作業車両

申请号 JP2016243657 申请日 2016-12-15 公开(公告)号 JP2018093821A 公开(公告)日 2018-06-21
申请人 ヤンマー株式会社; 发明人 竹山 智洋; 土井 邦夫;
摘要 【課題】簡単な構成で走行機体の湿田走破性を向上させるようにする。 【解決手段】作業車両は、走行機体を支持する走行車輪4と、走行車輪4に着脱自在に取り付けられるカゴ車輪100を備える。カゴ車輪100は、環状のリム部102と、リム部102の周方向に沿って適宜間隔でリム部102に設けられた複数のカゴ車輪ラグ105を備える。カゴ車輪ラグ105は、側面視で、外周側端部105a側が内周側端部105c側よりも走行機体の前進時の回転方向上流側に 位置 するように傾斜している。カゴ車輪ラグ105の外周側端部105aがリム部102の回転中心側へ曲がっている。 【選択図】図6
权利要求

走行機体を支持する走行車輪を備える作業車両において、 前記走行車輪に着脱自在に取り付けられるカゴ車輪を備え、 前記カゴ車輪は、環状のリム部と、前記リム部の周方向に沿って適宜間隔で前記リム部に設けられた複数のカゴ車輪ラグを備え、 前記カゴ車輪ラグは、側面視で、外周側端部側が内周側端部側よりも前記走行機体の前進時の回転方向上流側に位置するように傾斜しており、 前記カゴ車輪ラグの外周側端部が前記リム部の回転中心側へ曲がっている、 作業車両。前記カゴ車輪ラグは、前記走行車輪とは離間して配置される、 請求項1に記載の作業車両。前記走行車輪の回転軸方向において、前記カゴ車輪ラグの幅が前記走行車輪の幅よりも広くなっている、 請求項1又は2に記載の作業車両。

说明书全文

本発明は、例えば農作業用の乗用型田植機のように、主として農作業に使用される作業車両に関するものである。

近年の乗用型田植機の中には、圃場での走行性能向上のために車輪を追加配置したものがある。例えば特許文献1に記載の乗用型田植機では、後車輪の左右内側又は左右両側に、後車輪と一体回転する補助車輪を設けることによって、走行機体の湿田走破性向上を図っている。

特開平7−329503号公報

しかし、補助車輪のラグの形状によっては、ラグが圃場の耕盤に突入してしまい、ラグが土を抱え込むことで、走行機体の湿田走破性が低下するという問題があった。作業車両の一例としての乗用型田植機においては、深い圃場や粘土質の圃場で走行機体が沈没したり旋回時に耕盤を壊して走行機体が沈没したりするという問題があり、市場からは更なる湿田走破性の向上が要求されている。

本発明は、上記の現状に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で走行機体の湿田走破性を更に向上させることを技術的課題としている。

本発明の作業車両は、走行機体を支持する一対の前車輪及び一対の走行車輪を備える作業車両であって、前記走行車輪に着脱自在に取り付けられるカゴ車輪を備え、前記カゴ車輪は、環状のリム部と、前記リム部の周方向に沿って適宜間隔で前記リム部に設けられた複数のカゴ車輪ラグを備え、前記カゴ車輪ラグは、側面視で、外周側端部側が内周側端部側よりも前記走行機体の前進時の回転方向上流側に位置するように傾斜しており、前記カゴ車輪ラグの外周側端部が前記リム部の回転中心側へ曲がっているものである。

本発明の作業車両において、前記カゴ車輪ラグは、前記走行車輪とは離間して配置されるようにしてもよい。

また、本発明の作業車両は、前記走行車輪の回転軸方向において、前記カゴ車輪ラグの幅が前記走行車輪の幅よりも広くなっているようにしてもよい。

本発明の作業車両は、前記走行車輪に着脱自在に取り付けられるカゴ車輪を備え、前記カゴ車輪は、環状のリム部と、前記リム部の周方向に沿って適宜間隔で前記リム部に設けられた複数のカゴ車輪ラグを備え、前記カゴ車輪ラグは、側面視で、外周側端部側が内周側端部側よりも前記走行機体の前進時の回転方向上流側に位置するように傾斜しており、前記カゴ車輪ラグの外周側端部が前記リム部の回転中心側へ曲がっているようにした。これにより、カゴ車輪ラグの外周側端部と圃場の耕盤がなす度がより小さくなるので、カゴ車輪ラグが圃場の耕盤に突入しにくくなるとともに耕盤を切りにくくなる。また、カゴ車輪ラグは、外周側端部が前記リム部の回転中心側へ曲がっていることで、カゴ車輪ラグの上昇時に、走行機体の前進時の回転方向下流側の面に土を抱えにくくなる。このため、深い圃場や粘土質の圃場で走行機体が沈没したり旋回時に耕盤を壊して走行機体が沈没したりするおそれを回避でき、簡単な構成で走行機体の湿田走破性の大幅な向上を図れる。また、カゴ車輪ラグは、外周側端部が曲がっているので、カゴ車輪ラグの強度を向上できる。

