新規ラクトバチルス株及びその使用

申请号 JP2015562132 申请日 2014-03-12 公开(公告)号 JP2016510985A 公开(公告)日 2016-04-14
申请人 オルガノバランス ゲーエムベーハー; オルガノバランス ゲーエムベーハー; 发明人 ゲリング,デトレフ; ハイルマン,アンドレアス; ラング,クリスティーネ;
摘要 本発明は、新規ラクトバチルス株、並びに、特に食品、動物飼料、医薬組成物及び/又は化粧品組成物を保存するためのその使用に関する。【選択図】なし
权利要求

食品添加物としての使用のための乳酸菌又はその断片であって、前記乳酸菌がヘテロ乳酸性のものであり、かつ、前記乳酸菌が少なくとも1つの真菌生物の増殖を阻害する、乳酸菌又はその断片。以下: a)基質を準備することと、 b)調査対象の乳酸菌を含む調製物を準備することと、 c)前記乳酸菌を含む前記調製物を前記基質に添加し、任意にその後に発酵工程を行うことと、 d)予め定めた数の真菌胞子を工程c)の生成物に添加することと、 e)工程d)において得た試験サンプルの、予め定めた期間、予め定めた温度でのインキュベーションと、 f)検出し、任意にその後に真菌増殖の評価を行うことと、 g)少なくとも1つの乳酸菌の単離と、 を含むプロセスによって調製される、単離された乳酸菌又はその断片。前記乳酸菌が乳酸菌生菌である、請求項1又は2に記載の乳酸菌。ラクトバチルスがラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・ヒルガルディー、ラクトバチルス・プランタルム又はラクトバチルス・フルクティボランスである、請求項1〜3のいずれか一に記載の乳酸菌又はその断片。DSM22721として提出された、請求項1〜4のいずれか一に記載の乳酸菌又はその断片、その突然変異体及び/又は誘導体であって、該突然変異体又は誘導体が、真菌生物の増殖を阻害する能を保持するものである、請求項1〜4のいずれか一に記載の乳酸菌又はその断片、その突然変異体及び/又は誘導体。前記真菌生物が、ペニシリウム属若しくはペニシリウム・コンミュネ又はペニシリウム・ロックフォルティ、アスペルギルス属及びアルテルナリア属若しくはアルテルナリア・アルテルナータ、ペニシリウム・エキスパンサム、ペニシリウム・シトリナム、ペニシリウム・ジギタタム、ペニシリウム・イタリクム、スコプラリオプシス・ブレビアカウリス、アスペルギルス・フラブス、アスペルギルス・パラジチカス、ボトリチス・シネレア、リゾプス属の種、ムコール属の種、ユーロチウム・ヘルバリオラム、ゲオトリクム・カンジドゥム、クラドスポリウム・ヘルバルム、フザリウム・サンシナム、フィトフォラ・インフェスタンス及びスクレロチニア・スセロチオラムを含む群から選択される、請求項1〜5のいずれか一に記載の乳酸菌又はその断片。食品組成物、動物飼料、又は医薬組成物若しくは化粧品組成物の生産のための、請求項1〜6のいずれか一に記載の乳酸菌又はその断片の使用であって、前記乳酸菌若しくは乳酸菌生菌、又はその断片が、食品、動物飼料、又は医薬組成物若しくは化粧品組成物に添加される、使用。食糧と、請求項1〜6のいずれか一に記載の乳酸菌又はその断片とを含む、食品組成物。請求項8に記載の食品組成物、動物飼料、医薬組成物又は化粧品組成物であって、前記食品組成物、動物飼料、前記医薬組成物又は化粧品組成物が、102〜1015の若しくは106若しくは108〜1012の若しくは108〜1010の乳酸菌細胞又はその断片を含有する、食品組成物、動物飼料、医薬組成物又は化粧品組成物。前記乳酸菌が0.0001 %〜0.01 %若しくは0.001%の濃度で存在する、請求項8又は9に記載の食品組成物。前記食品組成物が、肉製品若しくは乳製品、又は、ヨーグルト、ミルク、チーズ、クリーム、及び/又はカッテージチーズである、請求項8〜10のいずれか一に記載の食品組成物。食糧、動物飼料、又は医薬組成物若しくは化粧品組成物を保存する方法であって、請求項1〜6のいずれか一に記載の乳酸菌が、前記食糧、動物飼料、化粧品組成物又は医薬組成物に添加される、食糧、動物飼料、又は医薬組成物若しくは化粧品組成物を保存する方法。食品、動物飼料、又は医薬組成物若しくは化粧品組成物100 gあたり、102〜1015の、若しくは106若しくは108〜1012の、若しくは108〜1010の乳酸菌細胞又はその断片が添加される、請求項12に記載の方法。前記乳酸菌が0.0001 %〜0.01 %、若しくは0.001%の濃度で添加される、請求項12又は13に記載の方法。以下: h)基質を準備することと、 i)調査対象の乳酸菌を含む調製物を準備することと、 j)前記乳酸菌を含む前記調製物を前記基質に添加し、任意にその後に発酵工程を行うことと、 k)予め定めた数の真菌胞子を工程j)の生成物に添加することと、 l)工程k)において得た試験サンプルの、予め定めた期間、予め定めた温度でのインキュベーションと、 m)検出し、任意にその後に真菌増殖の評価を行うことと、 を含む、請求項1〜6のいずれか一に記載の乳酸菌を同定する方法。

说明书全文

本発明は、新規ラクトバチルス株、並びに、特に食品、動物飼料、医薬組成物及び/又は化粧品組成物を保存するためのその使用に関する。

食品及び動物飼料は、それらの栄養組成のために、生物にとって良好な基質である。同様の考察が、医薬組成物及び化粧品組成物にしばしば含有されるガレヌス物質又は担体及び補助剤のために、医薬組成物及び化粧品組成物に当てはまる。これらの微生物の多く、特に真菌は、食品及び動物飼料の腐敗のみならず、医薬組成物又は化粧品組成物の腐敗のもっとも頻繁な理由の1つである。特に微生物によって形成される毒性かつ発癌性の真菌毒は、特に重大な意味を持ち、かかる真菌毒は、ヒトの健康にとって危険である。この影響に加えて、食品の腐敗は、毎年莫大な経済的影響を有する。微生物による腐敗によって、毎年およそ5 %〜10 %の食品が破壊されていると考えられている。

例えば、食品及び動物飼料の腐敗を避けるために、それら食品及び動物飼料は、加工、又は化学的若しくは生物学的保存剤の添加によって、より耐久性のあるものとされている。多くの消費者が化学的保存剤を避けようと努めているため、生物学的保存剤に対する要求が特に増加している。

これらの生物学的保存剤は、例えば、乳酸菌に属する。これらの細菌は通常人間に対して無害であり、食品の保存において歴史的に何世紀も使用されてきた。それらの安全性及び無害さは、アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)からそれらのいわゆるGRASステータス(Generally Recognized As Safe)により表される。さらに、多くの食品において、乳酸菌は既に自然に生じている。

バイオプリザベーションの機構は、競合的増殖又は拮抗性かつ抗菌性の代謝産物の生合成のいずれかによってもたらされる可能性がある。主に、乳酸菌の保存効果は、乳酸等の有機酸の生成に起因する。そのため、pH値が低下し、低下したpH値によって、多くの微生物の増殖が阻害される。

乳酸に加えて、酢酸、過酸化素、ジアセチル、ロイテリン(reuterin)並びに食品及び動物飼料の保存のために重要ないわゆるバクテリオシン等の一連のその他の代謝産物が存在する。

これらの代謝産物のなかには、細菌及び真菌の増殖を阻害する、乳酸及びロイテリン等の代謝産物もあり、細菌の増殖をもっぱら阻害する、バクテリオシン等のその他の物質もあり、また更に、真菌に対してのみ作用するその他の物質もある。乳酸菌の抗真菌活性に関する研究において、多数の阻害性物質を同定することができた:カプロン酸、プロピオン酸、酪酸、酢酸、ギ酸及び吉草酸(非特許文献1)、メチルヒダントイン及びメバロノラクトン(非特許文献2)、様々なヒドロキシ脂肪酸(非特許文献3)、3-フェニル乳酸(非特許文献4)、並びにジケトピペラジン(非特許文献2、上記を参照されたい)。しかし、抗真菌活性を有するなんらかのタンパク質を構成する(proteinogenic)成分は同定することができなかった(非特許文献5)。

代謝産物の多くが乳酸菌の細胞増殖に伴って形成される一方、代謝産物のなかには、誘導の後にのみ生成するものがあることが知られている。この機構は一般的に、自己誘導又は「クオラムセンシング」と称される。この効果は、カルノバクテリウム・ピスシコラ(Carnobacterium piscicola)(非特許文献6)、ラクトバチルス・サケイ(Lactobacillus sakei)(非特許文献7)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)(非特許文献8)及びエンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)(非特許文献9)等のいくつかのバクテリオシンについて既に知られている。

しかしながら、バークホルデリア属(Burkholderia)及びシュードモナス属(Pseudomonas)の種の細菌は、GRASステータスを有しておらず、それゆえ食品又は動物飼料における使用には適していない。

