タイヤ

申请号 JP2017527076 申请日 2016-07-01 公开(公告)号 JPWO2017006550A1 公开(公告)日 2018-04-19
申请人 株式会社ブリヂストン; 发明人 中嶋 大亮;
摘要 耐摩耗性を向上させることが可能なタイヤを提供する。内側円筒状部材と、当該内側円筒状部材をタイヤ径方向外側から囲繞する外側円筒状部材と、当該内側円筒状部材および当該外側円筒状部材の間に複数配置された、前記両円筒状部材を連結する連結部材とからなるケース部、並びに、前記外側円筒状部材のタイヤ径方向外側に設けられた、トレッドゴムを有するトレッド部を備えるタイヤにおいて、前記トレッドゴムのうち、前記外側円筒状部材に接合する、前記連結部材の接合部分のタイヤ径方向外側に 位置 する部分を、トレッドゴム接合部分とするとき、前記トレッドゴムのうちの、当該トレッドゴム接合部分を含む第1部分の耐摩耗性は、当該トレッドゴムのうちの、当該第1部分以外の第2部分の耐摩耗性よりも大きいことを特徴とする、タイヤである。
权利要求

内側円筒状部材と、当該内側円筒状部材をタイヤ径方向外側から囲繞する外側円筒状部材と、当該内側円筒状部材および当該外側円筒状部材の間に複数配置された、前記両円筒状部材を連結する連結部材とからなるケース部、並びに、前記外側円筒状部材のタイヤ径方向外側に設けられた、トレッドゴムを有するトレッド部を備えるタイヤにおいて、 前記トレッドゴムのうち、前記外側円筒状部材に接合する、前記連結部材の接合部分のタイヤ径方向外側に位置する部分を、トレッドゴム接合部分とするとき、 前記トレッドゴムのうちの、当該トレッドゴム接合部分を含む第1部分の耐摩耗性は、当該トレッドゴムのうちの、当該第1部分以外の第2部分の耐摩耗性よりも大きいことを特徴とする、タイヤ。前記第1部分と前記第2部分との境界がタイヤ周方向に延びる、請求項1に記載のタイヤ。前記第1部分と前記第2部分との境界がタイヤ幅方向に延びる、請求項1または2に記載のタイヤ。前記第1部分の耐摩耗性が、前記第2部分の耐摩耗性の1.2倍以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ。前記第1部分の耐摩耗性が、前記第2部分の耐摩耗性の1.2〜3倍である、請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ。前記第1の部分が含有するカーボンブラックの粒径が、前記第2部分が含有するカーボンブラックの粒径よりも大きい、請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ。前記第1の部分が含有するカーボンブラックの量が、前記第2部分が含有するカーボンブラックの量よりも多い、請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ。

说明书全文

本発明は、内部に加圧空気を充填することなく使用することができるタイヤに関する。

従来、使用に際し、内部に加圧空気を充填して常に内部空気圧を一定に保持する必要がある空気入りタイヤにおいて、内部空気圧を一定に保持することができない状態を招いてしまうパンクが発生しないように、様々な対策がとられているが、パンクの発生は空気入りタイヤの構造上、不可避的なものである。 このため、近年では、内部に加圧空気を充填する必要の無いタイヤとして、例えば特許文献1に記載のように、車両からの荷重を支持する支持構造体、支持構造体の外周側に設けられるベルト層(設けなくても良い)、ベルト層の外側(外周側)に設けられたトレッド層などを備える非空気入りタイヤが提案されている。この支持構造体は、内側円筒状部材と、その内側円筒状部材の外側に同心円状に設けられた外側円筒状部材と、内側円筒状部材と外側円筒状部材とを連結する複数の連結部材と、を備えた構成である。

特開2011−219009号公報

特許文献1に記載のような非空気入りタイヤは、支持構造体により車両からの荷重を支持するので加圧空気の充填を要せずパンクが発生することはないが、支持構造体の、内側円筒状部材と外側円筒状部材とを連結する連結部材が荷重を負担するので、トレッドゴムに、路面への接地圧が相対的に大きい部分(連結部材の、外側円筒状部材に接合する接合部分のタイヤ径方向外側に位置するトレッドゴム部分(トレッドゴム接合部分))が生じていた。その結果、トレッドゴムの接地圧が相対的に高い部分では、相対的に接地圧が低い部分よりも早くトレッドゴムの摩耗が進行する傾向があり、タイヤの耐摩耗性が十分とはいえなかった。

