アルミニウムホイール用のプライマー塗料組成物

申请号 JP2014538027 申请日 2014-03-24 公开(公告)号 JP6270728B2 公开(公告)日 2018-01-31
申请人 関西ペイント株式会社; 发明人 松田 英樹; 本間 弘衛;
摘要
权利要求

構成する単量体の合計に対して、下記の式(1)で表される窒素含有ラジカル重合性不飽和単量体(a1)を5〜35質量%、カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体(a2)を1〜10質量%及びその他のラジカル重合性不飽和単量体(a3)を55〜94質量%の混合物を反応させることによって得られる共重合体樹脂(A)、並びに共重合体樹脂(A)の固形分合計100質量部に対して、ヒュームドシリカ(B)を1〜30質量部、マグネシウムを含有するリン酸系化合物(C)を0.1〜10質量部含む、アルミニウムホイール用のプライマー塗料組成物。 (式(1)中、R1は原子又はCH3を表し、R2は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す)共重合体樹脂(A)の固形分合計100質量部に対して、金属イオン交換シリカ(D)を0.1〜10質量部含有する請求項1に記載のアルミニウムホイール用のプライマー塗料組成物。共重合体樹脂(A)の固形分合計100質量部に対して、エポキシ化合物(E)を1〜20質量部含有する請求項1又は2に記載のアルミニウムホイール用のプライマー塗料組成物。共重合体樹脂(A)の固形分合計100質量部に対して、シランカップリング剤(F)を1〜20質量部含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウムホイール用のプライマー塗料組成物。共重合体樹脂(A)の固形分合計100質量部に対して、脱水剤(G)を1〜30質量部含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウムホイール用のプライマー塗料組成物。表面処理されていてもよいアルミニウムホイール上に、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルミニウムホイール用のプライマー塗料組成物による未硬化又は硬化塗膜を形成し、該未硬化又は硬化塗膜上に、少なくとも1層の上塗塗膜を形成することを特徴とする塗膜形成方法。

说明书全文

[関連出願の相互参照] 本出願は、2013年5月8日に出願された、日本国特許出願第2013−098611号明細書(その開示全体が参照により本明細書中に援用される)に基づく優先権を主張する。 本発明は、塗料安定性に優れ、かつ防食性、エッジ防食性及び耐糸錆び性に優れた塗膜を形成できるアルミニウムホイール用のプライマー塗料組成物に関する。

アルミニウム及びアルミニウム合金部材は、切削や研磨などの機械加工が容易なこと、防食性に優れる点、軽量で燃費向上になる等の点からアルミニウムホイール等の自動車部品に広く使用されている。上記アルミニウムホイール上には、プライマー塗料が塗装されており、その塗膜には、防食性、エッジ防食性及び耐糸錆び性の性能が求められている。

最近のアルミニウムホイールは、高級感が得られるような複雑なデザインが増加したため、切削加工でシャープなエッジ部分が多くなってきた。そこで、このエッジ部分を被覆保護するため種々工夫した塗料が開発されている。

例えば、自己架橋型アクリル樹脂100重量部、超微粒子シリカ10〜20重量部、エポキシ樹脂3〜10重量部、シランカップリング剤5〜20重量部とを含むプライマー塗料組成物が開示されている(特許文献1)。

他に、アルミホイール上に、特定の防食塗料組成物(プライマー塗料)を塗布した後、次いでクリヤー塗料組成物を塗布するアルミホイールの塗装方法であって、前記防食塗料組成物が、特定のアクリル樹脂及び特定のエポキシ樹脂、必要に応じて粉末シリカを含有する塗料であることが開示されている(特許文献2)。

しかし、アルミニウムホイールは、融塩を撒いた寒冷地での塩害走行等の厳しい腐食環境下で使用されることもあり、上記特許文献1又は特許文献2に開示されたプライマー塗料による塗膜では、防食性、エッジ防食性及び耐糸錆び性のいずれかの性能が不十分であった。

特開平5−51553号公報

国際公開第2012/096331号パンフレット

本発明の課題は、塗料安定性に優れ、かつ防食性、エッジ防食性及び耐糸錆び性に優れる塗膜を形成できるアルミニウムホイール用のプライマー塗料組成物を見出すことである。(以下、「アルミニウムホイール用のプライマー塗料組成物」を、単に「プライマー塗料組成物」と略称することがある)

本発明者等は鋭意検討した結果、特定の共重合体樹脂(A)、並びに共重合体樹脂(A)の固形分合計100質量部に対して、ヒュームドシリカ(B)1〜30質量部、マグネシウムを含有するリン酸系化合物(C)1〜10質量部含有するアルミニウムホイール用のプライマー塗料組成物によって、上記課題の解決が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。

