用して説明したが、ドライバモデルを加味してもよく、図23、図25、図26において、記号231は運転者の操作履歴から選択されたドライバモデルの種類を示してもよい。例えば、図5に示した走行環境の第1の例について、「減速」をよく選ぶ運転者に適用するドライバモデルには図23のような記号231を含む表示を報知部92に実行させ、第1の挙動を「減速」と判定する。「加速」をよく選ぶ運転者に適用するドライバモデルには図26(a)のような記号261を含む表示を報知部92に実行させ、第1の挙動を「加速」と判定する。「車線変更」をよく選ぶ運転者に適用するドライバモデルには図26(a)のような記号261を含む表示を報知部92に実行させ、第1の挙動を「車線変更」と判定する。

以上説明した本実施の形態によれば、車の将来の挙動を決定する際に、運転者の過去の走行履歴を学習し、その結果を将来の挙動の決定に反映させることができる。また、車両制御部が車を制御する際に、運転者の運転特性(運転嗜好)を学習し、車の制御に反映させることができる。

これにより、車両が運転者若しくは乗員が嗜好するタイミング或いは操作量で自動運転を制御でき、実際運転者が手動運転する場合の感覚と乖離することなく、自動運転中に運転者による不要な操作介入を抑制することができる。

なお、本発明では、車両制御部7が実行する機能と同様の機能をクラウドサーバなどのサーバ装置に実行させてもよい。また、記憶部8は、車両1ではなく、クラウドサーバなどのサーバ装置にあってもよい。あるいは、記憶部8は、既に構築されたドライバモデルを記憶し、車両制御部7は、記憶部8に記憶されたドライバモデルを参照して、挙動を判定することとしてもよい。

このように、実施の形態4では、車両制御部7が、運転者の運転特性を示す特徴量の情報を取得し、記憶部8がその特徴量の情報を記憶し、車両制御部7が記憶部8に記憶された特徴量の情報に基づいて、運転者が選択した車両の挙動の傾向を、選択された各挙動の頻度で示すドライバモデルを車両の走行環境毎に構築することとした。

また、車両制御部7は、複数の運転者のうち、類似した挙動の選択を行う運転者のグループを決定し、グループ毎、車両の走行環境毎にドライバモデルを構築することとした。

また、車両制御部7は、類似した操作を行う運転者のグループ毎に各運転者が選択した挙動の頻度の平均値を算出し、運転者が選択した車両の挙動の傾向を、算出した平均値で示すドライバモデルを車両の走行環境毎に構築することとした。

また、車両制御部7は、特定の運転者が選択した車両の挙動の傾向と類似する傾向がある他の運転者が選択した車両の挙動に基づいて、上記特定の運転者が選択した車両の挙動の傾向を、選択された各挙動の頻度で示すドライバモデルを車両の走行環境毎に構築することとした。

以上により、車両制御部7は、運転者の運転傾向により適したドライバモデルを構築でき、構築したドライバモデルに基づいて、運転者に対してより適切な自動運転を行うことができる。

(ドライバモデルの変形例) なお、上記で説明したドライバモデルは、走行環境毎の運転者による操作(挙動)の傾向を各操作の頻度の情報などに基づいてモデル化したものであったが、本発明はこれに限定されない。

例えば、ドライバモデルは、過去に走行した走行環境(つまり、シチュエーション)を示す環境パラメータと、その走行環境において運転者が実際に選択した操作(挙動)とを対応させた走行履歴に基づいて構築されてもよい。環境パラメータをドライバモデルに組み込むことにより、走行環境の検出・分類を別途行い、その分類結果をドライバモデルに入力(記憶)するという手続きを踏むことなく、選択肢を決めることが出来る。具体的には、図23、24のような走行環境の違いを、環境パラメータとして取得し、ドライバモデルに直接入力(記憶)することにより、図23では「加速」、「減速」、「車線変更」が選択肢となり、図24では、「加速」、「減速」が選択肢となる。以下では、このようなドライバモデルを構築する場合について説明する。なお、以下に説明するドライバモデルは、シチュエーションデータベースと言い換えても良い。

ここで、本変形例におけるドライバモデルを構築するための走行履歴について説明する。図27は、走行履歴の一例を示す図である。図27には、運転者xが運転する車両が、過去に走行した走行環境を示す環境パラメータと、その走行環境において運転者が実際に選択した操作(挙動)とを対応させた走行履歴が示されている。

図27に示す走行履歴の(a)〜(c)の環境パラメータは、それぞれ、例えば、図8(b)、図5(b)、図7(b)に示したようにして運転者に車両の挙動を提示した際の走行環境を示すものである。この走行履歴の環境パラメータは、センシング情報およびインフラ情報から得られる。

センシング情報は、車両が有するセンサ或いはレーダ等が検知した情報である。インフラ情報は、GPSの情報、地図情報、路車間通信で取得される情報などである。

例えば、図27に示す走行履歴の環境パラメータは、「自車両の情報」、自車両aが走行する車線の前方を走行する車両の情報を示す「先行車両の情報」、自車両が走行する車線の側方車線の情報を示す「側方車線の情報」、自車両が走行する位置に合流車線がある場合に、その合流車線の情報を示す「合流車線の情報」、自車両の位置とその周囲の情報を示す「位置情報」などを含む。また、後方車両の情報を含めてもよい。その場合、後方車両と自車両との相対速度、車頭間距離、車頭間距離の変化率などを用いても良い。また、車両の存在の情報を含めてもよい。

例えば、「自車両の情報」は、自車両の速度Vaの情報を含む。「先行車両の情報」は、自車両に対する先行車両の相対速度Vba、先行車両と自車両との車間距離DRba、先行車両のサイズの変化率RSbの情報を含む。

ここで、自車両の速度Vaは、自車両が有する速度センサによって検知される。相対速度Vba、車間距離DRbaは、センサ或いはレーダ等によって検知される。サイズの変化率RSbは、RSb=−Vba/DRbaという関係式によって算出される。

「側方車線の情報」は、側方車線において自車両より後方を走行する側後方車両cの情報と、側方車線において自車両より前方を走行する側前方車両dの情報と、自車両の残存側方車線長DRdaの情報とを含む。

側後方車両の情報は、自車両に対する側後方車両の相対速度Vca、側後方車両と自車両との車頭間距離Dca、車頭間距離の変化率Rcaの情報を含む。側後方車両と自車両との車頭間距離Dcaとは、自車両(および側後方車両)の進行方向に沿った方向において測定される自車両の先端部(車頭)と側後方車両の先端部(車頭)との間の距離である。なお、車頭間距離は、車間距離及び車長から算出してもよい。また、車頭間距離は、車間距離に代替させてもよい。

ここで、相対速度Vca、車頭間距離Dcaは、センサ或いはレーダ等によって検知される。車頭間距離の変化率Rcaは、Rca=Vca/Dcaという関係式によって算出される。

また、側前方車両の情報は、自車両に対する側前方車両の相対速度Vda、側前方車両と自車両との車頭間距離Dda、車頭間距離の変化率Rdaの情報を含む。側前方車両と自車両との車頭間距離Ddaは、自車両(および側前方車両)の進行方向に沿って測定される自車両の先端部(車頭)と側前方車両の先端部(車頭)との間の距離である。

相対速度Vda、車頭間距離Ddaは、センサ或いはレーダ等によって検知される。また、車頭間距離の変化率Rdaは、Rda=Vda/Ddaという関係式によって算出される。

自車両の残存側方車線長DRdaは、側方車線への車線変更の可能性の高さを示すパラメータである。具体的には、自車両の残存側方車線長DRdaは、自車両(および側前方車両)進行方向に沿った方向において測定される自車両の先端部(車頭)と側前方車両の後端部との間の距離が、先行車両と自車両との車間距離DRbaより長い場合、自車両の先端部(車頭)と側前方車両の後端部との間の距離となり、自車両の先端部(車頭)と側前方車両の後端部との間の距離が、DRbaより短い場合、DRbaとなる。自車両の残存側方車線長DRdaは、センサ或いはレーダ等によって検知される。

「合流車線の情報」は、自車両に対する合流車両の相対速度Vma、合流車両と自車両との車頭間距離Dma、車頭間距離の変化率Rmaの情報を含む。ここで、合流車両と自車両との車頭間距離Dmaは、自車両(および合流車両)の進行方向に沿った方向において測定される自車両の先端部(車頭)と合流車両の先端部(車頭)との間の距離である。

相対速度Vma、車頭間距離Dmaは、センサ或いはレーダ等によって検知される。車頭間距離の変化率Rmaは、Rma=Vma/Dmaという関係式によって算出される。

図27に示す走行履歴の例では、上記で説明した速度、距離、及び変化率の数値が複数のレベルに分類され、分類されたレベルを示す数値が記憶されている。なお、速度、距離、及び変化率の数値は、レベルに分類されることなくそのまま記憶されてもよい。

位置情報は、「自車両の位置情報」、「走行車線数」、「自車両の走行車線」、「合流区間の開始・終了地点までの距離」「分岐区間の開始・終了地点までの距離」「工事区間開始・終了地点までの距離」「車線減少区間開始・終了地点までの距離」「交通事故発生地点までの距離」などの情報を含む。図27には、位置情報の例として「自車両の走行車線」(図27の走行車線)、及び「合流区間の開始・終了地点までの距離」の情報が示されている。

例えば、「自車両の位置情報」の欄には、GPSより得られた緯度・経度を示す数値情報が記憶される。「走行車線数」の欄には、走行している道の車線の数が記憶される。「自車両の走行車線」の欄には、走行している車線の位置を示す数値情報が記憶される。「合流区間の開始・終了地点までの距離」の欄には、所定の距離内に合流区間の開始・終了地点が存在する場合に、合流区間の開始・終了地点までの距離が予め決められた複数のレベルに分類され、分類されたレベルの数値が記憶される。なお、所定の距離内に合流区間の開始・終了地点が存在しない場合、「合流区間の開始・終了地点までの距離」の欄には「0」が記憶される。

「分岐区間の開始・終了地点までの距離」の欄には、所定の距離内に分岐区間の開始・終了地点が存在する場合に、分岐区間の開始・終了地点までの距離が予め決められた複数のレベルに分類され、分類されたレベルの数値が記憶される。なお、所定の距離内に分岐区間の開始・終了地点が存在しない場合、「分岐区間の開始・終了地点までの距離」の欄には「0」が記憶される。「工事区間開始・終了地点までの距離」の欄には、所定の距離内に工事区間開始・終了地点が存在する場合に、工事区間開始・終了地点までの距離が予め決められた複数のレベルに分類され、分類されたレベルの数値が記憶される。なお、所定の距離内に工事区間開始・終了地点が存在しない場合、「工事区間開始・終了地点までの距離」の欄には「0」が記憶される。

「車線減少区間開始・終了地点までの距離」の欄には、所定の距離内に車線減少区間開始・終了地点が存在する場合に、車線減少区間開始・終了地点までの距離が予め決められた複数のレベルに分類され、分類されたレベルの数値が記憶される。なお、所定の距離内に車線減少区間開始・終了地点が存在しない場合、「車線減少区間開始・終了地点までの距離」の欄には「0」が記憶される。

「交通事故発生地点までの距離」の欄には、所定の距離内に交通事故発生地点が存在する場合に、交通事故発生地点までの距離が予め決められた複数のレベルに分類され、分類されたレベルの数値が記憶される。なお、所定の距離内に交通事故発生地点が存在しない場合、「交通事故発生地点までの距離」の欄には「0」が記憶される。

さらに、位置情報は、自車両が走行している道の全車線のうちどの車線が合流車線、分岐車線、工事車線、減少車線、事故発生車線かの情報を含んでも良い。

なお、図27に示した走行履歴はあくまで一例であり、本発明はこれに限定されない。例えば、上記側方車線の情報が右側方車線の情報である場合、走行履歴に、その反対側である「左側方車線の情報」がさらに含まれても良い。

「左側方車線の情報」は、左側方車線において自車両より後方を走行する左側後方車両の情報と、左側方車線において自車両より前方を走行する左側前方車両の情報と、自車両の残存左側方車線長DRdaの情報とを含む。

左側後方車両の情報は、自車両に対する左側後方車両の相対速度Vfa、左側後方車両と自車両との車頭間距離Dfa、車頭間距離の変化率Rfaの情報を含む。左側後方車両と自車両との車頭間距離Dfaとは、自車両(および左側後方車両)の進行方向に沿った方向において測定される自車両の先端部(車頭)と左側後方車両の先端部(車頭)との間の距離である。

ここで、相対速度Vfa、車頭間距離Dfaは、センサ或いはレーダ等によって検知される。また、車頭間距離の変化率Rfaは、Rfa=Vfa/Dfaという関係式によって算出される。

また、左側前方車両の情報は、自車両に対する左側前方車両の相対速度Vga、左側前方車両と自車両との車頭間距離Dga、車頭間距離の変化率Rgaの情報を含む。左側前方車両と自車両との車頭間距離Dgaは、自車両(および左側前方車両)の進行方向に沿って測定される自車両の先端部(車頭)と左側前方車両の先端部(車頭)との間の距離である。

ここで、相対速度Vga、車頭間距離Dgaは、センサ或いはレーダ等によって検知される。また、車頭間距離の変化率Rgaは、Rga=Vga/Dgaという関係式によって算出される。

なお、ここでは、車両の通行が左側通行である場合について説明したが、左右を逆転させることにより右側通行の場合にも同様の処理が可能である。

また、図27に示す走行履歴は、走行車線において自車両より後方を走行する後方車両の情報を示す「後方車両の情報」を含んでもよい。

後方車両の情報は、自車両に対する後方車両の相対速度Vea、後方車両と自車両との車頭間距離Dea、車頭間距離の変化率Reaの情報を含む。後方車両と自車両との車頭間距離Deaとは、自車両(および後方車両)の進行方向に沿った方向において測定される自車両の先端部(車頭)と後方車両の先端部(車頭)との間の距離である。

ここで、相対速度Vea、車頭間距離Deaは、センサ或いはレーダ等によって検知される。車頭間距離の変化率Reaは、Rea=Vea/Deaという関係式によって算出される。

なお、移動体に隠れて車頭間距離が計測できない場合などは、車頭間距離の代替として、計測できる車間距離或いは車間距離に所定の車長を加えた近似値を使用しても良いし、車間距離に認識した車種ごとの車長を加えて算出してもよい。また、車頭間距離が計測できるかできないかに拘わらず、車頭間距離の代替として、計測できる車間距離或いは車間距離に所定の車長を加えた近似値を使用しても良いし、車間距離に認識した車種ごとの車長を加えて算出してもよい。

走行履歴には、車両の走行環境に関する他の様々な情報が含まれていてもよい。例えば、走行履歴には、先行車両、側方車両、合流車両の大きさ或いは種別、または自車両との相対位置の情報が含まれていてもよい。例えば、後方から接近する車両の種別をカメラセンサで認識し、車両が緊急車両である場合に車両が救急車両であることを示す情報を含めても良い。これにより、緊急車両への対応のための情報報知であることを情報報知できる。あるいは、図22で説明したような、ステアリングホイール、ブレーキ、アクセル操作量を段階的に示した数値或いは同乗者の情報などが走行履歴に含まれていてもよい。

また、運転者の走行履歴として、自動運転中に選択した挙動が集約されてもよいし、運転者が手動運転中に実際に行った挙動が集約されてもよい。これにより、自動運転或いは手動運転といった運転状態に応じた走行履歴の収集ができる。

また、図27の例では、走行履歴に含まれる環境パラメータが、運転者に車両の挙動を提示した際の走行環境を示すものとしたが、運転者が挙動の選択を行った際の走行環境を示すものであってもよい。あるいは、運転者に車両の挙動を提示した際の走行環境を示す環境パラメータと、運転者が挙動の選択を行った際の走行環境を示す環境パラメータとが両方とも走行履歴に含まれてもよい。

さらに、車両制御部7が、図2(a)、図5(a)、図6(a)、図7(a)、図8(a)、図9(a)、図10(a)に示す俯瞰図、または図14(c)に示す表示を生成するに伴い、第1の挙動、及び、第2の挙動が選択される要因となった、寄与度の高い環境パラメータの情報、および、その環境パラメータに関連する情報(例えば、アイコンなど)の少なくとも一つを報知情報として生成し、生成した報知情報を俯瞰図上に示すなどして報知情報を報知部92に報知させてもよい。

この場合、例えば、車両制御部7は、先行車両と自車両との車間距離DRba或いは先行車両のサイズの変化率RSbの寄与度が高ければ、俯瞰図における先行車両と自車両との間に輝度を上げたり色を変えたりした領域を表示させ、報知情報を報知部92に報知させてもよい。

また、車両制御部7が、先行車両と自車両との間の領域に車間距離DRba或いは変化率RSbの寄与度が高いことを示すアイコンを報知情報として表示させてもよい。さらに、車両制御部7が、報知部92に、俯瞰図上で先行車両と自車両とを結ぶ線分を報知情報として描画させるか、全ての周辺車両と自車両とを結ぶ線分を報知情報として描画させ、俯瞰図上で先行車両と自車両とを結ぶ線分を強調させてもよい。

また、車両制御部7は、俯瞰図ではなく、運転者から見える視点画像の中で、報知部92に先行車両と自車両との間に周囲の領域よりも輝度を上げたり、周囲の領域と異なる色にした領域を報知情報として表示させたりしてAR(Augmented Reality)表示を実現させてもよい。また、車両制御部7が視点画像の中で、先行車両と自車との間の領域に高い寄与度の環境パラメータを示すアイコンを報知情報として報知部92にAR表示させてもよい。

さらに、車両制御部7が視点画像の中で、先行車両と自車とを結ぶ線分を報知情報としてAR表示させるか、視点画像の中で、全ての周辺車両と自車両とを結ぶ線分を報知情報としてAR表示させ、先行車両と自車両とを結ぶ線分を強調させてもよい。

なお、寄与度の高い環境パラメータあるいはその環境パラメータに関連する情報を報知する方法は、上記に限定されない。例えば、車両制御部7は、寄与度の高い環境パラメータの対象となる先行車両を強調表示した画像を報知情報として生成し、報知部92に表示させてもよい。

また、車両制御部7が、俯瞰図またはAR表示において、寄与度の高い環境パラメータの対象となる先行車両等の方向を示す情報を報知情報として生成し、その情報を自車両または自車両の周辺に表示させてもよい。

また、例えば、車両制御部7は、寄与度が高い環境パラメータの情報あるいはその環境パラメータに関連する情報を報知する代わりに、寄与度が低い環境パラメータの対象となる先行車両等の表示輝度を低くするなどして目立たなくし、相対的に目立つようにした寄与度が高い環境パラメータの情報あるいはその環境パラメータに関連する情報を報知情報として生成し、報知部92に表示させてもよい。

次に、運転者の走行履歴に基づくドライバモデルの構築について説明する。ドライバモデルには、複数の運転者の走行履歴をクラスタリングして構築するクラスタリング型と、特定の運転者(例えば、運転者x)の走行履歴と類似する複数の走行履歴から運転者xのドライバモデルを構築する個別適応型とがある。

まず、クラスタリング型について説明する。クラスタリング型のドライバモデルの構築方法は、図27に示したような運転者の走行履歴を運転者毎に予め集約する。そして、互いの走行履歴の類似度が高い複数の運転者、つまり、類似した運転操作傾向を有する複数の運転者をグループ化してドライバモデルを構築する。

走行履歴の類似度は、例えば、運転者aと運転者bの走行履歴における挙動を所定のルールに基づいて数値化した場合に、環境パラメータの数値と挙動の数値とを要素とするベクトルの相関値から決定できる。この場合、例えば、運転者aと運転者bの走行履歴から算出した相関値が所定値よりも高い場合に、運転者aと運転者bの走行履歴を1つのグループとする。なお、類似度の算出については、これに限定されない。

次に、個別適応型について説明する。個別適応型のドライバモデルの構築方法は、クラスタリング型の場合と同様に、図27に示したような複数の運転者の走行履歴を予め集約する。ここで、クラスタリング型の場合と異なる点は、運転者毎にドライバモデルを構築する点である。例えば、運転者yに対してドライバモデルを構築する場合、運転者yの走行履歴と他の複数の運転者の走行履歴とを比較し、類似度が高い複数の運転者の走行履歴を抽出する。そして、抽出した複数の運転者の走行履歴から運転者yの個別適応型のドライバモデルを構築する。

なお、図27に示す走行履歴に基づくドライバモデル(シチュエーションデータベース)は、クラスタリング型、または、個別適応型に限定されず、例えば、全ての運転者の走行履歴を含むように構成されてもよい。

ここで、構築したドライバモデルの使用方法について、例を挙げて説明する。以下の例では、運転者xに対し、4人の運転者a〜dの走行履歴を集約したドライバモデルが用いられる場合について説明する。なお、ドライバモデルは、車両制御部7によって構築される。

図28は、本変形例におけるドライバモデルの使用方法を示す図である。図28(a)は、運転者xが運転する車両の現時点における走行環境を示す環境パラメータである。図28(b)は、運転者xに対するドライバモデルの一例である。

図28(a)に示すように、現時点における走行環境を示す環境パラメータに対する挙動(操作)はブランクになる。車両制御部7は、環境パラメータを所定の間隔で取得し、環境パラメータのいずれかをトリガとして、図28(b)に示すドライバモデルから次の挙動を判定する。

トリガとしては、例えば、合流区間の開始地点までの距離が所定の距離以下になった場合、あるいは、先行車両との相対速度が所定値以下になった場合など、車両の操作の変更が必要となる場合を示す環境パラメータをトリガとしてもよい。

車両制御部7は、図28(a)に示す環境パラメータと、図28(b)に示すドライバモデルのそれぞれの走行履歴の環境パラメータとを比較し、最も類似する環境パラメータに対応づけられた挙動を第1の挙動であると判定する。また、それ以外の類似する環境パラメータに対応づけられたいくつかの挙動については、第2の挙動と判定する。

環境パラメータが類似するか否かは、環境パラメータの数値を要素とするベクトルの相関値から決定できる。例えば、図28(a)に示す環境パラメータの数値を要素とするベクトルと、図28(b)に示す環境パラメータの数値を要素とするベクトルとから算出した相関値が所定値よりも高い場合に、これらの環境パラメータが類似すると判定される。なお、環境パラメータが類似するか否かの判定方法については、これに限定されない。

例えば、ここでは環境パラメータの類似度に基づいて挙動を決定することとしたが、まず環境パラメータの類似度の高いグループを作成し、そのグループにおける環境パラメータの統計をとり、その統計データから挙動を決定してもよい。

このように、予め複数の運転者の走行履歴から運転者個人のドライバモデルを構築することにより、運転者により適した挙動を報知できる。なお、より安全な走行履歴をデータベースに登録するため、安全な走行の基準を示す情報を記憶部8が記憶しておき、走行履歴がこの基準を満たすか否かを車両制御部7が判定し、さらに車両制御部7が、この基準を満たす走行履歴をデータベースに登録し、この基準を満たさない走行履歴をデータベースに登録しないこととしてもよい。

さらに、走行環境を示すパラメータと挙動とが対応づけられることにより、車両制御部7が、具体的な走行環境を判定することなく、つまり、走行環境のラベリングを行う事無く、精度よく次の挙動を判定できる。

なお、ドライバモデル(シチュエーションデータベース)は、自動運転中に運転者が選択した挙動とその挙動を提示した際の走行環境を示す環境パラメータとを対応づけた走行履歴から構築されてもよい。あるいは、ドライバモデル(シチュエーションデータベース)は、自動運転中に運転者が選択した挙動とその挙動を車両が行った際の走行環境を示す環境パラメータとを対応付けた走行履歴から構築されてもよい。

環境パラメータが、運転者により選択された挙動を車両が行った際の走行環境を示すものである場合、現時点における走行環境を示す環境パラメータから将来の走行環境を示す環境パラメータを予測し、運転者により選択された挙動を車両が行った際の走行環境を示す環境パラメータのうち、予測された環境パラメータに最も類似する環境パラメータに対応付けられた挙動を第1の挙動、それ以外の類似する環境パラメータに対応付けられたいくつかの挙動を第2の挙動であると判定してもよい。

