【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、装輪式建設車両のタイヤに係り、特に、リムの外周方向に多数個配設されるラグセグメントの取付け方向が右タイヤと左タイヤを交換するときに、リムに取付け孔を追加工をすることなく左右タイヤの取付け方向を容易に変更するようにしたラグセグメントを備えたタイヤに関する。 【0002】 【従来の技術】従来のラグセグメントを備えたタイヤについて、図19乃至図25により説明する。 図19に示すように、リム15の外周方向にラグセグメント21が多数個ボルト20Aにより取付けている。 図示しない駆動装置にリム15を取付けるために、リム15の取付け孔15aは円周上に10ケ所設けている。 図19のX視図の図20は、シングルタイヤを示しており、V型のラグセグメント21が所定の間隔でボルト20Aによりリム15に取付けている。 図21はダブルタイヤの例を示しており、リム15に対して2列の内側と外側のラグセグメント21,21の取付けピッチを同一としている。 【0003】図20に示す、1つのリム15にV型のラグセグメントを取付けて左タイヤとして用いて、この左タイヤを右タイヤとして用いるために反転するとラグセグメント21が逆V型となり使用できない。 このため、 従来はシングルタイヤの場合は左右タイヤ用として2種類のリムを準備している。 【0004】また、図22(a)に示すように、V型のラグセグメント21の取付け孔M1〜Q4 がリム15に明けられている。 図22(a)に示す状態にV型のラグセグメント21を取付けるときに用いる取付け孔はM1, M2,M3,M4 である。 図示しない隣り合うラグセグメントの取付け孔はQ1,Q2,Q3,Q4 である。 図23 (a),図23(b)はラグセグメント21を備えた左側タイヤを示している。 この左側タイヤを反転して右側タイヤに用いるときは、図22(b)に示すように、ラグセグメント21を逆V型の状態にして取付け孔N1,Q 2,Q3,N2 を用いて取付けて、その後反転すれば図24 (a),図24(b)のV型のラグセグメントと同じ向きにすることはできる。 【0005】ところで、図21に示すダブルタイヤとして使用する場合は、内側と外側のラグセグメント21, 21の取付けピッチが同一となり、タイヤからの振動および騒音が大きいとの問題を抱えているのが実情である。 このため、ダブルタイヤとして使用する場合は4種類のリムを準備している。 【0006】さらに、ラグセグメントを備えたタイヤを装着した装輪式建設車両が凍結した道路等を走行する場合には、図25に示すように、リム15の外周方向に複列に取着されたラグセグメントを備えたタイヤ21,2 1の全体を覆うタイヤチェーン22Aを装着している。 このタイヤチェーン22Aは、一般車両のダブルタイヤに用いるものではなく、特に幅の広いタイヤチェーンを用意している。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の如くリムを数種類準備することはコスト高となる。 また、V型のラグセグメントを左右タイヤに取付けるためには、図22(a),図22(b)に示すように、左側タイヤとして用いるときには使用しないで、右側タイヤとして用いるときに使用する取付け孔N1,N2,P1,P2 をリムに追加工しておく必要があり製作工数大である。 【0008】また、図19に示すように、従来のリム1 5の取付け孔15aは円周上に10ケ所設けており、隣り合う取付け孔15a,15aの角度θ3 は36°である。 ラグセグメント21は円周上に22個設けており、 ラグセグメント21の1ケの取付け角度は360°/2 2=16.36°である。 この取付け孔15a,15a の角度θ3 (36°)の範囲内に装着できるラグセグメント21の数は、36°/16.36°=2.2個である。 したがって、本発明の図4に示すように、シングルタイヤを2個使用してダブルタイヤとして装着する場合、ダブルタイヤの内側のラグセグメント21に対して、外側のラグセグメント21を1/2ピッチずらすことができない。 前述の如くダブルタイヤの場合は、タイヤからの振動および騒音を低減するために、内側と外側のラグセグメント21,21の取付けピッチを1/2ずらす必要がある。 【0009】また、装輪式建設車両が凍結した道路等を走行するときにタイヤチェーンを装着する場合、前述のように、複列のラグセグメントを備えたタイヤの全体を覆う幅の広いタイヤチェーンを特別に準備する必要があり、コストも高くなる。 