車載機器制御システム

申请号 JP2012031791 申请日 2012-02-16 公开(公告)号 JP5692115B2 公开(公告)日 2015-04-01
申请人 株式会社日本自動車部品総合研究所; 株式会社デンソー; 发明人 松本 宗範; 高岡 彰; 山口 達;
摘要
权利要求

利用者が携帯する携帯機(20)と、車両に搭載され、前記携帯機の位置に応じた車載機器(34)の制御を行う車載装置(10)から成る車載機器制御システムであって、 前記車載装置(10)は、 前記車両の異なる位置に配置され、送信周波数が互いに異なるように設定された複数の送信アンテナ(11a〜11c)と、 前記複数の送信アンテナ(11a〜11c)から、互いに異なるパターンに従って電波の強度を段階的に変化させたパルスパターン信号を、重複するタイミングで送信させるパルスパターン信号送信手段(S100)と、を備え、 前記携帯機(20)は、 前記複数の送信アンテナから送信された電波を受信する受信部(21a、21)を備え、 前記車両の各位置で前記受信部(21a、21)により受信される前記パルスパターン信号の受信合成パターンに基づいて前記車両における前記携帯機(20)の位置を特定する携帯機位置特定手段(S200、S204、S406、S410)を備えたことを特徴とする車載機器制御システム。前記車両の各位置で前記受信部(21a、21)により受信される前記パルスパターン信号の受信合成パターンの電圧変化パターンを記憶した記憶手段(22c、13b)を備え、 前記携帯機位置特定手段(S200、S204、S406、S410)は、前記受信部(21a、21)により受信された前記受信合成パターンの電圧変化パターンと前記記憶手段(22c、13b)に記憶された前記電圧変化パターンとを比較して前記車両における前記携帯機(20)の位置を特定することを特徴とする請求項1に記載の車載機器制御システム。前記受信部(21a、21)により受信された前記パルスパターン信号の受信合成パターンの周波数に応じた電圧を出する周波数電圧変換回路(23b)と、 前記周波数電圧変換回路(23b)より出力される電圧の高周波成分を遮断して低周波成分を通過させる低周波通過フィルタ(23c)と、を備え、 前記携帯機位置特定手段(S200、S204、S406、S410)は、前記低周波通過フィルタの出力電圧の電圧レベルに応じて前記車両における携帯機の位置を特定することを特徴とする請求項1に記載の車載機器制御システム。前記車両の各位置で前記受信部(21a、21)により受信される前記パルスパターン信号の受信合成パターンの電圧変化パターンを記憶した記憶手段(22c、13b)と、 前記受信部(21a、21)により受信された前記パルスパターン信号の受信合成パターンの周波数に応じた電圧を出力する周波数電圧変換回路(23b)と、 前記周波数電圧変換回路より出力される電圧の高周波成分を遮断して低周波成分を通過させる低周波通過フィルタ(23c)と、を有し、 前記携帯機位置特定手段(S200、S204、S406、S410)は、前記受信部(21a、21)により受信された前記受信合成パターンの電圧変化パターンと前記記憶手段(22c、13b)に記憶された前記電圧変化パターンとを比較して特定した前記携帯機(20)の位置と前記低周波通過フィルタの出力電圧の電圧レベルに応じて特定した前記携帯機の位置に基づいて前記車両における前記携帯機(20)の位置を特定することを特徴とする請求項1に記載の車載機器制御システム。前記携帯機位置特定手段(S200、S204、S406、S410)は、前記携帯機(20)に設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車載機器制御システム。前記携帯機(20)は、前記携帯機位置特定手段(S200、S204、S406、S410)により特定された前記携帯機(20)の位置を表す携帯機位置情報を前記車載装置(10)へ送出する携帯機位置情報送出手段(S208)を備え、 前記車載装置(10)は、前記携帯機位置情報を受信すると、当該携帯機位置情報に基づいて特定される前記携帯機(20)の位置に応じて前記車載機器(34)の制御を行うことを特徴とする請求項5に記載の車載機器制御システム。前記携帯機位置特定手段(S200、S204、S406、S410)は、前記車載装置(10)に設けられ、 前記車載装置(10)は、前記携帯機位置特定手段(S200、S204、S406、S410)により特定された前記携帯機(20)の位置に応じて前記車載機器(34)の制御を行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車載機器制御システム。

说明书全文

本発明は、利用者が携帯する携帯機と、車両に搭載され、携帯機の位置に応じた車載機器の制御を行う車載装置から成る車載機器制御システムに関するものである。

従来、車両の複数箇所に送信アンテナを設置し、各送信アンテナから照合のための電波を送信し、この電波に応答して利用者が所持する携帯機から送信される電波を受信することにより携帯機の照合および携帯機の位置特定を行い、携帯機の位置に応じて車両のドアの施錠制御、解錠制御等を行う装置がある(例えば、特許文献1参照)。

特開2004−84406号公報

上記特許文献1に記載されたような装置では、車両の運転席側のセンターピラー、助手席側のセンターピラー、トランクルーム内等、複数の送信アンテナから要求信号を送信し、この要求信号に応じて携帯機から送信される応答信号に基づいて携帯機の位置を特定するようになっている。このように、複数の送信アンテナから要求信号を送信することで、携帯機の位置をある程度精度良く特定することが可能である。しかし、複数の送信アンテナから同時に電波を送信すると干渉を起こして携帯機が各電波を受信できなくなってしまう。このため、各アンテナから時間をずらして順次電波を送信する必要があり、携帯機の位置を特定するのに要する時間が長くなるといった問題がある。

