car

申请号 JP2003392081 申请日 2003-11-21 公开(公告)号 JP4314385B2 公开(公告)日 2009-08-12
申请人 学校法人千葉工業大学; 有限会社リーディング・エッジ・デザイン; 发明人 将基 下村; 貴之 古田; 秀彰 大和; 悠 奥村; 俊治 山中; 正晴 清水; 哲雄 田原; 謙 遠藤;
摘要
权利要求
  • 底部を有する車体と、回転可能な車輪と、前記底部に設けられ前記車輪を支持するための支持部材と、を有する車において、
    前記車輪及び前記支持部材を、少なくとも8組備え、
    前記支持部材は、
    前記車輪を回転自在に支持する第一支持部と、
    該第一支持部を、該第一支持部に支持された前記車輪の向きが変更可能となるように支持する第二支持部と、
    前記底部に設けられ、その軸方向が前記底部に直交する方向に沿った回動軸まわりに回動可能な回動部と、を有し、
    前記回動部は、前記第二支持部を、
    前記車輪の、前記底部からの距離、が変更可能となるように、かつ、前記回動部の回動により、前記距離が維持された状態で前記車輪の位置が移動可能となるように、
    支持することを特徴とする車。
  • 請求項1に記載の車において、
    前記回動部は、平行リンク機構を介して、前記第二支持部を支持することを特徴とする車。
  • 請求項1又は請求項2に記載の車において、
    前記車輪を回転させるための第一駆動手段と、前記車輪の向きを変更するための第二駆動手段と、前記車輪の、前記底部からの距離を変更するための第三駆動手段と、前記回動部を回動させるための第四駆動手段と、を有し、
    前記第一駆動手段と前記第二駆動手段と前記第三駆動手段と前記第四駆動手段は、前記車輪毎に設けられていることを特徴とする車。
  • 請求項3に記載の車において、
    前記第一駆動手段と前記第二駆動手段と前記第三駆動手段と前記第四駆動手段は、前記支持部材内に設けられており、該支持部材と前記車輪は、前記底部のおもて面よりも下方に位置することを特徴とする車。
  • 請求項3又は請求項4に記載の車において、
    前記第一駆動手段と前記第二駆動手段と前記第三駆動手段と前記第四駆動手段を制御するための制御手段を有し、
    該制御手段は、前記車輪毎に設けられていることを特徴とする車。
  • 請求項5に記載の車において、
    前記制御手段は、前記底部のおもて面よりも下方に位置することを特徴とする車。
  • 請求項6に記載の車において、
    前記底部の裏面には、前記制御手段を収容するための凸部が設けられていることを特徴とする車。
  • 請求項7に記載の車において、
    前記底部の裏面には、
    前記車輪の前記底部からの距離が変更されて前記車輪が前記底部に近づいた際に、前記車輪又は前記支持部材が前記底部に接触することを防止するための凹部、
    が設けられていることを特徴とする車。
  • 請求項5乃至請求項8のいずれかに記載の車において、
    前記制御手段の各々と通信可能なメイン制御手段を有することを特徴とする車。
  • 請求項3乃至請求項9のいずれかに記載の車において、
    該車に備えられた少なくとも8個の車輪のうち一部の車輪、が地面に接地していない状態で、移動することを特徴とする車。
  • 請求項3乃至請求項9のいずれかに記載の車において、
    該車に備えられた少なくとも8個の車輪を選択的に地面に接地させることにより、地面に凹凸がある場合でも前記底部を水平に維持した状態で、移動することを特徴とする車。
  • 請求項11に記載の車において、
    前記凹凸を検知するための検知手段を備え、
    該検知手段の出力に応じて、前記少なくとも8個の車輪を選択的に地面に接地させることを特徴とする車。
  • 請求項3乃至請求項9のいずれかに記載の車において、
    前記車輪の、前記底部からの距離、を地面の傾斜に応じて変更させることにより、地面に傾斜がある場合でも前記底部を水平に維持した状態で、移動することを特徴とする車。
  • 請求項13に記載の車において、
    前記傾斜を検知するための検知手段を備え、
    該検知手段の出力に応じて、前記車輪の、前記底部からの距離、を変更させることを特徴とする車。
  • 請求項3乃至請求項9のいずれかに記載の車において、
    該車に備えられた少なくとも8個の車輪のうち一部の車輪を地面に接地させ、
    地面に接地した前記車輪の回転を停止させた状態で、該車輪に対応した、前記第二駆動手段及び前記第四駆動手段を駆動して、前記底部を地面に対して相対移動させることにより、
    移動することを特徴とする車。
  • 請求項1乃至請求項15のいずれかに記載の車において、
    該車は、人が乗車することが可能な乗用車であることを特徴とする車。
  • 請求項1乃至請求項15のいずれかに記載の車において、
    該車は、玩具の車であることを特徴とする車。
  • 請求項1乃至請求項15のいずれかに記載の車において、
    該車は、物を運搬するための運搬車であることを特徴とする車。
  • 底部を有する車体と、回転可能な車輪と、前記底部に設けられ前記車輪を支持するための支持部材と、を有する車において、
    前記車輪及び前記支持部材を、少なくとも8組備え、
    前記支持部材は、
    前記車輪を回転自在に支持する第一支持部と、
    該第一支持部を、該第一支持部に支持された前記車輪の向きが変更可能となるように支持する第二支持部と、
    前記底部に設けられ、その軸方向が前記底部に直交する方向に沿った回動軸まわりに回動可能な回動部と、を有し、
    前記回動部は、前記第二支持部を、
    前記車輪の、前記底部からの距離、が変更可能となるように、かつ、前記回動部の回動により、前記距離が維持された状態で前記車輪の位置が移動可能となるように、
    支持し、
    前記回動部は、平行リンク機構を介して、前記第二支持部を支持し、
    前記車輪を回転させるための第一駆動手段と、前記車輪の向きを変更するための第二駆動手段と、前記車輪の、前記底部からの距離を変更するための第三駆動手段と、前記回動部を回動させるための第四駆動手段と、を有し、
    前記第一駆動手段と前記第二駆動手段と前記第三駆動手段と前記第四駆動手段は、前記車輪毎に設けられており、
    前記第一駆動手段と前記第二駆動手段と前記第三駆動手段と前記第四駆動手段は、前記支持部材内に設けられており、該支持部材と前記車輪は、前記底部のおもて面よりも下方に位置し、
    前記第一駆動手段と前記第二駆動手段と前記第三駆動手段と前記第四駆動手段を制御するための制御手段を有し、
    該制御手段は、前記車輪毎に設けられており、
    前記制御手段は、前記底部のおもて面よりも下方に位置し、
    前記底部の裏面には、前記制御手段を収容するための凸部が設けられており、
    前記底部の裏面には、
    前記車輪の前記底部からの距離が変更されて前記車輪が前記底部に近づいた際に、前記車輪又は前記支持部材が前記底部に接触することを防止するための凹部、
    が設けられており、
    前記制御手段の各々と通信可能なメイン制御手段を有し、
    該車に備えられた少なくとも8個の車輪のうち一部の車輪、が地面に接地していない状態で、移動し、
    該車は、人が乗車することが可能な乗用車であることを特徴とする車。
  • 说明书全文

