Tongue plate and vehicular seat belt device

申请号 JP2012135992 申请日 2012-06-15 公开(公告)号 JP2014000851A 公开(公告)日 2014-01-09
申请人 Toyota Motor Corp; トヨタ自動車株式会社; 发明人 OMURA YUKIHITO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To improve grip easiness of a grip section.SOLUTION: In a tongue plate 20, a pair of inclined surfaces 40 are disposed so as to increase a width dimension on an engaged section 26 side of a grip section 32 more than that on an opposite side of the engaged section 26. By this, when an occupant having a small hand grips the grip section 32, the occupant can mainly grip a small width dimension portion of the grip section 32 while when an occupant having a large hand grips the grip section 32, the occupant can mainly grip a large width dimension portion of the grip section 32. Accordingly, different grip easiness due to the size of a hand of an occupant can be suppressed. When the tongue plate 20 is engaged to a buckle device of a vehicle, matching of the direction of take-up force acting on the tongue plate 20 with inclined directions of the inclined surfaces 40 can be suppressed. At the time, the grip section 32 can be gripped to receive the pair of inclined surfaces 40. As a result, grip easiness of the grip section 32 can be improved.
权利要求
  • 乗員拘束用のウェビングが挿通され、乗員が把持する把持部と、
    前記把持部と一体に形成されると共に、前記把持部から延出されて車両のバックル装置に係合可能に形成された係合部を含んで構成されたプレート部と、
    前記プレート部の板厚方向から見た前記把持部の外周面の一部を構成すると共に前記把持部の幅方向両側部に配置され、前記把持部の前記係合部側の幅寸法が前記把持部の前記係合部とは反対側の幅寸法に比べて大きくなるように配置された一対の側面と、
    を備えたタングプレート。
  • 前記外周面が、前記側面の前記係合部とは反対側の端部同士を接続する天面と、前記側面の前記係合部側の端部と前記プレート部とを接続する一対の底面と、を含んで構成されると共に、
    前記プレート部の板厚方向から見て、前記側面は前記把持部の幅方向に対して傾斜して配置され、前記把持部の幅方向に対する前記側面の成す角度が64°以上かつ77°以下に設定された請求項1に記載のタングプレート。
  • 前記プレート部の板厚方向から見た前記側面の長さが25.2mm以上かつ40mm以下に設定された請求項2に記載のタングプレート。
  • 前記天面には前記ウェビングが挿通される挿通孔の開口部が形成され、
    前記開口部が前記天面の幅方向両端部間に配置された請求項2又は請求項3に記載のタングプレート。
  • 前記プレート部の板厚方向から見た前記側面の傾斜方向中央位置での前記把持部の幅寸法が73mm以上かつ74mm以下に設定されると共に、前記把持部の最大幅寸法が76.1mm以下に設定された請求項2〜請求項4の何れか一項に記載のタングプレート。
  • 前記プレート部の板厚方向から見た前記側面の傾斜方向中央位置での前記把持部の厚さ寸法が11mm以上かつ13.5mm以下に設定された請求項2〜請求項5の何れか一項に記載のタングプレート。
  • 前記把持部における前記プレート部の板厚方向一方側の面は、前記プレート部の板厚方向一方側へ凸となるように球状に湾曲された請求項1〜請求項6の何れか一項に記載のタングプレート。
  • 長尺帯状に形成された前記ウェビングと、
    巻取方向へ回転されることで前記ウェビングを巻取ると共に前記ウェビングが引出されることで引出方向へ回転されるスプールを含んで構成されたリトラクタと、
    請求項1〜請求項7の何れか一項に記載のタングプレートと、
    を備えた車両用シートベルト装置。
  • 说明书全文

    本発明は、タングプレート及び当該タングプレートを備えた車両用シートベルト装置に関する。

    下記の特許文献1に記載された車両用シートベルト装置では、ウェビングに移動可能に設けられたタングプレートを備えている。 このタングプレートは、タングプレート芯材と、このタングプレート芯材の一部を覆う把持部と、を有しており、把持部の幅方向両側部には、グリップ部が形成されている。 そして、乗員が把持部を把持してタングプレートを引っ張ることで、ウェビングがリトラクタから引出されるように構成されている。

    特開2007−76635号公報

    特開2006−131087号公報

    しかしながら、この車両用シートベルト装置では、タングプレート芯材の板厚方向から見て、把持部の幅方向両側部が平行に配置されているため、乗員の手(掌から指先まで)の大きさによって握りやすさが異なる。 また、ウェビングをリトラクタから引出す際にはリトラクタの巻取が把持部に作用して、この巻取力が作用する方向と把持部の幅方向両側部の延びる方向とが略一致するため、乗員の手に対して把持部の幅方向両側部が滑り易くなっている。 したがって、把持部の握り易さを向上する点において改善の余地がある。

    本発明は、上記事実を考慮し、把持部の握り易さを向上できるタングプレートを提供することを目的とする。

    請求項1に記載のタングプレートは、乗員拘束用のウェビングが挿通され、乗員が把持する把持部と、前記把持部と一体に形成されると共に、前記把持部から延出されて車両のバックル装置に係合可能に形成された係合部を含んで構成されたプレート部と、前記プレート部の板厚方向から見た前記把持部の外周面の一部を構成すると共に前記把持部の幅方向両側部に配置され、前記把持部の前記係合部側の幅寸法が前記把持部の前記係合部とは反対側の幅寸法に比べて大きくなるように配置された一対の側面と、を備えている。

