車両用ハブユニットおよび空気圧調整装置

申请号 JP2014500670 申请日 2013-02-13 公开(公告)号 JPWO2013125409A1 公开(公告)日 2015-07-30
申请人 横浜ゴム株式会社; 发明人 丹野 篤; 丹野  篤;
摘要 空気入りタイヤと連結するホイールを支持し、継ぎ手に連結される車両用ハブユニット及びこれを有する空気圧調整装置であって、ホイールと連結する面の少なくとも一箇所に第1開口が形成され、かつ、継ぎ手の空気を供給する空気配管と連結され、第1開口からホイールに空気を供給する第1空気通路と、ホイールと連結する面の少なくとも一箇所に第2開口が形成され、かつ、継ぎ手の空気を排出する空気配管と連結され、第2開口からホイールの空気を回収する第2空気通路と、を有する。
权利要求

空気入りタイヤと連結するホイールを支持し、継ぎ手に連結される車両用ハブユニットであって、 前記ホイールと連結する面の少なくとも一箇所に第1開口が形成され、かつ、前記継ぎ手の空気を供給する空気配管と連結され、前記第1開口から前記ホイールに空気を供給する第1空気通路と、 前記ホイールと連結する面の少なくとも一箇所に第2開口が形成され、かつ、前記継ぎ手の空気を排出する空気配管と連結され、前記第2開口から前記ホイールの空気を回収する第2空気通路と、を有することを特徴とする車両用ハブユニット。前記第2空気通路に配置され、前記第2空気通路内の空気を外部に排出する開放弁をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の車両用ハブユニット。前記第1空気通路に配置され、前記第1空気通路内の空気を外部に排出する開放弁をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用ハブユニット。請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用ハブユニットと、 前記車両用ハブユニットに連結され、空気入りタイヤを支持するホイールと、を有し、 前記ホイールは、前記車両用ハブユニットと連結するハブ取付部と、前記空気入りタイヤを支持するリム部と、前記第1開口に連結される開口と前記リム部の外周面に形成された開口とを連結する第1ホイール空気通路と、前記第2開口に連結される開口と前記リム部の外周面に形成された開口とを連結する第2ホイール空気通路と、を備えることを特徴とする空気圧調整装置。前記ホイールは、前記ハブ取付部と前記リム部とを連結するスポークを少なくとも2本有し、 前記第1ホイール空気通路は、前記スポークの内部に形成され、 前記第2ホイール空気通路は、前記スポークの内部に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の空気圧調整装置。前記第1ホイール空気通路は、前記第2ホイール空気通路が形成された前記スポークとは異なる前記スポークの内部に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の空気圧調整装置。前記ホイールは、前記ハブ取付部と前記リム部とを連結するディスクを有し、 前記第1ホイール空気通路は、前記ディスクの内部に形成され、 前記第2ホイール空気通路は、前記ディスクの内部に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の空気圧調整装置。前記ホイールは、前記第1ホイール空気通路の前記ハブ取付部に、前記車両用ハブユニットの装着時に前記第1ホイール空気通路を開放し、かつ、前記車両用ハブユニットからの離脱時に前記第1ホイール空気通路を閉止する空気接続弁と、 前記第2ホイール空気通路の前記ハブ取付部に、前記車両用ハブユニットの装着時に前記第2ホイール空気通路を開放し、かつ、前記車両用ハブユニットからの離脱時に前記第2ホイール空気通路を閉止する空気接続弁と、を備えることを特徴とする請求項4から7のいずれか一項に記載の空気圧調整装置。前記ホイールは、前記第1ホイール空気通路及び前記第2ホイール空気通路の前記リム部側の前記開口の断面形状が2種類以上であることを特徴とする請求項4から8のいずれか一項に記載の空気圧調整装置。前記ホイールは、前記第1ホイール空気通路及び前記第2ホイール空気通路の流路断面積をSとした場合、前記流路断面積Sが100[mm2]≦S≦3000[mm2]であることを特徴とする請求項4から9のいずれか一項に記載の空気圧調整装置。前記ホイールは、前記ハブ取付部の取付面の径方向幅をAとした場合、前記径方向幅Aが35[mm]≦A≦100[mm]であることを特徴とする請求項4から10のいずれか一項に記載の空気圧調整装置。前記車両用ハブユニットの前記第1開口及び前記第2開口が形成されている面と連結する継ぎ手を有し、 前記継ぎ手は、前記第1開口及び前記第2開口のそれぞれと接続する空気通路を備える回転継ぎ手であることを特徴とする請求項4から11のいずれか一項に記載の空気圧調整装置。前記車両用ハブユニットの前記第1開口及び前記第2開口に接続し、前記第1開口に空気を供給し、前記第2開口から空気を排出し、前記ホイールに装着された前記空気入りタイヤの空気圧を加圧および減圧する加減圧部と、 前記空気入りタイヤの空気圧を検出する圧センサと、 前記圧力センサの出力信号に基づいて前記加減圧部を駆動制御する制御部と、をさらに備えることを特徴とする請求項4から12のいずれか一項に記載の空気圧調整装置。

说明书全文

この発明は、空気入りタイヤの空気圧を変更する機構を備える車両用ハブユニットおよび空気圧調整装置に関する。

空気圧調整装置は、車両に装着された空気入りタイヤの空気圧を調整する装置である。この空気圧調整装置は、車両走行中にて、車両の走行条件(例えば、車速、走行路、路面状況など)により算出された目標空気圧に基づいて、空気入りタイヤの空気圧を調整する。これにより、車両の走行性能や燃費が向上する。

また、空気圧調整装置としては、特許文献1に記載される空気圧供給装置を備える空気圧調整システムがある。特許文献1に記載の空気圧調整システムは、空気入りタイヤに空気を供給する機構を備えており、空気入りタイヤに圧縮空気を導入するための空気通路をハブユニットとホイールの内部に有している。

