車両用エンジン始動制御システム

申请号 JP2015089756 申请日 2015-04-24 公开(公告)号 JP2016203872A 公开(公告)日 2016-12-08
申请人 トヨタ自動車株式会社; 发明人 緒方 雅俊; 加藤 宏和; 大網 菜津美;
摘要 【課題】電動パーキングブレーキ装置を運転者からの入 力 に応じて作動可能な構成としつつ、アイドルストップ制御に伴うエンジンの再始動時のバッテリへの負荷及び電力の無駄を低減する。 【解決手段】バッテリ80に接続されるスタータ30と、エンジンを自動的に停止し、前記スタータによりエンジンを自動的に再始動させるアイドルストップ制御部12と、運転者からの入力に応答して作動要求を生成する入力手段と、前記バッテリに接続される電気モータ42を含み、前記作動要求に応答して前記電気モータが駆動する電動パーキングブレーキ装置40と、所定の作動要求に応答して前記電気モータが駆動状態である場合に、前記アイドルストップ制御部によるエンジンの再始動を禁止すると共に、前記アイドルストップ制御部によるエンジンの再始動中である場合に、前記所定の作動要求に応答した前記電気モータの駆動を禁止する調停部とを含む。 【選択図】図1
权利要求

バッテリに接続されるスタータと、 エンジンを自動的に停止し、前記スタータによりエンジンを自動的に再始動させるアイドルストップ制御部と、 運転者からの入に応答して作動要求を生成する入力手段と、 前記バッテリに接続される電気モータを含み、前記作動要求に応答して前記電気モータが駆動する電動パーキングブレーキ装置と、 所定の作動要求に応答して前記電気モータが駆動状態である場合に、前記アイドルストップ制御部によるエンジンの再始動を禁止すると共に、前記アイドルストップ制御部によるエンジンの再始動中である場合に、前記所定の作動要求に応答した前記電気モータの駆動を禁止する調停部とを含む、車両用エンジン始動制御システム。前記作動要求は、前記電動パーキングブレーキ装置によって車輪に制動力が付与されることを要求する加圧要求、及び、前記電動パーキングブレーキ装置によって車輪に付与した制動力を解除することを要求する解除要求を含み、 前記所定の作動要求は、前記加圧要求及び前記解除要求のうちの少なくともいずれか一方を含む、請求項1に記載の車両用エンジン始動制御システム。

说明书全文

本発明は、車両用エンジン始動制御システムに関する。

パーキングブレーキを電動モータで自動作動させる電動パーキングブレーキシステム、及びエンジンを自動停止させるアイドルストップシステムを備えた車両に適用されるパーキングブレーキ制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このパーキングブレーキ制御装置は、アイドルストップの実施に伴い、制動を付与する方向にパーキングブレーキを自動作動させるパーキングブレーキ制御手段と、アイドルストップを解除してエンジンを自動再始動させる要求が生じている時に、制動力を解除する方向にパーキングブレーキを自動作動させるパーキングブレーキ解除手段とを備える。パーキングブレーキ解除手段は、車両の発進駆動力が所定値以上になっていることを条件として、自動解除を許可する。

特開2012-035773号公報

しかしながら、上記の特許文献1に記載の構成では、アイドルストップの制御状態に連動して電動パーキングブレーキが自動的に作動されるので、電動パーキングブレーキの作動は、運転者の意思とは無関係に実現され、運転者の意思を反映できないという問題がある。

他方、運転者の意思を反映するために、電動パーキングブレーキ装置を運転者からの入力に応じて作動可能な構成とすると、エンジンの再始動と電動パーキングブレーキ装置の作動とが同時に行われ、バッテリへの負荷が大きくなる場合があり得る。エンジンの再始動時にはスタータが駆動し、電動パーキングブレーキ装置の作動時には電気モータが駆動し、それぞれの駆動にバッテリの電力が使用されるためである。

この点、エンジンの再始動と電動パーキングブレーキ装置の作動間で一定の優先関係を持たさせることも可能であるが、かかる場合は、一方の動作を他方の動作の開始のために中止させる必要が生じ、電力の無駄が生じうる。例えば、常に電動パーキングブレーキ装置の作動を優先させる場合、エンジンの再始動中に電動パーキングブレーキ装置の作動要求が発生した場合に、エンジンの再始動(スタータの駆動)を中止することになり、電力の無駄が生じうる。

そこで、本発明は、電動パーキングブレーキ装置を運転者からの入力に応じて作動可能な構成としつつ、アイドルストップ制御に伴うエンジンの再始動時のバッテリへの負荷及び電力の無駄を低減できる車両用エンジン始動制御システムの提供を目的とする。

