空気入りタイヤ

申请号 JP2014166855 申请日 2014-08-19 公开(公告)号 JP2016043709A 公开(公告)日 2016-04-04
申请人 住友ゴム工業株式会社; 发明人 藤田 将之;
摘要 【課題】ウェットグリップ性能を高めた空気入りタイヤを提供する。 【解決手段】トレッド部2に、センター主溝部6と、一対のショルダー主溝部7とを含む略V字状の複数本の主傾斜溝3、各主傾斜溝3を継ぐ一対の継ぎ溝4、略台形状のセンターブロック11、及び、ショルダーブロック12を有する空気入りタイヤである。センターブロック11には、一対のショルダー主溝部7に連通するセンター副溝14が設けられる。ショルダーブロック12には、ショルダー副溝30が設けられる。ショルダー副溝30の内端は、センター副溝14の外端と向き合っているか、又は、センター副溝14の外端よりも前記回転方向の先着側に 位置 している。 【選択図】図1
权利要求

回転方向が指定されたトレッド部を有する空気入りタイヤであって、 前記トレッド部に、 タイヤ赤道を横切りタイヤ軸方向にのびるセンター主溝部と、センター主溝部の両端に連なりかつ前記回転方向の後着側に向かって少なくともトレッド接地端までのびる一対のショルダー主溝部とを含む略V字状の複数本の主傾斜溝、 タイヤ赤道の両側に配されかつタイヤ周方向で互いに隣り合う前記各主傾斜溝を継ぐ一対の継ぎ溝、 タイヤ周方向で隣り合う前記主傾斜溝と、前記一対の継ぎ溝とで区分された略台形状のセンターブロック、及び、 前記センターブロックの両側に前記主傾斜溝と前記継ぎ溝とで区分されたショルダーブロックを有し、 前記センターブロックには、タイヤ軸方向の両側の外端がそれぞれ前記一対のショルダー主溝部に連通するセンター副溝が設けられ、 前記ショルダーブロックには、前記ショルダー主溝部に連なる内端からトレッド接地端までのびるショルダー副溝が設けられ、 一つの前記センターブロックと、このセンターブロックのタイヤ軸方向両側に隣接する2つの前記ショルダーブロックとのブロック群において、前記ショルダー副溝の前記内端は、前記センター副溝の前記外端と向き合っているか、又は、前記センター副溝の前記外端よりも前記回転方向の先着側に位置していることを特徴とする空気入りタイヤ。前記ブロック群において、前記ショルダー副溝の前記内端は、前記センター副溝の前記外端よりも前記回転方向の先着側に位置するとともに、前記センターブロックの前記回転方向の先着側の前縁よりも後着側に位置している請求項1記載の空気入りタイヤ。前記センター副溝は、前記回転方向に向かって凸の円弧状にのびている請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。前記センター副溝は、前記回転方向に向かって凸の略V字状にのびている請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。前記センターブロックは、前記センター副溝の先着側に設けられた先着側片と、前記センター副溝の後着側に設けられた後着側片とを含み、 前記後着側片の後着側をタイヤ軸方向にのびる後縁は、前記先着側片の先着側をタイヤ軸方向にのびる前縁よりも小さい曲率半径で湾曲している請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。

说明书全文

本発明は、優れたウェットグリップ性能を発揮しうる空気入りタイヤに関する。

下記特許文献1は、略V字状の主傾斜溝と、主傾斜溝に連通するセンター副溝及びショルダー副溝を有するレーシングカート用タイヤを提案している。このようなタイヤは、ウェット走行時、主傾斜溝がトレッド部と路面との間のをトレッド接地端側に案内し、ひいては、ウェットグリップ性能が高められる。

しかしながら、特許文献1のタイヤは、互いに隣り合うセンターブロックとショルダーブロックとのブロック群において、センター副溝の外端が、ショルダー副溝の内端よりもタイヤの回転方向の先着側に設けられている。このため、主傾斜溝内の水の一部がセンター横溝を通ってタイヤ赤道側に案内され、タイヤ赤道付近において、十分なウェットグリップ性能が得られ難いという問題があった。

