Tongue and seat belt device using the same

申请号 JP2010216522 申请日 2010-09-28 公开(公告)号 JP2012071640A 公开(公告)日 2012-04-12
申请人 Takata Corp; タカタ株式会社; 发明人 TABATA TAKEKI; KAWAI YOSHIHIKO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To more effectively suppress the extension of a lap belt in an emergency and, to further improve occupant constraint performance by a seat belt.SOLUTION: Recesses 15, 16 are formed at a seat belt sliding face 14 of a seat belt sliding member 13, and a predetermined number of projections 17 are formed independently of each other in a point-like state in the recesses 15, 16. In each of the projections 17, in a normal time, sliding resistance between the seat belt 4 and the seat belt sliding member 13 is small, and in an emergency, the sliding resistance between the seat belt 4 and the seat belt sliding member 13 when the seat belt 4 slides to the lap belt 4c side is larger than the sliding resistance between the seat belt 4 and the seat belt sliding member 13 when the seat belt 4 slides to a shoulder belt 4b side. By the point-like projections 17, the extension of the lap belt 4c in an emergency is suppressed.
权利要求
  • シートベルトに摺動可能に支持されかつ前記シートベルトをショルダーベルトとラップベルトに区画するとともに、バックルに係合可能に設けられるタングにおいて、
    前記シートベルトが挿通する細長いベルト挿通孔と、
    前記ベルト挿通孔の一部を形成するとともに前記シートベルトが摺動するシートベルト摺動面を有するシートベルト摺動部とを有し、
    前記シートベルト摺動部は、前記シートベルト摺動面に設けられた所定数の凹部を有するとともに、前記凹部内に点状に互いに独立して設けられた所定数の突起を有し、
    前記突起は、いずれも、通常時に前記シートベルトとシートベルト摺動部との間の摺動抵抗が小さいとともに、緊急時に前記シートベルトが前記ラップベルト側に摺動する際の前記シートベルトとシートベルト摺動部との間の摺動抵抗が、前記シートベルトが前記ショルダーベルト側に摺動する際の前記シートベルトとシートベルト摺動部との間の摺動抵抗より大きくなるように設けられていることを特徴とするタング。
  • 前記突起の前記ショルダーベルト側の端面が平面またはほぼ平面であるとともに、前記突起の前記ラップベルト側の端面が円弧状またはほぼ円弧状の曲面であることを特徴とする請求項1に記載のタング。
  • 前記突起のうち、少なくとも一部の突起の前記ショルダーベルト側の端面が前記シートベルトに対して直交またはほぼ直交するように設けられるとともに、前記少なくとも一部の突起の前記ラップベルト側の端面が前記シートベルトに対して斜交するように設けられることを特徴とする請求項2に記載のタング。
  • 前記シートベルト摺動面は、少なくとも前記ベルト挿通孔の長手方向の両端部に設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載のタング。
  • 前記突起は、いずれも、前記凹部から前記シートベルト摺動面より突出しないように設けられることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のタング。
  • 前記凹部は、いずれも、前記シートベルトの装着時において前記シートベルトの前記ベルト挿通孔への挿通方向と同方向に延設されているかまたは前記挿通方向とほぼ同方向に延設されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のタング。
  • 前記突起は、前記シートベルトの装着時において前記凹部の延設方向と同方向に整列されて設けられているか、または前記凹部の延設方向とほぼ同方向に整列されて設けられていることを特徴とする請求項6に記載のタング。
  • シートベルトと、このシートベルトを巻き取るシートベルトリトラクタと、前記シートベルトに摺動可能に支持されたタングと、このタングが挿入係合されるバックルとを少なくとも備え、前記タングを前記バックルに挿入係合することで前記シートベルトが乗員に装着されるシートベルト装置において、
    前記タングが請求項1ないし7のいずれか1つに記載のタングからなることを特徴とするシートベルト装置。
  • 说明书全文

    本発明は、シートベルト装置に用いられかつシートベルトに摺動可能に支持されるとともに、車体等に固定されたバックルに係合されるタングおよびこれを用いたシートベルト装置の技術分野に関するものである。

    従来から自動車等の車両シートに付設されているシートベルト装置は、衝突時等の車両に大きな減速度が作用した場合のような緊急時に、シートベルトで乗員を拘束している。
    この種のシートベルト装置として、一般に3点式シートベルト装置が広く知られ、多用されている。 周知の一般的な3点式シートベルト装置は、シートベルトリトラクタから引き出されかつ先端が車体に固定されたシートベルトがベルトガイドで乗員の方へガイドされる。 ガイドされたシートベルトには、タングが摺動可能に支持されている。 その場合、シートベルトはタングの細長いベルト挿通孔に挿通される。 そして、タングが車体に固定されたバックルに係合されることで、シートベルトが乗員に装着されるようになっている。 シートベルトが乗員に装着された状態では、ベルトガイドとタングとの間のシートベルトが乗員の肩および胸に装着されるショルダーベルトとして機能し、また、車体に固定された一端とタングとの間のシートベルトが乗員のラップ(腰)に装着されるラップベルトとして機能する。 そして、前述の緊急時には、シートベルトリトラクタのロック機構が作動してシートベルトの引き出しが阻止されて乗員の慣性による前方移動が阻止され、乗員がシートベルトにより拘束される。