    本発明は、車に関する。 特に、底部を有する車体と、回転可能な車輪と、前記底部に設けられ前記車輪を支持するための支持部材と、を有する車に関する。

    車は、既によく知られている。 この車は、底部を有する車体と、回転可能な車輪と、前記底部に設けられ前記車輪を支持するための支持部材と、を有しており、当該車輪が回転することにより、所定の進行方向に走行する。

    特開2002−227883号公報

    ところで、典型的な従来の車は、4つの車輪を備え、当該4つの車輪の一部又は全部を駆動させて、所定の進行方向に走行する。 かかる車は、車輪の向きを変えて曲がったり、車輪を逆方向に回転させてバックしたりすることができるものの、その動作の多様性は限られたものとなる。
    本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、多様な動作を実行可能な車を実現することにある。

    主たる本発明は、底部を有する車体と、回転可能な車輪と、前記底部に設けられ前記車輪を支持するための支持部材と、を有する車において、前記車輪及び前記支持部材を、少なくとも8組備え、前記支持部材は、前記車輪を回転自在に支持する第一支持部と、該第一支持部を、該第一支持部に支持された前記車輪の向きが変更可能となるように支持する第二支持部と、前記底部に設けられ、その軸方向が前記底部に直交する方向に沿った回動軸まわりに回動可能な回動部と、を有し、前記回動部は、前記第二支持部を、前記車輪の、前記底部からの距離、が変更可能となるように、かつ、前記回動部の回動により、前記距離が維持された状態で前記車輪の位置が移動可能となるように、支持することを特徴とする車である。

    本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。

    本発明によれば、多様な動作を実行可能な車を実現することが可能となる。

    本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。

    底部を有する車体と、回転可能な車輪と、前記底部に設けられ前記車輪を支持するための支持部材と、を有する車において、前記車輪及び前記支持部材を、少なくとも8組備え、前記支持部材は、前記車輪を回転自在に支持する第一支持部と、該第一支持部を、該第一支持部に支持された前記車輪の向きが変更可能となるように支持する第二支持部と、前記底部に設けられ、その軸方向が前記底部に直交する方向に沿った回動軸まわりに回動可能な回動部と、を有し、前記回動部は、前記第二支持部を、前記車輪の、前記底部からの距離、が変更可能となるように、かつ、前記回動部の回動により、前記距離が維持された状態で前記車輪の位置が移動可能となるように、支持することを特徴とする車。
    このようにすれば、多様な動作を実行可能な車を実現することが可能となる。

    また、前記回動部は、平行リンク機構を介して、前記第二支持部を支持することとしてもよい。
    このようにすれば、回動部による第二支持部の支持が簡易な構成で実現される。

    また、前記車輪を回転させるための第一駆動手段と、前記車輪の向きを変更するための第二駆動手段と、前記車輪の、前記底部からの距離を変更するための第三駆動手段と、前記回動部を回動させるための第四駆動手段と、を有し、前記第一駆動手段と前記第二駆動手段と前記第三駆動手段と前記第四駆動手段は、前記車輪毎に設けられていることとしてもよい。
    かかる場合には、1つの車輪と、対応する支持部材と、対応する上記駆動手段とを1モジュール化できる。 したがって、当該モジュールを、車体に取付けたり、車体から取り外したりすることにより、容易に車輪の数を増やしたり減らしたりすることができる。

    また、前記第一駆動手段と前記第二駆動手段と前記第三駆動手段と前記第四駆動手段は、前記支持部材内に設けられており、該支持部材と前記車輪は、前記底部のおもて面よりも下方に位置することとしてもよい。
    かかる場合には、底部のおもて面を簡易に平坦(フラット)化させることができる。 そして、底部のおもて面が平坦である場合には、車体の内部構成をフレキシブルに設計することが可能となる。

    また、前記第一駆動手段と前記第二駆動手段と前記第三駆動手段と前記第四駆動手段を制御するための制御手段を有し、該制御手段は、前記車輪毎に設けられていることとしてもよい。
    かかる場合には、1つの車輪と、対応する支持部材と、対応する上述した駆動手段と、対応する制御手段とを1モジュール化できる。 したがって、当該モジュールを、車体に取付けたり、車体から取り外したりすることにより、より一層容易に車輪の数を増やしたり減らしたりすることができる。

    また、前記制御手段は、前記底部のおもて面よりも下方に位置することとしてもよい。
    かかる場合には、底部のおもて面をより一層簡易に平坦(フラット)化させることができる。 そして、底部のおもて面が平坦である場合には、車体の内部構成をフレキシブルに設計することが可能となる。

    また、前記底部の裏面には、前記制御手段を収容するための凸部が設けられていることとしてもよい。
    かかる場合には、制御手段のサイズが大きい場合であっても、底部のおもて面を簡易に平坦(フラット)化させることができる。

    また、前記底部の裏面には、前記車輪の前記底部からの距離が変更されて前記車輪が前記底部に近づいた際に、前記車輪又は前記支持部材が前記底部に接触することを防止するための凹部、が設けられていることとしてもよい。
    かかる場合には、底部のおもて面と車輪とが近接した状態で、車を動作させることができる。 また、地面に段差や縁石等の凸部がある場合には、凸部の高さが高くても、所望の動作(例えば、段差に乗り上がる動作や縁石を乗り越える動作)を実現することが可能となる。

    また、前記制御手段の各々と通信可能なメイン制御手段を有することとしてもよい。

    また、該車に備えられた少なくとも8個の車輪のうち一部の車輪、が地面に接地していない状態で、移動することとしてもよい。
    かかる場合には、地面に接地している車輪を用いて移動しながら、地面に接地していない車輪を動かして次の動作のための準備を実施することができる。

    また、該車に備えられた少なくとも8個の車輪を選択的に地面に接地させることにより、地面に凹凸がある場合でも前記底部を平に維持した状態で、移動することとしてもよい。

    また、前記凹凸を検知するための検知手段を備え、該検知手段の出に応じて、前記少なくとも8個の車輪を選択的に地面に接地させることとしてもよい。
    かかる場合には、凹凸の位置や高さに関する情報を予め有していなくても、所望の動作(例えば、段差に乗り上がる動作や縁石を乗り越える動作)を実行することができる。

    また、前記車輪の、前記底部からの距離、を地面の傾斜に応じて変更させることにより、地面に傾斜がある場合でも前記底部を水平に維持した状態で、移動することとしてもよい。

