哺乳動物における骨量減少を予防する乳酸菌の選択及び使用

申请号 JP2015515983 申请日 2013-06-04 公开(公告)号 JP2015526389A 公开(公告)日 2015-09-10
申请人 バイオガイア・エイビーBiogaia AB; バイオガイア・エイビーBiogaia AB; ミシガン ステイト ユニバーシティー; ミシガン ステイト ユニバーシティー; 发明人 コノリー、イーモン; ザ セカンド、ロバート アレン ブリトン; ザ セカンド、ロバート アレン ブリトン; レイ マッケイブ、ローラ; レイ マッケイブ、ローラ;
摘要 本発明は、ヒトにおける骨量減少を予防するのに効果的な乳酸菌株を選択するための方法、及び示した方法にしたがって選択された株を含む。選択方法は、変更された微 生物 群落 を正常に再建し、且つ/又は特異的な4つのSNP(ラクトバチルス・ロイテリ(L.reuteri)JCM1112のゲノムに対して、塩基対271 391におけるC、塩基対453 538におけるG、塩基対529 228におけるG、及び塩基対599 338におけるC)の少なくとも1つを保持している株の能 力 に基づく。
权利要求

ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)JCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも95%の同一性を有し、以下の4つの位置:塩基対271 391におけるC、塩基対453 538におけるG、塩基対529 228におけるG、及び塩基対599 338におけるCの少なくとも1つにおいて、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)JCM1112のゲノム(配列番号1)に対して同一のヌクレオチドを保持している乳酸菌株を選択することを含む、骨量減少の予防又は処置に用いるための乳酸菌株を選択するための方法。以下の4つの位置:塩基対271 391におけるC、塩基対453 538におけるG、塩基対529 228におけるG、及び塩基対599 338におけるCの少なくとも1つにおいて、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)JCM1112のゲノム(配列番号1)に対して同一のヌクレオチドを保持しているラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)を選択することを含む、骨量減少の予防又は処置に用いるための乳酸菌株を選択するための方法。乳酸菌株が、前記4つのヌクレオチドのうち少なくとも2つを保持している、請求項1又は2に記載の方法。乳酸菌株が、前記4つのヌクレオチドのうち少なくとも3つを保持している、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。乳酸菌株が、前記ヌクレオチド4つ全てを保持している、請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法。乳酸菌株が、塩基対271 391におけるCからT、塩基対453 538におけるGからA、塩基対529 228におけるGからA、及び塩基対599 338におけるCからTからなる4つの変異の群から選択される、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)JCM1112のゲノム(配列番号1)に対する少なくとも1つの変異を保持していないという条件で、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)JCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも95%の同一性を有する乳酸菌株を選択することを含む、骨量減少の予防又は処置に用いるための乳酸菌株を選択するための方法。乳酸菌株が、前記4つの変異のうち少なくとも2つを保持していない、請求項6に記載の方法。乳酸菌株が、前記4つの変異のうち少なくとも3つを保持していない、請求項6又は7に記載の方法。乳酸菌株が、前記4つの変異のいずれも保持していない、請求項6から8までのいずれか一項に記載の方法。骨量減少の予防又は処置に用いるための、請求項1から9までのいずれか一項に記載の方法にしたがって選択される、乳酸菌株。骨量減少の予防又は処置に用いるための、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)JCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも95%の同一性を有し、以下の4つの位置:塩基対271 391におけるC、塩基対453 538におけるG、塩基対529 228におけるG、及び塩基対599 338におけるCの少なくとも1つにおいて、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)JCM1112のゲノム(配列番号1)に対して同一のヌクレオチドを保持している乳酸菌株。ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)ATCC PTA 6475である、請求項11に記載の乳酸菌株。請求項1から9までのいずれか一項に記載の方法にしたがって選択される乳酸菌株を含む組成物。ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)JCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも95%の同一性を有し、以下の4つの位置:塩基対271 391におけるC、塩基対453 538におけるG、塩基対529 228におけるG、及び塩基対599 338におけるCの少なくとも1つにおいて、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)JCM1112のゲノム(配列番号1)に対して同一のヌクレオチドを保持している乳酸菌株を含む組成物。乳酸菌株がラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)ATCC PTA 6475である、請求項14に記載の組成物。骨量減少の予防又は処置に用いるための、請求項13から15までのいずれか一項に記載の組成物。閉経期の女性、子宮摘出を受けた女性、糖尿病患者、骨減少性の個体、骨粗鬆症の個体、及び代謝障害を有する個体における骨量減少の予防に用いるための、請求項13から15までのいずれか一項に記載の組成物。骨折後の骨修復の改善に用いるための、請求項13から15までのいずれか一項に記載の組成物。骨量減少の予防又は処置に用いるための、ビタミンDと組み合わされた、請求項13から15までのいずれか一項に記載の組成物。骨量減少の予防又は処置に用いるための、ホルモンと組み合わされた、請求項13から15までのいずれか一項に記載の組成物。組成物が、医薬組成物、食品製品、又は食品サプリメントである、請求項13から20までのいずれか一項に記載の組成物。ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)JCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも95%の同一性を有し、以下の4つの位置:塩基対271 391におけるC、塩基対453 538におけるG、塩基対529 228におけるG、及び塩基対599 338におけるCの少なくとも1つにおいて、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)JCM1112のゲノム(配列番号1)に対して同一のヌクレオチドを保持している乳酸菌株の、骨量減少の予防又は処置のための医薬組成物を製造するための使用。乳酸菌株がラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)ATCC PTA 6475である、請求項22に記載の使用。ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)JCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも95%の同一性を有し、以下の4つの位置:塩基対271 391におけるC、塩基対453 538におけるG、塩基対529 228におけるG、及び塩基対599 338におけるCの少なくとも1つにおいて、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)JCM1112のゲノム(配列番号1)に対して同一のヌクレオチドを保持している乳酸菌株を個体に投与することを含む、骨量減少の処置又は予防のための方法。乳酸菌株がラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)ATCC PTA 6475である、請求項24に記載の方法。

说明书全文

本発明は、一般的には、医薬、薬理学、及び食品サプリメントに関する。より詳細には、本発明は、哺乳動物における骨量減少を予防するための乳酸菌の選択及び使用に関する。

50歳を超えた、4000万人超のアメリカ人(そのうち1400万人は男性である)が、低骨密度又は骨粗鬆症、及びそれに付随する骨折のリスクの増大に苦しんでいる。骨粗鬆症性の骨折を有する個体は、うつ病、依存性、及び死亡率増大の傾向がある。加齢は、骨粗鬆症の主な原因であるが、疾患、廃用性、及びある種の薬物も、人生のあらゆる段階で骨量減少を引き起こし得る。

