導入装置システム

申请号 JP2014502945 申请日 2013-06-07 公开(公告)号 JPWO2014010347A1 公开(公告)日 2016-06-20
申请人 オリンパスメディカルシステムズ株式会社; 发明人 康弘 岡本; 康弘 岡本;
摘要 挿入装置システムは、細長な挿入部の先端側に設けられた湾曲部と、湾曲部を牽引動作により湾曲させる牽引部材と、湾曲部を湾曲駆動するための駆動 力 を回転駆動によって発生する駆動ユニットと、牽引部材を牽引操作するための入力操作を行う湾曲操作装置を備える操作入力ユニットと、操作入力ユニットが備える湾曲操作装置の入力操作に応じて、駆動ユニットの駆動力を駆動ユニットから牽引部材に伝達する駆動力伝達ユニットと、湾曲操作装置の入力操作速度を検知する検知部と、検知部で取得した湾曲操作装置の入力操作速度が、予め定めた入力速度よりも速い場合には駆動ユニットの回転速度を上昇させて駆動力伝達ユニットに伝達される駆動力を上昇させる制御を行う駆動ユニット制御部を備える制御ユニットと、を具備する。
权利要求

細長な挿入部の先端側に設けられた湾曲部と、 前記湾曲部を牽引動作により湾曲させる牽引部材と、 前記湾曲部を湾曲駆動するための駆動を回転駆動によって発生する駆動ユニットと、 前記牽引部材を牽引操作するための入力操作を行う湾曲操作装置を備える操作入力ユニットと、 前記操作入力ユニットが備える湾曲操作装置の入力操作に応じて、前記駆動ユニットの駆動力を該駆動ユニットから前記牽引部材に伝達する駆動力伝達ユニットと、 前記湾曲操作装置の入力操作速度を検知する検知部と、 前記検知部で取得した前記湾曲操作装置の入力操作速度が、予め定めた入力速度よりも速い場合には前記駆動ユニットの回転速度を上昇させて前記駆動力伝達ユニットに伝達される前記駆動力を上昇させる制御を行う駆動ユニット制御部を備える制御ユニットと、 を具備することを特徴とする導入装置システム。前記検知部は、前記湾曲操作装置の湾曲操作量、または、前記湾曲操作装置の操作によって移動される前記牽引部材の移動量を検出するセンサーと、 前記センサーから出力された検出値から前記湾曲操作装置の操作速度を算出する操作速度算出部と、 を備えることを特徴とする請求項1に記載の導入装置システム。前記検知部は、駆動中のモーターの電流値を常時監視すると共に、該電流値の単位時間当たりの増加速度を算出するモーター電流増加速度検出部であることを特徴とする請求項1に記載の導入装置システム。前記駆動力伝達ユニットは、前記牽引部材が牽引されることにより前記駆動ユニットに係合して前記駆動力を該牽引部材に伝達し、前記牽引部材が弛緩されることにより前記駆動部との係合が解除されることを特徴とする請求項1−3の何れか1項に記載の導入装置システム。前記駆動力伝達ユニットは、前記牽引部材が外周に巻回される巻回部と、前記牽引部材の牽引弛緩によって縮径拡径を可能にする径変更部と、前記径変更部が縮径して前記駆動ユニットに係合する伝達部とを備え、 前記操作入力ユニットの湾曲操作装置は、前記巻回部から延出する牽引部材に対して入力操作を行うことを特徴とする請求項4に記載の導入装置システム。前記径変更部を有する駆動力伝達ユニットは、C字形状に形成され、前記巻回部はC字形状の外周面を構成し、前記伝達部はC字形状の内周面を構成することを特徴とする請求項5に記載の導入装置システム。

被検体に挿入される挿入部と、 前記挿入部に設けられ、湾曲可能な湾曲部と、 前記湾曲部を湾曲させるために入力操作される操作部と、 前記湾曲部に接続され、前記操作部の入力操作に応じて牽引される牽引部材と、 前記入力操作に応じて移動する前記牽引部材の移動状態を検知するための検知部と、 回転駆動する駆動ユニットと、 前記駆動ユニットの外周面に対して接触可能な内周面を有し、外周に前記牽引部材が巻回され、前記牽引部材の牽引に伴い縮径される駆動力伝達ユニットと、 前記検知部により検知された前記移動状態が、予め定めた状態と異なる場合には、前記駆動ユニットの回転速度を上昇させる制御を行う駆動ユニット制御部と、 を具備することを特徴とする導入装置システム。前記検知部は、前記牽引部材の移動速度を検知し、 前記駆動ユニット制御部は、前記検知部によって検知された前記移動速度が予め定めた移動速度よりも早い場合に、前記駆動ユニットの回転速度を上昇させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の導入装置システム。前記検知部は、前記牽引部材の前記移動速度を検出することで、前記操作部の入力操作速度を算出する操作速度算出部を備えることを特徴とする請求項2に記載の導入装置システム。前記検知部は、前記駆動ユニットの電流値の単位時間当たりの増加速度を算出するモーター電流増加速度検出部であることを特徴とする請求項1に記載の導入装置システム。前記駆動力伝達ユニットは、スリットを有し、C字形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の導入装置システム。被検体に挿入される挿入部と、 前記挿入部に設けられ、湾曲可能な湾曲部と、 前記湾曲部を湾曲させるために入力操作される操作部と、 前記湾曲部に接続され、前記操作部の入力操作に応じて牽引される牽引部材と、 前記入力操作に応じて移動する前記牽引部材の移動速度を検知するための検知部と、 回転駆動する駆動ユニットと、 前記駆動ユニットの外周面に対して接触可能な内周面を有し、外周に前記牽引部材が巻回され、前記牽引部材の牽引に伴い縮径される駆動力伝達ユニットと、 前記検知部により検知された前記移動速度が、前記駆動ユニットの回転駆動する速度よりも早い場合には、前記駆動ユニットの回転速度を上昇させる制御を行う駆動ユニット制御部と、 を具備することを特徴とする導入装置システム。前記検知部は、前記牽引部材の前記移動速度を検出することで、前記操作部の入力操作速度を算出する操作速度算出部を備えることを特徴とする請求項1に記載の導入装置システム。被検体に挿入される挿入部と、 前記挿入部に設けられ、湾曲可能な湾曲部と、 前記湾曲部を湾曲させるために傾倒操作される操作部と、 前記湾曲部に接続され、前記操作部の傾倒操作に応じて牽引される牽引部材と、 前記操作部の傾倒動作を検知するための検知部と、 回転駆動する駆動ユニットと、 前記駆動ユニットの外周面に対して接触可能な内周面を有し、外周に前記牽引部材が巻回され、前記牽引部材の牽引に伴い縮径される駆動力伝達ユニットと、 前記検知部により検知された前記操作部の傾倒動作速度が、前記駆動ユニットの回転駆動する速度よりも早い場合には、前記駆動ユニットの回転速度を上昇させる制御を行う駆動ユニット制御部と、 を具備することを特徴とする導入装置システム。前記駆動力伝達ユニットは、スリットを有し、C字形状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の導入装置システム。

