医療用マニピュレータおよび処置具パッケージ

申请号 JP2014156152 申请日 2014-07-31 公开(公告)号 JP2016032533A 公开(公告)日 2016-03-10
申请人 オリンパス株式会社; 发明人 飯田 雅敏; 小室 考広;
摘要 【課題】血液や体液等の逆流に影響を受けず、確実に処置具に対応した動作パラメータ等を制御部に与えることができる医療用マニピュレータを提供することを目的とする。 【解決手段】操作者が操作入 力 を行うマスターユニット11A、11Bと、操作入力に基づいて駆動される複数の処置具2A、2Bとを備える医療用マニピュレータは、操作入力に基づいて処置具を駆動する駆動 信号 を生成する際に用いる対応情報を有する記憶部115を備え、記憶部はマスターユニット11A、11Bに配置されている。 【選択図】図2
权利要求

操作者が操作入を行う操作入力部と、前記操作入力に基づいて駆動される処置具とを備える医療用マニピュレータであって、 前記操作入力に基づいて前記処置具を駆動する駆動信号を生成する際に用いる対応情報を有する記憶部を備え、 前記記憶部は前記操作入力部に配置されている、医療用マニピュレータ。前記記憶部は前記操作入力部に対して着脱可能である、請求項1に記載の医療用マニピュレータ。前記記憶部は前記操作入力部に印刷されたバーコードである、請求項1に記載の医療用マニピュレータ。前記処置具および前記操作入力部は、使用後に廃棄されるディスポーザブルである、請求項1から3のいずれか一項に記載の医療用マニピュレータ。前記記憶部が複数の前記対応情報を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の医療用マニピュレータ。操作者が操作入力を行う操作入力部と、前記操作入力に基づいて駆動される処置具とを備える医療用マニピュレータであって、 前記処置具が接続されるコントローラと、 前記操作入力に基づいて前記処置具を駆動する駆動信号を生成する際に用いる対応情報を有する記憶部と、 を備え、 前記記憶部は前記コントローラに着脱可能である、医療用マニピュレータ。操作者が操作入力を行う操作入力部と、前記操作入力に基づいて駆動される処置具とを備える医療用マニピュレータであって、 前記処置具が接続される駆動ユニットと、 前記操作入力に基づいて前記処置具を駆動する駆動信号を生成する際に用いる対応情報を有する記憶部と、 を備え、 前記記憶部は前記駆動ユニットに着脱可能である、医療用マニピュレータ。医療用マニピュレータに用いられる処置具パッケージであって、 操作者が操作入力を行う操作入力部と、 前記操作入力に基づいて駆動される処置具と、 前記操作入力に基づいて前記処置具を駆動する駆動信号を生成する際に用いる対応情報を有する記憶部と、 前記処置具および前記操作入力部を収容する梱包材と、 を備える処置具パッケージ。前記記憶部は、前記操作入力部に設けられている、請求項8に記載の処置具パッケージ。前記記憶部は、前記梱包材に収容された記憶媒体である、請求項8に記載の処置具パッケージ。前記記憶部は、前記梱包材に印刷されたバーコードである、請求項8に記載の処置具パッケージ。

说明书全文

本発明は、医療用マニピュレータおよび処置具パッケージに関する。

従来、医療用マニピュレータとして、術者が操作入を行うマスターと、マスターへの操作入力に応じて動作するスレーブアームとを備えた医療用マニピュレータが知られている。 通常このような医療用マニピュレータにおいては、様々な手技や操作等を可能とするために、それぞれ異なるエンドエフェクタを備える複数の処置具を揃え、適宜選択してスレーブアームに装着したり、交換したりしながら患者に対して各種手技等を行う。

一つのスレーブアームでエンドエフェクタの異なる複数種類の処置具を好適に動作させるには、スレーブアームを駆動する機構にそれぞれの処置具に対応した動作パラメータを与え、当該動作パラメータに基づいた駆動を行う必要がある。特許文献1には、処置具の種別を認識するための情報や動作パラメータ等を格納したメモリを搭載することが記載されている。処置具を装着すると、メモリに格納された情報がスレーブアームの駆動を制御する制御部に送られ、制御部が処置具の種別を認識するとともに、送られた動作パラメータを用いて処置具を好適に駆動することができる。