骨格は、身体の重さを支え、間葉幹細胞及び造血幹細胞を収容し、カルシウムの貯蔵所として働く、高度に組織化されたシステムである。骨の構造は、外側の皮質性の高密度シェル(shell)及び内側の骨梁の網目構造を含む。運動により海綿骨の骨塩量(BMD)及び骨体積率(BVF)、骨梁幅、並びに皮質のBMD及び厚さが増大し得る。これとは対照的に、疾患、廃用、及びある種の薬物(例えば、糖質コルチコイド)はこれらのパラメータを低減し、男女両方に骨粗鬆症を引き起こし得る。骨粗鬆症は、骨質量の低下(平均を2.5標準偏差(SD)を超えて下回る)、及び骨の微小構造の変更(骨梁幅の低下など)と規定される。骨質量が低下すると骨折のリスクが増大する。このように、骨粗鬆症と診断された時点で、患者は、正常の骨密度を有する者に比べて骨折のリスクが16倍増大している。骨折は、うつ病、依存性、及び死亡率増大(高齢者では12か月以内で25%を超える)に関連し、股関節骨折の死亡は毎年50000人を超える(米国骨粗鬆症財団(National Osteoporosis Foundation)(NOF)の統計)。骨粗鬆症は男性ではあまり蔓延していないが、30%を超える股関節骨折は男性に生じ、死亡率は女性に比べて男性に高い。現在、骨粗鬆症の直接費をカバーするのに米国では200億ドル以上が、欧州連合では300億ドルが費やされている。さらに気がかりなことに、2020年までに米国で6100万人を超える50歳を超える男女が低骨密度又は骨粗鬆症を有するであろうと推定され(NOF統計)、したがって効果的な新規な処置を見つけることは優先事項である。実際、50歳を超える女性の3人に1人が、生涯のうちに骨粗鬆症に関連する骨折を経験するであろう。骨折のリスクが骨粗鬆症に付随して上昇するのに加え、骨量減少は代謝及びインスリン分泌に負の効果を有し得る。市場で入手できる全ての処置にかかわらず、骨粗鬆症患者の数は米国及び世界中で増加中である。これには、年少期の危険に注意が欠如していたこと、高齢人口の増大、及び不要な薬物療法の副作用による患者のノンコンプライアンスなど、いくつかの理由がある。さらに、従来の骨量減少処置は必ずしも効果的とは限らない。現在、低骨密度又は骨粗鬆症を有する人々用の骨粗鬆症薬に代わって用いることができる、代替処置又は自然の処置は存在しない。したがって、医師は、自分たちの患者の骨密度を増大する新たな取組みを求めており、企業は薬理学的な骨治療薬を改善するよう研究中である。

ある種の人々は他者よりも骨粗鬆症を発症しやすく、リスク因子には以下のものがある: 女性である 高齢 骨粗鬆症又は骨折の家族歴 小型及び痩せ型である コーカサス人、アジア人、又はヒスパニック/ラテン系などのある種の人種/民族性であるが、アフリカ系アメリカ人もリスクがある 骨折の病歴 性ホルモンが低レベルである 女性における低エストロゲンレベル、閉経を含む 月経がない(無月経) 男性において、テストステロン及びエストロゲンの低レベル 食餌制限 −カルシウムの摂取量が低い −ビタミンD摂取量が低い −タンパク質、ナトリウム、及びカフェインが摂取過剰である 不活動性の生活様式 喫煙 アルコール乱用 ステロイド薬物療法、ある種の抗痙攣薬、及びその他など、ある種の薬物療法 神経性食欲不振症、関節リウマチ、消化器疾患、及びその他などのある種の疾患及び状態

閉経期の女性は、エストロゲンレベルの低下により、閉経期の間、骨が減少する傾向にある。閉経期前後の間でも(閉経期の2年から8年前の期間)、エストロゲンレベルが低下し始めることがある。経時的に、非常に多くの骨量減少は最初に骨減少症(低骨質量)を、次いで骨粗鬆症を引き起こし得る。

1型糖尿病(T1D)の診断が小児及び成人において増加している。医学の進歩により患者の寿命が延びる一方で、治療的に警戒していても正常血糖の維持は依然として難しい。このようにより多くのT1D患者(男性及び女性)が、骨量減少を含めた合併症に苦しんでいる。これは、すでに骨折のリスクの増大した患者が加齢/閉経を始めていることを意味する。いったん骨折が生じると、治癒が困難であり、長期入院が必要とされ、生活の質は低下し、死亡率は上昇し得る。骨の健康状態が悪いと、身体全体にも負の影響を及ぼす。T1D糖尿病を有する閉経後の女性は、糖尿病ではない女性よりも、骨粗鬆症性骨折の発生頻度が高い。T1Dを有する小児は、糖尿病ではない小児よりも、骨塩量が低い。このように骨の健康状態の維持は、T1D患者の全体的な生活の質に不可欠であり、骨髄細胞と骨細胞とは通じているため、骨髄の免疫/前駆細胞に関与する治療/治癒的な処置を最大にするのに重要である。

2型糖尿病(T2D)患者も、非糖尿病患者より骨粗鬆症性の骨折のリスクが高い。

骨を強化し、骨粗鬆症を予防する2つの主要な構成成分は、1)最大の骨密度を達成すること、並びに2)成人及び加齢の間の骨量減少を予防することである。骨は動的であり、骨を形成又は再吸収するように環境信号に対して絶えず適応するため、骨再形成が生じる。骨芽細胞(骨を形成する細胞)及び破骨細胞(骨を再吸収する細胞)の活動性を通した、標的化された骨再形成が、血中カルシウムレベルを臨界範囲内に維持する一方で、支持が必要とされる部位で骨を強に保つ。形成と再吸収との活動性のバランスが取れている場合は、骨の正味の増加又は減少はないが、形成が低下し、且つ/又は再吸収が増大すると骨量減少が結果的に起こる。

破骨細胞の活動性が増大すると骨吸収が起こる。破骨細胞は造血幹細胞に由来する。これらの細胞は、単球/マクロファージ系列の細胞を生じ、これらは正しい条件下で、破骨細胞の前駆体に発達する。RANKL(骨芽細胞表面上に位置する)などの因子によるさらなるシグナリングが破骨細胞の成熟を刺激する。成熟破骨細胞は、骨基質の分解に関与する酵素(カテプシンK及びTRAP5bを含む)を発現する。