本発明は上記問題に鑑みたもので、携帯機の位置特定の精度を向上するとともに、携帯機の位置を特定するのに要する時間を短縮することを目的とする。

上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、利用者が携帯する携帯機(20)と、車両に搭載され、携帯機の位置に応じた車載機器(34)の制御を行う車載装置(10)から成る車載機器制御システムであって、車載装置(10)は、車両の異なる位置に配置され、送信周波数が互いに異なるように設定された複数の送信アンテナ(11a〜11c)と、複数の送信アンテナ(11a〜11c)から、互いに異なるパターンに従って電波の強度を段階的に変化させたパルスパターン信号を、重複するタイミングで送信させるパルスパターン信号送信手段(S100)と、を備え、携帯機(20)は、複数の送信アンテナから送信された電波を受信する受信部(21a、21)を備え、車両の各位置で受信部(21a、21)により受信されるパルスパターン信号の受信合成パターンに基づいて車両における携帯機(20)の位置を特定する携帯機位置特定手段(S200、S204、S406、S410)を備えたことを特徴としている。

このような構成によれば、車載装置(10)は、車両の異なる位置に配置され、送信周波数が互いに異なるように設定された複数の送信アンテナ(11a〜11c)と、複数の送信アンテナ(11a〜11c)から、互いに異なるパターンに従って電波の強度を段階的に変化させたパルスパターン信号を、重複するタイミングで送信させ、携帯機(20)は、複数の送信アンテナから送信された電波を受信する受信部(21a、21)を備え、車両の各位置で受信部(21a、21)により受信されるパルスパターン信号の受信合成パターンに基づいて車両における携帯機(20)の位置を特定するので、複数の送信アンテナ(11a〜11c)から、時間をずらして順次電波を送信する必要がなく、携帯機の位置特定の精度を向上するとともに、携帯機の位置を特定するのに要する時間を短縮することができる。

また、請求項2に記載の発明は、車両の各位置で受信部(21a、21)により受信されるパルスパターン信号の受信合成パターンの電圧変化パターンを記憶した記憶手段(22c、13b)を備え、携帯機位置特定手段(S200、S204、S406、S410)は、受信部(21a、21)により受信された受信合成パターンの電圧変化パターンと記憶手段(22c)に記憶された電圧変化パターンとを比較して車両における携帯機(20)の位置を特定することを特徴としている。

車両の異なる位置に配置され、送信周波数が互いに異なるように設定された複数の送信アンテナ(11a〜11c)から、互いに異なるパターンに従って電波の強度を段階的に変化させたパルスパターン信号が、重複するタイミングで送信されるので、携帯機の受信部(21a、21)により受信されるパルスパターン信号の電圧変化パターンは携帯機の位置により様々なパターンに変化する。

上記した構成によれば、車両の各位置で受信部(21a、21)により受信されるパルスパターン信号の受信合成パターンの電圧変化パターンを記憶した記憶手段(22c、13b)を備え、携帯機位置特定手段(S200、S204、S406、S410)は、受信部(21a、21)により受信された受信合成パターンの電圧変化パターンと記憶手段(22c、13b)に記憶された電圧変化パターンとを比較して車両における携帯機(20)の位置が特定されるので、携帯機の位置を比較的狭い領域に分類して特定することが可能である。

また、請求項3に記載の発明は、受信部(21a、21)により受信されたパルスパターン信号の受信合成パターンの周波数に応じた電圧を出する周波数電圧変換回路(23b)と、周波数電圧変換回路(23b)より出力される電圧の高周波成分を遮断して低周波成分を通過させる低周波通過フィルタ(23c)とを備え、携帯機位置特定手段(S200、S204、S406、S410)は、低周波通過フィルタの出力電圧の電圧レベルに応じて車両における携帯機の位置を特定することを特徴としている。

車両の異なる位置に配置され、送信周波数が互いに異なるように設定された複数の送信アンテナ(11a〜11c)から、互いに異なるパターンに従って電波の強度を段階的に変化させたパルスパターン信号が、重複するタイミングで送信されるようになっており、携帯機の受信部(21a、21)により受信されるパルスパターン信号に含まれる周波数成分は携帯機の位置により変化する。

したがって、上記した構成のように、受信部(21a、21)により受信されたパルスパターン信号の受信合成パターンの周波数に応じた電圧を出力する周波数電圧変換回路(23b)と、周波数電圧変換回路(23b)より出力される電圧の高周波成分を遮断して低周波成分を通過させる低周波通過フィルタ(23c)と、を備え、携帯機位置特定手段(S200、S204、S406、S410)は、低周波通過フィルタの出力電圧の電圧レベルに応じて車両における携帯機の位置を特定することもできる。

また、請求項4に記載の発明は、車両の各位置で受信部(21a、21)により受信されるパルスパターン信号の受信合成パターンの電圧変化パターンを記憶した記憶手段(22、13b)と、受信部(21a、21)により受信されたパルスパターン信号の受信合成パターンの周波数に応じた電圧を出力する周波数電圧変換回路(23b)と、周波数電圧変換回路より出力される電圧の高周波成分を遮断して低周波成分を通過させる低周波通過フィルタ(23c)と、を有し、携帯機位置特定手段(S200、S204、S406、S410)は、受信部(21a、21)により受信された受信合成パターンの電圧変化パターンと記憶手段(22c、13b)に記憶された電圧変化パターンとを比較して特定した携帯機(20)の位置と低周波通過フィルタの出力電圧の電圧レベルに応じて特定した携帯機の位置に基づいて車両における携帯機(20)の位置を特定することを特徴としている。

このような構成によれば、受信部(21a、21)により受信された受信合成パターンの電圧変化パターンと記憶手段(22c、13b)に記憶された電圧変化パターンとを比較して特定した携帯機(20)の位置と低周波通過フィルタの出力電圧の電圧レベルに応じて特定した携帯機の位置に基づいて車両における携帯機(20)の位置が特定されるので、より精度良く携帯機の位置を特定することができる。

