Bicycle wheel having an aerodynamic surface

申请号 JP2004543430 申请日 2003-10-03 公开(公告)号 JP2006517161A 公开(公告)日 2006-07-20
申请人 コンポジテック・インコーポレイテッド; 发明人 オーディング・アンドリュー; ポートナー・ジョシュア・アール;
摘要 自転車用車輪(10)は、その車輪(10)の外周部に 位置 するタイヤ係合部分(34)、そのタイヤ係合部分(34)から径方向内側に位置する内側部分(26)を含む。 一対の空気係合側面(20,22)が、内側部分(36)とタイヤ係合部分(34)との間に延在して車輪(10)の両側の側面をなしている。 空気係合側面(20,22)は、車輪が空気を切る時の車輪(10)の空 力 抵抗を減らすために乱流境界層を生成するようにデザインされた複数の表面構造(44)を含む。
权利要求
  • 自転車用車輪(10)であって、
    前記車輪(10)の外周部に位置するタイヤ係合部分(34)と、
    前記タイヤ係合部分(34)から径方向内側に位置する内側部分(26)と、
    前記内側部分(26)と前記タイヤ係合部分(34)との間に径方向に延在して、前記車輪(10)の第1の側面をなす第1の空気係合側面(20)と、
    前記内側部分(26)と前記タイヤ係合部分(34)との間に径方向に延在して、前記車輪(10)の前記第1の側面とは軸方向反対側の前記車輪(10)の第2の側面をなす第2の空気係合側面(22)とを含み、
    前記第1の空気係合側面(20)及び第2の空気係合側面(22)が、前記車輪(10)が空気を通過する時に乱流境界層を発生させて空力抵抗を低減するようにデザインされた複数の表面構造(44)を含むことを特徴とする自転車用車輪。
  • 前記内側部分(26)がハブ(12)であることを特徴とする請求項1に記載の自転車用車輪(10)。
  • 前記ハブ(12)が、前記第1の空気係合側面(20)及び第2の空気係合側面(22)とは別々に製造され、前記ハブ(12)が、前記第1の空気係合側面(20)及び第2の空気係合側面(22)の中心に結合されることを特徴とする請求項2に記載の自転車用車輪(10)。
  • 前記第1の空気係合側面(20)及び第2の空気係合側面(22)がそれぞれ、前記タイヤ係合部分(34)に近接したワッシャー型ブレーキ係合部分(28)を含むことを特徴とする請求項1に記載の自転車用車輪(10)。
  • 前記ブレーキ係合部分(28)及び前記タイヤ係合部分(34)が前記第1の空気係合側面(20)及び第2の空気係合側面(22)とは別々に製造され、前記ブレーキ係合部分(28)及び前記タイヤ係合部分(34)が、前記第1の空気係合側面(20)及び第2の空気係合側面(22)の外周部に結合されることを特徴とする請求項4に記載の自転車用車輪(10)。
  • 前記内側部分(26)が複数の表面構造(44)を含むことを特徴とする請求項1に記載の自転車用車輪(10)。
  • 前記複数の表面構造(44)が多面多角形型凹部(46,48)であることを特徴とする請求項1に記載の自転車用車輪(10)。
  • 前記多面多角形型凹部(46,48)が様々な直径であることを特徴とする請求項7に記載の自転車用車輪(10)。
  • 前記多面多角形型凹部(46,48)の直径が、5.08mm〜10.16mm(0.2インチ〜0.4インチ)の範囲であることを特徴とする請求項8に記載の自転車用車輪(10)。
  • 前記多面多角形型凹部(46,48)が、第1のゾーン(52)で第1のパターンに配置され、前記第1のゾーン(52)の径方向外側の第2のゾーン(54)で第2のパターンで配置されていることを特徴とする請求項7に記載の自転車用車輪(10)。
  • 前記第2のゾーン(54)における前記表面構造(44)の密度が、前記第1のゾーン(52)における前記表面構造(44)の密度よりも大きいことを特徴とする請求項10に記載の自転車用車輪(10)。
  • 前記第1のゾーン(52)における固定幅のワッシャー型部分の表面構造(44)の数が、前記第2のゾーン(54)における同じ固定幅のワッシャー型部分における前記表面構造(44)の数よりも少ないことを特徴とする請求項10に記載の自転車用車輪(10)。
  • 前記複数の表面構造が径方向に延在する表面構造(60)を含むことを特徴とする請求項1に記載の自転車用車輪(10)。
  • 前記径方向に延在する表面構造がジグザグ型(66)であることを特徴とする請求項13に記載の自転車用車輪(10)。
  • 前記径方向に延在する表面構造(60,62)が複数の形状及び複数の径方向の寸法を有することを特徴とする請求項13に記載の自転車用車輪(10)。
  • 前記表面構造が前記空気係合側面からの突出部であることを特徴とする請求項1に記載の自転車用車輪(10)。
  • 前記車輪(10)がディスク型であることを特徴とする請求項1に記載の自転車用車輪(10)。
  • 更に、バルブステム受容開口(32)を含むことを特徴とする請求項1に記載の自転車用車輪(10)。
  • 前記複数の表面構造(44)が、前記車輪(10)が空気を通過する時に境界層が表面構造を含まない車輪(10a)の側面から離れる場合よりも前記車輪(10)の後縁に近い位置で前記境界層が前記車輪(10)の前記第1の空気係合側面(20)及び第2の空気係合側面(22)から離れるようにデザインされていることを特徴とする請求項1に記載の自転車用車輪(10)。
  • 前記複数の表面構造が円形凹部であることを特徴とする請求項1に記載の自転車用車輪(10)。
  • 自転車用車輪(10)であって、
    前記車輪(10)の中心に位置するハブ(12)と、
    前記車輪(10)の外周部に位置するタイヤ係合部分(34)と、
    前記ハブ(12)と前記タイヤ係合部分(34)との間に径方向に延在して、前記タイヤ係合部分(34)に近接したブレーキ係合部分(28)を有する前記車輪(10)の第1の側面をなす第1の空気係合側面(20)と、
    前記ハブ(12)と前記タイヤ係合部分(34)との間に径方向に延在して、前記タイヤ係合部分(34)に近接したブレーキ係合部分(28)を有する前記車輪(10)の第1の側面と軸方向反対側の前記車輪(10)の第2の側面をなす第2の空気係合側面(22)とを含み、
    前記第1の係合側面(20)及び第2の係合側面(22)が複数の表面構造(44)を含み、前記複数の表面構造(44)が、前記車輪(10)が空気を通過する時に境界層が表面構造を含まない車輪(10a)の側面から離れる場合よりも前記車輪(10)の後縁に近い位置で前記境界層が前記車輪(10)の前記第1の空気係合側面(20)及び第2の空気係合側面(22)から離れるようにデザインされていることを特徴とする自転車用車輪(10)。
  • 说明书全文

