道路及びタイヤの状態を音響検出する方法

申请号 JP2016541391 申请日 2014-12-15 公开(公告)号 JP2017505430A 公开(公告)日 2017-02-16
申请人 コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン; コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン; ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム; ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム; 发明人 アントワーヌ パテュール; アントワーヌ パテュール; ジェローム アントーニ; ジェローム アントーニ;
摘要 【課題】速度効果を除去して実質的に属性による測定の変動を防ぐこと。【解決手段】道路(G)の状態及び前記道路上を走行する車両(C)に装着されたタイヤ(T)の状態を特定する方法であって、所定のタイムフレームの間に道路の表面を走行するタイヤから発生する音響 信号 の測定値を記録する段階と、所定の周 波数 区間にわたる音響信号のパワーのスペクトル 密度 を特定する段階と、周波数区間を所定幅の複数の周波数帯域にセグメント化する段階であって、周波数帯域の各々は、周波数帯域で測定した平均音響パワーを表すデータ要素に関連付けされ、測定値から取得した表示データは、測定値に関連するベクトルの変数を形成する、段階と、学習ベースを使用するデータの判別解析を用いて、完全な測定値に関連するベクトルに対応する道路及びタイヤの状態を特定する段階と、を含む。測定値に関連するベクトルの変数を形成する表示データは、特定の周波数帯域で測定した平均音響パワーと全周波数区間で測定した全音響パワーとの比率を見出すことで得られる。【選択図】図1
权利要求

道路(G)の状態及び前記道路上を走行する車両(C)に装着されたタイヤ(T)の状態を特定する方法であって、 所定のタイムフレームの間に前記道路の表面を走行する前記タイヤから発生する音響信号の測定値を記録する段階と、 所定の周波数区間にわたる前記音響信号のパワーのスペクトル密度を特定する段階と、 前記周波数区間を所定幅の複数の周波数帯域にセグメント化する段階であって、前記周波数帯域の各々は、前記周波数帯域で測定した平均音響パワーを表すデータ要素に関連付けされ、測定値から取得した前記表示データは、前記測定値に関連するベクトルの変数を形成する、段階と、 各々が所定の前記道路及び前記タイヤの状態を示す属性による公知の走行状態において、前記の段階と同じ段階で、学習ベースを使用する前記データの判別解析を用いて、完全な測定値に関連するベクトルに対応する前記道路及び前記タイヤの状態を特定する段階と、 を含み、 前記測定値に関連するベクトルの前記変数を形成する前記表示データは、特定の周波数帯域で測定した前記平均音響パワーと前記全周波数区間で測定した全音響パワーとの比率を見出すことで得られる、ことを特徴とする方法。前記全測定音響パワーは、対象とする前記周波数区間の前記周波数帯域の全ての前記平均音響パワーの合計に等しい、請求項1に記載の方法。前記周波数帯域は、前記周波数区間を1/3オクターブに分割することで特定される、請求項1又は2に記載の方法。前記測定値のタイムフレームは、0.5秒以下であり、好ましくは0.25秒以下である、請求項1から3のいずれかに記載の方法。前記周波数区間は、0Hzから20kHzの範囲である、請求項1から4のいずれかに記載の方法。前記周波数区間は、200Hzから20kHzの範囲にある、請求項1から4のいずれかに記載の方法。前記道路の異なる気象条件で構成される「気象」属性のクラスは、乾燥状態、湿潤状態、及び濡れ状態を含む、請求項1から6のいずれかに記載の方法。前記路面の異なる状態で構成される「表面状態」属性のクラスは、閉じた状態(f)、中間状態(m)、及び開いた状態(o)を含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。前記タイヤの異なる摩耗状態で構成される「摩耗」属性のクラスは、新品状態(N)、半摩耗状態(M)、及び摩耗した状態(U)を含む、請求項1から8のいずれかに記載の方法。タイヤトレッドパターンの異なるタイプで構成される「トレッドパターン」属性のクラスは、夏用パターン(P)及び冬用パターン(A)を含む、請求項1から9のいずれかに記載の方法。前記データの前記判別解析は、 前記学習ベースを用いて縮小判別空間を特定する段階であって、属性の各々又は属性の組み合わせで形成される領域は、前記空間内に規定される、段階と、 測定値に関連するベクトルを前記縮小判別空間に変換する段階であって、前記ベクトルの位置に基づいて、確率は、前記属性の各々(乾燥、湿潤、濡れ、閉じた、開いた、中間、摩耗した、半摩耗、新品、夏用、冬用)又は前記属性の組み合わせ(ANf、ANm、ANo、AMf、AMm、AMo、AUf、AUm、AUo、PNf、PNm、PNo、PMf、PMm、PMo、PUf、PUm、PUo)による前記測定値に関連付けされる、段階と、 前記属性のクラス(「気象」、「表面状態」、「摩耗」、「トレッドパターン」)の各々によって、最も可能性が高い属性を特定する段階と、 を含む、請求項1から10のいずれかに記載の方法。乾燥道路上でもたらされた前記測定値が事前に特定された後で、前記「表面状態」、「摩耗」、又は「トレッドパターン」属性による属性は、前記測定値に関連付けされる、請求項11に記載の方法。前記属性のクラスに関して、確率が、前記属性を含む前記属性の組み合わせの各々による前記測定値に関連付けされ、 前記最大の確率を有する前記属性のクラスは、前記測定値に起因する、請求項11に記載の方法。前記タイヤの前記状態の解析結果は、異なる時間間隔でもたらされた測定値の結果を組み合わせることで、「摩耗」属性又は「トレッドパターン」属性によってもたらされる、請求項13に記載の方法。前記タイヤ(T)から発生した前記音響信号は、車両(C)の後部に配置されたホイールハウジングの前方に取り付けられたマイクロホン(1)を用いて測定する、請求項1から14のいずれかに記載の方法。

