タイヤの検査方法及びその装置

申请号 JP2015528733 申请日 2014-11-28 公开(公告)号 JP6402715B2 公开(公告)日 2018-10-10
申请人 横浜ゴム株式会社; 发明人 多田 拡太郎;
摘要
权利要求

タイヤの検査方法であって、 前記タイヤは、補強層と骨格部材を備え、 前記補強層は、前記タイヤの第1の領域で、複数の補強線材がタイヤ幅方向に対して第1の方向に傾斜して第1の端から延び、前記補強層が折り返されることにより、前記タイヤの第2の領域で、前記第1の方向と異なる第2の方向に前記補強線材が傾斜して延びるように構成され、 前記骨格部材は、前記第1の領域及び前記第2の領域に設けられ、前記第1の領域において第3の端を有する複数のタイヤの骨格線材を有し、前記骨格線材が前記第1の方向及び前記第2の方向と異なる第3の方向に延びるように構成され、 前記タイヤ内で、前記第1の領域と前記第2の領域とを電磁波が透過して得られる透過電磁波像であって、前記補強線材及び前記骨格線材の像を含む撮像画像に対して2次元フーリエ変換を行うステップと、 前記第1の方向の傾斜に対応して作成された第1の空間フィルタを用いて、前記2次元フーリエ変換の処理結果から、前記第1の領域における前記補強線材の前記第1の端を含む第1の画像成分を抽出するステップと、 前記第1の画像成分の抽出結果を2次元フーリエ逆変換することにより前記第1の領域における前記第1の端を含む第1の処理画像を取得するステップと、 前記第1の処理画像を用いて、前記撮像画像における前記第1の端の位置を特定するステップと、 前記撮像画像と前記1の処理画像とを用いて、前記撮像画像から前記第1の領域における前記補強線材の像を除去した加工画像を作成するステップと、 前記加工画像を用いて、前記撮像画像における前記骨格線材の前記第3の端の位置を特定するステップと、 前記第1の端の位置に基づいて、タイヤ内での前記補強層のエッジの位置を検査し、特定した前記第3の端の位置に基づいて、タイヤ内での前記骨格部材のエッジの位置を検査するステップ、とを有することを特徴とするタイヤの検査方法。前記補強線材は、前記第2の領域に第2の端を有し、 さらに、前記第2の方向の傾斜に対応して作成された第2の空間フィルタを用いて、前記2次元フーリエ変換の処理結果から、前記第2の領域における前記補強線材の前記第2の端を含む第2の画像成分を抽出するステップと、 前記第2の画像成分の抽出結果を2次元フーリエ逆変換することにより前記第2の領域における前記第2の端を含む第2の処理画像を取得するステップと、 前記第2の処理画像を用いて、前記撮像画像における前記第2の端の位置を特定するステップと、を有し、 前記補強層のエッジの位置を検査するとき、前記第2の端の位置と前記第1の端の位置に基づいて、タイヤ内での前記補強層のエッジの位置を検査する、請求項1に記載のタイヤの検査方法。タイヤの検査方法であって、 前記タイヤは、補強層と骨格部材を備え、 前記補強層は、前記タイヤの第1の領域で、複数の補強線材がタイヤ幅方向に対して第1の方向に傾斜して第1の端から延び、前記補強層が折り返されることにより、前記タイヤの第2の領域で、前記第1の方向と異なる第2の方向に前記補強線材が傾斜して延びるように構成され、 前記骨格部材は、前記第1の領域及び前記第2の領域に設けられ、前記第1の領域において第3の端を有する複数のタイヤの骨格線材を有し、前記骨格線材が前記第1の方向及び前記第2の方向と異なる第3の方向に延びるように構成され、 前記タイヤ内で、前記第1の領域と前記第2の領域とを電磁波が透過して得られる透過電磁波像であって、前記補強線材及び前記骨格線材の像を含む撮像画像に対して2次元フーリエ変換を行うステップと、 前記第1の方向の傾斜に対応して作成された第1の空間フィルタを用いて、前記2次元フーリエ変換の処理結果から、前記第1の領域における前記補強線材の前記第1の端を含む第1の画像成分を抽出し、前記第2の方向の傾斜に対応して作成された第2の空間フィルタを用いて、前記2次元フーリエ変換の処理結果から、前記第2の領域における前記補強線材の前記第2の端を含む第2の画像成分を抽出するステップと、 前記第1の画像成分の抽出結果を2次元フーリエ逆変換することにより前記第1の領域における前記第1の端を含む第1の処理画像を取得し、前記第2の画像成分の抽出結果を2次元フーリエ逆変換することにより前記第2の領域における前記第2の端を含む第2の処理画像を取得するステップと、 前記第1の処理画像を用いて、前記撮像画像における前記第1の端の位置を特定し、前記第2の処理画像を用いて、前記撮像画像における前記第2の端の位置を特定するステップと、 前記撮像画像と前記第1の処理画像と前記2の処理画像とを用いて、前記撮像画像から前記第1の領域及び前記第2の領域における前記補強線材の像を除去した加工画像を作成するステップと、 前記加工画像を用いて、前記撮像画像における前記骨格線材の前記第3の端の位置を特定するステップと、 前記特定した前記第3の端の位置に基づいて、前記骨格部材のエッジの位置を検査する ステップと、を有することを特徴とするタイヤの検査方法。前記骨格線材が延びる前記第3の方向は、タイヤ径方向である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤの検査方法。前記加工画像に対して動的二値化処理を施した画像に基づいて、前記第3の端の位置を特定する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤの検査方法。前記骨格部材のエッジの位置の検査は、タイヤ周方向のすべての場所で行われ、前記第3の端の位置が、タイヤ周方向のすべての場所で、前記第1の端の位置に比べて前記補強線材の折り返し位置に近いとき、タイヤ内での前記骨格部材のエッジの位置が適正であると判定することを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のタイヤの検査方法。前記骨格部材のエッジの位置の検査は、タイヤ周方向のすべての場所で行われ、前記第3の端の位置が、タイヤ周方向のすべての場所で、前記第1の端の位置と前記第2の端の位置の間にあるとき、タイヤ内での前記骨格部材のエッジの位置が適正であると判定することを含む、請求項2または3に記載のタイヤの検査方法。前記第1の端、前記第2の端、及び前記第3の端の位置は、タイヤ周方向に沿ったタイヤ1周の位置の軌跡として特定される、請求項2、3、及び7のいずれか1項に記載のタイヤの検査方法。さらに、前記撮像画像をタイヤ周方向に圧縮したタイヤ周方向1周分の画像に対して、前記補強線材の前記第1の端の位置及び前記第2の端の位置と、前記骨格線材の前記第3の位置のタイヤ1周分の軌跡を合成した画像を表示するステップを、有する請求項2、3、7、及び8のいずれか1項に記載のタイヤの検査方法。さらに、前記撮像画像を表示するステップを有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のタイヤの検査方法。