即ち、本発明は、 「1.構成する単量体の合計に対して、下記の式(1)で表される窒素含有ラジカル重合性不飽和単量体(a1)を5〜35質量%、カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体(a2)を1〜10質量%及びその他のラジカル重合性不飽和単量体(a3)を55〜94質量%の混合物を反応させることによって得られる共重合体樹脂(A)、並びに共重合体樹脂(A)の固形分合計100質量部に対して、ヒュームドシリカ(B)を1〜30質量部、マグネシウムを含有するリン酸系化合物(C)を0.1〜10質量部含む、アルミニウムホイール用のプライマー塗料組成物、

(式(1)中、R1原子又はCH3を表し、R2は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す) 2.共重合体樹脂(A)の固形分合計100質量部に対して、金属イオン交換シリカ(D)を0.1〜10質量部含有する1項に記載のアルミニウムホイール用のプライマー塗料組成物、 3.共重合体樹脂(A)の固形分合計100質量部に対して、エポキシ化合物(E)を1〜20質量部含有する1項又は2項に記載のアルミニウムホイール用のプライマー塗料組成物、 4.共重合体樹脂(A)の固形分合計100質量部に対して、シランカップリング剤(F)を1〜20質量部含有する1〜3項のいずれか1項に記載のアルミニウムホイール用のプライマー塗料組成物、 5.共重合体樹脂(A)の固形分合計100質量部に対して、脱水剤(G)を1〜30質量部含有する1〜4項のいずれか1項に記載のアルミニウムホイール用のプライマー塗料組成物、 6.表面処理されていてもよいアルミニウムホイール上に、1〜5項のいずれか1項に記載のアルミニウムホイール用のプライマー塗料組成物による、未硬化又は硬化塗膜を形成し、該未硬化又は硬化塗膜上に、少なくとも1層の上塗塗膜を形成することを特徴とする塗膜形成方法」に関する。

本発明のプライマー塗料組成物は、塗料安定性が良好である。プライマー塗料組成物を塗装して得られたアルミニウムホイールは、防食性、エッジ防食性及び耐糸錆び性に優れた性能を有する。

本発明は、特定の共重合体樹脂(A)、ヒュームドシリカ(B)及びマグネシウムを含有するリン酸系化合物(C)を含む、アルミニウムホイール用のプライマー塗料組成物に関する。さらに、必要に応じて、該プライマー塗料組成物中に、金属イオン交換シリカ(D)、エポキシ樹脂(E)、シランカップリング剤(F)及び脱水剤(G)などを配合できる。以下、詳細に説明する。

[共重合体樹脂(A)] 本発明のプライマー塗料組成物に用いる共重合体樹脂(A)は、下記の式(1)で表される窒素含有ラジカル重合性不飽和単量体(a1)を5〜35質量%、カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体(a2)を1〜10質量%及びその他のラジカル重合性不飽和単量体(a3)を55〜94質量%の混合物を反応させることによって得られる樹脂である。

(式(1)中、R1は水素原子又はCH3を表し、R2は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す) 本発明において、ラジカル重合性不飽和単量体とは、1個以上(例えば、1〜4個)の重合性不飽和基を有する単量体を示す。重合性不飽和基とは、ラジカル重合しうる不飽和基を意味する。かかる重合性不飽和基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、アリル基等が挙げられる。

窒素含有ラジカル重合性不飽和単量体(a1) 窒素含有ラジカル重合性不飽和単量体(a1)を示す式(1)において、R2で示される炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖上のアルキル基等を挙げることができ、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基等が含まれる。

窒素含有ラジカル重合性不飽和単量体(a1)としては、下記の式(1)で表される単量体を特に限定されることなく使用でき、例えば、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−i−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−i−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ペンチルオキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシルオキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。窒素含有ラジカル重合性不飽和単量体(a1)は、適宜に、単独もしくは2種以上組み合わせ使用することができる。

カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体(a2) カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体(a2)としては、カルボキシル基を1個以上、好ましくは1又は2個有するラジカル重合性不飽和単量体等を挙げることができる。カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体(a2)としては、特に限定されることなく使用でき、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、及びこれらの無水物やハーフエステル化物などのカルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体が挙げられる。カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体(a2)は、適宜に、単独もしくは2種以上組み合わせ使用することができる。

