修整された表面形状を有する歯付のワークピースを製造する方法

申请号 JP2016135566 申请日 2016-07-08 公开(公告)号 JP2017052083A 公开(公告)日 2017-03-16
申请人 リープヘル−フェアツァーンテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング; 发明人 ヴュルフェル ローベルト;
摘要 【課題】ワークピースの表面形状に所望の修整を加える際の仕様をより柔軟に変更可能とする、歯付ワークピースの製造方法を提供する。 【解決手段】修整済み工具を使用して、修整された表面形状を有する歯付ワークピースを斜め創成法によって製造する方法に関し、工具の表面形状は、創成パターン内で、当該工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に表すことが可能な修整、及び/又は、ピッチ及び/又はクラウニングが工具の回転 角 度に依存して、及び/又は工具の幅 位置 に依存して変化する修整を有する。工具の具体的な修整によって施されるワークピースの修整は、歯形修整及び/又は前記ワークピースの機械加工手順中の機械運動の変更によって生じる修整によって重畳される。 【選択図】なし
权利要求

修整済み工具を使用して、修整された表面形状を有する歯付のワークピースを斜め創成法によって製造する方法であって、 工具が使用され、 前記工具の表面形状は、 創成パターン内で、前記工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に表すことが可能な修整、及び/又は、 ピッチ及び/又はクラウニングが前記工具の回転度に依存して、及び/又は前記工具の幅位置に依存して変化する修整を有し、 前記一次関数及び/又は二次関数の係数は、前記第1の方向に対して垂直に延びる前記工具の第2の方向において、係数関数FFtC,1、FFtL,1、及び/又はFFtQ,1により構成され、 前記斜め創成法による前記工具の具体的な修整は、前記ワークピースの表面上に、対応する修整を施し、 前記工具の前記具体的な修整によって施される前記ワークピースの前記修整は、歯形修整及び/又は前記ワークピースの機械加工手順中の機械運動の変更によって生じる修整によって重畳される ことを特徴とする方法。請求項1の方法において、 各修整の形、及び/又は複数の部分、及び/又は複数のパラメータは、 曲線適合により及び/又は解析的に決定される ことを特徴とする方法。修整済み工具を使用して、修整された表面形状を有する歯付のワークピースを斜め創成法によって製造する方法であって、 工具が使用され、 前記工具の表面形状は、 創成パターン内で、前記工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に表すことが可能な修整、及び/又は ピッチ及び/又はクラウニングが前記工具の回転角度に依存して、及び/又は前記工具の幅位置に依存して変化する修整を有し、 前記一次関数及び/又は二次関数の係数は、前記第1の方向に対して垂直に延びる、前記工具の第2の方向において、係数関数FFtC,1、FFtL,1、及び/又はFFtQ,1により構成され 前記斜め創成法による前記工具の具体的な修整は、前記ワークピースの表面上に、対応する修整を施し、 前記工具の前記表面形状の修整の形、ならびに、前記ワークピースの機械加工プロセス及び/又は前記工具のマクロ形状の少なくとも1つのパラメータ及び好ましくは複数のパラメータは、所望の修整を少なくとも近似的に施すことができるように決定され、 前記決定は、具体的には、曲線適合により及び/又は解析的に行われる ことを特徴とする方法。請求項3の方法において、 前記斜め創成法中の対角比及び/又は軸交差角、及び/又は前記工具の円錐角及び/又はプロファイル角が決定され、 好ましくは前記工具の幅にわたって一定である、一定の対角比が決定され、又は 前記対角比は、好ましくは送り位置の非定数関数として決定される ことを特徴とする方法。修整済み工具を使用して、修整された表面形状を有する歯付のワークピースを斜め創成法によって製造する方法であって、 工具のドレッシングプロセスの修整、及び/又は前記工具をドレッシングするために使用されるドレッサの修整、及び/又はワークピースの機械加工手順の修整によって施される少なくとも2つの異なる修整を重畳することによって、前記ワークピースの修整を行い、 前記ワークピースの所望の修整は、ロール角wFとワークピース幅位置zFとを用いる二次多項式として創成パターン内に指定可能であり、該二次多項式の係数は、少なくとも1つ、好ましくは複数、さらに好ましくは全ての係数が、ある一定の条件内で、自由に選択可能であり、及び/又は 前記ワークピースの前記所望の修整は、ある一定の条件内で複数の方向が自由に選択可能な複数のクラウニングの重畳として指定可能であり、及び/又は所望の歯形クラウニングと所望の歯すじクラウニングとが指定可能であり、及び/又は 前記ワークピースの前記所望の修整は、波の伝播方向を横断する非定数値を有する振幅を持つ波として指定可能であり、 上記波の伝搬方向に対して横断し、特に上記波のピークに沿う、少なくとも1つの一次関数形状及び/又は二次関数形状を有する振幅関数を指定することが好ましく、 少なくとも特定の条件内において、上記振幅関数の1つ以上の係数を自由に選択可能であることが好ましく、及び/又は 前記振幅が側面の全方向で変化するように、前記振幅を指定可能である ことを特徴とする方法。請求項1から5のいずれか1つに記載の方法において、以下の修整、すなわち 前記工具の表面形状の具体的な修整によって施される、前記ワークピースの表面形状の第1の修整、 前記第1の修整において 前記具体的な修整は、ドレッシング中に、前記工具の回転角度及び/又は前記工具の幅位置に依存して前記工具に対する前記ドレッサの位置を変えることによって施され、及び/又は、 前記具体的な修整は、前記創成パターン内で、前記工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に記述可能な修整、及び/又はピッチ及び/又はクラウニングが、前記工具の前記回転角度及び/又は前記工具の幅位置に依存して変化する修整、を有する表面形状を持つ工具を使用することによって施され、 前記一次関数及び/又は二次関数の複数の係数は、前記第1の方向に対して垂直に延びる前記工具の第2の方向において、係数関数FFtC,1、FFtL,1、及び/又はFFtQ,1によって決定され、 前記ドレッサの歯形修整によって施される、前記ワークピースの表面形状の第2の修整、及び/又は 前記ワークピースの機械加工手順中に機械運動を変更することによって施される、前記ワークピースの表面形状の第3の修整 のうちの少なくとも2つの修整を重畳し、 各修整の形、及び/又は複数の部分、及び/又は複数のパラメータは、曲線適合により及び/又は解析的に決定される ことを特徴とする方法。請求項1から6のいずれか1つに記載の方法において、 前記ワークピースの表面形状の所望の修整は、以下の修整、すなわち 前記創成パターン内で、前記ワークピースの第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に記述することが可能な第1の修整、 前記第1の修整において、上記一次関数及び/又は二次関数の複数の係数は、前記第1の方向に対して垂直に延びる前記ワークピースの第2の方向において、係数関数FFtC,2、FFtL,2、及び/又はFFtQ,2によって、及び/又はピッチ及び/又はクラウニングがワークピース幅位置に依存して変化する修整によって構成され、 歯形修整のみによって施される第2の修整、及び/又は 前記ワークピースの第3の方向においては、前記創成パターン内で少なくとも局所的に一定値を有するとともに、前記第3の方向に垂直に延びる前記ワークピースの第4の方向においては、関数FKFtで表される第3の修整、 のうちの少なくとも2つの修整に少なくとも近似的に分解される ことを特徴とする方法。請求項1から7のいずれか1つに記載の方法において、 前記ワークピースの表面形状の所望の修整は指定され、 機械加工手順のパラメータ、及び/又は前記工具のマクロ形状のパラメータ、及び/又は前記工具の表面形状の直接的な修整、及び/又は前記所望の修整に可能な限り最適に近似させる及び/又は前記所望の修整を正確に決定する修整の組み合わせは、曲線適合を用いて及び/又は解析的に決定され、 前記所望の修整は、連続関数及び/又は散布図として指定されることが好ましく、 歯面の表面上の定数関数は指定可能である、及び/又は前記散布図は前記歯面の表面上に広がることが好ましく、及び/又は 前記修整の形、及び/又は複数の前記修整の形は、複数の点において、及び/又は複数の連続関数として決定される ことを特徴とする方法。請求項1から8のいずれか1つに記載の方法において、 各修整の合計として与えられる全体の修整と所望の修整との差を定量化する距離関数が曲線適合の枠組み内で使用され、 前記距離関数によって、複数の点又は創成パターンの全体の平均値を作成することが好ましく、及び/又は ロール距離wF及び歯幅位置zFに依存する距離関数A(wF、zF)が上記曲線適合の枠組み内で使用され、及び/又は 加重距離関数が上記曲線適合の枠組み内で使用され、前記ワークピースの特定の領域における差に対する加重が、その他の領域における差に対する加重よりも強いことが好ましく、 及び/又は 前記ワークピースの表面形状の具体的な修整は、前記曲線適合の途中で決定され、前記創成パターン内で、前記ワークピースの第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に記述可能であり、 この一次関数及び/又は二次関数の係数は、前記第1の方向に垂直に延びる前記工具の第2の方向において、係数関数FFtC,2、FFtL,2、及び/又はFFtQ,2によって構成され、及び/又は 第1の方向において測定されるピッチ及び/又はクラウニングが前記ワークピース幅位置に依存して変化するような前記ワークピースの修整を決定し、少なくともさらに1つの修整とともに、所望の修整に理想的に近似させる、及び/又は所望の修整を正確に施し、 上記ワークピースの表面形状の所望の修整から、この目的のために必要な工具の表面形状の修整、及び/又はドレッシング中にこの目的のために必要な機械運動が決定され、 及び/又は 機械加工手順の少なくとも1つの、好ましくは複数のパラメータ、及び/又は前記工具のマクロ形状の少なくとも1つの、好ましくは複数のパラメータ、及び/又は、可能な修整のうちの少なくとも1つ及び好ましくは2つあるいは3つの修整の形と、部分と、パラメータとのうちの少なくとも1つを、曲線適合の枠組み内で変更することによって、これらパラメータ、及び/又は前記所望の修整に可能な限り最適に近似させ及び/又は上記所望の修整を正確に施すような上記修整、及び/又は上記修整の組み合わせを決定し、 係数関数FFt。1/2、FFtL,1/2、及び/又はFFtQ,1/2の形、及び/又は関数FKFtの形、及び/又は歯形修整の形、及び/又は前記第1の方向を変更することが好ましく、及び/又は 第1の修整の前記第1の方向、対角比、前記斜め創成法中の軸交差角、円錐角、及び前記工具のプロファイル角のうちの少なくとも1つを変更することが好ましく、 前記工具の幅にわたって一定である対角比が変更されることが好ましく、あるいは前記対角比が、送り位置の非定数関数として変更されることが好ましい ことを特徴とする方法。請求項1から9のいずれか1つに記載の方法において、 前記工具の表面形状の修整は、ドレッシング中に前記工具と前記ドレッサとの相対位置を修整することにより施し、前記ドレッサは、好ましくは、ドレッシング中は前記工具と線接触し、及び/又は、前記工具の表面形状に施される修整の第1の方向は、前記工具をドレッシングする際の前記ドレッサの作用線に対応し、及び/又はその作用線により指定され、 前記工具は、歯形ローラドレッサあるいはフォームローラドレッサを用いて、修整された形状にドレッシングされることが好ましく、 さらに、前記歯形ローラドレッサあるいは前記フォームローラドレッサは、一回のストロークで歯たけ全体にわたって前記修整が生じるように、前記ドレッシング中、歯元の領域から歯先の領域まで前記工具の歯と接触することが好ましく、 あるいは、代替的に 前記歯形ローラドレッサあるいは前記フォームローラドレッサは、複数回のストロークで歯たけ全体にわたり、上記ドレッサの互いに異なる相対位置において、具体的な修整が生じるように、上記ドレッシング中、上記歯元の領域と上記歯先の領域との間の部分領域のみで上記工具の歯と接触し、及び/又は 前記工具の表面形状の具体的な修整は、前記工具の回転角度及び/又は前記工具の幅位置に依存して、ドレッシングプロセス中の機械運動を変更することによって施され、 具体的には、所望の修整のために前記ドレッサと前記工具との間の相対位置を決めるにあたり、少なくとも3の自由度、好ましくは4あるいは5の自由度が用いられ、 この自由度は、前記所望の修整を施すために、互いに独立して設定可能であることが好ましく、及び/又は この自由度は、以下の5の自由度、すなわち、前記工具の回転角度、前記工具の軸位置、前記ドレッサのy位置、中心距離及び軸交差角のうちの少なくとも3度、あるいは4度、あるいは全ての自由度が用いられることが好ましく、 前記工具の軸位置、すなわち前記工具の幅位置が、前記ドレッサの接触線を変位させるのに用いられることが好ましく、 前記接触線に沿って前記具体的な修整を施すためには、残りの4の自由度のうち、2の自由度、3の自由度、あるいは4の自由度が、互いに独立して設定され、 歯形修整を施すために、修整されたドレッサを追加的に使用することが好ましい ことを特徴とする方法。請求項1から10のいずれか1つに記載の方法において、 機械加工中における、前記工具の軸方向送り出しと前記ワークピースの軸方向送り出しとの間の比によって与えられる対角比を利用して、前記工具の軸方向の送り出しが行われ、 前記対角比は、ワークピースの機械加工の一部として変更される ことを特徴とする方法。請求項1から11のいずれか1つに記載の方法において、 前記工具は円錐形の基本形状を有し、 前記工具の円錐角は、1′よりも大きく、好ましくは30′よりも大きく、より好ましくは1°よりも大きく、及び/又は、 前記工具の円錐角は、50°よりも小さく、好ましくは20°よりも小さく、より好ましくは10°よりも小さい ことを特徴とする方法。請求項1から12のいずれか1つに係るワークピースの製造方法を実施するギヤ製造機であって、 前記ギヤ製造機は、好適には、機械加工手順中及び/又はドレッシングプロセス中に機械運動の運動学的な変更を指定できる、及び/又は決定できる入力関数及び/又は演算関数を有し、及び/又は前記機械加工手順中及び/又は前記ドレッシングプロセス中に、前記機械運動を変更する制御関数を有し、 前記入力関数は、所望の修整の入力を許可することが好ましく、 上記演算関数は、製造に必要な複数の修整を決定し、及び/又は、前記複数の修整を施すのに必要な前記機械加工手順中及び/又は前記ドレッシングプロセス中に、前記機械運動の変更を決定する ことを特徴とするギヤ製造機。所望の修整を有するワークピースの製造に必要な複数の修整の組み合わせを決定するためのコンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラムであって、 前記コンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラムは、所望の修整を指定するための入力関数と、分解関数とを有し、 前記分解関数は、所望の修整に可能な限り最適に近似させる、及び/又は所望の修整を正確に決定するような複数の修整の組み合わせを決定し、 前記分解関数は、 創成パターン内で、工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に記述可能な前記工具の表面形状の具体的な修整、及び/又は ピッチ及び/又はクラウニングが、前記工具の回転角度及び/又は前記工具の幅位置に依存して変化する修整、 によって施される前記ワークピースに施される修整と、歯形修整及び/又は機械加工手順中の機械運動の変更による修整との、この目的に適した組み合わせを決定し、 前記一次関数及び/又は二次関数の係数は、前記第1の方向に対して垂直に延びる前記工具の第2の方向において、係数関数FFtC,1、FFtL,1、及び/又はFFtQ,1により構成され、 前記分解関数は、前記ワークピースの指定された所望の修整を、曲線適合により及び/又は解析的に、前記ワークピースの異なる2つの修整に少なくとも近似的に分解することが好ましく、 前記ワークピースの異なる2つの修整は、それぞれ、前記工具のドレッシングプロセスの修整によって、及び/又は前記工具のドレッシングに使用されるドレッサの修整によって、及び/又は前記ワークピースの機械加工手順の修整によって施すことが可能であり、 前記分解関数は、指定された所望の修整を、以下の修整、すなわち 前記ワークピースの第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に記述可能な第1の修整、及び/又は、ピッチ及び/又はクラウニングがワークピース幅位置に依存して変化する修整であって、前記一次関数及び/又は二次関数の係数が、上記第1の方向に対して垂直に延びる前記ワークピースの第2の方向において、係数関数FFtC,2、FFtL,2、及び/又はFFtQ,2によって構成される修整、 歯形修整のみによって施される第2の修整、及び/又は 前記ワークピースの第3の方向においては、前記創成パターン内で少なくとも局所的に一定値を有するとともに、前記第3の方向に垂直に延びる前記ワークピースの第4の方向においては、関数FKFtで表される第3の修整、 のうちの少なくとも2つの修整に、少なくとも近似的に分解することがさらに好ましく、 前記コンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラムは、演算関数を有することが好ましく、 該演算関数は、 前記工具のドレッシングプロセスの修整を決定し、及び/又は 前記工具のドレッシングに使用されるドレッサの修整を決定し、及び/又は このように決定された前記ワークピース及び/又は前記工具の上記修整から、当該修整を施すために必要な、前記ワークピースの機械加工手順の修整を決定する ことを特徴とするコンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラム。所望の修整を有するワークピースの製造に必要な複数の修整の組み合わせを決定するためのコンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラムであって、 前記コンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラムは、所望の修整を指定するための関数と、決定関数とを有し、 前記決定関数は、 創成パターン内で、工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に記述可能な、前記工具の表面形状の具体的な修整の形を決定し、 前記一次関数及び/又は二次関数の係数は、前記第1の方向の方向に対して垂直に延びる前記工具の第2の方向において、係数関数FFtC,1、FFtL,1、及び/又はFFtQ,1によって構成され、及び/又は 前記決定関数は、 ピッチ及び/又はクラウニングが、前記工具の回転角度及び/又は前記工具の幅位置に依存して変化する修整、及び 前記工具のマクロ形状の少なくとも1つのパラメータ、好ましくは複数のパラメータ、及び/又は、前記所望の修整を可能な限り最適に近似させることができる斜め創成法及び/又は前記所望の修整を正確に施すことができる斜め創成法の少なくとも1つのパラメータ、好ましくは複数のパラメータ を決定する ことを特徴とするコンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラム。請求項14又は15に記載のコンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラムにおいて、 請求項1から12のいずれか1つに記載の方法の演算工程を実行し、及び/又は、 請求項13に記載のギヤ製造機に対するインターフェースを有する、もしくは当該ギヤ製造機にインストール可能であり、 機械運動の変更は、機械加工手順中及び/又はドレッシングプロセス中に、前記コンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラムによって指定可能である、及び/又は決定可能である ことを特徴とするコンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラム。

说明书全文

本発明は、修整済み工具を用いた斜め創成法により、修整された表面形状を有する歯付のワークピースを製造する方法に関する。上記工具が修整を施された表面形状を有することにより、上記斜め創成法によれば、上記ワークピースの表面上に対応する修整が施されることになる。

表面形状の修整が工具上にドレッシングを行う際の付加的な運動により行われる方法が、独国特許出願公開第102012015846号明細書により知られている。このような修整は、歯面上の第1の方向においては創成パターン内で少なくとも局所的に一定値を有するとともに、第1の方向に垂直に延びる第2の方向においては、関数f(x)により表される。工具表面形状のこのような修整は、斜め創成法によりワークピースへと転写される。ドレッシング中に中心距離を変更することにより、その幅全体にわたってクラウニング法でウォームをドレッシングする方法が、欧州特許出願公開第1995010号明細書及び国際公開第2010/060596号により知られている。工具とワークピースとの間の中心距離は、ワークピースの機械加工中にクラウニング法によりドレッシングされたこのウォームを用いて、クラウニング法によりさらに変更される。このようにしてなされた2つの修整の重畳により、2つの歯すじ上で特定されるねじれが最小化されるはずである。斜め創成法における中心距離の変化により生じる、らせんクラウニングのねじれを補償するために、その左右の歯面における歯面の度が、その一端における最大値からその他端における最小値へと減少するウォームを用いる斜め創成法が、独国特許出願公開第3704607号明細書により知られている。そのプロファイル角がその幅全体にわたって変化するウォームが、ドレッシング中にドレッサの位置を工具に対して一定に変化させることにより作製される方法が、独国特許出願公開第19624842号明細書及び独国特許出願公開第19706867号明細書により知られている。ドレッサの位置の一定の変化は、ワークピースの所望の修整に基づいて決定される。また、ウォーム幅全体にわたってプロファイル角に一定の修整を加えるか又は、ウォームの幅に対してプロファイル角を修整することにより、対応するドレッシング運動によりウォームが製造される方法が、独国特許出願公開第102005030846号明細書及び独国特許出願公開第102006061759号明細書により知られている。ねじれのない創成研削のための2歯面ドレッシング法が、Kapp, Effizient undproduktiv mittechnologischer Flexibilitat, JOSE LOPEZ[Kapp, Efficient and Productive with Technological Flexibility, JOSE LOPEZ]により知られている。

本発明の目的は、ワークピースの表面形状に所望の修整を加える際の仕様をより柔軟に変更可能とする、歯付ワークピースの製造方法を提供することにある。

この目的は、独立請求項1及び3に記載の方法によって本発明により達成される。本発明の好適な実施形態は、従属請求項の主題を構成する。

第1の態様によれば、本発明は、修整済み工具を用いた斜め創成法により、修整された表面形状を有する歯付ワークピースを製造する方法を示す。第1の変形例によれば、以下のような工具が用いられる。すなわち、その表面形状が、創成パターン内で、工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に記述可能な修整を含んでおり、上記一次関数及び/又は上記二次関数の係数は、上記第1の方向に対して垂直に延びる、上記工具の第2の方向において、係数関数FFtC,1、FFtL,1、及び/又はFFtQ,1により形成されるような工具が用いられる。上記工具の第1の方向は、好ましくは、上記工具の幅方向に対して、0と等しくない角度ρFSをなす。第2の変形例(必要に応じて第1の変形例と組み合わせ可能)によれば、ピッチ及び/又はクラウニングが、上記工具の回転角度及び/又は上記工具の幅位置に依存して変化する修整が用いられる。斜め創成法によれば、工具のこの具体的な修整によって、ワークピースの表面に、対応する修整が施される。本発明によると、工具の具体的な修整によってもたらされるワークピースの修整は、歯形修整及び/又はワークピースの機械加工手順中の機械運動の変化によって生じる修整によって重畳されるものとする。

本発明によって、従来技術と比較して、工具の表面形状の仕様の新たな可能性が生じる一方で、これらの可能性は、ワークピースの表面形状の所望の修整の仕様に付加的な可能性を対応してもたらす。本発明の適用領域は、このような修整に別の修整を重畳することによってさらにまた拡大する。本発明の発明者は、ワークピースの創成機械加工中に機械加工手順の運動が変化することによって生じる修整、及び特に歯形修整に、工具の修整済み表面構造によってもたらされる修整を容易に重畳させることができることを認識している。本発明によると、この重畳の結果としての全体の修整を理解した上でワークピースの表面形状の修整を選択すれば様々な新たな可能性が生じる。

本発明によると、各修整の形、及び/又は複数の部分、及び/又はパラメータは曲線適合により及び/又は解析的に決定される。具体的には、ワークピースの表面形状の所望の修整を指定し、各修整の形及び/又は部分及び/又はパラメータをこれによって決定し、該所望の修整を得るために、これらを重畳するものとしてもよい。

本発明では、第2の態様において、修整済み工具を用いた斜め創成法により、修整された表面形状を有する歯付ワークピースを製造する方法を示す。第1の変形例によれば、工具が用いられ、その表面形状は、創成パターン内で、上記工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に記述可能な修整を含んでおり、上記一次関数及び/又は上記二次関数の係数は、上記第1の方向に対して垂直に延びる、工具の第2の方向において、係数関数FFtC,1、FFtL,1、及び/又はFFtQ,1により形成される。上記工具の上記第1の方向は、好ましくは、工具幅方向に対して、0と等しくない角度ρFSを有している。第2の変形例(必要に応じて第1の変形例と組み合わせ可能)によれば、ピッチ及び/又はクラウニングが、上記工具の回転角度及び/又は上記工具の幅位置に依存して変化する修整が用いられる。上記斜め創成法によれば、上記工具のこの具体的な修整によって、ワークピースの表面に、対応する修整が施される。本発明によると、ワークピースの機械加工プロセスの、及び/又は工具のマクロ形状の、少なくとも1つのパラメータ、及び好ましくは複数のパラメータを、所望の修整が少なくとも近似的にもたらされるように決定するものとする。発明者は、ワークピースの機械加工プロセスのパラメータ及び工具のマクロ形状のパラメータが、多大な影響を有しており、その影響を受けて、工具やワークピースへ修整を施し得ることを認識している。具体的には、曲線適合により及び/又は解析的に、これらのパラメータを対応して決定できる。

斜め創成法中の対角比及び/又は軸交差角、及び/又は工具の円錐角及び/又はプロファイル角を好適に決定する。

具体的には、工具のプロファイル角は、所望の修整がもたらされるように決定され得る。円錐工具を使用する場合は、適切な円錐角が好適に決定される。

代替的又は追加的に、少なくとも対角比を決定する。というのは、対角比によって、ワークピースのどの方向に、工具の表面形状の修整の第1の方向が転写されるのかが決まるからである。したがって、所望の修整を、必要に応じてさらなる修整とともにワークピースに施すためには、少なくとも工具の修整の形と対角比とが適切に決定されることが好ましい。

本発明によると、ワークピースの表面に施す所望の修整について、曲線適合を使用することによって、工具の表面形状の具体的な修整、及び/又は機械加工手順及び/又は工具のマクロ形状の少なくとも1つのパラメータ、及び好ましくは複数のパラメータを決定することが好ましい。パラメータを(1つあるいは複数のその他修整と組み合わせて)使用することで、近似的に、又はそれどころか正確に、所望の修整を施すことができる。

第1の変形例によると、工具幅にわたって一定である対角比を決定可能である。この対角比はワークピースへの修整の向きに影響を及ぼす。したがって、一定の対角比で加工する場合、ワークピースへの修整は主として同じ向き(すなわち、全体の工具幅にわたって、同じ第1の方向)であり、修整は一次関数又は二次関数によって与えられる。

第2の変形例によると、上記対角比を、送り位置の非定数関数として決定することも可能である。そうすることで、修整の範囲をさらに広げることができる。つまり、具体的には、歯幅にわたって向きが変化するワークピースや、歯面の異なる領域では向きが異なるワークピースに修整を施すことができる。この場合、ワークピースの修整の第1の方向は、歯面にわたって全体的に曲線として延びる。

本発明によると、本発明の第1の様態と第2の様態は、互いに独立して使用してもよいし、所望の修整を施すために組み合わせて使用してもよい。

以下に、第1の様態と第2の様態の好ましい実施形態をさらに詳細に示す。

好ましくは、本発明の枠組み内において、工具の表面形状の修整を表す係数関数FFtC,1、FFtL,1、及び/又はFFtQ,1は、ワークピースの表面形状に所望の修整を施すために、少なくとも特定の条件内において、自由に選択可能、及び/又は決定可能、及び/又は変更可能であるものとする。これは、具体的には、工具のドレッシングプロセスを対応させて影響させることによって行う。

代替的又は追加的に、係数関数FFtC,2、FFtL,2及び/又はFFtQ,2、及び/又はワークピースの表面形状の修整の第1の方向は、特定の条件内において、少なくとも自由に選択可能、及び/又は決定可能、及び/又は変更可能であるものとしてもよい。

代替的又は追加的に、工具の表面の修整のピッチ及び/又はクラウニングは、特定の条件内において、工具の幅位置の関数として、少なくとも自由に選択可能、及び/又は決定可能、及び/又は変更可能であってもよい。工具の幅位置に依存する第1の方向の修整の範囲を決定するデータは、好ましくは指定可能、及び/又は決定可能、及び/又は変更可能であってもよい。

代替的又は追加的に、工具の表面の修整のピッチ及び/又はクラウニングは、特定の条件内において、ワークピース幅位置の関数として少なくとも自由に選択可能であるものとしてもよい。第1の方向のワークピース表面の修整のピッチ及び/又はクラウニングは、特に、特定の条件内において、ワークピース幅位置の関数として少なくとも自由に選択可能であってもよい。好適には、特定の条件内において、第1の方向も自由に選択可能である。

好ましくは、具体的には、ワークピースの表面形状の修整の第1の方向と、ワークピース幅位置に依存する第1の方向の修整の経路を決定するデータとが、指定可能及び/又は変更可能であることが好ましい。

第1の変形例によると、ワークピースの所望の修整は、ロール角wFとワークピース幅位置zFとを用いる二次多項式として創成パターン内に指定可能であるものとする。多項式の係数は、少なくとも1つ、好ましくは複数、さらに好ましくは全ての係数が、ある一定の条件内で、自由に選択可能である。

第2の変形例によると、ワークピースの所望の修整は、ある一定の条件内で複数の方向が自由に選択可能な複数のクラウニングの重畳として指定可能であってもよく、及び/又は所望の歯形クラウニングと所望の歯すじクラウニングとが指定可能であってもよい。第2の変形例は、第1の変形例のサブケース(sub-case)と考えてもよい。なぜなら、それぞれ所望の方向を有する複数のクラウニングの重畳は、創成パターン内及びワークピース幅位置内において二次多項式として示され得るからである。

第3の変形例において、ワークピースの所望の修整は、波の伝播方向を横断する非定数値を有する振幅を持つ波として指定可能である。具体的には、上記波の伝搬方向に対して横断し、特に上記波のピークに沿う、少なくとも1つの一次関数形状及び/又は二次関数形状を有する振幅関数を指定できてもよい。好ましくは、少なくとも特定の条件内において、上記振幅関数の1つ以上の係数を選択できてもよい。代替的又は追加的に、波の振幅が側面の全方向で変化するように波の振幅を指定できてもよい。

本発明において指定可能な上述の修整は、好ましくは、第1の様態に基づく方法(すなわち、少なくとも2つの異なる修整を重畳すること)によって施される。

具体的には、第1の様態及び第2の様態においてより詳細に示される修整を有する表面形状を持つ工具が使用される。このような工具によってなされた上記修整に、歯形修整及び/又はワークピースの機械加工手順中に機械運動を変更したことによる修整を、重畳させる。

歯形修整との重畳は工具上で既に起こり得る。つまり、工具は、上記第1の様態及び第2の様態においてより詳細に規定した修整に加えて、歯形修整をさらに有し得る。この歯形修整は、具体的には、修整済みのドレッサを使用することによって施され得る。この場合、工具の表面形状に施される全体の修整は、先述のより詳細に規定した修整及び歯形修整の合計となる。その後、修整は斜め創成法によりワークピース上に転写されるとともに、必要に応じて、斜め創成法における機械運動の変更によって生じた修整を重畳させる。歯形修整を追加で重畳させることなく、先述のより詳細に規定した工具の修整を、斜め創成法における機械運動の変更によって施された修整に重畳することも、当然可能である。このことは、特に、修整済みのドレッサを必要としないという効果を持つ。

本発明によると、以下の修整のうち、少なくとも2つの修整を重畳することが可能である。 ・工具の表面形状の具体的な修整によって施される、ワークピースの表面形状の第1の修整。上記具体的な修整は、ドレッシング中に、工具の回転角度及び/又は工具の幅位置に依存して工具に対するドレッサの位置を変えることによって施される、及び/又は、創成パターン内で、上記工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に記述可能な修整、及び/又はピッチ及び/又はクラウニングが、上記工具の回転角度及び/又は上記工具の幅位置に依存して変化する修整を有する表面形状を持つ工具を使用することによって施される。上記一次関数及び/又は二次関数の複数の係数は、上記第1の方向に対して垂直に延びる、上記工具の第2の方向において、係数関数FFtC,1、FFtL,1、及び/又はFFtQ,1によって決定される。 ・ドレッサの歯形修整によって施される、ワークピースの表面形状の第2の修整。上述したように、第1の修整を第2の修整に重畳することは、工具上で行われ得る。 ・ワークピースの機械加工手順中に機械運動を変更することによって施される、ワークピースの表面形状の第3の修整。具体的には、ワークピースに対する工具の位置をワークピースの幅位置、及び/又は工具の幅位置に依存して変化させることで、斜め創成法の枠組み内において、対応する修整をワークピースの表面形状に施してもよい。例えば、指定された関数に応じて中心距離を変化させてもよい。

本発明によると、各修整の形、及び/又は複数の部分、及び/又は複数のパラメータは、曲線適合により、及び/又は解析的に決定される。

追加的に、本発明によると、ワークピースの表面形状の所望の修整は、以下の少なくとも2つの修整において、少なくとも近似的に求め得るものとする。 ・創成パターン内で、ワークピースの第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に記述可能な第1の修整。上記一次関数及び/又は二次関数の複数の係数は、上記第1の方向に対して垂直に延びる、上記ワークピースの第2の方向において、係数関数FFtC,2、FFtL,2及び/又はFFtQ,2によって、及び/又は、ピッチ及び/又はクラウニングがワークピース幅位置に依存して変化する修整によって構成される。 ・歯形修整のみによって施される第2の修整。及び/又は ・ワークピースの第3の方向においては、創成パターン内で少なくとも局所的に一定値を有するとともに、第3の方向に垂直に延びるワークピースの第4の方向においては、関数FKFtで表される第3の修整。

このように異なる2つの修整に分解することの効果は、所望の修整を複数の修整に分解することで、分解した修整のそれぞれを単独で作製したり、互いに重畳したりできることである。所望の修整を分解した第1及び第2及び第3の修整は、具体的には、上述の第1、第2、第3の修整(本発明によるとこれらは重畳可能)によって施される。

所望の修整の分解は、具体的には、曲線適合を使用して、及び/又は解析的に決定してもよい。所望の修整の特定の種類については、解析的な分解が可能である。その一方で、その他の種類の所望の修整については、適切な分解を見出せる曲線適合が好ましい。さらに、ある特定のパラメータの決定については解析的に進めて、その他のパラメータの決定については曲線適合を介して進めるものとしてもよい。代替的又は追加的に、工具の表面形状の修整、及び/又はドレッサの修整、及び/又は所望の修整の作製に適した機械加工プロセスの修整を、解析的にあるいは曲線適合を使用して、所望の修整を分解した複数の修整から決定してもよい。

本発明によると、ワークピースの表面形状の所望の修整を指定してもよい。また、機械加工プロセスのパラメータを、及び/又は工具のマクロ形状のパラメータを、及び/又は、所望の修整を最適に近似する及び/又は正確に決定する、工具の表面形状の具体的な修整、及び/又は複数の修整の組み合わせを、曲線適合を使用して及び/又は解析的に決定してもよい。

本発明によると、所望の修整は、好ましくは連続関数として、及び/又は散布図として指定され得る。この連続関数は、好ましくは、歯面の表面上に指定可能であり、及び/又はこの散布図は、好ましくは歯面の表面上に広がる。所望の修整は、具体的には、指定可能な形状に関して上述したように指定してもよい。したがって、本発明は、表面の1つ以上の線や点における所望の修整を指定するのみに限定されず、表面にわたって、具体的には歯面の全表面にわたって、指定され得る。

工具の表面形状の修整、及び/又はそれぞれ重畳した複数の修整の形を、好ましくは、連続関数として、及び/又は散布図上に決定する。連続関数は、歯面の表面上に指定するのが好ましく、及び/又は散布図は歯面の表面上に広がる。工具の表面形状の修整、及び/又は全歯面上にそれぞれ重畳した複数の修整の形を、具体的には、連続関数として歯面全体にわたって決定してもよいし、あるいは対応する散布図上に決定してもよい。

本発明によると、距離関数を曲線適合の一部として使用してもよい。この距離関数は、各修整の合計によって与えられる全体の修整と所望の修整との間の差を定量化する。この距離関数によって、複数の点又は創成パターン全体の平均値を作成することが好ましい。具体的には、平均値を表面上及び/又は散布図上に作成してもよい。散布図上では、所望の修整が指定可能である、及び/又は各修整が決定される。

曲線適合の一部として、創成パスwF及び歯幅位置zFに依存する距離関数A(wF,zF)を使用してもよい。特に、加重距離関数を曲線適合の一部として使用してもよい。その場合、ワークピースの特定の領域における差に対する加重が、その他の領域における差に対する加重よりも強いことが好ましい。いくつかの適用例においては、ワークピースのある領域の許容誤差がその他の領域の許容誤差よりも広いことを考慮に入れてもよい。したがって、許容誤差が低い領域を、曲線適合の一部としてより加重することが好ましい。

さらに、曲線適合の一部として、ワークピースの表面形状の具体的な修整は、創成パターン内で、ワークピースの第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に記述されてもよい。この一次関数及び/又は二次関数の係数は、第1の方向に垂直に延びる工具の第2の方向においては、係数関数FFtC,2、FFtL,2、及び/又はFFtQ,2によって構成され、及び/又は、第1の方向において測定されるピッチ及び/又はクラウニングがワークピース幅位置に依存して変化するようなワークピースの修整を決定する。これは、少なくともさらに1つの修整とともに、所望の修整に理想的に近似させる、及び/又は所望の修整を正確に施す。ワークピースの表面形状の所望の修整から、この目的のために必要な工具の表面形状の修整、及び/又はドレッシング中にこの目的のために必要な機械運動が決定される。ドレッサの必要な形、及び/又はワークピースの創成機械加工手順を実施する間に必要とされる機械運動を、曲線適合の一部としてさらに決定してもよい。ドレッサの、既に存在している具体的な修整のみ、及び/又はドレッサの指定された修整のみを、曲線適合の一部として、必要に応じて考慮してもよい。

さらに、機械加工プロセスの少なくとも1つ及びさらに好ましくは複数のパラメータ、及び/又は、工具のマクロ形状の少なくとも1つ及びさらに好ましくは複数のパラメータ、及び/又は、可能な修整のうちの少なくとも1つ及び好ましくは2つあるいは3つの修整の形と、部分と、パラメータとのうちの少なくとも1つを、曲線適合中に変更することによって、これらパラメータ、及び/又は上記所望の修整に可能な限り最適に近似させ及び/又は上記所望の修整を正確に施すような上記修整、及び/又は上記修整の組み合わせを決定してもよい。

好ましくは、係数関数FFtC,1/2、FFtL,1/2、及び/又はFFtQ,1/2の形、及び/又は関数FKFtの形、及び/又は歯形修整の形、及び/又は上記第1の方向を変更してもよい。

好ましくは、係数関数FFtC,1/2、FFtL,1/2、及び/又はFFtQ,1/2の形、及び/又は第1の修整の第1の方向、対角比、斜め創成法中の軸交差角、円錐角、及び工具のプロファイル角のうちの少なくとも1つを変更してもよい。

工具の幅にわたって一定である対角比が、好ましくは変更されるか、あるいは、上記対角比が、送り位置の非定数関数として変更されてもよい。

本発明による方法は、原則として、ドレッシングが不可能な(non-dressable)工具を用いても用いられ得る。ドレッシングが不可能な工具では、表面形状に対する対応する複数の修整は、上記製造プロセス(production process)中に施され、上記ワークピースの機械加工手順中に固定的に指定される。ドレッシングが不可能な研削工具を用いる場合、表面形状に対する本発明による修整は、ドレッシングが可能な各種工具について以下に説明する場合と全く同様に製造プロセス中に施すことが可能であるが、ただその場合、ドレッシング工具の代わりに、例えば転造ダイスのような対応する製造工具が用いられることだけは異なる。

この工具がホブカッターである場合、該ホブカッターの外囲本体が本発明の方法による修整を有したホブカッターで製造されなければならない。本発明の文脈において、ホブカッターに関しての「工具の表面形状の修整」という用語は、ホブカッターの外囲本体の表面形状への修整を意味すると理解されたい。

しかしながら、本発明はドレッシングが可能な(dressable)工具とともに使用されるのが特に好ましい。具体的には、ドレッシング工程において、上記工具の表面形状の修整が創成され得る。

上記工具の表面形状に対する修整は、好ましくは、ドレッシング中に上記工具と上記ドレッサとの相対位置を修整することにより施されるものとされる。ここで、上記ドレッサは、好ましくは、ドレッシング中は上記工具と線接触し、及び/又は、上記工具の表面形状に施される修整の上記第1の方向は、上記工具をドレッシングする際のドレッサの作用線に対応し、及び/又はその作用線により指定されるものとする。

第1の実施の形態では、上記ドレッシングは、2つの歯面上で行われる。このようなドレッシングは、具体的には、両歯面に関して、それぞれの創成パターン内で、上記工具の第1の方向において少なくとも局所的に、定数関数又は一次関数によって少なくとも近似的に記述可能なドレッシングにより、上記工具の表面形状に修整が施されることになっている場合に行われる。ここで、上記一次関数の係数は、上記第1の方向に対して垂直に延びる、上記工具の第2の方向において、定数関数部分については係数関数FFtC,1により、一次関数部分についてはFFtL,11により形成される。代替的又は追加的に、このようなドレッシングは、その歯の厚さ及び/又はピッチが上記工具の回転角度及び/又は上記工具の幅位置に依存して変化するか、又はそのクラウニングが上記工具の回転角度及び/又は上記工具の幅位置に依存して変化しないようなドレッシングにより、それぞれの場合において、両歯面に対して、上記工具の表面形状へと修整を施すことになっている場合に行われる。

これに対して、第2の実施の形態では、上記ドレッシングは、1つの歯面上で行われる。このようなドレッシングは、具体的には、少なくとも1つの歯面に関して、創成パターン内で、上記工具の第1の方向において少なくとも局所的に、二次関数により少なくとも近似的に記述可能なドレッシングにより、上記工具の表面形状に修整が施されることになっている場合に行われる。ここで、上記二次関数の係数は、上記第1の方向に対して垂直に延びる、上記工具の第2の方向において、定数関数部分については係数関数FFtC,1により、一次関数部分についてはFFtL,1により、二次関数部分についてはFFtQ,1により形成され、及び/又はそのクラウニングは、少なくとも1つの歯面に関して、上記工具の回転角度及び/又は上記工具の幅位置に依存して変化する。このような1つの歯面に対するドレッシングは、右側の歯面におけるピッチと、左側の歯面におけるピッチの負の値との間の偏差が大きすぎる場合や、その他の理由(例えば適切なドレッサが利用不可能であるなど)で両歯面に対するドレッシングが不可能な場合にも、有用であり得る。

本発明によれば、ドレッシング中に線接触する上記ドレッサの上記工具に対する相対位置は、具体的には、上記ドレッサと上記ドレッサ上の上記工具との間の接触線が変位することにより、上記接触線に沿って上記工具に転写される噛み合い面のプロファイル(歯の凹凸部の輪郭、歯形)に影響を及ぼすように設定され得る。これにより、好ましくは、上記工具に対して上記所望の修整が施される。上記工具の上記接触線に沿ったピッチ及び/又はクラウニングは、具体的には、予め設定されたものでもよいし、変化させてもよい。上記工具上の上記接触線は、好ましくは、上記工具に施す修整の上記第1の方向を規定する。

一般に、本発明が意図するところによれば、上記工具に対する具体的な修整のピッチとは、上記工具の第1の方向におけるピッチであるものと理解されたい。そのピッチは、工具の幅方向に対して0以外の角度ρF1を有し、具体的には、上記プロファイルの方向に成分を持つ。すなわち、上記修整のピッチは、プロファイル角の差に対応する。

また、本発明が意図するところによれば、上記工具に施す修整のクラウニングとは、第1の方向におけるクラウニングであるものと理解されたい。そのクラウニングは、工具の幅方向に対して0以外の角度ρF1を有し、具体的には、上記プロファイルの方向に成分を持つ。すなわち、上記修整のクラウニングは、歯形クラウニングに対応する。

しかしながら、ドレッシング中の上記工具に対する上記ドレッサの作用線の方向、及びしたがって上記工具の表面形状に施す修整の第1の方向を望みの程度変更することはできないので、上記工具の表面形状に施す修整の第1の方向は、より広い領域にわたっては、少なくとも自由に選択することはできない。本発明によれば、これにより、表面形状に施す修整の第1の方向をより広い領域にわたって選択可能とするためには、上記対角比をこれに対応して整合させることが必要になる。

また、本発明が意図するところによれば、上記ワークピースの幅方向に対する角度ρF2を含む、上記ワークピースの第1の方向におけるピッチは、上記ワークピースに施す具体的な修整のピッチであるものと理解されたい。但し、ここで角度ρF2は、0であることも可能ではあるが、0でないことが好ましい。同様に、本発明が意図するところによれば、第1の方向におけるクラウニングとは、上記ワークピースに施す修整のクラウニングであるものと理解されたい。但し、ここで角度ρF2は、0であることも可能ではあるが、0でないことが好ましい。

上記工具は、好ましくは、歯形ローラドレッサを用いて、又はフォームローラとして修整された形状にドレッシングされる。本発明による上記歯形ローラドレッサ又はフォームローラは、具体的には、ある回転軸を中心として回転可能であり得、且つ回転対称な歯形を有し得る。

第1の変形例によれば、上記歯形ローラドレッサ又は上記フォームローラドレッサは、一回のストロークで歯たけ全体にわたって上記修整が生じるように、上記ドレッシング中、歯元の領域から歯先の領域まで上記工具の歯と接触してもよい。これにより、特に高速なドレッシング方法が得られる。

第2の変形例によれば、上記歯形ローラドレッサ又はフォームローラドレッサは、複数回のストロークで歯たけ全体にわたり、上記ドレッサの互いに異なる相対位置において、上記具体的な修整が生じるように、上記ドレッシング中、上記歯元の領域と上記歯先の領域との間の部分領域のみで上記工具の歯と接触してもよい。これにより、上記ドレッシング方法は確実に延長される。しかしながら、本発明により上記表面形状に施す修整は、各ストロークについて個別に選択可能であるので、上記工具の表面形状の選択については、さらなる変形が可能である。とはいうものの、比較的効率のよいドレッシング方法がそれでも得られるように、上記ドレッシングは好ましくは線接触で行われる。

どの変形例を選択したかに関わらず、上記工具の表面形状に施す修整は、好ましくは、ドレッシング中の上記工具に対する上記ドレッサの位置が、上記工具の回転角度及び/又は上記工具の幅位置に依存して変化するようになされる。ここで、上記工具に対する具体的な修整は、上記ドレッサと、上記所望の修整を施す工具との相対位置を決めるにあたり少なくとも3の自由度が用いられるように施される。4の自由度(場合によっては5の自由度)が好ましくは用いられる。自由度は、好ましくは、上記所望の修整を施すことを目的として、互いに独立して設定可能である。

具体的には、上記工具に対して上記具体的な修整を施すに際しては、以下に示す5の自由度、すなわち、上記工具の回転角度、上記工具の軸位置、上記ドレッサのy位置、中心距離及び軸交差角のうちの少なくとも3、4、あるいは5の自由度が用いられるものとしてもよい。

上記工具の軸方向位置、すなわち、工具の幅位置が、好ましくは、上記ドレッサの接触線を上記工具上で変位させるのに用いられる。上記接触線に沿って上記具体的な修整を施すためには、残りの4の自由度のうち、2の自由度、3の自由度、あるいは4の自由度が、好ましくは、互いに独立して設定される。

また、歯形修整を施すために、修整されたドレッサを必要に応じて使用してもよい。

本発明によれば、上記対角比は、第1の変形例においては、少なくとも一回のストローク毎に一定に保たれる。このことは、ワークピースの幅全体にわたって、修整の第1の方向が一定あることに相当する。

本発明のさらなる展開によれば、対角比は、ワークピースの機械加工の枠組み内で変更可能である。これにより、機械加工方法の設計、実現可能な修整、及び、技術的製造の側面の考慮にかかる柔軟性をさらに高めることができる。

本発明によれば、複数の異なる対角比を使用して、ワークピースの複数の異なる領域を機械加工することができ、及び/又は、工具の複数の異なる領域を使用する際に、複数の異なる対角比を使用することができる。

1回の機械加工ストローク中に、複数の異なる対角比を使用することができ、及び/又は、複数の異なる対角比で、複数回のストロークを行うことができる。

本発明によれば、複数の異なる対角比で工具の複数の領域を使用して、ワークピースの同一の領域を機械加工することができる。具体的に、複数の異なる対角比は、同一領域の機械加工のための、複数のストロークに使用される。但し、本発明の可能な実施形態においては、各領域内を一定の対角比で加工することもある。