    特に、近年では、シートベルトリトラクタはプリテンショナーを備え、緊急時の初期にこのプリテンショナーが作動してシートベルトリトラクタがシートベルトを巻き取ることによりシートベルトの緩みが迅速に低減される。 これにより、乗員の前方移動が抑制されて乗員の拘束効果が向上されている。 更に、シートベルトリトラクタはエネルギ吸収(EA)機構を備え、このエネルギ吸収機構により緊急ロック機構の作動時にシートベルトが若干引き出されて、乗員のシートベルトに対する衝撃エネルギが吸収緩和されている。

    ところで、このようなシートベルト装置においては、一般に、緊急時にシートベルトリトラクタの緊急ロック機構が作動しても、乗員の慣性でラップベルトが若干伸びて乗員が若干前方へ移動する。 このため、ラップベルトによる乗員の拘束を効果的に行うことが難しくなる。 その場合、前述のようにプリテンショナーで緊急事態発生時にベルトの緩みが除去されても、プリテンショナーの作動終了後、つまり緊急時の初期におけるシートベルト巻取り終了後に、同様にして乗員の慣性力でラップベルトが伸び出してしまう。

    そこで、シートベルトの通常操作時にはシートベルトとシートベルト摺動面との間の摩擦が小さくされることで、シートベルトがタングに対して滑らかに摺動し、緊急時にはシートベルトとシートベルト摺動面との間の摩擦が大きくされることで、シートベルトがラップベルト側に伸び出さないようにしたタングが提案されている(例えば、特許文献1参照)。

    この特許文献1に記載のタングでは、タングのベルト挿通孔のシートベルト摺動面に、ベルト挿通孔の長手方向にほぼ直線状に連続して伸びる多数の軸方向溝とベルト挿通孔の長手方向とほぼ直交する方向に連続して伸びる多数の周方向溝とが設けられる。 その場合、各軸方向溝および各周方向溝各溝は細長いベルト挿通孔のシートベルト摺動面の長手方向全領域に設けられている。 そして、シートベルトの通常操作時には、シートベルトがほぼシートベルト摺動面のみを摺動するようにしてシートベルトとシートベルト摺動面との間の摩擦が小さくされる。 これにより、シートベルトの通常操作時にはシートベルトがタングに対して滑らかに摺動する。 また緊急時には、乗員の慣性力でシートベルトがタングの両側において引っ張られることで、シートベルトの張力が増大する。 そして、増大する張力で、シートベルトが軸方向溝と周方向溝とにめり込んでシートベルトとシートベルト摺動面との間の摩擦が大きくなる。 これにより、緊急時にはシートベルトのラップベルト側への伸出しが抑制される。 このように、緊急時にシートベルトのラップベルト側の伸出しが抑制されることで、ラップベルトによる乗員の拘束性が高められる。

    また、特許文献1には、ベルト挿通孔の長手方向にほぼ直線状に連続して伸びる複数の突条がベルト摺動面に、このベルト摺動面から突出しかつ周方向に所定の間隔を置いて設けられる。 これらの突条により、シートベルトの通常操作時と緊急時とでシートベルトとシートベルト摺動面との間の摩擦を変化させることが開示されている。 その場合、シートベルトの通常操作時には、シートベルトが各突条の表面のみを摺動することで、シートベルトとシートベルト摺動面との間の摩擦が小さくなる。 また、緊急時には増大するシートベルトの張力で各突条がラップベルト側に倒れて、シートベルトがベルト摺動面の他の部分の表面でも摺動することで、シートベルトとシートベルト摺動面との間の摩擦が大きくされる。

    更に、特許文献1には、ベルト摺動面から突出する複数の樹脂部材を設け、これらの樹脂部材により、シートベルトの通常操作時と緊急時とでシートベルトとシートベルト摺動面との間の摩擦を変化させることが開示されている。 その場合、シートベルトの通常操作時には、シートベルトが各樹脂部材の表面のみを摺動するようにしている。 これにより、シートベルトとシートベルト摺動面との間の摩擦が小さくなる。 また、緊急時には増大するシートベルトの張力で各樹脂部材が潰れるかあるいは切断されて、シートベルトがベルト摺動面の他の部分の表面でも摺動するようにしている。 これにより、シートベルトとシートベルト摺動面との間の摩擦が大きくなる。

    特開2009−166586号公報。

    ところで、特許文献1に記載のタングでは、シートベルトとシートベルト摺動面との間の摩擦に大きく関与する軸方向溝が、シートベルト摺動面のベルト挿通孔の長手方向の全面にほぼ直線状に連続して形成されている。 このため、緊急時にシートベルトの張力が増大したとき、シートベルトがほぼ直線状の軸方向溝内に効果的にめり込まなくなる。 したがって、この軸方向溝によっては、緊急時にシートベルトとシートベルト摺動面との間に大きな摩擦を得ることは難しい。