本発明の作業車両において、前記カゴ車輪ラグは、前記走行車輪とは離間して配置されるようにすれば、泥の持ち上げが少なくなるため泥が付着しにくくなり、また、カゴ車輪ラグに付着した泥が落ちやすくなり、カゴ車輪ラグに泥が堆積しにくくなるので、泥抜けが良いカゴ車輪を実現でき、走行機体の湿田走破性を向上できる。

また、本発明の作業車両は、前記走行車輪の回転軸方向において、前記カゴ車輪ラグの幅が前記走行車輪の幅よりも広くなっているようにすれば、カゴ車輪ラグが発生させる浮が大幅に増加するので、深い圃場や粘土質の圃場で走行機体の沈没を抑制できる。

実施形態における乗用型田植機の左側面図である。

乗用型田植機の平面図である。

エンジン、ミッションケース及びリヤアクスルケース等を示す左側面図である。

エンジン、ミッションケース及びリヤアクスルケース等を示す平面図である。

乗用型田植機の駆動系統図である。

カゴ車輪、後車輪及び内側補助車輪の左側面図である。

図6のA−A線位置での断面図である。

カゴ車輪、後車輪及び内側補助車輪の斜視図である。

カゴ車輪、後車輪及び内側補助車輪の分離斜視図である。

カゴ車輪及び後車輪を拡大して示す左側面図である。

カゴ車輪と植付爪との位置関係を示す平面図である。

カゴ車輪ラグの移動軌跡を示す模式図である。

以下に、本発明を具体化した実施形態を、8条植え式の乗用型田植機1(以下、単に田植機1という)に適用した場合の図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、走行機体2の進行方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく進行方向に向かって右側を単に右側と称する。

まず、図1〜図4を参照しながら、田植機1の概要について説明する。実施形態の田植機1は、走行車輪としての左右一対の前車輪3及び同じく左右一対の後車輪4によって支持された走行機体2を備えている。走行機体2の前部にはエンジン5が搭載されている。エンジン5からの動力を後方のミッションケース6に伝達して、前車輪3及び後車輪4を駆動させることにより、走行機体2が前後進走行するように構成されている。ミッションケース6の左右側方にフロントアクスルケース7を突出させ、フロントアクスルケース7から左右外向きに延びる前車軸36に前車輪3が取り可能に取り付けられている。ミッションケース6の後方に筒状フレーム8を突出させ、筒状フレーム8の後端側にリヤアクスルケース9を固設し、リヤアクスルケース9から左右外向きに延びる後車軸37に後車輪4が取り付けられている。

図1及び図2に示されるように、走行機体2の前部及び中央部の上面側には、オペレータ搭乗用の作業ステップ(車体カバー)10が設けられている。作業ステップ10の前部の上方にはフロントボンネット11が配置され、フロントボンネット11の内部にエンジン5を設置している。作業ステップ10の上面のうちフロントボンネット11の後部側方に、足踏み操作用の走行変速ペダル12が配置されている。詳細は省略するが、実施形態の田植機1は、走行変速ペダル12の踏み込み量に応じた変速電動モータの駆動にて、ミッションケース6の油圧無段変速機40から出力される変速動力を調節するように構成されている。

また、フロントボンネット11の後部上面側にある運転操作部13には、操縦ハンドル14と走行主変速レバー(図示省略照)と昇降操作具としての作業レバー16とが設けられている。作業ステップ10の上面のうちフロントボンネット11の後方には、シートフレーム17を介して操縦座席18が配置されている。なお、フロントボンネット11の左右側方には、作業ステップ10を挟んで左右の予備苗載台24が設けられている。

