駐車支援装置

申请号 JP2017077171 申请日 2017-04-07 公开(公告)号 JP2018176911A 公开(公告)日 2018-11-15
申请人 クラリオン株式会社; 发明人 石野田 真; 田川 晋也; 長谷島 範安;
摘要 【課題】 位置 や向きがずれて駐車された車両を、正しい位置や向きに駐車し直すための支援を行う駐車支援装置を得ること。 【解決手段】本発明の駐車支援装置1は、通路21の側方に設けられた駐車スペース20への自車両Vの駐車を支援するものであり、通路21上の自車両Vの初期位置P0から駐車スペース20の目標駐車位置P1までの駐車経路を設定する駐車経路設定部14と、駐車経路に基づいて駐車が行われた場合に、自車両Vと駐車スペース20との間に位置ずれがあるか否かを判定する位置ずれ判定部15と、位置ずれがあると判定された場合に、位置ずれ直し経路を演算する位置ずれ直し経路演算部16を有する。 【選択図】図14
权利要求

通路の側方に設けられた駐車スペースへの自車両の駐車を支援する駐車支援装置であって、 前記通路上の前記自車両の初期位置から前記駐車スペースの目標駐車位置までの駐車経路を設定する駐車経路設定部と、 該駐車経路に基づいて駐車が行われた場合に、前記自車両と前記駐車スペースとの間に位置ずれがあるか否かを判定する位置ずれ判定部と、 前記位置ずれがあると判定された場合に、前記自車両を前記駐車スペースから前記通路に移動させ、前記通路から前記駐車スペースの目標駐車位置に向かって移動させて前記位置ずれを直す位置ずれ直し経路を演算する位置ずれ直し経路演算部と、 を有することを特徴とする駐車支援装置。前記位置ずれ判定部は、前記自車両の駐車位置と前記駐車スペースの目標駐車位置との間の距離が所定値以上の場合、及び、前記自車両の車両方位と前記駐車スペースの駐車方位との間の度が所定値以上の場合の少なくとも一方であるときに、前記位置ずれがあると判定することを特徴とする請求項1に記載の駐車支援装置。前記位置ずれ直し経路演算部は、 前記自車両の駐車位置から前記通路上の位置まで真っ直ぐ移動する出庫経路と、前記通路上の位置から前記駐車スペースに向かって片側に曲がりながら移動する入庫経路と、を演算し、前記出庫経路と前記入庫経路とを繋いで第1の位置ずれ直し経路を演算する第1の位置ずれ直し経路演算部と、 前記自車両の駐車位置から前記通路上の位置まで左右両側に曲がりながら移動する出庫経路と、該出庫経路により移動した前記通路上の位置から前記駐車スペースに向かって真っ直ぐ移動する入庫経路と、を演算し、前記出庫経路と前記入庫経路とを繋いで第2の位置ずれ直し経路を演算する第2の位置ずれ直し経路演算部の少なくとも一方を有することを特徴とする請求項2に記載の駐車支援装置。前記第1の位置ずれ直し経路演算部は、 前記自車両の車両方位と前記駐車スペースの駐車方位の両方を接線とする共有円を演算し、 前記自車両の車両方位に沿って前記自車両の駐車位置から前記自車両の車両方位と前記共有円とが接する第1接点までを直線で繋いだ経路を前記出庫経路として演算し、 前記共有円に沿って前記第1接点から前記駐車スペースの駐車方位と前記共有円とが接する第2接点までを円弧で繋ぐ経路と前記駐車スペースの駐車方位に沿って前記第2接点から前記目標駐車位置まで直線で繋いだ経路とを前記入庫経路として演算することを特徴とする請求項3に記載の駐車支援装置。前記第1の位置ずれ直し経路演算部は、 前記第2接点が前記目標駐車位置よりも出庫側に位置すること、及び、前記共有円に沿って前記自車両を移動させた場合に前記自車両が障害物に接触しないこと、及び、前記共有円が前記自車両の最小回転半径以上の半径を有することの3つの演算条件を全て満たす場合に、前記第1の位置ずれ直し経路を演算することを特徴とする請求項4に記載の駐車支援装置。前記第2の位置ずれ直し経路演算部は、 前記通路の通路幅に基づいて前記目標駐車位置から前記駐車スペースの駐車方位に沿って離れた前記通路上の位置に中間目標位置を設定し、 互いに同一の半径で単一の接点を有し、一方が前記自車両の駐車位置を通過し、他方が前記中間目標位置を通過する一対の共通円を演算し、前記一方の共通円に沿って前記目標駐車位置から前記単一の接点までを円弧で繋ぐ経路と、前記他方の共通円に沿って前記単一の接点から前記中間目標位置までを円弧で繋ぐ経路とを前記出庫経路として演算し、 前記駐車方位に沿って前記中間目標位置から前記目標駐車位置までを直線で繋いだ経路を前記入庫経路として演算することを特徴とする請求項3に記載の駐車支援装置。前記第2の位置ずれ直し経路演算部は、 前記一対の共有円に沿って前記自車両を移動させた場合に前記自車両が障害物に接触しないこと、及び、前記一対の共通円が前記自車両の最小回転半径以上の半径を有するという条件を満たす場合に、前記第2の位置ずれ直し経路を演算することを特徴とする請求項6に記載の駐車支援装置。前記ずれ直し経路演算部は、前記第1の位置ずれ直し経路演算部によって前記第1の位置ずれ直し経路の演算ができない場合に、前記第2の位置ずれ直し経路演算部による前記第2の位置ずれ直し経路の演算を行うことを特徴とする請求項3に記載の駐車支援装置。

说明书全文

本発明は、車両の駐車支援装置に関する。

特許文献1には、車両を駐車させるための切り返しを含む誘導経路を算出し、その誘導経路に沿って車両が目標位置に到達するように支援を行う駐車支援装置の技術が示されている。

特開2010−208392号公報

しかしながら、誘導経路に沿って実際に駐車したときに、センサの精度や誤差、駐車動作中のハンドル操作の遅れなどの種々の要因により、自車両の位置や向きにずれが生じるおそれがある。

本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、位置や向きがずれて駐車された自車両を、正しい位置や向きに駐車し直すための支援を行う駐車支援装置を提供することである。

