ハイブリッド車

申请号 JP2013057486 申请日 2013-03-21 公开(公告)号 JP5700061B2 公开(公告)日 2015-04-15
申请人 トヨタ自動車株式会社; 发明人 大西 健二; 鉾井 耕司; 糸山 大介; 遠藤 弘樹; 青木 一真; 矢口 英明; 荒井 幹久;
摘要
权利要求

走行用の動を出力するエンジンと、走行用の動力を出力するモータと、燃費を優先する燃費優先モードの設定と該燃費優先モードの解除を行なうモード設定解除スイッチと、前記モード設定解除スイッチによるモードに基づいて前記エンジンと前記モータとを駆動する駆動制御手段と、を備えるハイブリッド車において、 前記駆動制御手段は、前記エンジンの運転を停止した状態で前記モータにより走行するモータ走行中に前記エンジンに供給される燃料の劣化が判定されたときには、その後の前記モード設定解除スイッチによる燃費優先モードの設定を禁止する手段である、 ことを特徴とするハイブリッド車。請求項1記載のハイブリッド車であって、 前記駆動制御手段は、前記モード設定解除スイッチにより燃費優先モードが設定されている状態で前記モータ走行中に前記エンジンに供給される燃料の劣化が判定されたときには、前記燃費優先モードを解除する手段である、 ことを特徴とするハイブリッド車。

说明书全文

本発明は、ハイブリッド車に関し、詳しくは、燃費を優先する燃費優先モードの設定と解除を行なうスイッチを備えるハイブリッド車に関する。

従来、この種のハイブリッド車としては、エンジンに供給される燃料の劣化度合いが高いと判定されたときには、エンジンに要求される要求負荷を大きくして劣化度合いの高い燃料の消費を促進するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド車では、エンジンの運転を停止してモータからの動だけで走行するモータ走行中に燃料の劣化程度が高いと判定されると、エンジンを始動して劣化度合いの高い燃料の消費を促進している。

また、エンジンに供給される燃料が劣化していると判定され、燃料残量が閾値以上であるときには、エンジンを駆動する期間が長くなる燃料消費促進モードに移行するものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。このハイブリッド車は、燃料消費促進モードに移行することにより、劣化した燃料を速やかに消費するものとしている。

特開2009−255680号公報

特開2012−030668号公報

近年のハイブリッド車では、通常の走行モードに比して燃費を優先する燃費優先モードを設定するスイッチを備えるものや、外部電源からの電力によりバッテリを充電し、バッテリの蓄電容量がエンジンを始動するのに十分な容量になるまでエンジンを始動せずにモータ走行するのを優先して走行するものが提案されている。これらのハイブリッド車では燃料の劣化が判定されたときに、燃費優先モードの設定の取り扱いの判断が必要となる。

本発明のハイブリッド車は、エンジンに供給される燃料の劣化が判定されたときの燃費優先モードの取り扱いを提案することを主目的とする。

本発明のハイブリッド車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。

本発明のハイブリッド車は、 走行用の動力を出力するエンジンと、走行用の動力を出力するモータと、燃費を優先する燃費優先モードの設定と該燃費優先モードの解除を行なうモード設定解除スイッチと、前記モード設定解除スイッチによるモードに基づいて前記エンジンと前記モータとを駆動する駆動制御手段と、を備えるハイブリッド車において、 前記駆動制御手段は、前記エンジンの運転を停止した状態で前記モータにより走行するモータ走行中に前記エンジンに供給される燃料の劣化が判定されたときには、その後の前記モード設定解除スイッチによる燃費優先モードの設定を禁止する手段である、 ことを特徴とする。

この本発明のハイブリッド車では、モータ走行中にエンジンに供給される燃料の劣化が判定されたときには、その後のモード設定解除スイッチによる燃費優先モードの設定を禁止する。モータ走行中に燃料の劣化が判定されたときには、エンジンを始動して劣化した燃料の消費を促進するが、燃費優先モードが設定されると、燃費を優先するために始動したエンジンの運転を停止してモータ走行に移行する場合が生じ、劣化した燃料の消費を妨げる。本発明では、モータ走行中に燃料の劣化が判定されたときに、その後の燃費優先モードの設定を禁止することにより、始動したエンジンの運転を継続して、劣化した燃料の消費を促進することができる。