上記予測は、例えば、現時点と現時点よりも前の時点の走行環境を示す環境パラメータから将来の時点の環境パラメータを外挿することにより行う。

あるいは、ドライバモデル(シチュエーションデータベース)は、自動運転中に運転者が選択した挙動とその挙動を提示した際の走行環境を示す環境パラメータとを対応づけた走行履歴、および、自動運転中に運転者が選択した挙動とその挙動を車両が行った際の走行環境を示す環境パラメータとを対応付けた走行履歴の両方から構築されてもよい。

この場合、例えば、両者の走行履歴が図28(b)に示したような形式で記憶され、車両制御部7は、それらから次の挙動を判定する。ここで、車両制御部7は、両者の間で優先度を設け、例えば、自動運転中に運転者が選択した挙動とその挙動を車両が行った際の走行環境を示す環境パラメータとを対応付けた走行履歴から優先的に次の挙動を判定してもよい。

なお、本発明では、車両制御部7が実行する機能と同様の機能をクラウドサーバなどのサーバ装置に実行させてもよい。特に、記憶部8は走行履歴の蓄積に伴い膨大なデータ数となるため、車両1ではなくクラウドサーバなどのサーバ装置にあってもよい。あるいは、記憶部8は、既に構築されたドライバモデルを記憶し、車両制御部7は、記憶部8に記憶されたドライバモデルを参照して、挙動を判定することとしてもよい。

なお、記憶部8がクラウドサーバに設けられる構成では、通信速度の低下・通信断などの原因により記憶部8にアクセスできない場合に備えキャッシュが設けられることが望ましい。

図29は、キャッシュの配置の一例を示すブロック図である。車両制御部7は、通信部291を通じて記憶部8に走行履歴を保存させ、通信部291を通じてキャッシュ292に記憶部8に記憶されたドライバモデル(シチュエーションデータベース)の一部を保持させる。

車両制御部7は、キャッシュ292のドライバモデルにアクセスする。このときのキャッシュの作成方法については、環境パラメータの有無で限定する方法、位置情報を用いる方法、データを加工する方法などが考えられる。以下、それぞれについて説明する。

まず、環境パラメータの有無で限定する方法について説明する。周囲の状況の比較により似た状況を抽出するには、同じ環境パラメータのみが存在する走行環境(シチュエーション)が十分にあれば可能である。従って、車両制御部7は、記憶部8に記憶された走行環境の中から同じ環境パラメータのみを持つ走行環境を抽出して、これらをソートし、キャッシュ292に保持する。

ここで、車両制御部7は、検出された状況から得られる環境パラメータが変更されたタイミングで、一次キャッシュの更新を行う。こうすることで、車両制御部7は、通信速度の低下が発生しても似た周囲の状況を抽出することが可能になる。なお、変更の有無を判断する環境パラメータは、先に挙げた全ての環境パラメータでもよいし、一部の環境パラメータでもよい。

さらに、この環境パラメータは刻一刻と変化するため、キャッシュ292内に一次キャッシュおよび二次キャッシュを用意しても良い。例えば、車両制御部7は、同じ環境パラメータを持つ走行環境を一次キャッシュに保持する。さらに、車両制御部7は、環境パラメータが一時キャッシュに保持された走行環境に一つ追加された状態にある走行環境、および、環境パラメータが一時キャッシュに保持された走行環境から一つ削減された状態にある走行環境の少なくとも一方を二次キャッシュに保持する。

このようにすることで、車両制御部7は、一時的な通信断が発生しても、キャッシュ292のデータのみで、似た状況を抽出することが可能になる。

図30を使って、この場合についてさらに具体的に説明する。センサ62により、自車両301の周囲に側前方車両302のみが存在している周囲状況303が検出されたとき、車両制御部7は、側前方車両302のみが存在している走行環境(同一の環境パラメータのみ存在する走行環境)を、全ての走行環境(シチュエーション)が記憶された記憶部8から抽出し、一次キャッシュ304に格納させる。

さらに、車両制御部7は、側前方車両302以外の車が1台だけ追加された走行環境(同一の環境パラメータに1つの環境パラメータが追加された状態にある走行環境)もしくは、側前方車両302のいない走行環境(同一の環境パラメータから1つの環境パラメータが削減された状態にある走行環境)を記憶部8から抽出し、二次キャッシュ305に格納させる。

そして、センサ62により検出された周囲状況303が変わったとき、車両制御部7は、変わった周囲状況303に対応する走行環境を二次キャッシュ305から一次キャッシュ304にコピーし、変わった周囲状況303に対応する走行環境に対し、環境パラメータが一つ追加された走行環境、及び、環境パラメータが一つ削減された走行環境を記憶部8から抽出し、二次キャッシュ305に格納することで、二次キャッシュ305を更新する。これにより、車両制御部7は、周囲状況のスムーズに比較により似た周囲状況をスムーズに抽出することが可能になる。

次に、位置情報を用いる方法について説明する。環境パラメータに位置情報が含まれている場合、車両制御部7は、その位置情報により示される位置が自車位置を中心とする一定の範囲内に含まれる走行環境(シチュエーション)を記憶部8から抽出し、キャッシュ292に格納させることが可能となる。

この場合、車両制御部7は、走行環境に対応する位置情報により示される位置が上記一定の範囲から外れたときに、キャッシュ292の更新を行う。このようにすることで、車両制御部7は、長期間の通信断が発生しても位置が一定の範囲内であれば似た周囲状況を抽出することが可能になる。

さらに、データを加工する方法について説明する。記憶部8には環境パラメータを含む操作履歴が蓄積されている。車両制御部7は、各々の環境パラメータを一定の範囲毎に分割し、多次元空間上でメッシュを作成する。そして、車両制御部7は、各々のメッシュに含まれる挙動をその種別ごとにカウントしたテーブルを作成する。

例えば、使用する環境パラメータを二つに限定して説明する。車両制御部7は、操作履歴に含まれる環境パラメータを図31(a)のように平面状にマッピングし、これらの各々の軸を一定の範囲で分割することで、平面を複数のブロックに分ける。これをメッシュと呼ぶ。

車両制御部7は、各々のメッシュの中に含まれる挙動の個数をその種別(例えば、加速、減速、車線変更、追い越しなどの種別)ごとにカウントする。図31(b)に各メッシュの中に含まれる挙動の個数をその種別ごとにカウントしたテーブルを示す。

車両制御部7は、この内容をキャッシュ292に保持する。そして、車両制御部7は、周囲状況の比較により似た周囲状況の抽出を行う際に、検出された環境パラメータがどのメッシュに位置するかを判別し、判別したメッシュの中に含まれる挙動のうち個数が最大である挙動を選択し、選択された挙動を報知する挙動に決定する。

例えば、車両制御部7は、検出された環境パラメータがメッシュの3番に位置すると判別したとき、3番のメッシュの中に含まれる挙動のうち最大個数を示す挙動(ここでは「加速」)の操作を報知する挙動に決定する。この方法であれば、キャッシュ292の更新タイミングはいつでもよく、キャッシュ292の容量も一定とすることができる。

これらの方法を一つもしくは複数を組み合わせることでキャッシュを作成する。ただし、上に挙げた方法は一例であり、キャッシュの作成方法はこの限りではない。

このように、実施の形態4のドライバモデル拡張の例では、車両制御部7が、過去の走行環境の情報を含む運転者の運転特性を示す特徴量の情報を取得し、記憶部8がその特徴量の情報を記憶し、車両の挙動を変更する必要があると判定された場合、車両制御部7が記憶部8に記憶された特徴量の情報の中から、新たに取得した走行環境の情報を含む運転者の運転特性を示す特徴量に類似する情報を決定し、決定された情報に対応する挙動を報知することとした。

また、実施の形態4のドライバモデル拡張の例では、過去の走行環境の情報を含む運転者の運転特性を示す特徴量の情報は、運転者に車両の挙動を提示した際の特徴量の情報、および、運転者が挙動の選択を行った際の特徴量の情報の少なくとも1つであることとした。

また、実施の形態4のドライバモデル拡張の例では、過去の走行環境の情報を含む運転者の運転特性を示す特徴量の情報が、運転者に車両の挙動を提示した際の特徴量の情報、および、運転者が挙動の選択を行った際の特徴量の情報の両方である場合、それら両方の特徴量の情報の中から、新たに取得した走行環境の情報を含む運転者の運転特性を示す特徴量に類似する情報を決定し、決定された情報に対応する挙動を報知することとした。

また、実施の形態4のドライバモデル拡張の例では、過去の走行環境の情報を含む運転者の運転特性を示す特徴量の情報が、運転者に車両の挙動を提示した際の特徴量の情報、および、運転者が挙動の選択を行った際の特徴量の情報の両方である場合、運転者が挙動の選択を行った際の特徴量の情報の中から優先的に、新たに取得した走行環境の情報を含む運転者の運転特性を示す特徴量に類似する情報を決定し、決定された情報に対応する挙動を報知することとした。

また、実施の形態4のドライバモデル拡張の例では、過去の走行環境の情報を含む運転者の運転特性を示す特徴量の情報が、車両の自動運転時、および/または、手動運転時の運転者の運転特性を示す特徴量の情報であることとした。

以上により、車両制御部7は、運転者の運転傾向により適したドライバモデルを構築でき、構築したドライバモデルに基づいて、運転者に対してより適切な自動運転を行うことができる。走行環境を示すパラメータと挙動とが対応づけられることにより、具体的な走行環境を判定する処理を要することなく、つまり、走行環境のラベリングを行うことなく、精度よく次の挙動を判定できる。

(実施の形態5〜11に関する共通説明) 近年、自動車の自動運転に関する開発が進められている。自動運転について、NHTSA(National Highway Traffic Safety Administration)が2013年に定義した自動化レベルは、自動化なし(レベル0)、特定機能の自動化(レベル1)、複合機能の自動化(レベル2)、半自動運転(レベル3)、完全自動運転(レベル4)に分類される。レベル1は加速・減速・操舵の内、1つを自動的に行う運転支援システムであり、レベル2は加速・減速・操舵の内、2つ以上を調和して自動的に行う運転支援システムである。いずれの場合も運転者による運転操作の関与が残る。自動化レベル4は加速・減速・操舵の全てを自動的に行う完全自動走行システムであり、運転者が運転操作に関与しない。自動化レベル3は加速・減速・操舵の全てを自動的に行うが、必要に応じて運転者が運転操作を行う準完全自動走行システムである。

以下の実施の形態では主に、自動運転のレベル3または4において、車両の自動運転に関する情報を車両の乗員(例えば運転者)との間でやり取りするためのHMI(Human Machine Interface)を制御する装置(以下「運転支援装置」とも呼ぶ。)を提案する。実施の形態5〜11に記載の技術は、車両の自動運転中に、運転者に対して有用な情報を提示することにより、安心で快適な自動運転の実現を支援することを1つの目的とする。また、実施の形態5〜11に記載の技術は、運転者に対して違和感の少ない情報を提示することで、運転者が自動運転中の車両側の決められた行動に対する変更をより簡単且つ簡便にできる。

なお、以下の説明における車両の「行動」は、実施の形態1〜4の説明における車両の「挙動」に対応し、自動運転または手動運転において、車両の走行中または停止時の操舵や制動などの作動状態、もしくは自動運転制御に係る制御内容を含む。例えば、定速走行、加速、減速、一時停止、停止、車線変更、進路変更、右左折、駐車など。なお、車両の行動は、現在実行している行動(「現在行動」とも呼ぶ。)、現在実行中の行動の後に実行する行動(「予定行動」とも呼ぶ。)などに分けられる。更に予定行動では、直後に実行する行動、現在実行中の行動の終了後にタイミングを問わず実行予定の行動を含む。なお、予定行動は、現在実行中の行動が終了後に実行する行動を含んでもよい。

図32は、車両1000の構成を示すブロック図であり、自動運転に関する構成を示している。車両1000は、自動運転モードで走行可能であり、報知装置1002、入力装置1004、無線装置1008、運転操作部1010、検出部1020、自動運転制御装置1030、運転支援装置1040を備える。図32に示す各装置の間は、専用線或いはCAN(Controller Area Network)等の有線通信で接続されてもよい。また、USB、Ethernet(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の有線通信または無線通信で接続されてもよい。

報知装置1002は、車両1000の走行に関する情報を運転者に報知する。報知装置1002は、例えば、車内に設置されているカーナビゲーションシステム、ヘッドアップディスプレイ、センターディスプレイ、ステアリングホイール、ピラー、ダッシュボード、メータパネル周りなどに設置されているLEDなどの発光体などのような情報を表示する表示部であってもよいし、情報を音声に変換して運転者に報知するスピーカであってもよいし、あるいは、運転者が感知できる位置(例えば、運転者の座席、ステアリングホイールなど)に設けられる振動体であってもよい。また、報知装置1002は、これらの組み合わせであってもよい。

車両1000は実施の形態1〜4の車両1に対応する。報知装置1002は図1、図13の情報報知装置9に対応し、入力装置1004は図1の操作部51、図13の入力部102に対応し、検出部1020は図1、図13の検出部6に対応する。また自動運転制御装置1030と運転支援装置1040は、図1、図13の車両制御部7に対応する。以下、実施の形態1〜4で説明済の構成の説明は適宜省略する。

報知装置1002は、車両の自動運転に関する情報を乗員へ提示するユーザインタフェース装置である。報知装置1002は、カーナビゲーションシステム、ディスプレイオーディオ等のヘッドユニットであってもよいし、スマートフォン、タブレット等の携帯端末機器であってもよいし、専用のコンソール端末装置であってもよい。また報知装置1002は、液晶ディスプレイ或いは有機ELディスプレイ或いはヘッドアップディスプレイ(HUD)であってもよい。入力装置1004は、乗員による操作入力を受け付けるユーザインタフェース装置である。例えば入力装置1004は、運転者が入力した自車の自動運転に関する情報を受け付ける。入力装置1004は、受け付けた情報を操作信号として運転支援装置1040に出力する。

図33は、図32の車両1000の室内を模式的に示す。報知装置1002は、ヘッドアップディスプレイ(HUD)1002aであってもよく、センターディスプレイ1002bであってもよい。入力装置1004は、ステアリング1011に設けられた第1操作部1004aであってもよく、運転席と助手席との間に設けられた第2操作部1004bであってもよい。なお、報知装置1002と入力装置1004は一体化されてもよく、例えばタッチパネルディスプレイとして実装されてもよい。

以下では言及しないが、図33に示すように、車両1000には自動運転に関する情報を音声にて乗員へ提示するスピーカ1006が設けられてもよい。この場合、運転支援装置1040は、自動運転に関する情報を示す画像を報知装置1002に表示させ、それとともに、またはそれに代えて、自動運転に関する情報を示す音声をスピーカ1006から出力させてもよい。

図32に戻り、無線装置1008は、携帯電話通信システム、WMAN(Wireless Metropolitan Area Network)等に対応しており、車両1000外部の装置(図示せず)との無線通信を実行する。運転操作部1010は、ステアリング1011、ブレーキペダル1012、アクセルペダル1013、ウィンカスイッチ1014を備える。ステアリング1011は図1、図13のステアリングホイール5、ブレーキペダル1012は図1、図13のブレーキペダル2、アクセルペダル1013は図1、図13のアクセルペダル3、ウィンカスイッチ1014は図1、図13のウィンカレバー4に対応する。

ステアリング1011、ブレーキペダル1012、アクセルペダル1013、ウィンカスイッチ1014は、ステアリングECU、ブレーキECU、エンジンECUとモータECUとの少なくとも一方、ウィンカコントローラにより電子制御が可能である。自動運転モードにおいて、ステアリングECU、ブレーキECU、エンジンECU、モータECUは、自動運転制御装置1030から供給される制御信号に応じて、アクチュエータを駆動する。またウィンカコントローラは、自動運転制御装置1030から供給される制御信号に応じてウィンカランプを点灯あるいは消灯する。

検出部1020は、車両1000の周囲状況および走行状態を検出する。実施の形態1〜4で一部既述したが、例えば検出部1020は、車両1000の速度、車両1000に対する先行車両の相対速度、車両1000と先行車両との距離、車両1000に対する側方車線の車両の相対速度、車両1000と側方車線の車両との距離、車両1000の位置情報を検出する。検出部1020は、検出した各種情報(以下、「検出情報」という)を自動運転制御装置1030、運転支援装置1040に出力する。なお、検出部1020の詳細は後述する。

自動運転制御装置1030は、自動運転制御機能を実装した自動運転コントローラであり、自動運転における車両1000の行動を決定する。自動運転制御装置1030は、制御部1031、記憶部1032、I/O部1033を備える。制御部1031の構成はハードウェア資源とソフトウェア資源の協働、又はハードウェア資源のみにより実現できる。ハードウェア資源としてプロセッサ、ROM、RAM、その他のLSIを利用でき、ソフトウェア資源としてオペレーティングシステム、アプリケーション、ファームウェア等のプログラムを利用できる。記憶部1032は、フラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を備える。I/O部1033は、各種の通信フォーマットに応じた通信制御を実行する。例えば、I/O部1033は、自動運転に関する情報を運転支援装置1040に出力するとともに、制御コマンドを運転支援装置1040から入力する。また、I/O部1033は、検出情報を検出部1020から入力する。

制御部1031は、運転支援装置1040から入力した制御コマンド、検出部1020或いは各種ECUから収集した各種情報を自動運転アルゴリズムに適用して、車両1000の進行方向等の自動制御対象を制御するための制御値を算出する。制御部1031は算出した制御値を、各制御対象のECU又はコントローラに伝達する。本実施の形態ではステアリングECU、ブレーキECU、エンジンECU、ウィンカコントローラに伝達する。なお電気自動車或いはハイブリッドカーの場合、エンジンECUに代えて又は加えてモータECUに制御値を伝達する。

運転支援装置1040は、車両1000と運転者との間のインタフェース機能を実行するHMIコントローラであり、制御部1041、記憶部1042、I/O部1043を備える。制御部1041は、HMI制御等の各種データ処理を実行する。制御部1041は、ハードウェア資源とソフトウェア資源の協働、またはハードウェア資源のみにより実現できる。ハードウェア資源としてプロセッサ、ROM、RAM、その他のLSIを利用でき、ソフトウェア資源としてオペレーティングシステム、アプリケーション、ファームウェア等のプログラムを利用できる。

記憶部1042は、制御部1041により参照され、または更新されるデータを記憶する記憶領域である。例えばフラッシュメモリ等の不揮発の記録媒体により実現される。I/O部1043は、各種の通信フォーマットに応じた各種の通信制御を実行する。I/O部1043は、操作入力部1050、画像出力部1051、検出情報入力部1052、コマンドIF1053、通信IF1056を備える。

操作入力部1050は、入力装置1004に対してなされた運転者或いは乗員もしくは車外にいるユーザの操作による操作信号を入力装置1004から受信し、制御部1041へ出力する。画像出力部1051は、制御部1041が生成した画像データを報知装置1002へ出力して表示させる。検出情報入力部1052は、検出部1020による検出処理の結果であり、車両1000の現在の周囲状況および走行状態を示す情報(以下「検出情報」と呼ぶ。)を検出部1020から受信し、制御部1041へ出力する。

コマンドIF1053は、自動運転制御装置1030とのインタフェース処理を実行し、行動情報入力部1054とコマンド出力部1055を含む。行動情報入力部1054は、自動運転制御装置1030から送信された車両1000の自動運転に関する情報を受信し、制御部1041へ出力する。コマンド出力部1055は、自動運転制御装置1030に対して自動運転の態様を指示する制御コマンドを、制御部1041から受け付けて自動運転制御装置1030へ送信する。

通信IF1056は、無線装置1008とのインタフェース処理を実行する。通信IF1056は、制御部1041から出力されたデータを無線装置1008へ送信し、無線装置1008から車外の装置へ送信させる。また、通信IF1056は、無線装置1008により転送された、車外の装置からのデータを受信し、制御部1041へ出力する。

なお、ここでは、自動運転制御装置1030と運転支援装置1040は別個の装置として構成される。変形例として、図32の破線で示すように、自動運転制御装置1030と運転支援装置1040を1つのコントローラに統合してもよい。言い換えれば、1つの自動運転制御装置が、図32の自動運転制御装置1030と運転支援装置1040の両方の機能を備える構成としてもよい。この場合に、統合したコントローラ内に複数のECUを設け、一方のECUが自動運転制御装置1030の機能を実現し、他方のECUが運転支援装置1040の機能を実現してもよい。また、統合したコントローラ内の1つのECUが複数のOS(Operating System)を実行し、一方のOSが自動運転制御装置1030の機能を実現し、他方のOSが運転支援装置1040の機能を実現してもよい。

図34は、図32の検出部1020の詳細な構成を示すブロック図である。検出部1020は、位置情報取得部1021、センサ1022、速度情報取得部1023、地図情報取得部1024を備える。位置情報取得部1021は、GPS受信機から車両1000の現在位置を取得する。

センサ1022は、車外の状況および車両1000の状態を検出するための各種センサの総称である。車外の状況を検出するためのセンサとして例えばカメラ、ミリ波レーダ、LIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)、気温センサ、気圧センサ、湿度センサ、照度センサ等が搭載される。車外の状況は、車線情報を含む自車の走行する道路状況、天候を含む環境、自車周辺状況、近傍位置にある他車(隣接車線を走行する他車等)を含む。なお、センサが検出できる車外の情報であれば何でもよい。また車両1000の状態を検出するためのセンサとして例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ、傾斜センサ等が搭載される。

速度情報取得部1023は、車速センサから車両1000の現在速度を取得する。地図情報取得部1024は、地図データベースから車両1000の現在位置周辺の地図情報を取得する。地図データベースは、車両1000内の記録媒体に記録されていてもよいし、使用時にネットワークを介して地図サーバからダウンロードしてもよい。以下、各実施の形態を説明する。

(実施の形態5) まず概要を説明する。車両の自動運転中に、車両の現在の行動を報知するだけで将来の行動について何も報知しない場合、車両の乗員に不安感を抱かせてしまうことがあった。 そこで実施の形態5では、自動運転において車両1000に現在実行させる行動(以下「現在行動」と呼ぶ。)と、その行動の次に実行させる予定の行動(以下「予定行動」と呼ぶ。)の両方を運転者へ提示する。具体的には、自動運転制御装置1030が現在行動と予定行動を決定する。そして運転支援装置1040が、現在行動と予定行動の両方を車両1000内の報知装置1002に表示させる。

以下では、これまでの実施の形態で説明済の内容は適宜省略する。本実施の形態で説明する構成或いは動作は、趣旨を逸脱しない範囲で、他の実施の形態或いは変形例で説明する構成或いは動作と組み合わせることができ、また置き換えることができる。

実施の形態5の自動運転制御装置1030は、検出部1020が出力した検出情報に基づいて、現在行動と予定行動の両方を決定する。運転支援装置1040の行動情報入力部1054は、自動運転制御装置1030が車両1000に実行させる現在行動を示す現在行動情報と、その現在行動の次に自動運転制御装置1030が車両1000に実行させる予定行動を示す予定行動情報を自動運転制御装置1030から取得する。実施の形態5では、現在行動情報と予定行動情報の両方を含むデータを行動情報として取得する。現在行動とは、車両が現在実行している行動と言える。また予定行動とは、現在実行している行動が終了した後に、実行する行動と言え、例えば現在行動の次に実行する行動であってもよく、現在行動の次の次に実行する行動であってもよい。

図35は、自動運転制御装置1030から入力される行動情報を示す。この行動情報には、現在行動の識別情報である現在行動情報と、予定行動の識別情報である予定行動情報が含まれる。現在行動および予定行動の識別情報は、行動の種類をユニークに識別可能なコード等であってもよい。また行動情報には、現在時刻から予定行動が実行されるまでの時間であり、言い換えれば、現在行動から予定行動に切り替わるまでの現在時刻からの時間を示す残り時間情報が含まれる。例えば、図35の行動情報は、現在行動が右への車線変更であり、予定行動が加速であり、現在行動を終了して予定行動を開始するまでの残り時間が10秒であることを示している。「現在時刻」は、自動運転制御装置1030が認識する現在時点の時刻であり、例えば自動運転制御装置1030内部のシステム時刻でもよい。また、車両1000内部で現在時刻を計時する不図示の時計装置から取得した時刻でもよい。さらにまた、現在行動の内容を決定した時点の時刻でもよく、将来実行する予定行動の内容を決定した時点の時刻でもよく、行動情報を運転支援装置1040へ通知する時点の時刻でもよい。