特開2009−056948号公報

ここで、特許文献1に記載の空気圧調整システムでは、空気入りタイヤの空気圧を十分に調整できない場合がある。この発明は、空気入りタイヤの空気圧をより高い応答性で調整することができる車両用ハブユニットおよび空気圧調整装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するため、本発明は、空気入りタイヤと連結するホイールを支持し、継ぎ手に連結される車両用ハブユニットであって、前記ホイールと連結する面の少なくとも一箇所に第1開口が形成され、かつ、前記継ぎ手の空気を供給する空気配管と連結され、前記第1開口から前記ホイールに空気を供給する第1空気通路と、前記ホイールと連結する面の少なくとも一箇所に第2開口が形成され、かつ、前記継ぎ手の空気を排出する空気配管と連結され、前記第2開口から前記ホイールの空気を回収する第2空気通路と、を有することを特徴とする。

また、前記第2空気通路に配置され、前記第2空気通路内の空気を外部に排出する開放弁をさらに有することが好ましい。

また、前記第1空気通路に配置され、前記第1空気通路内の空気を外部に排出する開放弁をさらに有することが好ましい。

上記目的を達成するため、本発明の空気圧調整装置は、上記のいずれかに記載の車両用ハブユニットと、前記車両用ハブユニットに連結され、空気入りタイヤを支持するホイールと、を有し、前記ホイールは、前記車両用ハブユニットと連結するハブ取付部と、前記空気入りタイヤを支持するリム部と、前記第1開口に連結される開口と前記リム部の外周面に形成された開口とを連結する第1ホイール空気通路と、前記第2開口に連結される開口と前記リム部の外周面に形成された開口とを連結する第2ホイール空気通路と、を備えることを特徴とする。

また、前記ホイールは、前記ハブ取付部と前記リム部とを連結するスポークを少なくとも2本有し、前記第1ホイール空気通路は、前記スポークの内部に形成され、前記第2ホイール空気通路は、前記スポークの内部に形成されていることが好ましい。

また、前記第1ホイール空気通路は、前記第2ホイール空気通路が形成された前記スポークとは異なる前記スポークの内部に形成されていることが好ましい。

また、前記ホイールは、前記ハブ取付部と前記リム部とを連結するディスクを有し、前記第1ホイール空気通路は、前記ディスクの内部に形成され、前記第2ホイール空気通路は、前記ディスクの内部に形成されていることが好ましい。

また、前記ホイールは、前記第1ホイール空気通路の前記ハブ取付部に、前記車両用ハブユニットの装着時に前記第1ホイール空気通路を開放し、かつ、前記車両用ハブユニットからの離脱時に前記第1ホイール空気通路を閉止する空気接続弁と、前記第2ホイール空気通路の前記ハブ取付部に、前記車両用ハブユニットの装着時に前記第2ホイール空気通路を開放し、かつ、前記車両用ハブユニットからの離脱時に前記第2ホイール空気通路を閉止する空気接続弁と、を備えることが好ましい。

また、前記ホイールは、前記第1ホイール空気通路及び前記第2ホイール空気通路の前記リム部側の前記開口の断面形状が2種類以上であることが好ましい。

また、前記ホイールは、前記第1ホイール空気通路及び前記第2ホイール空気通路の流路断面積をSとした場合、前記流路断面積Sが100[mm2]≦S≦3000[mm2]であることが好ましい。

また、前記ホイールは、前記ハブ取付部の取付面の径方向幅をAとした場合、前記径方向幅Aが35[mm]≦A≦100[mm]であることが好ましい。

また、前記車両用ハブユニットの前記第1開口及び前記第2開口が形成されている面と連結する継ぎ手を有し、前記継ぎ手は、前記第1開口及び前記第2開口のそれぞれと接続する空気通路を備える回転継ぎ手であることが好ましい。

また、前記車両用ハブユニットの前記第1開口及び前記第2開口に接続し、前記第1開口に空気を供給し、前記第2開口から空気を排出し、前記ホイールに装着された前記空気入りタイヤの空気圧を加圧および減圧する加減圧部と、前記空気入りタイヤの空気圧を検出する圧センサと、前記圧力センサの出力信号に基づいて前記加減圧部を駆動制御する制御部と、をさらに備えることが好ましい。

本発明によれば、空気入りタイヤへの空気の供給と、空気入りタイヤからの空気の排出を高い応答性で実現することができ、空気入りタイヤの空気圧をより高い応答性で調整することができるという効果を奏する。

図1は、本発明の一実施形態の空気圧調整装置の概略構成を示す構成図である。

図2は、図1に記載したホイールを示す説明図である。

図3は、他の例のホイールを示す説明図である。

図4は、図1に記載したホイールを示す説明図である。

図5は、他の実施形態の空気圧調整装置の概略構成を示す構成図である。

図6は、他の実施形態の空気圧調整装置の概略構成を示す構成図である。

図7は、図6に記載したホイールを示す説明図である。

図8は、図6に記載したホイールの空気接続弁を示す軸方向断面図である。

図9は、他の実施形態の空気圧調整装置の概略構成を示す構成図である。

以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。

[空気圧調整装置] 図1は、本発明の一実施形態の空気圧調整装置の概略構成を示す構成図である。図1は、車両(図示省略)に搭載された空気圧調整装置1を示している。

空気圧調整装置1は、図1に示すように、空気入りタイヤ10の気室101の空気圧を調整する装置であり、加減圧部2と、圧力センサ3と、ホイール4と、制御部5と、ハブユニット11と、継ぎ手13と、を備える。ここでは、空気圧調整装置1が車両に装着された空気入りタイヤ10の空気圧を調整する場合について、説明する。また、本件では、車両走行時にて、車両のハブユニット11、ホイール4および空気入りタイヤ10と共に回転する系を回転系と呼び、車両の車体(図示省略)側の系を静止系と呼ぶ。また、空気圧調整装置1は、空気入りタイヤ10と接続されているハブユニット11及びホイール4が、車両のハブユニット及びホイールとしての機能も備える。