そこで、本発明は、耐摩耗性を向上させることが可能なタイヤを提供することを目的とする。

本発明のタイヤは、内側円筒状部材と、当該内側円筒状部材をタイヤ径方向外側から囲繞する外側円筒状部材と、当該内側円筒状部材および当該外側円筒状部材の間に複数配置された、前記両円筒状部材を連結する連結部材とからなるケース部、並びに、前記外側円筒状部材のタイヤ径方向外側に設けられた、トレッドゴムを有するトレッド部を備えるタイヤにおいて、前記トレッドゴムのうち、前記外側円筒状部材に接合する、前記連結部材の接合部分のタイヤ径方向外側に位置する部分を、トレッドゴム接合部分とするとき、前記トレッドゴムのうちの、当該トレッドゴム接合部分を含む第1部分の耐摩耗性は、当該トレッドゴムのうちの、当該第1部分以外の第2部分の耐摩耗性よりも大きいことを特徴とする。 本発明のタイヤによれば、耐摩耗性を向上させることができる。

なお、本発明において、「耐摩耗性」とは、JIS K6264−2:2005に準拠し、ランボーン摩耗試験機を用いて、室温(23℃)でスリップ率25%の条件で試験をし、用いたトレッドゴムについて、試験前後の重量を比較してその摩耗量を算出し、当該試験をしたトレッドゴムとは別のトレッドゴムとの間で比較した性能である。

本発明において、「境界がタイヤ周方向に延びる」とは、境界が直線状または曲線状に、タイヤ周方向と平行に、またはタイヤ周方向に対して45°以下の度で傾斜して延びることを意味する。

本発明において、「境界がタイヤ幅方向に延びる」とは、境界が直線状または曲線状に、タイヤ幅方向と平行に、またはタイヤ幅方向に対して45°未満の角度で傾斜して延びることを意味する。

本発明によれば、耐摩耗性を向上させることが可能なタイヤを提供することができる。

本発明の一実施形態に係るタイヤを示す、タイヤ側面図である。

図1のタイヤの一部を拡大して示す拡大図である。

(a)は、図1のタイヤのトレッド部のトレッドゴム構造を模式的に示す、トレッド部を表面から見た展開図であり、(b)〜(d)は、変形例を模式的に示す展開図である。

(a)、(b)は、比較例のタイヤのトレッド部のトレッドゴム構造を模式的に示す展開図である。

本発明の一実施形態に係るタイヤのトレッド部の、タイヤ幅方向と平行な面による断面を模式的に示した図である。

本発明の別の実施形態に係るタイヤのトレッド部の、タイヤ幅方向と平行な面による断面を模式的に示した図である。

本発明のさらに別の実施形態に係るタイヤのトレッド部の、タイヤ幅方向と直交する面による断面を模式的に示した図である。

本発明の別の実施形態に係るタイヤを示す、タイヤ側面図である。

以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について例示説明する。 図1は、この発明の一実施形態に係るタイヤ1を模式的に示す、タイヤ1側面から見たタイヤ側面図である。図2は、図1のタイヤ1の一部を拡大して示す拡大図である。なお、図2では、理解し易いように、後述する複数の第1連結板21aおよび複数の第2連結板21bのうち、それぞれ1つの第1連結板21aおよび第2連結板21bのみを、実線で強調して描いている。

図1および図2に示すように、本実施形態のタイヤ1は、内側円筒状部材22と、当該内側円筒状部材22をタイヤ径方向外側から囲繞する外側円筒状部材23と、当該内側円筒状部材22および当該外側円筒状部材23の間に複数配置された、両円筒状部材を連結する連結部材21とからなるケース部2を備えている。また、タイヤ1は、外側円筒状部材23のタイヤ径方向外側(ケース部2のタイヤ径方向外側)に設けられた、トレッドゴム31を有するトレッド部3を備えている。さらに、タイヤ1は、車軸(図示しない)に取り付けられ、内側円筒状部材22が外装される取付け体4を備えることもできる。 ここで、取付け体4、内側円筒状部材22、外側円筒状部材23およびトレッド部3は、それぞれ共通軸と同軸に、また、タイヤ幅方向の中央部を互いに一致させて配置されている。