    請求項1に記載のタングプレートでは、タングプレートが把持部とプレート部とを含んで構成されている。 把持部には、乗員拘束用のウェビングが挿通されている。 また、プレート部は、把持部と一体に形成されると共に、把持部から延出された係合部を含んで構成されている。 そして、乗員がウェビングを装着する際には、乗員がタングプレートの把持部を把持して、プレート部の係合部を車両のバックル装置に係合させることで、ウェビングが乗員の身体に装着される。

    ここで、プレート部の板厚方向から見た把持部の外周面の一部が、一対の側面によって構成されており、一対の側面は、把持部の幅方向両側部に配置されている。 そして、把持部の係合部側の幅寸法が把持部の係合部とは反対側の幅寸法に比べて大きくなるように一対の側面が配置されている。 すなわち、把持部における係合部の延出方向側の幅寸法が、把持部における係合部の延出方向とは反対側の幅寸法に比べて大きく設定されている。

    これにより、例えば、手(掌から指先まで)の小さい乗員が把持部を把持する際には、当該乗員は把持部の幅寸法の小さい部分を主に把持することができ、手の大きい乗員が把持部を把持する際には、当該乗員は把持部の幅寸法の大きい部分を主に把持することができる。 したがって、乗員の手の大きさによって握り易さが異なることを抑制できる。

    また、ダングプレートを車両のバックル装置に係合させる際には、タングプレートの係合部をバックル装置へ向けて引っ張るため、ウェビングを格納するリトラクタからタングプレートに作用する巻取力が、プレート部の延出方向とは反対方向へ作用する。 そして、上述したように、把持部における係合部の延出方向側の幅寸法が、把持部における係合部の延出方向とは反対側の幅寸法に比べて大きく設定されている。 このため、把持部の幅方向に対して側面を傾斜して配置する場合には、側面が傾斜する方向とタングプレートに作用する巻取力の方向とが一致しない。 しかも、ダングプレートを車両のバックル装置に係合させる際には、乗員が一対の側面を受け止めるように把持できる。 これにより、把持部の握り易さを向上できる。

    請求項2に記載のタングプレートは、請求項1に記載の発明において、前記外周面が、前記側面の前記係合部とは反対側の端部同士を接続する天面と、前記側面の前記係合部側の端部と前記プレート部とを接続する一対の底面と、を含んで構成されると共に、前記プレート部の板厚方向から見て、前記側面は前記把持部の幅方向に対して傾斜して配置され、前記把持部の幅方向に対する前記側面の成す度が64°以上かつ77°以下に設定されている。

    請求項2に記載のタングプレートでは、把持部の外周面が、天面と一対の底面とを含んで構成されている。 天面は、側面の係合部とは反対側の端部同士を接続しており、底面は、側面の係合部側の端部とプレート部とを接続している。

    ここで、プレート部の板厚方向から見て、側面は把持部の幅方向に対して傾斜して配置されて、把持部の幅方向に対する側面の成す角度が64°以上かつ77°以下に設定されている。 これにより、把持部の握り易さを一層向上できる。

    すなわち、把持部の幅方向に対する側面の成す角度を仮に64°より小さく設定すると、乗員が側面上に自身の指を配置して把持部を把持した際に、側面に対して乗員の指が把持部の幅寸法の小さい方へ滑り易くなり、把持部に対する握り易さが悪化する。

    一方、把持部の幅方向に対する側面の成す角度を仮に77°より大きく設定すると、ダングプレートを車両のバックル装置に係合させる際にタングプレートに作用する巻取力の方向と側面が傾斜する方向とが一致する方向に近づく。 このため、ダングプレートを車両のバックル装置に係合させる際に、側面に対して乗員の指が滑り易くなり、把持部に対する握り易さが悪化する。

    これに対して、把持部の幅方向に対する側面の成す角度を64°以上かつ77°以下に設定することで、側面に対する乗員の手(指)の滑りが抑制されて、把持部の握り易さを一層向上できる。

    なお、把持部の幅方向に対する側面の成す角度とは、例えば、プレート部の板厚方向から見て側面が湾曲されている場合には、天面と側面との境界と、側面と底面との境界と、を結ぶ線が把持部の幅方向に対して傾斜される角度をいう。 また、天面と側面とが角Rで接続され、側面と底面とが角Rで接続されている場合には、天面と側面とを接続する角Rの中心と、側面と底面とを接続する角Rの中心と、を結ぶ線が把持部の幅方向に対して傾斜される角度をいう。

    請求項3に記載のタングプレートは、請求項2に記載の発明において、前記プレート部の板厚方向から見た前記側面の長さが25.2mm以上かつ40mm以下に設定されている。

    請求項3に記載のタングプレートでは、プレート部の板厚方向から見た側面の長さが25.2mm以上かつ40mm以下に設定されている。 これにより、比較的手の大きい乗員(例えば、JM95(日本人の成人男性を身長の低い方から順に並べたときに身長の低い方から95%の身長を有する日本人男性)相当の乗員)が、側面上に自身の指を配置して把持部を把持する際でも、乗員の指が側面から天面側及び底面側へずれることを抑制できる。 したがって、側面の長さを乗員が把持できる十分な長さに設定できる。