说明书全文

本発明は、湾曲部を湾曲動作させる牽引部材を牽引する湾曲操作装置の操作量を低減する導入装置システムに関する。

挿入部を被検体内に導入するための導入装置である、例えば内視鏡は、医療分野及び工業用分野等において用いられている。医療分野の内視鏡においては、挿入部を体内に挿入して観察等を行う。一方、工業分野の内視鏡においては、挿入部を配管内、或いはエンジン内部等の構造物内に挿入して観察等を行う。

内視鏡においては、一般に、挿入部の先端部に観察光学系が設けられている。また、挿入部の先端側には例えば上下左右方向に湾曲する湾曲部が設けられている。そして、挿入部の基端には湾曲部を湾曲動作させるための湾曲操作装置を備えた操作部が設けられている。

湾曲操作装置としては回動操作される湾曲ノブ、傾倒操作される操作子等が公知である。そして、湾曲操作装置と湾曲部を構成する例えば先端湾曲駒とは、牽引部材であるワイヤーによって連結されている。このように構成された内視鏡では、操作者が手の指で湾曲操作装置を回転操作、或いは傾倒操作してワイヤーを直接、牽引或いは弛緩させることによって、湾曲部が湾曲動作する。

日本国特開2003−325437号公報には、電動アシスト機構を有する内視鏡が示されている。内視鏡は、湾曲操作装置として例えば、操作指示レバー(本発明の操作子7に対応)を備えている。内視鏡の湾曲部は、操作指示レバーを傾倒操作してアーム部材に固定されている傾倒操作に対応する操作ワイヤーをモーターで回転されているプーリーに接触させて、該ワイヤーを該プーリーの回転方向に移動させることによって湾曲動作する。

上述した特開2003−325437号公報の内視鏡においては、操作ワイヤーがモーターによって回転されているプーリーに接触したとき、プーリーから操作ワイヤーに伝達される回転力を、操作ワイヤーを移動させるための力量にして、湾曲操作装置を操作する操作者の操作力量を低減している。

また、前記特開2003−325437号公報の内視鏡においては、湾曲操作中に挿入部の先端部が例えば壁等に当接した場合、湾曲操作装置を操作する手応えが変化して当接したことを感知できる。

しかし、前記特開2003−325437号公報の内視鏡においては、操作指示レバーを傾倒操作する際の傾倒操作速度の違いによって、操作力量の低減の度合いに相違が生じていた。具体的に、操作者の操作指示レバーを傾倒操作する際の速度が、プーリーの回転速度に比べて遅い場合、操作ワイヤーが巻回されているCリングは、操作指示レバーの傾倒操作に伴って徐々に牽引される操作ワイヤーによって徐々に縮径される。したがって、Cリングとプーリーとの間の抗力は、徐々に増加していく。そして、抗力が所望の値に到達したときに操作ワイヤーがプーリーの回転力によって回転方向に移動されて、操作指示レバーの操作力量が低減される。

一方、傾倒操作速度がプーリーの回転速度に比べて早い場合、操作ワイヤーが巻回されているCリングは、操作指示レバーの傾倒操作によって一気に牽引される操作ワイヤーによって急激に縮径される。すると、Cリングは、回転するプーリーに接触した後、プーリーに対して喰い付いた状態(静止摩擦状態)になる。この場合、喰い付き状態が解除されるまでの間、操作指示レバーの操作力量が増大する。

特開2011−098078号公報には、本体部における操作入力をスコープユニットに精度よく反映させることができる内視鏡装置が示されている。この内視鏡装置においては、前記特開2011−098078号公報の図8に示されているステップS101からステップS105までのループを繰り返すことで、ユーザがJ/S41を傾けた位置に連動して湾曲駆動部160のモーター61が回転動作して湾曲部113が湾曲動作する、或いは、ステップS201からステップS204までのループを繰り返すことで、ユーザがJ/S41を傾けた位置に連動して湾曲駆動部260のモーター61Aが回転動作して湾曲部213が湾曲動作する。