他の例として、特許文献2には、処置具に種別を認識するための情報を含むバーコードを取り付けることが記載されている。処置具が装着される駆動側機構の装着部位にはカメラが設けられており、処置具を装着するとバーコードがカメラで撮影可能な位置に配置される。カメラが取得したバーコードが読み取られると、制御部が処置具の種別を認識する。

米国特許第7048745号明細書

特開2009−226028号公報

特許文献1および2のいずれにおいても、動作に必要な情報を含む構成を処置具に設けているが、処置具は、エンドエフェクタ等が設けられた先端部を患者の体内に挿入して使用するため、血液や体液等が逆流してメモリを損傷したり、バーコードを汚損したりする恐れがある。メモリの損傷やバーコードの汚損は、特に処置具を使用後に滅菌等して再使用する場合に、医療用マニピュレータの動作不具合の原因となることが懸念される。

また、通常医療用マニピュレータでは、不潔(滅菌されていない)状態のスレーブアームがドレープで覆われ、処置具とスレーブアームとがドレープ(又は滅菌アダプタ)を介して接続される。この場合、メモリであればドレープを介しつつスレーブ側と電気的に接続する必要があるため、ドレープに電極を備えることによるコスト高や、ドレープの電極の接続不備による通信の信頼性の低下が生じうる。 バーコードの場合は、読み取り時に不潔状態のバーコードスキャナを処置具に近づけるため、処置具がバーコードスキャナに接触して不潔状態になる恐れが生じる。

上記事情を踏まえ、本発明は、血液や体液等の逆流に影響を受けず、確実に処置具に対応した動作パラメータ等を制御部に与えることができる医療用マニピュレータを提供することを目的とする。 本発明の他の目的は、上記医療用マニピュレータに好適に適用可能な処置具パッケージを提供することである。

本発明の第一の態様は、操作者が操作入力を行う操作入力部と、前記操作入力に基づいて駆動される複数の処置具とを備える医療用マニピュレータであって、前記操作入力に基づいて前記処置具を駆動する駆動信号を生成する際に用いる対応情報を有する記憶部を備え、前記記憶部は前記操作入力部に配置されている医療用マニピュレータである。

前記記憶部は前記操作入力部に対して着脱可能であってもよいし、前記操作入力部に印刷されたバーコードであってもよい。

前記処置具および前記操作入力部は、使用後に廃棄されるディスポーザブルであってもよい。 また、前記記憶部が複数の前記対応情報を有してもよい。

本発明の他の医療用マニピュレータは、操作者が操作入力を行う操作入力部と、前記操作入力に基づいて駆動される処置具とを備える医療用マニピュレータであって、前記処置具が接続されるコントローラと、前記操作入力に基づいて前記処置具を駆動する駆動信号を生成する際に用いる対応情報を有する記憶部とを備え、前記記憶部は前記コントローラに着脱可能な医療用マニピュレータである。

本発明の他の医療用マニピュレータは、操作者が操作入力を行う操作入力部と、前記操作入力に基づいて駆動される処置具とを備える医療用マニピュレータであって、前記処置具が接続される駆動ユニットと、前記操作入力に基づいて前記処置具を駆動する駆動信号を生成する際に用いる対応情報を有する記憶部とを備え、前記記憶部は前記駆動ユニットに着脱可能な医療用マニピュレータである。

本発明の第二の態様は、医療用マニピュレータに用いられる処置具パッケージであって、操作者が操作入力を行う操作入力部と、前記操作入力に基づいて駆動される処置具と、前記操作入力に基づいて前記処置具を駆動する駆動信号を生成する際に用いる対応情報を有する記憶部と、前記処置具および前記操作入力部を収容する梱包材とを備える処置具パッケージである。

本発明の医療用マニピュレータによれば、血液や体液等の逆流に影響を受けず、確実に処置具に対応した動作パラメータ等を制御部に与えることができる。 また、本発明の処置具パッケージによれば、上記医療用マニピュレータに好適に適用することができる。