    なお、側面の長さとは、プレート部の板厚方向から見た際に、天面と側面との境界から側面と底面との境界までの側面の長さをいう。 また、プレート部の板厚方向から見た際に、天面と側面とが角Rで接続され、側面と底面とが角Rで接続されている場合には、天面と側面とを接続する角Rの中点から側面と底面とを接続する角Rの中点までの側面の長さをいう。

    請求項4に記載のタングプレートは、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記天面には前記ウェビングが挿通される挿通孔の開口部が形成され、前記開口部が前記天面の幅方向両端部間に配置されている。

    請求項4に記載のタングプレートでは、把持部の天面にウェビングが挿通される挿通孔の開口部が形成されており、開口部は天面の幅方向両端部間に配置されている。 このため、側面に当該開口部が配置されないため、側面が連続した面で形成される。 これにより、乗員が側面上に指を配置して把持部を把持する際の乗員の指と側面との接触面積を確保できる。

    しかも、例えば、ウェビングが把持部に対して幅方向に相対移動される際には、ウェビングの縁部が開口部の幅方向両側部に当接されるため、ウェビングと乗員の指との接触を抑制できる。 以上により、タングプレートにおける把持部の握り易さを効果的に向上できる。

    請求項5に記載のタングプレートは、請求項2〜請求項4の何れか一項に記載の発明において、前記プレート部の板厚方向から見た前記側面の傾斜方向中央位置での前記把持部の幅寸法が73mm以上かつ74mm以下に設定されると共に、前記把持部の最大幅寸法が76.1mm以下に設定されている。

    請求項5に記載のタングプレートでは、側面の傾斜方向中央位置における把持部の幅寸法が73mm以上に設定されているため、例えば、ウェビングを挿通させる挿通孔を把持部に形成できる。 また、側面の傾斜方向中央位置における把持部の幅寸法が74mm以下に設定され、かつ把持部の最大幅寸法が76.1mm以下に設定されていることで、比較的手の小さい乗員(例えば、AF05(アメリカ人の成人女性を身長の低い方から順に並べたときに身長の低い方から5%の身長を有するアメリカ人女性)相当の乗員)でも把持部を良好に把持できる。 すなわち、側面の傾斜方向中央位置における把持部の幅寸法を74mm以下に設定し、かつ把持部の最大幅寸法を76.1mm以下に設定することで、当該乗員が把持部を把持する際に、乗員の手が突っ張った状態になることを抑制できる。 これにより、乗員が把持部を良好に把持できる把持部の幅寸法を設定できる。

    請求項6に記載のタングプレートは、請求項2〜請求項5の何れか一項に記載の発明において、前記プレート部の板厚方向から見た前記側面の傾斜方向中央位置での前記把持部の厚さ寸法が11mm以上かつ13.5mm以下に設定されている。

    請求項6に記載のタングプレートでは、プレート部の板厚方向から見た側面の傾斜方向中央位置での把持部の厚さ寸法が、11mm以上かつ13.5mm以下に設定されているため、乗員が把持部を把持する際には、把持部の外周面が乗員の指内に収まるように配置される。 これにより、乗員が把持部を良好に把持できる把持部の厚さ法を設定できる。

    請求項7に記載のタングプレートは、請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の発明において、前記把持部における前記プレート部の板厚方向一方側の面は、前記プレート部の板厚方向一方側へ凸となるように球状に湾曲されている。

    請求項7に記載のタングプレートでは、把持部におけるプレート部の板厚方向一方側の面が、プレート部の板厚方向一方側へ凸となるように球状に湾曲されているため、把持部における握り易さを一層効果的に向上できる。 すなわち、乗員が手の内側で把持部におけるプレート部の板厚方向一方側の面を包むように把持部を把持することで、把持部が手にフィットするようになる。 これにより、把持部における握り易さを一層効果的に向上できる。

    請求項8に記載の車両用シートベルト装置は、長尺帯状に形成された前記ウェビングと、巻取方向へ回転されることで前記ウェビングを巻取ると共に前記ウェビングが引出されることで引出方向へ回転されるスプールを含んで構成されたリトラクタと、請求項1〜請求項7の何れか一項に記載のタングプレートと、を備えている。

    請求項8に記載の車両用シートベルト装置では、請求項1〜請求項7の何れか一項に記載のタングプレートを含んで構成されているため、乗員がウェビングを装着するためにタングプレートの把持部を把持した際の握り易さを向上できる。

    以上、説明したように本発明のタングプレートによれば、把持部の握り易さを向上できる。

    本実施の形態に係るタングプレートを示す正面図である。

    図1に示されるタングプレートが用いられた車両用シートベルト装置の全体を示す車両前側から見た正面図である。

    図1に示されるタングプレートの外周部の形状を説明するための正面図である。

    図3に示されるタングプレートを示す平面図である。

    図3に示されるタングプレートを示す側面図である。

    図3に示されるタングプレートの傾斜面の傾斜方向中央位置での断面を示す断面図(図3の6−6線断面図)である。

    図2に示されるタングプレートにウェビングが挿通された状態を示す斜視図である。

    図1に示されるタングプレートの傾斜面と握り易さとの関係を説明するための説明図である。

    比較例におけるタングプレートを示す側面図である。

    比較例のタングプレートと図1に示されるタングプレートとの握り易さの評価を説明するための説明図である。

    図1に示されるタングプレートの幅寸法と握り易さとの関係を説明するための説明図である。

    図1に示されるタングプレートの最大幅寸法と握り易さとの関係を説明するための説明図である。

    図1に示されるタングプレートの厚さ寸法と握り易さとの関係を説明するための説明図である。

    本実施の形態に係るタングプレートを示す平面図である。

    図2には、本発明の実施の形態に係るタングプレート20が用いられた車両用シートベルト装置10の全体が車両前方から見た正面図にて示されている。 なお、図面に適宜示される矢印FRは車両前方を示し、矢印RHは車両右方(車両幅方向外側)を示し、矢印UPは車両上方を示している。