    また、突条も前述の軸方向溝と同様に、シートベルト摺動面のベルト挿通孔の長手方向の全面にほぼ直線状に連続して形成されている。 このため、この突条によっても緊急時にシートベルトとシートベルト摺動面との間に大きな摩擦を得ることは難しい。 しかも、緊急時に突条が倒れて、シートベルトが通常のシートベルト摺動面に接触するだけであるので、シートベルトとシートベルト摺動面との間に大きな摩擦がより効果的に得ることは難しい。 更に、シートベルト摺動面に突出して設けられる樹脂部材は、緊急時に単に潰れるかあるいは切断されるように形成されている。 このため、この樹脂部材も緊急時に潰れるかあるいは切断されて、シートベルトが通常のシートベルト摺動面に接触するだけであるので、シートベルトとシートベルト摺動面との間に大きな摩擦がより効果的に得ることは難しい。

    したがって、特許文献1に記載のタングでは、緊急時にラップベルトの伸出しの一定の抑制効果は得られるものの、緊急時にラップベルトの伸出しを更に効果的に抑制するための余地がある。

    更に、軸方向溝、周方向溝、突条、および樹脂部材のシートベルトの摺動方向に沿う断面形状が、いずれも、それらのショルダーベルト側およびラップベルト側のいずれにおいてもほぼ同じ断面形状とされている。 すなわち、軸方向溝、周方向溝、突条、および樹脂部材のシートベルトの摺動方向に沿う断面形状が、いずれも、シートベルトの摺動方向に対して方向性を有さない形状とされている。 このため、特許文献1に記載のタングでは、軸方向溝、周方向溝、突条、および樹脂部材のいずれにおいても、シートベルトの通常操作時と緊急時とでシートベルトとシートベルト摺動面との間の摩擦を効果的に変化させることは難しい。

    本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、緊急時にラップベルトの伸出しをより効果的に抑制して、シートベルトによる乗員の拘束性を更に一層向上することのできるタングおよびこれを用いたシートベルト装置を提供することである。

    前述の課題を解決するために、本発明に係るタングは、シートベルトに摺動可能に支持されかつ前記シートベルトをショルダーベルトとラップベルトに区画するとともに、バックルに係合可能に設けられるタングにおいて、前記シートベルトが挿通する細長いベルト挿通孔と、前記ベルト挿通孔の一部を形成するとともに前記シートベルトが摺動するシートベルト摺動面を有するシートベルト摺動部とを有し、前記シートベルト摺動部が、前記シートベルト摺動面に設けられた所定数の凹部を有するとともに、前記凹部内に点状に互いに独立して設けられた所定数の突起を有し、前記突起が、いずれも、通常時に前記シートベルトとシートベルト摺動部との間の摺動抵抗が小さいとともに、緊急時に前記シートベルトが前記ラップベルト側に摺動する際の前記シートベルトとシートベルト摺動部との間の摺動抵抗が前記シートベルトが前記ショルダーベルト側に摺動する際の前記シートベルトとシートベルト摺動部との間の摺動抵抗より大きくなるように設けられていることを特徴としている。

    また、本発明に係るタングは、前記突起の前記ショルダーベルト側の端面が平面またはほぼ平面であるとともに、前記突起の前記ラップベルト側の端面が円弧状またはほぼ円弧状の曲面であることを特徴としている。
    更に、本発明に係るタングは、前記突起のうち、少なくとも一部の突起の前記ショルダーベルト側の端面が前記シートベルトに対して直交またはほぼ直交するように設けられるとともに、前記少なくとも一部の突起の前記ラップベルト側の端面が前記シートベルトに対して斜交するように設けられることを特徴としている。
    更に、本発明に係るタングは、前記シートベルト摺動面が、少なくとも前記ベルト挿通孔の長手方向の両端部に設けられていることを特徴としている。
    更に、本発明に係るタングは、前記突起が、いずれも、前記凹部から前記シートベルト摺動面より突出しないように設けられることを特徴としている。

    更に、本発明に係るタングは、前記凹部が、いずれも、前記シートベルトの装着時において前記シートベルトの前記ベルト挿通孔への挿通方向と同方向に延設されているかまたは前記挿通方向とほぼ同方向に延設されていることを特徴としている。
    更に、本発明に係るタングは、前記突起が、前記シートベルトの装着時において前記凹部の延設方向と同方向に整列されて設けられているか、または前記凹部の延設方向とほぼ同方向に整列されて設けられていることを特徴としている。

    一方、本発明に係るシートベルト装置は、シートベルトと、このシートベルトを巻き取るシートベルトリトラクタと、前記シートベルトに摺動可能に支持されたタングと、このタングが挿入係合されるバックルとを少なくとも備え、前記タングを前記バックルに挿入係合することで前記シートベルトが乗員に装着されるシートベルト装置において、前記タングが前述の本発明のタングのいずれか1つに記載のタングからなることを特徴としている。

    このように構成された本発明に係るタングによれば、シートベルト摺動部が、シートベルト摺動面に設けられた所定数の凹部を有するとともに、当該凹部内に点状に互いに独立して設けられた所定数の突起を有している。 したがって、通常時には、シートベルトがシートベルト摺動面に対して摺動することで、タングとシートベルトとの間の摺動抵抗を小さくできる。 これにより、所定数の突起を設けても、通常時にはタングをシートベルトに対して容易にかつ滑らかに摺動させることができる。 その結果、通常時のタングの取り扱いを容易にすることができる。

