多関節型アームロボット、制御方法及び制御プログラム

申请号 JP2012506273 申请日 2011-01-31 公开(公告)号 JPWO2012104895A1 公开(公告)日 2014-07-03
申请人 トヨタ自動車株式会社; 发明人 史倫 齋藤; 史倫 齋藤; 達 礒部; 達 礒部;
摘要 多関節型アームロボット(10)は、上下方向に伸縮可能な支持部(6)と、支持部(6)に第1関節部(1)を介してヨー軸周りに回転可能に一端が連結され、両端間にロール軸周りに回転可能な第2関節部(2)が設けられた第1アーム部(11)と、第1アーム部(11)の他端に第3関節部(3)を介してヨー軸又はピッチ軸周りに回転可能に一端が連結された第2アーム部(12)と、第2アーム部(12)の他端に第4関節部(4)を介してヨー軸又はピッチ軸周りに回転可能に連結されたエンドエフェクタ部(7)と、第1乃至第4関節部(1、2、3、4)を夫々回転及び支持部(6)を伸縮させる駆動部と、第1、第2及び第3アーム部(11、12、13)を 水 平面内のみに回転させるスカラモードと、第2及び第3アーム部(12、13)を鉛直面内のみに回転させる垂直モードと、にアームを切替えて、第1乃至第4関節部(1、2、3、4)の駆動部の駆動制御を行う制御部(8)と、を備える。
权利要求
  • 上下方向に伸縮可能な支持部と、
    前記支持部に、第1関節部を介してヨー軸周りに回転可能に一端が連結され、両端間にロール軸周りに回転可能な第2関節部が設けられた第1アーム部と、
    前記第1アーム部の他端に、第3関節部を介してヨー軸又はピッチ軸周りに回転可能に一端が連結された第2アーム部と、
    前記第2アーム部の他端に、第4関節部を介してヨー軸又はピッチ軸周りに回転可能に連結されたエンドエフェクタ部と、
    前記第1乃至第4関節部を夫々回転及び前記支持部を伸縮させる駆動部と、
    を備える多関節型アームロボットであって、
    前記第1、第2及び第3アーム部を水平面内のみに回転させるスカラモードと、前記第2及び第3アーム部を鉛直面内のみに回転させる垂直モードと、にアームを切替えて、前記第1乃至第4関節部の駆動部の駆動制御を行う制御部を備える、ことを特徴とする多関節型アームロボット。
  • 請求項1記載の多関節型アームロボットであって、
    前記制御部は、前記駆動部を制御して前記第2関節部をロール軸周りに回転させることで、前記第1、第3及び第4関節部の回転軸が鉛直方向となる前記スカラモードと、前記第3及び第4関節部の回転軸が水平方向となる前記垂直モードと、にアームを切替える制御を行う、ことを特徴とする多関節型アームロボット。
  • 請求項1又は2記載の多関節型アームロボットであって、
    前記制御部は、前記スカラモードにおいて、前記第2関節部のロール軸に掛かるトルクを最小にするように、前記駆動部を制御して前記第1、第3及び第4関節部の回転を制御する、ことを特徴とする多関節型アームロボット。
  • 請求項3記載の多関節型アームロボットであって、
    前記制御部は、前記第2関節部からエンドエフェクタ部までの重心位置により、前記第2関節部に作用するモーメント力が最小となるように、前記駆動部を制御して前記第1、第3及び第4関節部の回転を制御する、ことを特徴とする多関節型アームロボット。
  • 請求項4記載の多関節型アームロボットであって、
    前記重心位置は、ワーク重量を含んでいる、ことを特徴とする多関節型アームロボット。
  • 請求項1乃至5のうちいずれか1項記載の多関節型アームロボットであって、
    前記制御部は、前記垂直モードにおいて、前記第3関節部のピッチ軸に掛かるトルクを最小にするように、前記駆動部を制御して前記第3及び第4関節部の回転を制御する、ことを特徴とする多関節型アームロボット。
  • 請求項6記載の多関節型アームロボットであって、
    前記制御部は、前記第3関節部のピッチ軸を中心とした、前記第3関節部からエンドエフェクタ部までの重心位置によるモーメント力が最小となるように、前記駆動部を制御して前記第3及び第4関節部の回転を制御する、ことを特徴とする多関節型アームロボット。
  • 請求項7記載の多関節型アームロボットであって、
    前記重心位置は、ワーク重量を含んでいる、ことを特徴とする多関節型アームロボット。
  • 請求項6乃至又は8のうちいずれか1項記載の多関節型アームロボットであって、
    前記制御部は、
    前記第3関節部が前記第5関節部よりも高くなる低所姿勢の場合、前記第3関節部と前記第5関節部とを結ぶ線に対して前記第4関節部が下側に位置するように、前記第3及び第4関節部の回転を制御し、
    前記第3関節部が前記第5関節部よりも低くなる高所姿勢の場合、前記第3関節部と前記第5関節部とを結ぶ線に対して前記第4関節部が上側に位置するように、前記第3及び第4関節部の回転を制御する、ことを特徴とする多関節型アームロボット。
  • 請求項1乃至9のうちいずれか1項記載の多関節型アームロボットであって、
    前記第2アーム部の他端に、第4関節部を介してヨー軸又はピッチ軸周りに回転可能に一端が連結された第3アーム部を、更に備え、
    前記第3アーム部の他端に、第5関節部を介してロール軸、ピッチ軸及びヨー軸周りに回転可能に前記エンドエフェクタ部が連結されている、ことを特徴とする多関節型アームロボット。
  • 請求項10記載の多関節型アームロボットであって、
    前記制御部は、アームを前記垂直モードに切替えて前記第3及び第4関節部の回転を制御することで、前記第2アーム部、第3アーム部及びエンドエフェクタ部を格納する、ことを特徴とする多関節型アームロボット。
  • 請求項1乃至11のうちいずれか1項記載の多関節型アームロボットであって、
    前記第2関節部には、前記駆動部側からの出力トルクを前記第2関節部のロール軸側に伝達し、かつ前記第2関節部のロール軸側からのトルクを前記駆動部側に伝達しない不可逆的動力伝達機構が設けられている、ことを特徴とする多関節型アームロボット。
  • 請求項1乃至12のうちいずれか1項記載の多関節型アームロボットであって、
    前記支持部には、前記第1関節部から前記エンドエフェクタ部までの重力を支持する重力補償機構が設けられている、ことを特徴とする多関節型アームロボット。
  • 請求項1乃至13のうちいずれか1項記載の多関節型アームロボットであって、
    前記支持部に連結され、移動可能な移動体を更に備える、ことを特徴とする多関節型アームロボット。
  • 上下方向に伸縮可能な支持部と、
    前記支持部に、第1関節部を介してヨー軸周りに回転可能に一端が連結され、両端間にロール軸周りに回転可能な第2関節部が設けられた第1アーム部と、
    前記第1アーム部の他端に、第3関節部を介してヨー軸又はピッチ軸周りに回転可能に一端が連結された第2アーム部と、
    前記第2アーム部の他端に、第4関節部を介してヨー軸又はピッチ軸周りに回転可能に連結されたエンドエフェクタ部と、
    前記第1乃至第4関節部を夫々回転及び前記支持部を伸縮させる駆動部と、
    を備える多関節型アームロボットの制御方法であって、
    前記第1、第2及び第3アーム部を水平面内のみに回転させるスカラモードと、前記第2及び第3アーム部を鉛直面内のみに回転させる垂直モードと、にアームを切替えて、前記第1乃至第4関節部の駆動部の駆動制御を行う、ことを特徴とする多関節型アームロボットの制御方法。
  • 上下方向に伸縮可能な支持部と、
    前記支持部に、第1関節部を介してヨー軸周りに回転可能に一端が連結され、両端間にロール軸周りに回転可能な第2関節部が設けられた第1アーム部と、
    前記第1アーム部の他端に、第3関節部を介してヨー軸又はピッチ軸周りに回転可能に一端が連結された第2アーム部と、
    前記第2アーム部の他端に、第4関節部を介してヨー軸又はピッチ軸周りに回転可能に連結されたエンドエフェクタ部と、
    前記第1乃至第4関節部を夫々回転及び前記支持部を伸縮させる駆動部と、
    を備える多関節型アームロボットの制御プログラムであって、
    前記第1、第2及び第3アーム部を水平面内のみに回転させるスカラモードと、前記第2及び第3アーム部を鉛直面内のみに回転させる垂直モードと、にアームを切替えて、前記第1乃至第4関節部の駆動部の駆動制御を行う処理をコンピュータに実行させる、ことを特徴とする多関節型アームロボットの制御プログラム。
  • 说明书全文