ケース部2の内側円筒状部材22および外側円筒状部材23は、それぞれタイヤ1のユニフォミティの観点から厚みおよび幅が一定の円筒状である。内側円筒状部材22の内周面には、車軸に取り付けられる取付け体4と嵌合させるための凹凸等が設けられている。なお、図示の例では、タイヤ1は取付け体4を有しているが、タイヤ1がこれを有せず、内側円筒状部材22の内周面に例えばリムと装着可能にするための凹凸等を設けることができる。

また、この実施形態では、内側円筒状部材22および外側円筒状部材23は、タイヤ幅方向にそれぞれの円筒状部材が分割されており(図示の例ではタイヤ幅方向中央で分割される)、例えば、タイヤ幅方向の一方側に位置する一方側分割内側円筒状部材および一方側分割外側円筒状部材と、タイヤ幅方向の他方側に位置する他方側分割内側円筒状部材および他方側外側円筒状部材とで構成することができる。なお、内側円筒状部材22および外側円筒状部材23は、タイヤ幅方向に分割されていないものを用いることもできる。

ケース部2の連結部材21は、内側円筒状部材22と外側円筒状部材23とを互いに連結するものであれば限定されるものではないが、この実施形態では、それぞれタイヤ幅方向での配置位置が異なる第1連結板21aおよび第2連結板21bを備えている。第1連結板21aは、タイヤ幅方向中央に対して一方のタイヤ幅方向の位置にタイヤ周方向に沿って複数配置され、第2連結板21bは、タイヤ幅方向中央に対して、一方のタイヤ幅方向の位置とは異なる他方のタイヤ幅方向の位置にタイヤ周方向に沿って複数配置されている。この実施形態では、第1連結板21aは、一方側分割内側円筒状部材および一方側分割外側円筒状部材を連結し、第2連結板21bは、他方側分割内側円筒状部材および他方側外側円筒状部材を連結しており、第1連結板21aおよび第2連結板21bを合わせて60個設けられている。

第1連結板21aおよび第2連結板21bを合わせた連結部材21の数は、適宜調節すればよい。例えば、60個であるが、その他、例えば、30個、40個、72個、80個、144個などでもよい。

第1連結板21aおよび第2連結板21bは、図1、2に示すように、タイヤ径方向内側から外側に向かって、タイヤ径方向に対するタイヤ周方向の傾斜方向がそれぞれ逆方向になっている。具体的には、第1連結板21aのうち、外側円筒状部材23に連結された一端部(接合部分)21cは、内側円筒状部材22に連結された他端部21dよりもタイヤ周方向一方側に位置し、第2連結板21bのうち、外側円筒状部材23に連結された一端部(接合部分)21cは、内側円筒状部材22に連結された他端部21dよりもタイヤ周方向他方側に位置している。 また、図示の例では、第1連結板21aおよび第2連結板21bは、直線状でなく、タイヤ周方向に湾曲して形成されている。

第1連結板21aは、それぞれ、タイヤ幅方向で同一の位置にタイヤ周方向に沿って複数配置され、第2連結板21bは、第1連結板21aからタイヤ幅方向に離れた位置であって、それぞれ、タイヤ幅方向で同一の位置にタイヤ周方向に沿って複数配置されている。 なお、複数の連結部材21は、内側円筒状部材22および外側円筒状部材23の間において、軸線Oを基準に軸対称となる位置に各別に配置することができる。また、全ての連結部材21は互いに同形同大であり、また、連結部材21の幅は外側円筒状部材23のタイヤ幅方向幅より小さくすることができる。さらに、ケース部2で車両からの荷重を支持しつつ路面からの衝撃を吸収するために、連結部材21を弾性体とすることもできる。

各連結板21a、21bのタイヤ側面視の形状は、図2において実線で強調して描いた、一組の第1連結板21aおよび第2連結板21bに示すように、タイヤ径方向に沿って延在し、且つ両連結板の各一端部を通る仮想線Lに対して線対称となっている。