そして、この内視鏡装置においては、J/Sが傾けられた加速度の情報に基づいてスコープユニットの湾曲部の湾曲速度を制御するように湾曲駆動部を動作させる駆動信号を生成してモーター回転動作させて湾曲部を湾曲動作させている。 しかしながら、特開2011−098078号公報の内視鏡装置においても、操作指示レバーを傾倒操作する際の速度が回転運動しているプーリーの回転速度に比べて速かった場合、上述したようにCリングがプーリーに喰い付いた状態になって、電動アシスト機構を有しているにもかかわらず操作指示レバーの操作力量が増大する不具合が発生するおそれがある。

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、湾曲操作装置を操作する速度にかかわらず、湾曲操作中において、電動アシスト機構による操作力量の低減を図る使い勝手に優れた導入装置を備えた導入装置システムを提供することを目的としている。

本発明の一態様の導入装置システムは、細長な挿入部の先端側に設けられた湾曲部と、前記湾曲部を牽引動作により湾曲させる牽引部材と、前記湾曲部を湾曲駆動するための駆動力を回転駆動によって発生する駆動ユニットと、前記牽引部材を牽引操作するための入力操作を行う湾曲操作装置を備える操作入力ユニットと、前記操作入力ユニットが備える湾曲操作装置の入力操作に応じて、前記駆動ユニットの駆動力を該駆動ユニットから前記牽引部材に伝達する駆動力伝達ユニットと、前記湾曲操作装置の入力操作速度を検知する検知部と、前記検知部で取得した前記湾曲操作装置の入力操作速度が、予め定めた入力速度よりも速い場合には前記駆動ユニットの回転速度を上昇させて前記駆動力伝達ユニットに伝達される前記駆動力を上昇させる制御を行う駆動ユニット制御部を備える制御ユニットと、を具備している。

図1−図5は本発明の第1実施形態にかかり、図1は導入装置として内視鏡を備える内視鏡システムを説明する図

内視鏡を説明する図

内視鏡の操作部の構成を説明する図

傾倒操作速度がプーリーの回転速度よりも遅い場合の傾倒操作開始から傾倒操作終了までの傾倒操作力量とアシスト力と電圧値との関係を説明する図

傾倒操作開始から傾倒操作終了までの傾倒操作力量とアシスト力と電圧値との関係を説明する図

制御装置による制御を説明するフローチャート

図6−図8は本発明の第2実施形態にかかり、図6は導入装置として内視鏡を備える内視鏡システムを説明する図

傾倒操作速度がプーリーの回転速度よりも遅い場合の傾倒操作開始から傾倒操作終了までの傾倒操作力量とアシスト力と電圧値と電流値との関係を説明する図

傾倒操作開始から傾倒操作終了までの傾倒操作力量とアシスト力と電圧値と電流値との関係を説明する図

制御装置による制御を説明するフローチャート

以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。 なお、以下に示す実施の形態において、導入装置は、内視鏡を例に挙げて説明する。

図1−図5参照して本発明の第1実施形態を説明する。 図1に示すように本実施形態の内視鏡システム1は、内視鏡2と、光源装置3と、表示用プロセッサー4と、表示装置5と、制御装置6とを主に備えて構成されている。

光源装置3は、内視鏡用照明光を生成する。表示用プロセッサー4は、撮像部で撮像された画像データに対して種々の画像処理を行う画像処理装置である。表示装置5は、表示用プロセッサー4から出力された映像信号を受けて観察画像を表示する。

図1において光源装置3と、表示用プロセッサー4と、制御装置6とを別体として示している。しかし、光源装置3と、表示用プロセッサー4と、制御装置6とを、二点鎖線で示すように一体に構成するようにしてもよい。また、光源装置3、表示用プロセッサー4、表示装置5、及び制御装置6を破線に示すように一体で構成するようにしてもよい。

図1、図2に示すように本実施形態の内視鏡2は、細長な挿入部21と、挿入部21の基端に連設する操作部22と、操作部22の側部から延出するユニバーサルコード23とを備えて主に構成されている。

挿入部21は、先端側から順に、先端部24と、例えば上下左右方向に湾曲可能に構成された湾曲部25と、可撓性を有して長尺に形成された可撓管部26とを連設して構成されている。先端部24には撮像素子を有する撮像部(不図示)が内蔵されている。

図2、図3に示す操作部22は、操作入力ユニットであって、挿入部21に連設する把持部27と、把持部27に連設する操作部本体28とを備えて構成されている。操作部本体28の先端側の空き空間が最も存在する部分には、湾曲部25を湾曲動作させる入力操作を行うための湾曲操作装置を構成する操作子7等が設けられている。

操作子7は、操作部本体28の一面に設けた開口(不図示)から操作部22の長手軸に略直交して設けられている。 湾曲部25は、後述する牽引部材である操作ワイヤー(以下、ワイヤーと略記する)を牽引弛緩することによって上方向、右方向、下方向、左方向、上方向と右方向との間等の方向に湾曲する構成になっている。操作子7は、図2中の矢印Yu、矢印Yd、矢印Yl、矢印Yrに示すように傾倒方向及び傾度を含めた傾倒操作することによって、その傾倒操作に対応するワイヤーを牽引弛緩させる。

本実施形態において、湾曲部25は、上下左右の四方向に湾曲する構成としている。しかし、湾曲部25は、上下の二方向に湾曲する構成であってもよい。上記u、d、l、rは、湾曲部25の湾曲方向である上方向、下方向、左方向、右方向を表している。 以下の説明において、例えば、符号8uは上ワイヤーを表し、符号9dは下Cリングを表す。そして、図面においては、小文字の「l」を筆記体で表して数字の「1」と区別している。

