Cylindrical element with elastic shear band

申请号 JP2010514931 申请日 2008-06-06 公开(公告)号 JP2010532292A 公开(公告)日 2010-10-07
申请人 ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン; ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム; 发明人 デイヴィッド トーマス ストウ; ザチャリ ジェイムス テイラー; ロナルド ホバート トンプソン; ジョセフ スコット ニューマン; ジェアード ハーン マクニール; ジョシュア ステュアート レイノルズ;
摘要 構造的に支持されたホイールの一部として使用できる剪断バンドが提供される。 具体的には、非延伸性部材相互間に取り付けられた弾性円筒形要素から構成された剪断バンドが開示される。 或る特定の実施形態では、剪断バンドは、全体又は大部分がエラストマー又はポリマーを主成分とする材料を用いないで構成されるのが良い。 非延伸性部材相互間の円筒形要素の種々の構成及び円筒形要素の様々な幾何学的形状を含む多数の実施形態が利用できる。
权利要求
  • 軸方向、半径方向、及び円周方向を定める剪断バンドであって、前記剪断バンドは、
    前記円周方向に沿って延びる外側部材と、
    前記円周方向に沿って延びる内側部材と、
    前記外側部材及び前記内側部材に連結されていて、各々が前記半径方向に沿って前記部材相互間に延びる複数の弾性円筒形要素とを有する、剪断バンド。
  • 前記複数の円筒形要素は、前記軸方向に沿って多数の互いにオーバーラップした列の状態に配置され、前記オーバーラップした列は、前記外側非延伸性部材と前記内側非延伸性部材との間で前記円周方向に沿って位置決めされている、請求項1記載の剪断バンド。
  • 前記複数の円筒形要素の各々は、前記軸方向に平行な軸線を定めている、請求項1記載の剪断バンド。
  • 前記複数の円筒形要素の各々は、前記外側非延伸性部材及び前記内側非延伸性部材に直接に取り付けられている、請求項1記載の剪断バンド。
  • 前記外側部材及び前記内側部材は、前記円周方向に沿って円をなした金属部材から成る、請求項1記載の剪断バンド。
  • 前記複数の円筒形要素を前記外側部材に連結する手段を更に有する、請求項1記載の剪断バンド。
  • 前記複数の円筒形要素を前記内側部材に連結する手段を更に有する、請求項6記載の剪断バンド。
  • 前記剪断バンドの剪断効率は、少なくとも約50パーセントである、請求項1記載の剪断バンド。
  • 前記複数の円筒形要素は、形状が実質的に円形である、請求項1記載の剪断バンド。
  • 請求項1記載の剪断バンドを有するホイール。
  • 軸方向、半径方向、及び円周方向を定めるホイールであって、前記ホイールは、
    ハブを有し、
    剪断バンドを有し、前記剪断バンドは、
    半径方向位置R 2のところで前記円周方向に沿って延びる非延伸性の外側円周方向部材を有し、
    半径方向位置R 1のところで前記円周方向に沿って延びる非延伸性の内側円周方向部材を有し、R 1とR 2の比は、約0.8≦(R 1 /R 2 )<1であり、
    各々が前記内側円周方向部材及び前記外側円周方向部材に連結された複数の実質的に円筒形の要素を有し、
    前記ハブと前記剪断バンドの前記内側円周方向部材を互いに連結する複数の支持要素を有する、ホイール。
  • 前記複数の円筒形要素は、前記軸方向に沿って多数の互いにずれた列の状態に配置され、前記互いにずれた列は、前記外側円周方向部材と前記内側円周方向部材との間で前記円周方向に沿って位置決めされている、請求項11記載のホイール。
  • 前記複数の円筒形要素の各々は、前記軸方向に平行な軸線を定めている、請求項11記載のホイール。
  • 前記複数の円筒形要素の各々は、前記外側円周方向部材及び前記内側円周方向部材に直接に取り付けられている、請求項11記載のホイール。
  • 前記外側円周方向部材及び前記内側円周方向部材は、前記円周方向に沿って円をなした金属部材から成る、請求項11記載のホイール。
  • 前記複数の円筒形要素を前記外側円周方向部材に連結する手段を更に有する、請求項11記載のホイール。
  • 前記複数の円筒形要素を前記内側部材に連結する手段を更に有する、請求項16記載のホイール。
  • 前記剪断バンドの剪断効率は、少なくとも約50パーセントである、請求項11記載のホイール。
  • 前記複数の円筒形要素は、形状が実質的に円形である、請求項11記載のホイール。
  • 说明书全文