上記目的を達成するため、本発明によれば、バッテリに接続されるスタータと、 エンジンを自動的に停止し、前記スタータによりエンジンを自動的に再始動させるアイドルストップ制御部と、 運転者からの入力に応答して作動要求を生成する入力手段と、 前記バッテリに接続される電気モータを含み、前記作動要求に応答して前記電気モータが駆動する電動パーキングブレーキ装置と、 前記作動要求に応答して前記電気モータが駆動状態である場合に、前記アイドルストップ制御部によるエンジンの再始動を禁止すると共に、前記アイドルストップ制御部によるエンジンの再始動中である場合に、前記作動要求に応答した前記電気モータの駆動を禁止する調停部とを含む、車両用エンジン始動制御システムが提供される。

本発明によれば、電動パーキングブレーキ装置を運転者からの入力に応じて作動可能な構成としつつ、アイドルストップ制御に伴うエンジンの再始動時のバッテリへの負荷及び電力の無駄を低減できる車両用エンジン始動制御システムが得られる。

本発明の一例による車両用エンジン始動制御システム1の説明図である。

アイドルストップ制御部12により実行される処理の一部を示すフローチャート(その1)である。

アイドルストップ制御部12により実行される処理の一部を示すフローチャート(その2)である。

調停部16により実行される処理の一部(再始動禁止フラグに関連する部分)を示すフローチャートである。

EPB制御部14により実行される処理を示すフローチャートである。

調停部16により実行される処理の一部(EPB駆動禁止フラグに関連する部分)を示すフローチャートである。

エンジン再始動時の各種状態の時系列変化の一例を示すタイミングチャートである。

エンジン再始動時の各種状態の時系列変化の他の一例を示すタイミングチャートである。

以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。

図1は、本発明の一例による車両用エンジン始動制御システム1の説明図であり、(A)は、車両用エンジン始動制御システム1の構成図である。(B)は、電動パーキングブレーキ装置40の一例を概略的に示す図である。

車両用エンジン始動制御システム1は、図1(A)に示すように、制御装置10と、スタータ30と、電動パーキングブレーキ装置40と、EPB(Electric Parking Brake)スイッチ50とを含む。

制御装置10は、コンピューター、例えばECU(Electronic Control Unit)により形成される。制御装置10は、複数のコンピューターにより実現されてもよい。制御装置10には、スタータ30、電気モータ42及びEPBスイッチ50が接続される。

制御装置10は、アイドルストップ制御部12と、EPB制御部14と、調停部16とを含む。

アイドルストップ制御部12は、アイドルストップ制御を実行する。アイドルストップ制御は、S&S(Stop & Start)とも称される。アイドルストップ制御部12は、エンジン作動中に停止条件が成立した場合にエンジン(図示せず)を自動的に停止させる。例えば、以下の条件(1)〜(3)のすべて満たされる場合に、停止条件が成立する。 条件(1):自車両の車速が所定車速以下であること。 条件(2):アクセルペダルが踏まれていないこと。 条件(3):ブレーキブースター内の負圧が所定閾値より真空側であること。 尚、条件(1)〜(3)は一例であり、適宜変更可能である。また、条件(1)〜(3)に対するアンド条件として、運転者のブレーキの操作状態や空調状態やバッテリの充電状態(SOC:State Of Charge)に関する条件が付加されてもよい。以下、アイドルストップ制御部12がエンジンを自動的に停止させることを、「エンジン自動停止」と称する。アイドルストップ制御部12は、エンジンへの燃料供給を停止(燃料カット)することで、エンジン自動停止を開始させる。アイドルストップ制御部12は、停止条件の成立に伴いエンジンの自動停止を開始した場合、S&S中フラグを"1"に設定する。尚、アイドルストップ制御部12は、S&S中フラグが"0"である間、停止条件の成立の有無を周期的に判定してよい。

アイドルストップ制御部12は、エンジン自動停止中又はエンジン自動停止完了後、再始動条件が成立した場合に、スタータ30を駆動してエンジンを自動的に再始動させる。エンジン自動停止中とは、エンジン自動停止が開始されてから、エンジン回転数が0になるまでの期間を指す。ただし、アイドルストップ制御部12は、再始動条件が成立した場合であっても、調停部16によりエンジンの再始動が禁止されうる。これについては、後述する。

