非空気入りタイヤ

申请号 JP2015060605 申请日 2015-03-24 公开(公告)号 JP2016179731A 公开(公告)日 2016-10-13
申请人 株式会社ブリヂストン; 发明人 長谷川 圭一; 今 誓志; 河野 好秀; 西田 成志; 中嶋 大亮; 豊澤 真一;
摘要 【課題】耐久性を向上させたり、部材の材料や形状の選択の幅を広げたりする。 【解決手段】非空気入りタイヤ1は、車軸に取り付けられる取り付け体11と、取り付け体11をタイヤ径方向の外側から囲繞する外筒体13と、外筒体13をタイヤ径方向の外側から囲繞するトレッド部16と、取り付け体11と外筒体13とを変位自在に連結する連結部材15と、を備え、外筒体13の外周面には、1本のコード42または複数本の並列されたコード42を被覆体中に埋設した素線体を、外筒体13の外周面上で螺旋状に巻回して形成したスパイラル補強層20が接着されている。 【選択図】図1
权利要求

車軸に取り付けられる取り付け体と、 前記取り付け体をタイヤ径方向の外側から囲繞する外筒体と、 前記外筒体をタイヤ径方向の外側から囲繞するトレッド部と、 前記取り付け体と前記外筒体とを変位自在に連結する連結部材と、を備える非空気入りタイヤであって、 前記外筒体の外周面には、1本のコードまたは複数本の並列されたコードを被覆体中に埋設した素線体を、前記外筒体の外周面上で螺旋状に巻回して形成したスパイラル補強層が接着されていることを特徴とする非空気入りタイヤ。前記スパイラル補強層は、前記外筒体のうち、少なくとも、前記連結部材との連結部分を回避した回避部分の外周面に接着されていることを特徴とする請求項1記載の非空気入りタイヤ。前記スパイラル補強層は、前記外筒体の外周面における全域にわたって接着され、 前記スパイラル補強層のうち、前記外筒体の前記回避部分の外周面に接着された部分は、他の部分よりも厚いことを特徴とする請求項2記載の非空気入りタイヤ。前記被覆体は、チウラム系加硫促進剤を含むゴム組成物により形成され、 前記コードは、スチールコードにより形成され、 前記ゴム組成物にはコバルト化合物が含まれ、または、前記スチールコードの表面にはコバルト化合物処理が施され、 前記スパイラル補強層は、前記外筒体の外周面に加硫接着されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の非空気入りタイヤ。前記外筒体の外周面には、プライマー処理が施されプライマー層が形成されていることを特徴とする請求項4記載の非空気入りタイヤ。前記プライマー層は、レゾルシン化合物により形成されていることを特徴とする請求項5記載の非空気入りタイヤ。前記ゴム組成物には、ゴム成分が100質量部に対して、硫黄が5質量部以上配合されていることを特徴とする請求項6記載の非空気入りタイヤ。前記スパイラル補強層は、110℃以下で加硫されていることを特徴とする請求項4から7のいずれか1項に記載の非空気入りタイヤ。

说明书全文

本発明は、使用に際し、内部に加圧空気の充填が不要な非空気入りタイヤに関する。

従来から、下記特許文献1に示すような非空気入りタイヤが知られている。この非空気入りタイヤは、車軸に取り付けられる取り付け体と、取り付け体をタイヤ径方向の外側から囲繞する外筒体と、外筒体をタイヤ径方向の外側から囲繞するトレッド部と、取り付け体と外筒体とを変位自在に連結する連結部材と、を備えている。

特開2013−86712号公報

しかしながら、前記従来の非空気入りタイヤでは、耐久性を向上させたり、例えば外筒体や連結部材など、非空気入りタイヤを構成する各部材の材料や形状の選択の幅を広げたりすることについて改善の余地がある。

本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、耐久性を向上させたり、部材の材料や形状の選択の幅を広げたりすることを目的とする。

前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。 本発明に係る非空気入りタイヤは、車軸に取り付けられる取り付け体と、前記取り付け体をタイヤ径方向の外側から囲繞する外筒体と、前記外筒体をタイヤ径方向の外側から囲繞するトレッド部と、前記取り付け体と前記外筒体とを変位自在に連結する連結部材と、を備える非空気入りタイヤであって、前記外筒体の外周面には、1本のコードまたは複数本の並列されたコードを被覆体中に埋設した素線体を、前記外筒体の外周面上で螺旋状に巻回して形成したスパイラル補強層が接着されていることを特徴とする。

この場合、外筒体の外周面にスパイラル補強層が接着されているので、外筒体の剛性を高めることができる。これにより、例えば、非空気入りタイヤが路面から大きな入を受けたり、路面上の突起が非空気入りタイヤのトレッド部に突き刺さったりするような環境下で使用する場合などにおいても、非空気入りタイヤの耐久性を向上させることができる。 なおスパイラル補強層が、素線体を外筒体の外周面上で螺旋状に巻回することで形成されているので、例えば、外筒体の外周面に補強リングを嵌合させる場合などと比べて、外筒体の剛性が過度に高くなるのを抑制することができる上、例えばタイヤ周方向に延びる帯状部材の周端部同士を互いに重ね合わせる場合などと比べて、スパイラル補強層の厚さを全域にわたって同等にさせ易くすることができる。 さらに、スパイラル補強層を設けることで、外筒体の剛性を高めることができるので、スパイラル補強層以外の各部材の材質や形状によらずに外筒体の剛性を調整し、例えば非空気入りタイヤの縦ばね定数などの特性を調整することができる。したがって、非空気入りタイヤの特性をスパイラル補強層により確保しつつ、スパイラル補強層以外の各部材の材料や形状の選択の幅を広げることができる。なお、スパイラル補強層を設けることなく、外筒体の剛性を高めるために、スパイラル補強層以外の各部材の材質を変更した場合には、他の特性への予期せぬ影響が生じるおそれがあり、また、各部材の形状を変更した場合には、例えば、製造装置の調整に時間的、経済的な負担が生じるおそれがある。 またスパイラル補強層が、素線体を外筒体の外周面上で螺旋状に巻回することで形成されているので、トレッド部を除去した状態で、例えば、コードを、その端部から外筒体に対して引っ張ってコードの外筒体に対する巻回をほどくことで、外筒体からコードを容易に分離することが可能になり、優れたリサイクル性を具備させることができる。