なお、この実施形態では、連結部材21として第1連結板21aおよび第2連結板21bを用いており、第1連結板21aおよび第2連結板21bは、タイヤ径方向に対して傾斜して延びているが、第1連結板21aおよび第2連結板21bを含め連結部材21の形状、タイヤ径方向に対する傾斜方向は任意にすることができる。具体的には、連結部材21は、例えば、第1連結板21aおよび第2連結板21bの一方のみにすることや、タイヤ径方向に平行に(内側円筒状部材22からタイヤ径方向外側に)延びる板状または柱状(円柱や角柱など)のもの等とすることができる。

また、この実施形態では、ケース部2の、内側円筒状部材22、外側円筒状部材23および複数の連結部材21の全てを例えば合成樹脂材料により一体に形成することができる。より具体的には、この実施形態では、内側円筒状部材22および外側円筒状部材23がタイヤ幅方向にそれぞれ分割されているが、タイヤ幅方向一方側に位置する、一方側分割内側円筒状部材、一方側分割外側円筒状部材および第1連結板21a(一方側ケース部)を一体に形成し、また、タイヤ幅方向他方側に位置する、他方側分割内側円筒状部材、他方側外側円筒状部材および第2連結板21b(他方側ケース部)を一体に形成することができる。また、タイヤ幅方向に分割されていない内側円筒状部材22および外側円筒状部材23、並びに複数の連結部材21の全てを一体に形成することができる。

また、この実施形態では、一方側ケース部および他方側ケース部の相互を、溶着、溶着、もしくは接着により連結することができる。なお、一方側ケース部および他方側ケース部は、金属材料や剛性樹脂材料などで、互いに異なる材料で形成してもよく、同一の材料で形成してもよいが、軽量化やユニフォミティの観点から、同一の合成樹脂材料、特に熱可塑性樹脂材料で形成させることが好ましい。

この実施形態で用いることが可能な取付け体4は、車軸の先端部が装着される装着筒部41と、装着筒部41をタイヤ径方向の外側から囲繞する外リング部42と、装着筒部41と外リング部42とを連結する複数のリブ43とを備えている(図1、2参照)。 装着筒部41、外リング部42、およびリブ43は、例えばアルミニウム合金等の金属材料で一体に形成することができる。装着筒部41および外リング部42はそれぞれ、円筒状に形成され軸線Oと同軸に配設されている。複数のリブ43は、周方向に同等の間隔をあけて配置されている。

トレッド部3は、その表面に、トレッド踏面となる加硫済みのトレッドゴム31を有する。また、トレッド部3は、外側円筒状部材23のタイヤ径方向外側に、例えば接着剤等により接着することにより設けられている。なお、トレッド部3の内部あるいはトレッド部3と外側円筒状部材23との間には、必要に応じてゴム引きコード層からなるベルトなどを配設することができる。

さらに、この実施形態では、図3(a)に示すように、トレッド部3は、ケース部2のうちのタイヤ幅方向一方側の部分の一方側ケース部と、タイヤ幅方向他方側の部分の他方側ケース部に合わせて、タイヤ幅方向に一方側トレッド部3aと他方側トレッド部3bに分割することができる。また、この実施形態では、一方側ケース部および他方側ケース部に、一方側トレッド部3aおよび他方側トレッド部3bをそれぞれ配置して、一方側ケース部と他方側ケース部を連結する際に、各トレッド部3a、3bの相互を溶着、溶融または接着により、一つのトレッド部3とすることができる。なお、一方側ケース部と他方側ケース部とに分割されたケース部2に対して、分割されていないトレッド部3を用いることもできる。