EPB制御部14は、電気モータ42を制御する。EPB制御部14は、EPBスイッチ50の操作状態に応じて生成される加圧要求又は解除要求に応じて、電気モータ42を駆動する。加圧要求は、電動パーキングブレーキ装置によって車輪に制動力が付与されることを要求する信号であり、解除要求は、電動パーキングブレーキ装置によって車輪に付与した制動力を解除することを要求する信号である。

調停部16の動作例は後述する。

スタータ30は、バッテリ80に接続される。スタータ30は、バッテリ80の電力により駆動する。スタータ30は、アイドルストップ制御部12により制御される。スタータ30は、エンジンの始動時(再始動時を含む)に駆動される。

電動パーキングブレーキ装置40は、図1(B)に示すように、電気モータ42と、ギア機構43と、ケーブル44とを含む。また、電動パーキングブレーキ装置40は、EPB制御部14を含む。

電気モータ42は、ギア機構43やケーブル44等と共に、例えば後輪に対して設けられる。電気モータ42は、図1(A)に示すように、バッテリ80に接続される。電気モータ42は、バッテリ80の電力により駆動する。電気モータ42の駆動力は、ギア機構43やケーブル44を介してパーキング用のブレーキシュー63に伝達される。これにより、ブレーキシュー63がブレーキドラム64に押し付けられて、その摩擦力により制動力(パーキングブレーキ力)が付与される。

電気モータ42は、EPB制御部14により制御される。EPB制御部14は、加圧要求に応答して、車輪に制動力を付与する方向に電気モータ42を駆動する。以下、車輪に制動力を付与する方向に電気モータ42を駆動することを「加圧駆動」とも称する。例えば、EPB制御部14は、電気モータ42を正転駆動してケーブル44を引っ張り、車輪をロックし、ロック後、電気モータ42の正転駆動を停止してギア機構43の保持装置によりロック状態を保持させる。EPB制御部14は、解除要求に応答して、車輪に付与した制動力を解除する方向に電気モータ42を駆動する。以下、車輪に付与した制動力を解除する方向に電気モータ42を駆動することを「解除駆動」とも称する。例えば、EPB制御部14は、電気モータ42を逆転駆動してケーブル44のテンションを緩めるようにギア機構43を作動させる。

EPBスイッチ50は、車室内に設けられる。EPBスイッチ50は、運転者からの入力に応答して加圧要求又は解除要求を生成する。EPBスイッチ50は、例えばモーメンタリスイッチの形態であってよい。この場合、電動パーキングブレーキ装置40の解除状態でEPBスイッチ50が押されたときに生成される電気信号が加圧要求となり、電動パーキングブレーキ装置40の加圧状態でEPBスイッチ50が押されたときに生成される電気信号が解除要求となる。

次に、図2乃至図8を参照して、車両用エンジン始動制御システム1の動作例について説明する。

図2は、アイドルストップ制御部12により実行される処理の一部(エンジンの再始動に関連する部分)を示すフローチャートである。図2に示す処理は、所定周期毎に実行される。

ステップS200では、アイドルストップ制御部12は、S&S中フラグが"1"であるか否かを判定する。S&S中フラグは、上述の如く停止条件の成立に伴いエンジンの自動停止を開始した場合に"1"にセットされる。S&S中フラグが"1"である場合は、ステップS202に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理を終了する。

ステップS202では、アイドルストップ制御部12は、再始動中フラグが"0"であるか否かを判定する。再始動中フラグの初期値は"0"である。再始動中フラグが"0"である場合は、ステップS204に進み、それ以外の場合は図3のステップS302に進む。

ステップS204では、アイドルストップ制御部12は、再始動条件成立フラグが"0"であるか否かを判定する。再始動条件成立フラグの初期値は"0"である。再始動条件成立フラグが"0"である場合は、ステップS206に進み、それ以外の場合は、ステップS210に進む。

ステップS206では、アイドルストップ制御部12は、再始動条件が成立したか否かを判定する。例えば、再始動条件は、以下の条件(4)〜(6)の1つでも満たされなくなった場合に成立する。 条件(4):自車両の車速が所定車速以下であること。 条件(5):アクセルペダルが踏まれていないこと。 条件(6):ブレーキブースター内の負圧が所定閾値より真空側であること。 尚、マニュアルトランスミッション車の場合、再始動条件は、シフトレンジがN(ニュートラル)以外である場合に、満たされてよい。また、再始動条件は、EPBスイッチ50の操作により解除要求が生成された場合や、EPBスイッチ50の操作により加圧要求が生成された場合に、かかるイベントのみに基づいて満たされることはない。 再始動条件が成立した場合は、ステップS208に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理を終了する。