図36は、運転支援装置1040の制御部1041の詳細な構成を示すブロック図である。制御部1041は画像生成部1060を含む。画像生成部1060は、自動運転制御装置1030から入力された現在行動情報に基づいて現在行動を表す現在行動画像を生成し、予定行動情報に基づいて予定行動を表す予定行動画像を生成する。実施の形態5では、予定行動画像のサイズよりも大きいサイズの現在行動画像を生成する。

運転支援装置1040の画像出力部1051は、車両1000の運転者の一定視野内に現在行動画像と予定行動画像を表示させるように、現在行動画像と予定行動画像を報知装置1002へ出力する。運転者の一定視野内に表示させるとは、運転者の同一視野内に表示させるとも言える。例えば、現在行動画像と予定行動画像の両方を運転者が同時に視認可能なように、それらの画像を近傍位置或いは予め定められた距離内に同時に表示させてもよい。また、それらの画像を同一画面内の予め定められた位置に時間的な重なりを設けて表示させてもよい。また、現在行動画像と予定行動画像の両方を視線の移動が不要な近傍範囲に表示させてもよい。さらにまた、このような近傍範囲に現在行動画像と予定行動画像を並べた画面の画像データを画像生成部1060が生成してもよい。

また画像生成部1060は、自動運転制御装置1030から入力された残り時間情報によって更新される予定行動が実行されるまでの時間を表す残り時間画像をさらに生成する。画像出力部1051は、残り時間画像を報知装置1002へさらに出力し、車両1000の運転者の一定視野内に、現在行動画像と、残り時間画像を加えた予定行動画像とを表示させる。

報知装置1002に表示される自動運転に関する各種情報を含む画面を「自動運転情報画面」とも呼ぶ。図37は、自動運転情報画面の一例を示す。図37(a)は第1時点での自動運転情報画面1103の例を示し、図37(b)は第1時点より後の第2時点での自動運転情報画面1103の例を示している。

自動運転情報画面1103における現在行動画像1104の表示態様は、予定行動画像1106の表示態様とは異なるよう設定される。これにより、車両の現在行動と、その現在行動に続く予定行動とを運転者が混同してしまうことを防止する。例えば、現在行動画像1104は、予定行動画像1106より大きいサイズで表示される。また、現在行動画像1104は、車両1000の運転者の一定視野内の中心位置で表示され、例えば自動運転情報画面1103の中心の近傍位置に表示される。その一方、予定行動画像1106は、運転者の一定視野内の周辺位置で表示され、例えば自動運転情報画面1103の端付近に表示される。図37(a)(b)の例では、現在行動画像1104は、自動運転情報画面1103上の画面上のメイン領域1100に表示される一方、予定行動画像1106はメイン領域1100よりも小さいサブ領域1102に表示される。

また自動運転情報画面1103では、残り時間画像1108が予定行動画像1106に対応付けて表示される、具体的には、予定行動画像1106と残り時間画像1108は、同じサブ領域1102内の近傍位置に並べて表示される。実施の形態5では、残り時間画像1108は複数の時間インジケータ1109を含む。各時間インジケータ1109は、点灯状態または消灯状態で表示され、予定行動が実行されるまでの残り時間が長いほど多くの時間インジケータ1109が点灯状態で表示される。

また残り時間画像1108では、時間経過に伴って、点灯状態の時間インジケータ1109が徐々に消灯状態へ変化していくことにより、予定行動実行までの残り時間の状況を運転者に報知する。例えば、1つの時間インジケータ1109あたり5秒が割当てられ、5つの時間インジケータ1109で最大25秒の残り時間を示す構成であってもよい。1つの時間インジケータ1109が消灯するまでの時間は、開発者の知見或いは実験等により適切な値が定められてよく、運転者等のユーザが任意の時間を設定可能であってもよい。

典型的には、図37(a)の自動運転情報画面1103が表示された第1時点から、1つの時間インジケータ1109分の時間が経過すると、車両1000の現在行動が図37(a)の予定行動画像1106で示された「加速」に切り替わる。それとともに、報知装置1002でも図37(b)の自動運転情報画面1103が表示される。図37(b)の自動運転情報画面1103においては、図37(a)の予定行動画像1106で示された「加速」が現在行動画像1104で示される。

自動運転制御装置1030は、予定行動として、複数の行動(単一行動)を連続して組み合わせた情報である行動計画を決定してもよい。行動計画は「追い越し」を含む。例えば、行動計画「追い越し」は、3つの単一行動の組み合わせで構成され、具体的には(1)右への車線変更、(2)加速、(3)左への車線変更、の組み合わせで構成される。自動運転制御装置1030が予定行動として行動計画を決定した場合、運転支援装置1040の行動情報入力部1054は、その行動計画を示す予定行動情報を取得する。具体的には、図35で示した行動情報の予定行動欄(予定行動情報)に、複数の単一行動と、それぞれの単一行動の実行順序を示す情報が設定される。

予定行動が行動計画である場合、画像生成部1060は、行動計画に含まれる複数の単一行動を行動単位で表現した複数の画像を、複数の単一行動が実行される順序にしたがって配列した予定行動画像1106を生成する。図38は、自動運転情報画面の一例を示す。同図の自動運転情報画面1103には、追い越しを示す行動計画を表す予定行動画像1106が表示されている。また同図の予定行動画像1106は、3つの単一行動を示す3つの画像を含み、実行順序が早い単一行動の画像ほど下位置に配置されている。

また自動運転制御装置1030は、予定行動として、自動運転において現在行動の次に実行することが可能な複数の行動候補を予定行動として決定してもよい。この場合の予定行動は、例えば第1候補「加速」と第2候補「減速」の2つを含んでもよく、さらに第3候補「左への車線変更」を加えた3つを含んでもよい。自動運転制御装置1030は、複数の行動候補のそれぞれを実行する場合の残り時間を決定し、さらに複数の行動候補間の優先順位を決定する。

運転支援装置1040の行動情報入力部1054は、複数の行動候補を含む予定行動情報(ここでは「候補情報」と呼ぶ。)を取得する。具体的には、図35で示した行動情報の予定行動欄に、複数の行動候補と、各行動候補についての残り時間および優先順位を示す候補情報が設定される。

画像生成部1060は、行動情報が示す現在行動を表す現在行動画像1104と、行動情報が示す複数の行動候補に対応する複数の候補画像を生成する。実施の形態5では、複数の候補画像として、複数の行動候補を表す複数の予定行動画像1106と、各行動候補の残り時間を表す複数の残り時間画像1108を生成する。画像出力部1051は、報知装置1002に対して現在行動画像1104を出力するとともに、複数の候補画像を所定の順位付けをして出力する。これにより、運転者の一定視野内に現在行動画像1104とともに、所定の順位付けにより表示配置された複数の候補画像を表示させる。

候補行動間の順位付けは、行動情報に示された各行動候補の優先度にしたがって実行し、具体的には、優先度が高い行動候補ほど順位を高くする。変形例として、実行までの残り時間が短い行動候補ほど順位を高くしてもよい。また、後述の実施の形態で説明するように、現在の車両1000の周囲状況および走行状態の下、運転者の嗜好或いは操作パターンとの合致の度合いが高い行動候補ほど順位を高くしてもよい。

順位付けによる表示配置は、複数の行動候補に対応する複数の候補画像を、各行動候補の順位に応じた自動運転情報画面1103内の所定位置に、上下左右などに順位の並びに可視化したノンパラメトリック表示の形態で、配置することでもよい。この順位(他の実施の形態でも同様)は、画面上の表示或いは運転者への提案の優先順位、優先度合と言え、推奨順位、推奨度合とも言える。例えば、高順位の行動候補の候補画像ほど自動運転情報画面1103のサブ領域1102における右側(左側でもよく、事前に取決められてよい)に配置してもよい。

また、順位付けによる表示配置は、ヒストグラムなどで順位を可視化したパラメトリック表示であってもよい。例えば、各候補画像を、画像生成部1060により生成された順位を示すオブジェクトを付加した態様で表示させてもよい。このオブジェクトは、順位に応じた形状のヒストグラム画像或いは順位そのものを示す数字画像等でもよく、画像生成部1060により生成されてもよい。パラメトリック表示の例は後述の図63(a)(b)にも示す。さらにまた、高順位の行動候補の候補画像ほど目立つ外観(意匠)で表示してもよく、例えば表示サイズを大きくしてもよく、より視認性が高いと想定される色彩で表示してもよい。

図39は、自動運転情報画面の一例を示す。同図の自動運転情報画面1103では、第1行動候補「加速」を表す第1予定行動画像1106aと、第2行動候補「減速」を表す第2予定行動画像1106bが表示されている。また、第1行動候補が実行されるまでの残り時間を示す第1残り時間画像1108aと、第2行動候補が実行されるまでの残り時間を示す第2残り時間画像1108bが表示されている。ここでは、「加速」の方の優先度が高いこととし、「加速」を表す第1予定行動画像1106aが、より順位が高いことを示す右側に表示されている。図39では、ノンパラメトリック表示の形態で、第1予定行動画像1106aと残り時間画像1108の順位を提示している。既述したように、第1予定行動画像1106aと第2予定行動画像1106bのそれぞれに対して順位に応じた形状のヒストグラム等を付加するパラメトリック形式で順位を提示してもよい。

この態様によると、車両の自動運転で将来実行されうる複数の行動候補を運転者に事前に把握させ、運転者に一層の安心感を提供できる。また、後の実施の形態で説明するように、運転者が予定行動を選択可能である場合、運転者は、自動運転における車両の将来行動を複数の候補の中から選択可能になる。また、候補間の順位を運転者に示すことで、運転者による候補の選択を支援できる。

図40は、車両1000のHMI制御に係る処理の例を示すシーケンス図である。検出部1020は、車両1000の周囲状況および走行状態を検出し、その検出結果を示す検出情報を自動運転制御装置1030へ出力する(P1)。自動運転制御装置1030は、検出部1020から取得した検出情報にしたがって、車両の現在行動、予定行動、予定行動実行までの残り時間を決定する。そして、現在行動の実行を指示する行動指示を運転操作部1010へ出力することにより、その現在行動を車両1000に実行させる(P2)。さらに自動運転制御装置1030は、現在行動情報、予定行動情報、残り時間情報を運転支援装置1040へ送信する(P3)。

運転支援装置1040は、自動運転制御装置1030から取得した現在行動情報、予定行動情報、残り時間情報をもとに現在行動画像、予定行動画像、残り時間画像を生成し、報知装置1002に表示させる(P4)。具体的には、運転支援装置1040の画像生成部1060は、現在行動画像、予定行動画像、残り時間画像の画面上での表示位置をさらに決定する。運転支援装置1040の画像出力部1051は、現在行動画像、予定行動画像、残り時間画像とともに、各画像の表示位置を示す表示位置情報を報知装置1002へ出力し、各画像を図37等で示した位置に配置した自動運転情報画面を表示させる。

変形例として、運転支援装置1040の画像生成部1060は、現在行動画像を中心位置に配置し、予定行動画像および残り時間画像を周辺位置に配置した自動運転情報画面全体の画像データを生成してもよい。運転支援装置1040の画像出力部1051は、生成された自動運転情報画面の画像データを報知装置1002へ出力して表示させてもよい。

運転支援装置1040は、P4からの時間を計測し(P5)、時間経過を反映した更新後の残り時間画像を報知装置1002へ出力することにより、自動運転情報画面における残り時間画像の態様を更新する(P6)。更新後の残り時間画像は、例えばそれまで点灯状態であった時間インジケータを消灯状態に変更した画像である。運転支援装置1040は、新たな現在行動情報、予定行動情報、残り時間情報を自動運転制御装置1030から取得するまで、残り時間画像の更新処理を繰り返す(S7〜S8)。

検出部1020は定期的に、車両1000の周囲状況および走行状態を検出し、その検出結果を示す検出情報を自動運転制御装置1030へ出力する(P9)。自動運転制御装置1030は、検出情報にしたがって現在行動、予定行動、予定行動までの残り時間を新たに決定する。そして、新たに決定した現在行動の実行を指示する行動指示を運転操作部1010へ出力することにより、新たに決定した現在行動を車両1000に実行させる(P10)。自動運転制御装置1030は、新たに決定した現在行動、予定行動、残り時間を示す新たな現在行動情報、予定行動情報、残り時間情報を運転支援装置1040へ送信する(P11)。運転支援装置1040は、自動運転制御装置1030から取得した新たな現在行動情報、新たな予定行動情報、新たな残り時間情報に基づいて、新たな現在行動画像、新たな予定行動画像、新たな残り時間画像を生成し、報知装置1002に表示させる(P12)。

なお図40の破線で示すように、自動運転制御装置1030と運転支援装置1040は1つの自動運転制御装置に統合されてよい。その場合、1つの自動運転制御装置が自動運転制御装置1030と運転支援装置1040の両方の処理を実行してもよい。以降の実施形態についても同様である。

図41は、運転支援装置1040の処理の例を示すフローチャートである。自動運転制御装置1030から出力された行動情報を行動情報入力部1054が取得すると(S100のY)、画像生成部1060は、行動情報が示す現在行動と、予め記憶部1042に記憶させた現在行動とが一致するか否かを判定する。さらに、行動情報が示す予定行動と、予め記憶部1042に記憶させた予定行動とが一致するか否かを判定する。

行動情報が示す現在行動と記憶部1042に予め記憶された現在行動が不一致の場合、すなわち現在行動が更新された場合(S102のY)、画像生成部1060は、行動情報が示す現在行動を表す現在行動画像を生成する(S103)。画像出力部1051は、現在行動画像を報知装置1002へ出力して表示させ(S104)、画像生成部1060は、行動情報が示す現在行動を記憶部1042に記憶させる(S105)。行動情報が示す現在行動と記憶部1042に予め記憶された現在行動が一致する場合、すなわち現在行動の更新がなければ(S102のN)、S103〜S105をスキップする。

行動情報が示す予定行動と記憶部1042に予め記憶された予定行動が不一致の場合、すなわち予定行動が更新された場合(S106のY)、画像生成部1060は、行動情報が示す予定行動を表す予定行動画像を生成する。さらに画像生成部1060は、行動情報が示す残り時間を表す残り時間画像を生成する(S107)。画像出力部1051は、予定行動画像と残り時間画像を報知装置1002へ出力して表示させ(S108)、画像生成部1060は、行動情報が示す予定行動を記憶部1042に記憶させる(S109)。画像生成部1060は、予定行動画像と残り時間画像の表示開始からの経過時間の計測を開始する(S110)。

所定の終了条件が満たされた場合(S111のY)、本図のフローを終了し、終了条件が満たされなければ(S111のN)、S100に戻る。終了条件は、以降の実施の形態で共通であり、例えば運転者が自動運転モードを終了させた場合或いは、車両のイグニッションキーまたは電源がオフに切り替わった場合に満たされる。

自動運転制御装置1030から行動情報が未入力の場合(S100のN)、画像生成部1060は、経過時間の計測開始から所定時間が経過したか否かを判定する。同様に、行動情報が示す予定行動と記憶部1042に予め記憶された予定行動が一致する場合、すなわち予定行動の更新がない場合(S106のN)、画像生成部1060は、経過時間の計測開始から所定時間が経過したか否かを判定する。経過時間の計測開始から所定時間が経過したことを検出すると(S112のY)、画像生成部1060は、残り時間画像を更新する(S113)。例えば、1つの時間インジケータ1109に割当てられた時間が経過したことを検出すると、1つの時間インジケータ1109を点灯状態から消灯状態に変更した残り時間画像を生成する。画像出力部1051は、更新された残り時間画像を報知装置1002へ出力して表示させる(S114)。変形例として、残り時間画像を更新する場合も、自動運転情報画面の画像全体を更新してもよい。経過時間の計測開始から所定時間が未経過であれば(S112のN)、S113とS114をスキップする。

図41のS106〜S109に関連し、自動運転制御装置1030は、ある現在行動を実行中に、予定行動を第1予定行動(例えば右への車線変更)から第2予定行動(例えば加速)に変更することがある。この場合、運転支援装置1040の行動情報入力部1054は、現在行動情報が未更新の一方、予定行動情報および残り時間情報が更新された行動情報を自動運転制御装置1030から取得する。具体的には、予定行動情報が第2予定行動を示すように更新され、残り時間情報が第2予定行動を実行するまでの時間を示すように更新された行動情報を取得する。

画像生成部1060は、第2予定行動を表す新たな予定行動画像と、第2予定行動を実行するまでの時間を表す新たな残り時間画像を生成する。画像出力部1051は、新たな予定行動画像と新たな残り時間画像を報知装置1002へ出力する。これにより、運転者の一定視野内に、第1予定行動を表すそれまでの予定行動画像と残り時間画像に代えて、第2予定行動を表す新たな予定行動画像と新たな残り時間画像を、未更新の現在行動画像とともに表示させる。

なお、図41のフローチャートでは各処理を順次実行することとしたが、各処理を適宜並行実行してもよい。例えば、S102〜S105の処理と、S106〜S110の処理を並行実行してもよい。また、自動運転制御装置1030から行動情報が入力された場合にS102およびS106の判定をスキップしてもよい。すなわち、現在行動と予定行動の更新有無にかかわらず、常に現在行動画像、予定行動画像、残り時間画像の新たな生成と出力を実行してもよい。

以上説明したように、実施の形態5の運転支援装置1040は、車両の乗員(運転者等)に対して、自動運転における現在行動を報知するとともに、将来時点の行動であり、具体的には現在行動に続く予定行動も事前に報知する。また、現在行動が予定行動に切り替わるまでの残り時間もさらに報知する。これにより、車両の運転者が自動運転における予定行動を予見し、また、その予定行動がいつ実行されるかを予見できるよう支援できる。言い換えれば、車両の自動運転において乗員の予期せぬ行動を実行することを抑制し、乗員に不安感を抱かせてしまうことを抑制できる。また、自動運転を中止して運転権限を取り戻すかどうかの判断を運転者が適切に下せるように支援できる。

変形例を説明する。自動運転制御装置1030は、車両の自動運転中に、現在行動である第1行動(例えば右への車線変更)の次に実行させる予定の第2行動(例えば加速)と、その第2行動を実行するまでの残り時間を決定する。この場合に、自動運転制御装置1030は、第2行動の次に実行させる予定の第3行動(例えば減速)と、その第3行動を実行するまでの残り時間をさらに決定してもよい。

運転支援装置1040の行動情報入力部1054は、第1行動を示す現在行動情報と、第2行動と第3行動を示す予定行動情報と、第2行動までの残り時間と第3行動までの残り時間を示す残り時間情報を自動運転制御装置1030から取得してもよい。画像生成部1060は、第1行動を表す現在行動画像、第2行動と第2行動までの残り時間を示す予定行動画像と残り時間画像、第3行動と第3行動までの残り時間を示す予定行動画像と残り時間画像を生成してもよい。

画像出力部1051は、これらの画像データを報知装置1002へ出力し、これらの画像を図39に示した態様で運転者の一定視野内に並べて表示させてもよい。例えば、第2行動と第2行動までの残り時間を示す予定行動画像と残り時間画像を、図39の第1予定行動画像1106a、第2予定行動画像1106bのように配置してもよい。また、第3行動と第3行動までの残り時間を示す予定行動画像と残り時間画像を、図39の第2予定行動画像1106b、第2残り時間画像1108bのように配置してもよい。

なお、車両の現在行動が第1行動の間は、第3行動と第3行動までの残り時間を示す予定行動画像と残り時間画像を非表示としてもよい。例えば、これらの画像の生成、出力または表示に係る処理をスキップしてもよい。第3行動を非表示とする場合、図37(a)の態様で表示させてもよい。

ここで、車両の現在行動が第1行動から第2行動に切り替わった場合、画像出力部1051は、第1行動を表す画像を非表示とするとともに、運転者の同一視野内に第2行動を表す画像と第3行動を表す画像を表示させてもよい。これは例えば、車両の現在行動を第1行動から第2行動に切り替えた旨の通知(新たな行動情報等)を自動運転制御装置1030から受け付けた場合である。画像生成部1060は、第2行動を現在行動として表す現在行動画像と、第3行動を予定行動として示す予定行動画像を生成し、画像出力部1051は、それらの画像を報知装置1002に出力して自動運転情報画面1103の内容を切り替えてもよい。

この変形例の自動運転情報画面1103は、第1行動の実行中に第3行動を非表示とする場合、例えば図37(a)から図37(b)への画面遷移になる。その一方、第1行動の実行中に第3行動を表示させる場合、例えば図39から図37(b)への画面遷移になる。第1行動の実行中に第3行動を表示するか否かに関わらず、車両の現在行動が第1行動から第2行動に切り替わると、第2行動を表す画像の位置は、運転者の一定視野内の周辺位置から中心位置に変わる。また、第2行動を表す相対的に小さい予定行動画像の表示から、第2行動を表す相対的に大きい現在行動画像の表示へ切り替わる。その一方、第3行動を表す画像である予定行動画像は、第2行動を表す現在行動画像よりも小さいサイズで運転者の一定視野内の周辺位置に表示される。

(実施の形態6) まず概要を説明する。車両の自動運転中に、車両に即時実行させる行動として指示可能な行動が何かを運転者が把握できないことがあり、またそのために、運転者に不安感を抱かせてしまうことがあった。

そこで実施の形態6では、自動運転における車両の現在行動に代えて車両に即時実行させる行動の候補(以下「現在行動候補」と呼ぶ。)を運転者へ提示する。現在行動候補は、現在行動に代わる代替行動の候補とも言え、また、現在行動に代わって車両1000に実行させることが可能な行動の候補とも言える。具体的には、自動運転制御装置1030が現在行動を決定し、運転支援装置1040が現在行動候補を決定する。そして運転支援装置1040が、現在行動と現在行動候補の両方を車両1000内の報知装置1002に表示させる。なお、運転者が即時実行すべき行動を指示した場合も、実際には各装置内の処理或いは装置間での通信等が発生するため、現在時点からある程度の遅延が許容されることはもちろんである。

以下では、これまでの実施の形態で説明済の内容は適宜省略する。本実施の形態で説明する構成或いは動作は、趣旨を逸脱しない範囲で、他の実施の形態或いは変形例で説明する構成或いは動作と組み合わせることができ、また置き換えることができる。

図42は、運転支援装置1040の記憶部1042の詳細な構成を示すブロック図である。記憶部1042は、統計情報蓄積部1070と判定基準保持部1071を含む。

統計情報蓄積部1070は、車両の周囲状況および走行状態と車両の行動との関連性を示す統計情報を蓄積する。図43は、統計情報蓄積部1070に蓄積される統計情報を模式的に示す。実施の形態6の統計情報は、図27の走行履歴および図28のドライバモデルに対応する。統計情報は、車両の周囲状況および走行状態を示す複数種類の環境パラメータの値と、車両に即時実行させる行動(もしくは車両に即時実行させた行動実績)を対応付けたレコードを複数含む情報である。言い換えれば、様々な環境状態において実行された現在行動を、その環境状態を示すパラメータ値と対応付けて蓄積された情報である。既知の統計処理によりモデル化・パターン化された情報であってもよい。

実施の形態6の統計情報で規定される行動は、車両の現在行動であり、言い換えれば、車両に即時実行させる行動である。統計情報で規定される行動には、履歴(d)(e)で示すように単一行動が含まれ、履歴(f)で示すように複数の単一行動を組み合わせた行動計画も含まれる。また、統計情報で規定される各環境パラメータの意味は、実施の形態4で説明済のためここでの説明は省略する。なお、環境パラメータには、車両1000の速度、車両1000に対する先行車両の相対速度、車両1000と先行車両との距離、車両1000に対する側方車線の他車両の相対速度、車両1000と側方車線の他車両との距離、車両1000の位置情報が含まれる。統計情報で規定される環境パラメータの項目は、検出部1020から入力される検出情報に含まれ、もしくは検出情報に基づく計算により項目値を特定可能である。