走行機体2の後端部にリンクフレーム19を立設する。リンクフレーム19には、ロワーリンク20及びトップリンク21からなる昇降リンク機構22を介して、8条植え用の苗植付装置23が昇降可能に連結されている。この場合、苗植付装置23の前面側に、ローリング支点軸(図示省略)を介してヒッチブラケット38を設けている。昇降リンク機構22の後部側にヒッチブラケット38を連結することによって、走行機体2の後方に苗植付装置23を昇降動可能に配置している。筒状フレーム8の上面後部に、油圧式の昇降シリンダ39のシリンダ基端側を上下回動可能に支持させる。昇降シリンダ39のロッド先端側はロワーリンク20に連結している。昇降シリンダ39の伸縮動にて昇降リンク機構22を上下回動させる結果、苗植付装置23が昇降動する。なお、苗植付装置23は前記ローリング支点軸回りに回動して左右方向の傾斜姿勢を変更可能に構成している。

オペレータは、作業ステップ10の側方にある乗降ステップ25から作業ステップ10上に搭乗し、運転操作にて圃場内を移動しながら、苗植付装置23を駆動させて圃場に苗を植え付ける苗植え作業(田植え作業)を実行する。なお、苗植え作業中において、苗植付装置23には、予備苗載台24上の苗マットをオペレータが随時補給する。

図1及び図2に示すように、苗植付装置23は、エンジン5からミッションケース6を経由した動力が伝達される植付入力ケース26と、植付入力ケース26に連結する八条用四組(二条で一組)の植付伝動ケース27と、各植付伝動ケース27の後端側に設けられた苗植機構28と、八条植え用の苗載台29と、各植付伝動ケース27の下面側に配置された圃場面均平用のフロート32とを備えている。苗植機構28には、一条分二本の植付爪30を有するロータリケース31が設けられている。植付伝動ケース27に二条分のロータリケース31が配置されている。ロータリケース31の一回転によって、二本の植付爪30が各々一株ずつの苗を切り取ってつかみ、フロート32にて整地された圃場面に植え付ける。苗植付装置23の前面側には、圃場面を均す(整地する)整地ロータ85を昇降動可能に設けている。

詳細は後述するが、エンジン5からミッションケース6を経由した動力は、前車輪3及び後車輪4に伝達されるだけでなく、苗植付装置23の植付入力ケース26にも伝達される。この場合、ミッションケース6から苗植付装置23に向かう動力は、リヤアクスルケース9の右側上部に設けられた株間変速ケース75に一旦伝達され、株間変速ケース75から植付入力ケース26に動力伝達される。当該伝達された動力にて、各苗植機構28や苗載台29が駆動する。株間変速ケース75には、植え付けられる苗の株間を例えば疎植、標準植又は密植等に切り換える株間変速機構76と、苗植付装置23への動力伝達を継断する植付クラッチ77とが内蔵されている(図5参照)。

なお、苗植付装置23の左右外側にはサイドマーカ33を備えている。サイドマーカ33は、筋引き用のマーカ輪体34と、マーカ輪体34を回転可能に軸支するマーカアーム35とを有している。各マーカアーム35の基端側が苗植付装置23の左右外側に左右回動可能に軸支されている。サイドマーカ33は、運転操作部13にある作業レバー16の操作に基づき、次工程での基準となる軌跡を圃場面に着地して形成する作業姿勢と、マーカ輪体34を上昇させて圃場面から離間させた非作業姿勢とに回動可能に構成されている。

図3及び図4に示すように、走行機体2は前後に延びる左右一対の機体フレーム50を備えている。各機体フレーム50は前部フレーム51と後部フレーム52とに二分割されている。前部フレーム51の後端部と後部フレーム52の前端部とが左右横長の中間連結 フレーム53に溶接固定されている。左右一対の前部フレーム51の前端部は前フレーム54に溶接固定されている。左右一対の後部フレーム52の後端側は後フレーム55に溶接固定されている。前フレーム54、左右両前部フレーム51及び中間連結フレーム53は平面視四角枠状に構成されている。同様に、中間連結フレーム53、左右両後部フレーム52及び後フレーム55も平面視四角枠状に構成されている。

図4に示すように、左右両前部フレーム51の前寄り部位は、前後二本のベースフレーム56によって連結されている。当該各ベースフレーム56の中間部は、左右両前部フレーム51よりも低く位置するようにU字形に折り曲げられた形状に形成されている。各ベースフレーム56の左右端部は、対応する前部フレーム51に溶接固定されている。略平板状のエンジン台57及び複数の防振ゴム(図示省略)を介して、前後両ベースフレーム56にエンジン5が搭載され防振支持されている。後側のベースフレーム56は、後中継ブラケット60を介してミッションケース6の前部に連結されている。