ステップS208では、アイドルストップ制御部12は、再始動条件成立フラグを"1"にセットする。再始動条件成立フラグが"1"であることは、エンジンの始動要求が発生している状態を表す。

ステップS210では、アイドルストップ制御部12は、再始動禁止フラグが"0"であるか否かを判定する。再始動禁止フラグの初期値は"0"である。再始動禁止フラグの状態は、図4を参照して後述するように調停部16により変更される。再始動禁止フラグが"0"である場合は、ステップS212に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理を終了する。

ステップS212では、アイドルストップ制御部12は、エンジンの再始動を開始する。具体的には、アイドルストップ制御部12は、スタータ30の駆動を開始する。尚、アイドルストップ制御部12は、エンジンの再始動を開始する前に、エンジンの再始動が可能であるか否かを判定してもよい。例えばマニュアルトランスミッション車の場合、クラッチペダルが踏み込まれていない場合は、エンジンの再始動が可能でないと判定してよい。エンジンの再始動が可能でない場合は、警告等が出力されてよい。また、アイドルストップ制御部12は、ステップS210の判定結果が"YES"の場合に、所定時間(例えば100ms)後にスタータ30の駆動を開始してもよい。

ステップS214では、アイドルストップ制御部12は、再始動中フラグを"1"にセットする。

図3は、アイドルストップ制御部12により実行される処理の一部(再始動に関連する部分)を示すフローチャートである。図3に示す処理は、図2のステップS202の判定結果が"NO"である場合に実行される。

ステップS302では、アイドルストップ制御部12は、エンジンの再始動が未だ終了していないか否かを判定する。アイドルストップ制御部12は、エンジン回転数が所定のアイドル回転数未満である場合に、エンジンの再始動が未だ終了していないと判定する。或いは、アイドルストップ制御部12は、スタータ30の作動完了後から所定時間経過していない場合、エンジンの再始動が未だ終了していないと判定してもよい。エンジンの再始動が未だ終了していない場合は、ステップS306に進み、それ以外の場合(即ちエンジンの再始動が完了した場合)、ステップS308に進む。

ステップS306では、アイドルストップ制御部12は、エンジンの再始動を継続する。例えば、アイドルストップ制御部12は、スタータ30の駆動を継続する。

ステップS308では、アイドルストップ制御部12は、再始動中フラグを"0"にセットする。

ステップS310では、アイドルストップ制御部12は、再始動条件成立フラグを"0"にセットする。

ステップS312では、アイドルストップ制御部12は、S&S中フラグを"0"にセットする。

図2及び図3に示す処理によれば、アイドルストップ制御部12は、再始動条件が成立した場合であっても、調停部16によりエンジンの再始動が禁止されうる。具体的には、ステップS206の判定結果が"YES"となった場合でも、再始動禁止フラグが"1"である場合には、ステップS210の判定結果が"NO"となり、ステップS212の処理が実行されない。即ち、この場合、エンジンの再始動が禁止される。

図4は、調停部16により実行される処理の一部(再始動禁止フラグに関連する部分)を示すフローチャートである。図4に示す処理は、所定周期毎に実行される。

ステップS402では、調停部16は、電気モータ42が駆動状態であるか否かを判定する。本実施例では、調停部16は、加圧要求に応答して電気モータ42が駆動状態である場合と、解除要求に応答して電気モータ42が駆動状態である場合のいずれの場合も、電気モータ42が駆動状態であると判定する。調停部16は、電気モータ42が駆動状態であるか否かを、EPB制御部14からの制御情報に基づいて判断できる。或いは、調停部16は、加圧要求及び解除要求の発生状態に基づいて、電気モータ42が駆動状態であるか否かを判定できる。例えば、調停部16は、加圧要求及び解除要求の発生時から所定時間内は、電気モータ42が駆動状態であると判定してもよい。所定時間は、電気モータ42の駆動開始から完了までに要する時間に相当し、事前に試験等に基づいて導出されてよい。或いは、調停部16は、電気モータ42を流れる電流の検出値に基づいて、電気モータ42が駆動状態であるか否かを判定してもよい。電気モータ42が駆動状態である場合は、ステップS404に進み、それ以外の場合は、ステップS408に進む。

ステップS404では、調停部16は、再始動禁止フラグが"0"であるか否かを判定する。再始動禁止フラグが"0"である場合は、ステップS406に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理を終了する。

ステップS406では、調停部16は、再始動禁止フラグを"1"にセットする。

ステップS408では、調停部16は、再始動禁止フラグが"1"であるか否かを判定する。再始動禁止フラグが"1"である場合は、ステップS410に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理を終了する。