PatraFalguniら(非特許文献10)は、食品における有効なバイオプリザバティブ(bio preservative)及び非スターター乳酸菌(non starter LAB)として使用可能な、広い抗真菌スペクトルを有するラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)株を開示している。この株の主な制限は、この株は抗真菌物質を産生するためには栄養分に富む培地を必要とするということである。例えば、抗真菌物質の産生は、脱脂乳中では微々たるものであった。それゆえ、このラクトバチルス・ブレビス株は、乳製品における食品添加物としての使用には適していない。

特許文献1は、チーズコーティング中のペニシリウム属(Penicillium)及びアスペルギルス属(Aspergillus)に対する、ラクトバチルス・プランタルム株の生菌の抗真菌効果を開示している。それゆえこの抗真菌効果は好気条件下で起こっていた。嫌気条件下での抗真菌効果は示されなかった。しかし乳製品中の食品添加物としての使用のためには、抗真菌効果が好気条件下及び嫌気条件下で存在することが重要である。

この背景を考えると、抗真菌代謝産物を形成し、真菌の増殖を阻害し、したがって現行の技術水準の制限及び不利益がない、保存剤として適している、GRAS認可微生物を提供することが望ましいであろう。

欧州特許出願公開第2543246号

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それゆえ本発明の技術的課題は、真菌の増殖を阻害し、食品、動物飼料、医薬組成物及び/又は化粧品組成物において使用するのに適した微生物を提供することである。

本発明の基礎及び好ましい実施の形態 この課題は独立請求項の特徴によって解決される。本発明の好ましい実施の形態は従属請求項によって提供される。

この技術的課題を達成するために、本発明は、食品添加物としての使用のための乳酸菌の群に属する微生物又はその断片を教示し、この乳酸菌はヘテロ乳酸性(heterolactic)のものであり、かつこの乳酸菌は少なくとも1つの真菌生物(fungal organism)の増殖を阻害するものである。

乳酸菌は、分類学的観点から、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)及びラクトコッカス属(Lactococcus)の細区分へと分けられる。本発明の微生物はラクトバチルス種であることが好ましい。乳酸菌群のメンバーは、通常ポルフィリン及びチトクロームを欠いており、電子伝達リン酸化を行わず、したがってエネルギーを基質レベルのリン酸化によってのみ得る。即ち、乳酸菌においてATPは炭水化物の発酵を介して合成される。すべての乳酸菌は嫌気的に生育するが、多くの嫌気性菌とは異なり、ほとんどの乳酸菌は酸素に感受性ではなく、したがって酸素の存在下及び酸素の非存在下において生育することができる。したがって、本発明の細菌は、ラクトバチルス属に属する耐気性嫌気性乳酸菌であるのが好ましい。

嫌気条件下で生育する能は、現行の技術水準において知られている株と比較して主要な利点である。それゆえ、このたび、乳製品のコーティング中のみならず、ミルク、ヨーグルト又はカッテージチーズといった製品自体の中においても、本発明の乳酸菌を食品添加物として使用することが可能となる。

本発明の乳酸菌は、その抗真菌活性を発揮するために、いかなる特別な栄養培地も必要としない。実験により、本発明の乳酸菌はまた、脱脂乳中で少なくとも1つの真菌生物の増殖を阻害することもできることが示された。それゆえ本発明の乳酸菌は、食品添加物としての使用に不利益と考えられる追加的な栄養分をなんら添加することなく、様々な種類の乳製品において使用することができる。この事実により、本発明の微生物は、従来技術、特に非特許文献10において知られている微生物と比較して優れている。

本発明の乳酸菌の群に属する微生物は、細長い桿菌から短く曲がった桿菌まで様々である桿状であるのが好ましく、不動及び/又は胞子無形成のものであるのが更に好ましい。本発明の乳酸菌は、分離しているか、又は対になっているのが好ましい。本発明の乳酸菌は、発酵代謝の主要な生成物又は唯一の生成物として、乳酸を産生するものであるのが好ましい。本発明の乳酸菌は、グルコースからペントースリン酸経路を介して、少なくとも50 %の量の、乳酸、好ましくは乳酸のDL-異性体を産生するのが好ましい。本発明の乳酸菌はまた、二酸化炭素及びエタノールを産生することもできる。本乳酸菌は15℃又は45℃の温度で可変性の増殖を示すのが好ましい。本乳酸菌は、その細胞壁においてグリセロールタイコ酸を有するのが更に好ましい。

上記の特徴に基づくと、本発明の乳酸菌はラクトバチルス属に属するとして分類することができる。古典的な分類学を使用することにより、例えば、"Bergey's Manual of Systematic Bacteriology" (Williams &Wilkins Co., 1984)における関連する記載を参照することにより、本発明の乳酸菌は、ラクトバチルス属に属すると決定することができる。代替的に、本発明の乳酸菌は、当該技術分野において知られている方法によって、例えば、本発明の乳酸菌の代謝フィンガープリント、即ち、本発明の微生物(複数の場合もあり)の糖を代謝する能力の比較可能な全体像によって、又は、例えば、Schleifer et al., System. Appl. Microb., 18 (1995), 461-467若しくはLudwig et al., System. Appl. Microb., 15 (1992), 487-501に記載されているその他の方法によって、ラクトバチルス属に属すると分類することができる。本発明の微生物は、ラクトバチルス属に属する微生物について、典型的であり、かつ当該技術分野において知られている糖源を代謝することができる。しかしながら、好ましい実施の形態では、本発明の乳酸菌は、下記のものからなる群から選択される代謝フィンガープリントを有する: (i)乳酸菌がD-ラクトースを代謝するが、L-ソルボース及び/又はD-サッカロース及び/又はD-イヌリンを代謝しない、 (ii)乳酸菌がイヌリンを代謝する、 (iii)乳酸菌がL-ソルボースを代謝するが、D-ラクトース及び/又はD-サッカロース及び/又はイヌリンを代謝しない、並びに、 (iv)乳酸菌がL-ソルボース、D-ラクトース及びイヌリンを代謝する。

本発明の乳酸菌は、下記のものからなる群から選択される代謝フィンガープリントを有することが好ましい: (i)乳酸菌がD-ラクトースを代謝するが、L-ソルボース、D-サッカロース及びイヌリンを代謝しない、 (ii)乳酸菌がL-ソルボース、D-ラクトース及びイヌリンを代謝するが、D-サッカロースを代謝しない、 (iii)乳酸菌がL-ソルボースを代謝するが、D-ラクトース、D-サッカロース及びイヌリンを代謝しない、並びに、 (iv)乳酸菌がL-ソルボース、D-ラクトース、D-サッカロースを代謝するが、イヌリンを代謝しない。

もちろん、本発明の乳酸菌は、上記の代謝フィンガープリントパターンにおいて述べた糖の代謝に限定されず、ラクトバチルス種によって通常代謝される更なる糖を代謝することができる可能性がある。

本発明の微生物のラクトバチルス属への所属(affiliation)はまた、当該技術分野において知られているその他の方法を使用することによって、例えば、決定される種の全タンパク質のSDS-PAGEゲル電気泳動の使用と、それらとラクトバチルス属の既知であってかつ既に特徴づけられた株との比較とによって、特徴付けることもできる。上記のような全タンパク質プロファイルを作製する技法と、かかるプロファイルの数値解析とは、当業者によく知られている。しかしながら、その結果はそのプロセスの各段階が十分に標準化されている限りにおいてのみ信頼できるものである。微生物のラクトバチルス属への帰属(attachment)を決定する場合に正確性の要求に直面した際、1994年9月12日〜16日にベルギーのゲント大学にて欧州連合によって開催された「ワークショップ」(細菌の分類及び同定のためのフィンガープリント技法、全細胞タンパク質のSDS-PAGE)の間に提示されたように、標準化手順は、Potらの著者等のそれら標準化手順の著者らにより通常に公衆に利用可能とされる。SDS-PAGE電気泳動ゲルを分析する技法において使用されるソフトウェアは、種の間の相関度が、このソフトウェアによって用いられるパラメータ及びアルゴリズムに依存するために非常に重要である。理論的詳細には立ち入らないが、濃度計により測定され、コンピュータにより正規化される、バンドの定量的比較は、ピアソンの相関係数を用いて為されるのが好ましい。こうして得られる類似性マトリックスは、もっとも類似するプロファイルを分類することを可能とするのみならず、樹状図(dendrograms)を構築することも可能とする、UPGMA(非加重平均結合法(unweighted pair group method usingaverage linkage))アルゴリズムの助けをかりて構築することができる(Kersters,Numerical methods in the classification and identification of bacteria byelectrophoresis, in Computer-assisted Bacterial Systematics, 337-368, M.Goodfellow, A. G. O'Donnell Ed., John Wiley and Sons Ltd, 1985を参照されたい)。