骨芽細胞の活動性の増大は骨形成をもたらすが、これは、1)系列の選択、2)成熟、及び3)死滅を含めたいくつかのレベルで制御することができる。骨髄間質細胞(BMSC)は骨芽細胞、脂肪細胞、及び他の細胞型を生じるので、1系列(脂肪細胞)を選択すると別のもの(骨芽細胞)が犠牲にされ得る。これは、加齢、肢の負荷除去、細胞培養モデル、及びI型(T1)糖尿病で認識される、骨の脂肪過多と骨塩量との間の相互関係によって支持される。骨芽細胞の活動性は、死滅/アポトーシスによりさらに制御され得る。骨芽細胞の死滅が増大すると、骨を作る細胞の数が低下し、したがって骨量減少となる。例として廃用/負荷除去に対する速やかな骨の適応が含まれ、これにより骨量減少し、骨髄の脂肪過多は増大し、骨細胞の死滅は増大する。加齢により骨細胞のアポトーシスも増大する。骨芽細胞の制御のいくつかの、又は全ての態様(系列、成熟、死滅)の変調には、TGFβ、骨形成タンパク質(BMP)、副甲状腺ホルモン(PTH)、及びWntなどのポジティブ因子、並びにサイトカインなどのネガティブ因子を含めた多くの因子が寄与する。

ビスホスホナートは、骨粗鬆症に対する最も一般的な処置の1つである。これらの化合物は、骨塩中に組み入れられ、破骨細胞による骨の異化作用を阻害し、骨折を低減するのに効果的である。しかし、これらの化合物の多くは、空腹時に服用する必要があり、胃の逆流及び吐き気を引き起こすことがあり、患者のコンプライアンスの低下をもたらす。これらの化合物が骨に存在する時間の長さ、並びに骨の再形成及び強度に対する長期間の影響に関する懸念もある。別の治療薬に選択的エストロゲン受容体修飾因子(SERMS)があるが、これらは癌に関するいくらかの懸念を未だにはらんでいる。骨粗鬆症の発症を予防又は遅延するのに有用であるとしてホルモン補充療法が研究されているが、長年にわたりホルモン補充を持続して用いると、女性の乳癌のリスクを増大し得、静脈血栓症(血液凝固)の発生率を増大し得、既存の肝疾患を増悪し得、子宮体癌及び高血圧のリスクを増大し得る。Amgenには、RANKL/RANK系を修飾することによって働き、したがって破骨細胞の活動性を抑制する、開発中の薬物(オステオプロテグリンに類似する)がある。間欠的なPTH処置はタンパク同化性の処置であるが、この静脈内処置は費用が高く、重症の骨粗鬆症患者に指示されるにすぎない。まとめると、低骨密度と診断される多くの人々がどうするべきか混乱しているのは驚くにあたらない。多くの人々は長期間の影響を恐れて、薬物療法を受けるのを望まない。体重負荷運動及び十分なカルシウム摂取が自然な2つの取組みであるが、これらは疾患、薬物療法、及び加齢の影響に常に打ち勝てるわけではない。

本発明の主な目的は、特に閉経後の女性における、糖尿病患者における、大量にエネルギー摂取し、運動頻度の低い若い男性などを含む骨減少症患者における、骨量減少を予防し得る乳酸菌株を見出す方法を提供することである。

本発明の一目的は、このような株を含む生成物を、骨量減少を予防するために、閉経後の女性に用いることである。

本発明の一目的は、このような株を含む生成物を、骨量減少を予防するために、子宮摘出を受けた女性に用いることである。

別の一目的は、このような株を含有する生成物を、骨量減少を予防するために、それだけには限定されないが、糖尿病患者、代謝障害を有する若い男性、及び骨減少症の男性を含めた男性に用いることである。

別の一目的は、骨量減少又は骨形成に対する治療の薬物の投与量を低減して副作用を最小にすることができるように、このような生成物を骨量減少又は骨形成に対する治療と組み合わせて用いることである。

別の一目的は骨折後の骨修復を改善することである。

したがって、本発明の第1の態様は、ラクトバチルス・ロイテリ(L reuteri)JCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも95%の同一性を有し、以下の4つの位置:塩基対271 391におけるC、塩基対453 538におけるG、塩基対529 228におけるG、及び塩基対599 338におけるCの少なくとも1つにおいて、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に対して同一のヌクレオチドを保持している乳酸菌株を選択することを含む、骨量減少の予防又は処置に用いるための乳酸菌株を選択するための方法を提供する。

第1の態様による一実施形態において、方法は、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に、少なくとも96%、例えば97%、例えば98%、例えば99%の同一性を有し、以下の4つの位置:塩基対271 391におけるC、塩基対453 538におけるG、塩基対529 228におけるG、及び塩基対599 338におけるCの少なくとも1つにおいて、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に対して同一のヌクレオチドを保持している乳酸菌株を選択することを含む。

本発明の第2の態様は、以下の4つの位置:塩基対271 391におけるC、塩基対453 538におけるG、塩基対529 228におけるG、及び塩基対599 338におけるCの少なくとも1つにおいて、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に対して同一のヌクレオチドを保持しているラクトバチルス・ロイテリを選択することを含む、骨量減少の予防又は処置に用いるための、ラクトバチルス・ロイテリ株などの乳酸菌株を選択するための方法を提供する。

第1の態様又は第2の態様による方法の一実施形態において、乳酸菌株は、前記4つのヌクレオチドのうち少なくとも2つ、例えば、前記4つのヌクレオチドのうち少なくとも3つ、例えば、前記ヌクレオチドの4つ全てを保持している。

本発明の第3の態様は、乳酸菌株が、塩基対271 391におけるCからT、塩基対453 538におけるGからA、塩基対529 228におけるGからA、及び塩基対599 338におけるCからTからなる4つの変異の群から選択される、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に対する少なくとも1つの変異を保持していないという条件で、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも95%の同一性を有する乳酸菌株を選択することを含む、骨量減少の予防又は処置に用いるための乳酸菌株を選択するための方法を提供する。

第3の態様の一実施形態において、方法は、乳酸菌株が、塩基対271 391におけるCからT、塩基対453 538におけるGからA、塩基対529 228におけるGからA、及び塩基対599 338におけるCからTからなる4つの変異の群から選択される、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に対する少なくとも1つの変異を保持していないという条件で、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも96%、例えば97%、例えば98%、例えば99%の同一性を有する乳酸菌株を選択することを含む。

第3の態様による方法の一実施形態において、乳酸菌株は、前記4つの変異のうち少なくとも2つ、例えば、前記4つの変異のうち少なくとも3つ、例えば、前記4つの変異のいずれも保持していない。

本発明の第4の態様は、骨量減少の予防又は処置に用いるための、第1、第2、又は第3の態様による方法にしたがって選択された乳酸菌株を提供する。

第4の態様の一実施形態において、選択された乳酸菌株は、骨量減少の予防又は処置に用いるための、ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475である。この株は、公的に、アメリカ培養細胞系統保存機関(American Type Culture Collection)(10801 Univ.Blvd.,Manassas,Va.)で入手でき、2004年12月21日ブダペスト条約の下に寄託されている。

