環境に優しい自動車のモーター減磁診断方法

申请号 JP2015236709 申请日 2015-12-03 公开(公告)号 JP2017011983A 公开(公告)日 2017-01-12
申请人 現代自動車株式会社; HYUNDAI MOTOR COMPANY; 发明人 キム、ソン、ミン; リム、ジェ、サン; ユン、キル、ヤン; チャ、ジ、ワン; キム、ヤン、ウン; ロ、ジョン、ウォン;
摘要 【課題】駆動モーターやHSGの永久磁石の不可逆減磁が車両性能に及ぶことができる影響を最小化しながら別のハードウェアの追加使用、コスト増加、又は効率低下なしに駆動モーターやHSGの永久磁石の不可逆減磁状態を正確に診断することができる環境に優しい自動車のモーター減磁診断方法を提供する。 【解決手段】環境に優しい自動車において発電作動時にバッテリーが充電されるモーターの永久磁石の不可逆減磁を診断する方法であって、モーターの作動状態情報を取得する段階;取得されたモーターの作動状態情報から、モーターが発電作動している状態を含む診断進入条件を満足するかどうかを判断する段階;診断進入条件を満足するとき、モーターの不可逆減磁の診断のために、モーターの発電作動によってバッテリーに充電される診断時のDC電流値情報を取得する段階;及び取得された診断時のDC電流値情報を予め保存されている永久磁石の正常状態時のDC電流値情報と比較して不可逆減磁の発生有無を判断する段階を含む。 【選択図】図1
权利要求

環境に優しい自動車において発電作動時にバッテリーが充電されるモーターの永久磁石の不可逆減磁を診断する方法であって、 前記モーターの作動状態情報を取得する段階; 前記取得された前記モーターの作動状態情報から、前記モーターが発電作動している状態を含む診断進入条件を満足するかどうかを判断する段階; 前記診断進入条件を満足するとき、前記モーターの不可逆減磁の診断のために、前記モーターの発電作動によって前記バッテリーに充電される診断時のDC電流値情報を取得する段階;及び 前記取得された診断時のDC電流値情報を予め保存されている永久磁石の正常状態時のDC電流値情報と比較して不可逆減磁の発生有無を判断する段階を含む、環境に優しい自動車のモーター減磁診断方法。前記診断時のDC電流値が前記正常状態時のDC電流値に対して設定比率以下の場合、前記モーターの永久磁石の不可逆減磁が発生したと判断することを特徴とする、請求項1に記載の環境に優しい自動車のモーター減磁診断方法。前記設定比率の値をA、他の設定比率の値をB(B前記不可逆減磁時のトルク補償制御は、 前記正常状態時のDC電流値に対する診断時のDC電流値の比率値αから不可逆減磁時のトルク補償値を計算する段階;及び 前記不可逆減磁時のトルク補償値が反映されたトルク指令値によって前記モーターの発電トルクを制御する段階を含むことを特徴とする、請求項3に記載の環境に優しい自動車のモーター減磁診断方法。前記トルク補償値は、正常状態の前記モーターの発電トルク制御のために、トルク指令とモーター速度によって正常状態時のトルク補償値が設定されているトルク補償テーブルのトルク補償値にトルク指令×(1−α)の値を加えた値に決定されることを特徴とする、請求項4に記載の環境に優しい自動車のモーター減磁診断方法。前記不可逆減磁の発生有無を判断する段階で、α≦Bの状態であれば、前記モーターの永久磁石の不可逆減磁故障を確定し、故障状態を運転者に知らせるための警告装置を作動させることを特徴とする、請求項5に記載の環境に優しい自動車のモーター減磁診断方法。前記永久磁石の正常状態時のDC電流値情報は、正常状態の同一モーターの作動状態が前記モーターの永久磁石の不可逆減磁診断のための前記診断進入条件と同一である条件を満足するとき、前記正常状態の前記モーターの発電作動によって前記バッテリーに充電されるDC電流値情報を、前記診断時のDC電流値情報の取得と同様な方法で取得して保存したものであることを特徴とする、請求項1に記載の環境に優しい自動車のモーター減磁診断方法。前記永久磁石の正常状態時のDC電流値情報は、車両出庫後の初期運行時に前記モーターの状態を正常状態と仮定し、初期運行時の前記モーターの作動状態が前記診断進入条件と同一である条件を満足するときに取得して保存したものであることを特徴とする、請求項7に記載の環境に優しい自動車のモーター減磁診断方法。前記モーターが、ハイブリッド自動車のエンジンに動伝達可能に連結され、前記エンジンの始動及び発電作動の際に前記バッテリーを充電するハイブリッドスターター−ジェネレーター(HSG:Hybrid Starter and Generator)であることを特徴とする、請求項1に記載の環境に優しい自動車のモーター減磁診断方法。前記診断進入条件が、前記エンジンのアイドル運転状態で前記エンジンから伝達される回転力によって前記ハイブリッドスターター−ジェネレーターが発電作動するアイドル充電状態を含むことを特徴とする、請求項9に記載の環境に優しい自動車のモーター減磁診断方法。前記診断進入条件を満足する状態で、前記ハイブリッドスターター−ジェネレーターの発電作動によって前記バッテリーに充電されるDC電流値の設定時間以上のうちの平均値が診断時のDC電流値として求められることを特徴とする、請求項9に記載の環境に優しい自動車のモーター減磁診断方法。前記モーターが車両走行のための駆動源として使われる駆動モーターであることを特徴とする、請求項1に記載の環境に優しい自動車のモーター減磁診断方法。前記診断進入条件が、前記駆動モーターの発電作動状態である回生充電状態を含むことを特徴とする、請求項12に記載の環境に優しい自動車のモーター減磁診断方法。前記診断進入条件が、前記駆動モーターの回生充電が行われるうち前記駆動モーターに対するトルク指令が設定範囲1以下である条件と、前記駆動モーターの温度が設定範囲2以下である条件とをさらに含むことを特徴とする、請求項13に記載の環境に優しい自動車のモーター減磁診断方法。前記診断進入条件を満足するとき、前記駆動モーターのトルク制御のためのトルク指令値を積算し、前記駆動モーターの発電作動によって前記バッテリーに充電されるDC電流値を積算し、前記トルク指令値を積算したトルク指令積算値が設定値に到逹するうちにDC電流値を積算したDC積算値が診断時のDC電流値として求められることを特徴とする、請求項12に記載の環境に優しい自動車のモーター減磁診断方法。