図42に戻り、判定基準保持部1071は、後述の判定部1062による判定処理の基準となるデータ(以下「判定基準」と呼ぶ。)を保持する。判定基準は、検出部1020から入力される検出情報の複数のパターンについて、パターン毎に車両1000に現在(即時)実行させることが可能な行動を定めたデータである。例えば、検出情報のあるパターンが前方と右車線に他の車両が存在することを示す場合、そのパターンには可能な行動候補として減速と左への車線変更が定められてもよい。言い換えれば、可能な行動候補から加速と右への車線変更が除外されてもよい。

運転支援装置1040の行動情報入力部1054は、自動運転制御装置1030が車両1000に実行させる現在行動を示す行動情報を自動運転制御装置1030から取得する。運転支援装置1040の検出情報入力部1052は、車両1000の周囲状況および走行状態の検出結果を示す検出情報を検出部1020から取得する。

図44は、運転支援装置1040の制御部1041の詳細な構成を示すブロック図である。制御部1041は、画像生成部1060、候補決定部1061、判定部1062、指示部1063を含む。候補決定部1061および判定部1062は、自動運転制御装置1030から取得した行動情報が示す現在行動とは別に実行可能な行動候補を、検出部1020から取得した検出情報に基づいて決定する。

具体的には、候補決定部1061は、統計情報蓄積部1070に蓄積された統計情報における環境パラメータの個数(n)に対応するn次元のベクトル空間を構築し、統計情報に定められた行動をそのベクトル空間に配置する。次に、ベクトル空間内の特定の位置であり、検出情報が示す環境パラメータ値に対応する位置(以下「現在環境位置」とも呼ぶ。)を特定する。そして、ベクトル空間において現在環境位置から所定範囲内(言い換えれば所定の距離内)に存在する1つ以上の行動を仮の現在行動候補として決定する。すなわち、候補決定部1061は、統計情報に規定された複数種類の行動のうち、検出情報に近似する環境パラメータ値に対応付けられた行動を仮の現在行動候補として決定する。所定範囲の閾値は、開発者の知見或いは実験により決定されてよい。

判定部1062は、検出部1020から出力された検出情報と、判定基準保持部1071に保持された判定基準を参照して、候補決定部1061により決定された仮の現在行動候補のそれぞれが、車両に現在(即時)実行させることが可能か否かを判定する。判定部1062は、候補決定部1061により決定された1つ以上の仮の現在行動候補のうち、車両に現在実行させることが可能な候補を、運転者に提示する最終的な現在行動候補として決定する。例えば、仮の現在行動候補が右への車線変更である場合に、右車線に他の車両が存在しなければ、その仮の現在行動候補を最終的な現在行動候補として決定してもよい。逆に、仮の現在行動候補が右への車線変更である場合に、右車線に他の車両が存在すれば、その仮の現在行動候補を最終的な現在行動候補から除外してもよい。なお、判定部1062による、特定の行動を車両に現在実行させることが可能か否かの判定処理は既知の方法により実現されてもよい。

このように、実施の形態6では、候補決定部1061と判定部1062の連携により運転者へ提示する現在行動候補を決定するが、いずれか一方の処理のみ実行して現在行動候補を決定してもよい。なお、候補決定部1061または判定部1062は、1つ以上の現在行動候補を一旦決定すると、行動情報が示す現在行動と各候補とが一致するか否かを判定する。そして、現在行動と一致する現在行動候補は候補から除外し、現在行動と不一致の現在行動候補のみ運転者へ提示対象として画像生成部1060に渡す。これにより、現在行動と一致する行動を、現在行動に代わる行動として提示することを抑制する。

画像生成部1060は、行動情報が示す現在行動を表す現在行動画像を生成し、候補決定部1061および判定部1062により決定された最終的な現在行動候補を表す現在行動候補画像を生成する。画像出力部1051は、車両の運転者の一定視野内に現在行動画像と現在行動候補画像を表示させるように、現在行動画像と現在行動候補画像を報知装置1002に出力する。実施の形態6では言及しないが、実施の形態5と同様に、運転支援装置1040は、現在行動情報に加えて予定行動情報および残り時間情報を自動運転制御装置1030から取得し、予定行動画像および残り時間画像を報知装置1002にさらに表示させてもよい。

報知装置1002は、運転支援装置1040から出力された現在行動画像と現在行動候補画像を含む自動運転情報画面を表示する。図45は、自動運転情報画面の一例を示す。同図では、メイン領域1100に現在行動画像1104を配置し、サブ領域1102に2つの現在行動候補画像1110を配置した自動運転情報画面1103を示している。同図において上の現在行動候補画像1110は第1の現在行動候補である「減速」を示し、下の現在行動候補画像1110は第2の現在行動候補である「前進(速度維持)」を示している。

また自動運転情報画面1103における現在行動画像1104の表示態様は、現在行動候補画像1110の表示態様とは異なるよう設定される。これにより、自動運転コントローラで決定済の現在行動と、その現在行動に代わる行動として提案された現在行動候補とを運転者が混同することを防止する。例えば、現在行動画像1104は、現在行動候補画像1110より大きいサイズで表示される。また、現在行動画像1104は、車両1000の運転者の一定視野内の中心位置で表示され、例えば自動運転情報画面1103の中心の近傍位置に表示される。その一方、現在行動候補画像1110は、運転者の一定視野内の周辺位置で表示され、例えば自動運転情報画面1103の端付近に表示される。

図44に戻り、指示部1063は、現在行動候補画像1110を出力後(表示後)、所定時間が経過した場合に、現在行動候補を車両に実行させるための制御コマンドをコマンド出力部1055から自動運転制御装置1030へ出力させる。

具体的には、操作入力部1050は、自動運転中に実行すべき車両の行動を指定する信号(以下「操作指示」と呼ぶ。)を入力装置1004から受信する。指示部1063は、現在行動画像1104および現在行動候補画像1110が報知装置1002に表示されている所定時間内に操作指示を未受信の場合、現在行動候補画像1110が表す現在行動候補を実行させるための制御コマンドをコマンド出力部1055から自動運転制御装置1030へ出力させる。この状況は、現在行動候補画像1110を出力後の所定時間内に操作指示を受け付けない場合とも言える。操作指示の受信を待機する所定時間は、開発者の知見或いは実験により適切な値が定められてよく、例えば5秒〜10秒に設定されてもよい。

また指示部1063は、現在行動画像1104および現在行動候補画像1110が報知装置1002に表示されている所定時間内に操作指示が受信された場合、その操作指示により指定された行動を車両に実行させる制御コマンドをコマンド出力部1055から自動運転制御装置1030へ出力させる。操作指示により指定される行動は、自動運転制御装置1030が決定した現在行動または運転支援装置1040が決定した現在行動候補である。

例えば、現在行動候補画像1110を選択する操作指示が入力装置1004から入力された場合、現在行動候補画像1110が表す現在行動候補を車両に実行させる制御コマンドをコマンド出力部1055から自動運転制御装置1030へ出力させる。逆に、現在行動画像1104を選択する操作指示が入力装置1004から入力された場合、現在行動画像1104が表す現在行動を車両に実行させる制御コマンドをコマンド出力部1055から自動運転制御装置1030へ出力させる。

図46は、車両1000のHMI制御に係る処理の例を示すシーケンス図である。検出部1020は、車両1000の周囲状況および走行状態を定期的に検出し、その検出結果を示す検出情報を自動運転制御装置1030へ定期的に出力する(P21)。自動運転制御装置1030は、検出部1020から取得した検出情報にしたがって車両の現在行動を決定する。そして、現在行動の実行を指示する行動指示を運転操作部1010へ出力することにより、その現在行動を車両1000に実行させる(P22)。さらに自動運転制御装置1030は、現在行動を示す行動情報を運転支援装置1040へ送信する(P23)。運転支援装置1040は、自動運転制御装置1030から取得した現在行動情報をもとに現在行動画像を生成し、報知装置1002に表示させる(P24)。

運転支援装置1040は、検出部1020が定期的に出力する検出情報を取得する(P25)。例えば、P21において検出部1020が出力した検出情報を、自動運転制御装置1030と並行して(独立して)取得してもよい。または、自動運転制御装置1030により転送された検出情報を取得してもよい。運転支援装置1040は、定期的に出力される検出情報を取得する都度、その検出情報に基づいて現在行動候補を決定する(P26)。運転支援装置1040は、現在行動候補を表す現在行動候補画像を生成して報知装置1002に表示させる(P27)。

報知装置1002の自動運転情報画面を確認した運転者が、現在行動候補の実行を指示するための選択操作を入力装置1004へ入力すると、入力装置1004は、現在行動候補の実行を指示する旨の操作指示を運転支援装置1040へ送信する(P28)。運転支援装置1040は、現在行動候補の実行を指示する内容の制御コマンドを自動運転制御装置1030へ送信する(P29)。自動運転制御装置1030は、制御コマンドで指定された現在行動候補を新たな現在行動として識別し、新たな現在行動の実行を指示する新たな行動指示を運転操作部1010へ出力することにより、新たな現在行動を車両1000に実行させる(P30)。

自動運転制御装置1030は、新たな現在行動を示す新たな行動情報を運転支援装置1040へ送信する(P31)。運転支援装置1040は、自動運転制御装置1030から取得した新たな現在行動情報をもとに新たな現在行動画像を生成し、報知装置1002に表示させる(P32)。運転支援装置1040は、検出部1020が出力した最新の検出情報を取得し(P33)、新たな現在行動候補を決定する(P34)。運転支援装置1040は、新たな現在候補画像を報知装置1002に表示させる(P35)。

図46のP29〜P35に関連し、運転支援装置1040の検出情報入力部1052は、制御コマンドが自動運転制御装置1030へ送信された後、その制御コマンドに応じて更新された現在行動を示す行動情報を自動運転制御装置1030から取得する。更新された現在行動は、制御コマンドで指定した行動であり、すなわち運転者により指定された現在行動候補である。そして運転支援装置1040は、報知装置1002の自動運転情報画面1103の内容を、最新の状態を反映するように更新する。

図47は、運転支援装置1040の処理の例を示すフローチャートである。自動運転制御装置1030から出力された行動情報を行動情報入力部1054が取得すると(S120のY)、画像生成部1060は、行動情報が示す現在行動と、予め記憶部1042に記憶させた現在行動とが一致するか否かを判定する。以降のS121〜S124の処理は、図41のS102〜S105の処理と同じであるため説明を省略する。行動情報を未取得の場合(S120のN)、S121〜S124をスキップする。

検出部1020から出力された検出情報を検出情報入力部1052が取得すると(S125のY)、候補決定部1061は、その検出情報、統計情報蓄積部1070に蓄積された統計情報、判定基準保持部1071に保持された判定基準に基づいて、1つ以上の現在行動候補を決定する(S126)。候補決定部1061は、S126で決定した現在行動候補が、予め記憶部1042に記憶させた現在行動候補と一致する否かを判定する。S126で決定した現在行動候補が、予め記憶部1042に記憶させた現在行動候補と不一致であり、すなわち現在行動候補が更新された場合(S127のY)、候補決定部1061は、S126で決定した現在行動候補と、行動情報が示す現在行動とが一致するか否かを判定する。そして、現在行動と一致する現在行動候補を以降の処理対象から除外する(S128)。

画像生成部1060は、S127とS128のフィルタリングを通過した現在行動候補を表す現在行動候補画像を生成し(S129)、画像出力部1051は、現在候補画像を報知装置1002へ出力して表示させる(S130)。候補決定部1061は、現在行動候補画像が生成された現在行動候補の情報を記憶部1042に記憶させる(S131)。検出情報を未取得であれば(S125のN)、S126〜S131をスキップし、現在行動候補の更新がなければ(S127のN)、S128〜S131をスキップする。所定の終了条件が満たされた場合(S132のY)、本図のフローを終了し、終了条件が満たされなければ(S132のN)、S120に戻る。

後述の変形例で説明するが、複数の現在行動候補を運転者に提示する場合、候補決定部1061は、現在の車両1000の周囲状況および走行状態の下、運転者の嗜好或いは操作パターンとの合致の度合いが高い行動候補ほど順位を高くしてもよい。そして、実施の形態5において複数の予定行動が入力された場合と同様に、画像生成部1060は、複数の現在行動候補に対応する複数の現在行動候補画像を、各候補の順位に応じた態様で生成してもよい。また、画像出力部1051は、複数の現在行動候補画像を、各候補の順位に応じた態様で報知装置1002に表示させてもよい。

また、実施の形態5で既述したように、画像生成部1060は、現在行動画像と現在行動候補画像の両方を含む自動運転情報画面のデータを生成し、画像出力部1051は、自動運転情報画面のデータを報知装置1002へ出力して表示させてもよい。すなわち、現在行動画像と現在行動候補画像の両方を一括して報知装置1002へ出力してもよい。

図48も、運転支援装置1040の処理の例を示すフローチャートである。現在行動候補画像が画像出力部1051から報知装置1002へ出力されると(S140のY)、指示部1063は、その出力からの経過時間の測定を開始する(S141)。入力装置1004から操作指示が入力されず(S142のN)、経過時間が所定の閾値に達すると(S143のY)、指示部1063は、現在行動候補の実行を指示する制御コマンドをコマンド出力部1055から自動運転制御装置1030へ出力させる(S144)。この閾値は、開発者の知見或いは実験により予め定められた時間値であり、例えば5秒〜10秒であってもよい。なお、複数の現在行動候補を運転者に提示した場合、指示部1063は、予め決定された各候補の順位にしたがって、最も高順位の現在行動候補の実行を指示する制御コマンドを出力させてもよい。

経過時間が所定の閾値に未達であれば(S143のN)、S142に戻る。現在行動または現在行動候補を指定する操作指示が入力されると(S142のY)、指示部1063は、操作指示で指定された現在行動または現在行動候補の実行を指示する制御コマンドをコマンド出力部1055から自動運転制御装置1030へ出力させる(S145)。この操作指示は、自動運転情報画面上の現在行動画像と現在行動候補画像の一方を選択する操作が入力されたことを示す信号であってもよい。現在行動候補画像を未出力であれば(S140のN)、S141以降の処理をスキップして本図のフローを終了する。

以上説明したように、実施の形態6の運転支援装置1040は、車両の乗員(運転者等)に対して、自動運転における現在行動を報知するとともに、その現在行動に代えて即時実行可能な現在行動候補を提案する。このように、車両の直近の行動の選択肢を運転者へ提示することで、運転者の意思を一層反映した自動運転であり、運転者の嗜好等に即した自動運転を実現できる。また、運転者が選択可能な現在行動候補は現在の車両の周囲状況或いは走行状態において実行可能なものであるため、運転者は安心して自動運転に対する変更の指示を出すことができる。

変形例を説明する。実施の形態6では、現在行動画像1104および現在行動候補画像1110が報知装置1002に表示されている所定時間内に操作指示を未受信の場合、現在行動候補を実行させるための制御コマンドを自動運転制御装置1030へ出力した。すなわち、実施の形態6では、自動運転制御装置1030が決定した行動よりも運転支援装置1040が決定した行動を優先的に車両に実行させた。変形例として、所定時間内に操作指示を未受信であれば、指示部1063は、現在行動画像1104が表す現在行動を車両に実行させるための制御コマンドをコマンド出力部1055から自動運転制御装置1030へ出力させてもよい。すなわち、運転支援装置1040が決定した行動よりも自動運転制御装置1030が決定した行動を優先的に車両に実行させてもよい。

別の変形例を説明する。実施の形態6では、運転支援装置1040が、車両の周囲状況および走行状態と車両の行動との関連性を示す統計情報をローカルの記憶部に蓄積した。変形例として、この統計情報は、車両外部の情報処理装置、例えば通信網を介して接続されるデータベースサーバ等に蓄積されてもよい。すなわち統計情報蓄積部1070は、車両外部の遠隔地(例えばクラウド上)に設けられてもよい。運転支援装置1040の候補決定部1061は、通信IF1056および無線装置1008を介して、車両外部の統計情報蓄積部に蓄積された統計情報へアクセスし、その統計情報と、検出部1020の検出情報にしたがって現在行動候補を決定してもよい。統計情報を使用する以降の実施の形態においても同様である。

さらに別の変形例を説明する。一部既述したが、統計情報蓄積部1070に蓄積される統計情報は、車両の乗員(典型的には運転者)の嗜好或いは運転パターンを反映した情報(ドライバモデル)であってもよい。本変形例の統計情報は、過去の環境パラメータ値と、その環境下での現在行動の実績の組み合わせを蓄積したものと言える。例えば、運転支援装置1040は、車両の走行における過去の環境パラメータ値と、その環境パラメータ値の場合の運転者による直近の操作(結果としての車両の直近行動)を統計情報蓄積部1070の統計情報へ逐次記録する統計情報記録部をさらに備えてもよい。

本変形例の候補決定部1061は、統計情報蓄積部1070を参照して、現在検出された環境パラメータ値との差異が所定範囲内の環境パラメータ値に対応付けられた複数の現在行動候補を決定する。また、それとともに複数の現在行動候補それぞれの優先順位(優先度合とも言える)を決定する。例えば候補決定部1061は、複数の現在行動候補を決定した場合に、現在検出された環境パラメータ値に近い環境パラメータ値に対応付けられた現在行動候補ほど順位を高くしてもよい。すなわち、複数の現在行動候補の中で、運転者の嗜好或いは運転パターンに即した現在行動候補ほど高い優先順位を付与してもよい。

画像生成部1060は、候補決定部1061により決定された複数の現在行動候補に対応する複数の現在行動候補画像であり、すなわち各候補の内容を表す画像を生成する。画像出力部1051は、車両1000の運転者の一定視野内に現在行動画像と複数の現在行動候補画像を表示させるように現在行動画像と複数の現在行動候補画像を報知装置1002へ出力する。また画像出力部1051は、複数の現在行動候補画像を各候補の優先順位に応じた態様で報知装置1002に表示させる。

例えば、画像生成部1060および画像出力部1051は、実施の形態5で既述したように、ヒストグラムなどで優先度を可視化したパラメトリック表示、または上下左右などに順位の並びに可視化したノンパラメトリック表示の形態にて、複数の現在行動候補画像を表示させてもよい。具体的には、順位そのものを示す画像を現在行動候補画像のそれぞれに付加してもよく、高順位の現在行動候補画像ほど視認性が高い態様で表示させてもよく、自動運転情報画面1103の所定位置から順位の降順に現在行動候補画像を並べてもよい。また、所定の順位以上の現在行動候補のみ画像を生成し、また表示対象としてもよい。

この変形例によると、複数の現在行動候補の中から乗員にとって好適な候補を選択できるよう支援できる。また、ドライバモデルに即した優先順位を決定することで、ドライバモデルの対象者(例えば運転者自身、同乗者自身、標準的または模範的な運転者のモデル等)の運転パターンに即した優先順位を提示できる。他の実施の形態における現在候補画像または予定行動候補画像の生成、表示にも本変形例を適用できる。

なお、図45では、現在行動画像1104が現在行動「車線変更」を示しながら、上の現在行動候補画像1110は第1の現在行動候補である「減速」を示し、下の現在行動候補画像1110は第2の現在行動候補である「前進(速度維持)」を示している。図示しないが別例として、先行車が減速し車間距離が短くなったことから、自動運転制御装置1030(自動走行制御ECUとも言える)は、現在行動「追い越し車線側へ車線変更」の実行を決定し、運転支援装置1040(HMI制御ECUとも言える)は、その現在行動が実行されていることを提示していることとする。このときに運転支援装置1040は、先行車の右ウィンカーが点灯していることが検知されたことに基づいて、『先行車も追い越し車線側へ車線変更することにより、自車が車線変更するメリットが減少すること』を判定してもよい。そして運転支援装置1040は、現在行動「追い越し車線側へ車線変更」に代わる現在行動候補として「車線維持の後に可能であれば加速」を、今すぐ指示が出せる(言い換えれば選択可能な)選択肢として推薦提示してもよい。

(実施の形態7) まず概要を説明する。車両の自動運転中に、自動運転の制御を変えるために指示可能な車両の将来行動が何かを運転者が把握できないことがあり、またそのために、運転者に不安感を抱かせてしまうことがあった。

そこで実施の形態7では、自動運転において車両に将来実行させる行動の候補(以下「予定行動候補」と呼ぶ。)を運転者へ提示する。具体的には、自動運転制御装置1030が現在行動を決定し、運転支援装置1040が予定行動候補を決定する。そして運転支援装置1040が、現在行動と予定行動候補の両方を車両1000内の報知装置1002に表示させる。予定行動候補は、現在実行している行動の後に実行可能な行動であって、次に選択できる行動計画とも言える。また予定行動候補は、実施の形態5の予定行動に対応するものであり、実施の形態7では運転支援装置1040が決定して、選択可能な候補として運転者へ提示する予定行動とも言える。

以下では、これまでの実施の形態で説明済の内容は適宜省略する。本実施の形態で説明する構成や動作は、趣旨を逸脱しない範囲で、他の実施の形態や変形例で説明する構成や動作と組み合わせることができ、また置き換えることができる。

運転支援装置1040の機能ブロックは実施の形態6と同様である。すなわち、制御部1041は、図44に示すように、画像生成部1060、候補決定部1061、判定部1062、指示部1063を含む。また、記憶部1042は、図42に示すように、統計情報蓄積部1070、判定基準保持部1071を含む。

判定基準保持部1071に保持される判定基準は実施の形態6と同様である。すなわち判定基準は、検出部1020から入力される検出情報の複数のパターンについて、パターン毎に車両1000に現在(即時)実行させることが可能な行動を定めたデータである。

実施の形態7の統計情報蓄積部1070に蓄積される統計情報も、図27の走行履歴および図28のドライバモデルに対応し、車両の周囲状況および走行状態と車両の行動との関連性を示す統計情報(図43)である。ただし、実施の形態7の統計情報は、車両の周囲状況および走行状態を示す複数種類の環境パラメータの値と、将来時点で車両に実行させる行動(もしくは行動実績)を対応付けたレコードを複数含む情報である。言い換えれば、現在の環境状態に対して将来時点で(所定時間後に)実行された行動を、現在の環境状態を示すパラメータ値と対応付けて蓄積された情報である。将来時点は10秒後〜数分後であってもよい。また、統計情報が規定する各行動には、その行動が将来実行されるまでの残り時間情報(例えば10秒〜数分)が対応付けられている。既述したように、統計情報は車両1000の外部の装置に蓄積されてもよく、運転支援装置1040は、通信IF1056および無線装置1008を介してリモートの統計情報にアクセスしてもよい。

運転支援装置1040の行動情報入力部1054は、自動運転制御装置1030が車両1000に実行させる現在行動を示す行動情報を自動運転制御装置1030から取得する。運転支援装置1040の検出情報入力部1052は、車両1000の周囲状況および走行状態の検出結果を示す検出情報を検出部1020から取得する。

候補決定部1061は、行動情報が示す現在行動の後に車両1000に実行させることが可能な行動である1つ以上の予定行動候補を、検出部1020から出力された検出情報に基づいて決定する。具体的には、候補決定部1061は、実施の形態6と同様に、統計情報に規定された行動のうち、検出情報に近似する環境パラメータ値に対応付けられた1つ以上の行動を候補として抽出する。ただし、実施の形態7の統計情報から抽出される候補は、実施の形態6とは異なり将来時点で車両に実行させる行動を示す予定行動候補となる。予定行動候補は、車両1000の現在行動に続いて実行が予定される行動であってもよく、車両1000の現在行動終了後、他の行動を挟みつつ、現在から数十秒後或いは数分後に実行が予定される行動であってもよい。両者の行動は、統計情報において異なる残り時間が規定される。

画像生成部1060は、行動情報が示す現在行動を表す現在行動画像を生成し、1つ以上の予定行動候補を表す1つ以上の予定行動候補画像を生成する。画像出力部1051は、車両の運転者の一定視野内に現在行動画像と予定行動候補画像を表示させるように、現在行動画像と予定行動候補画像を報知装置1002に出力する。報知装置1002は、運転支援装置1040から出力された現在行動画像と予定行動候補画像を含む自動運転情報画面を表示する。