前記補強層は、前記ビード部に設けられる、スチールコードを含んだスチールチェーファである、請求項1〜10のいずれか1項に記載のタイヤの検査方法。前記骨格部材は、前記ビード部で折り返されたカーカスである、請求項1〜11のいずれか1項に記載のタイヤの検査方法。タイヤの検査装置であって、 前記タイヤは、補強層と骨格部材を備え、 前記補強層は、前記タイヤの第1の領域で、複数の補強線材がタイヤ幅方向に対して第1の方向に傾斜して第1の端から延び、前記補強層が折り返されることにより、前記タイヤの第2の領域で、前記第1の方向と異なる第2の方向に前記補強線材が傾斜して延びるように構成され、 前記骨格部材は、前記第1の領域及び前記第2の領域に設けられ、前記第1の領域において第3の端を有する複数のタイヤの骨格線材を有し、前記骨格線材が前記第1の方向及び前記第2の方向と異なる第3の方向に延びるように構成され、 タイヤ内で、前記第1の領域と前記第2の領域とを電磁波が透過して得られる透過電磁波像で、前記補強線材及び前記骨格線材の像を含む撮像画像に対して2次元フーリエ変換を行うように構成された2次元フーリエ変換部と、 前記第1の方向の傾斜に対応して作成された第1の空間フィルタを用いて、前記2次元フーリエ変換の処理結果から前記第1の領域における前記補強線材の前記第1の端を含む第1の画像成分を抽出し、前記第1の画像成分の抽出結果を2次元フーリエ逆変換することにより前記第1の領域における前記第1の端を含む第1の処理画像を取得するように構成された処理画像取得部と、 前記撮像画像と前記1の処理画像とを用いて、前記撮像画像から前記第1の領域における前記補強線材の像を除去した加工画像を作成するように構成された加工画像作成部と、 前記第1の処理画像を用いて、前記撮像画像における、前記第1の端の位置を特定し、前記加工画像を用いて、前記撮像画像における前記骨格線材の前記第3の端の位置を特定するように構成されたエッジ抽出部と、 前記第1の端の位置に基づいて、タイヤ内での前記補強層のエッジの位置を検査し、前記特定した前記第3の端の位置に基づいて、タイヤ内での前記骨格部材のエッジの位置を検査するように構成された検査部と、を有することを特徴とするタイヤ検査装置。前記補強線材は、前記第2の領域に第2の端を有し、 前記処理画像取得部は、さらに、前記補強線材の前記第2の方向の傾斜に対応して作成された第2の空間フィルタを用いて、前記2次元フーリエ変換の処理結果から前記第2の領域における前記補強線材の前記第2の端を含む第2の画像成分を抽出し、前記第2の画像成分の抽出結果を2次元フーリエ逆変換することにより前記第2の領域における前記第2の端を含む第2の処理画像を取得し、 前記エッジ抽出部は、前記第2の処理画像を用いて、前記撮像画像における前記第2の端の位置を特定し、 前記検査部は、前記第2の端の位置と前記第1の端の位置に基づいて、タイヤ内での前記補強層のエッジの位置を検査する、請求項13に記載のタイヤ検査装置。タイヤの検査装置であって、 前記タイヤは、補強層と骨格部材を備え、 前記補強層は、前記タイヤの第1の領域で、複数の補強線材がタイヤ幅方向に対して第1の方向に傾斜して第1の端から延び、前記補強層が折り返されることにより、前記タイヤの第2の領域で、前記第1の方向と異なる第2の方向に前記補強線材が傾斜して延びて 第2の端で終端するように構成され、 前記骨格部材は、前記第1の領域及び前記第2の領域に設けられ、前記第1の領域において第3の端を有する複数のタイヤの骨格線材を有し、前記骨格線材が前記第1の方向及び前記第2の方向と異なる第3の方向に延びるように構成され、 前記タイヤ内で、前記第1の領域と前記第2の領域とを電磁波が透過して得られる透過電磁波像であって、前記補強線材及び前記骨格線材の像を含む撮像画像に対して2次元フーリエ変換を行うように構成された2次元フーリエ変換部と、 前記第1の方向の傾斜に対応して作成された第1の空間フィルタを用いて、前記2次元フーリエ変換の処理結果から前記第1の領域における前記補強線材の前記第1の端を含む第1の画像成分を抽出し、前記第1の画像成分の抽出結果を2次元フーリエ逆変換することにより前記第1の領域における前記第1の端を含む第1の処理画像を取得し、さらに、前記補強線材の前記第2の方向の傾斜に対応して作成された第2の空間フィルタを用いて、前記2次元フーリエ変換の処理結果から前記第2の領域における前記補強線材の前記第2の端を含む第2の画像成分を抽出し、前記第2の画像成分の抽出結果を2次元フーリエ逆変換することにより前記第2の領域における前記第2の端を含む第2の処理画像を取得するように構成された処理画像取得部と、 前記撮像画像と前記第1の処理画像と前記2の処理画像とを用いて、前記撮像画像から前記第1の領域及び前記第2の領域における前記補強線材の像を除去した加工画像を作成するように構成された加工画像作成部と、 前記第1の処理画像を用いて、前記撮像画像における、前記第1の端の位置を特定し、前記第2の処理画像を用いて、前記撮像画像における前記第2の端の位置を特定し、さらに、前記加工画像を用いて、前記撮像画像における前記骨格線材の前記第3の端の位置を特定するように構成されたエッジ抽出部と、 前記第2の端の位置と前記第1の端の位置に基づいて、前記タイヤ内での前記補強層のエッジの位置を検査し、さらに、前記特定した前記第3の端の位置に基づいて、前記タイヤ内での前記骨格部材のエッジの位置を検査するように構成された検査部と、を有する、ことを特徴とするタイヤ検査装置。さらに、前記加工画像に対して動的二値化処理を施すように構成された二値化処理部を有し、 前記エッジ抽出部は、前記動的二値化処理の施された加工画像に基づいて、前記第3の端の位置を特定する、請求項13〜15のいずれか1項に記載のタイヤの検査装置。前記検査部は、前記第3の端の位置が、タイヤ周方向のすべての場所で、前記第1の端の位置に比べて前記補強線材の折り返し位置に近いとき、タイヤ内での前記骨格部材のエッジの位置が適正であると判定する、請求項13〜16のいずれか1項に記載のタイヤの検査装置。前記検査部は、前記第3の端の位置が、タイヤ周方向のすべての場所で、前記第1の端の位置と前記第2の端の位置の間にあるとき、タイヤ内での前記骨格部材のエッジの位置が適正であると判定する、請求項14または15に記載のタイヤの検査装置。前記エッジ抽出部は、前記第1の端、前記第2の端、及び前記第3の端の位置を、タイヤ周方向に沿ったタイヤ1周の位置の軌跡として特定する、請求項14、15、及び18のいずれか1項に記載のタイヤの検査装置。さらに、前記撮像画像をタイヤ周方向に圧縮したタイヤ周方向1周分の画像に対して、前記補強線材の前記第1の端の位置及び前記第2の端の位置と、前記骨格線材の前記第3の端の位置のタイヤ1周分の軌跡を合成した画像を表示する表示部を有する、請求項14、15、18、及び19のいずれか1項に記載のタイヤの検査装置。前記撮像画像を表示する表示部を有する、請求項13〜19のいずれか1項に記載のタイヤの検査装置。

