マニピュレータシステムとその作動方法

申请号 JP2017522991 申请日 2016-02-25 公开(公告)号 JP6205528B1 公开(公告)日 2017-09-27
申请人 オリンパス株式会社; 发明人 小川 量平; 高橋 啓吾; 岸 宏亮;
摘要 挿入部の先端からのマニピュレータの突出 位置 を 精度 よく検出して、マニピュレータが湾曲した形状のままチャネル内に引き込まれたり、チャネル内に収容されているマニピュレータが誤動作したりしないように保護することを目的として、本発明に係るマニピュレータシステム(1)は、長尺の軟性部(9)と、その先端に設けられた可動部(10)と、可動部(10)を駆動する駆動部(11)とを備えるマニピュレータ(3)と、該マニピュレータ(3)を貫通させるチャネル(8)を有し、可撓性を有する挿入部(6)と、可動部(10)をチャネル(8)の先端から出没させる進退部(17)と、可動部(10)全体がチャネル(8)の先端から突出した突出状態であることを認定する突出状態認定部(45)と、突出状態であることが認定されたときに、進退部(17)による駆動部(11)のそれ以上の後退を規制する規制部とを備える。
权利要求

長尺の軟性部と、該軟性部の先端に設けられた可動部と、前記軟性部の基端に設けられ前記可動部を駆動する駆動部とを備えるマニピュレータと、 該マニピュレータが挿通されるチャネルを有する挿入部と、 前記駆動部を前記軟性部の長手方向に進退させ、前記可動部を前記チャネルの先端から出没させる進退部と、 前記可動部全体が前記チャネルの先端から突出した突出状態であることを認定する突出状態認定部と、 該突出状態認定部により、前記突出状態であることが認定されたときに、前記進退部による前記駆動部のそれ以上の後退を規制する規制部とを備えるマニピュレータシステム。前記突出状態認定部が、操作者に前記突出状態であるか否かを認識させる状態認識部と、該状態認識部により前記突出状態であると認識された場合にその旨を入させる入力部とを備える請求項1に記載のマニピュレータシステム。前記挿入部の先端よりも先端側を撮影する撮像部を備え、 前記状態認識部が、マニピュレータに、前記可動部が前記突出状態となったときに、前記撮像部による視野範囲内に配置される位置に設けられたマーカである請求項2に記載のマニピュレータシステム。前記状態認識部が、前記チャネル内に設けられた凹部または凸部と、前記マニピュレータの外面に設けられ、前記可動部が前記突出状態となったときに、前記凹部または凸部に解除可能に係合する係合部とを備える請求項2に記載のマニピュレータシステム。前記突出状態認定部が、前記挿入部の湾曲形状を推定する形状推定部と、該形状推定部により推定された湾曲形状に基づいて前記可動部が前記突出状態となる前記進退部による前記駆動部の進退量を算出する進退量算出部とを備える請求項1に記載のマニピュレータシステム。前記形状推定部が、前記挿入部に設けられたセンサを備える請求項5に記載のマニピュレータシステム。前記形状推定部が、体腔内の部位の識別情報と、該部位まで前記挿入部が挿入された状態での湾曲形状とを対応づけて記憶する記憶部と、前記識別情報を入力させる識別情報入力部とを備える請求項5に記載のマニピュレータシステム。長尺の軟性部の先端に可動部、基端に前記可動部を駆動する駆動部を備えたマニピュレータを、湾曲形状が設定された可撓性を有する挿入部のチャネル内に挿入した状態において、前記可動部全体が前記チャネルの先端から突出した突出状態であるか否かを認定する状態認定ステップと、 該状態認定ステップにおいて、前記突出状態であると認定されたときに、前記駆動部のその位置からの後退を規制する規制ステップとを含むマニピュレータシステムの作動方法。先端に可動部を有するマニピュレータと、該マニピュレータを挿通可能なチューブと、前記マニピュレータを取り付け可能なスライダとを備え、該スライダの進退によって前記可動部を前記チューブから突没させるマニピュレータシステムを制御する制御装置であって、 前記可動部の全体が前記チューブから突出した突出状態であることを認定し、該認定がされたときの前記スライダの位置を規制位置とした場合に、前記スライダが前記規制位置まで後退したときに前記スライダの後退を規制するように前記スライダを制御する制御装置。前記マニピュレータシステムは、前記チューブの湾曲形状を検知するセンサを備え、 前記センサにより検知された湾曲形状に基づいて前記可動部が前記突出状態となる前記スライダの進退量を算出することで前記突出状態を認定する請求項9に記載の制御装置。体腔内の部位の識別情報と、前記部位まで前記チューブが挿入された状態における前記チューブの湾曲形状とを対応付けて記憶する記憶部を有し、 前記識別情報の入力に応じて前記記憶部から読み出した湾曲形状に基づいて前記可動部が前記突出状態となる前記スライダの進退量を算出することで前記突出状態を認定する請求項9に記載の制御装置。