前記スパイラル補強層は、前記外筒体のうち、少なくとも、前記連結部材との連結部分を回避した回避部分の外周面に接着されていてもよい。

この場合、スパイラル補強層が、外筒体のうち、連結部材との連結部分を回避した回避部分の外周面に接着されているので、外筒体の剛性を効果的に高めることが可能になり、非空気入りタイヤの耐久性を確実に向上させることができる。

前記スパイラル補強層は、前記外筒体の外周面における全域にわたって接着され、前記スパイラル補強層のうち、前記外筒体の前記回避部分の外周面に接着された部分は、他の部分よりも厚くてもよい。

この場合、スパイラル補強層のうち、外筒体の回避部分の外周面に接着された部分が、他の部分よりも厚いので、外筒体の剛性を一層効果的に高めることができる。

前記被覆体は、チウラム系加硫促進剤を含むゴム組成物により形成され、前記コードは、スチールコードにより形成され、前記ゴム組成物にはコバルト化合物が含まれ、または、前記スチールコードの表面にはコバルト化合物処理が施され、前記スパイラル補強層は、前記外筒体の外周面に加硫接着されていてもよい。

この場合、スパイラル補強層が、外筒体の外周面に加硫接着されている。したがって、例えばスチールコードが、接着剤を介して外筒体の外周面に接着されていたり、熱溶着により外筒体の外周面に固着されていたりする場合に比べて、スチールコードを外筒体の外周面に、生産性を確保しつつ強固に接着することができる。 また被覆体が、チウラム系加硫促進剤を含むゴム組成物により形成されているので、ゴム組成物を低温(例えば、140℃未満)で加硫することができる。したがって、例えば、外筒体や連結部材が合成樹脂材料などで形成されている場合であっても、スパイラル補強層の加硫温度を、外筒体や連結部材を形成する材料のガラス転移点よりも低くすることができる。これにより、スパイラル補強層を外筒体に加硫接着させる際に、外筒体や連結部材に加熱による影響が生じるのを抑えることができる。 さらに、ゴム組成物にコバルト化合物が含まれ、または、スチールコードの表面にコバルト化合物処理が施されているので、ゴム組成物とスチールコードの接着性を確保することができる。 以上より、外筒体や連結部材に対して加硫の影響が生じるのを抑えつつ、スチールコードを外筒体に、ゴム組成物を介して強固に接着することが可能になり、この非空気入りタイヤの走行耐久性を向上させることができる。

前記外筒体の外周面には、プライマー処理が施されプライマー層が形成されていてもよい。

この場合、外筒体の外周面に、プライマー処理が施されプライマー層が形成されているので、スパイラル補強層を、外筒体の外周面に強固に加硫接着することができる。

前記プライマー層は、レゾルシン化合物により形成されていてもよい。

この場合、プライマー層が、レゾルシン化合物により形成されているので、スパイラル補強層を、外筒体の外周面に一層強固に加硫接着することができる。

前記ゴム組成物には、ゴム成分が100質量部に対して、硫黄が5質量部以上配合されていてもよい。

この場合、ゴム組成物に、ゴム成分が100質量部に対して、硫黄が5質量部以上配合されているので、ゴム組成物を確実に低温で加硫することができる。

前記スパイラル補強層は、110℃以下で加硫されていてもよい。

この場合、スパイラル補強層が、110℃以下で加硫されているので、例えば、外筒体や連結部材の形状を高精度に確保すること等ができる。

本発明によれば、耐久性を向上させたり、部材の材料や形状の選択の幅を広げたりすることができる。

本発明に係る非空気入りタイヤの一実施形態を示す図であって、非空気入りタイヤの一部を分解した概略斜視図である。

図1に示す非空気入りタイヤをタイヤ幅方向の一方側から見たタイヤ側面図である。

図2の要部を示す拡大図である。

図1に示す非空気入りタイヤのうち、第1分割ケース体をタイヤ幅方向の一方側から見たタイヤ側面図、又は、第2分割ケース体をタイヤ幅方向の他方側から見たタイヤ側面図である。

図4に示す第1分割ケース体、又は、第2分割ケース体におけるリング状体についてのタイヤ幅方向に沿う断面図である。

本発明に係る非空気入りタイヤの第1変形例を構成する第1分割ケース体、又は、第2分割ケース体におけるリング状体についてのタイヤ幅方向に沿う断面図である。

本発明に係る非空気入りタイヤの第2変形例を構成する第1分割ケース体、又は、第2分割ケース体におけるリング状体についてのタイヤ幅方向に沿う断面図である。

本発明に係る非空気入りタイヤの第3変形例を構成する第1分割ケース体、又は、第2分割ケース体におけるリング状体についてのタイヤ幅方向に沿う断面図である。

本発明に係る非空気入りタイヤの第4変形例を構成する第1分割ケース体、又は、第2分割ケース体におけるリング状体についてのタイヤ幅方向に沿う断面図である。

本発明に係る非空気入りタイヤの第5変形例を構成する第1分割ケース体、又は、第2分割ケース体におけるリング状体についてのタイヤ幅方向に沿う断面図である。

以下、本発明に係る一実施形態について図面を参照して説明する。 図1及び図2に示すように、本実施形態の非空気入りタイヤ1は、図示しない車軸に取り付けられる取り付け体11と、取り付け体11をタイヤ径方向の外側から囲繞する円筒状のリング状体13(外筒体)と、取り付け体11とリング状体13との間にタイヤ周方向に沿って複数配設されるとともに、取り付け体11とリング状体13とを相対的に弾性変位自在に連結する連結部材15と、リング状体13に外装された円筒状のトレッド部16と、を備えている。