こうした本発明のハイブリッド車において、前記駆動制御手段は、前記モード設定解除スイッチにより燃費優先モードが設定されている状態で前記モータ走行中に前記エンジンに供給される燃料の劣化が判定されたときには、前記燃費優先モードを解除する手段である、ことを特徴とするものとすることもできる。こうすれば、既に設定されている燃費優先モードを解除することにより、始動したエンジンを燃費を優先するためにモータ走行して運転を停止するのを抑制し、エンジンの運転を継続することにより、劣化した燃料の消費を促進することができる。

本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。

実施例のHVECU70により実行されるエコモード設定解除処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。

変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。

変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。

変形例のハイブリッド自動車320の構成の概略を示す構成図である。

次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。

図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、燃料タンク21からのガソリンや軽油などの燃料の供給を受けて動力を出力するエンジン22と、エンジン22を駆動制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24と、エンジン22のクランクシャフト26にキャリアが接続されると共に駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36にリングギヤが接続されたプラネタリギヤ30と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されたモータMG1と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子が駆動軸36に接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2を駆動するためのインバータ41,42と、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子をスイッチング制御することによってモータMG1,MG2を駆動制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されてインバータ41,42を介してモータMG1,MG2と電力をやりとりするバッテリ50と、バッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52と、家庭用電源などの外部電源に接続されてバッテリ50を充電可能な充電器60と、車両全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという)70と、を備える。

エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号、例えば、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサからのクランクポジションθcrやエンジン22の冷却温度を検出する水温センサからの冷却水温Tw,燃焼室内に取り付けられた圧力センサからの筒内圧力Pin,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブや排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサからのカムポジションθca,スロットルバルブのポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサからのスロットルポジションTP,吸気管に取り付けられたエアフローメータからの吸入空気量Qa,同じく吸気管に取り付けられた温度センサからの吸気温Ta,排気系に取り付けられた空燃比センサからの空燃比AF,同じく排気系に取り付けられた酸素センサからの酸素信号O2などが入力ポートを介して入力されており、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁への駆動信号やスロットルバルブのポジションを調節するスロットルモータへの駆動信号,イグナイタと一体化されたイグニッションコイルへの制御信号,吸気バルブの開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、エンジンECU24は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、エンジンECU24は、クランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。

モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力ポートを介して入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、モータECU40は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転速度ωm1,ωm2や回転数Nm1,Nm2も演算している。

バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからの端子間電圧(バッテリ電圧)Vbやバッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた電流センサ51bからの充放電電流Ib,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりHVECU70に送信する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために、電流センサ51bにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいてそのときのバッテリ50から放電可能な電力の容量の全容量に対する割合である蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい許容入出力電力である入出力制限Win,Woutを演算したりしている。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCに基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。

充電器60は、インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54にリレー62を介して接続されており、電源プラグ68を介して供給される外部電源からの交流電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータ66と、AC/DCコンバータ66からの直流電力の電圧を変換して電力ライン54に供給するDC/DCコンバータ64と、を備える。

HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、電源プラグ68の外部電源への接続を検出する接続検出センサ69からの接続検出信号,イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,燃費を優先して走行する燃費優先モード(エコモード)を設定するエコスイッチ89からのエコスイッチ信号ECOなどが入力ポートを介して入力されている。HVECU70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。

こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を計算し、この要求トルクTr*に対応する要求動力が駆動軸36に出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2との運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてがプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されて駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや、要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部がプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード,エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力を駆動軸36に出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。なお、トルク変換運転モードと充放電運転モードとは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようエンジン22とモータMG1とモータMG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モードという。