図4から分かるように、左右両前部フレーム51の後寄り部位は、ミッションケース6の左右両側に突出したフロントアクスルケース7に連結されている。中間連結フレーム53の中央側には、側面視で後斜め下向きに延びるU字状フレーム61の左右両端部が溶接固定されている。U字状フレーム61の中間部がミッションケース6とリヤアクスルケース9とをつなぐ筒状フレーム8の中途部に連結されている(図3及び図4参照)。後フレーム55の中間部には、左右二本の縦フレーム62の上端側が溶接固定されている。左右両縦フレーム62の下端側には左右横長のリヤアクスル支持フレーム63の中間部が溶接固定されている。リヤアクスル支持フレーム63の左右両端部がリヤアクスルケース9に連結されている。なお、左側の前部フレーム51に外向き突設されたステップ支持台64の下方に、エンジン5の排気音を低減させるマフラー65が配置されている。

図3及び図4に示すように、エンジン5の後方に配置されたミッションケース6の前部には、パワーステアリングユニット66が設けられている。詳細は省略するが、パワーステアリングユニット66の上面に立設されるハンドルポストの内部にハンドル軸が回動可能に配置される。ハンドル軸の上端側に操縦ハンドル14が固定されている。パワーステアリングユニット66の下面側には操舵出力軸(図示省略)が下向きに突出している。当該操舵出力軸には、左右の前車輪3を操舵する操舵杆68(図4参照)がそれぞれ連結されている。

実施形態のエンジン5は、出力軸70(クランク軸)を左右方向に向けて前後両ベースフレーム56の中間部上に配置されている。エンジン5及びエンジン台57の左右幅は左右両前部フレーム51間の内法寸法よりも小さく、エンジン5の下部側及びエンジン台57は、前後両ベースフレーム56の中間部上に配置された状態で、左右両前部フレーム51よりも下側に露出している。この場合、エンジン5の出力軸70(軸線)は、側面視で左右両前部フレーム51と重なる位置にある。エンジン5の左右一側面(実施形態では左側面)には、エンジン5の排気系に連通する排気管69が配置されている。排気管69の基端側がエンジン5の各気筒に接続され、排気管69の先端側がマフラー65の排気入口側に接続されている。

次に、図5を参照しながら、田植機1の駆動系統について説明する。エンジン5の出力軸70はエンジン5の左右両側面から外向きに突出している。出力軸70のうちエンジン5左側面から突出した突端部にエンジン出力プーリ72を設け、ミッションケース6から左外側に突出したミッション入力軸71にミッション入力プーリ73を設け、両プーリ72,73に伝達ベルトを巻き掛けている。両プーリ72,73及び伝達ベルトを介して、エンジン5からミッションケース6に動力伝達する。

ミッションケース6内には、油圧ポンプ40a及び油圧モータ40bからなる油圧無段変速機40、遊星歯車装置41、油圧無段変速機40及び遊星歯車装置41を経由した変速動力を複数段に変速する歯車式副変速機構42、遊星歯車装置41から歯車式副変速機構42への動力伝達を継断する主クラッチ43、並びに、歯車式副変速機構42からの出力を制動させる走行ブレーキ44等を備えている。ミッション入力軸71からの動力で油圧ポンプ40aを駆動させ、油圧ポンプ40aから油圧モータ40bに作動油を供給し、油圧モータ40bから変速動力が出力される。油圧モータ40bの変速動力は、遊星歯車装置41及び主クラッチ43を介して歯車式副変速機構42に伝達される。そして、歯車式副変速機構42から、前後車輪3,4と苗植付装置23との二方向に分岐して動力伝達される。

前後車輪3,4に向かう分岐動力の一部は、歯車式副変速機構42から差動歯車機構45を介して、フロントアクスルケース7の前車軸36に伝達され、左右前車輪3を回転駆動させる。前後車輪3,4に向かう分岐動力の残りは、歯車式副変速機構42から、自在継手軸46、リヤアクスルケース9内のリヤ駆動軸47、左右一対の摩擦クラッチ48及び歯車式伝動機構49を介して、リヤアクスルケース9の後車軸37に伝達され、左右後車輪4を回転駆動させる。走行ブレーキ44を作動させた場合は、歯車式副変速機構42からの出力がなくなるので、前後車輪3,4共にブレーキがかかる。また、田植機1を旋回させる場合は、リヤアクスルケース9内の旋回内側の摩擦クラッチ48を切り作動させて旋回内側の後車輪4を自由回転させ、動力伝達される旋回外側の後車輪4の回転駆動によって旋回する。