特開2006−082735号公報

本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、溝の配置を改善することを基本として、ウェットグリップ性能を高めた空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。

本発明は、回転方向が指定されたトレッド部を有する空気入りタイヤであって、前記トレッド部に、タイヤ赤道を横切りタイヤ軸方向にのびるセンター主溝部と、センター主溝部の両端に連なりかつ前記回転方向の後着側に向かって少なくともトレッド接地端までのびる一対のショルダー主溝部とを含む略V字状の複数本の主傾斜溝、タイヤ赤道の両側に配されかつタイヤ周方向で互いに隣り合う前記各主傾斜溝を継ぐ一対の継ぎ溝、タイヤ周方向で隣り合う前記主傾斜溝と、前記一対の継ぎ溝とで区分された略台形状のセンターブロック、及び、前記センターブロックの両側に前記主傾斜溝と前記継ぎ溝とで区分されたショルダーブロックを有し、前記センターブロックには、タイヤ軸方向の両側の外端がそれぞれ前記一対のショルダー主溝部に連通するセンター副溝が設けられ、前記ショルダーブロックには、前記ショルダー主溝部に連なる内端からトレッド接地端までのびるショルダー副溝が設けられ、一つの前記センターブロックと、このセンターブロックのタイヤ軸方向両側に隣接する2つの前記ショルダーブロックとのブロック群において、前記ショルダー副溝の前記内端は、前記センター副溝の前記外端と向き合っているか、又は、前記センター副溝の前記外端よりも前記回転方向の先着側に位置していることを特徴としている。

本発明の空気入りタイヤの前記ブロック群において、前記ショルダー副溝の前記内端は、前記センター副溝の前記外端よりも前記回転方向の先着側に位置するとともに、前記センターブロックの前記回転方向の先着側の前縁よりも後着側に位置しているのが望ましい。

本発明の空気入りタイヤにおいて、前記センター副溝は、前記回転方向に向かって凸の円弧状にのびているのが望ましい。

本発明の空気入りタイヤにおいて、前記センター副溝は、前記回転方向に向かって凸の略V字状にのびているのが望ましい。

本発明の空気入りタイヤにおいて、前記センターブロックは、前記センター副溝の先着側に設けられた先着側片と、前記センター副溝の後着側に設けられた後着側片とを含み、前記後着側片の後着側をタイヤ軸方向にのびる後縁は、前記先着側片の先着側をタイヤ軸方向にのびる前縁よりも小さい曲率半径で湾曲しているのが望ましい。

本発明の空気入りタイヤは、トレッド部に、タイヤ赤道を横切りタイヤ軸方向にのびるセンター主溝部と、センター主溝部の両端に連なりかつ前記回転方向の後着側に向かって少なくともトレッド接地端までのびる一対のショルダー主溝部とを含む略V字状の複数本の主傾斜溝、タイヤ赤道の両側に配されかつタイヤ周方向で互いに隣り合う前記各主傾斜溝を継ぐ一対の継ぎ溝、タイヤ周方向で隣り合う主傾斜溝と、一対の継ぎ溝とで区分された略台形状のセンターブロック、及び、センターブロックの両側に前記主傾斜溝と前記継ぎ溝とで区分されたショルダーブロックを有している。

このような主傾斜溝及び継ぎ溝は、ウェット走行時、タイヤの回転を利用して水を効果的にトレッド接地端側に案内し、ウェットグリップ性能を高める。

センターブロックには、タイヤ軸方向の両側の外端がそれぞれ一対のショルダー主溝部に連通するセンター副溝が設けられている。ショルダーブロックには、ショルダー主溝部に連なる内端からトレッド接地端までのびるショルダー副溝が設けられている。しかも、一つのセンターブロックと、このセンターブロックのタイヤ軸方向両側に隣接する2つのショルダーブロックとのブロック群において、ショルダー副溝の前記内端は、センター副溝の外端と向き合っているか、又は、センター副溝の外端よりも回転方向の先着側に位置している。