なお、請求項5に記載の発明のように、携帯機位置特定手段(S200、S204、S406、S410)は、携帯機(20)に設けることができる。

また、請求項6に記載の発明のように、携帯機(20)は、携帯機位置特定手段(S200、S204、S406、S410)により特定された携帯機(20)の位置を表す携帯機位置情報を車載装置(10)へ送出し、車載装置(10)は、携帯機位置情報を受信すると、当該携帯機位置情報に基づいて特定される携帯機(20)の位置に応じて車載機器(34)の制御を行うように構成することもできる。

また、請求項7に記載の発明のように、携帯機位置特定手段(S200、S204、S406、S410)は、車載装置(10)に設けられ、車載装置(10)は、携帯機位置特定手段(S200、S204、S406、S410)により特定された携帯機(20)の位置に応じて車載機器(34)の制御を行うように構成することもできる。

なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。

本発明の第1実施形態に係る車載機器制御システムのブロック構成を示す図である。

D席アンテナ、P席アンテナおよびトランク内アンテナについて説明するための図である。

D席アンテナ、P席アンテナおよびトランク内アンテナの送信周波数について説明するための図である。

D席アンテナ、P席アンテナおよびトランク内アンテナより送信される信号について説明するための図である。

D席アンテナ、P席アンテナおよびトランク内アンテナより送信されるパルスパターンの周波数と強度の関係について説明するための図である。

本発明の第1実施形態に係る車載機器制御システムの携帯機のブロック構成を示す図である。

RSSI電圧のサンプリングについて説明するための図である。

車両における各部において携帯機により検出される絡線パターンのイメージを示す図である。

包絡線パターンの一例を示す図である。

メモリに格納された包絡線パターンの例を示す図である。

周波数−電圧変換回路の入力信号周波数と出力電圧の関係を示す図である。

車両の各部における周波数−電圧変換回路の出力電圧波形を示す図である。

電圧レベル判定回路の出力電圧による携帯機の領域判定について説明するための図である。

車載装置の制御部のフローチャートである。

携帯機の制御部のフローチャートである。

本発明の第2実施形態に係る車載機器制御システムの携帯機のブロック構成を示す図である。

本発明の第2実施形態に係る車載機器制御システムの携帯機の制御部のフローチャートである。

本発明の第2実施形態に係る車載機器制御システムの車載装置の制御部のフローチャートである。

変形例について説明するための図である。

(第1実施形態) 本発明の第1実施形態に係る車載機器制御システムのブロック構成を図1に示す。本実施形態における車載機器制御システムは、利用者が携帯する携帯機20と、車両に搭載され、携帯機20の位置に応じた車載機器34の制御を行う車載装置10から成るキーレスエントリシステムとして構成されている。

車載装置10は、ユーザが所持する携帯機20へ照合のための電波(要求信号)を送出し、この電波の受信に応じて携帯機20より送出される電波(応答信号)を受信することにより携帯機20の照合を行うとともに携帯機20の位置を特定し、携帯機20の位置に応じて車両のドアの施錠制御および解錠制御を行う。

車載装置10は、LF送信部11、チューナ12および制御部13を備えている。

LF送信部11は、制御部13より入力される信号に応じてLF帯の信号を生成し、生成した信号に応じた電波を各アンテナ11a〜11cから送出させる。

チューナ12は、受信アンテナ12aにより受信された信号に対する増幅、復調等の処理を行う。

制御部13は、CPU13a、ROM13b、RAM13c、I/O13d等を備えたコンピュータとして構成されており、CPU13aはROM13bに記憶されたプログラムに従って各種処理を実施する。

ドアスイッチ31は、車両のドアを開閉するためのドアノブの近くに設けられたタッチスイッチ、車両のトランクドアのドアノブ付近に設けられたタッチスイッチによって構成されている。ユーザのドアスイッチ31に対する操作に応じた信号が制御部13へ出力されるようになっている。

ドア開閉検出部32は、車両のドアの開閉状態を検出するためのスイッチおよび車両のトランクドアの開閉状態を検出するためのスイッチにより構成されている。ドア開閉検出部32から制御部13へ車両のドアの開閉状態および車両のトランクドアの開閉状態を表す信号が出力されるようになっている。

ドア施錠検出部33は、車両のドアの施錠状態を検出するスイッチおよび車両のトランクドアの施錠状態を検出するスイッチにより構成されている。ドア施錠検出部33から制御部13へ車両の施錠状態および車両のトランクドアの施錠状態を表す信号が出力されるようになっている。

ドア施解錠制御部34は、車両のドアの施錠、解錠を行うためのアクチュエータおよび車両のトランクドアの施錠、解錠を行うためのアクチュエータを有し、各アクチュエータを駆動することにより車両のドアの施錠制御、解錠制御、車両のトランクドアの施錠制御、解錠制御を行う。

LF送信部11には、D席(運転席)アンテナ11a、P席(助手席)アンテナ11bおよびトランク内アンテナ11cが接続されている。図2に示すように、D席アンテナ11aは、運転席側の前部座席と後部座席の間にあるセンターピラーの内側に配置され、P席アンテナ11aは、助手席側の前部座席と後部座席の間にあるセンターピラーの内側に配置されている。また、トランク内アンテナ11cは、トランクルーム内に配置されている。

また、本実施形態においては、各アンテナ11a〜11cの送信周波数が少しずつ異なるように調整されている。本実施形態における各アンテナ11a〜11cは、周波数帯域の広いフェライトコアアンテナにより構成されており、各アンテナ11a〜11cの送信周波数を異ならせても出力レベルは同レベルとなっている。