さらに、車体の外側端部とタイヤとの隙間が狭い場合は、タイヤチェーンが車体に接触するという問題がある。 【0010】本発明は、上記従来技術の問題点に着目し、ラグセグメントの取付け孔を改良して同一のリムでも左側から右側(あるいは右側から左側)にタイヤを交換可能とすると共に、シングルタイヤ用リム2個をダブルタイヤとして用いる場合は内側と外側のラグセグメントの取付けピッチを1/2にずらしてタイヤの振動、騒音を防止できるとともに、一般車両のタイヤに用いるタイヤチェーンを、ラグセグメントを備えたタイヤに装着可能で、走行時に車体とタイヤチェーンが干渉する恐れのないラグセグメントを備えたタイヤを提供することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段および作用効果】上記目的を達成するため、本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第1発明は、リムの外周方向に多数個隣接して取付けるラグセグメントを備えたタイヤにおいて、前記リム15の幅方向の一端から他端をV型の形状で被うとともに、V形状に沿って所定間隔で、かつ、取付けるときに用いる第1取付け孔A1 、第2取付け孔A2 および第3取付け孔A3 を設けるラグセグメント21と、このラグセグメント21を取付ける対向した第1,第2および第3取付け孔A1,A2,A3 を有するとともに、第1取付け孔A1 および第3取付け孔A3 を結ぶ線に対して第2取付け孔A2 の反対側の対向する位置に第4取付け孔B2 を有するリム15とを有し、前記ラグセグメント2 1を逆V型に取付けるときは前記第1取付け孔A1 、第3取付け孔A3 および第4取付け孔B2 を用いる構成としたものである。 上記構成によれば、リム15およびラグセグメント21には、取付け孔A1 〜A3,B2 を設けてあり、ラグセグメント21をV型にするときは取付け孔A1 〜A3 を用いる。 ラグセグメント21を逆V型に取付けるときは第1,第3および第4取付け孔A1,A3, B2 を用いて取付けて、その後タイヤを反転すればV型のラグセグメントと同じ向きにすることができる。 したがって、ラグセグメントを逆V型の状態にして取付けるときに、新たに取付け孔を追加工する必要がない。 【0012】第2発明は、リムの外周方向に多数個隣接して取付けるラグセグメントを備えたタイヤにおいて、 前記リム15の幅方向の一端から他端をV型の形状で被うとともに、V形状に沿って所定間隔で、かつ、取付けるときに用いる第1取付けボルト、第2取付けボルトおよび第3取付けボルト20A,20A,20Aを固着するラグセグメント21と、このラグセグメント21に固着する第1取付けボルト、第2取付けボルトおよび第3 取付けボルト20A,20A,20Aに対向した第1, 第2および第3取付け孔A1,A2,A3 を有するとともに、第1取付け孔A1 および第3取付け孔A3 を結ぶ線に対して第2取付け孔A2 の反対側の対向する位置に第4取付け孔B2 を有するリム15とを有し、前記ラグセグメント21を逆V型に取付けるときは前記第1取付け孔A1 、第3取付け孔A3 および第4取付け孔B2 を用いる構成としたものである。 上記構成によれば、ラグセグメント21をリム15にV型に配設するときは、ラグセグメント21に固着する第1取付けボルト、第2取付けボルトおよび第3取付けボルト20A,20A,20 Aをリム15に設けてある取付け孔A1 〜A3 に挿入して締着する。 ラグセグメント21をリム15に逆V型に配設するときは、ラグセグメント21に固着する第1取付けボルト、第2取付けボルトおよび第3取付けボルト20A,20A,20Aをリム15に設けてある取付け孔A1,A3,B2 に挿入して締着し、その後タイヤを反転すればV型のラグセグメントと同じ向きにすることができる。 したがって、ラグセグメントを逆V型の状態にして取付けるときに、新たに取付け孔を追加工する必要がない。 また、ラグセグメントにボルトを固着しておけば、タイヤの組立性が向上すると共に、部品の管理が容易である。 