本発明の医療用マニピュレータが適用される医療用マニピュレータシステムの一例を示す図である。

本発明の第一実施形態に係る医療用マニピュレータの一部構成を示す図である。

同医療用マニピュレータにおける処置具パッケージを示す図である。

同医療用マニピュレータにおけるコントローラの機能ブロック図である。

処置具パッケージの変形例を示す図である。

本発明の第二実施形態に係る医療用マニピュレータにおける処置具パッケージを示す図である。

本発明の第三実施形態に係る医療用マニピュレータにおける処置具パッケージを示す図である。

第一の対応情報におけるマスターユニットと処置具との対応関係を示す図である。

第二の対応情報におけるマスターユニットと処置具との対応関係を示す図である。

以下、本発明の第一実施形態について、図1から図5を参照して説明するが、その前に本実施形態の医療用マニピュレータが適用される医療用マニピュレータシステムの一例について説明する。

図1は、本実施形態の医療マニピュレータ1が適用されたマスタースレーブ方式の医療用マニピュレータシステムの一例を示している。マスタースレーブ方式の医療用マニピュレータシステムとは、医師からの操作入力を受け付ける入力部であるマスターMと患者に処置を施す処置部であるスレーブSとを備え、マスターMの操作入力に追従させるようにしてスレーブSを遠隔制御するシステムである。

図1に示す医療用マニピュレータシステムは、患者Pが載置される手術台25と、患者Pに挿入される内視鏡31および処置具2と、スレーブ制御回路26と、操作者Opが操作する操作入力部11と、マスター処理回路27と、画像処理回路28と、ディスプレイ29と、を有している。本実施形態では、内視鏡31と処置具2がスレーブSに該当し、操作入力部11A、11Bと設定操作部30がマスターMに該当する。

手術台25は、観察・処置の対象となる患者Pが載置される台である。手術台25の近傍には、内視鏡31および処置具2が設置されている。なお、内視鏡31、処置具2を手術台25に設置するようにしてもよい。

処置具2は、それぞれ複数の関節を有して多自由度に構成されており、各関節を曲げたり、先端部に設けられたエンドエフェクタを駆動したりすることによって、手術台25に載置された患者Pに対して処置を施す。各関節は、駆動部10によって個別に駆動される。駆動部10としては、例えばインクリメンタルエンコーダや減速器等を備えたサーボ機構を有するモータユニット(駆動ユニット)10A、10B等を用いることができる。駆動部10の動作制御は、スレーブ制御回路26によって行われる。

処置具2の挿入部は、可撓性を有さない硬性であってもよいし、可撓性を有する軟性であってもよい。また、処置具2は、関節やエンドエフェクタ等を硬質なロッドの押し引きによって動作させるものや、可撓性を有するワイヤ等によって関節やエンドエフェクタ等を動作させるものを適宜選択して採用することができる。処置具2が硬性の挿入部を備える場合においても、関節やエンドエフェクタ等をワイヤ等で駆動してもよい。図1に示す例では、処置具2は、軟性の挿入部を備え、ワイヤ等で関節やエンドエフェクタ等が駆動される構成である。 処置具2は、内視鏡31の図示しない処置具用チャンネルに挿通されて、患者Pの体内に挿入される。内視鏡31と内視鏡31に挿通された処置具2は、たとえば口や肛門などの患者Pの自然開口から消化管等を経由して体内へと導入される。処置具2は内視鏡31に取り付けられたオーバーチューブに挿通されてもよい。

スレーブ制御回路26は、例えばCPUやメモリ等を有して構成されている。スレーブ制御回路26は、処置具2の制御を行うための所定のプログラムを記憶しており、マスター処理回路27からの制御信号に従って、処置具2の動作を制御する。すなわち、スレーブ制御回路26は、マスター処理回路27からの制御信号に基づいて、操作者Opによって操作されたマスターMの操作対象の処置具2を特定し、特定した処置具2に操作者Opのマスター操作量に対応した動きをさせるために必要な駆動量を演算する。 そして、スレーブ制御回路26は、算出した駆動量に応じて操作入力部11と対応付けられた処置具2の動作を制御する。この際、スレーブ制御回路26は、対応付けられた処置具と接続された駆動部10に駆動信号を入力するとともに、対応した駆動部10の動作に応じて動力部の位置検出器から入力されてくる検出信号に応じて、操作対象の処置具2の駆動量が目標の駆動量となるように駆動信号の大きさや極性を制御する。