    発明の内容の開示

    関連出願に対するクロスリファレンス
    本願は、2003年10月4日出願のオーディング(Ording)及びペルトナ(Poertner)による米国仮特許出願第60/416,107号の恩典を主張する。

    発明の技術分野
    本発明は、車輪に関し、詳細には、空的に改善された表面を有する自転車用車輪に関する。

    発明の背景
    近年、自転車用車輪のデザインの基礎となる技術が進展した。 多年に亘って、製造の強化及び簡略化が、自転車用車輪のデザインを進歩させる主な原動力であった。 しかしながら、自転車用車輪、特にレース目的でデザインされた自転車用車輪は、次第に軽量化され空力的に優れたデザインになってきた。

    より軽量化するために様々な技術が用いられているが、デザインで最も力が注がれてきたのは自転車用車輪の材料の選択である。 従来から、自転車用車輪は押出し鋼を円形フープに曲げて製造されてきた。 しかしながら、車輪をより軽量化するために、アルミニウムなどの軽量金属、及びチタンや他の合金などの新種の金属が鋼の代わりに利用されるようになってきた。 加えて、炭素繊維複合材料などの強くて軽い非金属材料を使用することで大幅な軽量化を達成することができる。 このような炭素繊維から製造された車輪には、例えば、インディアナ州スピードウェイのコンポジテック社(Compositech, Inc.)がZIPP(登録商標)Speed Weaponry(登録商標)ブランドとして販売している車輪がある。

    近年注目されている別の技術的な改善は、空力効率が上がるように車輪を形成することである。 このため、多種多様な車輪形状が製造されるようになってきた。 殆どのこれらのデザインの目的は、車輪に対する気流を上手く制御して車輪の空力抵抗を減らすことにある。