図3に、各アンテナ11a〜11cの送信周波数を示す。図に示すように、D席アンテナ11aの送信周波数は124キロヘルツ(kHz)、P席アンテナ11bの送信周波数は144キロヘルツ(kHz)、トランク内アンテナ11cの送信周波数は134キロヘルツ(kHz)となっている。すなわち、D席アンテナ11a、トランク内アンテナ11c、P席アンテナ11bの順に送信周波数が高くなるように設定されている。

なお、ここでは、各アンテナ11a〜11cの送信周波数差は10キロヘルツ(kHz)となっているが、チューナ12、周波数−電圧変換回路23bの許容周波数範囲等を考慮して、数kHzから数十kHzの範囲で周波数差を設定することができる。また、D席アンテナ11aとP席アンテナの送信周波数の関係は上記と逆となってもよい。

このように、各アンテナ11a〜11cから送信される電波が相互に干渉し合わないように、各アンテナ11a〜11cの送信周波数を異ならせてあるため、各アンテナ11a〜11cから同時に電波が送信されても、電波が相互に干渉することなく、携帯機20は、各アンテナ11a〜11cからの電波を受信することが可能となる。

本実施形態におけるキーレスエントリシステムにおいては、上述したように各アンテナ11a〜11cの送信電波の周波数を異ならせるだけではなく、予め定められたパターンに従って電波の強度を変化させるように各アンテナ11a〜11cから電波を送出させるようになっている。具体的には、図4に示すように、D席アンテナ11a(アンテナA)、P席アンテナ11b(アンテナB)、トランク内アンテナ11c(アンテナC)から、それぞれ特定の異なるパルスパターンを繰り返し送出させた後、固有に付与された識別情報等を含むデータを送出するようになっている。

アンテナAは、パルスパターン期間中、電波の強度を一定期間「高」とした後、電波の送出を一定期間停止させ、電波の強度を一定期間「中」とした後、電波の送出を一定期間停止させ、電波の強度を一定期間「低」とした後、電波の送出を一定期間停止させる。

また、アンテナBは、反対に、パルスパターン期間中、電波の強度を一定期間「低」とした後、電波の送出を一定期間停止させ、電波の強度を一定期間「中」とした後、電波の送出を一定期間停止させ、電波の強度を一定期間「高」とした後、電波の送出を一定期間停止させる。

また、アンテナCは、パルスパターン期間中、電波の送出を一定期間停止させ、電波の強度を一定期間「高」とした後、電波の送出を一定期間停止させ、再度、電波の強度を一定期間「高」とした後、電波の送出を一定期間停止させる。

各アンテナ11a〜11cから送出されるパルスパターンの周波数と強度の関係は、図5のように表すことができる。この図に示されるように、本実施形態におけるキーレスエントリシステムにおいては、予め定められたパターンに従って電波の強度を変化させるように各アンテナ11a〜11cから異なる周波数の電波が送出されるようになっている。

次に、携帯機20の構成について説明する。図6に、携帯機20のブロック構成を示す。携帯機20は、LF受信アンテナ21a、LF受信部21、パルスパターン判定部22、電圧レベル判定部23、制御部24、RF送信部25およびRF送信アンテナ25aを備えている。

LF受信アンテナ21aは、車載装置10より送信されるLF帯の電波を受信するものである。このLF受信アンテナ21aは、平2方向(X軸、Y軸)および垂直方向(Z方向)の3軸アンテナにより構成されている。

LF受信部21は、LFアンテナ21aより入力される3軸合成受信信号に対する増幅、復調等の処理を行う。

LF受信アンテナ21aおよびLF受信部21により、各アンテナA〜Cより送信されたパルスパターン信号の受信合成パターンが受信される。本実施形態では、各アンテナA〜Cの送信周波数を異ならせているため、各アンテナA〜Cより、互いに異なるパターンに従って電波の強度を段階的に変化させたパルスパターン信号が、重複するタイミングで送信されても、パルスパターン信号の受信合成パターンを受信することが可能となっている。

なお、各アンテナA〜Cの送信周波数を同一とした場合には、各アンテナA〜Cより、互いに異なるパターンに従って電波の強度を段階的に変化させたパルスパターン信号が、重複するタイミングで送信されても、干渉等によりパルスパターン信号の受信合成パターンを受信するのは困難である。

パルスパターン判定部22は、RSSI回路22a、サンプリング回路22b、メモリ22cおよびパターン比較部22dを備えている。

RSSI回路22aは、LF受信部21により受信された信号の受信電界強度を検出する回路である。RSSI回路22aは、LF受信部21により受信された信号の受信電界強度が高くなるほどレベルが高くなるRSSI電圧を出力する。

サンプリング回路22bは、RSSI回路22aより出力されるRSSI電圧を予め定められたサンプリング周波数でサンプリングしてデジタル信号に変換する。

図7(a)に示すような、RSSI電圧に対し、図7(b)に示すようにサンプリングしてデジタル信号に変換することにより、図7(c)に示すような電圧変化パターン(包絡線パターン)を数値化して抽出することができる。

メモリ22cには、車両における各部において携帯機20により検出された包絡線パターンが検出位置と関連付けて格納されている。本実施形態では、車両における携帯機20の位置を実際に変化させて得られた包絡線パターンがメモリ22cに格納されている。

図8に、車両における各部において携帯機20により検出される絡線パターンのイメージを示す。上述したように、車両に取り付けられたD席(運転席)アンテナ11a、P席(助手席)アンテナ11bおよびトランク内アンテナ11cから、送信周波数およびパルスパターンの異なる電波が送出されるようになっている。したがって、各アンテナ11a〜11から送出される電波が合成され、携帯機20のサンプリング回路22bにより検出される包絡線パターンは、車室内外の各領域において異なる。

パターン比較部22dは、サンプリング回路22bにより検出された包絡線パターンと一致する包絡線パターンをメモリ22cから読み出して携帯機20の位置を特定し、複数ビットのデジタルデータにより携帯機20の位置を表す情報を制御部24へ出力する。