なお、本実施形態の非空気入りタイヤ1は、例えばJIS T 9208に規定されるハンドル形電動車いす等、低速度で走行する小型車両等に採用してもよい。また、非空気入りタイヤ1のサイズとしては、特に限定されるものではないが、例えば3.00−8等としてもよい。また、非空気入りタイヤ1を乗用車用に採用してもよい。この場合のサイズとしては、特に限定されるものではないが、例えば155/65R13等としてもよい。

上述した取り付け体11、リング状体13及びトレッド部16は、それぞれ共通軸と同軸に配設されている。以下、この共通軸を軸線Oといい、軸線Oに沿う方向をタイヤ幅方向H、軸線Oに直交する方向をタイヤ径方向、軸線O回りに周回する方向をタイヤ周方向という。なお、取り付け体11、リング状体13及びトレッド部16は、タイヤ幅方向Hの中央部が互いに一致した状態で配設されている。

取り付け体11は、車軸の先端部が装着される装着筒部17と、装着筒部17をタイヤ径方向の外側から囲繞する外リング部18と、装着筒部17と外リング部18とを連結する複数のリブ19と、を備えている。 装着筒部17、外リング部18及びリブ19は、例えばアルミニウム合金等の金属材料で一体に形成されている。装着筒部17及び外リング部18は、それぞれ円筒状に形成され、軸線Oと同軸に配設されている。複数のリブ19は、例えば周方向に同等の間隔をあけて配置されている。

外リング部18の外周面には、タイヤ径方向の内側に向けて窪み、かつタイヤ幅方向Hに延びるキー溝部18aがタイヤ周方向に間隔をあけて複数形成されている。キー溝部18aは、外リング部18の外周面において、タイヤ幅方向Hの一方側(車体の外側)にのみ開口し、タイヤ幅方向Hの他方側(車体の内側)には閉じている。 外リング部18において、タイヤ周方向で隣り合うキー溝部18a同士の間に位置する部分には、外リング部18をタイヤ径方向に貫通する肉抜き孔18bがタイヤ幅方向Hに間隔をあけて複数形成されている。これら複数の肉抜き孔18bで構成される孔列18cは、タイヤ周方向に間隔をあけて複数形成されている。同様に各リブ19にも、リブ19をタイヤ幅方向Hに貫通する肉抜き孔19aが形成されている。

外リング部18におけるタイヤ幅方向Hの一方側の端縁には、キー溝部18aと対応する位置に、貫通孔28aが形成された板材28が嵌め込まれる凹部18dが形成されている。凹部18dは、タイヤ幅方向Hの他方側に向けて窪んでいる。また、凹部18dを画成する壁面のうちタイヤ幅方向Hの一方側を向く壁面には、凹部18dに嵌め込まれた板材28の貫通孔28aに連通する雌ねじ部が形成されている。 なお、貫通孔28aは、タイヤ周方向に間隔をあけて板材28に複数形成されている。 同様に、雌ねじ部は、タイヤ周方向に間隔をあけて凹部18dの壁面に複数形成されている。図示の例では、貫通孔28a及び雌ねじ部がそれぞれ2つずつ形成されている場合を例にしているが、2つに限定されるものではない。

取り付け体11には、円筒状の外装体12が外嵌されている。外装体12の内周面には、タイヤ径方向の内側に向けて突出するとともに、タイヤ幅方向Hの全長に亘って延びる突条部12aが形成されている。突条部12aは、外装体12の内周面にタイヤ周方向に間隔をあけて複数形成され、取り付け体11に形成されたキー溝部18aに対して各別に嵌合している。 そして、外装体12は、突条部12aがキー溝部18aに嵌合された状態で、凹部18dに嵌め込んだ板材28の貫通孔28aを通して図示しないボルトを雌ねじ部に螺合させることにより、取り付け体11に固定されている。

なお、キー溝部18aを画成する壁面のうち、タイヤ周方向で互いに対向する一対の側壁面と底壁面とは直交するように形成されている。また、突条部12aの外表面のうち、外装体12の内周面から立ち上がる一対の側壁面とタイヤ径方向の内側を向く頂壁面とについても、同様に直交するように形成されている。そして、突条部12a及びキー溝部18aのタイヤ周方向の大きさは、互いに同等とされている。 このような構成により、突条部12aはキー溝部18a内にがたつき少なく精度よく嵌合されている。

連結部材15は、取り付け体11の外周面側とリング状体13の内周面側とを相対的に弾性変位自在に連結している。図示の例では連結部材15は、取り付け体11に外嵌された外装体12の外周面とリング状体13の内周面とを互いに連結する第1連結板21及び第2連結板22を備えている。第1連結板21及び第2連結板22は、ともに弾性変形可能な板材とされている。

