【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、自動車における衝突エネルギを受け止めるための圧縮管に関する。 【0002】 【従来の技術】正面衝突と結び付く事故において衝突エネルギの一部分を受け止める役割を有する、所謂折り返し軸が公知である(ドイツ連邦共和国特許出願公開第2 156783号明細書)。 しかし、この構成においては、変形距離にわたる衝突エネルギの分配に不都合に作用する軸方向の高い折り返し力を必要とし、さらに小さな変形距離しか使用できないという欠点を有している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、比較的小さな圧縮力を発生し、かつ実際に制限されない距離が衝突エネルギを受け止めるために使用されうるような、圧縮管を提供することである。 【0004】 【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するために本発明の構成では、圧縮管の軸方向長さの延び内に半径方向で内方に向かう押し込み変形部が配置されており、該押し込み変形部の一方の側の脚屈曲角が、この押し込み変形部の他方の側の脚屈曲角より大きく形成されている。 【0005】 【作用】本発明の構成によって、大きな脚屈曲角の領域で衝突する際に圧縮管が裂けることを保証している。 このため、事故に起因する衝突後の管の特性が明白に規定されている。 【0006】本発明の有利な構成において、押し込み変形部の一方の軸方向側における圧縮管の内径が、押し込み変形部の他方の軸方向側における圧縮管の外径より小さくなっている。 【0007】このような構成によって、圧縮管の両半部がこの圧縮管の破壊後に互いに内外に押し込まれ、かつこれにより直径差に基づいて生じる強い摩擦によって衝突エネルギの大部分を受け止めることができる。 【0008】直径差が極端な場合には、大きな直径を有する圧縮管片を破裂させることができ、この場合、ほとんど制限されない変形距離が使用されうる。 【0009】本発明の別の構成では、圧縮管がスチールから製造されている。 この構成は、圧縮管の高い強度が期待される場合に有利である。 【0010】本発明の別の有利な構成では、圧縮管がアルミニウムから製造されている。 この構成は、重量の節減が特に重要である場合に有利である。 【0011】本発明の別の特徴によれば、押し込み変形部の領域における、押し込み変形部の頂点と、圧縮管の変形されない部分との間に配置された大きな脚屈曲角の側における個所における壁厚が、壁厚減少部を有している。 このことによって、圧縮管の破壊時に生じる力のピークを簡単な形式で変化させることができる。 【0012】別の有利な構成では、押し込み変形部が、 該押し込み変形部の頂点の領域に肉厚部を有している。 この構成によって、半径方向で内方へ向かう押し込み変形部の領域で、調節されて減少された抵抗モーメントが補償される。 【0013】本発明の別の特徴により、圧縮管は自動車のバンパに組み込まれている。 このように使用する場合、圧縮管の作用が正面衝突の始めに既に調節されるという利点がある。 【0014】本発明の別の特徴において、圧縮管は、駆動ユニットから一方の軸にトルクを伝達するために自動車の縦軸に組み込まれている。 このような構成において、圧縮管の作用は、機関が乗客室に押し戻され始めると直ぐに生じる。 【0015】 【実施例】本発明を、図示の実施例を用いて以下に説明する。 図1に示された圧縮管1は、押し込み変形部4によって互いに区分されている2つの管部分片2及び3から成っている。 【0016】押し込み変形部自体は、互いに異なる脚屈曲角α及びβを有しており、この場合、規定された破断を保証するために脚屈曲角αは脚屈曲角βより大きくなっている。 【0017】有利には、圧縮管の管部分片3の外径Da 3が、圧縮管の他方の管部分片2の内径Di2より大きい。 このことによって、個所5での圧縮管の剪断後に管部分片3が管部分片2内に押し込まれ、この場合、直径差に基づき規定の摩擦エネルギを消滅させることができる。 【0018】発生する剪断衝撃を減少するために、特に個所5、即ち予定破断個所において、管の壁厚を30% まで減少することができる。 【0019】押し込み変形部の一方の脚の屈曲角αは有利には45°に選ばれており、押し込み変形部の他方の脚の屈曲角βは有利には30°である。 【0020】本発明の好適な実施態様を以下に例示する。 1. 押し込み変形部の一方の軸方向側における圧縮管の内径が、押し込み変形部の他方の軸方向側における圧縮管の外径より小さくなっていることを特徴とする請求項1記載の圧縮管。 【0021】2. スチールから製造されていることを特徴とする請求項1又は前項1記載の圧縮管。 【0022】3. アルミニウムから製造されていることを特徴とする請求項1又は前項1記載の圧縮管。 【0023】4. 押し込み変形部の領域における、押し込み変形部の頂点と、圧縮管の変形されない部分との間に配置された大きな脚屈曲角の側における個所における壁厚が、壁厚減少部を有していることを特徴とする請求項1又は前項1から3のいずれか1記載の圧縮管。 【0024】5. 押し込み変形部が、該押し込み変形部の頂点の領域に肉厚部を有していることを特徴とする請求項1又は前項1から4までのいずれか1記載の圧縮管。 【0025】6. 圧縮管が自動車のバンパに組み込まれていることを特徴とする請求項1又は前項1から5までのいずれか1記載の圧縮管。 【0026】7. 圧縮管が、駆動ユニットから一方の軸にトルクを伝達するために自動車の縦軸に組み込まれていることを特徴とする請求項1又は前項1から5までのいずれか1記載の圧縮管。 【0027】 【発明の効果】本発明の構成によって、大きな脚屈曲角の領域で衝突する際に圧縮管が裂けることを保証している。 このため、事故に起因する衝突後の管の特性が明白に規定されている。 【0028】本発明の有利な構成において、押し込み変形部の一方の軸方向側における圧縮管の内径が、押し込み変形部の他方の軸方向側における圧縮管の外径より小さくなっていることによって、圧縮管の両半部がこの圧縮管の破壊後に互いに内外に押し込まれ、かつこれにより直径差に基づいて生じる強い摩擦によって衝突エネルギの大部分を受け止めることができる。 【0029】直径差が極端な場合には、大きな直径を有する圧縮管片を破裂させることができ、この場合、ほとんど制限されない変形距離が使用されうる。 【0030】又、押し込み変形部の領域における、押し込み変形部の頂点と、圧縮管の変形されない部分との間に配置された大きな脚屈曲角の側における個所における壁厚が、壁厚減少部を有していることによって、圧縮管の破壊時に生じる力のピークを簡単な形式で変化させることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】圧縮管の縦断面図である。 【図2】縦断面図における押し込み変形部領域の拡大図である。 【図3】押し込み変形部の領域における脚屈曲角の互いに異なる大きさを示す拡大図である。 【符号の説明】 1 圧縮管 2 大きな直径を有する管部分片 3 小さな直径を有する管部分片 4 押し込み変形部 5 予定破断個所 6 押し込み変形部の頂点 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 591040801 レール・ウント・ブロンカンプ・ゲゼルシ ャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフ ツング LOEHR & BROMKAMP GE SELLSCHAFT MIT BESC HRANKTER HAFTUNG ドイツ連邦共和国 オッフェンバッハ/マ イン 1、カール・レギーン・シュトラー セ 10 (72)発明者 イエルク・トロマール ドイツ連邦共和国 ノイルキルヒェン−セ ールシャイト、ケプラーシュトラーセ 1 (72)発明者 マルクス・エシュバッハ ドイツ連邦共和国 オヴェラート、オデル シャイデルフェルト 21 |