その他のラジカル重合性不飽和単量体(a3) その他のラジカル重合性不飽和単量体(a3)としては、特に限定されることなく使用でき、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシクロロプロピルおよびダイセル化学(株)製の商品名「プラクセルF」シリーズ(ラクトン変性(メタ)アクリル酸エステル)などの水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エチルカルビトール、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロデシニル等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステル又はシクロアルキルエステルラジカル重合性不飽和単量体;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ブチルアミノエチル等のカルボン酸アミノアルキルエステルラジカル重合性不飽和単量体;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルおよび(メタ)アクリル酸モルホリノエチル;(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、グリシジルビニルエーテルなどのエポキシ基含有ラジカル重合性不飽和単量体;(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸トリエトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸メチルジメトキシシリルプロピルおよびビニルトリメトキシシランなどのアルコキシシリル基含有ラジカル重合性不飽和単量体;エチレン、プロピレンおよびイソブチレンなどのα−オレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルおよびフッ化ビニリデンなどの部分ハロゲン化オレフィン;酢酸アリル、酪酸アリル等のアリル化合物;クロトン酸エチル、クロトン酸プロピル等のクロトン酸エステル類;エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどのカルボン酸ビニル類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族系ラジカル重合性不飽和単量体;アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等が例示される。これらのその他のラジカル重合性不飽和単量体(a3)は、適宜に、単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。

本発明において、その他のラジカル重合性不飽和単量体(a3)としては、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体、アクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステル又はシクロアルキルエステルラジカル重合性不飽和単量体及び芳香族系ラジカル重合性不飽和単量体の少なくとも1種を含むものが好ましい。

なお、これらの単量体の配合割合としては、共重合体樹脂(A)を構成するラジカル重合性不飽和単量体の合計質量に対して、窒素含有ラジカル重合性不飽和単量体(a1)は5〜35質量%、好ましくは8〜32質量%、カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体(a2)は1〜10質量%、好ましくは2〜8質量%、その他のラジカル重合性不飽和単量体(c)は55〜94質量%、好ましくは60〜90質量%が好ましい。これらの単量体の配合割合が、上記の範囲であることが、硬化性、エッジ防食性、耐糸錆び性の観点から好ましい。

共重合体樹脂(A)は、窒素含有ラジカル重合性不飽和単量体(a1)、カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体(a2)及びその他のラジカル重合性不飽和単量体(a3)の混合物を、例えば、窒素等の不活性ガスの存在下で、約50℃〜約300℃、好ましくは約60℃〜250℃に保持された有機溶剤中で、約1時間〜約24時間、好ましくは約2時間〜約10時間、ラジカル重合反応させることによって得ることができる。

ラジカル重合反応に用いられる有機溶剤としては、例えば、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類、エチレングリコールモノブチルエーテル、メチルカルビトール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングルコールモノメチルエーテル、エチレングルコールモノエチルエーテル、エチレングルコールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;例えば、キシレン、トルエンなどの芳香族類;アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ペンチル、3−メトキシブチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等のエステル類も併用することができる。

ラジカル重合反応に用いる重合開始剤として、例えば、過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クミルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウリルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。

共重合体樹脂(A)の重量平均分子量は、10,000〜80,000、特に16,000〜70,000の範囲が好ましく、酸価は10〜40mgKOH/g、特に12〜35mgKOH/gの範囲が好ましく、水酸基価は0〜120mgKOH/g、特に 55〜105mgKOH/gである。上記の範囲内であることが、塗膜性能や塗料安定性の向上に望ましい。

共重合体樹脂(A)のガラス転移温度(注1)は0〜70℃、特に10〜40℃の範囲が好ましい。また、本発明のプライマー塗料組成物における共重合体樹脂(A)は、単独又は2種類以上の共重合体樹脂を併用しても使用できる。

(注1)共重合体樹脂(A)のガラス転移温度:ガラス転移温度(℃)は、静的ガラス転移温度とし、例えば示差走査熱量計「DSC−50Q型」(島津製作所製、商品名)を用いて、試料を測定カップにとり、真空吸引して完全に溶剤を除去した後、3℃/分の昇温速度で−100℃〜100℃の範囲で熱量変化を測定し、低温側における最初のベースラインの変化点をガラス転移温度とした。

なお本発明における重量平均分子量又は数平均分子量は、JIS K 0124−83に記載の方法に準じ、ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したクロマトグラムから標準ポリスチレンの分子量を基準にして算出した値である。ゲルパーミエーションクロマトグラフは、「HLC8120GPC」(東ソー社製)を使用した。カラムとしては、「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」、「TSKgel G−2000HXL」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1ml/分、検出器;RIの条件で行ったものである。