医療用マニピュレータ1は、操作入力部11として、複数のスイッチやジョイスティック等の入力機構を有するマスターユニット11A,11Bを備えている。操作者Opによるスイッチの押下、ジョイスティックの傾斜等のマスターユニットへの入力が、操作入力部11に対する操作入力としてマスター処理回路27により検出される。操作入力部11の構成は、マスターユニットを備えたものには限られず、例えばリンク機構を有するもので構成されてもよい。この場合、リンク機構を構成する各リンクには例えばインクリメンタルエンコーダ等の位置検出器が設けられる。この位置検出器によって各リンクの動作を検知することで、操作入力部11に対する操作入力がマスター処理回路27において検出される。

設定操作部30は、マスターMとスレーブSの制御的な接続/切断を切り替えるためのクラッチボタンや、マスターMとスレーブSの動作比率を変更するスケーリング変更スイッチ、システムを緊急停止させたりするためのフットスイッチ等の各種の操作部材を有している。操作者Opによって設定操作部30を構成する何れかの操作部材が操作された場合には、対応する操作部材の操作に応じた操作信号が設定操作部30からマスター処理回路27に入力される。

マスター処理回路27は、操作入力部11からの操作信号及び設定操作部30からの操作信号を解析し、操作信号の解析結果に従って本医療用マニピュレータシステムを制御するための制御信号を生成してスレーブ制御回路26に入力する。

画像処理回路28は、内視鏡31から入力された画像信号を表示させるための各種の画像処理を施して、ディスプレイ29における表示用の画像データを生成する。ディスプレイ29は、例えば液晶ディスプレイで構成され、内視鏡31を介して取得された画像信号に従って画像処理回路28において生成された画像データに基づく画像を表示する。 以上のように構成された医療用マニピュレータシステムでは、操作者Opが操作入力部11を操作すると、対応する処置具2が操作入力部11の動きに対応して動作する。これにより、患者Pに対して所望の手技を行うことができる。

医療用マニピュレータ1においては、エンドエフェクタや関節自由度等が異なる複数種類の処置具が用意されており、操作者Opは、処置を行う部位や処置の内容等を考慮して適宜選択した処置具を駆動部に装着して使用する。

図2に、本実施形態における医療用マニピュレータ1の一部構成を示す。図2には、スレーブ制御回路26およびマスター処理回路27が格納されたコントローラ15と、コントローラ15に接続される処置具2A、2B、およびマスターユニット11A、11Bとを示している。

処置具2Aおよび2Bは、基本構造において共通しており、軟性の挿入部210と、挿入部210の先端側に接続された関節211および212と、関節212に接続されたエンドエフェクタと、挿入部210の基端側に設けられた接続部215とを備えている。関節211および212にはそれぞれワイヤが取り付けられており、各ワイヤは挿入部210内を通って接続部215内まで延びている。

処置具2Aおよび2Bは、それぞれ異なるエンドエフェクタを有する。処置具2Aのエンドエフェクタは、通電可能なナイフ部221である。処置具2Bのエンドエフェクタは、開閉可能な把持鉗子222である。ナイフ部221に高周波電流を供給する給電ワイヤや、把持鉗子222を駆動するためのワイヤは、挿入部210内を通って接続部215内まで延びている。

接続部215は、コントローラ15に接続されたモータユニット10A、10Bの一つと接続される。各モータユニットは、複数のモータを有しており、接続部215とモータユニットとを接続すると、ワイヤがそれぞれ異なるモータと接続されて、モータユニットで発生する駆動力が接続部215内の各ワイヤに伝達可能となる。また、コントローラ15からナイフ部221への高周波電流供給も可能となる。

マスターユニット11Aおよび11Bは、基本構造において共通しており、操作者OPが把持する本体110と、本体110に設けられた入力機構としての方向スイッチ111およびボタン112と、本体110から延びるコード113とを有している。方向スイッチ111は、本体110の長手方向と平行な上下方向および本体110の幅方向と平行な左右方向の計4方向の操作入力が可能である。マスターユニット11A、11Bは、コード113の端部に設けられた端子114をコントローラ15に設けられたジャック151に接続することで、コントローラ15に接続することができる。マスターユニットとコントローラが接続されると、マスターユニットの入力機構に対する操作入力をコントローラに送ることが可能になる。

本実施形態において、処置具およびマスターユニットは使用後に廃棄されるディスポーザブルであり、図3に示すように、処置具(例えば処置具2A)と、対応するマスターユニット(例えばマスターユニット11A)とが、同一の梱包材50に収容された処置具パッケージ70の状態で販売供給される。