说明书全文

本発明は、道路及びこの道路上を移動する車両に装着されたタイヤの状態を地面と接触する場合にタイヤから発生する騒音に基づいて検出する方法に関する。

運転者又は運転者支援システムと相互作用するために全ての瞬間において道路又はタイヤの状態を知ることは有用であり、リアルタイムに走行状態の変化、一般的にはタイヤグリップ及び車両ハンドリング状態の起こり得る変化を知ることができる。

従って、この方法の目的は、乾燥、湿潤、濡れ、又は積地面の各走行条件の間の変化といった気象条件の変化を表示することである。このことは、道路状態が変化した場合にタイヤから発生する音の周波数及び強度が変化するのを見出すことに基づいており、タイヤ及び道路の近くに配置されたマイクロホンによる録音を解析するものである。

道路の気象条件は、慎重に選択した比率を用いて、又は予め記録したデータとこのスペクトルを比較することで、音響パワーの周波数スペクトルの記録から求める。

しかしながら、これら全ての方法の正確性及び信頼性は、主として追加のパラメータの導入に依存することが分かっており、このパラメータは、走行速度、温度、又は車両荷重の知識、摩耗の程度又は使用するトレッドパターンのタイプ、又は最も複雑な方法では車両前方の道路の視覚的状况の記録である。従って、複数のセンサから取得したデータを組み合わせる必要があり、このことは提案された装置を使用するコストに何らかの影響を与える。

本発明の目的は、道路の気象条件を特定する問題点に対する堅牢な解決策を提供する点にある。同時に、予想外に、録音だけに基づいて、表面のタイプ、タイヤ摩耗の程度、又は使用するトレッドパターンのタイプ等の他のパラメータを特定するために本発明が提示する方法を用いることができる。

録音は、車両上に注意深く配置したマイクロホンを用いて行う。音響パワーのスペクトル密度は、所定の周波数区間にわたって分布する。このスペクトルは、気象条件、道路状態、タイヤの摩耗度合い、タイヤのトレッドパターンのタイプ、及びそれほどではないにしても、膨張圧、荷重等の属性セットの関数として変化する。このスペクトルを変更する可能性のある1つの主たる属性は、他の全ての条件が同じとすれば、測定を行う瞬間の車両速度である。

この変動は、測定値に基づくパワースペクトルを考慮する代わりに、全ての周波数区間にわたる測定時間の間に記録した全音響パワーを使用して、測定データを「正規化」することでスペクトルを再計算する場合に、実質的に無効化することができることが立証されている。この目的は、速度効果を除去して実質的にこの属性による測定変動を防ぐことにある。