以上のような構成を具えることにより、センター主溝部内の水がトレッド接地端側に案内される場合、その水の一部がショルダー副溝へ流れてトレッド接地端から排出される。この作用により、主傾斜溝内の水が減少するため、主傾斜溝中の水は、センター副溝側に逆流しない。また、センター副溝内の水は、水量が減少した主傾斜溝側に案内される。従って、タイヤ赤道付近の水が効果的にトレッド接地端側に排出され、ウェットグリップ性能が高められる。

本発明の一実施形態の空気入りタイヤのトレッド部の展開図である。

図1のセンターブロックの拡大図である。

図1のショルダーブロックの拡大図である。

本発明の他の実施形態を示すトレッド部の展開図である。

本発明の他の実施形態を示すトレッド部の展開図である。

本発明の他の実施形態を示すトレッド部の展開図である。

本発明の他の実施形態を示すトレッド部の展開図である。

本発明の他の実施形態を示すトレッド部の展開図である。

比較例のトレッド部の展開図である。

以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。 図1に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある)は、例えば、四輪レーシングカート用のタイヤとして好適に利用される。本実施形態のタイヤは、回転方向Nが指定されている。回転方向Nは、例えば、サイドウォール部(図示しない)に文字または記号によって表示される。

タイヤ1のトレッド部2には、タイヤ周方向に隔設された主傾斜溝3と、主傾斜溝3、3間を継ぐ継ぎ溝4とが配置される。

主傾斜溝3は、回転方向Nの後着側に向かって少なくとも両側のトレッド接地端Teまで略V字状(図1では、逆向きの略V字状である。)にのびている。このような主傾斜溝3は、ウェット走行時、タイヤの回転を利用して、溝内の水をスムーズにトレッド接地端Te側に排出する。

トレッド接地端Teは、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷である正規状態のタイヤに、正規荷重を負荷してキャンバー0度で平面に接地させた正規荷重負荷状態のときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置として定められる。正規状態において、トレッド接地端Te、Te間のタイヤ軸方向の距離がトレッド接地幅TWとして定められる。タイヤの各部の寸法等は、特に断りがない場合、正規状態での値である。

「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" である。

「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とする。タイヤが乗用車用である場合、正規内圧は、180kPaである。タイヤがレーシングカート用の場合、正規内圧は、100kPaである。

「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。タイヤが乗用車用の場合には、前記荷重の88%に相当する荷重である。タイヤがレーシングカート用の場合、正規荷重は392Nである。

主傾斜溝3は、タイヤ赤道C側に設けられたセンター主溝部6と、センター主溝部6の両端に連なる一対のショルダー主溝部7、7とを含んでいる。

センター主溝部6は、タイヤ赤道Cを横切りタイヤ軸方向にのびている。センター主溝部6は、例えば、回転方向Nの先着側(以下、単に「先着側」という場合がある。)に向かって緩やかに凸に湾曲している。センター主溝部6は、これに限定されず、例えば、直線状でも良い。

ショルダー主溝部7は、回転方向Nの後着側(以下、単に「後着側」という場合がある。)に向かって少なくともトレッド接地端Teまでのびている。ショルダー主溝部7は、例えば、タイヤ周方向に対して一定の角度θ1で傾斜してのびる第1ショルダー主溝部8と、後着側に向かってタイヤ周方向に対する角度θ2を滑らかに漸増させてのびる第2ショルダー主溝部9とを含んでいる。

第1ショルダー主溝部8のタイヤ周方向に対する角度θ1は、例えば、10〜30°である。

第2ショルダー主溝部9のタイヤ周方向に対する角度θ2は、例えば、第1ショルダー主溝部8の前記角度θ1よりも大きい。第2ショルダー主溝部9の前記角度θ2は、好ましくは10〜90°、より好ましくは20〜70°である。このような第2ショルダー主溝部9は、主傾斜溝3内の水をスムーズにトレッド接地端Te側に案内する。

ショルダー主溝部7の溝幅W1は、例えば、トレッド接地幅TWの3〜12%、より好ましくは5〜10%である。ショルダー主溝部7の溝深さd1(図示省略)は、例えば、3〜7mmである。