ヒュームドシリカ(B) 本発明のプライマー塗料組成物に使用されるヒュームドシリカ(B)は、ケイ素塩化物を気化し、高温の水素炎中において気相反応によって合成される乾式シリカである。ヒュームドシリカ(B)は、アモルファスのガラス状で、かつ球状で細孔のないシリカである。このようなヒュームドシリカ(B)の平均一次粒径は、5〜100nm、好ましくは20〜50nmである。ヒュームドシリカ(B)の平均一次粒径は、電子顕微鏡を観察することによって測定できる。また、ヒュームドシリカ(B)の比表面積は、100〜1,000m2/g、好ましくは200〜500m2/gの範囲である。

ヒュームドシリカ(B)の市販品は、例えば、AEROSIL 130、AEROSIL 200、AEROSIL R202、AEROSIL 300、AEROSIL 300CF、AEROSIL 380PE、AEROSIL R805、AEROSIL R811、AEROSIL R812、AEROSIL R971、AEROSIL R974(以上、いずれも日本アエロジル(株)製の商品名)などが挙げられる。

本発明のプライマー塗料組成物における、ヒュームドシリカ(B)の配合割合は、前記共重合体樹脂(A)の固形分合計100質量部に対して、1〜30質量部、好ましくは10〜28質量部、さらに好ましくは15〜25質量部である。上記範囲であることが、塗料安定性に優れ、かつエッジ防食性及び耐糸錆び性に優れた塗膜を得る為に望ましい。

マグネシウムを含有するリン酸系化合物(C) マグネシウムを含有するリン酸系化合物(C)は、例えば、リン酸、亜リン酸、トリポリリン酸等のリン酸化合物の金属塩であり、金属元素として少なくともマグネシウムを含有する化合物である。マグネシウムを含有するリン酸系化合物(C)から放出されるマグネシウムイオン、リン酸イオンが、エッジ防食性や耐糸錆び性の向上に効果的に作用する。

マグネシウムを含有するリン酸系化合物(C)としては、具体的には、例えば、リン酸マグネシウム、リン酸マグネシウム・アンモニウム共析物、リン酸一水素マグネシウム、リン酸二水素マグネシウム、リン酸マグネシウム・カルシウム共析物、リン酸マグネシウム・コバルト共析物、リン酸マグネシウム・ニッケル共析物、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸マグネシウム・カルシウム共析物、トリポリリン酸マグネシウム、トリポリリン酸二水素アルミニウムの酸化マグネシウム処理物、トリポリリン酸二水素亜鉛の酸化マグネシウム処理物等のリン酸金属塩のマグネシウム含有化合物による処理物、さらに、シリカ変性リン酸マグネシウム等のようなリン酸マグネシウムのシリカ変性化合物等も挙げられる。

マグネシウムを含有するリン酸系化合物(C)の市販品としては、K−WhiteG105(テイカ社製、商品名)、LFボウセイCRF−15(キクチカラー社製、商品名)などを挙げることができる。

本発明のプライマー塗料組成物における、マグネシウムを含有するリン酸系化合物(C)の配合割合は、前記共重合体樹脂(A)の固形分合計100質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜5質量部、さらに好ましくは0.3〜3質量部の範囲である。上記範囲であることが、塗料安定性に優れ、かつエッジ防食性及び耐糸錆び性に優れた塗膜を得る為に望ましい。

金属イオン交換シリカ(D) 金属イオン交換シリカ(D)は、金属がカルシウム及マグネシウムのうちの少なくとも1種である金属イオン交換シリカであり、例えば、カルシウムイオン交換シリカ、マグネシウムイオン交換シリカを挙げることができる。これらの金属イオン交換シリカ(D)は、必要に応じてリン酸で変性して、リン酸変性金属イオン交換シリカとすることもできる。

上記カルシウムイオン交換シリカは、微細な多孔質のシリカ担体にイオン交換によって、カルシウムイオンが導入されたシリカ微粒子である。カルシウムイオン交換シリカの市販品としては、SHIELDEX(シールデックス、登録商標)C303、SHIELDEXAC−3、SHIELDEXC−5(以上、いずれもW.R.Grace&Co.社製)、サイロマスク52(富士シリシア社製)などを挙げることができる。

上記マグネシウムイオン交換シリカは、微細な多孔質のシリカ担体にイオン交換によって、マグネシウムイオンが導入されたシリカ微粒子である。マグネシウムイオン交換シリカの市販品としては、サイロマスク52M(富士シリシア社製)、ノビノックスACE−110(SNCZ社製・フランス)が挙げられる。

本発明のプライマー塗料組成物における金属イオン交換シリカ(D)は、平均粒子径0.5〜15μm、特に1〜10μmを有することが好ましい。なお金属イオン交換シリカ(D)の平均粒子径は、電子顕微鏡によって測定できる。金属イオン交換シリカ(D)から放出されるカルシウムイオン又はマグネシウムイオンは、種々の塩生成作用に関与し、エッジ防食性や耐糸錆び性の向上に寄与する。