第5の態様によると、本発明は、骨量減少の予防又は処置に用いるための、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも95%の同一性を有し、以下の4つの位置:塩基対271 391におけるC、塩基対453 538におけるG、塩基対529 228におけるG、及び塩基対599 338におけるCの少なくとも1つにおいて、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に対して同一のヌクレオチドを保持している乳酸菌株を提供する。

第5の態様の一実施形態において、乳酸菌株は、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも96%、例えば97%、例えば98%、例えば99%の同一性を有し、以下の4つの位置:塩基対271 391におけるC、塩基対453 538におけるG、塩基対529 228におけるG、及び塩基対599 338におけるCの少なくとも1つにおいて、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に対して同一のヌクレオチドを保持している。

第5の態様の一実施形態において、乳酸菌株は、前記4つのヌクレオチドのうち少なくとも2つ、例えば、前記4つのヌクレオチドのうち少なくとも3つ、例えば、前記ヌクレオチドの4つ全てを保持している。

第6の態様によると、本発明は、乳酸菌株が、塩基対271 391におけるCからT、塩基対453 538におけるGからA、塩基対529 228におけるGからA、及び塩基対599 338におけるCからTからなる4つの変異の群から選択される、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に対する少なくとも1つの変異を保持していないという条件で、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも95%の同一性を有する乳酸菌株を提供する。

第6の態様の一実施形態において、乳酸菌株は、乳酸菌株が、塩基対271 391におけるCからT、塩基対453 538におけるGからA、塩基対529 228におけるGからA、及び塩基対599 338におけるCからTからなる4つの変異の群から選択される、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に対する少なくとも1つの変異を保持していないという条件で、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも96%、例えば97%、例えば98%、例えば99%の同一性を有する。

第6の態様の一実施形態において、乳酸菌株は、前記4つの変異のうち少なくとも2つ、例えば、前記4つの変異のうち少なくとも3つ、例えば、前記4つの変異のいずれも保持していない。

第5又は第6の態様の本発明の好ましい一実施形態によると、乳酸菌株はラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475である。

本発明の第7の態様は、本発明の第1、第2、又は第3の態様による方法にしたがって選択された乳酸菌株を含む組成物を提供する。

第8の態様によると、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも95%の同一性を有し、以下の4つの位置:塩基対271 391におけるC、塩基対453 538におけるG、塩基対529 228におけるG、及び塩基対599 338におけるCの少なくとも1つにおいて、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に対して同一のヌクレオチドを保持している乳酸菌株を含む組成物を提供する。

第8の態様の一実施形態において、乳酸菌株は、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも96%、例えば97%、例えば98%、例えば99%の同一性を有し、以下の4つの位置:塩基対271 391におけるC、塩基対453 538におけるG、塩基対529 228におけるG、及び塩基対599 338におけるCの少なくとも1つにおいて、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に対して同一のヌクレオチドを保持している。

第8の態様の一実施形態において、乳酸菌株は、前記4つのヌクレオチドのうち少なくとも2つ、例えば、前記4つのヌクレオチドのうち少なくとも3つ、例えば、前記ヌクレオチドの4つ全てを保持している。

第9の態様によると、本発明は、乳酸菌株が、塩基対271 391におけるCからT、塩基対453 538におけるGからA、塩基対529 228におけるGからA、及び塩基対599 338におけるCからTからなる4つの変異の群から選択される、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に対する少なくとも1つの変異を保持していないという条件で、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも95%の同一性を有する乳酸菌株を含む組成物を提供する。

第9の態様の一実施形態において、乳酸菌株は、乳酸菌株が、塩基対271 391におけるCからT、塩基対453 538におけるGからA、塩基対529 228におけるGからA、及び塩基対599 338におけるCからTからなる4つの変異の群から選択される、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に対する少なくとも1つの変異を保持していないという条件で、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも96%、例えば97%、例えば98%、例えば99%の同一性を有する。

第9の態様の一実施形態において、乳酸菌株は、前記4つの変異のうち少なくとも2つ、例えば前記4つの変異のうち少なくとも3つ、例えば、前記4つの変異のいずれも保持していない。

第8又は第9の態様の本発明の好ましい一実施形態において、乳酸菌株は、ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475である。

第8又は第9の態様の一実施形態において、組成物は、骨量減少の予防又は処置に用いるためのものである。

第8又は第9の態様の別の実施形態において、組成物は、閉経期の女性、子宮摘出を受けた女性、糖尿病患者、骨減少性の個体、骨粗鬆症の個体、及び代謝障害を有する個体における骨量減少を予防するのに用いるためのものである。

第8又は第9の態様のさらに別の実施形態において、組成物は、骨折後の骨修復の改善に用いるためのものである。

第8又は第9の態様の一実施形態において、ビタミンDと組み合わせた上記に記載する組成物は、骨量減少の予防又は処置に用いるためのものである。

第8又は第9の態様の別の実施形態において、ホルモン(ホルモン補充療法に用いるための)と組み合わせた上記に記載する組成物は、骨量減少の予防又は処置に用いるためのものである。

第8又は第9の態様の一実施形態において、上記に記載する組成物は、医薬組成物(任意選択により、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む)、又は食品製品若しくは食品サプリメント(当業者には知られている通り、任意選択により、少なくとも1つの食品グレードの賦形剤を含む)である。

第10の態様によると、本発明は、骨量減少の予防又は処置のための医薬組成物を製造するための、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも95%の同一性を有し、以下の4つの位置:塩基対271 391におけるC、塩基対453 538におけるG、塩基対529 228におけるG、及び塩基対599 338におけるCの少なくとも1つにおいて、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に対して同一のヌクレオチドを保持している乳酸菌株の使用を提供する。

第10の態様の一実施形態において、乳酸菌株は、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも96%、例えば97%、例えば98%、例えば99%の同一性を有し、以下の4つの位置:塩基対271 391におけるC、塩基対453 538におけるG、塩基対529 228におけるG、及び塩基対599 338におけるCの少なくとも1つにおいて、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に対して同一のヌクレオチドを保持している。

第10の態様の一実施形態において、乳酸菌株は、前記4つのヌクレオチドのうち少なくとも2つ、例えば、前記4つのヌクレオチドのうち少なくとも3つ、例えば、前記ヌクレオチド4つ全てを保持している。

第11の態様によると、本発明は、乳酸菌株が、塩基対271 391におけるCからT、塩基対453 538におけるGからA、塩基対529 228におけるGからA、及び塩基対599 338におけるCからTからなる4つの変異の群から選択される、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に対する少なくとも1つの変異を保持していないという条件で、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも95%の同一性を有する乳酸菌株の、骨量減少の予防又は処置のための医薬組成物を製造するための使用を提供する。