ステップS410では、調停部16は、再始動禁止フラグを"0"にセットする。

図4に示す処理によれば、調停部16は、電気モータ42が駆動状態である場合に再始動禁止フラグを"1"にセット及び維持できる。再始動禁止フラグが"1"であるときは、上述の如く、アイドルストップ制御部によるエンジンの再始動が禁止される(図2のステップS210の"NO")。このようにして、図2乃至図4に示す処理によれば、電気モータ42が駆動状態である場合にアイドルストップ制御部によるエンジンの再始動を禁止できる。

図5は、EPB制御部14により実行される処理を示すフローチャートである。図5に示す処理は所定周期毎に実行される。

ステップS802では、EPB制御部14は、EPB異常フラグが"0"であるか否かを判定する。EPB異常フラグが"1"である状態は、電動パーキングブレーキ装置40の異常が検出された状態を表す。EPB異常フラグの初期値は"0"である。EPB異常フラグが"0"である場合は、ステップS804に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理を終了する。

ステップS804では、EPB制御部14は、EPB駆動中フラグが"0"であるか否かを判定する。EPB駆動中フラグの初期値は"0"である。EPB駆動中フラグが"0"である場合は、ステップS806に進み、それ以外の場合はステップS812に進む。

ステップS806では、EPB制御部14は、加圧要求及び解除要求のいずれかが生成されたか否かを判定する。加圧要求及び解除要求のいずれかが生成された場合は、ステップS808に進み、それ以外の場合(加圧要求及び解除要求のいずれも生成されない場合)は、今回周期の処理を終了する。

ステップS808では、EPB制御部14は、EPB駆動禁止フラグが"0"であるか否かを判定する。EPB駆動禁止フラグの初期値は"0"である。EPB駆動禁止フラグの状態は、図6を参照して後述するように調停部16により変更される。EPB駆動禁止フラグが"0"である場合は、ステップS810に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理を終了する。

ステップS810では、EPB制御部14は、EPB制御部14は、EPB駆動中フラグを"1"にセットする。

ステップS812では、EPB制御部14は、電気モータ42の駆動(加圧駆動又は解除駆動)が未だ完了していないか否かを判定する。加圧駆動又は解除駆動が未だ完了していない場合は、ステップS814に進み、それ以外の場合は、ステップS820に進む。

ステップS814では、EPB制御部14は、EPBスイッチ50の操作により生成された加圧要求又は解除要求(ステップS806の判定結果を"YES"にした要求)に応じて、加圧駆動又は解除駆動を開始又は継続する。尚、加圧駆動又は解除駆動を開始する際、EPB制御部14は、ステップS808の判定結果が"YES"の場合に、所定時間(例えば1処理周期)後に加圧駆動又は解除駆動を開始してもよい。

ステップS816では、EPB制御部14は、電動パーキングブレーキ装置40が正常であるか否かを判定する。電動パーキングブレーキ装置40が正常であるか否かは、電気モータ42の作動状態等に基づいて判定できる。電動パーキングブレーキ装置40が正常である場合は、今回周期の処理を終了し、それ以外の場合は、ステップS818に進む。

ステップS818では、EPB制御部14は、EPB異常フラグを"1"にセットする。ステップS818の処理を終了すると、ステップS820に進む。

ステップS820では、EPB制御部14は、EPB駆動中フラグを"0"にセットする。

図5に示す処理によれば、EPB制御部14は、加圧要求又は解除要求が生成された場合であっても、EPB駆動禁止フラグが"1"である場合には、加圧駆動又は解除駆動が禁止される(ステップS808の"NO")。

図6は、調停部16により実行される処理の一部(EPB駆動禁止フラグに関連する部分)を示すフローチャートである。図6に示す処理は所定周期毎に実行される。

ステップS900では、調停部16は、アイドルストップ制御部12によるエンジンの再始動中であるか否かを判定する。エンジンの再始動中であるか否かは、再始動中フラグが"1"であるか否かに基づいて判定できる。或いは、調停部16は、再始動中フラグが"1"であるか否かに代えて、再始動条件成立フラグが"1"であるか否かを判定してもよい。或いは、調停部16は、再始動中フラグ(又は再始動条件成立フラグ)が"1"になってからスタータ30の駆動が完了まで、エンジンの再始動中であると判定してもよい。スタータ30が駆動状態は、アイドルストップ制御部12からの情報(フラグ)に基づいて判定できる。エンジンの再始動中である場合は、ステップS902に進み、それ以外の場合は、ステップS906に進む。