    本発明は、構造的に支持されたホイールの一部として使用できる剪断バンドに関する。 具体的には、非延伸性部材相互間に取り付けられた弾性円筒形要素から構成された剪断バンドが提供される。 或る特定の実施形態では、剪断バンドは、全体又は大部分がエラストマー又はポリマーを主成分とする材料を用いないで構成されるのが良く、それにより極端な環境での利用が可能である。

    空気圧を必要としないでタイヤ中に荷重支持体を提供する構造的要素の使用は、従来開示されている。 例えば、米国特許第6,769,465号明細書は、内部空気圧を用いないで荷重を支持する弾性タイヤを提供している。 このタイヤは、路面に接触するトレッド部分、補強環状部材及びトレッド部分から半径方向内方に延びるサイドウォール部分を有する。 別の例を挙げると、米国特許第7,201,194号明細書は、構造的に支持された状態の非空気圧タイヤを提供し、このタイヤは、路面接触トレッド部分、トレッド部分の半径方向内方に設けられた補強環状要素及び補強環状要素を横方向に横切り且つこれから半径方向内方に延び、ホイール又はハブ内に固定された複数のウェブスポークを有する。 これら特許文献の各々に関し、記載された構成は、ゴムを含むエラストマー材料及び他のポリマー材料の使用に特に適している。 しかしながら、かかる材料の使用には、或る特定の欠点がある。 例えば、極端な温度レベル及び大幅な温度変動は、かかるエラストマー材料を或る特定の用途にとって不適当なものにする場合がある。 したがって、全体又は一部分が非エラストマー材料で作ることができる構成が、有利である。 また、例えば炭素を主成分とする要素のような材料による構成の結果として、重量が減少すると共に材料費が減少する場合がある。 これらの利点及び他の利点は、本発明の或る特定の例示の実施形態によって提供される。

    本発明の目的及び利点は、以下の説明に部分的に記載され又はこの記載から明らかな場合があり、或いは本発明の実施を通じて学習できる。

    米国特許第6,769,465号明細書

    米国特許第7,201,194号明細書

    本発明の例示の一実施形態では、軸方向、半径方向、及び円周方向を定める剪断バンドが提供される。 剪断バンドは、円周方向に沿って延びる外側部材と、円周方向に沿って延びる内側部材と、外側部材及び内側部材に連結されていて、各々が半径方向に沿って部材相互間に延びる複数の弾性円筒形要素とを有する。 部材相互間における円筒形要素の配置の仕方は、様々であって良い。 例えば、一変形例では、円筒形要素は、軸方向に沿って多数の互いにオーバーラップした列の状態に配置される。 互いにオーバーラップした列は、外側非延伸性部材と内側非延伸性部材との間で円周方向に沿って位置決めされる。 別の変形例では、円筒形要素は、一連の軸方向に整列した非オーバーラップ状態の列に配置され、部材相互間で円周方向に沿って位置決めされる。 円筒形要素は、円形の形として構成されるのが良いが、楕円形又は長円形の構成も又利用できる。

    各円筒形要素は、軸線を定める。 円筒形要素の軸線は、剪断バンドの軸方向に平行な仕方で配置され又は円筒形要素は、平行ではない向きをなして配置されても良い。 円筒形要素は、外側及び内側部材に直接取り付けられても良く、或いは、外側及び内側部材に連結された他のコンポーネントに取り付けられても良い。 特に、円筒形要素を外側及び内側非延伸性部材に連結する多種多様な手段を使用できる。 内側及び外側非延伸性部材並びに円筒形部材は、多種多様な材料で構成できる。 伝統的なエラストマー及びポリマーを主成分とする材料を用いることができる。 加うるに、本発明は、例えば金属及び/又は炭素繊維を主成分とする材料を含む種々の他の材料の利用を可能にする。

    別の例示の実施形態では、軸方向、半径方向及び円周方向を定めるホイールを提供する。 ホイールは、ハブと、剪断バンドと、ハブと剪断バンドの内側円周方向部材との間に連結された複数の支持要素とを有する。 剪断バンドは、半径方向位置R 2のところで円周方向に沿って延びる外側円周方向部材と、半径方向位置R 1のところで円周方向に沿って延びる内側円周方向部材とを有する。 R 1とR 2の比は、約0.8≦(R 1 /R 2 )<1である。 複数の実質的に円筒形の要素が、内側円周方向部材及び外側円周方向部材に連結されている。 或る特定の実施形態では、剪断バンドの剪断効率は、少なくとも約50パーセントである。 加うるに、上述したような他の変形例も又利用できる。