    この図に示されるように、車両用シートベルト装置10は、車両のセンターピラー70内に配設されたリトラクタ12と、リトラクタ12から延出されて乗員の身体を拘束するウェビング18と、ウェビング18に設けられたタングプレート20と、を含んで構成されている。 そして、車両用シートベルト装置10は、車両のシート72(本実施の形態では運転席用のシート)の車両右側に設けられている。

    リトラクタ12はフレーム14を備えており、フレーム14が車体に固定されることで、リトラクタ12が車体に固定されている。 このフレーム14の内側には、スプール16が設けられている。 スプール16は、全体として略円筒形状に形成されて、軸方向を車両前後方向として、フレーム14に回転可能に支持されている。 このスプール16には、後述するウェビング18の基端部が連結されている。 そして、スプール16を巻取方向へ回転させると、ウェビング18が自身の基端側からスプール16の外周部に巻取られる。 一方、ウェビング18をその先端側から引っ張ると、これに伴いスプール16が引出方向へ回転しながらウェビング18がリトラクタ12から引出されるようになっている。 また、スプール16には、付勢バネ(図示省略)が連結されている。 この付勢バネは、ぜんまいばねとして構成されており、スプール16は付勢バネによって巻取方向へ付勢されている。 これにより、付勢バネによってウェビング18に巻取力が作用している。

    ウェビング18は長尺帯状に形成されている。 ウェビング18の長手方向一端部(基端部)は、前述したスプール16に連結されており、ウェビング18は、厚さ方向を車両幅方向にしてリトラクタ12から車両上側へ延出されている。 そして、ウェビング18は、車両のショルダアンカ74によって車両下側へ折り返されて、ウェビング18の長手方向他端部(先端部)が車両のアンカ76に固定されている。

    タングプレート20は、ウェビング18に設けられると共に、ウェビング18に長手方向に移動可能に構成されている。 そして、図1に示されるように、タングプレート20は、車両幅方向内側から見て、車両上下方向に沿った中心線CLに対して対称に形成されると共に、プレート部22と把持部32とを含んで構成されている。

    プレート部22は、金属製にされると共に、プレート部22の板厚方向から見て、略T字形板状に形成されている。 そして、プレート部22は、プレート部22の上部を構成する芯部24とプレート部22の下部を構成する係合部26とを含んで構成されている。

    図5に示されるように、このプレート部22は、車両上下方向中間位置において屈曲されており、側面視で芯部24が車両上側へ向かうに従い図5における車両右側(タングプレート20の裏面36側)へ傾斜されている。 さらに、図1に示されるように、芯部24は、後述する把持部32によって被覆されており、芯部24の略中央部には、略矩形状の貫通孔28が形成されている。

    係合部26は、芯部24から車両下側へ延出されており、係合部26の先端部(下端部)には、略矩形状の係合孔30が貫通形成されている。 そして、係合部26が車両のバックル装置78(図2参照)に挿入されることで、係合部26とバックル装置78とが係合されて、タングプレート20がバックル装置78に装着されるようになっている。

    把持部32は、樹脂製にされると共に、芯部24を覆うようにプレート部22と一体に形成されている。 把持部32は、プレート部22の板厚方向から見て略六角形状に形成されると共に、側面視で把持部32の厚みが上側へ向かうに従い厚くなるように設定されている(図5参照)。

    図3に示されるように、プレート部22の板厚方向一方側(把持部32の表面34側)から見た把持部32の外周面38は、「側面」としての一対の傾斜面40と、天面42と、「底面」としての一対の第1底面44と、第2底面46と、を含んで構成されている。

    一対の傾斜面40は、把持部32の表面34側から見て、係合部26の延出方向(車両下側)へ向かうに従い互いに離間する方向へ傾斜されると共に、把持部32の外側へ凸となるように湾曲されている。 すなわち、把持部32の幅寸法が係合部26の延出方向へ向かうに従い大きくなるように設定されている。

    天面42は、把持部32の表面34側から見て、タングプレート20の幅方向に沿って延びると共に、把持部32の外側へ凸となるように湾曲されている。 この天面42の長手方向両端部は、傾斜面40の上端部にそれぞれ接続されており、天面42の長手方向両端部と傾斜面40の上端部との接続部分は、把持部32の表面34側から見て把持部32の外側へ凸となる湾曲された角R1とされている。

    第1底面44は、傾斜面40の下端部からプレート部22(係合部26)へ向けて延びており、把持部32の表面34側から見て、中心線CLへ向かうに従い車両下側へ傾斜して配置されている。 そして、第1底面44の幅方向外側の端部が、傾斜面40の下端部に接続されており、第1底面44の幅方向外側の端部と傾斜面40の下端部との接続部分は、把持部32の表面34側から見て把持部32の外側へ凸となる湾曲された角R2とされている。

    第2底面46は、第1底面44の幅方向内側の端部同士を接続するように、タングプレート20の幅方向に沿って延びている。 そして、プレート部22の係合部26が第2底面46から下側へ向けて延出されている。

