新規乳発酵物及びその利用 |
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申请号 | JP2009552232 | 申请日 | 2009-06-08 | 公开(公告)号 | JPWO2009151020A1 | 公开(公告)日 | 2011-11-17 |
申请人 | 株式会社フィス; | 发明人 | 義江 薮本; 義江 薮本; 谷 久典; 久典 谷; 和人 鈴木; 和人 鈴木; 鐵美 薮本; 鐵美 薮本; 百合子 吉田; 百合子 吉田; | ||||
摘要 | 健康増進のために有用な乳発酵物を提供する。(1)ラクトバチルスケフィリ(Lactobacillus kefiri)と、(2)カザツタニアツリセンシス(Kazachstania turicensis)、カザツタニアユニスポラ(Kazachstania unispora)、及びクリュイベロミセスマルシアヌス(Kluyveromyces marxianus)からなる群から選ばれた少なくとも1種とを含む複合 微 生物 群で乳原料を発酵して乳発酵物を得る。好ましくは、ラクトバチルスケフィリP-IF菌株、ラクトバチルスケフィリP-B1菌株、カザツタニアツリセンシスP-Y3菌株、カザツタニアユニスポラP-Y4菌株、及びクリュイベロミセスマルシアヌスP-Y5菌株を少なくとも含む複合微生物群で乳原料を発酵して乳発酵物を得る。 | ||||||
权利要求 | 乳原料を、(1)ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)と、(2)カザツタニア ツリセンシス(Kazachstania turicensis)、カザツタニア ユニスポラ(Kazachstania unispora)、及びクリュイベロミセス マルシアヌス(Kluyveromyces marxianus)からなる群から選ばれた少なくとも1種とを含む複合微生物群で発酵して得られることを特徴とする乳発酵物。 前記ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)が、ラクトバチルス ケフィリP-IF(Lactobacillus kefiri P-IF)(受託番号FERM BP-10896)である請求項1記載の乳発酵物。 乳原料を、ラクトバチルス ケフィリP-IF(Lactobacillus kefiri P-IF)(受託番号FERM BP-10896)、ラクトバチルス ケフィリP-B1(Lactobacillus kefiri P-B1)(受託番号FERM BP-11115)、カザツタニア ツリセンシスP-Y3(Kazachstania turicensis P-Y3)(受託番号FERM BP-11116)、カザツタニア ユニスポラP-Y4(Kazachstania unispora P-Y4)(受託番号FERM BP-11117)、及びクリュイベロミセス マルシアヌスP-Y5(Kluyveromyces marxianus P-Y5)(受託番号FERM BP-11118)を少なくとも含む複合微生物群で発酵して得られる請求項1又は2記載の乳発酵物。 請求項1〜3記載の乳発酵物を有効成分として含有する抗菌剤。 請求項1〜3記載の乳発酵物を有効成分として含有する腸内環境改善剤。 請求項1〜3記載の乳発酵物を含有する飲食品。 |
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说明书全文 | 本発明は、乳原料を乳酸菌及び酵母菌を含む複合微生物群で発酵して得られる乳発酵物、その乳発酵物を有効成分として含有する抗菌剤、及びその乳発酵物を含有する飲食品に関するものである。 乳酸菌発酵産物であるヨーグルトなどには、バクテリオリオシンなどの抗菌物質が含まれていることが知られている。 そして、その抗菌性により、腸内環境に悪い影響を与える腸内細菌の成長を抑制し、腸内環境に良い影響を与える腸内細菌の成長を促すものと考えられている。 乳酸菌による腸内細菌に対する抗菌性については、下記特許文献1に、大腸菌(E. coli)O157:H7および他の病原菌の発生率および増殖を抑制するために、ラクトバチルス ケフィリ等の乳酸生成バクテリアを、動物に投与することが記載されている。 しかし、上記特許文献1に記載の技術は、反芻動物の腸内病原菌の発生を抑えるための技術であり、必ずしもヒトの腸内環境改善等の健康増進に資するための技術ではなかった。 したがって、本発明の目的は、ヒトの腸内環境に悪い影響を与える腸内細菌に対する高い抗菌性を有し、腸内環境改善等の健康増進に有用な乳発酵物を提供することにある。 本発明は下記のとおりである。 本発明の乳発酵物によれば、腸内環境に悪い影響を与える腸内細菌の成長を抑制することができる。 したがって、これを経口的に摂取することで、腸内環境改善等の健康増進を図ることができる。 