なお、パターン比較部22dは、サンプリング回路22bにより検出された包絡線パターンと一致する包絡線パターンがない場合、最も類似している包絡線パターンをメモリ22cから読み出して携帯機20の位置を特定し、複数ビットのデジタルデータにより携帯機20の位置を表す情報を制御部24へ出力する。

このように、携帯機20の位置が1つに特定できない場合には、携帯機20の位置が未確定であることを示す1ビットの「未確定情報」が制御部24へ出力されるようになっている。

図8に示したように、本実施形態では、パターン比較部22dは、携帯機20の位置として、車室内の12箇所および車室外の3箇所の合計15箇所の中からいずれかを特定し、複数ビットのレジタルデータにより携帯機20の位置を表す情報を制御部24へ出力する。

例えば、図9に示すような包絡線パターンがサンプリング回路22bにより検出された場合、パターン比較部22dは、この包絡線パターンとメモリ22cに記憶されている包絡線パターンとを比較して携帯機20の位置を特定する。

ここで、図10に示すような包絡線パターンがメモリ22cに格納されており、図9に示した包絡線パターンと、D席後部、車室内(図中では、D席後、内と記す)を検出位置としてメモリ22cに格納されている包絡線包絡線パターンとが一致する場合、携帯機20の位置をD席後部、車室内として特定し、携帯機20の位置を表す情報を制御部24へ出力する。なお、図10において、例えば、「Dドア、外」という表記は、D席ドア付近の車室外を意味するもので、「トランク、外」という表記は、トランク付近の車室外を意味するものである。

このように、パルスパターン判定部22から携帯機20の位置を表す携帯機位置情報が制御部24へ出力される。

次に、電圧レベル判定部23について説明する。電圧レベル判定部23は、リミッターアンプ23a、周波数−電圧変換回路(図中では、F−V変換回路と記す)23b、LPF23cおよび電圧レベル判定回路23dを備えている。

リミッターアンプ23aは、LF受信部21より入力される信号を増幅して出力するものである。

周波数−電圧変換回路23bは、入力信号に含まれる周波数成分を電圧に変換する回路である。本実施形態における周波数−電圧変換回路23bは、入力信号に含まれる周波数成分に応じた電圧を出力する。

本実施形態における周波数−電圧変換回路23bは、図11に示すように、LF受信アンテナ21aより入力される信号に含まれる周波数成分が高くなるにつれて出力電圧も高くなる。なお、図11中には、P席アンテナ(アンテナB)11bの送信周波数fb、トランク内アンテナ(アンテナC)11cの周波数fc、D席アンテナ(アンテナA)11aの周波数faを示してある。

LPF23cは、一定の遮断周波数より高い周波数を減衰させて、低周波を通過させる低域通過フィルタである。

電圧レベル判定回路23dは、LPF23cを介して入力される周波数−電圧変換回路23bの出力電圧の電圧レベルを判定して車両における携帯機20の位置を特定し、携帯機20の位置を表す情報(携帯機位置情報)を制御部24へ出力する回路である。電圧レベル判定回路23dは、閾値の異なる2つのコンパレータ(図示せず)を有し、これらのコンパレータを用いてLPF23cを介して入力される周波数−電圧変換回路23bの出力電圧の電圧レベルを判定し、複数ビットの論理信号により携帯機20の位置を表す情報を制御部24へ出力する。

図12に、周波数−電圧変換回路23bの出力電圧(F−V変換出力)とLPF23cの出力電圧(LPF出力)の関係を示す。図12(a)は、図13に示す領域P1(アンテナA側の車室内)に携帯機20が位置する場合、図12(b)は、図13に示す領域P2(アンテナB側の車室内)に携帯機20が位置する場合、図12(c)は、図13に示すアンテナB側の車室外に携帯機20が位置する場合を表している。なお、この図に示されている周波数−電圧変換回路23bの出力電圧の波形は、図4に示したパルスパターン信号を受信した場合とは異なっている。

図12(a)、(b)を比較すると、図12(a)の方が図12(b)よりもLPF23cの出力電圧が小さいことが分かる。これは、アンテナAの方がアンテナBよりも送信周波数が低くなっているためである。

電圧レベル判定回路23dは、LPF23cの出力電圧が閾値T1以上の場合には、図13に示す領域P1(アンテナA側の車室内)に携帯機20が位置し、LPF23cの出力電圧が閾値T1未満の場合には、図13に示す領域P2(アンテナB側の車室内)に携帯機20が位置すると特定する。

また、図12(b)、(c)を比較すると、図12(c)の方が図12(b)よりもLPF23cの出力電圧が小さいことが分かる。これは、図13に示す領域P2に示されるような車室内では、各アンテナ11a〜11cからの電波が合成されるのに対し、図13に示す領域P3に示されるような車室外では、アンテナ(アンテナB)11bからの電波が支配的になるためである。

電圧レベル判定回路23dは、LPF23cの出力電圧が閾値T2以上の場合には、車室内に携帯機20が位置し、LPF23cの出力電圧が閾値T2未満の場合には、車室外に携帯機20が位置すると特定する。

図14に、車載装置10の制御部13のフローチャートを示す。ユーザがドアスイッチ31を操作して、ドアスイッチ31よりユーザ操作に応じた信号が入力されると、制御部13は図に示す処理を実施する。

まず、各アンテナ11a〜11cからの電波送出を指示する(S100)。具体的には、図4に示したようなパルスパターン信号および携帯機20の識別情報等を含むデータが各アンテナ11a〜11cから送出されるようにLF送出部11に指示する。これにより図4に示したような、互いに異なるパターンに従って電波の強度を段階的に変化させたパルスパターン信号が、重複するタイミングで送信される。また、携帯機20の識別情報等を含むデータも送出される。

