バックルおよびこれを備えたシートベルト装置

申请号 JP2010279240 申请日 2010-12-15 公开(公告)号 JP5653741B2 公开(公告)日 2015-01-14
申请人 タカタ株式会社; 发明人 河合良彦;
摘要
权利要求
  • ベースと、タングの係止部が挿入されるタング挿入口と、前記ベースに、前記タング挿入口から挿入された前記タングの係止部に係止不能な非係止位置と前記タング挿入口から挿入された前記タングの係止部に係止可能な係止位置との間で移動可能に支持されたラッチ部材と、前記係止位置にある前記ラッチ部材を前記非係止位置の方へ移動させる解除操作部材と、前記ベースに移動可能に設けられて前記タング挿入口から挿入された前記タングの係止部を、前記係止部が前記タング挿入口から離脱する方向へ押圧するエジェクタと、前記エジェクタを前記タング挿入口の方へ付勢するエジェクタスプリングとを少なくとも備えたバックルにおいて、
    前記エジェクタスプリングのすべてが、前記タング挿入口から挿入された前記タングの係止部の移動経路の領域および前記タングの係止部の移動経路の領域から前記係止部の移動方向に延設される仮想延長領域から外れた位置に配設されて おり、
    前記ベースは、所定の間隔をおいて配設されるとともに前記タング挿入口から挿入された前記タングの係止部の移動方向と同方向またはほぼ同方向に延設された第1および第2の側壁を有し、
    前記第1および第2の側壁はそれぞれ前記エジェクタが移動可能に貫通する第1および第2の貫通孔を有し、
    前記エジェクタスプリングは第1および第2のエジェクタスプリングで構成され、
    前記エジェクタは前記ベースの前記第1および第2の側壁の間で前記タング挿入口から挿入された前記タングの係止部を押圧し、
    前記第1のエジェクタスプリングは前記ベースの前記第1の側壁の前記第1の貫通孔を貫通した前記エジェクタの一部を押圧するとともに、前記第2のエジェクタスプリングは前記ベースの前記第2の側壁の前記第2の貫通孔を貫通した前記エジェクタの他の一部を押圧することを特徴とするバックル。
  • 乗員を拘束可能なシートベルトと、車体に設けられるとともに前記シートベルトを巻き取るシートベルトリトラクタと、前記シートベルトに摺動可能に支持されたタングと、車体に設けられるとともに前記タングが係脱可能に係止されるバックルとを少なくとも有し、
    前記バックルは請求項1に記載のバックルであることを特徴とするシートベルト装置。
  • 说明书全文

    本発明は、自動車等の車両のシートに付設されるシートベルト装置に用いられているバックルの技術分野、およびこのバックルを備えたシートベルト装置の技術分野に属するものである。

    自動車を始めとする各種交通機関の座席には、衝突等の通常走行時より大きな減速度が車両に加えられた緊急時に乗員をシートベルトで拘束して慣性移動を抑制するためにシートベルト装置が付設されている。 このようなシートベルト装置は、乗員によるシートベルトの装着操作を簡易にするために、一般的に、シートベルトに支持されたタングと、車体側に固定されるとともにこのタングが挿入係止されるバックルとを備えている。

    従来のシートベルト装置に用いられているバックルとして、タングが挿入されたときこのタングの係止孔に進入してタングの係止するラッチ部材と、ラッチ部材をタングの係止孔から脱出させてタングとの係止を解除する解除操作部材と、解除操作部材がラッチ部材がタングとの係止を解除したとき、タングをバックルから離脱する方向に押圧するエジェクタと、このエジェクタをタングがバックルから離脱する方向に常時付勢するエジェクタスプリングとを有するバックルが多々知られている(例えば、特許文献1および2参照)。

    この種のバックルを備えたシートベルト装置においては、乗員へのシートベルトの装着の際には、タングがバックルに挿入されてラッチ部材がタングに係止することで、タングはバックルに係止される。 これにより、シートベルトは乗員に装着されて、前述の緊急時に乗員はシートベルトに拘束されるので、その慣性移動が抑制される。 また、乗員からのシートベルトの装着解除の際には、解除操作部材が乗員により押圧されることで、ラッチ部材のタングへの係止が解除される。 すると、エジェクタはエジェクタスプリングの付勢によりタングをバックルから押し出す。 これにより、シートベルトの乗員への装着が解除される。