【0013】第3発明は、リムの外周方向に多数個隣接して取付けるラグセグメントを備えたタイヤにおいて、 前記リム15の幅方向の一端から他端をストレート型の形状で被うとともに、ストレート形状に沿って所定間隔で、かつ、取付けるときに用いる第5取付け孔F1 、第6取付け孔F2 および第7取付け孔F3 を設けるラグセグメント21Aと、このラグセグメント21Aを取付ける対向した第5,第6および第7取付け孔F1,F2,F3 を有するとともに、第5取付け孔F1 および第7取付け孔F3 を結ぶ線に対して第5取付け孔F1 の反対側の対向する位置に第8取付け孔H1 、および第6取付け孔F 2 の反対側の対向する位置に第9取付け孔G2 を有するリム15とを有し、前記ラグセグメント21Aを逆向きに取付けるときは前記第7取付け孔F3 、第8取付け孔H1 および第9取付け孔G2 を用いることを特徴とする。 上記構成によれば、リム15およびラグセグメント21Aには、取付け孔F1, F2,F3,H1,G2 を設けてあり、ラグセグメント21Aを右下がりに配設するときは取付け孔F1,F2,F3 を用いる。 ラグセグメント21 Aを左下がりに配設するときは第7,第8および第9取付け孔F3,H1,G2 を用いて取付けて、その後タイヤを反転すれば右下がりのラグセグメントと同じ向きにすることができる。 したがって、ラグセグメントを逆向きのストレート型の状態にして取付けるときに、新たに取付け孔を追加工する必要がない。 【0014】第4発明は、リムの外周方向に多数個隣接して取付けるラグセグメントを備えたタイヤにおいて、 前記リム15の幅方向の一端から他端をストレート型の形状で被うとともに、ストレート形状に沿って所定間隔で、かつ、取付けるときに用いる第5取付けボルト、第6取付けボルトおよび第7取付けボルトを固着するラグセグメント21Aと、このラグセグメント21A固着する第5取付けボルト、第6取付けボルトおよび第7取付けボルトに対向した第5,第6および第7取付け孔F1, F2,F3 を有するとともに、第5取付け孔F1 および第7取付け孔F3を結ぶ線に対して第5取付け孔F1 の反対側の対向する位置に第8取付け孔H1、および第6取付け孔F2 の反対側の対向する位置に第9取付け孔G2 を有するリム15とを有し、前記ラグセグメント21A を逆向きに取付けるときは前記第7取付け孔F3 、第8 取付け孔H1 および第9取付け孔G2 を用いる構成としたものである。 上記構成によれば、ラグセグメント21 Aをリム15に右下がりに配設するときは、ラグセグメント21Aに固着する第5取付けボルト、第6取付けボルトおよび第7取付けボルト20A,20A,20Aをリム15に設けてある取付け孔F1,F2,F3 に挿入して締着する。 ラグセグメント21Aをリム15に左下がりに配設するときは、ラグセグメント21Aに固着する第7取付けボルト、第8取付けボルトおよび第9取付けボルト20A,20A,20Aをリム15に設けてある取付け孔F3,H1,G2 に挿入して締着し、その後タイヤを反転すれば右下がりのラグセグメントと同じ向きにすることができる。 したがって、ラグセグメントを逆向きのストレート型の状態にして取付けるときに、新たに取付け孔を追加工する必要がない。 また、ラグセグメントにボルトを固着しておけば、タイヤの組立性が向上すると共に、部品の管理が容易である。 【0015】第5発明は、リムの外周方向に多数個隣接して取付けるラグセグメントを備えたタイヤにおいて、 前記ラグセグメントは、前記リムの外周方向に内側と外側の2列に配置し、かつ、外側のラグセグメントに対して内側のラグセグメントを1/2ピッチずらして取付けたことを特徴とする。 上記構成によれば、内側タイヤと外側タイヤのラグセグメントの取付けピッチを1/2ずらすことによりタイヤからの振動、騒音を低減できる。 【0016】第6発明は、駆動装置に連結されるリムと、このリムの外周方向に多数個隣接して取付けるラグセグメントとを備えたタイヤにおいて、前記駆動装置1 0と連結するときに用いる円周上に設けた複数の取付け孔20B,20Bを有するリム15と、前記複数の取付け孔20B,20Bのうちの取付け孔20B,20Bが2ピッチの間にリム15の外周方向に前記ラグセグメント21を奇数個配設されることを特徴とする。 上記構成によれば、例えば、図10に示すように、取付け孔20 Bの数が10のときには、取付け孔20Bの2ピッチ(1ピッチ=P1 )の間に奇数個のラグセグメント21 を配置すれば良いことになる。 図10では5個のラグセグメント21を配置した例である。 これにより、シングルタイヤを2個使用して、ダブルタイヤとして装着する場合、内側タイヤと外側タイヤのラグセグメント21, 21の取付けピッチを1/2ずらすことができる。 したがって、内側タイヤと外側タイヤのラグセグメントの取付けピッチを1/2ずらすことができるのでタイヤからの振動、騒音を低減できる。 