また、本発明の抗菌剤によれば、その抗菌活性により、腸内環境に悪い影響を与える腸内細菌の成長を抑制し、腸内環境に良い影響を与える腸内細菌の成長を促すことができる。 また、本発明の飲食品によれば、腸内環境改善等の健康増進に資する飲食品を提供することができる。 本発明において用いられる微生物は、乳酸菌であるラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)、酵母菌であるカザツタニア ツリセンシス(Kazachstania turicensis)、酵母菌であるカザツタニア ユニスポラ(Kazachstania unispora)、及び酵母菌であるクリュイベロミセス マルシアヌス(Kluyveromyces marxianus)であり、好ましくは、ラクトバチルス ケフィリP-IF(Lactobacillus kefiri P-IF)(受託番号:FERM BP-10896、寄託機関:独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6) (以下、これを「P-IF菌」ともいう。)と、ラクトバチルス ケフィリP-B1(Lactobacillus kefiri P-B1)(受託番号FERM BP-11115、寄託機関:独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)(以下� ��これを「P-B1菌」ともいう。)と、カザツタニア ツリセンシスP-Y3(Kazachstania turicensis P-Y3)(受託番号FERM BP-11116、寄託機関:独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)(以下、これを「P-Y3菌」ともいう。)と、カザツタニア ユニスポラP-Y4(Kazachstania unispora P-Y4)(受託番号FERM BP-11117、寄託機関:独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)(以下、これを「P- Y4菌」ともいう。)と、及びクリュイベロミセス マルシアヌスP-Y5(Kluyveromyces marxianus P-Y5)(受託番号FERM BP-11118、寄託機関:独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター 茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)(以下、これを「P-Y5菌」ともいう。)であ� �。 菌株「P-IF菌」、「P-B1菌」、「P-Y3菌」、「P-Y4菌」、及び「P-Y5菌」は、寒天培地上でシングルコロニーを釣菌することで、それぞれを単離し、菌種を同定するために遺伝子配列解析を行った。 具体的には、菌株「P-IF菌」及び「P-B1菌」については、ゲノムDNA上のリボゾームRNA遺伝子16SrDNA領域の塩基配列を決定し、相同解析を行った。 また、菌株「P-Y3菌」、「P-Y4菌」、及び「P-Y5菌」については、ゲノムDNA上のリボゾームRNA遺伝子26SrDNA−D1/D2領域の塩基配列を決定し、相同解析を行った。 その結果、「P-IF菌」はラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)の配列に99.6%の相同性を示したことから、「P-IF菌」はラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)に属すると推定された。 同様に、「P-B1菌」はラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)の配列に99.6%の相同性を示したことから、「P-B1菌」はラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)に属すると推定された。 また、「P-Y3菌」はカザツタニア ツリセンシス(Kazachstania turicensis)の配列に100%の相同性を示したことから、「P-Y3菌」はカザツタニア ツリセンシス(Kazachstania turicensis)に属すると推定された。 また、「P-Y4菌」はカザツタニア ユニスポラ(Kazachstania unispora)の配列に100%の相同性を示したことから、「P- Y4菌」はカザツタニア ユニスポラ(Kazachstania unispora)に属すると推定された。 そして、「P-Y5菌」はクリュイベロミセス マルシアヌス(Kluyveromyces marxianus)の配列に100%の相同性を示したことから、「P-Y5菌」はクリュイベロミセス マルシアヌス(Kluyveromyces marxianus)に属すると推定された。 以下には、「P-IF菌」の菌学的性質について更に詳細に説明する。 表1には、「P-IF菌」の菌学的性質を示す。 