本発明の目的は、この発見を上手く利用することにある。

道路の状態及び道路上を走行する車両に装着されたタイヤの状態を特定する方法であって、 所定のタイムフレームの間に道路の表面を走行するタイヤから発生する音響信号の測定値を記録する段階と、 所定の周波数区間にわたる音響信号のパワーのスペクトル密度を特定する段階と、 周波数区間を所定幅の複数の周波数帯域にセグメント化する段階であって、周波数帯域の各々は、周波数帯域で測定した平均音響パワーを表すデータ要素に関連付けされ、測定値から取得した表示データは、測定値に関連するベクトルの変数を形成する、段階と、 各々が所定の道路及びタイヤの状態を示す属性による公知の走行状態において、前記の段階と同じ段階で、学習ベースを使用するデータの判別解析を用いて、完全な測定値に関連するベクトルに対応する道路及び前記タイヤの状態を特定する段階と、 を含む。

本方法は、測定値に関連するベクトルの変数を形成する表示データが、特定の周波数帯域で測定した平均音響パワーと全周波数区間で測定した全音響パワーとの比率を見出すことで得られることを特徴とする。

従って、速度を考慮することなく単一音響測定値に基づいて、さらに測定値を解析するための追加のパラメータを導入することなく、道路状態及び以下に示すようにタイヤ状態に関する信頼性の高い情報を取得することが可能になる。

本発明による方法は、以下の特徴を別々に又は組み合わせて有することができる。 −全測定音響パワーは、対象とする周波数区間の周波数帯域の全ての平均音響パワーの合計に等しい。 −周波数帯域は、周波数区間を1/3オクターブに分割することで特定される。 −測定値のタイムフレームは、0.5秒以下であり、好ましくは0.25秒以下である。 −周波数区間は、0Hzから20kHzの範囲である。 −周波数区間は、200Hzから20kHzの範囲にある。

−道路の異なる気象条件で構成される「気象」属性のクラスは、乾燥状態、湿潤状態、及び濡れ状態を含む。 −路面の異なる状態で構成される「表面状態」属性のクラスは、閉じた状態、中間状態、及び開いた状態を含む。 −タイヤの異なる摩耗状態で構成される「摩耗」属性のクラスは、新品状態、半摩耗状態、及び摩耗した状態を含む。 −タイヤトレッドパターンの異なるタイプで構成される「トレッドパターン」属性のクラスは、夏用パターン(P)及び冬用パターン(A)を含む。

−データの判別解析は、 学習ベースを用いて縮小判別空間を特定する段階であって、属性の各々又は属性の組み合わせで形成される領域は、空間内に規定される、段階と、 測定値に関連するベクトルを縮小判別空間に変換する段階であって、ベクトルの位置に基づいて、確率は、属性の各々又は属性の組み合わせによる測定値に関連付けされる、段階と、 属性のクラスの各々によって、最も可能性が高い属性を特定する段階と、 を含む。 −乾燥道路上でもたらされた測定値が事前に特定された後で、「表面状態」、「摩耗」、又は「トレッドパターン」属性による属性は、測定値に関連付けされる。 −属性のクラスに関して、確率が、属性を含む属性の組み合わせの各々による測定値に関連付けされ、最大の確率を有する属性のクラスは、測定値に起因する。 −タイヤの状態の解析結果は、異なる時間間隔でもたらされた測定値の結果を組み合わせることで、「摩耗」属性又は「トレッドパターン」属性によってもたらされる。 −タイヤから発生した音響信号は、車両の後部に配置されたホイールハウジングの前方に取り付けられたマイクロホンを用いて測定する。

本発明は、例示的かつ非限定的な添付の図面を検討することで、より容易に理解できるはずである。

タイヤの音響パワーを測定及び解析するための装置に装着した車両を示す。

異なる速度での測定値に関する、正規化されていない音響パワースペクトルを示す。

正規化した後の同じパワースペクトルを示す。

道路の異なる気象条件に関する平均の正規化パワースペクトルを示す。

道路の気象条件による二次元縮小判別空間における測定値の分布を示す。

本発明による方法を実行するステップの機能ブロック図を示す。

図1に概略的に示す地面G上を走行する車両Cは、タイヤTが装着されたホイールが収容されるフロント及びリヤホイールハウジングを備える。

車両Cの移動時、タイヤTは、振幅及び周波数が複数の要因に依存する騒音を発生する。実際には、この音圧は、トレッド要素が地面Gと接触することで、トレッド要素の間を空気が移動することで、タイヤによって持ち上げられた粒子によって、又は車両速度に関係する空気流によって発生する騒音等の種々の音源からの騒音を重ね合わせたものである。これらの騒音は、エンジン騒音等の車両環境に関連する騒音を重ね合わせたものと一緒に受信される。また、これらの騒音の全ては、車両速度に依存する。