    特開2001−080462号公報。

    特開2001−046117号公報。

    ところで、特許文献1および2等に記載の従来のバックルは、タング挿入口、エジェクタ、エジェクタスプリング、車体に固定されかつバックルのベースを支持するブラケットが、タング挿入口から挿入されたタングの係止部の移動領域あるいはこの係止部の移動方向に延設される仮想延長領域で直列状に配設されている。 このため、従来のバックルはその長手方向(タング挿入方向)に比較的長くなっている。

    しかしながら、バックルがこのように長手方向(タング挿入方向)に長いと、バックルはその分車両シートから突出するようになる。 このため、車両シートに着座する乗員にとって煩雑(邪魔)になる場合が考えられる。 特に、後部シート側に設けられるシートベルト装置では、バックルが車両の左右方向に延設される1つの後部シートの中間部に配設されるため、煩雑(邪魔)になる可能性が高い。

    本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、タング挿入方向の長さをより一層短くすることのできるバックル、およびこれを備えたシートベルト装置を提供することである。

    前述の課題を解決するために、本発明のバックルは、ベースと、タングの係止部が挿入されるタング挿入口と、前記ベースに、前記タング挿入口から挿入された前記タングの係止部に係止不能な非係止位置と前記タング挿入口から挿入された前記タングの係止部に係止可能な係止位置との間で移動可能に支持されたラッチ部材と、前記係止位置にある前記ラッチ部材を前記非係止位置の方へ移動させる解除操作部材と、前記ベースに移動可能に設けられて前記タング挿入口から挿入された前記タングの係止部を、前記係止部が前記タング挿入口から離脱する方向へ押圧するエジェクタと、前記エジェクタを前記タング挿入口の方へ付勢するエジェクタスプリングとを少なくとも備えたバックルにおいて、
    前記エジェクタスプリングのすべてが、前記タング挿入口から挿入された前記タングの係止部の移動経路の領域および前記タングの係止部の移動経路の領域から前記係止部の移動方向に延設される仮想延長領域から外れた位置に配設されており、前記ベースが、所定の間隔をおいて配設されるとともに前記タング挿入口から挿入された前記タングの係止部の移動方向と同方向またはほぼ同方向に延設された第1および第2の側壁を有し、前記第1および第2の側壁がそれぞれ前記エジェクタが移動可能に貫通する第1および第2の貫通孔を有し、前記エジェクタスプリングが第1および第2のエジェクタスプリングで構成され、前記エジェクタが前記ベースの前記第1および第2の側壁の間で前記タング挿入口から挿入された前記タングの係止部を押圧し、前記第1のエジェクタスプリングが前記ベースの前記第1の側壁の前記第1の貫通孔を貫通した前記エジェクタの一部を押圧するとともに、前記第2のエジェクタスプリングは前記ベースの前記第2の側壁の前記第2の貫通孔を貫通した前記エジェクタの他の一部を押圧することを特徴としている。

    一方、本発明のシートベルト装置は、乗員を拘束可能なシートベルトと、車体に設けられるとともに前記シートベルトを巻き取るシートベルトリトラクタと、前記シートベルトに摺動可能に支持されたタングと、車体に設けられるとともに前記タングが係脱可能に係止されるバックルとを少なくとも有し、前記バックルが前述の本発明のバックルであることを特徴としている。

    このような構成をした本発明のバックルによれば、エジェクタをタング挿入口の方へ常時付勢するエジェクタスプリングのすべてが、タングの係止部の移動経路の領域またはタングの係止部の移動経路の領域から係止部の移動方向に延設される仮想延長領域から外れた位置に配設される。 したがって、バックルを車体に固定するためのブラケットを、前述の従来のバックルに比べてより一層タング挿入口寄りに配設可能となる。 これにより、バックルのタングの移動方向の長さを大幅に短縮することが可能となる。

    特に、エジェクタスプリングを第1のエジェクタスプリングと第2のエジェクタスプリングの2分割構成とすることで、エジェクタにモーメント(偏荷重)を作用させることなく、第1のエジェクタスプリングを両側壁を有するベースの一方の側壁の外側(他方の側壁の反対側)に配設可能となるとともに、第2のエジェクタスプリングをベースの他方の側壁外側(一方の側壁の反対側)に配設可能となる。 その場合、解除操作部材の大きさをある程度確保する必要があるので、両側壁の各外側のスペースがデッドスペースになっているため、これらのスペースに第1および第2のエジェクタスプリングを配設することでデッドスペースを有効に利用することができるとともに、これらのスペースに第1および第2のエジェクタスプリングを配設しても、タングの係止部の平面と平行な面内でのタングの挿入方向と直交する方向のバックルのサイズをほとんど増大させることなく、タングの挿入方向のバックルのサイズを小さく抑えることができる。