第11の態様の一実施形態において、乳酸菌株は、乳酸菌株が、塩基対271 391におけるCからT、塩基対453 538におけるGからA、塩基対529 228におけるGからA、及び塩基対599 338におけるCからTからなる4つの変異の群から選択される、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に対する少なくとも1つの変異を保持していないという条件で、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも96%、例えば97%、例えば98%、例えば99%の同一性を有する。

第11の態様の一実施形態において、乳酸菌株は、前記4つの変異のうち少なくとも2つ、例えば、前記4つの変異のうち少なくとも3つ、例えば、前記4つの変異のいずれも保持していない。

第10又は第11の態様の本発明の好ましい一実施形態において、乳酸菌株は、ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475である。

本発明の第12の態様は、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも95%の同一性を有し、以下の4つの位置:塩基対271 391におけるC、塩基対453 538におけるG、塩基対529 228におけるG、及び塩基対599 338におけるCの少なくとも1つにおいて、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に対して同一のヌクレオチドを保持している乳酸菌株を個体に投与することを含む、骨量減少の予防又は処置のための方法を提供する。

第12の態様による方法の一実施形態において、乳酸菌株は、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも96%、例えば97%、例えば98%、例えば99%の同一性を有し、以下の4つの位置:塩基対271 391におけるC、塩基対453 538におけるG、塩基対529 228におけるG、及び塩基対599 338におけるCの少なくとも1つにおいて、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に対して同一のヌクレオチドを保持している。

第12の態様の一実施形態において、乳酸菌株は、前記4つのヌクレオチドのうち少なくとも2つ、例えば、前記4つのヌクレオチドのうち少なくとも3つ、例えば、前記ヌクレオチド4つ全てを保持している。

第13の態様によると、本発明は、乳酸菌株が、塩基対271 391におけるCからT、塩基対453 538におけるGからA、塩基対529 228におけるGからA、及び塩基対599 338におけるCからTからなる4つの変異の群から選択される、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に対する少なくとも1つの変異を保持していないという条件で、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも95%の同一性を有する乳酸菌株を個体に投与することを含む、骨量減少の処置又は予防のための方法を提供する。

第13の態様の一実施形態において、乳酸菌株は、乳酸菌株が、塩基対271 391におけるCからT、塩基対453 538におけるGからA、塩基対529 228におけるGからA、及び塩基対599 338におけるCからTからなる4つの変異の群から選択される、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に対する少なくとも1つの変異を保持していないという条件で、ラクトバチルス・ロイテリJCM1112のゲノム(配列番号1)に少なくとも96%、例えば97%、例えば98%、例えば99%の同一性を有する。

第13の態様の一実施形態において、乳酸菌株は、前記4つの変異のうち少なくとも2つ、例えば前記4つの変異のうち少なくとも3つ、例えば、前記4つの変異のいずれも保持していない。

第12又は第13の態様の本発明の好ましい一実施形態において、乳酸菌株は、ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475である。

空腸及び回腸における微生物群落のクラスター形成を示す図である。

ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475による骨量減少の抑制を示す図である。

様々なラクトバチルス・ロイテリ株における、骨量減少に対する効果を示す図である。

慢性炎症性疾患は、全身性の骨量減少に付随することが頻繁にある。NIH助成金の抄録の助成番号1R21AT005472−01A1において、McCabeは、腸管全体の健康状態を改善する治療法は、骨の健康状態に有益である可能性があることを示唆している。McCabe及びBrittonは、メスマウスではなく健常オスマウスにおいて、ラクトバチルス・ロイテリ処置は回腸におけるTNFレベルを低減し、骨体積を増大したことを見出し、ラクトバチルス・ロイテリは、腸の炎症を抑制し、骨形成を上方制御することにより、性別依存的に骨密度を増大することを示唆している。彼らは、腸の炎症を減弱するプロバイオティクス細菌の使用により、骨質量を増大する新規な方法があることを示唆している。これは、ラクトバチルス・ロイテリの抗炎症の性質に付随する骨量減少の予防ではなく、骨形成の性別依存的な上方制御であり、ある種の特異的に選択された株を用いてオスメス両方において骨量減少を予防する本発明とは異なる。

プロバイオティクスは、ニワトリの皮質骨の厚さを増大し、加齢マウスにおける骨量減少を低減することができる。Narvaらは、「生理活性ペプチドであるバリル−プロリル−プロリン(VPP)、及びラクトバチルス・ヘルベティカス(lactobacillus helveticus)が発酵したVPPを含むミルクの卵巣切除ラットにおける骨量減少に対する効果(Effects of bioactive peptide,valyl−prolyl−proline(VPP),and lactobacillus helveticus fermented milk containing VPP on bone loss in ovariectomized rats.)」において、ラクトバチルス・ヘルベティカスが発酵したミルクは骨量減少を予防し、その効果はペプチドのバリル−プロリル−プロリンによる可能性があると記載した。Narvaらはさらに、「ラクトバチルス・ヘルベティカスが発酵したミルクの、閉経後の女性におけるカルシウム代謝における急性の変化に対する効果(The effect of Lactobacillus helveticus fermented milk on acute changes in calcium metabolism in postmenopausal women)」において、ラクトバチルス・ヘルベティカスでミルクを発酵させるとカルシウム代謝に対してポジティブな急性効果があったと記載した。

Yeoらは、「プレバイオティクスを補った豆乳における、プロバイオティクスによるアンジオテンシンI変換酵素阻害活性及びイソフラボンの生物変換(Angiotensin I−converting enzyme inhibitory activity and bioconversion of isoflavones by probiotics in soymilk supplemented with prebiotics)」において、プレバイオティクスを補った豆乳中に組み入れられたプロバイオティクスを、骨粗鬆症などにおける食事療法として潜在的に用いてもよいことを示唆している。

Kimらは、「ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)393が発酵したミルク生成物の、卵巣切除ラットにおける骨代謝に対する効果(Effects of a Lactobacillus casei 393 fermented milk product on bone metabolism in ovariectomised rats)」において、ラクトバチルス・カゼイ393FMPは、卵巣切除ラットにおける骨量減少に対して予防効果があったことを示した。

しかし、上記に言及した先行技術のどれも、単独で、又は組み合わせて、骨量減少を予防するのに効果的である特異的なプロバイオティクス株を選択することができる方法を教示していない。

本発明は、本明細書において、ヒトにおける骨量減少を予防するのに効果的な乳酸菌株を選択するための方法、及び示された方法にしたがって選択された株を含む。食品、栄養上の添加物、及び製剤、これらの株に由来する全細胞若しくは構成成分を含有する医薬品又は医療機器などの生成物は、当技術分野において知られている通りに調合することができ、知られている摂取可能な補助物に加えて乳酸菌株、又はその派生構成成分を全般的に含む。