    このような空力的車輪の例として、ディスク型自転車用車輪を挙げることができる。 ディスク車輪は従来の車輪とは異なりスポークがない。 具体的には、ディスク車輪は通常、そのディスク車輪を自転車フレームに取り付けるためのセンターハブ、径方向外向きのタイヤ係合部分、及び径方向に延在して軸方向に対向した第1の側面及び第2の側面を有する。 これらの側面は、ディスク型であって、大きな空いた空間はなく、ハブとタイヤ係合部分との間に延在する。 ディスク車輪では、側面は概ね連続的であって、ハブとタイヤ係合部分の間に間隙がない。 このようなディスク車輪の例として、コンポジテック社(Compositech, Inc.)が製造するZIPP(登録商標)900ディスク車輪を挙げることができる。 ディスク車輪は、軽量化と空力効率によって自転車走者の加速及び高速走行を助けるため、レーシングトラックで使用する自転車や選手がタイムを競う場合に特に有利であることが分かっている。

    空力効率を上げる別の技術では、「ディープセクション」型車輪を形成するためにリム−スポーク型車輪の側面の径方向寸法を増大させる。 比較として、通常の自転車のリム−スポーク型車輪のリムは、径方向寸法が約12.4mm(約0.5インチ)未満の側面を有する。 大抵の場合、リムの径方向の寸法は、自転車ブレーキパッドの通常のキャリパーの径方向の寸法よりも僅かに大きいだけである。 これとは対照的に、ディープセクション型のリムは、25.4mm(1インチ)を優に超え、場合によっては50.8mm(2インチ)以上の径方向の寸法を有し得る。 このようなディープセクション型リムの例として、コンポジテック社(Compositech, Inc.)が製造するZIPP(登録商標)404リム、サージェント(Sargent)による米国特許第5,975,645号及びヘド(Hed)らによる米国特許第5,061,013号に開示されているリムを挙げることができる。 このようなディープセクション型リムを使用する背景理論は、リムの側面の径方向寸法が大きくなると車輪の空力抵抗を低減するエーロフォイルが形成されることである。

    自転車用車輪の空力抵抗を低減するための別の技術では、車輪のスポークの数を減らされ、スポークがより空力的形状にされる。 一般に、レース用の車輪は、一般用の車輪よりもスポークの数が極端に少ない。 スポークの数を減らすことで、車輪が生成する乱流が低減され、これにより車輪の空力抵抗が下げると考えられている。

    上記した技術及び車輪は、標準的な車輪と比べれば空力効率が著しく改善されているが、更なる改良の余地はまだ残っている。 特に、空力効率を更に改善する余地がある。

    本発明の1つの目的は、同様の形状及び重量の車輪に比べて空力抵抗を低減するのに役立つより空力効率の高い車輪を提供することである。

    発明の要約
    本発明に従えば、自転車用車輪は、車輪の外周部に位置するタイヤ係合部分、そのタイヤ係合部分から径方向内側に位置する内側部分、その内側部分とタイヤ係合部分との間に径方向に延在して車輪の両側の側面をなす一対の空気係合側面を含む。 この空気係合側面は、車輪が空気を通過する時に車輪の空力抵抗を低減する乱流境界層を生成するようにデザインされた複数の表面構造を含む。

    ここでの抵抗とは、車輪すなわち自転車の動く方向の反対方向に車輪すなわち自転車を押しやる空気抵抗のことである。 車輪が空気を通過する時、車輪の周囲の空気は異なる速度、従って異なる圧力を有する。 この空気は、車輪の前部のよどみ点に最大圧力を付与する。 次いで、この空気が速度を増し圧力を下げて車輪の側面を流れる。 ある分岐点で、空気が車輪の側面から離れ、車輪の後方に大きな乱流領域を生成する。 この乱流領域は、伴流と呼ばれ低圧である。 車輪の前の高い圧力と車輪の後の低い圧力との圧力差は車輪、従って自転車の速度を下げる働きをする。 これが自転車用車輪の抵抗の主な要素である。

    空気を通過する全ての物体は、その周りの空気の薄い層すなわち境界層を有する。 物体の形状は、鈍い形から流線型まで様々である。 鈍い形の物体は、その後側に大きな抵抗となる大きな伴流を生成する。 より流線型の物体は、小さい伴流を生成するため抵抗が小さい。 車輪上の表面構造が、乱流になる空気の薄い境界層を車輪の外面近傍に生成する。 この乱流が、境界層にエネルギーを与えて車輪の側面に長く付着する助けをするため、分岐点が車輪の後方に移動する。 従って、車輪の後側の伴流が小さくなり、より流線型で空力的な気流が生成される。 この結果、車輪の後側の圧力を増大させる車輪の後側の伴流領域が小さくなり、実質的に空力抵抗が小さくなる。 境界層に乱流を発生させて空力抵抗を小さくするのは、本発明の車輪の表面構造である。