また候補決定部1061は、予定行動候補を決定すると、統計情報においてその予定行動候補に対応付けられた残り時間情報をさらに画像生成部1060に渡す。画像生成部1060は、予定行動候補を表す予定行動候補画像を生成する際に、残り時間情報が示す残り時間を表す残り時間画像をさらに生成する。画像出力部1051は、現在行動画像と予定行動候補画像に加えて残り時間画像を報知装置1002へ出力することにより、残り時間画像を加えた予定行動候補画像を自動運転情報画面に表示させる。

図49は、自動運転情報画面の一例を示す。同図では、メイン領域1100に現在行動画像1104を配置し、サブ領域1102に1つの予定行動候補を表す予定行動候補画像1112と残り時間画像1108を配置した自動運転情報画面1103を示している。同図の予定行動候補画像1112は、1つの予定行動候補として、3つの単一行動を組み合わせた行動計画(この例では追い越し)を示している。

また同図の残り時間画像1108は、予定行動候補が実行されるまでの残り時間の長さを、サブ領域1102に占める網掛け領域の割合で示している。例えば、残り時間が減少するほど、網掛け領域の割合を増加させてもよい。具体的には、当初の残り時間が60秒である場合に、予定行動候補画像1112の表示開始から20秒が経過すると、サブ領域1102の下から3分の1の領域を網掛け領域とするように残り時間画像1108の表示態様を更新してもよい。また、予定行動候補画像1112の表示開始から40秒が経過すると、サブ領域1102の下から3分の2の領域を網掛け領域とするように残り時間画像1108の表示態様を更新してもよい。このように模様或いは色彩の変化により残り時間を報知してもよく、残り時間をカウントするタイマオブジェクトを表示させる等、他の方法で残り時間を報知してもよい。

なお、予定行動候補画像1112の表示開始後、予定行動候補実行までの残り時間がゼロになった場合、画像出力部1051は、予定行動候補画像1112の表示を終了するよう指示するコマンドを報知装置1002へ送信して、予定行動候補画像1112の表示を終了させてもよい。また、画像生成部1060は、候補決定部1061が新たに決定した予定行動候補を示す新たな予定行動候補画像を生成し、画像出力部1051は新たな予定行動候補画像を報知装置1002へ送信して表示させてもよい。

図50も、自動運転情報画面の一例を示す。図50(a)〜(f)の自動運転情報画面1103では、二重円の中心位置に予定行動候補画像1112を配置し、外側の円に現在行動画像1104を配置している。また、外側の円には残り時間表示領域1114を設けており、予定行動候補が実行されるまでの残り時間が短くなるほど、残り時間画像1108で示す網掛け領域が拡大していく(図50(a)〜(e))。例えば、当初の残り時間が60秒である場合に、予定行動候補画像1112の表示開始から20秒が経過すると、残り時間表示領域1114の3分の1の領域を網掛け領域とするように残り時間画像1108の表示態様を更新してもよい。

図50(f)は、予定行動候補実行までの残り時間がゼロになった場合、言い換えれば、予定行動候補画像1112の表示開始からの経過時間が、統計情報で予定行動候補に対応付けられた残り時間に達した場合の自動運転情報画面1103を示している。この例では、それまで予定行動候補画像1112に示されていた予定行動候補(加速)が現在行動に切り替わり、それに伴って、右への車線変更を示す現在行動画像1104から、加速を示す現在行動画像1104に切り替わっている。

図51も、自動運転情報画面の一例を示す。図51の自動運転情報画面1103は、図50に示した自動運転情報画面1103と以下の3点で異なる。(1)実施の形態5と同様に予定行動を自動運転制御装置1030から取得し、その予定行動を表す予定行動画像1106を二重円の中心位置に配置している点。(2)予定行動候補画像1112を内側の円の周辺部に配置している点。なお上向きの三角は加速、下向きの三角は減速、左向きの三角は左への車線変更、右向きの三角は右への車線変更を示している。(3)残り時間画像1108は、予定行動画像1106により表される予定行動が実行されるまでの残り時間を示す点。

図51(a)〜(e)で示すように、予定行動画像1106が示す予定行動「加速」が実行されるまでの残り時間が減っていく間、運転者に提示される予定行動候補(予定行動候補画像1112)は随時更新される。図51(f)は、予定行動実行までの残り時間がゼロになった場合、言い換えれば、予定行動画像1106の表示開始からの経過時間が、自動運転制御装置1030から通知された残り時間に達した場合の自動運転情報画面1103を示している。この例では、それまで予定行動画像1106に示されていた予定行動(加速)が現在行動に切り替わり、それに伴って、右への車線変更を示す現在行動画像1104から、加速を示す現在行動画像1104に切り替わっている。

運転者は、入力装置1004に設けられた十字ボタンを押下して予定行動候補画像1112が表す予定行動候補の実行を指示してもよい。例えば、上向きの三角を示す予定行動候補画像1112が表示中に、運転者が十字ボタンにおける上ボタンを選択することで、予定行動候補画像1112が示す加速の実行を指示してもよい。

図52も、自動運転情報画面の一例を示す。自動運転情報画面1103では、2つの予定行動候補(2つの行動計画)を表す2つの予定行動候補画像1112が表示されている。また自動運転情報画面1103では、それぞれの予定行動候補が実行されるまでの残り時間を表す残り時間画像1108を、実施の形態5と同様に複数の時間インジケータ1109で示している。また自動運転情報画面1103では、複数の予定行動候補画像1112が表す複数の予定行動候補の中から特定の予定行動候補を運転者に選択させるための選択枠1116が表示されている。運転者は、選択枠1116により所望の予定行動候補を指定する操作を入力装置1004に入力する。

運転支援装置1040の画像生成部1060は、操作入力部1050を介して、予定行動候補を指定する操作が入力された場合、指定された予定行動候補の「実行」または「予約」を運転者に問い合わせる内容の問い合わせ画像を生成する。「実行」は、予定行動候補を車両に即時実行させることを意味する。「予約」は、予約を指定する操作指示から所定時間後のタイミングであり、予定行動候補を車両が実行可能になったタイミングで実行させることを意味する。画像出力部1051は、問い合わせ画像を報知装置1002へ出力して表示させる。

指示部1063は、操作入力部1050を介して、問い合わせ画像の表示中に「実行」を指定する操作が入力された場合、予定行動候補を車両1000に実行させるための制御コマンドを第1のタイミングにおいて自動運転制御装置1030へ出力する。その一方、問い合わせ画像の表示中に「予約」を指定する操作が入力された場合、予定行動候補を車両1000に実行させるための制御コマンドを、第1のタイミングより後の第2のタイミングにおいて自動運転制御装置1030へ出力する。

実施の形態7における車両1000の処理シーケンスは、実施の形態6で説明した図46の処理シーケンスと同様である。ただし、現在行動候補の決定と現在行動候補画像の表示は、予定行動候補の決定と予定行動候補画像の表示に置き換わる(P26、P27)。また入力装置1004は、予定行動候補の選択操作を運転支援装置1040へ通知する(P28)。運転支援装置1040は、予定行動候補の実行を指示する制御コマンドを自動運転制御装置1030へ出力する(P29)。

図46のP29〜P35に関連し、運転支援装置1040の検出情報入力部1052は、制御コマンドが自動運転制御装置1030へ送信された後、その制御コマンドに応じて更新された現在行動を示す行動情報を自動運転制御装置1030から取得する。更新された現在行動は、制御コマンドで指定した行動であり、すなわち運転者により指定された予定行動候補である。運転支援装置1040は、報知装置1002の自動運転情報画面1103の内容を、車両の最新行動を反映するように更新する。

図53は、運転支援装置1040の処理の例を示すフローチャートである。自動運転制御装置1030から出力された行動情報を行動情報入力部1054が取得すると(S150のY)、画像生成部1060は、行動情報が示す現在行動と、予め記憶部1042に記憶させた現在行動とが一致するか否かを判定する。以降のS151〜S154の処理は、図41のS102〜S105の処理と同じであるため説明を省略する。行動情報を未取得の場合(S150のN)、S151〜S154をスキップする。

検出部1020から出力された検出情報を検出情報入力部1052が取得すると(S155のY)、候補決定部1061は、その検出情報と、統計情報蓄積部1070に蓄積された統計情報に基づいて、1つ以上の予定行動候補を決定する(S156)。画像生成部1060は、S156で決定された予定行動候補が、予め記憶部1042に記憶させた予定行動候補と一致する否かを判定する。S156で決定された予定行動候補が、予め記憶部1042に記憶させた予定行動候補と不一致であり、すなわち予定行動候補が更新された場合(S157のY)、画像生成部1060は、予定行動候補を表す予定行動候補画像を生成する(S158)。

画像生成部1060は、統計情報において予定行動候補に予め対応付けられた実行までの残り時間をさらに識別し、S158において、その残り時間を表す残り時間画像をさらに生成する。画像出力部1051は、予定行動候補画像と残り時間画像を報知装置1002へ出力して自動運転情報画面を表示させる(S159)。画像生成部1060は、画像を生成した予定行動候補を示す情報を記憶部1042に格納し(S160)、予定行動候補画像を出力(表示開始)してからの経過時間の計測を開始する(S161)。所定の終了条件が満たされた場合(S162のY)、本図のフローを終了し、終了条件が満たされなければ(S162のN)、S150に戻る。

検出情報の入力がなく(S155のN)、または、予定行動候補が更新されない場合(S157のN)、画像生成部1060は、経過時間の計測開始から所定時間が経過したか否かを判定する。この所定時間は、残り時間画像を更新すべき単位時間であり、例えば1つの時間インジケータ1109に割当てられた時間であってもよい。経過時間の計測開始から所定時間が経過したことを検出すると(S163のY)、画像生成部1060は、残り時間画像を更新する(S164)。画像出力部1051は、更新された残り時間画像を報知装置1002へ出力して表示させる(S165)。これにより、例えば図49、図50の残り時間表示領域1114における網掛け領域を拡大させ、また、図52の1つの時間インジケータ1109を点灯状態から消灯状態へ切り替える。経過時間の計測開始から所定時間が未経過であれば(S163のN)、S164とS165をスキップする。

図54も、運転支援装置1040の処理の例を示すフローチャートである。画像出力部1051が予定行動候補画像を報知装置1002へ出力後、予定行動候補画像が報知装置1002の自動運転情報画面で表示中に(S170のY)、予定行動候補(予定行動候補画像)が未選択であれば(S171のN)、S170に戻る。自動運転情報画面で予定行動候補が選択されると(S171のY)、候補決定部1061は、新たな予定行動候補決定処理を一時的に停止する(S172)。

判定部1062は、選択された予定行動候補(以下「選択行動」とも呼ぶ。)を車両1000が即時実行可能か否かを判定する(S173)。具体的には、判定部1062は、検出部1020から出力された最新の検出情報と、判定基準保持部1071に保持された判定基準を参照して、選択行動を車両に現在実行させることが可能か否かを判定する。ここで、車両に即時実行させることができない選択行動であっても、車両の周囲環境或いは走行状態が変化すれば実行可能になることがある。そこで実施の形態7では、選択行動の予約を可能にする。予約は、ある程度の時間範囲内の可能なタイミングで選択行動を実行するように指示する行為と言える。

画像生成部1060は、選択行動の即時実行または予約を運転者に問い合わせるための問い合わせ画像を生成し、画像出力部1051は、問い合わせ画像を報知装置1002へ出力して表示させる(S174)。図55は、自動運転情報画面の一例を示す。図55(a)の自動運転情報画面1103には、図52の自動運転情報画面1103で選択された予定行動候補画像1112が表示されている。また同図の自動運転情報画面1103には、実行ボタン1118と予約ボタン1120を含む問い合わせ画像が表示されている。画像生成部1060は、判定部1062により選択行動の即時実行が可能と判定された場合、実行ボタン1118と予約ボタン1120の両方を含む問い合わせ画像を生成する。その一方、判定部1062により選択行動の即時実行が不可と判定された場合、予約ボタン1120を含むが実行ボタン1118を含まない問い合わせ画像を生成する。これにより即時実行できない選択行動は予約のみ可能になる。

図54に戻り、自動運転情報画面において選択行動の「実行」が選択された場合(S175のN)、操作入力部1050は、選択行動の即時実行を指示する操作指示を入力装置1004から受け付ける。この操作指示は、予定行動候補画像が表す予定行動候補を即時に実行させることが問い合わせ画像において選択されたことを示す信号であってもよい。指示部1063は、選択行動の即時実行を指示する制御コマンドをコマンド出力部1055から自動運転制御装置1030へ送信する(S176)。この制御コマンドは、自動運転情報画面の現在行動画像が表す現在行動に代えて、予定行動候補画像が表す予定行動候補を車両に即時に実行することを指示する制御コマンドと言える。

以降、図53のS150〜S153の処理により、自動運転情報画面の現在行動画像が選択行動を示すものに変化する。候補決定部1061は、新たな予定行動候補決定処理を再開する(S177)。予定行動候補画像が表示中でなければ(S170のN)、以降の処理をスキップして本図のフローを終了する。

自動運転情報画面において選択行動の「予約」が選択された場合(S175のY)、操作入力部1050は、選択行動の予約を指示する操作指示を入力装置1004から受け付ける。画像生成部1060は、予約が指示された選択行動(以下、「予約行動」とも呼ぶ。)の実行をキャンセルするまでの時間を運転者に設定させるためのキャンセル時間設定画像を生成する。画像出力部1051は、キャンセル時間設定画像を報知装置1002へ出力して表示させる(S178)。図55(b)は、キャンセル時間設定画像1122を含む自動運転情報画面1103を示す。同図のキャンセル時間設定画像1122では、30秒から10分の間でキャンセル時間の設定が可能である。予約中は新たな予定行動候補の決定処理が停止するが、運転者が予約のキャンセル時間を設定することで、予約のキャンセル以降、新たな予定行動候補が運転者へ提示される。

図54に戻り、運転者が予約のキャンセル時間を設定する操作を入力装置1004へ入力すると、操作入力部1050は、設定されたキャンセル時間を示す信号を入力装置1004から受け付ける(S179)。指示部1063は、予約開始からの経過時間の測定を開始する(S180)。画像生成部1060は、予約行動を表す画像である予約行動画像と、予約のキャンセル時間までの長さを表す画像である制限時間画像を生成する。画像出力部1051は、予約行動画像と制限時間画像を報知装置1002へ出力して表示させる(S181)。予約行動画像は、予定行動候補画像とは異なる表示態様の画像であり、運転者により選択された特定の行動が予約中であることを示す画像である。例えば、予約中を示す所定のシンボルが付加された画像であってもよい。

図56は、自動運転情報画面の一例を示す。図56(a)の自動運転情報画面1103では、そのサブ領域1102に、予約行動画像1124と制限時間画像1126が表示されている。この例では、制限時間画像1126は、複数の時間インジケータ1109により予約キャンセルまでの時間の長さを表している。画像生成部1060は、予定行動候補画像1112の態様とは異なる態様で予約行動画像1124を生成する。または、画像出力部1051は、予定行動候補画像1112の態様とは異なる態様で予約行動画像1124を表示させる。これにより、自動運転情報画面1103において、予約行動候補が提案中であるのか、既に予約済であるのかを運転者が容易に判別できるようにする。

具体的には、図52の自動運転情報画面1103のように、予定行動候補を運転者へ提示する場合は、予定行動候補画像1112の左側に残り時間画像1108を配置する。その一方、図56(a)の自動運転情報画面1103のように、予約行動を運転者へ提示する場合は、予約行動画像1124の右側に制限時間画像1126を配置する。変形例として、予定行動候補画像1112と予約行動画像1124の背景色を異ならせてもよいし、表示サイズを異ならせてもよい。また、予約行動画像1124に対して予約中であることを示す所定のシンボルの画像を付加してもよい。

図54に戻り、判定部1062は、検出部1020から出力された最新の検出情報と、判定基準保持部1071に保持された判定基準にしたがって、予約行動を車両に即時実行させることが可能か否かを判定する(S182)。予約行動を即時実行させることが可能であれば(S183のY)、指示部1063は、予約行動の即時実行を指示する制御コマンドを、コマンド出力部1055から自動運転制御装置1030へ送信させる(S176)。以降、図53のS150〜S153の処理により、自動運転情報画面の現在行動画像が予約行動を示すものに変化する。

予約行動の即時実行が不可と判定され(S183のN)、キャンセル時間が経過すると(S184のY)、予約行動の実行を指示することなく、候補決定部1061は新たな予定行動候補の決定処理を再開し(S177)、本図のフローを終了する。キャンセル時間が未経過であり(S184のN)、制限時間画像を更新すべき所定時間も未経過であれば(S185のN)、S182に戻り、予約行動の即時実行可否を再度判定する。制限時間画像を更新すべき所定時間が経過した場合(S185のY)、画像生成部1060は、制限時間画像を更新する。画像出力部1051は、更新された制限時間画像を報知装置1002へ出力して表示させる(S186)。そしてS182に戻り、予約行動の即時実行可否を再度判定する。

図56(b)は、図56(a)より後の時点の自動運転情報画面1103を示している。図56(a)と(b)との間では、現在行動画像1104が表す車両の現在行動が減速から前進(速度維持)へ切り替わっているが、予約行動がまだ実行できないため、サブ領域1102では制限時間画像1126のみ変化している。具体的には、時間インジケータ1109の一部を点灯状態から消灯状態へ変化させることで、予約キャンセルまでの残り時間が減少したことを運転者へ報知する。予約開始からの経過時間がキャンセル時間(例えば5分)に至ると、予約行動画像1124の表示は終了し、新たに候補決定部1061が決定した予定行動候補を提示する自動運転情報画面1103(図52等)に戻る。

以上説明したように、実施の形態7の運転支援装置1040は、車両の乗員(運転者等)に対して、自動運転における現在行動を報知するとともに、自動運転の制御を変えるために指示可能な車両の将来行動を運転者に提示する。このように、自動運転における車両の将来行動の選択肢を運転者へ提示することで、運転者の意思を一層反映した自動運転であり、運転者の嗜好等に即した自動運転を実現できる。また、自動運転に対する運転者の不安感を抑制できる。また、実施の形態7の運転支援装置1040によると、現在は実行できない行動であっても、将来に亘る行動の予約が可能であるため、運転者の嗜好等に即した自動運転を一層実現しやすくなる。

変形例を説明する。実施の形態7では、運転者による選択行動の即時実行可否を運転支援装置1040が判定した。変形例として、自動運転制御装置1030が運転者による選択行動の即時実行可否を判定してもよい。この場合、運転支援装置1040はこの判定処理を実行しなくてもよい。運転支援装置1040は、運転者による選択行動が即時実行可能か否かにかかわらず、即時実行と予約の両方を選択可能な問い合わせ画像を生成し、運転者へ提示してもよい。

また運転支援装置1040の指示部1063は、問い合わせ画像に対する運転者の操作として、選択操作の即時実行を示す操作指示を受け付けた場合、選択操作を即時に車両に実行させる第1の制御コマンドをコマンド出力部1055から自動運転制御装置1030へ送信させてもよい。また、問い合わせ画像に対する運転者の操作として、選択行動の予約を示す操作指示を受け付けた場合、選択行動を所定時間後に車両に実行させる第2の制御コマンドをコマンド出力部1055から自動運転制御装置1030へ送信させてもよい。第2の制御コマンドは、例えば、キャンセル時間設定画像1122に対して運転者が設定したキャンセル時間内に選択行動を実行することを指示する制御コマンドであってもよい。言い換えれば、キャンセル時間が経過した場合、選択行動の実行をキャンセルすることを指示する制御コマンドであってもよい。

別の変形例を説明する。実施の形態7では言及していないが、予定行動候補を車両に実行させる構成は、実施の形態6で説明した構成と同様であってもよい。すなわち、運転支援装置1040の指示部1063は、現在行動画像1104と予定行動候補画像1112が自動運転情報画面1103に所定時間表示された後、予定行動候補を車両に実行させる制御コマンドをコマンド出力部1055から自動運転制御装置1030へ送信させてもよい。

また指示部1063は、現在行動画像1104と予定行動候補画像1112が自動運転情報画面1103に表示されている所定時間内に車両の行動を指定する操作指示が未入力である場合、予定行動候補を車両に実行させる制御コマンドをコマンド出力部1055から自動運転制御装置1030へ送信させてもよい。さらにまた指示部1063は、現在行動画像1104と予定行動候補画像1112が自動運転情報画面1103に表示されている所定時間内に予定行動候補(予定行動候補画像1112)を選択する操作指示を受け付けた場合、予定行動候補を車両に実行させる制御コマンドをコマンド出力部1055から自動運転制御装置1030へ送信させてもよい。

さらに別の変形例を説明する。統計情報蓄積部1070に蓄積される統計情報は、車両の乗員(典型的には運転者)の嗜好或いは運転パターンを反映した情報(ドライバモデル)であってもよい。本変形例の統計情報は、過去の環境パラメータ値と、その環境下での予定行動の実績の組み合わせを蓄積したものと言える。例えば、運転支援装置1040は、車両の走行における過去の環境パラメータ値と、その環境パラメータ値の場合の運転者による所定の未来時点の操作(結果としての車両の将来行動)を統計情報蓄積部1070の統計情報へ逐次記録する統計情報記録部をさらに備えてもよい。

本変形例の候補決定部1061は、統計情報蓄積部1070を参照して、現在検出された環境パラメータ値との差異が所定範囲内の環境パラメータ値に対応付けられた複数の予定行動候補を決定する。また、それとともに複数の予定行動候補それぞれの優先順位(優先度合とも言える)を決定する。例えば候補決定部1061は、複数の予定行動候補を決定した場合に、現在検出された環境パラメータ値に近い環境パラメータ値に対応付けられた予定行動候補ほど順位を高くしてもよい。すなわち、複数の予定行動候補の中で、運転者の嗜好或いは運転パターンに即した予定行動候補ほど高い優先順位を付与してもよい。

画像生成部1060は、候補決定部1061により決定された複数の予定在行動候補に対応する複数の予定行動候補画像であり、すなわち各候補の内容を表す画像を生成する。画像出力部1051は、車両1000の運転者の一定視野内に現在行動画像と複数の予定行動候補画像を表示させるように現在行動画像と複数の予定行動候補画像を報知装置1002へ出力する。また画像出力部1051は、複数の予定行動候補画像を各候補の優先順位に応じた態様で報知装置1002に表示させる。

例えば、画像生成部1060および画像出力部1051は、実施の形態5で既述したように、ヒストグラムなどで優先度を可視化したパラメトリック表示、または上下左右などに順位の並びに可視化したノンパラメトリック表示の形態にて、複数の予定行動候補画像を表示させてもよい。具体的には、順位そのものを示す画像を予定行動候補画像のそれぞれに付加してもよく、高順位の予定行動候補画像ほど視認性が高い態様で表示させてもよく、自動運転情報画面1103の所定位置から順位の降順に予定行動候補画像を並べてもよい。また、所定の順位以上の予定行動候補のみ画像を生成し、また表示対象としてもよい。この変形例によると、複数の予定行動候補の中から乗員にとって好適な候補を選択できるよう支援できる。また、ドライバモデルに即した優先順位を決定することで、ドライバモデルの対象者(例えば運転者自身、同乗者自身、標準的または模範的な運転者のモデル等)の運転パターンに即した優先順位を提示できる。

なお、図示しないが別例として、先行車が減速し車間距離が短くなったが、追い越し車線後方から自車より速度の速い車両が連続して接近していることから、自動運転制御装置1030は、現在行動「減速」の実行を決定し、運転支援装置1040は、その現在行動が実行されていることを提示していることとする。このときに運転支援装置1040は、検出部1020の検出情報に基づいて、『追い越し車線後方から接近する車両がいなければメリットが大きくなること』を判定してもよい。そして運転支援装置1040は、現在行動「減速」のあとに、タイミングを見計らって走行制御指示できる予定行動候補として「追い越し車線側へ車線変更」を、指示が予約できる選択肢として運転者へ推薦提示してもよい。