【0017】第7発明は、駆動装置に連結されるリムと、このリムの外周方向に多数個隣接して取付けるラグセグメントとを備えたタイヤを2個並列に配設したタイヤにおいて、前記一方のリム15に設けた複数の取付け孔20Bのうちの基準となる取付け孔20Bの基準点A と、一方のリム15の基準点Aから所定の取付け孔20 Bピッチずらした位置に設ける他方のリム15の取付け孔20Bの基準点Bを設定するとともに、前記一方のリム15の基準点Aと前記他方のリム15の基準点Bを所定位置で前記駆動装置10と連結し、かつ、一方のタイヤに配設されるラグセグメント21に対して他方のタイヤに配設されるラグセグメント21がリム15の外周方向に1/2ピッチずれるように構成したものである。 上記構成によれば、図11に示す油圧モータ等の駆動装置10と、リム15とを取付けるために用いる図示しないボルトの取付け孔20Bの基準点Aに対して、ラグセグメント21が1/2ピッチずれるようにした取付け孔2 0Bの基準点ンBを配置するようにしたものである。 図11に示す状態は、取付け孔20Bの取付けピッチP1 に対して基準点Aから基準点Bまでは5ピッチとしてあり、その5ピッチ間にラグセグメント21が5.5個リム15に配設されるようにしてある。 これにより、前記内側タイヤと外側タイヤのラグセグメント21,21の取付けピッチを1/2ずらすことができる。 なお、前記取付け孔20Bの基準点Aと基準点Bとは、タイヤの組立てし易さを考慮して適宜位置を変更、あるいは、複数箇所設けるようにしても良い。 すなわち、前記取付け孔20Bの取付けピッチP1 に対して基準点Aから基準点Bまでは図11に示す5ピッチでなくても良く、例えば前記取付け孔20Bの基準点Aから基準点Bまでを3ピッチとした場合は、その3ピッチ間にラグセグメント2 1の個数が2.5,3.5,4.5……と1/2個ずれるようにすれば良い。 したがって、内側タイヤと外側タイヤのラグセグメントの取付けピッチを1/2ずらすことができるのでタイヤからの振動、騒音を低減できる。 【0018】第8発明は、リムの外周方向に多数個隣接して取付けるラグセグメントを備えたタイヤにおいて、 前記ラグセグメントは、前記リム15Aの外周の幅方向に少なくとも2列に配置され、かつ、リム15に配置される内側のラグセグメント21と外側のラグセグメント21とを所定間隔S離間して配設した構成としたものである。 上記構成によれば、リム15に配置される内側のラグセグメント21と外側のラグセグメント21とを所定間隔S離間して配設したので、その隙間にタイヤチェーンの一端を挿入して外側のラグセグメントにタイヤチェーンを係止することができる。 したがって、ラグセグメントを備えたタイヤに、一般車両に用いるタイヤチェーンを装着することが可能となり、特別なタイヤチェーンを製作する必要がないのでコストが安価である。 また、上記の外側ラグセグメントに、タイヤチェーンを係止することにより、走行時に車体とタイヤチェーンが干渉する恐れがない。 【0019】 【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの一実施例について図1乃至図18 により説明する。 尚、図19乃至図25と同一符号を付したものは同一である。 先ず、図1に示す装輪式建設車両5は、タイヤ20を回転自在に配設する下部走行体1、運転室3を載置する上部旋回体2およびブーム、アームおよびバケットからなる作業機4を装備している。 図2に示すように、油圧モータ等の駆動装置10にリム15,15を連結している。 このリム15,15には、 ゴム等の弾性体で形成されるラグセクセメント21,2 1がボルト20A,20Aで固着されている。 図2はダブルタイヤの構造を示しているが、シングルタイヤであっても良い。 また、図2に示す、ダブルタイヤは、シングルタイヤ用のリム15,15を2個連結するようにしてあり、シングルタイヤ用のリムとしても用いることができる。 次に、図2のZ視図の図3,図3のY視図の図4,図4のA−A断面図の図5について説明する。 駆動装置10はリム15を回転自在に連結している。 リム1 5の外周に多数のV型に形成されたラグセグメント2 1,21が所定の間隔で配置され、ボルト20Aで固着されている。 ラグセグメント21の取付けボルト20A は図では4本であるが、ボルト本数はリムの大きさ等により適宜増減されるものである。 図3,図5に示すように、ラグセグメント21は中空部21bを設けている。 