    本発明は、複数の関節部を有する多関節型アームロボット、制御方法及び制御プログラムに関するものである。

    一般に、人と共存して作業を行うアームロボットには高い安全性が要求されており、アームロボットを安全に操作するためには、その駆動を十分に低下させ安全性を確保するのが望ましい。 しかしながら、人の腕に類似したアーム軸構成で、一般的な垂直多関節アームによって広い可動域と大きなワーク重量への対応とを両立しようとする場合、特にモーメント長が長くなるアーム基部の関節に大きな駆動力が必要となる。 このため、安全かつ低消費電力とは言えないアーム構成となる。

    一方、平多関節軸と鉛直軸とを組み合わせたスカラ(SCARA:Selective Compliance Assembly Robot Arm)ロボットなどの産業用ロボットを用いて、組立て作業等が行われている。 また、主動側リンクと従動側リンク間に、リンク軸線に対して傾斜させた面に回転制御構造を設けて、従動側リンクがリンク軸線に対して傾斜したオフセット回転軸線を有するオフセット回転関節を構成し、該オフセット回転関節をロボット本体とエンドエフェクタとの間に複数段設けられた多関節ロボットが知られている(例えば、特許文献1参照)。

    特開平10−225881号公報

    しかしながら、上記スカラロボットにおいて、ワークやアーム自体の重量が旋回軸に作用しないため、その駆動力を低く抑えることができるというメリットを有しているが、一方で、アームの上下方向の可動域が限定され狭くなるというデメリットを有している。
    また、上記特許文献1に示す多関節ロボットにおいては、可動範囲を広くすることができるが構成が複雑化する虞がある。

    本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、簡易な構成で、アームを低駆動力で駆動しつつ広範囲で移動可能な多関節型アームロボット、制御方法及び制御プログラムを提供することを主たる目的とする。