代替的又は追加的に、複数の異なる対角比を用いて加工を行い、ワークピースの複数の領域を機械加工することも可能である。ここで、対角比は変更可能である一方、ギヤ製造機械加工の範囲内において、ギヤの幅にわたって移動させられる。本発明の好ましい実施形態によれば、各領域において、一定の対角比で加工を行い得る。

ここで、具体的に、ワークピースに施される修整の向きを変化させるために、対角比の変更を使用できる。ここで、斜め創成法においては、工具の修整済み表面がワークピースの表面にマッピングされるが、このマッピングは選択された対角比に依存する。したがって、ワークピースの異なる複数の領域の機械加工中に、対角比を変化させることにより、ワークピースのこれらの異なる複数の領域において修整の向きを異ならせることができる。

2つ以上の領域において、互いに異なるが一定の対角比で加工が行われると、その結果施される修整の向きも互いに異なるが、領域内においては一定のものとなる。これとは対照的に、同一領域内で対角比が変化すると、向きもこれに対応して変化する。対角比が、連続する非定数関数により与えられる場合、施される修整の向きにも連続する変化が表れる。

したがって、本発明は、特定の領域において一定の対角比を使用することには限定されない。この対角比の変化は、むしろ、領域における一定の変化にはとどまらない。

本発明によれば、ワークピースの機械加工中に、ワークピース及び/又は工具の軸方向送り出しに依存して、対角比を変更可能である。対角比は、好ましくは、軸方向送り出しの少なくとも1ヵ所の領域において、連続した非定数関数として与えられる。対角比は、具体的に、軸方向送り出しに依存して、自由に指定可能であり得る。好ましくは、工具の修整済み領域がワークピースの機械加工に使用されているときに、対角比の変更が利用される。

本発明の好ましい実施形態によれば、ワークピースの修整の少なくとも1本の線の経路が指定され、この経路に沿って、一次及び/又は二次関数によって修整が表され、これに基づき、軸方向送り出しと、特に対角比を表す連続した非定数関数とに依存して、対角比の変更が決定される。その際、対角比が一定でない経路の場合、そのような修整をワークピースに施すことが可能になり、その修整においては、修整が一次及び/又は二次関数によって表される線が湾曲している。

本発明による対角比の変化は、円柱形工具と円錐形工具の両方で使用できる。以下、円錐形工具の使用について、より詳細に説明する。

本発明による工具は、第1の変形例においては、少なくとも1つの修整済み領域と、1つの非修整領域とを有する。ここで、この工具は、好ましくは、2つの修整済み領域を有し、これら修整済み領域の間に非修整領域が1つある。修整済み領域を2つ有する場合、これらの修整の向き、具体的には、これらの修整の第1の方向は、これらの領域において同じであってよい。この結果、特に簡単なドレッシング方法となる。そして、好ましくは、上記2つの修整済み領域において異なる複数の対角比で加工が行われ、これにより、ワークピースの修整の向きを異ならせることができる。

第2の変形例においては、工具は互いに異なる修整を有する2つの領域を有し得る。特に、これらの修整の向きは互いに異なり、具体的には、第1の方向が異なり得る。これにより、ワークピースに向きの異なる修整を施す際の、自由度がより高くなる。

さらに、第2の変形例は、第1の変形例と組み合わせることができる。第1の変形例においては、互いに異なる修整を有する2つの領域に加え、1つの非修整領域が特にこの2つの修整済み領域の間に配置され得る。

修整済み領域が複数ある場合、2つの領域における修整は、第2の方向における修整の係数関数が互いに異なり得る。

本発明によって修整された工具は、特に、ワークピースの複数の異なる領域において複数の異なる修整、例えば、互いに異なるリリーフ、特に、上部縁と下部縁に向きが異なるエンドリリーフ等を施すために使用できる。

本発明の代替的な実施形態によれば、上記工具は、ワークピースの同一の領域を機械加工するために連続して使用される2つの領域を有し得る。この2つの領域は、具体的には、荒加工領域と仕上げ加工領域とであってもよい。荒加工領域は、より低い精度で、より多くの材料を除去するために使用される。一方、仕上げ加工領域は、荒加工の後に、表面形状の質を向上させるために使用される。

ここで、複数の異なる領域を使用した機械加工工程は、好適には、複数の異なる対角比を使用して実行される。具体的には、仕上げ加工工程とは異なる対角比で、荒加工工程の加工が行われる。一方、各機械加工工程中には、対角比が一定に維持される。

工具の2つの領域において異なる対角比を使用することにより、工具の幅をよりよく使用することができる。ここで、具体的には、上記2つの領域はともに同じワークピースの機械加工に使用されるが、そのうちの一方は、他方よりも短い。したがって、工具の機械加工領域の各幅には、上記対角比のみが整合されなければならない。

ワークピースを機械加工するために使用される領域は、ツールの全幅を使用することが好ましい。

しかし、本発明の好ましい実施形態においては、上記仕上げ加工領域が少なくとも修整される。対照的に、修整の大きさによっては、荒加工領域は必ずしも修整されなくてもよいが、同様に、修整されていてもよい。

両方の領域、具体的には、荒加工領域と仕上げ加工領域の両方が修整される場合、可能な実施形態においては、それぞれの修整は互いに異なる向きを有する。ここで、これら2つの領域がワークピースに施す修整は、当然、いずれの場合も同じである。しかし、複数の異なる対角比のせいで、2つの領域にある同じ2つの修整が、ワークピースには異なってマッピングされ得る。このため、好ましくは、上記2つの領域の修整が互いに異なる向きであり、それゆえ、異なる対角比を考慮してそれぞれがワークピースの同じ方向にマッピングされる。ここでは、具体的には、ドレッシング不可能な工具が使用され得るが、これは、このような工具に修整を施す際にはより大きな自由度があるからである。一方、ドレッシング可能な工具を使用すると、ドレッサの接触線に起因する制限がある可能性がある。

代替的な実施形態では、両方の領域、具体的には、上記荒加工領域と上記仕上げ加工領域の両方が修整され、同じ方向の修整を有し得る。このような工具は、本発明によるドレッシングプロセスによってより容易に製造できるが、これは、工具内部へのドレッサの作用線と、したがって、工具の修整の方向とがほとんど変化しないからである。これにより、明らかに、2つの領域における互いに異なる対角比に起因して、工具の修整の方向が異なる結果になる。しかし、いずれにせよ、上記荒加工領域は、粗機械加工に使用されるだけあり、最終の表面の形は仕上げ加工工程のみで形成されるので、いくつかの場合においてはこのことは許容される。

この場合、上記荒加工領域の修整は、近似的にのみギヤ歯に所望の修整が施すが、実際の修整は許容される誤差の範囲内である。上記仕上げ加工工程のための対角比は、対角比が所望の向きとなるように選択されるのが好ましい。一方、荒加工工程のための対角比は、実際の修整が許容誤差範囲に収まるように選択されるのが好ましい。ここで、修整の形、具体的には、係数関数は、必要に応じて、仕上げ加工領域にわたる荒加工領域において変更され得る。

本発明によれば、上記の修整は、また、使用される対角比を用いて、工具の少なくとも1つの領域、具体的には荒加工領域におけるギヤ歯に対し、概して近似的にのみ所望の修整を施すことができる。修整の形と対角比とは、好適には、実際の修整が許容誤差範囲内に収まるように選択される。

本発明のさらなる実施形態では、上記工具は、ワークピースの複数の異なる領域を機械加工するために連続して使用される少なくとも2つの領域を有し得る。本発明によれば、ここでは、一方の領域における機械加工は、他方の領域とは異なる対角比を使用して行われる。

上記工具は、修整済み領域と非修整領域とを有し、これら領域においては互いに異なる対角比で加工が行われる。

ここで、工具の幅を狭めるために、非修整領域における対角比として、修整済み領域の対角比よりも小さい対角比を選択し得る。これは、このようにすれば、非修整領域が、ワークピースのより大きい領域を機械加工するために使用され得、一定の対角比を有する場合よりも短くなり得るからである。一方、修整済み領域におけるより大きい対角比は、歯面の修整の所望の向き、又は、第2の方向における所望の分解(分解)によって決定され得る。別の変形例では、非修整領域の対角比は、修整済み領域におけるものよりも大きく、この領域における工具への負荷を軽減する。このような手順は、特に、非修整領域が、修整済み領域よりも多くの材料を除去しなければならないときに、意味がある。

本発明によれば、ワークピースの上端領域又は下端領域を機械加工するのに使用される領域において、ワークピースの中央領域を機械加工するのに使用される領域における場合よりも小さい対角比で加工を行うことができる。ワークピースの上端領域又は下端領域の機械加工において、工具の全体は、まだワークピース内部に入り込まないので、負荷が低い。

本発明のまた別の変形例では、上記工具は2つの修整済み領域を有し、これら修整済み領域の間に非修整領域が1つ配置されている。上記2つの領域は、ワークピースの複数の異なる領域を機械加工するために連続して使用される。ここで、上記2つの修整済み領域においては、複数の異なる対角比で加工が行われることが好ましい。このようにして、互いに異なる修整、具体的には向きが異なる修整、さらに具体的には第1の方向が異なる修整が、ワークピースの各領域において施される。上記工具の2つの領域は、修整の向きが同じであってもよい。しかし、代替的には、修整について互いに異なる向きをここで選択することもできる。上記2つの修整済み領域は、具体的に、ワークピースの上方縁又は下方縁を機械加工するための領域であり得る。

好ましくは、上記修整済み領域と上記非修整領域とは、工具とワークピースとの間の接触点の経路が、少なくとも1ヵ所の研削位置における機械加工中に、完全に非修飾領域内にあるように配置される。これにより、ワークピース上のギヤ歯の形状に影響を及ぼすことなく、対角比を変更できる位置が確実に利用可能となる。これは、工具とワークピースとの間の接触点が工具の非修整領域のみを通過するような研削位置において対角比を変化させて、これにより、上記対角比の影響を受けるであろう修整を施さないようにすることによって、実現される。ここで、いずれの場合も、両方の修整済み領域において、一定の同じ対角比を用いて加工を行うことができる。この場合、工具とワークピースとの間の接触点が一方の修整済み領域に延びる限りにおいて、対角比は一定に維持されるのが好ましい。

しかし、このような手順の代替手段として、例えば、修整済み領域と非修整領域との間の移行領域において、対角比を絶えず変化させることも想定される。第1の方向においては修整は一定であるが、この移行領域においては、この第1の方向はもはや互いに平行に延びることはない。

本発明は、上記の方法に加え、上述のような方法を実施するための工具を包含する。この工具は、具体的には、ワークピースの複数の異なる領域を機械加工するために連続して使用され得る、少なくとも1つの修整済み領域と1つの非修整領域とを有し得る。代替的又は追加的に、上記工具は、ワークピースの複数の異なる領域を機械加工するために連続して使用され得る、2つの修整済み領域と、これら領域の間に配置された1つの非修整領域とを有し得る。第1の変形例においては、修整済み領域のうち少なくとも一方は表面形状の修整を有し、この修整は、創成パターン内で、工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に表すことができ、この一次及び/又は二次関数の係数が、上記第1の方向に垂直に延びる上記工具の第2の方向において、係数関数FFtC,1,FFtL,1,及びFFtQ,1のうちの少なくとも1つにより構成される。上記工具の第1の方向は、好ましくは、工具の幅方向に対し、0ではない角度ρFSをなす。必要に応じて上記第1の変形例と組み合わすことができる第2の変形例において使用される修整は、工具の回転角度及び/又は工具の幅方向に依存して、そのピッチ及び/又はクラウニングが変化する。

本発明の可能な実施形態では、上記工具の上記の2つの修整済み領域が異なるように修整され得、具体的には、互いに向きの異なる修整を有し得る。しかし、上記2つの領域が、同じ向きの修整を有する構成も想定可能である。

好ましくは、上記修整は、本発明に係る方法に関して既に記載したように構成される。

以下に記載のギヤ製造機のうちの1機が、円錐形工具とともに使用される場合、その製造機は、好ましくは、入関数及び/又は演算関数を有するであろう。この関数を介して、複数の異なる対角比及び/又は可変対角比を指定可能あり、及び/又は、決定可能である。上記入力関数によって、具体的には、複数の異なる領域において複数の異なる対角比を指定することが可能になり、及び/又は、工具の幅にわたって可変な対角比を指定することが可能になる。代替的又は追加的に、上記入力関数によって、所望の修整の入力が可能であり、このような所望の修整を施すために必要な対角比が決定される。さらに好ましくは、上記ギヤ製造機は、ワークピースの機械加工の一部として、対角比を変化させる制御関数を有する。好ましくは、この制御関数は、自動的に上記対角比を変化させる。

本発明の上記制御関数は、少なくとも2つの機械加工工程を実行する。連続して実行されるこれら2つの機械加工工程では、工具のそれぞれ別の領域を使用して、ワークピースの同一の領域が機械加工される。これらの工程は、具体的には、少なくとも1つの荒加工工程と、少なくとも1つの仕上げ加工工程であってもよい。

本発明の可能な実施形態においては、複数の機械加工工程が複数の異なる対角比を使用して行われるように、制御関数により制御が行われる。上記荒加工工程及び上記仕上げ加工工程は、具体的に、複数の異なる対角比を使用して実施されてもよい。ここでは、特に、ドレッシング不可能な工具を使用できる。

代替的又は追加的に、1つの機械加工工程の途中に少なくとも1回、上記制御関数によって対角比を変えてもよい。ここで、具体的には、1つの機械加工工程中に、工具がギヤ装置の幅にわたって移動する間に、上記制御関数によって対角比が変えられてもよい。好ましくは、ワークピースの複数の異なる領域の機械加工のために、上記制御関数が複数の異なる対角比で作用する。ここでは、関数の変形例として、上記の各領域内にいて一定の対角比で作用してもよい。この場合、上記領域の定義とそこに設けられる対角比の指定を可能にする入力関数が提供されることが好ましい。あるいは、ワークピースの機械加工中に、ワークピースの軸方向送り出しに依存して、上記制御関数によって対角比が変更されてもよい。具体的には、この変更は、対角比が、少なくとも軸方向送り出しの領域において、軸方向送り出しの非定数関数、場合によっては連続関数として与えられるように、なされ得る。上記ギヤ製造機は、好ましくは、上記非定常関数の指定を可能にする入力関数を有する。

上記ギヤ製造機は、より詳細に上述した複数の異なる入力関数及び/又は制御関数から、2つ以上を自由に選択できることがさらに好ましい。

本発明のさらなる態様によると、対角比の変化とは無関係に、本発明による円錐形の基本形状を有する工具を使用することができる。

本発明の発明者は、円錐形の基本形状を有する工具によって、従来使用されてきた円柱形の基本形状を有する工具に比して、斜め送り創成機械加工の過程における柔軟性を向上させ得ることを見出した。

本発明に係る、円錐形の基本形状を有する工具は、好ましくは、インボリュートギヤ歯を有するが、このギヤ歯は、必要に応じて、修整を有していてもよい。インボリュートギヤ歯は、円柱とラックとの間において創成機械加工工程により形成される形状を有する。円錐形の基本形状は、この創成機械加工工程において、円筒の回転軸をラックの主要な平面に向けて傾けることで形成される。

本発明の好ましい実施形態によると、上記工具の円錐角度は好ましくは1′よりも大きく、より好ましくは30′よりも大きく、さらにより好ましくは1°よりも大きい。左右の歯面でより大きく異なる修整も、これに対応する大きい円錐角度によって施すことができる。

但し、上記工具の円錐角度は、好ましくは、50°よりも小さく、好ましくは20°よりも小さく、より好ましくは10°よりも小さい。これには、一方では、製造上の技術的理由がある。なぜなら、工具の円錐角度は所望の大きさに選択することができないからである。さらに、ドレッシング可能な工具については、それら工具を円錐形の基部本体に塗布される研削剤によって構成しない限り、上記工具の円錐角度が大きくなればなるほど、工具の有用な高さは低くなる。

本発明の発明者は、円錐形の工具を使用する場合、その円錐角度をさらなる自由度として利用可能であり、その工具のマクロ形状と機械加工手順との特定のパラメータが左右の歯面の修整にそれぞれ異なった影響を及ぼすので、これらパラメータを対応するように選択又は設定することにより、両歯面の機械加工中に、左右の歯面に互いに異なる修整を施すことも可能である、という知見を得た。

工具の表面形状の特定の修整は、ドレッシング中に、円錐角度が必要とする送り出しに加えて、ドレッシング中の工具の回転角及び/又は工具の幅位置に依存して、工具に対するドレッサの位置を変更することにより施すことが好ましい。このように、特に単純な方法によって、多様な修整を施すことができる。工具のドレッシングは、1つの歯面又は両歯面において行い得る。

本発明によれば、好ましくは、左右の歯面に互いに異なる修整が施される。好ましくは、円錐形の基本形状を有する工具の円錐角度により付与される自由度が、この目的で使用される。好ましくは、互いに向きが異なる修整が、左右の歯面に施される。ここで、具体的には、複数の修整が一定である第1の方向が、左右の歯面では異なっていてもよい。

さらに好ましくは、本発明は、ワークピースのギヤ歯を左右の歯面で非対称に機械加工又は研削するために使用可能である。

本発明によれば、好ましくは、ワークピースの機械加工は両歯面において行われる。この場合、ギヤ製造機械加工プロセス中に、左右両方の歯面が工具と接触する。この両歯面創成機械加工には、単歯面機械加工に比べて、機械加工の時間を実質的に短縮可能であるという利点がある一方で、機械加工プロセスを左右の歯面で別々に選択できないという欠点を有する。特に、左右の歯面が同じ対角比で加工される必要がある。しかし、本発明により提供される円錐形の工具によって、ワークピースの左右歯面の互いに異なる修整を施すことが可能となる。

本発明によれば、ワークピースは、円柱形又は円錐形の基本形状を有し得る。両方の場合において、本発明に係る円錐形の工具を使用できる。

本発明によれば、円錐角度を適切に選択することにより、左右の歯面の修整の所望の向きを実現可能である。具体的に、本発明は、左右の歯面の修整の所望の向きを指定する工程と、この目的に適した円錐角度を決定する工程とを含む。

本発明の機械加工プロセスにおいては、好ましくは、工具の軸方向送り出しには、ワークピースに対する工具の送り運動が重畳される。この重畳された運動は、円錐の方向の運動であることが好ましい。これにより、円錐形の基本形状にも関わらず、機械加工プロセス中に、工具はワークピースに対して同じ噛み合い深さを有する。上記送り運動は、具体的に、軸方向送り出しに線形に依存する。上記軸方向送り出しと上記工具の送り運動との間の比例定数は、好ましくは円錐角度に依存し、好ましくは円錐角度の接線に対応する。修整を施すのに必要なドレッシング運動の修整には、この運動が重畳される。

本発明に係る方法に加えて、本発明は、斜め創成法によるワークピースのギヤ製造機械加工のための、円錐形の基本形状を有する工具を包含する。この工具の表面形状の修整は、創成パターン内で、工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に表すことができる。この一次及び/又は二次関数の係数は、上記第1の方向に垂直に延びる上記工具の第2の方向において、係数関数FFtC,1,FFtL,1,及びFFtQ,1のうちの少なくとも1つにより、及び/又は、ピッチとクラウニングの少なくとも一方が上記工具の回転角度及び/又は前記工具の幅位置に依存して変化する修整により決定される。上記工具の円錐角度は、好ましくは1′よりも大きく、好ましくは30′よりも大きく、より好ましくは1°よりも大きく、及び/又は、前記工具の円錐角度は50°よりも小さく、好ましくは20°よりも小さく、より好ましくは10°よりも小さい。本発明による上記工具によって、より詳細に上述した効果が得られる。

上記工具は、好ましくは、ドレッシング可能な工具である。可能な実施形態においては、上記工具は基部本体を有し、この基部本体上に、ドレッシングプロセスによってその形状を変えることができる研削材層が塗布されている。

可能な実施形態においては、完成した工具が円錐形の基本形状であっても、研削材の利用可能な層を均等な厚さにするためにも、上記の基部本体が円錐形の基本形状を既に有していてもよい。但し、円柱形の基部本体を有し、この基部本体上に研削材の円柱形の層が塗布された円柱形の工具とともに本発明を使用することもできる。したがって、円錐角度の選択をより自由にできる。

本発明に係る工具は、具体的には、研削ウォームであってもよい。

本発明によれば、工具の修整は、左右の歯面で同一か、少なくともその向きが同じであってもよい。そして、好ましくは、円錐角度によってのみ、互いに異なる複数の修整又は向きが異なる修整がワークピースの左右の歯面に施される。

ここで、本発明によれば、工具の左右の歯面で修整が異なっていてもよい。具体的には、左右の歯面の修整について、その向きが異なっていてもよく、具体的には、第1の方向が異なっていてもよい。代替的又は追加的に、左右の歯面の修整が、上記第2の方向において、互いに異なる係数関数により表されてもよい。したがって、本発明の方法によってワークピースの左右の歯面に施される互いに異なる修整は、一方では工具の左右の歯面の互いに異なる修整の結果であり、他方では工具の円錐形の基本形状の結果である。

以下に記載するギヤ製造機のうちの1つを、円錐形工具とともに使用する場合、このギヤ製造機は、工具とワークピースの少なくとも一方の円錐角度を入力及び/又は決定するための、入力関数又は決定関数を備えることが好ましい。さらに好ましくは、上記ギヤ製造機が、機械加工中に斜め創成法において、円錐形の基本形状を有する工具がワークピース上でロールオフするように、このギヤ製造機のNC軸を制御する制御関数を有する。ここで、好ましくは、工具の軸方向送り出しには、ワークピースに対する工具の送り運動が重畳されている。この重畳された運動は、円錐方向の運動であることがさらに好ましい。代替的又は追加的に、上記ギヤ製造機は、円錐形工具のドレッシングを可能にする。この場合は、上記ギヤ製造機は、円錐形の基本形状を有する工具のドレッシングの際に、ドレッサがこの円錐形の基本形状にしたがって動くように、ギヤ製造機のNC軸を制御する、この目的のための制御関数を有するのが好ましい。

本発明に係るギヤ製造機は、さらに、ワークピースの所望の修整の入力を可能とする入力関数を有していてもよい。この場合、演算関数も備えられるのがさらに好ましい。この演算関数は、修整を施すのに必要なドレッシングプロセス中の機械運動の変更を決定し、及び/又は、必要な円錐角度及び/又は必要なプロファイル角を決定する。ここで、上記の機械運動の変更は、円錐角度により指定される、工具に対するドレッサの送り運動に重畳されるが、この機械運動の変更が、具体的に計算され得る。上記演算関数は、さらに、必要な対角比を計算してもよい。

代替的又は追加的に、上記のギヤ製造機は、工具の所望の修整と、必要な円錐角度と、必要なプロファイル角度と、これらの修整を施すために必要な機械運動の変更のうちの少なくとも1つを、ドレッシングプロセス中に入力可能な入力関数を備えていてもよい。これらは、その後、外部で計算され、上記ギヤ製造機の入力関数を介して供給されてもよい。

上記ギヤ製造機は、さらに好ましくは、機械加工プロセス中及び/又はドレッシングプロセス中に機械運動を適宜変更する、制御関数を有する。

本発明に係る上記ギヤ製造機は、特に、上述した円錐形工具を備えていてもよい。

既に述べたように、円錐形の基本形状を有する本発明に係る工具は、ワークピースの機械加工中に対角比が変更される機械加工手順の枠組み内で使用できる。しかし、円錐形の工具は、そのような対角比の変更がされず、対角比が1回のストロークにおいては少なくとも一定であり、必要に応じてギヤ装置を機械加工する全てのストロークにおいて一定である場合にも、同様に使用できる。

本発明は、上記本発明による方法に加えて、以上に詳細に説明した方法を実行するために、上記斜め創成法により工具を用いてワークピースを機械加工し、及び/又は線接触するドレッサを用いて工具をドレッシングする、ギヤ製造機をさらに包含する。

このギヤ製造機は、ワークピースホルダに収められたワークピースを、工具ホルダに収められた工具により機械加工することを可能にする製造機を含み得る。上記工具ホルダは、好ましくは、上記ワークピースを機械加工することを目的として、上記工具と上記ワークピースとの間を相対的に移動する、対応する複数の運動軸を有する機械加工ヘッドに配置される。上記ワークピースホルダ及び上記工具ホルダはそれぞれ回転軸を有する。それら回転軸の運動が互いに結合されることにより、上記創成機械加工を実行する。

上記ギヤ製造機は、ドレッシング機を備え得る。ドレッシング機は、好ましくは、ある回転軸を中心として上記ドレッサを回転可能とするドレッサホルダを有する。また、ドレッシング機は、好ましくは、上記工具をクランプし、上記工具をその回転軸を中心として回転可能とする、工具ホルダを有する。また、本発明によるドレッシングに必要な相対的運動を、上記ドレッサと上記工具との間に発生可能とする、運動軸がさらに設けられる。

本発明によるギヤ製造機は、特に好ましくは、製造機とドレッシング機の組み合わせである。上記ドレッシング機及び上記製造機は、好ましくは、上記工具ホルダを成形する。この場合、一方ではワークピースを機械加工するために、上記工具ホルダにクランプ留めされた工具を用いることができる。あるいは、上記工具のクランプを外した上で別の工具ホルダに再びクランプ留めすることなく、この工具ホルダにクランプ留めされた工具をドレッシングすることも可能である。

上記ギヤ製造機の運動軸は、好ましくは、NC軸である。このギヤ製造機は、好ましくは、該ギヤ製造機のNC軸を制御する制御器を有する。この制御器は、好ましくは、上記ギヤ製造機に対して本発明による方法が実行されるようにプログラミングされる。具体的には、上記制御器は、本発明による方法を実行する各種関数を有する。

上記ギヤ製造機は、具体的には、機械加工手順中及び/又はドレッシングプロセス中に機械運動の運動力学的な変更を指定できる、及び/又は決定できる入力関数及び/又は演算関数を有していてもよく、及び/又は上記機械加工手順中及び/又は上記ドレッシングプロセス中に機械運動を変更する制御関数を有していてもよい。上記入力関数は、所望の修整の入力を許可することが好ましい。上記演算関数は、製造に必要な複数の修整の組み合わせを決定する、及び/又は、修整を施すのに必要な機械加工手順中及び/又はドレッシングプロセス中に、機械運動の変更を決定する。

ギヤ製造機の制御は、プログラムされていることが好ましい。あるいは、本発明に係るギヤ製造機を用いて、上述の本発明に係る方法のうちの1つを実施できるように複数の制御の関数が構成されている。入力は、具体的には、より詳細に上述したように行われる。上述したような本発明に係る分解及び/又は決定は、制御の範囲内で自動的に行うことがさらに好ましい。

第1の様態において、本発明は、所望の修整を持つワークピースの製造に適した複数の修整の組み合わせを決定するためのコンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラムを有する。所望の修整及び分解関数を指定する入力関数が提供される。この入力関数は、所望の修整に可能な限り最適に近似させる及び/又は所望の修整を正確に決定するような複数の修整の組み合わせを決定する。

上記分解関数は、工具の表面形状の具体的な修整によって施されるワークピースの修整と、歯形組み合わせとの組み合わせ、及び/又は機械加工手順中の機械運動の変更によって起きる修整との組み合わせを決定するものとするのが好ましい。この組み合わせは、ワークピースの表面形状の所望の修整を施すのに適している。工具の表面形状の具体的な修整は、創成パターン内で、前記工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に表してもよい。この一次関数及び/又は二次関数の係数は、上記第1の方向に対して垂直に延びる、前記工具の第2の方向において、係数関数FFtC,1、FFtL,1、及び/又はFFtQ,1により構成され、及び/又は、ピッチ及び/又はクラウニングが、工具の回転角度及び/又は工具の幅位置に依存して変化する修整を提供できる。

上記分解関数は、ワークピースの指定された所望の修整を、曲線適合により及び/又は解析的に、ワークピースの少なくとも2つの異なる修整に少なくとも近似的に分解することが好ましい。これら修整は、それぞれ、工具のドレッシングプロセスの修整によって、及び/又は工具のドレッシングに使用されるドレッサの修整によって、及び/又はワークピースの機械加工手順の修整によって施すことが可能である。

さらに好ましくは、上記分解関数が、指定された所望の修整を、以下の修整のうちの少なくとも2つの修整に、少なくとも近似的に分解するものとする。 ・創成パターン内で、ワークピースの第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に表すことができる第1の修整、及び/又は、ピッチ及び/又はクラウニングがワークピース幅位置に依存して変化する修整。この一次関数及び/又は二次関数の係数は、上記第1の方向に対して垂直に延びる、前記ワークピースの第2の方向において、係数関数FFtC,2、FFtL,2、及び/又はFFtQ,2によって構成される。 ・歯形修整のみによって施される第2の修整。及び/又は ・ワークピースの第3の方向においては、創成パターン内で少なくとも局所的に一定値を有するとともに、第3の方向に垂直に延びるワークピースの第4の方向においては、関数FKFtで表される第3の修整。

上記第3の修整が一定値を有する上記第3の方向は、ワークピースのマクロ形状のみによって定められるため、変更できない。これとは対照的に、上記第1の修整を一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に表すことができる第1の方向は、斜め創成法における対角比の選択に影響され得る。

本発明に係る方法に関して既により詳細に上述したように、分解関数は好適に機能する。

さらに好ましくは、コンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラムは演算関数を有する。この演算関数は、工具のドレッシングプロセスの修整を決定し、及び/又は工具のドレッシングに使用されるドレッサの修整を決定し、及び/又はこのように決定されたワークピース及び/又は工具の上記修整から該修整を施すために必要な、工具の機械加工手順の修整を決定する。

コンピュータシステムの関数、及び/又はソフトウェアの関数は、本発明に係る方法に関して既に上述したように機能することが好ましい。

第2の態様において、本発明は、所望の修整を持つワークピースを製造するのに適した工具の修整を決定するための、及び、工具のマクロ形状の好適パラメータ及び/又はワークピースを製造するために用いる斜め創成法の好適パラメータを決定するためのコンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラムを有する。このコンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラムは、所望の修整を指定するための関数を有し、且つ決定関数を有する。上記決定関数は、工具の表面形状の具体的な修整の形を持つとともに、工具のマクロ形状の少なくとも1つのパラメータ及び好ましくは複数のパラメータを決定する、及び/又は、上記所望の修整に可能な限り最適に近づけることができる斜め創成法及び/又は上記所望の修整を正確に施すことができる斜め創成法の少なくとも1つのパラメータ及び好ましくは複数のパラメータを決定する。工具の表面形状の修整は、創成パターン内で、上記工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に表すことができる修整として、及び/又は、ピッチ及び/又はクラウニングが、工具の回転角度及び/又は工具の幅位置に依存して変化する修整として決定される。この一次関数及び/又は二次関数の係数は、上記第1の方向に垂直に延びる上記工具の第2の方向において、係数関数FFtC,1、FFtL,1、及び/又はFFtQ,1によって構成される。上記決定関数は、具体的には、曲線適合を実施できる。

上記コンピュータシステム、及び/又は上記ソフトウェアプログラムは、本発明の第2の態様に関して既にさらに詳細に上述したように機能することが好ましい。

より詳細に上述したような方法の演算工程は、本発明に係る上記コンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラムにおいて実行することが好ましい。上記コンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラムは、ギヤ製造機に対するインターフェースを有することが好ましい。代替的又は追加的に、上記コンピュータシステムは、そのようなギヤ製造機の一部であってもよいし、及び/又は上記ソフトウェアプログラムは、そのようなギヤ製造機上にインストール可能であってもよい。

機械運動の変更は、機械加工手順中及び/又はドレッシングプロセス中に、上記コンピュータシステム及び/又は上記ソフトウェアプログラムによって指定可能であることが好ましい。

本発明の全ての態様に関連するいくつかの特徴を以下にもう一度説明する。

本発明による上記創成機械加工方法は、好ましくは、創成研削方法である。本発明によりドレッシングされるか、又は使用される上記工具は、好ましくは、研削ウォームである。

本発明による上記方法、ならびに本発明による上記装置又は工具は、好ましくは、上記ワークピース上にインボリュートギヤが本発明により形成されるように構成される。したがって、本発明により使用されるか、又は本発明により施され得る、上記工具及び/又は上記ワークピースの表面形状に対する上記修整は、好ましくは、インボリュート表面形状に対する修整である。

上記工具又は上記ワークピースに対する修整を少なくとも近似的に記述し、定数関数、一次関数及び二次関数のうち少なくとも1つ(ここで、上記定数関数、上記一次関数及び上記二次関数のうち少なくとも1つの係数は、上記第1の方向に対して垂直に延びる、第2の方向において、係数関数FFtC,1/2、FFtL,1/2及びFFtQ,1/2のうち少なくとも1つにより形成される)により、第1の方向における上記創成パターンにおいて少なくとも近似的に記述可能である、本発明により規定される関数に関していうと、FFtC,1/2は、上記第1の方向において上記工具又は上記ワークピースに施される上記修整の定数関数部分に対する係数関数であり得、FFtL,1/2は上記修整の一次関数部分に対する係数関数であり得、FFtQ,1/2は上記修整の二次関数部分に対する係数関数であり得る。

FFtC,1/2は、好ましくは非定数であり、また好ましくは、上記第2の方向における位置に非線形に依存する。FFtL,1/2もまた、好ましくは非定数であり、また好ましくは、上記第2の方向における位置に線形又は非線形に依存する。FFtQ,1/2は、本発明の第1の実施の形態では、0であり得、定数であり得る。第2の実施の形態では、FFtQ,1/2は、非定数であり得、また好ましくは、上記第2の方向における位置に線形又は非線形に依存し得る。

創成パターンにおいて、上記ワークピース又は上記工具に施す修整は、好ましくは、既に詳細に指定した上記定数関数と、一次関数と、二次関数のうち少なくとも1つにより少なくとも近似的に、且つ局所的に記述可能であるのみならず、上記ギヤ装置の少なくともある部分領域においても記述可能であり、さらに必要な場合には、上記ギヤ装置全体にわたって大局的にも記述可能でもある。ここで上記定数関数、上記一次関数及び上記二次関数のうち少なくとも1つの係数は、上記第1の方向に対して垂直に延びる第2の方向において、上記定数関数部分については係数関数FFtC,1/2により、上記一次関数部分については係数関数FFtL,1/2により、及び/又は上記二次関数部分については係数関数FFtQ,1/2により形成される。

本願明細書において「修整はある具体的な関数により少なくとも近似的に記述可能である」というとき、この表現は、好ましくは、上記具体的な関数がある指定された許容誤差の範囲内で上記修整を記述していることを意味しており、及び/又は、上記具体的な関数と上記修整との間の差が指定された許容誤差の範囲内にあることを意味している。本発明による方法は、許容誤差及び/又は許容誤差範囲を指定する工程を含み得る。本発明による上記ギヤ製造機、又は上記コンピュータシステム又はコンピュータプログラムは、許容誤差及び/又は許容誤差範囲を指定する関数をさらに含み得る。

ウォームのネジ山における歯面の一部分を、幅全体にわたって研削されていないウォームの法線方向のベクトルとともに示す模式図である。

ウォームの位相修整をドレッサとウォームとの間の接触線と4本の自由に指定可能な線とともに示す図である。

創成研削時に歯車装置に線形歯元リリーフを創成するウォームをドレッシングするように設計されたドレッサを使用してドレッシングされたウォームの位相修整を示す図である。

インボリュートウォームを例として、本発明を使用したドレッシング時の近似可能な位相修整を例示する図である。

インボリュートウォームを例として、本発明を使用してドレッシング可能な位相修整を例示する図である。

インボリュートウォーム及びこれを使用して研削されたインボリュートギヤ装置の例を示す図である。

歯形クラウニングのより小さい領域に縮小して示す図6相当図である。

ウォーム直径が様々である場合の図7相当図である。

ウォーム直径が異なり、条数が様々である場合の図7相当図である。

ウォーム直径が異なり、ドレッサの直径が様々である場合の図7相当図である。

ウォーム直径が異なり、ウォームのプロファイル角が様々である場合の図7相当図である。

a)が歯形補正なしの直線プロファイル用に設計され且つ非補正運動を有するドレッサを使用してドレッシングされた非修整ウォーム上の歯形修整を示す図であり、b)は、a)のドレッサを使用し、3点法によるドレッシング運動でドレッシングされたウォーム上の歯形クラウニングを示す図である。

クラウニングの相対的プロファイル伸長の、3点法を使用して製造されたギヤ装置のcαFVへの依存を示す図であり、a)がウォームの条数が様々である場合、b)がウォームの直径が様々である場合、c)がドレッサの直径が様々である場合、d)がウォームのプロファイル角が様々である場合をそれぞれ示す。

複数のネジ山を備えるウォームの隣り合う2つのウォームネジ山と、従来技術による単歯面ドレッシングに対応するような相対的位置にあるドレッサとを示す図である。

図14aの細部を拡大して示す図である。

図14aに示したものと同じ状況を別の角度から見た様子を示す図である。

図14aと同じ2つのウォームネジ山と同じドレッサを示す図である。

図16aの細部を拡大して示す図である。

図16aに示したものと同じ状況を別の角度から見た様子を示す図である。

a)は、従来技術で使用されるような、2つのネジ山を備えるウォームを例示する図であり、b)は、a)のものと同様に設計されている一方、ネジ山が省略されたウォームを示す図である。

ウォーム直径及びウォームのプロファイル角用に設計されたドレッサを使用して、3点法により機械加工された小径のインボリュートウォームの例を、様々な条数について示す図であり、a)が現在のウォーム直径に依存する、ギヤ装置の相対的プロファイル伸長の経路を示し、b)がウォームの直径がdS0よりも小さい場合の、ウォームのプロファイル角に依存する、ギヤ装置の相対的プロファイル伸長の経路を示し、c)が相対的プロファイル伸長が0である場合のウォームのプロファイル角の範囲を示す。

a)は、ウォーム上のアクティブ領域が小さいドレッサを使用して、複数回のストロークによって施された歯形修整を示す図であり、b)は、ウォーム上のアクティブ領域を複数有するドレッサを使用して、複数回のストロークによって施された歯形修整fnFSをa)と同様に示す図である。

本明細書中に記載の方法の使用に際して使用可能な、3つのドレッサ変形例を例示する図である。

本発明を利用可能なギヤ製造機を例示する図である。

式(25)によって修整された領域と、非修整領域とを含む修整を示すw−z図である。

式(25)によって修整された領域と、非修整領域とを含む修整を示すw−z図である。

a)は、4本の右曲線に傾斜した、円柱形のワークピースの右歯面を例示する図であり、b)は、a)に合わせて、ZV1のZV2に対する依存を表す関数FZV1(zV2)を示す図である。

左に傾斜するとともに可変対角比による修整が適用された、円柱形のワークピースの右歯面のw−z図である。

a)は、図26の例において、ワークピース上の点の経路を、図25と同様の方法で示す図であり、b)は、図26の例で使用されるとともに、zV1のzV2に対する依存を表す関数を示す図であり、c)は、図26の例の3つの経路に沿った修整を示す図である。

図26の例で使用され、式(25)によるウォーム上の修整を定義する関数を示す図である。

本明細書中に記載の方法により形成され得る移行領域のない、歯形クラウニング、歯すじクラウニング、及び直線三角エンドリリーフの追加的重畳を表すw−z図である。

斜め研削によるウォームの修整を介して、ワークピース上に移転された、図29の修整の一部を表すw−z図である。

研削運動により施される、図29の修整の一部(FKFt)を表すw−z図である。

図33の波形の上下の外囲表面を表すw−z図である。

振幅が歯面の端部に向かって大きくなる1つの波形を、異なる方向から見た様子を表す2つのw−z図である。

連続創成ギヤ列における2つのギヤ歯配列であって、共通のラックと両ギヤ歯配列の係合面を有する2つのギヤ歯配列を示す図である。

円錐形ギヤ歯とこれらを創成するラックとを示す図である。

a)は、円柱形ウォームを例示する図であり、b)は、円錐形ウォームを例示する図である。

右歯面と創成非対称ラックの係合を示す断面図である。

ワークピースの歯面の一部分を、幅全体にわたって研削されていないワークピースの法線方向のベクトルとともに模式的に示す図である。

以下、実施形態と図面を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。以下の図面は、円柱形ギヤ歯のw−z図を例として示すに過ぎない。円錐形ギヤ歯のw−z図は、概して、矩形ではなく、典型的には、台形である。なぜなら、ロール距離の評価領域は、ギヤ歯の幅全体にわたって変動するからである。

図1には、ウォームのネジ山における歯面の一部分を、幅全体にわたって研削されていないウォームの法線方向のベクトルとともに模式的に示す。図中のベクトルの数は、シミュレーション計算に比較して、大幅に減少させた。図中に模式的に示す面4は、ベクトルが配置された非修整ウォームの、概して湾曲した歯面に相当する。ベクトル1及び1’は、既に接触線の通過を受け、したがって、完全に短縮されている。ベクトル2及び2’は、既に少なくとも1回短縮されているが、接触線による通過はまだ受けていない。ベクトル3及び3’は、まだ短縮されておらず、選択された許容量に相当する長さのままである。図2には、ウォームの位相修整fnFS(wFS,bFS)を、ドレッサとウォームとの間の接触線10と、4本の自由に指定可能な線wFSi(bFS)11,12,13,及び14とともに示す。これら4本の線は、ドレッシング時に所望の修整が正確に到達すべき線である。図3には、創成研削時に歯車装置に線形歯元リリーフを創成するウォームをドレッシングするように設計されたドレッサを使用してドレッシングされたウォームの位相修整fnFS(wFS,bFS)を示す。このようなドレッサは、特定の半径にキンクを有し、このキンクは主要プロファイルから歯元リリーフへの移行を示す。上記キンク15がウォーム上に円弧状に延びるように、図中のドレッサのこの半径は、ウォーム幅にわたって、ウォームの様々な半径と関連付け(associate)された。図4には、インボリュートウォームを例として、本発明を使用したドレッシング時に、非常に正確に近似可能な位相修整を例示する。この修整は、幅クラウニングと歯形クラウニングとの結果として定義される。図5には、インボリュートウォームの例として、本発明を使用してドレッシング可能な位相修整を例示する。この修整は、wFSとbFSとに依存する振幅を有する正弦波として定義され、この振幅は端部に向かって増大する。図6は、インボリュートウォーム及びこれを使用して研削されたインボリュートギヤ装置の例において、その軸補正ΔKとウォームの軸方向位置vzSとが、ギヤ装置に施される歯形クラウニングcαVに依存して設定されることを示す。各図には、選択されたウォームと選択されたドレッサを使用してこのギヤ装置に創成可能な歯形クラウニングのほぼ全領域が示されている。図7は、図6と同様の図であるが、小さい歯形クラウニングの経路(progression)をよりよく例示するために、歯形クラウニングcαFVのより小さい領域に縮小して示す。図8は、図7と同様の図であるが、ウォーム直径dSが様々である場合の歯形クラウニングcαFVの同じ領域を示す。図9は、図7と同様の図であるが、ウォーム直径dSが異なり、条数zSが様々である場合の歯形クラウニングcαFVの同じ領域を示す。図10は、図7と同様の図であり、ウォーム直径dSが異なり、ドレッサの直径dAが様々である場合の歯形クラウニングcαFVの同じ領域を示す。図11は、図7と同様の図であり、ウォーム直径dSが異なり、ウォームのプロファイル角αnFSが様々である場合の歯形クラウニングcαFVの同じ領域を示す。図12(a)には、歯形補正なしの直線プロファイル用に設計され且つ非補正運動を有するドレッサを使用してドレッシングされた非修整ウォーム上の歯形修整40を示す。各点は、実際に施される歯形修整fnSを示し、これらは全プロファイルにおいて0である。これら点のそれぞれが、ドレッサの1つの半径に対応する。したがって、この図には、ドレッサのどの半径が、ウォーム上のどのロール距離をドレッシングするかが示されている。ドレッサは、非補正運動でドレッシングを行うときには、点42が歯先形円(tip−shape circle)WNaFSに、点41が歯底形円(root−shape circle)wNfFSに来るよう設計された。図12(b)は、図12(a)のドレッサを使用し、3点法によるドレッシング運動でドレッシングされたウォーム上の歯形クラウニング(所望の修整)40’を示す。各点は、ここでも実際に施された歯形修整fnFSを示す。この図は、3点法が使用され、点42’が歯先形円に固定されるとき、ドレッサマッチング点41’上の半径は、歯底形円ではなく、むしろwPSをドレッシングすることを示す。この図はまた、所望の修整からの小さな偏差があることも示している。図13には、以下の(a)〜(d)の場合について、クラウニングの相対的プロファイル伸長(streching)PFVの、3点法を使用して製造されたギヤ装置のcαFVへの依存を示す。(a)ウォームの条数zSが様々である場合、(b)ウォームの直径dSが様々である場合、(c)ドレッサの直径dAが様々である場合、(d)ウォームのプロファイル角αnFS様々である場合。図14aは、複数のネジ山を備えるウォームの隣り合う2つのウォームネジ山と、従来技術による単歯面ドレッシングに対応するような相対的位置にあるドレッサとを示す。第1のウォームネジ山の左歯面24は、ドレッサの左歯面22を使用してドレッシングされる。ドレッサの外側ジャケット表面20によって、2つのネジ山の間の歯底23の大部分がドレッシングされる。第2のウォームネジ山の右歯面25とドレッサの右歯面21とは互いに接触するが、互いを貫通することはない。図14bには、図14aの細部を拡大して示す。図15には、図14aに示したものと同じ状況を別の角度から見た様子を示す。図16aは、図14aと同じ2つのウォームネジ山と同じドレッサを示す。相対位置は、ウォーム上に歯形クラウニングを施すための3点法の相対位置に相当する。第1のウォームネジ山の左歯面24’は、ドレッサの左歯面22’を使用してドレッシングされる。ドレッサの外側ジャケット表面20’は、2つのネジ山の間の歯底23’を貫通する。ドレッサの右歯面21’は、右歯面を貫通する。図16bには、図16aの細部を拡大して示す。図17には、図16aに示したものと同じ状況を別の角度から見た様子を示す。この角度からは、外側ジャケット表面20’がウォームに貫入し、歯底23’の下まで達していることがわかる。図18(a)には、従来技術で使用されるような、2条ウォームを例示する。図18(b)には、図18(a)のものと同様に設計されている一方、1条が省略されたウォームを示す。図19には、ウォーム直径dS0及びウォームのプロファイル角αnFS0用に設計されたドレッサを使用して、3点法により機械加工された小径のインボリュートウォームの例を、様々な条数zSについて示す。(a)現在のウォーム直径dSに依存する、ギヤ装置の相対的プロファイル伸長PFVの経路、(b)ウォームの直径がdS0よりも小さい場合の、ウォームのプロファイル角αnFSに依存する、ギヤ装置の相対的プロファイル伸長PFVの経路、(c)相対的プロファイル伸長が0である場合のウォームのプロファイル角αnFSの範囲。図20(a)には、ウォーム上のアクティブ領域(active region)が小さいドレッサを使用して、複数回のストロークによって施された歯形修整fnFSを示す。この歯形修整は、ギヤ装置に歯先リリーフを形成する領域30と、ギヤ装置に歯元リリーフを形成する領域32と、主要プロファイル31とを有する。これら全ての領域は、角度補正とクラウニングを有する。符合34,35,36,37,38,及び39は、それぞれのストローク中にドレッシングされた領域を示す。図20(b)には、ウォーム上のアクティブ領域を複数有するドレッサを使用して、複数回のストロークによって施された歯形修整fnFSを、図20(a)と同様に示す。この歯形修整は、ギヤ装置に歯先リリーフを形成する領域30’と、ギヤ装置に歯元リリーフを形成する領域32’と、主要プロファイル31’とを有する。これら全ての領域は、角度補正とクラウニングを有する。符合34’,35’,36’,及び39’は、それぞれのストローク中にドレッシングされた領域を示す。図21には、本明細書中に記載の方法の使用に際して使用可能な、3つのドレッサ変形例を例示する。図には、単歯面ドレッシング時のドレッサが示されている。本明細書中に記載の方法の使用するとき、これらのドレッサを使って、両歯面ドレッシングも同様に実施可能である。これらドレッサは、任意で、ウォームの歯面だけでなくウォームの歯先もドレッシング可能な、複合ドレッサとして設計され得る。図22には、本発明を利用可能なギヤ製造機を例示する。図23は、式(25)によって修整された領域141及び141’と、非修整領域142,142’,及び142’’とを含む修整のw−z図である。直線140及び140’はρF2により得られる方向に延びる。直線143及び143’は、接触点の経路に対応する。図24は、式(25)によって修整された領域151及び151’と、非修整領域152,152’,及び152’’とを含む修整のw−z図である。領域151及び151’は、異なる方向ρF2の修整を有する。直線150及び150’は各ρF2により求められる方向に延びる。直線153及び153’は、接触点の経路に対応する。図25aは、4本の右曲線160〜163に傾斜した、円柱形のワークピースの右歯面を例示する。曲線160〜163は、それぞれ、w−z図における点のワークピース上での経路を描き、これら点はワークピース上の直線にマッピングされる。4本の曲線は、4つの異なる値XF1に、したがって、ウォーム上の4本の異なる直線に対応する。曲線は、2本の平行な直線165及び166に沿って、互いからずれている。図25bには、図25aに合わせて、ZV1のZV2に対する依存を表す関数FZV1(zV2)を示す。図26は、左に傾斜するとともに可変対角比による修整が適用された、円柱形のワークピースの右歯面のw−z図である。線170は、ウォーム上にXF1=0により定義される直線にマッピングされた点の経路を示す。線171は、ウォーム上にXF1=0.5mmによって定義される直線にマッピングされた点の経路を示す。線172は、ウォーム上にXF1=1.0mmによって定義される直線にマッピングされた点の経路を表す。各経路に沿った修整を、図27に示す。図27(a)には、図26の例において、ウォーム上にXF1=0,XF1=0.5mm、及びXF1=1.0mmにより定義される直線にマッピングされた、ワークピース上の点の経路170〜172を、図25と同様の方法で示す。直線175及び176が画定する方向に沿って、異なるXF1についての経路が互いにずれている。図27(b)には、図26の例で使用されるとともに、zV1のzV2に対する依存を表す関数FZV1(zV2)を示す。図27(c)には、図26の例の3つの経路に沿った修整を示す。図28には、図26の例で使用され、式(25)によるウォーム上の修整を定義する関数FFt10(XF1),FFt11(XF1),及びFFt12(XF1)を示す。図29には、本明細書中に記載の方法により形成され得る移行領域のない、歯形クラウニング、歯すじクラウニング、並びに直線三角エンドリリーフの追加的重畳をw−z図で表す。線120は、接触パスを示し、線121は、ウォーム 上の直線にマッピングされる、ワークピース上の直線を示す。領域128には、2つのクラウニングのみが重畳されており、領域127には、これらに加えて三角エンドリリーフが重畳されている。図30には、斜め研削によるウォームの修整を介して、ワークピース上に移転された、図29の修整の一部をw−z図で表す。領域28’は、クラウニングの形成に寄与する領域を表す。符合127は、三角エンドリリーフの形成にさらに寄与する領域を表す。符合123’,124,及び125は、w及びzにおける直線を表し、これら直線はウォーム上のw及びzにおける直線上にマッピングされる。各直線に沿った修整は、wにおける直線状である。図31には、研削運動により施される、図29の修整の一部(FKFt)をw−z図で表す。唯一の領域である、領域128’’だけが、クラウニングの形成に寄与する。線120’’,121,及び122は、異なる送り位置についての接触パスを表す。それぞれの修整は、これらの線に沿って一定である。図32には、図33の波形の上下の外囲表面をw−z図で表す。図33は、振幅が歯面の端部に向かって大きくなる1つの波形を、異なる方向から見た様子を2つのw−z図に表している。図34は、連続創成ギヤ列における2つのギヤ歯配列であって、共通のラックと両ギヤ歯配列の係合面を有する2つのギヤ歯配列を示す。よりわかりやすく図示するために、2つのギヤ歯配列の相対位置は、連続創成ギヤ列におけるものとは対応していない。この図には、また、円柱形のギヤ歯の創成ラックに対する相対位置が示されている(出典:Niemann, G; Winter, H: Maschinenelemente Band 3 2. Auflage, [Machine Elements Vol. 3, 2nd Edition]Springer Verlag, ベルリン,1983年)。図35は、円錐形ギヤ歯とこれらを創成するラックとを示す。ラックは、らせん角βkwだけ旋回され、円錐角θ=VARθ分だけ傾斜している(出典:Zierau, S: Die geometrische Auslegung konischer Zahnraeder und Paarungen mit parallelen Achsen [The Geometrical Designof Conical Gearsand Pairs Having Parallel Axes], Report No. 32, Institute For Construction Science, Braunschweig Technical University)。図36(a)には、円柱形ウォームを例示する。図36(b)には、円錐形ウォームを例示する。図37は、右歯面と創成非対称ラックの係合を示す断面図である。断面図におけるプロファイル角αtwrは、係合面Prの傾斜を定義する。ギヤ歯は、回転角φだけ回転される。図38には、ワークピースの歯面の一部分を、幅全体にわたって研削されていないワークピースの法線方向のベクトルとともに模式的に示す。図中のベクトルの数は、シミュレーション計算に比較して、大幅に減少した。図中に模式的に示す面104は、ベクトルが配置された非修整ワークピースの、概して湾曲した歯面に相当する。ベクトル101及び101’は、既に接触パスの通過を受け、したがって、完全に短縮されている。ベクトル102及び102’は、既に少なくとも1回に短縮されているが、接触パスの通過はまだ受けていない。ベクトル103及び103’は、まだ短縮されておらず、選択された許容量に相当する長さのままである。