    また、図4に示されるように、把持部32には挿通孔52が形成されている。 この挿通孔52の断面は、長手方向をタングプレート20の幅方向とした略長尺矩形状を成しており、挿通孔52は天面42からプレート部22の貫通孔28内を通過して把持部32の裏面36へ亘って貫通されている。 そして、図7に示されるように、この挿通孔52内にウェビング18が挿通されており、ウェビング18は、天面42における挿通孔52の開口部54から車両上側へ延びている。

    さらに、図6に示されるように、把持部32の表面34は、プレート部22の板厚方向一方側(図6における車両左側)へ凸となるように球状に湾曲されている。 そして、表面34の縁部が外周面38と連続的に接続されており、表面34の縁部と外周面38との接続部分は、把持部32の外側へ凸となる湾曲された角R3とされている。

    そして、図2に示されるように、タングプレート20がバックル装置78に装着される前では、タングプレート20は、ウェビング18に設けられたタングストッパ(図示省略)によって保持されて、シート72の車両右側に配置されている。

    ここで、図3に示されるように、把持部32の表面34側から見て、タングプレート20の幅方向に対する傾斜面40の成す角度Aは、64°以上かつ77°以下に設定されている。 この角度Aとは、タングプレート20の幅方向に沿った線Bと、角R1の中心と角R2の中心とを結ぶ線Cと、の間の成す角度をいう。

    また、把持部32の表面34側から見た傾斜面40の長さLが25.2mm以上かつ40mm以下に設定されている。 この傾斜面40の長さLとは、把持部32の表面34側から見て、角R1の中点P1から傾斜面40に沿って角R2の中点P2までの長さをいう。

    さらに、図7に示されるように、挿通孔52の開口部54は、天面42の長手方向両端部間に配置されている。 また、外周面38における開口部54の幅方向両側部から天面42の長手方向両端部へ亘る領域(図7にて斜線で示される領域参照)が、制限部58とされており、制限部58は、開口部54の幅方向両側部から傾斜面40へ連続した面で形成されている。 そして、例えばウェビング18が把持部32に対して幅方向に相対移動する際には、ウェビング18の幅方向の縁が開口部54(制限部58)に当接されて、開口部54(制限部58)によってウェビング18の幅方向への移動が抑制されるように構成されている。

    また、図3に示されるように、把持部32の表面34側から見て、傾斜面40の傾斜方向中央位置P3での把持部32の幅寸法W1が73mm以上かつ74mm以下に設定されている。 この傾斜方向中央位置P3とは、把持部32の表面34側から見て、中点P1及び中点P2から傾斜面40に沿って等距離に設定された位置である。 さらに、把持部32の表面34側から見て、把持部32の最大幅寸法Wmaxが76.1mm以下に設定されている。

    さらに、図6に示されるように、傾斜方向中央位置P3における把持部32の厚さ寸法T1が11mm以上かつ13.5mm以下に設定されると共に、角R3の半径が6mm以上に設定されている。 この把持部32の厚さ寸法T1とは、把持部32の裏面から角R3と表面34との境界までの長さをいう。

    次に本実施の形態における作用及び効果について説明する。

    乗員がウェビング18を身体に装着させる際には、乗員が、タングプレート20の把持部32を把持して、タングプレート20及びウェビング18をバックル装置78へ向けて引出す。 この際には、リトラクタ12の付勢バネによる付勢力に抗してタングプレート20が引出されると共に、タングプレート20にはウェビング18を介してリトラクタ12の巻取力が作用する。 そして、タングプレート20の係合部26を車両のバックル装置78に装着させることで、乗員の身体にウェビング18が装着されて、乗員の身体がウェビング18によって拘束される。

    また、図1に示されるように、乗員が把持部32を把持する際には、一方の傾斜面40上に乗員の指(人差し指ff及び中指mf)が配置されると共に、他方の傾斜面40上に乗員の掌(図示省略)が配置される。 図1では、乗員の人差し指ffの第2間接及び乗員の中指mfの第2間接が、それぞれ2点鎖線で示されている。

    ここで、把持部32の表面34側(プレート部22の板厚方向一方側)から見た外周面38の一部が、一対の傾斜面40によって構成されており、一対の傾斜面40は、把持部32の幅方向両側部に配置されている。 そして、傾斜面40は、係合部26の延出方向へ向かうに従い互いに離間する方向へ傾斜して配置されている。 すなわち、把持部32の係合部26側(下側)の幅寸法が把持部32の係合部26とは反対側(上側)の幅寸法に比べて大きくなるように一対の傾斜面40が配置されている。

    これにより、手の小さい乗員が把持部32を把持する際には、当該乗員は把持部32の幅寸法の小さい部分を主に把持することができ、手の大きい乗員が把持部32を把持する際には、当該乗員は把持部32の幅寸法の大きい部分を主に把持することができる。 したがって、乗員の手の大きさによって握り易さが異なることを抑制できる。

    また、タングプレート20を車両のバックル装置78に係合させる際には、タングプレート20の係合部26をバックル装置78へ向けて引っ張るため、リトラクタ12からタングプレート20に係合部26の延出方向とは反対方向の巻取力が作用する。 そして、上述したように、把持部32の係合部26側(下側)の幅寸法が把持部32の係合部26とは反対側(上側)の幅寸法に比べて大きくなるように設定されている。 すなわち、タングプレート20に作用する巻取力の方向と傾斜面40が傾斜する方向とが一致しない。