継ぎ溝4は、例えば、センター主溝部6と、センター主溝部6にタイヤ周方向で隣接する主傾斜溝3のショルダー主溝部7との間を連通している。このような継ぎ溝4は、センター主溝部6内の水の一部を、隣接する主傾斜溝3のショルダー主溝部7に案内し、ウェットグリップ性能を高めるのに役立つ。

継ぎ溝4の溝幅W2は、特に限定されるものでは無いが、好ましくは1〜10mmであり、より好ましくは2〜6mmである。継ぎ溝4の溝深さd2(図示省略)は、例えば、3〜7mmである。

トレッド部2は、上述した主傾斜溝3と継ぎ溝4とによって区分されたセンターブロック11と、センターブロック11の両側に配されたショルダーブロック12とを有している。本実施形態では、各溝及び各ブロックが、それぞれタイヤ赤道Cを中心として実質的に線対称に形成されるが、必ずしもこのような態様に限定されるものではない。

図2には、センターブロック11の拡大図が示されている。図2に示されるように、センターブロック11は、タイヤ軸方向の幅が後着側に向かって漸増する略台形状に区分されている。「略台形状」のブロックとは、タイヤ周方向の両側に、タイヤ軸方向にのびる1対の端縁を持っているブロックを意味し、厳密な台形である必要はない。

センターブロック11の最も先着側でのタイヤ軸方向の幅W4と最も後着側でのタイヤ軸方向の幅W5との比W4/W5は、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.35以上であり、好ましくは0.45以下、より好ましくは0.4以下である。このようなセンターブロック11は、ウェット走行時、先着側でタイヤ軸方向にのびる前縁が水膜を切断するため、ハイドロプレーニング現象を防止するのに役立つ。

ブロックの偏摩耗を抑制しつつ、上述の効果をさらに発揮させるために、センターブロック11の最も先着側でのタイヤ軸方向の幅W4は、好ましくはトレッド接地幅TW(図1に示され、以下、同様である。)の0.05倍以上、より好ましくは0.1倍以上であり、好ましくは0.2倍以下、より好ましくは0.15倍以下である。

センターブロック11には、タイヤ軸方向の両側の外端13、13がそれぞれ一対のショルダー主溝部7、7に連通するセンター副溝14が設けられている。センター副溝14は、例えば、主傾斜溝3よりも小さい溝幅及び溝深さを有している。

本実施形態のセンター副溝14は、例えば、回転方向Nに向かって凸の円弧状にのびている。このようなセンター副溝14は、タイヤの回転を利用して、溝内の水をタイヤ軸方向の両外側に案内することができる。

センター副溝14の溝幅W6は、好ましくは1mm以上、より好ましくは3mm以上であり、好ましくは7mm以下、より好ましくは5mm以下である。このようなセンター副溝14は、センターブロック11の偏摩耗を抑制しつつ、タイヤ赤道C付近の水をトレッド接地端Te側に排出するのに役立つ。

上述したセンター副溝14によって、センターブロック11は、センター副溝14の先着側に設けられた先着側片17と、センター副溝14の後着側に設けられた後着側片18とに区分されている。先着側片17及び後着側片18は、それぞれ、略台形状に区分されている。

先着側片17は、例えば、先着側をタイヤ軸方向にのびる前縁20と、後着側をタイヤ軸方向にのびる後縁21と、前縁20と後縁21との間をのびる一対の側縁22、22とを有している。

先着側片17の前縁20は、例えば、直線状又は回転方向Nに向かって凸の緩やかな円弧を形成している。

先着側片17の後縁21は、例えば、回転方向Nに向かって凸の緩やかな円弧を形成している。望ましい態様として、本実施形態の先着側片17の後縁21は、先着側片17の前縁20よりも小さい曲率半径を有している。このような先着側片17の後縁21は、とりわけ制動時に路面を引っ掻き、多方向に摩擦力を発揮する。このため、ウェット路面での制動時の操縦安定性が高められる。