1.ウォームのドレッシングの説明 本発明の第1の部分は、ギヤ製造機械加工のための工具のドレッシング方法に関し、以下、この方法を創成研削用のウォームを参照しながら、より詳細に説明する。これらのウォームは対称でも非対称でもよく、また、円柱形でも円錐形でもよい。これらウォームの全ては、創成可能なギヤ歯を創成研削するのに適した歯形を有する。これらウォームは、特にインボリュート歯形を有する。

ウォームをドレッシングするためのプロセスとしては、実質的に2つのプロセスが知られている。1つは、歯形全体をドレッシング可能な歯形ローラドレッサを使用したドレッシングであり、歯先から歯元までのドレッシングを1ストロークで行える。この方法を両歯面に使用すると、特に、ドレッシング時間が短縮される。しかしながら、この方法の欠点は、任意のドレッサを使用すると、ドレッシングプロセス時に、歯形に限定的にしか影響を及ぼせないことである。したがって、従来技術によるドレッシング運動を介しては、プロファイル角だけに影響を及ぼし得る。特に、ドレッシング運動を介して、歯形クラウニングに影響を及ぼすことは、これまで不可能であった。

もう1つのドレッシング方法は、外形ドレッシング(contour dressing)である。歯形ローラドレッサを使用したドレッシングとは対照的に、この方法によると、1ストロークあたり歯形の小さい部分だけがドレッシングされるので、歯形を歯先から歯元までドレッシングするためには複数回のストロークが必要である。このため、この方法は非常に非経済的である。その一方、この方法によれば、ドレッシング運動時に、一定の制限内で歯形を自由に指定することが可能である。円形又は楕円形歯形を有するドレッサが使用されると、歯形を非常に柔軟に設計することが可能であるが、接触面が小さいことと歯形の粗度が高いこととから、非常に多くの回数のストロークが必要である。歯形が短く直線であるドレッサを使用すると、ストロークの回数は明らかに減少するが、歯形クラウニングのような歯形の修整は、非常に大まかに近似できるだけで、形状に偏差が起こる。

上記の関係を数学的に公式化するために、次の定義づけをする。

ドレッサを説明する各パラメータは指数Aを含み、ワークピースを説明する各パラメータは指数Sを含み、ギヤを説明する各パラメータは指数Vを含む。インボリュートウォームとインボリュートギヤを取り上げる例においては、DIN3960から知られるパラメータ、すなわち、基礎円半径γb、基礎モジュールmb、及び基礎らせん角βbが使用される。ここで説明する関係性は、概して、非対称のギヤで成立するので、左右の歯面で異なるパラメータは指数Fを含む。歯形クラウニングの値は、正負のいずれでもあり得る。

次の用語が変換のために使用される。 ・Rx(φ) x軸周りの角度φの回転。y及びzで同様。 ・Tx(ν) x方向へのパスνによる並進運動。y及びzで同様。 ・H(A1,・・・,AN) N座標のA1からANまでの合計により同次変換行列で表記可能な一般変換 本明細書中、「座標」という用語は一般的な座標を指し、必ずしも独立的座標を指すとは限らない。

ウォーム又はドレッサの回転軸は、各静止座標系において、常にz軸に一致する。

上記関係を表す公式のためには、ウォームとドレッサとの相対位置を説明する運動連鎖を定義することがさらに重要である。

ウォームとドレッサとの相対位置は、次の運動連鎖KRによって表される。

KR=RZ(−φS)×Tz(−νzS)×Rx(−γ)×Tx(−d)×TyyA)×RZA) ・・・(1) ・φS:ウォームの回転角度 ・φA:ドレッサの回転角度 ・νyA:ドレッサのy位置 ・νzS:ウォームの軸方向位置 ・d:中心距離 ・γB:軸交差角

この運動連鎖は、最初は、本明細書中に記載の発明を数学的に説明することのみに役立つ。この運動連鎖は、本発明が使用される機械の物理的な軸と適合しなくてもよい。この機械が、次の式(2)の変換に従ったウォームとドレッサとの相対位置を可能にする移動装置を有する場合において、上記の運動連鎖からの、本発明において計算される座標軸の各組につき、座標B1,…BNSが存在するときには、本発明をこの機械に使用できる。 H(B1,…,BNS)(但しNS≧1) …(2) ここで H(B1,…,BNS)=KR …(3) 座標B1,…BNSの計算は、座標変換によって行われ得る。

必要な相対位置の全てを可能にする典型的な移動装置は、例えば、次の運動連鎖によって表される: HBsp1=Rz(−φB1)×Tz(−νV1)×Rx(−φA1)×Tx(−νX1)×TyZ1)×RyC5)×RzB3) …(4) HBsp2=Rz(−φB1)×Tz(−νV1)×Rx(−φA1)×Tx(−νX1)×TyZ1)×RzB3) …(5) これら2つの例のような装置を有するギヤ製造機を図22に示す。式(4)及び(5)における指数B1,V1,A1,X1,Z1,C5,B3は、それぞれ図示の機軸に関連する。

図22は、本発明の方法を実施するために使用可能なドレッシング機を有するギヤ製造機の斜視図である。このギヤ創成機は、左側に図示されている、工具ホルダを有する機械加工ヘッドと、中央に図示されているワークピースホルダと、右側に模式的に図示されているドレッサホルダとを有する。ワークピース位置に把持されたワークピースは、工具ホルダに把持された工具によって機械加工され、ギヤ製造機械加工が実施され得る。ドレッシングプロセスを実施するには、工具ホルダに把持された工具が、ドレッサホルダに把持されたドレッサによってドレッシングされ得る。これには、ドレッシング用の工具を工具ホルダ内に残せるという利点がある。機械加工ヘッドの運動軸は、さらに、ドレッサ上で工具とドレッサの相対位置を設定するためにも使用され得る。

ギヤ製造機は、工具ホルダを動かすための運動軸A1,B1,V1,X1,Z1と、ワークピースホルダを動かすための運動軸C2と、ドレッサを動かすための運動軸B3,C5とを有する。

詳細には、B1によって、工具はその回転軸周りに回転可能である。X1によって、工具は工具の回転軸又はワークピースに対して垂直に並進可能である。Z1によって、工具は上下方向に又はワークピースの回転軸と平行に並進可能である。A1によって、工具は旋回可能である。V1によって、工具は接線方向に移動可能又はその回転軸方向へシフト移動可能である。C2によって、ワークピースが回転運動可能である。B3によって、ドレッシング工具はその回転軸周りに回転可能である。C5によって、ドレッシング工具は旋回可能であり、これにより工具における圧力角αを変更可能である。

その他のギヤ製造機及び/又はドレッシング機も、本発明の方法を実施するために使用可能である。

本発明の思想は、ウォームの歯形状に影響を与えるために、ドレッシングプロセス時に、式(28)の5の自由度φSzS,γ,d,及びνyAを観察することにある。ドレッサが回転対称性を有するので、自由度φAはここでの観察においては何らの役割も果たさない。

従来公知の方法では、ドレッシング時には、最大でも既存の自由度4だけが使用されてきた。欧州特許出願公開第1995010号明細書からこのような方法が知られており、同方法では、ウォームがその幅bにわたってクラウニングされるように、中心距離dを変化させながらドレッシングされる(歯すじクラウニング)。独国特許出願公開第19706867号明細書からは、その幅にわたってプロファイル角が変化するウォームを製造する方法が知られている。ここでは、プロファイル角は、φA1=0である式(4)の例と類似した運動連鎖を有するφC5V1,及びνX1の定数変化によって変化する。独国特許出願公開第102006061759号明細書にも同じことが記載されており、ここでは、φB1V1A1X1,及びνV1を含む式(5)で表される運動連鎖の記載がある。ここで、5本の軸が動かされるか補正されるかしても、式(4)からは変化する自由度はφC5V1,及びνX1の3しか存在しない。動かされた5本の軸の位置は、任意のφC5V1,及びνX1を使用しての座標変換の結果である。独国特許出願公開第19706867号明細書の方法と類似しているので、独国特許出願公開第102006061759号明細書の方法を使用すると、同様に、プロファイル角だけが、ウォーム幅にわたって修整される。

独国特許出願公開第102006061759号明細書に類似する独国特許出願公開第102005030846号明細書には、式(5)の軸φB1V1A1X1,及びνZ1を使用して、どのようにウォームのプロファイル角をその幅全体にわたって一定に修整できるかが既に示されている。ここでも、3の自由度だけが変化し、動かされた軸の位置は、座標変換の結果である。

ウォームをドレッシングするときには、リード上におけるその軸方向位置νzSは、典型的には、ウォームの回転角度φSと結合される。ウォームとドレッサとの間の接触線は、したがって、ドレッシング対象のウォームの一部を通過する。ウォームがその幅については修整を施されることなくドレッシングされると、残りの座標d,νyA,及びγは固定値に設定され、ドレッシング時に動かされることはない。これらの座標は、典型的には、ドレッサの構成に採用された値に設定される。これらの座標に、ドレッサの構成の値に一致しない値が選択されると、ウォームを修整形状にドレッシングすることが可能である。修整の形成可能な形状は、使用される自由度の数に左右される。ウォームのネジ山の歯面の修整は、歯面の法線方向に画定され、以下のように表される。

fnFS(wFS,bFS) …(6) 式中、bFSは、幅線方向における位置であり、wFSは、インボリュート歯形におけるロール距離(ロール長さともいう)であり、非インボリュート歯形を使用して、歯形をパラメータ化するためのパラメータである。しかし、ロール距離という用語は、以下では、非インボリュートギヤにも使用される。

ウォームの軸方向位置νzSは、ウォームの幅上での接触線の変位だけの要因であり、この座標は接触線に沿った修整に影響を及ぼすためには使用できない。したがって、修整を施すためには、4の自由度、すなわちφS,γ,d,及びνyAを利用可能である。しかし、ここでは、非補正運動を介するウォームのドレッシング時の、上記値に対するこれら自由度の補正だけを取り扱う。補正は以下のように表される: ΔφS,Δγ,Δd,ΔνyA …(7) これらの補正は、パラメータΔKに組み合わされる(ΔK=(ΔφS,Δγ,Δd,ΔνyA))。

これら4つの座標補正が、施された歯形修整に対して及ぼす影響は異なる。すなわち、これらの座標のうちの1つの変化の結果が、それぞれ異なる歯形修整であるならば、これを利用して、一定の限度内で、修整の4つの点を自由に指定することができる。修整を指定可能な領域と該修整が歯形全体においてどのような形状であるかは、本明細書中で提案する方法の適用可能性にとって、決め手となるものである。これについて、以下に検討する。

ロール距離wFVにのみ依存し、bFVには依存しない歯形修整を有するギヤに創成研削を実施する場合、この目的のためのウォームには、対応する歯形修整が導入されなくてはならない。ウォームの半径γSは、この目的のために、研削対象のギヤの領域の各半径γVと関連付けされる。この関連付け(association)は、原則として、ウォームの直径毎に再度行われなければならない。歯形ローラドレッサを利用したこのような修整によって、この方法で修整されたウォームのドレッシングを可能にするためには、ドレッサの半径γAが、ウォームの各半径γSと関連付けされなくてはならず、ドレッサ上の対応する修整はこれらの関連付けされた半径に導入されなければならない。非補正運動を使用してドレッシングを行う場合には、ドレッサの形状とウォームの形状に依存して、ウォームの直径の大きな範囲にわたってドレッサを使用でき、このようにして製造されたウォームによって、研削後のギヤに正確な歯形修整が施される。しかし、ドレッシング時に、一定限度内で自由に修整を4点で指定するために、上述のドレッシング運動が使用されると、これは、概して、ウォームの半径とドレッサの半径との正しい関連付けが保証されないという結果を生む。そうなると、ウォーム上の歯形修整が、より小さい又はより大きい半径に向かってずれる結果となる。ウォーム上で歯形修整がこのように不正確に位置決めされると、ギヤ上の歯形修整も不正確に位置決めされる。例えば、ドレッサに導入された修整が歯形クラウニングのみを施す場合は、この不正確な関連付けがそれほど顕著ではなく且つ補正されたドレッシング運動により補償される限りにおいては、この不正確な関連付けはそれ以上の意味を持たない。しかし、この不正確な関連付けが、ドレッサの外側半径がウォームにおけるドレッシング対象である最小の半径に到達しないほど、あるいは、ドレッサがウォームに深く入り込んで嵌め合い歯面に接触するほど、非常に顕著な場合、この不正確な関連付けはこれらの場合において有害である。対照的に、歯形修整が、歯先リリーフの開始におけるキンクのような特徴的な点を含む場合、上記の不正確な関連付けの結果、ギヤ上でキンクが不正確に位置決めされる。

この問題を解決するために、ドレッサの特定の半径が、ウォームの特定の半径に接触するように、ドレッシング運動が選択され得る。先ほど挙げたドレッサの歯先リリーフの例では、キンクが位置する半径が選択され、キンクが位置すべきギヤの半径を形成するウォームの半径が選択されると、この問題は回避される。しかし、これによると、歯形上の歯形修整は4点ではなく、3点で指定される結果となる。但し、3点のみでの指定は、インボリュートウォームに歯形クラウニングを適用し、それにより、今度は研削後のインボリュートギヤに歯形クラウニングを施すという目的には十分である。

以下の計算を行うためには、任意のドレッサと任意の軸補正ΔKを使用して、ウォームの歯面にどの歯形が、特に、どの歯形修整が施されるかを判定可能であることが必要である。最初に取り扱う事例では、ドレッシングプロセス時に軸補正が固定的に設定され、νzS及びφSだけがウォームのリードにしたがってともに移動する。軸補正に依存して、歯面に対する法線方向の偏差(ズレ)として定義される修整は、ここでは、fnFS(wFS;ΔK)により表される。fnFS(wFS;ΔK)は、例えば、ドレッシングシミュレーションを利用して計算できる。このようなドレッシングシミュレーションの入力データは、一般に、ドレッサの形状及びドレッシング運動に加え、ドレッシング前のウォームの形状である。ドレッシング前のウォームは、ドレッシング後のウォームに対し、ネジ山のあらゆる場所で正のストック(positive stock)を有するように、以下の計算で選択される。このようなドレッシングシミュレーションにおいて、ドレッシングプロセスは、典型的には、有限数の時間ステップに分割される。時間ステップでは、ドレッサによりウォームの材料が除去され、各時点について判定される。

後に必要とされる全ての情報を提供できる、適当なアルゴリズムをここで詳細に提示する。この目的で、まず、原則として修整されていないウォームを取り上げる。既定の長さを有する法線方向のベクトルが、座標(wFS,bFS)を有するこのウォームのネジ山上の個々の点に配置される。非修整のウォームを参照すると、ベクトルの長さは、ドレッシング前のウォームのストックに相当する。以下に記載するシミュレーション中に、各ベクトルが少なくとも1回は短縮されるように、ストックの大きさが典型的には選択される。ネジ山上の点の数が、結果の精度を決定する。これらの点は、好ましくは等距離となるよう選択される。ウォームのドレッサに対する相対位置は、例えば、非補正運動の座標φS,γ,d,νyAとこれらの補正ΔKとによって、各時点で指定される。全てのベクトルとドレッサとの交差は、各離散時間において計算される。いずれかのベクトルがドレッサと交差しないときは、そのベクトルは変化しない。しかし、ベクトルがドレッサと交差するときは、交点が計算され、ベクトルはその交点に終端が来るように短縮される。ドレッサの軸から交点までの距離は、該交点におけるドレッサの半径γAである。この距離はさらに計算され、短縮されたベクトルへの追加情報として保存される。ここでのドレッシング時には、座標の補正は変更されないので、ウォームの任意の半径γS上の、又は、任意のロール距離wFS上の全てのベクトルは、ウォームの全幅にわたってシミュレーションが行われた後も、ほぼ同じ長さのままである。この長さは、補正ΔKに依存するウォームの修整fnFSに相当する。

長さのわずかな違いは、ここで説明するアルゴリズムが、時間の離散化による送り出しマーク(feed markings)を起こすことに起因する。これらの送り出しマークと、したがって、ウォームの任意の半径上の複数のベクトルにおける長さの違いとは、時間ステップの短縮と等価である、より微細な時間の離散化により縮小できる。ウォームの全幅にわたってシミュレーションが行われず、ウォームの任意の軸方向シフト位置νzSで中止された場合は、ドレッサとウォームとの接触パスの通過を既に受けたベクトルだけが、ウォームの任意の半径について、ほぼ同じ長さを有する。その他のベクトルは、当初に選択された長さを有するか、既に少なくとも1回は短縮されているが、まだ最終長さを有してはいないかである。これは、これらのベクトルは後に再度短縮されるからである。この事実を利用して、任意のドレッサと、ΔKで表される、該ドレッサに対するウォームの相対位置とについて、非常に正確に接触線を判定可能である。ウォームの任意の半径γFS上、又はロール距離wFS上の全てのベクトルが、この目的のために観察され、どの幅線位置で、ほぼ同じ長さを有するベクトルから、これとは異なる長さを有するベクトルに移行するのかが判定される。したがって、接触線は、補正ΔK及びνzSに依存して、関数bBRFS又はbBwFSで表される。

bFS=bBRFSFSzS,ΔK) 又は bFS=bBwFS(wFSzS,ΔK) …(8) インボリュートウォームについて、接触線は座標(wFS,bFS)における直線によって、非常に近似して表される。

wFSsinρFS(ΔK)+bFScosρFS(ΔK)=XFSzS,ΔK) ・・・(9) 式中、ρFS(ΔK)は方向を表し、XFSzS,ΔK)は直線の位置を表す。方向ρFS(ΔK)の補正ΔKへの依存は、ウォームの形状とドレッサの形状によってのみ得られる程度によく近似しており、方向を仮定できるほど、小さいものである。

接触線が沿って延びるベクトルが決定されると、これらについて事前に保存されたドレッサの半径γFAを読み出し、ウォームの各半径γFSについて、ドレッサのどの半径γFAによってその半径がドレッシングされたかが判定される。この関連は、補正ΔKに依存する。 γFAFAFS;ΔK) …(10)

この方法で接触線の判定及び半径の関連の判定が行われる際の精度は、上記点の選択された距離と離散時間ステップの長さの両方に依存する。理論的には、両方の値は、いくらでも小さいものが選択できるが、実際には、利用可能なRAMと許容可能な最長計算時間とによって制限される。この計算は、実際に、2ギガバイト以上のRAMを搭載した、現在入手可能なPCを使用して、十分正確に実行可能である。

fnSF又はbBRFS又はbBwFS及びγFAを計算するための上記のドレッシングシミュレーションの代替案は、解析計算である。この数学的により複雑な方法には、概して計算がより早く行われ得るという利点がある。

以下では、本発明の根底にある数学的関係を、いくつかの適用事例についてより正確に説明する。

<4点法> 最初に、ウォーム幅の全体にわたって一定である歯形修整の事例について検討する。この修整は、4つのロール距離wFSiに正確に到達するものである(4点法)。4つのロール距離wFSiにおける歯形修整の値fFSiは、座標補正ΔKの関数である。

fFSi=fnFS(wFi;ΔK),i=1,...,4 …(11) 関数F4

上記式は、これより構築可能である。いくつかの歯形修整(fFS1,fFS2,fFS3,fFS4)について、補正ΔKに相当するFFS4の根を計算可能である。補正ΔKは、ウォーム上のロール角(wFS1,wFS2,wFS3,wFS4)において所望の歯形修整を施すために設定されなければならない。関数FFS4が根を持たない場合、歯形修整を正確に施すことはできない。

この計算では、歯形修整は、4つのロール距離において考慮されるのみである。全プロファイルに沿った歯形修整は、全てのロール距離についてのものであり、計算された補正ΔKのfnFS(wFS;ΔK)を使用して決定できる。

根の計算は、例えば多次元ニュートン法のような、数値解析(numerical mathematics)から知られる方法を使用して行うことができる。この目的で、FFS4の部分的微分が数値的に計算され得る。この目的のために、関数FFS4と、したがって、関数fnFS(wFS;ΔK)とを、精度よく計算できる必要があるが、上述の通り、これは本明細書中に記載のアルゴリズムによって可能である。このような数値的方法を使用して、いったいFFS4が根を持つのかどうかを確認することも同様に可能である。これは、例えば、ニュートン法に採用された収束に示されている。根の数値的計算についての考察は、ここに記載のさらなる変形例にも当てはまる。

このことは、任意のウォームと任意のドレッサとについて、施すことが可能な全ての歯形修整の数の計算を可能にする。しかし、実際には、逆解析も特に適切である。逆解析は、所望の修整を施すことができるウォーム形状とドレッサ形状とを判定可能な計算の1つである。

本明細書中に記載の軸補正は、式(8)により表される、ドレッサとウォームとの間の接触線のズレ及び変形を引き起こす。しかし、式(8)により、ウォーム上に指定される任意の点(wFS0,bFS0)が接触線上に来るように、一度で接触線の位置を指定できる。これにより、次の関係が得られる。

bFS0=bBwFS(wFS0zS,ΔK) ・・・(13) 式(12)の関数FFS4とともに、この式を使用して、次の関数^FF4を定義可能である。

この関数の根は、軸補正ΔKに加えて、所望の修整が施され、接触線が点(wFS0,bFS0)を通過するように、ウォームの軸方向位置νzSを供給する。これにより、ウォームの特定の領域だけを直接ドレッシングすることが可能となり、ドレッシング時に必要なオーバーランをできるだけ小さくすることが可能になる。

上記の例を展開して、ウォーム上の修整が幅全体にわたって同じではないようにすることができる。このような修整は、位相修整(topological modifications)と呼ばれる。この目的のために、修整fFSiには、幅線方向の位置bFSへの依存が付与される。

fFSi=fFSi(bFS),i=1,...,4 ・・・(15) 修整が指定されるロール角wFSiも、同様に、幅線方向の位置に依存し得る。

wFSi=wFSi(bFS),i=1,...,4 ・・・(16) この展開は、ドレッシングされたウォームが斜め創成法における創成研削に使用されるときに、特に重要である。この特別な形の創成研削においては、位相修整を具体的にギヤに応用することが可能である。この場合、ウォーム上での同様の位相修整fnFS(wFS,bFS)は、wFS及びbFSに依存する。wFSi(bFS)は、ドレッシング時に、どのロール距離において、幅線方向の位置に依存してどのウォーム上の点において、所望の修整が正確に到達されるかを定義する(図2参照)。例えば、ウォーム上の修整の許容誤差が、全てのwFS及びbFSについて同じではない場合、wFSi(bFS)の自由な選択を使用して、より厳格な許容誤差で、修整を正確に領域に施すことが可能になる。FFSi(bFS)は、次のように求められる: fi(bFS)=fnFS(wFSi(bFS),bFS),i=1,...,4 ・・・(17) したがって、式(14)に類似して、任意のbFS0について、設定すべき補正ΔK及び設定すべき軸方向位置νzSを与える根を持つ関数が定義され得る。しかし、所望の修整fnFS(wFS,bFS)が評価される位置が得られるこの計算では、接触線が4本の線wFSi(bFS)と交差しなければならないことに注意すべきである。これらの追加的条件の結果、ここで取り上げられる関数が、以前の5つの要素に代わって、9つの要素を有する。

<3点法> 最初に述べたように、4点法には、ウォーム上では、ドレッサに導入された修整の位置決めについての制御が一切できないという欠点がある。この問題を解決するために、3つのロール角wFSiにおける3つの修整fFSiだけを取り上げる。以下の方法(3点法)でも、これらの3つのロール角は、最初は一定である。この目的のために、ドレッサの半径γFAによりウォームの半径γFSが形成されるという追加的条件を仮定する。関数FF4と類似して、これから、次の関数FF3が構築できる。

具体的なタプル(tuple)(fFS1,fFS2,fFS3FSFA)について、FF3の根を計算できる。この根は、所望の修整(fFS1,fFS2,fFS3)を施すため、及び、ドレッサの所望の半径をウォームの所望の半径にマッピングするために設定しなければならない補正ΔKに対応する。この方法は、同様に、現在の接触線上にあるべき点(wFS0,bFS0)を指定するという選択肢により展開できる。この目的のために、関数FF3を、式(14)に類似する関数^FF3に展開しなければならない。3点法では、同方法の応用可能性を評価するために、任意のウォーム形状とドレッサ形状とを利用してどの修整を到達可能かが判定できること、又はその逆を判定できることも重要である。すなわち、所望の1つの修整から所望の複数の修整を可能にするウォーム形状とドレッサ形状とを計算することが重要である。この目的で、例として、fFS1=0、且つfFS3=0、且つwFS2=(wFS1+wFS3)/2である、インボリュートウォームを取り上げる。ここで、fFS2/cosβbFVは、cαFSにより表される。なぜなら、修整FFSiとロール角wFSiの選択の結果が、ロール角wFS1と値がfFS2/cosβbFVであるwFS3との間の歯形クラウニングになるからである。ここでこの特別な事例が選択されたのは、歯形クラウニングにより、任意のウォーム形状とドレッサ形状とで所望の修整を施せるかどうかが、実質的に決定されるからである。fFS1,fFS2,及びfFS3について自由に選択された値を有する複数の修整は、ここで取り上げる修正のうちの、fFS1=0且つfFS3=0である1つの修整の重畳、ウォームのネジ山の歯の厚さの変化、及びプロファイル角の補正により受容される。しかし、歯の厚さとプロファイル角は、実質的にウォーム形状とドレッサ形状とに依存することなく、ドレッシング時に補正可能である。一方の歯面をドレッシングするときに、ドレッサが、同じ間隙の他方の歯面と交差することがないようにすることだけが必要である。しかし、実際に重要なのは、ウォーム上の歯形クラウニングではなく、むしろ、ワークピースの創成研削時に施される歯形クラウニングである。ここで、この歯形クラウニングはcαFVにより表され、次式で計算される。

この点につき、歯形クラウニングの評価領域は、ウォーム上の評価領域の始点が、ギヤ上の評価領域の終点を形成するように、且つ、ウォーム上の評価領域の終点がギヤ上の評価領域の始点を生成するように選択される。従来技術から、最も変化のある形状を有するウォームは、研削対象のギヤとともに使用できる。インボリュートギヤとウォームを使用する場合、任意のウォームを使用できるかどうかを決める基準は、上記2つのインボリュートギヤ(ウォームとギヤ)が噛み合うかどうかである。これは、次式に等しい: mbFV×cosβbFV=mbFS×cosβbFS ・・・(20)

以下では、ギヤ上に形成されるべき歯形クラウニングcαFVに依存して、例示的なギヤについての軸補正ΔKの典型的な展開を検討する。軸補正に加えて、軸方向位置νzSについても取り上げる。この点について、歯形クラウニングを形成することなくウォームをドレッシングするように設計されたドレッサも取り上げる。このようなウォームは、ギヤに歯形クラウニングを形成しない。

軸補正の展開は、ギヤ上に施すことができる歯形クラウニングの全領域にわたって複雑な形状を有し、この形状は単純な関数では表すことができない(図6参照)。少量の歯形クラウニングを有する経路から、全ての経路についての信頼できる結論を導くのは特に不可能である。したがって、各事例において、所望の歯形クラウニングについての計算をすることが推奨される。図示の経路の右端部において、軸補正ΔKとウォームの軸方向位置νzSとに、急な増加が見られる。この急な増加は、特に、Δd,ΔφS,及びΔνyAの左端部に認められる。これらの端部は、形成可能な最大及び最小の歯形クラウニングを示している。左端部及び右端部の外側では、関数^FF3は、根を持たない。

上記の経路は、使用されたウォーム及びドレッサの形状パラメータに大きく影響される。図8には、したがって、ウォームの直径dSが大きくなるにしたがって、補正ΔK及び軸方向位置νzSが大きくなり、特に、ΔφS,Δd,及びΔγがかなり大きくなる様子が示されている。図9には、ウォームの条数(number of starts)zSが減少するにしたがって、補正ΔK及び軸方向位置νzSが大きくなり、特に、ΔφS,Δd,及びΔγがかなり大きくなる様子が示されている。図10には、ドレッサの直径dAが大きくなるにしたがって、補正ΔKが大きくなる様子が示されている。図11には、ウォームの法線プロファイル角αnFSが小さくなるにしたがって、補正ΔK及び軸方向位置νzSが大きくなる様子が示されている。このような高い依存性から、本明細書中に記載の適切なウォーム形状とドレッサ形状との選択が、本発明の好適な適用にとって非常に重要であることがわかる。なぜなら、機軸の移動をできるだけ抑えることが、概して有利だからである。

従来技術では、慣例的に、ウォーム上に歯形クラウニングを形成するように、そして、今度はウォームがギヤ上に歯形クラウニングを形成するように、ドレッサが構成される。このようなドレッサが使用されると、このドレッサによって形成される歯形クラウニングが、本明細書の方法を使用して形成される歯形クラウニングに追加される。

軸補正を計算するために、ここでは、歯形上の3点だけが取り上げられた。全歯形領域にわたる全歯形は、fnFS(wFS;ΔK)を使用して決定できる。先ほど取り上げた例について、修整の形は、歯形クラウニングの典型的な形である放物線(図12(b)を参照)に、非常によく対応することがわかった。この方法によれば、円形の歯形クラウニングも、非常に精度よく形成することができる。なぜなら、放物線状歯形クラウニングと円形歯形クラウニングとの差は、極端に小さいからである。

3点法を使うときは、歯形全体にわたり、ドレッサの半径がウォームの半径に確実に関連付けされないことがわかった。1点が維持されると、その他の全ての点への関連付けがずれる(図12(b)を参照)。この影響を等価に理解するために、次式の相対プロファイル伸長が導入される。

式中、wNfFSは、ギヤの創成研削において、歯先円wNaFVを形成するウォーム半径に相当し、wNaFSは、歯元円wNfFVを形成するウォーム半径に相当する。同じ相対プロファイル伸長PFVが、このようなウォームを使用して研削されたギヤ上に施される。しかし、創成研削時には、典型的には、ギヤ上の利用可能な歯元円の各点は、ウォームの利用可能な歯先円の点により形成され、また、逆も成り立つので、ここで取り上げる例では、正確な歯形修整が、ギヤ上の歯元の形の直径において施されるが、不正確な歯形修整は、利用可能な歯先直径に関連付けされる。ギヤ上の歯形クラウニングは、式(19)によって計算される。図13は、3点法の例について、ギヤの創成研削がギヤ上に形成された歯形クラウニングcαFVに依存するとき、相対プロファイル伸長がどのように起こるかを示している。これら4図はさらに、ウォームの条数zS、ウォームの直径dS、ドレッサの直径dA、及びウォームのプロファイル角αnFSが、相対プロファイル伸長PFSのギヤ上の歯形クラウニングcαFVへの依存に与える影響を示している。

相対プロファイル伸長の効果は、ドレッサ上の利用可能なアクティブ領域に影響を及ぼす。

任意のドレッサを使って3点法で形成可能な最大の歯形クラウニングの制限は、この目的のためのウォームとドレッサとの間に設定される相対位置の直接的な結果である。図14a、図14b、及び図15は、インボリュートウォームの例における、非補正ドレッシング運動での相対位置を、異なる視点と距離から3次元で示している。ここでは、ドレッサの右歯面21とウォームのネジ山の右歯面25との間には、接触も貫入も起こっていない。したがって、単歯面ドレッシングは問題なく可能である。ウォームのネジ山の歯底23が、ドレッサの外側ジャケット表面20により、所望の通りにさらにドレッシングされる。しかし、3点法を使用してドレッシングするときは、状況が異なる。図16a、図16b、及び図17は、同じウォームと同じドレッサについて、3点法によるドレッシング運動での相対位置を、異なる視点と距離から3次元で示している。図示のように、ドレッサの右歯面21’と外側ジャケット表面20’とが、とウォームのネジ山の右歯面25’に貫入している。このような貫入が起こると、右歯面25’においてストックの望ましくない除去が起こるので、この方法は使用できない。これを避けるためには、ドレッサの幅をより狭く設計することができる。このため、外側ジャケット表面20’の幅もより狭くなり、右歯面21’は左歯面22’により近づく。幅は、理論的には、外側ジャケット表面20’の幅が0になるまで、狭めることができる。しかし、実際には、製造上の理由から、最小幅を下回ることはできない。このような望ましくない貫入が起こるかどうかは、3点法にしたがって左歯面24’について計算された補正ΔKを使って、右歯面25’についてfnFS(wFS;ΔK)を計算することで判定できる。このように計算された右歯面25’の修整は、現在のストックより下の少なくとも1つのロール距離wFSにあり、概して、望ましくない貫入が起こる。特に、計算した歯形修整が所望の修整よりも下のときは、このような貫入は避けるべきである。3点法による軸位置Δdの変化は、さらなる悪影響を及ぼす。図17に示すように、この度々の負の変化は、外側ジャケット表面20’がウォームの歯底23’の下まで侵入するという結果を招く。しかし、このような侵入は、ある程度までは重大ではない。なぜなら、歯底は、概して、創成研削プロセス時には、ギヤと接触しないからである。しかし、侵入が深すぎると、ウォームのネジ山のアンダカットが起こり得る。このアンダカットは、のちのドレッシングサイクルにおいて、ウォーム上のネジ山が位置すべきウォーム上の箇所から材料を除去することになる。このドレッシングサイクル時には、より小さい直径dSkになるよう、ウォームがドレッシングされる。しかし、上記の材料がなくなると、ウォームのこのネジ山が十分に形成されず、利用できなくなる。このような望ましくないストック除去(stock removal)があるかどうかを確認するためには、単歯面又は両歯面についての現在のウォームの補正ΔKを使ってfnFS(wFS;ΔK)を計算し、ウォームのより小さい直径dsKを求めるとこができる。少なくとも単歯面について、このように計算された歯形修整が、少なくとも1つのロール距離wFSにおける所望の修整よりも下の場合、望ましくないストック除去が起こる。

4点法と同じ方法で、3点法も、修整がウォーム幅にわたって等しくならないように、展開できる。その手順は類似しており、式(15)、式(16)、及び式(17)が3点において成り立つ。

さらに、ドレッサの半径とウォームの半径との関連付けも、ウォームの幅にわたって変化するよう設計可能である。この目的のために、式(18)のFF3の4番目の成分を次式で置換する。

γFAFS(bFS);ΔK)−γFA(bFS) …(22) γFA(bFS)及びγFS(bFS)は、ウォームの幅位置に依存した、ドレッサ半径のウォーム半径への関連付けを表す。図3は、半径の可変な関連付けを使用してドレッシングされたウォームの修整を示している。

3つの異なるロール距離における修整に、追加的条件として半径の関連付けを含めることは、本発明の変形例の1つに過ぎない。原則として、いかなる追加的条件も採用することが可能であり、以下では、例としてそのいくつかを検討する。

例えば、インボリュートウォーム用のドレッサは、ウォームの歯面だけでなく、同時に歯先をドレッシングするためにも使用可能である。このようにすれば、スクラッチプレート(scratch plate)での追加的ドレッシングが省略できるので、ドレッシング時間が短縮できる一方、創成研削時にギヤの歯元を機械加工する目的で、ウォームの歯先に特定の形状を付与することも可能である。このような歯先のドレッシングは、ウォームの同じネジ山で、ほぼ同じ幅位置で行い得る。しかし、別のネジ山、又は、別の幅位置における同じネジ山で行うことも可能である(図21参照)。原則として、歯末と歯面とを同時にドレッシングするよう構成されたドレッサは、ウォームの歯先を、特定のドレッシング運動の正確なレベルでドレッシングするように構成されている。しかし、ドレッシング運動が補正されると、これによって、ウォームの歯先に対する歯先ドレッサの位置決めが不正確になり、ウォームの歯先が、不正確なレベルでドレッシングされるか、不正確な形状が付与される。この問題を解決するためには、追加的な関数として、ドレッサがウォームの歯先を指定されたレベルでドレッシングすることが必要とされ得る。このような変形例により、歯形を修整すると同時に、歯先を正確なレベルでドレッシングすることが可能になる。ウォームの幅にわたって、ウォームの歯先のたけを変化させることも可能である。この追加的条件は、この目的のために、bFSに依存して公式化されなければならない。しかし、ウォームの歯先のたけを監視するだけでなく、2点も指定されるべき場合は、これもまた同様に可能である。この目的のために、2つの追加的条件が公式化され得、これによると、歯面上の2つのロール距離だけが指定可能である。あるいは、歯面上と歯先上とにおいて2つのロール距離が選択される、4点法の変形例を使用することもできる。

例えば、5の自由度が機械では使用できない理由で、又は、ドレッシングが位相であるべき場合、又は、5の自由度がアクティブな自由度として利用できず、機械加工時に変更できない場合など、5の自由度が使えないときは、さらなる代替方がつくられる。自由度の不足は、必要条件として公式化でき、したがって、所望の条件を提供する。不足する自由度は、2までとすることができる。

追加的条件の数によって、修整が到達されるべきロール角の数を減らして、ロール角の数と追加的条件の数との合計が常に4となるようにしなければならない。しかし、特に重要な変形例では、ロール角の数は少なくとも2である。

さて数学的な関係については以上に詳細に説明したので、以下にはそれらの関係から得られる応用について考えることとする。

最初に述べたように、ギヤの研削を創成するウォームをドレッシングしている間の歯形形状がドレッシングプロセスに影響を及ぼされ得るような方法については(インボリュートウォームを用いたプロファイル角の修整を除いて)まだ知られていない。しかしながら、このような歯形修整をより柔軟に指定できるようになれば、実用上大きな効果がもたらされ得る。そうすれば、例えば、いくつかの歯形修整を有するあるギヤに用いるウォーム用に特別に設計されたドレッサ、また、別のギヤ及び/又は別の複数の歯形修整用のウォームをドレッシングするために特別に設計されたドレッサを使用する可能性が開けてくる。このような応用例は、小規模な製造及び契約製造の場合には特に大きな利益をもたらす。なぜなら、高価なドレッサの再利用が可能になるため、コストを削減可能であり、調達時間を節減可能であるからである。別の応用例としては、ドレッサにおける製造欠陥箇所の補正が挙げられる。今日ドレッサは非常に高精度に製造可能にはなっているが、それでも所望の形状から偏差が生じることはある。研削の創成中にドレッサ内にそのような欠陥が発見された場合、従来の技術では、そのようなドレッサは、ギヤカッターにより再ラップ研磨にかけるために製造者の下に送り返さなければならず、これにより高コストな待ち時間が発生することになる。そのような偏差は、ここに開示された方法を用いたドレッシング運動により補正可能であり、これによりドレッサの返品が不要になる。またこのような補正が可能になることにより、歯形修整についての製造公差を低減することが、特に大量生産の場合には可能になる。このような補正は、例えば、ギヤ製造機の制御器に手動で入力することにより実行されてもよいし、あるいはその切削機内の研削歯形修整を測定することにより実行されてもよい。また、このような測定結果に基づいて自動的に実行されてもよい。インボリュートギヤの場合、歯形クラウニングの補正は、特に大きな利益をもたらすものである。

ここに開示されるウォームに対して可変歯形修整を創成する方法を用いれば、斜め創成法を用いて位相創成研削を行う可能性が開けてくる。斜め創成法では、研削ウォームは、創成研削プロセス中、ギヤに対して軸方向に変位されるのみならず、自らの回転軸に対しても軸方向に変位される。これにより、典型的には互いに異なる修整を有する、この研削ウォームの異なる複数の領域が互いに接触する。その結果、研削されたギヤには幅全体にわたって変化する複数の修整が加えられ得る。ウォーム上に施される必要のある位相修整は、ギヤ上に施されるべき位相修整を行い、且つ創成研削プロセス中にギヤ上の複数の点をウォーム上の対応する複数の点に関連付けることにより達成される。ウォーム上に施され得る複数の位相修整のスペクトルが広ければ広いほど、ギヤ上に施され得る複数の位相修整のスペクトルもそれだけ広くなる。従来は、ドレッシング中にウォームの幅全体にわたって歯の厚さとプロファイル角とを変更することだけが可能なだけであった。これに対して、ここに開示される方法を適用したインボリュートウォームによれば、具体的には、歯形クラウニングをウォームの幅全体にわたって変化するように設計することも今や可能になる。3点法を用いてインボリュートウォーム上に創成可能である歯形修整は、図12(b)に示すように、wFSを用いた二次多項式である放物線に非常に良好な近似で記述され得る。歯形修整が影響を及ぼされ得る接触線を記述する式(9)もまた非常に良好な近似で適用される。これら2つの非常に良好な近似同士を組み合わせれば、3点法を用いて創成され得る、ウォーム上の可変位相修整fnFStop3は、以下の式により表され得る。

ここで、C0FS(XFS)、C1FS(XFS)及びC2FS(XFS)は定数関数であり、XFS=wFSsinρFS+bFScosρFSである。この修整に加えて、ドレッサに施された歯形修整もまた付加的に重畳してもよい。この修整fnFSAは、接触線XFSの位置に依存して歯形上に配置可能であり、以下の式のように簡略化され得る。

fnFSA(wFS,bFS)=A(wFS−Δw0FS(XFS)) …(24) ここで、A(w)は上記ドレッサが運動を補正せずにウォーム上に施すことになる歯形修整を表し、Δw0FS(XFS)は、上記ドレッサ上の半径と上記ウォーム上の半径との関連付けを変更することによりもたらされた、上記接触線の位置に依存する、この歯形修整の変位を表す。正確に計算するためには、上記ドレッサ上の半径と上記ウォーム上の半径との実際の関連付けを考慮に入れるために、補正値ΔKに依存する、全てのロール距離に対する相対的な正の伸長を考慮に入れることも追加で必要になる。これは4点法の場合にも同様である。4点法によれば、三次多項式を用いた非常に良好な近似で上記歯形修整を記述可能である。