    好適な実施形態では、この表面構造は、例えばディンプル型凹部などの一連の凹部を含む。 複数の大きさの凹部を設けて、車輪の表面に凹部を密集させるのが好ましい。

    一実施形態では、ディンプル型凹部は、概ねハブ部分とブレーキ表面との間に延在するが、ブレーキ表面には延在しない。 このディンプル凹部は、大きさが均一な整列されたディンプル凹部を含むことができる。 別法では、ディンプル凹部は、大きなディンプル凹部の密集したパターンの間に小さなディンプル凹部が配置されるなどの様々な大きさの整列されたディンプル凹部を含むことができる。

    本発明の1つの特徴は、空気係合面にディンプル型凹部などの整列された表面構造を含むことである。 ディンプル型凹部は、空力的利点と構造的利点の2つの利点を提供する。 空力的利点について述べると、空気係合面を覆うディンプルが車輪に近接した薄い層すなわち境界層を生成する。 この空気の境界層が、空気係合面の表面構造の上の気流パターンで乱流となる。 空気係合面の上の平滑な連続的な層の流れとは異なり、ディンプルにより空気が、周期的変動がある顕微鏡パターンを有するランダムな気流となる。 この境界層における乱流により、空気係合面の周りを流れる空気が空気係合面の表面を良好に流れ、空気が車輪の空気係合面に沿って長く移動することができる。 これにより、下流端に生成される伴流が極めて小さくなる。 この小さな伴流により、車輪の空力抵抗が著しく減少する。

    整列したディンプル凹部または径方向に延びた凹部などの表面凹部を使用することにより、車輪、特にディスク型車輪に構造的利点を提供することができる。 ディスク型車輪は通常、車輪の中心のハブと車輪の外周部のタイヤ係合部分との間に連続して延在する空気係合面を含む。 従って、従来技術の車輪における第1の空気係合側面及び第2の空気係合面は、通常は約66.0cm〜約68.6cm(26インチ〜27インチ)の範囲の直径を有する平滑な円形平面を含む。 ZIPP(登録商標)900ディスク車輪などのディスク車輪の製造に用いる炭素繊維複合材料は極めて硬質であるが、ディスク車輪などの大きな平面本体は、径方向及び軸方向の力が加わると曲がるまたは撓む可能性があることを理解されたい。 車輪の空気係合面の主平面から突き出たまたは主平面内に進入した空気係合面に設けられる整列した表面構造により、車輪の剛性が高まり車輪の曲げ抵抗が増大する。

    本発明のこれら及び他の特徴は、現在出願者にとって本発明を実施するための最適なモードを説明する添付の図面及び以下の詳細な説明を読めば理解できよう。

    詳細な説明
    図1〜図7に、概ね円形すなわちディスク型のディスク型自転車用車輪10の実施形態が例示されている。 この車輪10は、中心にハブ12を備えたハブ部分26、外周部のタイヤ係合部分34、及びハブ部分26からタイヤ係合部分34まで延びた軸方向に対向した第1の空気係合面20及び第2の空気係合面22を含む。

    図示されている車輪10は主にコアからなる。 このコアは、中空としたり、フォームで満たしたり、または出願者が用いるハニカム型コアなどのように一部がフォームで残りを中空とすることができる。 コアは、第1の空気係合面20及び第2の空気係合面22をなす炭素繊維複合材料で覆われている。 これに関連して、図1〜図7に示されている車輪10は、外骨格構造を有し、炭素繊維外被が車輪の形状及び構造的強度の殆どを提供し、内部コアがある場合は、炭素繊維車輪10の製造を容易にするためにその内部コアが充填材料として用いられる。 加えて、コアは、車輪10の炭素繊維の両側面及びその側面全体に荷重を均等に分配する役割を果たす。 多くの車輪では、ハブ12は、コアの部品の一部ではなく、炭素繊維製造工程とは別に製造される部品である。 むしろ、ハブ12は製造後にコア及び炭素繊維構造に取り付けられる。