ここで、トレッドゴム31のうち、外側円筒状部材23に接合する、連結部材21の接合部分(連結部材21の一端部)21cのタイヤ径方向外側に位置する部分を、トレッドゴム接合部分31aとする。より具体的には、トレッドゴム接合部分31aは、トレッドゴム31の中でも、連結部材21の接合部分21cをタイヤ径方向外側に投影してトレッドゴム31に対応させた部分とする。 そして、この実施形態では、図3(a)に示すように、トレッドゴム31のうちの、トレッドゴム接合部分31aを含む第1部分31bの耐摩耗性は、当該トレッドゴム31のうちの、当該第1部分31a以外の第2部分31cの耐摩耗性よりも大きくなっている。なお、第1部分31bは、より具体的にはトレッドゴム接合部分31aと、その周辺に位置するトレッドゴム31を含んでおり、図3(a)の例では、トレッドゴム接合部分31aとそのタイヤ周方向両側のトレッドゴム31とからなっている。 また、この実施形態では、相互に耐摩耗性が異なる第1部分31bと第2部分31cとの境界BLがタイヤ幅方向およびタイヤ周方向に延びている。換言すれば、タイヤ周方向に隣り合う第1部分31bの間には、第2部分31cが設けられており、また、タイヤ幅方向に離間する第1部分31bの間、および第1部分31bとトレッド端との間には、第2部分31cが設けられている。

ここで、本発明の実施形態に係るタイヤ1の作用・効果について説明する。 従来の、内側円筒状部材と外側円筒状部材と連結部材とからなるケース部およびトレッド部を備えるタイヤでは、連結部材が荷重を負担するので、トレッドゴムに、接地圧が相対的に大きい部分が生じ、それゆえに、接地圧が相対的に高い部分では、相対的に低い部分よりも早くトレッドゴムの摩耗が進行する傾向があり、タイヤの耐摩耗性が十分とはいえなかった。 そこで、この実施形態のタイヤ1では、トレッドゴム接合部分31aを含むトレッドゴム31の第1部分31bの耐摩耗性が、第2部分31cの耐摩耗性よりも大きいので、接地圧が大きくなるトレッドゴム接合部分31aを含む第1部分31bが摩耗しにくくなり、それゆえにトレッド全体の摩耗の進行具合が均一化され、タイヤ1の耐摩耗性を向上させることができる。 したがって、本発明のタイヤ1によれば、タイヤ1の耐摩耗性を向上させることができる。

第1の部分31bと第2の部分31cの耐摩耗性を調整する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、耐摩耗性を大きくする方法としては、耐摩耗性を大きくする部分のトレッドゴム(すなわち、当該トレッドゴムを構成するゴム組成物)が含有するカーボンブラックの粒径を大きくすること、当該トレッドゴム(すなわち、当該トレッドゴムを構成するゴム組成物)が含有するカーボンブラックの量を多くすること、当該ゴム組成物が含有する硫黄などの加硫剤の量を多くすること、およびこれらの組み合わせなどが挙げられる。ゴム組成物が含有する加硫剤の量を多くすることによって、形成される加硫の網目がより多くなり、当該ゴム組成物が構成する部分の耐摩耗性が大きくなる。

ところで、この実施形態では、トレッドゴム31の第1部分31bの耐摩耗性が、トレッドゴム31の第2部分31cの耐摩耗性の1.2倍以上であることが好ましく、より好ましくは、1.2〜3倍である。 第1部分31bの耐摩耗性を、第2部分31cの耐摩耗性の1.2倍以上にすることにより、第1部分31bの、高い接地圧による摩耗の進行を十分に遅らせることができ、タイヤ1の耐摩耗性を十分に向上させることができる。また、第1部分31bの耐摩耗性を、第2部分31cの耐摩耗性の3倍以下にすることにより、第1部分31bの耐摩耗性が大きくなりすぎて第2部分31cが第1部分31bよりも摩耗が進行しやすくなる虞を防止することができる。

また、この実施形態のタイヤ1では、図3(a)に示すように、相互に耐摩耗性が異なる第1部分31bと第2部分31cの境界BLがタイヤ周方向に延びていることが好ましい。この構成によれば、タイヤ幅方向における摩耗性の不均一を抑制することができる。 また、この実施形態のタイヤ1では、図3(a)に示すように、相互に耐摩耗性が異なる第1部分31bと第2部分31cの境界BLがタイヤ幅方向に延びていることが好ましい。この構成によれば、タイヤ周方向における摩耗性の不均一を抑制することができる。