本発明のプライマー塗料組成物において金属イオン交換シリカ(D)を配合する場合には、金属イオン交換シリカ(D)の配合割合は、前記共重合体樹脂(A)の固形分合計100質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜5質量部、さらに好ましくは0.3〜3質量部の範囲である。上記範囲であることが、塗料安定性に優れ、かつエッジ防食性及び耐糸錆び性に優れた塗膜を得る為に望ましい。

エポキシ化合物(E) 本発明で使用するエポキシ化合物(E)は、その重量平均分子量は300〜4,000、好ましくは500〜2,500の範囲を有するものが適しており、特に、ポリフェノール化合物とエピハロヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂(e1)が好ましい。

該エポキシ樹脂(e1)の形成のために用いられるポリフェノール化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン[ビスフェノールA]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン[水添ビスフェノールF]、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン[水添ビスフェノールA]、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどを挙げることができる。

また、ポリフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂(e1)としては、中でも、ビスフェノールAから誘導される下記式(2)の樹脂が好適である。

ここで、n=0〜8で示されるものが好適である。

かかるエポキシ樹脂(e1)の市販品としては、例えば、三菱化学(株)から、jER828EL、jER1001、jER1002、jER1003、jER1004、jER1007なる商品名で販売されているものが挙げられる。

また、エポキシ化合物(E)として、前記エポキシ樹脂(e1)にリン酸化合物を付加することにより得られるリン酸変性エポキシ樹脂(e2)も使用できる。該リン酸変性エポキシ樹脂(e2)は、前記エポキシ化合物(e1)に比べて、耐糸錆び性などの塗膜性能を向上することができる。

上記、リン酸化合物としては、例えば、リン酸、ピロリン酸、メタリン酸、亜リン酸等が挙げられる。

詳細には、リン酸変性エポキシ樹脂(e2)は、エポキシ樹脂(e1)に、リン酸化合物を加え、例えば、イミダゾール類、ホスホニウム塩類等の触媒の存在下で、反応温度70〜150℃、好ましくは110〜130℃で、反応時間1〜8時間、好ましくは3〜6時間反応させることにより得ることができる。このようにして得られたリン酸変性エポキシ樹脂(e2)は、重量平均分子量が300〜2,000、好ましくは500〜1,800の範囲であることが、防食性の為に望ましい。

なおリン酸変性エポキシ樹脂(e2)の市販品は、例えばXU−8096.07、XU−71899.00、XQ−82908.00、XQ−82919.00、DER620−PP50、DER621−EB50、DER621−PP50(以上、ダウケミカル日本社製商品名)、エポトートZX1300、ZX1300−1(以上、東都化成社製商品名)などが挙げられる。

本発明のプライマー塗料組成物においてエポキシ化合物(E)を配合する場合には、エポキシ化合物(E)の配合割合は、共重合体樹脂(A)の固形分合計100質量部に対して、1〜20質量部、好ましくは2〜15質量部、さらに好ましくは4〜12質量部である。

上記範囲であることが、塗料安定性に優れ、かつエッジ防食性及び耐糸錆び性に優れた塗膜を得る為に望ましい。

シランカップリング剤(F) シランカップリング剤(F)は、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−(β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤;γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤;β−カルボキシルエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(N−カルボキシメチルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシ含有シランカップリング剤、などが挙げられる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。

なおシランカップリング剤(F)の市販品としては、KBM−402、KBM−403、KBM−502、KBM−503、KBM−603、KBE−903、KBM−603、KBE−602、KBE−603(以上、信越シリコーン社製、商品名)などを用いることができる。

本発明においてシランカップリング剤(F)を配合する場合には、シランカップリング剤(F)の配合割合は、共重合体樹脂(A)の固形分合計100質量部に対して、1〜20質量部、好ましくは2〜15質量部、さらに好ましくは5〜12質量部である。上記範囲であることが、塗料安定性に優れ、かつエッジ防食性及び耐糸錆び性に、より優れた塗膜を得る為に望ましい。

脱水剤(G) 本発明のプライマー塗料組成物は、塗料安定性が良好であるが、さらに、脱水剤(G)を添加することによって、エッジ防食性、耐糸錆び性、塗料安定性を向上できる。脱水剤(G)としては、オルト酢酸メチル、オルト蟻酸メチルが挙げられる。

本発明において脱水剤(G)を配合する場合には、脱水剤(G)の配合割合は、共重合体樹脂(A)の固形分合計100質量部に対して、1〜30質量部、好ましくは10〜25質量部、さらに好ましくは15〜23質量部であることが、塗料安定性の向上の面から望ましい。