说明书全文

本発明は、マニピュレータシステムとその作動方法に関するものである。

多関節の処置具を有するマスタスレーブ方式のマニピュレータシステムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このマニピュレータシステムにおいては、挿入部に設けられた鉗子チャネルの先端から突出するマニピュレータの位置を検知して、鉗子チャネル内に入っているマニピュレータの部分については鉗子チャネルの形状に沿うように関節度を決定するようにしている。

特開2008−212349号公報

特許文献1のマニピュレータシステムでは、鉗子チャネルの基端側に配置したエンコーダによってマニピュレータの進退量を検出し、鉗子チャネルの先端から突出するマニピュレータの位置を検知している。 しかしながら、挿入部が軟性である場合に、挿入部が湾曲することによって鉗子チャネルの湾曲の内周側と外周側とで経路長が変化するため、鉗子チャネルの基端側に配置したエンコーダによって鉗子チャネルの先端から突出するマニピュレータの位置を精度よく検知することは困難である。

本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、挿入部の先端からのマニピュレータの突出位置を精度よく検出して、マニピュレータが湾曲した形状のままチャネル内に引き込まれたり、チャネル内に収容されているマニピュレータが誤動作したりしないように保護することができるマニピュレータシステムとその作動方法を提供することを目的としている。

本発明の一態様は、長尺の軟性部と、該軟性部の先端に設けられた可動部と、前記軟性部の基端に設けられ前記可動部を駆動する駆動部とを備えるマニピュレータと、該マニピュレータを貫通させるチャネルを有し、可撓性を有する挿入部と、前記駆動部を前記軟性部の長手方向に進退させ、前記可動部を前記チャネルの先端から出没させる進退部と、前記可動部全体が前記チャネルの先端から突出した突出状態であることを認定する突出状態認定部と、該突出状態認定部により、前記突出状態であることが認定されたときに、前記進退部による前記駆動部のそれ以上の後退を規制する規制部とを備えるマニピュレータシステムである。

本態様によれば、可撓性を有する挿入部を、例えば、患者の体内に湾曲させながら挿入することによって、先端が患部に対向する位置に配されるように挿入した後に、駆動部を取り付けた進退部を前進させることによって、挿入部のチャネルを介してマニピュレータを前進させ、その先端に設けられている可動部をチャネルの先端から突出させる。可動部全体がチャネルの先端から突出状態であることが突出状態認定部により認定されると、規制部の作動により、駆動部がその位置から後退しないように進退部が規制される。

すなわち、規制部によって規制された後には、可動部が部分的にチャネル内に引き込まれることが防止されるので、操作者は、チャネルの先端から全体が突出させられた状態の可動部を、制限されることなく自由に作動させることができる。これにより、可動部が湾曲した状態のままチャネル内に引き込まれたり、可動部が部分的にチャネル内に引き込まれて操作者が意図せずに可動部自体の動作が制限されてしまったりすることを防止することができる。

上記態様においては、前記突出状態認定部が、操作者に前記突出状態であるか否かを認識させる状態認識部と、該状態認識部により前記突出状態であると認識された場合にその旨を入させる入力部とを備えていてもよい。 このようにすることで、可動部全体がチャネルの先端から突出したことを状態認識部により認識した操作者が入力部によってその旨を入力することにより、規制部によって駆動部がその位置から後退しないように進退部が規制される。

また、上記態様においては、前記挿入部の先端側を撮影する撮像部と、該撮像部により取得された画像を表示する表示部とを備え、前記状態認識部が、マニピュレータに、前記可動部が前記突出状態となったときに、前記撮像部による視野範囲内に配置される位置に設けられたマーカであってもよい。 このようにすることで、チャネルを介してマニピュレータが前進させられて可動部全体がチャネルの先端から突出させられると、撮像部の視野範囲にマニピュレータに設けられたマーカが配置されて、撮像部により取得された画像が表示部に表示される。これにより、操作者は表示部に表示された画像により、マニピュレータの可動部全体がチャネルの先端から突出したことを視覚的に容易に認識することができる。

また、上記態様においては、前記状態認識部が、前記チャネル内に設けられた凹部または凸部と、前記マニピュレータの外面に設けられ、前記可動部が前記突出状態となったときに、前記凹部または凸部に解除可能に係合する係合部とを備えていてもよい。