エンジン運転モードでは、HVECU70は、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accと車速センサ88からの車速Vとに基づいて走行に要求される(駆動軸36に出力すべき)要求トルクTr*を設定し、設定した要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nr(例えば、モータMG2の回転数Nm2や車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数)を乗じて走行に要求される走行用パワーPdrv*を計算し、計算した走行用パワーPdrv*からバッテリ50の蓄電割合SOCに基づくバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じて車両に要求される(エンジン22から出力すべき)要求パワーPe*を設定する。そして、要求パワーPe*を効率よくエンジン22から出力することができるエンジン22の回転数NeとトルクTeとの関係としての動作ライン(例えば燃費最適動作ライン)を用いてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する。以下、要求パワーPe*と動作ラインとに基づく目標回転数Ne*および目標トルクTe*からなる運転ポイントを燃費運転ポイントという。そして、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*となるようにするための回転数フィードバック制御によってモータMG1のトルク指令Tm1*を設定すると共にモータMG1をトルク指令Tm1*で駆動したときにプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルクを要求トルクTr*から減じてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、設定した目標回転数Ne*と目標トルクTe*とについてはエンジンECU24に送信し、トルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40に送信する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによってエンジン22が運転されるようエンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などを行ない、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、エンジン22を効率よく運転しながらバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*を駆動軸36に出力して走行することができる。このエンジン運転モードでは、エンジン22の要求パワーPe*がエンジン22を運転停止した方がよい要求パワーPe*の範囲の上限として定められた停止用閾値Pstop以下に至ったときなどエンジン22の停止条件が成立したときに、エンジン22の運転を停止してモータ運転モードに移行する。

モータ運転モードでは、HVECU70は、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定し、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定する共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータECU40に送信する。そして、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、エンジン22を運転停止した状態でバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*を駆動軸36に出力して走行することができる。このモータ運転モードでは、要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nrを乗じて得られる走行用パワーPdrv*からバッテリ50の充放電要求パワーPb*を減じて得られるエンジン22の要求パワーPe*がエンジン22を始動した方がよい要求パワーPe*の範囲の下限として定められた始動用閾値Pstart以上に至ったときなどエンジン22の始動条件が成立したときに、エンジン22を始動してエンジン運転モードに移行する。

また、実施例のハイブリッド自動車20では、自宅や予め設定された充電ポイントで車両を停止している状態で電源プラグ68を外部電源に接続し、充電器60を制御して外部電源からの電力によりバッテリ50の充電を行なう。そして、バッテリ50の充電後には、バッテリ50の蓄電割合SOCがエンジン22の始動を行なうことができる程度に設定された閾値Shv(例えば、20%や30%など)に至るまでは、エンジン22からの動力とモータMG2からの動力とを用いて走行するハイブリッド走行に比してモータMG2からの動力だけを用いて走行するモータ走行を優先して走行するモータ走行優先モードによって走行し、バッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Shvに至った以降は、モータ走行に比してハイブリッド走行を優先して走行するハイブリッド走行優先モードによって走行する。

さらに、実施例のハイブリッド自動車20では、エコスイッチ89の操作により、燃費と快適性とを考慮して走行する通常走行モードと通常走行モードに比して駆動特性を低下させても燃費を優先して走行する燃費優先走行モード(エコモード)とを切り替えて走行する。エコモードのときには、HVECU70は、例えば、通常走行モードに比して、アクセル開度Accに対する要求トルクTrが小さくなるようにしたり、要求トルクTr*や走行用パワーPdrv*の単位時間当たりの変化量を小さく制限したり、要求トルクTr*や走行用パワーPdrv*の上限値を小さくしたりして、エンジン22やモータMG1,MG2を駆動制御する。このため、外部電源によりバッテリ50を充電した後のモータ走行優先モードでエコスイッチ89がオンとされてエコモードが設定されると、バッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Shvに至るまでは、アクセルペダル83を余程大きく踏み込まない限り(例えば、通常走行モードにおいてアクセル開度Accが90%以上の踏み込み量)、エンジン22は始動されないものとなる。

次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、エンジン22の燃料が劣化したときの動作について説明する。図2は、実施例のHVECU70により実行されるエコモード設定解除処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、システム起動後、所定時間毎(例えば、数msecや数十msec毎)に繰り返し実行される。