ステップS902では、調停部16は、EPB駆動禁止フラグが"0"であるか否かを判定する。EPB駆動禁止フラグが"0"である場合は、ステップS904に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理を終了する。

ステップS904では、調停部16は、EPB駆動禁止フラグを"1"にセットする。

ステップS906では、調停部16は、EPB駆動禁止フラグが"1"であるか否かを判定する。EPB駆動禁止フラグが"1"である場合は、ステップS908に進み、それ以外の場合は、今回周期の処理を終了する。

ステップS908では、調停部16は、EPB駆動禁止フラグを"0"にセットする。

図6に示す処理によれば、調停部16は、エンジンの再始動中に、EPB駆動禁止フラグを"1"にセット及び維持できる。EPB駆動禁止フラグが"1"であるときは、上述の如く、EPB制御部14による加圧駆動又は解除駆動が禁止される(図8のステップS808の"NO")。このようにして、図6に示す処理によれば、エンジンが再始動中である場合にEPB制御部14による電気モータ42の加圧駆動又は解除駆動を禁止できる。

図7は、エンジン再始動時の各種状態の時系列変化の一例を示すタイミングチャートである。図7に示す時系列変化は、図2乃至図4に示す処理により実現される。図7には、上から、エンジンの状態(ENG状態)、再始動条件成立フラグ(始動要求)の状態、電気モータ42の状態(EPB状態)、EPBスイッチ50の状態(EPB SW)、及び、再始動禁止フラグの状態が示される。エンジンの状態は、アイドル状態は"アイドル"で表記され、燃料カット状態は"F/C"で表記され、エンジン自動停止完了後の再始動前の状態は"S&S中"で表記され、エンジン再始動状態は"ENG始動中"で表記されている。また、電気モータ42の状態は、加圧要求に伴う駆動状態(加圧駆動状態)が"加圧駆動状態"で表記され、加圧要求に伴う駆動が終了した状態が"加圧状態"で表記されている。"加圧状態"は、加圧駆動完了後に形成され、電動パーキングブレーキ装置による制動力が付与されている状態に対応する。"解除状態"とは、電動パーキングブレーキ装置による制動力が付与されていない状態に対応する。"加圧状態"及び"解除状態"は、電気モータ42が駆動(通電)されていない点で共通する。

図7に示す例では、エンジン自動停止完了後、時刻t0にて運転者がEPBスイッチ50を操作することで加圧要求が発生し、それに応じて、電気モータ42が加圧駆動される。これに伴い、再始動禁止フラグが"1"にセットされる。図7に示す例では、この加圧駆動状態において、時刻t1にて再始動条件が成立(ステップS206の"YES")する。しかしながら、再始動禁止フラグが"1"であるので、エンジンの再始動は開始されない(ステップS210の"NO")。この禁止状態は、加圧駆動状態が終了して再始動禁止フラグが"0"になる時刻t2まで継続される。時刻t2では、再始動禁止フラグが"0"になり、エンジンの再始動は開始される(ステップS212)。図7に示す例では、エンジンの再始動中に再始動禁止フラグが"0"のままであるので、エンジンの再始動が中止されることなく時刻t3にて完了する(ステップS302の"NO")。

尚、図7に示す例では、加圧駆動に関するものであるが、解除駆動に対しても同様である。これは、図4の処理によれば、上述の如く、調停部16は、加圧要求に応答して電気モータ42が駆動状態(加圧駆動状態)である場合と、解除要求に応答して電気モータ42が駆動状態(解除駆動状態)である場合のいずれの場合も、再始動禁止フラグを"1"にセット・維持するためである。

図8は、エンジン再始動時の各種状態の時系列変化の他の一例を示すタイミングチャートである。図8に示す時系列変化は、図2、図5及び図6に示す処理により実現される。図8には、上から、エンジンの状態(ENG状態)、再始動中フラグ(始動要求)の状態、電気モータ42の状態(EPB状態)、EPBスイッチ50の状態(EPB SW)、及び、EPB駆動禁止フラグの状態が示される。表記については、図7と同様である。尚、電気モータ42の状態は、解除要求に伴う駆動状態(解除駆動状態)が"解除駆動状態"で表記されている。