    上記目的を達成するための本発明の一態様は、上下方向に伸縮可能な支持部と、前記支持部に、第1関節部を介してヨー軸周りに回転可能に一端が連結され、両端間にロール軸周りに回転可能な第2関節部が設けられた第1アーム部と、前記第1アーム部の他端に、第3関節部を介してヨー軸又はピッチ軸周りに回転可能に一端が連結された第2アーム部と、前記第2アーム部の他端に、第4関節部を介してヨー軸又はピッチ軸周りに回転可能に連結されたエンドエフェクタ部と、前記第1乃至第4関節部を夫々回転及び前記支持部を伸縮させる駆動部と、を備える多関節型アームロボットであって、前記第1、第2及び第3アーム部を水平面内のみに回転させるスカラモードと、前記第2及び第3アーム部を鉛直面内のみに回転させる垂直� ��ードと、にアームを切替えて、前記第1乃至第4関節部の駆動部の駆動制御を行う制御部を備える、ことを特徴とする多関節型アームロボットである。 この一態様によれば、簡易な構成で、アームを低駆動力で駆動しつつ広範囲で移動させることができる。

    この一態様において、前記制御部は、前記駆動部を制御して前記第2関節部をロール軸周りに回転させることで、前記第1、第3及び第4関節部の回転軸が鉛直方向となる前記スカラモードと、前記第3及び第4関節部の回転軸が水平方向となる前記垂直モードと、にアームを切替える制御を行ってもよい。 これにより、スカラモードにおいてアームを低駆動力で駆動でき、垂直モードにおいてアームを広範囲に移動させることができる。

    この一態様において、前記制御部は、前記スカラモードにおいて、前記第2関節部のロール軸に掛かるトルクを最小にするように、前記駆動部を制御して前記第1、第3及び第4関節部の回転を制御してもよい。 これにより、低駆動力の第2駆動部を採用することが可能となり、アームの安全性向上及び低消費電力化を図ることができる。

    この一態様において、前記制御部は、前記第2関節部からエンドエフェクタ部までの重心位置により、前記第2関節部に作用するモーメント力が最小となるように、前記駆動部を制御して前記第1、第3及び第4関節部の回転を制御してもよい。

    この一態様において、前記重心位置は、ワーク重量を含んでいてもよい。

    この一態様において、前記制御部は、前記垂直モードにおいて、前記第3関節部のピッチ軸に掛かるトルクを最小にするように、前記駆動部を制御して前記第3及び第4関節部の回転を制御してもよい。 これにより、低駆動力の第3駆動部を採用することが可能となり、アームの安全性向上及び低消費電力化を図ることができる。

    この一態様において、前記制御部は、前記第3関節部のピッチ軸を中心とした、前記第3関節部からエンドエフェクタ部までの重心位置によるモーメント力が最小となるように、前記駆動部を制御して前記第3及び第4関節部の回転を制御してもよい。

    この一態様において、前記重心位置は、ワーク重量を含んでいてもよい。

    この一態様において、前記制御部は、前記第3関節部が前記第5関節部よりも高くなる低所姿勢の場合、前記第3関節部と前記第5関節部とを結ぶ線に対して前記第4関節部が下側に位置するように、前記第3及び第4関節部の回転を制御し、前記第3関節部が前記第5関節部よりも低くなる高所姿勢の場合、前記第3関節部と前記第5関節部とを結ぶ線に対して前記第4関節部が上側に位置するように、前記第3及び第4関節部の回転を制御してもよい。

    この一態様において、前記第2アーム部の他端に、第4関節部を介してヨー軸又はピッチ軸周りに回転可能に一端が連結された第3アーム部を、更に備え、前記第3アーム部の他端に、第5関節部を介してロール軸、ピッチ軸及びヨー軸周りに回転可能に前記エンドエフェクタ部が連結されていてもよい。

    この一態様において、前記制御部は、アームを前記垂直モードに切替えて前記第3及び第4関節部の回転を制御することで、前記第2アーム部、第3アーム部及びエンドエフェクタ部を格納してもよい。 これにより、アームをコンパクトに格納することができる。

    この一態様において、前記第2関節部には、前記駆動部側からの出力トルクを前記第2関節部のロール軸側に伝達し、かつ前記第2関節部のロール軸側からのトルクを前記駆動部側に伝達しない不可逆的動力伝達機構が設けられていてもよい。 これにより、低駆動力の第2駆動部を採用することが可能となり、安全かつ低消費電力のアーム構成を実現することができる。

    この一態様において、前記支持部には、前記第1関節部から前記エンドエフェクタ部までの重力を支持する重力補償機構が設けられていてもよい。 これにより、低駆動力の第6駆動部を採用することが可能となり、アームの安全性向上及び低消費電力化を図ることができる。

    この一態様において、前記支持部に連結され、移動可能な移動体を更に備えていてもよい。 これにより、アームをより広範囲に移動させることができる。

    他方、上記目的を達成するための本発明の一態様は、上下方向に伸縮可能な支持部と、前記支持部に、第1関節部を介してヨー軸周りに回転可能に一端が連結され、両端間にロール軸周りに回転可能な第2関節部が設けられた第1アーム部と、前記第1アーム部の他端に、第3関節部を介してヨー軸又はピッチ軸周りに回転可能に一端が連結された第2アーム部と、前記第2アーム部の他端に、第4関節部を介してヨー軸又はピッチ軸周りに回転可能に連結されたエンドエフェクタ部と、前記第1乃至第4関節部を夫々回転及び前記支持部を伸縮させる駆動部と、を備える多関節型アームロボットの制御方法であって、前記第1、第2及び第3アーム部を水平面内のみに回転させるスカラモードと、前記第2及び第3アーム部を鉛直面内のみ� ��回転させる垂直モードと、にアームを切替えて、前記第1乃至第4関節部の駆動部の駆動制御を行う、ことを特徴とする多関節型アームロボットの制御方法であってもよい。