プライマー塗料組成物 本発明のプライマー塗料組成物は、上記共重合体樹脂(A)、ヒュームドシリカ(B)及びマグネシウムを含有するリン酸系化合物(C)並びに、必要に応じて、金属イオン交換シリカ(D)、エポキシ化合物(E)、シランカップリング剤(F)及び脱水剤(G)などを混合し有機溶剤に溶解もしくは分散せしめることによって得られる。

上記、有機溶剤は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン類;メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、n−ブチルアルコール、2−メトキシエタノール、n−オクチルアルコール、2−エチル−1−ヘキサノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸カルビトール、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の炭化水素類;その他の有機溶剤には、メチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、アジピン酸ジメチル/グルタール酸ジメチル/コハク酸ジメチルの混合溶剤(「DBE」(デュポン社製、商品名))、N−メチル−2−ピロリドン、イソホロン、スワゾール#1000(丸善石油化学社製、商品名、芳香族系有機溶剤)等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を使用できる。

さらに、本発明のプライマー塗料組成物には、必要に応じて、水酸基含有アクリル樹脂(単量体の混合物中に、窒素含有ラジカル重合性不飽和単量体(a1)を配合せず、共重合体樹脂(A)とは異なるアクリル樹脂)、その他の樹脂(例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂)、染料、着色顔料、体質顔料、メタリック顔料、可塑剤、沈降防止剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡剤、滑剤、架橋性重合体粒子(ミクロゲル)などを配合することができる。

上記水酸基含有アクリル樹脂は、重量平均分子量が1,000〜20,000、特に5,000〜15,000の範囲、酸価は1〜50mgKOH/g、特に5〜30mgKOH/gの範囲、水酸基価は0〜350mgKOH/g、特に55〜110mgKOH/gの範囲、ガラス転移温度(注1)は10〜50℃、特に25〜40℃の範囲である。上記の範囲内であることが、塗膜性能や塗料安定性の向上に望ましい。

このようにして得られたプライマー塗料組成物は、乗用車、オートバイ、トラック及びワゴン車などに用いられるアルミニウムホイールに塗装される。該アルミニウムホイールは、アルミニウムを主成分としマグネシウムやケイ素などを含む合金からなっており、クロメート処理(クロム酸クロム、りん酸クロムなど)やノンクロム処理(りん酸ジルコニウム、酸化ジルコニウムなど)等の表面処理を行ったものが、エッジ防食性や耐糸錆び性の為に望ましい。

プライマー塗料組成物の塗装は、エアレススプレー、エアスプレーおよび静電方式などで塗装することが好ましい。塗装時の粘度は5〜15秒/フォードカップ#4/20℃が好ましく、塗装膜厚は硬化塗膜を基準に5〜25μm、好ましくは10〜23μmがよい。得られた塗膜は、必要に応じて室温で放置又は100℃以下での加熱乾燥、100〜180℃、好ましくは110〜150℃で加熱硬化できる。

また、本発明のプライマー塗料組成物を塗装、硬化した塗膜は、ガラス転移温度(塗膜Tg)(注2)50〜80℃、好ましくは55〜75℃の範囲であることが好ましい。該硬化塗膜のガラス転移温度が前記範囲であることによって、耐糸錆び性やエッジ防食性に優れたアルミニウムホイールを得ることができる。 (注2)ガラス転移温度(塗膜Tg):塗膜を短冊状に調製したものを試料とし、動的粘弾性測定装置を用いて測定して求めた。

前記のプライマー塗料組成物の塗膜上には、必要に応じて、着色塗料またはクリヤー塗料などの上塗塗料を塗装することができる。これらの着色塗料またはクリヤー塗料は、熱硬化性アクリル樹脂系塗料が適している。具体的には、アクリル樹脂、架橋剤および顔料(任意成分)を有機溶剤に溶解もしくは分散してなる熱硬化性塗料が好ましい。

このような上塗塗料は、エアレススプレー、エアスプレーおよび静電方式などで塗装することが好ましい。塗装時の粘度は、10〜30秒/フォードカップ#4/20℃が好ましく、塗装膜厚は硬化塗膜を基準に約10〜50μm、特に15〜35μmがよい。次いで、必要に応じて室温で放置または100℃以下で乾燥してから、100〜180℃、好ましくは110〜150℃の温度で、約5〜60分間、好ましくは10〜40分間程度で、焼付け乾燥することにより硬化塗膜を形成することができる。