上記課題を解決する本発明の駐車支援装置は、通路の側方に設けられた駐車スペースへの自車両の駐車を支援する駐車支援装置であって、前記通路上の前記自車両の初期位置から前記駐車スペースの目標駐車位置までの駐車経路を設定する駐車経路設定部と、該駐車経路に基づいて駐車が行われた場合に、前記自車両と前記駐車スペースとの間に位置ずれがあるか否かを判定する位置ずれ判定部と、前記位置ずれがあると判定された場合に、前記自車両を前記駐車スペースから前記通路に移動させ、前記通路から前記駐車スペースの目標駐車位置に向かって移動させて前記位置ずれを直す位置ずれ直し経路を演算する位置ずれ直し経路演算部と、を有することを特徴とする。

本発明によれば、位置や向きがずれて駐車された車両を、正しい位置や向きに駐車し直すための支援を行うことができる。本発明に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。

本発明の実施形態に係わる駐車支援装置の機能ブロック図。

後ろ向き並列駐車の駐車前と駐車後の状態を示す図。

前向き並列駐車の駐車前と駐車後の状態を示す図。

後ろ向き並列駐車の出庫経路を演算する方法の一例を示す図。

前向き並列駐車の出庫経路を演算する方法の一例を示す図。

後ろ向き並列駐車の場合の出庫経路における接続候補位置を示す図。

前向き並列駐車の場合の出庫経路における接続候補位置を示す図。

出庫経路上の接続候補位置を演算する方法を説明するフローチャート。

到達可能判定の処理フロー。

片側転による到達可能判定の一例を説明する図。

片側転舵による到達可能判定の一例を説明する図。

片側転舵による到達可能判定の一例を説明する図。

S字転舵による到達可能判定の一例を説明する図。

S字転舵による到達可能判定の一例を説明する図。

片側転舵による順方向経路の生成方法を説明する図。

S字転舵による順方向経路の生成方法を説明する図。

S字転舵による順方向経路の生成方法を説明する図。

S字転舵による順方向経路の生成方法を説明する図。

位置ずれ直し前と位置ずれ直し後の状態を示す図。

第1の位置ずれ直し経路によって行われる位置ずれ直しの動作を説明する図。

自車両の移動に応じて漸次算出される共有円のイメージ図。

入庫経路の演算方法を説明する図。

駐車NG条件を説明する図。

第2の位置ずれ直し経路によって行われる位置ずれ直しの動作を説明する図。

第2の位置ずれ直し経路を演算する方法を説明するフローチャート。

ずれ直し経路の選択方法を説明するフローチャート。

次に、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。

図1は、本発明の実施形態に係わる駐車支援装置の機能ブロック図、図2Aは、後ろ向き並列駐車の駐車前と駐車後の状態を示す図、図2Bは、前向き並列駐車の駐車前と駐車後の状態を示す図である。

駐車支援装置1は、自車両Vの駐車スペース20への駐車を支援する装置であり、特に、通路21の通路方位25に対して駐車方位26が直に設けられている駐車スペース20に自車両Vを駐車する、いわゆる並列駐車を支援する装置である。駐車スペース20とは、車両を所定の向きで駐車するために予め駐車方位が設定されている区画された領域をいい、その他の呼び方として、駐車枠、駐車区画、駐車領域、駐車場所、または、パーキングロットとも呼ばれる。

図2Aに示す例では、駐車スペース20は、通路21の向きである通路方位25に対して左側方に設けられており、自車両Vを後ろ向きに駐車するように駐車方位26が設定されている。図2Bに示す例では、駐車スペース20は、通路21の通路方位25に対して右側方に設けられており、自車両Vを前向きに駐車するように駐車方位26が設定されている。

駐車支援装置1は、図2A及び図2Bに示すように、通路21の初期位置P0において自車両Vの車両方位Vfが通路方位25と同じ向きに配置された状態から、駐車スペース20の目標駐車位置P1において車両方位Vfが駐車方位26と同じ向きに配置されるように自車両Vを誘導する経路を演算し、駐車経路として設定する。

そして、設定された駐車経路にしたがって自車両Vの駐車動作が行われた場合に、自車両Vと駐車スペースとの間に位置ずれがあるか否かの判定を行う。そして、位置ずれがあると判定した場合に、位置ずれを直す経路を演算し、位置ずれ直し経路として設定する。

通路21の駐車スペース20よりも通路前方及び通路後方には、他車両や他の駐車スペースなどの障害物23、24が配置され、通路21の駐車スペース20側とは反対側の側方には、通路21の通路方位25に沿って延在する壁や縁石、あるいは他車両などの障害物22が配置されている。

本実施例では、自車両Vが初期位置P0、目標駐車位置P1、後述する中間目標位置P2、第1接点31、及び、第2接点32等の各位置に配置されているか否かは、自車両Vの左右の後輪の中間位置である基準点Voを基準に判断している。また、旋回は、例えばクロソイド曲線に沿って行われるものとする。

駐車支援装置1では、自車両Vを駐車スペース20まで誘導するための駐車経路を演算する。したがって、その演算した駐車経路に沿って自車両Vを移動させることによって通路脇の駐車スペース20に駐車させることができる。また、駐車経路にしたがって駐車した結果、位置や向きがずれて駐車されている場合には、位置ずれを直す位置ずれ直し経路を演算する。したがって、その演算した位置ずれ直し経路に沿って自車両Vを移動させることによって位置ずれを直すことができ、駐車スペース20内の正しい位置に正しい向きで駐車することができる。

自車両Vの移動は、例えば車内モニターに駐車経路を表示してドライバがその表示を見ながら自車両Vを操作してもよく、また、駐車支援装置1から駐車経路の情報を出して、自車両Vを自動または半自動で目標駐車位置P1に駐車するシステムとしてもよい。同様に、車内モニターに位置ずれ直し経路を表示してドライバがその表示を見ながら自車両Vを操作してもよく、また、駐車支援装置1から位置ずれ直し経路の情報を出力して、自車両Vを自動または半自動で目標駐車位置P1に駐車するシステムとしてもよい。半自動では、例えばハンドル操作は自動制御により行われ、アクセル操作とブレーキ操作はドライバによって行われる。そして、自動では、ハンドル操作、アクセル操作、及び、ブレーキ操作の全てが自動制御により行われる。