    また、上記目的を達成するための本発明の一態様は、上下方向に伸縮可能な支持部と、前記支持部に、第1関節部を介してヨー軸周りに回転可能に一端が連結され、両端間にロール軸周りに回転可能な第2関節部が設けられた第1アーム部と、前記第1アーム部の他端に、第3関節部を介してヨー軸又はピッチ軸周りに回転可能に一端が連結された第2アーム部と、前記第2アーム部の他端に、第4関節部を介してヨー軸又はピッチ軸周りに回転可能に連結されたエンドエフェクタ部と、前記第1乃至第4関節部を夫々回転及び前記支持部を伸縮させる駆動部と、を備える多関節型アームロボットの制御プログラムであって、前記第1、第2及び第3アーム部を水平面内のみに回転させるスカラモードと、前記第2及び第3アーム部を鉛直面� ��のみに回転させる垂直モードと、にアームを切替えて、前記第1乃至第4関節部の駆動部の駆動制御を行う処理をコンピュータに実行させる、ことを特徴とする多関節型アームロボットの制御プログラムであってもよい。

    本発明によれば、簡易な構成で、アームを低駆動力で駆動しつつ広範囲で移動可能な多関節型アームロボット、制御方法及び制御プログラムを提供することができる。

    本発明の実施1の形態1に係る多関節型アームロボットの概略的な構成を示す斜視図である。

    本発明の実施の形態1に係る多関節型アームロボットの概略的なアーム構成を示すブロック図である。

    本発明の実施の形態1に係る多関節型アームロボットの概略的なシステム構成を示すブロック図である。

    スカラモードにおける多関節型アームロボットの状態の一例を示す側面図である。

    スカラモードにおける多関節型アームロボットの状態の一例を示す斜視図である。

    垂直モードにおける多関節型アームロボットの状態の一例を示す側面図である。

    垂直モードにおける多関節型アームロボットの状態の一例を示す斜視図である。

    スカラモードにおけるアームの可動範囲の一例を示す図である。

    垂直モードの低所におけるアームの可動範囲の一例を示す図である。

    垂直モードの高所におけるアームの可動範囲の一例を示す図である。

    スカラモード及び垂直モードにおけるアームの可動範囲の一例を示す図である。

    (a)垂直モードでアームが格納された状態の一例を示す斜視図である。 (b)垂直モードでアームが格納された状態の一例を示す側面図である。

    スカラモードにおいて、第2関節部のロール軸のトルクを最小化する方法を説明するための図である。

    スカラモードにおける第2関節部のロール軸に掛かるトルクを最小にする方法の一例を示すフローチャートである。

    スカラモードにおける第2関節部のロール軸に掛かるトルクを最小にする方法の一例を示すフローチャートである。

    垂直モードの低所において第3関節部のピッチ軸のトルクが最小となる状態の一例を示す図である。

    垂直モードの高所において第3関節部のピッチ軸のトルクが最小となる状態の一例を示す図である。

    本発明の実施の形態4に係る支持部の重力補償機構の一例を示す図である。

    本発明の実施の形態4に係る支持部の重力補償機構の一例を示す図である。

    本発明の実施の形態5に係る第2関節部の不可逆的動力伝達機構を示す概略図である。

    本発明の実施の形態6に係る支持部に連結された移動体の一例を示す側面図である。

    実施の形態1.
    以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。 図1は、本発明の実施の形態1に係る多関節型アームロボットの概略的な構成を示す斜視図である。 また、図2は、本実施の形態1に係る多関節型アームロボットの概略的なアーム構成を示すブロック図である。 さらに、図3は、本実施の形態1に係る多関節型アームロボットの概略的なシステム構成を示すブロック図である。

    本実施の形態1に係る多関節型アームロボット10は、所定位置に固定された支持部6と、支持部6の上端に、第1関節部1を介してその一端が連結された第1アーム部11と、第1アーム部11の他端に、第3関節部3を介してその一端が連結された第2アーム部12と、第2アーム部12の他端に第4関節部4を介してその一端が連結された第3アーム部13と、第3アーム部13の他端に第5関節部5を介して連結されたエンドエフェクタ部7と、第1乃至第5関節部1、2、3、4、5を夫々回転及び支持部1を伸縮させる第1乃至第6駆動部21、22、23、24、25、26と、第1乃至第6駆動部21、22、23、24、25、26の駆動を制御する制御部8と、を備えている。

    支持部(鉛直昇降軸)6は、上下方向へ伸縮可能な伸縮機構を有しており、その上端に連結された第1関節部1を上下方向へ移動させ、アーム全体を上下方向へ移動させることができる。 支持部6には、第1関節部1を介してヨー軸(肩軸1、水平旋回軸)L1周りに回転可能に第1アーム部11の一端が連結されている。 また、第1アーム部11の両端間には、ロール軸(肩軸2)L2周りに回転可能な第2関節部2が設けられている。

    第1アーム部11の他端には、第3関節部3を介してヨー軸又はピッチ軸(肩軸3)L3周りに回転可能に第2アーム部12の一端が連結されている。 第2アーム部12の他端には、第4関節部4を介してヨー軸又はピッチ軸(肘軸)L4周りに回転可能に第3アーム部13の一端が連結されている。 第3アーム部13の他端には、第5関節部5を介してロール軸(手首軸1)L5、ピッチ軸(手首軸2)L6及びヨー軸(手首軸3)L7周りに回転可能にエンドエフェクタ部7が連結されている。