リヤアクスルケース9内には、整地ロータ85への動力継断用の整地ロータクラッチを有するロータ駆動ユニット86を備えている。歯車式副変速機構42から自在継手軸46に伝達された動力はロータ駆動ユニット86にも分岐して伝達され、ロータ駆動ユニット86から自在継手軸87を介して整地ロータ85に動力伝達される。整地ロータ85の回転駆動によって圃場面が均される。

苗植付装置23に向かう分岐動力は、自在継手軸付きのPTO伝動軸機構74を介して株間変速ケース75に伝達される。株間変速ケース75内には、植え付けられる苗の株間を例えば疎植、標準植又は密植等に切り換える株間変速機構76と、苗植付装置23への動力伝達を継断する植付クラッチ77とを備えている。株間変速ケース75に伝達された動力は、株間変速機構76、植付クラッチ77及び自在継手軸78を介して植付入力ケース26に伝達される。

植付入力ケース26内には、苗載台を横送り移動させる横送り機構79と、苗載台29上の苗マットを縦送り搬送させる苗縦送り機構80と、植付入力ケース26から各植付伝動ケース27に動力伝達する植付出力軸81とを備えている。植付入力ケース26に伝達された動力によって、横送り機構79及び苗縦送り機構80が駆動し、苗載台29を連続的に往復で横送り移動させ、苗載台29が往復移動端(往復移動の折返し点)に到達したときに苗載台29上の苗マットを間欠的に縦送り搬送する。植付入力ケース26から植付出力軸81を経由した動力は各植付伝動ケース27に伝達され、各植付伝動ケース27のロータリケース31並びに植付爪30を回転駆動させる。なお、施肥装置を設ける場合は株間変速ケース75から施肥装置に動力伝達される。

次に、図1、図4及び図6以降を参照しながら、カゴ車輪100、走行車輪としての後車輪4及び内側補助車輪120の詳細構造について説明する。この実施形態の田植機1では、左右内側から順に、内側補助車輪120、後車輪4、カゴ車輪100が配置される。

左右の内側補助車輪120は、回転中心部に位置するハブ筒部121と、環状のリム部122と、ハブ筒部121から放射状に延びてハブ筒部121とリム部122とをつなぐスポーク部123とを備えている。リム部122には、周囲に硬質ゴムを焼き付けることによって、ゴム輪体124と突起状の複数の外周ラグ125が形成されている。後車軸37の先端側(左右外側)は六角軸形状になっていて、後車軸37の六角軸部37aに内側補助車輪120のハブ筒部121が被嵌される。

左右の後車輪4は、回転中心部に位置するハブ筒部93と、環状のリム部90と、ハブ筒部93から放射状に延びてハブ筒部93とリム部90とをつなぐスポーク部94と、ハブ筒部93及びスポーク部94に溶接された補強板部95を備えている。リム部90には、周囲に硬質ゴムを焼き付けることによって、ゴム輪体91と、板状の複数の推進ラグ92と、突起状の複数の外周ラグ96が形成されている。各推進ラグ92は、ゴム輪体91の周方向に沿って適宜間隔でゴム輪体91に形成されている。また、各推進ラグ92は、側面視で、外周側端部側が内周側端部側よりも走行機体2の前進時の回転方向上流側に位置するように傾斜している。言い換えれば、各推進ラグ92は、側面視で、リム部90の回転中心から離れるに従って走行機体2の前進時の回転方上流側へ変位するように傾斜している。この実施形態では、11個の推進ラグ92がゴム輪体91に等間隔に配置されている。

後車輪4のハブ筒部93は、内側補助車輪120のハブ筒部121よりも外側の位置で、後車軸37の六角軸部37aに被嵌される。六角軸部37aには、内側補助車輪120のハブ筒部121と後車輪4のハブ筒部93の間で、筒状のスペーサ部材126も被嵌される。後車輪4のハブ筒部93が後車軸37の六角軸部37aにロックピン軸131と止めピン132とで抜け不能に固定されることによって、スペーサ部材126及び内側補助車輪120のハブ筒部121も後車軸37の六角軸部37aに抜け不能に保持される。後車軸37の六角軸部37aの先端面には、後車輪4のハブ筒部93の内径よりも大径の座金133がボルト134により固定される。

各後車輪4の補強板部95の左右外側面に、延長車軸110がボルト締結されている。延長車軸110は、補強板部95にボルト締結されるフランジ部111と、フランジ部111の左右外側面の中央部に突設された延長車軸部112と、フランジ部111の左右外側面及び延長車軸部112の基端部に溶接された3つのリブ部113を備える。延長車軸部112は後車軸37と同一軸線上に配置される。延長車軸部112の先端側(左右外側)は六角軸形状の六角軸部112aになっている。