    本発明の上記特徴、観点及び利点並びに他の特徴、観点及び利点は、以下の説明及び特許請求の範囲の記載を参照すると良好に理解できることになろう。 本明細書に組み込まれたその一部をなす添付の図面は、本発明の実施形態を記載しており、本明細書と一緒になって、本発明の原理を説明するのに役立つ。

    本発明の最適対応を含む本発明の十分且つ実施可能な開示は、本明細書に記載されており、かかる開示は、添付の図面を参照して行われる。

    剪断バンドの一実施形態を有する非空気圧ホイールを有する本発明の例示の実施形態を示す図である。

    図1Aに特定された部分で取った図1Aの例示の剪断バンドの一部分の斜視図である。

    剪断バンドの一実施形態を有する非空気圧ホイールを有する本発明の別の例示の実施形態を示す図である。

    図2Aに特定された部分で取った図2Aの例示の剪断バンドの一部分の斜視図である。

    図2Aの例示の実施形態の2C‐2C線矢視断面図である。

    本発明の目的及び利点は、以下の説明に部分的に記載され又はこの記載から明らかな場合があり、或いは本発明の実施を通じて学習できる。 本明細書及び添付の図面全体を通じて参照符号の使用を繰り返すことは、本発明の同一又は類似の特徴又は要素を示すことを目的としている。

    本発明の例示の実施形態としてのホイール110が、図1Aに示されており、ホイール110の一部が、図1Bに示されている。 ホイール110は、半径方向R、円周方向C(図1A)及び軸方向A(図1B)を定めている。 ホイール110は、多数の支持要素130により剪断バンド140に連結されたハブ120を有している。 剪断バンド140は、剪断バンド140に沿って円周方向に互いに間隔を置いて位置する多数の円筒形要素170を有している。 ハブ120は、車両へのホイール110の連結を可能にし、このハブは、所望に応じて連結のための種々の構成を有するのが良い。 例えば、ハブ120は、車両軸線に取り付け可能な連結突出部、穴又は他の構造体を備えるのが良く、ハブは、図1Aに示されている特定の構成には限定されない。 支持要素130は、ハブ120を剪断バンド140に連結しており、それにより、加えられた荷重をハブ120に伝える。 ハブ120の場合と同様、支持要素130は、種々の形態を取ることができ、これら支持要素は、図1Aに示されている特定の幾何学的形状及び構造には限定されない。 加うるに、本明細書において開示する教示を用いて、当業者であれば、トレッド又は他の特徴部を円周方向外面155に容易に追加できることは理解されよう。

    円筒形要素170は、外側部材150と内側部材160との間に位置決めされている。 一実施形態では、例えば、部材150,160は、図1Aに示されているように円をなした金属要素で構成されるのが良い。 別の一例を挙げると、ばねの構成に使用されることがある鋼又は炭素を主成分とするフィラメントも又部材150,160の製作に利用できる。 エラストマー材料も又使用できるが、部材150,160にとって非エラストマー材料の利用は、極端な温度利用分野、例えばエラストマー材料が硬すぎる又は脆弱すぎる状態になる場合のある極地環境又は月面環境における利用を可能にする。 例えば、100度ケルビンという低い温度で機能を発揮することができる剪断バンド(かかる部材を有するホイールを含む)は、エラストマーによる構成が回避される場合に利用できる必要がある。

    この特定の例示の実施形態について図1A及び図1Bに焦点を合わせて参照すると、円筒形要素170は各々、比較的短い筒体で構成されている。 これらの図では完全に円形の筒体として示されているが、他の形状を使用することができる。 例えば、長円形又は楕円形の形を採用することができ、本明細書で用いられている「筒体」又は「円筒形」という用語は、これらの形状及び完全に円ではない場合があり、図示の長さとは異なる相対長さを有する場合のある筒体について他の形状を含む。 部材150,160の場合と同様、円筒形要素170は、種々の比較的弾性の高い材料(この場合も又、例えば、金属又は炭素を主成分とするフィラメントを含む)並びに温度が許す限りエラストマー及びポリマーを主成分とする材料で構成できる。 加うるに、本発明は、図示の軸方向に沿って相対的幅を有する円筒形要素170には限定されない。 これとは異なり、円筒形部材150,160の軸方向幅に対して互いに異なる幅を用いても良い。 例えば、5つの円筒形要素170が部材150,160の軸方向幅を横切った状態で示されているが、円筒形要素170について様々な幅を備えたこれとは異なる数の円筒形要素170を用いても良い。 さらに、円筒形要素170を図3に示されているように軸方向に沿って互いにすぐに隣接して位置決めできるが、軸方向に沿って広い隙間又は間隔を用いても良い。 変形例として、要素170は、以下に説明する別の例示の実施形態に関して説明するように互いにオーバーラップするよう構成されても良い。