空気圧調整装置1を備える車両は、空気入りタイヤ10がホイール4に装着されている。またホイール4は、ハブユニット11によって支持されている。ハブユニット11には、ブレーキロータ12が連結されている。また、ハブユニット11には、継ぎ手13が連結されている。さらに、ハブユニット11は、支持機構14を介して車体に支持されている。継ぎ手13は、ハブユニット11と同じ回転軸上に配置されている。継ぎ手13は、ハブユニット11のホイール4と接触している面とは反対側の面と接触している。また、継ぎ手13は、ロータリージョイント、ロータリーシール等の軸継ぎ手であり、ハブユニット11が回転している場合でも、ハブユニット11に形成される後述する空気通路111、112のそれぞれと連結した状態を維持できる2系統の空気通路が形成されている。支持機構14は、静止系となる。支持機構14は、サスペンション等であり、空気入りタイヤ10及びハブユニット11等と車体との間で走行時等に伝達される振動を低減する。

ハブユニット11は、回転中心に配置された内側ハブ11aと内側ハブ11aの外周に配置された外側ハブ11bとを有する。なお、内側ハブ11aと外側ハブ11bとは一体としてもよい。ハブユニット11は、外側ハブ11bが支持機構14に軸受け等を介して回転可能な状態で支持されている。ハブユニット11は、空気通路111と空気通路112の2系統の空気通路が形成されている。空気通路111は、内側ハブ11aと外側ハブ11bとに跨って形成された通路であり、一方の端部が継ぎ手13の空気通路と連結されており、他方の端部がホイール4の後述する空気通路44aと連結されている。空気通路112は、内側ハブ11aと外側ハブ11bとに跨って形成された通路であり、一方の端部が継ぎ手13の空気通路と連結されており、他方の端部がホイール4の後述する空気通路44bと連結されている。本実施形態の空気通路111、112は、ホイール4側の通路が複数に分岐し、空気通路44a、44bのそれぞれと接続され、継ぎ手13側の通路は1本に集約されている。なお、本実施形態の空気通路111、112と、空気配管24、25は、空気通路44a、44bの本数に対応する本数を設けてもよい。

加減圧部2は、空気入りタイヤ10に充填される空気を加圧および減圧する装置である。この加減圧部2は、加圧ポンプ21と、弁装置22と、エアタンク23と、空気配管24と、空気配管25と、弁装置26とを有する。加減圧部2は、静止系に設置されている。

加圧ポンプ21は、外気を導入して圧縮空気を生成するポンプであり、空気配管24に接続されている。弁装置22は、空気配管24に設置されている。弁装置22は、空気配管24を開閉する弁である。エアタンク23は、空気配管24の加圧ポンプ21と弁装置22との間に配置されている。エアタンク23は、圧縮空気を蓄えるタンクである。エアタンク23は、加圧ポンプ21から空気が供給されることで貯留している空気の量が増加され、内部の圧力が上昇される。エアタンク23は、弁装置22が開放されると、空気配管24から空気通路111に空気を供給したり、空気通路111の内部の空気を回収したりする。空気配管24は、継ぎ手13の空気通路とハブユニット11の空気通路111とホイール4の空気通路44aを介して空気入りタイヤ10の気室101と接続されている。ホイール4の空気通路44aについては後述する。空気配管25は、継ぎ手13の空気通路とハブユニット11の空気通路112とホイール4の空気通路44bを介して空気入りタイヤ10の気室101と接続されている。ホイール4の空気通路44bについては後述する。弁装置26は、空気配管25を開閉する弁である。

加減圧部2は、空気配管24及び空気配管25の一部を車両の回転系に設置し、加圧ポンプ21と、弁装置22と、弁装置26と、空気配管24の一部と、空気配管25の一部と、を静止系に設置してもよい。ここで、空気配管24及び空気配管25の回転系の部分と静止系の部分との境界は、上述した継ぎ手13とハブユニット11のようにロータリージョイントを介して接続してもよいし、エアーユニバーサルジョイントを介して接続してもよい。これにより、空気配管24、25は、回転系の回転時もつながった状態を維持することができる。

なお、加減圧部2は、本実施形態に限定されず、全ての機構を回転系に配置してもよいし、弁装置22と弁装置26とを回転系に配置してもよい。なお、空気圧調整装置1及び車両は、加減圧部2の空気配管24及び空気配管25の一部を回転系に配置する場合、継ぎ手13が回転する機構となる。また、空気圧調整装置1及び車両は、加減圧部2の空気配管24及び空気配管25の一部を回転系に配置する場合、継ぎ手13を設けない構成としてもよい。また、空気配管24及び空気配管25は、継ぎ手13に形成した空気通路をそれぞれの空気配管の一部としてもよい。ここで、対応する車輪が駆動輪の場合、車両は、継ぎ手13を、ドライブシャフトとし、ハブユニット11と一体で回転させる構成とする場合もある。この場合継ぎ手13は、別の継ぎ手と連結され、当該連結部がロータリージョイント等で接続され、空気配管がつながった状態とされる。

圧力センサ3は、空気入りタイヤ10の気室101の空気圧を検出するセンサであり、ホイール4に設置されてホイール4と共に回転する。なお、圧力センサ3は、気室101の空気圧を検出できればよく、配置位置はこれに限定されない。圧力センサ3は、気室101と繋がっている配管、例えば、空気通路44a、44b、111、112、空気配管24、25等に設けてもよい。つまり、空気圧調整装置1は、気室101の圧力(気室101の圧力を算出できる圧力)を検出できればよく、圧力センサ3を静止系に配置してもよい。