    また、凹部内に所定数の突起が点状に互いに独立して設けられることで、突起の周囲を大きく窪ませることができる。 緊急時に乗員の慣性移動によりシートベルトの張力が増大したときは、シートベルトが突起によって容易に撓んで突起の全周にわたって効果的に食い込むようになる。 これにより、タングのシートベルト摺動部に対するシートベルトの摺動抵抗を効果的に大きくすることが可能となる。 したがって、シートベルト巻取り終了後の乗員の慣性によるシートベルトの張力増大時においてはラップベルトの伸出しを効果的に抑制することができる。 その結果、緊急時に乗員の腰がラップベルトによって堅固に拘束されて、前述の特許文献1に記載のタングの場合に比べて、シートベルトのラップベルトによる乗員拘束性を更に大きく向上させることが可能となる。

    更に、突起が、いずれも、通常時にシートベルトとシートベルト摺動部との間の摺動抵抗が小さいとともに、緊急時にシートベルトがラップベルト側に摺動する際のシートベルトとシートベルト摺動部との間の摺動抵抗がシートベルトがショルダーベルト側に摺動する際のシートベルトとシートベルト摺動部との間の摺動抵抗より大きくなるようにされている。 すなわち、シートベルトの摺動方向に沿う突起の断面形状が、いずれも、シートベルトの摺動方向に対して方向性を有する。 これにより、緊急時の初期にプリテンショナの作動等でシートベルトリトラクタがシートベルトを巻き取る際、シートベルトが突起に比較的強く当接しても、シートベルトをラップベルト側からショルダーベルト側に容易にかつ滑らかに摺動させることが可能となる。 したがって、シートベルトによる初期の乗員拘束性を向上させることが可能となる。 また、緊急時の初期のシートベルト巻取り終了後の乗員の慣性によるシートベルトの張力増大時においては、シートベルトとシートベルト摺動部との間の大きな摺動抵抗によりラップベルトの伸出しを更に効果的に抑制することができる。 その結果、乗員の慣性移動に対してシートベルトによる乗員拘束性を更に一層向上させることが可能となる。

    特に、突起のショルダーベルト側の端面が平面またはほぼ平面であるとともに、ラップベルト側の端面が円弧状またはほぼ円弧状の曲面であることにより、簡単な構造で、緊急時の初期のシートベルト巻取りにおけるシートベルトの摺動性を良好にさせ、緊急時の初期のシートベルト巻取り終了後の乗員の慣性によるシートベルトの張力増大時におけるラップベルトの伸出しを効果的に抑制することができる。 したがって、乗員の腰がラップベルトによって堅固に拘束されて、シートベルトによる乗員拘束性を向上させることが可能となる。 更に、少なくとも一部の突起のショルダーベルト側の端面がシートベルトに対して直交またはほぼ直交するように設けられるとともに、少なくとも一部の突起のラップベルト側の端面がシートベルトに対して斜交するように設けられることで、前述のラップベルトの伸出しを更に効果的に抑制することができる。

    また、シートベルト摺動面が、少なくともベルト挿通孔の長手方向の両端部に設けられる。 これにより、シートベルト摺動面に所定数の凹部を設けても、シートベルトの長手方向の両側端がベルト挿通孔の長手方向の両端部のシートベルト摺動面に位置するようになるので、シートベルトの両側端が凹部に位置する可能性が低減する。 したがって、シートベルト摺動面に所定数の凹部を設けても、タングのベルト挿通孔におけるシートベルトの反転が抑制されて、タングとシートベルトとの間の摺動性を向上することが可能となる。 その結果、タングおよびシートベルトの取扱い性が向上する。

    更に、突起が、いずれも、凹部からシートベルト摺動面より外側に突出しないように設けられることで、通常時には、シートベルトがシートベルト摺動面に対して摺動して突起にはほとんど当接しなく、仮に突起に当接してもその当接力はきわめて小さい。 したがって、所定数の突起を設けてもタングとシートベルトとの間の摺動抵抗を小さくできる。 これにより、通常時には所定数の突起を設けても、タングをシートベルトに対して容易にかつ滑らかに摺動させることができ、通常時のタングの取り扱いを更に一層容易にすることができる。

    更に、凹部がシートベルト挿通方向と同方向またはほぼ同方向に設けられるとともに、突起が凹部の延設方向と同方向またはほぼ同方向に整列されて設けられることで、通常時でのタングとシートベルトとの間の摺動性を良好にするとともに、緊急時でのラップベルトの伸出しを更に効果的に抑制することができる。

    一方、本発明のタングを用いた本発明のシートベルト装置によれば、通常時のタングのシートベルトに対する摺動を容易にかつ滑らかにできるとともに、緊急時の乗員の慣性移動によるシートベルトの伸出しの際にシートベルトのタングに対する摺動が抑制されてラップベルトの伸出しをより効果的に抑制できる。 これにより、通常時に乗員によるシートベルトの装着性をより一層向上することができるとともに、緊急時に乗員の拘束性をより一層向上することができる。