说明书全文

本発明は環境に優しい自動車のモーター減磁診断方法に係り、より詳しくは環境に優しい自動車の駆動モーター又はエンジンの始動及び発電(バッテリー充電)のためのハイブリッドスターター−ジェネレーター(HSG)の永久磁石の不可逆減磁状態を診断する方法に関する。

周知のように、電気自動車(EV:Electric Vehicle)、ハイブリッド自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)、燃料電池自動車(FCEV:Fuel Cell Electric Vehicle)のような環境に優しい自動車においては車両走行のための駆動源としてモーター(駆動モーター)を使っている。

また、駆動モーターを駆動するための電変換装置として高電圧バッテリー(メインバッテリー)や燃料電池のような高電圧電源が供給する電力を変換してモーターに印加するインバーターが搭載されている。

前記駆動モーターはインバーターから電力ケーブルを介して伝達される3相交流電流によって駆動され、インバーターは制御器のPWM(Pulse Width Modulation)信号に応じてパワーモジュールのスイッチング素子がスイッチング駆動されて高電圧電源の直流電流を3相交流電流に変換する。

また、ハイブリッド自動車においては、駆動モーターとともに、車両走行のための他の駆動源としてエンジン(内燃機関)を使っており、さらにエンジンに動力を伝達することができるように連結されたハイブリッドスターター−ジェネレーター(HSG:Hybrid Starter and Generator、以下‘HSG’という)が備えられる。

HSGは、モーターによる作動の際、回転動力をベルトなどを介してエンジンに伝達してエンジンを始動し、エンジンからベルトなどを介して伝達される回転力によって発電を行い、発電時に生成される電気エネルギーで車両のバッテリーを充電することになる。

ハイブリッド自動車のパワートレイン構成のうち、変速機が駆動モーター側に付いているTMED(Transmission Mounted Electric Device)システムにおいて、駆動モーターはEVモード及びHEVモードで車両の駆動源として使われるとともに回生制動に使われ、HSGはエンジンの始動及びアイドル充電の機能をすることになる。

TMEDシステムとは異なり、駆動モーターがないマイルド(Mild)ハイブリッドシステムにおいては、HSGが車両減速又は惰行走行(coasting)の際、エンジンから回転力を受けて発電を行う回生制動に使われるとともにエンジン出力を補助する車両駆動源として使われる。

一方、環境に優しい自動車のモーター、つまり駆動モーターやHSGは永久磁石同期モーター(PMSM:Permanent Magnet Synchronous Motor)であることができ、駆動モーターやHSGのような永久磁石型モーターの場合、減磁可能性の問題点を抱いている。

モーターに使われる永久磁石は温度が上がるに伴って磁束が弱くなり、また温度が低くなれば磁束が回復する特性を持つ。温度が上がるに伴って磁束が弱くなる現象を減磁現象と言う。