第1連結板21は、タイヤ幅方向Hに沿う一方側の位置にタイヤ周方向に沿って複数配置されている。第2連結板22は、タイヤ幅方向Hに沿う他方側の位置にタイヤ周方向に沿って複数配置されている。すなわち、第1連結板21及び第2連結板22は、タイヤ幅方向Hに互いに間隔をあけて配置され、それぞれの位置でタイヤ周方向に沿って複数配置されている。例えば、第1連結板21及び第2連結板22は、タイヤ周方向に沿ってそれぞれ60個ずつ設けられている。

複数の連結部材15は、外装体12とリング状体13との間において、軸線Oを基準に回転対称となる位置に各別に配置されている。また、全ての連結部材15は互いに同形同大とされ、連結部材15のタイヤ幅方向Hに沿った横幅はリング状体13のタイヤ幅方向Hに沿った横幅より小さい。 そして、タイヤ周方向で隣り合う第1連結板21同士は互いに非接触とされている。同様に、タイヤ周方向で隣り合う第2連結板22同士も互いに非接触とされている。また、タイヤ幅方向Hで隣り合う第1連結板21及び第2連結板22同士も互いに非接触とされている。さらに、第1連結板21及び第2連結板22は、タイヤ幅方向Hに沿った横幅及び厚さが互いに同等とされている。

図3に示すように、第1連結板21のうち、リング状体13に連結された一端部(外端部)21aは、外装体12に連結された他端部(内端部)21bよりもタイヤ周方向の一方側に位置している。これに対して、第2連結板22のうち、リング状体13に連結された一端部(外端部)22aは、外装体12に連結された他端部(内端部)22bよりもタイヤ周方向の他方側に位置している。 そして、1つの連結部材15を構成する第1連結板21及び第2連結板22の各一端部21a、22aは、リング状体13の内周面において、タイヤ幅方向Hの位置を互いに異ならせた状態でタイヤ周方向における同一の位置に連結されている。

第1連結板21及び第2連結板22には、一端部21a、22aと他端部21b、22bとの間に位置する中間部分に、タイヤ周方向に湾曲する湾曲部21d〜21f、22d〜22fが複数形成されている。 これら複数の湾曲部21d〜21f、22d〜22fは、非空気入りタイヤ1をタイヤ幅方向Hから見たタイヤ側面視で、第1連結板21及び第2連結板22が延びる延在方向に沿って形成されている。図示の例では、第1連結板21における複数の湾曲部21d〜21fと、第2連結板22における複数の湾曲部22d〜22fとは、上記延在方向で互いに隣り合うとともに、湾曲方向が互いに逆向きとされている。

第1連結板21に形成された複数の湾曲部21d〜21fは、タイヤ周方向の他方側に向けて突となるように湾曲した第1湾曲部21dと、第1湾曲部21dと一端部21aとの間に位置し、かつタイヤ周方向の一方側に向けて突となるように湾曲した第2湾曲部21eと、第1湾曲部21dと他端部21bとの間に位置し、かつタイヤ周方向の一方側に向けて突となるように湾曲した第3湾曲部21fと、を有している。第2湾曲部21eは一端部21aに連なっている。

第2連結板22に形成された複数の湾曲部22d〜22fは、タイヤ周方向の一方側に向けて突となるように湾曲した第1湾曲部22dと、第1湾曲部22dと一端部22aとの間に位置し、かつタイヤ周方向の他方側に向けて突となるように湾曲した第2湾曲部22eと、第1湾曲部22dと他端部22bとの間に位置し、かつタイヤ周方向の他方側に向けて突となるように湾曲した第3湾曲部22fと、を有している。第2湾曲部22eは一端部22aに連なっている。

図示の例では、第1湾曲部21d、22dは、第2湾曲部21e、22e及び第3湾曲部21f、22fよりも、タイヤ側面視の曲率半径が大きく形成され、第1連結板21及び第2連結板22の延在方向における中央部に配置されている。

第1連結板21及び第2連結板22の長さは、互いに同等とされている。第1連結板21及び第2連結板22の他端部21b、22bは、タイヤ側面視で、外装体12の外周面において一端部21a、22aとタイヤ径方向で対向する位置から、軸線Oを中心にタイヤ周方向における一方側及び他方側にそれぞれ同じ距離離れた位置に各別に連結されている。 具体的には、第1連結板21の一端部21aと他端部21bとを結んだ線と、第2連結板22の一端部22aと他端部22bとを結んだ線とのなす度が、例えば20°以上135°以下の角度となるように、第1連結板21及び第2連結板22の他端部21b、22bが外装体12の外周面に連結されている。 また、第1連結板21及び第2連結板22それぞれの第1湾曲部21d、22d同士、第2湾曲部21e、22e同士、並びに第3湾曲部21f、22f同士は、互いにタイヤ周方向に突となる向きが逆で、かつ大きさが同等とされている。

以上の構成により、各連結部材15のタイヤ側面視の形状は、図3に示されるように、タイヤ径方向に沿って延在し、かつ第1連結板21及び第2連結板22の各一端部21a、22aを通る仮想線Lを対称軸として線対称とされている。

上述した外装体12、リング状体13及び複数の連結部材15は、例えば合成樹脂材料により一体に形成されている。合成樹脂材料としては、例えば1種だけの樹脂材料、2種類以上の樹脂材料を含む混合物、又は1種以上の樹脂材料と1種以上のエラストマーとを含む混合物であってもよく、さらに、例えば老化防止剤、可塑剤、充填剤、若しくは顔料等の添加物を含んでもよい。なお合成樹脂材料としては、例えばABS樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、アミド系熱可塑性エラストマー(TPA)等を採用することができる。