駐車支援装置1は、自車両Vに搭載されており、マイクロコンピュータなどのハードウエアとソフトウエアプログラムの協働によって実現される。駐車支援装置1は、図1に示すように、出庫経路演算部11と、接続候補位置設定部12と、到達可能経路演算部13と、駐車経路設定部14と、位置ずれ判定部15と、位置ずれ直し経路演算部16を有している。

出庫経路演算部11は、目標駐車空間の情報と自車挙動の制約条件に基づいて駐車スペース20から自車両Vを出庫させる少なくとも一つ以上の出庫経路を演算する。接続候補位置設定部12は、それぞれの出庫経路上に複数の接続候補位置を設定する。到達可能経路演算部13は、各接続候補位置に対して自車両Vの現在位置である初期位置P0から到達可能な到達可能経路を演算する。駐車経路設定部14は、出庫経路と到達可能経路とを繋げて自車両Vの駐車経路を設定し、駐車経路が複数ある場合には、その中から所定条件に基づいて最適な駐車経路を選択する。

駐車支援装置1には、図1に示すように、目標駐車空間情報191と、目標駐車位置情報192と、自車両情報193と、自車位置情報194が入力される。目標駐車空間情報191には、駐車スペース20の周辺の障害物の位置や距離など、駐車空間の制約条件となる情報が含まれている。

そして、目標駐車位置情報192には、駐車スペース20の形状や自車両Vとの相対位置の情報等が含まれ、自車両情報193には、自車両Vの旋回半径などの自車挙動の制約条件となる情報が含まれている。そして、自車位置情報194として、自車両Vの操舵角や速度、車輪の回転量から車両モデルによって演算されるデッドレコニングを利用し、また、GPSなどのセンサによって取得される位置情報や、路車間、車車間通信によって得られる自車位置情報を利用してもよい。

操作入力部195は、例えばユーザが選択した駐車スペースの情報などを駐車支援装置1に入力する。経路表示部17は、車内でドライバが見ることができる車載モニターであり、カメラからの映像に重ね合わせて目標となる駐車経路の切り返し位置を表示することができる。また、切り返し位置だけでなく、駐車経路全体を表示してもよい。ドライバは、車載モニターに表示される切り返し位置や駐車経路を見て、確認することができる。

<出庫経路演算部> 出庫経路演算部11は、目標駐車空間情報191と、目標駐車位置情報192と、自車両情報193とに基づいて出庫経路を演算する。目標駐車空間情報191は、例えば自車両Vに搭載された超音波センサの検出信号や車載カメラからの画像から取得することができる。また、駐車場設備から出力されるインフラ情報を取得してもよい。

出庫経路は、自車両Vが駐車スペース20内に正確に配置されている状態から出庫させる経路を推定した仮想的な移動経路である。出庫経路は、自車両Vの初期位置P0に拘束されることなく、全く無関係に演算される。出庫経路演算部11では、出庫経路を演算する際に自車位置情報194を使用しない。出庫経路は、一つに限定されるものではなく、少なくとも一つ以上が演算される。

出庫経路は、目標駐車空間の情報と自車挙動の制約条件に基づいて演算される。そして、後ろ向き並列駐車では、目標駐車位置P1を原点としたときに初期位置P0における自車両Vの向きと同じ方向に出庫することを想定した経路が生成され、前向き並列駐車では、目標駐車位置P1を原点としたときに初期位置P0における自車両Vの向きと反対方向に出庫することを想定した経路が生成される。

例えば目標駐車位置P1における自車両Vの姿勢状態が後ろ向きである後ろ向き並列駐車とする場合には、目標駐車位置P1から自車両Vを直進させ、自車両Vの左右の後輪の中間位置である基準点Vo(以後、自車両の位置Vo)が、駐車スペース20から出るところまでに至る経路と、初期位置P0における自車両Vの向きと同一の方向に向かって出庫するように転舵して前進により自車両Vが前方の障害物に対する到達可能限界位置に至る前進経路と、前輪を自車両Vに対してまっすぐに直して後退により自車両Vが後方の障害物に対する到達可能限界位置に至る後退経路を演算する。そして、所定の終了条件を満たすまで、前進経路と後退経路を交互に演算する出庫経路の演算を行う。なお、到達可能限界位置とは、障害物との間に、所定の隙間を有して離れた位置をう。所定の隙間は、障害物と接触しないように所定の誤差等を考慮したマージンを持ったものであり、なるべく小さい方が好ましく、例えば1cm〜5cm位に設定されている。本実施形態では、自車両Vの外周に所定の隙間を持った仮想枠を設定し、仮想枠が障害物に接触した位置を到達可能限界位置と判断している。

一方、目標駐車位置P1における自車両Vの姿勢状態が前向きである前向き並列駐車の場合には、目標駐車位置P1から自車両Vをまっすぐ後退させ、自車両Vの位置Voが駐車スペース20から所定距離だけ離れるところまでに至る経路と、初期位置P0における自車両Vの向きと反対の方向に向かって出庫するように転舵して後退により自車両Vが後方の障害物に対する到達可能限界位置に至る後退経路と、初期位置P0における自車両Vの向きと同一の方向に向かって出庫するように転舵して前進により自車両Vが前方の障害物に対する到達可能限界位置に至る前進経路を演算する。そして、所定の終了条件を満たすまで、前進経路と後退経路を交互に演算する出庫経路の演算を行う。

出庫経路演算部11は、例えば所定の終了条件として、出庫経路における自車両Vの向きが駐車方位26に対して90度となる第1条件と、目標駐車位置P1から自車両Vが通路方位25に沿って所定距離Hmaxだけ離れた地点に到達する第2条件と、出庫経路における切り返し回数が所定回数に達する第3条件の少なくとも一つを満たすまで出庫経路の演算を行う。

図3と図4は、予め設定された条件に従って自車両の出庫経路を演算する方法の一例を示す図であり、図3は、後ろ向き並列駐車の場合を示し、図4は、前向き並列駐車の場合を示す図である。