(実施の形態8) まず概要を説明する。車両の自動運転中に、計画されている将来時点での車両の行動(以下「予定行動」と呼ぶ。)が運転者へ提示される場合であっても、その予定行動より前に車両に実行させる行動として指示可能な行動が何かを運転者が把握できないことがあった。またその結果、運転者に不安感を抱かせることがあった。

そこで実施の形態8では、自動運転コントローラで計画されている予定行動に加えて、予定行動より前に車両に実行させる行動の候補を運転者へ提示する。実施の形態8で運転者に提示する候補は、車両に即時実行させる行動の候補(以下「現在行動候補」と呼ぶ。)とする。具体的には、自動運転制御装置1030が予定行動を決定し、運転支援装置1040が現在行動候補を決定する。そして運転支援装置1040が、予定行動と現在行動候補の両方を車両1000内の報知装置1002に表示させる。

以下では、これまでの実施の形態で説明済の内容は適宜省略する。本実施の形態で説明する構成或いは動作は、趣旨を逸脱しない範囲で、他の実施の形態或いは変形例で説明する構成或いは動作と組み合わせることができ、また置き換えることができる。

実施の形態8は、実施の形態6における現在行動の表示が予定行動の表示に置き換わったものと言え、実施の形態8の運転支援装置1040の機能ブロックは、実施の形態6と同様である。すなわち、制御部1041は、画像生成部1060、候補決定部1061、判定部1062、指示部1063を含む。また、記憶部1042は、統計情報蓄積部1070、判定基準保持部1071を含む。

統計情報蓄積部1070に蓄積される統計情報と、判定基準保持部1071に保持される判定基準も実施の形態6と同様である。すなわち、統計情報蓄積部1070には現在行動候補を決定するための統計情報が蓄積され、判定基準保持部1071には環境パラメータに応じた即時実行可能な行動の判定基準が保持される。既述したように、統計情報は車両1000の外部の装置に蓄積されてもよく、運転支援装置1040は、通信IF1056および無線装置1008を介してリモートの統計情報にアクセスしてもよい。

行動情報入力部1054は、自動運転制御装置1030が車両1000に将来時点で実行させる予定の行動である予定行動を示す行動情報(実施の形態5の「予定行動情報」)を自動運転制御装置1030から取得する。行動情報入力部1054はさらに、現在の時刻から予定行動を実行させるまでの時間を示す残り時間情報を自動運転制御装置1030から取得する。図35で示したように、残り時間情報は、自動運転制御装置1030から取得される行動情報のデータセットに含まれることとする。

検出情報入力部1052は、車両1000の周囲状況および走行状態の検出結果を示す検出情報を検出部1020から取得する。運転支援装置1040の候補決定部1061および判定部1062は、行動情報が示す予定行動の前に車両1000に実行させることが可能な行動を検出情報に基づいて決定する。実施の形態7では、その行動として、現在、車両1000に即時実行させることが可能な行動を現在行動候補として決定する。変形例として、行動情報が示す予定行動の実行時点より前であるが、現在時点からは遅れて実行される行動であり、例えば車両1000が実行中の現在行動が終了後に実行される行動を現在行動候補として決定してもよい。

具体的には、候補決定部1061は、実施の形態6と同様に、統計情報蓄積部1070の統計情報に規定された複数種類の行動のうち、検出情報に近似する環境パラメータ値に対応付けられた1つ以上の行動を仮の現在行動候補として決定する。判定部1062も、実施の形態6と同様に、検出部1020から出力された検出情報と、判定基準保持部1071の判定基準を参照して、候補決定部1061により決定された仮の現在行動候補のそれぞれが、車両に現在(即時)実行させることが可能か否かを判定する。そして、車両に現在実行させることが可能な候補を、運転者に提示する最終的な現在行動候補として決定する。

画像生成部1060は、行動情報が示す予定行動を表す予定行動画像を生成し、候補決定部1061および判定部1062により決定された最終的な現在行動候補を表す現在行動候補画像を生成する。画像出力部1051は、車両1000の運転者の一定視野内に予定行動画像と現在行動候補画像を表示させるように、予定行動画像と現在行動候補画像を報知装置1002に出力する。

また画像生成部1060は、自動運転制御装置1030から入力された残り時間情報によって更新される予定行動が実行されるまでの時間を表す残り時間画像をさらに生成する。画像出力部1051は、残り時間画像を報知装置1002へさらに出力して、車両1000の運転者の一定視野内に、残り時間画像を加えた予定行動画像、および、現在行動候補画像を表示させる。報知装置1002は、これらの画像を含む自動運転情報画面を表示する。

図57は、自動運転情報画面の一例を示す。図57(a)〜(e)の自動運転情報画面1103では、内側の円に予定行動画像1106と残り時間画像1108を配置し、外側の円に現在行動候補画像1110を配置している。内側の円はその全体が残り時間表示領域であり、予定行動実行までの残り時間が減るほど、網掛けで示す残り時間画像1108の範囲が拡大していくように残り時間画像1108を更新する。現在行動候補画像1110について、例えば上向きの三角は加速、下向きの三角は減速、左向きの三角は左への車線変更、右向きの三角は右への車線変更を示す。例えば図57(b)の自動運転情報画面1103では、2つの現在行動候補「左への車線変更」「減速」を提示している。

図57(a)〜(d)に示すように、予定行動実行までの残り時間が減少する間も、車両の周囲状況或いは走行状態の変化に応じて現在行動候補画像1110は随時更新される。運転者は、入力装置1004に設けられた十字ボタンを押下して現在行動候補画像1110が表す現在行動候補の実行を指示してもよい。例えば、下向きの三角を示す現在行動候補画像1110が表示中に、運転者が十字ボタンにおける下ボタンを選択することで、現在行動候補画像1110が示す減速の実行を指示してもよい。

図57(e)は、図57(d)の予定行動画像1106が示す加速が実行される前に、運転者がいずれかの現在行動候補(現在行動候補画像1110)を選択した結果を示している。例えば、図57(d)の自動運転情報画面1103において運転者が現在行動候補「減速」を選択した場合、車両の現在行動は減速に切り替わる。それとともに図57(e)の自動運転情報画面1103では、自動運転制御装置1030が決定した車両の予定行動(予定行動画像1106)と、運転支援装置1040が決定した車両の現在行動候補(現在行動候補画像1110)が変化している。

実施の形態8における車両1000の処理シーケンスは、実施の形態6で説明した図46の処理シーケンスと同様であるため説明を省略する。ただし、現在行動を示す行動情報の取得(P23、P31)、現在行動画像の生成および出力(P24、P32)はそれぞれ、予定行動および残り時間を示す行動情報の取得と、予定行動画像の生成および出力に置き換わる。

図58は、運転支援装置1040の処理の例を示すフローチャートである。予定行動画像の生成と表示に係る同図のS190〜S199の処理は、実施の形態5で説明した図41のS100、S106〜S110、S112〜S114の処理と同じであるため、説明を省略する。検出部1020から出力された検出情報を検出情報入力部1052が取得すると(S200のY)、候補決定部1061は、その検出情報、統計情報蓄積部1070に蓄積された統計情報、判定基準保持部1071に保持された判定基準に基づいて、1つ以上の現在行動候補を決定する(S201)。画像生成部1060は、S201で決定された現在行動候補が、予め記憶部1042に記憶させた現在行動候補と一致する否かを判定する。

S201で決定された現在行動候補が、予め記憶部1042に記憶させた現在行動候補と不一致であり、すなわち現在行動候補が更新された場合(S202のY)、画像生成部1060は、現在行動候補を表す現在行動候補画像を生成する(S203)。画像出力部1051は、現在行動候補画像を報知装置1002へ出力して表示させる(S204)。画像生成部1060は、現在行動候補画像を生成した現在行動候補の情報を記憶部1042に記憶させる(S205)。検出情報を未取得であれば(S200のN)、S201〜S205をスキップし、現在行動候補の更新がなければ(S202のN)、S203〜S205をスキップする。所定の終了条件が満たされた場合(S206のY)、本図のフローを終了し、終了条件が満たされなければ(S206のN)、S190に戻る。

運転者による現在行動候補の選択に係る運転支援装置1040の処理は、実施の形態6と同様であり、処理フローは図48の処理フローと同様である。現在行動候補の選択を受け付ける時間の長さは、予め定められた固定値でもよく、自動運転制御装置1030で決定された予定行動実行までの残り時間未満の値(例えば残り時間−5秒等)であってもよい。

以上説明したように、実施の形態8の運転支援装置1040は、車両の乗員(運転者等)に対して、自動運転において計画されている予定行動を報知するとともに、現在において即時実行可能な現在行動候補を提案する。このように、車両の直近の行動の選択肢を運転者へ提示することで、運転者の意思を一層反映した自動運転であり、運転者の嗜好等に即した自動運転を実現できる。また、運転者が選択可能な現在行動候補は現在の車両の周囲状況或いは走行状態において実行可能なものであるため、運転者は安心して自動運転に対する変更の指示を出すことができる。

実施の形態6に既述した変形例は実施の形態8にも適用でき、同様の効果を奏する。例えば、統計情報蓄積部1070に蓄積される統計情報は、車両の乗員(典型的には運転者)の嗜好或いは運転パターンを反映した情報(ドライバモデル)であってもよい。候補決定部1061は、統計情報蓄積部1070を参照して、現在検出された環境パラメータ値との差異が所定範囲内の環境パラメータ値に対応付けられた複数の現在行動候補を決定してもよい。また、それとともに複数の現在行動候補それぞれの優先順位を決定してもよい。画像生成部1060は、候補決定部1061により決定された複数の現在行動候補に対応する複数の現在行動候補画像であり、すなわち各候補の内容を表す画像を生成してもよい。画像出力部1051は、車両1000の運転者の一定視野内に予定行動画像と複数の現在行動候補画像を表示させるように予定行動画像と複数の現在行動候補画像を報知装置1002へ出力してもよい。また画像出力部1051は、複数の現在行動候補画像を各候補の優先順位に応じた態様で報知装置1002に表示させてもよい。

なお、図示しないが、予定行動(将来についての走行制御計画とも言える)と現在行動候補(現在についての状況適応型推薦とも言える)を提示する別例を説明する。ここでは、合流路に接近する最左側車線を走行中に合流車両がいないことに基づいて、自動運転制御装置1030は、現在の運転行動の次に、予定行動「車線維持」を実行することを決定し、運転支援装置1040は、「車線維持」を実行予定であることを提示していることとする。このときに運転支援装置1040は、『合流路に接近するまでに合流車両が現れると急な操作が必要となりデメリットが大きくなること』を判定してもよい。そして運転支援装置1040は、車両1000がこの後に実行する予定の「車線維持」の前に、走行制御指示できる現在行動候補として「最左側車線から右車線へ車線変更」を、今すぐ指示が出せる選択肢として推薦提示してもよい。

(実施の形態9) まず概要を説明する。車両の自動運転中に、計画されている将来時点での車両の行動(以下「予定行動」と呼ぶ。)が運転者へ提示される場合であっても、その予定行動に代わる行動として指示可能な行動が何かを運転者が把握できないことがあった。またその結果、運転者に不安感を抱かせてしまうことがあった。

そこで実施の形態9では、自動運転コントローラで計画されている予定行動に加えて、予定行動に代えて将来時点で車両に実行させる行動の候補である予定行動候補を運転者へ提示する。具体的には、自動運転制御装置1030が予定行動を決定し、運転支援装置1040が予定行動候補を決定する。そして運転支援装置1040が予定行動と予定行動候補の両方を車両1000内の報知装置1002に表示させる。予定行動候補は、自動運転コントローラが決定した予定行動とは異なる行動であり、車両に実行させる予定の行動になり得るものと言える。

以下では、これまでの実施の形態で説明済の内容は適宜省略する。本実施の形態で説明する構成或いは動作は、趣旨を逸脱しない範囲で、他の実施の形態或いは変形例で説明する構成或いは動作と組み合わせることができ、また置き換えることができる。

実施の形態9は、実施の形態7における現在行動の表示が予定行動の表示に置き換わったものと言え、実施の形態9の運転支援装置1040の機能ブロックは、実施の形態7と同様である。すなわち、制御部1041は、画像生成部1060、候補決定部1061、判定部1062、指示部1063を含む。また、記憶部1042は、統計情報蓄積部1070、判定基準保持部1071を含む。

統計情報蓄積部1070に蓄積される統計情報と、判定基準保持部1071に保持される判定基準も実施の形態7と同様である。すなわち、統計情報蓄積部1070には予定行動候補を決定するための統計情報が蓄積され、判定基準保持部1071には環境パラメータに応じた即時実行可能な行動の判定基準が保持される。既述したように、統計情報は車両1000の外部の装置に蓄積されてもよく、運転支援装置1040は、通信IF1056および無線装置1008を介してリモートの統計情報にアクセスしてもよい。

行動情報入力部1054は、自動運転制御装置1030が車両1000に将来時点で実行させる予定の行動である予定行動を示す行動情報(実施の形態5の「予定行動情報」)を自動運転制御装置1030から取得する。行動情報入力部1054はさらに、現在の時刻から予定行動を実行させるまでの時間を示す残り時間情報を自動運転制御装置1030から取得する。図35で示したように、残り時間情報は、自動運転制御装置1030から取得される行動情報のデータセットに含まれることとする。

検出情報入力部1052は、車両1000の周囲状況および走行状態の検出結果を示す検出情報を検出部1020から取得する。候補決定部1061は、行動情報が示す予定行動とは異なる行動であって、車両1000に実行させる予定の行動になり得る1つ以上の予定行動候補を検出部1020から出力された検出情報に基づいて決定する。予定行動候補は、行動情報が示す予定行動に代えて車両1000に実行させることが可能な行動とも言える。具体的には、候補決定部1061は、実施の形態7と同様に、統計情報に規定された行動のうち、検出情報に近似する環境パラメータ値に対応付けられた1つ以上の行動を予定行動候補として抽出する。

候補決定部1061は、統計情報から抽出した1つ以上の予定行動候補の中に、行動情報が示す予定行動と同じ候補があれば、その候補を運転者への提示対象から除外する。言い換えれば、候補決定部1061は、統計情報から抽出した予定行動候補のうち、行動情報が示す予定行動とは異なる候補を運転者への提示対象として決定する。これにより、予定行動と同じ予定行動候補を運転者へ提示することを防止する。

画像生成部1060は、行動情報が示す予定行動を表す予定行動画像を生成し、候補決定部1061により運転者への提示対象として決定された1つ以上の予定行動候補を表す1つ以上の予定行動候補画像を生成する。画像出力部1051は、車両の運転者の一定視野内に予定行動画像と予定行動候補画像を表示させるように、予定行動画像と予定行動候補画像を報知装置1002に出力する。報知装置1002は、運転支援装置1040から出力された予定行動画像と予定行動候補画像を含む自動運転情報画面を表示する。

また画像生成部1060は、自動運転制御装置1030から入力された残り時間情報によって更新される予定行動が実行されるまでの時間を表す第1残り時間画像をさらに生成する。画像出力部1051は、予定行動画像に対応付けて第1残り時間画像を報知装置1002へさらに出力することにより、第1残り時間画像を加えた予定行動画像を自動運転情報画面に表示させる。

また候補決定部1061は、予定行動候補を決定すると、統計情報においてその予定行動候補に対応付けられた残り時間情報をさらに画像生成部1060に渡す。画像生成部1060は、予定行動候補を表す予定行動候補画像を生成する際に、残り時間情報が示す残り時間を表す第2残り時間画像をさらに生成する。画像出力部1051は、予定行動候補画像に対応付けて第2残り時間画像を報知装置1002へさらに出力することにより、第2残り時間画像を加えた予定行動候補画像を自動運転情報画面に表示させる。

図59は、自動運転情報画面の一例を示す。同図の自動運転情報画面1103では、1つの予定行動を表す1つの予定行動画像1106と、1つの予定行動候補を表す1つの予定行動候補画像1112が表示されている。複数の予定行動が決定された場合は複数の予定行動画像1106が表示されてよく、複数の予定行動候補が決定された場合は複数の予定行動候補画像1112が表示されてよい。また、第1残り時間画像1108aは予定行動画像1106の近傍位置に配置され、第2残り時間画像1108bは予定行動候補画像1112の近傍位置に配置され、いずれも複数の時間インジケータ1109の表示態様により残り時間の長さを報知する。なお、図59で示す予定行動と予定行動候補はいずれも、複数の単一行動を組み合わせた行動計画であるが、単一行動であってもよい。

自動運転情報画面1103において、予定行動画像1106の表示態様は、予定行動候補画像1112の表示態様と異なるように設定される。例えば、予定行動画像1106と予定行動候補画像1112の間で、模様或いは色彩、サイズ等を異ならせてもよい。これにより、自動運転コントローラにおいて計画済の予定行動と、その予定行動に代わる行動として提案された予定行動候補とを運転者が混同することを防止する。図59では、予定行動画像1106にはラベル「予定行動」が付加され、予定行動候補画像1112にはラベル「オススメ行動」が付加されている。予定行動候補画像1112にはさらに、網掛け領域が付加されている。

予定行動画像1106と予定行動候補画像1112間で表示態様を異ならせるために、画像生成部1060は、予定行動画像1106とは異なるシンボル或いは装飾を予定行動候補画像1112に設定してもよい。また画像出力部1051は、予定行動画像1106の表示態様と、予定行動候補画像1112の表示態様とが異なるように指定する表示制御データを報知装置1002へさらに出力してもよい。

また自動運転情報画面1103には、1つ以上の予定行動(予定行動画像1106)と、1つ以上の予定行動候補(予定行動候補画像1112)の中から特定の行動を運転者に選択さえるための選択枠1116が表示されている。運転者は、選択枠1116により所望の予定行動または予定行動候補を選択する操作を入力装置1004へ入力する。

予定行動または予定行動候補が選択された場合の処理は実施の形態7と同様である。すなわち、判定部1062は、選択行動の即時実行可否を判定する。画像生成部1060は、判定部1062の判定結果に応じて、選択行動の「実行」または「予約」を運転者に指定させるための問い合わせ画像(例えば図55)を生成する。指示部1063は、問い合わせ画像表示中に「実行」または「予約」が指定された場合に、指定された「実行」または「予約」に応じたタイミングで、運転者による選択行動を実行させるための制御コマンドを自動運転制御装置1030へ送信する。

実施の形態9における車両1000の処理シーケンスは、実施の形態6で説明した図46の処理シーケンスと同様であるため説明を省略する。ただし、現在行動を示す行動情報の取得(P23、P31)、現在行動画像の生成および出力(P24、P32)はそれぞれ、予定行動および残り時間を示す行動情報の取得と、予定行動画像の生成および出力に置き換わる。また、現在行動候補画像の生成と出力(P26、P27、P34、P35)は、予定行動候補画像の生成と出力に置き換わる。

図60は、運転支援装置1040の処理の例を示すフローチャートである。予定行動画像の生成と表示に係る同図のS210〜S218の処理は、実施の形態5で説明した図41のS100、S106〜S110、S112〜S114の処理と同じであるため、説明を省略する。検出部1020から出力された検出情報を検出情報入力部1052が取得すると(S219のY)、候補決定部1061は、その検出情報と、統計情報蓄積部1070に蓄積された統計情報に基づいて、1つ以上の予定行動候補を決定する。その際、候補決定部1061は、行動情報が示す予定行動と同じ行動を統計情報から抽出した場合、その行動については予定行動候補から除外する。すなわち候補決定部1061は、予定行動とは異なる予定行動候補を決定する(S220)。

画像生成部1060は、S220で決定された予定行動候補が、予め記憶部1042に記憶させた予定行動候補と一致する否かを判定する。S220で決定された現在行動候補が、予め記憶部1042に記憶させた予定行動候補と不一致であり、すなわち予定行動候補が更新された場合(S221のY)、画像生成部1060は、予定行動候補を表す予定行動候補画像を生成する(S222)。画像生成部1060は、統計情報において予定行動候補に予め対応付けられた実行までの残り時間をさらに識別し、S222において、その残り時間を表す残り時間画像をさらに生成する。

画像出力部1051は、予定行動候補画像と残り時間画像を報知装置1002へ出力して自動運転情報画面を表示させる(S223)。画像生成部1060は、画像を生成した予定行動候補を示す情報を記憶部1042に格納し(S224)、予定行動候補画像を出力(表示開始)してからの経過時間の計測を開始する(S225)。所定の終了条件が満たされた場合(S229のY)、本図のフローを終了し、終了条件が満たされなければ(S229のN)、S210に戻る。

検出情報の入力がなく(S219のN)、または、予定行動候補が更新されない場合(S221のN)、画像生成部1060は、経過時間の計測開始から所定時間が経過したか否かを判定する。この所定時間は、残り時間画像を更新すべき単位時間であり、例えば1つの時間インジケータ1109に割当てられた時間であってもよい。経過時間の計測開始から所定時間が経過したことを検出すると(S226のY)、画像生成部1060は、残り時間画像を更新する(S227)。画像出力部1051は、更新された残り時間画像を報知装置1002へ出力して表示させる(S228)。これにより、例えば図59の1つの時間インジケータ1109を点灯状態から消灯状態へ切り替える。経過時間の計測開始から所定時間が未経過であれば(S226のN)、S227とS228をスキップする。

運転者による予定行動または予定行動候補の選択に係る運転支援装置1040(画像生成部1060、判定部1062、指示部1063等)の処理は、実施の形態7と同様である。例えば、図54のフローチャートに示す処理と、図55および図56の自動運転情報画面1103に示すユーザインタフェースは、実施の形態9にそのまま適用される。ただし、運転者による選択対象は、運転支援装置1040が決定した予定行動候補に加えて、自動運転制御装置1030が決定した予定行動を含む。

以上説明したように、実施の形態9の運転支援装置1040は、車両の乗員(運転者等)に対して、自動運転における予定行動を報知するとともに、その予定行動に代えて実行可能な予定行動候補を提案する。このように、車両の将来時点の行動の選択肢を運転者へ提示することで、運転者の意思を一層反映した自動運転であり、運転者の嗜好等に即した自動運転を実現できる。また、自動運転に対する運転者の不安感を抑制できる。また、実施の形態7と同様に、現在は実行できない行動であっても、将来に亘る行動の予約が可能であるため、運転者の嗜好等に即した自動運転を一層実現しやすくなる。

実施の形態7に既述した変形例は実施の形態9にも適用でき、同様の効果を奏する。例えば、統計情報蓄積部1070に蓄積される統計情報は、車両の乗員(典型的には運転者)の嗜好或いは運転パターンを反映した情報(ドライバモデル)であってもよい。候補決定部1061は、統計情報蓄積部1070を参照して、現在検出された環境パラメータ値との差異が所定範囲内の環境パラメータ値に対応付けられた複数の予定行動候補を決定してもよい。また、それとともに複数の予定行動候補それぞれの優先順位を決定してもよい。画像生成部1060は、候補決定部1061により決定された複数の予定行動候補に対応する複数の予定行動候補画像であり、すなわち各候補の内容を表す画像を生成してもよい。画像出力部1051は、車両1000の運転者の一定視野内に予定行動画像と複数の予定行動候補画像を表示させるように予定行動画像と複数の予定行動候補画像を報知装置1002へ出力してもよい。また画像出力部1051は、複数の予定行動候補画像を各候補の優先順位に応じた態様で報知装置1002に表示させてもよい。

なお、図示しないが、予定行動(将来についての走行制御計画とも言える)と予定行動候補(将来についての状況適応型推薦とも言える)を提示する別例を説明する。ここでは、合流路に接近する最左側車線を走行中に、右車線後方から自車より速度の速い車両が連続して接近していることに基づいて、自動運転制御装置1030は、現在の運転行動の次に、予定行動「車線維持」を実行することを決定し、運転支援装置1040は、「車線維持」を実行予定であることを提示していることとする。このときに運転支援装置1040は、『合流路に接近するまでに合流車両が現れると急な操作が必要となりデメリットが大きくなること』を判定してもよい。そして運転支援装置1040は、車両1000がこの後に実行する予定の「車線維持」の前に、タイミングを見計らって走行制御指示できる予定行動候補として「最左側車線から右車線へ車線変更」を、指示が予約できる選択肢として推薦提示してもよい。