このようにすることで、チャネルを介してマニピュレータが前進させられて可動部全体がチャネルの先端から突出させられると、チャネル内に設けられた凹部または凸部にマニピュレータの外面に設けられた係合部が係合する。これにより、操作者は、マニピュレータの可動部全体がチャネルの先端から突出したことを力覚的に容易に認識することができる。そして、規制部により駆動部の後退を規制した後には、凹部または凸部と係合部との係合状態を解除して駆動部の前進動作および可動部の自由な動作が可能となる。

また、上記態様においては、前記突出状態認定部が、前記挿入部の湾曲形状を推定する形状推定部と、該形状推定部により推定された湾曲形状に基づいて前記可動部が前記突出状態となる前記進退部による前記駆動部の進退量を算出する進退量算出部とを備えていてもよい。 このようにすることで、形状推定部により予め挿入部の湾曲形状が推定されれば、可動部全体がチャネルの先端から突出するための駆動部の進退量を進退量算出部により算出でき、算出結果に基づいて突出状態を認定して規制部による規制を実施することができる。

また、上記態様においては、前記形状推定部が、前記挿入部に設けられたセンサを備えていてもよい。 このようにすることで、挿入部に備えられたセンサにより挿入部の湾曲形状を容易に推定することができる。

また、上記態様においては、前記形状推定部が、体腔内の部位の識別情報と、該部位まで前記挿入部が挿入された状態での湾曲形状とを対応づけて記憶する記憶部と、前記識別情報を入力させる識別情報入力部とを備えていてもよい。 このようにすることで、操作者が識別情報入力部により、処置しようとする体腔内の部位の識別情報を入力すると、記憶部に対応づけて記憶されている挿入部の湾曲形状が読み出されることにより、挿入部の湾曲形状を容易に推定することができる。

また、本発明の他の態様は、長尺の軟性部の先端に可動部、基端に前記可動部を駆動する駆動部を備えたマニピュレータを、湾曲形状が設定された可撓性を有する挿入部のチャネル内に挿入した状態において、前記可動部全体が前記チャネルの先端から突出した突出状態であるか否かを認定する状態認定ステップと、該状態認定ステップにおいて、前記突出状態であると認定されたときに、前記駆動部のその位置からの後退を規制する規制ステップとを含むマニピュレータシステムの作動方法である。

本発明によれば、挿入部の先端からのマニピュレータの突出位置を精度よく検出して、マニピュレータが湾曲した形状のままチャネル内に引き込まれたり、チャネル内に収容されているマニピュレータが誤動作したりしないように保護することができるという効果を奏する。