<両歯面ドレッシング> 本発明において開示される方法は、両歯面ドレッシングにも転用可能である。この目的のためには、例えば、上記3点法による3つのロール角度又は上記4点法による4つのロール角度を両歯面にわたって所望のやり方で分散させればよい。3点法の場合、上記ドレッサの上の半径と上記ウォーム上の半径との関連付けは、両歯面のいずれか1つに対して実施され得る。両歯面ドレッシングにおいて施し得る修整は、歯面1つにつき考慮される点の個数が少なくなるために、1つの歯面に対して施し得る修整に限定される。しかしながら、両歯面ドレッシングによれば、ドレッシング時間の短縮が可能になる。インボリュートウォームの場合、例えば4点の変形例を用いることにより、両歯面上のストック角度及びプロファイル角が、このようにしてある限度内で指定可能となる。3点の変形例によれば、これら4つの数値のうちの3つが指定可能となるだけである。4つ目の結果は自動的に得られるが、ウォームの形状に影響を及ぼされることもある。両歯面ドレッシングは、ウォームに対して歯形のみの修整を施す場合にも使用可能であるし、ウォームに対して位相修整を施す場合にも使用可能である。

したがって、本発明を採用したとしても、必ずしもウォームの幅全体にわたって適用可能となるわけではない。したがって、本発明の基礎をなす方法を用いて、ウォームの一部のみがドレッシング可能なこともある。また、ウォーム上の同様の方法で修整された複数の領域、又は異なる複数の方法で修整された複数の領域を適用することも可能である。このような領域は、粗面化及び/又は仕上げに用いられ得る。2つの隣接する修整された領域が直接隣り合わせで配置できない事態も頻繁に発生する。これにより生じる修整された領域間の距離は、必要な場合には、粗面化領域として利用することも可能である。そのようにすれば、複数の部分的に修整された領域に分割されたウォームをほぼ完全に利用することができる。

<曲線適合> 斜め創成法を用いて位相修整の創成研削を行う際に必要とされる位相修整では、研削は、ギヤ上の複数の点をウォーム上の複数の点と関連付けることにより決まるが、これにより、式(23)による形状と、上記ドレッサにより可変に配置された修整とが常に組み合わされるわけではない。とはいうものの、ある場合には、上記ウォーム上で必要とされる修整を、上記方法を用いて施され得る修整により十分に近似することも可能である。このような近似は、例えば、曲線適合を用いることにより実行可能である。このような曲線適合では、上記3点法とは異なり、歯形上の3点を軸補正値ΔKの計算時に考慮に入れるだけではなく、優決定方程式系(overdetermined equation system)が得られるように、少なくとも4点を考慮に入れる。次に、距離関数を最適化することにより、この方程式系を解く。このような距離関数において、別々に考慮された複数の点には、必要な場合には、それぞれ異なる重み付けを行ってもよく、あるいは、異なる複数の距離関数を用いてもよい。このように距離関数や重み付けに関して異なる選択肢を用意することは、考慮した複数の点の公差の全てが同じではない場合には有益である。このようにすれば、例えば、より厳しい公差を持つ点には、より大きな重みを与えることもできる。全ての点に対して同じ重みを付ける曲線適合の典型的な変形例としては、2ノルムを距離関数として用いる最小自乗法が挙げられる。ドレッサ上の複数の半径をウォーム上の複数の半径と関連付ける条件は、二次的な条件に関する最適化の問題が得られるように、曲線適合を用いて維持可能である。とはいうものの、この条件を上記距離関数に含めることも可能である。なぜなら、このような関連付けには、通常同様の誤差が許容されるからである。また、同様に、ウォーム上及びドレッサ上の異なる複数の半径についての複数の関連付けを上記距離関数に含めることも(そのような関連付けを1つだけ順守すればいいというのでなければ)可能である。これは、ドレッシングが両歯面に対してなされる際には、特に有益である。また、このような曲線適合は、ここに記載したその他の方法(具体的には、4点法や、1つ又は2つの所望の追加条件を持つ変形例など)の拡張としても同様に用いることができる。それらの追加の条件は、一般に、上記距離関数の一成分でもあってもよいし、また厳密に順守すべき二次的な条件として生かしてもよい。

曲線適合は、位相修整の一般的なケースで利用可能であるのみならず、歯形のみの修整の特殊的なケースでも同様に利用可能である。

<円錐形ウォーム> ここに記載される方法は、円柱形ウォームに限定されるわけではなく、円錐形ウォームにも直接転用可能である。ここで、円錐形ウォームとは、その左右の歯面において互いに異なる前進距離を有するウォームを意味する。そのような円錐形ウォームの一例を図36(b)に示す。インボリュートウォームの場合、それらは「ベベロイド」と呼ばれる。円錐形ウォームをドレッシングする際には、ドレッサ上の複数の半径のウォーム上の複数の半径(ウォームの幅全体にわたって変化する)への関連付けは、特に重要である。なぜなら、このようなウォームは、テーパ状であるため、全ての幅直線位置において異なる直径範囲にわたってドレッシングされるからである。したがって、ギヤの先端リリーフの開始部を研削するウォーム上の複数の点は、例えば、各幅位置において異なる半径に位置する。

<小直径を有し、及び/又は条数の多いウォーム> 最初に述べたように、ほとんどの場合、いくつかの具体的なウォーム直径用に構成された複数のドレッサを広い範囲のウォーム直径に適用することができる。これにより、ドレッシング時にウォームに対して所望の歯形修整を施すことが可能になり、その結果、ギヤに対しても正しい歯形修整を施すことができる。しかしながら、研削対象であるギヤのモジュールに対するウォーム直径の比が小さすぎたり、条数が多すぎたりするときには、このようにうまくはいかなくなる。例えば、干渉する輪郭が原因でこれ以上大きなウォームに対して研削を創成することが不可能な場合には、小さい直径を有するウォームを用いることができる。別の応用例としては、大型のモジュールを有するギヤの研削が挙げられる。利用可能なウォームの直径には上限があるので、モジュールが増大するにつれて、ウォームの直径のモジュールに対する比は低下する。また、近年のギヤ製造機が高いテーブル回転速度(table speeds)を実現する能力を考慮すれば、より多くの条数を有するウォームを用いることも可能である。

このようなウォームを用いる場合、新品状態のウォーム用に構成されたドレッサは、従来技術の方法によりドレッシングを行うと、小さい直径に対しては歯形欠陥を生じ、インボリュートウォームの場合には、歯形クラウニングを生じるという問題がある。この歯形欠陥又はこの歯形クラウニングが、許容誤差を除くウォーム直径未満である場合、与えられたドレッサを用いてウォームをこれ以上ドレッシングすることはできなくなる。これにより、最大有用層厚さ(maximum useful layer thickness)が制限される。従来、このような問題は、異なる直径範囲については異なるドレッサを用いることによってのみ、解決可能であった。しかしながら、上に述べた方法によれば、ドレッサを一個だけ用いることにより、歯形形状をより広い直径範囲で一定に保つことが可能になる。この目的のためには、上記ドレッサは、上記ウォームに合わないドレッサと見なされ、ドレッシング運動は、上記ウォームに対して所望の歯形形状が実現されるように決定される。インボリュートウォームの場合、上記ドレッサ上の半径が上記ウォーム上の半径と関連付けられるように、ここでは上記3点法が好ましくは用いられる。しかしながら、この方法では、ギヤに対して生成される相対的プロファイル伸長が総じて望まざるものになる(図19(a)を参照)。このような相対的プロファイル伸長は、ドレッサに施された歯形修整を、ギヤのある直径の最大値で正確に関連付けしなければならない場合には、重要ではない。このことは、例えば、リリーフを1つだけ歯形に導入すべきときにいえることである。しかし、歯形修整がそのような直径を(例えば歯先リリーフと歯元リリーフにおいて)少なくとも2つ有するのであれば、これら2つの点は、ウォームの直径が小さくなればなるほど、上記相対的プロファイル伸長により、ますます互いに接近することになる。これら2つの点の間の距離がウォーム直径に対する許容誤差範囲外であれば、そのようなウォームはそれ以上ドレッシングすることも使用することもできなくなる。この問題は、互いに異なるプロファイル角αnFSを有する複数のウォームを用いて、ギヤを研削するという可能な選択肢により解決可能である。直径dS0を有し、プロファイル角αnFS0を有するウォームに対してドレッサを構成する場合、そのようなドレッサは、上記3点法を用いて、より小さい直径と、異なるプロファイル角とを有するウォームをドレッシングするのに使用可能であり、ギヤ上の歯形クラウニングが所望の仕様に対応するようにすることができる。図19(b)は、固定されたウォーム直径に対して生じる相対的プロファイル伸長が、選択されたプロファイル角といかに異なるかを示す図である。これらの経路に関する「経路0」が、示された3つの条数について存在する。すなわち、「経路0」とは、相対的プロファイル伸長が0であるようにプロファイル角が選択され得ることを意味する。図19は、異なる複数のウォーム半径についてこのようにして決定されたプロファイル角を示す。上記3点法と、適切なプロファイル角の選択とをこのように組み合わせることにより、ウォーム直径が小さく、及び/又は多くの条数を有するギヤの歯形形状を、非常に広いウォーム直径領域にわたってほぼ一定に保つことが可能になる。

非対称ギヤの場合でも、歯形エラー又は歯形クラウニングを同様に補正することができる。インボリュートウォームについても相対的プロファイル伸長を同様に補正すべき場合、そのようなウォームのプロファイル角を介した補正は、円柱形ウォームを用いた研削中にいくつかの制約の元でのみ可能となる。相対的プロファイル伸長の消滅を可能にするプロファイル角の計算は、左右の両歯面について別々に行う必要があり、通常、そのような計算を行えば、もはやギヤ研削の創成に適さないウォームが作成されることになる。その理由は、式(20)がもはや両歯面についてともに満たされるわけではないからである。しかしながら、ギヤ装置が研削可能であり、且つ左右の歯面における相対的プロファイル伸長が最小化されるように、左右の歯面上のそのプロファイル角が選択されれば、円柱形ウォームを用いることもできる。あるいは、円錐形(ベベロイド)ウォームを使用することも可能である。次に、上記ギヤ装置がこのウォームを用いて研削可能であり、且つ両歯面上の相対的プロファイル伸長が0となるように、このウォームの円錐角が選択され得る。

<多重ストロークドレッシング> できるだけ経済的にドレッシングを実行可能とするためには、ドレッシング中にウォームの歯先から歯元まで接触するドレッサを用いるのが有益である。本発明によれば、このようなドレッサを用いて歯形形状に影響を及ぼすことが可能になるが、汎用のドレッサでは可能ではない歯形修整もある。しかしながら、契約製造(contract production)及び小規模の製造(small batch production)の場合には、高度の柔軟性が要求される。したがって、噛み合領域(active regions)がより狭いドレッサを用いると、一回のストロークにつきそのようなドレッサを用いてドレッシング可能なのは、上記歯形の一部のみであり、これらの領域のそれぞれにおいて、ここに記載する方法が利用可能となる。具体的には、3又は4のロール距離における修整を指定可能である。これにより、歯形修整を非常に柔軟に設計することが可能になるが、従来の技術により知られている点接触による外形ドレッシングと比べると、はるかに少ない回数のストロークが必要になる。ここで、各ストロークにおけるドレッサの噛み合領域を、現在のストロークでドレッシングされるべき領域に関連付けるためには、好ましくは、上記3点法が利用可能である。図20(a)は、3つの領域30、31及び32から構成される歯形修整fnFSを一例として示す。これらの領域のそれぞれについて、プロファイル角偏差と歯形クラウニングとを個別に指定可能である。領域30及び32はそれぞれ、一回のストロークでドレッシングされ、メインのプロファイル31は、四回のストロークでドレッシングされる。ここで、ドレッサ上の噛み合領域のサイズは、領域34がウォームの利用可能な歯底円直径wNfFS未満で開始するように選択される。このように利用可能な歯底円直径未満に低下しても、ある限界内に収まっていれば重要ではない。なぜなら、ウォームのこの領域は、研削を創成中、通常はギヤ装置と接触しているからである。しかしながら、ドレッサをこれに対応して広い範囲から選択可能とすれば、利用可能な歯底円直径が低下しない噛み合領域の場合と比べて、メインのプロファイルに要求されるストローク回数が減少するという効果が得られる。このようにすることで柔軟性を失うことなくストローク回数をさらに減少させるためには、好ましくは互いに異なるサイズである、複数の噛み合領域を有するドレッサを用いるという選択肢もある。そうすれば、ウォーム上の異なる複数の領域を、ドレッサ上の異なる複数の噛み合領域でドレッシングすることが可能になる。先ほど検討した例で、ドレッサの複数の噛み合領域のうち広い噛み合領域をメインのプロファイルに選択すれば、これに必要なストロークの回数を4回から2回に減らすことができる(図20(b)を参照)。このようなドレッサ及びこのような関連付けを記述する方法は、既に独国特許第19624842号明細書により公知である。しかしながら、上記特許に記載される方法によれば、ドレッシング運動を介して個々の領域のプロファイル角を指定することが可能なだけであり、3点又は4点で実現可能な、より複雑な修整を指定することは、不可能である。具体的には、個々の領域で歯形クラウニングを指定することは不可能である。実現可能な歯形クラウニングは、ドレッサに施された修整から得られるに過ぎない。

複数回のストロークによるドレッシングは、歯形のみの修整を創成する場合のみに使用可能というわけではなく、一回のストロークによるドレッシングの場合と同様に、位相的に補正されたウォームのドレッシングにも直接転用可能である。一回のストロークでドレッシングされた複数の領域を、ウォームの幅全体にわたって変位させることも可能である。したがって、例えば図20(a)に示す領域30と領域31との間の遷移位置、又は領域31と領域32との間の遷移位置は、ウォームの幅全体にわたって自由に指定可能である。このようにして修整されたウォームは、その後、例えばギヤに対して斜め創成研削を行うことにより、ギヤの幅全体にわたって変化する歯先リリーフ及び歯元リリーフの開始点実現に用いることができる。

複数回のストロークで使用されたドレッサは、その後ウォーム上に具体的に配置される修整を既に含んでいる。したがって、ドレッサは、例えば、上記歯末のリリーフ、メインプロファイルの一部、及びそれらの間のキンクを創成するのに用いられる領域を有し得、且つ上記歯元のリリーフ、メインプロファイルの一部、及びそれらの間のキンクを創成するのに用いられる第2の領域を有し得る。上記プロファイルの上部が次に第1の領域を用いて一回のストロークでドレッシングされ、上記プロファイルの下部が第2の領域を用いてドレッシングされる場合、これらの歯先リリーフ又は歯元リリーフの経路の開始点は、ウォームの幅全体にわたって互いに独立して指定可能であり、上記プロファイルの上部と下部との間の遷移領域で、接線遷移が実現可能となる。このようにしてドレッシングされたウォームは、斜め創成研削で利用可能であり、これにより、幅位置に依存してギヤ上の歯先リリーフ又は歯元リリーフの開始点を自由に指定することができる。

また多重ストロークドレッシングの場合、1つよりも多くのドレッサを用いることは原則として可能であり、これにより、異なる複数のドレッサを用いて個々のストロークを実行することが可能になる。それらのドレッサは、それぞれに異なる修整及び/又は形状を有し得るものであり、したがって、一層柔軟なドレッシングを可能にするものである。

<具体的には歯形クラウニングである、実現可能な最大の歯形修整の検討と、適切なドレッサ及びウォームの選択> 上で既に言及したように、純粋にドレッシング運動に基づいて施し得る修整は、異なる複数の条件により限定される。それらの条件とは、すなわち、 ・上記数学的部分において構成された上記複数の関数に根が存在することにより決定され得る、純粋に数学的な限定 ・上記ドレッサの上記側歯面への衝突 ・上記ウォームのネジ山のアンダカッティング、及び ・上記相対的プロファイル伸長 これらの制限を与える歯面の全ては ・上記ウォームの条数zS ・上記ウォームの直径dS ・上記ドレッサの直径dA、及び ・インボリュート歯形の場合、上記ウォームのプロファイル角αnFS に依存する。

また、側歯面とアンダカッティングとの衝突は、ドレッサの外側ジャケット面の幅及びウォームのネジ山の厚さにも依存する。研削対象であるギヤについて、これらの形状値に基づいて結果として得られる可能な最大の修整量は、数ケタの範囲に及ぶことがある。インボリュートギヤの場合、本発明により施し得る可能な最大の歯形クラウニングは、したがって、上記形状値次第では、0.01μm未満から100μmを超える範囲に及び得る。この方法を適用するためには、これらの関係を理解し、適切な形状を選択することがいかに重要であるかが、この例からもわかる。今日頻繁に用いられる典型的なウォーム及びドレッサでは、可能な歯形クラウニングは小さいことが多く、非常に小さいことすらある。

本発明による上記方法を用いて、ある与えられた修整されたギヤに関し、ある与えられた形状値の集合について、好ましくは上記ドレッサに施された修整を検討しつつ、その製造能力をチェックする、演算装置/ソフトウェアもまた本発明の一部を構成する。例えば、インボリュートギヤ装置を用いて20μmの歯形クラウニングを形成すべきだが、15μmの修整を施すことが可能なドレッサしか利用可能でない場合、例えば上記3点法を用いて、与えられた形状に対して5μmの歯形クラウニングが形成可能かどうかをチェックしなければならない。このような演算装置/ソフトウェアは、また、あるギヤ装置において、ドレッサに施す修整を含む各種形状サイズの集合に対して本発明により施し得る全ての修整を計算する関数をさらに有してもよい。例えば、インボリュート歯形の場合、創成可能な最大歯形クラウニング及び最小歯形クラウニングが決定され得る。上記ドレッサが上記ギヤに対して歯形修整としてマッピングされるべき修整を含み、且つその修整の上に、本発明により施される修整が重畳されるべきであるとき、その修整が、発生する相対的プロファイル伸長により、上記ギヤ装置上に許容誤差の範囲内で正しくマッピングされるかどうかを、必要な場合にはさらにチェックしなければならない。

逆に、演算装置/ソフトウェアは、修整されたギヤ装置、及びドレッサに施す修整を含む、複数の形状値の不完全集合について、残りの形状値に対応する提案値を計算する機能をさらに有していてもよい。例えば、修整を施されたドレッサとともに、ウォームの条数が与えられた場合、そのウォームの直径及び/又はそのウォームのプロファイル角は、本発明による方法を用いて必要な修整が施されるように決定され得る。そのような演算装置/ソフトウェアが、利用可能な複数のドレッサ及び/又はウォーム直径を示すデータベースを有する場合、そのソフトウェアは、具体的な修整を施すのに適切な全ての組み合わせを決定することができる。そのようなデータベースは、また、それらのウォーム直径に加えて、又はそれらに代えて、予め歯形修整された利用可能なウォームに関するデータを含んでいてもよい。そのようなデータとしては、例えば、条数と、直径と、テーパと、プロファイル角と、前進距離とのうち少なくとも1つを含み得る。このような機能は、接触ギヤカッター(contact gear cutters)には特に有益である。なぜなら、こうすれば複数のウォームと複数のドレッサとを異なる複数のギヤに用いることが可能になるからである。

このような計算は、歯形のみの修整の場合のみに実行可能というわけではなく、ウォームに対して位相修整を施す場合にも実行可能である。その計算は、例えば、この目的のために、複数の離散幅位置について実行されることもある。この計算を行うことにより、例えば式(23)に基づいて関数C0FS(XFS)、C1FS(XFS)及びC2FS(XFS)に対する可能な関数値が得られる。またこの計算は、創成可能な位相修整(具体的には接触線に沿って施し得る最小及び最大歯形クラウニング)の量も表す。これらの最小限必要な歯形クラウニング及び最大限必要な歯形クラウニングがある位相修整について既知であれば、次に適切な形状値が決定可能となる。このような機能は、契約製造や小規模製造の場合(具体的にはこのような位相修整を施す場合)に非常に重要であるのみならず、大量生産施設用のプロセス設計を行う場合でも非常に重要である。適切な形状値及びドレッサを決定する計算の逆を行う場合、最も重要な幅位置が考慮に入れられる。

<省略された条又は噛み合わない条を有するウォームの使用> 具体的には歯形クラウニングである、単一歯面ドレッシングにおいて施し得る最大の歯形修整を検討すると、そのような修整は、 ・ウォームの条数が増加するとき、 ・ウォームの直径が減少するとき、 ・ドレッサの直径が減少するとき、 ・ドレッサの外部ジャケット面の幅が減少するとき、 ・ウォームのネジ山の厚さが減少するとき、及び ・インボリュートウォームにおいてプロファイル角が増加するとき に増大することがわかる。ここで、優勢な制約としては、側歯面とアンダカッティングとの衝突が挙げられる。上記形状値に対してこのような制約を与えると、プロセスに対して悪影響が及ぼされ得る。したがって、例えば、条数を増やし、ウォームの直径を小さくすると、切削速度が一定である一方でテーブルの回転速度が増加する結果となる。近年のギヤ製造機では一層高いテーブル回転速度が許容されてはいるものの、要求されるテーブル回転速度が技術的に可能なテーブル回転速度を容易に超える事態はなお発生し得る。これに加えて、創成研削時にはウォーム上の接触線がより長くなり、且つますます多数の研磨粒子が噛み合ってくるので、より大きな直径を有するウォームを用いることにより、一面では、より良好な粗度値が実現され得る。噛み合面が小さくなることにより、耐用年数が短くなる限りでは、ドレッサの直径を小さくすると、不利益が生じ得る。このような具体的なケースにおいて発生するこれらの制約を避ける可能な方法としては、例えば、空隙においてより大きな空間を残すことにより、衝突やアンダカッティングを回避可能とする目的で、ウォームにおける個々の条を省略するやり方が挙げられる。例えば、条数が2であるウォームを用いて研削を行うべき場合、ドレッシング中にそれら2本の条のうち1つを少なくとも部分的に取り除けば、その条は研削プロセス時に噛み合わなくなる。また、必要な場合には、歯元の半径を元々のウォームの半径よりも縮小してもよい。このようなウォームを用いて研削プロセスをどう行うかは、ギヤ装置の歯の個数に依存する。ギヤ装置が奇数個の歯を有する場合、プロセスは元の研削ストロークの回数のままで実行可能であるが、技術上のパラメータを実質的に変更しないようにするためには、送り出しは半分にすることになる。一方、歯の個数が偶数である場合、全てのストロークは、元の送り出しの倍で実行され、ギヤ装置は、各ストロークを繰り返す前に、1ピッチだけ回転される。この原則は、より多くの条数についても直接拡張可能である。なぜなら、周期的に発生するピッチジャンプを回避すべく、機械加工を一回のストロークで実行可能なように条数を選択することは、有益であるからである。また、残っている歯のうち隣接する2つのネジ山よりも多くを取り除くこと、及び/又は、同様に残っているネジ山の間から取り除くネジ山の個数を選択することも可能である。

<軸の差分の検討> 複数の形状値の集合について、ある与えられた歯形修整の製造能力をチェックする際、又はある与えられた歯形修整に基づいて複数の形状値からなる集合を決定する際には、先に述べた制約に加えて、ドレッシングに必要な軸補正値ΔKを検討することも有益である。図8、図9、図10及び図11は、それらの形状値のうちの4つが軸補正値に及ぼす(一部は非常に甚大な)影響を示す図である。しかしながら、補正値が大きすぎると、悪影響が及ぼされることがある。軸を大きく動かしすぎると、例えばウォーム及び/又はドレッサと、機械の部品との間に衝突が生じることもある。別の問題としては、ドレッサをウォームに対して位置決めする際に、移動距離が長すぎると偏差が生じることが挙げられる。選択された形状値次第では、軸補正の量が、施すべき歯形修整の量を超える大きさの場合もある。そのような場合、軸補正の量は、最新技術による方法で典型的に要求される軸補正量を大幅に上回ることになる。施された修整に対してそのような偏差が及ぼす影響は、関数fnFS(wFS;ΔK)を用いて計算することができる。ここでΔKには偏差が与えられる。軸補正量に依存して、主に機械的にもたらされる軸の偏差が既知である場合、施すべき歯形修整に対する影響及びその歯形修整における誤差を計算することができる。次に、歯形修整における誤差が与えられた許容値未満になるように形状値が決定され得る。同様のこと(observation)は、位相修整を施す場合にもそのまま当てはまる。その場合、計算は、好ましくは、接触線上の異なる複数の位置について実行される。

今述べたばかりの偏差は、物理的な軸のズレによっても、また例えば台の傾きのようなその他の機械的なズレによっても発生する。与えられた機械が移動装置を有し、式(3)により座標B1〜BNSを計算しても一義的な解が得られない場合、ウォームとドレッサとの同じ相対位置に帰結する座標B1〜BNSの集合は複数個存在する。そのような移動装置を有する機械の一例を図22に示す。その移動装置は式(4)により表現され得る。座標B1〜BNSに対する一義的な解とは、原則として、異なる複数の軸位置が同じ相対位置に帰結することを意味する。これらの異なる解によれば、ドレッサをウォームに対して位置決めする際に、通常は異なる複数の偏差を発生させるものであり、したがって、軸補正量ΔKについても異なる複数の偏差を発生させる。本発明を適用すれば、解は、歯形上にそれらのズレによりもたらされる誤差のうち、最小の誤差を生じるものが、好ましくは選択される。必要な場合には、ウォーム、ドレッサ及び機械部品のうち少なくとも1つと、その他の機械部品との間で発生し得る衝突もまた、適切な解を選択する際に考慮され得る。ここで解を選択するに当たって運動学的局面もまた考慮に入れることが可能であれば、位相修整を施す場合にも、同様のこと(observation)はそのまま当てはまることがある。個々の具体的なケースについて解を適切に選択することにより、技術的には望ましからぬ1つ以上の軸方向の反転といった事態は回避可能となる。そのような軸方向反転、及び/又はドレッシングする対象であるウォームの幅全体にわたり大きな偏差を有する軸値の設定が回避不可能である場合には、特に信頼性の低い軸値が移動する接触線の位置が、いくつかの具体的なケースでは接触線の位置に影響を及ぼすこともある。位相修整の許容値が全ての位置で同じではない場合、高い許容値を有する複数の領域を接触線で掃引する際に、大きな偏差を有する望ましからぬ軸値が、好ましくはこのようにして設定され得る。

<修整誤差に起因する軸偏差の計算> 軸の偏差が既知でない場合、それらの軸偏差によりもたらされる歯形の誤差からそれらの軸偏差を逆算することもできる。この目的のために、本発明の基礎をなす計算法を、実際に施された歯形修整から軸補正量ΔKを計算するために用いる。このようにして計算された軸補正量は、ドレッシング中に機械に設定された軸補正量と比較されることにより、軸値の偏差がその差に基づいて得られる。位相修整がドレッシングされる場合、接触線上の異なる複数の位置についてこの計算が実行され得る。このようにして、異なる複数の軸値について偏差が得られる。偏差が既知である場合、軸値はしたがってさらなるドレッシングプロセスで補正され得、歯形誤差はこのようにして最小化され得る。

この目的で必要な、ウォームに対して実際に施される歯形修整は、通常、直接的に知ることはできず、直接的に計測可能なものでもない。しかしながら、それらの修整が研削されたギヤ装置にマッピングされることにより測定可能となり、その歯形修整に基づいて、ウォームに施した歯形修整が計算可能となる。このことは、位相修整されたウォームに対する斜め創成研削の場合にも同様に当てはまる。その場合、ギヤ装置上の複数の点と、ウォーム上の複数の点との関連性を知ることが必要になる。しかしながら、このような関連付けは、この場合、通常は既知のものである。なぜなら、ウォームの位相修整を決定する際にそのような関連付けが既に要求されるからである。

<プロファイル伸長の具体的用途> プロファイル伸長の効果を具体的に用いることもできる。例えば、修整されたドレッサを用いてウォームをドレッシングすべきだが、ドレッサに施された修整が、ウォームに対して伸長又は圧縮された歯形修整をもたらす場合、ウォームに施される歯形修整が正しく伸長されるように、本発明による方法をこのように用いて相対的プロファイル伸長を設定することができる。相対的プロファイル伸長が施されれば、例えばインボリュート歯形に対しては、歯形クラウニングが同時に生じる。中でも与えられた相対的プロファイル伸長に対してこれがいかに大きいものであるかは、ウォーム及びドレッサの形状値に依存する(図13参照)。具体的なケースでは、この歯形クラウニングは非常に小さいため、実質的に伸長のみが結果として生じ、歯形クラウニングは同時に生じないことがある。したがって、ウォームの形状はこれを達成可能なように選択され得る。しかしながら、プロファイル伸長だけではなく、ドレッシング運動によりもたらされる歯形修整、具体的には、インボリュートギヤの場合には歯形クラウニングもまた、仕様により達成可能であるように、ウォームの形状を選択することも可能である。このことは、位相修整されたウォームのドレッシングにも転用可能である。これにより、具体的にはウォームの幅全体にわたって適切なウォーム形状及びドレッサ形状に応じて、プロファイル伸長を変化させることが可能になり、無視できるほどに小さい歯形クラウニングを施すことも可能になる。具体的にはウォームの幅全体にわたって、プロファイル伸長及び歯形クラウニングの両方を互いに結合されるように変化させることも可能である。この結合は、正確に整合されたウォーム形状とドレッサ形状(具体的には条数、プロファイル角、及び両者の直径)とを用いることにより、要求どおりに設定され得る。第1のアプローチによれば線形であるこの結合は、図13に示される。プロファイル伸長及び例えば歯形修整は、現在の接触線に沿ったそれぞれの幅位置について有効である。非対称なギヤの場合、及び/又は、左右の歯面について結合が難しい場合、具体的には円錐形のウォームを用いることができ、円錐角の変化を、左右の歯面上に結合を別々に設定することにも用いることができる。しかしながら、ウォームの直径が小さくなればなるほど、この結合はより変化することになる。そのような結合の変化は、その後、プロファイル角をこれに対応して適合調整することにより補正され得る。

2.斜め創成研削の説明 本発明の第2部においては、円柱形及び円錐形(ベベロイド)のインボリュートギヤ歯の歯面(flank)に特定の種類の位相表面修整を施す方法が説明される。ギヤ歯は、対称でも非対称でもよい。すなわち、左右の歯面のプロファイル角は、異なっていてもよく、そうでなくてもよい。この方法は、中でも、以下の製造方法において使用される。 ・ギヤのホブ切り ・スカイビングホブ切り ・シェービング ・創成研削 ・ホーニング

本発明の方法を創成研削に使用すれば、ドレッシング可能な(dressable)工具及びドレッシング不可能な(non-dressable)工具の両方が使用できる。歯形ローラドレッサを使用することにより、1つ又は2つの歯面のドレッシングが可能であるが、1つ又は2つの歯面に等しく外形ドレッシングできる。

機械加工プロセスは、全長にわたって修整される工具をプロセス中に軸方向に変位させて、実施される(斜め創成法)。

左右の歯面で異なる又は異なってもよいパラメータは、指数Fを用いて提供される。Fはl(左)又はr(右)であり得る。指数Fが含まれる式は、常に左右の歯面で成り立つ。本明細書で検討するインボリュートギヤ歯は、ベースの半径(rbr,rbl)及びベースらせん角度(βbrbl)に応じて、次の4種類に分類される。

まず、最初に説明する方法を使用して施され得る位相表面修整の集合は、以下のように決定される。この目的のために、位相表面修整についての慣例的な説明をまず検討する。これらの修整は、関数fFt(wF,zF)を用いて表される。wFは、ロール距離であり、zFは幅線方向における位置である。位相表面修整は、関数FFtC、FFtL及びFFtQがあるとき、ここで取り上げる表面修整の集合に属し、関数fFt(wF,zF)は次式(25)で表せる。

ここで、 XF=wFsinρF+zFcosρF …(26) fFt(wF,zF)は、正確な表面修整、あるいは少なくとも近似的な表面修整を表す。したがって、それぞれのXFは、座標(wF,zF)における歯面上の直線を一義的に定義する。

例示的な意味では、表面修整のこのような定義は、その表面が放物線(二次多項式)の形状を有するか、又はXFにより与えられる全ての直線に沿って、その放物線により近似可能であることを意味する。この放物線の形状、及びしたがってその多項式の係数は、そのような直線の全てについて異なり得る。それらの係数は、上記関数FFtC、FFtL及びFFtQによりXFに依存して与えられる。個々の係数又は全ての係数があるXFについて0に等しいケース、具体的には、ある具体的なXFについての放物線が一次関数又は定数関数に縮退するケースも含まれる。また、全てのXFについてFFtQ=0である具体的なケースも含まれる。この場合、XFにより規定される直線に沿った表面修整は一次関数により与えられる。ここで、その関数は、あるXFについては、定数関数に縮退し得る。

ρF=0である特殊なケースでは、表面修整は、純粋に歯すじの修整である。すなわち、いかなる正面断面においても、表面修整は歯形全体で一定である。ρF=±π/2である特殊なケースでは、表面修整は、純粋に歯形線の修整である。

本明細書中で検討する製造方法の1つを使用して、本明細書中で検討する表面修整を偏差なく施せる方法、又は十分な修整を施せる方法は、いくつかの特別なケースを除いて、これまでのところ知られていない。表面修整とは、送り出しのマーキング及びおそらくは創成切削を別として、偏差なく、本明細書中では理論上は所望の修整からの偏差なく施すことが可能な表面改修を意味する。

以下、本発明の基本となる思想をより詳細に検討する。これは、創成研削の一例について説明されるが、その類似性から、本明細書中で検討する製造方法の全てにおいても同等に使用され得る。インボリュートギヤ歯の創成研削には、同様に、概してらせん角が大きいインボリュートギヤ歯を有するウォームが使用される。このウォームと、機械加工プロセス中に作製されるギヤ歯の端部形状との間には、理論上の点接触がある。ワークピース及び工具の両者のギヤ歯の歯面EFの表面は、典型的には、ロール距離(wF)と幅線方向(zF)における位置についてパラメータ化される。

sFは、左右の両歯面についての方程式を簡潔な形式で記述するのに用いられ、以下のように規定される。

このパラメータ化により、簡単な関係を計算することで、工具とワークピースとの接触点の経路が得られる。ワークピースの軸方向送り出しと工具のシフト移動により、この範囲はワークピースと工具との両方の上で連続的に変位させられる。これらの範囲を知ることで、ワークピース上の1点を工具上の1点に、又はその反対に、明確に関連付けすることができる。この関連付けにより、ワークピースの軸方向送り出しと工具のシフト移動との比(以下、対角比と呼ぶ)と、工具の表面修整とが適合し、これによって、ワークピース上に所望の修整が施される。

上記の関係を数学的に公式化するために、次の定義づけをする。

次の用語が変換のために使用される。 ・Rχ(φ) χ軸周りの角度φの回転。y及びzに類似。 ・Tχ(ν) χ方向へのパスνによる並進運動。y及びzに類似 ・H(A1,・・・AN) N座標のA1からANまでの合計により同次変換行列で表記可能な一般変換 本明細書中、「座標」という用語は一般的な座標を指し、必ずしも独立的(非依存)座標を指すとは限らない。

静止系(system of rest)におけるギヤ装置の回転軸は常にz軸と一致する。ギヤ歯の中心はz=0の位置にある。

上記関係を表す公式によって、ワークピースと工具との相対位置を説明する運動連鎖が決定されることがさらに重要である。これは、工具又はワークピースが円柱形か円錐形かに左右される。本明細書中では、全ての可能な組み合わせ4つについて検討する。以下では、工具に関係のある値には、指数1が付与され、ワークピースに関係のある値には指数2が付与される。

<円柱形工具と円柱形ワークピースとの運動連鎖> 工具とワークピースとの相対的位置は、次の運動連鎖KRによって表される: KR=Rz(−φ1)×Tz(−zV1)×Ty(d)×Ry(γ)×Tz(zV2)×Rz2)・・・(28) ・φ1:工具の回転角度 ・φ2:ワークピースの回転角度 ・zV1:工具の軸方向送り出し(シフト位置とも呼ばれる) ・zV2:ワークピースの軸方向送り出し ・d:中心間隔(工具/ワークピース) ・γ:軸交差角(工具/ワークピース)

<円錐形工具と円柱形ワークピースとの運動連鎖> 工具とワークピースとの相対的位置は、次の運動連鎖KRによって表される: KR=Rz(−φ1)×Ty(rw1)×Rx(VARθ1)×Tz(−zV1)×Ty(d)×Ry(γ)×Tz(zV2)×Rz2)・・・(29) ・φ1:工具の回転角度 ・φ2:ワークピースの回転角度 ・zV1:工具の送り出し(シフト位置とも呼ばれる) ・zV2:ワークピースの軸方向送り出し ・d:中心間隔の寸法(工具/ワークピース) ・γ:軸交差角(工具/ワークピース) ・VARθ1:工具の円錐角 ・γw1:工具のピッチ円の半径

<円柱形工具と円錐形ワークピースとの運動連鎖> 工具とワークピースとの相対的位置は、次の運動連鎖KRによって表される: KR=Rz(−φ1)×Tz(−zV1)×Ty(d)×Ry(γ)×Tz(zV2)×Rx(−VARθ2)×Ty(−rw2)×Rz2)・・・(30) ・φ1:工具の回転角度 ・φ2:ワークピースの回転角度 ・zV1:工具の軸方向送り出し(シフト位置とも呼ばれる) ・zV2:ワークピースの送り出し ・d:中心間隔の寸法(工具/ワークピース) ・γ:軸交差角(工具/ワークピース) ・VARθ2:ワークピースの円錐角 ・γw2:ワークピースのピッチ円の半径

<円錐形工具と円錐形ワークピースとの運動連鎖> 工具とワークピースとの相対的位置は、次の運動連鎖KRによって表される: KR=Rz(−φ1)×Ty(rw1)×Rx(VARθ1)×Tz(−zV1)×Ty(d)×Ry(γ)×Tz(zV2)×Rx(−VARθ2)×Ty(−rw2)×Rz2)・・・(31) ・φ1:工具の回転角度 ・φ2:ワークピースの回転角度 ・zV1:工具の送り出し(シフト位置とも呼ばれる) ・zV2:ワークピースの送り出し ・d:中心間隔の寸法(工具/ワークピース) ・γ:軸交差角(工具/ワークピース) ・VARθ1:工具の円錐角 ・VARθ2:ワークピースの円錐角 ・γw1:工具のピッチ円の半径 ・γw2:ワークピースのピッチ円の半径

これらの運動連鎖は、本明細書中に記載の発明を初めて数学的に説明するのに役立つ。これらの運動連鎖は、本発明が使用される機械の物理的な軸と適合しなくてもよい。この機械が、次の式(32)の変換に応じて工具とワークピースとの相対位置を可能にする移動装置を有する場合において、上記の運動連鎖からの座標軸の各組につき、座標A1,…ANsが存在するときには、本発明をこの機械に使用できる。本発明においては、座標軸の組が計算される。

H(A1,・・・,ANs)(但し、Ns≧1)・・・(32) ここで、 H(A1,・・・,ANs)=KR…(33) である。座標A1,…ANsの計算は、座標変換によって行われる。

必要な相対位置の全てを可能にする典型的な移動装置は、例えば、次の運動連鎖によって表される: HBsp1=RzB1)×Tz(−νV1)×Rx(90°−φA1)×Tz(−νZ1)×Tx(−νX1)×RZC2)…(34) HBsp2=RzB1)×Rx(90°−φA1)×Tz(−νY1)×Tz(−νZ1)×Tx(−νX1)×RZC2)…(35) 図22には、HBSρ1で表される移動装置を有するギヤ製造機を概略的に示す。

ZV2座標は機械加工プロセス中に移動させられ、ワークピースの送り出しが実行される。円柱形ホイールにより行われるのは、軸方向送り出しである。円錐形のホイールで行われるのは、軸方向送り出しではなく、ギヤ歯の軸に対して円錐角度VARθ2分傾斜している。

加工が斜め創成法によって行われると、さらにzV1座標が移動し、工具送り出しが実行される。円柱形工具により行われるのは、軸方向送り出しである。円錐形ホイールにより行われるのは、軸方向送り出しではなく、工具に対して円錐角度VARθ1分傾斜している。

しかし、後には、「送り出し」という用語は、円柱形工具又はワークピースのzV1とzV2にもそれぞれ使用される。

研削が一定の対角比で行われる場合は、zV1はzV2の関数であり、次の関係が成り立つ: zV1(zV2)=KZV1×zV2+zV01…(36) ここで、KZV1は対角比であり、zV01は固定オフセットである。この固定オフセットによって、工具の様々な点に本発明の修整を位置させることができ、又は、ウォーム上の使用すべき領域を選択することができる。KZV1が0でない場合に、斜め創成法について言及される。

ワークピース及び/又は工具の速度の如何、及び/又は、工具及び/又はワークピースの送り出しの時間挙動及び/又は機械加工における相対的挙動の如何は、本発明の方法において一切の役割を果たさない。これは、zV1とzV2との結合だけが考慮されるからである。速度と送り出しは、必要な結合が観察される限りにおいて、機械加工中に変更可能である。

円柱形及び/又は円錐形の工具とワークピースとの可能な4つの組み合わせを、別々に検討する。各組み合わせの出発点は、創成研削における、工具上及びワークピース上の接触点の経路を、送り出し位置zV1及びzV2に応じて、ロール距離(w)と幅線方向(z)における位置との関係として、数学的に表すことである。

このための準備において、この目的のために必要なウォームの修整及びドレッシングよるこの修整の実施について、まず検討する。

ここで検討する工具、具体的には、対称又は非対称の、円柱形と円錐形のウォームは、同様に少なくとも近似的に式(25)による修整を有する。この種類の修整は、特に、ドレッシング可能な研削ウォームについて非常に好適である。なぜなら、ドレッシングホイールでドレッシングすると、ウォーム上に修整を施すことができるからである。このような表面修整を有するウォームのドレッシング方法は、本願の第1部に記載されている。

ドレッシングホイールでドレッシングするときには、ドレッシングホイールとウォームの歯面とは線接触している。この接触線が、両方の歯面について、wF1とzF1との関係として表されると、次式により直線が非常に近似に得られる: wF1sinρF1+zF1cosρF1=XF1…(37) ρF1はこの直線の方向を決定する。これは、条数、ウォームの直径、ドレッシングホイールの直径、ウォームのプロファイル角、ドレッサに対するウォームの相対位置により、わずかに影響され得る。

ウォームのネジ山表面上の法線方向において決定される、ウォーム上の1点における修整fnF1を施すと、ワークピース上の対応する位置に、歯面の表面上の法線方向において決定される、ワークピース上の修整fnF2=−fnF1が施される。ギヤの修整は、典型的には、法線方向(fFn)においてではなく、正面断面(fFt)において決定されるが、これら2つの修正の定義は互いに容易に変換できる。 fFn=fFt×cosβbF・・・(38)

<円柱形工具及び円柱形ワークピース> 円柱形工具と円柱形ワークピースとの組み合わせにおいて、式(25)の修整を有するウォームを使用して、同じく式(25)による修整を、但しある範囲内で指定可能な角度ρF2で、斜め送り創成研削で施す方法を以下に説明する。この目的のために、最初に、ワークピースとウォームとの接触点の経路(接触パス)を軸方向送り出しzv1及びzv2に関連して説明する。この経路は、ワークピースとウォームの基礎円半径と基礎らせん角度、並びに、中心間隔d及び軸交差角γに依存する。この考察において、ウォームに対するワークピースの相対位置は、式(28)で表される。この経路は、数学的には、幅線方向(zF)における位置と、ウォーム(指数1)及びワークピース(指数2)のロール距離(wF)との関係(R6)として、次式のように表せる: zF1=CFw1×wF1−zV1+CFc1・・・(39) zF2=CFw2×wF2−zV2+CFc2・・・(40)

ここで、式中の係数CFw1,CFc1,CFw2及びCFc2には、以下の依存関係がある。 CFw1=CFw1bF1)・・・(41) CFc1=CFc1bF1bF2bF1,d,γ)・・・(42) CFw2=CFw2bF2)・・・(43) CFc2=CFc2bF1bF2bF2,d,γ)・・・(44) この関係は、zF,wF及びzVの間に、ウォームとワークピースの両方について線形関係があることを示す。

この製造プロセスにおいて、ワークピース上の固定ロール距離wF2を有する全ての点を検討すると、ワークピース上のこれら全ての点は、この結果であるロール距離wF1を有する点とのみ接触する。ウォーム上の接触点のロール距離とワークピース上の接触点のロール距離との関係(R7)は、以下のように表せる:

ここで、式中の係数^CFw1,^CFw2,及び^CFcには、次の依存関係がある:

上記の関係は、式(28)の運動連鎖に従って、互いに配向された2つのインボリュートギヤ歯配列の接触点の分析的計算から直接導かれる。

本発明の基本的な思想は、式(36)からの一定対角比とともに上記の関係を利用して、ウォーム上の1点をワークピース上の各点に関連付けることである。ウォームが、ある範囲内で任意である式(25)による修整を有してもよく、ワークピースには、関数FF1及び角度ρF1により同式による修整が施されるという事実が利用される。XF1及びρF1により与えられる直線上に並ぶウォーム上の点を、XF2及びρF2により与えられるワークピース上の直線上にマッピングすることが意図されている。この目的のために、式(39)及び(40)がzv1及びzv2について解かれ、式(36)において利用される。ついで、ウォームとワークピースについて、zF1及びzF2を消去するために式(7)が使用され、式(45)wF1と置換される。これにより、次式の関係が得られる:

この関係は、全てのwF2について成り立たなければならない。 ̄CFw2は、中でも、KZV1に依存する。一方、 ̄CFcは、さらに、XF1及びXF2に依存する。係数比較を利用することで、この関係から、左右の両歯面についてKZV1を計算でき、同様に、左右の両歯面についてXF1の関数としてのXF2を計算できる。式(36)はKZV1を規定するが、このKZV1が決定する対角比により、ρF2により決定される方向に沿って、ウォーム上の点がワークピース上の点にマッピングされるように機械加工を実施しなければならない。

ρl2がρr2と等しい場合、この計算で、対称なギヤ歯では、左右の歯面について同じ対角比KZV1が得られる。したがって、偏差のない両歯面創成研削が可能となる。

しかし、ρl2がρr2と等しくない場合、及び/又は、非対称のギヤ歯の場合、この計算で、一般的には、左右の歯面について異なる対角比KZV1が得られる。したがって、一般的には、円柱形工具では、偏差のない両歯面創成研削は不可能となる。

しかし、偏差のない単歯面創成研削は可能である。この場合には、左右の歯面の機械加工のために異なる対角比KZV1を設定しなければならない。対角比KZV1が1つの値であり、その対角比での創成研削による左右の歯面の修整がそれぞれの許容誤差の範囲内にある場合には、両歯面創成研削は可能ではあるが、偏差のない研削ではなくなる。このために選択される対角比は、概して、左の歯面のために決定された対角比と右の歯面のために決定された対角比との間である。ワークピース上に施される修整の方向ρF2は、2つの歯面のうちの少なくとも一方において、所望の指定された値から逸脱する。しかし、この所望の指定された値が許容誤差の範囲内であれば、特定の場合には、両方の方向ρF2が許容誤差内となるように対角比を選択することができる。

左右の歯面上及び/又は非対称ギヤ歯上に、異なる方向ρF1を有し、且つ、偏差のない、両歯面修整を創成研削する方法を、以下に説明する。この目的のために、円柱形工具の代わりに、円錐形工具が使用される。

<円錐形工具と円柱形ワークピース> 今日の創成研削は、円柱形ウォームを使用するもののみが知られている。しかし、円錐形ウォームを工具として使用することも可能である。このプロセス運動は、円錐形ホイール及び円柱形ホイールを有する連続的創成研削ギヤ列により説明可能である。この運動は、式(29)により表される運動連鎖により説明される。2つの円柱形ホイールを有する連続的創成研削ギヤ列の場合と同様に、両ホイールの間にも理論上の点接触が存在する。これにより円柱形工具についても同じ手法が使用できる。すなわち、式(25)の修整を有するウォームを、斜め創成法に使用して、ワークピースに同じく式(25)の修整を施す。ワークピースとウォームとの接触点の経路は、数学的に次式により表される。

zF1=CFw1×wF1+CFzV11×zV1+CFc1…(50) zF2=CFw2×wF2+CFzV12×zV1−zV2+CFc2…(51) ここで、式中の係数CFw1,CFc1,CFw2,CFzV11,CFzV12,及びCFc2には次の依存関係がある: CFw1=CFw1bF1)…(52) CFc1=CFc1bF1bF2bF1,d,γ,VARθ1)・・・(53) CFw2=CFw2bF2)…(54) CFc2=CFc2bF1bF2bF2,d,γ,VARθ1)・・・(55) CFzV11=CFzV11bF1bF2bF1,d,γ,VARθ1)・・・(56) CFzV12=CFzV12bF1bF2bF2,d,γ,VARθ1)・・・(57) 式(45)は次式と置換される:

ここで、係数^CFw1,^CFw2,^CFzv1,及び^CFcには、次の依存関係がある:

これらの関係を知っておくことで、ウォーム上の点のワークピース上の点へのマッピングを、円柱形工具と円柱形ワークピースの組み合わせの場合と類似の方法で、計算することができる。ここで、式(25)によるウォーム上の修整を再度想定すると、これは式(49)に類似しているが、別の係数 ̄CFw2及び ̄CFcを含む。これらの係数は、ここではさらに、VARθ1に依存する。ここでも、係数比較により、左右の歯面のそれぞれについて、KZV1の計算、及びXF1の関数としてのXF2の計算ができる。但し、ここでは、KZV1はVARθ1にもさらに依存する。ウォームとワークピースとが連続的に相互に噛み合って連続創成ギヤ列を形成するためには、VARθ1を変更する際には、ウォームの基礎円の半径及び基礎らせん角度の変更が一般的に必要であることに注意しなければならない。このことは、ウォームがVARθ1傾斜したラックを使用して創成可能でなければならず、ウォーム及びワークピースが互いに噛み合っていなければならないことを意味する。VARθ1が変更されると、すなわち、基礎円半径と基礎らせん角度が変更されると、この変更が左右の歯面のKZV1に別の影響を与える。この別の影響により、KZV1が左右の歯面で同じになるように、VARθ1を決定することができる。円錐角VARθ1に加え、ウォームを創成するラックのプロファイル角及び軸交差角γも、円錐形ウォームにより、値KZV1に影響する。左右の歯面について同じKZV1を得るために、円錐角に加えて、これらの値を変更することができる。プロファイル角のこの変化もまた、ウォームの基礎円半径と基礎らせん角度を変化させる。これらの変更が可能であることにより、円柱形ウォームの使用では不可能であった、ギヤ歯及び所望の修整のための偏差のない両歯面創成研削が可能になる。円錐形ウォームを使用することで、一方の歯面を研削すること、及び/又は、偏差のない修整が施されないウォームと対角比を選択することもできる。つまり、少なくとも一方の歯面において、ρF2が所望の指定可能な値から逸脱する修整の選択も可能である。このようなウォームと対角比の選択は、例えば、他の指定可能な値のせいで、これらを自由に選択できないときに必要となり得る。

<円柱形工具と円錐形ワークピース> 本明細書に記載の方法は、斜め創成法による円錐形ワークピースの創成研削に直接転用できる。最初に、式(25)の修整を有する円柱形ウォームについて検討する。ここでも、ウォームとワークピースとは、連続創成ギヤ列を形成し、このギヤ列運動は式(30)により表される。また、ここでもウォームとワークピースとの間には、理論上の点接触がある。ウォームとワークピースとの接触点の経路は、数学的に次式により表される。

zF1=CFw1×wF1−zV1+CFzV21×zV2+CFc1・・・(63) zF2=CFw2×wF2+CFzV22×zV2+CFc2・・・(64) ここで、式中の係数CFw1,CFc1,CFw2,CFzV22,CFzV21及びCFc2には、次の依存関係がある: CFw1=CFw1bF1)・・・(65) CFc1=CFc1bF1bF2bF1,d,γ,VARθ2)・・・(66) CFw2=CFw2bF2)・・・(67) CFc2=CFc2bF1bF2bF2,d,γ,VARθ2)・・・(68) CFzV22=CFzV22bF1bF2bF2,d,γ,VARθ2)・・・(69) CFzV21=CFzV21bF1bF2bF1,d,γ,VARθ2)・・・(70) 式(45)は次式により置換される:

ここで、式中の係数^CFw1,^CFw2,^CFzv2,及び^CFcには、次の依存関係がある:

公知の数学的手法により、ここでも、式(49)に類似するが、別の関数 ̄CFw2及び ̄CFcを含む結果が得られる。これらの係数は、ここではさらにVARθ2に依存する。ここでも、係数比較により、左右の歯面のそれぞれについて、KZV1の計算、及びXF1の関数としてのXF2の計算ができる。但し、ここでは、KZV1はVARθ2にもさらに依存する。左右の歯面上の修整について、ρF2により表される同じ方向を指定する際、一般に、KZV1の計算により左右の歯面に異なる値が得られる。これは、一般に、対称ワークピースの場合にも当てはまる。言い換えれば、このことは、両歯面研削において、修整の方向ρF2は、一般に、左右の歯面で異なるということを意味する。ρF2が両方の側面で到達されるか、又は、許容誤差範囲にあるような、対角比KZV1があれば、円柱形工具により両歯面研削が可能である。そうでない場合は、円柱形工具では、単歯面研削のみが可能である。円柱形ワークピースの場合と同様に、左右の歯面上に個別に角度ρF2を指定することで、円柱形工具を使用して偏差のない両歯面研削を実施可能である。

<円錐形工具と円錐形ワークピース> 円錐形工具と円錐形ワークピースのとの組み合わせの計算は、上述の組み合わせの場合と類似の方法で行える。ここでも、ウォームとワークピースとは連続創成ギヤ列を形成し、このギヤ列運動は式(31)により表される。また、ここでもウォームとワークピースとの間には、理論上の点接触がある。ウォームとワークピースとの接触点の経路は、数学的に次式により表される。

zF1=CFw1×wF1+CFzV11×zV1+CFzV21×zV2+CFc1・・・(76) zF2=CFw2×wF2+CFzV12×zV1+CFzV22×zV2+CFc2・・・(77) ここで、式中の係数CFw1,CFc1,CFw2,CFzV22,CFzV21,CFzV12,CFzV11及びCFc2には、次の依存関係がある: CFw1=CFw1bF1)・・・(78) CFc1=CFc1bF1bF2bF1,d,γ,VARθ1,VARθ2)・・・(79) CFw2=CFw2bF2)・・・(80) CFc2=CFc2bF1bF2bF2,d,γ,VARθ1,VARθ2)・・・(81) CFzV22=CFzV22bF1bF2bF2,d,γ,VARθ1,VARθ2)・・・(82) CFzV21=CFzV21bF1bF2bF1,d,γ,VARθ1,VARθ2)・・・(83) CFzV12=CFzV12bF1bF2bF2,d,γ,VARθ1,VARθ2)・・・(84) CFzV11=CFzV11bF1bF2bF1,d,γ,VARθ1,VARθ2)・・・(85) 式(45)は、次式に置き換えられる:

ここで、式中の係数^CFw1,^CFw2,^CFzV1,^CFzV2,及び^CFcには、次の依存関係がある:

公知の数学的手法により、ここでも、式(49)に類似するが、別の関数 ̄CFw2及び ̄CFcを含む結果が得られる。これらの係数は、ここではさらにVARθ1及びVARθ2に依存する。係数比較により、左右の歯面のそれぞれについて、KZV1の計算、及びXF1の関数としてのXF2の計算ができる。但し、ここでは、KZV1はVARθ1及びVARθ2にも依存する。円錐形ウォームでの円柱形ワークピースの研削と類似して、VARθ1の変化、ウォームのラックのプロファイル角及び軸交差角、したがって、基礎円半径及び基礎らせん角度も、左右の歯面で異なる影響を対角比KZV1に及ぼす。これにより、KZV1が左右の歯面について同じになり、その結果、偏差のない両歯面研削が可能となるように、所望の修整の方向ρF2について、任意のVARθ1、ウォームのラックのプロファイル角、及び軸交差角を決定することができる。

本明細書に記載の全ての組み合わせにおいて、ウォーム上に必要な修整Ft1(XF1)は、次式により表される:

FFt2(XF2)は、ワークピース上の式(25)による修整を表す。

<工具及びワークピースに対する接触パスを計算するための計算アプローチ> 以下に、計算アプローチを示す。このアプローチにより、送り出しに応じて、上に用いた接触パスを計算し得る。2つの理論ラック(基本ラックとも呼ばれる)を用いて、ワークピースと工具との接触を算出する。2つの理論ラックのうち一方はワークピース用、もう一方は工具用であり、それぞれ、概して非対称の台形の歯形を有し、これら歯形により、ギヤ歯が創成され得る。工具及びワークピースの両方がインボリュートギヤ歯であるので、この観察結果は、工具とワークピースとを入れ替えをしても、対称である。

図37は、正面断面における、右のインボリュート歯面の、プロファイル角αtwrを有する創成ラックとの接触を例として示す。回転角度φ分だけギヤ歯を回転させる。歯面とラックとは、プロファイル角αtwr分傾斜した係合面Pγで接触する。全ての回転角度φについて、歯面とラックとの接触点は、歯面と係合面との交点となる。ギヤ歯が回転している間、ラックは、平方向にずれて、スリップすることなく、半径γwを有するピッチ円をロールオフするようにする。こうして、歯面とラックとは、接触したままである。ギヤ歯を幅全体について表すためには、ギヤ歯に対するラックの相対的な位置は、3次元で観察されなければならない。円柱形ギヤのギヤ歯の場合、このラックは、らせん角度βw分だけ旋回される。円錐形ギヤのギヤ歯の場合、ギヤ歯に対するラックの位置は、ツィーラウ(Zierau)著、「平行軸を有する円錐形の歯車及び歯車対の幾何学的設計」、レポート32号、建築技術研究所(Institute For Construction Science)、ブラウンシュヴァイク工科大学に余すところなく記載されている。らせん角度βw分の旋回に加えて、円錐角VARθ分傾斜させる(図35参照)。どちらの場合も、ラックは、歯直角断面で、プロファイル角αnwFを有する。角度αtwF、αnwF、及びβw並びに歯直角モジュールmn及び正面モジュールmtのどの組み合わせによって、所定のギヤ歯が形成可能かは、円柱形ギヤのギヤ歯についてはDIN3930の式一組からわかり、さらに円錐形ギヤのギヤ歯についてはツィーラウの式一組からわかる。これに必要な式は、左側と右側で別々のプロファイル角を導入することにより非対称のギヤ歯に直接転用され得る。

ラックの形状及びギヤ歯に対するラックの相対的な位置がわかれば、いかなる所望の幅方向位置でも、正面断面を求め、これら断面の範囲内で、ラックと歯面との間の接触点を求め得る。個々の正面断面におけるこれら接触点全てにより、回転角度φの場合の係合面に直線(直線状の接触線)が形成される。式(27)におけるパラメータ化から、これら接触点をw及びzにより表す場合、wと、zと、φとの直線関係(R1)を実現する。ラックが間隙を介してしっかりと保持される場合、円柱形ギヤ歯を軸方向に移動させることが可能である。この軸方向送り出しzvは、典型的には、ワークピースについては、歯付の幅全体にわたってワークピースを機械加工するために設定され、工具については、対角比を設定するために設定される。ギヤ歯は、原則として2つの歯面でラックと接触し続けるように、変位に加えて、これら歯の軸を中心として回転させられなければならない。回転量は、ギヤ歯の1回転あたりの前進距離と、変位距離とから得られ、回転方向は、ネジ山のズレから得られる。円錐ギヤ歯の場合、軸方向には送り出しzvが実施されないが、軸方向から円錐角VARθ分傾斜する。円柱形ギヤ歯についての式と同じ式を用いて、回転角度の補正の計算に必要な前進距離をβw及びmtから計算する。正面断面は、軸方向送り出し、又は、個別の正面断面における接触点を計算するためにそれぞれ補正された回転角度での送り出しに応じて観察されるべきである。w、z、zv、φの直線関係(R2)は、接触点を表すための(R1)から得られる。

連続創成ギヤ列において、2組のギヤ歯が対にされる場合、これらの2つのラックは、図34に示すように、常に適合していなければならない。このことは、両組のギヤ歯について、プロファイル角αnwFが等しくなければならないことを示唆する。(R3)が、この式γ+βW1W2=0からさらに得られる。この条件により、プロファイル角は、互いに噛合し得る所定の2組のギヤ歯についての所定の軸交差角から、2つのラックの歯直角断面又は正面断面において求めることができる。従って、ウォームの基礎円の半径及び基礎らせん角度の変更は、プロファイル角と、円錐角と、軸交差角とのうちいずれか1つの変更と等価である。

ラックが常に適合するように、線形制約(R4)が、2つの回転角度と2つの送り出しとの間に生じる。

これら2つの回転角度及びこれら2つの送り出しがわかれば、2本の直線状の接触線の交点を計算することにより、2組のギヤ歯の接触点を直接求め得る。ギヤ歯1又はギヤ歯2との接触点を表すパラメータzF1及びwF1、又はzF2及びwF2は、φ1、φ2、zV1、及びzV2に線形依存している(R5)。回転角度が、これらの関係において消去される場合、求める接触パス(R6)がわかる。

両組のギヤ歯について、φ1及びφ2を消去することにより、wF1、wF2、zV1、zV2間の直線関係(R7)が(R4)及び(R2)から得られ、この関係は、送り出しに応じて、ギヤ歯1上のどのロール距離が、ギヤ歯2上のどのロール距離と接触するのかを表す。

工具とワークピースとが互いに噛み合うように、以下の式が成立しなければならない。 mbF1×cosβbF1=mbF2×cosβbF2…(93)

上述したアプローチに代わり、シミュレーション計算により、接触パス(R6)と、ピッチ角度間の関係(R7)とを実行することも可能である。このようなシミュレーションにより、所定の工具(具体的にはウォーム)と、所定の運動(具体的には、工具とワークピースとの所定の相対的な位置)とから、ワークピースの正確な形状を計算することが可能である。このようなシミュレーションを拡張して、これらシミュレーションにより、工具の送り出しと、ワークピースの送り出しとに応じて、工具のどの点がワークピースのどの点を形成しているのかを求めることも可能であり得る。これに適したアルゴリズムを以下に説明する。

このために、まず、原則として、修整が施されていないワークピースを検討する。事前に固定された長さを有する歯直角方向のベクトルを、このワークピースの歯の上の座標(wF2,zF2)を有する個別の点上に配置する。ベクトルの長さは、非修整ワークピースについては、研削前のワークピースのストックに対応する。典型的には、ストックは、非常に大きいものが選択されるので、各ベクトルが、以下に記載のシミュレーション中に少なくとも1回短くされる。歯上の点の数により、結果の精度が決まる。これらの点は、等距離系として選択されることが好ましい。ウォームに対するワークピースの相対的位置は、例えば、運動連鎖Kγにより毎回指定される。全てのベクトルの区分は、離散的な時間のそれぞれに、ウォームにより計算される。ベクトルがウォームと交差しない場合、ベクトルはそのままである。しかしながら、ベクトルがウォームと交差する場合、交点が計算され、ベクトルは、ちょうど交点で終わるように短くされる。ウォーム軸からの交点の間隔は、交点におけるウォーム半径γF1であり、さらに計算されて、短くされたばかりのベクトルに対して、付加情報として記憶される。ここでの研削の間には、座標の補正を変更していないので、所定のワークピースの半径γF2又は所定のロール距離wF2についての全てのベクトルは、ウォームの幅全体にわたってシミュレーションが行われた後には、ほぼ同じ長さを有する。

長さのわずかな差異は、本明細書に記載のアルゴリズムが、時間の離散化のせいで、ホブ切り中の創成切断と同様な印を形成することによる。時間の離散化を精密にすることにより、これらの印、ひいてはワークピースの所定の半径についてのベクトルの長さの差異を小さくし得る。時間の離散化を精密にすることは、工程時間の短縮と同等である。ワークピースの幅全体にわたってシミュレーションを行わずに、ワークピースの所定の軸方向シフト位置zv2でシミュレーションを中断すれば、接触パスにより既に通過されたベクトルのみが、所定の半径について、ウォーム上でほぼ同じ長さを有する。残りのベクトルは、最初に選択された長さと、少なくとも1回既に短縮された長さとのいずれかを有するが、まだ最終的な長さに定められていない。なぜなら、これらベクトルは、後に、再び短縮されるからである(図38参照)。これを利用して、現在送り出しについてのワークピースとウォームとの接触パスを高い精度で求め得る。ワークピースの所定の半径γF2又はロール距離wv上のベクトル全部がこのために観察され、ほぼ同じ長さを有するベクトルから、これらベクトルとは異なる長さのベクトルまで移行するのはどの幅方向線位置なのかを求める。連続創成ギヤ列が、ワークピースとウォームとを入れ替えても対称なので、ウォームに対する接触パスを同様に求め得る。ワークピース及びウォームが両方円柱形である場合、例えば、このように計算された接触パス上の点からの曲線適合により、式(39)又は式(40)からの係数を求め得る。接触パスに沿って延びるベクトルを求める場合、これらベクトルのために以前に記憶されたウォームの半径γF1を読み出し、従って、ワークピースの各半径rF2がウォームのどの半径rF2よって研削されたかを判定し得る。これら半径は、ロール距離に変換され得る。円柱形ワークピース及び円柱形ウォームについてのこれらの値の対から、例えば曲線適合により、式(45)からの係数を求め得る。

ウォームが円錐形であり、ワークピースが円柱形である場合、式(50)、式(51)、及び式(58)におけるzV1の前の係数をさらに求めるために、少なくとも2つの別々の送り出しzV1についての接触パスを求めなければならない。同様に、少なくとも2つの別々の送り出しzV2は、ワークピースが円錐形であり、ウォームが円柱形である場合に検討されなければならない。ワークピースとウォームとが円錐形である場合、少なくとも2つの送り出しzv1と、少なくとも2つの送り出しzv2とについての接触パスを検討して、式(76)、式(77)、及び式(86)からの係数を全て求めなければならない。

<ウォームとドレッサのマクロ形状の選択> ここで計算された対角比もまた、とりわけ、ウォームのマクロ形状(特に、条数、基礎らせん角度、基礎円半径、外径(円錐形工具の場合、定義されたz位置における外径、並びに必要な場合は、円錐角)に依存する。このため、これらの値を利用して、所定の方向ρFとともに設定される予定の対角比に影響を及ぼし得る。従って、加工領域を延長又は短縮することも可能になり、工具の分割に好適になり得る。対角比が影響を及ぼすことも、科学技術的理由のために、理にかない得る。

ウォームのマクロ形状の選択時に、ドレッシング可能な工具を用いる場合、本願の第1部分の態様が考慮されるものとする。つまり、ウォーム上において必要な表面修整がドレッシングプロセスによって施されるように、マクロ形状が選択される。ここで、特に、ウォームのアクティブ領域と接触するドレッサによって、ウォーム上の各直線状の接触線に沿って必要なクラウニングが確実に得られなければならない。両歯面ドレッシングが用いられる場合、例えば、本願の第1部分における方法を用いて、ウォーム上の必要な位相の修整が両歯面において施されるか否かが考慮されなければならない。これは、特にドレッサとウォームとの接触線に沿って、修整の一定部及び線状部(FZtC及びFFtL)が必要となる場合に関連性が高い。このような修整は、ある範囲内において4点法を用いて実施される。左右の歯面において自由に選択できる線状部FFtLの範囲は、ウォームのマクロ形状(特に、直径、条数、円錐形角度、プロファイル角)並びにドレッサの直径に大いに依存する。4点法によって、特定のマクロ形状に対する所望の位相の修整が得られるか否かが判断され、その結果、適切なマクロ形状が求められる。

<一定でない対角比> 本明細書に前述された方法では、一定の、指定された対角比で機械加工プロセスを実施する必要がある。対角比と、ワークピースの幅と、オーバーランとにより、機械加工に必要なワークピースの送り出し量が求められる。工具上の接触パスの延長とともに、送り出し量により、工具における機械加工に関わる部分(加工領域とも呼ばれる)の長さが求められる。一方、加工領域の長さにより、工具の最小の長さが求められたり、加工領域が短く、工具が長い場合、ウォーム上に配置され得る修整領域の数が求められたりする。両方の場合に、加工領域の長さを延長及び短縮することが好適であり得る。工具の形状(特に、基礎円半径及び基礎らせん角度)を変更することにより、加工領域の長さを変更し得る。しかしながら、加工領域の長さに対するこの変形の影響は、概して、非常に小さい。加工領域の長さを変更し得る別の方法としては、機械加工中に対角比を変更することが挙げられる。接触点の経路が修整領域全体を通過する間にこの変更がされる場合、修整の偏差が生じることになる。この偏差がまだ許容値内にある場合には、対角比の変更を用いることは妥当であり得る。

接触点の経路が修整されていない領域を通過するように修整が設計される場合、ウォームにおける、この時点で係合される部分も修整されていない。こうして、この領域を通過している間に対角比を自由に選択できるようにする。例えば、加工領域の長さを最小限にするためには、対角比を0に設定してもよい。しかしながら、対角比を小さくすることにより、工具に対する負荷が大きくなり、技術的な観察が必要となる。非修整領域を形成している間に研削量が特に大きい場合、これら領域において対角比を大きくすることも妥当になり得る。

非修整領域を含む修整の典型的な例としては、エンドリリーフ、又は、三角エンドリリーフが挙げられる。

図23は、2つの創成エンドリリーフの例として、修整領域(141及び141’)並びに非修整領域(142,142’,142’’)への分割を示す。接触点(143又は143’)の経路が領域142を通過している間、ウォームの非修整領域のみが係合状態になる。この領域において、対角比を自由に選択し得る。143の上方又は143’の真下の領域を通過する場合、接触点は、修整領域の少なくとも一部に及ぶ。計算された対角比は、ここで観察されて、偏差のないようにしなければならない。しかしながら、対角比を観察せずに、偏差を容認してもよい。2つの歯面に対して研削を実行する場合、この観察において両方の歯面を考慮に入れなければならない。偏差のない修整を施そうとする場合、接触パスが両方の歯面の非修整領域を通過する間に対角比を自由に選択し得るに過ぎない。

非修整領域と、別々の方向に延びる修整領域とからなる修整も可能である。修整領域間の接触点の経路が非修整領域を通過するように修整を設計する場合、これら領域において、所望の対角比を再度選択し得る。修整領域を通過する場合、対角比は、通過したばかりの修整の方向に応じて設定されなければならない。非修整領域を利用して、ある修整領域から次の修整領域に対角比を適合し得る。

図24は、別々の方向に延びる2つの創成エンドリリーフの例として、修整領域(151及び151’)並びに非修整領域(152,152’,152’’)への分割を示す。修整領域において、式(25)に従った修整の方向ρF2(150及び150’)はばらばらである。従って、これら2つの領域の機械加工のためには、別々の対角比を設定しなければならない。接触点(153及び153’)の経路が領域152を通過する間に、対角比を自由に選択し得る。偏差のない修整を施すことができるように、直線153及び153’は、同じ高さにあるか、又は、153’よりも上に153がなければならない。しかしながら、153’が153よりも上にある場合、接触点は、別々の対角比を設定すべき領域151と領域151’との両方に及ぶ。こうして、2ヵ所の領域のうち少なくとも一方に偏差が生じるようになる。2つの歯面に対して研削が行われる場合、両方の歯面の観察もここでは必要である。万一、研削に偏差がない場合、両側で同時に研削される領域が同じ対角比を必要とすることを注意しなければならない。そうでない場合には、偏差のある修整が施される。

しかしながら、ワークピース上の接触パスが修整領域を通過する間に、具体的に対角比を変更することも可能である。これを数学的に表すためには、式(36)は、概して非線形の変量によって置換される。

zv1(zv2)=FZV1(zV2)・・・(94) 式中、FZV1は、zv1とzv2との関係を表す任意の所望の連続関数である。対角比は、FZV1(zV2)からzV2までの偏差によって表され、従って、概して一定ではない。FZV1が線形ではない場合、w−z図におけるウォーム上の直線は、w−z図におけるワークピース上の直線にもはやマッピングされない。XF1によって定義されたウォーム上の直線にマッピングされた、ワークピース上のw−z図における点の経路を表す曲線は、関数zF2(wF2,XF1)によって表し得る。円錐形ワークピース及び円錐形ウォームの最も一般的なケースでは、FZV1(zV2)、zF2(wF2,XF1)、wF2、XF1間の関係(R20)が、次のようにして得られる。式(76)及び(77)からの等式系が、zv1と、zv2とについて解かれ、2つの送り出し量を式(94)に挿入し、続いて、zF1及びwF1が、式(37)及び(86)を利用して置換される。これらの関係によって、XF1毎の所定の関数FZV1に対して、zF2(wF2,XF1)によって表されるワークピースの歯面上の点の経路が決定されるが、これらの点は、XF1によって定義されたウォーム上の直線にマッピングされる。逆に、何らかのXF1について表された経路zF2(wF2,XF1)から、関数FZV1(zV2)も求め得る。さらに、関係(R20)から関数FXF1(wF2,zF2)を求め得る。この関数により、所定のzF2及びwF2について、XF1、ひいては、ウォーム上の直線を求め、この直線に、ギヤ歯上の点がマッピングされる。ワークピース及び/又はウォームが円柱形である場合については、類似の手順に従うことができる。

歯面にある、すなわち、w−z図内のXF1を、経路の一部のみから探す場合、これは、概して、zV2の値全部について、FZV1(zv2)を定義しない。なぜなら、ワークピースの他の送り出し位置の場合、現在の経路の一部は、XF1用の図のまだ外にあった歯面を通過するからである。図25(a)は、円柱形ワークピースの場合の例として、これを示す。これを利用して、異なるXF1についての範囲から断面方向のFZV1(zv2)を構成するか、又は、定義範囲を拡張し得る。あるいは、w−z図の範囲を超えて続いたXF1の範囲から、FZV1(zv2)を求めることも可能である。図25(a)は、このような経路がいかにして選択され得るかを示す。この例では、この後、関数FZV1(zv2)を、4つの経路160〜163のうちの1つから求め得る。

特に、FZV1(zv2)が、XF1の経路が続くことから求められるべき場合、経路が一方のXF1から別のXF1にいかにして変化するかを把握することが特に重要である。一般的な場合、以下の工程によってこれを計算する。 ・XF1の経路からFZV1(zv2)を計算 ・以前に求めたFZV1(zv2)から他のXF1の経路を計算

ギヤ歯が円柱形である場合、この計算の結果として、経路XF1は、印が付けられた方向に沿った変位によって、他のXF1の経路から得られる。この方向は、図25(a)の2本の平行な直線165及び166によって示される。ウォームが円柱形である場合、この直線の方向は、ウォームの形状とは関係なく、従って、ワークピースの形状に依存しているに過ぎない。円錐形ウォームを用いて、この直線の方向に影響を及ぼし、従って、多様性がさらに高い修整が施されるよう設計され得る。この方向は、円錐形ウォームの形状(γbF1又はβbF1)と、軸交差角と、中心間隔と、特に円錐角とにより影響され得る。

ギヤ歯が円錐形である場合、一方のXF1から別のXF1への経路の変更は、円錐形ウォーム及び円柱形ウォームの場合、ウォームの形状(γbF1又はβbF1,VARθ1)及び軸交差角により影響され得る。しかしながら、この関係は、もはや、容易に明確には表すことができず、上述の工程によって求められなければならない。

創成研削が一方の歯面で行われる場合、FZV1(zv2)及び経路を、歯面毎に別々に指定してもよい。

創成研削が両方の歯面で行われる場合、一方のFZV1(zv2)は、両方の歯面の経路に影響を及ぼす。一方の歯面1の経路を指定する場合、これにより他方の歯面2上に得られる経路を、以下の工程により求めてもよい。 ・歯面1の経路からFZV1(zv2)を計算 ・FZV1(zv2)から歯面2の経路を計算

歯面1の経路が指定される場合、この経路から得られる歯面2の経路は、ウォームの形状(γbF1又はβbF1,VARθ1)、軸交差角、及び中心間隔によって影響を受ける。この影響を利用して、両方の歯面の経路ができるだけ適切に所望の経路に対応するように、FZV1(zv2)、ウォームの形状、軸交差角、及び中心間隔を整合させ得る。

ウォームが式(25)に従った修整を有する場合、経路zF2(wF2,XF1)に沿ったワークピース上の修整の値は、

に等しい。

wF2及びzF2についてのワークピースにおける修整fFt2(wF2,ZF2)は、以下の式(96)で表される関係と、関係(R7)とにより少なくとも近似的にパラメータ化できる。

XF1=FXF1(wF2,ZF2) ・・・(96) (R7)において、wF1が、wF2と、ワークピースとウォームとの接触点の経路とを用いて表される。

ギヤ上の修整がわかっている場合、全経路における関数FFt1C,FFt1L及びFFt1Qの関数値が求められる。この目的のために、単純な変形例では、この経路に沿った3つのロール角における修整を考慮しながら、関数値が求められる。拡張した変形例では、曲線適合を用いて求められる。

具体的な例について、図26に示し、以下に説明する。修整を選択して、修整が、三角エンドリリーフと歯すじ方向のエンドリリーフとの組み合わせに近似するようにする。ここで、エンドリリーフは、端面に近づくほど、プロファイルの中央よりもギヤの歯先と歯元において顕著となる。2つのリリーフの開始位置の間の移行が例えば接線として選択され、経路170は、微分され得る曲線によって表される。経路170に沿った修整の値を、ここでは0に等しいとする。170及び171に沿った修整は、ギヤのロール角に応じて、式(95)を用いて図27(c)から読み取れる。170と172との間隔は、歯すじ方向のエンドリリーフの領域においては、三角エンドリリーフの領域における170と172との間隔よりも小さいので、エンドリリーフの領域における修整のピッチは、歯すじ方向では、三角エンドリリーフの領域における修整のピッチよりも大きい。これら2つのピッチの比は、経路175及び176の変位方向により明らかに影響を受ける。この方向は、円錐形ウォームを使用し、且つ、ウォームの適切な形状を選択することにより、適合させ得る。従って、これらピッチ間の比も所望のように設定し得る。

<他の修整との重畳> 従来技術から公知の修整は、本明細書に記載された方法を用いて施し得る修整に対して干渉することなく、付加的に重畳され得る。一方で、これらの修整は、プロファイルのみの修整である。このような修整fPFtは、左右の歯面について別々に指定し得るが、ロール距離に依存するに過ぎず、円柱形ギヤ装置のためのz位置に依存するものではない。これら修整は、以下の式により数学的に表され得る。 fPFt=fPFt(wF)・・・(97)

歯形のみの修整は、歯形線方向に修整された工具により施され得る。歯形線方向へのこのような修整は、式(25)の修整に対して干渉することなく、付加的に重畳され得る。この修整は、原則として、ドレッシング可能なウォームを用いた創成研削の際に、ドレッサ内で行われる。この後、ドレッシングプロセスは、そのまま実行され、ウォームに対する歯形修整は所望の通り施され、ワークピースに対しては、研削中に、後ほど行われ得る。円錐形ワークピースの場合、歯形修整は、z位置に依存する。w−z図では、同じ修整値を有する点は、勾配mFを有する直線上にある。この勾配は、円柱形ウォームを用いる場合と、円錐形ウォームを用いる場合の両方について、ウォーム上の点をワークピース上の点に対してマッピングすることから計算され得る。円錐形ギヤ装置の場合、fPFtは以下のように表すことができる。 fPFt=fPFt(wF+mFzF)・・・(98)

従来技術(独国特許第10208531号明細書)から公知の、ギヤ歯上の修整を施すための別の方法は、研削プロセス中の運動を補正する工程を備える。このような修整は、例えば、軸間隔を変更し、且つ/又は、回転角度を補正し、且つ/又は、送り出し量を補正することにより、実行され得る。このような補正は、常に、接触パスに沿って効果があり、この接触パスに沿って同じ値を有する。しかしながら、ρKFによって表される接触パスの方向は、この方法においては影響を受け得ない。なぜなら、この方向は、ワークピースの基礎らせん角度に依存するに過ぎないからである。この修整fKFtは、以下のように数学的に表すことができる。 fKFt(wF,zF)=FKFt(wFsinρKF+zFcosρKF)・・・(99)

ここでは、関数FKFtは、任意の所望の連続関数であり得る。研削運動の必要な補正は、左右の歯面について、関数FKFtから計算され得る。自然ねじれを有するクラウニング又は歪んだエンドリリーフも、例えば、この方法を用いて製造し得る。

研削運動の補正が必要ないので、斜めシフティングとは別に、本願の基礎となる発明では、研削運動の補正と、ひいては式(99)に従った修整とが、干渉することなく、付加的に重畳され得る。

要するに、施され得る修整fGFtは、以下のように表記され得る。

式中、XF=wFsinρF+zFcosρFであり、FFtC,FFtL,FFtQ,fPFt及びFKFtは、両方の歯面について自由に指定可能な連続関数であり、角度ρFは、両方の歯面について自由に定義可能な方向を定義している。とりわけ、関数FFtC,FFtL,fPFt及びFKFtのうち少なくとも1つが一定であり、特に0である特殊な場合もあり得る。円柱形ワークピースの特殊な場合には、mF=0である。

修整fFが表される場合、この修整fFは、例えば、曲線適合により、式(100)の3つの項に近似的に、個々の場合には厳密にも分解され得る。このため、関数FFtC,FFtL,FFtQ,fPFt及びFKFt並びに方向ρFを求めて、fGFTとfFとの偏差が最適、特に最小になるようにする。この偏差を、例えば、離散的な点(wFi,zFi)で、又は、w−z図全体にわたって連続的に計算し得る。この偏差の連続的な計算は、例えば、w及びzの全ての値についての距離関数の積分を用いて実行され得る。w−z図での点の位置に応じて加重された偏差を計算することも可能である。こうすれば、順守される許容量がどこでも同じではない場合に、特に好適である。これらの指定を考慮に入れるためには、変形例として、曲線適合に用いる距離関数を、wF及びzFの全ての値について同じにしないことも可能である。曲線適合の典型的な変形例は、距離関数として2−ノルムを用いる最小二乗法である。

所望の修整は、例えば、連続関数fF、散布図(wFj,zFj,fFj)、又は、これら2つの組み合わせによって表され得る。関数FFtC,FFtL,FFtQ,fPFt及びFKFtは、曲線適合により、連続関数として計算され得る。あるいは、離散的な点(wFk,zFk)でのみ関数値を計算することも可能である。連続関数は、補間により、これら離散的な点から計算し得る。

必要な場合には、曲線適合において、科学技術的な観点も付加的に考慮に入れてもよい。例えば、科学技術的理由のため、対角比ひいては方向ρFも制限することが好適である場合もある。曲線適合に用いる、最小化すべき距離関数も、一般的に、fGFTとfFとの偏差に加えて科学技術的パラメータにも依存し得る。

この方法を、一定でない対角比とともに用いる場合、式(100)を修整して、FFtC,FFtL,FFtQを、式(95)に従った修整と置換されるようにしなければならない。万一、ある与えられた修整をこのような複合的修整により近似させたり、曲線適合により厳密に分解したりすべき場合、関数FFt1C,FFt1L,FFt1Q,fPFt及びFKFtFzv1、並びにウォームのマクロ形状(特に、円錐角及びプロファイル角)を求めて、所望の修整からの間隔が最小になるようにし得る。円錐形ウォームによる研削のオプションが考慮される場合、ウォームの形状(特に、軸交差角だけではなく、創成ラックの円錐角及びプロファイル角)も、曲線適合において、追加的に最適化され得る。こうすれば、2つの歯面上で研削が行われるべき場合に、特に有用である。この場合には、関数FZV1は、左右の歯面で同じである。関数FFt1C,FFt1L,fPFt及びFKFt,FFt1Qは、一般に、一方の歯面に対する研削の場合と、2つの歯面に対する研削の場合との両方の場合において、左右の歯面でばらばらである。

<工具の分割> ギヤ歯の機械加工は、荒加工工程及び精密、すなわち、仕上げ加工工程で行われることが多い。これらの別々の機械加工工程は、工具の同じ領域及び別々の領域の両方、又は、別々の工具を用いて行い得る。荒加工工程は、本明細書に記載の方法を用いて、全体的又は部分的に行い得る。しかしながら、荒加工工程のための他の方法、特に、対角比が0の、又は、科学技術的に導かれた対角比が非常に小さい軸方向研削を実行することも可能である。このような荒加工により、荒加工領域又はウォーム上の領域をより適切に利用できるようになるが、ギヤ歯に対する所望の修整は施されない。本明細書に記載の方法が、荒加工中に既に使用されている場合、精密、すなわち、仕上げ加工の開始時のストックは、より均等に分配されており、仕上げ加工領域には、より均等に負荷がかけられる。荒加工において、本明細書に記載の方法を用いることも可能であるが、多量の材料を除去しなければならない荒加工領域における領域でウォームに負荷をかけすぎないように、修整の量を、精密、すなわち、仕上げ加工と比べて少なくすることも可能である。複数の荒加工工程を実行する場合、修整の量を段階的に増加させてもよい。荒加工中にギヤ歯に施された修整に近似させることだけを行うことも可能であり、特に、ρFによって表される方向に近似させて、加工領域を延長したり短縮したりすることにより、科学技術的観点から最適な方法でウォームを分割することも可能である。荒仕上げ領域及び仕上げ加工領域は、円柱形ウォームと円錐形ウォームとの両方の場合に、ウォームの幅全体にわたって望む通りに位置付けされ得る。

<他の形成方法への乗り換え可能性> 本発明の基礎をなす方法は、ドレッシング可能な工具を用いる創成研削と及び歯形ローラドレッサによるドレッシングの例として、前述されている。しかしながら、ドレッシング不可能な工具も、式(25)に従った修整を有する限り、同様に使用し得る。これらドレッシング不可能な工具を製造する製造方法次第では、ρFによって表されるコンスタント修整の方向を、自由に、又は、少なくとも決まった範囲内で自由に選択することにより、次に、創成研削中の対角比と、ひいては加工領域も影響を受け得るようにすることが可能である。このρFの自由な選択も、工具の外形ドレッシングにより可能である。

歯付工具と、連続創成ギヤ列の運動とを用いるとともに工具の送り出しを可能にする他の製造方法においても、この方法を使用できる。これらの別の製造方法としては、例えば、ホブ切り、スカイビングホブ切り、シェービング、及びホーニングが挙げられる。工具は、同様に、式(25)に従った修整を有しなければならない。工具に対するρFの自由な選択も、工具の製造方法次第で可能である。

<適用例> 本明細書に記載された発明の、従来技術に対する効果を一部示すとともに、上記方法の例をいくらか示すことを目的とする単純な適用例を、以下にいくつか説明する。

本明細書に記載された方法を用いて施し得るとともに、最近非常に関連性が高くなっている修整の特定の部分集合は、w及びzを用いる二次多項式によって与えられる修整によって表される。このような修整fp2は、一般に、

によって表される。式中、係数Aは、ある一定の範囲内で自由に選択可能な実数である。fp2が、式(100)に従ってFFtC、FFtL、及びFKFtに分解され、且つ、XKF=wFsinρKF+zFcosρKFである以下の手法を選択すれば、係数比較により、6つの式が作成される。これらの式から、係数Kを求め得、またこれらの式は、この手法に取り入れられる。

ρF、及び、ひいては選択された対角比から独立して、式の体系を常に解くことができる。従って、式の体系は、修整fp2を施す際に、ある一定の限度内で自由に選択され得る。

合計7つの係数が導入されたので、式の体系は劣決定系(underdetermined)であり、この解は明確ではない。例えば、係数を選択することにより、可能な限りうまくウォームをドレッシングできるようにするために、この自由度を用い得る。したがって、例えば、KF10は、左右の歯面それぞれについて、自由に指定し得る。このことは、とりわけ、2つの歯面に対してドレッシングを行わなければならないときに注目すべきである。例として説明すると、KF10は、実質的に、図22に示すような移動装置がドレッシングに使用される場合、ドレッサが位置XF1でC5軸の周りをどの程度旋回しなければならないかを表す。Kl10及びKr10は、C5軸の同じ旋回角が、同時にドレッシングされるウォームの左右歯面における2つの位置Xl1及びXr1について設定されるように選択され得る。C5軸の旋回角が、ドレッシングされるウォームの全領域にわたって同じであるかどうかは、係数KF11と、工具及びワークピースのマクロ形状(具体的には、これらが対称であるか非対称であるか、並びに、円柱形であるか円錐形であるか)に依存する。しかしながら、異なるC5角が必要な場合、ある一定の範囲内で、2つの歯面に対してウォームをドレッシングすることも可能である。本願の第1の部分に記載されているような目的のために、ドレッシング中に全ての自由度を用い得る。このため、それぞれ到達される4点のうち2点が、左右歯面について選択される。従って、式(101)によって定義された非常に大きい範囲の修整を施すとともに、単歯面ドレッシング又は両歯面ドレッシングを用いる方法が利用できる。

このような両歯面ドレッシングは、対角比を決定して、必要な位相修整をウォームに対して可能な限り単純に施し得るようにすることにより、さらに最適化され得る。つまり、ここで述べている二次多項式としては、例えば、対角比を適応させることにより、左右歯面をそれぞれドレッシングするのに必要なC5角が、ウォームの幅全体にわたって同じだけ、あるいは少なくとも同じ程度、変動するようにするものがある。このため、対角比は、Kl11及びKr11が対応する値を採用するように選択されるべきである。これにより、対角比を自由に選択する際の柔軟性が失われることは確かだが、その一方で、より広い範囲の修整が、両歯面ドレッシングを用いて、ワークピースに対して施されるようにもなる。

式(101)によって表され得る、最近最も関連性の高い修整は、クラウニング及び複数のクラウニングの付加的重畳である。クラウニングfBは、一般に、以下のように表され得る。 fB(wF,zF)=KB2×(wFsinρBF+zFcosρBF)2+KB1×(wFsinρBF+zFcosρBF)+KB0・・・(103) ρBF=0の場合、これは歯すじクラウニングである。ρBF=±π/2の場合、歯形クラウニング(profilecrowning)である。他の場合には、有向クラウニングの問題となる。このようなクラウニングは、ねじれを形成するので、「直接ねじれを有するクラウニング」と呼ばれることがよくある。クラウニングは、円形クラウニングと定義されることもよくあるが、本明細書に記載の二次関数的クラウニングにより、非常に良好に近似され得る。

外形ドレッシングとは別の、ドレッシング及び/又は研削運動により歯形クラウニングに影響を及ぼす方法は、従来から公知ではない。ねじれのない、又は、直接ねじられた歯すじクラウニングを形成する方法は、最初に引用された文献から公知であることは確かであるが、これらの全ての方法によれば、本明細書に提示された方法では形成されない不要な歯形クラウニングが形成される。本明細書に提示された方法によれば、さらに進んで、歯形クラウニングを直接形成することも可能になる。歯形クラウニングは、以前は、ドレッサの形状に対してのみ可能であった。歯形クラウニングのみの変更が必要な場合、新しいドレッサの高い調達費用が発生することがない。このことは、具体的には、契約製造及び小規模製造の場合には、特に大きな関わりがある。さらに、誤って形成された歯形クラウニングを有するドレッサを使用すること、及び、誤って形成された歯形クラウニングを補正することも可能である。こうして、研削されたギヤを測定するとともに、それに応じて、形成された歯形クラウニングを決定及び補正し得る。従って、本願の第1の部分に提示された方法に加えて、創成研削中の歯形クラウニングに影響を及ぼすことができる別の方法も使用できる。これらの方法は、それぞれ、もう一方の方法と比べて、固有の利点及び欠点を有する。この点について、以下に簡単に述べる。本願の第1の部分に提示された方法によれば、ウォームの歯形クラウニングに対して、その長さ全体にわたって均等に影響を及ぼすことができる。こうして、位相修整が必要とされない限り、このようなウォームを用いる軸方向研削方法で研削が行われ得る。この軸方向研削方法では、一般的には、1回のドレッシングサイクル毎に研削され得る多数のワークピースが形成される。しかしながら、ウォームのマクロ形状が、歯形クラウニングに十分に大きな影響を及ぼし得ることがこの場合必要であるが、歯形クラウニングは、小さい多数のネジ山のあるウォームの使用を必要とする傾向にある。本明細書の第2の部分に提示された方法により、所望のあるマクロ形状を効果的に有するウォームの使用が可能になる。しかしながら、この方法では、斜め創成研削を用いる必要がある。例えば、位相修整を施すという目的であるか、又は、ギヤ装置の幅が原因で斜め創成研削が科学技術的に必要とされるという理由であるかはともかく、ワークピースが斜め創成研削で研削される場合、この方法によれば、何ら欠点が生じることはない。

対角比、ひいてはシフト範囲、及び、ウォームにおいて利用される領域のサイズは、ある一定の範囲内で自由に選択されることにより、クラウニングの形成又は複数のクラウニングの付加的な重畳を可能とする。従って、ウォームにおける領域数を、例えば、最適化させたり、又は、科学技術的観点を考慮に入れつつ、ウォームの長さに最適に適合させたりすることができる。

対角比を自由に選択することにより得られる別の効果としては、指定された対角比を固定することを必要とする修整との重畳ができることが挙げられる。このような例を図29に示す。この例は、三角エンドリリーフ、歯形クラウニング、及びねじれのない歯すじクラウニングの付加的な重畳である。ここでは、それに応じて構成されるドレッサではなく、本明細書に記載の方法を用いて歯形クラウニングが施される。三角エンドリリーフを施すためには、リリーフが正しい方向に下がるように、対角比を選択しなければならない。この方向は、w及びzで表される直線である線123によって定義される。修整における、三角エンドリリーフのみから生じる部分は、この線に沿って一定である。このことは、領域127にある線123と並行する全ての線に同様に当てはまる。ここでは、修整における三角エンドリリーフによる部分は、これら線毎に異なる値を有する。本明細書に記載の方法を用いて全部の修整を研削できるようにするためには、この部分は、式(102)で表されるように、図31に示される研削運動による部分(FKFt)と、図30に示される、斜めシフティングによるウォームの修整による部分(FFtC+FFtL)とに分解され得る。

本明細書において例示された式(101)に従って修整を施す方法も、w及びzで表される高次多項式に転用され得る。この目的のため、高次項XF及びXKFは、式(102)からの手法に追加され得、関数FFtQもさらに同様に含まれ得る。例えば、このようにして、三次多項式が作成され得る。これらもまた、異なる半径を有する円の、接線方向に隣接する円弧を2つ含む円形クラウニングに非常に容易に近似させることができるので、特に注目するべきである。従って、本明細書で説明された製造方法を用いてある特定の範囲内で自由に選択できる対角比で、特別な有向クラウニング、ある具体的なねじれのあるクラウニング、又は、ねじれのないクラウニングを施すことができる方法が初めて利用可能になる。

別の例は、歯面全体にわたって多様な振幅を有する波形状である。定義された方向(ρF2)、相長さ(δ)、波長(λ)、及び振幅を有する波形状が創成研削で形成され得る方法が、独国特許出願公開第102012015846号明細書により公知である。ここで、波形状の振幅は、第1の方向GC2に沿って一定であるが、第1の方向に垂直な第2の方向に沿って変化し得る。現在、歯面全体にわたって振幅を変化させることは、本明細書に提示された方法を用いれば可能である。図32には、波形状を被覆する上面及び下面を示す。この上面は、w及びzに依存した波形状の振幅関数を定義する。歯面の端部に比べてその中央でより小さい値を有するとともに、w及びzで表される2つの2次多項式の和として与えられる振幅関数が、本明細書では一例として選択された。歯面の端部で小さい振幅を形成する振幅関数も同様に可能である。一定でない振幅の波形状は、振幅関数に波形状 sin(XF2/λ+δ) を乗じることにより得られる。これにより、こうして得られる修整は、式(25)に従った形状を有し、図33に示される。このような波形状は、独国特許出願公開第102012015846号明細書にも記載されるように、動力伝達装置の励振挙動を最適化するために用いられてもよいが、歯面にわたって振幅に差があるので、異なる複数の負荷レベルについて最適化を可能にするためにも付加的に用いられてもよい。