    本発明に係るタングを備えたシートベルト装置の実施の形態の一例を模式的に示す図である。

    (a)はこの例のシートベルト装置に用いられている本発明のタングの実施の形態の一例を模式的に示す正面図(ラップベルト側を示す図)、(b)は(a)におけるIIB−IIB線に沿う断面図、(c)は裏面図(ショルダーベルト側を示す図)である。

    (a)はこの例のシートベルト摺動部材の正面図(ラップベルト側を示す図)、(b)は下面図、(c)は図3(b)におけるIIIC−IIIC線に沿う断面図である。

    (a)はこの例の突起の下面図、(b)は(a)におけるIVB−IVB線に沿う断面図、(c)は(a)におけるIVC−IVC線に沿う断面図である。

    (a)はこの例の突起によるシートベルトの挙動を説明する断面図、(b)は緊急時にこの突起によるシートベルトの挙動を説明する下面図、(c)は(b)におけるVC−VC線に沿う断面図、(d)は(b)におけるVD−VD線に沿う断面図である。

    本発明のタングの実施の形態の他の例を模式的に示す、図3(b)と同様の下面図である。

    以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。
    図1は本発明に係るタングを備えたシートベルト装置の実施の形態の一例を模式的に示す図である。

    図1に示すように、この例のシートベルト装置1は、基本的には従来公知の三点式シートベルト装置と同じである。 図中、1はシートベルト装置、2は車両シート、3は車両シート2の近傍に配設されたシートベルトリトラクタ、4はシートベルトリトラクタ3に引き出し可能に巻き取られかつ先端のベルトアンカー4aが車体の床あるいは車両シート2に固定されるシートベルト、5はシートベルトリトラクタ3から引き出されたシートベルト4を乗員のショルダーの方へガイドするガイドアンカー、6はこのガイドアンカー5からガイドされてきたシートベルト4に摺動自在に支持されたタング、7は車体の床あるいは車両シートに固定されかつタング6が係脱可能に挿入係止されるバックルである。
    このシートベルト装置1におけるシートベルト4の装着操作および装着解除操作も、従来公知のシートベルト装置と同じである。

    そして、シートベルト4の非装着時では、タング6がバックル7に係合されず、シートベルト4はその全量(巻取り可能な量)をシートベルトリトラクタ3に巻き取られている。 また、シートベルト4の乗員への装着時では、シートベルト4はシートベルトリトラクタ3から所定量引き出されて、タング6がバックル7に係合される。 その後、タング6から手を放すと、余分に引き出されたシートベルト4はシートベルトリトラクタ3に巻き取られる。 こうして、シートベルト4が乗員に装着される。

    シートベルト4の乗員への装着状態において、タング6はシートベルト4をショルダーベルト4bとラップベルト4cとに区画する。 その場合、ガイドアンカー5とタング6との間のシートベルト4の部分が乗員の肩および胸を拘束するショルダーベルト4bであり、ベルトアンカー4aとタング6との間のシートベルト4の部分が乗員の腰を拘束するラップベルト4cである(図1に、ベルト非装着状態であるが、説明の便宜上、対応する個所に符号4b,4cを示す)。

    この例のシートベルト装置1に用いられているシートベルトリトラクタ3には、従来の一般的な緊急ロック式シートベルトリトラクタ(ELR)あるいは自動ロック式シートベルトリトラクタ(ALR)を用いることができる。

    したがって、シートベルト4の装着状態において、前述の緊急時以外の通常時は、シートベルト4は通常のベルト引出し速度で自由に引出し可能である。 また、前述の緊急時は、シートベルトリトラクタ3がシートベルト4の引出しをロックし、シートベルト4は乗員を拘束して乗員の慣性移動を阻止する。 なお、この例のシートベルトリトラクタ3は、図示しないが前述のプリテンショナーおよびEA機構を備えている。 なお、本発明では、これらのプリテンショナーおよびEA機構は省略することもできる。

    図2(a)はこの例のシートベルト装置に用いられている本発明のタングの実施の形態の一例を模式的に示す正面図(ラップベルト側を示す図)、図2(b)は図2(a)におけるIIB−IIB線に沿う断面図、図2(c)は裏面図(ショルダーベルト側を示す図)である。

    図2(a)ないし(c)に示すように、この例のタング6は、金属製の略T字状のタングプレート8およびこのタングプレート8の把持部に対応する部分を樹脂で被覆した樹脂モールド部9を有している。 タングプレート8の樹脂モールド部9に直交する部分はバックル7に挿入可能なバックル挿入部10であり、このバックル挿入部10にはタング6がバックル7のラッチ(不図示)に係合可能にする矩形状の係合孔11が設けられている。

    また、タング6の樹脂モールド部9には、シートベルト4が挿通される細長いベルト挿通孔12が設けられている。 このベルト挿通孔12の長手方向に沿う両側縁部のうち、タングプレート8のバックル挿入部10と反対側の側縁部には、ベルト挿通孔12に挿通されたシートベルト4が摺動する細長いシートベルト摺動部材13(本発明のシートベルト摺動部に相当)が設けられている。 このシートベルト摺動部材13は、樹脂モールド部9の樹脂と一体モールド成形されているとともに、ベルト挿通孔12の一部を形成している。