    しかも、タングプレート20を車両のバックル装置78に係合させる際には、乗員が一対の傾斜面40を受け止めるようして把持部32を把持できる。 これにより、把持部32の握り易さを向上できる。

    また、把持部32の表面34側から見て、傾斜面40は把持部32の幅方向に対して傾斜して配置されて、把持部32の幅方向に対する傾斜面40の成す角度Aが64°以上かつ77°以下に設定されている。 これにより、把持部32の握り易さを一層向上できる。 この点について、図8を用いて説明する。 図8には、角度Aに対する把持部32の握り易さを評価した評価結果が示されている。 また、図8の横軸は角度Aの角度を示し、図8の縦軸は握り易さの評価値が示されている。 この評価では把持部32の握り易さを5段階に評価して、評価値における「1」を「非常に悪い」、「2」を「悪い」、「3」を「ふつう」、「4」を「良い」、「5」を「非常に良い」とした。 そして、角度Aに対する握り易さの目標値を3.8以上とした。

    この図に示されるように、角度Aを77°に設定した際には評価値が3.8となり、角度Aを64°に設定した際には評価値が4となった。 そして、角度Aを64°より小さく設定すると、傾斜面40に対して乗員の指が傾斜面40の上側(把持部32の幅寸法の小さい方)へ滑り易くなり、角度Aに対する把持部32の握り易さが悪化する。 このため、この場合の評価値が4より低くなる傾向になる(図8の点線で示される線を参照)。 一方、角度Aを77°より大きく設定すると、タングプレート20をバックル装置78に係合させる際にタングプレート20に作用する巻取力の方向と傾斜面40が傾斜する方向とが一致する方向に近づく。 このため、タングプレート20をバックル装置78に係合させる際に乗員の指が傾斜面40上を滑り易くなる。 これにより、この場合には角度Aに対する把持部32の握り易さが悪化して、評価値が3.8より低くなる傾向になる(図8の点線で示される線を参照)。 以上により、角度Aを64°以上かつ77°以下(図8の斜線で示される範囲)に設定することで、傾斜面40に対する乗員の手(指)の滑りが抑制されて、把持部32の握り易さを一層向上できる。

    また、把持部32の表面34側から見た傾斜面40の長さLが、25.2mm以上かつ40mm以下に設定されている。 これにより、傾斜面40の長さLを乗員が把持できる十分な長さに設定できる。 この点について、図1を用いて説明する。 上述したように、図1では、乗員が把持部32を把持した際の乗員の人差し指ff及び中指mfの各々の第2間接が2点鎖線で示されている。 また、傾斜面40の長さLを設定する際には、比較的手の大きい乗員(例えば、JM95(日本人の成人男性を身長の低い方から順に並べたときに身長の低い方から95%の身長を有する日本人男性)相当の乗員)が把持部32を把持した際にも、傾斜面40上に乗員の指を配置できる最小長さ以上に傾斜面40の長さLを設定することが望ましい。

    そして、JM95相当の乗員の指幅を測定して、人差し指の幅寸法を18mm、中指の幅寸法を18mmと想定した。 さらに、JM95相当の乗員の人差し指の幅寸法と中指の幅寸法との合計の70%の長さに傾斜面40の長さLを設定しても、当該乗員が傾斜面40上に人差し指及び中指を配置して把持できることが判明した。

    すなわち、この場合の傾斜面40の長さLは、18mm×2×0.7=25.2mmとなる。 そして、傾斜面40の長さLを25.2mmより小さくすると、人差し指ffが天面42側に配置され易くなり、中指mfが第1底面44側へ配置されやすくなる。 これにより、傾斜面40の長さLを25.2mmより小さくすると、傾斜面40の長さLに対する把持部32の握り易さが悪化する。 これに対して、傾斜面40の長さLを25.2mm以上に設定することで、比較的手の大きい乗員でも人差し指ff及び中指mfを傾斜面40上に配置させて把持部32を把持できる。

    また、傾斜面40の長さLを設定する際には、把持部32の大型化を抑制しつつ長さLの最大長さを設定することが望ましい。 そして、上述のように、JM95相当の乗員の人差し指の幅寸法と中指の幅寸法との合計の100%の長さは、18mm×2=36mmとなる。 これにより、傾斜面40の長さLの最大長さを40mm以下にすることで、JM95相当の乗員に対して傾斜面40の長さLを十分な長さに設定できる。 以上により、傾斜面40の長さLを乗員が把持できる十分な長さに設定できる。

    また、図4に示されるように、把持部32の天面42には、ウェビング18が挿通される挿通孔52の開口部54が形成されており、開口部54は天面42の長手方向両端部間に配置されている。 すなわち、傾斜面40内に開口部54が配置されていないため、傾斜面40が連続した面として形成されている。 そして、外周面38における開口部54の幅方向両側部から天面42の幅方向両端部へ亘る部分が制限部58とされており、制限部58によってウェビング18の幅方向への移動が抑制されるように構成されている。 これにより、タングプレート20における把持部32の握り易さを効果的に向上できる。

    この点について、図9に示される比較例と比較しつつ、図10を用いて説明する。 図9には、比較例のタングプレート20'が示されている。 このタングプレート20'では、以下の点を除いて本実施の形態のタングプレート20と同様の形状に形成されている。 なお、図9では、タングプレート20と同じ形状の部位には、タングプレート20と同じ符号を付している。