[ホイール] ホイール4は、空気入りタイヤ10を装着して車両に設置される車両用ホイールであり、車両のハブユニット11にボルト締結されて固定される。図2は、図1に記載したホイールを示す説明図である。図3は、他の例のホイールを示す説明図である。図4は、図1に記載したホイールを示す説明図である。図2は、ホイール4のインナー側の平面図である。図3は、ホイールの一部の構成を変更した変形例である。

ホイール4は、リム部41と、ハブ取付部42と、連結部43とを備える(図2参照)。このホイール4は、例えば、鋳造アルミニウム、鍛造アルミニウム、樹脂、樹脂とアルミとの複合体などから成る。特に、樹脂を用いる場合には、補強短繊維を含有した樹脂から成ることが好ましく、樹脂は熱硬化性樹脂から成ることがより好ましい。

リム部41は、環状構造を有し、左右の縁部にフランジ411を有する(図4参照)。空気入りタイヤ10は、このフランジ411に嵌合してホイール4に装着される(図1参照)。また、空気入りタイヤ10のインフレート状態では、リム部41の外周面と空気入りタイヤ10の内周面との間に、気室101が形成される。

ハブ取付部42は、環状構造を有し、ホイール4の回転軸を構成する(図2参照)。ホイール4は、このハブ取付部42のインナー側の端面を取付面として、車両のハブユニット11に取り付けられる(図1参照)。また、ハブ取付部42は、複数のボルト孔421を有し、これらのボルト孔421に挿入されたボルトを介して車両のハブユニット11に取り付けられる。

連結部43は、リム部41とハブ取付部42とを連結する部分であり、例えば、複数のスポーク431(図2参照)あるいは単一のディスク(図示省略)から構成される。連結部43が複数のスポーク431から成る場合には、4本以上のスポーク431が配置されることが好ましい。例えば、図2の構成では、ホイール4がスポークホイールであり、連結部43が放射状に延びる6本のスポーク431を有している。

[ホイールの空気通路] また、このホイール4は、連結部43を貫通してリム部41の外周面とハブ取付部42の取付面とにそれぞれ開口する空気通路44a、44bを有する(図2参照)。

この空気通路44a、44bは、空気圧調整装置1の加減圧部2と空気入りタイヤ10の気室101とを接続する空気通路の一部を構成する(図1参照)。空気通路44aは、加減圧部2から気室101への空気の導入路(空気入りタイヤ10の空気圧の増圧時)となる。空気通路44bは、気室101から外部への空気の排出路(空気入りタイヤ10の空気圧の減圧時)となる。

なお、本実施形態のように、連結部43が複数のスポーク431から成る構成(図2参照)では、スポーク431の内部に空気通路44a、44bを形成することが好ましい。複数のスポーク431の内部に空気通路44を設けることで、必要な流路断面積を適正に確保できる。また、空気圧調整装置1は、連結部43がディスクである場合、ディスクの内部に空気通路44a、44bを形成すればよい。

図2に示す構成では、ホイール4の連結部43が6本のスポーク431から成り、これらのスポーク431が相互に独立した空気通路44a、44bをそれぞれ有している(図2参照)。具体的には、各スポーク431が中空構造を有することにより、その内部に空気通路44a、44bをそれぞれ有している。本実施形態では、6本のスポーク431が、空気通路44aと空気通路44bとを交互に有している。つまり、ホイール4は、3本の空気通路44aと3本の空気通路44bが形成されている。また、各空気通路44a、44bは、リム部41の外周面のうちリム部41のアウター側のフランジ411の付け根にそれぞれ開口している(図2参照)。このとき、各空気通路44a、44bが、その開口の向きをリム部41のアウター側からインナー側に向けつつ開口部の縁部をリム部41の外周面に沿わせて配置されている。これにより、各空気通路44aから気室101内に導入される空気がリム部41の外周面に沿って流れるように、各空気通路44aが構成されている。

また、ハブ取付部42の取付面には、各スポーク431の空気通路44a、44bがそれぞれ開口している(図2参照)。また、ハブ取付部42を車両のハブユニット11にボルト締めするためのボルト孔421が形成されている。また、空気通路44の開口部の数と、ボルト孔421の数とが同数となっている。また、これらの空気通路44の開口部とボルト孔421とが、ハブ取付部42の回転軸周りに交互かつ等間隔で配置されている。

なお、図2に示すホイール4は、スポーク431とボルト孔421とを交互に等間隔で配置したがこれに限定されない。例えば、図3に示すように、スポーク431を6本設け、ボルト孔421を5箇所に設けた構成としてもよい。この場合、スポーク431の内部に形成する空気通路44a、44bは、ボルト孔421とはずれた位置にハブユニット11と連結する開口を設ければよい。なお、ホイール4、4aは、回転方向に等間隔にスポーク431を配置することが好ましい。また、ホイール4、4aは、空気通路44aと空気通路44bとを交互に配置することが好ましく、回転軸を通過する対称軸を軸として、空気通路44aと空気通路44bとを対称に配置することが好ましい。これにより、気室101への空気の供給と、気室101からの空気の排出を効率よく実行することができる。