図8に示す例では、エンジン自動停止完了後、時刻t0に再始動条件が成立(ステップS206の"YES")する。このとき、再始動禁止フラグが"0"であり(ステップS210の"YES")、エンジンの再始動が開始される(ステップS212)。また、時刻t0では再始動条件の成立に伴い、ステップS900の判定結果が"YES"となり、EPB駆動禁止フラグが"1"にセットされる。時刻t1にて、運転者がEPBスイッチ50を操作することで解除要求が発生する。このとき、EPB駆動禁止フラグが"1"であるので、時刻t1に発生した解除要求に応じた解除駆動は禁止される(ステップS808の"NO")。この禁止状態は、エンジンの再始動が完了してEPB駆動禁止フラグが"0"になる時刻t2まで継続される(ステップS908)。時刻t2後の時刻t3に、運転者がEPBスイッチ50を再び操作することで解除要求が発生する。時刻t3ではエンジンは作動状態であるので、EPB駆動禁止フラグが"1"でない。従って、時刻t3に生成された解除要求に応答して電気モータ42が解除駆動される(ステップS814)。図8に示す例では、電気モータ42の解除駆動状態は時刻t4にて完了する(ステップS812の"NO")。

尚、図8に示す例では、解除駆動に関するものであるが、加圧駆動に対しても同様である。これは、図5の処理によれば、上述の如く、調停部16は、EPB駆動禁止フラグが"1"である場合に、加圧要求及び解除要求のいずれに対しても、その要求に応答した電気モータ42の駆動を禁止するためである。

本実施例によれば、電気モータ42が駆動状態(加圧駆動状態及び解除駆動状態)である場合に、アイドルストップ制御部12によるエンジンの再始動を禁止できる。従って、電気モータ42の駆動状態と、アイドルストップ制御部12によるエンジンの再始動のためのスタータ30の駆動状態とが同時に形成されることを防止できる。これにより、エンジンの再始動時に電気モータ42の駆動状態とスタータ30の駆動状態とが同時に形成されうる構成に比べて、バッテリ80への負荷を低減できる。この結果、電気モータ42の駆動とスタータ30の駆動が同時に行われたときに生じる不都合、典型的には、バッテリ80の電圧降下に起因して電気モータ42の駆動及び/又はスタータ30の駆動が所望の態様で実現されなくなる不都合、を低減できる。

また、本実施例によれば、アイドルストップ制御部12によるエンジンの再始動中である場合、電気モータ42の駆動(加圧駆動及び解除駆動)を禁止できる。従って、電気モータ42の駆動状態と、アイドルストップ制御部12によるエンジンの再始動のためのスタータ30の駆動状態とが同時に形成されることを防止できる。これにより、エンジンの再始動時に電気モータ42の駆動状態とスタータ30の駆動状態とが同時に形成されうる構成に比べて、バッテリ80への負荷を低減できる。

このように、本実施例によれば、電気モータ42が駆動状態である場合は、エンジンの再始動条件が成立した場合であっても、電気モータ42の駆動状態が解除(中止)されないので、かかる中止に起因した電力の無駄を低減できる。また、エンジンの再始動中である場合は、加圧要求又は解除要求が生成された場合であっても、エンジンの再始動状態が解除(中止)されないので、かかる中止に起因した電力の無駄を低減できる。

また、本実施例によれば、電動パーキングブレーキ装置40は、EPBスイッチ50を介した運転者からの入力に応答して作動される。即ち、EPB制御部14は、EPB駆動禁止フラグが"0"である場合、加圧要求に応答して電気モータ42を加圧駆動させると共に、解除要求に応答して電気モータ42を解除駆動させる。従って、本実施例によれば、電動パーキングブレーキ装置40を運転者からの入力に応じて作動可能な構成とすることができ、運転者の意思を反映した駆動態様を実現できる。

以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。

例えば、上述した実施例では、電動パーキングブレーキ装置の作動はEPBスイッチ50からの入力に応じて実現されているが、他のモードとして、自動モードが選択可能とされてもよい。この場合、自動モードでは、電動パーキングブレーキ装置の作動(電気モータ42の加圧駆動や解除駆動)は、例えばアイドルストップ制御部12の制御状態に応じて自動的に実現される。

また、上述した実施例において、EPBスイッチ50は、加圧状態のみならず加圧駆動状態においても解除要求を生成可能な構成であってもよく、同様に、解除状態のみならず解除駆動状態においても加圧要求を生成可能な構成であってもよい。

また、図3に示す処理では、アイドルストップ制御部12は、再始動条件が成立したにも拘らずエンジンの再始動を禁止する場合(ステップS210の"NO")に、再始動条件成立フラグを"0"に変化させない。これにより、一旦、再始動条件が成立した場合に、再始動禁止フラグが"1"であることに起因してエンジンの再始動が禁止された場合でも、再始動条件を再度判定することなく、電気モータ42の駆動完了後(即ち再始動禁止フラグが"0"となった時点)にエンジンを再始動させることができる。但し、ステップS210の判定結果が"NO"である場合に、アイドルストップ制御部12は、再始動条件成立フラグを"0"に変化させてもよい。この場合、再始動条件が再度判定されることになる(ステップS206参照)。