    なお、第5関節部5のロール軸L5、ピッチ軸L6及びヨー軸L7は、夫々、直交3軸となるように配置されている。 これにより、アームの逆運動学の解析解が得られるため制御が容易となる。 エンドエフェクタ部7は、例えば、複数の指部を有しており、物体を把持することが可能な把持部として構成されているが、これに限らず任意の構成が適用可能である。

    第1乃至第5駆動部21、22、23、24、25は、例えば、第1乃至第5関節部1、2、3、4、5、に内蔵されるサーボモータなどのアクチュエータであり、第1乃至第5関節部1、2、3、4、5を、夫々、減速機構等を介して回転駆動する。 第6駆動部26は、例えば、支持部6に内蔵される油圧或いは電動のアクチュエータであり、伸縮機構を用いて支持部6を上下方向へ伸縮させる。 第1乃至第6駆動部21、22、23、24、25、26は制御部8に駆動回路などを介して接続されており、制御部8から送信される制御信号に応じて、第1乃至第5関節部1、2、3、4、5を回転駆動し、或いは、支持部6を伸縮させる。

    第1乃至第5関節部1、2、3、4、5には、第1乃至第5関節部1、2、3、4、5、の回転度を検出できる第1乃至第5回転角センサ31、32、33、34、35が夫々設けられている。 第1乃至第5回転角センサ31、32、33、34、35は、例えば、ポテンショメータであり、制御部8に夫々接続されており、検出した第1乃至第5関節部1、2、3、4、5の回転角度を制御部8に対して出力する。

    なお、第1回転角センサ31は第1関節部1のヨー軸L1周り(#1)の回転角度を検出し、第2回転角センサ32は第2関節部2のロール軸L2周り(#2)に回転角度を検出し、第3回転角センサ33は第3関節部3のヨー軸又はピッチ軸L3周り(#3)の回転角度を検出し、第4回転角センサ34は第4関節部4のヨー軸又はピッチ軸L4周り(#4)の回転角度を検出し、第5回転センサ35は第5関節部5のロール軸L5周り(#5)、ピッチ軸L6周り(#6)及びヨー軸L7周り(#7)の回転角度を夫々検出することができる。

    また、支持部6には、支持部6の高さ位置(#0)を検出する位置センサ36が設けられている。 位置センサ36は制御部8に接続されており、検出した支持部6の高さ位置を制御部8に対して出力する。

    制御部8は、例えば、第1乃至第5回転角センサ31、32、33、34、35からの回転角度に基づいて第1乃至第5関節部1、2、3、4、5が目標の回転角度となるように、或いは、位置センサ36からの高さ位置に基づいて、支持部6が目標の高さ位置となるように、フィードバック制御などを行う。

    なお、制御部8は、例えば、制御処理、演算処理等を行うCPU(Central Processing Unit)8a、CPU8aによって実行される制御プログラム、演算プログラム等が記憶されたROM(Read Only Memory)8b、処理データ等を記憶するRAM(Random Access Memory)8c等からなるマイクロコンピュータを中心にして、ハードウェア構成されている。

    制御部8は、第1、第3及び第4関節部1、3、4を水平方向のみに回転させるスカラモード(図4及び図5)と、第3及び第4関節部3、4を垂直方向のみに回転させる垂直モード(図6及び図7)と、にアームを切替えて、第1乃至第5関節部1、2、3、4、5の第1乃至第5駆動部21、22、23、24、25の駆動制御を行う。

    第2関節部2のロール軸L2は、スカラモードと垂直モードとに切替えるためのモード切替軸としての機能を有している。 制御部8は、第2駆動部22を制御して第2関節部2をロール軸L2周りに回転させることで、上述のように、第1、第3及び第4関節部1、3、4の回転軸L1、L3、L4が鉛直方向となるスカラモードと、第3及び第4関節部3、4の回転軸L3、L4が水平方向となる垂直モードと、に切替える制御を行う。 以下、スカラモード及び垂直モードについて詳細に説明する。

    (スカラモード)
    制御部8は、第2関節部2をロール軸L2周りに回転させアームをスカラモードに切替ると(図4及び図5)、第1、第3及び第4駆動部21、23、24を介して、第1、第3及び第4関節部1、3、4の水平方向の回転を制御して、アーム姿勢を制御する。 これにより、例えば、重量物の把持・運搬作業時などにおいて根元の関節軸(特に、第2関節部2のロール軸L2)に掛かる負荷を効果的に軽減することができる。

    ここで、スカラモードにおいて、アームやワークの重力による負荷は、支持部6、第2関節部2、及び第5関節部5に対して作用する。 一方、第5関節部5のモーメント長は短くそのモーメント力は小さく、第5関節部5を駆動する第5駆動部25の駆動力は低く抑えることができる。 また、第2関節部2は、後述の如く、駆動力を低く抑えることが可能となり一方、したがって、支持部6の伸縮には大きな駆動力が必要となるが、支持部6の駆動力についても、後述の如く、重力補償機構61を用いることで、低駆動力でも大きな伸縮力を発生させることが可能となる。 このように、制御部8は、アームをスカラモードに切替えることで、低駆動力かつ低消費電力でアームを駆動することができる。

    なお、スカラモードにおいて、第5関節部5の上下方向の位置は、支持部6の高さ位置のみによって決定されるため、支持部6の上下方向の伸縮範囲によって第5関節部5の上下可動域が決定されることとなる(図8)。 したがって、例えば、主に机上作業のような、中間程度の高さで作業を行うのが好ましい。