[制御部] 図1に戻り、空気圧調整装置1についての説明を続ける。制御部5は、空気入りタイヤ10の目標空気圧にかかる信号(例えば、車両用ECU(Electronic Control Unit)あるいは車両に搭載された専用の空気圧制御装置からの信号)と、圧力センサ3からの信号とに基づいて、加減圧部2の加圧ポンプ21、弁装置22および弁装置26を駆動制御するユニットである。この制御部5は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などから成る。また、制御部5は、車両の静止系に設置され、加圧ポンプ21、弁装置22、弁装置26および回転系にある圧力センサ3に対してそれぞれ電気的に接続される。これにより、制御部5と、加圧ポンプ21、弁装置22、弁装置26および圧力センサ3との間の信号伝達経路が確保され、また、車体にあるバッテリ(図示省略)から加圧ポンプ21、弁装置22、弁装置26および圧力センサ3への電力供給経路が確保される。

制御部5は、加圧ポンプ21、弁装置22、26と各種配線や接続端子を介して接続される。また、制御部5は、回転系にある圧力センサ3と、ターミナル、複数組の静止端子および回転端子等を介してそれぞれ電気的に接続する。具体的には、ターミナルおよび各静止端子が、車両の静止系に設置される。また、各静止端子が、環状の導体から成り、ターミナル上に配列されて支持される。また、圧力センサ3の回転端子が、車両の回転系に設置される。また、各静止端子と各回転端子とが、スリップリング構造を介して相互に摺動可能に接続する。これにより、車両走行時にて、静止系にある制御部5と、回転系にある圧力センサ3との電気的接続が確保される。なお、制御部5は、加圧ポンプ21、弁装置22、26を回転系に配置する場合、圧力センサ3と同様に、ターミナル、複数組の静止端子および回転端子等を介してそれぞれ電気的に接続する。

この空気圧調整装置1では、車両走行中にて、車両用ECU(Electronic Control Unit)あるいは車両に搭載された専用の空気圧制御装置(図示省略)が、空気入りタイヤ10の目標空気圧にかかる信号を制御部5に入力する。この目標空気圧は、車両の走行条件(例えば、車速、走行路、路面状況など)に応じて適宜設定される。そして、制御部5が、この目標空気圧にかかる信号と、圧力センサ3からの信号とに基づいて、加減圧部2の加圧ポンプ21、弁装置22及び弁装置26を駆動制御する。これにより、空気入りタイヤ10の空気圧が調整されて、車両の走行性能や燃費が向上する。

空気圧調整装置1は、例えば、空気入りタイヤ10の空気圧を増加させる場合には、制御部5が、加圧ポンプ21を駆動する。すると、加圧ポンプ21が圧縮空気を生成し、エアタンク23に圧縮空気が蓄えられる。なお、空気圧調整装置1は、事前に加圧ポンプ21を駆動させ、エアタンク23に圧縮空気が蓄えられた状態としてもよい。空気圧調整装置1は、エアタンク23に圧縮空気を蓄えた状態で制御部5により弁装置22を開放する。空気圧調整装置1は、弁装置22を開放すると、エアタンク23の圧縮空気が空気配管24、ハブユニット11の空気通路111およびホイール4の空気通路44aを介して空気入りタイヤ10の気室101に供給される。そして、気室101の実空気圧が目標空気圧になると、制御部5が、弁装置22を閉止する。また、空気圧調整装置1は、加圧ポンプ21を停止させる。

空気圧調整装置1は、空気入りタイヤ10の空気圧を減少させる場合、制御部5が弁装置26を開放する。すると、気室101の空気がホイール4の空気通路44b、ハブユニット11の空気通路112及び空気配管25を介して排出される。そして、気室101の実空気圧が目標空気圧になると、制御部5が、弁装置26を閉止する。空気圧調整装置1は、このように加減圧部2で空気入りタイヤ10の気室101への空気の供給、空気入りタイヤ10の気室101の空気の排出を制御することで、空気入りタイヤ10の空気圧の増減を調整することができる。

なお、空気圧調整装置1は、上記した加減圧部2、圧力センサ3、ホイール4、ハブユニット11及び継ぎ手13を一組とする複数組のユニットを有しても良い。例えば、空気圧調整装置1が四輪自動車に適用される場合に、加減圧部2、圧力センサ3、ホイール4、ハブユニット11及び継ぎ手13から成るユニットが各車輪にそれぞれ設置される。また、車体に設置された1つの制御部5が、各圧力センサ3からの信号に基づいて、各加減圧部2をそれぞれ駆動制御する。これにより、各車輪に装着された空気入りタイヤ10の空気圧を同時かつ相互に独立して制御できる。なお、空気圧調整装置1は、車両が四輪車の場合、制御部5、加圧ポンプ21、エアタンク23を共通の1つとし、その他の機構、弁装置22、26、空気配管24、25等をそれぞれのホイール4及び空気入りタイヤ10の組み合わせで設けてもよい。なお、空気配管24、25の一部、つまり、加圧ポンプ21、エアタンク23と繋がっている部分の配管を共通としてもよい。

空気圧調整装置1は、以上のような構成であり、ホイール4の空気通路44a、44b、ハブユニット11の空気通路111、112等を介して加減圧部2から空気入りタイヤ10の気室101に空気を供給したり、気室101の空気を排出したりすることで、空気入りタイヤ10の空気圧を高い応答性で調整することができる。また、空気圧調整装置1は、空気入りタイヤ10の空気圧の増加に加え、減少も可能とすることで、空気入りタイヤ10の空気圧を走行状態に応じた空気圧とすることができる。

空気圧調整装置1のホイール4は、リム部41とハブ取付部42とを連結部43を介して連結して成る(図2参照)。また、ホイール4は、リム部41に空気入りタイヤ10を装着し、また、ハブ取付部42にて車両のハブユニット11に取り付けられる(図1参照)。また、ホイール4は、連結部43を貫通してリム部41の外周面とハブ取付部42の取付面とにそれぞれ開口する空気通路44を備える。