ところで、外装体12は、図1に示されるように、タイヤ幅方向Hの一方側に位置する第1外装体25と、タイヤ幅方向Hの他方側に位置する第2外装体26と、に分割されている。同様に、リング状体13は、タイヤ幅方向Hの一方側に位置する第1リング状体23と、タイヤ幅方向Hの他方側に位置する第2リング状体24と、に分割されている。 図示の例では、外装体12及びリング状体13は、それぞれタイヤ幅方向Hの中央部で分割されている。

そして、第1外装体25及び第1リング状体23は、第1連結板21と例えば射出成形により一体に形成されている。第2外装体26及び第2リング状体24は、第2連結板22と例えば射出成形により一体に形成されている。 以下、第1外装体25、第1リング状体23及び第1連結板21が一体に形成されたユニットを第1分割ケース体31といい、第2外装体26、第2リング状体24及び第2連結板22が一体に形成されたユニットを第2分割ケース体32という。

なお、射出成形としては、第1分割ケース体31を例にすると、第1分割ケース体31の全体を同時に成形する一般的な方法であってもよいし、第1外装体25、第1リング状体23及び第1連結板21のうちの一部をインサート品として残りを射出成形するインサート成形でもよいし、或いはいわゆる二色成形等であってもよい。なお、第1分割ケース体31の全体を同時に射出成形する場合には、外装体12に形成された複数の突条部12aをゲート部分としてもよい。 これらの点は、第2分割ケース体32においても同様である。

また、射出成形する際、第1分割ケース体31を例にすると、第1外装体25と、第1リング状体23と、第1連結板21とを互いに異なる材質で形成してもよいし、同一の材質で形成してもよい。この材質としては、例えば金属材料や樹脂材料等が挙げられるが、軽量化の観点から樹脂材料、特に熱可塑性樹脂が好ましい。 これらの点は、第2分割ケース体32においても同様である。

第1分割ケース体31及び第2分割ケース体32のそれぞれにおいて、第1連結板21及び第2連結板22のタイヤ幅方向Hの中央部、第1リング状体23及び第2リング状体24のタイヤ幅方向Hの中央部、並びに第1外装体25及び第2外装体26のタイヤ幅方向Hの中央部の中央部同士は、タイヤ幅方向Hに沿って互いに同等の位置に配置されている。

ただしこれに限定されるものではなく、第1分割ケース体31及び第2分割ケース体32のそれぞれにおいて、第1連結板21及び第2連結板22のタイヤ幅方向Hの中央部が、第1リング状体23及び第2リング状体24のタイヤ幅方向Hの中央部よりも、タイヤ幅方向Hの内側(中央側)に位置していてもよい。また、第1外装体25及び第2外装体26のタイヤ幅方向Hの中央部が、第1連結板21及び第2連結板22のタイヤ幅方向Hの中央部よりも、タイヤ幅方向Hの内側に位置していてもよい。

第1リング状体23及び第2リング状体24は、タイヤ幅方向Hに向かい合う端縁同士が、例えば溶着、融着若しくは接着等により連結されている。なお、溶着の場合には、例えば熱板溶着等を採用してもよい。同様に、第1外装体25及び第2外装体26は、タイヤ幅方向Hに向かい合う端縁同士が接している。

ただし、第1外装体25及び第2外装体26を、第1リング状体23及び第2リング状体24よりもタイヤ幅方向Hに沿った横幅が小さくなるように形成しても構わない。 この場合には、第1外装体25及び第2外装体26は、第1分割ケース体31及び第2分割ケース体32の連結時、タイヤ幅方向Hに向かい合う端縁同士がタイヤ幅方向Hに離間する。従って、取り付け体11に外嵌される外装体12の内周面に例えばバリが生じることを防止することができる。

第1分割ケース体31及び第2分割ケース体32は、図4に示されるように互いに同形同大とされている。そして、上述のように第1分割ケース体31及び第2分割ケース体32を一体に連結する際、各連結部材15がタイヤ側面視で上述のように線対称となるように、第1分割ケース体31及び第2分割ケース体32をタイヤ周方向に位置合わせつつ、第1分割ケース体31及び第2分割ケース体32の向きをタイヤ幅方向Hで互いに逆向きにした状態で、第1リング状体23及び第2リング状体24のタイヤ幅方向Hの端縁同士を突き合わせて連結する。 その後、一体に組み合わせた第1分割ケース体31及び第2分割ケース体32に対して、トレッド部16を設けることで、非空気入りタイヤ1を得ることができる。

ここで図5に示されるように、リング状体13の外周面には、スパイラル補強層20が接着されている。スパイラル補強層20は、例えば樹脂材料などで形成される被覆体41中に1本のコード42を埋設した素線体43を、リング状体13の外周面上で螺旋状に巻回して形成される。素線体43がリング状体13の外周面上に螺旋状に巻回されることで、素線体43がこの外周面上でタイヤ幅方向Hに隣り合う。素線体43においてタイヤ幅方向Hに隣り合う部分の被覆体41同士がタイヤ幅方向Hに一体に固着されることで、リング状体13の外周面上に、被覆体41からなるベース層44が形成される。スパイラル補強層20は、このベース層44に、螺旋状の延びる1本のコード42が埋設されてなる。なお前記コード42としては、例えばスチールコード等が挙げられる。