この中空部21bを略U字形状、あるいは、略コ字形状にする突起部21cを設けている。 ダブルタイヤの内側と外側のラグセグメント21,21を1/2ピッチずらす構成は後述するが、図4に示すように外側のラグセグメント21の1ピッチP1に対して、内側のラグセグメント21は1/2ピッチP2 ずらしてある。 このように、外側に対して内側(あるいは内側に対して外側)のラグセグメントを1/2ピッチずらすことにより、走行時のタイヤの振動、騒音を低減することができる。 また、本発明の実施例では、ラグセグメントにボルトを固着しておいて、このボルトに対向するリムに取付け孔を設ける。 このラグセグメントに固着するボルトをリムの取付け孔に挿入して締着するようにしても良い。 また、 ラグセグメントに取付け孔を設けると共に、このラグセグメントの取付け孔に対向するリムに取付け孔を設ける。 このラグセグメントの取付け孔とリムの取付け孔とを位置決めしてボルトを挿入して締着するようにしても良い。 【0020】本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第1実施例を図6(a),図6(b)により説明する。 V型のラグセグメント21およびリム15には、それぞれ取付け孔A1 〜A3 がリム15に明けられている。 図6(a)に示すように、リム15の幅はWである。 V型のラグセグメント21の取付け孔(A1 〜A3, またはB1 〜B3,C1 〜C3 ……)を3箇所とし、その取付け孔間隔A,ラグセグメント21の取付けピッチをB,ラグセグメント21のV字の角度θとしたときに、 B=2Atanα (但し、α=π−θ/2,2A<W) これによりラグセグメント21の取付けピッチBが設定される。 このように、V型のラグセグメント21の取付け孔(A1 〜A3,……)を設定することにより、ラグセグメント21を図6(b)の逆V型の状態にして取付け孔A1,B2,A3 を用いて取付けることができる。 したがって、従来の図22(a),図22(b)で説明したラグセグメント21を逆V型の状態にして取付けるときに、新たに取付け孔を追加工すること無しに左側タイヤ用リムと右側タイヤ用リムを共通化できる。 【0021】本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第2実施例を図7(a),図7(b)により説明する。 図7(a),図7(b)は、V型のラグセグメント21の取付け孔(D1 〜D4,またはE1 〜E4 )を4箇所とした場合でも、前記図6(a),図6(b)と同様の関係が成り立つ。 図7(a)に示すように、リム15 の幅はW,Cは任意に設定する。 V型のラグセグメント21の取付け孔(D1 〜D4,またはE1 〜E4 )を4箇所とし、その取付け孔D1-D2,D3-D4 間隔A,ラグセグメント21の取付けピッチをB,ラグセグメント21 のV字の角度θとしたときに、 B=2Atanα (但し、α=π−θ/2,2(A+C)<W) これによりラグセグメント21の取付けピッチBが設定される。 このように、V型のラグセグメント21の取付け孔(D1 〜D4,……)を設定することにより、ラグセグメント21を図6(b)の逆V型の状態にして取付け孔D1,E2,E3,D4 を用いて取付けることができる。 したがって、従来の図22(a),図22(b)で説明したラグセグメント21を逆V型の状態にして取付けるときに、新たに取付け孔を追加工すること無しに左側タイヤ用リムと右側タイヤ用リムを共通化できる。 また、ラグセグメント21の取付け孔を2個,5個,6個……とした場合でも前記図6(a),図6(b)と同様の関係が成り立つことは言うまでもない。 【0022】本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第3実施例を図8(a),図8(b)により説明する。 ストレート形状のラグセグメント21Aの取付け孔(F1 〜F3,またはG1 〜G3,H1 〜H3 )を3箇所とした場合でも、前記図6(a),図6(b)と同様の関係が成り立つ。 図8(a)に示すように、リム15の幅はWである。 ストレート形状のラグセグメント21Aの取付け孔(F1 〜F3 …)を3箇所とし、その取付け孔F1-F2,F2-F3 の間隔A,ラグセグメント21Aの取付けピッチをBとしたときに、 B=2Atanα (但し、2A<W) これによりラグセグメント21Aの取付けピッチBが設定される。 