说明书全文

本発明は、タイヤに電磁波を照射して透過電磁波像を撮像し、撮像した画像を用いてカーカスのターンナップエッジ位置の良否を検査するタイヤの検査方法及びその装置に関するものである。

タイヤに電磁波を照射して透過電磁波像を撮像し、撮像した画像を用いてカーカスのターンナップエッジ位置の良否を検査する場合、一般に、タイヤの内周面側からタイヤに向かってX線を照射するとともに、タイヤを周方向に回転させながら、タイヤの外周面側に配置された撮像装置によってタイヤを透過した透過X線像を撮像する。さらに、撮像した画像を表示装置に表示し、表示装置によって表示される画像中のベルトコードなどの状態を検査員が目視によって判定する。

また、他のタイヤの検査方法としては、前述と同様に撮像装置によって透過X線像を撮像するとともに、予め記憶されている基準データと撮像された画像とを比較し、基準データと撮像された画像との差異に基づきベルトコードなどの状態を判定するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。

特開平9−15172号公報

しかしながら、前者の検査方法では、検査員が目視によってベルトコードなどの状態を判定していることから、判定精度を向上することが難しく、検査に要する時間の短縮を図ることも難しいという問題点があった。

また、カーカスのターンナップエッジ位置の良否を検査する場合、カーカスのターンナップ部を包み込むようにスチールチェーファが配置されているため、撮像された画像内では、スチールチェーファのエッジもカーカスターンナップエッジの近傍に表示される。このため、検査員が目視で検査する際にカーカスターンナップエッジを判別し難く、検査に長時間を要することが多々あった。

本発明の目的は上記の問題点に鑑み、タイヤのカーカスターンナップエッジ位置やスチールチェーファのエッジ位置等のタイヤの補強線材のエッジ位置の検査を効率よく高精度で行えるタイヤの検査方法及びその装置を提供することである。

本技術は以下の種々の形態を含む。

(形態1) タイヤの検査方法であって、 前記タイヤは、補強層と骨格部材を備え、 前記補強層は、前記タイヤの第1の領域で、複数の補強線材がタイヤ幅方向に対して第1の方向に傾斜して第1の端から延び、前記補強層が折り返されることにより、前記タイヤの第2の領域で、前記第1の方向と異なる第2の方向に前記補強線材が傾斜して延びるように構成され、 前記骨格部材は、前記第1の領域及び前記第2の領域に設けられ、前記第1の領域において第3の端を有する複数のタイヤの骨格線材を有し、前記骨格線材が前記第1の方向及び前記第2の方向と異なる第3の方向に延びるように構成され、 前記タイヤ内で、前記第1の領域と前記第2の領域とを電磁波が透過して得られる透過電磁波像であって、前記補強線材及び前記骨格線材の像を含む撮像画像に対して2次元フーリエ変換を行うステップと、 前記第1の方向の傾斜に対応して作成された第1の空間フィルタを用いて、前記2次元フーリエ変換の処理結果から、前記第1の領域における前記補強線材の前記第1の端を含む第1の画像成分を抽出するステップと、 前記第1の画像成分の抽出結果を2次元フーリエ逆変換することにより前記第1の領域における前記第1の端を含む第1の処理画像を取得するステップと、 前記第1の処理画像を用いて、前記撮像画像における前記第1の端の位置を特定するステップと、 前記撮像画像と前記1の処理画像とを用いて、前記撮像画像から前記第1の領域における前記補強線材の像を除去した加工画像を作成するステップと、 前記加工画像を用いて、前記撮像画像における前記骨格線材の前記第3の端の位置を特定するステップと、 前記第1の端の位置に基づいて、タイヤ内での前記補強層のエッジの位置を検査し、特定した前記第3の端の位置に基づいて、タイヤ内での前記骨格部材のエッジの位置を検査するステップ、とを有することを特徴とするタイヤの検査方法。

(形態2) 前記補強線材は、前記第2の領域に第2の端を有し、 さらに、前記第2の方向の傾斜に対応して作成された第2の空間フィルタを用いて、前記2次元フーリエ変換の処理結果から、前記第2の領域における前記補強線材の前記第2の端を含む第2の画像成分を抽出するステップと、 前記第2の画像成分の抽出結果を2次元フーリエ逆変換することにより前記第2の領域における前記第2の端を含む第2の処理画像を取得するステップと、 前記第2の処理画像を用いて、前記撮像画像における前記第2の端の位置を特定するステップと、を有し、 前記補強層のエッジの位置を検査するとき、前記第2の端の位置と前記第1の端の位置に基づいて、タイヤ内での前記補強層のエッジの位置を検査する、形態1に記載のタイヤの検査方法。

(形態3) タイヤの検査方法であって、 前記タイヤは、補強層と骨格部材を備え、 前記補強層は、前記タイヤの第1の領域で、複数の補強線材がタイヤ幅方向に対して第1の方向に傾斜して第1の端から延び、前記補強層が折り返されることにより、前記タイヤの第2の領域で、前記第1の方向と異なる第2の方向に前記補強線材が傾斜して延びるように構成され、 前記骨格部材は、前記第1の領域及び前記第2の領域に設けられ、前記第1の領域において第3の端を有する複数のタイヤの骨格線材を有し、前記骨格線材が前記第1の方向及び前記第2の方向と異なる第3の方向に延びるように構成され、 前記タイヤ内で、前記第1の領域と前記第2の領域とを電磁波が透過して得られる透過電磁波像であって、前記補強線材及び前記骨格線材の像を含む撮像画像に対して2次元フーリエ変換を行うステップと、 前記第1の方向の傾斜に対応して作成された第1の空間フィルタを用いて、前記2次元フーリエ変換の処理結果から、前記第1の領域における前記補強線材の前記第1の端を含む第1の画像成分を抽出し、前記第2の方向の傾斜に対応して作成された第2の空間フィルタを用いて、前記2次元フーリエ変換の処理結果から、前記第2の領域における前記補強線材の前記第2の端を含む第2の画像成分を抽出するステップと、 前記第1の画像成分の抽出結果を2次元フーリエ逆変換することにより前記第1の領域における前記第1の端を含む第1の処理画像を取得し、前記第2の画像成分の抽出結果を2次元フーリエ逆変換することにより前記第2の領域における前記第2の端を含む第2の処理画像を取得するステップと、 前記第1の処理画像を用いて、前記撮像画像における前記第1の端の位置を特定し、前記第2の処理画像を用いて、前記撮像画像における前記第2の端の位置を特定するステップと、 前記撮像画像と前記第1の処理画像と前記2の処理画像とを用いて、前記撮像画像から前記第1の領域及び前記第2の領域における前記補強線材の像を除去した加工画像を作成するステップと、 前記加工画像を用いて、前記撮像画像における前記骨格線材の前記第3の端の位置を特定するステップと、 前記特定した前記第3の端の位置に基づいて、前記骨格部材のエッジの位置を検査する ステップと、を有することを特徴とするタイヤの検査方法。

(形態4) 前記骨格線材が延びる前記第3の方向は、タイヤ径方向である、形態1〜3のいずれか1つに記載のタイヤの検査方法。

(形態5) 前記加工画像に対して動的二値化処理を施した画像に基づいて、前記第3の端の位置を特定する、形態1〜4のいずれか1つに記載のタイヤの検査方法。

(形態6) 前記骨格部材のエッジの位置の検査は、タイヤ周方向のすべての場所で行われ、前記第3の端の位置が、タイヤ周方向のすべての場所で、前記第1の端の位置に比べて前記補強線材の折り返し位置に近いとき、タイヤ内での前記骨格部材のエッジの位置が適正であると判定することを含む、形態1〜5のいずれか1つに記載のタイヤの検査方法。

(形態7) 前記骨格部材のエッジの位置の検査は、タイヤ周方向のすべての場所で行われ、前記第3の端の位置が、タイヤ周方向のすべての場所で、前記第1の端の位置と前記第2の端の位置の間にあるとき、タイヤ内での前記骨格部材のエッジの位置が適正であると判定することを含む、形態2または3に記載のタイヤの検査方法。

(形態8) 前記第1の端、前記第2の端、及び前記第3の端の位置は、タイヤ周方向に沿ったタイヤ1周の位置の軌跡として特定される、形態2、3、及び7のいずれか1つに記載のタイヤの検査方法。

(形態9) さらに、前記撮像画像をタイヤ周方向に圧縮したタイヤ周方向1周分の画像に対して、前記補強線材の前記第1の端の位置及び前記第2の端の位置と、前記骨格線材の前記第3の位置のタイヤ1周分の軌跡を合成した画像を表示するステップを、有する形態2、3、7、及び8のいずれか1つに記載のタイヤの検査方法。