    (垂直モード)
    制御部8は、第2関節部2をロール軸L2周りに回転させてアームを垂直モードに切替ると(図6及び図7)、第3及び第4駆動部23、24を介して、第3及び第4関節部3、4の垂直方向の回転を制御して、アーム姿勢を制御する。 これにより、例えば、低所や高所にある物の把持・運搬作業などの広可動域のアーム動作が可能となる。

    例えば、床上のような低所において、制御部8は、第6駆動部26を介して、支持部6を収縮させ第1関節部1を低くした状態で、アームを垂直モードに切替え、第1乃至第3関節部(肩軸1乃至3)1、2、3よりも下側にエンドエフェクタ部7を移動させて作業を行う(図9)。

    一方、棚上のような高所において、制御部8は、第6駆動部26を介して、支持部6を伸長させ第1関節部1を高くした状態で、アームを垂直モードに切替え、第1乃至第3関節部(肩軸1乃至3)1、2、3よりも上側にエンドエフェクタ部7を移動させて作業を行う(図10)。 このように、制御部8は、アームをスカラモードから垂直モードに切替えることで、エンドエフェクタ部7の可動域を低所から高所まで広範囲に拡張することができる(図11)。

    なお、垂直モードにおいて第3及び第4関節部3、4は、ピッチ軸L3、L4周りに回転するため、重力による負荷が作用し易く、スカラモードと比較して可搬重量が小さくなる。 このため、低所や高所(図11の領域X)の作業は最大駆動トルクを超えるような重量物を把持しないことを前提とする。 このように、制御部8は、垂直モードに切替えることで、アームを低所から高所までの広範囲で移動させ作業を行うことができる。

    また、制御部8は、アームを垂直モードに切替えて、第3及び第4関節部3、4の回転を制御して、第2アーム部12、第3アーム部13及びエンドエフェクタ部7を格納する(図12(a)及び(b))。 例えば、制御部8は、アームを垂直モードに切替えて、第2アーム部12が鉛直下方向となるように、第3関節部3を回転させ、第3アーム部13が鉛直上方向となるように、第4関節部4を回転させる。

    ここで、第2アーム部12と第3アーム部13とが、図12(a)及び(b)に示すように、アーム格納時に第4関節部4を回転させたときに相互干渉しないように、各アームを構成することで、よりコンパクトに格納することができる。

    通常のスカラ型アームにおいては、アーム格納時に第2アーム部の長さ以上だけ、第3関節部の位置から水平に第2アーム部が突出するため、アームロボット全体のフットプリント(床面投影面積)が大きくなる。 一方、本実施の形態1に係る多関節型アームロボット10によれば、アームを垂直モードに切替え、各アームを折り畳むことにより、各アームを格納した状態でのフットプリントを小さくすることが可能となる。 このように、スカラ型アームのメリットを有しつつ、その欠点である格納性を改善することができる。

    以上、本実施の形態1に係る多関節型アームロボット10において、制御部8は、第1、第3及び第4関節部1、3、4を水平方向のみに回転させるスカラモードと、第3及び第4関節部3、4を垂直方向のみに回転させる垂直モードと、にアームを切替えて、第1乃至第4関節部1、2、3、4の第1乃至第4駆動部21、22、23、24の駆動制御を行う。 これにより、スカラモードにおいてアームを低駆動力で駆動することができ、垂直モードにおいてアームを広範囲で移動させることができる。

    なお、スカラモードと垂直モードとの切替えは、第1アーム部11に両端間に第2関節部2を設け、その第2関節部2をロール軸L2周りに回転させることで簡易に実現できる。 すなわち、簡易な構成で、アームを低駆動力で駆動しつつ広範囲で移動させる多関節型アームロボット10を提供することができる。

    実施の形態2.
    本発明の実施の形態2に係る多関節型アームロボット10において、制御部8は、スカラモードにおいて、第2関節部2のロール軸L2に掛かるトルクを最小にするように、第1、第3及び第4駆動部21、23、24を制御して第1、第3及び第4関節部1、3、4の回転を制御する。 スカラモードにおいて、第2関節部2のロール軸L2に大きなトルクが作用し易くなっているが、この第2関節部2のトルクを最小化することで、低駆動力の第2駆動部22を採用することが可能となり、アームの安全性向上及び低消費電力化を図ることができる。

    例えば、制御部8は、第2関節部2からエンドエフェクタ部7までの重心位置Gによるモーメント力(モーメント長X1)が最小となるように、第1、第3及び第4駆動部21、23、24を制御して第1、第3及び第4関節部1、3、4の回転を制御する(図13)。

    次に、上述のように、スカラモードにおいて第2関節部2のロール軸L2に掛かるトルクを最小にする方法の一例について詳細に説明する。 図14は、本実施の形態2に係るスカラモードにおける第2関節部のロール軸に掛かるトルクを最小にする方法の一例を示すフローチャートである。

    まず、制御部8は、エンドエフェクタ部7の目標位置姿勢、すなわち、目標手先位置姿勢を設定する(ステップS101)。 次に、制御部8は、アームが設定した目標手先位置姿勢となるように、冗長自由度パラメータを用いて周知の逆運動学演算を行い(ステップS102)、第1乃至第5関節部1、2、3、4、5の目標回転角度を算出する(ステップS103)。