また、表2には、「P-IF菌」の資化特性を示す。 上述したように「P-IF菌」の16S rDNA の塩基配列を決定し、微生物の16S rDNA 塩基配列のデータベースを利用して相同解析したところ、ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)の配列に99.6%の相同性を示したことから、「P-IF菌」はラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)に属すると推定された。 また、上記菌学的性質や資化特性もラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)の特性と一致していた。 ただし、ガラクトース資化性を有する点においては、従来のラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)とは異なっていた。 また、試験管で液体培養すると、その試験管に少しの振動を与えるただけで、シャンパンのように炭酸ガスが発生した。 これも、従来のラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)には見られない特徴であった。 更に、図1に示すように、電子顕微鏡下に観察すると、通常では縦に平面的に分裂して伸びていくのに対して、「P-IF菌」では、他の菌と接着して3次元的に組み合っているという特徴を有していた。 このことは、菌体表面の糖鎖などの構造が異なることを示唆していた。 また、「P-IF菌」はMRS液体培地における発酵過程においてpH4.3の低いpHに達し、生育を続けることが明らかとなっており、このことから胃酸に耐性をもち、腸管まで生きたまま達する可能性が示唆された。 以上から、「P-IF菌」は、ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)に属する微生物であるが、形態的に独特の特徴を有する新菌株であることが明らかであった。 なお、「P-B1菌」、「P-Y3菌」、「P-Y4菌」、及び「P-Y5菌」の菌学的性質については、それぞれ同種の微生物と同様の菌学的性質を有していた。 単離された「P-IF菌」、「P-B1菌」、「P-Y3菌」、「P-Y4菌」、及び「P-Y5菌」はいずれも、公知の方法に準じて培養を行うことができ、例えば、乳酸菌である「P-IF菌」及び「P-B1菌」の場合には、市販のMRS培地「Lactobacilli MRS Broth」(商品名、Difco社製品)用いて、嫌気静置培養することができる。 また、酵母菌である「P-Y3菌」、「P-Y4菌」、及び「P-Y5菌」の場合には、例えば、市販のYM培地「グルコース1%、ペプトン0.5%、麦芽エキス0.3%、酵母エキス0.3%、寒天2%」(Difco社製品)用いて、嫌気静置培養することができる。 本発明の乳発酵物は、乳原料を、(1)ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)と、(2)カザツタニア ツリセンシス(Kazachstania turicensis)、カザツタニア ユニスポラ(Kazachstania unispora)、及びクリュイベロミセス マルシアヌス(Kluyveromyces marxianus)からなる群から選ばれた少なくとも1種とを含む複合微生物群で発酵して得られる。 前記ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)としては、好ましくはラクトバチルス ケフィリP-IF(Lactobacillus kefiri P-IF)(受託番号FERM BP-10896)を用いる。 また、更に好ましくは、乳原料を、ラクトバチルス ケフィリP-IF(Lactobacillus kefiri P-IF)(受託番号FERM BP-10896)、ラクトバチルス ケフィリP-B1(Lactobacillus kefiri P-B1)(受託番号FERM BP-11115)、カザツタニア ツリセンシスP-Y3(Kazachstania turicensis P-Y3)(受託番号FERM BP-11116)、カザツタニア ユニスポラP-Y4(Kazachstania unispora P-Y4)(受託番号FERM BP-11117)、及びクリュイベロミセス マルシアヌスP-Y5(Kluyveromyces marxianus P-Y5)(受託番号FERM BP-11118) を少なくとも含む複合微生物群で発酵して得られる。 乳原料としては、例えば、牛乳、乳清、発酵乳、乳酸菌飲料、脱脂乳、脱脂粉乳、調製粉乳、全脂粉乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、練乳、脱脂練乳、加糖練乳、加糖脱脂練乳等が挙げられる。 