本発明の一実施形態に係るマニピュレータシステムを示す全体構成図である。

図1のマニピュレータシステムの一部を示す斜視図である。

図1のマニピュレータシステムに用いられるマニピュレータ、操作入力部および制御部を示す図である。

図1のマニピュレータシステムの操作入力部の第2の操作部、指令伝達部および進退機構を説明する平面図である。

図1のマニピュレータシステムのマニピュレータの可動部全体がオーバーチューブの先端から突出した状態を示す側面図である。

図1のマニピュレータシステムにおいて、オーバーチューブに挿通された内視鏡により取得された、マーカが表示された内視鏡画像の一例を示す図である。

図1のマニピュレータシステムの可動部全体がオーバーチューブのマニピュレータ用チャネル内に収容された収容状態を示す図である。

図1のマニピュレータシステムにおける規制部の一例を示す図である。

図1のマニピュレータシステムのオーバーチューブの内視鏡用チャネルに内視鏡を挿入した状態を示す図である。

図1のマニピュレータシステムのオーバーチューブのマニピュレータ用チャネルにマニピュレータを挿入した状態を示す図である。

図8Bのマニピュレータの駆動部をモータユニットに接続した状態を示す図である。

図1のマニピュレータシステムの作動方法を説明するフローチャートである。

図1のマニピュレータシステムの状態認識部の変形例を示す部分的な縦断面図である。

図10Aのマニピュレータシステムの状態認識部の変形例を示す部分的な縦断面図である。

図10Bの状態認識部により、可動部全体がオーバーチューブの先端から突出した突出状態であることが認識された状態を示す部分的な縦断面図である。

図1のマニピュレータシステムの状態認識部であるマーカの変形例を示す図である。

図11Aの状態から、マニピュレータを軟性部の長手軸回りに回転させマーカを中央に配置した状態を示す図である。

図11Bの回転動作をユーザに実施させるためのGUIの画面の一例を示す図である。

オーバーチューブの湾曲形状に基づいて可動部全体がマニピュレータ用チャネルの先端から突出状態となる駆動部の進退量を算出する計算方法を説明する図である。

図9のマニピュレータシステムの作動方法の変形例を示すフローチャートである。

図9のマニピュレータシステムの作動方法の他の変形例を示すフローチャートである。

以下、本発明の一実施形態に係るマニピュレータシステム1とその作動方法について、図面を参照して以下に説明する。 本実施形態に係るマニピュレータシステム1は、図1および図2に示されるように、操作者Oにより操作される操作入力部2と、患者Pの体腔内に挿入されるオーバーチューブ(挿入部)6と、該オーバーチューブ6のチャネル8内にそれぞれ挿入されるマニピュレータ3および内視鏡(撮像部)7と、操作入力部2の操作に基づいてマニピュレータ3を制御する制御部4と、モニタ(表示部)5とを備えている。図2に示す例では、マニピュレータ3は2つ備えられ、オーバーチューブ6の2つのチャネル8にそれぞれ挿入されているが、以下は一方のマニピュレータ3のみについて説明する。

マニピュレータ3は、図3に示されるように、オーバーチューブ6のチャネル8を介して患者Pの体内に挿入される長尺の軟性部9と、該軟性部9の先端に備えられた可動部10と、挿入部6の基端側に配置され、図示しないワイヤ等の動力伝達部材によって可動部10を駆動する駆動部11とを備えている。 可動部10は、最先端に配置され、体内の患部に作用してこれを処置する処置部12と、該処置部12の先端位置および姿勢を変化させる複数の関節13,14,15とを備えている。処置部12は、例えば、把持鉗子あるいは高周波ナイフ等である。

また、マニピュレータ3は、図3に示されるように、駆動部11に着脱可能に接続され、駆動部11に動力を付与するモータ等の電気的な駆動源(図示略)を内蔵したモータユニット16と、該モータユニット16を直線移動させる進退機構(進退部)17とを備えている。 進退機構17は、ベース18と、該ベース18に対して直線移動可能にモータユニット16を支持するスライダ19とを備えている。

オーバーチューブ6は、可撓性を有する材質からなるチューブであって、図2および図3に示されるように、マニピュレータ3を貫通させるマニピュレータ用チャネル(チャネル)8および内視鏡7を貫通させる内視鏡用チャネル20を有する先端側管状部21と、該先端側管状部21の基端からマニピュレータ用チャネル8を基端側に延長するように延びる基端側管状部22とを備えている。

操作入力部2は、図3に示されるように、操作者Oの手によって把持されて操作される第1の操作部23と、操作者Oの手首または腕によって操作される第2の操作部24と、これらの操作部23,24により入力された操作指令をマニピュレータ3に伝達する指令伝達部25とを備えている。

第1の操作部23は、マニピュレータ3の可動部10と相似形に構成されており、可動部10と同じ数の関節26,27,28によって支持された先端部29が操作者Oの手によって把持されて、掌または手指によって移動させられるようになっている。第1の操作部23には、該第1の操作部23を構成している各関節26,27,28の角度を検出する図示しないセンサが備えられている。なお、第1の操作部23は可動部10と相似形である場合に限られず、非相似形であってもよい。

センサは、各関節26,27,28の角度に応じた電気信号を発生するようになっている。これにより、各第1の操作部23は、操作者Oの掌または手指により操作指令を入力し、電気信号からなる動作指令を発生することができるようになっている。 また、第1の操作部23の先端部29には、後述するように、可動部10全体がマニピュレータ用チャネル8の先端から突出したことを操作者Oに確認入力させるための入力部(図示略)が設けられている。

第2の操作部24は、第1の操作部23の基部に固定された腕置き台30と、該腕置き台30および第1の操作部23を一体的に移動可能に支持する直動機構31とを備えている。腕置き台30は、操作者Oが第1の操作部23の先端部29を把持したときに、丁度先端部29を把持する手の手首近傍の腕が載せられる位置に配置されている。

直動機構31は、腕置き台30および第1の操作部23を固定するスライダ32と、図3および図4に黒塗りの矢印で示すように、該スライダ32を平方向に移動可能に支持する直線ガイド33とを備えている。腕置き台30に乗せた腕によってスライダ32を水平方向に移動させることにより第1の操作部23を把持した姿勢を維持したままで、第1の操作部23の位置を移動させることができるようになっている。これにより、第2の操作部24は、操作者Oの手首または腕により操作指令を入力し、手首または腕により入力した力を、2つのスライダ32の機械的な駆動力として動作指令を発生することができるようになっている。なお、スライダ32が機械的な駆動力としての動作指令を発生する場合の他、電気的な駆動力としての動作指令を発生する方式のものでもよい。