次に、受信信号の受信待ち状態となる(S102)。携帯機20は、自己の識別情報を含む信号を受信すると、自己の識別情報と車両における携帯機20の位置を表す携帯機位置情報を含む応答信号を送信するようになっている。ここでは、一定期間、この応答信号の受信待ち状態となる。なお、一定期間が経過しても応答信号が受信されない場合には、図示してないが本処理を終了する。

また、一定期間内に応答信号が受信された場合、次に、照合がOKか否かを判定する(S104)。具体的には、応答信号に含まれる識別情報が、S100にて送出したデータに含まれる識別情報等と一致するか否かに基づいて照合がOKか否かを判定する。

ここで、何らかの要因で応答信号に含まれる識別情報が、S100にて送出したデータに含まれる識別情報等と一致しない場合、照合NGと判定され、本処理を終了する。

また、応答信号に含まれる識別情報が、S100にて送出したデータに含まれる識別情報等と一致する場合は、照合OKと判定され、次に、車両における携帯機2の位置を特定する(S106)。ここで、車両における携帯機2の位置は、応答信号に含まれる携帯機位置情報から特定することができる。

次に、ドアロックするか否かを判定する(S108)。本実施形態では、携帯機2の位置が車室外である場合にはドアロックを実施し、携帯機2の位置が車室内である場合にはドアロックを実施しないようになっている。

ここで、携帯機2の位置が車室外である場合、S108の判定はYESとなり、ドア施解錠制御部34に対してドアロックを指示する(S110)。ドア施解錠制御部34は、このドアロックの指示に応じて車両のドアの施錠、解錠を行うためのアクチュエータおよび車両のトランクドアの施錠、解錠を行うためのアクチュエータを駆動して車両のドアの施錠制御を行う。

また、携帯機2の位置が車室内である場合には、ドア施解錠制御部34に対するドアロックを指示することなく、本処理を終了する。

図15に、携帯機20の制御部24のフローチャートを示す。制御部24は、LF受信アンテナ21aにより車載装置10より送信されるLF帯の電波が受信され、LF受信部21より受信信号が入力されると、図15に示す処理を実施する。

まず、パルスパターン判定部22からの信号から携帯機の位置を特定する(S200)。具体的には、パルスパターン判定部22から入力される携帯機20の位置を表す情報(携帯機位置情報)に基づいて携帯機20の位置を特定する。

次に、パルスパターン判定部22により携帯機の20位置が確定されたか否かを判定する(S202)。具体的には、パルスパターン判定部22から出力される「未確定情報」に基づいて、携帯機の20位置が確定したか否かを判定する。

ここで、パルスパターン判定部22により携帯機の20位置が確定されている場合、S202の判定はYESとなり、次に、パルスパターン判定部22により特定された携帯機20の位置と自己の識別情報を含む応答信号を車載装置10へ送出し(S208)、本処理を終了する。

また、パルスパターン判定部22により携帯機の20位置が確定されていない場合、S202の判定はNOとなり、次に、電圧レベル判定部23からの信号に基づいて携帯機20の位置を特定する(S204)。具体的には、電圧レベル判定部23より出力される携帯機位置情報により車両における携帯機20の位置を特定する。

次に、携帯機20の位置の絞り込みを行う(S206)。パルスパターン判定部22より出力される携帯機位置情報と電圧レベル判定部23より出力される携帯機位置情報に基づいて携帯機20の位置の絞り込みを行う。

例えば、パルスパターン判定部22より「D席後部、車室内」を表す携帯機位置情報とともに未確定であることを示す「未確定情報」が出力されており、電圧レベル判定部23より「車室外」を表す携帯機位置情報が出力されているような場合には、電圧レベル判定部23より出力されている「車室外」を表す携帯機位置情報を優先して「D席後部、車室外」として携帯機20の位置が特定される。

次に、S206にて特定された携帯機20の位置と自己の識別情報を含む応答信号を車載装置10へ送出し(S208)、本処理を終了する。

上記した構成によれば、車載装置10は、車両の異なる位置に配置され、送信周波数が互いに異なるように設定された複数の送信アンテナ11a〜11cと、複数の送信アンテナ11a〜11cから、互いに異なるパターンに従って電波の強度を段階的に変化させたパルスパターン信号を、重複するタイミングで送信させ(S100)、携帯機20は、複数の送信アンテナから送信された電波を受信する受信部21a、21により受信されるパルスパターン信号に基づいて車両における携帯機20の位置を特定し(22、23)、この携帯機20の位置を表す携帯機位置情報を車載装置10へ送出し、車載装置10は、携帯機位置情報に基づいて携帯機20の位置を特定するようになっており、複数の送信アンテナ11a〜11cから、時間をずらして順次電波を送信する必要がないので、携帯機の位置特定の精度を向上するとともに、携帯機の位置を特定するのに要する時間を短縮することができる。

また、車両の異なる位置に配置され、送信周波数が互いに異なるように設定された複数の送信アンテナ11a〜11cから、互いに異なるパターンに従って電波の強度を段階的に変化させたパルスパターン信号が、重複するタイミングで送信されるので、携帯機の受信部21a、21により受信されるパルスパターン信号の電圧変化パターンは携帯機の位置により様々なパターンに変化する。

上記した構成によれば、携帯機20は、車両の各位置で受信部21a、21により受信されるパルスパターン信号の電圧変化パターンを記憶した記憶手段22cを有し、受信部21a、21により受信されたパルスパターン信号の電圧変化パターンと記憶手段22cに記憶された電圧変化パターンとを比較して車両における携帯機20の位置が特定されるので、携帯機の位置を比較的狭い領域に分けして特定することが可能である。