各後車輪4に、延長車軸110を介してカゴ車輪100が着脱自在にそれぞれ取り付けられる。各カゴ車輪100は、回転中心部に位置するハブ筒部101と、環状のリム部102と、ハブ筒部101から放射状に延びてハブ筒部101とリム部102とをつなぐ4本のスポーク部103と、ハブ筒部101及びスポーク部103に溶接された4つの補強板部104と、リム部102の周方向に沿って適宜間隔でリム部102に設けられた複数のカゴ車輪ラグ105を備える。

カゴ車輪100のハブ筒部101は、延長車軸110の六角軸部112aの先端側の部位に被嵌される。ハブ筒部101が六角軸部112aにロックピン軸135と止めピン136とで抜け不能に固定される。なお、六角軸部112aの先端側部位には、ロックピン軸135を挿入可能な孔が軸方向に並んで複数形成されており、ロックピン軸135を挿入する孔を適宜選択することで、後車輪4に対するカゴ車輪100の軸方向での位置を選択可能に構成している。

この実施形態では、カゴ車輪ラグ105の数は、後車輪4の推進ラグ92の数(11個)と異なっており、カゴ車輪100のリム部102に、10個の板状のカゴ車輪ラグ105が等間隔に設けられている。各カゴ車輪ラグ105は、側面視で、外周側端部105a側が内周側端部105c側よりも走行機体2の前進時の回転方向上流側に位置するように傾斜している。言い換えれば、各カゴ車輪ラグ105は、側面視で、リム部102の回転中心から離れるに従って走行機体2の前進時の回転方向上流側へ変位するように傾斜している。

図10に示すように、各カゴ車輪ラグ105は側面視で略S字状の形状を有する。カゴ車輪ラグ105の外周側端部105aは、ラグ中央部105bに対してリム部102の回転中心側へ曲がっており、外周側端部105aの傾斜角度θaは、ラグ中央部105bの傾斜角度θbよりも大きい。また、カゴ車輪ラグ105の内周側端部105cは、ラグ中央部105bに対してリム部102の回転中心とは反対側へ曲がっており、内周側端部105cの傾斜角度θcは、ラグ中央部105bの傾斜角度θbよりも大きい。この実施形態では、外周側端部105aと内周側端部105cは側面視で平行に設けられ、外周側端部105aの傾斜角度θaと内周側端部105cの傾斜角度θcは同じである。カゴ車輪ラグ105は、外周側端部105a及び内周側端部105cが曲がっているので、カゴ車輪ラグ105の強度を向上できる。

図7に示すように、カゴ車輪ラグ105は、後車輪4とは離間して配置される。これにより、後車輪4とカゴ車輪ラグ105(カゴ車輪100)の間に隙間が設けられている。また、車輪4,100,120の回転軸方向において、カゴ車輪ラグ105の幅W100は、後車輪の幅W4及び内側補助車輪120の幅W120よりも広くなっている。なお、内側補助車輪120の幅W120は、後車輪の幅W4よりも狭い。

また、車輪4,100,120の回転軸方向において、カゴ車輪ラグ105の幅W100は、後車輪4(推進ラグ92)の幅W4及び内側補助車輪120の幅W120よりも広くなっている。なお、内側補助車輪120の幅W120は、後車輪の幅W4よりも狭い。この実施形態の田植機1では、カゴ車輪ラグ105の幅W100は、後車輪の幅W4の2倍以上であり、図11に示すように、苗の植付幅Wpよりもわずかに広く設定されている。

カゴ車輪100の外径寸法D100(直径と言ってもよい)は、後車輪4の外径寸法D4よりも小さく設定している。すなわち、カゴ車輪100は、側面視で後車輪4の内径側に収まる大きさになっている。このため、路上走行時にカゴ車輪100(特にカゴ車輪ラグ105)が走行路面に接触するおそれを抑制でき、カゴ車輪100を取り付けた状態でも走行機体2でスムーズに路上走行できる。なお、この実施形態では、内側補助車輪120の外形寸法D120は、カゴ車輪100の外径寸法D100と同じであり、内側補助車輪120を取り付けた状態でも走行機体2でスムーズに路上走行できる。