また、永久磁石が磁束の回復が可能な領域まで減磁されれば、可逆減磁と言い、磁束の回復が不可能な領域まで減磁されれば、不可逆減磁と言う。不可逆減磁が発生した場合、一定温度以上に温度が上昇してから温度が低くなっても磁束は回復されなくなる。

環境に優しい自動車のモーターにおいて、前記のような永久磁石の不可逆減磁(irreversible demagnetization)が発生すれば、駆動モーター及びHSGの性能が落ちるので、走行性能及び充電性能などの車両の全般的な性能が低下することができる。

また、不可逆減磁がもっと深くなる場合、走行不可、エンジン始動不可、バッテリー損傷などのような致命的な問題が発生し得る。

したがって、車両永久磁石の不可逆減磁状態をモニタリングすることが必要であり、不可逆減磁発生の際、運転者に車両状態を知らせたり車両性能に及ぶ影響を最小化したりすることができる技術が必要である。

しかし、従来の場合、減磁判断のために温度センサーのようなハードウェアが必要であり、センサーなどによる減磁判断は行うが、トルク補償のような減磁発生時の対応技術又は不可逆減磁が車両性能に及ぶ影響を減らすための対応技術の適用は未だないのが実情である。

環境に優しい自動車において永久磁石の不可逆減磁が発生しないようにすることが重要であるため、不可逆減磁が発生した時の対応技術も重要な事項であり、不可逆減磁がそのものだけで大きな問題になり得るが、不可逆減磁が発生したというのは車両に他の問題があり得る可能性も高いことを意味し、よって車両において永久磁石の不可逆減磁をモニタリングすることは不可逆減磁そのものよりも大きな意味を持っている。

環境に優しい自動車において冷却系の故障によってモーターが冷却されない場合や温度センサーの故障によってモーターの温度をモニタリングすることができない場合、モーターが過熱して不可逆減磁が発生し得る。

このように、一旦不可逆減磁が発生すれば、永久磁石の磁気力は元の状態に回復することができなくて車両の出力性能の低下に直接的な影響を及ぼすことになる。

環境に優しい自動車において、モーターに使用された永久磁石の減磁状態を感知することや減磁診断時の対応技術に関連した先行技術文献として、アメリカ特許第6,679,346号には、駆動モーター(traction motor)とHSG(generator motor)に直結された電圧センサーで駆動モーターやHSGの減磁を判断した後、減磁発生を運転者に知らせることで、減磁が発生しなかった他の動力源を用いるようにする技術が開示されている。

しかし、前述した先行技術においては、減磁判断のためのハードウェア、つまり電圧センサーを用いることによるコスト増加の問題点を持っている。

また、大韓民国登録特許第10−1210825号(2012.12.5)には、回転子が停止状態にあるとき、永久磁石の極方向に直流磁界と交流磁界が重畳した複数の磁界を発生させ、この時に発生した磁界のそれぞれに対応して固定子巻線に流れる電流を測定した後、固定子巻線に流れる電流の永久磁石の極方向成分値に対するディファレンシャルインダクタンスの変化推移に基づいて永久磁石の減磁状態と回転子の偏心状態を診断する技術が開示されている。

ここで、ディファレンシャルインダクタンスは、発生した磁界に含まれている交流磁界成分による電流の永久磁石極方向成分値変化量に対する、交流磁界成分から測定された鎖交磁束(flux linkage)の永久磁石極方向成分値変化量に定義される。

しかし、前述した先行技術においては、回転子停止状態で電流を印加するので、モーターの不使用の際、電流印加による効率悪化の問題点を持っている。

アメリカ特許第6,679,346号公報

大韓民国登録特許第10−1210825号公報

したがって、本発明は前記のような問題点を解決するために新たになされたもので、駆動モーターやHSGの永久磁石の不可逆減磁が車両性能に及ぶことができる影響を最小化しながら別のハードウェアの追加使用、コスト増加、又は効率低下なしに駆動モーターやHSGの永久磁石の不可逆減磁状態を正確に診断することができる、環境に優しい自動車のモーター減磁診断方法を提供することにその目的がある。

前述した目的を達成するために、本発明によれば、環境に優しい自動車において発電作動時にバッテリーが充電されるモーターの永久磁石の不可逆減磁を診断する方法であって、前記モーターの作動状態情報を取得する段階;前記取得された前記モーターの作動状態情報から、前記モーターが発電作動している状態を含む診断進入条件を満足するかどうかを判断する段階;前記診断進入条件を満足するとき、前記モーターの不可逆減磁の診断のために、前記モーターの発電作動によって前記バッテリーに充電される診断時のDC電流値情報を取得する段階;及び前記取得された診断時のDC電流値情報を予め保存されている永久磁石の正常状態時のDC電流値情報と比較して不可逆減磁の発生有無を判断する段階を含む、環境に優しい自動車のモーター減磁診断方法を提供する。