先着側片17の一対の側縁22は、それぞれ、直線状にのびている。前記側縁22は、例えば、滑らかに湾曲するものでも良い。

後着側片18は、例えば、先着側片17よりも大きい面積の踏面を有し、先着側をタイヤ軸方向にのびる前縁25と、後着側をタイヤ軸方向にのびる後縁26と、前縁25と後縁26との間をのびる一対の側縁27、27とを有している。

後着側片18の前縁25は、例えば、回転方向Nに向かって凸の緩やかな円弧を形成している。後着側片18の前縁25は、例えば、先着側片17の後縁21に沿ってのびている。

後着側片18の後縁26は、例えば、回転方向Nに向かって凸の緩やかな円弧を形成している。望ましい態様として、本実施形態の後着側片18の後縁26は、先着側片17の前縁20よりも小さい曲率半径で湾曲している。このような後着側片18は、ウェット走行時、後着側で隣り合うセンターブロック11が押しのけた水を、スムーズにショルダー主溝部7側に案内することができる。

後着側片18の一対の側縁27、27は、それぞれ、直線状にのびている。望ましい態様として、後着側片18の側縁27は、先着側片17の側縁22と同一直線上に位置している。このような後着側片18は、ショルダー主溝部7内の水の流れを阻害せず、ウェットグリップ性能を高める。

図1に示されるように、ショルダーブロック12は、センターブロック11の両側に一対設けられ、主傾斜溝3と継ぎ溝4とで区分されている。ショルダーブロック12は、例えば、ショルダーブロック12のタイヤ軸方向の内端側に向かってタイヤ周方向長さL1が漸減する形状を有している。

ショルダーブロック12には、ショルダー主溝部7に連なる内端29からトレッド接地端Teまでのびるショルダー副溝30が設けられている。ショルダー副溝30は、例えば、主傾斜溝3よりも小さい溝幅及び溝深さを有している。

ショルダー副溝30の内端29は、一つのセンターブロック11と、このセンターブロック11のタイヤ軸方向両側に隣接する2つのショルダーブロック12、12とのブロック群において、センター副溝14の外端13と向き合っているか、又は、センター副溝14の外端13よりも回転方向Nの先着側に位置している。

図3には、ショルダーブロック12の拡大図が示されている。図3に示されるように、ショルダー副溝30は、例えば、ショルダー主溝部7に連通する第1溝部34と、第1溝部34のタイヤ軸方向外側に連なり、かつ、ショルダー主溝部7に沿ってのびる第2溝部35とを含んでいる。このようなショルダー副溝30は、ショルダーブロック12の偏摩耗を抑制しつつ、ショルダー主溝部7内の水の一部をトレッド接地端Te側に案内する。

第1溝部34は、例えば、タイヤ軸方向に対して45°以下の角度θ3(図示省略)でのびている。望ましい態様として、第1溝部34は、例えば、タイヤ軸方向に沿ってのびている。

第1溝部34の溝幅W8は、好ましくはトレッド接地幅TWの1%以上、より好ましくは2.5%以上であり、好ましくは5%以下、より好ましくは3.5%以下である。このような第1溝部34は、耐摩耗性能とウェットグリップ性能とをバランス良く高める。

第2溝部35は、第1溝部34よりも大きい溝幅W9を有している。第2溝部35の溝幅W9は、好ましくは第1溝部34の溝幅W8の1.5倍以上、より好ましくは1.8倍以上であり、好ましくは2.5倍以下、より好ましくは2.2倍以下である。望ましい態様として、本実施形態の第2溝部35の溝幅W9は、タイヤ軸方向外側に向かって漸増している。このような第2溝部35は、ショルダー副溝30内の水をさらに効果的にトレッド接地端Te側に案内するのに役立つ。

上述の効果をさらに発揮させるために、第2溝部35は、例えば、タイヤ周方向に対して20〜70°の角度θ5で傾斜している。望ましい態様として、第2溝部35のタイヤ周方向に対する角度θ5は、タイヤ軸方向外側に向かって漸増している。