マイクロホン1等の受信手段は、ホイールハウジングに装着され、できるだけ発生源の近くで走行騒音を受信するようになっている。明らかに、水又は泥の飛散、砂粒又は他の要因からマイクロホンを保護する実際的な予防措置を行う必要がある。従って、マイクロホンは、ホイールハウジングの前方に取り付けるのが好ましい。

理想的には、タイヤから発生した全ての走行騒音を取り込む最良の方法は、マイクロホンを各ホイールハウジングに取り付けることと考えられる。しかしながら、道路状態(気象条件及び表面多孔性)を判定するには単一のマイクロホンで十分である。後者の場合、空気学的及びエンジン騒音を切り離すことが好ましい。

マイクロホンを後軸ホイールハウジングの前方部に取り付けることが良好な選択と思われる。

また、マイクロホンは、リアバンパー又はフロントバンパーに配置することができる。

また、車両は、マイクロホンに接続されたコンピュータ2を備え、このコンピュータは、以下に示すように、マイクロホンから取得した生情報をフォーマット化及び解析して、マイクロホンが検出した音響パワーの測定値に基づいて地面又はタイヤの状態を推定するための操作を実行する。

情報記憶手段は、コンピュータに関連する。この手段は、公知の走行状態でもたらされる測定値に関する学習計画に関連するデータ、及び道路又はタイヤの異なる状態を説明する属性によるデータをメモリに記憶するために使用できる。

最後に、道路又はタイヤの状態に関するデータは、表示手段、又は運転者支援システム3、又は遠隔サーバに送ることができる。

本明細書で用いる場合、用語「属性」は、地面又はタイヤの状態に関連する状態セットを意味し、音圧の測定値の実質的な変動をもたらす場合がある。

前述のように、タイヤの騒音に影響を及ぼす可能性のある複数のパラメータは多いはずである。しかしながら、一部のパラメータは、タイヤから生じる騒音の性質に弱い又は二次的な影響を与えると思われる。例えば、タイヤ内圧又はタイヤ荷重が該当するであろう。

驚くことに、道路の気象条件は一次的なパラメータと思われる。タイヤ騒音に関する影響は非常に大きく、特に、路面の状態、タイヤの摩耗状態、又はタイヤのトレッドパターンのタイプ等の他の何らかのパラメータに無関係である。また、これらの他のパラメータは、それほど重要ではなく、特定の音響特性を認識できる程度の走行騒音の変動をもたらす。

道路の気象条件は、「気象」クラスと呼ばれる第1のクラスの属性を成し、乾燥道路は、自然の凹凸と同一平面の水位で特徴付けされる湿潤道路と、又は水位が自然の凹凸をこえる濡れた道路と区別することができ、道路の気象条件の変動のリアルタイムの情報は、例えば、運転者支援システムの適用に対して最も重要である。

「表面状態」クラスと呼ばれる第2のクラスの属性において、同様に種々の路面状態を区別することができる。表面は、高熱を受けた後に乾燥した瀝青の場合のように、凹凸のない滑らかな外観の場合には閉じた表面(closed surface)と呼ばれる。瀝青上に粉石を吹き付けて形成した表面仕上げを用いて速やかに修復された摩耗表面の又は田舎道路のような凹凸が実在する場合、表面は開いている(opened)と見なされる。中間的表面は、前記の2つの状態の間の中間的な状態の何らかの表面を表し、特に新しい表面に適用される。本明細書では、表面の多孔性が、透音性つまりタイヤから生じる騒音の反射に影響を与えると想定する。これは、地面とタイヤトレッドパターンとの間に閉じ込められた空気のポンピング現象、並びにタイヤと地面の曲率によって形成されるくさび形空気による騒音の増幅現象が、路面がより閉じた状態の場合により顕著になるという理由による。道路状態のリアルタイムな情報は、例えば、この情報が多数の車両又は専用車両の群から道路ネットワークの中央監視及び保守システムに戻される場合に有用であることが分かっている。

タイヤの状態に関して、摩耗状態は、新品の状態、使用済み状態、及び中間摩耗タイヤの状態である中間状態を区別することで識別することができ、本明細書では「摩耗」クラスと呼ばれる第3のクラスの属性の範囲内にある。経時的な摩耗特性の変動に関する情報は、同様に重要であり、特に道路の気象条件に関する情報と組み合わせる場合に重要である。これは、摩耗したタイヤを装着しかつ濡れた路面を走行する車両は、新品のタイヤに比べてグリップを失う(ハイドロプレーニング)可能性が高いという理由による。