ウォームのネジ山の歯面が複数の行程でドレッシングされる場合、各行程で歯面の異なる領域をドレッシングすること、例えば、第1の行程で歯形の上部を、第2の行程で下部をドレッシングすることが可能であり、これにより、異なる領域に対して異なる修整を適用することが可能である。従って、例えば、歯形の上部領域、又は、波形状によって修整された領域と、波形状によって修整されていない領域との間にある、歯面vに対して斜めの遷移領域においてワークピースに波形状を適用することのみが可能になる。

<保護の価値がある点のリスト> 以下、本発明の重要な態様を示す。これらの重要な態様は、それ自体、互いの組み合わせ、従前の記載に示す態様との組み合わせのいずれについても、本願の主題である。ここで、具体的には、工具のドレッシングについて示されるこれらの態様は、これらの態様において斜め創成法のために使用される工具に修整を施すために使用され得る。

A.ドレッシング

1. 工具上で、ワークピースのギヤ歯機械加工を行うために使用可能な工具のドレッシング方法であって、前記ドレッシングは、前記ドレッサと前記工具が線接触した状態で行われ、 前記工具の表面形状の特定の修整は、ドレッシングの際に、前記工具に対して前記ドレッサの位置を適切に選択することによって施され、 前記工具の表面形状の前記特定の修整を少なくとも3つのロール角で指定することができ、及び/又は前記工具の表面形状の特定の修整のクラウニングを指定でき、 及び/又は前記工具の表面形状の前記特定の修整を少なくとも2つのロール角で指定することができ、加えて、前記工具の特定の半径に対して前記ドレッサの特定の半径の関連付けを行い、 及び/又は前記工具の表面形状の前記特定の修整のピッチが指定可能であり、加えて、前記工具の特定の半径に対して前記ドレッサの特定の半径の関連付けを行い、 及び/又は前記工具の2つの特定の半径に対し、前記ドレッサの2つの特定の半径の関連付けを行い、 及び/又は前記工具の回転角度及び前記工具の幅位置がドレッシングの際に変更されて前記ドレッサが前記工具に沿って案内され、前記ドレッサと前記工具との相対的位置の少なくとも2つ以上の自由度が、ドレッシングにより加工されるギヤ歯形状に影響を与えるように及び/又は前記工具の特定の半径に対して前記ドレッサの特定の半径を関連付けるために、それぞれ独立して設定される、方法。

2. 第1の態様による方法において、前記工具の所望の修整が4つのロール角で指定され、及び/又は3つのロール角での前記工具の前記所望の修整の指定に加えて、前記工具の特定の半径に対する前記ドレッサの特定の半径の関連付けが行われ、及び/又は前記工具の2つの特定の半径に対する前記ドレッサの2つの特定の半径の前記関連付けに加えて、少なくとも2つのロール角での前記工具の表面形状の前記特定の修整の指定及び/又は前記工具の表面形状の前記特定の修整のピッチの指定を行う、方法。

3. 第1又は第2の態様による方法において、前記工具の表面形状の前記特定の修整の指定が、工具を用いて機械加工されるワークピースの表面形状の所望の修整の指定によって行われ、前記工具を用いて機械加工される前記ワークピースの表面形状の前記所望の修整から、この目的で必要な前記工具の表面形状の前記修整が好ましくは決定される、方法。

4. 第1から第3の態様のいずれか1つの態様による方法において、前記工具の表面形状の前記特定の修整又は前記ワークピースの表面形状の前記所望の修整は、単純な歯形修整である、方法。

5. ドレッシング機上のワークピースのギヤ製造機械加工に使用可能な工具に修整ドレッシングを施す方法であって、 ・前記工具の所望の歯形修整を指定する工程と、 ・前記所望の歯形修整に応じて、ドレッシング中に前記ドレッサと前記工具との相対的位置に影響を与える前記ドレッシング機の複数の運動軸を設定する工程と備え、 修整済みのドレッサが用いられ、前記ドレッサの歯形修整及び前記ドレッシング機の設定された前記複数の運動軸によって前記工具の前記歯形修整が施される、方法。

6. 第5の態様による方法において、曲線適合がドレッシング中の前記ドレッサと前記工具との相対的位置を決定するのに用いられ、それにより前記所望の歯形修整を少なくとも近似的に施すことが可能であり、 及び/又はドレッシング機の複数の運動軸の設定により施される前記工具の歯形修整の一部が少なくとも1つのロール角で、好ましくは2つ又は3つのロール角で指定又は決定され、 及び/又は前記工具上の前記ドレッサの前記歯形修整の所望の位置が指定され又は決定され、 及び/又は前記工具上の前記ドレッサの前記歯形修整の所望の伸長又は圧縮が指定され又は決定され、 及び/又は前記工具の適切なプロファイル角が選択される、方法。

7. 第1から第3の態様のいずれか1つの態様による方法において、前記工具の表面形状の前記特定の修整又は前記ワークピースの表面形状の前記所望の修整は、前記工具の幅位置の関数として、少なくとも1つのロール角、好ましくは2つ又は3つのロール角で指定可能であり、 及び/又は前記ドレッシング機の複数の運動軸は前記工具の幅位置に応じて設定されて前記特定の修整が施され、 及び/又は前記工具の特定の半径に対する前記ドレッサの特定の半径の前記関連付けは、前記工具の幅位置の関数として指定可能であり、 及び/又は前記ドレッシング機の複数の運動軸は前記工具の幅位置に応じて設定されて前記特定の修整が施され、 前記修整がそれらで指定可能になる前記ロール角のうち少なくとも1つのロール角、さらに好ましくは2つ又は3つのロール角は、前記工具の幅方向で異なって選択され、さらに好ましくは前記工具の幅位置の関数として指定可能である方法。

8. 第1から第7の態様のいずれか1つの態様による方法において、前記ドレッシングは一方の歯面において行われ、前記少なくとも3つのロール角は一方の歯面に設けられ、及び/又は前記ドレッシングを両歯面にて行い、前記少なくとも3つのロール角は前記両歯面にわたって分配され、及び/又は前記ドレッシングは両歯面に行われ、基本的に円錐形である工具が使用され、前記円錐の角度は好ましくは前記修整の設定に使用される、方法。

9. 第1から第8の態様のいずれか1つの態様による方法において、前記ドレッサの修整により施される修整と、ドレッシング中の前記工具に対する前記ドレッサの位置の設定により施される前記工具の表面形状の特定の修整とが重畳され、 前記ドレッサの修整により施される歯面の修整位置は指定可能であることが好ましく、具体的には前記工具幅方向における位置の関数として、及び/又は前記工具の特定の半径に対する前記ドレッサの特定の半径の関連付けによって指定可能であり、及び/又は 前記工具上の前記ドレッサの前記修整の所望の伸長又は圧縮が指定可能であることが好ましく、前記工具の幅方向における位置の関数として、具体的には前記工具の2つの特定の半径に対する前記ドレッサの2つの特定の半径の関連付けによって指定可能であることが好ましく、 及び/又は前記工具の適切なプロファイル角が選択され、 及び/又は前記修整済みのドレッサは、その完全なアクティブ歯形に対して不変の修整がされ、例えば不変のクラウニングを有し、又は前記修整済みのドレッサは、少なくとも1つの、第1部分領域で修整されており、その歯形は少なくとも1つの第2部分領域における歯形と異なっており、前記第1部分領域における修整は、好適には、異なったプロファイル角及び/又は異なるクラウニングを有し、具体的に前記修整は縁部を有することが可能であり、及び/又は前記ドレッサは、好ましくは、ドレッシング中に前記第1及び第2部分領域で同時に前記工具表面と接し、 及び/又は複合ドレッサが、歯末と歯面のドレッシングを同時に行うのに使用され、歯先のたけは、好ましくは、ドレッシング中のドレッシング機の複数の運動軸を設定することにより指定され及び実現され、歯先のたけは、好ましくは、前記工具の幅位置の関数として指定可能である、方法。

10. 第1から第9の態様のいずれか1つの態様による方法において、特定の条件をよりよく満たす前記工具と前記ドレッサとの同じ相対的位置を生じさせる前記ドレッシング機の前記複数の運動軸の複数の設定値から、設定値を選択し、該設定値はより高い精度及び/又はより少ない位置エラーで前記所望の相対的位置を付与する設定値を選択し、及び/又は該設定値は、機械の複数の軸の移動運動を少ししか必要としない設定を選択し、及び/又は該設定値は前記ドレッサ、前記工具及び/又は前記機械の部品同士の衝突を避ける設定値を選択し、 及び/又は前記工具によって加工される前記ギヤ歯形状又は前記ドレッシングにより前記工具に加工される前記ギヤ歯形状が測定され、ドレッシング中に起こるそれらの所望の設定からの前記ドレッシング機の前記複数の運動軸の偏差は、所望の形状からの偏差から決定される、方法。

11. 第1から第10の態様のいずれか1つの態様による方法において、少なくとも自由度3、好ましくは4又は5の自由度が、前記ドレッサと前記工具との相対的位置付けの際に所望の修整を実施するのに使用され、それらの自由度は、前記所望の修整を施すのにそれぞれ独立して好ましくは設定可能であり、それは、次の5の自由度、すなわち前記工具の回転角度、前記工具の軸位置、前記ドレッサのy位置、中心距離、及び/又は軸交差角のうちの少なくとも3つ、4つ、又は全ての場合であり、前記工具の軸位置、すなわち前記工具の幅位置は、前記ドレッサの接触線をずらすのに用いられ、残りの4の自由度のうち、2、3、又は4の自由度は、接触線に沿って前記特定の修整を施すためにそれぞれ独立して設定される、方法。

12. 第1から第12の態様のいずれか1つの態様による方法において、ドレッサの表面形状における複数の誤りは、前記ドレッシング機の前記複数の運動軸の設定時の対応する複数の補正値を指定することにより、少なくとも部分的に補正され、 及び/又は第1のマクロ形状及び/又は第1の所望の表面形状を有する工具に対して構成されたドレッサは、第2のマクロ形状及び/又は第2の所望の表面形状を有する工具をドレッシングするのに使用され、前記第1のマクロ形状及び/又は前記第1の所望の表面形状を有する前記工具に対する前記構成により生じる複数の誤りは、第2のマクロ形状及び/又は第2の所望の表面形状を有する前記工具をドレッシングする際に、前記ドレッシング機の前記複数の運動軸の対応する設定値により少なくとも部分的に補償され、 及び/又はドレッシング中の前記ドレッシング機の前記複数の運動軸の前記設定及び/又は前記ドレッサの前記マクロ形状及び/又は前記ドレッサの前記修整及び/又は前記工具の前記マクロ形状は、曲線適合によって決定され、前記ドレッシング機の前記複数の運動軸の設定の変更によって曲線適合の一部として実現可能な創成パターン内での修整は、前記工具の幅方向に対して角度ρFSを有する方向において2つ、3つ又は4つのロール角で好ましくは変更され、それらの方向に沿って補間され、好ましくは、一次、二次及び/又は3次元関数であると想定され、所望の修整と比較され、距離関数が好ましくは前記偏差を定量化するのに用いられ、前記距離関数は、好ましくは創成パターン内での位置に応じた重み付けを有する、方法。

13. 第1から第12の態様のいずれか1つの態様による方法において、少なくとも1つの条が機能しない及び/又は省略された工具及び/又は第1の面をドレッシングする際に反対側に配置された面の外形に少なくとも部分的に係合する工具が使用され、及び/又は少なくとも1つの歯面が前記ワークピースの機械加工時に前記ワークピースに接触しないようにドレッシングされ、少なくとも1つの条が、好ましくは、前記ワークピースの機械加工時に前記ワークピースに接触しないように、したがって機能しないようにドレッシングされ、 少なくとも1つの機能しない条が、2つの機能する条の間に設けられている及び/又は省略され、 及び/又は創成カップリング(generatingcoupling)における前記ワークピースの機械加工時に、多くて1つの歯おきに前記工具に好ましくは次々に順次係合し、及び/又は前記ワークピースの歯の少なくとも1つの第1部分は、少なくとも1つの第1通路(pass)において前記ワークピースの歯の数に応じて、及び/又は前記ワークピースの条数に応じて機械加工され、その結果、少なくとも1つの第2の動作(pass)において前記歯の少なくとも1つの第2の部分を機械加工すべく、前記ワークピースが前記工具に対して回転する、方法。

14. 第1から第13の態様のいずれか1つの態様による方法において、各場合において前記ドレッシングは線接触した状態で2回以上のストロークで行われ、 前記2回以上のストロークで前記ドレッサと前記工具との間の異なる位置付けに必要な位置の変更に加えて、前記ドレッシング機の前記複数の運動軸は各ストロークでドレッシング中に異なるように設定されるのが好ましく、少なくともそれらのストロークのうち1回における前記修整のピッチ及び/又はクラウニングに影響し、 前記特定の修整は、前記少なくとも1回のストロークによって加工される表面形状が少なくとも1回の第2ストロークによって加工される表面形状に所望の角度で、具体的には接線方向に隣接するように、前記ストロークうちの少なくとも1回で設定が可能であり、 及び/又は前記工具の前記特定の修整は好ましくは、少なくとも1回のストロークで少なくとも2つの、好ましくは3つのロール角で指定され、及び/又は、前記工具の特定の半径に対して前記ドレッサの特定の半径の関連付けを、少なくとも1回のストロークに対して、好ましくは各ストロークに対して行う、方法。

15. 第14の態様による方法において、前記工具の異なる複数の領域は各ストロークに対して使用され、及び/又は異なる複数のドレッサが前記各ストロークに対して使用され、及び/又は前記複数のストロークのうちの1回のストロークは、歯元又は歯先の修整を施すのに使用可能であり、例えば、歯元又は歯末のリリーフを加工するのに使用され、 及び/又は前記各ストロークによって施された複数の修整が互いに隣接する1つ又は複数の箇所は、前記工具の幅位置に応じて変更される、方法。

16. 修整済みの工具を用いて創成法、具体的には斜め創成法によって修整されたギヤ形状を有するワークピースを作製するための方法であって、 前記工具の表面形状の特定の修整は、第1から第15の態様のいずれか1つの態様による方法によって施され、 前記創成法、具体的には前記斜め創成法による前記特定の修整により、前記ワークピースの表面上の対応する修整が施される、方法。

17. 特定のドレッサと線接触した状態でドレッシング時に工具の所望の修整を施すために必要な前記ドレッサと前記工具との相対的位置を算出するため又はその規定に必要な、ドレッシング機の複数の運動軸を設定するため、具体的には第1から第16の態様のいずれか1つの態様による方法を実施するための装置及び/又はソフトウェアプログラムであって、 前記工具の表面形状の前記特定の修整を指定可能にする入力関数と、 前記ドレッサと前記工具が線接触した状態でドレッシングを行う際、前記修整を施すのに必要な前記ドレッサと前記工具との前記相対的位置を決定し、又は前記特定の修整を施すのに必要な前記複数の運動軸の設定値を決定する演算関数を備え、 前記入力関数及び前記演算関数は、それらが上述のいずれか1つの方法を実施するのに使用可能であるように構成され、及び/又は 前記入力関数及び前記演算関数は、前記工具の表面形状の前記特定の修整が少なくとも3つのロール角で指定可能になるように、及び前記算出された相対的位置又は前記ドレッシング機の前記複数の運動軸の設定値によってここに施され得るように構成され、及び/又は前記ギヤ装置のクラウニングが指定可能になるように及び前記算出された相対的位置又は前記ドレッシング機の前記複数の運動軸の設定値によって施され得るように構成され、 及び/又は前記入力関数及び前記演算関数は、前記工具の表面形状の前記特定の修整が少なくとも2つのロール角で指定可能になるように、及び前記算出された相対的位置又は前記ドレッシング機の前記複数の運動軸の前記設定値によってここで施され得るように構成され、それに加えて、前記工具の特定の半径に対する前記ドレッサの特定の半径の関連付けが指定可能又は算出可能であり、前記算出された相対的位置又は前記ドレッシング機の前記複数の運動軸の設定値に基づいて行われるように構成され、 及び/又は、前記入力関数及び前記演算関数は、前記ギヤ装置の修整のピッチが指定可能になるように、及び前記算出された相対的位置又は前記ドレッシング機の前記複数の運動軸の設定値によって施され得るように構成され、それに加えて、前記工具の特定の半径に対する前記ドレッサの特定の半径の関連付けが指定可能又は算出可能であり、前記算出された相対的位置又は前記ドレッシング機の前記複数の運動軸の設定値に基づいて行われるように構成され、 及び/又は、前記入力関数及び前記演算関数は、前記工具の2つの特定の半径に対する前記ドレッサの2つの特定の半径の関連付けを行うように構成され、 及び/又は、前記入力関数及び前記演算関数は、修整済みのドレッサに対するデータが入力されることが可能になるように構成され、決定部が、前記工具の所望の歯形修整が前記ドレッサの前記歯形修整及び前記ドレッシング機の設定された前記複数の運動軸に少なくとも近い状態で施されるように、前記ドレッシング機の前記複数の運動軸の前記設定値を決定するように構成されている、装置及び/又はソフトウェアプログラム。

18. ドレッシング機又はドレッシング機を有するギヤ製造機であって、前記ドレッシング機はドレッシングされる前記工具を保持する工具ホルダと、この目的で使用される前記ドレッサを保持するドレッサホルダを有し、前記ドレッサホルダは回転軸を有し、前記ドレッシング機はさらに複数の運動軸を有し、これにより、前記ドレッサと線接触した状態で前記工具をドレッシングする際の複数の自由度をそれぞれ独立して設定できると共に、前記ドレッシング機は制御器を有し、 前記制御器は、前記工具の回転角度及び前記工具の幅位置がドレッシングの際に変更されて前記ドレッサが前記工具に沿って案内されるように、前記複数の運動軸を制御し、前記ドレッサと前記工具との前記相対的位置の少なくとも2つ以上の自由度は、前記ドレッシングにより加工されるギヤ歯形状に影響を与えるように、それぞれ独立して設定及び/又は制御及び/又は指定可能であり、 及び/又は前記制御器は、前記工具の表面形状の前記特定の修整を指定可能にする入力関数を有し、 前記制御器は、前記特定の修整から、前記ドレッサと前記工具が線接触した状態でドレッシングを行う際に前記特定の修整を施すのに必要な前記複数の運動軸の設定値を決定する演算関数を有し、 前記制御器は、前記ドレッサと前記工具が線接触した状態でドレッシングを行う際に前記複数の運動軸の対応する設定を行う制御関数を有し、 前記入力関数、前記演算関数、及び前記制御関数は、それらが上述のいずれか1つの方法を実施するのに使用可能であるように構成され、 及び/又は前記入力関数、前記演算関数、及び前記制御関数は、前記工具の表面形状の前記特定の修整が少なくとも3つのロール角で指定可能であり、及び前記ドレッシング機の前記複数の運動軸の設定によってここで施されるように、及び/又はギヤのクラウニングが指定可能であり、及び前記ドレッシング機の前記複数の運動軸の前記設定によってここで施され得るように構成され、 及び/又は、前記入力関数、前記演算関数、及び前記制御関数は、前記工具の表面形状の前記特定の修整が少なくとも2つのロール角で指定可能であり、及び前記ドレッシング機の前記複数の運動軸の前記設定によってここで施されるように構成され、それに加えて、前記工具の特定の半径に対する前記ドレッサの特定の半径の関連付けが指定可能又は算出され、前記ドレッシング機の前記複数の運動軸の前記設定に基づいて行われるように構成され、 及び/又は、前記入力関数、前記演算関数、及び前記制御関数は、前記ギヤ装置のピッチが指定可能であり、及び前記ドレッシング機の前記複数の運動軸の前記設定によって施されるように構成され、それに加えて、前記工具の特定の半径に対する前記ドレッサの特定の半径の関連付けが指定可能又は算出され、前記ドレッシング機の前記複数の運動軸の前記設定に基づいて行われるように構成され、 及び/又は、前記入力関数、前記演算関数、及び前記制御関数は、前記工具の2つの特定の半径に対する前記ドレッサの2つの特定の半径の関連付けを行うように構成され、 及び/又は、前記入力関数、前記演算関数、及び前記制御関数は、修整済みのドレッサに対するデータが入力されることが可能になるように構成され、決定部が、前記工具の所望の歯形修整が前記ドレッサの前記歯形修整及び前記ドレッシング機の設定された前記複数の運動軸に少なくとも近似して施されるように、前記ドレッシング機の前記複数の運動軸の前記設定を決定するように構成されている、装置及び/又はソフトウェアプログラム。

1. 適切にドレッシングされた工具を用いて、所望のギヤ形状を有するワークピースを製造する方法であって、 前記ワークピースにおける所望のギヤ形状を指定する工程と、 少なくとも許容誤差範囲内において前記ワークピースにおける所望のギヤ形状が得られるように、ドレッサと工具から組み合わせを選択する工程と、 前記工具において適切なギヤ形状を得るために、線接触させながら、前記ドレッサを用いて前記工具をドレッシングする工程と、 少なくとも許容誤差範囲内において前記ワークピースにおける所望のギヤ形状が得られるように、前記ドレッシングされた工具を用いて前記ワークピースを機械加工する工程と、を備える方法。

2. 第1の態様において、 前記選択は、前記ワークピースにおける所望のギヤ形状に応じて、複数のドレッサ及び/又は複数の工具の中から行われ、及び/又は、 前記複数のドレッサ及び/又は前記複数の工具は、好ましくは、少なくとも部分的に指定され、又は既存の範囲内にあり、及び/又は、 前記複数のドレッサは、互いに異なる工具に用いられるように設計され、及び/又は互いに異なる修整、及び/又は互いに異なる直径を有し、及び/又は、 前記複数の工具は、マクロ形状、特に条数及び/又は直径、及び/又はプロファイル角が互いに異なり、及び/又は、 使用可能なドレッサ及び/又は工具に対してスペックが定められ、該スペックは、選択された組み合わせにより、少なくとも許容誤差範囲内において前記ワークピースにおける所望のギヤ形状が得られるように補完的に用いられ、及び/又は、 前記工具は、そのマクロ形状、特に条数、及び/又は直径及び/又はプロファイル角に応じて選択される方法。

3. ドレッサと工具との特定の組み合わせを用いて、所望のギヤ形状を有するワークピースの製造キャパシティを判定する方法であって、 前記ワークピースにおける所望のギヤ形状を指定する工程と、 前記ドレッサと工具との特定の組み合わせを用いて、線接触させながら前記工具をドレッシングできるか否か、及び少なくとも許容誤差範囲内において前記所望のギヤ形状が得られるように、前記ドレッシングされた工具を用いて前記ワークピースを機械加工できるか否かを判定する工程と、 前記判定に基づいて、前記ワークピースの製造キャパシティに関する情報を出力する工程と、を備え、 前記ドレッサと工具との特定の組み合わせによって形成され得る前記ワークピースの複数のギヤ形状に関するデータが計算され、さらに好ましくは、全てのギヤ形状に関するデータが計算され、特に実施可能な修整の最小値及び/又は最大値と前記データとが比較され、さらに好ましくは、前記ワークピースにおける所望のギヤ形状と前記データとが比較される方法。

4. 所望のギヤ形状を有する複数のワークピースを製造するために、複数のドレッサ及び/又は複数の工具を決定する方法であって、 前記複数のワークピースにおける所望のギヤ形状、及び/又は、前記複数のワークピースのギヤ形状の所望の範囲を指定する工程と、 前記複数のドレッサ及び/又は複数の工具のうち1つのドレッサと1つの工具との組み合わせを用いて、少なくとも許容誤差範囲内において、前記複数のワークピースにおける前記所望のギヤ形状をできるだけ多く、及び/又は、前記複数のワークピースのギヤ形状の前記所望の範囲をできるだけ広く形成できるように、前記複数のワークピースにおける前記所望のギヤ形状、及び/又は、前記複数のワークピースのギヤ形状の前記所望の範囲に応じて、複数のドレッサ及び/又は複数の工具を決定する工程と、を備える方法。

5. 第1から第3の態様のいずれか1つにおいて、 前記ワークピースにおける前記所望のギヤ形状は、修整されたギヤ形状であって、及び/又は、 前記工具は、修整が施されるようにドレッシングされ、又は、 第3又は4の態様において、 前記複数のワークピースにおける前記所望のギヤ形状、及び/又は、前記複数のワークピースのギヤ形状の前記所望の範囲には、少なくとも1つの、好ましくは、複数の修整されたギヤ形状が含まれる方法。

6. 第1から第5の態様のいずれか1つにおいて、 前記1つ又は複数のドレッサの選択及び/又は決定と、前記1つ又は複数の工具の選択及び/又は決定と、前記製造キャパシティの確認のうちのいずれか1つを行う際に、前記ドレッサの歯形、及び/又はドレッシング中にドレッシング機の運動軸を適切に設定することにより、前記ドレッサによって得られる前記工具の修整が、考慮される方法。

7.第6の態様において、 ドレッシング中にドレッシング機の運動軸を適切に設定することにより実施される前記工具のプロファイル角及び/又はクラウニングの変更が考慮され、及び/又は、 前記工具の修整は、少なくとも2つの、好ましくは、3つのロール角において特定できること、ドレッシング中にドレッシング機の運動軸を適切に設定することにより得られることが考慮され、及び/又は、 前記ドレッサの特定の半径と前記工具の特定の半径とが関連付けされることが考慮され、及び/又は、 前記ワークピースにおける所望のギヤ形状は、単純な歯形修整によるものであり、及び/又は、 前記工具に形成されるギヤ形状は、単純な歯形修整によるものであり、及び/又は、 前記複数のワークピースにおける所望のギヤ形状、及び/又は、前記複数のワークピースのギヤ形状の前記所望の範囲は、修整を有さない、又は、単純な歯形修整のみを有するギヤ形状のみであり、及び/又は、 修整を有さない及び/又は施さない、及び/又は単純な歯形修整のみを有する及び/又は施すギヤ形状のみが、前記ドレッサ及び/又は工具を選択する際に考慮され、及び/又は、 特に誤差を抑制できるように、前記1つ又は複数のドレッサ及び/又は前記複数の工具を決定及び/又は選択する際、ドレッシング中にドレッシング機の運動軸における偏差によって生じる、前記工具に施される修整における誤差が考慮される方法。

8.第6又は第7の態様において、 前記工具に対する前記ドレッサの位置が、ドレッシング中に前記工具の幅方向位置に基づいて変更されることによって創成される前記工具の表面形状の特定の修整が考慮され、 ロール角における前記工具の表面形状における前記特定の修整が前記工具の幅方向の位置関数C0FSとして指定できることが好ましくは考慮され、及び/又は、 前記工具の幅方向に対して角度ρFSを有する前記工具の第1方向における、前記工具の表面形状の少なくともピッチ及び/又はクラウニングが前記工具の幅方向の位置関数として指定できることが好ましくは考慮され、及び/又は、 前記工具の表面形状における前記特定の修整は、少なくとも2つの、好ましくは、3つのロール角において前記工具の幅方向の位置関数として指定できることが好ましくは考慮され、及び/又は、 好ましくは、前記ドレッサの特定の半径と前記工具の特定の半径とが関連付け可能であることが考慮され、さらに好ましくは、前記関連付けは、前記工具の幅方向の位置関数として指定できることが考慮され、及び/又は、 前記ワークピースにおける所望のギヤ形状は、前記ワークピースの幅方向位置に依存する修整によるものであり、及び/又は、 前記工具に形成されるギヤ形状は、前記工具の幅方向位置に依存する修整によるものであり、及び/又は、 前記複数のワークピースにおける所望のギヤ形状、及び/又は、前記複数のワークピースのギヤ形状の前記所望の範囲は、ワークピースの幅方向位置に依存する少なくとも1つの、好ましくは、複数のギヤ形状を含み、及び/又は、 前記工具に形成され、前記工具の幅方向位置に依存するギヤ形状も、前記ドレッサ及び/又は工具を選択する際に考慮される方法。

9. 第1から第8の態様のいずれか1つにおいて、 ドレッシング中に、前記ドレッサの特定の歯形により、及び/又はドレッシング機の運動軸を適切に設定することにより得られる修整に対する前記工具及び/又は前記ドレッサのマクロ形状により生じる制限が、前記1つ又は複数のドレッサ及び/又は前記1つ又は複数の工具を選択及び/又は決定する際に考慮され、特に前記条数と、前記工具の直径と、前記工具のプロファイル角と、前記ドレッサの直径のうち少なくとも1つが考慮され、及び/又は、対向歯面の単面ドレッシング中に起こり得る前記ドレッサの衝突と、前記工具の歯のアンダカットと、相対的なプロファイル伸長と、相対的なプロファイル圧縮中のうちの少なくとも1つが考慮される方法。

10. 第1から第9の態様のいずれか1つにおいて、前記ドレッサによってドレッシングされた前記工具を用いてワークピースを機械加工する際に、ギヤ製造機の運動特性の変化によって得られる修整が、前記1つ又は複数のドレッサ及び/又は前記1つ又は複数の工具を選択及び/又は決定する際に考慮され、及び/又は、 前記複数のドレッサに関し、個々の領域のみが前記ワークピースと接触し得ることが考慮され、及び/又は、 前記複数のドレッサは、異なるストロークに用いられる異なる領域を有してもよく、及び/又は、 前記複数のドレッサ中のいくつかのドレッサは、連続するストロークにおいて、前記工具における異なる領域をドレッシングできる方法。

11. ワークピースにおける所望のギヤ形状を形成するために、ドレッサと工具との適切な組み合わせを選択する、及び/又は、ドレッサと工具との特定の組み合わせを用いて、所望のギヤ形状を有するワークピースの製造キャパシティを判定する装置及び/又はソフトウェアプログラムであって、 ドレッサ及び/又は工具の複数の組み合わせにより得られるギヤ形状に関する各々のデータを含むデータベース関数を有し、及び/又は、 ドレッサ及び/又は工具の少なくとも1つの、好ましくは、複数の組み合わせにより得られるギヤ形状に関する各々のデータを計算するための演算関数を有し、 前記データが、好ましくは組み合わせにより最小限及び/又は最大限に得られる前記修整に関する情報、及び/又は組み合わせにより得られる修整範囲に関する情報を含み、 さらに好ましくは、入力関数が設けられ、これを介して、ワークピースにおける所望のギヤ形状が入力可能であり、及び/又は、決定関数が設けられ、これにより、少なくとも許容誤差範囲内において前記ワークピースにおける所望のギヤ形状が得られる、ドレッサと工具との少なくとも1つの組み合わせが決定され、及び/又は前記決定関数により、ドレッサと工具との特定の組み合わせを用いて、所望のギヤ形状を有するワークピースが製造され得るか否かが確認でき、好ましくは、前記決定関数には、前記データベース関数及び/又は前記演算関数が用いられ、及び/又は、 さらに好ましくは、さらなる入力関数が設けられ、これを介して、ドレッサと工具との組み合わせに関するデータ、及び/又は複数のドレッサ及び/又は複数の工具に関するデータが入力でき、及び/又は、 さらに好ましくは、さらなる入力関数が設けられ、これを介して、ドレッサと工具との組み合わせに関するスペック、及び/又は複数のドレッサ及び/又は複数の工具に関するスペックが入力でき、前記決定関数により、前記スペックに基づいて、ドレッサと工具との適切な組み合わせが決定され、及び/又は、 前記データベース関数及び/又は演算関数の前記データは、さらに好ましくは、ドレッシング中にドレッシング機の運動軸を適切に設定することにより前記ドレッサによって得られる前記工具の修整を考慮し、及び/又は、 さらに好ましくは、さらなる決定関数が設けられ、これにより、ドレッサと工具との特定の組み合わせにおいて必要なドレッシング中のドレッシング機の運動軸の設定内容が決定され、その結果、前記工具のギヤ形状が形成され、これにより、少なくとも許容誤差範囲内においてワークピースにおける所望のギヤ形状が得られ、及び/又は、 出力関数が設けられ、これにより、前記必要なドレッシング中のドレッシング機の運動軸の設定が出力され、及び/又は、 前記データベース関数及び/又は演算関数は、さらに好ましくは、第1から10の態様のいずれか1つにおける方法を実行できるように構成され、及び/又は、組み合わせを選択する際に、第1から10の態様のいずれか1つにおける方法の枠組み内で考慮される要素が前記データに含まれるように構成される、装置及び/又はソフトウェアプログラム。

12. 所望のギヤ形状を有する複数のワークピースを製造するために、複数のドレッサ及び/又は複数の工具を決定する装置及び/又はソフトウェアプログラムであって、 ドレッサ及び/又は工具の複数の組み合わせにより得られる複数のギヤ形状に関する各々のデータを含むデータベース関数を有し、及び/又は、 ドレッサ及び/又は工具の複数の組み合わせにより得られるギヤ形状に関する各々のデータを計算するための演算関数を有し、 前記データは、好ましくは、組み合わせにより最小限及び/又は最大限に得られる前記修整に関する情報、及び/又は組み合わせにより得られる修整範囲に関する情報を含み、 さらに好ましくは、入力関数が設けられ、これを介して、複数のワークピースにおける所望のギヤ形状、及び/又は、複数のワークピースのギヤ形状の所望の範囲が入力でき、及び/又は、 決定関数が設けられ、これにより、前記複数のドレッサ及び/又は複数の工具のうち少なくとも1つのドレッサと1つの工具との組み合わせによって、少なくとも許容誤差範囲内において、前記複数のワークピースにおける前記所望のギヤ形状をできるだけ多く、前記複数のワークピースのギヤ形状の前記所望の範囲をできるだけ広く形成できるように、複数のドレッサ及び/又は複数の工具が決定され、及び/又は、 さらに好ましくは、さらなる入力関数が設けられ、これを介して、既存のドレッサ及び/又は工具が入力でき、前記決定関数によって前記既存のドレッサ及び/又は工具が補完され、及び/又は、 さらに好ましくは、さらなる入力関数が設けられ、これを介して、前記決定関数に用いられる前記ドレッサ及び/又は工具の最大許容数が指定でき、及び/又は、 前記データベース関数及び/又は演算関数は、さらに好ましくは、第1から11の態様のいずれか1つにおける方法が実施できるように構成され、及び/又は組み合わせを選択する際に、第1から11の態様のいずれか1つにおける方法の枠組み内で考慮される要素が前記データに含まれるように構成される装置及び/又はソフトウェアプログラム。

13. 第11又は第12の態様において、 前記装置は、ディスプレイを有し、又は、前記ソフトウェアプログラムは、前記決定関数によって決定された、少なくとも1つの適切なドレッサと工具との組み合わせを表示するようにディスプレイを制御し、 ドレッサと工具の複数の適切な組み合わせが決定される場合、好ましくは、その中の1つの組み合わせが選択可能であり、及び/又は、 好ましくは、前記ドレッサ及び/又は工具が選択可能な状態で、前記複数のドレッサ及び/又は複数の工具が表示され、選択されたドレッサ及び/又は複数の工具に関する情報が順序付け関数に供給可能である装置及び/又はソフトウェアプログラム。

14.ドレッシングされる工具を保持する工具ホルダと、 この目的で使用されるドレッサを保持するドレッサホルダと、 第11から13の態様のいずれか1つにおける装置及び/又はソフトウェアプログラムを有する制御器と、を備えるドレッシング機であって、 前記ドレッサホルダは、回転軸を有し、 前記ドレッシング機は、複数の運動軸を有し、これにより、前記ドレッサと線接触した状態で前記工具をドレッシングする際の自由度をそれぞれ独立して設定でき、 好ましくは、前記制御器は、入力関数を有し、これを介して、ワークピースにおける所望の修整が指定でき、及び/又は、 好ましくは、前記制御器は、ドレッサと工具との組み合わせを決定し、この組み合わせにより、少なくとも許容誤差範囲内において前記ワークピースにおける所望のギヤ形状が得られ、 好ましくは、前記ドレッシング機は、前記ドレッサと工具との組み合わせを表示するディスプレイを有し、及び/又は、 さらに好ましくは、前記制御器は、演算関数を有し、これにより、ワークピースにおける所望の修整から、前記ワークピースに修整を施すのに必要な、ドレッサと工具が線接触した状態で行われるドレッシング中の前記運動軸の設定内容が決定され、 好ましくは、前記制御器は、制御関数を有し、これにより、ドレッサと工具が線接触した状態で行われるドレッシング中の前記運動軸の設定が行われ、 前記入力関数、前記演算関数、前記制御関数は、第1から13の態様のいずれか1つにおける方法の実施に用いられるように構成されるドレッシング機。

15. 第14の態様におけるドレッシング機及び/又は、 第11から13の態様のいずれか1つにおける装置及び/又はソフトウェアプログラムを備えるギヤ製造機において、 前記ギヤ製造機は、好ましくは、 前記ドレッシング機の前記工具ホルダに加え、必要に応じて設けられたワークピースホルダ及び工具ホルダと、 ギヤ製造機械加工を行うために、特に、第1から10の態様のいずれか1つにおける方法を実施するために、前記ワークピースホルダ及び前記工具ホルダを制御するギヤ製造機械加工制御器と、を備えるギヤ製造機。

1. 適切にドレッシングされた工具によって、所望のギヤ形状を有する1つ以上のワークピースを製造する方法であって、1つ以上の加工工程を実行した後、同じワークピース又は別の複数のワークピースに対してさらなる加工工程が実行される前に前記工具をドレッサによりドレッシングする方法において、 工具の径を小さくすることにより、中心距離を小さくするのに加えて、前記ドレッサと前記工具との相対位置は、先のドレッシング処理に対して、後のドレッシング処理でドレッシング機の運動軸を対応するように付加的に調整することにより変更される、方法。

2. 第1の態様において、 前記ドレッシング機の運動軸を付加的に調整することにより、工具の径が小さくなることに起因するギヤ形状の修整を部分的に補償し、 このような付加的な調整のないドレッシングと比較して、前記ドレッシング機の運動軸を付加的に調整することにより、ドレッシング中に生じる歯形クラウニングを変化させ、 前記付加的な調整を選択して、前記ワークピースに対して形成されたギヤ形状における、所望のギヤ形状からの偏差の低減並びに/あるいは最小化が行われ、及び/又は 前記付加的な調整により、前記ドレッサにより前記工具に対して形成されたギヤ形状における、所望形状からの偏差が低減又は最小化される、方法。

3. 適切にドレッシングされた工具によって、所望のギヤ形状を有する1つ以上のワークピースを製造する方法であって、1つ以上の加工工程を実行した後、同じワークピース又は別の複数のワークピースに対してさらなる加工工程が実行される前に前記工具をドレッシングする方法において、 後のドレッシング処理では、先のドレッシング処理から、前記工具のプロファイル角が変更されることにより、1つ又は複数のワークピースに対して、後のドレッシング処理後には、先のドレッシング処理後とは異なる前記工具のギヤ装置のプロファイル角でギヤ製造加工が行われ、 前記プロファイル角を選択することにより、前記ワークピースに対して形成されたギヤ形状における、所望のギヤ形状からの偏差の低減又は最小化が行われ、及び/又は、 前記プロファイル角の変更により、修整済みドレッサにより前記工具に施された修整における伸長量並びに/あるいは圧縮量の低減又は最小化が行われる、方法。

4. 第3の態様において、 非対称のギヤが形成され、 左右歯面に対する前記工具の前記プロファイル角を選択することにより、前記ワークピースの左右歯面に対して形成されたギヤ形状における、所望のギヤ形状からの偏差の全体的な低減並びに/あるいは最小化が行われ、及び/又は、 修整済みドレッサにより前記工具に施された左右歯面に対する修整における伸長量並びに/あるいは圧縮量の全体的な低減又は最小化が行われる、方法。

5. 第1から第4の態様のうちいずれか1つにおいて、 円錐形の基本形状を有する工具を用い、 円錐角を選択することにより、前記ワークピースに対して形成されたギヤ形状における、所望のギヤ形状からの偏差が、可能な限り小さくなるようにすることが好ましく、 具体的には非対称のギヤの製造時における前記工具の前記プロファイル角の変更により、修整済みドレッサにより前記工具に施された修整における伸長量並びに/あるいは圧縮量の低減又は最小化が行われ、及び/又は、 後のドレッシング処理では、先のドレッシング処理に対して前記円錐角を変更する、方法。

6. 第1から第5の態様のうちいずれか1つにおいて、 1つ以上のワークピースの製造後、別の複数のワークピースを機械加工する前に、前記工具をドレッシングする、 複数のワークピースを製造する、方法。

7. 修整済みドレッサにより適切にドレッシングされた工具によって、所望のギヤ形状を有するワークピースを製造する方法であって、 前記ワークピースの所望のギヤ形状を指定する工程と、 前記工具による機械加工において、少なくとも許容範囲内で前記ワークピースの所望のギヤ形状を実現するための前記工具のドレッシング中に、前記工具の適切なプロファイル角及び前記ドレッサと前記工具との相対位置を決定する工程と、 を含む、方法。

8. 第7の態様において、 ドレッシング中に、プロファイル角及び前記ドレッサと前記工具との相対位置を決定することにより、ドレッサの修整における所望の伸長並びに/あるいは圧縮がドレッシング中に前記工具に施されるようにし、具体的には、前記プロファイル角を決定することにより、前記ドレッサと前記工具との相対位置に起因する、前記工具に施された前記ドレッサの修整における圧縮量並びに/あるいは伸長量が、前記プロファイル角によって補償されるようにする、方法。

9. ドレッシング機上でのワークピースのギヤ製造加工に用い得る工具の修整済みドレッシングのための方法であって、修整済みドレッサが前記工具をドレッシングするために使用される方法において、 前記ドレッシング機の運動軸は、前記工具のドレッシング中に設定され、及び/又は、 前記工具並びに/あるいは前記ドレッサのマクロ形状、具体的には、前記工具の条数と、径と、プロファイル角と、円錐角とのうち少なくとも1つ、及び/又は前記ドレッサの径を選択することにより、前記ドレッサの修整を、特定の量だけ圧縮又は伸長した前記工具及び/又は圧縮又は伸長した前記ワークピースに適用する、方法。

10. 第1から第9の態様のうちいずれか1つにおいて、 前記工具の所望の修整は、少なくとも2つ、好ましくは3つのロール角に指定されるとともに、前記ドレッシング機の運動軸の設定により施され、 前記ドレッサと前記工具との相対位置はドレッシング中に決定されることにより、前記工具に対して所望の歯形クラウニングが施されるようにし、及び/又は 前記工具の特定の半径と前記ドレッサの特定の半径の関連付けが、前記ドレッシング機の運動軸の対応する設定により具体化され、実現される、方法。

11. 第1から第10の態様のうちいずれか1つに記載の方法において、同じドレッサを用いて工具を複数回ドレッシングするために使用するドレッシング機の運動軸の設定を決定するための装置及び/又はソフトウェアプログラムであって、 第1の工具径を入力するための入力関数が与えられることが好適であり、 前記第1の工具径を有する前記工具をドレッシングするために使用される前記ドレッシング機の運動軸の設定を決定するための決定関数が与えられ、 ドレッサが構成される第2の工具径を入力するための入力関数、又は前記ワークピースあるいは工具の所望のギヤ形状を入力するための入力関数が与えられることがさらに好適である、装置又はソフトウェアプログラム。

12. 修整済みドレッサによりドレッシングされた工具によって所望のギヤ形状を有するワークピースを製造するために使用される、ドレッシング機の運動軸又は前記工具の形状の設定を決定するための装置及び/又はソフトウェアプログラムであって、 前記ワークピースの所望のギヤ形状を入力するための入力関数、及び/又は前記工具あるいはワークピースに対して前記ドレッサにより施される修整における所望の伸長量並びに/あるいは圧縮量を入力するための入力関数、及び 前記工具による機械加工中において前記ワークピースの所望のギヤ形状を実現するためのドレッシング中に、前記工具の適切なプロファイル角、及び前記ドレッサと前記工具との適切な相対位置を決定するための決定関数と、前記工具あるいはワークピースに対して前記ドレッサにより施される修整における所望の伸長量並びに/あるいは圧縮量を実現するための決定関数と、前記工具をドレッシングする際に前記ドレッシング機の運動軸の設定を決定するための決定関数と、前記工具並びに/あるいは前記ドレッサのマクロ形状、具体的には、前記工具の条数と、径と、プロファイル角と、円錐角とのうち少なくとも1つ、及び/又は前記ドレッサの径を決定するための決定関数と、第1から第10の態様のうちいずれか1つに記載の方法において前記工具をドレッシングする際の前記ドレッシング機の運動軸、及び/又は前記工具のマクロ形状の設定を決定するための決定関数とのうち少なくとも1つ、 を備える、装置又はソフトウェアプログラム。

13. ドレッシングされる工具を保持する工具ホルダと、ドレッシングするために使用されるドレッサを保持するドレッサホルダとを有するドレッシング機であって、 前記ドレッサホルダは回転軸を有し、 前記ドレッシング機は、前記ドレッサと線接触する前記工具をドレッシングする際に互いに依存することなく別の自由度を設定可能とする別の運動軸を有し、 前記ドレッシング機は、第11又は12の態様のいずれか1つに記載の装置及び/又はソフトウェアプログラムを有する制御器、並びに/あるいは、第1から第10の態様のうちいずれか1つに記載の方法においてドレッシング工程を実行するための関数、具体的には、前記ドレッシング機の運動軸の設定が変更された工具のドレッシング処理を複数回行うための関数を備え、 前記制御器は、工具の径を小さくすることにより、中心距離を小さくするのに加えて、後のドレッシング処理で、ドレッシング機の運動軸を対応するように付加的に調整することにより、先のドレッシング処理から、前記ドレッサと前記工具との相対位置を変更するようにプログラムされることが好ましい、ドレッシング機。

14. 第13の態様に記載のドレッシング機と、第11又は12の態様のいずれか1つに記載の装置及び/又はソフトウェアプログラムとのうち少なくとも1つを有するギヤ製造機であって、 前記ギヤ製造機は、前記ドレッシング機の前記工具ホルダに加えて、必要な場合に設けられるワークピースホルダ及び工具ホルダと、ギヤ製造加工、具体的には、第1から第10の態様のうちいずれか1つに記載の方法を実行する目的で、前記ワークピースホルダ及び前記工具ホルダを制御するためのギヤ製造加工制御器とを有することが好ましい、ギヤ製造機。

1. ドレッサの上で、ワークピースのギヤ歯加工に用いられ得る、工具をドレッシングする方法であって、上記ドレッシングは、前記ドレッサと前記工具とが線接触した状態で行われ、ドレッシング中に、前記工具に対する前記ドレッサの位置が、前記工具の幅位置に依存して変更されることで、前記工具の表面形状に特定の修整が施される方法において、 ドレッシング時に、前記工具に対する前記ドレッサの位置が、前記工具の幅位置に依存して変更されることによって施される、前記工具の表面形状の前記特定の修整は、ロール角において、前記工具の幅方向における位置の関数C

0FSとして指定可能であり、少なくとも前記工具の表面形状のピッチは、前記工具の幅方向に対して角度ρ

FSを有する前記工具の第1の方向において、前記工具の幅方向の位置の関数として指定可能であり、及び/又は ドレッシング時に、前記工具に対する前記ドレッサの位置が、前記工具の幅位置に依存して変更されることによって施される、前記工具の表面形状の前記特定の修整は、少なくとも2つのロール角において、前記工具の幅位置の関数として指定可能であり、 及び/又は ドレッシング時に、前記工具に対する前記ドレッサの位置が、前記工具の幅位置に依存して変更されることによって施される、前記工具の表面形状の前記特定の修整は、少なくとも1つのロール角において、前記工具の幅位置の関数として指定可能であり、さらに前記ドレッサの特定の半径と前記工具の特定の半径とが関連付けられ、この関連付けが好ましくは前記工具の幅位置の関数として指定可能であり、及び/又は ドレッシング時に、前記工具に対する前記ドレッサの位置が、前記工具の幅位置に依存して変更されることによって施される、前記工具の表面形状の前記特定の修整のピッチは少なくとも、前記工具の幅方向に対して角度ρ