先行技術に基づいて、骨量減少を予防する株の能力は、腸の健康に対する全般的な効果又はその抗炎症性の性質に付随すると考えるのが自然であるが、本発明者らは、驚くべきことに、これらの性質は骨量減少の予防に対する効率に対して予測的ではないことを見出した。ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475及びラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 4659は殆ど同一の2株であり、両方とも抗炎症性であり、腸全体の健康状態を改善する。したがって、これらの株は、骨量減少に対しても同じ効果があると想定するのが自然である。しかし、本発明者らは、これらの株は、骨量減少の予防に対して同じ影響があるわけではないことを示し、この観察に基づき、本発明者らは、例えば、骨量減少の処置及び/又は予防に効果的であるラクトバチルス・ロイテリなどの乳酸菌株を選択する新規な方法を発明した。

本明細書に示す方法により特異的に選択された乳酸菌を、骨量減少を予防するためにヒトに投与してもよい。

ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475及びATCC PTA 4659は、4つのSNPが異なっており、これらは骨量減少を予防する細菌の能力にとって重要である。これらのSNPはWalterらにおいて示されており(Walterら、「脊椎動物の消化管における宿主−微生物の共生及びラクトバチルス・ロイテリのパラダイム(Host−microbial symbiosis in the vertebrate gastrointestinal tract and the Lactobacillus reuteri paradigm)」、PNAS、108巻、4645〜4652頁)、これは全文が本明細書に参照により組み入れられる。SNP分析に対して、シークエンシングの結果を基準のゲノム(ラクトバチルス・ロイテリJCM 1112、GenBank受諾番号AP007281、配列番号1)上にマッピングした。ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 4659に7つのSNPが見出され、このうち3つはラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475にも見出された(基準のゲノムであるラクトバチルス・ロイテリJCM 1112、GenBank受諾番号AP007281、配列番号1に関して、bp567 368に位置するSNP4、bp968 088に位置するSNP6、及びbp1 358 460に位置するSNP8)。残りの独特な4つのSNP(本テキストの目的で、本明細書以降それぞれSNP1、SNP2、SNP3、及びSNP5と呼ぶ)は、ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475とラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 4659との間のゲノムの相違を構成する。前記4つのSNPは、以下に位置する: bp 271 391(SNP1)、 bp 453 538(SNP2)、 bp 529 228(SNP3)、及び bp 599 338(SNP5) (基準ゲノムであるラクトバチルス・ロイテリJCM 1112、GenBank受諾番号AP007281、配列番号1に関して)。

SNP1は、保存されている仮定上のタンパク質をコードする遺伝子に位置し(ラクトバチルス・ロイテリJCM 1112:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/protein/183224225)、SNP2は、クロライドチャネルタンパク質をコードする遺伝子に位置し(ラクトバチルス・ロイテリJCM 1112:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/protein/183224386)、SNP3はATP合成酵素ガンマサブユニットをコードする遺伝子に位置し(ラクトバチルス・ロイテリJCM 1112:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/protein/183224455)、SNP5はDNAミスマッチ修復タンパク質HexBをコードする遺伝子に位置する(ラクトバチルス・ロイテリJCM 1112:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/protein/183224511)。本発明に関与するSNPは、ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475に適合するものであり、その配列は、SNP1、SNP2、SNP3、及びSNP5の位置にラクトバチルス・ロイテリJCM1112と同一のヌクレオチドを有する)。以下に列挙するのは、ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475と4659との株間で異なるヌクレオチドである: SNP1)ヌクレオチド267がATCC PTA 4659においてCから(ATCC PTA 6475及びJCM 1112同様)Tに変わっている、仮定上のタンパク質をコードする遺伝子。 SNP2)ヌクレオチド373がATCC PTA 4659においてGから(ATCC PTA 6475及びJCM 1112同様)Aに変わっている、クロライドチャネルタンパク質をコードする遺伝子。 SNP3)ヌクレオチド296がATCC PTA 4659においてGから(ATCC PTA 6475及びJCM 1112同様)Aに変わっている、ATP合成酵素ガンマサブユニットをコードする遺伝子。 SNP5)ヌクレオチド1966がCから(ATCC PTA 6475及びJCM 1112同様)Tに変わっている、HexBタンパク質をコードする遺伝子。

本発明の選択方法において、これらSNPの少なくとも1つにおいて、上記に言及したSNPに対してラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475と同じヌクレオチドを保持している株が探求される。

微生物は骨量減少において重要な役割を果たし、骨量減少に悩む患者の多くは、腸管の微生物叢の障害を有する。GI管における正常の微生物群落を再建することができる乳酸菌は、驚くべきことに、骨量減少の予防においてより効果的である。

本発明は、骨量減少を予防するのに効果的な株を選択する、独特な選択方法を開示する。腸全体の微生物組成を再建する能力は、驚くべきことに、骨量減少を予防する機能にも重要である。本発明者らは、変更された微生物群落を正常に再建し、且つ/又は4つの特異的なSNPのうち少なくとも1つを保持していることができる株は、骨量減少を予防するのに効果的であることを見出した。

骨量減少を予防する能力は、ある株に独特であり、全ての乳酸菌に全く共通しない。効果的な株を選択する場合、抗炎症効果は抗炎症性の特徴に依存しないことを本発明者らは明らかに示しているため、抗炎症能力を選択基準として用いるのは十分ではない。ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475及びラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 4659は両方とも抗炎症性の株であるが、ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475を骨量減少の予防に用いるとはるかに効果的であり、ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 4659は、本発明にしたがって選択されない。本発明にしたがって選択される特異的な乳酸菌株は、全般的に骨量減少を予防するのに用いることができ、以下の実施形態は、本発明の範囲を限定しようとするものではなく、好ましい実施形態を例示しようとするものである。

ビタミンDは骨の健康状態に極めて重大であり、ビタミンDレベルが低い人々は、骨密度又は骨質量が低い。ビタミンDはカルシウムを吸収するのに必要とされるため、十分なビタミンDを得ていない人々は骨量が減少することがある。本発明者らは、変更された微生物叢はビタミンD欠乏症及び骨量減少をまねき、本発明にしたがって選択される乳酸菌を投与すると微生物叢を再建し、それにより腸のビタミンD吸収が増大し、ビタミンDレベルが回復することを認めた。骨量減少を予防するのにさらに効果的な方法/生成物を得るために、ビタミンDを選択された株と組み合わせるのも任意である。

T1D患者は骨量減少などの合併症に悩んでいる。T1Dに罹患している患者は、病状の結果として変更された微生物叢を有する。本発明にしたがって選択される乳酸菌の投与は、微生物叢を再建し、骨量減少を予防する。