エコモード設定解除処理ルーチンが実行されると、まず、燃料劣化判定フラグFとエコスイッチ89からのエコスイッチ信号ECOを入力する処理を実行する(ステップS100)。燃料劣化判定フラグFは、エンジン22に供給される燃料が劣化していないときに初期値としての値0が保持され、燃料が劣化しているときに値1が設定されるものである。燃料が劣化しているか否かの判定は、例えば、前回に燃料の給油が行なわれてから所定期間(例えば、数ヶ月〜1年程度など)が経過したか否かなどによって行なうことができる。実施例のハイブリッド自動車20では、家庭用電源などの外部電源からの電力を用いてバッテリ50を充電可能であることから、近距離の走行しか行なわない(近距離の走行とバッテリ50の充電とを繰り返す)場合、比較的長期間に亘って燃料タンク21の燃料が消費されず、燃料が劣化してしまう場合が生じ得る。このため、こうした燃料の劣化の判定が行なわれる。なお、実施例では、エンジン22の運転が停止されているときに燃料の劣化が判定されたときには、図示しない燃料劣化時駆動制御によりエンジン22が始動され、劣化した燃料の消費の促進が行なわれる。

続いて、入力した燃料劣化判定フラグFの値を調べ(ステップS110)、燃料劣化判定フラグFが値0のときには、燃料は劣化していないため、エコスイッチ信号ECOに基づくモード、即ち、エコスイッチ信号ECOがオンのときにはエコモードを設定し、エコスイッチ信号ECOがオフのときには通常走行モードを設定して(ステップS120)、本ルーチンを終了する。

一方、燃料劣化判定フラグFが値1のときには、燃料が劣化していると判定されているため、その後のエコスイッチ89によるエコモードの設定を禁止したり、そのときにエコモードが設定されているときにはエコモードを解除して通常走行モードとして(ステップS130)、本ルーチンを終了する。このように燃料が劣化していると判定されたときにその後のエコモードを禁止したり設定されているエコモードを解除するのは、燃料の劣化の判定に伴ってエンジン22を始動しても、エコモードの設定によりモータ走行が優先されてエンジン22の運転を停止するのを抑制するためである。これにより、劣化した燃料の消費を促進することができる。

以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、モータ走行中に燃料が劣化していると判定されて燃料劣化判定フラグFが値1とされたときには、その後のエコモードの設定を禁止したり、そのときに設定されているエコモードの設定を解除して通常走行モードとすることにより、エコモードの設定により燃費を優先するためにモータ走行に移行して始動したエンジン22の運転を停止するのを回避することができる。この結果、始動したエンジンの運転を継続し、劣化した燃料の消費を促進することができる。

実施例のハイブリッド自動車20では、モータ走行中に燃料の劣化が判定されたときには、その後のエコモードを禁止したり、そのときに設定されているエコモードを解除するものとしたが、モータ走行中に燃料の劣化が判定されたときに、その後のエコモードを禁止するか、そのときに設定されているエコモードを解除するかの一方のみを行なうものとしてもよい。

実施例のハイブリッド自動車20では、外部電源を用いてバッテリ50を充電する充電器60を備えるものとしたが、充電器60を備えないハイブリッド自動車に適用するものとしてもよい。

実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2からの動力を駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力するものとしたが、図3の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2からの動力を駆動軸36が接続された車軸(駆動輪38a,38bに接続された車軸)とは異なる車軸(図3における車輪39a,39bに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。

実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力をプラネタリギヤ30を介して駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力するものとしたが、図4の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフトに接続されたインナーロータ232と駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に接続されたアウターロータ234とを有しエンジン22からの動力の一部を駆動軸36に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。

実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力をプラネタリギヤ30を介して駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力すると共にモータMG2からの動力を駆動軸36に出力するものとしたが、図5の変形例のハイブリッド自動車320に例示するように、駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に変速機330を介してモータMGを取り付けると共にモータMGの回転軸にクラッチ329を介してエンジン22を接続する構成とし、エンジン22からの動力をモータMGの回転軸と変速機330とを介して駆動軸36に出力すると共にモータMGからの動力を変速機330を介して駆動軸に出力するものとしてもよい。

実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG2が「モータ」に相当し、エコスイッチ89が「モード設定解除スイッチ」に相当し、HVECU70とエンジンECU24とモータECU40が「駆動制御手段」に相当する。

なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。

以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。

本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業などに利用可能である。

20,120,220,320 ハイブリッド自動車、21 燃料タンク、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 駆動輪、39a,39b 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51a 電圧センサ、51b 電流センサ、51c 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、60 充電器、62 リレー、64 DC/DCコンバータ、66 AC/DCコンバータ、68 電源プラグ、69 接続検出センサ、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、89 エコスイッチ、MG1,MG2 モータ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、329 クラッチ、330 変速機。

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