(形態10) さらに、前記撮像画像を表示するステップを有する、形態1〜9のいずれか1つに記載のタイヤの検査方法。

(形態11) 前記補強層は、前記ビード部に設けられる、スチールコードを含んだスチールチェーファである、形態1〜10のいずれか1つに記載のタイヤの検査方法。

(形態12) 前記骨格部材は、前記ビード部で折り返されたカーカスである、形態1〜11のいずれか1つに記載のタイヤの検査方法。

(形態13) タイヤの検査装置であって、 前記タイヤは、補強層と骨格部材を備え、 前記補強層は、前記タイヤの第1の領域で、複数の補強線材がタイヤ幅方向に対して第1の方向に傾斜して第1の端から延び、前記補強層が折り返されることにより、前記タイヤの第2の領域で、前記第1の方向と異なる第2の方向に前記補強線材が傾斜して延びるように構成され、 前記骨格部材は、前記第1の領域及び前記第2の領域に設けられ、前記第1の領域において第3の端を有する複数のタイヤの骨格線材を有し、前記骨格線材が前記第1の方向及び前記第2の方向と異なる第3の方向に延びるように構成され、 タイヤ内で、前記第1の領域と前記第2の領域とを電磁波が透過して得られる透過電磁波像で、前記補強線材及び前記骨格線材の像を含む撮像画像に対して2次元フーリエ変換を行うように構成された2次元フーリエ変換部と、 前記第1の方向の傾斜に対応して作成された第1の空間フィルタを用いて、前記2次元フーリエ変換の処理結果から前記第1の領域における前記補強線材の前記第1の端を含む第1の画像成分を抽出し、前記第1の画像成分の抽出結果を2次元フーリエ逆変換することにより前記第1の領域における前記第1の端を含む第1の処理画像を取得するように構成された処理画像取得部と、 前記撮像画像と前記1の処理画像とを用いて、前記撮像画像から前記第1の領域における前記補強線材の像を除去した加工画像を作成するように構成された加工画像作成部と、 前記第1の処理画像を用いて、前記撮像画像における、前記第1の端の位置を特定し、前記加工画像を用いて、前記撮像画像における前記骨格線材の前記第3の端の位置を特定するように構成されたエッジ抽出部と、 前記第1の端の位置に基づいて、タイヤ内での前記補強層のエッジの位置を検査し、前記特定した前記第3の端の位置に基づいて、タイヤ内での前記骨格部材のエッジの位置を検査するように構成された検査部と、を有することを特徴とするタイヤ検査装置。

(形態14) 前記補強線材は、前記第2の領域に第2の端を有し、 前記処理画像取得部は、さらに、前記補強線材の前記第2の方向の傾斜に対応して作成された第2の空間フィルタを用いて、前記2次元フーリエ変換の処理結果から前記第2の領域における前記補強線材の前記第2の端を含む第2の画像成分を抽出し、前記第2の画像成分の抽出結果を2次元フーリエ逆変換することにより前記第2の領域における前記第2の端を含む第2の処理画像を取得し、 前記エッジ抽出部は、前記第2の処理画像を用いて、前記撮像画像における前記第2の端の位置を特定し、 前記検査部は、前記第2の端の位置と前記第1の端の位置に基づいて、タイヤ内での前記補強層のエッジの位置を検査する、形態13に記載のタイヤ検査装置。

(形態15) タイヤの検査装置であって、 前記タイヤは、補強層と骨格部材を備え、 前記補強層は、前記タイヤの第1の領域で、複数の補強線材がタイヤ幅方向に対して第1の方向に傾斜して第1の端から延び、前記補強層が折り返されることにより、前記タイヤの第2の領域で、前記第1の方向と異なる第2の方向に前記補強線材が傾斜して延びて 第2の端で終端するように構成され、 前記骨格部材は、前記第1の領域及び前記第2の領域に設けられ、前記第1の領域において第3の端を有する複数のタイヤの骨格線材を有し、前記骨格線材が前記第1の方向及び前記第2の方向と異なる第3の方向に延びるように構成され、 前記タイヤ内で、前記第1の領域と前記第2の領域とを電磁波が透過して得られる透過電磁波像であって、前記補強線材及び前記骨格線材の像を含む撮像画像に対して2次元フーリエ変換を行うように構成された2次元フーリエ変換部と、 前記第1の方向の傾斜に対応して作成された第1の空間フィルタを用いて、前記2次元フーリエ変換の処理結果から前記第1の領域における前記補強線材の前記第1の端を含む第1の画像成分を抽出し、前記第1の画像成分の抽出結果を2次元フーリエ逆変換することにより前記第1の領域における前記第1の端を含む第1の処理画像を取得し、さらに、前記補強線材の前記第2の方向の傾斜に対応して作成された第2の空間フィルタを用いて、前記2次元フーリエ変換の処理結果から前記第2の領域における前記補強線材の前記第2の端を含む第2の画像成分を抽出し、前記第2の画像成分の抽出結果を2次元フーリエ逆変換することにより前記第2の領域における前記第2の端を含む第2の処理画像を取得するように構成された処理画像取得部と、 前記撮像画像と前記第1の処理画像と前記2の処理画像とを用いて、前記撮像画像から前記第1の領域及び前記第2の領域における前記補強線材の像を除去した加工画像を作成するように構成された加工画像作成部と、 前記第1の処理画像を用いて、前記撮像画像における、前記第1の端の位置を特定し、前記第2の処理画像を用いて、前記撮像画像における前記第2の端の位置を特定し、さらに、前記加工画像を用いて、前記撮像画像における前記骨格線材の前記第3の端の位置を特定するように構成されたエッジ抽出部と、 前記第2の端の位置と前記第1の端の位置に基づいて、前記タイヤ内での前記補強層のエッジの位置を検査し、さらに、前記特定した前記第3の端の位置に基づいて、前記タイヤ内での前記骨格部材のエッジの位置を検査するように構成された検査部と、を有する、ことを特徴とするタイヤ検査装置。

(形態16) さらに、前記加工画像に対して動的二値化処理を施すように構成された二値化処理部を有し、 前記エッジ抽出部は、前記動的二値化処理の施された加工画像に基づいて、前記第3の端の位置を特定する、形態13〜15のいずれか1つに記載のタイヤの検査装置。

(形態17) 前記検査部は、前記第3の端の位置が、タイヤ周方向のすべての場所で、前記第1の端の位置に比べて前記補強線材の折り返し位置に近いとき、タイヤ内での前記骨格部材のエッジの位置が適正であると判定する、形態13〜16のいずれか1つに記載のタイヤの検査装置。

(形態18) 前記検査部は、前記第3の端の位置が、タイヤ周方向のすべての場所で、前記第1の端の位置と前記第2の端の位置の間にあるとき、タイヤ内での前記骨格部材のエッジの位置が適正であると判定する、形態14または15に記載のタイヤの検査装置。

(形態19) 前記エッジ抽出部は、前記第1の端、前記第2の端、及び前記第3の端の位置を、タイヤ周方向に沿ったタイヤ1周の位置の軌跡として特定する、形態14、15、及び18のいずれか1つに記載のタイヤの検査装置。

(形態20) さらに、前記撮像画像をタイヤ周方向に圧縮したタイヤ周方向1周分の画像に対して、前記補強線材の前記第1の端の位置及び前記第2の端の位置と、前記骨格線材の前記第3の端の位置のタイヤ1周分の軌跡を合成した画像を表示する表示部を有する、形態14、15、18、及び19のいずれか1つに記載のタイヤの検査装置。