    図2(b)に示すように、シートベルト摺動部材13のシートベルト摺動面14の、長手方向と直交する横断面は円弧状に形成されている。 また、図3(a)ないし(c)に示すように、シートベルト摺動部材13のシートベルト摺動面14には、シートベルト4の装着時にシートベルト4の挿通方向と同方向または挿通方向とほぼ同方向に傾斜して伸びる凹部15,16が設けられている。 これらの凹部15,16には、それぞれ、所定数(図示例では、長手方向に3個でシートベルト挿通方向に6個の計18個)突起17が点状に互いに独立して設けられている。 その場合、各突起17はシートベルト摺動部材13のの長手方向に整列されているとともに、シートベルト4の装着時に凹部15,16の延設方向と同方向またはほぼ同方向に整列されて設けられている。 これらの突起17はほぼ同じような形状に形成されている。

    図4(a)に示すように、突起17は下面視でシートベルト挿通方向に若干長い略長方形に形成されている。 また図4(b)に示すように、シートベルト挿通方向(図4(a)において上下方向;上方向がラップベルト4c側)において、ショルダーベルト4b側の端面17aは平面またはほぼ平面とされているとともにシートベルト挿通方向においてラップベルト4c側の端面17bは、横断面が大きな半径R1の円の円弧状の曲面とされている。 そして、両端面17a,17bが交差する突起17の先端17cは、端面17bの半径R1よりかなり小さな半径R2の円の円弧状部(R部)とされている。 なお、ショルダーベルト4b側の端面17aおよびラップベルト4c側の端面17bは、いずれも前述の形状に限定されることはない。 また、先端17cは、R部に代えて、張ったエッジ部とすることもできる。 更に図4(a)および(c)に示すように、シートベルト挿通方向に伸びる両側端面17d,17eは、端面17bに向かって互いに接近するように傾斜した横断面略台形状の傾斜面とされている。 その場合、両側端面17d,17eの傾斜角は、絶対値で互いに等しくされているが、これに限定されることはない。

    そして、図2(b)および図5(a)に示すように各突起17の少なくとも一部の突起17は、ショルダーベルト4b側の端面17aがバックル挿入部10の突設方向とほぼ同じ方向となるようにして設けられている。 これにより、ショルダーベルト4b側の端面17aはシートベルト摺動部材13を摺動するシートベルト4に対して直交またはほぼ直交する方向となるとともに、ラップベルト4c側の端面17bがシートベルト摺動部材13を摺動するシートベルト4に対して緩やかに傾斜して斜交するようになる。 つまり、図4(b)に示すようにシートベルト摺動面14の円弧の同心円αが突起17に接する接点βにおける同心円αの接線γと接点βにおけるショルダーベルト4b側の端面17aの平面とがなす角度θ1が、同心円αの接線γと接点βにおけるラップベルト4c側の端面17bの円弧状曲面の接線δとがなす角度θ2より大きく設定される。 したがって、図5(a)に示すようにショルダーベルト4b側の端面17aは、この端面の仮想延長線ε(実際には延長面)が、ベルト摺動面14を摺動する円弧状のシートベルト4の内周側に交差する点ζを通る接線ηと仮想延長線εとのなす角度θ3がほぼ直角となる(つまり、端面17aはシートベルトにほぼ直交する)。 すなわち、シートベルト4の摺動方向に沿う突起17の断面形状が、いずれも、シートベルト4の摺動方向に対して方向性を有する。

    更に、図3(c)に示すように突起17の先端17cは、シートベルト摺動面14より凹部15,16内に位置される(先端17cの高さがシートベルト摺動面14の高さより低い)か、あるいはシートベルト摺動面14と同一面(先端17cの高さがシートベルト摺動面14の高さと同じ)にされている。 すなわち、突起17の先端17cは凹部15,
    16からシートベルト摺動面14より突出しない(先端17cの高さがシートベルト摺動面14の高さより高くない)ようにされている。

    このように構成されたこの例のタング6においては、通常時(緊急時以外のとき)にシートベルト4がタング6に対して摺動する場合(タング6のバックル7への係合操作による場合、シートベルト装着状態での乗員自らが意図する移動による場合等)は、図5(a)に実線で示すようにシートベルト4はシートベルト摺動部材13のシートベルト摺動面14に対して摺動する。 このとき、突起17の先端17cがシートベルト摺動面14より突出していないので、シートベルト4は突起17の先端17cに当接しないか、あるいは先端17cに当接力がほとんどない状態で当接する。 したがって、通常時にはシートベルト4はタング6に対して、ショルダーベルト4b側およびラップベルト4c側のいずれの方向にも容易にかつ滑らかに摺動するようになる。