上述したショルダー副溝30によって、ショルダーブロック12は、ショルダー副溝30の先着側に設けられた第1ショルダーブロック片37と、ショルダー副溝30の後着側に設けられた第2ショルダーブロック片38とを含んでいる。

第1ショルダーブロック片37の踏面の面積S1は、第2ショルダーブロック片38の踏面の面積S2よりも大きいのが望ましい。第1ショルダーブロック片37の前記面積S1と第2ショルダーブロック片38の前記面積S2との比S1/S2は、好ましくは1.03以上、より好ましくは1.05以上であり、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.1以下である。これにより、ショルダーブロック12は、均一に摩耗し、耐摩耗性能が高められる。

図1に示されるように、上述の構成を具えることにより、センター主溝部6内の水がトレッド接地端Te側に案内される場合、その水の一部がショルダー副溝30へ流れてトレッド接地端Teから排出される。この作用により、主傾斜溝3内の水が減少するため、主傾斜溝3中の水は、センター副溝14側に逆流しない。また、センター副溝14内の水は、水量が減少した主傾斜溝側に案内される。従って、タイヤ赤道C付近の水が効果的にトレッド接地端Te側に排出され、ウェットグリップ性能が高められる。

図1に示されるように、耐摩耗性能とウェットグリップ性能とをバランス良く高めるために、センターブロック11及びショルダーブロック12のピッチP1は、例えば、タイヤ赤道C上でのタイヤ周長さ(図示省略)の0.5〜2.0%であるのが望ましい。

上述したセンターブロック11及びショルダーブロック12によって、トレッド部2のタイヤ赤道Cを中心とするトレッド接地幅TWの50%の領域であるセンター領域Crのランド比は、30〜60%であるのが望ましい。センター領域Crのランド比が30%未満の場合、耐摩耗性能やトラクションが悪化するおそれがある。センター領域Crのランド比が60%を超える場合、ウェットグリップ性能が悪化するおそれがある。本明細書において、「ランド比」とは、全ての溝を埋めた状態で測定される陸部の全接地面積に対する、実際の陸部の合計接地面積の割合である。

センター領域Crのタイヤ軸方向の両外側のショルダー領域Sh、Shは、例えば、センター領域Crよりも大きいランド比を有するのが望ましい。これにより、旋回時のグリップ力が高められる。望ましい態様として、ショルダー領域Shのランド比は、例えば、50〜80%である。

図4乃至図8には、それぞれ、本発明の他の実施形態のトレッド部2の展開図が示されている。図4乃至図8において、前記実施形態と共通する構成には、同一の符号が付されており、ここでの説明は省略される。

図4に示される実施形態では、上述した実施形態よりも、ショルダー主溝部7のタイヤ周方向に対する角度θ6及びセンターブロック11のタイヤ軸方向の幅が大きい。この実施形態において、ショルダー主溝部7の前記角度θ6は、30〜70°である。センターブロック11のタイヤ軸方向の最大幅W10は、トレッド接地幅TWの0.45〜0.55倍である。このような実施形態は、主傾斜溝の排水性能をさらに高め、優れたウェットグリップ性能を発揮する。

図5に示される実施形態では、センター副溝14が、前記回転方向に向かって凸の略V字状にのびている。このような実施形態は、ウェット走行時、センター副溝14の頂点が水膜を切断するため、ハイドロプレーニング現象を抑制し、特に高速でのウェットグリップ性能を高める。

図6に示される実施形態では、ショルダー副溝30の内端29は、センター副溝14の外端13よりも回転方向Nの先着側に位置するとともに、センターブロック11の先着側片17の前縁20よりも後着側に位置している。これにより、主傾斜溝3からショルダー副溝30に案内される水の量がさらに増加し、ウェットグリップ性能がさらに高められる。

上述の効果をさらに発揮させるために、この実施形態では、第2ショルダー主溝部9が、タイヤ周方向に対して一定の角度θ7で直線状にのびている。しかも、ショルダー副溝30が、第2ショルダー主溝部9に沿って直線状にのびている。