最後に、本発明による方法は、「トレッドパターン」クラスと呼ばれるタイヤのトレッドパターンのタイプに関する第4のクラスを識別することができ、夏用又は冬用トレッドパターンを区別する。このタイヤの2つのタイプは、本質的に異なるトレッドパターンを有するトレッドによって区別され、冬用トレッドパターンの場合は複数のサイプが高度に切り込まれ、夏用トレッドパターンの場合はより方向性がありかつ切り込みが少なく、さらに、このタイヤの2つのタイプは、トレッドを形成する材料特性によっても区別され、冬用タイヤは軟質であり夏用タイヤは硬質である。これらの特性は、車両の挙動及び操縦性に何らかの影響を及ぼし、夏期間と冬期間との間で装着タイヤを交換する地域では、運転システムを適合させるための有用な情報になる場合がある。

本発明による方法は、これらの異なる属性のクラスの各々を、具体的には気象特性の場合は切り離された様式で、他の特徴は組み合わされた様式で明らかにすることができる。

図2は、或るタイムフレームの間にマイクロホンで録音した音響パワーを表すスペクトルである。本明細書で用いる場合、用語「タイムフレーム」は、通常は短い時間間隔を意味し、その間に録音が行われ、測定のベースとして使用されるデータは、この録音から得られる。このタイムフレームは、0.5秒以下であり、理想的には0.25秒以下である。

このスペクトル表現は、所定の周波数区間、この場合は0Hzから20kHzの可聴周波数区間にわたる周波数の関数として、受信した音響パワー(dB)を表す。

具体的には、図2のスペクトル表現は、周波数区間を予め設定された幅の周波数帯域に分解すること、及び各周波数帯域に対してこの周波数帯域で測定した平均パワーに等しい特性値を割り当てることで得られる。周波数区間を1/3オクターブの帯域で分割することが最も適切と思われる。従って、図2の各曲線の各点は、走行状態でのタイムフレームで測定した所定の周波数帯域の平均音響パワーを表し、他の全ての条件は同じであり、速度だけが変わる(例えば、30km/hから110km/h)。

従って、スペクトルパワーを表す曲線は、互いにオフセットすること、及び全放散音響パワーは、速度に応じて増加することが分かる。しかしながら、曲線の全体的形状は同じままである。

この決定(finding)は他のクラスの1又は2以上の属性が変化する場合に繰り返され、結果として得られた曲線は、速度パラメータだけを変えて比較される。

次に、全周波数区間にわたって全音響パワーを特定し、これは曲線と横軸との間にある平面と見なすことができ、各周波数帯域に関して、所定のタイムフレームの間にこの周波数帯域で観察される平均パワーは、全周波数区間にわたるこのタイムフレームの間に記録された全パワーで除算される。これは、測定値の「正規化」にほぼ等しい。

従って、図3から前述で得た曲線は、実質的に重なり合っており、特に高い周波数帯域で非常に類似した外形を有することが分かり、これは前述の音響現象を最も代表している。

この正規化は、特定のタイムフレームの間の録音で占められる可能性がある解析能力を実質的に変更することなく、速度に関連する影響を無力化するために利用することができる。

この利点は、車両速度を評価する手段にコンピュータ2を接続するのが望ましくない場合、及び独立した様式で道路又は車両の状態に関する取得することが望ましい場合に決定的であることが分かっている。

単純化及び速度計算を目的として、全パワーが関連の周波数区間の周波数帯域の各々の平均パワーの合計に等しいと見なすことができる。

図3の曲線上の各点は、所定の周波数帯域における平均音響パワーを表す値である。従って、これらの点のセットは、ベクトルを形成することができ、ベクトル空間は、周波数帯域の数に等しい次元数を含む。本説明を例示する実施例において、1/3オクターブでセグメント化された周波数区間を考慮して、200Hzから20kHzの間に配置された周波数区間の中に置くことで21次元数のベクトルが得られる。ちなみに、ベクトル座標を形成する値の合計は1に等しいことに留意されたい。

また、周波数区間の選択は、最大振幅が50Hzから60Hzの間にあるエンジンから発生した騒音を完全に除去することが望ましいか(この場合、例えば、200Hzから20kHzの間の周波数区間が考慮される)、又は200Hzより下の周波数帯域に含まれる情報の関連部分を保持することが望ましいか(この場合、0Hzから20kHzの全区間にわたるスペクトルが考慮される)によって適応される。