処置具2Aと処置具2Bとは、同一構成のマスターユニットで操作される。いずれの処置具においても、方向スイッチ111で関節211および212が駆動される点は変わらないが、ボタン112への入力に対するコントローラ15の駆動内容は異なっている。すなわち、処置具2Aにおいては、ボタン112に対する入力によりナイフ部221に高周波電流供給のオンオフが行われ、処置具2Bにおいては、ボタン112に対する入力により把持鉗子222が開閉される。

マスターユニットの各入力機構への操作入力に対してどのように処置具を駆動するかの態様は処置具ごとに異なるため、操作入力と駆動態様との対応に関する対応情報が適切に与えられないと、コントローラ15は接続された処置具を適切に動作させることができない。本実施形態では、この対応情報を処置具と同梱されるマスターユニット内に格納している。具体的には、本体110内に設けられた記憶部115(図2参照)内に格納している。対応情報には、入力機構の各々と処置具の各部位との対応関係に関するパラメータの他に、入力機構の操作量と対応部位の駆動量との量的関係(スケーリング)に関するパラメータ等が含まれる場合もある。

図4に、コントローラ15の機能ブロック図を示す。コントローラ15には、上述したスレーブ制御回路26およびマスター処理回路27に加えて、対応情報を保存するための対応情報保存部152と、コントローラ15全体の制御を行う制御部153とを備えている。対応情報保存部152としては、書き換え可能な各種記憶媒体等を用いることができる。制御部153としては、CPUやプログラム等を用いることができる。

上記のように構成された医療用マニピュレータ1における使用前準備動作について説明する。 まず操作者は、コントローラ15を起動し、処置具パッケージ70に同梱されている処置具およびマスターユニットを、それぞれコントローラ15に接続する。このときコントローラ15は、処置具が備える関節の数や位置関係、エンドエフェクタの種類などは認識できない。一方、マスターユニットの記憶部115からは、対応情報がコントローラ15に送られ、対応情報保存部152に保存される。

制御部153は、対応情報保存部152に保存された対応情報に基づいて、マスターユニットにおける入力機構である方向スイッチ111およびボタン112と処置具2Aの各部位との対応を設定する。例えば、方向スイッチ111の上下方向における入力と関節212の駆動、方向スイッチ111の左右方向における入力と関節211の駆動、およびボタン112の操作とナイフ部221への高周波電流の供給のオンオフとをそれぞれ対応付けるよう設定する。 制御部153が設定内容をスレーブ制御回路26およびマスター処理回路27に送信すると、医療用マニピュレータ1の使用前準備動作が終了する。使用前準備動作が終了したことをディスプレイ29の表示や音等により操作者Opに告知する構成としてもよい。

準備動作終了後は、操作者Opがマスターユニットに操作入力を行うと、対応情報に基づいて制御部153が駆動信号の生成を制御し、処置具が好適に駆動される。 コントローラ15に複数の処置具および複数のマスターユニットを接続する場合は、必要に応じて処置具とマスターユニットとの対応関係を変更することができるように構成してもよい。この場合は、例えば処置具が接続されたモータユニットの一覧と接続されたマスターユニットの一覧とをディスプレイ29に示し、操作者が指定した対応関係に応じて、制御部153が対応情報保存部152に保存された対応情報を用いつつ設定を行うように構成すればよい。

以上説明したように、本実施形態の医療用マニピュレータ1によれば、処置具2の各部を好適に駆動するために必要な対応情報が、処置具ではなく操作入力部11としてのマスターユニット11A,11Bに格納されている。そのため、処置具の使用中に挿入部に血液や体液等が逆流しても、コントローラ15における対応情報の取得や対応情報に基づく制御部153の設定動作は何の影響も受けない。結果として、血液や体液等に影響を受けずに、処置具に対応した動作パラメータ等を好適に駆動側に与えることができる。 また、対応情報のやり取りがすべて不潔側で行われるため、ドレープを介さずに情報をやり取りすることができる。その結果、対応情報のやり取りを確実に行うことができる。

さらに、本実施形態の処置具パッケージ70においては、処置具と、当該処置具を操作可能なマスターユニットと、対応情報を有する記憶部とが一つの梱包材50に収められている。すなわち、処置具パッケージ70において、処置具と操作入力部との物理的な対応関係が担保されている。したがって、使用者は、同梱された処置具およびマスターユニットをコントローラに接続するだけで、処置具と操作入力部との対応関係を適切に確立することができ、取り扱いを容易とすることができる。