FSを有する前記工具の第1の方向において、前記工具の幅方向の位置関数として指定可能であり、さらに前記ドレッサの特定の半径と前記工具の特定の半径とが関連付けられ、この関連付けが好ましくは前記工具の幅位置の関数として指定可能であり、 及び/又は ドレッシング時に、前記工具に対する前記ドレッサの位置が、前記工具の幅位置に依存して変更されることによって施される、前記工具の表面形状の前記特定の修整のクラウニングは少なくとも、前記工具の幅方向に対して角度ρ

FSを有する前記工具の第1の方向において、前記工具の幅方向の位置の関数として指定可能であり、 及び/又は 創成パターン内で、前記工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に表すことができる前記工具の修整は、指定可能であるか又は施され、これらの一次関数及び/又は二次関数の係数が、前記第1の方向に垂直に延びる前記工具の第2の方向において、定数部分については係数関数F

FtC,1により、一次関数部分についてはF

FtL,1により、及び/又は二次関数部分についてはF

FtQ,1により形成され、F

FtC,1は上記第2の方向における位置に非線形に依存し、F

FtL,1は一定ではなく、 及び/又は 前記工具の回転角度及び/又は前記工具の幅位置に依存して変化するピッチ及び/又はクラウニングを有する、前記工具の修整は、指定可能であるか又は施され、さらに、歯の厚さは前記工具の回転角度及び/又は前記工具の幅位置に依存して非線形に変化し、 及び/又は 前記工具に対する前記ドレッサの相対位置について少なくとも2の自由度が、線接触した状態でのドレッシング時に、前記工具の幅位置の関数として、互いに独立して指定可能であり、及び/又は制御される 方法。

2. 第1の態様において、 ドレッシング時に、前記工具に対する前記ドレッサの位置が前記工具の幅位置に依存して変更されることによって施される、前記工具の表面形状の前記特定の修整が、創成パターン内で、前記第1の方向において少なくとも近似的に、一次関数、二次関数又は三次関数として表すことができ、これら関数の前記工具の幅方向における係数は、関数C0FS、C1FS、C2FS及び/又はC3FSにより与えられ、及び/又は定数部分については係数関数FFtC,1により、一次関数部分についてはFFtL,1により、及び/又は二次関数部分についてはFFtQ,1により与えられる、方法。

3. 第1又は第2の態様において、 ドレッシング時に、前記工具に対する前記ドレッサの位置が、前記工具の幅位置に依存して変更されることによって施される、前記工具の表面形状の前記特定の修整は、前記工具の幅位置の関数として指定可能であり、 及び/又は 前記ドレッサの特定の半径が前記工具の特定の半径に関連付けられ、この関連付けは、少なくとも3つ又は4つのロール角において、前記工具の幅位置の関数として好ましくは指定可能であり、 及び/又は 前記ドレッサの2つの特定の半径が前記工具の2つの特定の半径に関連付けられ、この関連付けが、前記工具の幅方向における位置の関数として指定可能であり、 及び/又は 前記修整が指定可能である前記ロール角のうち少なくとも1つ、好ましくは2つ又は3つのロール角は、前記工具の幅方向において別々に選択され、好ましくは前記工具の幅位置の関数として指定可能である、方法。

4. 第1から第3の態様のいずれか1つにおいて、 上記ドレッシングが、1つの面において行われ、前記1つの面において前記少なくとも2つ又は3つのロール角が形成され、 上記ドレッシングが、2つの面において行われ、前記2つの面において前記少なくとも2つ又は3つのロール角が分配され、及び/又は 上記ドレッシングが、2つの面において行われ、円錐形の基本形状を有する工具が用いられ、その円錐角が上記修整を設定するために好ましくは用いられる、方法。

5. ドレッシング機の上で、ワークピースのギヤ製造加工を行うために用いられ得る工具の修整ドレッシング方法であって、修整されたドレッサが前記工具をドレッシングするために用いられる方法は、具体的には第1から第4の態様のいずれか1つに記載の方法であって、 ドレッシング中に前記ドレッサの修整が前記工具に適用される位置が、前記工具の幅位置に依存して指定可能であるか、又はドレッシング中に前記ドレッシング機の運動軸を制御することによって変更される、方法。

6. ドレッシング機の上で、ワークピースのギヤ製造加工を行うために用いられ得る工具の修整ドレッシング方法であって、上記ドレッシングが、いずれの場合においても線接触した状態で、少なくとも1回の第1のストローク及び1回の第2のストロークで行われる方法は、具体的には第1から第5の態様のいずれか1つに記載の方法であって、 前記第1のストロークで施される修整が前記第2のストロークで施される修整に隣接する位置は、前記工具の幅位置に依存して変更される、方法。

7. 第6の態様において、 前記ストロークのうちの少なくとも1回における前記修整の前記ピッチ及び/又は前記クラウニングに影響を与えることを目的として、前記2回のストロークにおいて異なる前記ドレッサと前記工具との位置決めを行うために必要な変更に加えて、ドレッシング中に、前記ドレッシング機の運動軸が、少なくとも1回の第1ストローク及び1回の第2のストロークにおいて好ましくは別々に設定され、前記ピッチ及び/又はクラウニングは、好ましくは前記工具の幅位置の関数として指定可能であり、 及び/又は 前記特定の修整は、前記第1のストロークによって施された前記表面形状が前記第2のストロークによって施された前記表面形状に、所望の角度で、特に接線方向で、隣接するように、前記ストロークのうちの少なくとも1回において好ましくは設定され、 及び/又は 前記工具の所望の修整は、少なくとも1回のストロークについて、好ましくは各ストロークについて、少なくとも2つのロール角において、好ましくは3つのロール角において、好ましくは指定可能であり、前記修整は、前記工具の幅位置の関数として好ましくは指定可能であり、 及び/又は 前記ドレッサの特定の半径が前記工具の特定の半径に、少なくとも1回のストロークについて、好ましくは各ストロークについて、関連付けられ、この関連付けが、前記工具の幅位置の関数として好ましくは行われ、 及び/又は 前記ドレッサの異なる領域が、前記第1及び第2のストロークについて用いられるか、又は異なるドレッサが前記第1及び第2のストロークについて用いられ、及び/又は前記ストロークのうちの1回が、歯元又は歯末に修整を施すために、例えば前記歯元又は前記歯末にリリーフを施すために用いられる、方法。

8. 第1から第7の態様のいずれか1つにおいて、 前記ドレッサの修整によって施される修整と、ドレッシング中に前記工具に対する前記ドレッサの位置を変更することによって施される前記工具の表面形状の特定の修整とが、重畳され、 前記ドレッサの修整によって施される前記修整の位置は、好ましくは指定可能であり、特に前記工具の幅方向の位置の関数として指定可能であり、及び/又は前記ドレッサの特定の半径と前記工具の特定の半径との関連付けによって指定可能であり、及び/又は 前記工具上での前記ドレッサの前記修整の所望の伸長又は圧縮は、好ましくは指定可能であり、好ましくは前記工具の幅方向の位置の関数として指定可能であり、特に前記ドレッサの2つの特定の半径と前記工具の2つの特定の半径との関連付けによって指定可能であり、 及び/又は 前記修整ドレッサは、好ましくはその全体のアクティブ歯形について不変の修整、例えば不変のクラウニング、を有し、又は前記修整ドレッサは、好ましくは第2の部分領域の歯形とは形状が異なる歯形を有する第1の部分領域における修整を有し、前記第1の部分領域における前記修整は、好適には異なるプロファイル角及び/又は異なるクラウニングを有し、前記修整は、特にはエッジを有することが可能であり、及び/又は前記ドレッサは、前記第1及び第2の部分領域において同時に前記工具の表面と好ましくは接触し、 及び/又は 複合ドレッサ(combination dresser)が、前記歯末及び前記歯面を同時にドレッシングするために用いられ、歯末たけは、ドレッシング中に前記ドレッシング機の前記運動軸を設定することによって好ましくは指定されて生じ、前記歯末たけは、前記工具の幅位置の関数として好ましくは指定可能である、方法。

9. 第1から第8の態様のいずれか1つにおいて、 前記ドレッサと前記工具との相対位置が同じである前記ドレッシング機の前記運動軸の複数の設定値から、指定された条件をよりよく満たす設定値が選択され、前記設定値としては、より高精度で、及び/又はより少ない位置エラーで前記所望の相対位置が得られるものが好ましくは選択され、及び/又は前記ドレッシング機の軸の移動距離が短くて済むものが選択され、及び/又は前記ドレッサ、前記工具及び/又は機械部品が互いに衝突するのを回避するものが選択され、 及び/又は 前記工具によって施されるギヤ形状又は前記ドレッシングによって前記工具に対して施されるギヤ形状が測定され、ドレッシング中の前記ドレッシング機の前記運動軸の所望の設定値からのズレが、所望の形状からのズレに基づいて決定される、方法。

10. 第1から第9の態様のいずれか1つにおいて、 前記所望の修整を施すために、少なくとも自由度3、好ましくは4又は5の自由度が、前記ドレッサと前記工具との相対位置を決定する際に用いられ、 前記自由度は、前記所望の修整を施すために互いに独立して調節可能であり、及び/又は前記自由度は、以下に示す5の自由度、すなわち、前記工具の回転角度、前記工具の軸方向位置、前記ドレッサのy位置、中心距離及び/又は軸交差角のうちの好ましくは少なくとも3つ、4つ、又はその全てであり、 前記工具の軸方向位置、すなわち、前記工具の幅位置は、好ましくは前記ドレッサの接触線を変位させるために用いられ、 前記接触線に沿って前記修整に影響を与えることを目的として、それ以外の前記4の自由度のうち2、3あるいは4が、前記工具の軸方向位置すなわち前記工具の幅位置の関数として、互いに独立して用いられる、方法。

11. 第1から第10の態様のいずれか1つにおいて、 ドレッサの表面形状のエラーが、前記ドレッシング機の前記運動軸の前記設定値に対して、対応する補正値を指定することによって、少なくとも部分的に補正され、 及び/又は 第1のマクロ形状及び/又は第1の所望の表面形状を有する工具のために構成されたドレッサが、第2のマクロ形状及び/又は第2の所望の表面形状を有する工具をドレッシングするために用いられ、前記第1のマクロ形状及び/又は前記第1の所望の表面形状を有する前記工具のための構成によって生じた前記エラーは、第2のマクロ形状及び/又は第2の所望の表面形状を有する前記工具をドレッシングする際に、前記ドレッシング機の前記運動軸の対応する設定値によって、少なくとも部分的に補償され、 及び/又は ドレッシング中の前記ドレッシング機の前記運動軸の設定値、及び/又は前記ドレッサの前記マクロ形状又は前記修整、及び/又は前記工具の前記マクロ形状は、曲線適合により決定され、前記ドレッシング機の前記運動軸の前記設定値を変更することによって達成可能である前記創成パターン内での前記修整は、前記工具の幅方向に対して角度ρFSを有する方向において、2つ、3つ又は4つのロール角で好ましくは変更され、これらのロール角の間に好ましくは補間され、特に一次関数、二次関数及び/又は三次関数として仮定され、所望の修整と比較され、前記ズレを定量化するために好ましくは距離関数が用いられ、前記距離関数が好ましくは前記創成パターン内の位置に依存する重み付けを有する、方法。

12. 第1から第11の態様のいずれか1つにおいて、 少なくとも1つのネジ山が非アクティブ及び/又は省略状態であり、及び/又は第1の面のドレッシング中に、前記ドレッサが反対側の面の輪郭に少なくとも部分的に係合する、工具が用いられ、 及び/又は 少なくとも1つの歯面が、前記ワークピースの機械加工時に前記ワークピースに接触せず、非アクティブ状態となるようにドレッシングされ、少なくとも1つのネジ山が、前記ワークピースの機械加工時に前記ワークピースに接触せず、非アクティブ状態となるように、好ましくはドレッシングされ、 少なくとも1つの非アクティブ及び/又は省略状態のネジ山が、2つのアクティブ状態のネジ山の間に設けられ、 及び/又は 創成カップリング(generating coupling)内で、前記ワークピースの機械加工時に、多くても1つの歯おきに前記工具と順次係合し、及び/又は前記ワークピースの前記歯の少なくとも1つの第1の部分が、1つの第1の動作(passage)において、前記ワークピースの前記歯の数及び/又は少なくとも条数に依存して、好ましくは機械加工され、その結果、少なくとも1つの第2の動作において前記歯の少なくとも1つの第2の部分を機械加工すべく、前記ワークピースが前記工具に対して回転する、方法。

13. 修整された工具を用いて、具体的には斜め創成法である創成法により、修整されたギヤ形状を有するワークピースを製造する方法であって、 前記工具の表面形状の特定の修整は、第1から第12の態様のいずれか1つに記載の方法により施され、 具体的には斜め創成法である前記創成法による前記工具の前記特定の修整により、前記ワークピースの表面に、対応する修整が施される、方法。

14. 指定されたドレッサと線接触した状態でのドレッシング中に、工具に所望の修整を施すために必要な、前記ドレッサと前記工具の相対位置を計算するか、又はその修整を施すために必要なドレッシング機の運動軸の設定値を計算すること、具体的には第1から第13の態様のいずれか1つに記載の方法を実行することを目的とした、装置及び/又はソフトウェアプログラムであって、 前記工具の前記所望の修整が指定可能となる入力関数と、 前記所望の修整から、前記ドレッサと前記工具とが線接触した状態でのドレッシング中に、前記特定の修整を施すために必要な前記ドレッサと前記工具との相対位置を決定するか、又は前記特定の修整を施すために必要な前記運動軸の設定値を、前記工具の幅位置の関数として決定する、演算関数とを備え、 前記入力関数及び前記演算関数は、第1から第13の態様に記載の方法のいずれか1つを実行するために使用可能となるように構成され、及び/又は 前記入力関数及び前記演算関数は、 前記工具の表面形状の前記特定の修整が、ロール角において前記工具の幅方向の位置の関数C0FSとして指定可能となるように、且つ少なくとも前記工具の前記表面形状の前記ピッチ及び/又は前記クラウニングが、前記工具の幅方向に対して角度ρFSを有する前記工具の第1の方向において、前記工具の幅方向の位置の関数として指定可能となるように構成され、前記修整は、演算された前記相対位置の経路及び/又は演算された前記ドレッシング機の前記運動軸の前記設定値の経路によって施すことが可能であり、及び/又は 前記入力関数及び前記演算関数は、前記工具の表面形状の前記特定の修整が、少なくとも2つのロール角において、前記工具の幅位置の関数として指定可能となるように構成され、前記修整は、演算された前記相対位置の経路又は演算された前記ドレッシング機の前記運動軸の前記設定値の経路によって施すことが可能であり、及び/又は 前記入力関数及び前記演算関数は、前記工具の表面形状の前記特定の修整が、少なくとも1つのロール角において、前記工具の幅位置の関数として指定可能となるように、且つ前記ドレッサの特定の半径と前記工具の特定の半径とが関連付けられるように構成され、前記修整は、演算された前記相対位置の経路又は演算された前記ドレッシング機の前記運動軸の前記設定値の経路によって施すことが可能であり、前記関連付けは、前記工具の幅位置の関数として好ましくは指定可能であり、 及び/又は 前記入力関数及び前記演算関数は、創成パターン内で、前記工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に表すことができる前記工具の修整が、指定可能であるか又は施され、これらの一次関数及び/又は二次関数の係数が、前記第1の方向に垂直に延びる前記工具の第2の方向において、定数部分については係数関数FFtC,1により、一次関数部分についてはFFtL,1により、及び/又は二次関数部分についてはFFtQ,1により形成され、FFtC,1は前記第2の方向における位置に非線形に依存し、FFtL,1は一定ではないように構成され、 及び/又は 前記入力関数及び前記演算関数は、前記工具の回転角度及び/又は前記工具の幅位置に依存して変化するピッチ及び/又はクラウニングを有する、前記工具の前記表面形状の特定の修整が、指定可能となるか又は施されるように、且つ歯の厚さが前記工具の前記回転角度及び/又は前記工具の幅位置に依存して非線形に変化するように構成される、装置及び/又はソフトウェアプログラム。

15. 指定されたドレッサと線接触した状態でのドレッシング中に、工具に所望の修整を施すために必要な、前記ドレッサと前記工具の相対位置を計算するか、又はその修整を施すために必要なドレッシング機の運動軸の設定値を計算すること、具体的には第1から第13の態様のいずれか1つに記載の方法を実行することを目的とした、特に第14の態様に記載の装置である、装置及び/又はソフトウェアプログラムであって、 前記ドレッサの指定された修整の入力を可能にし、前記工具における前記ドレッサの修整の所望の位置を指定可能とする入力関数であって、前記工具における前記ドレッサの修整の前記所望の位置の指定は、前記ドレッサの特定の半径と前記工具の特定の半径とを関連付けることによって行われる、入力関数と、 前記ドレッサの前記指定された修整と、前記工具における前記ドレッサの修整の前記所望の位置とから、前記ドレッサと前記工具とが線接触した状態でのドレッシング中に、前記指定された修整を施すために必要な、前記ドレッサと前記工具との相対位置を決定するか、又は前記指定された修整を施すために必要な前記運動軸の前記設定値を決定する、演算関数とを備え、 前記入力関数及び前記演算関数は、好ましくは先行する方法のいずれか1つを実行するために用いられ得るように構成され、及び/又は 前記入力関数及び前記演算関数は、前記工具に対する前記修整の位置が、前記工具の幅位置に依存して、前記入力関数を介して指定可能となるように、且つ前記演算関数が、必要とされる前記ドレッサと前記工具との前記相対位置又は前記相対位置を設定するために必要な前記運動軸の前記設定値を、前記工具の幅位置の関数として決定するように、好ましくは構成される、装置及び/又はソフトウェアプログラム。

16. ドレッサと線接触した状態でのマルチハブドレッシング(multi-hubstroke dressing)中に、工具に所望の修整を施すために必要な、前記ドレッサと前記工具の相対位置を計算するか、又はその修整を施すために必要なドレッシング機の運動軸の設定値を計算すること、具体的には第1から第13の態様のいずれか1つに記載の方法を実行することを目的とした、特に第14又は第15の態様に記載の装置である、装置及び/又はソフトウェアプログラムであって、 前記ドレッサと前記工具とが線接触した状態でのマルチハブドレッシングのために必要な、前記運動軸の前記設定値を決定するマルチハブ演算関数を有し、 第1のストロークで施される修整が第2のストロークを用いて施される修整に隣接する位置を、前記工具の幅位置の関数として指定可能とする入力関数を有し、及び/又は 入力関数及び決定関数を有し、前記工具の所望の修整が前記入力関数により指定可能であり、前記決定関数が前記所望の修整を施すのに必要なストロークを決定し、前記決定関数は、第1のストロークで施される前記修整が第2のストロークを用いて施される前記修整に隣接する前記位置を、前記工具の幅位置の関数として変更又は決定し、 前記マルチハブ演算関数は、第1のストロークで施される前記修整が第2のストロークを用いて施される前記修整に隣接する前記位置から、前記ドレッサと前記工具とが線接触した状態でのドレッシング中に前記修整を施すのに必要な、前記運動軸の前記設定値を決定し、 前記入力関数、前記演算関数及び前記制御関数は、先行する方法のいずれか1つを実行するために用いられ得るように、好ましくは構成される、装置及び/又はソフトウェアプログラム。

17. ドレッシング対象の前記工具を保持する工具ホルダと、前記工具のドレッシングに用いられる前記ドレッサを保持するドレッサホルダとを有するドレッシング機であって、前記ドレッサホルダは回転軸を有し、前記ドレッシング機は前記工具の幅位置の設定を可能にする運動軸を有し、 前記ドレッシング機は、前記工具と前記ドレッサの前記相対位置における少なくともさらに別の2の自由度、好ましくは3又は4の自由度を、互いに独立して設定可能な、さらに別の運動軸を有し、且つ 前記ドレッシング機は、前記さらに別の2の自由度、好ましくは3又は4の自由度の設定を、前記ドレッサと線接触した状態で、互いに独立して、前記工具の幅位置の関数として、指定可能及び/又は制御可能とする、制御器を有し、 及び/又は 前記ドレッシング機は、前記工具の前記所望の修整を、前記工具の幅位置の関数として指定可能とする入力関数を有する制御器を有し、 前記制御器は、前記所望の修整から、前記ドレッサと前記工具とが線接触した状態でのドレッシング中に、前記特定の修整を施すために必要な前記運動軸の前記設定値を、前記工具の幅位置の関数として決定する演算関数を有し、 前記制御器は、前記ドレッサと前記工具とが線接触した状態でのドレッシング中に、対応する前記運動軸の設定を、前記工具の幅位置の関数として実行する制御関数を有し、 前記入力関数、前記演算関数及び前記制御関数は、第1から第13の態様のいずれか1つに記載の方法のいずれか1つを実行するために用いられ得るように構成され、 及び/又は 前記入力関数、前記演算関数及び前記制御関数は、前記工具の表面形状の前記特定の修整が、ロール角において前記工具の幅方向の位置の関数C0FSとして指定可能となるように、且つ少なくとも前記工具の前記表面形状の前記ピッチ及び/又は前記クラウニングが、前記工具の幅方向に対して角度ρFSを有する前記工具の第1の方向において、前記工具の幅方向の位置の関数として指定可能となるように構成され、前記修整は、前記制御関数によって実行される前記ドレッシング機の前記運動軸の設定によって施されることが可能であり、 及び/又は 前記入力関数、前記演算関数及び前記制御関数は、前記工具の表面形状の特定の修整が、少なくとも2つのロール角において、前記工具の幅位置の関数として指定可能となるように構成され、前記修整は、前記制御関数によって実行される前記ドレッシング機の前記運動軸の設定によって施されることが可能であり、 及び/又は 前記入力関数、前記演算関数及び前記制御関数は、前記工具の表面形状の上記特定の修整が、少なくとも1つのロール角において、前記工具の幅位置の関数として指定可能となるように構成され、さらに、前記ドレッサの特定の半径と前記工具の特定の半径とが関連付けられ、前記修整が、前記制御関数によって実行される前記ドレッシング機の前記運動軸の設定により施されることが可能であり、前記関連付けが、前記工具の幅位置の関数として好ましくは指定可能であり、 及び/又は 前記入力関数及び前記演算関数は、創成パターン内で、前記工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に表すことができる前記工具の修整が、指定可能であるか又は施され、これらの一次関数及び/又は二次関数の係数が、前記第1の方向に垂直に延びる前記工具の第2の方向において、定数部分については係数関数FFtC,1により、一次関数部分についてはFFtL,1により、及び/又は二次関数部分についてはFFtQ,1により形成され、FFtC,1は前記第2の方向における位置に非線形に依存し、FFtL,1は一定ではないように構成され、 及び/又は 前記入力関数及び前記演算関数は、前記工具の回転角度及び/又は前記工具の幅位置に依存して変化するピッチ及び/又はクラウニングを有する、前記工具の前記表面形状の特定の修整が、指定可能となるか又は施されるように、且つ歯の厚さが前記工具の前記回転角度及び/又は前記工具の幅位置に依存して非線形に変化するように構成される、ドレッシング機。

18. ドレッシング対象の前記工具を保持する工具ホルダと、前記工具のドレッシングに用いられる前記ドレッサを保持するドレッサホルダとを有するドレッシング機であって、前記ドレッサホルダは回転軸を有し、前記ドレッシング機は、前記ドレッサと線接触した状態での前記工具のドレッシング時に、さらに別の自由度の設定を可能とするさらに別の運動軸を有し、制御器を有する、具体的には第17の態様に記載のドレッシング機である、ドレッシング機において、 前記制御器は、前記ドレッサの指定された修整の入力を可能にし、前記工具における前記ドレッサの修整の所望の位置を指定可能とする入力関数を有し、前記工具における前記ドレッサの修整の前記所望の位置の指定は、前記ドレッサの特定の半径と前記工具の特定の半径とを関連付けることによって好ましくは行われ、 前記制御器は、前記ドレッサの前記指定された修整と、前記工具における前記ドレッサの修整の前記所望の位置とから、前記ドレッサと前記工具とが線接触した状態でのドレッシング中に、前記修整を施すために必要な前記運動軸の前記設定値を決定する演算関数を有し、 前記制御器は、前記ドレッサと前記工具とが線接触した状態でのドレッシング中に、前記運動軸の対応する設定を実行する制御関数を有し、 前記入力関数、前記演算関数及び前記制御関数は、先行する方法のいずれか1つを実行するために用いられ得るように構成され、及び/又は 前記入力関数、前記演算関数及び前記制御関数は、前記工具に対する前記修整の位置が、前記工具の幅位置に依存して、前記入力関数を介して指定可能となるように、且つ前記演算関数及び前記制御関数が、前記工具の幅位置の関数として、前記運動軸の設定を実行する、ドレッシング機。

19. ドレッシング対象の前記工具を保持する工具ホルダと、前記工具のドレッシングに用いられる前記ドレッサを保持するドレッサホルダとを有するドレッシング機であって、前記ドレッサホルダは回転軸を有し、前記ドレッシング機は、前記ドレッサと線接触した状態での前記工具のドレッシング時に、さらに別の自由度の設定を可能とするさらに別の運動軸を有し、制御器を有する、具体的には第17及び/又は第18の態様に記載のドレッシング機である、ドレッシング機において、 前記制御器は、前記ドレッサがそれぞれ前記工具と線接触した状態で、少なくとも1回の第1のストローク及び1回の第2のストロークでドレッシング工程を行うマルチハブドレッシング機能を有し、 前記制御器は、第1のストロークで施される修整が第2のストロークを用いて施される修整に隣接する位置を、前記工具の幅位置の関数として指定可能とし、及び/又は前記工具の所望の修整を指定可能とする入力関数を有し、前記制御器は、前記修整を施すために必要なストロークを決定し、第1のストロークで施される前記修整が第2のストロークを用いて施される修整に隣接する位置を前記工具の幅位置の関数として決定する決定関数を有し、 前記制御器は、第1のストロークで施される前記修整が第2のストロークを用いて施される前記修整に隣接する位置から、前記ドレッサと前記工具とが線接触した状態でのドレッシング中に、前記修整を施すのに必要な前記運動軸の設定値を決定する演算関数を有し、 前記制御器は、前記ドレッサと前記工具とが線接触した状態でのドレッシング中に、対応する前記運動軸の設定を行う制御関数を有し、 前記入力関数、前記演算関数及び前記制御関数は、先行する方法のいずれか1つを実施するために用いられ得るように構成される、ドレッシング機。

20. 第17、第18及び/又は第19の態様に記載のドレッシング機、及び/又は第14、第15及び/又は第16の態様に記載の装置及び/又はソフトウェアプログラムを有する、ギヤ製造機であって、 前記ギヤ製造機は、好ましくはワークピースホルダと、前記ドレッシング機の前記工具ホルダに追加して任意に設けられた工具ホルダと、ギヤ製造を行うために、具体的には第13の態様に記載の方法を実施するために、前記ワークピースホルダ及び前記工具ホルダを制御するギヤ製造制御器とを有する、ギヤ製造機。

B.斜め創成方法

1. 斜め創成法により修整済み工具を使用して、修整済み表面形状を有する歯付ワークピースを製造する方法であって、 修整を表面形状中に含む工具が使用され、前記修整は、創成パターン内で、前記工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に表すことができ、 前記一次及び/又は二次関数の係数が、前記第1の方向に垂直に延びる前記工具の第2の方向において、係数関数F

FtC,1,F

FtL,1,及びF

FtQ,1のうちの少なくとも1つにより、及び/又は、ピッチとクラウニングの少なくとも一方が前記工具の回転角度及び/又は前記工具の幅位置に依存して変化する修整により決定され、 前記工具の前記斜め創成法による前記特定の修整により、対応する修整が前記ワークピースの表面に施され、 前記ワークピースの前記表面形状の所望の修整が指定され、前記所望の修整を施すのに適した前記工具の表面形状の修整が、前記所望の修整を施すのに適した前記斜め創成法における対角比と組み合わされて決定される、方法。

2. 第1の態様において、 前記工具の前記第1の方向が、斜め創成法において、前記ワークピースの前記所望の修整を施すのに適した前記ワークピースの一方向にマッピングされるように、前記対角比が設定され、好ましくは、前記対角比が曲線適合により及び/又は解析的に決定される、方法。

3. 第1又は第2の態様において、 前記ワークピースの前記表面形状の前記所望の修整が、修整として指定可能であるか、又は、前記創成パターン内で、前記ワークピースの第1の方向において少なくとも局所的に、一次及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に表すことができる修整を有し、 前記一次及び/又は二次関数の係数が、前記第1の方向に垂直に延びる前記工具の第2の方向において、係数関数FFtC,2,FFtL,2,及びFFtQ,2のうちの少なくとも1つにより構成され、及び/又は、修整として指定可能であるか、又は、ピッチとクラウニングのうちの少なくとも一方が前記ワークピースの幅位置に依存して変化する修整を含む、方法。

4. 第1から第3の態様のいずれか1つにおいて、 前記工具の前記表面形状の前記修整の係数関数FFtC,1,FFtL,1,及びFFtQ,1のうちの少なくとも1つは、前記ワークピースの前記表面形状の前記所望の修整を施すために、少なくとも特定の条件下で自由に選択可能であり、及び/又は 係数関数FFtC,2,FFtL,2,及びFFtQ,2のうちの少なくとも1つ、及び/又は、前記ワークピースの前記表面形状の前記修整の第1の方向が、少なくとも一定の条件下で自由に指定可能及び/又は選択可能であり、及び/又は 前記工具の前記表面の前記修整のピッチとクラウニングの少なくとも一方が、少なくとも一定の条件下で、前記工具幅位置の関数として、自由に選択可能であり、及び/又は 前記ワークピースの前記表面の前記修整のピッチとクラウニングの少なくとも一方が、少なくとも一定の条件下で、前記ワークピース幅位置の関数として、自由に選択可能であり、 前記対角比が、前記ワークピース上の前記修整の前記第1の方向に依存して決定される、方法。

5. 第1の態様において、 前記工具の前記表面形状の前記修整は、斜め創成研削において前記工具の表面の前記ワークピースの表面へのマッピングを表す関連付関数の逆変換を介して、前記ワークピースの前記表面形状の前記所望の修整から決定され、前記関連付関数は前記対角比に依存し、前記決定は、好ましくは、斜め送り創成研削において前記工具の表面の前記ワークピースの表面へのマッピングを解析的に表す関数を使用して行われ、及び/又は、 前記ワークピースの前記表面形状の前記所望の修整は、連続関数として、及び/又は、散布図上に指定され、前記連続関数は、好ましくは、歯面の表面上に指定され、及び/又は、前記散布図は前記歯面の表面上に広がり、及び/又は 前記工具の前記表面形状の前記修整は、連続関数として、及び/又は、散布図上に指定され、前記連続関数は、好ましくは、前記歯面の表面上に指定され、及び/又は、前記散布図は前記歯面の表面上に広がり、及び/又は 前記ワークピースの前記表面形状の前記修整は、少なくとも2つ又は3つのロール角において、前記工具幅位置の関数として指定可能及び/又は選択可能であり、前記ロール角の間のロール角領域について補間が行われ、及び/又は 前記工具の前記表面の前記修整は、前記工具幅位置の関数としての少なくとも2つ又は3つのロール角における前記決定及び/又は指定の枠組み内で可変であり、前記ロール角の間の前記ロール角領域について補間が行われる、方法。

6. 第1から第5の態様のいずれか1つにおいて、 前記工具の前記表面形状の前記修整は、ドレッシング時に、前記工具とドレッサとの間の相対位置の修整により施され、前記ドレッサは、好ましくは、ドレッシング時に前記工具と線接触し、及び/又は、前記工具の前記表面形状の前記修整の前記第1の方向は、前記工具のドレッシング時の前記ドレッサの作用線に対応し及び/又は前記ドレッサの作用線により指定され、 前記工具は、好ましくは、修整済みの様式で、歯形ローラドレッサ又はフォームローラドレッサによってドレッシングされ、 より好ましくは、前記歯形ローラドレッサ又は前記フォームローラドレッサは、前記ドレッシング時に、前記工具の歯に対し歯元領域から歯先領域まで接触して、1回のストロークで歯たけ全体にわたって前記修整を施し、あるいは、 前記歯形ローラドレッサ又は前記フォームローラドレッサは、前記ドレッシング時に、 前記工具の歯に対し歯元と歯先との間の部分的領域にのみ接触し、複数回のストロークで且つ前記ドレッサの各相対位置決めにおいて、前記特定の修整を歯たけ全体にわたって施す、方法。

7.第6において、 ドレッシング時に、前記工具に対する前記ドレッサの位置が、前記工具の回転角度及び/又は前記工具幅位置に依存して変更されることで、前記工具の前記表面形状の前記修整が施され、 少なくとも自由度3、好ましくは4又は5の自由度を使用して前記ドレッサと前記工具との間の相対位置決めに前記所望の修整を施すことで、前記工具の前記特定の修整が施され、 前記各自由度は、前記所望の修整を施すために、それぞれ互いから独立して設定可能であり、及び/又は、前記自由度は、前記工具の回転角度と、前記工具の軸方向位置と、前記ドレッサのy位置と、中心距離と、軸方向交差角の5のうちの少なくとも3、又は4、又は全てであり、前記工具の前記軸方向位置、すなわち、前記工具幅位置は、前記ドレッサの前記接触線をずらすために使用され、残りの4の自由度のうちの2、3、又は4は、前記接触線に沿って前記指定された修整を施すために、互いから独立して設定される、方法。

8. 第6又は第7において、 前記ワークピースの前記表面形状の所望の修整が指定され、 前記工具の前記表面形状の適切な関数FFtC,1,FFtL,1及び/又はFFtQ,1が、前記ワークピースの前記表面形状の前記所望の修整に依存して決定されるとともに、適切な対角比が決定され、及び/又は、 ドレッシングの際の、前記工具の回転角度と前記工具幅位置の少なくとも一方に依存する、前記工具に対する前記ドレッサの位置の適切な変化が、前記ワークピースの前記表面形状の前記所望の修整と前記工具幅位置の少なくとも一方に依存して決定されるとともに、適切な対角比が決定される、方法。

10. 第1から第8の態様のいずれか1つにおいて、 前記ワークピースの前記表面形状の前記修整の所望の配向が指定されるとともに、前記修整の前記所望の配向が斜め創成機械加工の際に施されるように前記対角比が設定され、及び/又は、前記対角比が、少なくとも各ストロークにわたって一定である、方法。

11. 上記態様のいずれか1つにおいて、 前記対角比は、ワークピースの機械加工の一部として変更される、方法。

12. 上記態様のいずれか1つにおいて、 前記工具の基本形状は円錐形であり、前記工具の円錐角度は好ましくは1′よりも大きく、好ましくは30′よりも大きく、より好ましくは1°よりも大きく、及び/又は、前記工具の円錐角度は50°よりも小さく、好ましくは20°よりも小さく、より好ましくは10°よりも小さい、方法。

13. 斜め創成法において工具を使用してワークピースを機械加工するための、及び/又は、上記第1から第12の態様のいずれか1つの方法を実施するために線接触するドレッサを使用して工具をドレッシングするためのギヤ製造機であって、 前記ギヤ製造機は、好適には、上記第1から第12の態様のいずれか1つの方法を実行するための制御器を有し、及び/又は 好適には、前記ギヤ製造機は入力関数と制御関数とを備え、前記入力関数を介して前記ワークピースの前記表面形状の所望の修整を指定可能であり、前記制御関数によって、前記ワークピースの前記表面形状の前記修整を施すのに適した前記工具の前記表面形状の前記修整が決定されるとともに、適切な対角比が決定され、 好ましくは、前記制御関数によって、ドレッシング時に前記工具の前記表面形状の前記修整が施され、及び/又は、前記対角比で前記工具を機械加工するために前記斜め創成法が実施される ギヤ製造機。

14. 第13の態様において、 前記ギヤ製造機は、前記工具の修整ドレッシングのためのドレッシング機能を備え、前記ドレッシング機能により、ドレッシング時に前記工具の回転角度に依存して、前記工具に対する前記ドレッサの位置が変更され、及び/又は、前記工具幅位置が変更され、好ましくは、前記ドレッシング機能により、前記工具の回転角度と前記工具幅位置の少なくとも一方に依存して、少なくとも前記ドレッサの動作深さと圧力角とが変更され、及び/又は、前記ドレッシング機能は、前記ドレッサと前記工具との間の相対位置決め中に前記所望の修整を施すために、少なくとも自由度3、好ましくは4又は5の自由度を利用し、前記自由度は、好ましくは、前記所望の修整を施すために、互いから独立して設定される ギヤ製造機。

15. 第13又は第14の態様において、 前記入力関数により、前記ワークピースの前記表面形状の前記所望の修整を、定数関数として及び/又は散布図上で指定でき、前記定数関数は、好ましくは、歯面の表面上に指定可能であり、及び/又は、前記散布図は、好ましくは、歯面の表面上に広がり、及び/又は、 前記入力関数により、少なくとも2つ又は3つのロール角において、前記ワークピースの前記表面形状の前記所望の修整を、前記ワークピース幅位置の関数として指定できるとともに、前記ロール角の間のロール角領域について補間が行われる ギヤ製造機。

16.第13から第15の態様のいずれか1つにおいて、 前記ギヤ製造機により、前記工具の前記表面形状の前記修整が、定数関数として及び/又は散布図上に決定され、及び/又は、 前記ギヤ製造機により、前記工具の前記表面形状の前記修整を、定数関数として及び/又は散布図上で指定でき、前記定数関数は、好ましくは歯面の表面上に決定され及び/又は指定可能であり、及び/又は、前記散布図は、好ましくは、歯面の表面上に広がり、及び/又は、 前記工具の前記表面形状の前記修整は、少なくとも2つ又は3つのロール角において、前記決定及び/又は指定の枠組み内で、前記工具幅位置の関数として可変であり、前記制御器が、前記ロール角の間のロール角領域について補間を行う ギヤ製造機。

17. 第13から第16の態様のいずれか1つにおいて、 前記ギヤ製造機により、前記ワークピースの前記表面形状の所望の修整を、創成パターン内で前記ワークピースの第1の方向において少なくとも局所的に、一次及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に表すことができる関数として指定でき、前記一次及び/又は二次関数の係数が、前記第1の方向に垂直に延びる前記ワークピースの第2の方向において、係数関数FFtC,2,FFtL,2,及びFFtQ,2のうちの少なくとも1つにより構成され、前記係数関数FFtL,2,FFtll,2,及び前記ワークピースの前記表面形状の前記修整の前記第1の方向のうちの少なくとも1つが、少なくとも一定の条件下で自由に変更可能及び/又は選択可能であり、及び/又は 前記ギヤ製造機により、前記ワークピースの前記表面形状の所望の修整を、前記ワークピースの幅方向に変化する第1の方向におけるピッチとクラウニングの少なくとも一方を有する関数として指定でき、 前記ワークピースの前記表面形状の前記修整は、好ましくは、少なくとも2つ又は3つのロール角において、前記工具幅位置の関数として指定可能であり、前記制御器が、前記ロール角の間のロール角領域について補間を行う ギヤ製造機。

18. 第13から第17の態様のいずれか1つにおいて、 前記ギヤ製造機は、前記工具の前記表面形状の修整を、創成パターン内で前記ワークピースの第1の方向において少なくとも局所的に、一次及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に表すことができる関数として指定及び/又は決定でき、 前記一次及び/又は二次関数の係数が、前記第1の方向に垂直に延びる前記工具の第2の方向において、係数関数FFtC,1,FFtL,1,及びFFtQ,1のうちの少なくとも1つにより構成され、 好ましくは、前記工具の前記表面形状の前記修整の前記係数関数FFtC,1,FFtL,1,及びFFtQ,1のうちの少なくとも1つが、少なくとも一定の条件下で自由に変更可能及び/又は選択可能であり、及び/又は、 前記ギヤ製造機により、前記ワークピースの前記表面形状の修整を、前記ワークピース幅方向に変化する第1の方向においてピッチとクラウニングの少なくとも一方を有する関数として指定又は決定でき、 前記工具の前記表面形状の前記修整は、好ましくは、少なくとも2つ又は3つのロール角において、前記決定及び/又は指定の枠組み内で、前記ワークピースの前記幅位置の関数として指定可能及び/又は可変であり、前記制御器が、前記ロール角の間のロール角領域について補間を行う ギヤ製造機。

19. 特にギヤ製造機にインストールするための、及び/又は、ギヤ製造機において使用するデータのための出力関数を有するコンピュータプログラムであって、前記ワークピースの前記表面形状の所望の修整についてのデータを入力するための入力関数と、前記工具の前記修整と前記対角比とを決定するための関数とを備え、 前記各関数が、上記態様のいずれか1つの方法を実行する コンピュータプログラム。

1. 修整済み工具を使用して、修整された表面形状を有する歯付ワークピースを斜め創成法によって製造する方法であって、 工具が使用され、 前記工具の表面形状は、 創成パターン内で、前記工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に表すことが可能な修整、及び/又は、 ピッチ及び/又はクラウニングが前記工具の回転角度に依存して、及び/又は前記工具の幅位置に依存して変化する修整を有し、 前記一次関数及び/又は二次関数の係数は、前記第1の方向に対して垂直に延びる前記工具の第2の方向において、係数関数F

FtC,1、F

FtL,1、及び/又はF

FtQ,1により構成され、 前記斜め創成法による前記工具の具体的な修整は、前記ワークピースの表面上に、対応する修整を施し、 前記工具の前記具体的な修整によって施される前記ワークピースの前記修整は、歯形修整及び/又は前記ワークピースの機械加工手順中の機械運動の変更によって生じる修整によって重畳される 方法。

2. 第1の態様において、 各修整の形、及び/又は複数の部分、及び/又は複数のパラメータは、曲線適合により及び/又は解析的に決定される方法。

3. 修整済み工具を使用して、修整された表面形状を有する歯付ワークピースを斜め創成法によって製造する方法であって、 工具が使用され、 前記工具の表面形状は、 創成パターン内で、前記工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に表すことが可能な修整、及び/又は ピッチ及び/又はクラウニングが前記工具の回転角度に依存して、及び/又は前記工具の幅位置に依存して変化する修整を有し、 前記一次関数及び/又は二次関数の係数は、前記第1の方向に対して垂直に延びる、前記工具の第2の方向において、係数関数FFtC,1、FFtL,1、及び/又はFFtQ,1により構成され 前記斜め創成法による前記工具の具体的な修整は、前記ワークピースの表面上に、対応する修整を施し、 前記工具の前記表面形状の修整の形、並びに、前記ワークピースの機械加工プロセス及び/又は前記工具のマクロ形状の少なくとも1つのパラメータ及び好ましくは複数のパラメータは、所望の修整を少なくとも近似的に施すことができるように決定され、 前記決定は、具体的には、曲線適合により及び/又は解析的に行われる 方法。

4. 第3の態様において、 前記斜め創成法中の対角比及び/又は軸交差角、及び/又は前記工具の円錐角及び/又はプロファイル角が決定され、 好ましくは前記工具幅にわたって一定である、一定の対角比が決定され、又は 前記対角比は、好ましくは送り位置の非定数関数として決定される 方法。

5. 修整済み工具を使用して、修整された表面形状を有する歯付ワークピースを斜め創成法によって製造する方法であって、 工具のドレッシングプロセスの修整、及び/又は前記工具をドレッシングするために使用されるドレッサの修整、及び/又はワークピースの機械加工手順の修整によって施される少なくとも2つの異なる修整を重畳することによって、前記ワークピースの修整を行い、 前記ワークピースの所望の修整は、ロール角wFとワークピース幅位置zFとを用いる二次多項式として創成パターン内に指定可能であり、該多項式の係数は、少なくとも1つ、好ましくは複数、さらに好ましくは全ての係数が、ある一定の条件内で、自由に選択可能であり、及び/又は 前記ワークピースの前記所望の修整は、ある一定の条件内で複数の方向が自由に選択可能な複数のクラウニングの重畳として指定可能であり、及び/又は所望の歯形クラウニングと所望の歯すじクラウニングとが指定可能であり、及び/又は 前記ワークピースの前記所望の修整は、波の伝播方向を横断する非定数値を有する振幅を持つ波として指定可能であり、 上記波の伝搬方向に対して横断し、特に上記波のピークに沿う、少なくとも1つの一次関数形状及び/又は二次関数形状を有する振幅関数を指定することが好ましく、 少なくとも特定の条件内において、上記振幅関数の1つ以上の係数を自由に選択可能であることが好ましく、及び/又は 前記振幅が側面の全方向で変化するように、前記振幅を指定可能である 方法。

6. 第1から第5の態様のいずれか1つにおいて、以下の修整、すなわち 前記工具の表面形状の具体的な修整によって施される、前記ワークピースの表面形状の第1の修整、 前記第1の修整において 前記具体的な修整は、ドレッシング中に、前記工具の前記回転角度及び/又は前記工具の幅位置に依存して前記工具に対する前記ドレッサの位置を変えることによって施され、及び/又は、 前記具体的な修整は、前記創成パターン内で、前記工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に記述可能な修整、及び/又はピッチ及び/又はクラウニングが、前記工具の前記回転角度及び/又は前記工具の幅位置に依存して変化する修整、を有する表面形状を持つ工具を使用することによって施され、 前記一次関数及び/又は二次関数の複数の係数は、前記第1の方向に対して垂直に延びる前記工具の第2の方向において、係数関数FFtC,1、FFtL,1、及び/又はFFtQ,1によって決定され、 前記ドレッサの歯形修整によって施される、前記ワークピースの表面形状の第2の修整、及び/又は 前記ワークピースの機械加工手順中に機械運動を変更することによって施される、前記ワークピースの表面形状の第3の修整 のうちの少なくとも2つの修整を重畳し、 各修整の形、及び/又は複数の部分、及び/又は複数のパラメータは、曲線適合により及び/又は解析的に決定される 方法。

7. 第1から第6の態様のいずれか1つにおいて、 前記ワークピースの表面形状の所望の修整は、以下の修整、すなわち 前記創成パターン内で、前記ワークピースの第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に記述することが可能な第1の修整、 前記第1の修整において、上記一次関数及び/又は二次関数の複数の係数は、前記第1の方向に対して垂直に延びる前記ワークピースの第2の方向において、係数関数FFtC,2、FFtL,2、及び/又はFFtQ,2によって、及び/又はピッチ及び/又はクラウニングが前記ワークピース幅位置に依存して変化する修整によって構成され、 歯形修整のみによって施される第2の修整、及び/又は 前記ワークピースの第3の方向においては、前記創成パターン内で少なくとも局所的に一定値を有するとともに、前記第3の方向に垂直に延びる前記ワークピースの第4の方向においては、関数FKFtで表される第3の修整、 のうちの少なくとも2つの修整に少なくとも近似的に分解される 方法。

8. 第1から第7の態様のいずれか1つにおいて、 前記ワークピースの表面形状の所望の修整は指定され、 前記機械加工手順のパラメータ、及び/又は前記工具のマクロ形状のパラメータ、及び/又は前記工具の表面形状の直接的な修整、及び/又は前記所望の修整に可能な限り最適に近似させる及び/又は前記所望の修整を正確に決定する修整の組み合わせは、曲線適合を用いて及び/又は解析的に決定され、 前記所望の修整は、連続関数及び/又は散布図として指定されることが好ましく、 歯面の表面上の定数関数は指定可能である、及び/又は前記散布図は前記歯面の表面上に広がることが好ましく、及び/又は 前記修整の形、及び/又は前記複数の修整の形は、複数の点において、及び/又は複数の連続関数として決定される 方法。