なお、操作部本体28の外装には、操作子7の他に、例えば先端部24内に設けられた撮像装置(不図示)の各種撮像動作を指示するスイッチ31、送気送ボタン32、吸引ボタン33が予め定めた位置に設けられている。また、把持部27の外装には処置具チャンネル(不図示)に連通するチャンネル挿入口34が設けられている。符号35はカバー部材であり、操作子突出口を水密に塞ぎ且つ軸部7aに密着し、操作子7の傾倒操作を可能に保持する。

ユニバーサルコード23内には図示は省略するが、撮像装置に接続されている信号ケーブル、後述するモーター(図1、図3の符号42参照)に電力を供給する電線、光源装置3の照明光を伝送するライトガイドファイバー束、送気用チューブ、送水用チューブ、吸引用チューブ等が挿通している。

図1、図3に示すように操作部22内にはプーリー41と、モーター42と、吊り枠43と、ガイドローラー組44と、検知部を構成する回転検出センサー45A、45Bと、4本のワイヤー8u、8d、8l、8rと、4つのCリング9u、9d、9l、9rと、が主に設けられている。

4本のワイヤー8u、8d、8l、8rは、牽引部材である。ワイヤー8u、8d、8l、8rの先端部分は、湾曲部25を構成する先端駒25fにそれぞれ固設されている。ワイヤー8u、8d、8l、8rの中途部分は、4つのCリング9u、9d、9l、9rの巻回部である外周面にそれぞれ巻回されている。ワイヤー8u、8d、8l、8rの基端部分は、吊り枠43に4つ設けられているワイヤー取付部にそれぞれ連結されている。 4本のワイヤー8u、8d、8l、8rは、上下湾曲用である一対の上ワイヤー8u及び下ワイヤー8dと、左右湾曲用である一対の左ワイヤー8l及び右ワイヤー8rとである。

4つのCリング9u、9d、9l、9rは、樹脂製の駆動力伝達ユニットである。4つのCリング9u、9d、9l、9rは、それぞれスリット9sを備えて略C字形状に形成されて、縮径および拡径自在に構成されている。4つのCリング9u、9d、9l、9rは、細長なプーリー41の外周面に対して遊嵌状態で配置されている。

つまり、4つのCリング9u、9d、9l、9rの内周面とプーリー41の外周面との間には予め定めた隙間が形成されている。なお、スリット9sは、径変更部である。

モーター42は、プーリー41を回転させる。プーリー41及びモーター42は、駆動ユニットである。駆動ユニットは、湾曲部25を湾曲駆動させる駆動力を回転駆動によって発生する。

吊り枠43は、略十字形状で、それぞれの端部にはワイヤー8u、8d、8l、8rの基端部を連結するワイヤー取付部が設けられている。吊り枠43の中央部には該枠43の中心軸部である枠凸部43aが設けられている。操作子7の軸部7aと枠凸部43aとはユニバーサルジョイント40を介して同軸に取付け固定されている。操作子7及び吊り枠43は、湾曲操作装置である。湾曲操作装置は、ワイヤー8u、8d、8l、8rの中から所望するワイヤーを牽引操作する際に入力操作される。符号7bは、指当て部であり、軸部7aの先端に一体に固定されている。

図3に示すようにガイドローラー組44は、ワイヤー走行経路変更部材である。ガイドローラー組44は、ローラー軸44pに複数のガイドローラー44u、44d、44l、44rを回動自在に配置して構成されている。ガイドローラー組44は、操作部22内における4本のワイヤー8u、8d、8l、8rの走行経路を変更する。 符号8Pはコイルパイプである。コイルパイプ8Pは、例えば金属製で、1つのワイヤーが進退自在に挿通可能な貫通孔を有している。コイルパイプ8Pは、各ワイヤー8u、8d、8l、8rに対応して設けられている。

図1に示すように回転検出センサー45A、45Bは、操作子7が傾倒操作された際、軸部7aの湾曲操作量である傾倒動作を検出し、その検出値を制御装置6に出力する。回転検出センサー45A、45Bは、上下湾曲操作時の移動量、時間を検出する例えば一対の上下回転検出センサー45Aと、左右湾曲操作時の移動量、時間を検出する例えば一対の左右回転検出センサー45Bとを備える。

なお、符号46は信号ケーブル、符号47は制御ケーブル、符号48は照明用ケーブル、符号49は撮像用ケーブルである。

制御装置6は、制御ユニットであって、操作速度算出部61、速度判定部62、記憶部63、及びモーター制御部64を備えて構成されている。 操作速度算出部61は、検知部であって、回転検出センサー45A、45Bから出力された検出値である傾動量である移動距離と経過時間とから操作子7の傾倒操作速度(v))を算出して、速度判定部62に出力する。

速度判定部62は、操作速度算出部61から速度判定部62に出力された操作子7の傾倒操作速度(v)と、記憶部63に登録されているプーリー41の回転速度(V)とを比較する。また、速度判定部62は、傾倒操作速度(v)が回転速度(V)より速かったとき、告知信号をモーター制御部64に出力する。

モーター制御部64は、駆動ユニット制御部であって、モーター42の回転速度を制御してプーリー41の回転速度を制御する。モーター制御部64は、速度判定部62から告知信号を受けたとき、モーター42に制御信号を出力して、プーリー41の回転速度を傾倒操作速度よりも予め定めた速度高速に設定する。