また、車両の異なる位置に配置され、送信周波数が互いに異なるように設定された複数の送信アンテナ11a〜11cから、互いに異なるパターンに従って電波の強度を段階的に変化させたパルスパターン信号が、重複するタイミングで送信されるようになっており、携帯機の受信部(21a、21)により受信されるパルスパターン信号に含まれる周波数成分は携帯機の位置により変化する。

上記した構成のように、受信部21a、21により受信されたパルスパターン信号の周波数に応じた電圧を出力する周波数電圧変換回路23bと、周波数電圧変換回路23bより出力される電圧の高周波成分を遮断して低周波成分を通過させる低周波通過フィルタ23cと、を備え、低周波通過フィルタの出力電圧の電圧レベルに応じて車両における携帯機の位置を特定することもできる。

また、上記した構成のように、車両の各位置で受信部21a、21により受信されるパルスパターン信号の電圧変化パターンを記憶したメモリ22cと、受信部21a、21により受信されたパルスパターン信号の電圧変化パターンと記憶手段22cに記憶された電圧変化パターンとを比較して車両における携帯機の位置を特定するパターン比較部22dと、を有するパルスパターン判定部22と、受信部21a、21により受信されたパルスパターン信号の周波数に応じた電圧を出力する周波数電圧変換回路23bと、周波数電圧変換回路23bより出力される電圧の高周波成分を遮断して低周波成分を通過させる低周波通過フィルタ23cと、低周波通過フィルタの出力電圧の電圧レベルに応じて車両における携帯機の位置を特定する電圧レベル判定回路23dと、を有する電圧レベル判定部23と、を備え、パルスパターン判定部22により特定された携帯機20の位置と電圧レベル判定部23により特定された携帯機20の位置に基づいて車両における携帯z20の位置を特定することにより、より精度よく携帯機20の位置を特定することが可能である。

(第2実施形態) 上記第1実施形態では、携帯機20の制御部24が、車両における携帯機20の位置を特定する構成を示したが、本実施形態では、携帯機20の制御部24から車載装置10へLF受信部21により受信された合成受信パターン信号を特定するための情報を送信し、車載装置10の制御部13が、合成受信パターン信号を特定するための情報に基づいて車両における携帯機20の位置を特定する。

図16に、本実施形態に係る車載機器制御システムの携帯機20の構成を示す。本実施形態に係る携帯機20は、第1実施形態に係る携帯機20と比較して、パルスパターン判定部22におけるパターン比較部22cおよびメモリ22cを備えていない点と、電圧レベル判定部23の電圧レベル判定回路23dを備えていない点が異なる。

なお、第1実施形態における携帯機20のパルスパターン判定部22におけるパターン比較部22cおよびメモリ22cと、電圧レベル判定部23の電圧レベル判定回路23dで実施されていた機能は、車載機器制御システムの車載装置10の制御部13側で実施されるようになっている。このように、本実施形態では、車載装置10側で車両における携帯機20の位置を特定する。

図17に、本実施形態に係る車載機器制御システムの携帯機20の制御部24のフローチャートを示す。制御部24は、LF受信アンテナ21aにより車載装置10より送信されるLF帯の電波が受信され、LF受信部21より受信信号が入力されると、図17に示す処理を実施する。

まず、パルスパターン判定部22から入力される電圧変化パターン(包絡線パターン)をシリアルデータ化する(S300)。具体的には、サンプリング回路22bより入力される受信合成パターンの電圧変化パターンをデータAとして数値化する。

次に、電圧レベル判定部23から入力される信号をシリアルデータ化する(S302)。具体的には、LPF回路23cの出力電圧をデータBとして数値化する。なお、LPF回路23cの出力電圧は、受信合成パターンをF−V変換した電圧から高周波成分を遮断した電圧である。なお、本実施形態において、データAおよびデータBは、受信合成パターンを特定するための情報に相当する。

次に、データAとデータBを合成して応答信号を生成する(S304)。具体的には、自己の識別情報に、データA、データB等の各種データを付加した応答信号を生成する。

次に、応答信号を車載装置10へ送信する(S306)。これにより、自己の識別情報に、データA、データB等の各種データを付加した応答信号が車載装置10へ送信される。

図18に、本実施形態に係る車載機器制御システムの車載装置10の制御部13のフローチャートを示す。ユーザがドアスイッチ31を操作して、ドアスイッチ31よりユーザ操作に応じた信号が入力されると、制御部13は図に示す処理を実施する。

まず、各アンテナ11a〜11cからの電波送出を指示する(S400)。具体的には、図4に示したようなパルスパターン信号および携帯機20の識別情報等を含むデータが各アンテナ11a〜11cから送出されるようにLF送出部11に指示する。

次に、受信信号の受信待ち状態となる(S402)。携帯機20は、自己の識別情報を含む信号を受信すると、自己の識別情報と車両における携帯機20の位置を表す携帯機位置情報を含む応答信号を送信するようになっている。ここでは、一定期間、この応答信号の受信待ち状態となる。なお、一定期間が経過しても応答信号が受信されない場合には、図示してないが本処理を終了する。

また、一定期間内に応答信号が受信された場合、応答信号よりデータAとデータBを分離する(S404)。具体的には、応答信号からデータAとデータBをそれぞれ抽出してRAM13cに記憶させる。

次に、データAから携帯機の位置を特定する(S406)。制御部13のROM13bには、車両における各部において携帯機20により検出された包絡線パターンが検出位置と関連付けて格納されている。ここでは、データAに基づいて受信合成パターンを特定するとともに、この受信合成パターンの電圧変化パターンと一致する包絡線パターンを、ROM13bから読み出して携帯機20の位置を特定する。このように、携帯機20の位置が1つに特定した場合、携帯機20の位置が確定したことを示す1ビットの「確定情報」をRAM13cに記憶させる。