スパイラル補強層20は、リング状体13のうち、少なくとも、連結部材15(第1連結板21、第2連結板22)との連結部分13aを回避した回避部分13bの外周面に接着され、本実施形態では、リング状体13の外周面における全域にわたって接着されている。なお図示の例では、リング状体13の回避部分13bは、第1分割ケース体31又は第2分割ケース体32におけるリング状体13である第1リング状体23又は第2リング状体24のタイヤ幅方向Hの両端部とされ、リング状体13の連結部分13aは、第1リング状体23又は第2リング状体24のタイヤ幅方向Hの中央部となっている。すなわち、リング状体13の回避部分13bは、リング状体13のタイヤ幅方向Hに断面視において、連結部材15との連結部分13aを回避した部分である。

本実施形態では、スパイラル補強層20は、第1リング状体23又は第2リング状体24に各別に設けられている。前記素線体43のタイヤ幅方向Hの大きさは、第1リング状体23又は第2リング状体24のタイヤ幅方向Hの大きさよりも小さい。スパイラル補強層20は、リング状体13の外周面に1層設けられた単層構造とされている。

スパイラル補強層20をリング状体13の外周面に接着する方法の一例としては、例えば以下のような方法が挙げられる。

第1の方法としては、素線体43をリング状体13の外周面に溶着させることで、スパイラル補強層20を形成する方法が挙げられる。 この方法では、まず、素線体43の被覆体41およびリング状体13の外周面それぞれを加熱して溶融させ、素線体43の端部をリング状体13の外周面に溶着させる。その後、加熱を継続しつつ、第1分割ケース体31(又は第2分割ケース体32)を軸線O回りに回転させながら、素線体43を、第1分割ケース体31(又は第2分割ケース体32)に対してタイヤ幅方向Hに移動させてリング状体13の外周面に巻回させる。これにより、素線体43がリング状体13に螺旋状に巻回されてスパイラル補強層20が形成される。このようなスパイラル補強層20においては、素線体43の長さ方向の両端部の位置はタイヤ幅方向Hにずらされることとなり、これらの両端部は互いに非接合となっている。なお、被覆体41の融点とリング状体13の融点とを同等としてもよく、この場合、素線体43をリング状体13に確実に溶着させることができる。

第2の方法としては、スパイラル補強層20を、リング状体13の外周面に加硫接着させる方法が挙げられる。 この方法では、被覆体41を、チウラム系加硫促進剤を含むゴム組成物により形成し、コード42を、スチールコードにより形成する。ゴム組成物には、ゴム成分100質量部に対して、硫黄を5質量部以上配合する。さらに、ゴム組成物にコバルト化合物を含ませ、および/または、スチールコードの表面にコバルト化合物処理を施す。さらにまた、リング状体13の外周面に、プライマー処理を施しプライマー層を形成する。プライマー層は、レゾルシン化合物により形成することが好ましい。 そしてこの方法では、素線体43をリング状体13の外周面上で螺旋状に巻回してスパイラル補強層20を形成した後、第1分割ケース体31(又は第2分割ケース体32)の全体を金型内で加熱、加圧し、スパイラル補強層20をリング状体13の外周面に加硫接着する。なお、このときの加硫温度は、110℃以下であることが好ましい。 ところで、スチールコードの表面へのコバルト化合物処理は、スチールコードを構成するスチールワイヤを、コバルト塩を含む溶液によって洗浄した後、複数本撚り合せることで実施することができる。前記コバルト塩としては、塩化コバルト、硝酸コバルト、硫酸コバルト、酢酸コバルト、クエン酸コバルト、グルコン酸コバルト、アセチルアセトナトコバルト等が挙げられる。なお、コバルト塩を含む水溶液のpHは、5〜8の範囲であることが好ましい。また、前記スチールワイヤには、ブラスメッキが施されていてもよい。

図1に示すように、トレッド部16は、円筒状に形成され、リング状体13の外周面側を全域に亘って一体に覆っている。トレッド部16の内周面は、全域に亘って、スパイラル補強層20を介してリング状体13の外周面に対して密接している。トレッド部16は、例えば、天然ゴム又は/及びゴム組成物が加硫された加硫ゴム、或いは熱可塑性材料等で形成されている。 熱可塑性材料として、例えば熱可塑性エラストマー若しくは熱可塑性樹脂等が挙げられる。熱可塑性エラストマーとしては、例えばJIS K6418に規定されるアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、エステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、熱可塑性ゴム架橋体(TPV)、若しくはその他の熱可塑性エラストマー(TPZ)等が挙げられる。 熱可塑性樹脂としては、例えばウレタン樹脂、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、若しくはポリアミド樹脂等が挙げられる。なお、耐摩耗性の観点ではトレッド部16を加硫ゴムで形成するのが好ましい。

以上説明したように、本実施形態に係る非空気入りタイヤ1によれば、リング状体13の外周面にスパイラル補強層20が接着されているので、リング状体13の剛性を高めることができる。これにより、例えば、非空気入りタイヤ1が路面から大きな入力を受けたり、路面上の突起が非空気入りタイヤ1のトレッド部16に突き刺さったりするような環境下で使用する場合などにおいても、非空気入りタイヤ1の耐久性を向上させることができる。 なおスパイラル補強層20が、素線体43をリング状体13の外周面上で螺旋状に巻回することで形成されているので、例えば、リング状体13の外周面に補強リングを嵌合させる場合などと比べて、リング状体13の剛性が過度に高くなるのを抑制することができる上、例えばタイヤ周方向に延びる帯状部材の周端部同士を互いに重ね合わせる場合などと比べて、スパイラル補強層20の厚さを全域にわたって同等にさせ易くすることができる。