本実施形態のモーター42の回転駆動力は、モーター軸42aに設けられた第1笠歯車11と、プーリー41の軸部41aに設けられた第2笠歯車12とを介してプーリー41に伝達される。

本実施形態の内視鏡2において、操作者が操作子7を例えば、図2の矢印Yu方向に傾倒操作する入力操作を行うと、上ワイヤー8uが牽引されて湾曲部25が上方向に湾曲していく。また、上ワイヤー8uは、上Cリング9uに巻回されているため、上ワイヤー8uの牽引に伴って、上Cリング9uが徐々に縮径されていく。この結果、上Cリング9uとプーリー41の外周面との間の隙間が徐々に少なくなっていく。

操作子7の傾倒操作によって上ワイヤー8uがさらに牽引されることによって、上Cリング9uの内周面がプーリー41の外周面に接触し、その後、上Cリング9uの内周面がプーリー41の外周面を押圧する。この結果、上Cリング9u内周面とプーリー41の外周面との間の抗力は、徐々に増大していく。

傾倒操作中において、抗力が所望の値に到達すると、伝達部である上Cリング9uの内周面とプーリー41の外周面とがいわゆる係合状態になって、プーリー41の回転力が上Cリング9uに伝達される。すると、上Cリング9uは、プーリー41の回転に伴って独立して回転して、上Cリング9uに巻回されている上ワイヤー8uが上Cリング9uの回転方向、即ち、牽引方向に移動される。このとき、上ワイヤー8uは、操作者の操作子7を傾倒操作する力量と、プーリー41の回転力が伝達された上Cリング9uの回転力とによって牽引されるので、操作者の操作子7を傾倒操作する力量が低減される。

なお、本実施形態において、操作子7を、矢印Yd方向に傾倒操作した場合、矢印l方向に傾倒操作した場合、矢印r方向に傾倒操作した場合、矢印u方向と矢印r方向との間等に傾倒操作した場合、上述と同様に操作者の操作子7を傾倒操作する力量が低減される。

また、Cリング9u、9d、9l、9rに巻回されているワイヤー8u、8d、8l、8rの中途部が弛緩状態になると、Cリング9u、9d、9l、9rは、プーリー41の外周面に対して遊嵌状態になって、上述した係合状態が解除される。

ここで、図4A−図5を参照して上述した内視鏡システム1の作用を説明する。 上述した内視鏡システム1において、内視鏡2が備えるモーター42は、検査開始と共に、図4A、図4Bの破線に示すように予め定めた電圧V1で駆動される。この初期状態において、プーリー41は、ワイヤー8u、8d、8l、8rを牽引する方向に、回転速度(vP1)で回転状態になる。

内視鏡2において、操作子7の軸部7aが直立状態のとき、プーリー41に配置されたCリング9u、9d、9l、9rに巻回されているワイヤー8u、8d、8l、8rは、全て所定の弛緩状態になる。つまり、全てのCリング9u、9d、9l、9rは、プーリー41に対して滑り状態であって、湾曲部25は直線状態に保持される。

操作者が、湾曲部25を例えば上方向に湾曲動作させるために、操作子7を図1の矢印Yu方向に傾倒操作すると、図4A、図4Bに示す傾倒操作が開始される。制御装置6は、傾倒操作開始に伴って、図5のフローチャートに示す制御を開始する。

つまり、操作子7が傾倒操作されると同時に、ステップS1に示す傾倒操作速度の取得を開始し、ステップS2に示す速度の比較を開始する。 なお、操作子7が傾倒操作されると、吊り枠43が傾き、上ワイヤー8uが牽引される。

ステップS1においては、操作子7が上方向に傾倒されたため、上下回転検出センサー45Aが操作子7の軸部7aの傾倒動作を検出する。上下回転検出センサー45Aは、検出した検出値を制御装置6の操作速度算出部61に出力する。操作速度算出部61は、入力された検出値から軸部7aの傾倒操作速度(vA)を算出する。操作速度算出部61は、算出結果を速度判定部62に出力する。

ステップS2において、速度判定部62は、操作子7の軸部7aの傾倒操作速度(vA)と、モーター42によって回転されているプーリー41の回転速度(vP1)とを比較する。 傾倒操作速度(vA)は、操作速度算出部61で算出する値である。これに対して、回転速度(vP1)は、モーター42を駆動する電圧値毎に決定する回転速度であり、記憶部63に予め登録された値である。

なお、記憶部63には、例えばアシスト情報テーブルが設けられており、アシスト情報テーブルには電圧V1のときの回転速度(vP1)、電圧V2のときの回転速度(vP2)、電圧VN(N=1,2,…)のときの回転速度(vPn(n=1,2,…)が格納されている。

ステップS2において、操作子7の傾倒操作速度(vA)がプーリー41の回転速度(vP1)より遅いと速度判定部62によって判定された場合、ステップS1に移行する。一方、操作子7の傾倒操作速度(vA)がプーリー41の回転速度(vP1)より速いと速度判定部62によって判定された場合にはステップS3に移行する。

傾倒操作速度(vA)が回転速度(vP1)より遅いとき、ステップS2から再びステップS1に移行する。そして、ステップS1で示した操作子7の傾倒操作速度の取得及びステップS2で示した2つの速度の比較を繰り返し行う。このとき、モーター制御部64は、予め定めた電圧V1によるモーター42の駆動を継続する。この結果、プーリー41は、回転速度(vP1)で回転し続ける。