    比較例のタングプレート20'では、本実施の形態の制限部58が省略されると共に、側面視でタングプレート20'の挿通孔52'の開口部54'が上側へ開放された略U字形状に形成されている。 換言すると、側面視でタングプレート20'の外周面38'が開口部54'によって下側(傾斜面40側)へえぐられて、開口部54'が 傾斜面40'まで延びている。

    また、図10には、比較例のタングプレート20'と本実施の形態のタングプレート20に対する把持部32の握り易さを評価した評価結果が示されている。 図10の縦軸は握り易さの評価値が示されており、図10では、5人の乗員がタングプレート20及びタングプレート20'を把持した際の評価値の平均が示されている。 この評価では把持部32の握り易さを5段階に評価して、評価値における「1」を「非常に悪い」、「2」を「悪い」、「3」を「ふつう」、「4」を「良い」、「5」を「非常に良い」とした。 そして、外周面38に対する握り易さの目標値を3.8以上とした。

    乗員が比較例のタングプレート20'の把持部32'を把持した際には、乗員の指や掌が把持部32の外周面38のえぐられた部分に入り込むように配置される。 このため、乗員の指と外周面38'との接触面積が少なくなる。 しかも、例えばウェビング18が把持部32に対して幅方向に相対移動する際には、ウェビング18の縁部が乗員の指や掌に接触されるため、乗員に違和感を与える。 これにより、比較例でのタングプレート20'では握り易さが悪化する。

    一方、本実施の形態におけるタングプレート20では、傾斜面40が連続した面として形成されているため、乗員の指や掌が、比較例のような把持部32のえぐられた部分に入り込むことが抑制されて、乗員の指と傾斜面40(外周面38)との接触面積を確保できる。 しかも、例えばウェビング18が把持部32に対して幅方向に相対移動する際には、ウェビング18の幅方向の縁部と乗員の指や掌との接触が制限部58によって抑制される。 これにより、図10に示されるように、本実施の形態では比較例に比べて外周面38に対する握り易さを良好にできる。 以上により、タングプレート20における把持部32の握り易さを効果的に向上できる。

    また、把持部32の表面34側から見て、傾斜面40の傾斜方向中央位置P3での把持部32の幅寸法W1が73mm以上かつ74mm以下に設定されており、把持部32の最大幅寸法Wmaxが76.1mm以下に設定されている。 これにより、乗員が把持部32を良好に把持できる把持部32の幅寸法を設定できる。 この点について、図11及び図12を用いて説明する。

    図11には、幅寸法W1に対する把持部32の握り易さを評価した評価結果が示されている。 図11の横軸は幅寸法W1の長さを示し、図11の縦軸は握り易さの評価値が示されている。 また、図12には、最大幅寸法Wmaxに対する把持部32の握り易さを評価した評価結果が示されている。 図12の横軸は最大幅寸法Wmaxの長さを示し、図12の縦軸は握り易さの評価値が示されている。 図11及び図12に示される評価では、把持部32の握り易さを5段階に評価して、評価値における「1」を「非常に悪い」、「2」を「悪い」、「3」を「ふつう」、「4」を「良い」、「5」を「非常に良い」とした。 そして、幅寸法W1に対する握り易さの目標値を3.8以上とし、最大幅寸法Wmaxに対する握り易さの目標値を3以上とした。

    まず、把持部32の幅寸法W1を73mm以上にすることで、ウェビング18を挿通させる挿通孔52の大きさを確保できる。 さらに、把持部32の幅寸法W1及び最大幅寸法Wmaxを設定する際には、比較的手の小さい乗員(例えば、AF05(アメリカ人の成人女性を身長の低い方から順に並べたときに身長の低い方から5%の身長を有するアメリカ人女性)相当の乗員)が把持部32を把持した際にも、当該乗員が把持部32を良好に把持できるように把持部32の幅寸法W1及び最大幅寸法Wmaxを設定することが望ましい。

    そして、図11に示されるように、幅寸法W1が74mmのサンプル1、幅寸法W1が76.1mmのサンプル2、幅寸法W1が79mmのサンプル3、の各々をAF05相当の乗員に握ってもらい把持部32の握り易さを評価した。 その結果、サンプル1の評価値は4となり、サンプル2の評価値が3となり、サンプル3の評価値が2となった。 これらの点を結ぶと、図11に示される実線となり、乗員が把持部32を良好に把持できる幅寸法W1は、73mm以上かつ74mm以下(図11にて斜線で示される範囲)に設定することが望ましい。

    同様に、図12に示されるように、最大幅寸法Wmaxが74mmのサンプル1と、幅寸法の最大幅寸法Wmaxが76.1mmのサンプル2と、最大幅寸法Wmaxが79mmのサンプル3と、の各々をAF05相当の乗員に握ってもらい把持部32の握り易さを評価した。 その結果、サンプル1の評価値は4となり、サンプル2の評価値が3となり、サンプル3の評価値が2となった。 これらの点を結ぶと、図12に示される実線となり、乗員が把持部32を良好に把持できる最大幅寸法Wmaxは、76.1mm以下(図12にて斜線で示される範囲)に設定することが望ましい。

    すなわち、把持部32の幅寸法W1を74mmより大きく設定し、かつ把持部32の最大幅寸法Wmaxを76.1mmより大きく設定すると、AF05相当の乗員が把持部32を把持する際に乗員の手が突っ張った状態になり、把持部32の握り易さが悪化する。