以下、製造例、実施例及び比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。

製造例1 共重合体樹脂No.1溶液の製造 反応容器中に、混合溶剤(キシレン/n−ブチルアルコール=80/20)30.0部を仕込み80℃に保持した中へ、以下の「混合物」を4時間掛けて滴下し、次いでアゾビスメチルバレロニトリル0.5部を添加し、80℃で3時間保持して反応を行い、さらに混合溶剤(キシレン/n−ブチルアルコール=80/20)で調整して、固形分60質量%の共重合体樹脂No.1溶液を製造した。

共重合体樹脂No.1のガラス転移温度(注1参照)11.3℃、酸価15.6mgKOH/g、重量平均分子量60,000であった。

「混合物」 N−ブトキシメチルアクリルアミド 20部 アクリル酸 2部 スチレン 30部 アクリル酸エチル 48部 アゾビスメチルバレロニトリル 5部。

製造例2〜7、比較製造例1〜6 共重合体樹脂No.2溶液〜No.13溶液の製造 表1の配合内容とする以外は、製造例1と同様にして、共重合体樹脂No.2溶液〜No.13溶液を得た。

製造例6 マグネシウムイオン交換シリカの製造例 5質量%の塩化マグネシウム水溶液10,000質量部中に、10質量部のサイリシア710(富士シリシア化学(株)製、商品名、シリカ微粒子、吸油量約105ml/100g)を5時間攪拌して混合した後、ろ過して固形分を取り出し、固形分をよく水洗し乾燥して、マグネシウムイオン交換シリカを得た。

製造例7 リン酸変性エポキシ樹脂溶液の製造例 85%リン酸115部に、ブチルグリシジルエーテル280部を加え、50〜60℃で3時間反応させて、リン酸エステル化合物を得た。

次いで、アデカレジンEP−4100(旭電化工業社製、商品名、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190)190部、ビスフェノールA 58部及びジメチルベンジルアミン1部を混合し、150℃で8時間反応させて、エポキシ当量500のエポキシ化合物を得た。

上記で得たエポキシ化合物248部に、キシレン115部、及び前記で得たリン酸エステル化合物20部を加えて80℃で5時間反応させて、その後キシレンを反応槽外に流出させ、冷却してリン酸変性エポキシ樹脂溶液を得た。リン酸変性エポキシ樹脂の重量平均分子量は926であった。

製造例8 水酸基含有アクリル樹脂A溶液の製造 反応容器中に、混合溶剤(キシレン/酢酸ブチル=80/20)30.0部を仕込み80℃に保持した中へ、以下の「混合物」を4時間掛けて滴下し、次いでアゾビスメチルバレロニトリル0.5部を添加し、80℃で3時間保持して反応を行い、さらに混合溶剤(キシレン/酢酸ブチル=80/20)で調整して、固形分60質量%の水酸基含有アクリル樹脂A溶液を製造した。

水酸基含有アクリル樹脂Aのガラス転移温度(注1参照)38.2℃、酸価15.6 mgKOH/g、水酸基価103.5mgKOH/g、重量平均分子量15,000であった。

「混合物」 アクリル酸 2部 スチレン 30部 メタクリル酸メチル 20部 アクリル酸n−ブチル 20部 メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 24部 アゾビスメチルバレロニトリル 7部。

製造例9 水酸基含有アクリル樹脂B溶液の製造 反応容器中に、混合溶剤(キシレン/酢酸ブチル=80/20)30.0部を仕込み80℃に保持した中へ、以下の「混合物」を4時間掛けて滴下し、次いでアゾビスメチルバレロニトリル0.5部を添加し、80℃で3時間保持して反応を行い、さらに混合溶剤(キシレン/酢酸ブチル=80/20)で調整して、固形分60質量%の水酸基含有アクリル樹脂B溶液を製造した。

水酸基含有アクリル樹脂Bのガラス転移温度(注1参照)28.7℃、酸価15.6mgKOH/g、水酸基価301.8mgKOH/g、重量平均分子量15,000であった。

「混合物」 アクリル酸 2部 スチレン 8部 アクリル酸n−ブチル 20部 メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 70部 アゾビスメチルバレロニトリル 7部。

プライマー塗料の製造例 実施例1 プライマー塗料No.1溶液の製造例 製造例1で得た共重合体樹脂No.1溶液を100部(固形分)、AEROSIL 380PE(注3)を20部、及びK−WhiteG105(注5)1.0部からなる混合物に、混合溶剤(キシレン/酢酸ブチル=50/50)を加えて、撹拌機(直径7cmの撹拌羽根、700rpm)で1時間撹拌し、固形分が50質量%のプライマー塗料No.1を得た。