図11に示すように、左右のカゴ車輪100におけるリム部102の位置は、各リム部102の移動軌跡が苗植付装置23の各植付爪30の箇所と重ならないように設定されている。この実施形態では、左右それぞれのリム部102の移動軌跡が平面視で左から1つ目及び8つ目の植付爪30と重ならないように、カゴ車輪100におけるリム部102の位置が設定される。これにより、各リム部102による圃場面の荒れの影響が苗植付装置23(各植付爪30)による苗の植付姿勢に及ぶのを抑制できる。なお、リム部90に適宜間隔で設けられる複数のカゴ車輪ラグ105は圃場面をそれほど荒らさないので、カゴ車輪ラグ105の移動軌跡が植付爪30の箇所(苗の植付位置)と重なっていても、整地ロータ85の整地作用だけで苗を良好な植付姿勢で移植できる。また、左右の後車輪4及び内側補助車輪120の移動軌跡も各植付爪30の箇所と重ならないように設定されており、後車輪4及び内側補助車輪120による圃場面の荒れの影響が苗の植付姿勢に及ぶのを抑制している。

図12は、カゴ車輪ラグの移動軌跡を示す模式図である。図12は、車輪4がスリップせずに走行する場合の、左右のカゴ車輪100のうち左側のカゴ車輪100のカゴ車輪ラグ105の移動軌跡を示す。カゴ車輪ラグ105は、圃場の土141の中に入っていくときには略平姿勢になって土141をしっかりと押さえ、大きな浮力を発生させる。また、カゴ車輪ラグ105は、上昇時には略垂直姿勢になって、土141の中からほぼ真上へ上昇し、土141を抱えない。

この実施形態の田植機1は、走行車輪としての後車輪4に着脱自在に取り付けられるカゴ車輪100を備え、カゴ車輪100は、環状のリム部102と、リム部102の周方向に沿って適宜間隔でリム部102に設けられた複数のカゴ車輪ラグ105を備え、カゴ車輪ラグ105は、外周側端部105a側が内周側端部105c側よりも走行機体2の前進時の回転方向上流側に位置するように傾斜しており、カゴ車輪ラグ105の外周側端部105aがリム部102の回転中心側へ曲がっている。これにより、カゴ車輪ラグ105が圃場の土中に入っていくときに、カゴ車輪ラグ105の外周側端部105aと耕盤142がなす角度θa1(図12参照)がより小さくなる(外周側端部105aが寝た角度になる)ので、カゴ車輪ラグ105が圃場の耕盤142に突入しにくくなるとともに耕盤142を切りにくくなる。また、カゴ車輪ラグ105は、外周側端部105aがリム部102の回転中心側へ曲がっていることで、カゴ車輪ラグ105の上昇時に、走行機体2の前進時の回転方向下流側の面に土を抱えにくくなる。このため、深い圃場や粘土質の圃場で走行機体2が沈没したり旋回時に耕盤142を壊して走行機体2が沈没したりするおそれを回避でき、簡単な構成で走行機体2の湿田走破性の大幅な向上を図れる。また、カゴ車輪ラグ105は、外周側端部105aが曲がっているので、カゴ車輪ラグ105の強度を向上できる。

ところで、田植機1が圃場を走行すると、後車輪4と、カゴ車輪100のリム部102と、カゴ車輪ラグ105とで構成される3辺で、耕盤をすくい取るような動きになる。このとき、カゴ車輪ラグ105が後車輪4と連結又は近接していると、耕盤をすくってしまい、カゴ車輪ラグ105等に泥が付着する。このような不具合に対して、この実施形態の田植機1では、カゴ車輪ラグ105は、後車輪4とは離間して配置され、上記3辺が途中で途切れているので、泥の持ち上げが少なくなるため泥が付着しにくくなり、また、カゴ車輪ラグ105に付着した泥が落ちやすくなり、カゴ車輪ラグ105に泥が堆積しにくくなるので、泥抜けが良いカゴ車輪100を実現でき、走行機体2の湿田走破性を向上できる。

また、車輪4,100の回転軸方向において、カゴ車輪ラグ105の幅W100は、後車輪4の幅W4よりも広くなっており、例えば後車輪4の幅W4の2倍以上であり、植付幅Wp(図11参照)よりも広いので、カゴ車輪ラグ105が発生させる浮力が大幅に増加し、深い圃場や粘土質の圃場で走行機体2の沈没を抑制できる。