    また、前記傾斜を検知するための検知手段を備え、該検知手段の出力に応じて、前記車輪の、前記底部からの距離、を変更させることとしてもよい。
    かかる場合には、傾斜の位置や高さに関する情報を予め有していなくても、底部を水平に維持した状態で移動する動作を実行することができる。

    また、該車に備えられた少なくとも8個の車輪のうち一部の車輪を地面に接地させ、地面に接地した前記車輪の回転を停止させた状態で、該車輪に対応した、前記第二駆動手段及び前記第四駆動手段を駆動して、前記底部を地面に対して相対移動させることにより、移動することとしてもよい。

    また、該車は、人が乗車することが可能な乗用車であることとしてもよい。
    かかる場合には、利便性の高い乗用車が実現される。

    また、該車は、玩具の車であることとしてもよい。
    かかる場合には、購入者にとって魅力的な玩具の車が実現される。

    また、該車は、物を運搬するための運搬車であることとしてもよい。
    かかる場合には、多種多様な運搬が可能な運搬車が実現される。

    また、底部を有する車体と、回転可能な車輪と、前記底部に設けられ前記車輪を支持するための支持部材と、を有する車において、前記車輪及び前記支持部材を、少なくとも8組備え、前記支持部材は、前記車輪を回転自在に支持する第一支持部と、該第一支持部を、該第一支持部に支持された前記車輪の向きが変更可能となるように支持する第二支持部と、前記底部に設けられ、その軸方向が前記底部に直交する方向に沿った回動軸まわりに回動可能な回動部と、を有し、前記回動部は、前記第二支持部を、前記車輪の、前記底部からの距離、が変更可能となるように、かつ、前記回動部の回動により、前記距離が維持された状態で前記車輪の位置が移動可能となるように、支持し、前記回動部は、平行リンク機構を介して、前記第二支持部を支持し、前記車輪を回転させるための第一駆動手段と、前記車輪の向きを変更するための第二駆動手段と、前記車輪の、前記底部からの距離を変更するための第三駆動手段と、前記回動部を回動させるための第四駆動手段と、を有し、前記第一駆動手段と前記第二駆動手段と前記第三駆動手段と前記第四駆動手段は、前記車輪毎に設けられており、前記第一駆動手段と前記第二駆動手段と前記第三駆動手段と前記第四駆動手段は、前記支持部材内に設けられており、該支持部材と前記車輪は、前記底部のおもて面よりも下方に位置し、前記第一駆動手段と前記第二駆動手段と前記第三駆動手段と前記第四駆動手段を制御するための制御手段を有し、該制御手段は、前記車輪毎に設けられており、前記制御手段は、前記底部のおもて面よりも下方に位置し、前記底部の裏面には、前記制御手段を収容するための凸部が設けられており、前記底部の裏面には、前記車輪の前記底部からの距離が変更されて前記車輪が前記底部に近づいた際に、前記車輪又は前記支持部材が前記底部に接触することを防止するための凹部、が設けられており、前記制御手段の各々と通信可能なメイン制御手段を有し、該車に備えられた少なくとも8個の車輪のうち一部の車輪、が地面に接地していない状態で、移動し、該車は、人が乗車することが可能な乗用車であることを特徴とする車も実現可能である。

    ===乗用車2の構成例===
    先ず、図1乃至図7を用いて、本実施の形態に係る車の構成例について、その概要を説明する。 なお、本実施の形態においては、車の一例として、人が乗車することが可能な乗用車2について説明する。 図1は、乗用車2の構成の一例を表した六面図である。 図2は、図1の下図に対応した図、すなわち、乗用車2に備えられた底部6の裏面を表した図であり、後述する凹部6aの位置を解りやすくするために、便宜上、車輪8と、支持部材10とを省略して示したものである。 図7は、8つのサブコンピュータ12と、メインコンピュータ14の位置を説明するための説明図である。 図3乃至図6については、後述する。 なお、図1には、矢印にて上下方向を示しており、例えば、車体4は、車輪8の上部に配置されている。

    乗用車2は、車体4と、8つの車輪8と、当該車輪8毎に設けられた車輪8を支持するための8つの支持部材10と、を有している。

    車体4は、乗用車2のボディであり、従来の乗用車と同様に、屋根部、ドア部、フロントガラス部等を有している。 当該車体4には、人が乗車するスペースが設けられており、乗用車2に乗車した人は、後述する多様な動作を当該乗用車2に実行させるために、当該乗用車2を操作することができる。

    また、車体4には、さらに、底部6が設けられている。 当該底部6の表側の面(おもて面)は、乗用車2のフロア部としての役割を果たし、当該表側の面には、乗車する人が座るためのシートが設置されている。 また当該底部6の裏側の面(裏面)には、車輪8を支持するための支持部材10が設けられている。 なお、底部6のおもて面が、その面全体に亘ってフラットな構造となっている一方で、その裏面は、図2に示されるように、凹部6a(図2中、右下がり斜線が施された部分)と凸部6b(図2中、右上がり斜線が施された部分)とを備えている。 凹部6aと凸部6bの役割については、後に詳しく説明する。

    8つの車輪8と8つの支持部材10は、前記底部6のおもて面よりも下方に位置している。 より具体的には、8つの車輪8は、当該車輪8毎に設けられた前記支持部材10を介して、前記底部6の裏面に、設置されている。 ここで、車輪8及び支持部材10の構成について、図3乃至図6を用いて説明する。 図3は、車輪8及び支持部材10を示す斜視図である。 図4は、車輪8及び支持部材10を示す六面図である。 図5は、図4の左側面図に対応した図であり、支持部材10内に設けられているモータの位置を表す模式図である。 図6は、車輪8及び支持部材10の動作を説明するための説明図である。 なお、上述したとおり、乗用車2は車輪8及び支持部材10を8組備えているが、これらの構成は同様であるので、下記では、これらのうちの一に着目して説明する。

    支持部材10は、車輪8を支持する第一支持部52と、第一支持部52を支持する第二支持部54と、前記底部6に設けられ回動軸回りに回動可能な回動部56と、第二支持部54と回動部56とに架け渡された平行リンク機構58と、を備え、さらに、車輪8を回転させるための第一駆動手段の一例としての第一モータ60と、車輪8の向きを変更するための第二駆動手段の一例としての第二モータ62と、車輪8の、底部6からの距離を変更するための第三駆動手段の一例としての第三モータ64と、回動部56を回動させるための第四駆動手段の一例としての第四モータ66と、を有している。

    車輪8は、支持部材10に対し回転可能となるように構成されている。 図3中の矢印で示されるように、その回転方向は双方向である。

    第一支持部52は、車輪8を回転自在に支持する。 図5に示されるように、第一支持部52内には、第一モータ60が収容されており、当該第一モータ60は、その駆動力により、車輪8を回転させる。 なお、第一支持部52には、第一モータ60の駆動力を伝えるための、ギア、ベルト等の公知の駆動力伝達手段(不図示)も設けられている。