出庫経路は、例えば図3に示す後ろ向き並列駐車の例では、自車両Vを駐車スペース20に駐車した状態(a)から直進させ、自車両Vの位置Voが駐車スペース20から出るところに至り(b)、そこから、左に転舵して前進により自車両Vが前方の障害物22に対する到達可能限界位置に至り(c)、かかる位置で前輪を自車両Vの車両方位に沿ってまっすぐに直して後退により自車両Vが後方の障害物24に対する到達可能限界位置に至る(d)。そして、左に転舵する前進経路(e)、まっすぐ後退する後退経路(f)、左に転舵する前進経路(g)、まっすぐに後退する後退経路(h)を経て、自車両Vの車両方位が駐車スペース20の駐車方位に対して90度となった状態(i)に至る経路が演算される。

同様に、例えば図4に示す前向き並列駐車の例では、自車両Vを駐車スペース20から目標駐車位置P1に駐車した状態(a)からまっすぐに後退させ、自車両Vの位置Voが駐車スペース20から出て所定距離だけ離れるところに至り(b)、そこから、右に転舵して後退により自車両Vが後方の障害物22に対する到達可能限界位置に至り(c)、かかる位置で左に転舵して前進により自車両Vが前方の障害物22に対する到達可能限界位置に至る(d)。そして、右に転舵する後退経路(e)、左に転舵する前進経路(f)、右に転舵する後退経路(g)、左に転舵する前進経路(h)を経て、自車両Vの車両方位が駐車スペース20の駐車方位に対して90度となった状態(i)に至る経路が演算される。

なお、出庫経路の演算方法は、上記した方法のみに限定されるものではなく、他の条件により演算してもよい。また、予め設定された複数の条件の中から、目標駐車空間に適した条件を選択して演算してもよい。

<接続候補位置設定部> 接続候補位置設定部12は、出庫経路上に複数の接続候補位置を設定する。接続候補位置は、初期位置P0との間を到達可能経路で接続することができるか否かを判断するための候補位置である。接続候補位置設定部12は、接続候補位置を設定する方法の一つとして、例えば通路21の上に、通路21の通路方位に所定間隔をおいて複数の接続候補ラインPLを設定し、出庫経路において自車両Vの位置Voがこれらの接続候補ラインPLと交差する位置を接続候補位置Dとして設定し、かかる位置における自車両Vの車両方位Vfとリンクさせて記憶する。

図5は、後ろ向き並列駐車の場合の逆方向経路における接続候補位置を示す図である。 接続候補ラインPLn(nは数字)は、目標駐車位置Bよりも通路21の通路方位前方で通路21の幅方向に亘って延在するように設定されており、駐車スペース20から左方向に向かって通路21上に所定間隔をおいて、本実施例では、目標駐車位置Bを基準として横方向1.5mから0.5m刻みに設定されている。そして、出庫経路上で自車両Vの位置Voが接続候補ラインPLを通過する位置を接続候補位置Dとして設定し、かかる位置における自車両Vの車両方位Vfを記憶する。なお、図中で符号Aは初期位置、符号Bは目標駐車位置、符号Cは到達可能限界位置、符号Eはパークアウト位置を示す。

図6は、前向き並列駐車の場合の出庫経路における接続候補位置を示す図である。 接続候補ラインPLは、目標駐車位置Bよりも通路21の通路方位前方で通路21の幅方向に亘って延在するように設定されており、本実施例では、通路21の通路方位に沿って0.5m刻みに設定されている。そして、出庫経路上で自車両Vの位置Voが接続候補ラインPLを通過する位置を接続候補位置Dとして設定し、かかる位置における自車両Vの車両方位Vfを記憶する。

図7は、出庫経路上の接続候補位置を演算する方法を説明するフローチャートである。 まず、所定のルールに従って、自車両Vを目標駐車位置P1から出庫させる方向に仮想的に移動させる演算が行われ(S101)、自車両Vの仮想枠が障害物と衝突するか否かが判断される(S102)。そして、衝突すると判断されたときは、かかる位置が到達可能限界位置Cであると判断し、自車両VのシフトをDレンジからRレンジ、あるいはRレンジからDレンジに切り替えて、自車両Vの進行方向を前進から後退、あるいは後退から前進に切り返す(S107)。

そして、所定の接続候補位置Dに自車両Vが到達しているか否かが判断され(S103)、自車両Vの位置Voが接続候補ラインPLを通過したときに、かかる位置を接続候補位置Dとして設定し、かかる位置における自車両Vの車両方位Vfを記憶する(S108)。そして、第1条件である自車両Vの角度が駐車方位26に対して90[deg]になったか否かが判断され(S104)、90[deg]になっている場合には、第1条件を満たすとして本ルーチンを終了する。

一方、自車両Vの車両方位Vfが駐車方位26に対して90[deg]になっていない場合には、所定距離Hmax以上移動して離れたか否かが判断される(S105)。本実施例では、所定距離Hmaxは7メートルに設定されている。自車両Vが所定距離Hmax以上移動しているときは、第2条件を満たすとして本ルーチンを終了する。

接続候補位置設定部12は、接続候補位置を設定する他の方法として、例えば、出庫経路に沿って出庫方向に自車両Vを移動させた場合に、自車両Vの向きが所定の相対指定角度分だけ変化する毎(例えば5[deg]毎)に、かかる位置を接続候補位置として設定してもよい。

<到達可能経路演算部> 到達可能経路演算部13は、自車両Vの初期位置P0から複数の接続候補位置Dの少なくとも一つに到達可能な到達可能経路を演算する。到達可能経路とは、前進と後退を切り替えることなく、前進と後退のいずれか一方のみで自車両Vの初期位置P0から接続候補位置Dに到達可能な経路である。到達可能か否かは、自車両Vの位置Vo及び車両方位Vfに基づいて判断され、自車両Vの位置Voが接続候補位置Dに一致しかつ自車両Vの車両方位Vfが、接続候補位置Dにリンクして記憶されている車両方位Vfに一致している場合に、到達可能と判断される。到達可能経路の演算は、自車位置情報と自車両Vの仕様情報に基づいて行われ、切り返し回数が少なく且つ自車両Vの初期位置P0に近い方の接続候補位置Dから順に演算される。