このように、ストレート形状のラグセグメント21Aの取付け孔(F1 〜F3…)を設定することにより、ラグセグメント21Aを図8(b)の左下がりの状態にして取付け孔H1,G2,F3 を用いて取付けることができる。 したがって、ラグセグメントを逆向きのストレート型の状態にして取付けるときに、新たに取付け孔を追加工すること無しに左側タイヤ用リムと右側タイヤ用リムを共通化できる。 【0023】本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第4実施例を図9(a),図9(b)により説明する。 ストレート形状のラグセグメント21Bの取付け孔(I1 〜I4,またはJ1 〜J4,K1 〜K4,L1 )を4箇所とした場合でも、前記図6(a),図6(b)と同様の関係が成り立つ。 図9(a)に示すように、リム15 の幅はWである。 ストレート形状のラグセグメント21 Bの取付け孔(I1 〜I4 …)を4箇所とし、その取付け孔I1-I2,I2-I3,I4 の間隔A,ラグセグメント2 1Bの取付けピッチをBとしたときに、 B=2Atanα (但し、3A<W) これによりラグセグメント21Bの取付けピッチBが設定される。 このように、ストレート形状のラグセグメント21Bの取付け孔(I1 〜I4…)を設定することにより、ラグセグメント21Bを図9(b)の左下がりの状態にして取付け孔L1,K2,J3,I4 を用いて取付けることができる。 したがって、ラグセグメントを逆向きのストレート型の状態にして取付けるときに、新たに取付け孔を追加工すること無しに左側タイヤ用リムと右側タイヤ用リムを共通化できる。 また、ラグセグメント21 の取付け孔を2個,5個,6個……とした場合でも前記図6(a),図6(b)と同様の関係が成り立つことは言うまでもない。 【0024】本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第5実施例を図1乃至図4を参照して、図10,表1により説明する。 【0025】 【表1】 【0026】第5実施例は、前述の図19に示す従来のリム15の取付け孔15aが10ケ所では、図4に示す内側と外側のラグセグメント21,21の取付けピッチを1/2ずらすことはできないので、タイヤからの振動、騒音を低減することができないとの問題点を改良するものである。 図10に示すように、リム15に設けられた取付け孔20Bを用いて図示しないボルトにより油圧モータ等の駆動装置10に取着している。 このリム1 5の円周上に複数のラグセグメント21がボルト20A により締着している。 本実施例の要旨とするところは、 図10に示す油圧モータ等の駆動装置10と、リム15 とを取付けるために用いる図示しないボルトの取付け孔20Bの数と、リム15の円周上に取付けるラグセグメント21の数との関係を下記式により求めるようにしたものである。 ここで、nは自然数、bは取付け孔20B の数、Sはラグセググセントの数としたときに、 S=(2n−1)×b/2 この式により決定されるラグセグメントの数Sは、表1 に示すように、例えば、取付け孔20Bの数bが10のときは、ラグセグメントの数Sを5または15,25, 35,45のうちのいずれかを選択すれば良い。 図10 に示すように、取付け孔20Bの数bが10のときには、取付け孔20Bの2ピッチ(1ピッチ=P1 )の間に奇数個のラグセグメント21を配置すれば良いことになる。 図10では5個のラグセグメント21を配置した例である。 これにより、シングルタイヤを2個使用して、ダブルタイヤとして装着する場合、内側タイヤと外側タイヤのラグセグメント21,21の取付けピッチを1/2ずらすことができる。 【0027】本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第6実施例を図1乃至図4を参照して、図11により説明する。 前述の図19に示す従来のリム15の取付け孔15aが10ケ所では、図4に示す内側と外側のラグセグメント21,21の取付けピッチを1/2ずらすことはできないので、タイヤからの振動、騒音を低減す<br>ることができないとの問題点を改良するものである。 図11に示すように、リム15に設けられた取付け孔20 Bを用いて図示しないボルトにより油圧モータ等の駆動装置10に取着している。 このリム15の円周上に複数のラグセグメント21がボルト20Aにより締着している。 