    一方、本発明のシートベルト装置によれば、タングの挿入方向のバックルの長さを短くすることができるので、バックルがその分車両シートから突出しなくなる。 これにより、車両シートに着座する乗員にとって煩雑(邪魔)になる可能性を抑制することができる。 特に、後部シート側に設けられるシートベルト装置においては、バックルが煩雑(邪魔)になる可能性をより効果的に抑制することができる。 これにより、バックルが車室内に設置されても乗員にとってほとんど邪魔になることはなく、通常時に乗員は車室内で快適に過ごすことが可能となる。

    本発明にかかるバックルの実施の形態の一例を備えたシートベルト装置を模式的に示す図である。

    (a)はこの例のシートベルト装置に用いられているバックルをタングが挿入されない状態で部分的に示す上面図(平面図)、(b)は(a)におけるIIB−IIB線に沿う断面図である。

    (a)はこの例のバックルをタングが挿入された状態で部分的に示す上面図(平面図)、(b)は(a)におけるIIIB−IIIB線に沿う断面図である。

    (a)はバックルに挿入されたタング、エジェクタ、エジェクタスプリング、およびベースとの関係を斜め上方から見た斜視図、(b)は同関係を斜め下方から見た斜視図である。

    (a)は図4(a)の上面図(平面図)、(b)は図4(a)の正面図である。

    以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。
    図1は本発明にかかるバックルの実施の形態の一例を備えたシートベルト装置を模式的に示す図である。

    図1に示すように、この例のシートベルト装置1は、基本的には従来公知の三点式シートベルト装置と同じである。 図中、1はシートベルト装置、2は車両シート、3は車両シート2の近傍に配設されたシートベルトリトラクタ、4はシートベルトリトラクタ3に引き出し可能に巻き取られかつ先端のベルトアンカー4aが車体の床あるいは車両シート2に固定されるシートベルト、5はシートベルトリトラクタ3から引き出されたシートベルト4を乗員のショルダーの方へガイドするガイドアンカー5、6はこのガイドアンカー5からガイドされてきたシートベルト4に摺動自在に支持されたタング、7は車体の床あるいは車両シートに固定されかつタング6が係脱可能に挿入係止されるバックルである。

    図2(a)はこの例のシートベルト装置に用いられているバックルをタングが挿入されない状態で部分的に示す上面図(平面図)、図2(b)は図2(a)におけるIIB−IIB線に沿う断面図、図3(a)はこの例のシートベルト装置に用いられているバックルをタングが挿入係止された状態で部分的に示す上面図(平面図)、図3(b)は図3(a)におけるIIIB−IIIB線に沿う断面図である。
    この例のバックル7の構成および作動は、基本的には前述の特許文献1に記載のバックルの構成および作動と実質的に同じである。

    そこで、まず特許文献1に記載のバックルの構成と異なる部分のこの例のバックル7の構成について説明する。
    図2(a),(b)および図3(a),(b)に示すように、この例のバックル7は、第1および第2の側壁8a,8bと底部8cとを有するU字状フレームからなるベース8と、ベース8の第1および第2の側壁8a,8bに回動可能に支架され、タング6の平面状の係止部6aにラッチ(係止)不能な非ラッチ位置とタング6にラッチ(係止)可能なラッチ係止)位置との間で移動可能なラッチ部材9と、ベース8の第1および第2の側壁8a,8bに移動可能に設けられ、タング6とラッチ部材9とのラッチ時にラッチ部材9のラッチ解除方向の移動を阻止するロックピン10と、ベース8の第1および第2の側壁8a,8bに長手方向に移動可能に設けられた解除操作部材である操作ボタン11と、操作ボタン11を常時付勢するボタンスプリング12と、ラッチ部材9に摺動可能に支持されるとともにタング6とラッチ部材9とのラッチ時にラッチ部材9とロックピン10との間に進入するスライダ13と、このスライダ13とラッチ部材9との間に縮設されてスライダ13を常時ロックピン10の方へ付勢するスライダスプリング14と、ベース8の底部8cにベース8の長手方向に摺動可能に設けられ、タング6をバックル7から離脱させる方向に付勢(押圧)可能なエジェクタ15と、エジェクタ15をタング6がバックル7から離脱する方向(つまり、後述するタング挿入口17の方向)に常時付勢(押圧)するエジェクタスプリング16とを備えている。