(実施の形態10) まず概要を説明する。車両の自動運転中、車両に即時実行させる行動(以下「現在行動」と呼ぶ。)を運転者に選択させる場合に、その行動選択を支援する情報が運転者に対して十分に提供されておらず、運転者によるスムーズな行動選択が困難なことがあった。また、運転者に不安感を抱かせることがあった。

そこで実施の形態10では、車両の現在行動の選択を支援する情報として、運転者個人に適応した情報を提供する。具体的には、運転支援装置1040が、車両1000の周囲状況或いは走行状態に基づく観点と、運転者個人に基づく観点の両方から現在行動候補を決定し、車両1000内の報知装置1002に表示させる。これにより、運転者の意に即したスムーズな行動選択を支援し、また、運転者が安心して行動選択或いは行動変更の指示を出せるよう支援する。

以下では、これまでの実施の形態で説明済の内容は適宜省略する。本実施の形態で説明する構成或いは動作は、趣旨を逸脱しない範囲で、他の実施の形態或いは変形例で説明する構成或いは動作と組み合わせることができ、また置き換えることができる。

図61は、運転支援装置1040の記憶部1042の詳細な構成を示すブロック図である。判定基準保持部1071は、他の実施の形態と同様の判定基準を保持する。統計情報蓄積部1070は、第1統計情報を蓄積する第1統計情報蓄積部1072と、第2統計情報を蓄積する第2統計情報蓄積部1073を含む。

第1統計情報と第2統計情報はいずれも、これまでの実施の形態と同様に、車両の周囲状況および走行状態と車両の行動との関連性を示す統計情報である。具体的には、実施の形態6の統計情報(図43)と同様に、車両の周囲状況および走行状態を示す複数種類の環境パラメータの値と、車両に即時実行させる行動(もしくは車両に即時実行させた行動実績)を対応付けたレコードを複数含む情報である。

ただし、第1統計情報と第2統計情報は統計の範囲が異なり、具体的には第1統計情報の方が第2統計情報よりも統計の範囲が広い。第1統計情報は、複数人の集団・多数の車両を対象として、様々な環境状態における操作実績、行動実績を記録したものである。もちろん、様々な環境状態における操作実績、行動実績の履歴を既知の統計手法により操作パターン、行動パターンとしてモデル化したものでもよい。第2統計情報は、運転者個人・車両1000単体を対象として、これまでの環境状態における操作実績或いは行動実績を記録したものである。運転者個人の操作実績、車両1000単体の行動実績の履歴を、既知の統計手法により操作パターン、行動パターンとしてモデル化したものでもよい。

例えば、第1統計情報は、大人数の集団における操作履歴、言い換えれば、複数の車両の行動履歴が、環境パラメータ値とともに逐次記録されたものであってもよい。また、大人数の集団における環境パラメータ値と行動との平均的な組み合わせが記録されたものであってもよい。第1統計情報は、様々な周囲環境或いは走行状態に応じた、典型的な操作パターン、言い換えれば、車両の典型的な行動パターンを示す情報と言える。また第1統計情報は、大人数の集団における操作履歴、多数の車両の行動履歴に基づくため、環境パラメータ値および行動の網羅性が高い。

その一方、第2統計情報は、運転者個人の操作履歴、言い換えれば、車両1000単独の行動履歴を蓄積したものであってもよい。また、運転者個人の操作に基づく環境パラメータ値と行動との組み合わせが逐次記録されたものであってもよい。第2統計情報は、運転者個人の嗜好或いは操作パターンを第1統計情報より強く反映した統計情報であると言える。また第2統計情報は、運転者個人の操作履歴、車両1000単独の行動履歴を蓄積したものであるため、環境パラメータ値および行動の網羅性が低い。

実施の形態10では、第1統計情報と第2統計情報の両方が車両1000のローカルに記憶されるが、第1統計情報と第2統計情報の少なくとも一方が車両外部の装置、例えばクラウド上のデータベース等に蓄積されてもよい。例えば、第2統計情報は、統計の範囲が運転者個人または車両1000単独であるため、車両1000のローカルに逐次蓄積されてもよい。その一方、第1統計情報は、統計の範囲が大人数の集団または多数の車両に亘るため、クラウド上のサーバで集計・統計・蓄積等の処理が実行されてもよい。運転支援装置1040は、通信IF1056および無線装置1008を介してリモートの統計情報にアクセスしてもよい。

運転支援装置1040の行動情報入力部1054は、自動運転制御装置1030が車両1000に実行させる現在行動を示す行動情報を自動運転制御装置1030から取得する。運転支援装置1040の検出情報入力部1052は、車両1000の周囲状況および走行状態の検出結果を示す検出情報を検出部1020から取得する。

図62は、運転支援装置1040の制御部1041の詳細な構成を示すブロック図である。制御部1041は、第1決定部1080、第2決定部1082、画像生成部1060、判定部1062、指示部1063を含む。

第1決定部1080は、検出部1020から出力された検出情報と、第1統計情報蓄積部1072に蓄積された第1統計情報に基づいて、車両1000に実行させることが可能な1つ以上の第1行動を決定する。第1決定部1080は状況適応型決定部1081を含む。

状況適応型決定部1081は、実施の形態6の候補決定部1061に対応する。状況適応型決定部1081は、行動情報が示す現在行動に代えて車両1000に実行させることが可能な1つ以上の行動の候補(以下「状況適応現在行動候補」と呼ぶ。)を第1行動として決定する。具体的には、実施の形態6と同様に、第1統計情報に規定された行動のうち、検出情報に近似する環境パラメータ値に対応付けられた行動を状況適応現在行動候補(実施の形態6の現在行動候補に対応)として決定する。状況適応現在行動候補は、現在の周囲状況或いは走行状態において即時実行される典型的な操作パターン・行動パターンと言える。

なお、状況適応型決定部1081は、第1統計情報から抽出した状況適応現在行動候補の中に、行動情報が示す現在行動と同じ候補があれば、その候補を運転者への提示対象から除外する。言い換えれば、状況適応型決定部1081は、第1統計情報から抽出した状況適応現在行動候補のうち、行動情報が示す現在行動とは異なる候補を運転者への提示対象として決定する。これにより、現在行動と同じ候補を運転者へ提示することを防止する。

判定部1062は、実施の形態6と同様に、検出部1020から出力された検出情報と、判定基準保持部1071の判定基準を参照して、状況適応型決定部1081により決定された状況適応現在行動候補のそれぞれが、車両に即時実行させることが可能か否かを判定する。状況適応型決定部1081は、第1統計情報から抽出した1つ以上の状況適応現在行動候補のうち、判定部1062により即時実行可能と判定された候補を運転者への提示対象として決定する。

第2決定部1082は、検出部1020から出力された検出情報と、第2統計情報蓄積部1073に蓄積された第2統計情報に基づいて、車両1000に実行させることが可能な1つ以上の第2行動を決定する。実施の形態10では、第2決定部1082は、1つ以上の状況適応現在行動候補それぞれに対する優先度であり、第2統計情報と検出情報との相関性に応じた優先度を示す情報を第2行動として決定する。言い換えれば、第2決定部1082が決定する1つ以上の第2行動は、1つ以上の第1行動それぞれの優先度を示すものである。

第2決定部1082は、個人適応型決定部1083と優先度決定部1084を含む。個人適応型決定部1083は、実施の形態6の候補決定部1061に対応する。個人適応型決定部1083は、行動情報が示す現在行動に代えて車両1000に実行させることが可能な1つ以上の行動(以下「個人適応現在行動候補」と呼ぶ。)を決定する。具体的には、実施の形態6と同様に、第2統計情報に規定された行動のうち、検出情報に近似する環境パラメータ値に対応付けられた行動を個人適応現在行動候補(実施の形態6の現在行動候補に対応)として決定する。個人適応現在行動候補は、現在の周囲状況或いは走行状態における運転者個人の操作パターンと言え、また車両1000単体の行動パターンと言える。

なお、個人適応型決定部1083は、第2統計情報から抽出した個人適応現在行動候補の中に、行動情報が示す現在行動と同じ候補があれば、その候補を後述の順位付けの対象から除外する。言い換えれば、個人適応型決定部1083は、第2統計情報から抽出した個人適応現在行動候補のうち、行動情報が示す現在行動とは異なる候補を順位付けの対象として決定する。

判定部1062は、状況適応現在行動候補と同様に、検出情報と判定基準を参照して、個人適応型決定部1083により決定された個人適応現在行動候補のそれぞれが即時実行可能か否かを判定してもよい。個人適応型決定部1083は、第2統計情報から抽出した1つ以上の個人適応現在行動候補のうち、即時実行可能と判定された候補を順位付けの対象とするよう絞り込んでもよく、即時実行できない候補を個人適応現在行動候補から除外してもよい。

個人適応型決定部1083は、1つ以上の個人適応現在行動候補を順位付けする。個人適応型決定部1083は、最新の検出情報が示す環境パラメータ値に近い環境パラメータ値に対応付けられた個人適応現在行動候補ほど順位を高くしてもよい。例えば、n個の環境パラメータに対応するn次元のベクトル空間において、最新の検出情報が示す環境パラメータ値の位置(現在環境位置)から所定範囲内の環境パラメータ値に対応付けられた行動を個人適応現在行動候補として抽出してもよい。そして、抽出した各候補について、ベクトル空間内の位置が現在環境位置に近い候補ほど順位を高くしてもよい。

優先度決定部1084は、個人適応型決定部1083により決定された1つ以上の個人適応現在行動候補の順位に基づいて、状況適応型決定部1081により運転者提示対象として決定された1つ以上の状況適応現在行動候補の優先度を決定する。例えば、個人適応現在行動候補と同じ行動を示す状況適応現在行動候補に対して、その個人適応現在行動候補の順位を仮順位として付与する。そして、1つ以上の状況適応現在行動候補のそれぞれに付与した仮順位にしたがって、仮順位が高いものほど画面表示上の優先度、言い換えれば、運転者への提案・お勧めの優先順位を高く設定する。なお、同じ行動を示す個人適応現在行動候補が存在しない状況適応現在行動候補、すなわち仮順位を付与できない状況適応現在行動候補の優先順位は最下位とする。

画像生成部1060は、1つ以上の第1行動を表す第1画像を生成し、1つ以上の第2行動を表す第2画像を生成する。具体的には、画像生成部1060は、1つ以上の状況適応現在行動候補のそれぞれを表わす現在行動候補画像を第1画像として生成する。また画像生成部1060は、1つ以上の状況適応現在行動候補のそれぞれに対して優先度決定部1084が設定した優先順位を表わす優先度画像を第2画像として生成する。画像生成部1060は、1つ以上の状況適応現在行動候補のそれぞれに付与された優先順位をヒストグラムまたは数字で表わす優先度画像を生成してもよい。ヒストグラムは、優先度合に対応する表示サイズが設定された図形オブジェクトの画像であってもよい。

画像出力部1051は、車両の運転者の一定視野内に現在行動候補画像と優先度画像を表示させるように、現在行動候補画像と優先度画像を報知装置1002に出力する。報知装置1002は、現在行動候補画像と優先度画像を含む自動運転情報画面を表示する。

図63は、自動運転情報画面の一例を示す。図63(a)の自動運転情報画面1103では、各状況適応現在行動候補の優先順位を数字で示している。図63(a)では、外側の円が行動候補表示領域1128になり、4つの状況適応現在行動候補を表わす4つの現在行動候補画像1110が表示されている。また図63(a)では、内側の円が優先度表示領域1130になり、4つの状況適応現在行動候補の優先順位を表わす4つの優先度画像1132が表示されている。図63(a)では、右への車線変更を示す現在行動候補画像1110に対して最も高い優先度「1」を示す優先度画像1132が付与されており、右への車線変更が運転者個人に対する最もお勧めの現在行動であることを示している。

図63(b)の自動運転情報画面1103では、各状況適応現在行動候補の優先度合をヒストグラムで示している。図63(b)では、円の周辺部に4つの状況適応現在行動候補を表わす4つの現在行動候補画像1110が表示されている。また図63(b)では、4つの状況適応現在行動候補の優先順位を表わす4つの優先度画像1132が表示されており、優先度が高い状況適応現在行動候補ほど大きいサイズの優先度画像1132が付加されている。図63(b)では、右への車線変更を示す現在行動候補画像1110に対して最も高い優先度を示す最大サイズの優先度画像1132が付与されており、右への車線変更が運転者個人に対する最もお勧めの現在行動であることを示している。

図63(a)(b)の自動運転情報画面1103が表示中に、運転者は、入力装置1004に設けられた十字ボタンを押下して現在行動候補画像1110が表す現在行動候補の実行を指示してもよい。例えば、下向きの三角を示す現在行動候補画像1110が表示中に、運転者が十字ボタンにおける下ボタンを選択することで、現在行動候補画像1110が示す減速の実行を指示してもよい。運転支援装置1040の指示部1063の処理は、実施の形態6と同様である。

図64は、車両1000のHMI制御に係る処理の例を示すシーケンス図である。同図のP41〜P44は、実施の形態6で説明した図46のシーケンス図のP21〜P23、P25と同じである。図64では不図示だが、図46のP24で示されるように、運転支援装置1040は、自動運転制御装置1030から取得した行動情報に基づいて現在行動画像を報知装置1002にさらに表示させてもよい。

運転支援装置1040は、検出情報と第1統計情報の相関性に応じて1つ以上の状況適応現在行動候補を決定し、検出情報と第2統計情報の相関性に応じて各状況適応現在行動候補の優先度を決定する(S45)。運転支援装置1040は、1つ以上の状況適応現在行動候補を表わす現在行動候補画像と、各候補の優先度を表わす優先度画像を生成し、報知装置1002へ出力して表示させる(S46)。以降のP47〜P49の処理は、実施の形態6で説明した図46のシーケンス図のP28〜P30と同じである。

図65は、運転支援装置1040の処理の例を示すフローチャートである。自動運転制御装置1030から出力された行動情報を行動情報入力部1054が取得すると(S240のY)、制御部1041は、行動情報が示す現在行動と、予め記憶部1042に記憶させた現在行動とが一致するか否かを判定する。不一致であり、すなわち現在行動が更新された場合(S241のY)、制御部1041は、行動情報が示す現在行動を記憶部1042に記憶させる(S242)。行動情報を未取得であれば(S240のN)、S241とS242をスキップし、現在行動が未更新であれば(S241のN)、S242をスキップする。

検出部1020から出力された検出情報を検出情報入力部1052が取得すると(S243のY)、状況適応型決定部1081は、検出情報と第1統計情報に基づいて1つ以上の状況適応現在行動候補を決定する(S244)。状況適応型決定部1081は、一旦決定した1つ以上の状況適応現在行動候補のうち記憶部1042に格納された現在行動と一致するものは候補から除外する(S245)。個人適応型決定部1083は、検出情報と第2統計情報に基づいて1つ以上の個人適応現在行動候補を決定し、それぞれの候補の順位を決定する。なお、状況適応型決定部1081も、一旦決定した1つ以上の個人適応現在行動候補のうち記憶部1042に格納された現在行動と一致するものは候補から除外してもよい。優先度決定部1084は、1つ以上の個人適応現在行動候補の順位に基づいて、1つ以上の状況適応現在行動候補の画面表示上の優先度を決定する(S246)。優先度決定部1084は、状況適応現在行動候補と優先度を示す情報を記憶部1042へ格納する。

状況適応現在行動候補が更新された場合(S247のY)、画像生成部1060は、更新された状況適応現在行動候補を表わす現在行動候補画像を生成する(S248)。画像出力部1051は、現在行動候補画像を報知装置1002へ出力して表示させる(S249)。画像生成部1060は、1つ以上の状況適応現在行動候補それぞれの優先度を表わす優先度画像を生成し(S250)、画像出力部1051は、優先度画像を報知装置1002へ出力して表示させる(S251)。状況適応現在行動候補が未更新であるが(S247のN)、優先度が更新された場合(S252のY)、S250へ進み、優先度も未更新であれば(S252のN)、S253へ進む。

所定の終了条件が満たされた場合(S253のY)、本図のフローを終了し、終了条件が満たされなければ(S253のN)、S240に戻る。検出情報が未入力であれば(S243のN)、S244〜S251をスキップする。このように、実施の形態10の運転支援装置1040は、検出情報が入力される都度、状況適応現在行動候補を決定し、運転者の嗜好に応じた提案の優先度を決定する。そして、状況適応現在行動候補と優先度の少なくとも一方が更新されると、自動運転情報画面1103の表示内容も更新される。

運転者による現在行動候補の選択に係る運転支援装置1040の処理は、実施の形態6と同様であり、処理フローは図48の処理フローと同様である。現在行動候補の選択を受け付ける待機時間の長さは、予め定められた固定値でもよい。現在行動候補画像1110を表示させてから待機時間が経過するまでに行動の選択が未入力の場合、運転支援装置1040の指示部1063は、優先度が最も高い現在行動候補(状況適応現在行動候補)の即時実行を指示する制御コマンドをコマンド出力部1055から自動運転制御装置1030へ送信させてもよい。

以上説明したように、実施の形態10の運転支援装置1040は、1つ以上の状況適応現在行動候補に対して、運転者個人または車両1000単体に適応した優先度を付与した自動運転情報画面1103を運転者へ提示する。これにより、車両の現在行動の選択を支援するために有用な情報を運転者へ提示できる。実施の形態10では、自動運転情報画面1103に表示させる現在行動の候補を、様々な環境パラメータ値と様々な行動が網羅的に記録された第1統計情報から抽出することで、刻々と変化する車両の環境パラメータ値により適合した現在行動候補を提示しやすくなる。また、各候補の優先順位を、運転者の嗜好を強く反映する第2統計情報をもとに決定することで、運転手個人の嗜好或いは操作パターンに応じた優先度を提示することができる。

変形例を説明する。実施の形態10では、状況適応型決定部1081が決定した状況適応現在行動候補と、優先度決定部1084が決定した優先度を自動運転情報画面1103に表示させた。変形例として、状況適応型決定部1081が決定した状況適応現在行動候補と、個人適応型決定部1083が決定した個人適応現在行動候補の両方を並列して自動運転情報画面1103に表示させてもよい。

本変形例の状況適応型決定部1081は、自動運転制御装置1030から取得された行動情報が示す現在行動とは異なる状況適応現在行動候補を決定することが望ましい。同様に個人適応型決定部1083も、行動情報が示す現在行動とは異なる個人適応現在行動候補を決定することが望ましい。これにより、車両の現在行動と同じ候補を運転者へ提示することを防止できる。

本変形例の自動運転情報画面1103では、状況適応現在行動候補の表示態様と、個人適応現在行動候補の表示態様とが異なることが望ましい。例えば、運転者が状況適応現在行動候補と個人適応現在行動候補を容易に区別できるように、表示位置、模様、色彩、サイズ等を異ならせてもよい。画像生成部1060は、状況適応現在行動候補の画像の態様とは異なる態様で個人適応現在行動候補の画像を生成してもよい。画像出力部1051は、状況適応現在行動候補の画像と個人適応現在行動候補の画像を報知装置1002へ送信する際に、両者の画像を異なる態様で表示させるように指示する表示制御データをさらに送信してもよい。

また、本変形例の状況適応型決定部1081は、1つ以上の状況適応現在行動候補の優先順位を、検出情報と第1統計情報との相関性に基づき決定してもよい。個人適応型決定部1083も、1つ以上の個人適応現在行動候補の優先順位を、実施の形態と同様に検出情報と第2統計情報との相関性に基づき決定してもよい。画像生成部1060および画像出力部1051は、1つ以上の状況適応現在行動候補を表わす画像と各候補の優先順位を表わす画像、および、1つ以上の個人適応現在行動候補を表わす画像と各候補の優先順位を表わす画像を自動運転情報画面1103に表示させてもよい。また、優先順位毎に、1つ以上の状況適応現在行動候補と1つ以上の個人適応現在行動候補を比較容易な態様で並べて表示させてもよい。

なお、図示しないが、状況適応現在行動候補(現在についての状況適応型推薦とも言える)と個人適応現在行動候補(現在についての個人適応型推薦とも言える)を提示する別例を説明する。ここでは、合流路に接近する最左側車線を走行中に、右車線後方から自車より速度の速い車両が連続して接近していることに基づいて、自動運転制御装置1030は、現在行動「車線維持(任意)」を実行することを決定し、運転支援装置1040は、「車線維持(任意)」を実行していることを提示していることとする(例えば実施の形態5、6等を参照)。

このときに運転支援装置1040は、『合流路に接近するまでに合流車両が現れると急な操作が必要となりデメリットが大きくなること』を判定してもよい。そして運転支援装置1040は、車両1000が実行している「車線維持」に代わり走行制御指示できる状況適応現在行動候補として「減速」を、今すぐ指示が出せる選択肢として推薦提示してもよい。

さらに運転支援装置1040は、『合流路の手前において、左側車線の後方からある速度で接近する車両がある場合にドライバが採る運転行動の傾向に基づいて』、車両1000が実行している「車線維持」に代わり走行制御指示できる個人適応現在行動候補として「加速」を決定してもよい。そして運転支援装置1040は、個人適応現在行動候補「加速」を、今すぐ指示が出せる選択肢としてさらに推薦提示してもよい。このように、運転支援装置1040は、近似のタイミングで決定した状況適応現在行動候補と個人適応現在行動候補のそれぞれを同時並行して運転者へ提示してもよい。

(実施の形態11) まず概要を説明する。車両の自動運転中、車両に将来時点で実行させる行動、言い換えれば、所定時間後に車両に実行させる予定の行動(以下「予定行動」と呼ぶ。)を運転者に選択させる場合に、その行動選択を支援する情報が運転者に対して十分に提供されておらず、運転者によるスムーズな行動選択が困難なことがあった。また、運転者に不安感を抱かせることがあった。

そこで実施の形態11では、車両の予定行動の選択を支援する情報として、運転者個人に適応した情報を提供する。具体的には、運転支援装置1040が、車両1000の周囲状況或いは走行状態に基づく観点と、運転者個人に基づく観点の両方から予定行動候補を決定し、車両1000内の報知装置1002に表示させる。これにより、運転者の意に即したスムーズな行動選択を支援し、また、運転者が安心して行動選択或いは行動変更の指示を出せるよう支援する。

上記の実施の形態10では、車両の現在行動の候補を運転者へ提示したが、本実施の形態11では、車両の予定行動の候補を運転者へ提示する点で異なる。以下では、これまでの実施の形態で説明済の内容は適宜省略する。本実施の形態で説明する構成或いは動作は、趣旨を逸脱しない範囲で、他の実施の形態或いは変形例で説明する構成或いは動作と組み合わせることができ、また置き換えることができる。

運転支援装置1040の記憶部1042は、実施の形態10で説明した図61に示す構成であり、運転支援装置1040の制御部1041は、実施の形態10で説明した図62に示す構成である。

第1統計情報蓄積部1072に蓄積される第1統計情報と、第2統計情報蓄積部1073に蓄積される第2統計情報はいずれも、車両の周囲状況および走行状態と車両の行動との関連性を示す統計情報(図43)である。具体的には、実施の形態7と同様に、車両の周囲状況および走行状態を示す複数種類の環境パラメータの値と、将来時点で車両に実行させる行動(もしくは行動実績)を対応付けたレコードを複数含む情報である。言い換えれば、現在の環境状態に対して将来時点で(所定時間後に)実行された行動を、現在の環境状態を示すパラメータ値と対応付けて蓄積された情報である。このように、第1統計情報と第2統計情報で規定される行動が予定行動である点で実施の形態10と異なる。

その一方、実施の形態10と同様に、第1統計情報と第2統計情報は統計の範囲が異なり、具体的には第1統計情報の方が第2統計情報よりも統計の範囲が広い。第1統計情報は、複数人の集団・多数の車両を対象として、様々な環境状態における操作実績、行動実績を記録したものである。もちろん、様々な環境状態における操作実績、行動実績の履歴を既知の統計手法により操作パターン、行動パターンとしてモデル化したものでもよい。第2統計情報は、運転者個人・車両1000単体を対象として、これまでの環境状態における操作実績或いは行動実績を記録したものである。運転者個人の操作実績、車両1000単体の行動実績の履歴を、既知の統計手法により操作パターン、行動パターンとしてモデル化したものでもよい。