なお、左右外側の植付爪30による苗植付位置に対するカゴ車輪100(カゴ車輪ラグ105)の外側突出幅Wo(図11参照)は、植付幅Wpよりも狭いことが好ましい。これにより、苗植付け作業中に田植機1が圃場を往復移動する際に、すでに圃場へ植付けられた隣接条の苗をカゴ車輪100(カゴ車輪ラグ105)が踏まないようにできる。例えば、上記実施形態の走行機体2に6条植え用の苗植付装置23を連結した場合、後車輪4の左右外側に装着されるカゴ車輪100のカゴ車輪ラグ105の外側突出幅Woは、8条植え用の苗植付装置23の連結時に比べて、大きくなる。この場合、外側突出幅Woは、カゴ車輪ラグ105が隣接条の苗を踏まない値に設定される。例えば、上記実施形態のカゴ車輪ラグ105に比べて幅W100が狭いカゴ車輪ラグ105を有するカゴ車輪100が左右の後車輪4に装着される。

また、後車輪4は、後車輪4の周方向に沿って適宜間隔で並ぶ複数の推進ラグ92を備え、カゴ車輪ラグ105の数と推進ラグ92の数が異なっているので、カゴ車輪ラグ105の位相と推進ラグ92の位相をずらすことができ、カゴ車輪ラグ105と後車輪4の間に泥が堆積しにくくなり、走行機体2の湿田走破性を向上できる。また、この実施形態では、カゴ車輪ラグ105の数は推進ラグ92の数よりも少ないので、カゴ車輪100において、リム部102の周方向で隣り合うカゴ車輪ラグ105同士の間隔を広げることができ、後車輪4よりも泥を抱え込みやすいカゴ車輪100の泥の抜けを良好にできる。

また、カゴ車輪100は、後車輪4に延長車軸110を介して取り付けられるので、カゴ車輪100を後車輪4に強固に取り付けることができる。また、カゴ車輪100は、走行機体2の湿田走破性の大幅な向上を図れるものでありながら、容易に取り外せるので、例えばトラック等の荷台に田植機1を搭載して運搬する際に、左右のあおり板やあゆみ板に干渉せずに田植機1をスムーズに搭載できる。また、内側補助車輪120を装着せずに、後車輪4の左右外側にカゴ車輪100だけを取り付けるようにしてもよい。また、例えば後車輪4を除いて、カゴ車輪100と内側補助車輪120だけで、走行機体2の後部を支持する構成にすることも可能である。

また、この実施形態では、図10に示すように、カゴ車輪ラグ105の外周側端部105aの傾斜角度θb及び内周側端部105cの傾斜角度θcは同じであるが、外周側端部105aの傾斜角度θbと内周側端部105cの傾斜角度θcは互いに異なっていてもよい。また、内周側端部105cは、ラグ中央部105bに対して、曲がっていなくてもよいし、リム部102の回転中心側へ曲がっていてもよい。

また、この実施形態では、カゴ車輪ラグ105の外周側端部105aの傾斜角度θa及び内周側端部105cの傾斜角度θcは、後車輪4の推進ラグ92の傾斜角度θd(図10参照)よりも大きいが、傾斜角度θd以下であってもよい。また、この実施形態では、ラグ中央部105bの傾斜角度θbは、推進ラグ92の傾斜角度θdよりも小さいが、傾斜角度θd以上であってもよい。

また、この実施形態では、深い圃場や粘土質の圃場で走行機体2の浮力及び推進力を得るために、左右の内側補助車輪120が設けられている。内側補助車輪120の外周ラグ125は、後車輪4の推進ラグ92や、カゴ車輪100のカゴ車輪ラグ105に比べて小さいので、泥が蓄積しやすい後車輪4の内側における泥はけ性を確保している。なお、内側補助車輪120を取り外して、後車輪4の外側にカゴ車輪100を配置する構成であってもよい。

本発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化でき、各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。例えば本発明は乗用型田植機に適用するに限らず、主に水田で作業する各種苗移植機等の作業車両にも適用可能である。また、田植機1の前車輪3のバリエーションも種々選択できる。例えば幅広車輪にしてもよいし、通常の前車輪3を左右に二つずつ並べて設けてもよい。また、走行車輪としての前車輪3の左右外側に専用のカゴ車輪、例えばカゴ車輪100と同様の構成のカゴ車輪を取り付けてもよい。いずれも、前車輪3としての圃場との設置幅を拡大でき、湿田走破性向上に貢献する。

1 乗用型田植機(作業車両) 2 走行機体 4 後車輪(走行車輪) 6 ミッションケース 37 後車軸 37a 六角軸部 92 推進ラグ 100 カゴ車輪 102 リム部 105 カゴ車輪ラグ 105a カゴ車輪ラグの外周側端部

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