    その場合、この例のバックル7は、タング挿入口17がベース8の底部8cの一側の端部と操作ボタン11との間に設けられる。 また、バックル7の前述の各構成部材(符号9〜16で示される部材)がベース8に組み付けられる。 そして、ベース8の底部8cが車体に固定されたブラケット18に固定されることで、バックル7は、このブラケット18を介して車体に固定される。 その場合、ベース8の底部8cのタング挿入口17と反対側の端部8c 1とプレート19とでブラケット18を挟持して一対のリベット20で締結することで、バックル7がブラケット18に取り付けられる。 なお、図示しないが、特許文献1に記載のバックルと同様に、バックル7の前述の各構成部材(9〜16)が組み付けられたベース8はアッパーカバーおよびロアカバーで上下方向から覆われる。

    ところで、この例のバックル7では、エジェクタスプリング16が第1のエジェクタスプリング16aと第2のエジェクタスプリング16bとの一対から構成される。 これらの第1および第2のエジェクタスプリング16a,16bは、いずれも従来のエジェクタスプリングよりは小さい弾性定数でかつ小さいコイル径および小さいばね線径に形成されるが、互いに同じ弾性定数でかつ同じサイズ(コイル径、ばね線径、長手方向の長さ)に形成される。

    また、第1のエジェクタスプリング16aのすべては、バックル7においてタング6の係止部6aの移動経路の領域αおよびこの領域αから係止部6aの移動方向に延びる仮想延長領域βから外れた位置で、ベース8の第1の側壁8aより外側(第2の側壁8bと反対側)に配設される。 また、第2のエジェクタスプリング16bのすべては、前述の領域αおよび前述の仮想延長領域βから外れた位置で、ベース8の第2の側壁8bより外側(第1の側壁8aと反対側)に配設される。

    図2(a)、図4(a),(b)、および図5(a)に示すように、これらの第1および第2のエジェクタスプリング16a,16bは、それぞれ第1および第2の側壁8a,8bのブラケット18の固定側端部8a 1 ,8b 1に固定されたエジェクタスプリングガイド支持部材21に支持されている。 その場合、エジェクタスプリングガイド支持部材21は、第1の側壁8aに沿って平行またはほぼ平行にタング挿入口17の方へ延設される第1のエジェクタスプリングガイド21aと、第2の側壁8bに沿って平行またはほぼ平行にタング挿入口17の方へ延設される第2のエジェクタスプリングガイド21bとを有する。 そして、第1のエジェクタスプリング16aが第1のエジェクタスプリングガイド21
    aに嵌合されてガイド支持される。 また、第2のエジェクタスプリング16bが第2のエジェクタスプリングガイド21bに嵌合されてガイド支持される。

    また、図4(a),(b)に示すように、第1および第2の側壁8a,8bには、それぞれ、第1および第2の貫通孔22,23がエジェクタ15の移動方向に延びるようにして穿設されている。 そして、エジェクタ15の移動方向と直交またはほぼ直交する方向の一端部15aが第1の貫通孔22を摺動可能に貫通しているとともに、エジェクタ15の同方向の他端部15bが第2の貫通孔23を摺動可能に貫通している。

    更に、図4(b)および図5(a)に示すように、エジェクタ15の一端部15aが第1のエジェクタスプリングガイド21aに摺動可能に嵌合されるとともに、エジェクタ15の他端部15bが第2のエジェクタスプリングガイド21bに摺動可能に嵌合される。 そして、エジェクタ15の一端部15aが第1のエジェクタスプリング16aの付勢力でタング挿入口17の方へ常時付勢されるとともに、エジェクタ15の他端部15bが第2のエジェクタスプリング16bの付勢力でタング挿入口17の方へ常時付勢される。