代替的に、本発明の上記微生物のラクトバチルス属への所属は、いわゆるRiboprinter(商標)においてリボソームRNAに関して特徴付けることができる。より好ましくは、本発明の新たに同定された種のラクトバチルス属への所属は、本発明の細菌の16SリボソームRNA又は16SリボソームRNAをコードする本発明の細菌のゲノムDNAのヌクレオチド配列と、現在までに知られているその他の属及び種の乳酸菌の16SリボソームRNA又は16SリボソームRNAをコードするそれらその他の属及び種の乳酸菌のゲノムDNAのヌクレオチド配列とを比較することにより実証される。本発明の新たに同定された種のラクトバチルス属への帰属を決定するためのその他の好ましい選択肢は、16S-23S rRNAスペーサー領域を標的にする種特異的PCRプライマーの使用である。その他の好ましい選択肢は、本発明に従って同定された微生物のラクトバチルス属への所属を決定することを可能とする株特異的DNAパターンが作製されることのために、RAPD-PCR(Nigatu et al. in Antonie van Leenwenhoek (79), 1-6, 2001)である。本発明の微生物のラクトバチルス属への所属を決定するのに有用な更なる技法は、制限断片長多型(RFLP)(Giraffa et al., Int. J. FoodMicrobiol. 82 (2003), 163-172)、反復エレメントのフィンガープリンティング(Geverset al., FEMS Microbiol. Lett. 205 (2001) 31-36)又は細菌細胞の脂肪酸メチルエステル(FAME)パターンの分析(Heyrman et al., FEMS Microbial.Lett. 181 (1991), 55-62)である。代替的に、ラクトバチルス(lactobacilli)は、レクチンタイピングによって(Annuk et al., J. Med. Microbiol. 50 (2001), 1069-1074)又はそれらの細胞壁タンパク質の分析によって(Gatti et al., Lett. Appl. Microbiol. 25 (1997), 345-348)決定することができる。

特に好ましい実施の形態において、本発明は、以下: a)基質を準備することと、 b)調査対象の乳酸菌を含む調製物を準備することと、 c)前記乳酸菌を含む前記調製物を前記基質に添加し、任意にその後に発酵工程を行うことと、 d)予め定めた数の真菌胞子を工程c)の生成物に添加することと、 e)工程d)において得た試験サンプルの、予め定めた期間、予め定めた温度でのインキュベーションと、 f)検出し、任意にその後に真菌増殖の評価を行うことと、 g)少なくとも1つの乳酸菌の単離と、 を含むプロセスによって調製される、単離された乳酸菌又はその断片に関する。

真菌増殖が検出可能ではない場合、その乳酸菌は本発明による乳酸菌である。それゆえ真菌増殖が検出可能ではない場合(no)、工程g)を行うのが好ましい。

さらに、工程c)が省略された上で対照試験サンプルと比較して真菌増殖の低下が検出される場合、その乳酸菌は同様に本発明の種のものである。ここで「低下」という表現は、少なくとも20 %、より良好には少なくとも50 %、好ましくは少なくとも90 %の真菌増殖の低下を意味する。

本発明の乳酸菌は、以下の工程: A)基質を作製する工程と、 B)調査対象の乳酸菌を含む調製物を作製する工程と、 C)乳酸菌を含む調製物を基質に添加し、任意にその後に発酵工程を行う工程と、 D)工程C)の生成物を、サンプル保持器へと採取し、そのなかで試験サンプルを形成させる工程と、 E)予め定めた数の真菌胞子を少なくとも1つの試験サンプルに添加する工程と、 F)工程E)において得た試験サンプルのインキュベーションを、予め定めた期間、予め定めた温度で行う工程と、 G)検出し、任意にその後に真菌増殖の評価を行う工程と、 に従ってアッセイすることができることを特徴とすることもまた好ましい。

工程F)の後の試験サンプルのカメラ画像撮影(camera shot)又は目視検査と、真菌増殖の評価とを行うことによって、真菌増殖を検出するのが好ましい。

真菌増殖が検出可能ではない場合、その乳酸菌は本発明による乳酸菌である。さらに、工程C)が省略された上で対照試験サンプルと比較して真菌増殖の低下が検出される場合、その乳酸菌は同様に本発明による種のものである。ここで「低下」という表現は、少なくとも20 %、より良好には少なくとも50 %、好ましくは少なくとも90 %の真菌増殖の低下を意味する。所定のコントラスト設定でのカメラ画像撮影と真菌被覆に関連する画素の自動計数とを行うことにより定量を行うことができ、ここで真菌被覆に関連する画素の数を、試験サンプルのカメラ画像(camera shot)の全画素数と関係づける。カメラ画像は白黒であるのが好ましいであろう。いくつかの場合において、例えば、基質が白色のヨーグルト基質であり、かつ真菌も同様に白色を呈する場合、基質に対する真菌のコントラストを増強するために、基質を濃色色素又は着色料(濃色色素又は着色料は微生物学的に不活性であるのが好ましい)で染色することが助けとなるであろう。特に、試験アッセイは、実施例1.2、最終段落において概要を述べるようにして行うことができる。カメラとしては、以下の設定を用いるFluorChem(商標)FC2 Imaging System(Alpha Innotech/CellBiosciences、Santa Clara、USA)システムが有用である:露光時間:100 ms〜150 ms、開口数(aperture):8、コントラスト設定:黒色レベル:55000、白色レベル:60000、ガンマ:3.0、光設定:透過光「オン」、反射光「オン」、化学ディスプレイ(chemi display)「オン」、速度/解像度:通常/超(ultra)。画像はAlphaEaseFCソフトウェアを用いて解析した。

代替的又は付加的な対照試験サンプルとして、食品保存の技術分野において通常の予め定めた量(例えば、1グラムあたり0.2 mg)のソルビン酸カリウムを、工程c)において上記の工程c)の代わりに用いる、試験サンプルを使用することができる。この対照試験サンプルは次いで基準として働くことができ、即ち、本発明の乳酸菌は、この対照試験サンプルと少なくとも同じ量の真菌増殖の阻害をもたらす。

細胞は、該当する場合、細胞が添加される予定であるか、又はその上に細胞が適用される予定である、それぞれの基質との共培養において、DSMZ「ドイツ微生物細胞培養コレクション(Deutsche Sammlung von Mikroorganismenund Zellkulturen GmbH))」、ドイツ国、ブラウンシュヴァイクの生存能についての試験に耐えれば、それら細胞は生存能力がある。

乳酸菌は乳酸菌生菌(live lactic acid bacterium)であるのが好ましい。本発明による生きている微生物が食品製品に有害に作用することなく強い抗真菌能力を示すことは驚くべきことであった。

乳酸菌は、ラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・ヒルガルディー(Lactobacillus hilgardii)、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・フルクティボランス(Lactobacillus fructivorans)又はラクトバチルス・パラファラギニス(Lactobacillus parafarraginis)であるのが特に好ましい。

本発明によると、微生物は、ラクトバチルス属、より好ましくは本明細書に記載するラクトバチルス種に属する乳酸菌である。本発明のラクトバチルスはラクトバチルス・ブレビスであるのが更により好ましい。その他の好ましいラクトバチルスは、ラクトバチルス・パラファラギニス(L. parafarraginis)である。しかしながら、ラクトバチルス種は、これらに限定されない。特に好ましい実施の形態において、本発明の微生物は、「単離された」又は「精製された」ものである。「単離された」という用語は、物質が、その本来の環境、例えば、その物質が天然起源である場合、自然環境から取り出されていることを意味する。例えば、自然系において共存している物質のいくらか又はすべてから分離されている、天然起源微生物、好ましくは、ラクトバチルス種は、単離されたものである。かかる微生物は組成物の一部であることができ、その組成物がその自然環境の一部でないという点でこれもまた単離されたものであるとみなされるべきである。

「精製された」という用語は、完全に純粋であることを要求するわけではなく、それは相対的な定義であることが意図される。ライブラリーから得られた個々の微生物は、微生物学的に均一となるまで従来法により精製されており、即ち、それら微生物は、当該技術分野において知られている方法によって寒天プレート上に画線培養された場合、シングルコロニーとして生育する。この目的のために使用される寒天プレートは、ラクトバチルス種について選択的なものであるのが好ましい。かかる選択的寒天プレートは当該技術分野において知られている。

本乳酸菌は、DSM 22721として提出された乳酸菌又はその断片、突然変異体及び/又は誘導体であって、該断片、突然変異体又は誘導体が真菌生物の増殖を阻害する能力を保持するものであるのが特に好ましい。

本発明の特に好ましい実施の形態において、本発明の乳酸菌は、DSMZ受託番号DSM 22721を有するラクトバチルス・ブレビス又はその突然変異体若しくは誘導体からなる群から選択され、ここで該突然変異体又は誘導体は真菌生物の増殖を阻害する能力を保持しているものである。「DSMZ受託番号を有するラクトバチルス・ブレビス」という用語は、ドイツ微生物細胞培養コレクション(「DSMZ」)に2009年6月26日に寄託され、かつ以下の寄託番号DSM 22721を有する、ラクトバチルス・ブレビス種に属する微生物の細胞に関する。DSMZは、ドイツ国ブラウンシュヴァイクD-38124、マシェローダー(Mascheroder)ヴェク1bに位置している。上記のDSMZ寄託は、特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関するブダペスト条約(Budapesttreaty on the international recognition of the deposit of microorganisms forpurposes of patent procedure)の条項に従って行った。

食品の真菌混入は食品生産産業にとっての主要問題として一般的である。化学物質の使用等の現行の技術水準において知られている食品保存方法は、食品に対して望ましくない性質を与える可能性がある。さらに、かかる方法は消費者の間に懸念をもたらす可能性がある。したがって、代替となる保存方法の必要性が食品分野にとって重要な課題となってきた。それゆえ本発明、特にDSM 22721として提出された乳酸菌は、なんら副作用のない食品保存の代替となる効率的な方法を可能とするため、特に重要である。