かかる構成では、空気入りタイヤ10の空気圧を増加させる場合には、ホイール4の空気通路44aが、外部(空気圧調整装置1の加減圧部2)から気室101への空気の導入路となり、空気入りタイヤ10の空気圧を減少させる場合には、ホイール4の空気通路44bが、気室101から外部への空気の排出路となる(図1参照)。これにより、双方向に流通可能な空気通路44a、44bが連結部43の内部に形成されるので、ホイールの外部に空気通路用の配管が配置される構成と比較して、ホイール4の構成を簡素化できる利点がある。

また、このホイール4aは、相互に独立した複数の空気通路44a、44bを備える(図3参照)。これにより、いずれかの空気通路44a、44bが不通となった場合にも、他の空気通路44a、44bを介して空気を流通させ得るので、フェールセーフ機能を実現できる利点がある。

また、空気圧調整装置1は、空気入りタイヤ10の気室101と加減圧部2との間の空気通路44のうち、空気通路44aと空気通路111と空気配管24との組み合わせで空気を供給し、空気通路44bと空気通路112と空気配管25との組み合わせで空気を排出する。つまり、空気圧調整装置1は、空気を供給する配管系と空気を排出する配管系の2つの系統で、気室101の空気圧を調整する。これにより、空気の供給と排出とを高い応答性で実行することができ、空気圧を高い応答性で制御することができる。

空気圧調整装置1は、配管系を供給系と排出系の2系統で実行することで、空気の供給と排出とを同時に実行することができる。これにより、空気圧調整装置1は、空気入りタイヤ10の空気圧を一定としている状態であっても空気入りタイヤ10内の空気を循環させることができる。このように、空気入りタイヤ10内の空気を循環させることで、空気の循環でタイヤの転動により生じた熱を車体側に回収でき、空気入りタイヤ10の気室101内の温度上昇を抑制することができる。つまり空気圧調整装置1を空気入りタイヤ10の冷却機構としても用いることができる。これにより、タイヤ自体の温度上昇を抑制することができ、タイヤ性能低下を抑制できる。

また、空気圧調整装置1は、ホイール4の連結部43が、スポーク431を有すると共に、このスポーク431の内部に空気通路44を有する。これにより、ホイール4の外観を損なうことなく、空気通路44を形成できる利点がある。

また、空気圧調整装置1は、ホイール4の連結部43が、ディスクを有すると共に、ディスクの内部に空気通路44を有する。これにより、ホイール4の外観を損なうことなく、空気通路44を形成できる利点がある。

また、ホイール4では、ハブ取付部42が、複数のボルト孔421を有すると共にボルト孔421に挿入されたボルトを介して車両のハブユニット11に取り付けられる(図1参照)。また、連結部43が、複数の空気通路44を有する。また、ハブ取付部42の取付面にて、ボルト孔421と空気通路44の開口部とがハブ取付部42の回転軸周りに交互に配置される。かかる構成では、ボルト孔421と空気通路44の開口部とがハブ取付部42の回転軸周りに交互に配置されるので、ハブ取付部42の剛性が適正に確保され、また、ハブ取付部42のボルト締め作業が容易となる利点がある。

空気圧調整装置1は、空気入りタイヤ10に供給する空気を大気以外の空気としてもよい。この場合、空気入りタイヤ10に供給する空気、つまり空気入りタイヤ10に充填する空気として、熱伝導率の高いヘリウム、ヘリウムと酸素の混合気体であるヘリオックス、ヘリウムと酸素と窒素との混合気体であるトライミックスを用いてもよい。熱伝導率が高い気体を用いることで、冷却機構としての性能を高くすることができる。また、空気圧調整装置1は、空気配管25から排出される空気を回収し、空気を循環する機構としてもよい。これにより、大気以外の成分の空気を用いた場合でも、補充の回数を減らすことができる。

図4は、図1に記載したホイール4を示す説明図である。同図は、図2に記載したホイール4の空気通路44におけるリム部41側の開口部のY視断面図(実線部)およびZ視断面図(破線部)を示している。

上記のように、図2の構成では、空気通路44a、44bが、リム部41の外周面に複数の開口部を有している。このとき、各空気通路44の開口部が相互に異なる断面形状を有することが好ましい。これにより、空気通路44の設置に起因する気柱共鳴音の周波数が分散されて、騒音レベルが低減される。

例えば、図4の構成では、各空気通路44の開口部が、相互に異なる開口断面積および管長を有し、また、その開口方向を相互に異ならせて配置されている。このとき、ホイール4のアウター側の壁面形状に変更はなく、リム部41の内部形状および連結部43のインナー側の壁面形状を変更することにより、各空気通路44の開口部が相互に異なる断面形状を有している。一方で、各空気通路44の流路断面積の最小値が一定に設定されることにより、各空気通路44の流量が同一に設定されている。

このように、空気通路44が、リム部41の外周面に複数の開口部を有し、これらの開口部が、相互に異なる断面形状を有することにより、空気通路44の設置に起因する気柱共鳴音の周波数が分散されて、騒音レベルが低減される利点がある。

また、空気通路44の流路断面積Sは、100[mm2]≦S≦3000[mm2]の範囲内にあることが好ましい。具体的には、加減圧部2の弁装置22の開弁時における流路断面積、ハブユニット11内に形成された空気通路111と112の流路断面積および空気通路44a、44bの流路断面積Sが、いずれも100[mm2]以上3000[mm2]以下の範囲内にあることが好ましい。また、これらの流路断面積が120[mm2]以上2500[mm2]以下の範囲内にあることがより好ましく、150[mm2]以上2000[mm2]以下の範囲内にあることがさらに好ましい。これにより、各空気通路44の流路断面積Sが適正化される。すなわち、100[mm2]≦Sとすることにより、空気入りタイヤ10への空気の供給量および空気入りタイヤ10からの空気の排出量が適正に確保されるので、空気入りタイヤ10の空気圧制御を迅速に行い得る利点がある。また、S≦3000[mm2]とすることにより、ホイール4の大型化を防止できる利点がある。