    図1Bは、剪断バンド140の断面斜視図である。 特に、この例示の実施形態では締結具が用いられていない。 これに代えて、円筒形要素170は、円周方向外側及び内側歩合150,160に直接連結されている。 一例を挙げると、円筒形要素170は、部材150,160に溶接され又は接着されても良く、或いは、円筒形要素170は、かかる部材と一体に形成されても良い。 変形例として、種々の機械的締結具を用いて以下に説明するように円筒形要素170を互いに連結しても良い。

    次に図2A、図2B及び図2Cを参照すると、円筒形要素270は、軸方向Aに沿って互いにオーバーラップしている列276,278(図2)の状態に配置された状態で示されている。 しかしながら、この場合も又、本発明は、部材250,260相互間における円筒形要素270の他の多くの配置状態を含む。 例えば、円筒形要素270は、ランダムな列、平行な列、互い違いの列、ずれた列、オーバーラップした列、非オーバーラップ状態の列をなしても良く、軸方向Aに平行ではない列の状態に整列しても良い等である。 後で説明するように、円筒形要素270は、動作中に剪断層を提供し、この剪断層は、本発明の範囲に含まれる種々の幾何学的形状及び形態により達成できる。 加うるに、各円筒形要素270の軸線は、基本的に、軸方向Aに平行に示されている。 しかしながら、互いに平行ではない向きも又使用できる。 したがって、図2A〜図2Cの構成は、本発明の更に別の例示の実施形態を強調している。 この場合も又、本明細書に開示した教示を用いて、当業者であれば、本発明の剪断バンドを製作するために円筒形要素を外側部材と内側部材との間に提供するのに多くの構成及び幾何学的形状を使用できることは理解されよう。

    図2Bは、剪断バンド240の断面斜視図、図2Cは、断面図である。 特に、この例示の実施形態では、締結具274が用いられている。 具体的に説明すると、円筒形要素270は、締結具274が外側及び内側部材250,260を貫通することにより固定されている。 理解されるべきこととして、多数の他の形式の締結具又は技術を用いても、円筒形要素270の位置を固定することができ、本発明は、締結具274の使用には限定されない。 具体的に説明すると、円筒形要素270を部材250,260に連結する手段としては、リベット、エポキシ又は上述した一体構成としての成形が挙げられる。

    本発明の剪断バンドは、以下には限定されないが、ホイールの構成に利用でき、かかるホイールとしては、非空気圧タイヤ及び構造的支持のための空気圧を必要としない他のホイールが挙げられるが、これらには限定されない。 例えば、空気圧タイヤでは、路面接触圧力と剛性は、インフレーション圧力の直接的な結果であり、相関関係がある。 しかしながら、本発明の剪断バンドは、対応の構造的コンポーネントに基づき、有利には互いに独立して指定できる特性としての剛性及び路面接触圧力を有するホイール又はタイヤを構成するのに使用できる。 ホイール110,210は、かかる構成の例を提供している。 加うるに、そして有利には、本発明は、エラストマー材料(例えば、ゴム)又はポリマーを主成分とする材料には限定されない剪断バンド構成のための構造及び幾何学的形状を有するので、本発明は、極端な温度環境で使用できるホイールを構成できる。 本明細書で用いられる極端な温度環境としては、エラストマー又はポリマーを主成分とする材料にとって許容できない温度を受ける環境だけでなく、大幅な温度変動が生じる場合のある環境が挙げられる。

    例えば図1Aに戻ってこれを参照すると、幾つかの図及び上述の説明から理解されるように、外側部材150は、内側部材160よりも円周方向に長く、又、両方共比較的非延伸性である。 したがって、ホイール110に及ぼされた荷重を受けた動作状態では、部材150,160相互間の円筒形要素170の剪断により、剪断バンド140が変形して走行面(例えば、路面)との接触面積を大きくする又は接触領域を広くすることができる。