若年及び成人期の間に骨密度が高いと、後年、骨粗鬆症などの疾患を予防する助けとなり得る。これは、骨密度が高ければ、骨密度が骨粗鬆症ゾーン内に到達する前に、高度の骨量減少が許容されるという事実による。したがって、本発明の一目的は、本発明にしたがって選択される乳酸菌株を若年者及び成人に投与することにより骨量減少を予防することであり、これにより個体が最大の骨密度を得て、後年、骨粗鬆症が生じるのを予防する助けとなる。本発明にしたがって選択される特異的な乳酸菌は、健常受容者及び骨量減少に悩む受容者において骨量減少を予防する。

選択された乳酸菌の投与は、ホルモン補充療法と組み合わせてもよい。このような組合せにより、ホルモンの量を低減し、それにより癌のリスクを低減するなど、副作用を低減するのが可能となる。

骨量減少を予防するために選択された乳酸菌は、骨粗鬆症を発症する傾向がある、閉経後の女性及び骨減少症の男性に投与するのが好ましく、選択された乳酸菌の投与は骨量減少を予防し、したがって低骨密度及び骨粗鬆症を予防する。

本発明者らは、エストロゲン欠乏により腸の微生物叢が変更し、本発明にしたがって選択される乳酸菌での処置により、それだけには限定されないが、閉経期の女性及び子宮摘出を受けた女性を含む、エストロゲンレベルの低下に悩む人々における微生物叢が再建され、その結果骨量減少が予防されることを認めた。

本発明にしたがって選択される乳酸菌株を、骨折の修復を改善するのにも用いてもよい。

骨量減少を処置するのに用いられる、例えば、ビスホスホナート及びホルモン補充療法などの薬物の副作用を減らすために、選択された乳酸菌の投与と薬物を組み合わせ、それにより投与量を低減することが可能であり、これにより副作用は最少になる。

(例1) ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475がovxマウスにおいて変更された微生物群落を再建する能力の試験 対照(非ovx)、ovx、及びラクトバチルス・ロイテリを摂取させたovxの腸管微生物群落において、著しい変化が存在する。

実験群及び組織採取 卵巣切除(ovx)、及びovxマウスのラクトバチルス・ロイテリ6475処置の効果を測定するために、本発明者らは3つの実験群の動物を比較した。対照のマウスは、1週間に3回、ビヒクル対照の胃管栄養法を与えた非ovxマウスであった。ovxマウスには、ビヒクル対照の胃管栄養法を1週間に3回与えた。ovx+ラクトバチルス・ロイテリ6475は、1週間に3回、4週間、一夜ラクトバチルス・ロイテリ6475 300μlを与えたマウスであった。実験の終わりにマウスを安楽死させ、胃、十二指腸、空腸、回腸、近位及び遠位の結腸から組織試料を単離し、微生物生態学分析に供した。

DNA抽出 マウス腸組織を、バッファーATL(Qiagenカタログ番号19076)360μlを含有するMoBio Ultra Clean Fecal DNA Bead Tubes(カタログ番号12811−100−DBT)中に配置し、Mini−Beadbeater−8(BioSpec Products)上、1分間最高速度で溶解させた。DNAを、Qiagen DNeasy Blood and Tissueキット(カタログ番号69504)を用いてマウス腸組織から抽出した。プロテイナーゼK(Qiagen、カタログ番号19133)40μlを加え、55℃で1時間インキュベートすることにより組織をさらに破壊した。DNAを、Qiagen DNeasy Blood and Tissueキット(カタログ番号69504)を用いて抽出した。DNAの収率を、Nanodrop 1000を用いて定量した。

PCR増幅 細菌の16S配列を、V3−V5バーコード化プライマーセット、及びBroad Institute for the Human Microbiome Projectにより開発された増幅プロトコールを用いて、マウス腸組織からの454シークエンシングに対して増幅した。バーコード化フォワードプライマーは、IDT DNA Technologiesにより合成されたものであり、リバースプライマーはSigmaにより合成されたものであった。バーコード化フォワードプライマーを、96ウエルプレート中、作業濃度4μMに希釈し、各ウエルにリバースプライマーを加えて最終濃度4μMとした。1×Accuprime Buffer II(Invitrogen、カタログ番号12346086)中、マウス腸DNA400μg、4μMプライマー2μl、及びAccuprime HiFi Taqポリメラーゼ0.15μlを含有する体積25μl中三重反復反応を調製した。反応を、Eppendorf Proアルミニウムプレートサーマルサイクラー中、変性95℃2分、その後95℃×20秒、50℃×30秒、72℃×5分を30サイクル増幅した。

増幅生成物の精製 16S増幅生成物を、Ampure Agencourt XPビーズ(Beckman Coulter、カタログ番号A63880)を用いて精製した。最初に、各試料三重反復反応を1.7mlマイクロチューブ中に合わせ、0.7×体積率のAmpure XPビーズを加えた。ボルテックスにかけた後、混合した試料を室温で10分間インキュベートし、次いで、磁気スタンド上に配置してビーズ(Invitrogen、カタログ番号123−21D)を分離した。ビーズを、製造元のプロトコールにしたがって、70%エタノール200μlで2回洗浄した。ビーズを37℃で5分間乾燥させ、DNAを10μM Trisバッファー/0.1μM EDTA20μlで溶出した。溶出液を磁気スタンド上でビーズから分離し、新たな1.7mlマイクロチューブに移し、Quant−It dsDNA高感度アッセイキット(Invitrogen、カタログ番号Q33120)を用いて定量した。次いで、各試料を等量、454シークエンシング用に1本のチューブ中にプールした。

454シークエンシング及び配列分析 Titaniumケミストリを用い、GS Junior(Roche)を用いて454シークエンシングを行った。通過したリードを同定するためにGS Jrが利用した標準のフィルターに加えて、本発明者らは不正確に廃棄された配列の数を低減するために修飾アンプリコンプロセシングアルゴリズム(modified amplicon processing algorithm)を利用した。16S rRNA配列を、MSUのリボゾームデータベースプロジェクト(Ribosomal Database Project)のスタッフにより、大腸菌(E.coli)の16S配列にアラインし、大腸菌の16Sヌクレオチド617位から900位を切り取った。引き続きプロセシング及び分析(多様性測定法(diversity metrics)を含む)を、MOTHUR v.1.21(http://www.mothur.org/wiki/)を用いて行った。ソフトウエアパッケージPASTを用いて、ANOSIM(類似性分析)及び主座標分析を行った。添付の図及び表は、2つ以上の微生物群落間の相違レベルを測定するのにBray−Curtis方法を利用したものである。これらの分析において、本発明者らは、種レベルで群落を見ると考えられている、操作的分類単位(OUT)のカットオフ0.03を選択した。これらのデータから、本発明者らは、卵巣切除したマウスをラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475で処置すると、回腸及び空腸両方の微生物群落における著しい移行を引き起こし、これは骨の健康の改善に相関すると結論付ける。 (表1におけるovx+lacto)