9. 第1から第8の態様のいずれか1つにおいて、 各修整の合計として与えられる全体の修整と所望の修整との差を定量化する距離関数が上記曲線適合の枠組み内で使用され、 前記距離関数によって、複数の点又は前記創成パターン全体の平均値を作成することが好ましく、及び/又は ロール距離wF及び歯幅位置zFに依存する距離関数A(wF、zF)が上記曲線適合の枠組み内で使用され、及び/又は 加重距離関数が上記曲線適合の枠組み内で使用され、前記ワークピースの特定の領域における差に対する加重が、その他の領域における差に対する加重よりも強いことが好ましく、 及び/又は 前記ワークピースの表面形状の具体的な修整は、前記曲線適合の途中で決定され、前記創成パターン内で、前記ワークピースの第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に記述可能であり、 この一次関数及び/又は二次関数の係数は、前記第1の方向に垂直に延びる前記工具の第2の方向において、係数関数FFtC,2、FFtL,2、及び/又はFFtQ,2によって構成され、及び/又は 第1の方向において測定されるピッチ及び/又はクラウニングが前記ワークピース幅位置に依存して変化するような前記ワークピースの修整を決定し、少なくともさらに1つの修整とともに、所望の修整に理想的に近似させる、及び/又は所望の修整を正確に施し、 上記ワークピースの表面形状の所望の修整から、この目的のために必要な工具の表面形状の修整、及び/又はドレッシング中にこの目的のために必要な機械運動が決定され、 及び/又は 前記機械加工手順の少なくとも1つの、好ましくは複数のパラメータ、及び/又は前記工具のマクロ形状の少なくとも1つの、好ましくは複数のパラメータ、及び/又は、可能な修整のうちの少なくとも1つ及び好ましくは2つあるいは3つの修整の形と、部分と、パラメータとのうちの少なくとも1つを、曲線適合の枠組み内で変更することによって、これらパラメータ、及び/又は前記所望の修整に可能な限り最適に近似させ及び/又は上記所望の修整を正確に施すような上記修整、及び/又は上記修整の組み合わせを決定し、 係数関数FFt。1/2、FFtL,1/2、及び/又はFFtQ,1/2の形、及び/又は関数FKFtの形、及び/又は歯形修整の形、及び/又は前記第1の方向を変更することが好ましく、及び/又は 前記第1の修整の前記第1の方向、前記対角比、前記斜め創成法中の軸交差角、前記円錐角、及び前記工具のプロファイル角のうちの少なくとも1つを変更することが好ましく、 前記工具幅にわたって一定である対角比が変更されることが好ましく、あるいは前記対角比が、送り位置の非定数関数として変更されることが好ましい 方法。

10. 第1から第9の態様のいずれか1つにおいて、 前記工具の表面形状の修整は、ドレッシング中に前記工具と前記ドレッサとの相対位置を修整することにより施し、前記ドレッサは、好ましくは、ドレッシング中は前記工具と線接触し、及び/又は、前記工具の表面形状に施される修整の前記第1の方向は、前記工具をドレッシングする際の前記ドレッサの作用線に対応し、及び/又はその作用線により指定され、 前記工具は、歯形ローラドレッサあるいはフォームローラドレッサを用いて、修整された形状にドレッシングされることが好ましく、 さらに、前記歯形ローラドレッサあるいは前記フォームローラドレッサは、一回のストロークで歯たけ全体にわたって前記修整が生じるように、前記ドレッシング中、歯元の領域から歯先の領域まで前記工具の歯と接触することが好ましく、 あるいは、代替的に 前記歯形ローラドレッサあるいは前記フォームローラドレッサは、複数回のストロークで歯たけ全体にわたり、上記ドレッサの互いに異なる相対位置において、上記具体的な修整が生じるように、上記ドレッシング中、上記歯元の領域と上記歯先の領域との間の部分領域のみで上記工具の歯と接触し、及び/又は 前記工具の表面形状の具体的な修整は、前記工具の回転角度及び/又は前記工具の幅位置に依存して、ドレッシングプロセス中の機械運動を変更することによって施され、 具体的には、所望の修整のために前記ドレッサと前記工具との間の相対位置を決めるにあたり、少なくとも3度の自由度、好ましくは4度あるいは5度の自由度が用いられ、 この自由度は、前記所望の修整を施すために、互いに独立して設定可能であることが好ましく、及び/又は この自由度は、以下の5度の自由度、すなわち、前記工具の回転角度、前記工具の軸位置、前記ドレッサのy位置、中心距離及び軸交差角のうちの少なくとも3度、あるいは4度、あるいは全ての自由度が用いられることが好ましく、 前記工具の軸位置、すなわち前記工具の幅位置が、前記ドレッサの接触線を変位させるのに用いられることが好ましく、 前記接触線に沿って前記具体的な修整を施すためには、残りの4度の自由度のうち、2度の自由度、3度の自由度、あるいは全4度の自由度が、互いに独立して設定され、 歯形修整を施すために、修整されたドレッサを追加的に使用することが好ましい 方法。

11. 第1から第10の態様のいずれか1つにおいて、 機械加工中における、前記工具の軸方向送り出しと前記ワークピースの軸方向送り出しとの間の比によって与えられる対角比を利用して、前記工具の軸方向の送り出しが行われ、 前記対角比は、ワークピースの機械加工の一部として変更される 方法。

12. 第1から第11の態様のいずれか1つにおいて、 前記工具は円錐形の基本形状を有し、 前記工具の円錐角は、1′よりも大きく、好ましくは30′よりも大きく、より好ましくは1°よりも大きく、及び/又は、 前記工具の円錐角は、50°よりも小さく、好ましくは20°よりも小さく、より好ましくは10°よりも小さい 方法。

13. 第1から第12のいずれか1つの態様に係るワークピースの製造方法を実施するギヤ製造機であって、 前記ギヤ製造機は、好適には、機械加工手順中及び/又はドレッシングプロセス中に機械運動の運動力学的な変更を指定できる、及び/又は決定できる入力関数及び/又は演算関数を有し、及び/又は前記機械加工手順中及び/又は前記ドレッシングプロセス中に、前記機械運動を変更する制御関数を有し、 前記入力関数は、所望の修整の入力を許可することが好ましく、 上記演算関数は、製造に必要な複数の修整を決定し、及び/又は、前記複数の修整を施すのに必要な前記機械加工手順中及び/又は前記ドレッシングプロセス中に、前記機械運動の変更を決定する ギヤ製造機。

14. 所望の修整を有するワークピースの製造に必要な複数の修整の組み合わせを決定するためのコンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラムであって、 前記コンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラムは、所望の修整を指定するための入力関数と、分解関数とを有し、 前記分解関数は、所望の修整に可能な限り最適に近似させる、及び/又は所望の修整を正確に決定するような複数の修整の組み合わせを決定し、 前記分解関数は、 前記創成パターン内で、前記工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に記述可能な前記工具の表面形状の具体的な修整、及び/又は ピッチ及び/又はクラウニングが、前記工具の回転角度及び/又は前記工具の幅位置に依存して変化する修整、 によって施される前記ワークピースに施される修整と、歯形修整及び/又は機械加工手順中の機械運動の変更による修整との、この目的に適した組み合わせを決定し、 前記一次関数及び/又は二次関数の係数は、前記第1の方向に対して垂直に延びる前記工具の第2の方向において、係数関数FFtC,1、FFtL,1、及び/又はFFtQ,1により構成され、 前記分解関数は、前記ワークピースの指定された所望の修整を、曲線適合により及び/又は解析的に、前記ワークピースの異なる2つの修整に少なくとも近似的に分解することが好ましく、 前記ワークピースの異なる2つの修整は、それぞれ、前記工具のドレッシングプロセスの修整によって、及び/又は前記工具のドレッシングに使用されるドレッサの修整によって、及び/又は前記ワークピースの機械加工手順の修整によって施すことが可能であり、 前記分解関数は、指定された所望の修整を、以下の修整、すなわち 前記ワークピースの第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に記述可能な第1の修整、及び/又は、ピッチ及び/又はクラウニングがワークピース幅位置に依存して変化する修整であって、前記一次関数及び/又は二次関数の係数が、上記第1の方向に対して垂直に延びる前記ワークピースの第2の方向において、係数関数FFtC,2、FFtL,2、及び/又はFFtQ,2によって構成される修整、 歯形修整のみによって施される第2の修整、及び/又は 前記ワークピースの第3の方向においては、前記創成パターン内で少なくとも局所的に一定値を有するとともに、前記第3の方向に垂直に延びる前記ワークピースの第4の方向においては、関数FKFtで表される第3の修整、 のうちの少なくとも2つの修整に、少なくとも近似的に分解することがさらに好ましく、 前記コンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラムは、演算関数を有することが好ましく、 該演算関数は、 前記工具のドレッシングプロセスの修整を決定し、及び/又は 前記工具のドレッシングに使用されるドレッサの修整を決定し、及び/又は このように決定された前記ワークピース及び/又は前記工具の上記修整から、該修整を施すために必要な、前記ワークピースの機械加工手順の修整を決定する コンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラム。

15. 所望の修整を有するワークピースの製造に必要な複数の修整の組み合わせを決定するためのコンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラムであって、 前記コンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラムは、所望の修整を指定するための関数と、決定関数とを有し、 前記決定関数は、 上記創成パターン内で、前記工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に記述可能な、前記工具の表面形状の具体的な修整の形を決定し、 前記一次関数及び/又は二次関数の係数は、前記第1の方向の方向に対して垂直に延びる前記工具の第2の方向において、係数関数FFtC,1、FFtL,1、及び/又はFFtQ,1によって構成され、及び/又は 前記決定関数は、 ピッチ及び/又はクラウニングが、前記工具の回転角度及び/又は前記工具の幅位置に依存して変化する修整、及び 前記工具のマクロ形状の少なくとも1つのパラメータ、好ましくは複数のパラメータ、及び/又は、前記所望の修整を可能な限り最適に近似させることができる斜め創成法及び/又は前記所望の修整を正確に施すことができる斜め創成法の少なくとも1つのパラメータ、好ましくは複数のパラメータ を決定する コンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラム。

16. 第14又は第15の態様に記載のコンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラムにおいて、 前記コンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラムは、第1から第12の態様に記載の方法の演算工程を実行し、及び/又は、 第13の態様に記載のギヤ製造機に対するインタフェースを有する、もしくは該ギヤ製造機にインストール可能であり、 機械運動の変更は、機械加工手順中及び/又はドレッシングプロセス中に、前記コンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラムによって指定可能である、及び/又は決定可能である。

0. 修整済み工具を用いた斜め創成法により、修整された表面形状を有する歯付ワークピースを製造する方法であって、 上記工具のドレッシングプロセスと、上記工具をドレッシングするのに用いるドレッサと、上記ワークピースの機械加工プロセスのうち少なくとも1つに修整を施すことにより行われ得る、少なくとも2つの異なる修整が、上記ワークピースに修整を施す目的で重畳され、及び/又は 上記ワークピースに上記修整を施すために工具が用いられ、上記ワークピースの表面形状は、創成パターン内で上記工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に記述可能な修整を含んでおり、 上記一次関数及び/又は上記二次関数の係数は、上記第1の方向に対して垂直に延びる、上記工具の第2の方向において、係数関数F

FtC,1、F

FtL,1及びF

FtQ,1のうち少なくとも1つにより形成され、及び/又は 上記ワークピースの表面形状は、そのピッチ及び/又はクラウニングが、上記工具の回転角度及び/又は上記工具の幅位置に依存して変化する修整をさらに含み、 上記ワークピースに施す所望の修整は、ロール角w

F及び上記ワークピースの幅位置z

Fを用いる二次多項式として上記創成パターン内に指定可能である、方法。

1. 修正済み工具を用いた斜め創成法により、修整された表面形状を有する歯付ワークピースを製造する方法であって、 上記ワークピースに上記修整を施すために工具が用いられ、上記ワークピースの表面形状は、創成パターン内で上記工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に記述可能な修整を含んでおり、 上記一次関数及び/又は上記二次関数の係数は、上記第1の方向に対して垂直に延びる、上記工具の第2の方向において、定数関数部分については係数関数FFtC,1により、一次関数部分についてはFFtL,1により、及び/又は二次関数部分についてはFFtQ,1により形成され、FFtC,1は上記第2の方向における位置に非線形に依存し、FFtL,1は一定ではなく、及び/又は 上記ワークピースの表面形状は、そのピッチ及び/又はクラウニングが、上記工具の回転角度及び/又は上記工具の幅位置に依存して変化する修整であって、 その歯の厚さが、上記工具の回転角度及び/又は上記工具の幅位置に依存して非線形に変化する、修整を含む、方法。

2. 上記修正済み工具により施される上記修整は、上記ワークピースの機械加工手順の機械運動を変更することにより施され、重畳される修整を有する、第0の態様又は第1の態様に記載の方法。

3. 上記ワークピースの表面形状に施す所望の修整は、ロール角wFとワークピース位置zFとを用いる二次多項式として上記創成パターン内に指定可能であり、上記多項式の好ましくは少なくとも1つの係数、より好ましくは複数の係数、さらに好ましくは全ての係数は、複数の具体的条件の組み合わせの下で自由に選択可能である、第0の態様から第2の態様のいずれか1つに記載の方法。

4. 修正済み工具を用いた斜め創成法により、修整された表面形状を有する歯付ワークピースを製造する方法であって、 上記工具の上記表面形状に対する具体的な修整は、上記工具の回転角度及び/又は上記工具の幅位置に依存して、ドレッサの上記工具に対する位置をドレッシング中に線接触で変化させることにより施され、及び/又は その表面形状が、創成パターン内で上記工具の第1の方向において少なくとも局所的に、定数関数、一次関数及び二次関数のうち少なくとも1つによって少なくとも近似的に記述可能な修整を含む工具が用いられ、 上記定数関数、上記一次関数及び上記二次関数のうち少なくとも1つの係数は、上記第1の方向に対して垂直に延びる、上記工具の第2の方向において、係数関数FFtC,1、FFtL,1及びFFtQ,1のうち少なくとも1つにより形成され、 そのピッチ及び/又はクラウニングが、上記工具の回転角度及び/又は上記工具の幅位置に依存して変化する修整をその表面形状が有する工具が用いられ、 上記ワークピースに施す所望の修整は、複数の具体的な条件の組み合わせの下で方向を自由に選択可能である、複数のクラウニングの重畳として指定可能であり、及び/又は 所望の歯形クラウニングが指定可能である、方法。

5. 上記工具の表面形状は、創成パターン内で上記工具の第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数によって少なくとも近似的に記述可能な修整を含んでおり、 上記一次関数の係数は、上記第1の方向に対して垂直に延びる、上記工具の第2の方向において、定数関数部分については係数関数FFtC,1により、一次関数部分についてはFFtL,1により形成され、及び/又は 上記係数関数FFtC,1は、好ましくは上記第2の方向における位置に二次関数的に依存し、及び/又は 上記係数関数FFtL,1は、好ましくは上記第2の方向における位置に一次関数的に依存し、及び/又は 上記工具の上記修整は、上記工具の回転角度及び/又は上記工具の幅位置に依存して一次関数的に変化するピッチを有し、 歯の厚さは、上記工具の回転角度及び/又は上記工具の幅位置に依存して二次関数的に変化し、及び/又は 上記所望の修整は、少なくとも1つの第1の修整及び少なくとも1つの第2の修整に分解され、 上記第1の修整は、創成パターン内で上記ワークピースの第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数によって少なくとも近似的に記述可能であり、 上記一次関数の係数は、上記第1の方向に対して垂直に延びる、上記ワークピースの第2の方向において、定数関数部分については係数関数FFtC,2により、一次関数部分についてはFFtL,2により形成され、及び/又は 上記工具の表面形状は、そのピッチが上記ワークピースの幅位置に依存して変化する修整を含み、 上記係数関数FFtC,2は、好ましくは上記第2の方向における位置に二次関数的に依存し、及び/又は 上記係数関数FFtL,2は、好ましくは上記第2の方向における位置に一次関数的に依存し、及び/又は 上記ワークピースの上記修整は、上記ワークピースの回転角度及び/又は上記ワークピースの幅位置に依存して一次関数的に変化するピッチを有し、 歯の厚さは、上記ワークピースの回転角度及び/又は上記ワークピースの幅位置に依存して二次関数的に変化し、 上記第2の修整は、機械加工プロセス中に機械運動を変更することにより施され得、及び/又は上記ワークピースの第3の方向において、上記創成パターン内に少なくとも局所的に一定値を有し、上記第3の方向に対して垂直に延びる、上記ワークピースの第4の方向において、関数FKFtにより与えられ、 上記関数FKFtは、上記第4の方向の位置に好ましくは非線形に依存し、より好ましくは二次関数的に依存する、第0の態様から第4の態様のいずれか1つに記載の方法。

6. 対角比は、上記ワークピースの斜め創成機械加工中に、少なくとも複数の具体的条件の組み合わせの下に、上記ワークピースに施す所望の修整からは独立して、また具体的には上記所望の1つ又は複数のクラウニングの方向からは独立して選択可能であり、且つ上記対角比は、具体的には、二次多項式及び/又は複数のクラウニングの重畳として指定可能な上記ワークピースに施す所望の修整により重畳される、別の所望の修整の向きに基づいて決定される、第0の態様から第5の態様のいずれか1つに記載の方法。

7. 二次多項式及び/又は複数のクラウニングの重畳として指定可能な上記ワークピースに施す上記所望の修整に加えて、該修整が重畳される付加的な修整が指定可能であり、 上記付加的な修整は、好ましくは印が付けられた方向を有し、及び/又は上記ワークピースのエンドリリーフであり、 上記付加的な修整の向き、具体的には上記エンドリリーフの向きは、複数の具体的条件の組み合わせの下で自由に指定可能であり、具体的には三角エンドリリーフが好ましくは指定可能であり、 上記対角比は、さらに好ましくは、上記ワークピースの上記斜め創成機械加工中に、上記付加的な修整の所望の向き、及び具体的には上記エンドリリーフの向きに依存して決定される、第0の態様から第6の態様のいずれか1つに記載の方法。

8. 修正済み工具と、ワークピースの機械加工プロセス中の機械運動に施す修整とを用いた斜め創成法により、修整された表面形状を有する歯付ワークピースを製造する方法であって、 上記ワークピースの表面形状に施す所望の修整に基づき、該所望の修整を施すのに適した上記工具の表面形状に対する修整が決定され、且つ上記機械加工プロセス中の上記機械運動に対する適切な修整が決定され、 上記工具の上記表面形状に対する上記修整は、上記工具の回転角度及び/又は上記工具の幅位置に依存して、ドレッサの上記工具に対する位置をドレッシング中に線接触で変化させることにより施され、及び/又は 上記工具の表面形状は、創成パターン内で上記ワークピースの第1の方向において少なくとも局所的に、定数関数、一次関数及び二次関数のうち少なくとも1つによって少なくとも近似的に記述可能な修整を含み、 上記定数関数、上記一次関数及び上記二次関数のうち少なくとも1つの係数は、上記第1の方向に対して垂直に延びる、上記工具の第2の方向において、係数関数FFtC,1、FFtL,1及びFFtQ,1のうち少なくとも1つにより形成され、 上記ワークピースに施す上記所望の修整は、少なくとも1つのクラウニングの、上記ワークピースのエンドリリーフへの重畳として指定可能である、方法。

9. 上記クラウニングの向き、及び/又は上記エンドリリーフの向きは、複数の具体的条件の組み合わせの下で自由に指定可能であり、具体的には三角エンドリリーフが指定可能であり、及び/又は 複数の具体的条件の組み合わせの下で自由に選択可能な方向を有する複数のクラウニングが指定可能であり、及び/又は 所望の歯形クラウニング及び/又は所望の歯すじのクラウニングが指定可能である、第8の態様に記載の方法。

10. 上記エンドリリーフの向き、すなわち上記エンドリリーフが最も下降する方向は、ギヤの作用線に対して30度超の角度をなし、好適には60度超の角度をなし、さらに好適には80度超の角度をなし、且つ好ましくは上記作用線に対して直交し、及び/又は 上記エンドリリーフが定数関数、一次関数及び二次関数のうち少なくとも1つにより少なくとも近似的に記述可能である、上記エンドリリーフの第1の方向は、上記ギヤの上記作用線に対して60度未満の角度をなし、好適には30度未満の角度をなし、さらに好適には10度未満の角度をなし、且つ好ましくは上記作用線に対して平行に延びており、及び/又は 上端部及び下端部にはそれぞれ異なるエンドリリーフ、具体的には互いに異なる向きを有するエンドリリーフが設けられ、 上記2つのエンドリリーフを機械加工するにあたり、それぞれ異なる2つの対角比が好ましくは設定される、第0の態様から第9の態様のいずれか1つに記載の方法。

11. 修正済み工具を用いた斜め創成法により、修整された表面形状を有する歯付ワークピースを製造する方法であって、 上記工具の上記表面形状に対する具体的な修整は、上記工具の回転角度及び/又は上記工具の幅位置に依存して、ドレッサの上記工具に対する位置をドレッシング中に線接触で変化させることにより施され、及び/又は その表面形状が、創成パターン内で上記工具の第1の方向において少なくとも局所的に、定数関数、一次関数及び二次関数のうち少なくとも1つによって少なくとも近似的に記述可能な修整を含む工具が用いられ、 上記定数関数、上記一次関数及び上記二次関数のうち少なくとも1つの係数は、上記第1の方向に対して垂直に延びる、上記工具の第2の方向において、係数関数FFtC,1、FFtL,1及びFFtQ,1のうち少なくとも1つにより形成され、 そのピッチ及び/又はクラウニングが、上記工具の回転角度及び/又は上記工具の幅位置に依存して変化する修整をその表面形状が有する工具が用いられ、 上記斜め創成法による上記工具の修整により、上記ワークピースの表面にも対応する修整が施され、 上記ワークピースに施す上記所望の修整は、波状の修整として指定可能であり、上記波状の修整は、上記波状修整の伝搬方向に対して横断する非定数値を有する振幅を有する、方法。

12. 上記波状修整の伝搬方向に対して横断し、具体的には上記波のピークに沿う、少なくとも一次関数形状及び/又は二次関数形状を有する振幅関数が指定可能であり、 上記振幅関数の係数のうち1つ以上は、好ましくは少なくとも複数の具体的条件の組み合わせの下で自由に選択可能であり、 上記振幅は、歯面の全ての方向で変化するように指定可能であり、及び/又は 上記振幅関数は、上記創成パターンにおいて、ロール角wFを用いて二次多項式として指定可能であり、且つ上記ワークピースの幅位置zFを用いても指定可能であり、及び/又は 上記波状修整の向きは、少なくとも複数の具体的条件の組み合わせの下に自由に選択可能である、第11の態様に記載の方法。

13. 修正済み工具を用いた斜め創成法により、修整された表面形状を有する歯付ワークピースを製造する方法であって、 上記工具の上記表面形状に対する具体的な修整は、上記工具の回転角度及び/又は上記工具の幅位置に依存して、ドレッサの上記工具に対する位置をドレッシング中に線接触で変化させることにより施され、 上記斜め創成法により上記工具に修整を施すことにより、上記ワークピースの表面にも対応する修整が施され、 上記修正済み工具により上記ワークピースに施された修整は、創成パターン内で上記ワークピースの第1の方向において少なくとも局所的に、一次関数及び/又は二次関数によって少なくとも近似的に記述可能であり、 上記一次関数及び/又は上記二次関数の係数は、上記第1の方向に対して垂直に延びる、上記ワークピースの第2の方向において、係数関数FFtC,2、FFtL,2及びFFtQ,2のうち少なくとも1つにより形成され、及び/又は 上記修正済み工具により第1の方向において上記ワークピース上に施された上記修整は、上記ワークピースの回転角度及び/又は上記ワークピースの幅位置に依存して変化するピッチ及び/又はクラウニングを有し、 上記第1の方向は、上記ワークピースにおいて、ギヤの作用線に対して60度未満の角度で延び、好適には30度未満の角度で延び、より好適には10度未満の角度で延び、さらに好ましくは平行に延びる、方法。

14. 上記工具の表面形状に対する修整は、ドレッシング中に上記工具と上記ドレッサとの相対位置を修整することにより施され、 上記ドレッサは、好ましくは、ドレッシング中に上記工具と線接触し、及び/又は 上記ドレッシングは、1つの歯面又は2つの歯面上で行われ、及び/又は 上記工具の上記表面形状に施す上記修整の第1の方向は、上記工具をドレッシングしたときの上記ドレッサの作用線に対応し、及び/又は上記作用線により指定され、 上記工具は、好ましくは、歯形ローラドレッサ又はフォームローラドレッサを用いて修整された形状にドレッシングされ、 さらに好ましくは、上記歯形ローラドレッサ又は上記フォームローラドレッサは、一回のストロークで歯たけ全体にわたって上記修整が生じるように、上記ドレッシング中、歯元の領域から歯先の領域まで上記工具の歯と接触するか、あるいは 上記歯形ローラドレッサ又は上記フォームローラドレッサは、複数回のストロークで歯たけ全体にわたり、上記ドレッサの互いに異なる相対位置において上記具体的な修整が生じるように、上記ドレッシング中、上記歯元の領域と上記歯先の領域との間の部分領域においてのみ上記工具の歯と接触し、及び/又は 上記工具の上記表面形状に対する上記具体的な修整は、上記工具の回転角度及び/又は上記工具の幅位置に依存して、上記ドレッシングプロセス中に機械運動を変更することにより施され、上記ドレッサと上記所望の修整を施す上記工具との間の相対的な位置決めの間に、具体的には少なくとも3度、好ましくは、4度又は5度の自由度が用いられ、 上記自由度は、好ましくは、上記所望の修整を施すことを目的として互いに独立して設定可能であり、及び/又は 上記自由度は、以下に示す5度の自由度、すなわち、上記工具の回転角度、上記工具の軸位置、上記ドレッサのy位置、中心距離及び軸交差角のうちの少なくとも好ましくは3度であって、又は4度、あるいはそれらの全てであり、 上記工具の軸位置、すなわち、上記工具の幅位置は、好ましくは上記ドレッサの接触線を変位させるのに用いられ、 それ以外の上記4の自由度のうち2、3あるいは4は、上記接触線に沿って上記具体的な修整を施すように互いに独立して設定される、第0の態様から第13の態様のいずれか1つに記載の方法。

15. 第0の態様から第14の態様のいずれか1つに記載の方法を実行するためのギヤ製造機であって、 上記ギヤ製造機は、上記所望の修整を指定可能とする入力関数と、上記工具の上記ドレッシングの一部として、及び/又は上記ワークピースの上記機械加工の一部として上記機械運動に対して対応する制御を行うことにより、上記所望の修整を生成する制御関数と、を有し、 上記機械加工プロセス中、及び/又は必要な場合には上記修整を施すのに必要な上記ドレッシングプロセス中に、上記ワークピースに上記所望の修整を施し、及び/又は上記機械運動を変更するのに適した上記工具の修整を決定する演算関数が好ましくは提供される、ギヤ製造機。

16. ワークピースに所望の修整を施すのに適した、第0の態様から第14の態様のいずれか1つに記載の方法を実行するための上記機械加工パラメータを決定するコンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラムであって、 所望の修整を入力するための関数を有し、 上記ワークピースに施す上記所望の修整及び/又は上記工具に必要な修整に基づき上記所望の修整を施すのに必要であり、及び/又は上記工具に修整を施すのに必要な上記ドレッシングプロセス及び/又は上記ドレッサを修整するのに必要である、上記ワークピースの上記機械加工プロセスのパラメータを決定する演算関数を有する、コンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラム。

17. 上記ドレッシングプロセス中の上記機械運動の変更及び/又は上記機械加工プロセスの上記パラメータの変更が、上記コンピュータシステム及び/又は上記ソフトウェアプログラムにより指定及び/又は決定可能であるように、ギヤ製造機に対するインタフェースを有するか、又は該ギヤ製造機上にインストール可能である、第16の態様に記載のコンピュータシステム及び/又はソフトウェアプログラム。

1.斜め創成法により、具体的には、既出の態様のうちいずれか1つに記載の修整済み工具を用いて、歯付ワークピース、具体的には、修整済みの表面形状を有するワークピースを製造する方法であって、上記工具の軸方向送り出しが、上記工具の軸方向送り出しと上記ワークピースの軸方向送り出しとの間の関係により表される対角比での機械加工中に行われ、上記対角比は、ワークピースの機械加工の一部として変更される、方法。

2.第1の態様において、 上記ワークピースの同じ領域を機械加工するために、上記工具の異なる複数の領域を用いて、異なる複数の対角比で加工が行われ、上記それぞれの領域内において一定の対角比で加工が行われることが好ましい方法。

3.第1又は2の態様において、 上記ワークピースの異なる複数の領域を機械加工するために、異なる複数の対角比で加工が行われ、及び/又は、上記対角比が変更されるとともに、ギヤ幅は、ギヤ製造加工の一部として変更されることが好ましく、上記それぞれの領域内で一定の対角比で加工されることが好ましい方法。

4.第1から第3の態様のうちいずれか1つにおいて、 上記対角比は、上記ワークピース及び/又は上記工具の軸方向送り出しに応じて、上記ワークピースの機械加工中に変更されるとともに、 上記対角比は、少なくとも上記軸方向送り出しの領域において、上記軸方向送り出しの一定ではない連続関数として与えられることが好ましく、及び/又は、上記ワークピースの修整領域を掃引する際に、上記対角比の変更が行われることが好ましく、及び/又は、上記ワークピースに対する修整を表す少なくとも1本の線の経路が指定されることが好ましく、この線に沿って、上記修整は、一次関数及び/又は二次関数により表され、これにより、上記軸方向送り出し、及び、具体的には、この軸方向送り出しを表す、上記一定ではない連続関数に応じて、上記対角比の変更が決定される、方法。

5.第1から第4の態様のうちいずれか1つにおいて、 上記工具が幅方向に上記ワークピースに沿って案内されている間に、上記対角比の変更が行われ、 上記工具は、円錐形の基本形状を有し、上記対角比の変更によって実現し得る修整は、機械加工プロセス及び/又は上記工具のマクロ形状の持つ複数のパラメータ、特に、上記工具の軸交差角、中心距離、円錐角、及びプロファイル角のうち、少なくとも1つのパラメータ、好ましくは複数のパラメータを適切に選択することにより具体的に影響を受けることが好ましい方法。

6.第1から第5の態様のうちいずれか1つにおいて、 上記工具は、少なくとも1ヵ所の修整領域並びに1ヵ所の非修整領域、別々の修整を有する少なくとも2ヵ所の領域、特に、配向が別々の修整を有する少なくとも2ヵ所の領域、及び/又は、間に非修整領域を配置した2ヵ所の修整領域を有し、別々の対角比で少なくとも2ヵ所の領域で加工を行うことが好ましい方法。

7.第1から第6の態様のうちいずれか1つにおいて、 上記工具は、上記ワークピースの同じ領域を機械加工するために次々に用いる少なくとも2ヵ所の領域、特に、少なくとも1ヵ所の荒加工領域及び少なくとも1ヵ所の仕上げ加工領域を有し、上記2ヵ所の領域を用いる機械加工工程、特に、荒加工工程及び仕上げ加工工程が、別々の対角比で実施され、機械加工に用いる領域は、工具の幅方向全体を利用することが好ましく、且つ/又は、少なくとも1ヵ所の領域、特に仕上げ加工領域を修整することが好ましく、両方の領域、特に、上記荒加工領域及び上記仕上げ加工領域の両方を修整する場合には、修整はそれぞれ異なる配向を有し、且つ/又は、上記荒加工領域に対する修整により、ギヤ歯に対して所望の修整が近似的にしか施されない方法。

8.第1から第6の態様のうちいずれか1つにおいて、 上記工具は、上記ワークピースの別々の領域を機械加工するために次々に用いる少なくとも2ヵ所の領域を有し、一方の領域において、他方の領域における対角比とは異なる対角比で機械加工が行われ、上記工具は、修整領域及び非修整領域を有することが好ましく、上記非修整領域における上記対角比を、上記修整領域における対角比よりも小さくして、上記工具の幅を短縮することが好ましく、又は、上記非修整領域における上記対角比を、上記修整領域における対角比よりも大きくして、この領域における上記工具に対する負荷を低減する方法。

9.第1から第8の態様のうちいずれか1つにおいて、 上記工具は、間に非修整領域を配置するとともに上記ワークピースの別々の領域を機械加工するために次々に用いる2ヵ所の修整領域を有し、上記修整領域において別々の対角比で少なくとも加工を行うことにより、上記ワークピースのそれぞれの領域において、別々の修整、特に、配向が別々の修整が施され、上記領域は、上記工具と上記ワークピースとの接触点の経路が、少なくとも1ヵ所の研削位置で上記非修整領域内に完全に位置するように配置されることが好ましい方法。

10.第1から第9の態様のうちいずれか1つに記載された方法を実行するための工具であって、少なくとも1つの修整領域及び1つの非修整領域を有し、上記修整領域の表面形状は、一次関数及び/又は二次関数により、上記工具の第1の方向においては創成パターン内で少なくとも近似的に且つ少なくとも局所的に表され得る修整を包含し、上記一次関数及び/又は上記二次関数の係数は、上記第1の方向に垂直に延びる上記工具の第2の方向においては、係数関数FFtC,1、FFtL,1、及びFFtQ,1のうち少なくとも1つにより形成され、及び/又は、上記修整のピッチ並びに/あるいはクラウニングは、上記工具の回転角度及び/又は上記工具の幅方向位置に応じて変化する工具。

11.第1から第9の態様のうちいずれか1つに記載の方法を実行するためのギヤ製造機であって、 上記ギヤ製造機は、別々の対角比及び/又は可変の対角比を指定し、且つ/又は、求め得る入力関数と、演算関数と、ワークピースの機械加工の枠組み内で上記対角比を変更する制御関数とのうちいずれか1つを有することが好適であるギヤ製造機。

12.第11の態様において、 上記制御関数は、次々に行われる、上記ワークピースの同じ領域を機械加工するために上記工具の対応する他の領域を用いる少なくとも2つの機械加工工程、特に、少なくとも1つの荒加工工程及び少なくとも1つの仕上げ加工工程を実行し、上記機械加工工程、特に上記荒加工工程及び上記仕上げ加工工程は、別々の対角比で行われるギヤ製造機。

13.第11又は12の態様において、 上記制御関数は、機械加工工程の途中で少なくとも1回上記対角比を変更し、且つ/又は、ギヤ歯機械加工の途中でギヤ歯の幅を移動する間に上記対角比を変更し、上記制御関数は、上記ワークピースの別々の領域を機械加工するために別々の対角比で作用することが好ましく、それぞれの領域内で一定の対角比で作用することがさらに好ましく、且つ/又は、上記制御関数は、上記ワークピースの機械加工中に、上記ワークピースの軸方向送り出し及び/又は上記工具の軸方向送り出しに応じて、上記対角比を変更し、上記対角比は、少なくとも上記軸方向送り出しの1ヵ所の領域において、軸方向送り出しの、非定数関数として、必要な場合には連続関数として表されるギヤ製造機。

1.斜め創成法により、具体的には、既出の態様のうちいずれか1つに記載の修整済み工具を用いて、歯付ワークピース、具体的には、修整済みの表面形状を有するワークピースを製造する方法であって、 上記工具は、一定の円錐形状を有し、上記工具の円錐角は、好ましくは1’よりも大きく、より好ましくは30’よりも大きく、さらに好ましくは1°よりも大きく、且つ/又は、上記工具の円錐角は、好ましくは50°よりも小さく、より好ましくは20°よりも小さく、さらに好ましくは10°よりも小さい方法。

2.第1の態様において、 異なる複数の修整、具体的には、配向が互いに異なる複数の修整が、上記ワークピースの左右の歯面に施され、上記左右の歯面上の上記ワークピースのギヤ装置は非対称であり、及び/又は、上記ワークピースの機械加工が2つの歯面に対して行われる方法。

3.第1及び2の態様のうちいずれか1つにおいて、 上記ワークピースは、円柱形又は円錐形の基本形状を有する方法。

4.第1から第3の態様のうちいずれか1つにおいて、 上記工具の円錐角を適切に選択することにより、上記ワークピースの左右の歯面に対して修整の所望の配向を実現する方法。

5.第1から第4の態様のうちいずれか1つにおいて、 上記工具の軸方向送り出しは、上記ワークピースに対する上記工具の送り出し動作に重畳され、重畳された動作は、円錐方向に実施されることが好ましい方法。

6.斜め創成法による、特に研削ウォームによるワークピースのギヤ製造加工工具であって、 上記工具は、円錐形の基本形状を有し、上記工具は、一次関数及び/又は二次関数により、上記工具の第1の方向においては創成パターン内で少なくとも近似的に且つ少なくとも局所的に表され得る表面形状の修整、及び/又は、ピッチ並びに/あるいはクラウニングが上記工具の回転角度及び/又は上記工具の幅方向位置に応じて変化する修整を有し、上記一次関数及び/又は上記二次関数の係数は、上記第1の方向に垂直に延びる上記工具の第2の方向においては、係数関数FFtC,1、FFtL,1、及びFFtQ,1のうち少なくとも1つにより形成され、上記工具の円錐角は、好ましくは1’よりも大きく、より好ましくは30’よりも大きく、さらに好ましくは1°よりも大きく、且つ/又は、上記工具の円錐角は、50°よりも小さく、好ましくは20°よりも小さく、さらに好ましくは10°よりも小さい工具。

7.第1から第5の態様のうちいずれか1つに記載の方法を実行するためのギヤ製造機であって、 上記ギヤ製造機は、上記工具及び/又はワークピースの円錐角と、プロファイル角とのうちのいずれか1つを入力し且つ/又は指定し得る入力関数を有することが好適であり、且つ/又は、上記ギヤ製造機のNC軸を制御して、円錐形の基本形状を有する工具が、機械加工中の斜め創成処理中に上記ワークピース上でロールオフするようにする制御関数を有することが好適であり、上記工具の軸方向送り出しは、上記ワークピースに向けられた上記工具の送り出し動作に重畳されることが好ましく、重畳された動作は、円錐方向に実施されることが好ましく、且つ/又は、上記ギヤ製造機は、上記ギヤ製造機のNC軸を制御して、上記ドレッサが、円錐形の基本形状を有する工具のドレッシング中に、円錐形の基本形状に追従するようにする制御関数を有し、且つ/又は、上記ギヤ製造機は、上記ワークピースの所望の修整の入力をできるようにする入力関数と、修整を施すために必要なドレッシングプロセス中の機械運動的変更、上記工具の円錐角、及び上記工具のプロファイル角のうちのいずれか1つを求める演算関数と、を備え、且つ/又は、上記ギヤ製造機は、上記工具の所望の修整と、円錐角と、プロファイル角と、これらの修整を施すために必要な機械運動的変更とのうちいずれか1つをドレッシングプロセス中に入力し得る入力関数を備え、機械加工プロセス及び/又はドレッシングプロセス中に機械運動を相応に変更する制御関数が与えられることが好ましいギヤ製造機。

・補正されたドレッシング運動によりギヤ装置を創成研削するためのウォームをドレッシングする。この場合、歯形形状又は歯形修整は、4つのロール距離で指定される。 ・ギヤ装置を創成研削するためのウォームをドレッシングする。この場合、歯形形状又は歯形修整は、3つのロール距離で指定され、ドレッサの半径は、ウォームの半径と関連付けられる。 ・補正されたドレッシング運動によりギヤ装置を創成研削するためのウォームをドレッシングする。この場合、歯形形状又は歯形修整は、4つのロール距離で、ウォームの幅全体にわたって可変的に指定されるが、ウォームの幅全体にわたってこれら4つのロール距離を可変的に選択してもよい。 ・ギヤ装置を創成研削するためのウォームをドレッシングする。この場合、歯形形状又は歯形修整は、3つのロール距離でウォームの幅全体にわたって可変的に指定され、ドレッサの半径は、ウォームの半径と関連付けられるが、ウォームの幅全体にわたってこれら3つのロール距離を可変的に選択し、及び/又は、ウォームの幅全体にわたって、ドレッサの半径の、ウォームの半径との関連付けを可変的に選択してもよい。 ・先に述べた方法のうち1つに記載のドレッシングにおいて、ウォームにおけるドレッシングされる対象の領域が、具体的に指定される。 ・ウォームを、荒加工領域及び/又は仕上げ加工領域として用い得る複数の修整領域又は非修整領域に分割し、具体的には、荒加工領域は、仕上げ加工領域同士の間に配置され得る。 ・インボリュートウォームに対する歯形クラウニングの特殊ケースにおいて、必要な場合には、相対的なプロファイル伸長(profilestretching)を考慮しながら、具体的には、ドレッサの可変的に配置された歯形修整と組み合わせて、式(23)に従って非常に良好に近似させる。 ・具体的には、ギヤ製造機における歯形を前もって測定することによる、歯形修整(具体的には、歯形クラウニング)の補正。 ・例えば、曲線適合(具体的には、指定可能な重み付け)を用いて、所望の修整(位相修整又は歯形のみの修整)に近似させる。 ・円錐形ウォームに対しても該方法を用いる。 ・修整なしでも、円錐形ウォーム全般をドレッシングする。 ・小さいウォーム径及び/又は多くの条数により、望ましくない歯形誤差を補正する。 ・円柱形及び円錐形インボリュートウォームのプロファイル角に適合してもしなくても、小さいウォーム径及び/又は多くの条数により、望ましくない歯形クラウニングを補正する。 ・複数の行程でドレッシングして、1回の行程につき、歯たけの一部のみがドレッシングされ、これらの領域のそれぞれで本発明を利用し得るようにする。この場合、以下の選択肢がある。 ウォームの全体幅にわたって1回の行程でドレッシングされる領域を変位させることにより、位相修整を施す 1回の行程毎にドレッシングされる各領域において、ウォームの幅全体にわたって修整を変更する ウォーム上の異なる複数の領域に対してドレッサ上の異なる複数の領域を利用する。この場合、ドレッサ上の個々の領域は、それぞれ異なる修整を有し得る 1つ以上のドレッサを用いる。この場合、異なる複数のドレッサは、異なる複数の修整及び/又は形状を有し得る ・以下の目的で用いられる演算ユニット/ソフトウェア 与えられた複数の幾何学的ドレッササイズ及び複数のウォームサイズの集合に対して施され得る全ての歯形修整、具体的には、施され得る最大/最小歯形クラウニングについて3点法及び4点法のf

iFsを計算すること ある与えられた歯形修整(具体的には、歯形修整のため3点法及び4点法について与えられたf

iFs)から適切な幾何学値を計算すること 最後の2点を位相修整に転用すること データベースから適切なウォーム及び/又はドレッサを選択すること ・ネジ山が省略されたウォームを用いる。 ・上記幾何学値を計算する際に、軸の偏差によってもたらされた歯形の誤差を考慮する。 ・移動装置における座標B

1…B

NSに対する適切な解を選択する。これらの解は、具体的には、 軸の偏差によってもたらされる歯形誤差を最小にし、及び/又は、 ウォーム並びに/あるいはドレッサとの衝突、及び/又は、機械部品同士の衝突を引き起こさない ように最適化された、座標B

1…B

NSについての明確ではない解となる。 ・歯形/位相修整における誤差から、軸の偏差を計算する。 ・歯形修整及び位相修整にプロファイル伸長を具体的に利用する。 適切なウォーム形状及びドレッサ形状を選択する ウォームが小さくなるときに、ウォーム形状を適合させる(具体的には、プロファイル角を適合させる)。

・式(25)に従った修整をギヤ歯に施すための斜め創成法では、式(25)に従った修整を有する工具を用いてギヤ歯を機械加工する。機械加工は、ギヤ付工具と、連続創成ギヤ列の運動とを利用する方法、例えば、以下のうち1つを用いて行われ得る。 創成研削 ホブ切り スカイビングホブ切り シェービング 内部及び外部ホーニング ・この方法は、1つの歯面にも、2つの歯面にも使用できる。 ・工具及びワークピースは、円錐形でも、円柱形でもよい。 ・方向ρ

F及び形状F

FtC(X

F),F

FtL(X

F),F

FtQ(X

F)は、両方の歯面について自由に指定できる。 ・特に特別な保護の価値がある応用例 単歯面ドレッシング又は両歯面ドレッシングによる、自由に選択可能な対角比での所望のいずれかの方向に沿ったクラウニング 複数のクラウニングの重畳、必要な場合には、本明細書に記載された方法を用いて施し得る、所望の何らかの形状を有する有向修整の、例えば、単歯面ドレッシング又は両歯面ドレッシングによるエンドリリーフ又は三角エンドリリーフとの重畳 ・創成研削中に、ドレッシング可能な工具及びドレッシング不可能な工具が使用できる。ドレッシングは、1つの歯面、具体的なケースでは2つの歯面に対しても行われ得る。歯形全体にわたって又は複数の行程で線接触する歯形ローラドレッサを用いるか、又は、外形ドレッシングを行う。 ・外形ドレッシング又はドレッシング不可能な工具を用いる場合、ρ

Fによって表されるコンスタント修整の方向を、工具の製造方法に応じて自由に選択できる。 ・荒加工領域及び仕上げ加工領域への工具の分割において、荒加工領域を修整しても修整しなくてもよい。 ・例えば、工具に対する負荷又は工具の分割を最適化するために、荒加工中には、近似的にしかギヤ装置に対する修整を施さない。 ・工具の分割を最適化するために、近似的にしかギヤ装置に対する修整を施さない。修整とは関係なく対角比を設定する。ギヤ幅とウォームの「対角領域」との間の直接の依存関係が本明細書に前述されている。この方法でしか、ワークピースの幅全体にわたる異なる対角線を想定できない。 ・歯形のみの修整、及び/又は、補正機械加工運動の修整(式(100))により、式(25)に従ってギヤ装置に対して修整の重畳を行う。 ・例えば、曲線適合により、F

FtC,F

FtL,F

FtQ,及びρ

Fを正確に又は近似的に解き、求める。 ・例えば、曲線適合により、F

FtC,F

FtL,F

FtQ,及びρ

Fと、f

PFtと、F

KFtとのうち少なくとも1つを正確に又は近似的に解き、求める。 ・科学技術的側面を考慮しながら、例えば、曲線適合により、F

FtC,F

FtL,F

FtQ,及びρ

Fと、f

PFtと、F

KFtとのうち少なくとも1つを正確に又は近似的に解き、求める。 ・修整領域及び非修整領域への歯面の分割において、修整領域に対する修整を、別々のρ

Fによって表し得る。機械加工中に別々の対角比を設定する。 ・工具のマクロ形状、特に、条数、基礎らせん角度、基礎円半径、外径(円錐形工具の場合、定義されたz位置までの外径)、及び/又は円錐角を選択して、 本明細書に記載の方法に従って計算された対角比が、所定の値を採るか、又は、所定の範囲にあるようにし、且つ/又は 本明細書に記載の方法に従って計算された加工領域が、所定の値を採るか、又は、所定の範囲にあるようにする。 ・工具のマクロ形状、特に、ドレッサの条数、基礎らせん角度、基礎円半径、外径(円錐形工具の場合、定義されたz位置までの外径)、及び/又は円錐角を選択して、 ドレッシング中に、接触線に沿った必要なクラウニングを実現し、 両歯面ドレッシングで、ウォームの幅全体にわたって左右の歯面に必要な線形部分を実現し得るようにする。

<可変の対角比に特有な点> ・ウォーム上の直線を、ワークピース上の具体的に指定された経路に対してマッピングして、修整が、ワークピース上のこの経路に沿って二次多項式により少なくとも近似的に表されるようにする、一定でない対角比による創成研削 ・片側又は両側の経路の変位に影響を及ぼす、適切なウォーム形状、特に円錐角、プロファイル角、及び適切な研削運動、特に軸交差角の選択 ・機械加工中に、FZV1,FFt1C,FFt1L,FFt1Q,fPFt,FKFtと、ウォームのマクロ形状、特に、軸交差角並びに円錐角及びプロファイル角を求めることにより、できる限りうまく修整に近似させる曲線適合 ・異なるXF1の場合、特に、円錐ギヤ歯の場合、可能な経路と、これらの変位/展開を計算するソフトウェア。なぜなら、この後、このソフトウェアは重要になるからである。この展開は、円筒ギヤ歯の場合の変位に過ぎない。円錐形ウォームにより研削が行われる場合、変位が行われる方向を計算しなければならない。 ・2つの歯面の研削中に可能な経路を計算するソフトウェア。この場合、一方の歯面上の経路は、他方の歯面上の経路に影響を及ぼす。

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