自車両Vを初期位置P0から移動させて接続候補位置Dにおいて所定の車両方位Vfで配置することができれば、後は、出庫経路を逆方向に辿ることによって、駐車スペース20内に自車両Vを移動させることができる。したがって、到達可能経路演算部13では、出庫経路上の複数の接続候補位置Dのうち、初期位置P0から所定の車両方位Vfで自車両Vを配置することができる接続候補位置Dをパークアウト位置Eとして設定し、初期位置P0からパークアウト位置Eまでの到達可能経路を演算する。

図8は、到達可能判定の処理フローである。 この処理フローは、接続候補位置の分だけループされ(S111)、まず、初期位置P0から接続候補位置Dまで片側転舵で到達可能か否かが判断される(S112)。片側転舵とは、自車両Vのステアリングを自車両Vの左右のいずれか一方の片側のみに切る操作である。そして、片側転舵では接続候補位置Dに到達できないと判断されたときは、S字転舵で到達可能か否かが判断される(S116)。S字転舵とは、自車両Vのステアリングを自車両Vの左右両側に切る操作である。

そして、片側転舵あるいはS字転舵により接続候補位置Dに到達可能であると判断された場合には、かかる接続候補位置をパークアウト位置Eとして選択し、自車両Vの初期位置P0からパークアウト位置Eまでの到達可能経路を生成する(S113)。

そして、到達可能経路において自車両Vが障害物に接触するか否かの判定を行い(S114)、接触しないと判断された場合には、接続OKフラグをONにして生成した到達可能経路を記憶手段に格納し、ループを終了する(S117)。一方、片側転舵とS字転舵では接続候補位置Dに到達できないと判断された場合(S112とS116でNO)、あるいは、接触判定で接触すると判定された場合(S114でYES)は、かかる接続候補位置Dに対する判断を終了し、残りの接続候補位置Dに対する判断を行う。そして、全ての接続候補位置Dに対して到達できないと判断された場合には、接続OKフラグをOFFにして(S115)、処理フローを終了する。

図9A〜図9Cは、片側転舵による到達可能判定の一例を説明する図、図9D、図9Eは、S字転舵による到達可能判定の一例を説明する図である。

S112の片側転舵による到達可能判定では、以下の(a1)〜(a3)の条件が全て成立した場合に、到達可能と判定される(角度差と位置でも制限する)。 (a1)自車両Vの現在位置A(初期位置P0)における軸線(車両方位)A2と接続候補位置Eにおける軸線(車両方位)E2とが交差する。 (a2)現在位置Aでの旋回円A1と接続候補位置Eの軸線E2とが交差しない。 (a3)接続候補位置Eでの旋回円E1と現在位置Aの軸線A2とが交差しない。 なお、旋回円とは、クロソイドを考慮した旋回側の円弧(最小回転軌跡)とする。

図9Aに示す例では、軸線A2とE2とが交差位置F1で交差しているので、上記(a1)の条件を満たしている。したがって、片側転舵により到達可能と判定される。一方、図9Bでは、旋回円E1と軸線A2とが交差しているので、上記(a3)の条件を満たしていない。そして、図9Cに示す例では、旋回円A1と軸線E2とが交差しているので、上記(a2)の条件を満たしていない。したがって、図9B及び図9Cに示す例では、片側転舵では到達不可能と判定され、S字転舵の利用が可能か否かの判定に移行する。

S116のS字転舵による到達可能判定では、以下の(a4)の条件が成立した場合に、到達可能と判定される(角度差と位置でも制限する)。 (a4)現在位置Aでの旋回円A1と接続候補位置Eの旋回円E1とが交差しない。

図9Dに示す例では、旋回円A1と旋回円E1とが交差していないので、上記(a4)の条件を満たしている。したがって、S字転舵により到達可能と判定される。一方、図9Eに示す例では、旋回円A1と旋回円E1とが交差しているので、上記(a4)の条件を満たしておらず、S字転舵による到達は不可能と判定される。

図10は、片側転舵による到達可能経路の生成方法を説明する図である。 現在位置Aから接続候補位置Eまでの片側転舵による経路を生成するには、まず、図10(a)に示すように、軸線A2と軸線E2との交点Kと現在位置Aとの間の距離Lsと、交点Kと接続候補位置Eとの間の距離Leをそれぞれ算出し、短い方の距離を選択する(図に示す例では、距離Leを選択)。そして、図12(b)に示すように、2本の軸線A2、E2を共通接線に持ち、交点Kから短い方の距離だけ離れた位置を通る円を描き、幾何計算から下記の式(1)により半径Rを算出する。

以上により、直線と円弧を組み合わせた到達可能経路を生成することができる。

図11は、S字転舵による到達可能経路の生成方法を説明する図であり、接続候補位置Eよりも後方で軸線E2が現在位置Aの軸線A2であるX軸と交わらない場合の生成方法を説明する図である。

ここでは、S字を描くための半径が同一の共通円の半径Rを算出する。円の接点を求めれば旋回円A1の円弧と、旋回円E1の円弧とを組み合わせてS字の到達可能経路を生成することができる。

共通円の半径はそれぞれの円の中心座標が求まるので、中心座標間の距離から求まる。

ただし、θ=0の場合は

図11(a)に示す状態から図11(b)に示す交点F7の位置までが上記した計算式により算出可能である。 図11(c)に示す公式からS字のそれぞれの旋回角度φ1、φ2と、弧長b1、b2は以下の計算式により求められる。

図12は、S字転舵による到達可能経路の生成方法を説明する図であり、接続候補位置Eよりも後方で軸線E2が現在位置Aの軸線A2であるX軸と交わる場合の生成方法を説明する図である。

ここでは、S字を描くための半径が同一となる共通の旋回円E1、A1の半径Rを算出する。そして、円の接点を求めれば、旋回円A1の円弧と、旋回円E1の円弧とを組み合わせてS字の到達可能経路を生成することができる。

共通円の半径はそれぞれの円の中心座標が求まるので、中心座標間の距離から求まる。

図11(c)に示す公式からS字のそれぞれの旋回角度φ1、φ2と、弧長b1、b2は以下の計算式により求められる。

図13は、S字転舵による到達可能経路の生成方法を説明する図であり、接続候補位置Eよりも後方で軸線E2が現在位置Aの軸線A2であるX軸と交わる場合の生成方法を説明する図である。