前記診断時のDC電流値が前記正常状態時のDC電流値に対して設定比率以下の場合、前記モーターの永久磁石の不可逆減磁が発生したと判断することができる。

前記設定比率の値をA、他の設定比率の値をB(B

前記不可逆減磁時のトルク補償制御は、前記正常状態時のDC電流値に対する診断時のDC電流値の比率値αから不可逆減磁時のトルク補償値を計算する段階;及び前記不可逆減磁時のトルク補償値が反映されたトルク指令値によってモーターの発電トルクを制御する段階を含むことができる。

前記トルク補償値は、正常状態のモーターの発電トルク制御のために、トルク指令と前記モーター速度によって正常状態時のトルク補償値が設定されているトルク補償テーブルのトルク補償値にトルク指令×(1−α)の値を加えた値に決定されることができる。

前記不可逆減磁の発生有無を判断する段階で、α≦Bの状態であれば、前記モーターの永久磁石の不可逆減磁故障を確定し、故障状態を運転者に知らせるための警告装置を作動させることができる。

前記永久磁石の正常状態時のDC電流値情報は、正常状態の同一モーターの作動状態が前記モーターの永久磁石の不可逆減磁診断のための前記診断進入条件と同一である条件を満足するとき、前記正常状態の前記モーターの発電作動によって前記バッテリーに充電されるDC電流値情報を、前記診断時のDC電流値情報の取得と同様な方法で取得して保存したものであってもよい。

前記永久磁石の正常状態時のDC電流値情報は、車両出庫後の初期運行時に前記モーターの状態を正常状態と仮定し、初期運行時の前記モーターの作動状態が前記診断進入条件と同一である条件を満足するときに取得して保存したものであってもよい。

前記モーターが、ハイブリッド自動車のエンジンに動力伝達可能に連結されて前記エンジンの始動及び発電作動の際に前記バッテリーを充電するハイブリッドスターター−ジェネレーター(HSG:Hybrid Starter and Generator)であってもよい。

前記診断進入条件が、エンジンのアイドル運転状態で前記エンジンから伝達される回転力によって前記ハイブリッドスターター−ジェネレーターが発電作動するアイドル充電状態を含むことができる。

前記診断進入条件を満足する状態で、前記ハイブリッドスターター−ジェネレーターの発電作動によって前記バッテリーに充電されるDC電流値の設定時間以上のうちの平均値が診断時のDC電流値として求められることができる。

前記モーターが車両走行のための駆動源として使われる駆動モーターであってもよい。

前記診断進入条件が、前記駆動モーターの発電作動状態である回生充電状態を含むことができる。

前記診断進入条件が、前記駆動モーターの回生充電が行われるうち前記駆動モーターに対するトルク指令が設定範囲1以下である条件と、前記駆動モーターの温度が設定範囲2以下である条件とをさらに含むことができる。

前記診断進入条件を満足するとき、前記駆動モーターのトルク制御のためのトルク指令値を積算し、前記駆動モーターの発電作動によって前記バッテリーに充電されるDC電流値を積算し、前記トルク指令値を積算したトルク指令積算値が設定値に到逹するうちにDC電流値を積算したDC積算値が診断時のDC電流値として求められることができる。

このように、本発明による環境に優しい自動車のモーター減磁診断方法は、発電作動の際、バッテリーに充電されるDC電流とトルク指令値情報を用いて不可逆減磁診断を行うように構成されるので、駆動モーターやHSGの永久磁石の不可逆減磁が車両性能に及ぶことができる影響を最小化しながら別のハードウェアの追加使用、コスト増加、又は効率低下なしに駆動モーターやHSGの永久磁石の不可逆減磁状態を正確に診断することができることになる。

本発明の実施例においてHSGの不可逆減磁診断及び対応過程を示すフローチャートである。

本発明の他の実施例において駆動モーターの不可逆減磁診断及び対応過程を示すフローチャートである。

本発明において電流マップ分析によるロジッグ設定方法を説明するための図である。

以下、添付図面を参照して本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を持った者が容易に実施することができるように詳細に説明する。

本発明は、駆動モーターやHSGの永久磁石の不可逆減磁が車両性能に及ぶことができる影響を最小化しながら別のハードウェアの追加使用、コスト増加、又は効率低下なしに駆動モーターやHSGの永久磁石の不可逆減磁状態を正確に診断することができる、環境に優しい自動車のモーター減磁診断方法を提供しようとするものである。