    具体的に説明すると、円筒形要素170は、ひとまとまりになって、有効剪断弾性率G effを有する剪断層として働く。 外側部材150及び内側部材160のこの有効剪断弾性率G effと有効縦引っ張り弾性率はE imとの間の関係により、荷重が及ぼされている状態での剪断バンド140の変形又は歪が調節される。 E im /G effの比が比較的低い場合、荷重を受けている剪断バンドの変形又は歪は、均質の部材の変形又は歪にほぼ等しく、走行面との非一様な接触圧力を生じさせる。 しかしながら、非E im /G effが十分に高い場合、荷重を受けている環状剪断バンド140の変形又は歪は、本質的には、剪断層(即ち、円筒形要素170)の剪断歪によって生じ、非延伸性部材150,160の縦伸長又は圧縮が僅かである。 完全に非延伸性の部材150,160は、最も効率的な構造を提供し、剪断層中における剪断変位を最大にする。 しかしながら、完全な非延伸性は、理論的であるに過ぎず、即ち、部材150,160の延伸性が増大すると、剪断変位は減少し、これについては、今、以下の概念的な説明項において説明する。

    接触領域において、半径R 1のところに位置する内側部材160は、引っ張り力を受ける。 半径R 2のところに位置する外側部材150は、これと大きさが等しいが向きが反対の圧縮力を受ける。 外側部材150と内側部材160が互いに等しい円周方向剛性を有する単純な場合に関し、外側部材150は、或る歪eだけ長くなり、内側部材160は、或る歪−eだけ短くなるであろう。 厚さhを有する剪断層の場合、これにより、以下のように定められる剪断バンドの剪断効率に関する関係式が得られる。

    完全に非延伸性の部材の場合、歪eは、ゼロであり、剪断効率は、100%であることが理解できる。

    歪eの値を以下の方程式により設計変数から近似させることができる。

    例えば、以下の値を備えた設計が提案されたと仮定する。
    h=10mm(バンド50,60相互間の半径方向距離)
    eff =4N/mm 2 (バンド相互間の有効剪断剛性)
    L=100mm(設計荷重に必要な接触パッチ長さ)
    2 =200mm(外側部材までの半径方向距離)
    1 =190mm(内側部材までの半径方向距離)
    E=20,000N/mm 2 (両方の部材150,160に関する引っ張り弾性率)
    t=0.5mm(両方の部材150,160の厚さ)

    Eを用いてeについて次のように計算する。
    e={(10)(100) 2 }/{8(200)(20,000)(0.5)}=0.0025

    次に、剪断効率を次のように計算することができる。

    かくして、この場合の効率は、ほぼ90%である。

    上述の分析は、外側部材150及び内側部材160が同一の構成を有しているということを前提条件としている。 しかしながら、部材150,160の厚さ及び/又は弾性率は、同一である必要はない。 本明細書において開示する原理を利用すると、当業者であれば、部材150,160に生じる歪を容易に計算し、次に、上述の方式を用いて剪断効率を計算することができる。 少なくとも50%の剪断効率が走行面との接触圧力の相当な低下を回避するのに維持される必要がある。 好ましくは、少なくとも75%の剪断効率が維持されるべきである。

    したがって、十分な剪断効率が達成されると、走行面との接触圧力は、実質的に一様になる。 かかる場合、所与の用途について剪断弾性率G effの値及び剪断層厚さの値を特定することができる次の有利な関係式が作られる。

    上式において P

    eff =所定の路面接触圧力 G

    eff =部材150,160中の柱状要素170の有効剪断弾性率 h=剪断層の厚さ、即ち、柱170の半径方向高さ R

    2 =外側部材150の半径方向位置

    当業者であれば、本明細書において開示する教示を用いると、P eff及びR 2は既知である場合が多いので、上述の関係式は、設計の場合に有用であり、設計者は、所与の用途に関してG eff及びhを最適化できるようになったままであることは理解されよう。