図7に示される実施形態では、ショルダー副溝30が、略一定の溝幅で直線状にのびる第1溝部34と、第1溝部34のタイヤ軸方向外側に連なりかつタイヤ軸方向外側に向かって溝幅が漸増している第2溝部35とを含んでいる。望ましい態様として、第1溝部34は、タイヤ周方向に対して50〜70°の角度θ8で傾斜している。このような実施形態は、ショルダーブロック12の剛性を維持し、その偏摩耗をさらに抑制することができる。

図4乃至図7で示された実施形態の各構成は、互いに組み合わされても良い。例えば、図8に示される実施形態では、センター副溝14が、回転方向Nに向かって凸の略V字状にのび、かつ、第2ショルダー主溝部9及びショルダー副溝30が直線状にのびている。このような実施形態は、高速でのウェットグリップ性能をさらに高めることができる。

以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されることなく、種々の態様に変更して実施されうる。

本発明の効果を確認するために、図1及び図4乃至図8のいずれかの基本パターンを有する四輪レーシングカート用タイヤが、表1の仕様に基づき試作された。比較例として、図9に示されるように、ショルダー副溝の内端が、センター副溝の外端よりも後着側に位置しているタイヤが試作された。各テストタイヤのウェットグリップ性能、走行タイム、耐摩耗性能、及び、総合性能がテストされた。各タイヤの主な共通仕様やテスト方法は以下の通りである。 トレッド接地幅TW:95mm 主傾斜溝の溝深さ:5.0mm 継ぎ溝の溝深さ:5.0mm ショルダー横溝の溝深さ:5.0mm

<ウェットグリップ性能> 各テストタイヤが、下記の条件で、排気量100ccの四輪レーシングカートの全輪に装着された。そして、テストドライバーが、テスト車両を、水深5mmのウェットアスファルト路面で走行させ、このときのウェットグリップ力に関する走行特性がテストドライバーの官能により評価された。結果は、実施例1を5.0とする5点法で表示されている。数値が大きいほど良好である。 サイズ(フロント):10×4.50−5 リム(フロント):4.5 内圧(フロント):100kPa サイズ(リア):11×6.50−5 リム(リア):6.5 内圧(リア):100kPa

<走行タイム> テストドライバーが、上記テスト車両を、1周734mのアスファルト路面のテストコースを、水深5mmのウェット状態及びドライ状態で各7周走行させた。結果は、各状態での走行タイムの合計を下記の評価方法により点数化した5点法で表示されている。数値が大きいほど良好である。 1.0:最速タイム+3.0秒以上 1.5:最速タイム+2.5秒以上、3.0秒未満 2.0:最速タイム+2.0秒以上、2.5秒未満 2.5:最速タイム+1.5秒以上、2.0秒未満 3.0:最速タイム+1.0秒以上、1.5秒未満 3.5:最速タイム+0.5秒以上、1.0秒未満 4.0:最速タイム+0.2秒以上、0.5秒未満 4.5:最速タイム+0.2秒未満 5.0:最速タイム

<耐摩耗性能> テストドライバーが、上記タイムトライアル走行終了後、トレッド部の表面に生成された、ささくれ状の摩耗であるアブレージョン摩耗について観察した。結果は、摩耗状態を下記の評価方法により点数化した5点法で表示されている。数値が大きいほど良好である。 1:重大なアブレージョン摩耗が発生した。 2:中度なアブレージョン摩耗が発生した。 3:軽度なアブレージョン摩耗が発生した。 4:アブレージョン摩耗が発生する兆候が見られた。 5:アブレージョン摩耗が全く発生しなかった。

<総合性能> 総合性能は、ウェットグリップ性能、走行タイム、及び、耐摩耗性能のテスト結果の平均値である。 テストの結果などが表1に示される。

テストの結果、実施例のタイヤは、比較例のタイヤに比べて、ウェットグリップ性能を向上させていることが確認できた。

2 トレッド部 3 主傾斜溝 4 継ぎ溝 6 センター主溝部 7 ショルダー主溝部 11 センターブロック 12 ショルダーブロック 14 センター副溝 30 ショルダー副溝

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