    このように構成されたこの例のバックル 7においては、タング6がバックル7から離脱しているときは、図2(a),(b)に示すようにバックル7が非作動状態となっている。 このバックル7の非作動状態では、ラッチ部材9が非ラッチ(非係止)位置(非作動位置)にあり、エジェクタ15もタング挿入口17に最も接近した非作動位置にある。 エジェクタ15のこの非作動位置では、エジェクタ15の両端部15a,15bは、それぞれ第1および第2のエジェクタスプリングガイド21a,21bに嵌合した状態で所定位置に停止している。 このとき、第1および第2のエジェクタスプリング16a,16bは、それぞれエジェクタ15の各端部15a,15bを比較的弱い力でタング挿入口17の方へ付勢している。 また、スライダ13の傾斜した一端面13aがスライダスプリング14の付勢力でロックピン10に当接している。

    このバックル7の非作動状態において、シートベルト4を装着するために、タング6の係止部6aがタング挿入口17からバックル7内に挿入される。 係止部6aがバックル7内に所定量挿入されると、係止部6aの先端がエジェクタ15の一端に当接する。 タング6が更にバックル7に挿入されると、エジェクタ15は係止部6aに押されて第1および第2のエジェクタスプリング16a,16bを収縮しながら図2(a),(b)において右方へ移動する。 タング6が更にバックル7に挿入されると、係止部6aの先端がラッチ部材9の第1の被押圧部9aに当接して押圧する。 すると、ラッチ部材9が、両側壁8a,
    8bに回動可能に支持されたラッチ部材9の両側縁の支点部9b,9cを中心に図2(b
    )において反時計回りに回動する。 これにより、ラッチ部材9のラッチ部9dがタング6の係止部6aの移動経路の方へ移動する。

    タング6の係止部6aの係止孔6bが、ラッチ部材9のラッチ部9dが進入可能な位置に到達すると、ラッチ部9dは係止部6aの係止孔6b内に進入する。 この状態で、乗員がタング6を離すと、係止部6aがエジェクタ15によりバックル7からの離脱方向に押圧されて同方向に移動する。 これにより、図3(a),(b)に示すように係止部6aの係止孔6bの端縁がラッチ部材9のラッチ部9dに当接し、係止部6aのバックル7からの離脱方向の移動が阻止される。 こうして、タング6がバックル7に係止される。 そして、余分に引き出されたシートベルト4がシートベルトリトラクタ3により巻き取られ、シートベルト4は乗員に装着される。

    シートベルト4の装着を解除するために、図3(a),(b)に示すバックル7の状態から操作ボタン11が図3(a),(b)において右方へ押圧されて移動すると、この操作ボタン11はスライダ13に当接してスライダ13を押圧する。 すると、スライダ13
    がスライダスプリング14を収縮しながら図3(a),(b)において右方へ移動するとともに、ラッチ部材9が支点部9b,9cを中心に図3(b)において時計回りに回動する。 これにより、ラッチ部材9のラッチ部9dがタング6の係止部6aの移動経路から離脱する方向へ移動する。

    ラッチ部材9のラッチ部9dがタング6の係止孔6bから脱出すると、ラッチ部材9とタング6との係止が解除される。 すると、第1および第2のエジェクタスプリング16a,16bの付勢力でエジェクタ15がタング6とともにタング挿入口17の方(図3(a
    ),(b)に左方)へ移動する。 これにより、タング6がバックル7から離脱する。 そして、装着のため引き出されたシートベルト4はシートベルトリトラクタ3により巻き取られる。

    一方、スライダ13の図3(a),(b)において右方への移動で、スライダ13がラッチ部材9とロックピン10との間から脱出するとともに、ラッチ部材9の図3(b)において時計回りの回動で、スライダ13の同方向に回動する。 そして、図2(b)に示すようにラッチ部材9がロックピン10に当接することでラッチ部材9の回動が停止し、ラッチ部材9は図2(b)に示す非作動位置(非ラッチ位置)となる。 また、図2(b)に示すようにスライダ13はスライダスプリング14の付勢力でスライダ13の一端面13aがロックピン10に当接した状態に保持される。 更に、エジェクタ15は第1および第2のエジェクタスプリング16a,16bの付勢力で図2(b)に示す初期の非作動位置となる。 更に、操作ボタン11は乗員の手から離れるとボタンスプリング12の付勢力で図2(a),(b)に示す初期の非作動位置となる。