なお、この実施形態では、第1部分31bはトレッドゴム接合部分31aを含んでいれば、トレッドパターン内で任意の面積にすることができるが、第1部分31bは、トレッドゴム接合部分31aの面積の1〜10倍の面積にすることが好ましく、より好ましくは1〜2倍、さらに好ましくは1〜1.5倍である。トレッドゴム31の摩耗性がより均一になるように制御することができるからである。

また、この実施形態では、図3では図示していないが、トレッドの表面に、例えばタイヤ周方向に延びる溝やタイヤ幅方向に延びる溝等を任意に複数形成することができる。

ところで、この実施形態では、図3(a)に示すように、第1部分31bは、トレッドゴム接合部分31aとそのタイヤ周方向両側のトレッドゴム31とからなっている(第1部分31bは、相互に耐摩耗性が異なる第1部分31bと第2部分31cの境界BLがタイヤ幅方向およびタイヤ周方向に延びている)が、図3(b)に示すようにすることもできる(図3(a)に示す実施形態の変形例)。図3(b)では、第1部分31bは、タイヤ周方向に相互に離間してタイヤ周方向に並ぶ複数のトレッドゴム接合部分31aを含み、また、その幅がトレッドゴム接合部分31aの幅と同一であり、タイヤ周方向に連続して延びている。換言すれば、図3(b)に示す、実施形態の変形例では、相互に耐摩耗性が異なる第1部分31bと第2部分31cの境界BLがタイヤ周方向に延び、当該境界BLがタイヤ幅方向に延びていない。

したがって、図3(b)に示す実施形態の変形例では、第1部分31bと第2部分31cの境界BLがタイヤ周方向に延び、当該境界BLがタイヤ幅方向に延びていないので、タイヤ幅方向の摩耗の不均一を抑制してタイヤ寿命を向上すると共に、トレッドゴム31の作製を容易にすることができる。

さらに、この実施形態では、図3(a)に示すように、トレッド部は、一方側トレッド部3aと他方側トレッド部3bに分割することができるが、これに対して、図3(c)、(d)に示す実施形態の変形例では、トレッド部3およびケース部は、タイヤ幅方向に分割されていない。したがって、図3(a)、(b)に示す実施形態では、連結部材21に対応するトレッドゴム接合部分31aおよび第1部分31bがトレッドゴム31内に2列存在しているが、図3(c)、(d)に示すトレッドゴム31では、トレッドゴム接合部分31aおよび第1部分31bが1列存在している。

したがって、図3(c)、(d)に示す実施形態の変形例では、ケース部に合わせて第1部分31bが1列となっているので、タイヤの形成を容易にすることができる。

図5は、本発明の一実施形態に係るタイヤのトレッド部の、タイヤ幅方向と平行な面による断面を模式的に示した図である。より具体的には、図3(c)の最も上に位置する第1部分31bの、タイヤ幅方向と平行な面による断面図である。この実施形態では、図5に示したように、トレッドゴム31の、連結部材21の接合部分21cのタイヤ径方向外側に位置する部分のうち、タイヤ径方向の厚み全体において、第1部分31bが配置されてもよい。

図6は、本発明の別の実施形態に係るタイヤのトレッド部の、タイヤ幅方向と平行な面による断面を模式的に示した図である。より具体的には、図3(c)の最も上に位置する第1部分31bの、タイヤ幅方向と平行な面による断面図である。図6に示したように、これらの実施形態では、トレッドゴム31の、連結部材21の接合部分21cのタイヤ径方向外側に位置する部分のうち、タイヤ径方向の厚みの一部において、第1部分31bが配置されてもよい。例えば、図6(a)〜(c)のように、トレッドゴム31のタイヤ径方向外側の一部に、第1部分31bが配置されてもよい。あるいは、例えば、図6(d)〜(f)のように、トレッドゴム31のタイヤ径方向内側の一部に、第1部分31bが配置されてもよい。第1部分31bの形状は、図6(a)および(d)に示すような、矩形でもよいし、図6(c)、(e)および(f)に示すような台形でもよいし、図6(b)に示すような、トレッドゴム31のタイヤ径方向外側表面部分では、図6(a)と同様に、タイヤ径方向外側表面からタイヤ径方向内側に向けて、垂直または略垂直に第1部分31bが延び、かつ、図6(a)の第1部分31bのタイヤ径方向内側部分の角を切り欠いた形状でもよい。第1部分31bの断面の形状が台形の場合、タイヤ径方向内側の辺が、タイヤ径方向外側の辺より長くてもよいし(例えば、図6(f))、またはタイヤ径方向外側の辺が、タイヤ径方向内側の辺より長くてもよい(例えば、図6(c)および(e))。これらのなかでも、図6(b)および(e)の第1部分31bの形状および位置が好ましい。