まず、本発明によるモーターの不可逆減磁診断方法において、ハイブリッド自動車においてHSG(ハイブリッドスターター−ジェネレーター、Hybrid Starter and Generator)の永久磁石の不可逆減磁状態を診断し、不可逆減磁発生時の対応する方法について説明する。

図1はHSGの不可逆減磁診断及び対応過程を示すフローチャートであって、図示のように、HSGの永久磁石に対する不可逆減磁診断を行うための診断進入条件、つまり診断遂行のためのHSGの作動状態条件が予め設定される。

このような診断進入条件は、同一条件での比較のために、後述する実際診断時のDC電流を計算する過程だけでなく正常状態でのDC電流を計算するのにも同様に適用される。

本発明において、HSGの永久磁石の不可逆減磁診断はHSGの作動状態を確認して所定の条件に当たれば遂行するように設定され(S15段階参照)、このような条件は診断比較値を求めて保存しておくための正常状態でのDC電流計算過程にも同様に適用されるものである。

好ましくは、HSGのアイドル充電作動の際に不可逆減磁診断が行われるように設定することができる。

TMEDシステムのパワートレインの構成を持つハイブリッド自動車の場合、同様な一定運転条件(車両停車中の同一運転点)でアイドル充電がなされるので、同一条件の充電の際、バッテリーに印加されているDC電流値(バッテリーに充電されるDC電流)を比較するときに信頼性が高い。

したがって、本発明は、エンジンのアイドル運転状態でエンジンから伝達される回転力によってHSGが発電作動してバッテリーの充電がなされるうち、バッテリーに充電されているDC電流情報を用いて永久磁石の不可逆減磁診断を行うことになる。

前記DC電流情報は制御器が既存にモニタリングしている変数なので、本発明のように不可逆減磁診断のためにDC電流情報を活用する場合、追加的な作業やハードウェアが必要でない。

したがって、同一条件で求められる正常状態でのDC電流情報と実際診断時のDC電流情報を比較してHSGの永久磁石の不可逆減磁を判断することになり、本発明の不可逆減磁診断方法は診断比較値として正常状態でのDC電流情報を求める過程を含む。

HSGの永久磁石の不可逆減磁診断のために、まず、図1に示したように、車両出庫後の初期運行時にはHSGの永久磁石が正常状態であると仮定し、車両が初期運行されるとき、正常状態の際にDC電流値(DC電流_正常)を計算して保存することになる。

この際、初期運行時の正常状態で制御器がHSGのアイドル充電状態を確認した後(S11)、現在アイドル充電状態の場合、HSGの発電作動によってバッテリーに充電されているDC電流値を計算して保存する(S12〜S14)。

不可逆減磁判断のために後述するようにモニタリングするDC電流と同一条件で比較するために正常状態時にDC電流値計算が行われる条件はS11段階でアイドル充電時であると設定される。

また、好適な実施例において、正常状態時のDC電流値(DC電流_正常)はアイドル充電遂行時に所定の設定時間(X)以上のうちのDC電流平均値(Average(DC電流))として取られ(S12〜S14)、設定時間以上のうちのアイドル充電遂行時に平均値を取って使うことによって診断の信頼性を向上させることができる。

HSGの発電作動中にバッテリーに充電されるDC電流値はハイブリッド自動車においてセンサーなどによって既にモニタリングされている変数であり、DC電流値の取得は公知の技術的事項なので、その詳細な説明を省略する。

ついで、追後の車両運行過程でHSGの作動状態情報を取得して確認し(S15)、アイドル充電時であれば不可逆減磁診断過程に進み、アイドル充電状態で同一方式で診断のためのDC電流値を計算する(S16〜S18)。

この際、診断時のDC電流値(DC電流_診断)は、アイドル充電の際、所定の設定時間(X)以上のうちのDC電流平均値として取られ(S16〜S18)、設定時間以上のうちのアイドル充電時に平均値を取って使うことにより診断の信頼性を向上させることができる。

ついで、制御器は、求められた診断時のDC電流値(DC電流_診断)を正常状態時のDC電流値(DC電流_正常)と比較して不可逆減磁有無及び減磁程度を判断することになる。この際、診断時のモニタリングしているDC電流、つまり診断時のDC電流値(DC電流_診断)の保存された正常状態時のDC電流値(DC電流_正常)に対する所定の設定比率が1以下の場合、不可逆減磁と判断する。

すなわち、正常状態時のDC電流(DC電流_正常)に対する診断時のDC電流(DC電流_診断)の比率値、つまり(DC電流_診断)/(DC電流_正常)をαとし、設定比率1の値をAとするとき、α≦Aであれば不可逆減磁が発生したと判断するものである(S19)。