実施の形態11では、第1統計情報と第2統計情報の両方が車両1000のローカルに記憶されるが、第1統計情報と第2統計情報の少なくとも一方が車両外部の装置、例えばクラウド上のデータベース等に蓄積されてもよい。例えば、第2統計情報は、統計の範囲が運転者個人または車両1000単独であるため、車両1000のローカルに逐次蓄積されてもよい。その一方、第1統計情報は、統計の範囲が大人数の集団または多数の車両に亘るため、クラウド上のサーバで集計・統計・蓄積等の処理が実行されてもよい。運転支援装置1040は、通信IF1056および無線装置1008を介してリモートの統計情報にアクセスしてもよい。

運転支援装置1040の検出情報入力部1052は、車両1000の周囲状況および走行状態の検出結果を示す検出情報を検出部1020から取得する。第1決定部1080は、検出部1020から出力された検出情報と、第1統計情報蓄積部1072に蓄積された第1統計情報に基づいて、車両1000に実行させる予定の行動になり得る1つ以上の第1行動を決定する。

第1決定部1080の状況適応型決定部1081は、車両1000に実行させる予定の行動になり得る1つ以上の行動の候補(以下「状況適応予定行動候補」と呼ぶ。)を第1行動として決定する。具体的には、実施の形態7と同様に、第1統計情報に規定された行動のうち、検出情報に近似する環境パラメータ値に対応付けられた行動を状況適応予定行動候補(実施の形態7の予定行動候補に対応)として決定する。状況適応予定行動候補は、現在の周囲状況或いは走行状態に対して将来時点で実行される典型的な操作パターン・行動パターンと言える。

第2決定部1082は、検出部1020から出力された検出情報と、第2統計情報蓄積部1073に蓄積された第2統計情報に基づいて、車両1000に実行させる予定の行動になり得る1つ以上の第2行動を決定する。実施の形態11では、第2決定部1082は、1つ以上の状況適応予定行動候補それぞれに対する優先度であり、第2統計情報と検出情報との相関性に応じた優先度を示す情報を第2行動として決定する。言い換えれば、第2決定部1082が決定する1つ以上の第2行動は、1つ以上の第1行動それぞれの優先度を示すものである。

第2決定部1082の個人適応型決定部1083は、車両1000に実行させる予定の行動になり得る1つ以上の行動の候補(以下「個人適応予定行動候補」と呼ぶ。)を決定する。具体的には、実施の形態7と同様に、第2統計情報に規定された行動のうち、検出情報に近似する環境パラメータ値に対応付けられた行動を個人適応予定行動候補(実施の形態7の予定行動候補に対応)として決定する。個人適応予定行動候補は、現在の周囲状況或いは走行状態に対する運転者個人の将来の操作パターンと言え、また車両1000単体の将来の行動パターンと言える。

個人適応型決定部1083は、実施の形態10と同様に、第2統計情報から抽出した1つ以上の個人適応予定行動候補を順位付けする。優先度決定部1084は、実施の形態10と同様に、個人適応型決定部1083により決定された1つ以上の個人適応予定行動候補の順位に基づいて、状況適応型決定部1081により決定された1つ以上の状況適応予定行動候補の優先順位を決定する。

画像生成部1060は、1つ以上の第1行動を表す第1画像を生成し、1つ以上の第2行動を表す第2画像を生成する。具体的には、画像生成部1060は、1つ以上の状況適応予定行動候補のそれぞれを表わす予定行動候補画像を第1画像として生成する。また画像生成部1060は、1つ以上の状況適応予定行動候補のそれぞれに対して優先度決定部1084が設定した優先順位を表わす優先度画像を第2画像として生成する。画像生成部1060は、1つ以上の状況適応予定行動候補のそれぞれに付与された優先度合をヒストグラムまたは数字で表わす優先度画像を生成してもよい。ヒストグラムは、優先度合に対応する表示サイズが設定された図形オブジェクトの画像であってもよい。

画像出力部1051は、車両の運転者の一定視野内に予定行動候補画像と優先度画像を表示させるように、予定行動候補画像と優先度画像を報知装置1002に出力する。報知装置1002は、予定行動候補画像と優先度画像を含む自動運転情報画面を表示する。

図66は、自動運転情報画面の一例を示す。同図の自動運転情報画面1103では、予定行動候補画像として第1予定行動候補画像1112aと第2予定行動候補画像1112bが表示されている。同図の予定行動候補(状況適応予定行動候補)はいずれも、複数の単一行動を組み合わせた行動計画であるが、状況適応現在行動候補として単一行動が決定された場合、その単一行動を表わす予定行動候補画像が表示される。

また同図では、各予定行動候補の優先度をヒストグラムで示している。具体的には、第1予定行動候補画像1112aが示す予定行動候補の優先度を第1優先度画像1132a(網掛け)で示し、第2予定行動候補画像1112bが示す予定行動候補の優先度を第2優先度画像1132b(網掛け)で示している。同図では、第1予定行動候補画像1112aに対して相対的に大きい優先度画像1132が付加されている。これにより、第1予定行動候補画像1112aが示す行動の方が、運転者個人に対するお勧め度が高いことを示している。なお、図63(a)で示したように、各予定行動候補の優先度を数字を表わす優先度画像を表示してもよい。

実施の形態11における車両1000の処理シーケンスは、実施の形態10で説明した図64の処理シーケンスと同様であるため説明を省略する。ただし、図64のP43で示した自動運転制御装置1030から運転支援装置1040への行動情報の入力は、実施の形態11ではないものとし、後述の変形例において説明する。また、図64に記載の現在行動候補と現在行動候補画像はそれぞれ、予定行動候補(具体的には状況適応予定行動候補、個人適応予定行動候補)と予定行動候補画像に置き換わる。

図67は、運転支援装置1040の処理の例を示すフローチャートである。検出部1020から出力された検出情報を検出情報入力部1052が取得すると(S260のY)、状況適応型決定部1081は、検出情報と第1統計情報に基づいて1つ以上の状況適応予定行動候補を決定する(S261)。個人適応型決定部1083は、検出情報と第2統計情報に基づいて1つ以上の個人適応予定行動候補を決定し、各候補の順位を決定する。優先度決定部1084は、1つ以上の個人適応予定行動候補の順位に基づいて、1つ以上の状況適応予定行動候補の優先度を決定する(S262)。優先度決定部1084は、状況適応予定行動候補と優先度を示す情報を記憶部1042へ格納する。

状況適応予定行動候補が更新された場合(S263のY)、画像生成部1060は、更新された状況適応予定行動候補を表わす予定行動候補画像を生成する(S264)。画像出力部1051は、予定行動候補画像を報知装置1002へ出力して表示させる(S265)。画像生成部1060は、1つ以上の状況適応予定行動候補それぞれの優先度を表わす優先度画像を生成し(S266)、画像出力部1051は、優先度画像を報知装置1002へ出力して表示させる(S267)。状況適応予定行動候補が未更新であるが(S263のN)、優先度が更新された場合(S268のY)、S266へ進み、優先度も未更新であれば(S268のN)、S269へ進む。

所定の終了条件が満たされた場合(S269のY)、本図のフローを終了し、終了条件が満たされなければ(S269のN)、S240に戻る。検出情報が未入力であれば(S260のN)、S261〜S268をスキップする。このように、実施の形態10の運転支援装置1040は、検出情報が入力される都度、状況適応予定行動候補を決定し、運転者の嗜好に応じた提案の優先度を決定する。そして、状況適応予定行動候補と優先度の少なくとも一方が更新されると、自動運転情報画面1103の表示内容も更新される。

運転者による予定行動候補の選択に係る運転支援装置1040(画像生成部1060、判定部1062、指示部1063等)の処理は、実施の形態7と同様である。例えば、図54のフローチャートに示す処理と、図55および図56の自動運転情報画面1103に示すユーザインタフェースは、実施の形態11にそのまま適用される。

以上説明したように、実施の形態11の運転支援装置1040は、1つ以上の状況適応予定行動候補に対して、運転者個人または車両1000単体に適応した優先度を付与した自動運転情報画面1103を運転者へ提示する。これにより、車両の予定行動の選択を支援するために有用な情報を運転者へ提示できる。実施の形態11では、自動運転情報画面1103に表示させる予定行動の候補を、様々な環境パラメータ値と様々な行動が網羅的に記録された第1統計情報から抽出することで、刻々と変化する車両の環境パラメータ値により適合した予定行動候補を提示しやすくなる。また、各候補の優先順位を、運転者の嗜好を強く反映する第2統計情報をもとに決定することで、運転手個人の嗜好或いは操作パターンに応じた優先度を提示することができる。

なお、図示しないが、状況適応予定行動候補(将来についての状況適応型推薦とも言える)と個人適応予定行動候補(将来についての個人適応型推薦とも言える)を提示する別例を説明する。ここでは、片側二車線道路の交差点を右折する際に、対向車線を接近する車両がいることに基づいて、自動運転制御装置1030は、現在行動「一時停止」を実行することを決定し、運転支援装置1040は、「一時停止」を実行していることを提示していることとする(例えば実施の形態5、6等を参照)。

このとき運転支援装置1040は、『自車が右折するために要する時間が充分確保できる対向車線前方から接近する車両との距離』を判定してもよい。そして運転支援装置1040は、現在行動「一時停止」のあとに、タイミングを見計らって走行制御指示できる状況適応予定行動候補として「右折」を、指示が予約できる選択肢として推薦提示してもよい。

さらに運転支援装置1040は、『対抗車線の前方から接近する車両がある場合において運転者が採る運転行動の傾向』に基づいて、現在行動「一時停止」のあとに、タイミングを見計らって走行制御指示できる個人適応予定行動候補として「タイミングを見て一車線分右折→一時停止→タイミングを見て一車線分右折」(ここでは複数の単一行動を組み合わせた行動計画)を決定してもよい。そして運転支援装置1040は、その個人適応現在行動候補を、指示が予約できる選択肢としてさらに推薦提示してもよい。なお運転者が採る運転行動の傾向は、例えば、対向車線手前側後方が信号で詰まっており前方から接近する車両が減速しており、かつ対向車線奥側前方から接近する車両が左折ウィンカーを点灯する場合には、対向車線手前側前方から接近する車両の前に右折で割込み、一時停止したあと再度対向車線奥側前方から接近する車両の減速或いは左折ウィンカーの継続など左折意思が確認できる場合に右折を再開する傾向があること、などであってもよい。このように、運転支援装置1040は、近似するタイミングで決定した状況適応予定行動候補と個人適応予定行動候補のそれぞれを同時並行して運転者へ提示してもよい。

変形例を説明する。行動情報入力部1054は、自動運転制御装置1030により決定された予定行動を示す行動情報を自動運転制御装置1030から取得してもよい。画像生成部1060は、予定行動を示す予定行動画像をさらに生成してもよい。画像出力部1051は、予定行動画像を報知装置1002へさらに出力して、予定行動画像、予定行動候補画像、優先度画像を運転者の一定視野内に同時に表示させてもよい。この場合、運転支援装置1040が決定した予定行動候補に加えて、自動運転制御装置1030が決定した予定行動が、運転者による選択対象となってよく、運転支援装置1040から自動運転制御装置1030へ指示する行動の候補となってよい。

また、この変形例において、状況適応型決定部1081は、第1統計情報から抽出した状況適応予定行動候補の中に、行動情報が示す予定行動と同じ候補があれば、その候補を状況適応予定行動候補(例えば運転者への提示対象)から除外してもよい。また、個人適応型決定部1083は、第2統計情報から抽出した個人適応予定行動候補の中に、行動情報が示す予定行動と同じ候補があれば、その候補を個人適応予定行動候補(例えば順位付けの対象)から除外してもよい。これにより、自動運転制御装置1030で計画済の予定行動と同じ候補を運転者へ提示することを防止できる。

別の変形例として、実施の形態11では言及していないが、実施の形態7或いは実施の形態9と同様に、統計情報(例えば第1統計情報)で規定された予定行動が実行されるまでの残り時間を自動運転情報画面1103にさらに表示させてもよい。例えば、予定行動候補画像に対して、その画像が示す予定行動候補(例えば状況適応現在行動候補)が実行されるまでの残り時間を示す残り時間画像を付加してもよい。

次に各実施の形態に共通の変形例を説明する。 車両1000内のシートが、手動運転中の前向き状態と、自動運転中に前列と後列が向い合せる対面状態とに変形できる場合、運転支援装置1040は、シート状態を検知する不図示のシートセンサの検出情報に基づいて、シートが対面状態の場合、報知方法を全て音声にしてもよい。また、報知方法を表示から音声に切り替えてもよい。また、運転支援装置1040は、現在行動を音声で報知し、予定行動を表示で報知してもよい。言い換えれば、現在行動、現在行動候補、予定行動、予定行動候補について、その一部種類の情報を報知する手段(媒体)を、他の種類の情報を報知する手段(媒体)と異ならせてもよい。さらにまた、自動運転制御装置1030により決定された行動情報を音声で報知し、運転支援装置1040により決定された行動候補を画面表示で報知してもよく、この逆の組み合わせでもよい。運転者、乗員などを含む車両1000内の状態に合わせて報知方法を適切に変更することで、受け取り側が煩わしく感じにくくなり、且つ情報伝達の確実性を高めることができる。

また、運転支援装置1040は、報知装置1002(ここではヘッドアップディスプレイ等の表示装置)を見るべきことを振動により運転者へ知らせた後(自動運転では運転者は報知装置1002を常に見ている必要がないため)、運転者が報知装置1002の表示を見るタイミング付近で音声による説明音声をスピーカから出力させてもよい。人間は、触覚(振動)と、聴覚(音)≒触覚(鼓膜への振動)への反応は早いが、視覚(表示)への反応は遅い。一方で、触覚や単音の聴覚は、その意味するところがわかりにくい。音声による聴覚は、意味は伝わるがその意味が伝わりきるまでに時間がかかる。視覚は、意味を表現する情報を伝達可能である。本変形例の構成は、このような各感覚の特徴を好適に組み合わせて利用するものである。

また、報知すべき状況は単発の連続でなく、重なることがあってもよい。例えば、踏切の矢印表示のように、「←」が表示されていて、しばらく待つうちに「→」が追加され、「←」は消えるが「→」は残り、両方が消えることで、出発可能になることを、触覚、聴覚、視覚の組み合わせにより、運転者や同乗者に伝達してもよい。例えば、報知装置1002(ここではヘッドアップディスプレイ等の表示装置)を見るべきことを振動により知らせた後、運転者が報知装置1002の表示を見るタイミング付近で音声による説明音声を出力してもよい。さらに、その説明が終わらないうちに、状況が変化したことを所定の報知音で知らせて、報知装置1002の表示内容を変化させ、或いは追加してもよい。

以上、本発明に係る実施形態について図面を参照して詳述してきたが、上述した装置或いは各処理部の機能は、コンピュータプログラムにより実現され得る。

上述した機能をプログラムにより実現するコンピュータは、キーボード或いはマウス、タッチパッドなどの入力装置、ディスプレイ或いはスピーカなどの出力装置、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク装置或いはSSD(Solid State Drive)などの記憶装置、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)或いはUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの記録媒体から情報を読み取る読取装置、ネットワークを介して通信を行うネットワークカードなどを備え、各部はバスにより接続される。

そして、読取装置は、上記プログラムを記録した記録媒体からそのプログラムを読み取り、記憶装置に記憶させる。あるいは、ネットワークカードが、ネットワークに接続されたサーバ装置と通信を行い、サーバ装置からダウンロードした上記各装置の機能を実現するためのプログラムを記憶装置に記憶させる。

そして、CPUが、記憶装置に記憶されたプログラムをRAMにコピーし、そのプログラムに含まれる命令をRAMから順次読み出して実行することにより、上記各装置の機能が実現される。

なお、実施の形態は、以下の項目によって特定されてもよい。 [項目1] 車両の自動運転における前記車両の行動を決定する自動運転制御部から、前記車両に実行させる第1行動を示す行動情報を取得する行動情報入力部と、 前記車両の周囲状況および走行状態を検出する検出部から、検出結果を示す検出情報を取得する検出情報入力部と、 前記行動情報が示す第1行動とは別に実行可能な第2行動を前記検出情報に基づいて決定する候補決定部と、 前記行動情報が示す第1行動を表す第1画像を生成し、前記第2行動を表す第2画像を生成する画像生成部と、 前記車両の運転者の一定視野内に前記第1画像と前記第2画像を表示させるように前記第1画像と前記第2画像を前記車両内の表示部に出力する画像出力部と、 を備える運転支援装置。 これにより、自動運転制御部が決定した車両の現在行動に代わる行動の候補を運転者へ提示でき、車両の行動を変更するか否かの運転者の判断を支援できる。また、運転者が自動運転に対して不安感を抱くことを抑制できる。 [項目2] 車両の周囲状況および走行状態と車両の行動との関連性を示す統計情報を蓄積する蓄積部をさらに備え、 前記候補決定部は、前記統計情報と前記検出情報に基づいて前記第2行動を決定する項目1に記載の運転支援装置。 これにより、自動運転制御部が決定した車両の現在行動に代わる行動の適切な候補を決定しやすくなる。 [項目3] 通信網を介して、車両の周囲状況および走行状態と車両の行動との関連性を示す統計情報を蓄積する本車両外部の蓄積部と通信可能な通信インタフェースをさらに備え、 前記候補決定部は、前記通信インタフェースを介して前記蓄積部の統計情報にアクセスし、前記統計情報と前記検出情報に基づいて前記第2行動を決定する項目1に記載の運転支援装置。 これにより、自動運転制御部が決定した車両の現在行動に代わる行動の適切な候補を決定しやすくなる。 [項目4] 前記第2画像を出力後、所定時間が経過した場合に、前記第2行動を前記車両に実行させるためのコマンドを前記自動運転制御部に出力するコマンド出力部をさらに備える項目1から3のいずれか一項に記載の運転支援装置。 これにより、自動運転制御部が決定した車両の現在行動に代わる行動を自動運転制御部へ指示することができる。 [項目5] 前記車両の自動運転中に実行する前記車両の行動を指定する操作指示を受け付ける操作信号入力部と、 前記第1画像および前記第2画像が前記車両の表示部に表示されている所定時間内に、前記操作指示を受け付けなかった場合、前記第1画像が表す前記第1行動を前記車両に実行させる制御コマンドを前記自動運転制御部に送信するコマンド出力部と、 をさらに備える項目1から3のいずれか一項に記載の運転支援装置。 これにより、自動運転制御部が決定した車両の行動を実行するように指示することができる。 [項目6] 前記車両の自動運転中に実行する前記車両の行動を指定する操作指示を受け付ける操作信号入力部と、 前記第1画像および前記第2画像が前記車両の表示部に表示されている所定時間内に、前記第2画像を選択する操作指示を受け付けた場合、前記第2画像が表す前記第2行動を前記車両に実行させる制御コマンドを前記自動運転制御部に送信するコマンド出力部と、 をさらに備える項目1から3のいずれか一項に記載の運転支援装置。 これにより、運転者の判断に即して、自動運転制御部が決定した車両の現在行動に代わる行動を自動運転制御部へ指示することができる。 [項目7] 前記コマンドが前記自動運転制御部へ送信された後、前記行動情報入力部は、前記コマンドに応じて更新された第1行動を示す第1行動情報を取得する項目4から6のいずれか一項に記載の運転支援装置。 これにより、運転者に対して自動運転に関する最新の情報を提示できる。 [項目8] 前記検出情報は、前記車両の速度、前記車両に対する先行車両の相対速度、自車両と先行車両との距離、自車両に対する側方車線の車両の相対速度、自車両と側方車線の車両との距離、自車の位置情報を含む項目1から7のいずれか一項に記載の運転支援装置。 これにより、自動運転制御部が決定した車両の現在行動に代わる行動の適切な候補を決定しやすくなる。 [項目9] 車両の自動運転における前記車両の行動を決定する自動運転制御部と、 前記車両の周囲状況および走行状態を検出する検出部から、検出結果を示す検出情報を取得する検出情報入力部と、 前記自動運転制御部が前記車両に実行させる第1行動とは異なる行動であって、前記車両に実行させることが可能な第2行動を前記検出情報に基づいて決定する候補決定部と、 前記第1行動を表す第1画像を生成し、前記第2行動を表す第2画像を生成する画像生成部と、 前記車両の運転者の一定視野内に前記第1画像と前記第2画像を表示させるように前記第1画像と前記第2画像を前記車両内の表示部に出力する画像出力部と、 を備える運転制御装置。 これにより、自動運転制御部が決定した車両の現在行動に代わる行動の候補を運転者へ提示でき、運転者が車両の行動を変更するか否かの運転者の判断を支援できる。また、運転者が自動運転に対して不安感を抱くことを抑制できる。 [項目10] 本車両の自動運転における本車両の行動を決定する自動運転制御部と、 本車両の周囲状況および走行状態を検出する検出部から、検出結果を示す検出情報を取得する検出情報入力部と、 前記自動運転制御部が本車両に実行させる第1行動とは異なる行動であって、本車両に実行させることが可能な第2行動を前記検出情報に基づいて決定する候補決定部と、 前記第1行動を表す第1画像を生成し、前記第2行動を表す第2画像を生成する画像生成部と、 本車両の運転者の一定視野内に前記第1画像と前記第2画像を表示させるように前記第1画像と前記第2画像を本車両内の表示部に出力する画像出力部と、 を備える車両。 これにより、自動運転制御部が決定した車両の現在行動に代わる行動の候補を運転者へ提示でき、運転者が車両の行動を変更するか否かの運転者の判断を支援できる。また、運転者が自動運転に対して不安感を抱くことを抑制できる。 [項目11] 車両の自動運転における前記車両の行動を決定する自動運転制御部から、前記車両に実行させる第1行動を示す行動情報を取得するステップと、 前記車両の周囲状況および走行状態を検出する検出部から、検出結果を示す検出情報を取得するステップと、 前記行動情報が示す第1行動とは異なる行動であって、前記車両に実行させることが可能な第2行動を前記検出情報に基づいて決定するステップと、 前記行動情報が示す第1行動を表す第1画像を生成し、前記第2行動を表す第2画像を生成するステップと、 前記車両の運転者の一定視野内に前記第1画像と前記第2画像を表示させるように前記第1画像と前記第2画像を前記車両内の表示部に出力するステップと、 をコンピュータが実行することを特徴とする運転支援方法。 これにより、自動運転制御部が決定した車両の現在行動に代わる行動の候補を運転者へ提示でき、運転者が車両の行動を変更するか否かの運転者の判断を支援できる。また、運転者が自動運転に対して不安感を抱くことを抑制できる。 [項目12] 車両の自動運転における前記車両の行動を決定する自動運転制御部から、前記車両に実行させる第1行動を示す行動情報を取得する機能と、 前記車両の周囲状況および走行状態を検出する検出部から、検出結果を示す検出情報を取得する機能と、 前記行動情報が示す第1行動とは異なる行動であって、前記車両に実行させることが可能な第2行動を前記検出情報に基づいて決定する機能と、 前記行動情報が示す第1行動を表す第1画像を生成し、前記第2行動を表す第2画像を生成する機能と、 前記車両の運転者の一定視野内に前記第1画像と前記第2画像を表示させるように前記第1画像と前記第2画像を前記車両内の表示部に出力する機能と、 をコンピュータに実現させるための運転支援プログラム。 これにより、自動運転制御部が決定した車両の現在行動に代わる行動の候補を運転者へ提示でき、運転者が車両の行動を変更するか否かの運転者の判断を支援できる。また、運転者が自動運転に対して不安感を抱くことを抑制できる。

1000 車両、 1002 表示装置、 1020 検出部、 1030 自動運転制御装置、 1040 運転支援装置、 1051 画像出力部、 1052 検出情報入力部、 1054 行動情報入力部、 1055 コマンド出力部、 1060 画像生成部、 1061 候補決定部、 1080 第1決定部、 1082 第2決定部。

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