    ハブ12は、車輪10の径方向の中心に配置され、金属系部品、炭素繊維系部品、または金属系部品と炭素系部品の両方から形成することができる。 本発明に用いるのに適したハブの例として、コンポジテック社(Compositech, Inc.)が販売するZIPP(登録商標)トラック/カセットハブ(Track/Cassette Hub)を挙げることができる。 ハブ12は、ハブ12の残りの部分とは独立して回動可能な軸部分14と、車輪10の炭素繊維ハブ部分26の一部に係合するように径方向外向きに短い距離延出したフランジ部分16を含む。

    タイヤ係合面34は、車輪10の外側外周部に位置する。 タイヤ係合部分34は、取り付けられるタイヤ27(図13及び図14)を受容するようにデザインされている。 タイヤ係合部分34は、第1の空気係合面20の径方向最外部に近接した第1の外周リップ36と、第2の空気係合面22に近接した第2の外周リップ38を含む。 概ね凹状の径方向外向きの中心タイヤ対向部分40が、第1の外周リップ36と第2の外周リップ38との間に概ね軸方向に延在し、車輪10の外周部に位置する。

    第1の空気係合面20は、概ね平面であり、ハブ12とタイヤ係合部分34との間に延在する車輪10の第1の側面の大部分をなしている。 第2の空気係合面22は、概ね平面であって、ハブ12とタイヤ係合部分34との間に延在し、第1の側面とは軸方向反対側の第2の側面の大部分を占めている。 車輪10は、軸方向に延在する平面に対して概ね対称であるため、第1の側面20と第2の側面22は概ね互いに鏡像である。 図示されている車輪10は、側面20及び側面22が平面として示されているが、これらの側面は、他の製造者が販売するディスク型車輪のレンズ型側面のように非平面とすることができる。 第1の側面20及び第2の側面22は、本明細書では空気係合面と呼ぶことにする。

    自転車が走行中の自転車用車輪の動作のように良く知っている動作では、車輪10のタイヤ27の前面が、自転車が走る時に空気を切る先行面である。 タイヤ27が通過する空気は、そのタイヤ27によって切られ、車輪10の第1の空気係合面20及び第2の空気係合面22の周りを流れ、タイヤ27の後面付近で1つに戻る。 車輪10の周りのこの空気の流れは、図13及び図14を用いて詳細に後述する。

    図1〜図7において、第1の側面20及び第2の側面22のそれぞれは、径方向内側のハブ部分26、径方向外側のワッシャー型ブレーキ係合部分28、及び表面構造を有する中間部分30を含む。 ハブ部分26は、車輪10のセンターハブ12に隣接している。 ハブ部分26は、表面構造を含んでも含まなくても良い。 ブレーキ係合部分28は、ワッシャー型であって、車輪10のタイヤ係合部分34に隣接している。

    ブレーキ係合部分28は通常、一般的な自転車ブレーキキャリパーの高さよりも僅かに大きい径方向の寸法を有する。 ブレーキ係合部分28は、ブレーキ性能を改善するために、表面コーティングを備えたり、炭素繊維内にばらつきを設けたりすることができる。

    図1〜図7において、ブレーキ係合部分28及びタイヤ係合部分34は、図示されているように第1の空気係合面20及び第2の空気係合面22の残りの部分と一体的に形成され、炭素繊維から形成されている。 この一体構造は、ソーアップ・リム(sew-up rims)に効果がある。 しかしながら、サージェント(Sargent)及びヘド(Hed)による上記特許文献に示されているタイプの「引掛け」型リムでは、ブレーキ係合面28及びタイヤ係合部分34は、別々に製造されたフープ型部品であって、図10〜図12に例示されているように車輪10のブレーキ係合面28及びタイヤ係合部分34の両方として機能する。 ブレーキ係合面28及びタイヤ係合部分34は、アルミニウムなどの金属系部品、炭素繊維系部品、または金属系部品と炭素繊維系部品の両方から形成することができる。 楕円形バルブステム受容開口32が、車輪10の途中まで延在するまたは完全に貫通し、バルブステムを受容して、使用者が車輪10に取り付けられたタイヤ27の空気を入れたり出したりできるようにデザインされている。