さらに、スパイラル補強層20を設けることで、リング状体13の剛性を高めることができるので、スパイラル補強層20以外の各部材の材質や形状によらずにリング状体13の剛性を調整し、例えば非空気入りタイヤ1の縦ばね定数などの特性を調整することができる。したがって、非空気入りタイヤ1の特性をスパイラル補強層20により確保しつつ、スパイラル補強層20以外の各部材の材料や形状の選択の幅を広げることができる。なお、スパイラル補強層20を設けることなく、リング状体13の剛性を高めるために、スパイラル補強層20以外の各部材の材質を変更した場合には、他の特性への予期せぬ影響が生じるおそれがあり、また、各部材の形状を変更した場合には、例えば、製造装置の調整に時間的、経済的な負担が生じるおそれがある。

またスパイラル補強層20が、素線体43をリング状体13の外周面上で螺旋状に巻回することで形成されているので、トレッド部16を除去した状態で、例えば、コード42を、その端部からリング状体13に対して引っ張ってコード42のリング状体13に対する巻回をほどくことで、リング状体13からコード42を容易に分離することが可能になり、優れたリサイクル性を具備させることができる。

またスパイラル補強層20が、リング状体13のうち、連結部材15との連結部分13aを回避した回避部分13bの外周面に接着されているので、リング状体13の剛性を効果的に高めることが可能になり、非空気入りタイヤ1の耐久性を確実に向上させることができる。

ここでスパイラル補強層20が、リング状体13の外周面に加硫接着されている。したがって、例えばスチールコードが、接着剤を介してリング状体13の外周面に接着されていたり、熱溶着によりリング状体13の外周面に固着されていたりする場合に比べて、スチールコードをリング状体13の外周面に、生産性を確保しつつ強固に接着することができる。 また被覆体41が、チウラム系加硫促進剤を含むゴム組成物により形成されているので、ゴム組成物を低温(例えば、140℃未満)で加硫することができる。したがって、例えば、リング状体13や連結部材15が合成樹脂材料などで形成されている場合であっても、スパイラル補強層20の加硫温度を、リング状体13や連結部材15を形成する材料のガラス転移点よりも低くすることができる。これにより、スパイラル補強層20をリング状体13に加硫接着させる際に、リング状体13や連結部材15に加熱による影響が生じるのを抑えることができる。 さらに、ゴム組成物にコバルト化合物が含まれ、または、スチールコードの表面にコバルト化合物処理が施されているので、ゴム組成物とスチールコードの接着性を確保することができる。 以上より、リング状体13や連結部材15に対して加硫の影響が生じるのを抑えつつ、スチールコードをリング状体13に、ゴム組成物を介して強固に接着することが可能になり、この非空気入りタイヤ1の走行耐久性を向上させることができる。

またリング状体13の外周面に、プライマー処理が施されプライマー層が形成されているので、スパイラル補強層20を、リング状体13の外周面に強固に加硫接着することができる。 さらにプライマー層が、レゾルシン化合物により形成されているので、スパイラル補強層20を、リング状体13の外周面に一層強固に加硫接着することができる。

またゴム組成物に、ゴム成分が100質量部に対して、硫黄が5質量部以上配合されているので、ゴム組成物を確実に低温で加硫することができる。 さらにスパイラル補強層20が、110℃以下で加硫されているので、例えば、リング状体13や連結部材15の形状を高精度に確保すること等ができる。

なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。

例えば、スパイラル補強層20として、図6から図10それぞれに示す構成を採用してもよい。

図6に示す第1変形例では、スパイラル補強層20が、全域にわたって2層構造(多層構造)となっている。なおこの場合、タイヤ径方向の内側に位置するスパイラル補強層20である内層20aと外側に位置するスパイラル補強層20である外層20bとで、素線体43の巻回時に素線体43をリング状体13に対して移動させるタイヤ幅方向Hの向きを、互いに反対側にしてもよい。

図7に示す第2変形例では、第1変形例と同様に、スパイラル補強層20が、2層構造となっているものの、内層20aと外層20bとで、素線体43のコード42の外径が異なっている。図示の例では、内層20aのコード42の外径が、外層20bのコード42の外径よりも大きい。

図8に示す第3変形例及び図9に示す第4変形例では、スパイラル補強層20が、部分的に2層構造となっている。外層20bは、内層20aにおけるタイヤ幅方向Hの両端部に限定して配置されている。これにより、スパイラル補強層20のうち、リング状体13の回避部分13bの外周面に接着された部分が、他の部分よりも厚くなっており、リング状体13の剛性が効果的に高められている。なお第3変形例では、内層20aのコード42の外径が、外層20bのコード42の外径よりも大きいのに対して、第4変形例では、内層20aのコード42の外径が、外層20bのコード42の外径よりも小さい。

図10に示す第5変形例では、スパイラル補強層20が1層であるものの、タイヤ幅方向Hの位置によりコード42の外径が異なっている。スパイラル補強層20のうち、タイヤ幅方向Hの外側に位置するコード42の外径は、タイヤ幅方向Hの中央部に位置するコード42の外径よりも大きくなっている。これにより、スパイラル補強層20のうち、リング状体13の回避部分13bの外周面に接着された部分が、他の部分よりも厚くなっている。

また、上記実施形態では、スパイラル補強層20は、リング状体13の外周面における全域にわたって接着されているが、本発明はこれに限られない。例えば、スパイラル補強層20が、リング状体13の外周面の一部分に限定して設けられていてもよい。 また、素線体43として、タイヤ幅方向Hに並列された複数本のコード42を被覆体41中に埋設した構成を採用することもできる。この場合、スパイラル補強層20では、複数本のコード42がそれぞれ並行してリング状体13の外周面に螺旋状に巻回されることになる。