また、図5および図6(a)〜(f)は例示であり、これらに示した第1部分31bの形状と位置を適宜組み合わせて選択してもよい。例えば、図示しないが、図6(b)に示した形状を有する第1部分31bを、図6(e)の第1部分31bの位置に配置してもよい。

図5や図6(a)〜(f)に示した第1の部分31bの形成方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、第2の部分31c、第1の部分31bのそれぞれを構成するシート状などの加硫前または加硫後のトレッドゴムを配置または積層し、必要に応じて加硫することで形成することができる。例えば、図5の場合、第2の部分31cを構成するトレッドゴムと、第1の部分31bを構成するトレッドゴムとを別個に型上に配置または積層することで形成することができる。この他、例えば、図6(a)のように、タイヤ径方向の外側に第1の部分31bを位置させる場合は、タイヤ径方向内側では第2の部分31cを構成するトレッドゴムのみを配置または積層し、次いで、その上(タイヤ径方向外側)に、第2の部分31cを構成するトレッドゴムと、第1の部分31bを構成するトレッドゴムとを別個に配置または積層することで形成することができる。また、例えば、図6(d)のように、タイヤ径方向の外側に第1の部分31bを位置させる場合は、図6(a)の場合と逆の手順で行えばよく、第2の部分31cを構成するトレッドゴムと、第1の部分31bを構成するトレッドゴムとを別個に型上に配置または積層し、次いで、その上(タイヤ径方向外側)に、第2の部分31cを構成するトレッドゴムのみを配置または積層することで形成することができる。

図7は、本発明のさらに別の実施形態に係るタイヤのトレッド部の、タイヤ幅方向と直交する面による断面を模式的に示した図である。より具体的には、図3(c)の第1部分31bの、タイヤ幅方向と直交する面による断面図である。図7に示したように、この断面でも、図6(b)に示した形状および位置の第1部分31bを配置してもよい。この実施形態では、第1部分31bの形状および位置として、図6(b)の第1部分31bと同じ形状および位置を例示したが、これに限定されず、図5および図6(a)〜(f)の第1部分31bの形状と位置を適宜組み合わせて選択してもよい。

図5〜7では、図3(c)の場合を例にして第1部分31bの形状と位置を説明したが、図3(c)に限定されず、図3(a)、(b)および(d)でも、図5〜7で説明した形状と位置から選択した第1部分31bを配置してもよい。

図3(a)〜(c)のように、第1部分31bが複数存在する場合、第1部分31bは、それぞれ、同じでもよいし、異なっていてもよい。また、例えば、図3(a)の場合、一方側トレッド部3aの第1部分31bの形状と位置が全て同じであり、他方側トレッド部3bの第1部分31bの形状と位置が全て同じであり、かつ、一方側トレッド部3aの第1部分31bの形状と位置のうち少なくとも1つと、他方側トレッド部3bの第1部分31bの形状と位置のうち少なくとも1つとが互いに異なっていてもよい。例えば、図3(a)の場合、一方側トレッド部3aの第1部分31bが、図6(b)に示した形状および位置を有し、他方側トレッド部3bの第1部分31bが、図6(e)に示した形状および位置を有するものでもよい。

図8は、本発明の別の実施形態に係るタイヤを示す、タイヤ側面図である。この実施形態では、上述したように、連結部材21を同一方向に延びる1種のみとしている。この実施形態では、連結部材が1種のみであるので、トレッド部は、例えば、図3(c)または図3(d)に対応する。なお、図8の例では、タイヤ1は、取付け体4を有していないが、図1のように、取付け体4を有していてもよい。

上述したように、連結部材は、図8に例示するように、1種のみでもよいし、図1に例示するように、2種(第1連結板21aおよび第2連結板21b)でもよい。連結部材が2種以上ある場合、それぞれの種類の連結部材の延びる方向と形状は同じでもよいし、異なるものを組み合わせてもよい。連結部材は、1種のみであることが好ましい。