本実施例の要旨とするところは、図11に示す油圧モータ等の駆動装置10と、リム15とを取付けるために用いる図示しないボルトの取付け孔20Bの基準点A に対して、ラグセグメント21が1/2ピッチずれるようにした取付け孔20Bの基準点Bを配置するようにしたものである。 図11に示す状態は、取付け孔20Bの取付けピッチP1 に対して基準点Aから基準点Bまでは5ピッチとしてあり、その5ピッチ間にラグセグメント21が5.5個リム15に配設されるようにしてある。 これにより、シングルタイヤを2個使用して、ダブルタイヤとして装着する場合、内側タイヤと外側タイヤのラグセグメント21,21の取付けピッチを1/2ずらすことができる。 なお、前記取付け孔20Bの基準点Aと基準点Bとは、タイヤの組立てし易さを考慮して適宜位置を変更、あるいは、複数箇所設けるようにしても良い。 すなわち、前記取付け孔20Bの取付けピッチP1 に対して基準点Aから基準点Bまでは図10に示す5ピッチでなくても良く、例えば前記取付け孔20Bの基準点Aから基準点Bまでを3ピッチとした場合は、その3 ピッチ間にラグセグメント21の個数が2.5,3. 5,4.5……と1/2個ずれるようにすれば良い。 【0028】本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第7実施例を図12および図13により説明する。 なお、図12は正面図であり、側面図は図3と同一であり、図13は図3のY矢視図である。 リム15Aは駆動装置10に回転自在に連結している。 リム15Aの幅W 1は図6に示したリム15の幅Wに比して十分に広く、 ラグセグメント21を2列に配置できるだけの幅を有している。 すなわち、リム15Aの外周方向にはV形状のラグセグメント21が内側と外側の2列にボルト20A で締着され、ダブルタイヤ20を構成している。 ダブルタイヤ20の外側と内側のラグセグメント21,21 は、図13に示すように外側のラグセグメント21の1 ピッチP1に対して、内側のラグセグメント21は1/ 2ピッチずらすことにより、走行時のタイヤの振動、騒音を低減することができる。 【0029】本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第8実施例を図14により説明する。 幅の広いリム15Aの外周部には幅方向に2列にV形状のラグセグメント21,21が相互に1/2ピッチずらして、ラグセグメント取付けボルト20Aにより締着されている。 すなわち、図12で説明した第7実施例と同様に1個のリム15Aでダブルタイヤを構成している。 車体の最外側に配置された所定幅Tのラグセグメント21と、その内側に隣接して配置されたラグセグメント21との間には所定隙間Sが設けられている。 ラグセグメント21の幅Tは、一般車両のタイヤに用いられるタイヤチェーンに適合する幅に設定されており、隙間Sはタイヤチェーンの端部を挿入可能な寸法に設定されている。 【0030】本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第9実施例を図15,図16により説明する。 図1 5は正面図であり、図16は側面図である。 幅が広く、 両端部にフランジ部15C,15Cを有するリム15B の外周には幅方向に2列にストレート形状のラグセグメント21C,21Cが相互に1/2ピッチずらして、それぞれ2本のラグセグメント取付けボルト20Aにより締着されている。 車体の最外側に配置された所定幅Tのラグセグメント21Cと、その内側に隣接して配置されたラグセグメント21Cとの間には所定隙間Sが設けられている。 凍結した道路等を走行する場合には、図に示すように車体の最外側に配置されたラグセグメント21 Cにタイヤチェーン22を装着する。 前述のようにラグセグメント21Cの幅Tは、一般車両のタイヤに用いられるタイヤチェーン22に適合する幅に設定されており、隙間Sはタイヤチェーン22の端部を挿入可能な寸法に設定されている。 これにより、一般車両のタイヤ用のタイヤチェーン22を装着することが可能であり、ラグセグメント21Cを備えたタイヤ用として特別なタイヤチェーンを製作する必要がないので、コストが安価である。 また、外側ラグセグメント21Cに、タイヤチェーンを係止することにより、走行時に車体とタイヤチェーンが干渉する恐れがない。 【0031】本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第10実施例を図17により説明する。 リム15B の外周には車体の最外側に幅Tのラグセグメント21が配置され、その内側には隙間Sを設けて幅T1のラグセグメント21Dが配置されている。 