また、上記の構成では、ハブ取付部42の取付面の径方向幅Aが、35[mm]≦A≦100[mm]の範囲内にあることが好ましい(図2参照)。また、径方向幅Aが、37[mm]≦A≦90[mm]の範囲内にあることがより好ましく、40[mm]≦A≦80[mm]の範囲内にあることがさらに好ましい。これにより、ハブ取付部42の取付面の径方向幅Aが適正化される利点がある。

また、ハブ取付部42の取付面におけるボルト孔421のピッチ円直径Bが、100[mm]≦B≦280[mm]の範囲内にあることが好ましい(図2参照)。また、ピッチ円直径Bが、110[mm]≦B≦260[mm]の範囲内にあることがより好ましく、ピッチ円直径Bが、115[mm]≦B≦240[mm]の範囲内にあることがさらに好ましい。

また、ハブ取付部42の取付面の直径Cが、140[mm]≦C≦300[mm]の範囲内にあることが好ましい(図2参照)。また、直径Cが、145[mm]≦C≦280[mm]の範囲内にあることがより好ましく、直径Cが、150[mm]≦C≦260[mm]の範囲内にあることがさらに好ましい。

これらの寸法A〜Cは、一般に、ハブ取付部42と車両のハブユニット11との関係で規定される。これらの寸法A〜Cが上記の範囲内にあることにより、ハブ取付部42の取付面における空気通路44の開口部およびボルト孔421の配置領域が適正に確保される。また、ハブ取付部42と車両のハブユニット11との関係を適正化できる。

[ハブユニットの開放弁] 図5は、他の実施形態の空気圧調整装置の概略構成を示す構成図である。図5に示す空気圧調整装置1aは、ハブユニット110に開放弁16を備える以外は、空気圧調整装置1と同じ構成である。以下、空気圧調整装置1aに特有の構成である開放弁16について説明する。

開放弁16は、ハブユニット110の空気通路112と繋がる位置に形成されている。開放弁16は、開放されることで、空気通路112の空気を外部に排出する。図5に示す空気圧調整装置1aは、開放弁16を開放することで、空気通路112の空気を外部に排出することができ、気室101内の空気を排出することができる。開放弁16は、空気通路112の一箇所に設けてもよいし、複数箇所、例えば空気通路44bに対応する位置毎に設けてもよい。

空気圧調整装置1aは、ハブユニット110の空気通路112に設けられた開放弁16で気室101内の空気を排出することで、より高い応答性で気室101内の空気を排出することができる。具体的には、開放弁16は、気室101に近い位置で空気通路112を大気に開放することができるため、応答性を高くすることができる。

[ホイールの空気接続弁] 図6は、他の実施形態の空気圧調整装置の概略構成を示す構成図である。図7は、図6に記載したホイールを示す説明図である。図8は、図6に記載したホイールの空気接続弁を示す軸方向断面図である。図6に示す空気圧調整装置1bは、ハブユニット110aに開放弁16、17を備え、ホイール4bに空気接続弁45を備える以外は、空気圧調整装置1と同じ構成である。以下、空気圧調整装置1bに特有の構成である開放弁16、17、空気接続弁45について説明する。開放弁16は、空気圧調整装置1aの開放弁16と同様の構成である。

開放弁17は、ハブユニット110aの空気通路111と繋がる位置に形成されている。開放弁17は、開放されることで、空気通路111の空気を外部に排出する。図6に示す空気圧調整装置1bは、開放弁17を開放することで、空気通路111の空気を外部に排出することができ、気室101内の空気を排出することができる。開放弁17は、空気通路111の一箇所に設けてもよいし、複数箇所、例えば空気通路44aに対応する位置毎に設けてもよい。

空気圧調整装置1bは、ハブユニット110aの空気通路112に設けられた開放弁16に加え、または換えて、ハブユニット110aの空気通路111に設けられた開放弁17で気室101内の空気を排出することでも、より高い応答性で気室101内の空気を排出することができる。

空気接続弁(エアカプラ)45は、ホイール4bの空気通路44a、44bのそれぞれのハブ取付部42側の開口部に配置されている。図8は、図6に示すホイールの空気接続弁を示す軸方向断面図である。同図は、空気接続弁45が開弁した状態を示している。

空気接続弁45は、図8に示すように、プラグ部451と、ソケット部452と、弁体453とを有する。プラグ部451およびソケット部452は、短尺な管状構造を有する。また、プラグ部451は、ソケット部452に進退変位可能に挿入され、また、コイルバネを介して軸方向に弾性変位できる。また、空気接続弁45の内部には、プラグ部451およびソケット部452の管状構造により、空気通路454が形成される。この空気通路454には、プラグ部451およびソケット部452の内径を縮径して成る縮径部455が形成される。弁体453は、この空気通路454を開閉する弁体であり、プラグ部451とソケット部452との双方に介在して軸方向に進退変位できる。この弁体453は、空気通路454内の縮径部455と係合することにより、空気通路454を封止する(図示省略)。また、弁体453は、縮径部455から離隔することにより、空気通路454を開放する(図8参照)。この空気接続弁45は、プラグ部451(あるいはソケット部452)を空気通路44のハブ取付部42側の開口部に嵌め込んで固定され、また、ソケット部452(あるいはプラグ部451)をハブ取付部42の取付面から突出させて配置される。

この空気接続弁45において、ホイール4bが車両のハブユニット110aに取り付けられた状態(図6参照)では、プラグ部451がハブユニット110aに押し当てられることにより、プラグ部451がソケット部452に押し込まれる(図8参照)。この状態では、弁体453が縮径部455から離隔して、空気接続弁45が開弁する。すると、ホイール4bの空気通路44のハブ取付部42側の開口部が開放されて、空気通路44a、44bが連通する。これにより、加減圧部2から空気入りタイヤ10の気室101への圧縮空気の供給、あるいは、気室101から外部への空気の排出が可能となる。