(形態21) 前記撮像画像を表示する表示部を有する、形態13〜19のいずれか1つに記載のタイヤの検査装置。

具体的には、上述のタイヤの検査方法は、検査装置と、検査対象のタイヤのビード部を挟んで一方の側に配置された電磁波照射装置及び他方の側に配置された撮像装置とを用いる。前記電磁波照射装置からX線やγ線等の電磁波を前記ビード部に向かって照射するとともに、前記撮像装置によって前記ビード部を透過した透過電磁波像を撮像し、該撮像された画像を用いて前記検査装置が、前記ビード部におけるカーカスのターンナップエッジの位置が適正な位置にあるか否かをタイヤの周方向1周分にわたって検査する。 このとき、前記検査装置は、前記撮像装置によって撮像された画像に対して2次元フーリエ変換を行い、前記2次元フーリエ変換の結果から前記カーカスのターンナップ部分を包み込むように折り返して配置されたスチールチェーファの部分を抽出し、該抽出結果を2次元フーリエ逆変換することによりスチールチェーファの一端を含んだ部分の画像を取得し、該画像からスチールチェーファの前記一端の軌跡を検出する。さらに、前記検査装置は、前記2次元フーリエ変換の結果から前記スチールチェーファの他端を含んだ部分を抽出し、該抽出結果を2次元フーリエ逆変換することによりスチールチェーファの他端を含んだ部分の画像を取得し、さらに該画像からスチールチェーファの他端の軌跡を検出する。前記検査装置は、さらに、前記撮像装置によって撮像された画像から前記スチールチェーファ部分を除去した加工画像を作成し、前記加工画像に対して動的二値化処理を施し、前記動的二値化処理した画像から前記カーカスのターンナップエッジの軌跡を抽出し、前記抽出したカーカスのターンナップエッジの位置が前記適正な位置であるか否かを判定する。

また、上述のタイヤの検査装置は、検査対象のタイヤのビード部を挟んで一方の側に配置された電磁波照射装置によってX線やγ線等の電磁波を前記ビード部に向かって照射し、前記ビード部を透過した透過電磁波像を撮像装置によって撮像し、該撮像された画像を用いて、前記ビード部におけるカーカスのターンナップエッジの位置が適正な位置にあるか否かをタイヤの周方向1周分にわたって検査する。 前期検査装置は、 前記撮像装置によって撮像された画像に対して2次元フーリエ変換を行う2次元フーリエ変換手段と、 前記2次元フーリエ変換の結果から前記カーカスのターンナップ部分を包み込むように折り返して配置されたスチールチェーファの一端側部分を抽出し、該抽出結果を2次元フーリエ逆変換することによりスチールチェーファの一端側部分の画像を取得する第1画像取得手段と、 前記第1画像取得手段によって取得された画像からスチールチェーファの一端側エッジの軌跡を抽出する第1エッジ抽出手段と、 前記2次元フーリエ変換の結果から前記スチールチェーファの他端側部分を抽出し、該抽出結果を2次元フーリエ逆変換することによりスチールチェーファの他端側部分の画像を取得する第2画像取得手段と、 前記第2画像取得手段によって取得された画像からスチールチェーファの他端側エッジの軌跡を抽出する第2エッジ抽出手段と、 前記撮像装置によって撮像された画像から前記スチールチェーファ部分を除去した加工画像を作成する加工画像作成手段と、 前記加工画像に対して動的二値化処理を施す二値化手段と、 前記動的二値化処理した画像から前記カーカスのターンナップエッジの軌跡を抽出するターンナップエッジ抽出手段と、 前記抽出したターンナップエッジの位置が前記適正な位置にあるか否かを判定する判定手段とを備えている。

本発明のタイヤの検査方法及びその装置によれば、補強線材のタイヤ幅方向に対する傾斜に対応して作成された空間フィルタを用いて、補強線材を含んだタイヤの撮像画像から補強線材のみを抽出することができ、補強線材の端の位置を正確に特定することができ、補強線材のタイヤ内の配置を効率よく検査することができる。 さらに、タイヤの検査方法及びその装置によれば、タイヤ1周分の画像を用いてカーカス等に用いる骨格線材の配置を検査する場合、タイヤ1周分の画像からスチールチェーファ等の補強線材のエッジの位置あるいは軌跡及びカーカスターンナップエッジ等の骨格線材の端の位置あるいは軌跡を自動抽出できるので、カーカスの巻上げ不良等の骨格線材の適正な配置か否かの判定を、検査員が行うよりも格段に精度良く且つ短時間で行うことができるとともに、繰り返し再現性100%の判定が可能になる。さらに、検査員が表示された画像を目視する必要がなくなるため、タイヤを回転して撮像するときのタイヤ回転速度を高速にすることできるので、検査時間を短縮することができる。

本発明の一実施形態における照射装置及び撮像装置の概略図。

本発明の一実施形態における検査対象となるタイヤの要部を示す断面図。

本発明の一実施形態における検査対象となるタイヤの要部を示す一部破断斜視図。

本発明の一実施形態におけるタイヤの検査装置の電気系回路を示すブロック図。

本発明の一実施形態におけるタイヤの撮像画像を説明する図。

本発明の一実施形態における検査装置の動作を説明するフローチャート。

本発明の一実施形態における検査装置の動作を説明するフローチャート。

本発明の一実施形態における検査装置の動作を説明するフローチャート。

本発明の一実施形態におけるスチールチェーファ成分を抽出する画像処理の手順を説明する図。

本発明の一実施形態におけるスチールチェーファの表側エッジを検出する画像処理の手順を説明する図。

本発明の一実施形態におけるスチールチェーファの裏側エッジを検出する画像処理の手順を説明する図。

本発明の一実施形態におけるカーカスターンナップエッジを検出する画像処理の手順を説明する図。

本発明の一実施形態における表示画面を示す図。

本発明の一実施形態における良否判定で良品と判定されるタイヤ撮像画像の圧縮画像を示す図。

本発明の一実施形態におけるスチールコードの除去を行った撮像画像とその圧縮画像を示す図。

本発明の一実施形態におけるスチールコードの除去を行っていない撮像画像とその圧縮画像を示す図。

以下、図面を参照して本技術の一実施形態を説明する。

図1は本技術の一実施形態における照射装置及び撮像装置の概略図、図2は本発明の一実施形態における検査対象となるタイヤの要部を示す断面図、図3は本発明の一実施形態における検査対象となるタイヤの要部を示す一部破断斜視図、図4は本発明の一実施形態におけるタイヤの検査装置の電気系回路を示すブロック図である。

本実施形態のタイヤ検査装置は、照射装置20と、撮像装置30と、検査装置本体40と、を備えている。 照射装置20は、タイヤ1の内周面側に配置され、X線をタイヤ1に向かって照射する。 撮像装置30は、タイヤ1の外側面側に配置され、タイヤ1のビード部1aにおける透過X線像を透過電磁波像として撮像する。 検査装置本体40は、撮像装置30と接続され、透過電磁波像である撮像画像を用いて、ビード部1aにおけるカーカスあるいはスチールチェーファのタイヤ1内の配置を検査する。タイヤ1は図示しない支持装置によって回転自在に支持されるようになっている。