タイムフレームの間の音響パワーの録音は、高周波数(約40kHz)の音響信号のサンプリングをベースに行うことができる。

本発明の実施は、事前の学習段階を含み、ここでは公知の方法で気象条件、道路状態、タイヤ摩耗状態、又はタイヤトレッドパターンのタイプを表す前述の属性を変えながら多数の測定値がもたらされる。前述の状態で見出されたベクトルは、これらの測定に割り当てられる。従って、車両固有の学習ベースが生成される。

データの解析及び統計処理方法は公知であり、本発明の主題を成すものではない。線形判別分析法を使用すると信頼性及びロバスト性のある結果がもたらされる。

本方法の第1のステップは、主要因軸を特定することを含み、次元数を、直交軸に沿って測定値の各々に割り当てられたベクトルを表すのにまさに必要な数まで低減することができる。典型的には21次元である次元数が周波数帯域の数に等しいベクトル空間から、縮小判別空間への変更が線形変換によって行われる。

次に、第2のステップは、判別解析を適切に使用して、所定の単一属性に応じて又は属性の組み合わせに応じて、学習段階の間にもたらされた測定値を含むこの縮小判別空間の領域を見出すことを含む。

本明細書で用いる場合、用語「属性の組み合わせ」は、各クラスから選択された属性に応じてもたらされた所定の測定値を表す条件を意味する。例示的に、「摩耗した」「夏用」タイヤで「閉じた」道路における「濡れた」状態でもたらされた測定値は、属性「濡れた−閉じた−夏用−摩耗した」の組み合わせを示す。従って、属性の組み合わせの数は、各クラスの属性数の積に等しい。

次に、この縮小判別空間において属性又は属性の組み合わせを表す各点を含む領域の重心と共に、この重心に対する単一領域の各点の分散を表す信頼区間を計算する。

本開示を例示するために使用する実施例において、初期判別空間と縮小判別空間との間の次元数の減少は、21次元から約15次元への変化をもたらす。このわずかな減少は、異なる属性の表現の特徴を示すスペクトルの全体形状を考慮することを示す。また、これは、減少した数の周波数帯域のパワーを考慮することが、道路の気象条件に関連する属性以外の道路又はタイヤに関連する何らかの特定の属性を際立たせるものではないことを示唆する。

図4は、3つの道路の気象条件に関する1/3オクターブの周波数帯域における「正規化」音響パワーのスペクトル分布を示し、他の属性クラスの全ては同じである。

図5は、二次元空間における、道路の「気象」クラスの「乾燥」、「湿潤」、及び「濡れ」属性のうちの1つによる測定値の分布を示す。

最初の観察で、乾燥地面上でもたらされた測定値は、湿潤又は濡れた地面でもたらされた測定値と重なり合わないことが明らかになる。次の観察で、道路の気象条件は、良好なロバスト性でもって、属性の他のクラスに無関係に決定できることが明らかになる。

点群の各々を取り囲む楕円は、1、2、又は3の標準偏差に位置決めされ、重心の周りの測定値の分散を評価するために、特に、1つの領域の他の領域に対するカバレージ範囲を評価するために使用することができ、これは、他の属性に対して異なる所定の属性による測定値を間違って割り当てるリスクを表す。

これらのデータに基づいて、この点から3つの属性の重心までの距離を評価することで、新しい測定値が道路に関する「気象」クラスの3つの属性のうちの1つに属する確率を決定することができる。

表1は、3つの属性「乾燥」「湿潤」「濡れ」のうちの1つによる道路の気象条件の区分の確率を示す。

理解できるように、車両が「乾燥」、「湿潤」、又は「濡れ」道路を走行することを十分に高い確率で決定することができる。「湿潤」属性を「濡れ」属性に属すると間違う確率は9%に過ぎない。

同様に、事前にタイヤの状態を知る必要なしに、道路の気象条件よりも低いロバスト性で、路面の状態を決定することが可能である。しかしながら、道路が乾燥している場合にこの解析を行うことが望ましい。この観察は、一部の音響現象が多孔性に関連しており、地面の反射がタイヤの特性に無関係であることを示唆する。