    第二支持部54は、第一支持部52に支持された車輪8の向きが変更可能となるように、第一支持部52を支持する。 すなわち、第一支持部52は、関節70を介して、第二支持部54と連結しており、関節70を中心として第一支持部52が車輪8と一体的に回動すると、第一支持部52と第二支持部54との成すが変更される。 そして、図6左図に示されるように、かかる動作によって、第一支持部52に支持された車輪8の向きが変更されることとなる。 また、図5に示されるように、第二支持部54内には、第二モータ62が収容されている。 当該第二モータ62は、その駆動力で第一支持部52を回動させることにより、車輪8の向きを変更させる。 なお、第二支持部54には、第二モータ62の駆動力を伝えるための、ギア、ベルト等の公知の駆動力伝達手段(不図示)も設けられている。

    回動部56は、前記底部6に設けられ、第二支持部54を、車輪8の、底部6からの距離、が変更可能となるように、支持する。 すなわち、回動部56は、第二支持部54と回動部56とに架け渡された平行リンク機構58を介して、第二支持部54と連結しており、平行リンク機構58を動作させると、図6中央図に示されるように、第二支持部54が、第一支持部52及び車輪8と一体的に上下する。 そして、かかる動作によって、車輪8の底部6からの距離、が変更される(車輪8が底部6に近づいたり遠ざかったりする)こととなる。 また、図5に示されるように、回動部56内には、第三モータ64が収容されており、当該第三モータ64は、その駆動力により、平行リンク機構58を動作させる。 より具体的には、平行リンク機構58は、一対の第一リンク58aと、該第一リンク58aよりも前記底部6側に位置する一対の第二リンク58bとを備えており、第三モータ64は、その駆動力で、第一リンク58aを軸Bまわりに回動させる。 このことにより、第一リンク58aが動作し、当該動作に伴って、第二リンク58bも、第一リンク58aに対する平行状態を維持したまま動作する。 なお、回動部56には、第三モータ64の駆動力を伝えるための、ギア、ベルト等の公知の駆動力伝達手段(不図示)も設けられている。 また、上述したように、底部6の裏面には凹部6aが設けられているが、当該凹部6aは、車輪8の底部6からの距離が変更されて車輪8が底部6に近づいた際に、車輪8又は支持部材10が底部6に接触することを防止する役割を果たす。

    また、回動部56は、その軸方向が底部6に直交する方向に沿った回動軸Aまわりに回動可能となるように構成されており、前記第二支持部54を、前記回動部56の回動により前記距離が維持された状態で前記車輪8の位置が移動可能となるように、支持する。 すなわち、回動部56が回動すると、図6右図に示されるように、第一支持部52と第二支持部54を介して回動部56に支持された車輪8が円弧を描くように移動する。 かかる際に、前述した第三モータ64が駆動されない場合には、車輪8の底部6からの距離が維持された状態で、車輪8の位置が移動することとなる。 また、図5に示されるように、回動部56内には、第四モータ66が収容されている。 当該第四モータ66は、その駆動力で回動部56を回動させることにより、車輪8の位置を移動させる。 なお、回動部56には、第四モータ66の駆動力を伝えるための、ギア、ベルト等の公知の駆動力伝達手段(不図示)も設けられている。

    また、乗用車2は、前記第一モータ60と前記第二モータ62と前記第三モータ64と前記第四モータ66を制御するための制御手段の一例としてのサブコンピュータ12を有している。 かかるサブコンピュータ12は、車輪8毎に、8つ設けられており、8つのサブコンピュータ12は、前記底部6のおもて面よりも下方に位置している。 より具体的には、8つのサブコンピュータ12は、図7に示されるように、底部6の裏面に設けられた前述した凸部6b内に収容されている。 各々のサブコンピュータ12は、それぞれ、CPU、ROM、RAM等を備えており、該サブコンピュータ12に対応する車輪8、に係る前述した動作を実現するための前記第一モータ60、第二モータ62、第三モータ64、及び、第四モータ66を制御する。

    さらに、乗用車2は、8つのサブコンピュータ12の各々と通信可能なメイン制御手段の一例としてのメインコンピュータ14を有している。 かかるメインコンピュータ14は、図7に示されるように、前記底部6の裏面であって、該底部6の端部に設けられており、本実施の形態においては、8つのサブコンピュータ12とケーブル16及びハブ18を介して接続されている。 メインコンピュータ14は、CPU、ROM、RAM等を備えており、8つのサブコンピュータ12を統括する役割を果たす。

    ===乗用車2の動作例===
    上述したとおり、本実施の形態に係る乗用車2は8つの車輪8を備えており、各々の車輪8は、個々に、上記4種類の独立した動き(車輪が回転する、車輪の向きが変更する、車輪の底部からの距離が変更する、車輪の位置が移動する)を実行することが可能となっている。 そして、各々の車輪8の当該動きが組み合わされて、乗用車2は多様な動作を実行する。

    以下、かかる多様な動作の一例について、図8乃至図13を用いて説明する。
    図8は、乗用車2が、前進走行と回転移動を連続的に実施する様子を示した状態遷移図である。 図9は、乗用車2が、前進走行と横方向移動を連続的に実施する様子を示した状態遷移図である。 図10は、乗用車2が、歩行する様子を示した状態遷移図である。 図11は、乗用車2が、前進走行中に段差に乗り上がる様子を示した状態遷移図である。 図12は、乗用車2が、縁石への接触を避けながら前進走行する様子を示した状態遷移図である。 図13は、乗用車2が、傾斜を上る様子を示した状態遷移図である。 なお、図8乃至図10において、斜線が施された車輪は、地面に接地していない車輪を、斜線が施されていない車輪は、地面に接地している車輪を表している。

    なお、下記においては、前記多様な動作の一例として、前進走行と回転移動を連続的に実施する動作、前進走行と横方向移動を連続的に実施する動作、歩行動作、地面に凹凸がある場合の動作、及び、地面に傾斜がある場合の動作について説明するが、当該乗用車2は、他の動作、例えば、斜め方向への移動やジグザク移動等の動作、も実行可能である。

    <<<前進走行と回転移動を連続的に実施する乗用車2の動作>>>
    先ず、乗用車2が前進走行と回転移動を連続的に実施する場合について、図8を用いて説明する。 なお、以下の説明においては、便宜上、前記第一モータ60を制御して車輪8を回転させる操作を操作A、前記第二モータ62を制御して、車輪8の向きを変更させる操作を操作B、前記第三モータ64を制御して、車輪8の底部6からの距離を変更させる(車輪8を上下させる)操作を操作C、前記第四モータ66を制御して、車輪8の位置を移動させる操作を操作D、と呼ぶ。