タイヤ1は、例えば、周知のチューブレスラジアルタイヤであり、周知のキャップトレッド11、アンダートレッド12、ベルト13、カーカス14、インナーライナー15、サイドウォール16等から構成されている。さらに、カーカス14のタイヤ幅方向の端部はビード17に巻き付けるように内側から外側に、すなわち、タイヤとリムに囲まれ空気が充填されるタイヤ空洞領域の側からタイヤが大気と接する側に、さらに、タイヤ径方向内側から外側に向かって折り返されており、さらにカーカス端部を覆うようにスチールチェーファ18が設けられている。タイヤ空洞領域の側を内側あるいは裏側といい、タイヤが大気と接する側を外側あるいは表側という。ここで、カーカスターンナップエッジ14aはタイヤ内側に位置するスチールチェーファ18の内側エッジ18aよりも上(図2において)に位置するように配置されることが目標のタイヤ構造として規定されている。また、好ましくは、カーカスターンナップエッジ14aはタイヤ内側に位置するスチールチェーファ18の内側エッジ18aよりも上(図2において)、すなわちタイヤ径方向外側に位置し且つ表側に位置するスチールチェーファ18の外側エッジ18bよりも下(図2において)、すなわちタイヤ径方向内側に位置するように配置されることが好ましい。

タイヤ1におけるカーカス14は、複数の金属製のカーカスコードがタイヤ径方向に延びるように配置されている。また、本実施形態におけるタイヤ1のようにスチールチェーファ18を配置することによりビード17およびカーカスターンナップ部のセパレーション発生を抑制することができる。

照射装置20はX線を放射状に照射する周知のX線管を含み、前記支持装置によって支持されたタイヤ1の内周面側に配置されるようになっている。尚、X線の代わりにγ線を照射するように構成することも可能である。

撮像装置30は、支持装置に支持されたタイヤ1の幅方向両側に配置された一対の側方カメラ31,32を有する。各カメラ31,32は周知のラインセンサカメラからなり、各カメラ31,32はタイヤ1を透過した透過X線像を線状に撮像するようになっている。即ち、支持装置によってタイヤ1を所定速度でタイヤ周方向に回転させながら、各カメラ31,32によって所定時間毎に撮像を行うことにより、タイヤ1の一周分の透過X線像が撮像される。

検査装置本体40は、図4に示すように、周知のコンピュータ装置からなる制御装置41と、制御装置41に接続された外部記憶装置42と、マウスやキーボードなどを有し且つこれらが制御装置41に接続されている操作部43と、液晶ディスプレーを有する表示部44と、を備えている。

以上のように構成されたタイヤ検査装置では、前述のように図示しない支持装置によってタイヤ1を所定速度でタイヤ周方向に回転させながら、各カメラ31,32によって所定時間毎に撮像を行うことにより、タイヤ1の一周分の透過X線像が撮像される。各カメラ31,32によって撮像された画像はデジタル画像として制御装置41にそれぞれ入される。尚、各カメラ31,32で撮像された線状の撮像データは制御装置41内で繋ぎ合わされてタイヤ1の一周分の画像を作成することも可能である。

ここで、制御装置41に入力されるタイヤ1の一周分の画像はタイヤ1をタイヤ1の外側から撮像したものであり、この画像には、図5に示すようにカーカス14の折り返し部の像とスチールチェーファ18及びビード17の像が含まれ、カーカス14の像及びスチールチェーファ18の像にはカーカス層を構成する複数の金属製のカーカスコード14cの像並びにスチールチェーファ18を構成する複数のスチールコード18cの像が含まれている。

また、各カーカスコード14cの像は画像幅方向に延びるように配置されるとともに、互いに画像上下方向に間隔をおいて配置されている。また、スチールチェーファ18を構成するスチールコード18cの像は画像幅方向に対して所定度を持つように画像上下方向に間隔をおいて配置されているので内面側と外面側ではスチールコード18cのなす角度が異なっている。

また、図5の領域E1のように表側のカーカスコード14cの像の隙間に裏側のカーカスコード14cの像が重なると透視画像においてカーカスターンナップエッジの像が目視できる。しかし、図5の領域E2のように表側のカーカスコード14cの像と裏側のカーカスコード14cの像が重なると透視画像においてカーカスターンナップエッジの像が目視できない。本実施形態における検査装置では、このように表側と裏側のカーカスコード14cの像が重なっている場合もカーカスターンナップエッジの位置を特定できるようにしている。

以下、本実施形態における検査装置本体40の動作に関して図6乃至図8に示すフローチャートを参照して説明する。本実施形態では、制御装置41によってタイヤ1の一周分の画像の画像処理を行い、画像処理された画像に基づきカーカスターンナップエッジの位置の良否を判定する。 検査装置本体40の制御装置41は、2次元フーリエ変換部41aと、処理画像取得部41bと、加工画像作成部41cと、二値化処理部41dと、エッジ抽出部41eと、検査部41fと、を備える。2次元フーリエ変換部41a、処理画像取得部41b、加工画像作成部41c、二値化処理部41d、エッジ抽出部41e、及び検査部41fは、コンピュータがプログラムを起動することにより形成されるソフトウェアモジュールであり、各部分の動作は、以下の検査装置本体40が動作の説明において説明される。

検査装置本体40が動作を開始すると、図6のフローチャートに示すように、制御装置41はカメラ31,32から画像データが入力されたか否かを監視する(SA1)。制御装置41の2次元フーリエ変換部41aは、画像データが入力されると、図9に示すように、入力された画像(透過電磁波像の撮像画像)に対して2次元フーリエ変換処理を施して、2次元フーリエ変換画像を作成する(SA2)。次に、制御装置41の処理画像取得部41bは、表側(タイヤ表面側)のスチールチェーファ18の表側の画像処理を行う(SA3)。

処理画像取得部41bは、表側のスチールチェーファ18の画像処理では、図7のフローチャートに示すように、表側のスチールチェーファ18のスチールコードの角度成分方向のみを抽出する空間フィルタを作成する(SB1)。処理画像取得部41bは、上記SA2の処理で作成した2次元フーリエ変換画像と上記SB1の処理で作成した空間フィルタとのAND処理を行いAND画像を作成する(SB2)。AND処理は、2次元フーリエ変換画像の各画素のデータ値(階調値)と、空間フィルタの各画素に対応する位置のフィルタ値とを掛け算する処理である。このように、2次元フーリエ変換の処理結果から空間フィルタを用いて、スチールコード18cの端を含む画像成分を抽出する。さらに、処理画像取得部41bは、SB2の処理で作成したAND画像を2次元フーリエ逆変換した変換画像を作成する(SB3)。この変換画像は表側のスチールチェーファのスチールコード18cの像が明確になるようにした画像である。すなわち、表側のスチールチェーファ18のスチールコード18cの端を含む処理画像を取得する。尚、上記SB1の処理における表側のスチールチェーファ18のスチールコードの角度成分方向のみを抽出する空間フィルタの作成においては、予め検査員がスチールコードの角度を調べて、その値を操作部43を介して制御装置41に入力してある。すなわち、空間フィルタは、スチールチェーファ18のスチールコード18cの傾斜に対応して作成される。したがって、傾斜角度の異なる、ビード部1aで折り返される前のスチールコード18cの像と、ビード部1aで折り返された後のスチールコード18cの像を、空間フィルタによって分離することができる。