    図1〜図5に最もよく示されているように、車輪10の表面構造を含む中間部分30が、ハブ部分26の径方向外側に延在し、ブレーキ係合部分28の径方向内側に位置している。 中間部分30は、車輪10の第1の空気係合面20及び第2の空気係合面22のそれぞれの表面積の大部分を占める。 図3〜図7などの車輪の拡大図に最もよく示されているように、表面構造を含む中間部分30は、表面構造領域を含む。 図1〜図7に示されている実施形態では、この表面構造領域では、比較的浅くて比較的大きい一連の多面多形型のディンプル状凹部48の間に、比較的浅くて比較的小さい一連の多面多角形型のディンプル状凹部46が散在している。 小さな凹部46及び大きな凹部48は、車輪10の第1の空気係合面20及び第2の空気係合側面22のそれぞれの中間部分30の表面積の大部分を占めるように互いの間に分布している。 表面構造46,48が、第1の側面20及び第2の側面22の主平面に対して凹んでいて、比較的浅くて概ねディスク型であり、概ね平面状の底部を含むことを理解されたい。

    好適な実施形態では、表面構造は、直径が5.08mm〜10.16mm(0.2インチ〜0.4インチ)の範囲、深さが0.0762mm〜0.127mm(0.003〜0.005インチ)の範囲の一連の二十面型(20の側面)凹部を含む。 好適な実施形態は、車輪の空気係合側面の表面構造の密度を上げるために、上記した範囲内の4種類の直径の凹部を含む。 図8に、車輪10の空気係合側面20,22の好適な表面構造パターンが示されている。 この表面構造パターンは、ハブ12が配置される車輪10の中心に位置する中心部分50と、複数の放射状の列の表面構造を有する内側表面構造部分52と、別の放射状の列の表面構造を有する中心表面構造部分54と、別の放射状の列の表面構造を有する外側表面構造部分56を含む。 表面構造の列の数は、中心から外周部に向かって車輪の直径が増大するにつれて増大する。

    図9に示されているように、車輪10の空気係合側面20,22の表面構造パターンはテキストマークを含む。 図9の表面構造パターンは、ハブ12が配置される車輪10の中心に位置する中心部分51、テキストマークを有する内側表面構造部分53、表面構造の放射状の列を有する中心表面構造部分55、及び表面構造の別の放射状の列を有する外側表面構造部分57を含む。 図8と同様に、表面構造の列の数は、中心から外周部に向かって車輪の直径が増大するにつれて増大する。

    図1〜図7に示されている浅い概ねディスク型の凹部46,48の代わりに、他の形状の表面構造を用いることもできる。 このような他の形状の表面構造の例として、円形、六角形や八角形などの他の多面多角形、半球形凹状凹部、半球形凸状突出部、または径方向に延出した形状を挙げることができる。 表面構造はまた、均一パターンまたはランダムにデザインすることができる。

    図10〜図12に、放射状に延びた様々な表面構造が例示されている。 図10〜図12は、簡単に見られるように一部の代替の表面構造の形状を例示しているが、実際には、この表面構造はより小さく、より多く、そしてより密集している。 図10は、センターハブ12とタイヤ係合部分34との間の距離の大部分に延在する空気係合面20における概ね直線状でスムーズに径方向に延びた表面構造60を示している。 図11は、径方向に延びた表面構造60、及びそれらの間に径方向に延びた短い表面構造62を示している。 表面構造62は、タイヤ係合部分34に近い空気係合面20の径方向外側部分に位置している。 図12は、センターハブ12とタイヤ係合部分34との間の距離の大部分に延在する空気係合面20における概ねジグザグ型または稲光型の径方向に延びた表面構造66を示している。 更に、空気係合面20,22の主平面にから突き出た凸状の表面構造を用いることもできる。

    用いる表面構造の形状を決定する際は、空力の原理を用いて車輪10に対する表面構造の空力的衝当を最大にすべきである。 ここで、本発明の空力的特長が示されている図13及び図14を参照されたい。

    図14に、従来技術の車輪の周囲の空力的原理が示されている。 自転車が矢印WDの方向に進むと、車輪10aに取り付けられたタイヤ27aの前縁が車輪10aの周りの空気に衝当する。 自転車及び車輪10aがWD方向に進んでいるため、この空気(絶対感覚では静的と考えられる)が車輪10aに対して矢印AFで示されている方向に移動する。 この空気は、移動する車輪10aの周囲で異なった速度、従って異なった圧力を有する。 この空気はまず、タイヤ27aの頂点に衝当して、タイヤ27aの頂点の前に比較的高圧の領域を生成し、この空気がこの頂点で分離され、空気係合面20a,22aに沿って車輪10aの両側をAF方向に速度を増し圧力を下げて流れる。 複数の分岐点で、空気が車輪10aの側面20a,22aから分離し、その分岐点から始まってタイヤ27aの後縁を通る大きな乱流が生成され、これによりDFの方向に引張る車輪10aの後縁の後側を吸引する力となる低圧伴流が生成される。 車輪10aの前方の高い圧力と車輪10aの後方の低い圧力との圧力差により、車輪及び自転車の速度が低下する。 これが、自転車用車輪の抵抗の主な要素である。 この影響は、ボート走行で中に発生する伴流、またはゴルフボールの運動によって空気中に発生する伴流に類似している。 車輪10aの前縁の高圧と車輪10aの後縁の低圧DFの組合せが、車輪10aが空気中を移動する時の車輪の空力抵抗の主な要素である。 車輪の後縁における低圧DFによる空力抵抗は、車輪の前縁における高圧による空力抵抗よりも大きいと考えられる。