なお、データAより特定される受信合成パターンの電圧変化パターンと一致する包絡線パターンがない場合、最も類似している包絡線パターンをROM13bから読み出して携帯機20の位置を特定する。このように、携帯機20の位置が1つに特定できない場合には、携帯機20の位置が未確定であることを示す1ビットの「未確定情報」をRAM13cに記憶させる。

次に、RAM13cに記憶された「確定情報」および「未確定情報」に基づいて携帯機20の位置が確定したか否かを判定する(S408)。

ここで、携帯機20の位置が確定していない場合、S408の判定はNOとなり、次に、データBよりLPF回路23cの出力電圧を特定するとともに、特定したLPF回路23cの出力電圧から携帯機20の位置を特定する(S410)。具体的には、データBより特定されるLPF回路23cの出力電圧が閾値T1以上の場合には、図13に示した領域P1(アンテナA側の車室内)に携帯機20が位置し、LPF23cの出力電圧が閾値T1未満の場合には、図13に示した領域P2(アンテナB側の車室内)に携帯機20が位置すると特定する。

次に、携帯機20の位置の絞り込みを行う(S412)。具体的には、S406にて、最も類似している包絡線パターンを用いて特定された携帯機20の位置とS410にて特定された携帯機20の位置から携帯機20の位置の絞り込みを行う。

例えば、S406にて、「D席後部、車室内」として携帯機20の位置が特定されるとともに未確定であることを示す「未確定情報」がRAM13cに記憶されており、S410にて「車室外」を表す携帯機位置情報が出力されているような場合には、S410にて特定されている「車室外」を表す携帯機位置情報を優先して「D席後部、車室外」として携帯機20の位置が特定される。

なお、S408にて携帯機20の位置が確定していると判定された場合には、S410、S412の処理を省略し、S414へ進む。

S414では、照合がOKか否かを判定する(S414)。具体的には、応答信号に含まれる識別情報が、S400にて送出したデータに含まれる識別情報等と一致するか否かに基づいて照合がOKか否かを判定する。

ここで、何らかの要因で応答信号に含まれる識別情報が、S400にて送出したデータに含まれる識別情報等と一致しない場合、照合NGと判定され、本処理を終了する。

また、応答信号に含まれる識別情報が、S400にて送出したデータに含まれる識別情報等と一致する場合は、照合OKと判定され、次に、車両における携帯機2の位置を確認する(S416)。ここで、車両における携帯機2の位置は、応答信号に含まれる携帯機位置情報から特定することができる。

次に、ドアロックするか否かを判定する(S418)。本実施形態では、携帯機2の位置が車室外である場合にはドアロックを実施し、携帯機2の位置が車室内である場合にはドアロックを実施しないようになっている。

ここで、携帯機2の位置が車室外である場合、S418の判定はYESとなり、ドア施解錠制御部34に対してドアロックを指示する(S420)。ドア施解錠制御部34は、このドアロックの指示に応じて車両のドアの施錠、解錠を行うためのアクチュエータおよび車両のトランクドアの施錠、解錠を行うためのアクチュエータを駆動して車両のドアの施錠制御を行う。

また、携帯機2の位置が車室内である場合には、ドア施解錠制御部34に対するドアロックを指示することなく、本処理を終了する。

上記したように、車載器10側で、車両における携帯機20の位置を特定するように構成することもできる。

なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。

例えば、上記第1、第2実施形態では、携帯機の位置に応じてドア施解錠制御部34の制御を行い、車両のドアの施錠制御を実施する例を示して説明したが、このような例に限定されるものではなく、例えば、車両のドアの施錠制御、車両のエンジン等の始動制御に適用することもできる。また、車両のドアの施錠制御、解錠制御、車両のエンジン等の始動制御以外の制御に適用することもできる。

また、上記第1、第2実施形態では、図19(a)に示すような3段可変のパルスパターン信号を送出する例を示したが、例えば、図19(b)に示すような5段可変のパルスパターン信号、図19(c)に示すような7段可変のパルスパターン信号とすることもできる。

また、上記第1、第2実施形態では、各アンテナ11a〜11cから周波数とパルスパターンの異なる電波を送信させる例を示したが、アンテナの数、アンテナの位置、送信周波数、パルスパターン等、このような例に限定されるものではない。

また、上記第1実施形態における携帯機20は、パルスパターン判定部22と電圧レベル判定部23とを備え、パルスパターン判定部22により特定された携帯機20の位置と、電圧レベル判定部23により特定された携帯機20の位置の両方を考慮して携帯機20の位置を特定する構成を示したが、例えば、パルスパターン判定部22を備えることなく電圧レベル判定部23で携帯機20の位置を特定するようにしてもよい。また、電圧レベル判定部23を備えることなくパルスパターン判定部22で携帯機20の位置を特定するようにしてもよい。

なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、S100の処理がパルスパターン信号送信手段に相当し、S200、S204、406、S410が携帯機位置特定手段に相当し、S208が携帯機位置情報送出手段に相当し、パターン比較部22dが第1の位置特定手段に相当し、パルスパターン判定部22が第1の携帯機位置特定手段に相当し、電圧レベル判定回路23dが第2の位置特定手段に相当し、電圧レベル判定部23が第2の携帯機位置特定手段に相当する。

10 車載装置 11 LF送信部 11a D席アンテナ 11b P席アンテナ 11c トランク内アンテナ 12 チューナ 13 制御部 20 携帯機 21 LF受信部 21a LF受信アンテナ21a 22 パルスパターン判定部 22a RSSI回路 22b サンプリング回路 22c メモリ 22d パターン比較部 23 電圧レベル判定部 23a リミッターアンプ 23b 周波数−電圧変換回路 23c LPF 23d 電圧レベル判定回路 24 制御部 25 RF送信部 25a RF送信アンテナ

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