次に制御装置41の二値化処理部41dは、図10に示すように、上記SB3の処理で作成した変換画像に対して周知の動的二値化処理を施して表側のスチールチェーファ18の領域を検出する(SB4)とともに、領域縦膨張処理を行う(SB5)。動的二値化処理とは、変換画像を予め定められたサイズの領域に分け、例えば15画素×15画素の領域に分け、各領域における画素のデータ値(階調値)の平均値に応じて、二値化するための閾値を領域毎に設定して二値化する処理である。例えば8ビットの階調の場合、画素のデータ値(階調値)を、閾値に応じて0あるいは255にする。閾値は領域毎に設定されるので、上記平均値が領域間で異なる場合、閾値も異なる。上記閾値は、各領域のデータ値の平均値であってもよいし、この平均値に一定の値を付加あるいは減算した値、あるいは、平均値に所定の値を掛け算した値であってもよい。本実施形態ではこのような動的二値化処理を行うが、画像を領域に区分けすることなく、一定の閾値を用いる通常の二値化処理を用いることもできる。領域縦膨張処理とは、画像の縦方向において表側のスチールチェーファ18の領域が分断されている箇所を繋ぎ合わせる処理である。この後、制御装置41のエッジ抽出部41eは、表側のスチールチェーファ18の端部に注目する領域を限定するとともに表側のスチールチェーファ18の外側エッジ18bの位置、あるいは、表側のスチールコード18cの端を特定し、タイヤ周方向の外側エッジ18bの位置の軌跡を検出する(SB6)。これにより、スチールチェーファ18の表側の画像処理を終了する。尚、上記SB4の処理では動的二値化処理を行うことにより通常の二値化処理に比べて明確に領域の判別を行うことができる。 また、制御装置41の検査部41fは、検出した外側エッジ18b、すなわちスチールチェーファ18のスチールコード18cの端の位置に基づいて、タイヤ1内でのスチールコード18cの配置、あるいはスチールチェーファ18の配置を検査してもよい。 このように、本実施形態のタイヤの検査方法では、タイヤ1内で、タイヤ1の補強層(スチールチェーファ18)中の複数の補強線材(スチールコード18c)がタイヤ幅方向に対して第1の方向に傾斜して第1の端(スチールチェーファ表側エッジ18b)から延びる第1の領域(スチールチェーファ18の表側の領域)と、補強層(スチールチェーファ18)が折り返されることにより、第1の方向と異なる第2の方向に補強線材(スチールコード18c)が傾斜して延びる第2の領域(スチールチェーファ18の裏側の領域)とを電磁波が透過して得られる透過電磁波像の撮像画像に対して2次元フーリエ変換を行う。この後、第1の方向の傾斜に対応して作成された第1の空間フィルタを用いて、2次元フーリエ変換の処理結果から、第1の領域における補強線材の第1の端を含む第1の画像成分(AND画像)を抽出する。さらに、この第1の画像成分(AND画像)の抽出結果を2次元フーリエ逆変換することにより第1の領域における第1の端を含む第1の処理画像(変換画像)を取得する。この第1の処理画像(変換画像)を用いて、撮像画像における第1の端の位置を特定する。特定した第1の端の位置に基づいて、タイヤ内での補強層(スチールチェーファ18)のエッジ(スチールチェーファ表側エッジ18b)の位置を検査する。

次に、制御装置41は、裏側(タイヤ内面側)のスチールチェーファ18の画像処理を行う(SA4)。

処理画像取得部41bは、裏側のスチールチェーファ18の画像処理では、図8のフローチャートに示すように、裏側のスチールチェーファ18のスチールコード18cの角度成分方向のみを抽出する空間フィルタを作成する(SC1)。この空間フィルタは、裏側のスチールチェーファ18のスチールコード18cの傾斜に対応して作成される。裏側のスチールチェーファ18のスチールコード18cの傾斜角度が、予め検査員がスチールコードの角度を調べて、その値を操作部43を介して制御装置41に入力してある。したがって、傾斜角度の異なる、裏側のスチールコード18cの像を、表側のスチールコード18cの像から分離して抽出することができる。 処理画像取得部41bは、さらに、上記SA2の処理で作成した2次元フーリエ変換画像と上記SC1の処理で作成した空間フィルタとのAND処理を行いAND画像を作成する(SC2)。さらに、処理画像取得部41bは、SC2の処理で作成したAND画像を2次元フーリエ逆変換した変換画像を作成する(SC3)。この変換画像は裏側のスチールチェーファのスチールコード18cが明確になるようにした画像である。

次に制御装置41の二値化処理部41dは、図11に示すように、上記SC3の処理で作成した変換画像に対して動的二値化処理を施して裏側のスチールチェーファ18の領域を検出し(SC4)、さらに、領域の縦膨張処理を行う(SC5)。この領域縦膨張処理とは、画像の縦方向において裏側のスチールチェーファ18の領域が分断されている箇所を繋ぎ合わせる処理である。この後、制御装置41のエッジ抽出部41eは、裏側のスチールチェーファ18の端部に注目する領域を限定するとともに裏側のスチールチェーファ18の内側エッジ18aの位置を特定し、タイヤ周方向の内側エッジ18aの位置の軌跡を検出する(SC6)。これにより、スチールチェーファ18の裏側の画像処理を終了する。尚、上記SC4の処理では動的二値化処理を行うことにより通常の二値化処理に比べて明確に領域の判別を行うことができる。 これにより、制御装置41の検査部41fは、検出した外側エッジ18b及び内側エッジ18a、すなわちスチールチェーファ18のスチールコード18cの両端の位置に基づいて、タイヤ1内でのスチールコード18cの配置、あるいはスチールチェーファ18の配置を検査してもよい。 このように、本実施形態の補強線材(スチールコード18c)は、第2の領域(スチールチェーファ18の裏側の領域)に第2の端(スチールチェーファ裏側エッジ18a)を有する。このとき、本実施形態では、第2の方向の傾斜に対応して作成された第2の空間フィルタを用いて、2次元フーリエ変換の処理結果から、第2の領域(スチールチェーファ18の裏側の領域)における補強線材(スチールコード18c)の第2の端(スチールチェーファ裏側エッジ18a)を含む第2の画像成分(AND画像)を抽出する。さらに、第2の画像成分の抽出結果を2次元フーリエ逆変換することにより第2の領域における第2の端(スチールチェーファ裏側エッジ18a)を含む第2の処理画像(変換画像)を取得する。この第2の処理画像を用いて、撮像画像における第2の端の位置を特定する。このとき、第2の端(スチールチェーファ裏側エッジ18a)の位置と第1の端(スチールチェーファ表側エッジ18b)の位置に基づいて、タイヤ1内での補強層(スチールチェーファ18)のエッジの位置を検査することが好ましい。

次に制御装置41の加工画像作成部41cは差分処理を行う(SA5)。この差分処理では、上記SA2の処理で作成した2次元フーリエ変換画像から上記SB2で作成したAND画像の成分と上記SC2で作成したAND画像の成分を除去したスチールチェーファ成分除去フーリエ変換画像を作成する。

この後、制御装置41の加工画像作成部41cは、上記SA5の処理において作成したスチールチェーファ成分除去フーリエ変換画像に対して2次元フーリエ逆変換処理を施し、スチールチェーファ成分除去画像を作成する(SA6)。 次に、制御装置41の二値化処理部41dは、スチールチェーファ成分除去画像に対して動的二値化処理を施してカーカス14の領域を検出する(SA7)。さらに、エッジ抽出部41dは、カーカス14の端部に注目する領域を限定するとともにカーカスターンナップエッジ14aの位置を特定し、タイヤ周方向のカーカスターンナップエッジ14aの位置の軌跡を検出する(SA8)。尚、上記SA7の処理では動的二値化処理を行っているが、このように動的二値化処理を行うことにより通常の二値化処理に比べて明確に領域の判別を行うことができる。

また、上記SA7,SA8の処理においてカーカス14の領域を検出してカーカスターンナップエッジ14aの軌跡を検出するときは、図12に示すように、撮像画像からスチールチェーファを除去し、このスチールチェーファ除去画像からカーカスターンナップエッジが存在する画像横方向の領域を限定する。さらに、カーカスターンナップエッジが存在する領域の画像のタイヤ1周分をタイヤ1の周方向に圧縮する。撮像画像から圧縮画像までのそれぞれの画像においては256階調の濃度で表示されているので、階調の違いによりカーカスターンナップエッジを限定し、さらにカーカスターンナップエッジ14aの軌跡を検出する。