本発明の乳酸菌、好ましくは寄託されたラクトバチルス・ブレビスの「突然変異体又は誘導体」は、好ましくは、寄託された各株と同じ特徴を有するものであり、即ち、突然変異体又は誘導体は、好ましくは本明細書に上記する阻害特性により、真菌生物の増殖を阻害する能力を保持するものである。例えば、該誘導体は遺伝子改変されたものであることができる。本発明の文脈において、「遺伝子改変された」という用語は、広義には、遺伝子修飾が行われ、遺伝子が組換えDNA技術によって変化するように、所望の核酸をin vitro及びin vivoで修飾するための当業者に知られている方法について用いられる。したがって、該方法は、組換え核酸のクローニング、配列決定及び形質転換を含むのが好ましい。ラクトバチルス種用の発現ベクターを含むこの目的のために適切なベクターは(are)、例えば、欧州特許第506789号、欧州特許第316677号、欧州特許第251064号、欧州特許第218230号、欧州特許第133046号又は国際公開第89/01970号に記載されている。

本発明の文脈において用いられる場合、「本発明の乳酸菌」という用語はまた、真菌生物の増殖を阻害する上記の能力を保持している、該微生物(複数の場合もあり)の、本明細書に記載する膜画分等の、誘導体又は突然変異体又は類似体又は断片も包含する。「誘導体」、「突然変異体」、「類似体」及び「断片」という用語は、本明細書のいずれかの場所に記載されている。

DSMZ受託番号DSM 22721を有するラクトバチルス・ブレビス又はその突然変異体若しくは誘導体は、以下の特徴により特徴付けられる。本生物は、30℃〜37℃で好気条件又は嫌気条件下で最適増殖を示す。増殖は42℃を超えると検出することができない。

DSMZ受託番号DSM 22721を有するラクトバチルス・ブレビス又はその突然変異体若しくは誘導体の好気的発酵は、より高い細胞密度をもたらす。

DSMZ受託番号DSM 22721を有するラクトバチルス・ブレビス又はその突然変異体若しくは誘導体の標準的条件(例えば、MRS培地、37℃、嫌気条件)下での培養は、pH3.5〜pH3.7の酸性化をもたらす。

DSMZ受託番号DSM 22721を有するラクトバチルス・ブレビス又はその突然変異体若しくは誘導体は、分離している桿菌として又は対になっているものとして又は稀には短い鎖(2 μm〜10 μm)として存在する。標準的条件下では、それらはわずかに無光沢な外観及びわずかに構造化された表面を有する白色からクリーム色のコロニーを形成する傾向がある。

驚くべきことに、本発明の乳酸菌、好ましくはDSMZ受託番号DSM 22721を有するラクトバチルス・ブレビス又はその突然変異体若しくは誘導体の添加は、食糧、特にヨーグルトのテクスチャー又は色を変化させない。

本発明の乳酸菌、好ましくはDSMZ受託番号DSM 22721を有するラクトバチルス・ブレビス又はその突然変異体若しくは誘導体は、以下の配列1(配列番号1): GCGACTTTTCGGATTATTGGGCGTAAAGCGAGCGCAGGCGGTTTTTTAGGTCTGATGTGAAAGCCTTCGGCTTAACCGGAGAAGGGCATCGGAAACCGGGAGACTTGAGTGCAGAAGAGGACAGTGGAACTCCATGTGTAGCGGTGAAATGCGTAGATATATGGAAGAACACCAGTGGCGAAGGCGGCTGTCTGGTCTGTAACTGACGCTGAGGCTCGAAAGCATGGGTAGCGAACAGGATTAGATACCCTGGTAGTCCATGCCGTAAACGATGAGTGCTAAGTGTTGGAGGGTTTCCGCCCTTCAGTGCTGCAGCTAACGCATTAAGCACTCCGCCTGGGGAGTACGACCGCAAGGTTGAAACTCAAAGGAATTGACGGGGGCCCGCACAAGCGGTGGAGCATGTGGTTTAATTCGATGCTACGCGAAGAACCTTACCAGGTCTTGACATCTTCTGCTAACCTAAGAGATTAGGCGTTCCCTTCGGGGACGGAATGACAGGTGGTGCATGGTTGTCGTCAGCTCGTGTCGTGAGATGTTGGGTTAAGTCCCGCAACGAGCGCAACCCTTATTGTCAGTTGCCAGCATTTAGTTGGGCACTCTGGCGAGACTGCCGGTGACAAACCGGAGGAAGGTGGGGATGACGTCAAATCATCATGCCCCTTATGACCTGGGCTACACACGTGCTACAATGGACGGTACAACGAGTCGCGAAACCGCGAGGTCAAGCTAATCTCTTAAAGCCGTTCTCAGTTCGGATTGCAGGCTGCAACTCGCCTGCATGAAGTTGGAATCGCTAGTAATCGTGGATCAGCATGCCACGGTGAATACGTTCCCGGGCCCTTGTACACACCGCCCGTCACACCATGAGAGTTTGTAACACCCAAAGCCCGTGAGGTAACCTTCGGGAACCAGCCGTCTAAGTGGGACAGATGATTAGGTGAAGTCGAC を有する16S rDNAを含むのが好ましい。

本発明の乳酸菌、好ましくはDSMZ受託番号DSM 22721を有するラクトバチルス・ブレビス又はその突然変異体若しくは誘導体の別の利点は、この株を少なくとも6ヵ月間、およそ-20℃又はおよそ-80℃で冷凍貯蔵することが可能であることである。これらの細菌は安定なままであり、真菌生物の増殖を阻害するそれら細菌の能力を失わない。本発明の乳酸菌を凍結乾燥の後に保存することもまた可能である(図2もまた参照されたい)。

1つの利点は、特にDSM 22721として提出された本発明の乳酸菌又はそれらの断片、変異体及び/又は誘導体が、ペニシリウム、特にペニシリウム・コンミュネ(penicillium commune)又はペニシリウム・ロックフォルティ(penicilliumroqueforti)、アスペルギルス属及びアルテルナリア(alternaria)属、特にアルテルナリア・アルテルナータ(alternaria alternata)、ペニシリウム・エキスパンサム(penicilliumexpansum)、ペニシリウム・シトリナム(penicillium citrinum)、ペニシリウム・ジギタタム(penicillium digitatum)、ペニシリウム・イタリクム(penicilliumitalicum)、スコプラリオプシス・ブレビアカウリス(scopulariopsis breviacaulis)、アスペルギルス・フラブス(aspergillus flavus)、アスペルギルス・パラジチカス(aspergillusparasiticus)、ボトリチス・シネレア(botrytis cinerea)、リゾプス属(rhizopus)の一種、ムコール属(mucor)の一種、ユーロチウム・ヘルバリオラム(eurotium herbariorum)、ゲオトリクム・カンジドゥム(geotrichumcandidum)、クラドスポリウム・ヘルバルム(cladosporium herbarum)、フザリウム・サンシナム(fusarium sambucinum)、フィトフォラ・インフェスタンス(phytophorainfestans)並びにスクレロチニア・スセロチオラム(sclerotinia scerotiorum)の生育を阻害することである。

別の好ましい実施の形態では、本発明は、食品組成物、動物飼料、又は医薬組成物若しくは化粧品組成物の生産のための、前記乳酸菌又はその断片の使用であって、前記乳酸菌、好ましくは乳酸菌生菌、又はその断片が、食品、動物飼料、又は医薬組成物若しくは化粧品組成物に添加される、使用に関する。

ラクトバチルス・ブレビスは、通常、ヘテロ発酵代謝を使用し、それゆえヘテロ乳酸性であることが知られている。ヘテロ発酵代謝は、通常、ガス及び酸の生成により特徴付けられる。両方の効果は、食品、医薬品又は化粧品の生産にとって有害である。それゆえ本発明の乳酸菌、特にDSMZ受託番号DSM 22721を有するラクトバチルス・ブレビス又はその突然変異体若しくは誘導体が、化粧品組成物若しくは医薬組成物又は食品、例えば、乳製品、好ましくはヨーグルト中で培養した場合にホモ発酵性の特徴を示すことは非常に驚くべきことであった。

本発明による医薬組成物のガレヌス調製物はこの技術において通常である方法で作ることができる。好適な固体ガレヌス調製物形態又は液体ガレヌス調製物形態は、例えば、顆粒剤、粉末剤、糖衣錠、錠剤、(マイクロ)カプセル剤、坐剤、シロップ剤、ジュース剤、懸濁剤又は乳剤であり、それらの製造には、通常の手段、例えば、担体物質、爆発性物質、結合剤、コーティング剤、膨張剤、摺動剤又は潤滑剤、呈味剤、甘味料及びメディエーターの溶液が使用される。本明細書では、補助的な物質として、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、ラクトース、マンニット及び他の糖、タルカム、乳タンパク質、ゼラチン、デンプン、セルロース及び誘導体、動物油及び植物油、例えば、タラ肝油、ヒマワリ油、ピーナッツ油又はゴマ油、ポリエチレングリコール並びに溶媒、例えば、滅菌水及び一価又は多価アルコール、例えばグリセリンが挙げられる。本発明による医薬組成物は、本発明による乳酸菌を、所定の用量で、医薬上適した生理的に良好に耐容性の担体と、おそらく更に適した活性の付加的又は補助的な物質と混合することによって生産することができ、所望の投与の形態に調製される。担体は、特に「マルトデキストリン、微結晶セルロース、デンプン、特にコーンスターチ、レブロース、ラクトース、デキストロース、及びそのような物質の混合物」を含む群から選択される物質である。組成物は、細胞と担体との全量に対して、0.1重量%〜95重量%の担体と5重量%〜99.9重量%の凍結乾燥した乳酸菌とを含有することができ、又はそれらからなることができる。