    最初の状態A1において、乗用車2が矢印の方向に前進走行しているものとする。 かかる場合には、総ての車輪が、地面に接地した状態で回転しており、8輪による前進走行が実行されている。

    次に、乗用車2の走行状態が、8輪による前進走行から、4輪による前進走行に切り替わる(状態A1→状態A2)。 当該切り替えは、車輪8b、8c、8f、8gの各々に対し操作Cを実行して当該車輪8b、8c、8f、8gが地面に接地しないようにすること、により実現される。 かかる際に、車輪8b、8c、8f、8gの回転は停止される。

    次に、乗用車2は、4輪による前進走行を行いつつ、次の動作(すなわち、回転移動)のための準備を実施する(状態A2→状態A3)。 すなわち、地面に接地していない車輪8b、8c、8f、8gの各々が図8に示される円周に沿うように、車輪8b、8c、8f、8gが配置される。 かかる準備は、車輪8b、8c、8f、8gの各々に対し操作B及び操作Dを実行することにより実現される。

    次に、地面に接地している車輪8a、8d、8e、8hの回転を停止させることにより、乗用車2が静止する(状態A3→状態A4)。 そして、かかる静止状態で、当該乗用車2は、地面に接地する車輪を、車輪8a、8d、8e、8hから車輪8b、8c、8f、8gへとスイッチさせる(状態A4→状態A5→状態A6)。 当該スイッチは、8つの車輪の各々に対し操作Cを実行することにより実現される。

    そして、新たに地面に接地した車輪8b、8c、8f、8gの各々に対し操作Aが実行され、車輪8b、8c、8f、8gの各々が図8に示される円周に沿った状態で、乗用車2が回転移動する(状態A6→状態A7→状態A8)。

    なお、上記においては、4つの車輪8b、8c、8f、8gが円周に沿った状態で回転移動動作が実行されたが、3つの車輪のみが円周に沿った状態で回転移動動作が実行されるようにしてもよい。

    <<<前進走行と横方向移動を連続的に実施する乗用車2の動作>>>
    次に、乗用車2が前進走行と横方向移動を連続的に実施する場合について、図9を用いて説明する。 なお、ここでも、前記第一モータ60を制御して車輪8を回転させる操作を操作A、前記第二モータ62を制御して、車輪8の向きを変更させる操作を操作B、前記第三モータ64を制御して、車輪8の底部6からの距離を変更させる(車輪8を上下させる)操作を操作C、前記第四モータ66を制御して、車輪8の位置を移動させる操作を操作D、と呼ぶ。

    最初の状態B1において、乗用車2が矢印の方向に前進走行しているものとする。 かかる場合には、総ての車輪が、地面に接地した状態で回転しており、8輪による前進走行が実行されている。

    次に、乗用車2の走行状態が、8輪による前進走行から、4輪による前進走行に切り替わる(状態B1→状態B2)。 当該切り替えは、車輪8b、8c、8f、8gの各々に対し操作Cを実行して当該車輪8b、8c、8f、8gが地面に接地しないようにすること、により実現される。 かかる際に、車輪8b、8c、8f、8gの回転は停止される。

    次に、乗用車2は、4輪による前進走行を行いつつ、次の動作(すなわち、横方向移動)のための準備を実施する(状態B2→状態B3)。 すなわち、地面に接地していない車輪8b、8c、8f、8gの各々の向きが、進行方向(図9の状態B3中矢印で示される方向)に直交する方向に沿う方向となるように、車輪8b、8c、8f、8gが配置される。 かかる準備は、車輪8b、8c、8f、8gの各々に対し操作Bを実行することにより実現される。

    次に、地面に接地している車輪8a、8d、8e、8hの回転を停止させることにより、乗用車2が静止する(状態B3→状態B4)。 そして、かかる静止状態で、当該乗用車2は、地面に接地する車輪を、車輪8a、8d、8e、8hから車輪8b、8c、8f、8gへとスイッチさせる(状態B4→状態B5→状態B6)。 当該スイッチは、8つの車輪の各々に対し操作Cを実行することにより実現される。

    そして、新たに地面に接地した車輪8b、8c、8f、8gの各々に対し操作Aが実行され、乗用車2が、図9の状態B7中矢印で示される方向に横方向移動する(状態B6→状態B7)。

    <<<乗用車2の歩行動作>>>
    次に、乗用車2が歩行する場合について、図10を用いて説明する。 ここで、乗用車2の「歩行」とは、地面に接地している車輪の回転を停止させた状態で、乗用車2が移動することを意味する。 より具体的には、乗用車2に備えられた8個の車輪8のうち一部の車輪8を地面に接地させ、地面に接地した前記車輪8の回転を停止させた状態で、該車輪8に対応した、前記第二モータ62及び前記第四モータ66を駆動して、前記底部6を地面に対して相対移動させることにより、乗用車2が移動する。 なお、ここでも、前記第二モータ62を制御して、車輪8の向きを変更させる操作を操作B、前記第三モータ64を制御して、車輪8の底部6からの距離を変更させる(車輪8を上下させる)操作を操作C、前記第四モータ66を制御して、車輪8の位置を移動させる操作を操作D、と呼ぶ。

    最初の状態C1において、乗用車2が静止しているものとする。 かかる状況においては、総ての車輪が、地面に接地した状態で、その回転が停止されている。

    次に、乗用車2の車輪8a、8c、8e、8gが、地面に接地していない状態となる(状態C1→状態C2)。 かかる状態の切り替えは、車輪8a、8c、8e、8gの各々に対し操作Cを実行することにより実現される。

    次に、乗用車2は、歩行動作のための準備を実施する(状態C2→状態C3)。 すなわち、乗用車2は、地面に接地していない車輪8a、8c、8e、8gの各々を、該乗用車2の前方側(図10の状態C3中、右側)へ、移動させる。 かかる移動は、車輪8a、8c、8e、8gの各々に対し操作Dを実行することにより実現される。 また、乗用車2は、車輪8a、8c、8e、8gの各々の向きが歩行する方向(図9の状態C3中、左から右へ向かう方向)に沿うように、車輪8a、8c、8e、8gの向きを変更させる。 かかる変更は、車輪8a、8c、8e、8gの各々に対し操作Bを実行することにより実現される。

    次に、乗用車2は、地面に接地する車輪を、車輪8b、8d、8f、8hから車輪8a、8c、8e、8gへとスイッチさせる(状態C3→状態C4→状態C5)。 当該スイッチは、8つの車輪の各々に対し操作Cを実行することにより実現される。