指令伝達部25は、第1の操作部23と駆動部11とを接続する電気信号伝達部34と、第2の操作部24と進退機構17とを接続する機械的動力伝達部35とを備えている。 電気信号伝達部34は、第1の操作部23により発生された電気信号からなる動作指令を制御部4に伝達し、制御部4によって生成された指令信号を、モータユニット16の各モータに供給するようになっている。制御部4は、第1の操作部23により発生した動作指令に基づいて、モータユニット16の各モータの回転移動量および回転速度を算出し各モータを制御するようになっている。

機械的動力伝達部35は、図3に示されるように、操作入力部2の各スライダ32を前後進させる直線動作を進退機構17の直線動作に変換する伝達部36を備えている。 図4に示されるように、伝達部36は、操作入力部2のスライダ32の直進移動量を回転角度に変換する第1のラックアンドピニオン機構37と、回転動作を進退機構17のスライダ19の直進移動量に変換する第2のラックアンドピニオン機構38と、これらのラックアンドピニオン機構37,38のピニオンギヤにそれぞれ固定されたプーリ39,40と、これらのプーリ39,40に掛け渡されたベルト41とを備えている。

本実施形態においては、直動機構31のスライダ32の動作範囲は、オーバーチューブ6に対してマニピュレータ3を軟性部9の長手方向に移動させる進退機構17のスライダ32の動作範囲に対応している。すなわち、スライダ32を最前端位置と最後端位置との間で移動させると、図5Aに示されるように、マニピュレータ3の先端に設けられた可動部10全体がオーバーチューブ6のマニピュレータ用チャネル8から前方に突出している処置状態と、図6に示されるように、可動部10全体がオーバーチューブ6のマニピュレータ用チャネル8内に収容されている収容状態との間でマニピュレータ3を移動させることができるようになっている。

そして、本実施形態においては、進退機構17のスライダ19の動作範囲の途中位置において、スライダ19のそれ以上の後退を規制する位置調整可能な規制部42が設けられている。 規制部42は、例えば、図7に示されるように、第2のラックアンドピニオン機構38のラックギヤの進退位置を検出するエンコーダ43と、該エンコーダ43が所定の位置を検出したときに、ピニオンギヤ回転を規制するブレーキ44とを備えている。

また、本実施形態においては、図5Aおよび図5Bに示されるように、処置部12の先端側にマーカ(突出状態認定部、状態認識部)45が設けられている。マーカ45は、塗装、ゴムカバー、印字あるいは可動部10の特徴形状(特定の関節やロゴマーク等)により構成すればよい。

さらに本実施形態においては、制御部4は、操作者Oが、モニタ5上に表示されている内視鏡画像において、処置部12のマーカ45を確認したときに、操作入力部2の第1の操作部23に設けられた入力部(図示略)において確認入力を行うことによりエンコーダ43および処置部12の回転角度を初期化し、マーカ45がモニタ5表示されている位置から可動部10全体がチャネル8より先端側に突出させられた状態となる位置までの予め設定されている長さ分スライダ19を前進させる。その後、スライダ19が予め設定されている長さ分前進した位置に配置された時点で、制御部4はブレーキ44を作動させてラックギヤの後退を規制するようになっている(規制モード)。

さらに、制御部4は、図6に示されるように、操作者Oが第1の操作部23を操作して、該第1の操作部23を構成している全ての関節26,27,28が収容可能な形状(例えば、真っ直ぐに延ばされた形状)になることにより、マニピュレータ3の可動部10が軟性部9の長手方向に沿う形状になったときに、ブレーキ44による規制を解除するようになっている(引き込み可能モード)。

このように構成された本実施形態に係るマニピュレータシステム1の作動方法について以下に説明する。 本実施形態に係るマニピュレータシステム1を用いて患者Pの体内の患部を処置するには、図8Aに示されるように、オーバーチューブ6の内視鏡用チャネル20内に内視鏡7を挿入した状態で、内視鏡7およびオーバーチューブ6を患者Pの体腔内に挿入し、内視鏡7により取得された画像をモニタ5に表示する。

制御部4は、図9に示されるように、規制部42による規制を解除しており、引き込み可能モードとなっている(ステップS1)。 そして、図8Bに示されるように、進退機構17のスライダ19を最も後退させた位置に配置してブレーキ44により規制しておき、マニピュレータ用チャネル8を介して患者Pの体内にマニピュレータ3の可動部10および軟性部9を挿入する。

また、スライダ19が最も後退させた位置にない場合、その位置まで動かすようにモニタ5や音によって操作者Oに通知する。このとき、スライダ19が最も後退させた位置にある場合にのみ、進退機構17に設けられた信号を出力するセンサ等の検知部(図示略)により検知して判定を行う。