ここでは、S字を描くための半径が同一となる共通円E1、A1の半径Rを算出する。そして、円の接点を求めれば、旋回円A1の円弧と、旋回円E1の円弧とを組み合わせてS字の到達可能経路を生成することができる。

共通円の半径はそれぞれの円の中心座標が求まるので、中心座標間の距離から求まる。

図11(c)に示す公式からS字のそれぞれの旋回角度φ1、φ2と、弧長b1、b2は以下の計算式により求められる。

<駐車経路設定部> 駐車経路設定部14は、目標駐車位置P1からパークアウト位置Eまでの出庫経路の情報と、自車両Vの初期位置P0からパークアウト位置Eまでの到達可能経路の情報を用いて駐車経路を設定する。駐車経路設定部14は、図10のステップS117で接続OKフラグをONにして生成された到達可能経路と、かかる到達可能経路が接続されているパークアウト位置Eを含む出庫経路とを繋いで駐車経路を形成する。

駐車経路は、複数設定できる場合に、駐車時間、後続車両の有無、駐車精度の高さ、通路の幅、または運転者の好みなど種々の評価値に応じて選択される。例えば駐車精度は、駐車スペース20に曲がりながら進入するよりも、自車両Vの向きを駐車方位26に合わせてから真っ直ぐに進入する方が駐車位置の精度が高い。したがって、駐車位置の精度を優先する場合には、自車両Vの向きを駐車方位26に合わせてから真っ直ぐに進入する駐車経路を選択する。

また、例えばパークアウト位置Eから駐車スペース20に駐車する際に、前後の切り返しの回数や操舵量がなるべく少ない方が駐車に要する時間を短くすることができる。したがって、駐車に要する時間を短くする場合には、前後の切り返しの回数や操舵量がなるべく少なくなる駐車経路を選択する。

また、例えば駐車する際に、駐車スペース20から遠く離れた位置まで移動するよりも駐車スペース20から離れない方が後続車両に駐車スペース20への駐車の意思を明確に示すことができる。したがって、通路21上に後続車両が存在する場合には、駐車スペース20から離れない駐車経路を選択する。

上述のように、駐車支援装置1は、目標駐車位置P1から出庫経路を演算し、出庫経路上に設定された複数の接続候補位置Dのうち、自車の初期位置P0から到達可能でかつ最も近い接続候補位置Dをパークアウト位置Eとして選択し、目標駐車位置Bからパークアウト位置Eまでの出庫経路と、自車両Vの初期位置P0からパークアウト位置Eまでの到達可能経路とを用いて駐車経路を設定する。したがって、駐車支援を開始する開始位置や車両姿勢に依存せずに、目標駐車位置P1に自車両Vを誘導するための切り返しを含む駐車経路を演算して、ドライバの意図する位置に正しい車両姿勢で車両を駐車させることができる。

次に、自車両Vの位置ずれ直しについて説明する。 上述の駐車支援装置1によれば、自車両Vを駐車スペース20に誘導して、自車両Vの位置Voを駐車スペース20内の目標駐車位置P1に配置し、かつ自車両Vの車両方位Vfを駐車方位26に一致させることができる駐車経路を演算することができる。しかしながら、実際に駐車経路に沿って自車両Vを移動させたときに、センサの精度や誤差、駐車動作中のハンドル操作の遅れなどの種々の要因により、位置ずれを生じることがある。本実施形態の駐車支援装置1は、駐車経路に沿って自車両Vを駐車した結果、位置ずれが生じた場合に、位置ずれを直す経路を演算して、位置ずれ直しを支援する。

<位置ずれ判定部> 図14は、位置ずれ直し前と位置ずれ直し後の状態を示す図である。なお、以下の説明では、後ろ向き並列駐車の場合を例に説明するが、本実施形態は、前向き並列駐車の場合も同様に適用することができるものである。

位置ずれ判定部15は、自車両Vと駐車スペース20との間に位置ずれがあるか否かを判定する。位置ずれ判定部15は、実際の自車両Vの位置Voと駐車スペース20の目標駐車位置P1との間の離間距離δが所定値以上の場合、及び、自車両Vの車両方位Vfと駐車スペース20の駐車方位26との間の角度θが所定値以上の場合の少なくとも一方であるときに、位置ずれがあると判定する。目標駐車位置P1に対する自車両Vの位置Vo及び駐車方位26に対する車両方位Vfの情報は、自車位置情報194から取得できる。

図14(1)に示すずれ直し前の例では、自車両Vの車両方位Vfが駐車スペース20の駐車方位26から所定値以上傾いており、かつ、自車両Vの位置Voが駐車スペース20の目標駐車位置P1から所定値以上離間しており、位置ずれがあると判定される。図14(2)に示すずれ直し前の例では、自車両Vの車両方位Vfは駐車スペース20の駐車方位26と平行であるが、自車両Vの基準点Voが駐車スペース20の目標駐車位置P1から所定値以上離間しており、位置ずれがあると判定される。また、特に図示していないが、自車両Vが駐車スペース20近傍で停止している場合にも位置ずれがあると判定される。

駐車支援装置1では、駐車経路設定部14によって設定された駐車経路にしたがって自車両Vの駐車動作が開始されて動作終了により駐車完了と判定する。自車両Vの駐車動作は、自車両Vが駐車経路の終点に到達することによって終了するが、誘導した結果、自車両Vの位置Voが目標駐車位置P1に一致していない場合や自車両Vの車両方位Vfが駐車スペース20の駐車方位26に一致していない場合、あるいは、駐車動作中に障害物を検知して停止した場合にも終了する。位置ずれ判定部15は、駐車経路を用いた自車両Vの駐車動作が終了したときに、あるいは、駐車動作の終了後にドライバの操作による指示があったときに、位置ずれ判定を行う。