    そして、乗用車2は、新たに地面に接地した車輪8a、8c、8e、8gの回転を停止させた状態で、該車輪8a、8c、8e、8gに対して、操作B及び操作Dを実行する。 このことにより、乗用車2の底部6が地面に対して相対移動し、乗用車2の、矢印方向への歩行動作が実現される(状態C5→状態C6)。 また、乗用車2は、当該歩行動作と平行して、次の歩行動作のための準備を実施する(状態C5→状態C6)。 すなわち、乗用車2は、地面に接地していない車輪8b、8d、8f、8hの各々を、該乗用車2の前方側(図10の状態C6中、右側)へ、移動させる。 かかる移動は、車輪8b、8d、8f、8hの各々に対し操作Dを実行することにより実現される。 また、乗用車2は、車輪8b、8d、8f、8hの各々の向きが歩行する方向(図10の状態C6中、左から右へ向かう方向)に沿うように、車輪8b、8d、8f、8hの向きを変更させる。 かかる変更は、車輪8b、8d、8f、8hの各々に対し操作Bを実行することにより実現される。

    次に、乗用車2は、地面に接地する車輪を、車輪8a、8c、8e、8gから車輪8b、8d、8f、8hへとスイッチさせる(状態C6→状態C7→状態C8)。 当該スイッチは、8つの車輪の各々に対し操作Cを実行することにより実現される。

    そして、乗用車2は、新たに地面に接地した車輪8b、8d、8f、8hの回転を停止させた状態で、該車輪8b、8d、8f、8hに対して、操作B及び操作Dを実行する。 このことにより、乗用車2の底部6が地面に対して相対移動し、乗用車2の、矢印方向への歩行動作が実現される(状態C8→状態C9)。
    以下、上述した動作を繰り返すことにより、乗用車2の歩行が継続される。

    <<<地面に凹凸がある場合の乗用車2の動作>>>
    次に、地面に凹凸がある場合の乗用車2の動作について説明する。 本実施の形態に係る乗用車2は、当該乗用車2に備えられた8個の車輪8を選択的に地面に接地させることにより、地面に凹凸がある場合でも前記底部6を水平に維持した状態で、移動することができる。 以下、地面に凹凸がある場合の乗用車2の動作、の一例として、地面に段差がある場合の乗用車2の動作と、地面に縁石がある場合の乗用車2の動作について説明する。

    先ず、地面に段差がある場合の乗用車2の動作について、図11を用いて説明する。 なお、本実施の形態に係る乗用車2は、予め、段差の位置や高さに関する情報を有していることとする。

    最初の状態D1において、乗用車2が矢印の方向に前進走行しているものとする。 かかる場合には、総ての車輪が、地面に接地した状態で回転しており、8輪による前進走行が実行されている。

    次に、段差と車輪8a、8hとの距離が所定距離以内となったところで、乗用車2は、車輪8a、8hを、段差の高さ分だけ上方へ移動させる(状態D1→状態D2)。 すなわち、乗用車2の走行状態が、8輪による前進走行から、6輪による前進走行に切り替わる。

    そして、車輪8a、8hが、段差に到達した際には、当該車輪8a、8hは段差に乗り上がる(状態D2→状態D3)。 ここで、乗用車2の走行状態が、6輪による前進走行から、8輪による前進走行に戻ることとなる。

    次に、段差と車輪8b、8gとの距離が所定距離以内となったところで、乗用車2は、車輪8b、8gを、段差の高さ分だけ上方へ移動させる(状態D3→状態D4)。 すなわち、乗用車2の走行状態が、再度、8輪による前進走行から、6輪による前進走行に切り替わる。

    そして、車輪8b、8gが、段差に到達した際には、当該車輪8b、8gは段差に乗り上がる(状態D4→状態D5)。 ここで、乗用車2の走行状態が、再度、6輪による前進走行から、8輪による前進走行に戻ることとなる。

    以下、車輪8c、8fと車輪8d、8eについても、同様の動作が実施され(状態D5→状態D6→状態D7→状態D8→状態D9)、最終的に、総ての車輪が段差に接地した状態で、乗用車2が段差上を前進走行することとなる(状態D9)。

    このように、乗用車2は、8個の車輪8を選択的に地面に接地させることにより、底部6を常に(状態D1から状態D9に亘って)水平に維持した状態で、段差に乗り上がることができる。

    なお、上記においては、乗用車2が段差に乗り上がる動作について説明したが、当該動作を継続すれば、乗用車2は階段を上ることもできる。 また、乗用車2は、段差に乗り下がる動作も実行可能であり、当該動作を継続することにより、階段を下りることもできる。

    次に、地面に縁石がある場合の乗用車2の動作について、図12を用いて説明する。 なお、本実施の形態に係る乗用車2は、予め、縁石の位置や高さに関する情報を有していることとする。

    最初の状態E1において、乗用車2が矢印の方向に前進走行しているものとする。 かかる場合には、総ての車輪が、地面に接地した状態で回転しており、8輪による前進走行が実行されている。

    次に、縁石と車輪8a、8hとの距離が所定距離以内となったところで、乗用車2は、車輪8a、8hを、上方へ移動させる(状態E1→状態E2)。 すなわち、乗用車2の走行状態が、8輪による前進走行から、6輪による前進走行に切り替わる。 なお、車輪8a、8hを、どれだけ上方へ移動させるかについては、縁石の高さに依存する。 換言すれば、車輪8a、8hが縁石に到達した際に車輪8a、8hが縁石に接触しない程度に、車輪8a、8hを上方へ移動させればよい。 そして、車輪8a、8hが縁石に到達した際には、当該車輪8a、8hの縁石への接触が回避される。

    次に、車輪8a、8hが縁石を通過したところで、乗用車2は、車輪8a、8hを、下方へ移動させて、地面に接地させる(状態E2→状態E3)。 ここで、乗用車2の走行状態が、6輪による前進走行から、8輪による前進走行に戻ることとなる。

    次に、縁石と車輪8b、8gとの距離が所定距離以内となったところで、乗用車2は、車輪8b、8gを、上方へ移動させる(状態E3→状態E4)。 すなわち、乗用車2の走行状態が、再度、8輪による前進走行から、6輪による前進走行に、切り替わる。 そして、車輪8b、8gが縁石に到達した際には、当該車輪8b、8gの縁石への接触が回避される。

    次に、車輪8b、8gが縁石を通過したところで、乗用車2は、車輪8b、8gを、下方へ移動させて、地面に接地させる(状態E4→状態E5)。 ここで、乗用車2の走行状態が、再度、6輪による前進走行から、8輪による前進走行に戻ることとなる。

    以下、車輪8c、8fと車輪8d、8eについても、同様の動作が実施され(状態E5→状態E6→状態E7→状態E8→状態E9)、最終的に、総ての車輪が縁石に接触することなく、乗用車2が縁石を通過することとなる(状態E9)。

    このように、乗用車2は、8個の車輪8を選択的に地面に接地させることにより、底部6を常に(状態E1から状態E9に亘って)水平に維持した状態で、縁石への接触を避けながら前進走行することができる。