そして、スライダ19が最も後退させた位置に配置されたことを検知部によって検知した場合、図8Cに示されるように、マニピュレータ3の駆動部11が進退機構17のスライダ19に固定されたモータユニット16に接続されることを待機する(ステップS2)。駆動部11がモータユニット16に接続された時点で、スライダ19は最も後退した位置に配置されているので、マニピュレータ3の可動部10全体は、図8Cに示されるように、マニピュレータ用チャネル8内に完全に収容されている。

次いで、制御部4は、進退機構17のスライダ19によるマニピュレータ3の進退位置調整を行うようにモニタ5上において通知し、ブレーキ44による規制を解除する。 これに応じて、操作者Oが第2の操作部24の腕置き台30が固定されたスライダ32を前進させる方向に力を加える。スライダ32は加えられた力の方向に移動し、その直進移動量が第1のラックアンドピニオン機構37によって回転角度に変換される。

第1のラックアンドピニオン機構37の回転角度に変換された直進移動量は、プーリ39およびベルト41を介して第2のラックアンドピニオン機構38に伝達され、進退機構17のスライダ19の直進移動量に変換される。進退機構17のスライダ19にはモータユニット16が固定されているので、モータユニット16に接続された駆動部11、軟性部9および可動部10が一体的に軟性部9の長手方向に沿って移動させられる。これにより、可動部10の先端に位置する処置部12が手動によって前進させられる。

操作者Oによるマニピュレータ3の移動が継続されると、マニピュレータ3の先端に設けられている可動部10がオーバーチューブ6のマニピュレータ用チャネル8の先端から突出させられる。操作者Oは、内視鏡7により取得された画像をモニタ5で確認しながら、第2の操作部24のスライダ32を前進させ続ける。

そして、図5Aに示されるように、処置部12がマニピュレータ用チャネル8の先端から突出させられると、図5Bに示されるように、マニピュレータ3に設けられたマーカ45がモニタ5上に表示される。これにより、操作者Oは、処置部12がマニピュレータ用チャネル8の先端から突出させられたことを認識することができる(状態認定ステップS3)。

そして、次いで、位置調整が完了したかどうかを判定する(ステップS4)。調整が完了していないと判定された場合は、再度位置調整を実行するよう操作者Oにモニタ5上において通知する。操作者Oがマーカ45を認識したことを第1の操作部23の入力部により入力して、位置調整が完了したと判定された場合は、エンコーダ43が初期化される。なお、この時点では、可動部10がオーバーチューブ6内に位置するため、可動部10を作動させることはできない。

操作者Oがマーカ45を認識したことを入力すると、制御部4は、マーカ45がモニタ5に表示されている位置から可動部10全体がチャネル8より先端側に突出させられた状態となる位置までの予め設定されている長さ分スライダ19を前進させる(操作者Oがスライダ19を前進させてもよい)。スライダ19が予め設定されている長さ分前進した位置に配置されたことを検知すると、その初期位置よりもマニピュレータ3の後退方向への移動がブレーキ44によって規制された規制モードとなる(規制ステップS5)。なお、この時点で、制御部4は操作入力部2とマニピュレータ3とを連動させるマスタスレーブ制御を開始する(ステップS6)。

また、マスタスレーブ制御の開始に関しては、スライダ19が前進した位置に配置されたことをマニピュレータシステム1が検知して自動的に開始してもよい。あるいは、マニピュレータシステム1が操作者Oからの操作(例えば、操作入力部2におけるスイッチ押下や画面のボタン押下等)があるまで待機し、その操作をマニピュレータシステム1が検知してマスタスレーブ制御を自動的に開始してもよい。

この状態で、操作入力部2を操作するには、操作者Oは、図4に示されるように、第1の操作部23の先端部29を両手で把持し、腕を第2の操作部24の腕置き台30に乗せる。 操作者Oが把持している第1の操作部23の先端部29を掌または手指の力で移動させると、その移動量が各関節26,27,28に設けられたセンサによって検出され、電気信号として制御部4に伝達される。制御部4においてはセンサによって検出された各関節26,27,28の角度に一致するように可動部10の各関節13,14,15を動作させる電気的な動作指令が算出されて、各関節13,14,15に接続されたモータユニット16のモータに供給される。これにより、可動部10の先端に設けられている処置部12の先端位置が掌または手指によって指示された通りに電動で精密に移動させられる。

本実施形態に係るマニピュレータシステム1によれば、可動部10がオーバーチューブ6のマニピュレータ用チャネル8内に可動部10が収容されている収容状態から、第2の操作部24のスライダ32が前進させられて、可動部10がマニピュレータ用チャネル8内から突出させられる処置状態に駆動するときには、ブレーキ44が作動しておらず、操作者Oは、移動を規制されることなく腕置き台30を前後進させることができる。