実施例2〜23 プライマー塗料No.2〜No.23の製造例 表2の配合内容とする以外は、実施例1と同様にして、プライマー塗料No.2〜No.23を得た。

(注3)AEROSIL 380PE:日本アエロジル社製、商品名、ヒュームドシリカ(B)、比表面積380m2/g (注4)AEROSIL 130:日本アエロジル社製、商品名、ヒュームドシリカ(B)、比表面積130m2/g (注5)K−WhiteG105:テイカ社製、商品名、マグネシウムを含有するリン酸系化合物(C)(トリポリリン酸二水素アルミニウムの酸化マグネシウム処理物) (注6)LFボウセイCRF−15:キクチカラー社製、商品名、マグネシウムを含有するリン酸系化合物(C) (注7)K−White140E:テイカ社製、商品名、トリポリリン酸二水素アルミニウム (注8)サイロマスク52M:富士シリシア社製、商品名、マグネシウムイオン交換シリカ(D)(平均粒子径 2.30〜3.30μm) (注9)SHIELDEX C303:W.R.Grace & Co.社製、商品名、カルシウムイオン交換シリカ(D)(平均粒子径3μm) (注10)jER1001:三菱化学社製、商品名、エポキシ樹脂、エポキシ当量475、エポキシ化合物(E)(前述の式(2)で表されるエポキシ樹脂に該当) (注11)KBM−403:信越化学社製、商品名、シランカップリング剤(F)。(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン) 比較例1〜14 プライマー塗料No.24〜No.37の製造 表3の配合内容とする以外は、実施例1と同様にして、プライマー塗料No.24〜No.37を得た。

(注12)ガラス転移温度(塗膜Tg):ブリキ板に、各プライマー塗料を乾燥膜厚25μmになるようにスプレー塗装し、被塗物表面温度140℃で20分間焼付けた。ブリキ板から塗膜を剥離して短冊状(0.5cm×2cm)に調製したものを試料とし、動的粘弾性測定装置(FTレオスペクトラDVE−V4、レオロジ社製、商品名)を用いて、昇温速度3℃/分、温度範囲20〜200℃、周波数110Hzの条件下で測定した。

アルミニウムホイール塗装物品の作成 ノンクロム化成処理を施したアルミニウムホイールに、各プライマー塗料を乾燥膜厚25μmになるようにスプレー塗装した。次いで、室温で5分間セッティングした。その上に、マジクロンEN−2クリヤー(関西ペイント株式会社製、商品名、アクリル樹脂系有機溶剤型のクリヤ塗料)を乾燥膜厚が25μmになるように塗装した後に、140℃で20分間加熱して、試験用のアルミニウムホイール塗装物品を得た。

(注13)防食性: アルミニウムホイール塗装物品の塗膜表面にカッターナイフにより10cm長さのカット傷を入れた試料に、JIS Z 2371(2000)に基づいて、調整されたキャス試験液を50±2℃で120時間噴霧を行い、24時間放置後、カット部の周辺における腐食の度合いを評価した: S:塗膜のフクレおよび錆等の異常がない A:カット部から1mm未満のフクレ又は錆がみられる B:カット部から1mm以上で、かつ2mm未満のフクレ又は錆がみられる C:カット部から2mmを超えるフクレ又は錆がみられる。

(注14)エッジ防食性: アルミニウムホイール塗装物品を用いて、JIS Z−2371に準じて168時間耐塩水噴霧試験を行い、アルミニウムホイールのエッジ部における錆を以下の基準で評価した: S:錆の発生個数が、0個/アルミニウムホイール全体 A:錆の発生個数が、1〜3個/アルミニウムホイール全体 B:錆の発生個数が、4〜10個/アルミニウムホイール全体 C:錆の発生個数が、11個以上/アルミニウムホイール全体。

(注15)耐糸錆び性: アルミニウムホイール塗装物品の表面にカット傷を入れ、JIS Z 2371に準じて24時間耐塩水噴霧試験を行った。その後、湿潤状態(湿度85%、40℃)に480時間保ち、カット部からの錆び幅を測定した。カット部からの錆、フクレ幅を以下の基準で評価した: S:錆又はフクレの最大幅がカット部から片側2mm未満、 A:錆又はフクレの最大幅がカット部から片側2mm以上、3mm未満、 B:錆又はフクレの最大幅がカット部から片側3mm以上、4mm未満、 C:錆又はフクレの最大幅がカット部から片側4mm以上。

(注16)塗料安定性: 各々のプライマー塗料を35℃にて35日間容器中に密閉して貯蔵した。その後の状態を以下の基準で判断した: S:貯蔵前と変化なく良好である A:やや粘度上昇がみられるが、1分間程度の撹拌でもとの状態に戻る B:粘度上昇又はやや層分離がみられる C:層分離がみられる

防食性、エッジ防食性及び耐糸錆び性に優れたアルミニウムホイールを提供できる。

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