また、図5に示す例では、解除要求(加圧要求についても同様、以下同じ)が一旦発生した場合でも、EPB駆動禁止フラグが"1"であることに起因して当該解除要求に係る解除駆動が禁止された場合は、解除駆動を実現するためには、新たな解除要求が生成されることが必要とされる。しかしながら、これに限定されない。例えば、EPB異常フラグが"0"である限り、一旦、解除要求が生成された場合は、EPB駆動禁止フラグが"1"であることに起因して当該解除要求に係る解除駆動が禁止された場合でも、当該禁止状態の解除待ち状態(EPB駆動禁止フラグが"0"になるのを待つ状態)が形成されてもよい。この場合、例えばエンジン自動停止完了後に運転者が仮にEPBスイッチ50を操作して解除要求を生成した場合、解除駆動は禁止(待機)され、エンジンの再始動が行われるが、エンジンの再始動後に(再度EPBスイッチ50を操作しなくても)解除駆動が実現される。

また、図4に示す処理において、調停部16は、ステップS402で電気モータ42が駆動状態であると判定した場合、電動パーキングブレーキ装置40が正常であるか否かを判定してもよい。電動パーキングブレーキ装置40が正常である場合は、ステップS404に進み、それ以外の場合は、ステップS408に進むこととしてよい。この場合、電動パーキングブレーキ装置40が正常でない場合(それに伴い加圧駆動や解除駆動が正常に完了しない場合)に、再始動禁止フラグが"1"であることに起因して禁止されていたエンジンの再始動が可能となる。

また、上述した実施例では、調停部16は、電気モータ42が加圧駆動状態である場合と、電気モータ42が解除駆動状態である場合のいずれの場合も、再始動禁止フラグを"1"にセットする(図4参照)が、これに限られない。即ち、調停部16は、電気モータ42が加圧駆動状態である場合と、電気モータ42が解除駆動状態である場合のいずれの場合のうちの、いずれかの場合だけ、再始動禁止フラグを"1"にセットしてもよい。この場合、電気モータ42が加圧駆動状態及び解除駆動状態のいずれか一方の駆動状態であるときにエンジンが再始動されうるが、電気モータ42が加圧駆動状態及び解除駆動状態のいずれか他方の駆動状態であるときにエンジンの再始動が禁止される。この場合も、他方の駆動状態に関しては上述した実施例と同様の効果を得ることができる。

また、上述した実施例では、調停部16は、EPB駆動禁止フラグが"1"である場合に、加圧要求及び解除要求のいずれに対しても、その要求に応答した電気モータ42の駆動を禁止しているが、加圧要求及び解除要求のいずれか一方に対してのみ、その要求に応答した電気モータ42の駆動を禁止してもよい。この場合も、加圧要求及び解除要求のいずれか一方に関しては上述した実施例と同様の効果を得ることができる。

また、上述した実施例では、調停部16は、電気モータ42が加圧駆動状態である場合と、電気モータ42が解除駆動状態である場合のいずれの場合も、エンジンの再始動を禁止し、且つ、エンジンの再始動中である場合は、加圧要求及び解除要求のいずれが発生した場合でも、その要求に応答した電気モータ42の駆動を禁止している。しかしながら、他の態様も可能である。例えば、調停部16は、電気モータ42が加圧駆動状態である場合のみ、エンジンの再始動を禁止し、且つ、エンジンの再始動中である場合は、加圧要求が発生した場合のみ、該加圧要求に応答した電気モータ42の加圧駆動を禁止してもよい。この場合も、少なくとも加圧駆動に関しては上述した実施例と同様の効果を得ることができる。また、調停部16は、電気モータ42が解除駆動状態である場合のみ、エンジンの再始動を禁止し、且つ、エンジンの再始動中である場合は、解除要求が発生した場合のみ、該解除要求に応答した電気モータ42の解除駆動を禁止してもよい。この場合も、少なくとも解除駆動に関しては上述した実施例と同様の効果を得ることができる。

1 車両用エンジン始動制御システム 10 制御装置 12 アイドルストップ制御部 14 EPB制御部 16 調停部 30 スタータ 40 電動パーキングブレーキ装置 42 電気モータ 50 EPBスイッチ

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