    これに対して、把持部32の幅寸法W1を73mm以上かつ74mm以下に設定すると共に、把持部32の最大幅寸法Wmaxを76.1mm以下に設定することで、AF05相当の乗員が把持部32を把持する際に、乗員の手が突っ張った状態になることを抑制できる。 これにより、乗員が把持部32を良好に把持できる把持部32の幅寸法を設定できる。

    また、傾斜面40の傾斜方向中央位置P3での把持部32の厚さ寸法T1が11mm以上かつ13.5mm以下に設定されている。 これにより、乗員が把持部32を良好に把持できる把持部32の厚さ寸法を設定できる。 この点について、図13を用いて説明する。 図13には、厚さT1に対する把持部32の握り易さを評価した評価結果が示されている。 図13の横軸は厚さT1の長さを示し、図13の縦軸は握り易さの評価が示されている。 この評価では把持部32の握り易さを5段階に評価して、評価値における「1」を「非常に悪い」、「2」を「悪い」、「3」を「ふつう」、「4」を「良い」、「5」を「非常に良い」とした。 そして、厚さT1に対する握り易さの目標値を3.8以上とした。

    この図に示されるように、厚さT1が10mmのサンプル1と、厚さT1が11mmのサンプル2と、厚さT1が13.5mmのサンプル3と、厚さT1が15mmのサンプル4と、の4つサンプルの握り易さを評価した。 その結果、サンプル1の評価値は2.5となり、サンプル2の評価値が4となり、サンプル3の評価値が4となり、サンプル4の評価値が2となった。 これらの点を結ぶと、図12に示される実線となり、乗員が把持部32を良好に把持できる厚さT1は、11mm以上かつ13.5mm以下(図13にて斜線で示される範囲)に設定することが望ましい。

    すなわち、厚さT1を11mmより小さく設定すると、乗員の指に対して把持部32の外周面がエッヂ感(尖ったような感じ)を与えて、把持部32の握り易さが悪化する。 一方、厚さT1を13.5mmにする設定すると、乗員の指の第2関節に外周部が当接するようになり、乗員に対して違和感を与えて、把持部32の握り易さが悪化する。 これに対して、厚さT1を11mm以上かつ13.5mm以下(図13にて斜線で示される範囲)に設定することで、把持部32の外周面38が乗員の指内に収まるように配置されて、把持部32の握り易さを良好にできる。

    さらに、表面34の縁部が外周面38と連続的に接続されており、表面34の縁部と外周面38とを接続する角R3の半径が6mm以上とされている。 これにより、乗員が把持部32を把持した際に、乗員に突起感が付与されることを抑制できる。

    さらに、把持部32における表面34は、プレート部22の板厚方向一方側へ向けて凸となるように球状に湾曲されている。 把持部32における握り易さを一層効果的に向上できる。 すなわち、乗員が手で把持部32の表面34を包むように把持部32を把持することで、把持部32が乗員の手の内側にフィットするようになり、把持部32における握り易さを一層効果的に向上できる。

    なお、本実施の形態では、傾斜面40が把持部32の外側へ凸となるように湾曲されているが、表面34側から見て傾斜面40を直線状に形成してもよい。 この場合には、角度Aは、プレート部22の板厚方向から見た直線状の傾斜面40がタングプレート20の幅方向に対して傾斜する角度となる。

    また、本実施の形態では、表面34側から見て天面42と傾斜面40との接続部分が角R1で接続されており、第1底面44と傾斜面40との接続部分が角R2で接続されているが、角R1及び角R2を省略してもよい。 この場合には、天面42と傾斜面40との境界P1と、第1底面44と傾斜面40との境界P2と、を結ぶ線がタングプレート20の幅方向に対して傾斜する角度が角度Aとなる。 また、天面42と傾斜面40との境界P1から傾斜面40に沿って第1底面44と傾斜面40との境界P2までの距離が傾斜面40の長さLとなる。

    さらに、本実施の形態では、挿通孔52の断面が略長尺矩形状に形成されているが、図14に示すように、挿通孔52内に複数のリブ60を形成してもよい。 具体的には、リブ60が、挿通孔52における把持部32の裏面36側の面から把持部32の表面34側へ突出されると共に、車両上下方向に沿って形成されている。 これにより、ウェビング18と把持部32との摺動抵抗が低くなり、乗員に対する把持部32の握り易さの向上に寄与できる。

    また、本実施の形態における把持部32の傾斜面40に、溝深さの浅い凹部を複数形成してもよい。 これにより、乗員に対する把持部32のグリップ性を向上できる。 さらに、本実施の形態における把持部32の傾斜面40に、乗員の指形状に対応した凹部を形成してもよい。 この場合においても、把持部32の係合部26側(下側)の幅寸法が把持部32の係合部26とは反対側(上側)の幅寸法に比べて大きくなるように把持部32の側面を配置できる。

    さらに、本実施の形態では、把持部32が樹脂により製作されている。 これに替えて、例えば把持部32の傾斜面40の部位をエラストマによって製作して、把持部32を2色成形により形成してもよい。

    10 車両用シートベルト装置12 リトラクタ16 スプール18 ウェビング20 タングプレート22 プレート部26 係合部32 把持部38 外周面40 傾斜面(側面)
    42 天面44 第1底面(底面)
    52 挿通孔54 開口部78 バックル装置P3 傾斜方向中央位置T1 厚さ寸法W1 幅寸法Wmax 最大幅寸法

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