DSMZ受託番号DSM 22721を有するラクトバチルス・ブレビス又はその突然変異体若しくは誘導体は、標準的条件下(例えば、発酵培地又はMRS培地、嫌気条件下)でヘテロ発酵性である。これは、この生物が、標準的条件下で培養される場合、発酵の際にガスを生成することを意味する。

それゆえDSMZ受託番号DSM 22721を有するラクトバチルス・ブレビス又はその突然変異体若しくは誘導体が、乳製品、好ましくはヨーグルト中で培養した場合にホモ発酵性の特徴を示すことは非常に驚くべきことであった。「標準的ヨーグルト」を、標準的発酵スターターを用いて、43℃、pH4.5〜pH4.7で、脱脂粉乳を富化した脱脂乳を用いて、生産した。その後ヨーグルトを7℃で保存する。DSMZ受託番号DSM22721を有するラクトバチルス・ブレビス又はその突然変異体若しくは誘導体をヨーグルトに添加した場合、ガス生成(ガス泡又は凸蓋)は観察することができない。30日後、異風味をHPLC又はヘッドスペース分析によって測定した。乳製品におけるホモ発酵性の特徴の驚くべき効果は、製品の異風味に変化がないという利点を有する。

DSMZ受託番号DSM 22721を有するラクトバチルス・ブレビス又はその突然変異体若しくは誘導体の別の特徴は、これら生物は標準的条件下(MRS培地)と発酵条件下とのいずれにおいてもH2O2を生成しないということである。これはH2O2試験片を用いて試験した。

別の利点は、有機酸の組成が、DSMZ受託番号DSM 22721を有するラクトバチルス・ブレビス又はその突然変異体若しくは誘導体を添加したヨーグルトにおいては非常に安定であるということである。pH変化はほとんど観察されない。これは食糧における使用にとって特に重要である。

DSMZ受託番号DSM 22721を有するラクトバチルス・ブレビス又はその突然変異体若しくは誘導体は、ヨーグルト中で静的な増殖を示す。「標準的ヨーグルト」を、標準的発酵スターターを用いて、43℃で、脱脂粉乳を富化した脱脂乳を用いて、最終的pH4.5〜pH4.7で生産した。DSMZ受託番号DSM 22721を有するラクトバチルス・ブレビスを添加した。生産したヨーグルトを7℃で3週間保存した。この3週間の後、本発明の細菌の増加は観察されなかった。

医薬組成物又は化粧品組成物において使用する場合、もちろん、組成物は、本発明により用いられる細胞の生存能及び/又は(and/or)本発明により用いられる細胞、化合物、それらの断片若しくは上清の活性を実質的に障害する、いかなる物質、特にいかなる活性物質も含有しないことが要求される。それぞれの物質又は活性物質についての当業者であれば、例えばDSMZによって提案されているような、生存能試験を、それぞれの組成物中のそのままの濃度にてそれぞれの物質又は活性物質との共培養においてのみ行うことによって、これを容易に決定することができる。この試験が陽性であれば、本発明による細胞を成功裏に使用することができる。この試験が陰性であれば、本発明による効果が達成されないか、又は低い程度でしか達成されないため、それぞれの組成物の適用は除外される。活性に関しては例えば、本発明の微生物を特徴付ける、上記のような阻害活性について試験するアッセイに、医薬組成物又は化粧品組成物を供することが可能である。

化粧品組成物は、例えば、シャンプー、モイスチャークリーム、モイスチャーローション、グリコールクリーム、グリコールローション、クレンザー、色付メーキャップファンデーション(colored makeup foundation)、色付メーキャップパウダー(coloredmakeup powder)又は色付メーキャップコンシーラー(colored makeup concealer)である。

本発明の乳酸菌は直接播種製品として使用することができる。それゆえ、本細菌を、食品、化粧品組成物又は医薬組成物に、なんら先行する加工工程を行うことなく添加することができる。本発明の細菌は、それ自体の発酵上清中で凍結保存するのが好ましい。凍結保存は製品の生産を促進し、それゆえ時間及びコストの節減に寄与する。

更に好ましい実施の形態において、本発明は、食糧と上記乳酸菌又はその断片とを含む、食品組成物に関する。

食品組成物、動物飼料、医薬組成物又は化粧品組成物は、絶対量で、又は細胞を含有する食品、動物飼料若しくは医薬組成物100 gに対して、102〜1015の、好ましくは106若しくは108〜1012の、特に108〜1010の乳酸菌細胞又はその断片を含有するのが好ましい。これらの量は、なんらの有害効果もなく、真菌の増殖の非常に有効な阻害を可能とするために、特に有利である。

本乳酸菌は0.0001 %以上の濃度で存在するのが好ましい。これらの濃度は食品製品中の真菌増殖の効率的な阻害を提供するために特に有利である。

食品組成物は、肉製品又は乳製品、好ましくはヨーグルト、ミルク、チーズ、クリーム、及び/又はカッテージチーズ(curd cheese)であるのがまた好ましい。これらの製品は一般的にカビが生えやすい傾向があり、このため本発明の乳酸菌、好ましくはDSMZ受託番号DSM 22721を有するラクトバチルス・ブレビス又はその突然変異体若しくは誘導体の使用が特に有利である。1つの付加的な利点は、真菌増殖を阻害する効果は、乳製品(dairy)、特にヨーグルトの生産に使用される、スターターカルチャー及び/又は脱脂粉乳の種類に依存しないことである。それゆえ本発明の乳酸菌は、有利な効果を失うことなく様々な食品製品において使用することができる。

別の好ましい実施の形態では、本発明は、食糧、動物飼料、又は医薬組成物若しくは化粧品組成物を保存する方法であって、前記乳酸菌が、前記食糧、動物飼料、又は医薬組成物に添加される、食糧、動物飼料、又は医薬組成物若しくは化粧品組成物を保存する方法に関する。

本発明による乳酸菌を用いる保存について、原則として、生産からか又は貯蔵の際の混入によるかいずれかの真菌生物を含有する可能性のある、すべての食品、動物飼料、又は医薬組成物若しくは化粧品組成物を用いることができる。

食品、動物飼料、又は医薬組成物若しくは化粧品組成物100 gあたり、102〜1015の、好ましくは106若しくは108〜1012の、特に108〜1010の乳酸菌細胞又はその断片が添加されるのが好ましい。

前記乳酸菌が0.0001 %〜0.01 %、好ましくは0.001 %の濃度で存在するのがまた好ましい。これらの濃度は、食品製品における真菌増殖の効率的な阻害を提供するために、特に有利である。0.0001 %以上、好ましくは0.001 %の濃度で乳酸菌を添加することにより、真菌増殖が持続的に阻害され、それにより食品、動物飼料、又は医薬組成物若しくは化粧品組成物を、真菌増殖を阻止する能力を失うことなく長期間保存することができる。

0.0001%〜0.01 %、好ましくは0.001 %の、ペレット化され、冷凍保存された本発明のラクトバチルス培養物を、好ましくはヨーグルト発酵に添加するのが特に好ましい。ペレット化され、冷凍保存されたラクトバチルス培養物の使用は、工業生産に有利である。

1mlの冷凍保存されたラクトバチルス培養物は0.5×1010 CFU(コロニー形成単位)を含有するのがまた好ましい。

別の好ましい実施の形態では、本発明は、以下: h)基質を準備することと、 i)調査対象の乳酸菌を含む調製物を準備することと、 j)前記乳酸菌を含む前記調製物を前記基質に添加し、任意にその後に発酵工程を行うことと、 k)予め定めた数の真菌胞子を工程j)の生成物に添加することと、 l)工程k)において得た試験サンプルの、予め定めた期間、予め定めた温度でのインキュベーションと、 m)検出して、任意にその後に真菌増殖の評価を行う、検出と、 を含む、上記乳酸菌を同定する方法に関する。

本発明の別の態様は、加熱により不活化されたか又は凍結乾燥された上記乳酸菌の類似体又は断片であり、ここで該類似体又は断片は、真菌生物の増殖を阻害する能力を保持しているものである。類似体又は断片は、特に本発明の微生物又はかかる微生物の断片の培養物の上清に存在している可能性がある。その能力は本発明の微生物の特徴決定について概要を上述したようにして測定可能である。

本発明の微生物を特徴決定するための更なる選択肢として、文献、P. Raspor et al., Food Technol. Biotechnol. 48(3):336-343 (2010)に記載の生物防除(biocontrol)アッセイを用いることが可能であり、ここで、このアッセイは検査対象の微生物を使用して行い、微生物の非存在下での対照実験及び/又は微生物が所定の濃度の従来の化学的抗カビ化合物に置き換えられた対照実験と比較される。