また、上記実施形態では、連結部材15として第1連結板21及び第2連結板22をそれぞれ1つずつ備えた構成を示したが、これに代えて、1つの連結部材15に第1連結板21及び第2連結板22がそれぞれ複数ずつ、互いのタイヤ幅方向Hの位置を異ならせて備えられていてもよい。また、連結部材15を、外装体12とリング状体13との間にタイヤ幅方向Hに沿って複数設けてもよい。

また、第1連結板21及び第2連結板22の他端部21b、22bは、上記実施形態に代えて、例えば外装体12の外周面において軸線Oをタイヤ径方向で挟んで互いに反対となる各位置に各別に連結してもよいし、或いは、外装体12の外周面において、第1連結板21及び第2連結板22の各一端部21a、22aにタイヤ径方向で対向する位置等に連結してもよい。また、上記実施形態に代えて、第1連結板21及び第2連結板22の各一端部21a、22aを、リング状体13の内周面にタイヤ周方向位置を互いに異ならせて連結してもよい。

さらに、上記実施形態において、第1外装体25と第2外装体26との間にタイヤ幅方向Hの隙間を設けてもよく、或いは設けなくてもよい。また、外装体12及びリング状体13をタイヤ幅方向Hに3つ以上に分割してもよいし、分割しなくてもよい。

さらに、上記実施形態では、外装体12、リング状体13、連結部材15を例えば射出成形により一体に形成したが、射出成形に限らず例えば鋳造等で一体に形成しても構わない。また、外装体12、リング状体13、連結部材15を個別に形成した後、これらを互いに連結してもよい。 また、外装体12と取り付け体11とを一体に形成しても構わない。つまり外装体12を取り付け体11に含めてもよい。 さらに、上述した実施形態では、外装体12を介して連結部材15を取り付け体11に間接的に連結する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば取り付け体11に連結部材15を直接的に連結する構成としても構わない。

その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及びなお書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。

次に、以上に説明した作用効果についての検証試験を実施した。この検証試験では、リング状体に対するスチールコードの接着強度に基づく走行耐久性について検証した。

この検証試験では、実施例、比較例の各非空気入りタイヤにおいて、スパイラル補強層を構成するゴム組成物やスチールコードを異ならせたり、リング状体に対するスチールコードの接着方法を異ならせたりした。

ゴム組成物として、以下の表1に示すA〜Dの配合からなるゴム組成物を採用した。

なお表1中の「加硫促進剤(1)」には、大内新興化学工業(株)製の「ノクセラーDZ」(N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)を採用した。「老化防止剤」には、大内新興化学工業(株)製の「ノクラック6C」(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)を採用した。「加硫促進剤(2)」には、大内新興化学工業(株)製の「ノクセラーTOT−N」(テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド)を採用した。「加硫促進剤(2)」は、チウラム系加硫促進剤である。「コバルト化合物」には、OMG製の「マノボンドC22.5」(コバルト含有量:22.5質量%)を採用した。

スチールコードとして、A、B2種類のスチールコードを採用した。スチールコードAは、ブラスメッキが施されたスチールワイヤにより形成されたスチールコードである。スチールコードBは、ブラスメッキが施されたスチールワイヤであって、さらにコバルト化合物処理が施されたスチールワイヤにより形成されたスチールコードである。

以上のゴム組成物A〜DおよびスチールコードA、Bを組み合わせ、以下の表2、表3に示す実施例1〜6の非空気入りタイヤ、比較例1〜5の非空気入りタイヤを形成した。なお表2、3には、後述する試験結果も併せて記載している。

ここで実施例1〜6および比較例3、4は、図1〜図5に示す非空気入りタイヤ1と同等の形状とし、スパイラル補強層20を単層構造とした。これらの非空気入りタイヤでは、ゴム組成物を加硫しており、スチールコードをリング状体にゴム組成物を介して接着した。比較例1では、ゴム組成物(被覆体)で被覆されていないスチールコードをリング状体に接着剤を介して接着した。比較例2では、ゴム組成物(被覆体)で被覆されていないスチールコードを加熱してリング状体に熱溶着した。比較例5では、リング状体にスパイラル補強層を設けなかった。

実施例1〜6の非空気入りタイヤにおいて、チウラム系加硫促進剤およびコバルト化合物の有無について着目すると、以下のようになる。すなわち、実施例1では、ゴム組成物にコバルト化合物が含まれている。実施例2では、ゴム組成物にチウラム系加硫促進剤およびコバルト化合物の両方が含まれている。実施例3では、ゴム組成物にコバルト化合物が含まれている上、スチールコードにコバルト化合物処理が施されている。実施例4では、ゴム組成物にチウラム系加硫促進剤が含まれている上、スチールコードにコバルト化合物処理が施されている。実施例5では、スチールコードにコバルト化合物処理が施されている。実施例6では、ゴム組成物にチウラム系加硫促進剤およびコバルト化合物の両方が含まれている上、スチールコードにコバルト化合物処理が施されている。

以上の実施例1〜6および比較例1〜5の各非空気入りタイヤについて、同一条件で走行耐久性の試験を行った。各非空気入りタイヤの試験結果について、実施例1の非空気入りタイヤの試験結果を基準値100として指数評価した。評価は、表2、3の最下行に示されている。なお評価値は、数値が高いほど走行耐久性に優れていることを意味する。

これらの結果から、実施例1〜6はいずれも、比較例1〜5に比べて走行耐久性が顕著に向上していることが確認された。

1…非空気入りタイヤ 11…取り付け体 13…リング状体(外筒体) 13a…連結部分 13b…回避部分 15…連結部材 16…トレッド部 20…スパイラル補強層 41…被覆体 42…コード 43…素線体

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