一方、ホイール4bが車両のハブユニット110aから取り外された状態では、プラグ部451がソケット部452から押し出されて軸方向に変位し、弁体453がプラグ部451およびソケット部452の縮径部455に付勢する。この状態では、弁体453が縮径部455と係合して、空気接続弁45が閉弁する。すると、空気通路44のハブ取付部42側の開口部が封止されて、空気通路44が遮断される。これにより、例えば、空気入りタイヤ10をインフレートして車両に装着するときに、空気入りタイヤ10に空気を充填した状態のまま空気入りタイヤ10およびホイール4bの組立体を搬送できる。

なお、図6の構成では、ホイール4bの6本のスポーク431が相互に独立した空気通路44をそれぞれ有し、各空気通路44のハブ取付部42側の開口部に、空気接続弁45がそれぞれ配置されている。また、図7に示すように、空気圧調整装置1bは、1つの空気通路44a、44bの開口部に、2つの空気接続弁45が配置されている。これにより、空気接続弁45の機能を確保しつつ、空気通路44a、44bの流路断面積を確保している。

空気圧調整装置1bは、ホイール4bの車両装着時にて空気通路44を開放すると共に、ホイール4bの単体時にて空気通路44を閉止する空気接続弁(エアカプラ)45を備える。かかる構成では、ホイール4bが車両のハブユニット110aに取り付けられた状態では、空気通路44が連通して、加減圧部2から空気入りタイヤ10の気室101への圧縮空気の供給が可能となる利点があり、あるいは、気室101から外部への空気の排出が可能となる利点がある。一方、ホイール4bが車両のハブユニット110aから取り外された状態では、空気通路44が遮断されるので、例えば、空気入りタイヤ10をインフレートして車両に装着するときに、空気入りタイヤ10に空気を充填した状態のまま空気入りタイヤ10およびホイール4bの組立体を搬送できる利点がある。

[インホイールモータユニット] 図9は、他の実施形態の空気圧調整装置の概略構成を示す構成図である。図9は、空気圧調整装置をインホイールモータユニットで駆動される空気入りタイヤに適用した場合の実施形態である。空気圧調整装置1cは、車両用ハブユニットがインホイールモータユニットと一体化した以外は、空気圧調整装置1と同様の構成である。

空気圧調整装置1cは、空気入りタイヤ10の気室101の空気圧を調整する装置であり、加減圧部2と、圧力センサ3と、ホイール4と、制御部5と、インホイールモータユニット6と、継ぎ手13aと、を備える。加減圧部2と、圧力センサ3と、ホイール4と、制御部5と、継ぎ手13aと、は、空気圧調整装置1の各部と同様の構成である。以下、インホイールモータユニット6について説明する。ここで、インホイールモータユニット6は、空気圧調整装置1のハブユニット11の機能も備える。つまり、インホイールモータユニット6は、ホイール4と空気入りタイヤ10を回転する駆動源であり、かつ、ハブユニット11である。

インホイールモータユニット6は、ローター6Rがステーター6Sの外側に配置される、アウターローター型の電動機である。インホイールモータユニット6は、車両の懸架装置に取り付けられる、いわゆるインホイールモータ方式で用いられる。ローター6Rは、環状の構造体であるローターケース61と、ローターケース61の内周部に取り付けられる永久磁石62とを含む。永久磁石62は、S極とN極とがローターケース61の周方向に向かって交互に配置される。ローターケース61の中心部にはシャフト65が取り付けられている。

ステーター6Sは、ローター6Rが有する永久磁石62の内側に配置される。ステーター6Sは、複数のコイル63がステーター本体64の外周部に設けられている。ステーター本体64は、中心部に軸受66を有している。上述したシャフト65は、軸受66を介してステーター本体64に支持される。このような構造により、ローター6Rは、回転軸を中心として、ステーター本体64の周りを回転できるようになっている。本実施形態においては、ローター6Rのシャフト65に、ホイール4が取り付けられる。

また、シャフト65は、ハブユニット11と同様に、継ぎ手13aと連結されている。シャフト65は、ハブユニット11と同様に、内部に空気通路111、112が形成されている。空気通路111は、空気通路44a及び空気配管24と連結している。空気通路112は、空気通路44b及び空気配管25と連結している。

このように、空気圧調整装置1cは、ホイール4及び空気入りタイヤ10がインホイールモータユニット6に装着された構成であっても、同様に、インホイールモータユニット6のシャフト65の内部に空気通路111、112を設けることで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。

空気圧調整装置1cは、インホイールモータユニット6を、ローター6Rが外周側に配置されたアウターロータータイプとすることで、回転軸中心側にインホイールモータユニット6の駆動機構(ローター6Rやステーター6Sや減速機構)が配置されない領域を設けることができる。これにより、回転軸中心側に空気通路111、112を好適に配置することができる。

1 空気圧調整装置、2 加減圧部、3 圧力センサ、4 ホイール、5 制御部、6 インホイールモータユニット、10 空気入りタイヤ、11 ハブユニット、11a 内側ハブ、11b 外側ハブ、12 ブレーキロータ、13、13a 継ぎ手、14 支持機構、16、17 開放弁、21 加圧ポンプ、22、26 弁装置、23 エアタンク、24、25 空気配管、41 リム部、42 ハブ取付部、43 連結部、44a、44b、111、112 空気通路、45 空気接続弁、101 気室、411 フランジ、421 ボルト孔、431 スポーク、451 プラグ部、452 ソケット部、453 弁体、454 空気通路、455 縮径部

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