本発明による細胞無しでの真菌生物の培養により、同じ培養条件下での真菌生物と本発明による細胞との共培養と比較して、真菌生物用培養培地上の所定の時間内の定着密度として測定される、真菌生物の増殖が少なくとも10 %、好ましくは少なくとも50 %増加する場合、真菌生物の増殖は阻害される。上記の1例としてのみ記載した特定のアッセイに更なる言及がなされる。

プライマー、酵素、更に中間コンストラクトのクローニング用の宿主細胞等を使用することができ、これらは当業者に知られている。遺伝子改変された突然変異体は、それらの細菌染色体若しくは(1又は複数の)プラスミドに含まれるか、又はそれらの細菌染色体及び/又は(1又は複数の)プラスミドに含まれるかのいずれかである、組換え核酸を担持する、本発明の微生物の細胞、好ましくは寄託されたラクトバチルス種の細胞を含むのが好ましい。該組換え核酸は本発明の微生物に対して外来性であるのが好ましい。「外来性」とは、ポリヌクレオチド又は核酸分子が、宿主細胞に関して異種である(これは異なるゲノム背景を有する細胞又は生物に由来することを意味する)か、又は宿主細胞に関して同種(homologous)であるが該核酸分子の天然起源対応物とは異なるゲノム環境に位置しているかのいずれかであることを意味する。これは核酸分子が宿主細胞に関して同種である場合、その核酸分子が該宿主細胞のゲノムにおけるその天然の位置に位置しておらず、特にその核酸分子が異なる遺伝子に囲まれていることを意味する。この場合、ポリヌクレオチドは、それ自身のプロモーターの制御下又は異種プロモーターの制御下のいずれかにある可能性がある。宿主細胞中に存在する、本発明によるベクター又は核酸分子は、宿主細胞のゲノム中に組み込まれているか、又は染色体外でなんらかの形態で維持されているかのいずれかの可能性がある。この点で、本発明の核酸分子は、相同組換えを介して突然変異遺伝子を回復させるか又は作成するために使用することができることも理解すべきである。

本発明の微生物の突然変異体、好ましくは寄託されたラクトバチルス株の突然変異体は、人為的に突然変異されたものであるのが好ましい。本発明によると、「突然変異」という用語は、例えば、自然に、又は物理的手段又はEMS若しくはENU等の化学的化合物/物質/作用物質によりもたらされる、遺伝子材料、即ち、核酸の(1又は複数の)永続的修飾を意味する。該修飾は、塩基転位又は塩基転換といった点突然変異、1又は複数の塩基の核酸/遺伝子/染色体内での欠失/挿入/付加を含み、それによって核酸/遺伝子/染色体が修飾され、かかる修飾は、とりわけ、異常な遺伝子発現/転写/翻訳又は不活性な遺伝子産物、例えば、ドミナントネガティブ効果をもたらす構成的に活性/不活性な遺伝子産物をもたらす可能性がある。突然変異は真菌生物の増殖を阻害する能力の向上を導くのが好ましい。したがって、(1又は複数の)突然変異を(1又は複数の)所望の遺伝子中に担持するか、又は(1又は複数の)所望の遺伝子中に(1又は複数の)突然変異が当業者に知られている方法によって誘導されている、寄託された微生物の突然変異細胞がまた好ましい。突然変異されたか又は遺伝子改変された細菌細胞は、いずれかの適した方法/表現型によって選択することができることもまた、従来技術において知られている。本発明の文脈において、真菌生物の増殖を阻害する能力が向上している突然変異体は、本明細書中の実施例において記載する方法に従って試験することができる。しかしながら、「突然変異体」という用語はまた、天然起源の自発性突然変異をそのゲノム、即ち、細菌染色体中に担持する、本発明の微生物の細胞、好ましくは寄託された微生物の細胞も含む。「自発性突然変異」は、自然に、即ち、人間によって直接遺伝子操作されずに、又は突然変異原への曝露によらずに生じる突然変異である。自発性突然変異体の選択は、株を培養し、所望の変異体を、例えば、変異体細菌の増殖の向上を示す能力によって選択することによって達成することができる。自発性突然変異体の選択についての方法は当該技術分野においてよく知られている(例えば、Sambrook, Russell "Molecular Cloning, A Laboratory Manual",Cold Spring Harbor Laboratory, N.Y. (2001)、Ausubel, "CurrentProtocols in Molecular Biology", Green Publishing Associates and WileyInterscience, N.Y. (1989)を参照されたい)。例えば、かかる突然変異は、培養の最中、例えば、DNA複製を伴う通常の細胞分裂プロセスの最中又は本発明の微生物の突然変異体を継代培養及び/又は保存する最中に起こる可能性がある。

その他の態様において、本発明は、加熱により不活化されたか又は凍結乾燥された、本発明の微生物の類似体又は断片に関し、ここで該類似体は、真菌生物の増殖を阻害する能力を保持するものである。

本発明によると、「本発明の微生物の類似体」という用語はまた、ラクトバチルス属に属する微生物に特異的なプレート上でもはやシングルコロニーを形成することができない、本発明の微生物、好ましくは本明細書に開示するラクトバチルス種の死細胞又は不活化された細胞も含む。該死細胞又は不活化された細胞は、インタクトであるか又は破壊されたかのいずれかである細胞膜を有する可能性がある。本発明の微生物の細胞を死滅させるか又は不活化する方法は当該技術分野において知られている。EI-Nezami et al., J. Food Prot. 61 (1998), 466-468には、UV-照射によってラクトバチルス種を不活化する方法が記載されている。本発明の微生物の細胞は、加熱により不活化されているか又は凍結乾燥されているのが好ましい。本発明の細胞の凍結乾燥は、真菌生物の増殖を阻害する本発明の細胞の能力を保持しつつ、本発明の細胞を容易に保存し、取り扱うことができるという利点を有する。さらに、凍結乾燥された細胞は当該技術分野において知られている条件下で適切な液体又は固体培地に適用されると再び生育することができる。凍結乾燥は、当該技術分野において知られている方法によって行われる。凍結乾燥は、室温、即ち、16℃〜25℃の任意の温度で少なくとも2時間行うのが好ましい。さらに、本発明の微生物の凍結乾燥された細胞は、本明細書に記載する真菌生物を依然として阻害する程度に、4℃の温度で少なくとも4週間安定である。加熱による不活化は、本発明の微生物の細胞を170℃の温度で少なくとも2時間インキュベートすることにより達成することができる。しかし、加熱による不活化は、該細胞を121℃の温度で少なくとも20分間、飽和蒸気の存在下で2 barの気圧でオートクレーブすることにより達成するのが好ましい。別の選択肢において、本発明の微生物の細胞の加熱による不活化は、該細胞を少なくとも4週間、3週間、2週間、1週間、12時間、6時間、2時間又は1時間、-20℃で凍結させることにより達成される。本発明の微生物の類似体の細胞の少なくとも70 %、75 %又は80 %、より好ましくは85 %、90 %又は95 %、特に好ましくは少なくとも97 %、98 %、99 %、より特に好ましくは99.1 %、99.2 %、99.3 %、99.4 %、99.5 %、99.6 %、99.7 %、99.8 %又は99.9%、もっとも特に好ましくは100 %が、死滅されているか又は不活化されており、しかしながら、本発明の微生物の類似体の細胞が依然として真菌生物の増殖を阻害する能力を有しているのが好ましい。本発明の微生物の類似体又は断片が実際に死滅されているか又は不活化されているか否かは、当該技術分野において知られている方法、例えば、生存能についての試験によって、試験することができる。

「本発明の微生物の類似体」という用語は、本発明の微生物、好ましくは本明細書に開示するラクトバチルス種の、溶解物又は画分を包含する。本発明によると、「溶解物」という用語は、破壊されている本発明の微生物の細胞の水性媒体中の溶液又は懸濁液を意味する。しかしながら、この用語は、いかなるようにも限定的に解釈してはならない。細胞溶解物は、例えば、DNA、RNA、タンパク質、ペプチド、炭水化物、脂質等のような高分子、及び/又は、アミノ酸、糖、脂質酸(lipid acids)等のような低分子、又はその画分を含む。さらに、該溶解物は、平滑又は粒状構造のものである可能性がある細胞片を含む。微生物の細胞溶解物を調製する方法は当該技術分野において知られており、例えば、フレンチプレス、ガラス若しくは鉄ビーズを用いる細胞粉砕器(cells mill)又は酵素的細胞溶解等を用いることによって調製する。さらに、細胞を溶解することは、細胞の開口/破壊のための当該技術分野において知られている様々な方法に関する。細胞を溶解する方法は重要ではなく、本発明の微生物の細胞の溶解を達成することができる任意の方法を使用することができる。適切な方法は当業者が選択することができ、例えば、細胞の開口/破壊は、酵素的、化学的又は物理的に行うことができる。酵素及び酵素カクテルについての非限定的な例は、プロテイナーゼKのようなプロテアーゼ、リパーゼ又はグリコシダーゼであり、化学物質についての非限定的な例は、イオノフォア、ドデシル硫酸ナトリウムのような洗浄剤、酸又は塩基であり、物理的手段の非限定的な例は、フレンチプレス処理のような高圧、浸透圧、高温又は低温のような温度である。さらに(Additionally)、タンパク分解酵素以外の酵素、酸、塩基等の適切な組合せを用いる方法もまた利用することができる。例えば、本発明の微生物の細胞は、凍結及び解凍、より好ましくは-70℃より低温での凍結及び30℃より高温での解凍により溶解され、特に-75℃より低温での凍結が好ましく、35℃より高温での解凍が好ましく、凍結温度が-80℃より低温であり、解凍温度が37℃より高温であるのがもっとも好ましい。該凍結/解凍を少なくとも1回、より好ましくは少なくとも2回、更により好ましくは少なくとも3回、特に好ましくは少なくとも4回、もっとも好ましくは少なくとも5回繰り返すこともまた好ましい。