他方で、類似の解析を行う場合、タイヤの状態(摩耗又はトレッドパターン)に関する属性に関連するベクトルを含む領域は、比較的分散しており、相当に相互貫入しており(重心の周りで高度に分散し、かつ各重心の間の距離が短い)、特に道路状態が「湿潤」又は「濡れ」である場合、間違った決定の高いリスクなしに、正確な属性に関する結論を出すことはできない。

従って、十分なロバスト性を保証するために、本方法は、道路の気象条件の一次解析を行うことを含み、車両が「乾燥」道路を走行していることが判明した場合、路面、摩耗状態、及びタイヤトレッドパターンのタイプに関する属性を識別するための二次解析に進む。

従って、高いロバスト性を得るために、3つのクラスの複合属性を用いて判別解析を行うことが望ましい。点群は、ベクトルを表し、もたらされた測定値は、3つの属性クラス「表面状態」、「摩耗」、及び「トレッドパターン」の中から選択された所定の属性の組み合わせに応じて、縮小判別空間に位置づけされる。

タイヤトレッドパターンに関する属性は、「冬用」タイヤが「A」、「夏用」タイヤが「P」で表記され、摩耗状態の属性は、「新品」タイヤが「N」、「半摩耗」タイヤが「M」、及び「摩耗」タイヤが「U」で表記され、最後に、表面状態に関する属性は、「閉じた」属性が「f」、「中間」属性が「m」、及び「開いた」属性が「o」で表記される。従って、18個の組み合わせた属性が、それぞれANf、ANm、ANo、AMf、AMm、AMo、AUf、AUm、AUo、PNf、PNm、PNo、PMf、PMm、PMo、PUf、PUm、PUoで表記される。

表2は、18個の属性の組み合わせの各々に関して、学習ベースに含まれる測定値の結果に基づいて見出される確率を示す。従って、属性のみに観察される測定値の分散は、組み合わせた属性に関して非常に小さく、より効果的に分類を行うことができる。

属性の組み合わせのうちの1つを検出する全体的な確率は約0.96である。

次のステップは、新しい測定値に関して、測定値がもたらされる各クラス「表面状態」、「摩耗」、及び「トレッドパターン」の属性を識別する。

表3は、属性の組み合わせによる3つのクラスの属性の検出の確率を決定するために用いることができる。

表3は、測定値がクラス「AUf」(冬用、摩耗、閉じた平面)に割り当てられる場合、トレッドパターン(1)、摩耗状態(U)、及び表面状態(1)の決定に高い信頼性を有することが可能であることを示す。クラス「AUo」(冬用、摩耗、開いた平面)の信頼性が相対的に低いことが分かる。タイヤトレッドパターンのタイヤに関する予測は良好ではない(0.91)。

学習ベースは、それらの重心及び分散と共に、縮小判別空間において組み合わせた属性が置かれる領域を見つけるために用いる。典型的に、本開示の場合、対象とする18の組み合わせた属性の18の領域は、縮小判別空間に位置付けられる。

次に、新しい測定値の各々に関連しかつ縮小ベクトル空間で変換されたベクトルの位置に基づいて、クラスの属性の各々に関する、並びにこの属性を含む属性の組み合わせに関する確率を決定し、最大の確率を有するクラスの属性がこの測定値に帰する。

従って、判明した気象クラスが「乾燥」である場合、測定値から得られた21のベクトル変数を用いることができ、学習ベースに基づいた判別解析を利用して、「表面状態」クラス、「摩耗」クラス、又は「トレッドパターン」クラスによる組み合わせた属性のうちの1つに属する確率、典型的には、本開示を例示するために用いる場合、組み合わせた属性、すなわちANf、ANm、ANo、AMf、AMm、AMo、AUf、AUm、AUo、PNf、PNm、PNo、PMf、PMm、PMo、PUf、PUm、PUoの18クラスのうちの1つに属する確率を決定する。この確率は、例えば、対象の組み合わせた属性クラスの重心からの距離を評価することで計算する。

次に、測定値が気象クラス以外の特定のクラスの属性の1つに属する確率は、第2の確率計算によって見出され、以下のようなやり方で「トレッドパターン+摩耗+乾燥地面上の表面」モデルと呼ばれる。

「閉じた」道路状態属性の確率は、関係p(表面=閉じた)=p(閉じた)=p(ANf)+p(AMf)+p(AUf)+p(PNf)+p(PMf)+p(PUf)から推定する。