本発明において、乳原料の発酵は、例えば、上記複合微生物群からなるスターターが接種された乳原料を、公知の発酵・培養条件に曝すことにより行うことができるが、好ましくは、まず24〜26℃、20〜28時間の発酵で、次いで20〜22℃、20〜28時間、それ以降10〜12℃に温度を低下させ42〜54時間の熟成を行う方法である。 あるいは、別の培養方法としては、初発の培養を24〜26℃で開始した後、20〜28時間の中で直線的に20〜22℃までその培養温度を低下させる。 次に20〜22℃、20〜28時間追発酵を行った後、10〜12℃で42〜54時間保持して熟成させる方法がある。 これによれば、上記複合微生物群に含まれる各々の微生物が共生的に培養されて有効成分を産生し易くなる。 本発明においては、上記のようにして発酵が進んだ乳発酵物をそのまま殺菌処理しないで用いることもでき、殺菌処理して用いることもできる。 もしくは、上記のようにして発酵が進んだ乳発酵物から遠心分離やろ過等によって菌体部分を分離除去した溶液部分を、本発明の乳発酵物とすることもできる。 あるいは、その他の乳発酵物としての態様が制限されるものではない。 本発明の乳発酵物を経口的に摂取する場合、その1日当りの摂取量に特に制限はないが、固形分換算で0.01(mg/kg体重)〜10(g/kg体重)であることが好ましく、0.05(mg/kg体重)〜1(g/kg体重)であることがより好ましい。 本発明の乳発酵物は、医薬品、健康食品、加工食品等の各種分野で用いることができる。 そして、製剤的形態に特に制限はなく、適宜公知の方法で、液剤、シロップ剤、ゼリー剤、カプセル剤、散剤、錠剤、顆粒剤、トローチ剤等に製剤して使用することができる。 また、本発明の乳発酵物は、各種飲食品に配合して用いることもできる。 本発明の乳発酵物は、後述の実施例で示す、その抗菌作用により、抗菌剤の有効成分として有用である。 また、特に、腸内細菌の嫌気性菌叢であり悪玉菌と言われているクロストリジウム属微生物等に対して強い抗菌効果を示すことから、腸内環境改善剤の有効成分として有用である。 以下に例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの例は本発明の範囲を限定するものではない。 (製造例1)<乳発酵物の調製> (実施例1)<抗菌活性試験> 得られたn-ブタノール抽出−低分子画分の凍結乾燥物を10mg/mlになるように脱イオン水に溶解させ、1/10Nの乳酸にてpHを4.5に調整し、ADVANTEC社製ペーパーディスク(8mm)に25μ1又は50μ1吸収させた。 一方、ヒト糞便の一部を滅菌生理的食塩水で希釈しGAMブイヨン(日水製薬社製)を用いて、簡易嫌気培養ジャー「アネロパックケンキ」(商品名、三菱ガス化学社製)にて嫌気培養した。 24時間後、GAMブイヨンより少量をシャーレにとり、プレートカウントアガー培地(Merck社製)を加えて混釈する混釈法によりプレートを作成した。 ヒト糞便からの菌を含む寒天平板培地に、各被検試料を吸収させたペーパーディスクをのせ、35℃、24時間培養を行い阻止円を観察した。 その結果を下記表3に示す。 (比較例1) (比較例2) (比較例3) 表3に示すように、本発明の乳発酵物には強い抗菌活性が認められた(実施例1)。 一方、対照として用いられた市販の醗酵乳製品では、阻止円の形成がみられず、抗菌活性は認められなかった(比較例1〜3)。 なお、結果には示さないが、「P-IF菌」をMRS液体培地に植菌して、25℃で48〜72時間、10 10 〜10 11 cfu/mlに至るまで増菌させた後、その一部を脱脂乳培地(イオン交換水90質量部に脱脂粉乳を10質量部を添加、混合し、121℃/15分で滅菌して調製した培地)の3mlに植菌して、25℃、5日間嫌気静置培養し発酵させて得られた培養物にも、若干の抗菌活性が認められた。 したがって、「P-IF菌」による乳原料の発酵が、上記抗菌活性の発現のための主要な要因となっていると考えられた。 今回試験に用いたヒト糞便由来の菌は腸内細菌の嫌気性菌叢であり、悪玉菌と言われているクロストリジウム属微生物が含まれている。 本発明の乳発酵物はこれらの菌叢に対して強い抗菌効果を示したことから、より優れた腸内環境改善作用を有するものと考えられた。 (1)受託番号FERM BP-10896:ラクトバチルス ケフィリP-IF(Lactobacillus kefiri P-IF) 本発明は下記のとおりである。 本発明の乳発酵物は、乳原料を、(1)ラクトバチルス ケフィリP-IF (Lactobacillus kefiri P-IF ) (受託番号FERM BP-10896)と、(2)カザツタニア ツリセンシス(Kazachstania turicensis)、カザツタニア ユニスポラ(Kazachstania unispora)、及びクリュイベロミセス マルシアヌス(Kluyveromyces marxianus)からなる群から選ばれた少なくとも1種とを含む複合微生物群で発酵して得られる。 |