以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明のタイヤは、上記各例に限定されることは無く、適宜変更を加えることができる。

以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例になんら限定されるものではない。

本発明のタイヤの効果を確かめるために、以下に示すように実施例および比較例のタイヤを作製して評価を行った。 実施例および比較例のタイヤを作製するにあたって、各供試タイヤでは、トレッドゴムに下記の表1に示す組成を有するゴム部材1〜5を用いることとした。 なお、表中の「NS」は加硫促進剤NS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)を指し、「CZ」は加硫促進剤(大内新興化学工業製「ノクセラーCZ」)を指す。

なお、ここでの「耐摩耗性」は、JIS K 6264−2:2005に準拠し、ランボーン摩耗試験機を用いて、室温(23℃)でスリップ率25%の条件で試験をし、ゴム部材1〜5について、試験前後の重量を比較してそれぞれの摩耗量を算出し、摩耗量の逆数を、ゴム部材1を100として指数で示した。数値が大きい程、耐摩耗性にすぐれる。

実施例1のタイヤは、図3(a)に示すようなトレッドゴム構造を有しており、第1部分には上記のゴム部材1を用い第2部分31cにはゴム部材4を用いている。また、実施例1のタイヤは、図1、2に示すような、一方側ケース部および他方側ケース部から構成される、分割されたケース部を有している。 実施例2〜4、9のタイヤは、トレッドゴム構造およびトレッドゴムのゴム部材を表2に示すように変更した以外は実施例1のタイヤと同様である。 また、実施例5〜8のタイヤは、分割されていないケース部を有し、トレッドゴム構造およびトレッドゴムのゴム部材を表2に示すように変更した以外は実施例1のタイヤと同様である。

比較例1〜4のタイヤは、トレッドゴム構造およびトレッドゴムのゴム部材を表2に示すように変更した以外は実施例1のタイヤと同様である。 また、比較例5〜8のタイヤは、分割されていないケース部を有し、トレッドゴム構造およびトレッドゴムのゴム部材を表2に示すように変更した以外は実施例1のタイヤと同様である。 なお、比較例1〜8のタイヤのトレッドゴム構造を示す図4(a)、(b)中の符号13、13a、13b、131、131a、131bは、それぞれ、比較例のタイヤのトレッド部、一方側トレッド部、他方側トレッド部、トレッドゴム、トレッドゴム中のトレッドゴム接合部分、トレッドゴム接合部分を含む第1部分を示す。

上記の実施例1〜9および比較例1〜8のタイヤについて、以下に説明する耐摩耗性の評価を行った。 耐摩耗性の評価は、上記供試タイヤを、ドラム試験機に装着した。そして、650Nの荷重を負荷させたタイヤを時速60km/hで、400時間走行させた後、摩耗の程度が最も大きい部位と摩耗の程度が最も小さい部位との差(タイヤ径方向に測定した長さ)を計測した。そして、各供試タイヤの摩耗の差を逆数にし、比較例1のタイヤの値を100として、それぞれ指数表示した。この指数値が大きいほど、摩耗の差が小さく、それゆえに耐摩耗性が良好であることを示す。

表2に示すように、実施例1〜9のタイヤは、トレッドゴム接合部分を含む第1部分の耐摩耗性が、第2部分の耐摩耗性よりも大きいので、第1部分のみがあり、第2部分がない比較例1〜8のタイヤと比較して、耐摩耗性が向上していることが分かる。

本発明によれば、耐摩耗性を向上させることが可能なタイヤを提供することができる。

1:タイヤ 2:ケース部 21:連結部材 21a:第1連結板 21b:第2連結板 21c:一端部(接合部分) 21d:他端部 22:内側円筒状部材 23:外側円筒状部材 3、13:トレッド部 3a、13a:一方側トレッド部 3b、13b:他方側トレッド部 31、131:トレッドゴム 31a、131a:トレッドゴム接合部分 31b、131b:第1部分 31c:第2部分 4:取付け体 41:装着筒部 42:外リング部 43:リブ BL:境界 O:軸線 L:仮想線

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