同様に、p(表面=中間)=p(中間)=p(ANm)+p(AMm)+p(AUm)+p(PNm)+p(PMm)+p(PUm)、及びp(表面=開いた)=p(開いた)=p(ANo)+p(AMo)+p(AUo)+p(PNo)+p(PMo)+p(PUo)を推定する。

次に、最大でありかつ検出した表面状態の属性及び関連の確率を与える3つの確率のうちの1つを見出す。 p(表面)=max[p(閉じた)、p(中間)、p(開いた)]

同様に、p(トレッドパターン=max[p(冬用)、p(夏用)]、ここで、 p(トレッドパターン=冬用)=p(冬用)=p(ANf)+p(ANm)+p(ANo)+p(AMf)+p(AMm)+p(AMo)+p(AUf)+p(AUm)+p(AUo)、及び p(トレッドパターン=夏用)=p(夏用)=p(PNf)+p(PNm)+p(PNo)+p(PMf)+p(PMm)+p(PMo)+p(PUf)+p(PUm)+p(PUo) である。

最後に、摩耗は、p(摩耗=max[p(新品)、p(半摩耗)、p(摩耗した)]で与えられ、ここで、 p(摩耗=新品)=p(新品)=p(ANf)+p(ANm)+p(ANo)+p(PNf)+p(PNm)+p(PNo)、 p(摩耗=半摩耗)=p(半摩耗)=p(AMf)+p(AMm)+p(AMo)+p(PMf)+p(PMm)+p(PMo)、及び p(摩耗=摩耗した)=p(摩耗した)=p(AUf)+p(AUm)+p(AUo)+p(PUf)+p(PUm)+p(PUo)、 である。

次に、所定の測定値に基づいた属性への割り当ての確率は、この結果の有効性及びその表示システム又は運転者支援システムへの伝達を決定するために、特定の閾値と比較される。例示的に、分類の確率が少なくとも0.75ではない全ての検出値は不合格となる。この確率が0.95から0.75の間である場合、この測定値に基づいた結果は、1又は2以上の後続の測定値によって確認する必要がある。

ここで、急激に変化しかつ迅速な決定が必要な道路の気象条件又は表面状態とは異なり、摩耗又はタイヤトレッドパターンのタイプの変化は、典型的には100km場合によっては1000kmの距離にわたる走行に相当する経時スケールである、時間的により安定した要因であることに留意されたい。しかしながら、3つのタイヤパラメータの検出は道路状態に依存するので、逆説的結果では、道路状態と同様に迅速に検出する必要がある。

これらの2つの基準での不正確な決定の確率は、車両に装着されたタイヤの実際の摩耗状態又はトレッドパターンのタイプを決定する前に、複数の連続した測定値を利用して観察結果を蓄積することで著しく低減することができる。

図6は、本発明に従って実行される動作シーケンスを示す。 所定のタイムフレーム、典型的には1/4秒で音響パワーの周波数スペクトルを測定した後で、スペクトルは、所定の周波数区間、典型的には200Hzから20kHzにわたって、公知の幅、典型的には1/3オクターブに分割される。0.25秒のタイムフレームの間の測定値のサンプリングは、44100kHzの周波数で行われる。

線形変換を用いて、21次元空間からの測定値に由来する正規化ベクトルを縮小判別空間に変換する。次に、道路の気象条件を直接的に求め、道路が「乾燥」属性であることが判明した場合、測定値が組み合わせた属性の各々に関連する確率を求め、次に、タイヤトレッドパターンのタイプ、タイヤ摩耗及び路面状態を、これらから「トレッドパターン+摩耗+乾燥地面上の表面」モデルを利用することで推定する。

次に、タイヤ状態及び道路状態の解析結果を表示手段又は運転者支援システム又は道路状態監視ユニットに送るために、一定時間ごとにもたらされた測定値の結果を蓄積することで、タイヤ状態に関連する蓄積結果を良好なロバスト性でもって求めることができる。

従って、本発明は、ロバスト性のある方法で短いタイムフレームの間にもたらされた単一音響強度測定値に基づいて、車両の速度を知ることを必要とせずに、道路の気象条件、並びに、予想外に、路面状態及びタイヤ状態を判定することを可能にする、

本開示がベースにする本発明の実施形態は、限定的ではなく、説明しかつ請求項に記載したような技術的効果をもたらす場合は、実施に関して、特に数値データ解析方法に関して様々とすることができる。

1 マイクロホン 2 コンピュータ 3 運転者支援システム C 車両 G 道路 T タイヤ

QQ群二维码
意见反馈