本実施形態においては、処置具パッケージにおいて、一つの処置具と一つのマスターユニットとがセットになって同梱される例を説明したが、一つのマスターユニットで複数の処置具を操作可能である場合は、異なる態様で処置具の販売供給が行われてもよい。 図5に示す変形例の処置具パッケージ70Aでは、一つの梱包材50Aに、一つのマスターユニット11Cと、処置具2Bおよび2Cの二つの処置具とが収容されている。処置具2Cのエンドエフェクタは、把持鉗子222aであり、把持鉗子である点は処置具2Bと共通しているが、開閉する一対のジョーは把持鉗子222のものよりも小さく、より細かな操作を想定して構成されている。さらに、処置具2Cは、処置具2B同様関節211および212を有するが、より細かな操作を好適に行えるよう、対応情報におけるスケーリングも処置具2Bとは異なっている。

梱包材50Aに収容されたマスターユニット11Cの記憶部115には、処置具2Bの対応情報と、処置具2Cの対応情報との2種類の対応情報が格納されている。マスターユニット11Cをコントローラ15に接続すると、2種類の対応情報の両方が対応情報保存部152に保存される。制御部153は、コントローラ15に接続された処置具に対して、いずれの対応情報に基づいた設定を行えばよいか判断できないため、ディスプレイ29に処置具のリストを表示し、操作者Opに適切な処置具を選択するように促す。操作者が、マスターユニットやコントローラ15に設けられた図示しないインターフェース等から処置具を選択すると、制御部153は、選択された処置具の対応情報に基づいて設定を行う。

上述の変形例のような構成では、基本操作が共通しているような処置具についてマスターユニットを共用することができるため、処置具パッケージの製造コストを低減することができる。また、処置具の交換に伴ってマスターユニットを交換する頻度を低下させることができ、操作性を向上させることができる。

他の変形例として、複数のマスターユニットと複数の処置具とが一つの処置具パッケージに収容されてもよい。この場合は、1対1対応のマスターユニットおよび処置具が複数組収容されてもよいし、複数の処置具すべての対応情報が格納されたマスターユニット11Cのようなマスターユニットが複数個収容されてもよい。

次に、本発明の第二実施形態について、図6を参照して説明する。本実施形態と第一実施形態との異なるところは、記憶部がマスターユニットに対して着脱可能である点である。なお、以降の説明において、すでに説明したものと共通する構成等については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。

図6は、本実施形態の医療用マニピュレータにおける処置具パッケージ80を示す図である。処置具パッケージ80において、梱包材50内にマスターユニットおよび処置具が一組収容されている点は第一実施形態と同様であるが、記憶部として、ポータブル記憶媒体であるSDメモリーカード116が用いられている。SDメモリーカード116は、マスターユニットおよび処置具とは別に梱包材50内に収容されている。SDメモリーカード116は、マスターユニットの本体110に設けられたスロット118に差し込むことにより、マスターユニットに装着可能である。

本実施形態の医療用マニピュレータの使用前準備動作は、SDメモリーカード116をスロット118に差し込んだマスターユニットをコントローラ15に接続する点を除き、第一実施形態と同様である。SDメモリーカード116は、マスターユニットをコントローラ15に接続した後にスロットに差し込まれてもよい。

処置具パッケージ80を用いる本実施形態の医療用マニピュレータにおいても、第一実施形態と同様に、血液や体液等に影響を受けずに、処置具に対応した動作パラメータ等を好適に駆動側に与えることができる。 また、記憶部として、マスターユニットに着脱可能なポータブル記憶媒体であるSDメモリーカード116を用いているため、汎用性の高い状態でマスターユニットを製造することができる。その結果、製造コストを低減することができ、対応情報の更新等にも容易に対応することができる。