    ここで、上記逆運動学演算において、例えば、第1関節部1の回転角度を冗長自由度パラメータとし定数として扱い、第2関節部2はスカラモードの状態で固定されるため、本実施の形態2に係るアーム構成は昇降軸を含めて8軸であるが6軸アームと見なすことができ、第5関節部5を直交3軸とすると逆運動学の解析解を得ることができる。

    その後、制御部8は、予め設定された第1乃至第3アーム部11、12、13及びエンドエフェクタ部7の重量パラメータと、算出した第1乃至第5関節部1、2、3、4、5の目標回転角度と、に基づいて、周知の順運動学演算を行い(ステップS104)、第2関節部2からエンドエフェクタ部7までの重心位置Gを算出する(ステップS105)。

    また、制御部8は、第2関節部2のロール軸L2を含む鉛直平面S1を算出する(ステップS106)。 なお、重量パラメータは、例えば、制御部8のROM8bやRAM8cに予め設定されている。

    さらに、制御部8は、算出した第2関節部2からエンドエフェクタ部7までの重心位置Gと、第2関節部2のロール軸L2を含む鉛直平面S1と、の距離(モーメント長)X1を算出する(図13)(ステップS107)。

    制御部8は、冗長自由度のパラメータをニュートン法などの収束演算法によって変化させ、第2関節部2からエンドエフェクタ部7までの重心位置Gと、第2関節部2のロール軸L2を含む鉛直平面S1と、の距離X1が最小となるように、設定し(ステップS108)、上記(ステップS102)に戻る。

    なお、制御部8は、例えば、ワーク重量を予めモデル化、或いはワークの把持後に荷重センサ等を用いて検出して、上記重量パラメータを修正することで、より高精度に重心位置Gを算出することができる。

    また、制御部8は、トルクセンサなどにより計測された第2関節部2のロール軸L2のトルクに基づいて、スカラモードにおいて第2関節部2のロール軸L2に掛かる負荷トルクを最小にしてもよい。 これにより、ワーク重量や環境との接触力等、アームに対して作用する外力を力覚センサ等で直接計測することが困難な場合でも第2関節部2のロール軸L2に掛かる負荷トルクを容易に低減することができる。

    この場合、図15に示すように、まず、制御部8は、エンドエフェクタ部7の目標位置を設定し、目標手先位置姿勢を設定する(ステップS201)。 次に、制御部8は、アーム姿勢が設定した目標手先位置姿勢となるように、冗長自由度パラメータを用いて周知の逆運動学演算を行い(ステップS202)、第1乃至第5関節部1、2、3、4、5の回転角度指令値を算出する(ステップS203)。

    制御部8は、算出した第1乃至第5関節部1、2、3、4、5の回転角度指令値を第1乃至第5駆動部21、22、23、24、25に対して出力し、第1乃至第5駆動部21、22、23、24、25は、制御部8からの第1乃至第5関節部1、2、3、4、5の回転角度指令値に応じて、第1乃至第5関節部1、2、3、4、5を夫々回転させる(ステップS204)。

    第2関節部2のトルクセンサは、第2関節部2のロール軸L2に掛かるトルクを検出し(ステップS205)、検出したトルクを制御部8に対して出力する。

    制御部8は、第2関節部2のロール軸L2に掛かるトルクが小さくなるように、冗長自由度パラメータを設定し(ステップS206)、上記(ステップS202)に戻る。 なお、スカラモードにおいて第2関節部2のロール軸L2に掛かるトルクを最小化する方法について、説明したが、上記方法は一例でありこれに限らず任意の方法を用いて求めることが可能である。

    以上、本実施の形態2に係る多関節型アームロボット10によれば、スカラモードにおいて、アーム基部となる第2関節部2に大きなトルクが作用し易い状態となるが、制御部8が上述のように、第2関節部2のロール軸L2に掛かるトルクを最小にするように、第1、第3及び第4関節部1、3、4の回転を制御する。 これにより、低駆動力の第2駆動部22を採用することが可能となり、したがって、安全かつ低消費電力のアーム構成を実現することができる。

    実施の形態3.
    本発明の実施の形態3に係る多関節型アームロボット10において、制御部8は、垂直モードにおいて、第3関節部3のピッチ軸L3に掛かるトルクを最小にするように、第3及び第4駆動部23、24を制御して第3及び第4関節部3、4の回転を制御する。 垂直モードにおいて、第3関節部3に大きなトルクが作用し易くなっているが、この第3関節部3のトルクを最小化することで、低駆動力の第3駆動部23を採用することが可能となり、アームの安全性向上及び低消費電力化を図ることができる。

    例えば、制御部8は、第3関節部3のピッチ軸L3を中心とした、第3関節部3からエンドエフェクタ部7までの重心位置Gによるモーメント力(モーメント長X2)がより小さい逆運動学の解を選択し、第3及び第4駆動部23、24を制御して第3及び第4関節部3、4の回転を制御する。

    より単純には、制御部8は、第3関節部3が第4及び第5関節部4、5よりも高くなる低所姿勢の場合、第3関節部3と第5関節部5とを結ぶ線に対して第4関節部4が下側に位置するように、第3及び第4関節部3、4の回転を制御する(図16)。

    一方、制御部8は、第3関節部3が第4及び第5関節部4、5よりも低くなる高所姿勢の場合、第3関節部3と第5関節部5とを結ぶ線に対して第4関節部4が上側に位置するように、第3及び第4関節部3、4の回転を制御する(図17)。