好適な実施例において、不可逆減磁の発生程度によって不可逆減磁によって車両性能に及ぶ影響を最小化することができるようにトルク補償制御を行って対応し(S22)、あるいは故障を確定して警告装置を介して運転者に知らせる過程を行うことができる(S21)。

この際、所定の設定比率2の値をB(B

以下、HSGに対する不可逆減磁判断時に行われるトルク補償制御について説明すれば次のようである。

通常の環境に優しい自動車のモーター、つまり駆動モーターやHSGのトルク制御のために、車両の制御器には下記の表1のようなトルク補償テーブルが備えられており、トルク補償テーブルはトルク軸と速度軸を持ち、トルクと速度によってトルク補償値が設定されているので、前記トルク補償テーブルから求められたトルク補償値を反映して、駆動モーターの回生充電の際、充電トルク(発電トルク)の制御又はHSGの充電トルク(発電トルク)の制御が行われる。

この際、トルク補償テーブルからトルク指令(Tq)とモーター速度(rpm)による補償値が求められれば、トルク指令に補償値を反映し、補償値の反映されたトルク指令によってモーターに対するトルク制御が行われる。

本発明においては、既存のトルク補償テーブル、つまりモーター正常状態でトルク補償値を決定するためのトルク補償テーブルを活用するとともに電流の大きさとトルクの間の線形関係(電流の大きさとトルクは一定の比率を持つ比例線形関係を持つ)を活用して減少した電流比率だけのトルクを追加的に補償することになる。

この際、減少した電流の比率は1−α(ここで、α=(DC電流_診断)/(DC電流_正常))であるので、既存のトルク補償テーブルの各補償値(モーター正常状態で使われるトルク補償値である)に‘トルク指令×(1−α)’の値を加えた値を不可逆減磁時のトルク補償値に決定することになる。

すなわち、不可逆減磁時のトルク補償値は、既存のトルク補償値に加え、不可逆減磁によって減少した電流比率だけのトルク補償値(不可逆減磁時に追加的に補償されるべきトルク=トルク指令×(1−α))をさらに反映した補償値の意味を持つことになる。

前記不可逆減磁時のトルク補償値は、既存のトルク補償テーブルの補償値に‘トルク指令×(1−α)’の値を実時間で掛けることで計算し、あるいは下記の表2のような不可逆減磁時のトルク補償テーブルが予め制御器に入力された状態で表2のテーブルから求めるようにすることができる。

表1及び表2で、‘*’は‘×’を意味する。

このように、トルク補償制御の際、既存のトルク補償テーブルを用いて前記比較されるDC電流値(正常状態時のDC電流及び診断時のDC電流)によって補償されるトルクの比率を計算した後、現在のトルク指令を基準にトルク補償を行うことになる。

このように、不可逆減磁の際、トルク補償値が決定されれば、そのトルク補償値が反映されたトルク指令に従ってHSGの充電トルク制御が行われる。

次に、本発明によるモーターの不可逆減磁診断方法において、駆動モーターの永久磁石の不可逆減磁状態を診断し、不可逆減磁発生時に対応する方法について説明する。

図2は駆動モーターの不可逆減磁診断及び対応過程を示すフローチャートであって、図示のように、駆動モーターの永久磁石に対する不可逆減磁診断を行うための診断進入条件、つまり診断遂行のための駆動モーターの作動状態条件が予め設定される。

このような診断進入条件は、同一条件での比較のために後述する診断時のDC電流(DC電流_診断)を計算する過程だけでなく正常状態時のDC電流(DC電流_正常)を計算するのにも同様に適用される。

駆動モーターに対しては回生(すなわち、発電作動)条件で不可逆減磁診断が行われ、駆動モーターの駆動中に診断すれば、出力値が車両の外部条件(路面摩擦、路面勾配など)の影響を多く受けることになる。

一方、回生時には制御する分だけ回生することになり、診断時の条件が一定で診断信頼性が高くなることができ、よって駆動モーターの回生充電の際、永久磁石に対する不可逆減磁診断が行われるように診断ロジッグが設定できる。

ただ、不可逆減磁の診断進入条件を車両の主要回生運転点に制限することが好ましく、これにより、回生の際、駆動モーターに対するトルク指令(充電トルク指令)が設定範囲1以下であるかを確認し(Y1≦TorqueRef≦Y2)、かつ駆動モーターの温度(T1≦Tm≦T2)が設定範囲2以下であるかを確認する(S31)。