次に、制御装置41の検査部41fは、カーカス14のカーカスコードのタイヤ1内の配意の検査、具体的には、カーカス14の折り返し不良の判定を行う(SA9,SA10)。この判定の結果、カーカス14の折り返し不良が存在する場合は、図13に示すように、タイヤ1周分の撮像画像を圧縮した画像とカーカスターンナップエッジ14a及びスチールチェーファの内側エッジ18a及び外側エッジ18bの軌跡を合成した画像(A1)を、表示部44は、表示部44の液晶ディスプレー画面に表示する。また、表示部44は、圧縮してない撮像画像(A2)を表示部44の液晶ディスプレー画面に表示する。さらに、これらの画像情報及び良否の判定結果を、制御装置41の指示により、外部記憶装置42は記憶する(SA11)。また、カーカス14の折り返し不良が存在しない場合は、上記処理によって得られた画像情報及び良否の判定結果を、制御装置41の指示により、外部記憶装置42に記憶する(SA12)。以上の処理をタイヤ1のタイヤ幅方向両側のビード部1a,1aそれぞれについて行い、1つのタイヤ1の検査を終了する。

このように本実施形態では、撮像画像と第1の処理画像(2次元フーリエ逆変換して得られた変換画像)とを用いて、撮像画像から第1の領域(スチールチェーファ18の表側の領域)における補強線材(スチールコード18c)の像を除去した加工画像(スチールチェーファ成分除去画像)を作成することが好ましい。この場合、さらに、作成した加工画像を用いて、撮像画像における骨格線材(カーカスコード)の第3の端(カーカスコードのターンナップの端)の位置を特定する。さらに、特定した第3の端の位置に基づいて、タイヤ内での骨格部材(カーカス14)のエッジの位置を検査する。 さらに、本実施形態では、撮像画像と第1の処理画像(表側に位置するスチールコード18cの像を抽出したフーリエ変換画像を2次元フーリエ逆変換して得られた変換画像)と第2の処理画像(裏側に位置するスチールコード18cの像を抽出したフーリエ変換画像を2次元フーリエ逆変換して得られた変換画像)とを用いて、撮像画像から第1の領域(スチールチェーファ18の表側の領域)及び第2の領域(スチールチェーファ18の裏側の領域)における補強線材の像を除去した加工画像(スチールチェーファ成分除去画像)を作成することが好ましい。この場合、さらに、作成した加工画像(スチールチェーファ成分除去画像)を用いて、撮像画像における骨格線材(カーカスコード)の第3の端(カーカスコードのターンナップの端)の位置を特定する。さらに、特定した第3の端の位置に基づいて、骨格部材(カーカス14)のエッジの位置を検査する。

上記SA9,SA10の判定処理において、本実施形態では図14に示すように、カーカスターンナップエッジ14aとスチールチェーファ18の内側エッジ18a及び外側エッジ18bが検出でき、且つ、ビード17から最も近い位置に存在するスチールチェーファ18の裏側エッジ18aまでの距離よりもビード17からカーカスターンナップエッジ14aまでの距離が大きいときに良品と判定している。すなわち、カーカス14のカーカスターンナップエッジの位置の検査は、タイヤ周方向のすべての場所で行われ、カーカスコードの端の位置が、タイヤ周方向のすべての場所で、スチールチェーファ18のスチールワイヤ18cの表側の端の位置に比べてスチールワイヤ18cの折り返し位置に近いとき、タイヤ1内でのカーカスターンナップエッジの位置が適正であると判定する。尚、本実施形態ではスチールチェーファ18の裏側エッジ18aまでの距離よりもビード17からカーカスターンナップエッジ14aまでの距離が大きいときに良品と判定しているが、カーカスターンナップエッジ14aがスチールチェーファ18の両エッジ18a,18bの間に存在するときを良品と判定することが好ましい。すなわち、カーカス14のカーカスターンナップエッジの位置の検査は、タイヤ周方向のすべての場所で行われ、カーカスコードの端の位置が、タイヤ周方向のすべての場所で、スチールチェーファ18のスチールワイヤ18cの表側の端の位置とスチールチェーファ18のスチールワイヤ18cの裏側の端の位置の間にあるとき、タイヤ1内でのカーカス14のカーカスターンナップエッジの位置が適正であると判定することが好ましい。

表示部44の液晶ディスプレー画面には、図13に示すように、タイヤ1周分の撮像画像を圧縮した画像とカーカスターンナップエッジ14a及びスチールチェーファの両エッジ18a,18bの軌跡を合成した画像A1を表示しているが、このように圧縮した画像を表示することによりタイヤ全体におけるカーカスターンナップエッジ14aの状態を一目で確認することができる。さらに、詳細画像A2を表示するとともに画面をスクロールしてタイヤ1周分の詳細画像も見ることができるのでどの部分にどのような不具合が生じているのかを確認することができる。さらに画面に表示される操作ボタンを操作することによりタイヤ1の右側の画面と左側の画面を切り替えることができる。

上記実施形態のようにスチールチェーファのスチールコード18cの除去を行ったタイヤ1の1周分の画像を周方向に圧縮した画像を作成すると、図15に示すように、従来に比べてカーカスターンナップエッジ14aの状態を一目で容易に確認することができる。これに対して、図16に示す従来のスチールチェーファのスチールコード18cの除去を行っていないタイヤ1周分の画像(撮像画像)を周方向に圧縮したときの画像ではカーカスターンナップエッジ14aの状態を容易には確認し難いことがわかる。

本実施形態では、スチールチェーファ18がビード部1aで折り返されることにより、スチールコード18cのタイヤ幅方向に対する傾斜角度は、傾斜角度の絶対値を一定に保ちながら、符号が正、負に変化するが、上述した空間フィルタで傾斜角度に応じてスチールコード18cの像を抽出できる範囲において、傾斜角度の絶対値は変化してもよい。

なお、本実施形態のように、スチールチェーファ18のスチールコード18cの表側の端、スチールコード18cの裏側の端、及びカーカスコードの表側の端の位置は、タイヤ周方向に沿ったタイヤ1周の位置の軌跡として特定されることが好ましい。

以上のように本実施形態のタイヤの検査方法及び検査装置によれば、タイヤ1周画像からスチールチェーファのエッジ軌跡18a,18b、及びカーカスターンナップエッジ14aの軌跡を自動抽出できるので、カーカス折り返し不良の判定が、検査員が行うより格段に精度良く行うことができるとともに、繰り返し再現性100%の判定が可能になる。さらに、検査員が映像を目視する必要がなくなるため、タイヤ回転速度を高速で回転でき、サイクルタイムを短縮することができる。

タイヤに電磁波を照射して透過電磁波像を撮像し、撮像した画像を用いてカーカスのターンナップエッジ位置の良否検査を効率よく高精度で行うことができるタイヤの検査方法及びその装置の発明であり、カーカス巻上げ不良の判定を、検査員が行うよりも格段に精度良く且つ短時間で行うことができるとともに、繰り返し再現性100%の判定が可能になる。さらに、検査員が映像を目視する必要がなくなるため、撮像時のタイヤ回転速度を高速にすることできるので、サイクルタイムを短縮することができる。

1…タイヤ、 1a…ビード部、 11…キャプトレッド、 12…アンダートレッド、 13…ベルト、 14…カーカス、 14a…カーカスターンナップエッジ、 15…インナーライナー、 16…サイドウォール、 17…ビード、 18…スチールチェーファ、 18a…スチールチェーファ裏側エッジ、 18b…スチールチェーファ表側エッジ、 20…照射装置、 30…撮像装置、 31,32…カメラ、 40…検査装置、 41…制御装置、 42…外部記憶装置、 43…操作部、 44…表示部。

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