    また、前述の緊急時には、図示しないプリテンショナーの作動によりシートベルトリトラクタ3がシートベルト4を所定量巻き取って乗員を比較的強く拘束した後、シートベルト4の引出しをロックする。 このプリテンショナーの作動によるシートベルト4の巻取りでシートベルト4には張力が発生する。 このため、図5(a)に点線で示すようにシートベルト4は、各突起17に通常時より比較的大きな当接力で当接する。 しかし、前述のようにラップベルト4c側の端面17bがシートベルト4の摺動方向に対して緩やかに傾斜した比較的大径の傾斜面とされているので、シートベルト4が各突起17に通常時より比較的大きな当接力で当接しても、シートベルト4は容易にかつ滑らかに摺動する。 これにより、シートベルト4はシートベルトリトラクタ3に安定して巻き取られる。

    次いで、乗員の慣性移動により、シートベルト4がショルダーベルト4bおよびラップベルト4cのいずれの方向にも引っ張られようとする。 このとき、ラップベルト4c側に引っ張られる力がショルダーベルト4b側に引っ張られる力より大きいと、シートベルト4はラップベルト4c側に引っ張られようになる。 また、このときにはシートベルト4にはかなり大きな張力が発生する。 このため、図5(b)ないし図5(d)に示すようにシートベルト4は当接する突起17に比較的大きく食い込まれて、シートベルト摺動部材13に対するシートベルト4の摺動抵抗が大きくなる。 特に、各突起17が点状に互いに独立して設けられて各突起17の周囲が窪んでいるので、シートベルト4は突起17によって容易に撓んで突起17の全周にわたって効果的に食い込まれるようになる。 したがって、シートベルト4の摺動抵抗がより一層大きくなる。 しかも、ショルダーベルト4b側の端面17aがシートベルト4の摺動方向に対してほぼ直交する方向となっているので、図5(c)に示すようにシートベルト4は端面17a側で突起17に大きく食い込まれ、シートベルト4の摺動抵抗が更に大きくなる。 したがって、シートベルト4はラップベルト4c側に容易に伸び出さなく、ラップベルト4cの伸出しが効果的に抑制される。 これにより、乗員の腰がラップベルト4cによって堅固に拘束される。

    このように、所定数の突起17はいずれも、通常時にシートベルト4とシートベルト摺動部材13との間の摺動抵抗が小さいとともに、緊急時にシートベルト4がラップベルト4c側に摺動する際のシートベルト4とシートベルト摺動部材13との間の摺動抵抗が、シートベルト4がショルダーベルト4b側に摺動する際のシートベルト4とシートベルト摺動部材13との間の摺動抵抗より大きくなるように設けられている。 すなわち、各突起17は、いずれも、シートベルト4の摺動方向に対して方向性を有する。

    この例のタング6によれば、シートベルト摺動部材13が、シートベルト摺動面14に設けられた所定数の凹部15,16を有するとともに、これらの凹部15,16内に点状に互いに独立して設けられた所定数の突起17を有している。 したがって、通常時には、シートベルト4がシートベルト摺動面14に対して摺動するので、タング6とシートベルト4との間の摺動抵抗を小さくできる。 これにより、所定数の突起17を設けても、通常時にはタング6をシートベルト4に対して容易にかつ滑らかに摺動させることができる。 その結果、通常時のタング6の取り扱いを容易にすることができる。

    また、凹部15,16内に所定数の突起17が点状に互いに独立して設けられることで、突起の周囲を大きく窪ませることができる。 緊急時に乗員の慣性移動によりシートベルト4の張力が増大したときは、シートベルト4が突起によって容易に撓んで突起の全周にわたって効果的に食い込ませることができる。 これにより、タング6のシートベルト摺動部材13に対するシートベルトの摺動抵抗を効果的に大きくすることが可能となる。 したがって、シートベルト巻取り終了後の乗員の慣性によるシートベルト4の張力増大時においてはラップベルト4cの伸出しを効果的に抑制することができる。 その結果、緊急時に乗員の腰がラップベルト4cによって堅固に拘束されて、前述の特許文献1に記載のタングの場合に比べて、シートベルト4のラップベルト4cによる乗員拘束性を大きく向上させることが可能となる。

    更に、所定数の突起17が、いずれも、通常時にシートベルト4とシートベルト摺動部材13との間の摺動抵抗が小さいとともに、緊急時にシートベルト4がラップベルト4c側に摺動する際のシートベルト4とシートベルト摺動部材13との間の摺動抵抗がシートベルト4がショルダーベルト4b側に摺動する際のシートベルト4とシートベルト摺動部材13との間の摺動抵抗より大きくなるようにされている。 これにより、緊急時の初期にプリテンショナの作動等でシートベルトリトラクタ3がシートベルト4を巻き取る際、シートベルト4が突起17に比較的大きな当接力で当接しても、シートベルト4をラップベルト4c側からショルダーベルト4b側に容易にかつ滑らかに摺動させることが可能となる。 したがって、シートベルト4による初期の乗員拘束性を向上させることが可能となる。 また、シートベルト巻取り終了後の乗員の慣性によるシートベルト4の張力増大時においては、シートベルト4とシートベルト摺動部材13との間の大きな摺動抵抗によりラップベルト4cの伸出しを更に効果的に抑制することができる。 したがって、乗員の慣性移動に対してシートベルト4による乗員拘束性を更に一層向上させることが可能となる。