    なお、上記においては、地面に凸部(縁石)がある場合の乗用車2の動作について説明したが、当該乗用車2は、8個の車輪8を選択的に地面に接地させることにより、地面に窪みや穴等の凹部がある場合でも底部6を水平に維持した状態で、前記凹部への接触を避けながら前進走行することができる。

    また、上記においては、乗用車2が直進する例について説明したが、当該乗用車2は、地面に段差や縁石がある場合でも底部6を水平に維持した状態で、曲がったり、回転移動したりすることもできる。

    また、上記においては、乗用車2が、予め、段差や縁石等凹凸の位置や高さに関する情報を有しており、当該情報に基づいて8個の車輪8を選択的に地面に接地させることこととしたが、これに限定されるものではない。 例えば、当該凹凸を検知するための検知手段の出力に応じて、8個の車輪を選択的に地面に接地させることとしてもよい。

    <<<地面に傾斜がある場合の乗用車2の動作>>>
    次に、地面に傾斜がある場合の乗用車2の動作について説明する。 本実施の形態に係る乗用車2は、車輪8の、前記底部6からの距離、を地面の傾斜に応じて変更させることにより、地面に傾斜がある場合でも底部6を水平に維持した状態で、移動することができる。 以下、地面に傾斜がある場合の乗用車2の動作について、図13を用いて説明する。 なお、本実施の形態に係る乗用車2は、予め、傾斜の位置や高さに関する情報を有していることとする。 また、本実施の形態において、地面の傾斜の傾斜角は常に一定であるものとする。

    最初の状態F1において、乗用車2が矢印の方向に前進走行しているものとする。 かかる場合には、総ての車輪が、地面に接地した状態で回転しており、8輪による前進走行が実行されている。

    次に、車輪8a、8hが傾斜に差し掛かったところで、乗用車2は、車輪8a、8hを上方へ移動させる(状態F1→状態F2)。 なお、車輪8a、8hを、どれだけ上方へ移動させるかについては、傾斜の程度に依存する。 より具体的には、車輪8a、8hの前記底部6からの距離と車輪8d、8eの前記底部6からの距離との差が、車輪8a、8hが接地している地面の高さと車輪8d、8eが接地している地面の高さとの差、と常に等しくなるように、車輪8a、8hを移動させる。

    次に、車輪8b、8gが傾斜に差し掛かったところで、乗用車2は、車輪8b、8gを、上方へ移動させる(状態F2→状態F3)。 ここでも、車輪8b、8gを、どれだけ上方へ移動させるかについては、傾斜の程度に依存し、乗用車2は、車輪8b、8gの前記底部6からの距離と車輪8d、8eの前記底部6からの距離との差が、車輪8b、8gが接地している地面の高さと車輪8d、8eが接地している地面の高さとの差、と常に等しくなるように、車輪8b、8gを移動させる。 また、状態F2→状態F3の間においても、乗用車2は、車輪8a、8hの前記底部6からの距離と車輪8d、8eの前記底部6からの距離との差が、車輪8a、8hが接地している地面の高さと車輪8d、8eが接地している地面の高さとの差、と常に等しくなるように、車輪8a、8hを移動させる。

    次に、車輪8c、8fが傾斜に差し掛かったところで、乗用車2は、車輪8c、8fを、上方へ移動させる(状態F3→状態F4)。 ここでも、車輪8c、8fを、どれだけ上方へ移動させるかについては、傾斜の程度に依存し、乗用車2は、車輪車輪8c、8fの前記底部6からの距離と車輪8d、8eの前記底部6からの距離との差が、車輪8c、8fが接地している地面の高さと車輪8d、8eが接地している地面の高さとの差、と常に等しくなるように、車輪8c、8fを移動させる。

    また、状態F3→状態F4の間においても、乗用車2は、車輪8a、8hの前記底部6からの距離と車輪8d、8eの前記底部6からの距離との差が、車輪8a、8hが接地している地面の高さと車輪8d、8eが接地している地面の高さとの差、と常に等しくなるように、車輪8a、8hを移動させる。 同様に、車輪8b、8gの前記底部6からの距離と車輪8d、8eの前記底部6からの距離との差が、車輪8b、8gが接地している地面の高さと車輪8d、8eが接地している地面の高さとの差、と常に等しくなるように、車輪8b、8gを移動させる。

    そして、車輪8d、8eが傾斜に差し掛かったところで、前述した車輪8a、8b、8c、8f、8g、8hの上方移動を停止する。 最終的に、乗用車2が傾斜上を前進走行することとなる(状態F4→状態F5)。

    このように、乗用車2は、車輪8の、前記底部6からの距離、を地面の傾斜に応じて変更させることにより、地面に傾斜がある場合でも底部6を常に(状態F1から状態F5に亘って)水平に維持した状態で、移動することができる。

    なお、上記においては、乗用車2が傾斜を上る動作について説明したが、車輪8を地面の傾斜に応じて下方へ移動させることとすれば、乗用車2は傾斜を下りることもできる。

    また、上記においては、乗用車2が直進する例について説明したが、当該乗用車2は、地面に傾斜がある場合でも底部6を水平に維持した状態で、曲がったり、回転移動したりすることもできる。

    また、上記においては、乗用車2が、予め、傾斜の位置や高さに関する情報を有しており、当該情報に基づいて車輪8の底部6からの距離、を変更させることとしたが、これに限定されるものではない。 例えば、当該傾斜を検知するための検知手段の出力に応じて、車輪の底部からの距離、を変更させることとしてもよい。

    発明が解決しようとする課題の項で述べたとおり、典型的な従来の車は、4つの車輪を備え、当該4つの車輪の一部又は全部を駆動させて、所定の進行方向に走行する。 かかる車は、車輪の向きを変えて曲がったり、車輪を逆方向に回転させてバックしたりすることができるものの、その動作の多様性は限られたものとなる。

    一方、本実施の形態に係る車は、車輪8及び支持部材10を、少なくとも8組備え、さらに、当該支持部材10は、車輪8を回転自在に支持する第一支持部52と、該第一支持部52を、該第一支持部52に支持された車輪8の向きが変更可能となるように支持する第二支持部54と、前記底部6に設けられ、その軸方向が底部6に直交する方向に沿った回動軸まわりに回動可能な回動部56と、を有し、前記回動部56は、第二支持部54を、車輪8の、底部6からの距離、が変更可能となるように、かつ、回動部56の回動により、前記距離が維持された状態で前記車輪8の位置が移動可能となるように、支持するから、上述したような多様な動作を実行することができる。

    ===その他の実施の形態===
    以上、上記実施の形態に基づき本発明に係る車等を説明したが、上記発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。 本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。

    なお、上記実施の形態においては、車の一例として、人が乗車することが可能な乗用車2について説明したが、車であればどのようなものにも適用することができる。 例えば、該車は、玩具の車であることとしてもよいし、物を運搬するための運搬車であることとしてもよい。