前記のように、一定範囲内のモーター温度を反映する理由は、正常状態時のトルク指令積算量と診断時のトルク指令積算量を比較して両トルク指令積算量が同一であれば同一運転点と仮定することができるが、同一であるとしても運転点は温度によって変わるからであり、よって診断を行うモーター温度範囲を考慮しなければならない。

したがって、本発明においては、前述した条件を満足する場合、駆動モーターが発電作動してバッテリーが充電されるうち、バッテリーに充電されているDC電流情報を用いて永久磁石の不可逆減磁診断を行うことになる。

前記DC電流情報は制御器が既存にモニタリングしている変数なので、本発明のように不可逆減磁診断のためにDC電流情報を活用する場合、追加的な作業やハードウェアが必要でない。

よって、同一条件で求められる正常状態でのDC電流情報と診断時のDC電流情報を比較して駆動モーターの永久磁石の不可逆減磁有無を判断することになる。

駆動モーターの永久磁石の不可逆減磁診断のために、まず、図2に示したように、車両出庫後の初期運行時には駆動モーターの永久磁石が正常状態であると仮定し、車両が初期運行されるとき、正常状態時のDC電流値(DC電流_正常)を計算して保存することになる(S32〜S34)。

この際、初期運行時の正常状態で制御器が駆動モーターの作動状態情報を取得し、それから前述した診断進入条件を満足するかどうかを確認した後(S31)、進入条件を満足する場合、駆動モーターの発電作動によってバッテリーに充電されているDC電流値(DC電流_正常)を計算して保存する(S32〜S34)。

不可逆減磁判断のために、後述するようにモニタリングするDC電流と同一条件で比較するために正常状態時のDC電流値(DC電流_正常)の計算が行われる条件は駆動モーターの永久磁石の不可逆減磁診断が進入する条件、つまり前述した診断進入条件に設定される。

また、好適な実施例において、正常状態時のDC電流値(DC電流_正常)情報は、前述した診断進入条件を満足するとき、条件を満足した時点からDC電流値を積算したDC電流積算値であることができる(S34段階参照)。

また、条件を満足した時点から駆動モーターのトルク制御(充電トルク制御)のためのトルク指令値(充電トルク指令値)(TorqueRef)を積算し、その積算値が所定の設定値(Z)になる時点まで(S33段階参照)DC電流値を積算する。

HSGのアイドル充電時とは異なり、駆動モーターの回生充電は一定の運転点で行われなく、正常状態であるときと不可逆減磁が発生したときのDC電流値を比較するためには、同一運転点又は同一条件を持つ状況で比較しなければならない。

このために、本発明は、トルク積算値を使い、トルク積算値が同一時点で求められたDC電流値情報、つまり正常状態時のDC電流(DC電流_正常)値情報と診断時のDC電流(DC電流_診断)値情報を比較して不可逆減磁の発生を判断することになる。

ここで、正常状態時のDC電流値(DC電流_正常)情報と診断時のDC電流値(DC電流_診断)情報はいずれもDC電流積算値であり、診断進入条件を満足した後、積算されたトルク指令積算値が設定値(Z)になったときまでDC電流を積算したDC電流積算値である。

回生時のトルクとバッテリー充電DC電流は比例関係にあり、運転点が異なっても積算されたトルク量が同一であれば、トルクが積算された時間のうちに積算されたDC電流量も同一になる。

この点を考慮してトルク指令の積算量が設定値(Z)になるまでDC電流値情報としてDC電流を積算してDC電流積算値を計算し、正常状態時のDC電流値情報と不可逆減磁時のDC電流値情報を比較して永久磁石の不可逆減磁の発生を判断することになる。

ただ、トルク急変時にはトルク積算量が変わることができるので、前述した診断進入条件の中でトルク指令(TorqueRef)が設定範囲1以下の条件(Y1

本発明において、トルク指令の範囲は主要回生運転点に制限して設定し、条件を満足する範囲を大きくすることが好ましい。

駆動モーターの回生作動のうちにバッテリーに充電されるDC電流値は環境に優しい自動車においてセンサーなどによって既にモニタリングされている変数で、DC電流値の取得は公知の技術的事項なのでその詳細な説明を省略する。

前記のように、制御器が正常状態時のトルク指令積算値(TorqueRef_正常)とDC電流値情報であるDC電流積算値(DC電流_正常)を積算してから保存することになり(S34)、不可逆減磁を判断するために、同一診断進入条件、つまり回生時、及び設定範囲1以下のトルク指令条件、設定範囲2以下の駆動モーター温度条件で比較を行うので、診断の信頼性を高めることができることになる。