<位置ずれ直し経路演算部> 位置ずれ直し経路演算部16は、位置ずれ判定部15によって位置ずれがあると判定された場合に、位置ずれを直す位置ずれ直し経路を演算する。位置ずれ直し経路は、自車両Vを駐車スペース20内から一旦出庫させて通路21まで移動させ、若しくは、駐車スペース20近傍から出庫側に離間した通路21上の位置まで移動させる出庫経路と、通路21から駐車スペース20の目標駐車位置P1に向かって移動させる入庫経路と、を有する。

自車両Vは、位置ずれ直し経路に沿って移動することによって位置ずれを直すこと、すなわち、図14に示すずれ直し後の例のように、実際の自車両Vの位置Voと駐車スペース20の目標駐車位置P1との間の離間距離δを所定値未満とし、かつ、自車両Vの車両方位Vfと駐車スペース20の駐車方位26との間の角度θを所定値未満とすることができる。

位置ずれ直し経路演算部16は、第1の位置ずれ直し経路演算部と第2の位置ずれ直し経路演算部を有している。第1の位置ずれ直し経路演算部は、片側転舵のみで位置ずれを直す第1の位置ずれ直し経路(図15を参照)を演算し、第2の位置ずれ直し経路演算部は、S字転舵で位置ずれを直す第2の位置ずれ直し経路(図19を参照)を演算する。

<第1の位置ずれ直し経路演算部> 図15は、第1の位置ずれ直し経路を用いて行われる位置ずれ直しの動作を説明する図、図16は、自車両の移動に応じて漸次算出される共有円のイメージ図、図17は、入庫経路の演算方法を説明する図である。

第1の位置ずれ直し経路演算部は、自車両Vの駐車位置から通路21上の位置まで真っ直ぐ移動する出庫経路と、通路21上の位置から駐車スペース20に向かって片側に曲がりながら移動する入庫経路とを演算し、出庫経路と入庫経路とを繋いで第1の位置ずれ直し経路を演算する。

第1の位置ずれ直し経路演算部は、自車両Vの車両方位Vfと駐車スペース20の駐車方位26の両方を接線とする共有円30を演算する。そして、自車両Vの車両方位Vfに沿って自車両Vの駐車位置から通路21上の位置である自車両Vの車両方位Vfと共有円30とが接する第1接点31までを直線で繋いだ経路を出庫経路として演算する。そして、共有円30に沿って第1接点31から駐車スペース20の駐車方位26と共有円30とが接する第2接点32までを円弧で繋ぐ経路と駐車スペース20の駐車方位26に沿って第2接点32から目標駐車位置P1まで直線で繋いだ経路とを入庫経路として演算する。

出庫経路は、自車両Vの車両方位Vfに沿って真っ直ぐに駐車スペース20から離間する方向に自車両Vを移動させ(図15(1))、自車両Vの位置Voが駐車スペース20の駐車方位26を越えて(図15(2))、さらに共有円30の第1接点31に至るまで移動させる経路を有する。共有円30は、自車両Vの車両方位Vfと駐車スペース20の駐車方位26の両方に接する円であり、車両方向Vfとは第1接点31で接し、駐車方位26とは第2接点32で接する。

入庫経路は、第1接点31から第2接点32まで共有円30に沿って曲がりながら駐車スペース20に接近する方向に自車両Vを移動させ(図15(4))、第2接点32から駐車方位26に沿って真っ直ぐに駐車スペース20に接近する方向に移動させて、自車両Vの位置Voを目標駐車位置P1に配置し、かつ、自車両Vの車両方位Vfを駐車スペース20の駐車方位26に沿う位置に配置する経路を有する(図15(5))。

共有円30は、自車両Vの車両方位Vfに沿って真っ直ぐに駐車スペース20から離間する方向に自車両Vを仮想的に移動させて、自車両Vの位置Voが駐車スペース20の駐車方位26を越えた位置から自車両Vの移動に応じて逐次的に算出される。共有円30は、図16(1)から図16(3)に示すように、車両方位Vf上を自車両Vが移動するに応じて漸次径が大きくなる。

図17は、共有円の算出方法を説明する図である。 第1の位置ずれ直し経路演算部は、下記の2つの条件(A)、(B)の両方を満たす共有円30を算出する。

第1接点31の座標をV(Xv、Yv、θv)、目標駐車位置P1の座標をP(Xp、Yp、θp)、自車両Vの車両方位Vfと駐車スペース20の駐車方位26との挟み角をθvpとする。Rminは、自車両Vの最小回転半径である。

図18は、駐車NG条件を説明する図である。 共有円30が、下記の3つの駐車NG条件の少なくとも一つに該当する場合、かかる共有円30を用いた経路では、自車両Vを駐車スペース20に位置ずれなく駐車することはできない。

(1)共有円30が自車両Vの駐車位置前方で第2接点32を持てない場合、すなわち、第2接点32が自車両Vよりも出庫側にない場合。 (2)共有円30に沿って自車両を入庫する方向に移動させると内輪差で自車両Vが障害物23に衝突する場合。 (3)共有円30の半径が自車両Vの最小旋回半径よりも小さい場合

第1の位置ずれ直し経路演算部は、上記の3つの駐車NG条件のいずれにも該当しない共有円30を用いて出庫経路と入庫経路を設定する。具体的には、自車両Vの駐車位置から第1接点31までの直線部分を出庫経路として設定し、共有円30の第1接点31と第2接点32との間の円弧部分と、第2接点32から目標駐車位置P1までの直線部分33をつなぎ合わせた経路を入庫経路として設定する。

第1の位置ずれ直し経路は、自車両Vの駐車位置から第1接点31まで車両方位Vfに沿って真っ直ぐ進む。そして、第1接点31から第2接点32に向かって共有円30の半径Rで左に旋回しながら進み、第2接点32から目標駐車位置P1に向かって駐車方位26に沿ってまっすぐ進む。したがって、第1の位置ずれ直し経路に沿って自車両Vを誘導することによって、自車両Vを位置ずれがない状態で駐車スペース20内に配置することができる。

<第2の位置ずれ直し経路演算部> 図19は、第2の位置ずれ直し経路によって行われる位置ずれ直しの動作を説明する図、図20は、第2の位置ずれ直し経路を演算する方法を説明するフローチャートである。