したがって、ステップS1及びステップS2の継続中、上ワイヤー8uは、操作子7の傾倒操作に伴って、弛んだ状態から徐々に引っ張られていく。このため、上ワイヤー8uの牽引に伴って、上Cリング9uが弾性力に抗して徐々に縮径されていく。そして、上Cリング9uは、プーリー41に対して当接し、押圧状態になる。このとき、図4Aの実線に示す傾倒操作力量は、徐々に増加し、上Cリング9uとプーリー41との間の抗力も徐々に増大していく。

そして、抗力が所定の値に到達すると、上Cリング9uは、プーリー41と同じ方向に、プーリー41に対して滑りながら回転して、上Cリング9uより挿入部21側に配置されている上ワイヤー8uを牽引移動させる、アシスト力が発生する。

図4Aに示すようにプーリー41から上Cリング9uを介して上ワイヤー8uを牽引するアシスト力が発生すると、この後、抗力の増大に伴ってアシスト力が二点鎖線に示すように増加していく。そして、実線に示す傾倒操作力量は、アシスト力の増加に伴って減少されていく。 この結果、操作者は、操作子7を傾倒操作する操作力量の低減を実感しつつ、湾曲部25の湾曲操作を行える。

これに対して、ステップS2において、操作子7の傾倒操作速度(vA)がプーリー41の回転速度(vP1)より速いと判定された場合、速度判定部62は、モーター制御部64に告知信号を出力する。ステップS3において、告知信号を受けたモーター制御部64は、傾倒操作速度が早いことによってCリング8uがプーリー41に喰い付く不具合を防止するために、プーリー41の回転速度を操作子7の傾倒操作速度(vA)よりも高速に切り替える制御を行う。言い換えれば、告知信号を受けたモーター制御部64は、操作子7の傾倒操作速度に対応させてアシスト力を発生させるために、プーリー41の回転速度を操作子7の傾倒操作速度(vA)よりも高速に切り替える制御を行う。

具体的に、モーター制御部64は、モーター42を駆動する駆動電圧を当初の電圧V1より高い電圧V2(図4Bの破線参照)に設定する。なお、電圧V2は、モーター制御部64に格納されているアシスト情報テーブルから選択した値である。

モーター制御部64によってモーター42の駆動電圧が電圧V2に設定されると、モーター42の回転速度が上昇するとともに、プーリー41も回転速度(vP1)より高速な回転速度(vP2)で回転する。

駆動電圧変更後、ステップS4に移行する。ステップS4は、ステップS1と同様であり、上下回転検出センサー45Aは、軸部7aの傾倒動作を検出し、その検出値を操作速度算出部61に出力する。操作速度算出部61は、入力された検出値から傾倒操作速度(vA)を算出し、その算出結果を速度判定部62に出力する。

ステップS5において、速度判定部62は、操作子7の傾倒操作速度(vA)と、駆動するモーター42によって回転されるプーリー41の回転速度(vP2)とを比較する。本ステップにおいて、傾倒操作速度(vA)は、操作速度算出部61で算出した値であり、回転速度(vP2)は、電圧V2で駆動するモーター42によって回転するプーリー41の回転速度である。

ここで、操作子7の傾倒操作速度(vA)がプーリー41の回転速度(vP2)より速いと速度判定部62によって判定された場合、ステップS3に移行する。一方、操作子7の傾倒操作速度(vA)がプーリー41の回転速度(vP2)より遅いと速度判定部62によって判定された場合、ステップS4に移行する。

ステップS5において、操作子7の傾倒操作速度(vA)がプーリー41の回転速度(vP2)より遅いと速度判定部62によって判定された場合、ステップS5から再びステップS4に移行する。そして、ステップS4で示した操作子7の傾倒操作速度の取得及びステップS5で示した2つの速度の比較とを繰り返し行う。このとき、プーリー41は、回転速度(vP2)で回転している。

したがって、ステップS4及びステップS5の継続中、上ワイヤー8uは、操作子7の傾倒操作に伴って、弛んだ状態から徐々に引っ張られていく。このため、上ワイヤー8uの牽引に伴って、上Cリング9uが弾性力に抗して徐々に縮径されていく。したがって、上Cリング9uは、プーリー41に対して喰い付くことなく、当接し、その後、押圧状態になる。

そして、抗力が所定の値に到達すると、上Cリング9uは、上述したように上ワイヤー8uを牽引移動させるアシスト力を発生する。 この結果、操作者は、操作子7を高速で傾倒操作したにも関わらず、操作子7を傾倒操作する操作力量の減少を実感しつつ、湾曲部25の湾曲操作を行える。

つまり、操作者の操作子7の傾倒操作速度が速く、図4Bの実線に示すように傾倒操作力量を短時間に増大させて、弛んだ状態の上ワイヤー8uを引っ張って上Cリング9uを縮径させたにも関わらず、上Cリング9uとプーリー41との間に抗力が発生し、その抗力の増大に伴ってアシスト力が増加して、実線に示すように傾倒操作力量が減少される。 これに対して、ステップS5において、操作子7の傾倒操作速度(vA)がプーリー41の回転速度(vP2)より速いと判定された場合、速度判定部62は、モーター制御部64に告知信号を出力する。

そして、モーター制御部64は、ステップS3において再度、モーター42の回転速度を高速に切り替える制御を行う。即ち、モーター制御部64は、記憶部63に予め登録されている、傾倒操作速度(vA)より速い回転数に対応する電圧値Vnを選択し、その選択した電圧値でモーター42を再駆動制御する。

この結果、モーター42の回転速度が上昇してプーリー41は、回転速度(vP2)より高速な回転速度(VPn)で回転する。この後、ステップS4およびステップS5を繰り返す。