    なお、この例のバックル 7では特許文献1に記載のバックルの慣性レバー部材およびこの慣性レバー部材に関係する部材は設けられていないが、これらの慣性レバー部材および慣性レバー部材に関係する部材を設けることも可能である。 また、特許文献1に記載のバックルでは、ラッチ部材とタングとのラッチ時にロックピンがラッチ部材を直接押さえてラッチ位置に保持しているが、この例のバックル 7では、ラッチ部材9とタング6とのラッチ時に、スライダ13がロックピン10とラッチ部材9との間に進入することで、ロックピン10に押さえられたスライダ13がラッチ部材9を押さえてラッチ位置に保持している。
    この例のバックル7の他の構成および他の作動は、特許文献1に記載のバックルと実質的に同じである。

    このように構成されたこの例のバックル7によれば、エジェクタ15をタング挿入口17の方へ常時付勢するエジェクタスプリング16のすべてが、タング6の係止部6aの移動経路の領域αおよび係止部6aの移動経路の領域αから係止部6aの移動方向に延びる仮想延長領域βから外れた位置に配設されている。 したがって、バックル7を車体に固定するためのブラケット18を、前述の従来のバックルに比べてより一層タング挿入口17寄りに配設可能となる。 これにより、バックル7のタング6の移動方向の長さを大幅に短縮することが可能となる。

    特に、エジェクタスプリング16を第1のエジェクタスプリング16aと第2のエジェクタスプリング16bの2分割構成とすることで、エジェクタ15にモーメントを作用させることなく、第1のエジェクタスプリング16aを横断面コ字状のベース8の一方の側壁8aの外側(他方の側壁8bの反対側)に配設可能となるとともに、第2のエジェクタスプリング16bをベース8の他方の側壁8bの外側(一方の側壁8aの反対側)に配設可能となる。 その場合、操作ボタン11の大きさをある程度確保する必要があるので、両側壁8a,8bの各外側のスペースがデッドスペースになっているため、これらのスペースに第1および第2のエジェクタスプリング16a,16bを配設することでデッドスペースを有効に利用することができるとともに、これらのスペースに第1および第2のエジェクタスプリング16a,16bを配設しても、タング6の係止部6aの平面と平行な面内でのタング6の挿入方向と直交する方向のバックル7のサイズをほとんど増大させることなく、タング6の挿入方向のバックル7のサイズを小さく抑えることができる。

    一方、この例のシートベルト装置1によれば、タング6の挿入方向のバックル7の長さを短くすることができるので、バックル7がその分車両シート2から突出しなくなる。 これにより、車両シート2に着座する乗員にとって煩雑(邪魔)になる可能性を抑制することができる。 特に、後部シート側に設けられるシートベルト装置1においては、バックル7が煩雑(邪魔)になる可能性をより効果的に抑制することができる。 これにより、バックル7が車室内に設置されても乗員にとってほとんど邪魔になることはなく、通常時に乗員は車室内で快適に過ごすことが可能となる。

    なお、本発明に係るバックルは、前述の例に限定されることはなく、種々の設計変更が可能である。 例えば、前述の例ではエジェクタスプリング16を一対の第1および第2エジェクタスプリング16a,16bで構成し、タング6の係止部6aの移動経路を含むベース8の底部8cと平行な面内でこれらの第1および第2エジェクタスプリング16a,16bのすべてをベース8の両側壁8a,8bの各外側に配設するものとしているが、例えば1つのエジェクタスプリング16の全部をベース8の底部8cより下方位置等の、ベース8の底部8cと直交する方向の面内でタング6の係止部6aの移動領域外に配設することもできる。 要は、本発明は特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で種々設計変更が可能である。

    本発明のバックルおよびシートベルト装置は、シートベルトを装着可能にするために、シートベルトに支持されたタングが係止されるバックルおよびこれを備えるシートベルト装置に好適に利用することができる。

    1…シートベルト装置、3…シートベルトリトラクタ、4…シートベルト、6…タング、7…バックル、8…ベース、8a,8b…側壁、8c…底部、9…ラッチ部材、11…操作ボタン、15…エジェクタ、16…エジェクタスプリング、16a…第1のエジェクタスプリング、16b…第2のエジェクタスプリング、17…タング挿入口、18…ブラケット、19…プレート、20…リベット、21…エジェクタスプリングガイド支持部材、21a…第1のエジェクタスプリングガイド、21b…第2のエジェクタスプリングガイド

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