    本発明に係る車が、乗用車、玩具の車、運搬車である場合には、以下のメリットが生じる。 すなわち、本発明に係る車が乗用車であれば、当該乗用車は、多様な動作を実行することができるから、利便性の高い乗用車が実現される。 また、本発明に係る車が玩具の車であれば、当該玩具の車は、多様な動作を実行することができるから、購入者にとって魅力的な玩具の車が実現される。 また、本発明に係る車が運搬車であれば、当該運搬車は、多様な動作を実行することができるから、多種多様な運搬が可能な運搬車が実現される。

    また、上記実施の形態において、回動部56は、平行リンク機構58を介して、第二支持部54を支持することとしたが、これに限定されるものではない。 例えば、回動部が、平行リンク機構以外の機構を介して、第二支持部を支持することとしてもよい。
    ただし、回動部56による第二支持部54の支持が簡易な構成で実現される点で、上記実施の形態の方がより望ましい。

    また、上記実施の形態において、第一モータ60と、第二モータ62と、第三モータ64と、第四モータ66は、車輪8毎に設けられていることとしたが、これに限定されるものではない。 例えば、上記モータのいずれかが、複数の車輪を駆動するように構成されていることとしてもよい。

    第一モータ60と、第二モータ62と、第三モータ64と、第四モータ66が、車輪8毎に設けられている場合には、1つの車輪8と、対応する支持部材10と、対応する上記モータとを1モジュール化できる。 したがって、当該モジュールを、車体4に取付けたり、車体4から取り外したりすることにより、容易に車輪8の数を増やしたり減らしたりすることができる。 この点で、上記実施の形態の方がより望ましい。

    また、上記実施の形態において、第一モータ60と、第二モータ62と、第三モータ64と、第四モータ66は、前記支持部材10内に設けられており、該支持部材10と前記車輪8は、前記底部6のおもて面よりも下方に位置することとしたが、これに限定されるものではない。 例えば、支持部材と車輪は、底部のおもて面よりも上方に位置することとしてもよい。

    第一モータ60と、第二モータ62と、第三モータ64と、第四モータ66が、前記支持部材10内に設けられており、該支持部材10と前記車輪8が、前記底部6のおもて面よりも下方に位置する場合には、底部6のおもて面を簡易に平坦(フラット)化させることができる。 そして、底部6のおもて面が平坦である場合には、車体4の内部構成(特に、底部6のおもて面周辺)をフレキシブルに設計することが可能となる。 この点で、上記実施の形態の方がより望ましい。

    また、上記実施の形態においては、第一モータ60と、第二モータ62と、第三モータ64と、第四モータ66を制御するためのサブコンピュータ12が、車輪8毎に設けられていることとしたが、これに限定されるものではない。 例えば、サブコンピュータが、複数の車輪を制御するように構成されていることとしてもよい。

    サブコンピュータ12が車輪8毎に設けられている場合には、1つの車輪8と、対応する支持部材10と、対応する上述したモータと、対応するサブコンピュータ12とを1モジュール化できる。 したがって、当該モジュールを、車体4に取付けたり、車体4から取り外したりすることにより、より一層容易に車輪8の数を増やしたり減らしたりすることができる。 この点で、上記実施の形態の方がより望ましい。

    また、上記実施の形態において、サブコンピュータ12は、前記底部6のおもて面よりも下方に位置することとしたが、これに限定されるものではない。 例えば、サブコンピュータは、底部のおもて面よりも上方に位置することとしてもよい。
    サブコンピュータ12が、前記底部6のおもて面よりも下方に位置する場合には、底部6のおもて面をより一層簡易に平坦(フラット)化させることができる。 そして、底部6のおもて面が平坦である場合には、車体4の内部構成(特に、底部6のおもて面周辺)をフレキシブルに設計することが可能となる。 この点で、上記実施の形態の方がより望ましい。

    また、上記実施の形態において、前記底部6の裏面には、サブコンピュータ12を収容するための凸部6bが設けられていることとしたが、これに限定されるものではない。 例えば、底部の裏面に当該凸部が設けられていないこととしてもよい。
    ただし、サブコンピュータ12のサイズが大きい場合であっても、底部6のおもて面を簡易に平坦(フラット)化させることができる点で、上記実施の形態の方がより望ましい。

    また、上記実施の形態において、前記底部6の裏面には、車輪8の底部6からの距離が変更されて車輪8が底部6に近づいた際に、車輪8又は前記支持部材10が底部6に接触することを防止するための凹部6a、が設けられていることとしたが、これに限定されるものではない。 例えば、底部の裏面に当該凹部が設けられていないこととしてもよい。
    底部6の裏面に上記機能を有する凹部6aが設けられている場合には、底部6のおもて面と車輪8とが近接した状態で、車を動作させることができる。 換言すれば、車が、その車高を低くした状態で移動することができる。 また、地面に段差や縁石等の凸部がある場合には、凸部の高さが高くても、所望の動作(例えば、段差に乗り上がる動作や縁石を乗り越える動作)を実現することが可能となる。 また、地面に傾斜がある場合には、当該傾斜の傾斜角が大きい場合にも、底部を水平に維持した状態で移動する動作を実現することが可能となる。 これらの点で、上記実施の形態の方がより望ましい。

    また、上記実施の形態においては、前記サブコンピュータ12の各々と通信可能なメインコンピュータ14を有することとしたが、これに限定されるものではない。 例えば、当該メインコンピュータを有しないこととしてもよい。

    乗用車2の構成の一例を表した六面図である。

    乗用車2に備えられた底部6の裏面を表した図である。

    車輪8及び支持部材10を示す斜視図である。

    車輪8及び支持部材10を示す六面図である。

    支持部材10内に設けられているモータの位置を表す模式図である。

    車輪8及び支持部材10の動作を説明するための説明図である。

    8つのサブコンピュータ12と、メインコンピュータ14の位置を説明するための説明図である。

    乗用車2が、前進走行と回転移動を連続的に実施する様子を示した状態遷移図である。

    乗用車2が、前進走行と横方向移動を連続的に実施する様子を示した状態遷移図である。

    乗用車2が、歩行する様子を示した状態遷移図である。

    乗用車2が、前進走行中に段差に乗り上がる様子を示した状態遷移図である。

    乗用車2が、縁石への接触を避けながら前進走行する様子を示した状態遷移図である。

    乗用車2が、傾斜を上る様子を示した状態遷移図である。

    符号の説明

    2 乗用車 4 車体 6 底部 6a 凹部 6b 凸部 8 車輪 10 支持部材 12 サブコンピュータ 14 メインコンピュータ 16 ケーブル 18 ハブ 52 第一支持部 54 第二支持部 56 回動部 58 平行リンク機構 58a 第一リンク 58b 第二リンク 60 第一モータ 62 第二モータ 64 第三モータ 66 第四モータ 70 関節

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