なお、湾曲部25が操作子7の傾倒操作に対応する湾曲状態になると、傾倒速度(vA)が「0」になり、ステップS6に移行する。ここで、モーター制御部64は、プーリー41の回転速度を初期状態に戻すため、モーター42の駆動電圧を予め定めた電圧V1に変更する。この結果、プーリー41は、初期状態である回転速度(vP1)で回転する。

このように、操作子7の軸部7aの傾倒操作を回転検出センサー45で検出し、その検出値から操作子7の傾倒操作速度(vA)を算出し、その算出した傾倒操作速度(vA)とプーリー41の回転速度(vP1)との比較を行い、その比較結果に従って、モーター制御部64によってモーター42の電圧を変更し、プーリー41の回転速度を維持或いは高速に変更するようにしている。

この結果、操作者が操作する操作子7の傾倒操作速度にかかわらず、Cリング9u、9d、9l、9rがプーリー41に喰い付いて、操作子7を傾倒操作する際の操作力量が増大することを確実に防止することができる。

なお、上述した実施形態においては、操作子7の軸部7aの傾倒動作を回転検出センサーで検出して傾倒操作速度を求め、傾倒操作速度(vA)と、プーリー41の回転速度(vP1)とを比較するとしている。しかし、操作子7の軸部7aの傾倒動作を、加速度センサーを設けて検出し、傾倒操作速度(vA)とプーリー41の回転速度(vP1)とを比較するようにしてもよい。また、軸部7aの傾倒動作を検出する代わりに、湾曲操作装置側のワイヤー8u、8d、8l、8rの移動速度を例えばリニアセンサーを設けて検出し、傾倒操作速度(vA)とプーリー41の回転速度(vP1)とを比較する構成であってもよい。

また、上述した実施形態においては、湾曲操作装置を傾倒操作可能な操作子7としている。しかし、湾曲操作装置は、操作子7に限定されるものではなく、湾曲ノブであってもよい。湾曲操作装置が湾曲ノブの場合、検知部は回転検出センサーと、操作速度検出部61との組合せが好適である。回転検出センサーは、湾曲操作である湾曲ノブの回動に伴って回動する軸部の湾曲操作量である回転動作を検出する。

図6−図8参照して本発明の第2実施形態を説明する。 図6に示すように本実施形態の内視鏡システム1Aは、内視鏡2の代わりに内視鏡2Aを備え、制御装置6の代わりに制御装置6Aを備えて構成されている。その他の構成は、上述した内視鏡システム1と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。

本実施形態の内視鏡2Aにおいては、上述した内視鏡2の操作部22内に設けられていた検知部を構成する回転検出センサー45A、45Bを不要としている。内視鏡2Aのその他の構成は、内視鏡2と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。

制御装置6Aは、検知部として、上述した制御装置6の操作速度算出部61の代わりに、モーター電流増加速度検出部65を備えている。つまり、制御装置6Aは、モーター電流増加速度検出部65、速度判定部62、記憶部63、及びモーター制御部64を備えて構成されている。

そして、モーター電流増加速度検出部65は、モーター42の駆動中、常時、電流値を監視する一方、モーター電流値の単位時間当たりの増加速度を算出する。

本実施形態の速度判定部62は、モーター電流増加速度検出部65で算出したモーター電流の単位時間増加速度と、記憶部63に予め登録されているモーター電流増加速度閾値とを比較する。

本実施形態において、速度判定部62は、モーター電流の単位時間増加速度がモーター電流増加速度閾値より大きな場合、告知信号をモーター制御部64に出力する。そして、本実施形態においては、モーター電流の単位時間増加速度がモーター電流増加速度閾値以上であった場合、操作子7の傾倒操作速度がプーリー41の回転速度よりも速いと判断するようにしている。

また、本実施形態において、モーター電流増加速度閾値は、記憶部63に予め登録された値である。記憶部63に設けられたアシスト情報テーブルには、電圧V1に対応するモーター電流増加速度閾値、電圧V1に対応するモーター電流増加速度閾値、電圧VN(N=1,2,…)に対応するモーター電流増加速度閾値が格納されている。

制御装置6Aのその他の構成は、上述した制御装置6と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。

ここで、図7A−図8を参照して上述した内視鏡システム1Aの作用を説明する。 上述した内視鏡システム1Aにおいても、内視鏡2Aが備えるモーター42は、図7A、図7Bの破線に示すように予め定めた電圧V1で駆動される。このため、初期状態において、プーリー41は、ワイヤー8u、8d、8l、8rを牽引する方向に回転速度(vP1)で回転状態である。

第1実施形態と同様に操作者が、湾曲部25を例えば上方向に湾曲動作させる傾倒操作を行うと、図7A、図7Bに示すよう傾倒操作が開始される。制御装置6Aは、傾倒操作開始に伴って、図8のフローチャートに示す制御を開始する。

具体的に、本実施形態においては、ステップS11において、モーター電流の単位時間増加速度の取得を開始するとともに、ステップS12に示す閾値との比較を開始する。 ステップS11において、モーター電流増加速度検出部65は、モーター電流の単位時間当たりの増加速度を求め、取得した単位時間増加速度を速度判定部62に出力する。そして、ステップS12において、速度判定部62は、単位時間増加速度とモーター電流増加速度閾値とを比較する。

ステップS12において、単位時間増加速度がモーター電流増加速度閾値より小さいと速度判定部62によって判定された場合、ステップS11に移行する。一方、単位時間増加速度がモーター電流増加速度閾値より大きいと速度判定部62によって判定された場合、ステップS13に移行する。