この場合、T1>T である。 最外側のラグセグメント21には、図15で説明した一般車両タイヤに用いられるタイヤチェーン22 が装着可能である。 【0032】本発明に係るラグセグメントを備えたタイヤの第11実施例を図18により説明する。 リム15B の外周には車体の最外側に幅Tのラグセグメント21が配置され、その内側には隙間Sを設けて幅T2のラグセグメント21Eが配置され、さらにその内側には隣接して幅T3のラグセグメント21Fが配置されている。 すなわち、ラクセグメントを3列に配置したものである。 最外側のラグセグメント21には、図15で説明した一般車両タイヤに用いられるタイヤチェーン22が装着可能である。 【0033】図14乃至図18で説明したラグセグメントを備えたタイヤは、ラグセグメントの幅を最外側のラグセグメント21の幅Tを、一般車両タイヤに用いられるタイヤチェーン22に適合させ、隣接するラグセグメントとの隙間Sを、タイヤチェーン22の端部が挿入可能な寸法となるようにすれば良い。 【0034】本発明のラグセグメントを備えたタイヤを装輪式建設車両で説明したが、これ以外のクレーン車、 ホイールローダ等の建設車両、および産業車両に適用できることは言うまでもない。 【図面の簡単な説明】 【図1】装輪式建設車両の側面図である。 【図2】本発明に係るシングルタイヤ用リムを2個連結してダブルタイヤとしてラグセグメントを備えたタイヤの取付構造を説明する図である。 【図3】同、図2のZ視図である。 【図4】同、図3のY視図である。 【図5】同、図4のA−A断面図である。 【図6】(a)は本発明に係る第1実施例のラグセグメントをV型に取付けた構成、および(b)はラグセグメントを逆V型に取付けた構成を説明する図である。 【図7】(a)は本発明に係る第2実施例のラグセグメントをV型に取付けた構成、および(b)はラグセグメントを逆V型に取付けた構成を説明する図である。 【図8】(a)は本発明に係る第3実施例のストレート型のラグセグメントを取付けた構成、および(b)はストレート型のラグセグメントを逆向きに取付けた構成を説明する図である。 【図9】(a)は本発明に係る第4実施例のストレート型のラグセグメントを取付けた構成、および(b)はストレート型のラグセグメントを逆向きに取付けた構成を説明する図である。 【図10】本発明に係る第5実施例の1/2ピッチずらして取付けるためのラグセグメントの配置を説明する図である。 【図11】本発明に係る第6実施例の1/2ピッチずらして取付けるためのラグセグメントの配置を説明する図である。 【図12】本発明に係る第7実施例の1個のリムの外周方向に2列のラグセグメントを配置したダブルタイヤの構成を説明する図である。 【図13】同、平面図である。 【図14】本発明に係る第7実施例のダブルタイヤにタイヤチェーンを装着するためのラグセグメントの配置を説明する図である。 【図15】本発明に係る第8実施例のダブルタイヤにタイヤチェーンを装着するためのラグセグメントの配置を説明する図である。 【図16】図13のものの側面図である。 【図17】本発明に係る第9実施例のダブルタイヤにタイヤチェーンを装着するためのラグセグメントの配置を説明する図である。 【図18】本発明に係る第10実施例のトリプルタイヤにタイヤチェーンを装着するためのラグセグメントの配置を説明する図である。 【図19】従来のリムとラグセグメントを備えたタイヤを説明する図である。 【図20】同、図17のX視図でシングルタイヤを説明する図である。 【図21】同、ダブルタイヤを説明する図である。 【図22】同、(a),(b)はV型または逆V型のラグセグメントに取付けるときのリムに設ける追加工する取付け孔を説明する図である。 【図23】同、(a)は左側タイヤを示し、(b)は(a)のV視図である。 【図24】同、(a)は右側タイヤを示し、(b)は(a)のW視図である。 【図25】同、タイヤにタイヤチェーンを装着した状態を説明する図である。 【符号の説明】 15,15A,15B リム 20 タイヤ 20A ラグセグメント取付けボルト 20B リム取付け孔 21,21A,21B,21C,21D,21E,21 F ラグセグメント 22 タイヤチェーン A1 第1取付け孔 A2 第2取付け孔 A3 第3取付け孔 B2 第4取付け孔 F1 第5取付け孔 F2 第6取付け孔 F3 第7取付け孔 H1 第8取付け孔 G2 第9取付け孔 A 基準点 B 基準点 |