    以上、本実施の形態3に係る多関節型アームロボット10によれば、垂直モードにおいて、アーム基部となる第3関節部3に大きなトルクが作用し易い状態となるが、制御部8が上述のように、第3関節部3のピッチ軸L3に掛かるトルクを最小にするように、第3及び第4関節部3、4の回転を制御することで、低駆動力の第3駆動部23を採用することが可能となり、したがって、安全かつ低消費電力のアーム構成を実現することができる。

    実施の形態4.
    本発明の実施の形態4に係る多関節型アームロボット10において、支持部6は、第1関節部1からエンドエフェクタ部7までの重力を支持する重力補償機構41を有していても良い。 アーム基部となる支持部6の伸縮には大きな駆動力が必要となるが、支持部6に重力補償機構41を設けることで、第1関節部1からエンドエフェクタ部7までの重力は常時、重力補償機構41によって支持され、略実効作業力に対応する必要最小限の駆動力で支持部6を伸縮させれば良いこととなる。 すなわち、支持部6の伸縮に低駆動力の第6駆動部26を採用することが可能となり、アームの安全性向上及び低消費電力化を図ることができる。

    例えば、支持部6は所定位置に固定されたベース42と、ベース42に連結固定された下側部材43と、下側部材43に上下方向に移動可能に係合された上側部材44と、を有している(図18)。 下側及び上側部材内43、44には、上側部材44を下側部材43に対して上下方向に相対移動させる直動アクチュエータ(第6駆動部)26がその長手方向に沿って設けられている。 また、下側及び上側部材内43、44には、第1関節部2からエンドエフェクタ部7までの重力と同等の力で、常時、上側部材44を上方へ付勢するガススプリング(重力補償機構)41が、直動アクチュエータ26に対して併設されている。

    なお、重力補償機構41として、例えば、ガススプリングが用いられているが、これに限らず、例えば、カウンターウェイトを用いた構成でもよく、第1関節部1からエンドエフェクタ部7までに作用する重力を支持できれば、任意の機構を用いることができる。

    実施の形態5.
    本発明の実施の形態5に係る多関節型アームロボット10において、第2関節部2には、第2駆動部22側からの出力トルクを第2関節部2のロール軸L2側に伝達し、かつ第2関節部2のロール軸L2側からのトルクを第2駆動部22側に伝達しない、不可逆的動力伝達機構51が設けられていてもよい(図20)。 不可逆的動力伝達機構51として、例えば、トルクダイオード(登録商標)やウォームギアなどが用いられており、逆駆動を防止している。

    特にスカラモードにおいて、アーム基部となる第2関節部2には大きなトルクが作用し易くなるが、モード切替軸である第2関節部2のロール軸L2を、スカラモードと垂直モードとのモード切替動作時のみに駆動させる。 そして、モード切替後は、不可逆的動力伝達機構51によって第2関節部2のロール軸L2からのアーム重力やワーク作業による外力を保持させることで、第2駆動部22の駆動力が無い状態でも、モード切替後のアーム姿勢を維持できる。 これにより、第2駆動部22は、モード切替動作に必要な駆動力のみを出力できれば良いこととなる。 したがって、低駆動力の第2駆動部22を採用することが可能となり、安全かつ低消費電力のアーム構成を実現することができる。

    例えば、第2関節部2において、第2駆動部22であるサーボモータの出力軸に減速機52の入力軸が連結され、減速機52の出力軸に不可逆的動力伝達機構51の入力軸が連結され、不可逆的動力伝達機構51の出力軸に第2関節部2のロール軸L2が連結されている。

    この構成により、第2駆動部22の出力軸が回転していない状態で、第2関節部2のロール軸L2からのアーム重力やワーク作業による外力が生じても、第2関節部2のロール軸L2は不可逆的動力伝達機構51によってロックされる。 したがって、第2駆動部22の駆動力がゼロでも第2関節部2のロール軸L2の回転角度が保持される。 なお、不可逆的動力伝達機構51の許容入力回転数が減速機52の入力軸の最高回転数より大きい場合、減速機52と不可逆的動力伝達機構51の組付け順序を逆にしてもよい。 また、不可逆的動力伝達機構51は第2関節部2のロール軸L2に設けられる構成であるが、さらに、第3関節部3のヨー軸又はピッチ軸L3及び/又は第4関節部4のヨー軸又はピッチ軸L4に設けられる構成であってもよい。

    実施の形態6.
    本発明の実施の形態6に係る多関節型アームロボット10は、支持部6に連結され、移動可能な移動体61を更に備えていてもよい(図21)。 移動体61としては、例えば、複数の車輪62を有する台車部61として構成されているが、これに限らず任意の構成が適用可能である。

    これにより、床上、机上、棚上などのアームの到達範囲に把持・操作対象物がない場合でも、移動体61を作業可能な場所まで移動させ、把持等を行い搬送することができるため、広範囲の物品の把持・搬送可能となる。 すなわち、簡易な構成で、アームを低駆動力で駆動しつつより広範囲で移動させることができる。

    なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。

    上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。 本発明は、制御部8の実行する処理を、CPU8aにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。

    プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。 非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。 非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。
    また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。 一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。 一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。

    本発明は、例えば、人と共存して人や物などを移動させる作業を行うロボットアームに適用可能である。

    1 第1関節部 2 第2関節部 3 第3関節部 4 第4関節部 5 第5関節部 6 支持部 7 エンドエフェクタ部 8 制御部 10 多関節型アームロボット 11 第1アーム部 12 第2アーム部 13 第3アーム部 21 第16駆動部 22 第2駆動部 23 第3駆動部 24 第4駆動部 25 第5駆動部 26 第6駆動部

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