単位時間増加速度がモーター電流増加速度閾値より小さいとき、ステップS12から再びステップS11に移行する。そして、ステップS11で示したようにモーター電流の単位時間増加速度の取得、および、ステップS12の示す閾値との比較を繰り返し行う。このとき、モーター制御部64は、予め定めた電圧V1によるモーター42の駆動を継続する。この結果、プーリー41は、回転速度(vP1)で回転し続ける。

したがって、ステップS11及びステップS12の継続中、上ワイヤー8uは、操作子7の傾倒操作に伴って、弛んだ状態から徐々に引っ張られていく。この結果、上述した実施形態と同様に、傾倒操作力量は、図7Aの実線に示すように徐々に増加し、上Cリング9uとプーリー41との間の抗力も徐々に増大していく。

そして、抗力が所定の値に到達すると、上述の実施形態と同様に、上Cリング9uより挿入部21側に配置されている上ワイヤー8uを牽引移動させる、アシスト力が発生する。図7Aに示すようにプーリー41から上Cリング9uを介して上ワイヤー8uを牽引するアシスト力が発生すると、この後、抗力の増大に伴ってアシスト力が二点鎖線に示すように増加していく。そして、実線に示す傾倒操作力量は、アシスト力の増加に伴って減少されていく。

この結果、操作者は、上述した実施形態と同様に操作子7を傾倒操作する操作力量の減少を実感しつつ、湾曲部25の湾曲操作を行える。

これに対して、単位時間増加速度がモーター電流増加速度閾値より大きいとき、ステップS12において、速度判定部62は、モーター制御部64に告知信号を出力する。

ステップS13において、告知信号を受けたモーター制御部64は、操作子7の傾倒操作速度に対応させてアシスト力を発生させるため、モーター42の回転速度を高速に切り替える制御を行う。

具体的に、モーター制御部64は、モーター42を駆動する駆動電圧を当初の電圧V1より高い電圧V2(図7Bの破線参照)に設定する。なお、電圧V2は、モーター制御部64に格納されているアシスト情報テーブルから選択した値である。

モーター制御部64によってモーター42の駆動電圧が電圧V2に設定されると、モーター42の回転速度が上昇するとともに、プーリー41の回転速度も高速に変化する。即ち、プーリー41は、回転速度(vP1)より高速な回転速度(vP2)で回転する。

駆動電圧変更後、ステップS14に移行する。ステップS14においてモーター電流増加速度検出部65は、単位時間増加速度を検出し、速度判定部62に出力する。ステップS15において、速度判定部62は、単位時間増加速度とモーター電流増加速度閾値とを比較する。

ここで、単位時間増加速度がモーター電流増加速度閾値より大きいと速度判定部62によって判定された場合、ステップS13に移行する。一方、単位時間増加速度がモーター電流増加速度閾値より小さいと速度判定部62によって判定された場合、ステップS14に移行する。

ステップS15において、単位時間増加速度がモーター電流増加速度閾値より小さいと速度判定部62によって判定された場合、ステップS14、ステップS15を繰り返すことで、上Cリング9uは、プーリー41に対して喰い付くことなく、プーリー41に対して当接し、その後、押圧状態になる。

そして、抗力が所定の値に到達すると、上Cリング9uは、上述したように上ワイヤー8uを牽引移動させるアシスト力を発生する。

この結果、操作者は、操作子7を高速で傾倒操作したにも関わらず、操作子7を傾倒操作する操作力量の減少を実感しつつ、湾曲部25の湾曲操作を行える。

つまり、操作者の操作子7の傾倒操作速度が速く、図7Bの実線に示すように傾倒操作力量を短時間に増大させて、弛んだ状態の上ワイヤー8uを引っ張って上Cリング9uを縮径させたにも関わらず、上Cリング9uとプーリー41との間に抗力が発生し、その抗力の増大に伴ってアシスト力が増加して、実線に示すように傾倒操作力量が減少される。 これに対して、ステップS15において、単位時間増加速度がモーター電流増加速度閾値より大きいと判定された場合、速度判定部62は、モーター制御部64に告知信号を出力する。

そして、モーター制御部64は、ステップS13において再度、モーター42の回転速度を高速に切り替える制御を行う。即ち、モーター制御部64は、記憶部63に予め登録されているモーター電流増加速度閾値から電圧値Vnを選択し、その選択した電圧値でモーター42を再駆動制御する。

この結果、モーター42の回転速度が上昇してプーリー41は、回転速度(vP2)より高速な回転速度(VPn)で回転する。この後、ステップS14およびステップS15を繰り返す。

なお、湾曲部25が操作子7の傾倒操作に対応する湾曲状態になると、単位時間増加速度が「0」になり、ステップS16に移行する。ここで、モーター制御部64は、モーター42の回転速度を初期状態に戻すため、モーター42の駆動電圧を予め定めた電圧V1に変更する。この結果、プーリー41は、初期状態である回転速度(vP1)で回転する。

このように、本実施形態においては、内視鏡にセンサーを設けることなく、モーター電流を常時監視しつつ、モーター電流値の単位時間増加速度を取得し、該単位時間増加速度とモーター電流増加速度閾値との比較を行い、その比較結果に従って、モーター制御部64によってモーター42の電圧を変更し、プーリー41の回転速度を維持或いは高速に変更するようにしている。 この結果、内視鏡の構成を単純化して、上述した実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。 なお、導入装置は、内視鏡に限定されるものではなく、鉗子、縫合機、吻合機等の医療機器であってもよい。

尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。

本出願は、2012年7月9日に日本国に出願された特願2012−153865号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲、図面に引用されたものとする。

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