したがって、当業者であれば、上記一般的説明を参照し、必要であればかかる方法を適切に改変又は変更することにより、所望の溶解物を調製することができる。記載される溶解物のために使用される水性媒体は、水、生理食塩水、又は緩衝液であるのが好ましい。細菌細胞溶解物の利点は、必要な技術的設備が少なくて済むために、コスト効率よく、容易に生産し、保存することができることである。

本発明によると、溶解物はまた、上記の溶解物からの分子の画分の調製物である。これらの画分は当業者に知られている方法、例えば、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、及びカラム若しくはバッチ方法でその他のクロマトグラフィー材料を用いるクロマトグラフィーを例えば含む、クロマトグラフィー、その他の分画方法、例えば、ろ過方法、例えば、限外ろ過、透析、遠心分離におけるサイズ排除を伴う透析及び濃縮、密度勾配若しくは工程マトリックス中での遠心分離、沈殿法、例えば、アフィニティー沈殿法、塩入法若しくは塩析法(硫酸アンモニウム沈殿法)、アルコール沈殿法又は溶解物の上記成分を分離するその他のタンパク質化学的、分子生物学的、生化学的、免疫学的、化学的若しくは物理的方法によって得ることができる。

「本発明の微生物の断片」は、本発明の微生物の細胞のあらゆる部分を包含する。該断片は膜調製物により得られた膜画分であるのが好ましい。ラクトバチルス属に属する微生物の膜調製物は、当該技術分野において知られている方法によって、例えば、Rollan et al., Int. J. Food Microbiol. 70 (2001), 303-301、Matsuguchi et al., Clin. Diagn. Lab. Immunol. 10 (2003), 259-266又はStentz et al., Appl. Environ. Microbiol. 66 (2000), 4272-4278又はVarmanen et al., J. Bacteriology 182 (2000), 146-154に記載の方法を用いることによって得ることができる。代替的に、全細胞調製物もまた考えられる。本明細書に記載の本発明の微生物の誘導体又は断片は、本明細書に詳細に記載する真菌生物の増殖を阻害する能力を保持するものであるのが好ましい。

本発明は、第一に、真菌増殖の阻害によって、ヨーグルトの有効期間を延ばすことができる、ラクトバチルス株の発見に基づく。かかるラクトバチルス株を使用することにより、今までに用いられていた保存剤であるソルビン酸カリウムに取って代わることができる。実験において、ペニシリウム属、アスペルギルス属及びアルテルナリア属の種の真菌に関するラクトバチルス細胞の阻害活性を試験した。まず、抗真菌活性に関して、生きているラクトバチルス細胞を使用した。試験した真菌株の増殖を阻害することができる、ラクトバチルス株(ラクトバチルス・ブレビス)を同定した。この細菌を「ラクトバチルス・アンチモールド(Lactobacillus antimold)」と命名し、DSMZ(ドイツ微生物細胞培養コレクション)に名称DSM 22721として2009年6月26日に提出した。

別の実験において、このラクトバチルス株を食品中で試験した。この目的のために、このラクトバチルス株を、ヨーグルトスターターカルチャーとともに、ヨーグルト生産用の出発培地に添加した。ヨーグルトの発酵の後、真菌胞子を添加し、ヨーグルトを7℃で保存した。保存剤としてソルビン酸カリウムを添加した対照バッチ及び添加しなかった対照バッチと比較して、本発明のラクトバチルスを有するバッチにおいて、耐用期間の大幅な延長が達成されたこと、即ち、真菌の増殖をソルビン酸カリウムによるよりも、明らかにより長期間阻害することができたことが判明した。

食品、動物飼料又は医薬組成物若しくは化粧品組成物の保存のためにかかるラクトバチルス株を使用することは、通常の保存方法と比べて決定的な利点を有する。かかるラクトバチルス株は、食品の風味又はテクスチャーを変化させない生物学的保存剤である。

本発明は更に、食品、動物飼料、又は医薬組成物若しくは化粧品組成物に本発明による微生物細胞が添加される、保存食品、動物飼料、又は医薬組成物若しくは化粧品組成物を生産するための本発明による微生物細胞の使用、及び、食品、動物飼料、又は医薬組成物若しくは化粧品組成物に本発明による微生物細胞が添加される、食品、動物飼料、又は医薬組成物若しくは化粧品組成物を保存する方法に関する。

本発明による微生物細胞の適用は簡便であり、食品の場合は、本発明の細菌の(生)細胞、又は断片若しくは類似体を、特定の量で食品に添加する。同様の考えが動物飼料又は医薬組成物にあてはまる。

実施例 以下において、本発明を実施例に言及してより詳細に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。

実施例2の結果を示す。

凍結乾燥された本発明の乳酸菌の安定性を示す。安定性は1 gあたりのコロニー形成単位(cfu)により測定される。

-20℃での貯蔵の後の、冷凍保存された本発明の乳酸菌の安定性を示す。

-80℃での貯蔵の後の、冷凍保存された本発明の乳酸菌の安定性を示す。

ラクトバチルス細胞有り及び無しでの共インキュベーションの後のペニシリウム・コンミュネ胞子の発芽率[%]。

実施例1:食品中の真菌の阻害 使用した材料: 使用した培養物は以下であった:ヨーグルトスターターカルチャーYo-Mix 401(Danisco、Denmark)、ラクトバチルスDSM 22721、ペニシリウム・コンミュネ、ペニシリウム・ロックフォルティ、アルテルナリア(alternaria)・アルテルナータ及びアスペルギルス属等のその他の独自の単離菌。

使用した化学物質又は培地は、 例えば、Campina Mark Brandenburg製の超高温処理均質化乳、1.5 %脂肪分、 Granovita GmbH(D-87751 Heimertingen)製のインスタント脱脂粉乳「frema Reform」(Reformhaus Demskiから入手可能)、 ソルビン酸カリウム溶液20 mg/ml(VWRInternational GmbH,Darmstadt)、滅菌ろ過、 YDAブイヨン(酵母エキスPTU(Ohly GmbH)25.0 g/l、D(+)グルコース一水和物(Merck,Darmstadt)20.0g/l、Tween 80(Merck,Darmstadt)1.0 g/l、クエン酸水素二アンモニウム(Merck,Darmstadt)2.0g/l、酢酸ナトリウム(Merck,Darmstadt)5.0 g/l、硫酸マグネシウム七水和物(Merck,Darmstadt)0.1 g/l、硫酸マンガン(II)一水和物(Sigma-Aldrich,Seelze)0.05 g/l、リン酸水素二カリウム(Merck,Darmstadt)2.0g/l、121℃で20分オートクレーブ、オートクレーブの後pH 5.7、 人工ヨーグルト培地(aYH培地)、D(+)グルコース一水和物(Merck,Darmstadt)22g/l、Biospringer 0207/0-MG-L酵母エキス(Biospringer,Maisons-Afort Cedex,France)15 g/l、脱脂粉乳(GranovitaGmbH,Heimertingen)20 g/l、Tween 80(Merck,Darmstadt)1.0 g/l、クエン酸水素二アンモニウム(Merck,Darmstadt)2.0 g/l、酢酸ナトリウム(Merck,Darmstadt)5.0g/l、硫酸マンガン七水和物(Merck,Darmstadt)0.1 g/l、硫酸マンガン(II)一水和物(Sigma-Aldrich,Seelze)0.05 g/l、リン酸水素二カリウム(Merck,Darmstadt)2.0 g/l、 ヨーグルト培地(超高温処理乳(1.5 %脂肪分)+2.0 %w/w Bio skimmed milk)、 MRSブイヨン(MRS Lactobacilli broth(BD Difco,Augsburg)55g/l、pH 6.5)、 ポテトデキストロース寒天培地(potato dextrose broth(BD Difco,Augsburg)24g/l、寒天、顆粒(BD Difco,Augsburg)1.5 g/l、pH 5.1)、並びに、 凍結保護溶液(グルコース一水和物(Merck,Darmstadt)80 g/l、ペプトントリプチケース(BD Difco,Augsburg)2 g/l、マグネシウム七水和物(Merck,Darmstadt)10g/l、リン酸二水素カリウム(Merck,Darmstadt)4 g/l、硝酸ナトリウム(Merck,Darmstadt)6 g/l、塩化カリウム(Merck,Darmstadt)1 g/l、硫酸鉄(II)七水和物(Merck,Darmstadt)0.02 g/l、グリセリン(85 %)(Merck,Darmstadt)200 g/l、pH 5.6)であった。

使用した方法: スターターカルチャーを、1 gの凍結乾燥したヨーグルトスターター(Yo-Mix 401、Danisco、Denmark)を500ml容の超高温処理した低脂肪ミルクに溶解し、それを環境温度で20分間膨らませることにより、調製した。