    更に、突起17のショルダーベルト4b側の端面17aが平面またはほぼ平面であるとともに、ラップベルト4c側の端面17bが円弧状またはほぼ円弧状の曲面であることにより、簡単な構造で、緊急時の初期のシートベルト巻取りにおけるシートベルト4の摺動性を良好にさせ、緊急時の初期のシートベルト巻取り終了後の乗員の慣性によるシートベルト4の張力増大時におけるラップベルト4cの伸出しを効果的に抑制することができる。 したがって、乗員の腰がラップベルト4cによって堅固に拘束されて、シートベルト4による乗員拘束性を向上させることが可能となる。 更に、突起17のうち少なくとも一部の突起17において、シートベルト摺動面14の円弧の同心円αが突起17に接する接点βにおける同心円αの接線γと接点βにおけるショルダーベルト4b側の端面17aの平面とがなす角度θ1が、同心円αの接線γと接点βにおけるラップベルト4c側の端面17bの円弧状曲面の接線δとがなす角度θ2より大きく設定することで、前述のラップベルト4cの伸出しを更に効果的に抑制することができる。

    更に、シートベルト摺動面14が、少なくともベルト挿通孔12の長手方向の両端部に設けられる。 これにより、シートベルト摺動面14に凹部15,16を設けても、シートベルト4の長手方向の両側端がベルト挿通孔12の長手方向の両端部のシートベルト摺動面14に位置するようになるので、シートベルト4の両側端が凹部15,16に位置する可能性が低減する。 したがって、シートベルト摺動面14に凹部15,16を設けても、
    タング6のベルト挿通孔12におけるシートベルト4の反転が抑制されて、タング6とシートベルト4との間の摺動性を更に向上することが可能となる。 その結果、タング6およびシートベルト4の取扱い性がより一層向上する。

    更に、突起17が、いずれも、凹部15,16からシートベルト摺動面14より外側に突出しないように設けられる。 これにより、通常時には、シートベルト4がシートベルト摺動面14に対して摺動して突起17にはほとんど当接しなく、仮に突起17に当接してもその当接力はきわめて小さい。 したがって、所定数の突起17を設けてもタング6とシートベルト4との間の摺動抵抗を小さくできる。 その結果、所定数の突起17を設けても、通常時にはタング6をシートベルト4に対して容易にかつ滑らかに摺動させることができ、通常時のタング6の取り扱いを更に一層容易にすることができる。

    更に、凹部15,16がシートベルト挿通方向と同方向またはほぼ同方向に設けられるとともに、突起17が凹部15,16の延設方向と同方向またはほぼ同方向に整列されて設けられる。 これにより、通常時でのタング6とシートベルト4との間の摺動性を良好にするとともに、緊急時でのラップベルト4cの伸出しを更に効果的に抑制することができる。

    一方、この例のタング6を用いたシートベルト装置1によれば、通常時のタング6のシートベルト4に対する摺動を容易にかつ滑らかにできるとともに、緊急時の乗員の慣性移動によるシートベルト4の伸出しの際にシートベルト4のタング6に対する摺動が抑制されてラップベルト4cの伸出しをより効果的に抑制できる。 これにより、通常時に乗員によるシートベルトの装着性をより一層向上することができるとともに、緊急時に乗員の拘束性をより一層向上することができる。

    図6は、本発明のタングの実施の形態の他の例を模式的に示す、図3(b)と同様の下面図である。
    前述の例のタング6では、突起17が長手方向に直線状に整列されるとともにシートベルト挿通方向に整列されて設けられているが、図6に示すようにこの例のタング6では、突起17が長手方向およびシートベルト挿通方向のいずれの方向にも千鳥状に配設されている。 この例のタング6の他の構成は、前述の例のタング6およびシートベルト装置1の他の構成は前述の例と同じである。 また、この例のタング6およびシートベルト装置1の作用効果も前述の例と同じである。

    なお、前述の例では樹脂モールド部9を設けるものとしているが、本発明のタングでは、樹脂モールド部9を省略することもできる。 その場合には、凹部15,16および突起17をタングプレート8に設ける。 凹部15,16の数および突起17の数も前述の各例に限定されることはなく、それぞれ任意の数を設けることができる。 要するに、本発明のタングは、特許請求の範囲に記載された範囲で、種々の設計変更が可能である。

    本発明のタングおよびシートベルト装置は、自動車等の車両に装備され、シートベルトにより乗員を拘束するシートベルト装置において、シートベルトに摺動可能に支持されかつバックルに係合されるタングおよびこれを備えたシートベルト装置に好適に利用することができる。

    1…シートベルト装置、3…シートベルトリトラクタ、4…シートベルト、4a…ベルトアンカー、4b…ショルダーベルト、4c…ラップベルト、5…ベルトガイド、6…タング、7…バックル、8…タングプレート、9…樹脂モールド部、10…バックル挿入部、
    12…ベルト挿通孔、13…シートベルト摺動部材、14…シートベルト摺動面、15,
    16…凹部、17…突起、17a…ショルダーベルト側の端面、17b…ラップベルト側の端面、17c…先端、17d,17e…側端面

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