    本発明を模式的に例示する図13を参照すると、車輪10の空気係合面20,22が、図1〜図10に示されているような一連の表面構造44で覆われている。 空気係合面20,22が表面構造で覆われているため、車輪10の空気係合面20,22に隣接した空気の薄い境界層が乱れて活性化する。 空気係合面20,22に対するAF方向の気流は、層流すなわちスムーズな連続的な層の流れではなく、周期的変動がある顕微鏡パターンを有するランダムな流れすなわち乱流である。 境界層のこの乱流によって、AF方向を流れる空気が空気係合面20,22及びタイヤ27の曲率に良好に従うことができる。

    従って、空気係合面20,22から分離するまでの車輪10の表面構造を含む空気係合面20,22に沿った空気の移動距離が長いため、生成される車輪10の後縁の伴流の圧力が、空気係合面20a,22aに表面構造を有していない車輪10aの後縁の伴流よりも小さい。 この低圧伴流により、車輪10の後側の圧力が効果的に増大するため、抵抗DFが、表面構造を含まない従来の車輪10aの比較的大きい伴流によって発生する抵抗よりも著しく小さくなる。

    本発明の車輪10の表面構造44によって生成される乱流境界層は、表面が平滑な従来技術の車輪10aの場合よりも車輪10の表面への付着が維持されるため、この境界層が、従来技術の表面構造のない車輪で生じる空気の層流境界層よりも空気係合側面20,22から分離しないで長く維持される。 これにより、シートステイ、チェーンステイ、及び前輪のフォークブレードなどの自転車フレーム部材と車輪を通過する気流との間の干渉抵抗も小さくなる。

    この抵抗の減少によって車輪10がより少ない抵抗で空気中を移動できるため、従来技術の車輪10aを装着した自転車で走行している場合と比べ、走者が少ない力で同じ速度で走行でき、同じ力でより速い速度で走行できる。

    図15及び図16に、複数のタイプの従来技術の車輪に対する本発明の車輪についての風洞実験で得た実際の結果が示している。 図15に、車輪と風の方向との角度を様々にして時速約48km(時速30マイル)で測定した抵抗力(kg(ポンド))が示されている。 三角形の印が付いた線110は、図1〜図7に示されている車輪10の抵抗力の測定値を示している。 X型の印が付いた線112は、コンポジテック社が製造する平滑で平坦な空気係合側面を有する従来の車輪の抵抗力の測定値を示している。 アスタリスクの印が付いた線114は、平滑で平坦な空気係合側面を有する別のブランドの従来技術の車輪の抵抗力の測定値を示している。 プラスの印が付いた線116は、凸型の空気係合側面を有する従来技術の車輪の抵抗力の測定値を示している。 丸の印が付いた線118は、3つのエアホイル型スポークを有する従来技術の車輪の抵抗力の測定値を示している。 四角形の印が付いた線120は、間がカーボンシートで覆われた3つのエアホイル型スポークを有する従来技術の車輪の抵抗力の測定値を示している。

    図15に示されているように、線110で示されている本発明の車輪は、グラフの範囲のほぼ全体、特に5度〜25度の角度範囲で他のあらゆるタイプの車輪よりも抵抗力が小さい。 これは、車輪の風上の低い表面摩擦と風下の気流の良好な付着とによる。