ついで、追後の車両運行過程で駆動モーターの作動状態を確認し(S35)、前述した診断進入条件を満足する場合、不可逆減磁診断過程に進み、正常状態時と同一の方式でトルク指令を積算し、診断のためのDC電流値(DC電流_診断)を計算する(S36)。

この際、診断時のDC電流値(DC電流_診断)は、診断進入条件を満足した後、トルク指令積算値が前記正常状態と同一設定値(Z)になるまで(S37段階参照)DC電流を積算して得たDC電流積算値(TorqueRef_診断)として取られる。

前述したHSGにおいては、不可逆減磁の発生を判断するためのDC電流値(DC電流_診断)情報として設定時間(X)以上のうちのDC電流の平均値を計算して比較値として使うが、駆動モーターではDC電流値(DC電流_診断)情報としてDC電流の積算値を比較値として使用するものである。

ついで、制御器は、求められた診断時のDC電流値(DC電流積算値)(DC電流_診断)を保存された正常状態時のDC電流値(DC電流積算値)(DC電流_正常)と比較して不可逆減磁有無及び減磁程度を判断することになり、診断時のDC電流値(DC電流_診断)が正常状態時のDC電流値(DC電流_正常)に対して所定の設定比率3以下の場合、不可逆減磁と判断する。

すなわち、正常状態時のDC電流(DC電流_正常)に対する診断時のDC電流(DC電流_診断)の比率値、つまり(DC電流_診断)/(DC電流_正常)をαとし、設定比率3の値をAであるとするとき、α≦Aであれば不可逆減磁が発生したと判断する(S39)。

好適な実施例において、不可逆減磁の発生程度によって不可逆減磁によって車両性能に及ぶ影響を最小化することができるようにトルク補償制御によって対応し、あるいは故障を確定して警告装置を介して運転者に知らせる過程を行うことができる。

この際、所定の設定比率4の値をB(B

このように、回生時に行われる駆動モーターの不可逆減磁の診断では、同一条件で正常時と診断時の比較が行われるようにトルク指令積算値を先に比較し(同一設定値(Z)使用)、正常状態と診断時のトルク指令積算値が同一である場合、そのときまで計算されたDC電流積算値であるDC電流値情報を用いて不可逆減磁を判断する。

また、トルク指令積算値を基準にDC電流積算値を比較する場合、駆動モーターの温度によって変わるDC電流量を考慮することができないので、駆動モーターの温度が設定温度範囲(設定範囲2)以下の場合、トルク指令積算を行う。

前記駆動モーターに対する不可逆減磁の判断時に行われるトルク補償制御においては、前述したHSGのトルク補償制御と違いがなく、前述したHSGのトルク補償制御と同一方式で行われることができ、これについての詳細な説明は重複説明であるので省略する。

駆動モーターの不可逆診断において、前述した診断進入条件が駆動モーター温度範囲条件を含んでいるので、温度によるDC電流変化量の誤差を減らすことができるが、正確なDC電流値の取得のためにモーター温度条件をあまり狭く選定すると、随時変わるモーター温度のため、診断を施行する回数が大きく減って診断機能が低下し得る。

したがって、積算するトルク指令値(TorqueRef)の範囲を相対的に温度に敏感でない領域に選定する場合、モーター温度による影響を減らすことができ、温度範囲をより広く決定することができるので、診断施行回数を増やす効果を得ることができる。

ハイブリッド自動車のような通常の環境に優しい自動車には、温度、車速条件、トルク指令値によって電流指令値を設定した電流マップが適用されており、温度の影響は速度とトルクによって違う影響を受ける。

したがって、適用される電流マップを分析すれば、温度による電流指令の変化が小さい区間を把握することができ、かつ電流指令の変化幅が分かるので、不可逆減磁を決定する電流の比率を算定するときに活用すれば信頼性を一層高めることができることになる。

例えば、一定温度区間での電流指令の変化率が5%以下であれば、不可逆減磁を決定する電流の比率は5%の誤差を反映して、より高い比率で電流が減少する場合、不可逆減磁と判断するようにするものである。

より詳細に説明すれば、図3に示したように、主要運転点を考慮するとともに所定の高トルク範囲を除きながら電流変化が温度の影響を少なく受けるトルク区間を把握し、把握されたトルク区間をトルク指令(TorqueRef)を積算する設定範囲1を設定するのに反映するものである。

また、電流マップにおいて電流変化が温度の影響を少なく受ける区間で電流変化率を把握し、把握された電流変化率を不可逆減磁判断比率値(A、B)を選定するのに反映する。

これにより、温度によるDC電流変化の影響を最小化することができ、誤診断を最小化することができる。

以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲がこれに限定されるものではなく、次の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を用いる当業者の多くの変形及び改良形態も本発明の権利範囲に含まれる。

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