本実施形態において、記憶部に用いるポータブル記憶媒体はSDメモリーカードには限られず、公知の各種のポータブル記憶媒体を適宜選択して用いることができる。また、記憶部が取り付けられる場所は、マスターユニットには限られず、処置具でない限り他の場所に装着されてもよい。例えば、コントローラやモータユニット等にスロットを設けて記憶部を取り付け可能としてもよい。このような場合は、処置具と記憶部のみが処置具パッケージに収容され、操作入力部をディスポーザブルとしない構成も可能である。 さらに、上述した変形例のように、記憶部に複数種類の対応情報が格納されてもよい。この場合、一つの記憶媒体に複数の対応情報が格納されてもよいし、一つの対応情報が格納された記憶媒体が複数装着される構成でも構わない。

次に、本発明の第三実施形態について図7を参照して説明する。本実施形態と上述の各実施形態との異なるところも、記憶部の態様である。

図7は、本実施形態の医療用マニピュレータにおける処置具パッケージ90を示す図である。処置具パッケージ90において、梱包材50内にマスターユニットおよび処置具が一組収容されている点は第一実施形態と同様であるが、記憶部として機能するバーコード117は、マスターユニットの本体110の表面に印刷されている。コントローラ(不図示)には、バーコード117を読み取り可能なスキャナ等の読取部が設けられている。

本実施形態の医療用マニピュレータの使用前準備動作は、コントローラに設けられた読取部でバーコード117を読み取ることにより対応情報が対応情報保存部152に保存される点を除き、第一実施形態と同様である。

処置具パッケージ90を用いる本実施形態の医療用マニピュレータにおいても、上述の各実施形態と同様に、血液や体液等に影響を受けずに、処置具に対応した動作パラメータ等を好適に駆動側に与えることができる。 また、記憶部として、マスターユニットに印刷されたバーコード117を用いているため、マスターユニットの構造を簡素にして製造コストを低減することができ、対応情報の更新等にも容易に対応することができる。

本実施形態において、記憶部として用いるバーコードは一次元コードには限られず、二次元コードが用いられてもよい。二次元コードは、一次元コードよりも多くの情報を持たせることができるため、対応情報に含まれる動作パラメータが多い場合や、複数種類の対応情報を含めたい場合等に有効である。複数種類の対応情報を記憶部に格納する場合は、一次元コードが複数用いられてもよい。 また、バーコードが印刷される場所は、マスターユニットには限られず、処置具でない限り他の場所に装着されてもよい。例えば、処置具パッケージの梱包材に印刷されてもよい。このような場合は、処置具のみがバーコードが印刷された梱包材に収容されて、操作入力部をディスポーザブルとしない構成も可能である。

以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成要素の組み合わせを変えたり、各構成要素に種々の変更を加えたり、削除したりすることが可能である。

例えば、上述の説明においては、一つの処置具につき一つの対応情報が存在する例を説明したが、操作者の多様な要望に応えられるように、一つの処置具につき複数種類の対応情報が設定され、記憶部に格納されてもよい。 一例を挙げると、図8に示す第一の対応情報では、方向スイッチ111の左右方向の入力と関節211、および上下方向の入力と関節212とがそれぞれ対応付けられているが、図9に示す第二の対応情報では、方向スイッチ111の上下方向の入力と関節211、および左右方向の入力と関節212とがそれぞれ対応付けられており、第一の対応情報と対応付けが逆転されている。このように、一つの処置具に複数の対応情報が準備されている場合は、対応情報のリストおよび各対応情報の内容をディスプレイ29等に表示し、操作者に選択させるように医療用マニピュレータを構成すればよい。

また、複数用意される処置具間で、エンドエフェクタだけでなく、関節の数や自由度等が異なっていてもよい。

さらに、操作入力部は、操作入力を無線でマスター処理回路に送ってもよい。この場合、対応情報が無線でコントローラに送られてもよい。 また、本発明において、処置具や操作入力部をディスポーザブルとする場合は、例えばコントローラとの接続回数を記録及び更新可能に記憶部を構成する。そして、制御部は処置具が接続された際に記憶部に記録された接続回数を取得し、接続回数が所定値以上である場合に、接続された処置具の使用を許可せず、メッセージや警告音等で術者に知らせるように構成してもよい。

1 医療用マニピュレータ 2、2A、2B、2C 処置具 10A,10B モータユニット(駆動ユニット) 11 操作入力部 11A、11B、11C マスターユニット(操作入力部) 15 コントローラ 50、50A 梱包材 70、70A、80、90 処置具パッケージ 115 記憶部 116 SDメモリーカード(記憶部、記憶媒体) 117 バーコード(記憶部)

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