    図16に、従来技術の車輪に対する本発明の車輪の改善が示されている。 図16は、車輪と風の方向との間の様々な迎え角において車輪を回転させるために必要な出力(ワット)を示している。 X型の印が付いた線130は、図1〜図7に示されている車輪10を回転させるために必要な出力の測定値を示している。 アスタリスクの印が付いた線132は、平坦な空気係合側面を有する従来技術の車輪を回転させるために必要な出力の測定値を示している。 プラスの印が付いた線134は、平滑で平坦な形状の空気係合側面を有する従来技術の車輪を回転させるために必要な出力の測定値を示している。 三角の印が付いた線136は、平滑で凸型の空気係合側面を有する従来の車輪を回転させるために必要な出力の測定値を示している。 丸の印が付いた線138は、3つのエアホイル型スポークを有する従来技術の車輪を回転させるために必要な出力の測定値を示している。 四角形の印が付いた線140は、間がカーボンシートで覆われた3つのエアホイル型スポークを有する従来の車輪を回転させるために必要な出力の測定値を示している。

    図16に、複数の顕著な特徴が示されている。 第1に、線130〜線136及び線140で示されている隙間のない側面を有する車輪に対して線138で示されている3つのエアホイル型スポークを有する車輪を回すのに必要な出力が如何に高いかがグラフに示されている。 通常の多数のスポークからなる自転車用車輪を回転させるには更に大きな出力が必要である。 グラフはまた、線130で示されている本発明の車輪が、回転させるために必要な出力がグラフの全範囲に亘って一番小さいことを示している。

    加えて、図16に示されている従来技術の車輪の曲線132〜曲線140が、風の角度に対して如何に直線的でないかに留意されたい。 従来の車輪の曲線132〜曲線138は、ある角度で要求される出力が小さく、別の角度で要求される出力が多く、要求される出力が変動している。 しかしながら、曲線130で示されている本発明の車輪は、車輪を回転させるのに必要な出力(ワット)が低いだけでなく、車輪を回転させるために必要な出力が風の方向に関係なく極めて均一であり、従来技術に比べて著しく改善されている。 従って、本発明の空力的表面構造を含む車輪10を回転させるために必要な出力は、所定の範囲の風の方向で風洞での測定と実質的に同じである。

    長年に亘って、側面に隙間がないディスク型車輪は時速約32km(時速20マイル)以上で機能すると考えられていた。 しかしながら、出願者は、この空力的表面構造により、時速約24km(時速15マイル)でもディスクが最適に機能することを見出した。 従って、本発明に従った車輪がより多くの自転車利用者にとってより利用し易い選択肢となる。 加えて、時速約54.4km(時速約34マイル)で走行するプロの自転車走者は、この速度では本表面構造を含む車輪からあまり多くの利点を得られない。 なぜなら、プロの自転車走者は、平滑な車輪をその速度に十分に迅速に到達させる力があり、その速度で平滑な車輪がほぼ最適に機能するためである。 しかしながら、プロのレーサーは、その速度まで車輪を加速させ、変動する風の条件での車輪の非線形の出力特性に対応しなければならない。 表面構造を備えた車輪は、プロのレーサーのような速い速度でも、回転させるために必要な仕事量すなわちワットがより小さくてすむため、利点は小さくなるがなくなるわけではない。 従って、アマチュアの自転車愛好家はもちろんプロのレーサーも、本発明の空力的表面構造を有する車輪の優れた特性から、加速段階で利点が得られ、更に、走行の全ての段階で要求される仕事量が低いこと及び線形の出力特性から利点を得ることができる。

    本発明の車輪の斜視図である。

    本発明の車輪の第2の斜視図である。

    本発明の車輪の一部の拡大斜視図である。

    本発明の車輪の一部の第2の拡大斜視図である。

    本発明の車輪の一部の第3の拡大斜視図である。

    本発明の車輪の一部の最大拡大斜視図である。

    本発明の車輪の一部の第2の最大斜視図である。

    本発明の空気係合側面の表面構造パターンのダイアグラムである。

    本発明の空気係合側面のマークが付いた表面構造パターンのダイアグラムである。

    径方向の表面構造を備えた本発明の車輪の絵画図である。

    複数の大きさの径方向の表面構造を備えた本発明の車輪の絵画図である。

    ジグザグ型の表面構造を備えた本発明の車輪の絵画図である。

    空気中を通る本発明の車輪の模式的な断面図である。

    空気中を通る従来技術の車輪の模式的な断面図である。

    時速約48km(時速30マイル)での本発明の車輪及び複数の異なった従来技術の車輪の迎え角に対する抵抗力を示すグラフである。

    本発明の車輪及び複数の異なるタイプの車輪を回転させるために必要な迎え角に対する出力(ワット)を示すグラフである。

    QQ群二维码
    意见反馈