野生型、ovx、及びラクトバチルス・ロイテリで処置したovxの三元(three−way)比較により、微生物群落における著しい移行が示された(表1)。この違いは、ラクトバチルス・ロイテリ処置後の群落における実質的な移行により主に駆り立てられるものである。野生型対照群(三、△)、ovx群(丸、●)、及びラクトバチルス・ロイテリで処置したovx群(四角、■)からの微生物群落の主座標分析を用いて、空腸及び回腸で群落がどのようにクラスター化するかを視覚化した。図1は、ラクトバチルス・ロイテリで処置したovxマウスが、空腸及び回腸の両方で、野生型及びovxの群落と異なる群落のクラスターを形成することを示す。クロストリジア目(Clostridriales)と分類されたOTUのいくつかは、ラクトバチルス・ロイテリ処置したOvxの群落の、他の2群からの分離を駆り立てる主な細菌群である。

(例2) ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 4659がovxマウスにおいて変更された細菌群落を再建する能力の試験 実験は実施例1における通りに行うが、ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475の代わりにラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 4659を用いる。

ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 4659処置は、ovx群落を対照に向けて再建することができない。

(例3) ある種のSNPの同定 ラクトバチルス・ロイテリゲノムのIlluminaシークエンシング この試験で用いたラクトバチルス・ロイテリ株は、MRS培地(Difco)中で増殖させたATCC PTA 4659及び6475であり、ゲノムDNAをQiagen Genomic−Tip Systemを用いて調製した。20分間超音波処理(130W)によりDNAをフラグメント化して平均フラグメントサイズ500bpを得、次いでさらに精製し、QIAquick PCR Purification Spin Columns(Qiagen)で濃縮した。3’オーバーハングを除去し、5’オーバーハングに充填する処置により、平滑末端のゲノムフラグメントを得た。ターミナルトランスフェラーゼにより3’末端にアデニン残基を付加し、得られたフラグメントをSolexaアダプターにライゲーションした。生成物をアガロースゲル電気泳動により分離し、150bpから200bpの間のバンドをゲルから切り取った。DNAフラグメントを、QIAquick Gel Extraction Kit(Qiagen)を用いてアガロースのスライスから抽出した。アダプター修飾されたDNAフラグメントを、Solexaユニバーサルアダプタープライマーを用いて18サイクルのPCRにより濃縮した。DNAフラグメントライブラリーを定量化し、次いで、希釈してクラスター産生用の10nM作業用貯蔵液にした。アダプターをライゲートしたフラグメント(2nM)を0.1M NaOH中で5分間変性させ、次いでさらに希釈して、予め冷却したハイブリダイゼーションバッファー1mL中最終濃度9pMにし、Cluster Stationを用いてSolexaフローセル上に導入した。等温増幅後、0.1M NaOH変性によりクラスターを一本鎖にし、Solexa Cluster Stationによりフローセルにわたって計量した。Solexaアダプターの1つに相補的なシークエンシングプライマーを加えて、各クラスターの一本鎖をプライムした。ハイブリダイズし、過剰のプライマーを洗浄により除去した後、フローセルをシークエンシング用に準備した。Solexa Genome Analyzer IIを、蛍光標識し、3’−OHブロックしたヌクレオチド及びポリメラーゼの最高36回の逐次的なフローをフローセルの表面に供給するようにプログラムし、このようにして固定された36bpリード長を生成した。塩基を組み入れる各ステップの後、フローセルの表面を洗浄して反応物を除去し、次いで、顕微鏡対物レンズにより画像化した。実験によりフローセル1レーンあたり300タイル化した画像(「タイル(tiles)」)を収集し、各々が平均30000個のクラスターを含有していた。

SNP分析 2レーンのシークエンシング結果を、基準ゲノムのラクトバチルス・ロイテリJCM1112T(GenBank受諾番号AP007281)上に別々にマッピングした。マッピングソフトウエアMaqバージョン0.6.6(http://maq.sourceforge.net/maq−man.shtml)を用いてマッピングを行った(デフォルトパラメータ)。SNPを同定し、MAQソフトウエアにより検証し、コードSNPと遺伝子間(intergenetic)SNPとに分類した。コードSNPを同義及び非同義と同定した。SNPを、周囲領域をPCR増幅し、その後Sanger配列決定により最終的に検証した。

(例4) 株の選択方法 骨量減少を予防するのに効果的な株の選択は、変更された微生物群落を回復する能力に基づく。実施例1及び2の結果に基づき、ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475が、この株が変更された微生物群落を回復する能力を有するという事実に基づき選択される。ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 4659は実施例2の結果に基づき選択されない。

(例5) 株の選択方法 骨量減少を予防するのに効果的な株の選択は、ある種のSNPの存在に基づく。実施例3の結果の成り行きとして、ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475は、探し求められるSNP4つ全てを保持しているため選択される。ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 4659にはこれらのSNPがないため選択されない。

(例6) 株の選択方法 骨量減少を予防するのに効果的な株の選択は実施例3、及び4、及び5に基づき、探し求められる4つのSNPSのうち少なくとも1つ、及び変更された微生物群落を回復する能力を保持している株が選択される。これらの選択基準に基づき、ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475が選択される。

(例7) ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475はovx誘導性骨量減少を抑制する この試験において、卵巣切除した(ovx)BALB/cマウスを、骨量減少に対するマウスモデルとして用いた。マウス(12週齢)を卵巣切除し、2群に分け、第1群を4週間の間、1週間に3回ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475で処置した。卵巣切除しなかったBALB/cを対照群として用いた。大腿部遠位骨体積率(BV/TV)及び骨TRAP5 RNA(HPRTに対して)を測定した。ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475で処置したマウスは、対照群と同じ骨体積率を示した。さらに、ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475処置するとTRAP5(破骨細胞機能のマーカー)がベースライン(対照群)に戻ることが認められた。

図2は、ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475による骨量減少の抑制はほぼ100%であり、TRAP5の発現はベースラインに戻ることを示すものである。

(例8) 選択されたラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475は非選択のラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 4659よりも骨量減少を抑制する上で優れている この実験では、本発明者らは、ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475及びラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 4659株で1週間に3回、動物に胃管栄養法を行う一方、飲料に入った株を28日間継続的に与えた。大腿部位骨体積率(BV/TV)をμCTにより測定した。ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475は骨量減少を抑制し、対照マウスと識別不能であった(図3)。ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 4659は骨量減少を、統計学的有意差に至る十分なレベルに抑制しなかった(p<.01)。ラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 4659は、選択された株であるラクトバチルス・ロイテリATCC PTA 6475ほど効果的ではない。

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