第2の位置ずれ直し経路演算部は、図19(3)に示すように、自車両Vの駐車位置から通路21上の位置まで左右両側に曲がりながら移動する出庫経路40と、図19(4)に示すように、出庫経路40により移動した通路21上の位置から駐車スペース20に向かって真っ直ぐ移動する入庫経路41とを演算し、出庫経路40と入庫経路41とを繋いで第2の位置ずれ直し経路を演算する。

第2の位置ずれ直し経路演算部は、中間目標位置P2を算出し(S121)、自車両Vの駐車位置と中間目標位置P2との間を接続するS字状の経路を演算する(S122)。そして、かかるS字状の経路に沿って自車両Vが移動可能か否かを判断し(S123)、移動可能と判断された場合に、中間目標位置P2からの入庫方向への後退量を算出し(S124)、自車両Vを中間目標位置P2から後退量だけ真っ直ぐに後退させる経路を演算する(S125)。

ステップS121では、目標駐車位置P1から駐車スペース20の駐車方位26に沿って離れた位置に中間目標位置P2を設定する。中間目標位置P2は、通路21の通路幅W1に基づいて設定され、通路幅W1が広い場合には、駐車スペース20から所定の距離範囲内に設定位置が限定される。中間目標位置P2は、例えば図19(2)に示すように、駐車スペース20正面の障害物22から所定距離W2だけ離れた位置に設定される。所定距離W2は、自車両Vの車長からリヤオーバハングを除いた長さであり、自車両Vを実際に配置した場合に、図19(3)に示すように、自車両Vと障害物22との間に誤差余裕分を考慮した隙間を形成できるように設定されている。

ステップS122では、自車両Vの駐車位置と中間目標位置P2との間に、互いに同一の半径で単一の接点を有し、一方が自車両Vの駐車位置を通過し、他方が中間目標位置P2を通過する一対の共通円を演算する。そして、一方の共通円に沿って駐車位置から単一の接点までを繋ぐ円弧と、他方の共通円に沿って単一の接点から中間目標位置P2までを繋ぐ円弧とを組み合わせて、S字状の経路を生成する。S字状の経路の演算には、上述の到達可能経路演算部13において到達可能経路を設定する際に使用したS字状の経路を生成する方法(図8のS116)を用いることができる。

ステップS123では、下記の2つの条件を備えることによって移動可能と判断される。 (1)S字状の経路に沿って自車両Vを移動させた場合に自車両Vが障害物23、24に接触しないこと (2)一対の共通円の半径Rが自車両Vの最小回転半径以上であること

上記2つの条件のいずれかを満たさない場合には、自車両Vが移動不可であり、第2の位置ずれ直し経路を設定することができないとして、本ルーチンを終了する。

ステップS124では、中間目標位置P2と目標駐車位置P1との離間距離を後退量として算出する。ステップS125では、自車両Vを後退量だけ真っ直ぐに後退させる経路を演算する。自車両Vは、曲がりながら後退するよりも真っ直ぐ後退する方が位置ずれの発生が抑制され、精度よく駐車位置に配置することができる。

第2の位置ずれ直し経路は、自車両Vの駐車位置から中間目標位置P2までS字転舵で進み(図19(3))、中間目標位置P2から目標駐車位置P1まで真っ直ぐ進む経路(図19(4))を有する。したがって、第2の位置ずれ直し経路に沿って自車両Vを誘導することによって、自車両Vを位置ずれがない状態で駐車スペース20に配置することができる。

図21は、ずれ直し経路の選択方法を説明するフローチャートである。 位置ずれ直し経路演算部16は、まず、第1の位置ずれ直し経路演算部によって第1の位置ずれ直し経路の演算を行う(S201)。そして、演算された第1の位置ずれ直し経路によって位置ずれ直しが可能か否かを判断する(S202)。上述の3つの駐車NG条件のいずれにも該当しない場合には、第1の位置ずれ直し経路によって位置ずれ直しが可能と判断する(S203でYES)。そして、第1の位置ずれ直し経路を位置ずれ直し経路として選択する処理を行う。

一方、上述の3つの駐車NG条件の少なくとも一つに該当し、第1の位置ずれ直し経路による位置ずれ直しが不可能であると判断した場合には(S203でNO)、第2の位置ずれ直し経路演算部によって第2の位置ずれ直し経路の演算を行う(S203)。そして、上述の2つの条件のいずれにも該当しない場合には、第2の位置ずれ直し経路によって位置ずれ直しが可能と判断する。そして、第2の位置ずれ直し経路を位置ずれ直し経路として選択する処理を行う。

上記した選択方法によれば、第1の位置ずれ直し経路と第2の位置ずれ直し経路の両方とも位置ずれ直しが可能な場合には、第1の位置ずれ直し経路が選択される。第1の位置ずれ直し経路は、片側転舵なのでS字転舵と比較して自車両Vの操作量が少なく、移動誤差も少ない。したがって、位置ずれ直し動作に必要な時間を短くすることができ、短時間で位置ずれ直しをすることができ、駐車精度を高くすることができる。

上述の駐車支援装置1は、自車両Vを駐車経路に沿って誘導して駐車させた結果、駐車位置の位置ずれがあるか否かを判定し、位置ずれがあると判定された場合に、位置ずれを直す位置ずれ直し経路を演算する。自車両Vは、位置ずれ直し経路に沿って移動することによって位置ずれを直すことができ、自車両Vの位置Voと駐車スペース20の目標駐車位置P1との間の離間距離δを所定値未満とし、かつ、自車両Vの車両方位Vfと駐車スペース20の駐車方位26との間の角度θを所定値未満とすることができる。駐車支援装置1は、駐車スペース20内、あるいは駐車スペース20近傍で自車両Vの位置や向きがずれて駐車された自車両Vを、正しい位置や向きに駐車し直すための支援を行うことができる。

以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、前記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。

1 駐車支援装置 11 出庫経路演算部 12 接続候補位置設定部 13 到達可能経路演算部 14 駐車経路設定部 15 位置ずれ判定部 16 位置ずれ直し経路演算部 17 経路表示部 20 駐車スペース 21 通路 22、23、24 障害物 25 通路方位 26 駐車方位 V 自車両 Vo 基準点(自車両の位置) P0 初期位置 P1 目標駐車位置 P2 中間目標位置 D 接続候補位置 E パークアウト位置

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