一方、可動部10全体がマニピュレータ用チャネル8から突出させられたことがモニタ5に表示された内視鏡画像によって認識され、入力部によりその旨が入力された後には、エンコーダ43および処置部12の回転角度が初期化され、エンコーダ43が初期位置となるとブレーキ44が作動して、腕置き台30をそれ以上基端側に後退させることができなくなる。

腕置き台30の移動が規制されると、操作者Oは、スライダ32をそれ以上後退させることができないので、可動部10が突出状態から収容状態に駆動しようとしていることを認識することができる。したがって、操作者Oが意図せず腕置き台30を後退させすぎることによる可動部10のマニピュレータ用チャネル8内への引き込みを防止することができる。

すなわち、規制モードにおいては、腕置き台30のスライダ32が初期位置まで後退させられることによりブレーキ44によってそれ以上の後退動作が規制される以外は、可動部10を制限されることなく自由に動作させて、処置を行うことができる。したがって、可動部10の関節13,14,15が曲がったままの状態でマニピュレータ用チャネル8内に強引に引き込まれることを防止して、可動部10の先端が意図しない方向に移動してしまうことを防止できるとともに、可動部10の曲がった関節13,14,15を真っ直ぐに強制しようとする過大な負荷が関節13,14,15にかかることを防止することができるという利点がある。

そして、可動部10を意図して収容状態に駆動させようとする操作者Oは、図6に示されるように、第1の操作部23を構成している各関節26,27,28を収容可能な形状にする。例えば真っ直ぐにする(ステップS7)。これにより、可動部10を構成している各関節13,14,15が軟性部9の長手方向に沿う形状となるので、制御部4がブレーキ44の作動を停止する(ステップS8、引き込み可能モード)。これにより、操作者Oはスライダ32を後退させて可動部10をマニピュレータ用チャネル8内に無理なく収容することができる。

なお、本実施形態に係るマニピュレータシステム1においては、処置部12の先端側にマーカ45を設けたものを採用したが、これに代えて、図10Aに示されるように、可動部10よりも基端側の位置に、可動部10全体がチャネル8より先端側に突出させられた状態で内視鏡7の視野範囲内に配置されるものを採用してもよい。

これにより、モニタ5に表示される内視鏡画像内のマーカ45によって、可動部10全体がマニピュレータ用チャネル8の先端から突出したことを操作者Oが視覚的に認識し、操作者Oが進退機構17を操作することなく、制御部4は操作入力部2とマニピュレータ3とを連動させるマスタスレーブ制御を開始することができる。

また、マスタスレーブ制御の開始に関しては、スライダ19が前進した位置に配置されたことをマニピュレータシステム1が検知して自動的に開始してもよい。あるいは、マニピュレータシステム1が操作者Oからの操作(例えば、操作入力部2におけるスイッチ押下や画面のボタン押下等)があるまで待機し、その操作をマニピュレータシステム1が検知してマスタスレーブ制御を自動的に開始してもよい。

また、図10Bに示されるように、マニピュレータ用チャネル8の内面に周溝状の凹部(状態認識部)46を設け、マニピュレータ3の外面に、可動部10全体がマニピュレータ用チャネル8の先端から突出した時点で凹部46に係合する凸部(係合部、状態認識部)47を設けることにしてもよい。凸部47は、例えばゴム等の弾性変形可能なリングである。

マニピュレータ3の移動により、図10Cに示されるように、凸部47が凹部46に一致すると、凸部47は拡大した形状に復元されて、凹部46に係合する。これにより、操作者Oは、可動部10全体がマニピュレータ用チャネル8の先端から突出したことを力覚(クリック感)によって認識することができる。 マニピュレータ用チャネル8の内面に凸部47を設け、マニピュレータ3の外面に凸部47に係合する凹部(係合部)46を設けることにしてもよい。

また、操作者Oが内視鏡画像上でマーカ45を認識した旨を操作入力部2の先端部29に設けられた入力部によって入力させることに代えて、モニタ5上にGUIによって表示したボタンの操作により入力させることにしてもよい。

また、内視鏡画像に現れるマーカ45によって可動部10全体がマニピュレータ用チャネル8の先端から突出したことを操作者Oに認識させることとしたが、これに加えて、軟性部9の長手軸回りの可動部10の回転についてもマーカ45を用いて初期化することにしてもよい。例えば、図11Aおよび図11Bに示されるように、マーカ45として周方向位置を識別可能なもの、例えば、周方向の一部のみに存在するマーカ45によって、図11Bに示されるように、マーカ45が内視鏡画像において正面に現れるように、可動部10の回転位置を調節することにしてもよい。

マニピュレータ3が可動部10よりも基端側に回転関節を有するものである場合には、図12に示されるようなボタンをGUIによって表示し、操作者Oに回転操作と確認操作とを実施させることにしてもよい。この場合の確認操作は、エンコーダ43の初期化のための確認操作と共通にしてもよい。