本発明によるラクトバチルスの前培養を、9 mlのYDAブイヨンに1.5 mlの冷凍貯蔵培養液を播種し、次いで37℃で48時間、嫌気性インキュベーションすることにより行った。

本発明によるラクトバチルスの本培養を、30 mlのYDAブイヨンに8 mlの前培養液からのペレットを播種し、次いで37℃で24時間、嫌気性インキュベーションすることにより行った。

本発明によるラクトバチルスの発酵を、28 mlの本培養液を5分間4500rpmで遠心分離することにより行い、上清を捨てた。得られたペレットを5 mlの無菌0.9 % NaCl溶液に再懸濁し、0.5 lのaYH培地が入った1 l容の三フラスコに完全に移した。次いで、嫌気性インキュベーションを37℃で24時間、攪拌器上にて150rpmで行った。発酵の後、2 MのKOHを用いてpH値を5.5±0.1の値に調整した。

ヨーグルトを生産するために、100 mlの超高温処理したミルク(1.5 %の脂肪分)+2.0 gの脱脂粉乳(2重量%)を、ショット(Schott)フラスコに入れた。次いで混合物をオートクレーブ中で110℃で15分間加熱した。42℃まで冷却した後、0.5mlの新たに生産したヨーグルトスターターカルチャーを添加した。その後、嫌気性インキュベーションを42℃で行い、4.6±0.1のpH値を得た。更に使用するまで貯蔵を7℃で行った。

低温真菌胞子懸濁液を生産するために、真菌サンプルをポテトデキストロース寒天培地上に蒔き、その後、1週間〜4週間、25℃〜30℃で好気条件下にて胞子形成まで培養した。次いで培養物を10 mlの凍結保護培養液中に入れ、液体上清を取り出し、クライオチューブ中に移した。凍結培養物の貯蔵を-80℃で行った。

バイオアッセイ用の真菌を調製するために、0.1 mlの低温真菌胞子懸濁液をポテトデキストロース寒天培地上に蒔き、その後、1週間〜4週間、25℃〜30℃で好気条件下にて胞子形成まで培養した。次いで培養物を10 mlの0.1 % Tween 80溶液中に入れた。液体上清をファルコンチューブ中に移し、4℃〜6℃で保存した。懸濁液の希釈を、蒸留水(H2Odist)を用いて250胞子/mlとなるまで行った。

ポテトデキストロース寒天培地上でのラクトバチルスによる真菌の阻害についてのバイオアッセイを、250胞子/mlの200 μlの胞子懸濁液をポテトデキストロース寒天プレート上に蒔くことによって行った。乾燥させた後、コルクドリル(cork drill)によって寒天プレートに5つの穴を開けた。各40 μlの以下の混合物をピペットで入れた(pipetted): 1)MRS培地中の24時間ラクトバチルス培養物、 2)MRS培地中の24時間ラクトバチルス培養物からの上清、 3)MRS中の24時間培養物からの、粒状化し、PBSバッファー中に再懸濁したラクトバチルス(→PBS中の細胞)、 4)MRS培地、 5)PBS。

次いでプレートの嫌気培養を環境温度で最大14日間まで行った。

ラクトバチルスによるヨーグルト中の真菌の阻害を証明するためのバイオアッセイを、40 mlのヨーグルト培地をファルコンチューブに入れることにより行った。次いで0.2mlのスターターカルチャーを添加した。サンプルとして以下を準備した: 1)1×108のラクトバチルス細胞を添加したもの、 2)ラクトバチルスを含まない対照A、及び、 3)ラクトバチルスを含まず、発酵後に0.4 mlのソルビン酸カリウム溶液を添加した、対照B。

その後、1つあたり各42℃で最大pH=4.6±0.1となるまでの発酵を行い、次いで7℃まで冷却し、6ウェルプレートに各8mlのサンプルを入れ、1つのサンプルあたり50の胞子を添加し(対照には胞子は添加しない)、7℃でインキュベーションし、真菌増殖についての目視検査を毎日行った。目視検査の代わりとして、自動評価をデジタルカメラを用いて行うことができ、その場合は真菌を下にある基質から識別する、予め調節したコントラスト設定を使用する。これにより予め定めた輝度閾値より低いか又は高く、したがって、真菌増殖に関連するような画素の画素計数を行うことが可能となる。画素数は次いでサンプルに関連する全画素数に対する比に換算することができ、試験したサンプル中に存在する真菌の量の定量的評価基準を与えることができる。カメラとしては、以下の設定の、FluorChem(商標)FC2 Imaging System(Alpha Innotech/CellBiosciences、Santa Clara、USA)システムが適している:露光時間:100 ms〜150 ms、開口数:8、コントラスト設定:黒色レベル:55000、白色レベル:60000、ガンマ:3.0、光設定:透過光「オン」、反射光「オン」、化学ディスプレイ「オン」、速度/解像度:通常/超。画像はAlphaEaseFCソフトウェアを用いて解析した。

本発明によるラクトバチルス細胞による真菌増殖の阻害 ヨーグルト中での本発明によるラクトバチルスによる真菌増殖の阻害を確認するためのバイオアッセイを行ったところ、以下の結果が得られた。7日後、ラクトバチルス又はソルビン酸カリウムのいずれも含まないサンプル(対照A)において、目視検査により真菌増殖が検出された。9日後、ソルビン酸カリウムを含むサンプル(対照B)においても、目視検査により真菌増殖が検出された。しかしながら、28日後にはじめて、本発明によるラクトバチルス細胞を含むサンプルにおいても真菌増殖が検出された。結果は、本発明によるラクトバチルス細胞により、真菌増殖の明瞭な低下、したがってヨーグルトの耐用期間の実質的な延長が達成されるということである。

実施例2 播種されたヨーグルト表面から真菌胞子を収集し、真菌最適化培地(ポテトデキストロース寒天培地)上で、最適条件(25℃、好気、5日間)下で培養した。0.1 %のラクトバチルス・ブレビスDSM 22721の使用の結果、真菌増殖はまったく起こらなかった(図1を比較されたい;13)。ラクトバチルス・ブレビスDSM 22721の効果は、殺真菌性(fungicidal)であり、静真菌性ではない。この実験はまた、ラクトバチルス・ブレビスDSM 22721の効果はソルビン酸カリウムよりも優れているということも示した(図1を比較されたい:ソルビン酸カリウム11、ソルビン酸カリウム無し10)。

実施例3 胞子懸濁液の準備: 低温真菌胞子懸濁液を生産するために、真菌サンプルをポテトデキストロース寒天培地上に蒔き、次いで、1週間〜4週間、25℃〜30℃で好気条件下にて胞子形成まで培養した。次いで培養物を10 mlの凍結保護培養液中に入れ、液体上清を取り出し、クライオチューブ中に移した。凍結培養物の貯蔵を-80℃で行った。

バイオアッセイ用の胞子の準備のために、胞子懸濁液をポテトデキストロースブロス中5×106/mLとなるように調製した。

ラクトバチルス細胞の準備: ラクトバチルス培養物をYDA培地中で24時間、37℃で培養した。次いで細胞を4000×gでの遠心分離によって収集した後、細胞を蒸留水(dH2O)で洗浄した。その後、細胞を蒸留水中で10倍濃縮した。

共インキュベーションアッセイの準備: 共インキュベーションアッセイのために、980 μlのペニシリウム・コンミュネ(P.commune)の5×106/mLの胞子を含有する胞子懸濁液と、20 μlの10倍ラクトバチルス濃縮液とを、25℃で24時間、24ウェルプレート中で共インキュベートした(co-incubated)。胞子の発芽率を、トーマチャンバー中でのサンプルの顕微鏡評価により様々な時点で決定した。したがって、少なくとも100の胞子を評価し、発芽した胞子のパーセンテージを算出した。胞子は、伸長の長さが胞子の直径を上回った場合に発芽したものと決定した。

結果を図5に示す:ラクトバチルス細胞有り及び無しでの共インキュベーションの後のペニシリウム・コンミュネ胞子の発芽率[%]。発芽の阻害は少なくとも10 %の胞子の発芽が阻害された場合に有意であるとみなした。

図2 stability of lyophilized Lactobacillusantimold 凍結乾燥したラクトバチルス・アンチモールドの安定性 (#OB-110308 used for challenge study) (負荷研究に使用した#OB-110308) storage [months] at 39°F/4℃ 39°F/4℃での貯蔵[月] 図3 stability testing of LB anti-mold ラクトバチルス・アンチモールド(LB anti-mold)の安定性試験 #2012-16OB-FL0002-FsC10 stored at -20℃ -20℃で保存した#2012-16OB-FL0002-FsC10 storage [months] 貯蔵[月] inhibition 阻害 external 外部 internal 内部 図4 stability testing of LB anti-mold ラクトバチルス・アンチモールドの安定性試験 #2012-16OB-FL0002-FsC10 stored at -80℃ -80℃で保存した#2012-16OB-FL0002-FsC10 storage [months] 貯蔵[月] inhibition 阻害 external 外部 internal 内部 図5 Incubation-time [h] インキュベーション時間[時間] without Lactobacillus ラクトバチルス無し with negative Lactobacillus strain 陰性ラクトバチルス株有り with Lactobacillus DSM 22721 ラクトバチルスDSM 22721有り

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