    剪断層140の挙動、特に、剪断弾性率G effは、今説明する方式を用いてモデル化できる。 非延伸性部材150、非延伸部材160及び円筒形要素170が各々、軸方向Aに沿って物理的特性において一様であり、円筒形要素170が円周方向Cに沿って主として剪断変形すると仮定すると、ホイール110は、軸方向Aに沿って幅が一単位(例えば、1mm)である二次元平面状モデルを備えたワイヤ利用型構造体(即ち、梁要素及びトラス要素)としてモデル化できる。 かかる方式の一部として、単一の円筒形要素は、単一の筒体としてモデル化され、この筒体は、一点(ノード(節))のところで拘束され、次に、筒体の反対側の一点(ノード)のところで非回転接線方向変位を受ける(即ち、これらノードは、筒体の二次元平面状モデルの直径方向反対側の端にそれぞれ位置している)。 このモデルを用いると、反力を計算し、これを用いて次のように等価有効剪断弾性率を求めることができる。

    上式において、


    G=剪断弾性率(単位は、N/mm

    2


    τ=剪断応力(単位は、N/mm

    2


    A=剪断度(単位は、ラジアン)

    剪断応力τは、次の良く知られた方程式を用いて計算される。

    上式において、


    F=上述の単一の筒体モデルに関して有限要素分析法によりコンピュータ計算した反力(単位N)


    A=1つの筒体に関する円周方向及び深さ方向におけるトリビュタリ(tributary)面積(単位は、mm

    2 )。

    有限要素モデルを上述したように深さ1.0mmに制限すると、以下の方程式を用いて環状部材の半径及び筒体の数の関数として面積Aを計算することができる。

    上式において、


    R=環状部材の半径(単位は、mm)


    N=筒体の数

    剪断角を次のように筒体に生じる既定の変位及び筒体の直径の関数として求める。

    上式において、


    δ=筒体の最上部ノードのところで生じる変位(単位は、mm)


    h=筒体の直径(単位は、mm)

    方程式(2)〜(5)を組み合わせると、有効剪断弾性率は、以下の方程式によって与えられる。

    反力Fは、筒体の材料の性質(即ち、ヤング率E及びポアソン比ν)及び筒体の厚さtで決まる。 したがって、剪断バンドの設計者は、設計変数E,ν,t,h,Nを選択し、変位δを選択し、次に所望の有効剪断弾性率を得るために、単一の筒体の有限要素分析法により(上述したばかりのモデルを用いて)反力Fをコンピュータ計算する。

    この方式を用いると、図1とほぼ同じ構成を備えた二次元ホイール110のモデル化を、本明細書において開示した教示を用いて当業者により理解されるように実施した。 ホイール110の幾何学的形状を、円筒形要素170、外側及び内側部材150,160(各々、ティモシェンコの二次梁有限要素を用いてモデル化されている)、支持要素130(圧縮なしの直線トラス要素としてモデル化されている)及び基準点を備えた剛性ワイヤとして表された路面のコンポーネントを有するワイヤ利用型構造に規定した。 境界条件として、変位が拘束された各支持要素130の半径方向内端部が挙げられ、路面と外側部材150との間の相互作用を摩擦のない接線方向挙動及びハードコンタクトの通常の挙動を含む接触として定義した。 シミュレーション中、路面を所定距離だけ次第に上方に動かした。 本明細書において開示した教示を用いる当業者であれば理解されるように、Abaqus/CAE(バージョン6.6‐1)という名称で販売されている市販のソフトウェアを用いて有限要素分析法を実施し、以下の結果が得られた。

    一例を挙げると、結果の示すところによれば、有効剪断弾性率G effは、円筒形要素170の厚さtが増大すると増大し、円筒形要素170の直径が増大すると減少する。 より重要なこととして、設計者が本発明に従って構成された剪断バンドについて許容可能な剪断弾性率G effをもたらすことができる方法が提供されている。

    最後に、注目されるべきこととして、本発明の利点は、内側部材と外側部材との間の相対的半径方向距離が或る特定の範囲に収まっている場合に、便宜的に得られる。 具体的に説明すると、好ましくは、以下の関係式が作られる。

    上式において、


    2 =外側部材の半径方向位置(例えば、回転軸線又はかかる部材により定められた半径の中心から内側部材までの距離)(図2Cを参照されたい)


    1 =内側部材の半径方向位置(例えば、回転軸線又はかかる部材により定められた半径の中心から内側部材までの距離)(図2Cを参照されたい)

    本発明の内容をその特定の実施形態に関して詳細に説明したが、当業者であれば、上述の理解を達成すると、かかる実施形態の変更例、変形例及び均等例を容易に想到できることは理解されよう。 したがって、本発明の開示内容の範囲は、限定ではなく、例示によって定められ、本発明は、当業者には容易に明らかな本発明の要旨のかかる改造、変形及び/追加を本発明の範囲に含まれることを排除しない。

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