また、可動部10全体がマニピュレータ用チャネル8の先端から突出したことを操作者Oに認識させ、その旨を入力部を介して入力させることに代えて、制御部4が、オーバーチューブ6の湾曲形状を推定する形状推定部(図示略)と、推定された湾曲形状に基づいて可動部10全体がマニピュレータ用チャネル8の先端から突出状態となる駆動部11の進退量および長手方向の回転量を算出する進退量算出部(図示略)とを備えていてもよい。

湾曲形状に基づく計算方法は、図13および下式により説明することができる。 Δd=π×(Rout−Rin)×θ/180 ここで、Δdは2つのマニピュレータ用チャネル8が湾曲形状の半径方向に並んで配置されている場合の2つのマニピュレータ用チャネル8の経路差、θは湾曲部分の角度(図13に示す例ではθ=180°)である。

本例では、2つのマニピュレータ用チャネル8の内外輪差について計算例を示した。これ以外にも、マニピュレータ用チャネル8と挿入部6の中心軸との距離により、湾曲方向によって経路長が変化する。この変化量は、挿入部6の曲げ方向に対する挿入部6の中心軸とマニピュレータ用チャネル8の中心軸の距離をΔrとすると、 Δd’=π×Δr×θ/180 となる。 また、挿入部6の先端に湾曲部分がある場合は、その湾曲方向・角度に対しても同様の計算を行うことで軟性部6(マニピュレータ用チャネル8)の基端から先端まで経路長が算出できる。

また、制御部4が、処置を行う部位の識別情報と湾曲形状とを対応づけて記憶部(図示略)に記憶しておき、操作者Oが、処置に先立って処置を行う部位の識別情報を識別情報入力部(図示略)により入力することにより、記憶部から読み出した湾曲形状に基づいて駆動部11の進退量および長手方向の回転量を算出することにしてもよい。 また、オーバーチューブ6に歪みゲージ、光ファイバセンサあるいは磁気センサ等の形状センサを設けておき、形状センサによって検出されたオーバーチューブ6の湾曲形状に基づいて可動部10全体をマニピュレータ用チャネル8の先端から突出させる駆動部11の進退量および長手方向の回転量を算出することにしてもよい。

また、本実施形態においては、可動部10が収容可能な形状となったときに、制御部4が、ブレーキ44による規制を解除することとしたが、これに代えて、図14に示されるように、可動部10が収容可能な形状となったときに、制御部4が、規制解除可能であることを報知し(ステップS9)、報知されている状態で、操作者Oが引き込み許可トリガを入力することにより(ステップS10)、ブレーキ44による規制を解除することにしてもよい。

また、図15に示されるように、ブレーキ44によって初期位置よりも基端側への引き込みが規制されている規制モードにおいて、操作者Oが引き込みトリガを入力することにより(ステップS11)、制御部4が可動部10を制御して自動的に引き込み可能な形状に駆動させ(ステップS12)、引き込み可能モードに遷移することしてもよい。そして、引き込み可能な形状に駆動させた後、制御部4が、進退機構17のスライダ19を最も基端側の位置まで移動させることにしてもよい。

また、操作者Oが引き込みトリガを長押ししている間だけ、制御部4が可動部10を制御して自動的に引き込み可能な形状に駆動させてもよい。この場合には、操作者Oが引き込みトリガから手を離したら、制御部4による可動部10の動作は停止される。 また、操作者Oが、モータユニット16と駆動部11との接続を切り離したことが検出された場合に、ブレーキ44による規制を解除することにしてもよい。モータユニット16と駆動部11との接続が解除されることにより、可動部10は外力に倣って変位する状態となるので、ブレーキ44が解除されていればオーバーチューブ6のチャネル8から抜き出すことができる。

また、引き込みトリガによって引き込み可能モードに遷移することに代えて、オーバーチューブ6の位置調整要求を検知した場合に引き込み可能モードに遷移することにしてもよい。 また、マニピュレータ3を挿入するチャネル8がオーバーチューブ6に設けられている場合について説明したが、内視鏡7の挿入部に備えられたチャネルを経由してマニピュレータ3を導入する場合に適用してもよい。

1 マニピュレータシステム 3 マニピュレータ 6 オーバーチューブ(挿入部) 7 内視鏡(撮像部) 8 チャネル 9 軟性部 10 可動部 11 駆動部 17 進退機構(進退部) 42 規制部 45 マーカ(突出状態認定部、状態認識部) 46 凹部(状態認識部、係合部) 47 凸部(状態認識部、係合部) S3 状態認定ステップ S5 規制ステップ

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